WO2022049632A1 - 交換装置、交換システム及びモバイルバッテリ - Google Patents

Abstract

ユーザの満足度を高めることができるモバイルバッテリを貸出できる交換装置を提供する。複数のモバイルバッテリ（１２）を収容し、モバイルバッテリ（１２）が返却された場合に、収容されているモバイルバッテリ（１２）を貸出する交換装置（２０）であって、返却されたモバイルバッテリ（１２）の使用状態を取得する返却処理部（４６）と、使用状態に基づいて、交換装置（２０）に収容されている複数のモバイルバッテリ（１２）に対して、貸出可能なモバイルバッテリ（１２）の有無を判定する貸出処理部（４４）と、を有する。

Description

交換装置、交換システム及びモバイルバッテリ

　本発明は、複数のモバイルバッテリを収容し、モバイルバッテリが返却された場合に、収容されているモバイルバッテリを貸出する交換装置、モバイルバッテリ及び交換装置を備える交換システム、並びに、交換装置において充電されて、ユーザに貸出されるモバイルバッテリに関する。

　特開２０１７－１２０４７５号公報には、使用済みのモバイルバッテリがセットされると、充電済みのモバイルバッテリが排出される自動交換装置が開示されている。

　自動交換装置から排出された充電済みのモバイルバッテリが満充電されていたとしても、劣化度に応じてモバイルバッテリの性能が異なるため、排出された充電済みのモバイルバッテリの性能によっては、ユーザは満足度を十分に得ることができないおそれがある。

　本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、ユーザの満足度を高めることができるモバイルバッテリを貸出できる交換装置、及び、交換システム、並びに、ユーザの満足度を高めることができるモバイルバッテリを提供することを目的とする。

　本発明の第１態様は、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置であって、返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部と、前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部と、を有する。

　本発明の第２態様は、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置であって、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得する返却処理部と、前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部と、を有する。

　本発明の第３態様は、複数のモバイルバッテリと、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置と、を備える交換システムであって、前記交換装置は、返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部と、前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部と、を有する。

　本発明の第４態様は、複数のモバイルバッテリと、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置と、を備える交換システムであって、前記モバイルバッテリは、前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を記憶する記憶部を有し、前記交換装置は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得する返却処理部と、前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部と、を有する。

　本発明の第５態様は、交換装置において充電されて、ユーザに貸出されるモバイルバッテリであって、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度を示す情報が記憶される記憶部を有する。

　本発明により、ユーザの満足度を高めることができる。

モバイルバッテリ貸出サービスの概要を示す図である。 モバイルバッテリの種別と、モバイルバッテリの劣化度の範囲、及び、サービス利用料金との対応の例を示す表である。 交換装置の模式図である。 交換システムのブロック図である。 モバイルバッテリを示す図である。 交換装置で行われる貸出返却処理の流れを示すフローチャートである。 交換装置で行われる貸出返却処理の流れを示すフローチャートである。 交換装置で行われる貸出返却処理の流れを示すフローチャートである。 交換装置で行われる貸出返却処理の流れを示すフローチャートである。 図１０Ａ～図１０Ｃは、貸出返却処理の流れの説明に用いる具体例を示す図である。

　〔第１実施形態〕
　［モバイルバッテリ貸出サービスの概要］
　図１は本実施形態のモバイルバッテリ貸出サービスの概要を示す図である。本実施形態では、モバイルバッテリ貸出サービスとして、主に、ユーザ１０へのモバイルバッテリ１２の貸出サービス、及び、使用済みのモバイルバッテリ１２の充電サービスが提供される。モバイルバッテリ１２は、例えば、乗用芝刈り機、背負い式ブロア等の種類の機器に搭載される。

　モバイルバッテリ貸出サービスの利用を希望するユーザ１０は、サービス提供会社１４とサービス利用契約を結ぶ。サービス利用契約には、少なくとも貸出するモバイルバッテリ１２の種別、モバイルバッテリ１２を貸出する個数、及び、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間に関する契約項目が含まれている。ユーザ１０は、サービス提供会社１４とサービス利用契約を結ぶと、各契約項目の情報（以下、契約情報）が書き込まれたＩＣチップ１６が内蔵されたＩＤカード１８が貸与される。

　モバイルバッテリ１２の劣化度は所定の範囲で複数に区分され、モバイルバッテリ１２の種別は、区分されたモバイルバッテリ１２の劣化度の範囲毎に設定される。モバイルバッテリ１２の種別に応じて、月々のサービス利用料金が設定される。図２は、モバイルバッテリ１２の種別と、モバイルバッテリ１２の劣化度の範囲、及び、サービス利用料金との対応の例を示す表である。本実施形態では、劣化度として、モバイルバッテリ１２の劣化度を示す指標の１つであるState Of Health（以下ＳＯＨと記載する）が用いられている。ＳＯＨは、新品のモバイルバッテリ１２の満充電時の供給可能電力量を１００％としたときの、現在のモバイルバッテリ１２の満充電時の供給可能電力量の割合で示される。すなわち、ＳＯＨが高いほど劣化度は低いこととなる。ＳＯＨに代えて、モバイルバッテリ１２の充電回数、放電回数等の劣化度を示す他の指標が用いられてもよい。充電回数が少ないほど劣化度は低く、放電回数が少ないほど劣化度は低くなる。

　本実施形態では、図２に示すように、種別Ａは８０％以上且つ１００％以下のＳＯＨの範囲に設定され、種別Ｂは６０％以上且つ８０％未満のＳＯＨの範囲に設定され、種別Ｃは４０％以上且つ６０％未満のＳＯＨの範囲に設定される。本実施形態では、図２に示すように、種別Ａのモバイルバッテリ１２の月々のサービス利用料金は８，０００円に設定され、種別Ｂのモバイルバッテリ１２の月々のサービス料金は６，０００円に設定され、種別Ｃのモバイルバッテリ１２の月々のサービス料金は４，０００円に設定される。

　交換装置２０は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の返却を受け付け、返却されたモバイルバッテリ１２を充電し、充電済みのモバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出する。交換装置２０は、市中の鉄道駅、コンビニエンスストア、電気製品販売店等に設置されている。

　［交換装置の構成］
　図３は、交換装置２０の模式図である。交換装置２０は、８つのスロット２２を有している。各スロット２２の開口部には扉２４が設けられている。各スロット２２は、１つのモバイルバッテリ１２を収容することが可能である。モバイルバッテリ１２は、スロット２２に収容されている間に充電が行われる。

　モバイルバッテリ１２が収容されているスロット２２の扉２４が開くことで、ユーザ１０はスロット２２からモバイルバッテリ１２を引き出すことが可能となり、モバイルバッテリ１２の貸出が行われる。モバイルバッテリ１２が収容されていないスロット２２の扉２４が開くことで、ユーザ１０はスロット２２にモバイルバッテリ１２を投入することが可能となり、モバイルバッテリ１２の返却が行われる。

　交換装置２０は、表示部２６及び入力部２８を有している。表示部２６は、モバイルバッテリ１２の貸出及び返却に関する情報を、文字及び画像等により表示する。入力部２８は、キーボード、テンキー等の入力デバイスがユーザ１０によって操作されることにより情報が入力される。入力部２８は、ユーザ１０に貸与されているＩＤカード１８のＩＣチップ１６から情報を取得することもできる。

　［交換システムの構成］
　図４は、交換システム３０のブロック図である。交換システム３０は、モバイルバッテリ１２及び交換装置２０を有している。

　モバイルバッテリ１２は、記憶部３２、使用状態監視部３４、表示制御部３６及び表示部３８を有している。記憶部３２は、モバイルバッテリ１２に関する情報が記憶される。

　使用状態監視部３４は、モバイルバッテリ１２が搭載された機器の種類を監視し、記憶部３２に種類の情報を書き込む。使用状態監視部３４は、モバイルバッテリ１２が搭載された機器の使用電力量を監視し、記憶部３２に使用電力量を書き込む。記憶部３２に書き込まれたモバイルバッテリ１２が搭載された機器の種類の情報、及び、モバイルバッテリ１２が搭載された機器の使用電力量は、モバイルバッテリ１２の劣化度情報に対応付けられて、記憶部３２に記憶される。

　モバイルバッテリ１２に関する情報とは、例えば、ユーザ１０にモバイルバッテリ１２が貸出されるときのモバイルバッテリ１２の劣化度の情報（以下、劣化度情報）である。使用電力量とは、例えば、モバイルバッテリ１２が搭載された機器において、電源がＯＦＦからＯＮとなってから電源がＯＮからＯＦＦとなるまでを１回としたときに、１回当たりのモバイルバッテリ１２の放電電力量の平均である。また、使用電力量とは、例えば、モバイルバッテリ１２が、交換装置２０からユーザ１０に貸出されてから、ユーザ１０から交換装置２０に返却されるまでの間におけるモバイルバッテリ１２の放電電力量であってもよい。

　表示制御部３６は、表示部３８を制御する。表示部３８には、例えば、モバイルバッテリ１２の劣化度（ＳＯＨ）が表示される。表示部３８には、例えば、モバイルバッテリ１２の種別が表示される。ユーザ１０は、表示部３８に表示された劣化度（ＳＯＨ）又は種別に基づいて、モバイルバッテリ１２を搭載可能な機器を選択することができる。

　モバイルバッテリ１２は、図示しないマイクロコントローラを有する。記憶部３２は、例えば、マイクロコントローラのメモリである。使用状態監視部３４及び表示制御部３６は、例えば、マイクロコントローラのメモリに格納されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより実現される。記憶部３２、使用状態監視部３４及び表示制御部３６は、マイクロコントローラに限らず、プログラムを実行するプロセッサ、及び、プログラムの他、各種データを記憶できる非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体を有するものであればよい。表示部３８は、例えば、液晶ディスプレイであって、表示制御部３６により制御されて文字等を表示する。図５は、モバイルバッテリ１２を示す図である。表示部３８は、モバイルバッテリ１２の筐体４０に埋め込まれている。

　交換装置２０は、前述のスロット２２、表示部２６、入力部２８の他に、入力処理部４２、貸出処理部４４、返却処理部４６及び表示制御部４８を有している。

　入力処理部４２は、入力部２８に入力された情報を処理して、貸出処理部４４、返却処理部４６及び表示制御部４８に出力する。貸出処理部４４は、ユーザ１０へのモバイルバッテリ１２の貸出に関する処理を行う。返却処理部４６は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の返却に関する処理を行う。

　交換装置２０は、図示しない演算処理装置及びストレージを備えるコンピュータを有する。演算処理装置は、例えば、中央処理装置（ＣＰＵ）、マイクロプロセッシングユニット（ＭＰＵ）等のプロセッサ、及び、ＲＯＭやＲＡＭ等の非一時的又は一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体からなるメモリを有している。ストレージは、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）等の非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体である。入力処理部４２、貸出処理部４４、返却処理部４６及び表示制御部４８は、ストレージに記憶されたプログラムを演算処理装置が実行することにより実現される。

　［貸出返却処理］
　図６～図９は、交換装置２０で行われる貸出返却処理の流れを示すフローチャートである。貸出返却処理は、ユーザ１０により、入力部２８にＩＤカード１８がかざされる度に実行される。

　ステップＳ１において、入力処理部４２は、入力部２８にかざされたＩＤカード１８のＩＣチップ１６から契約情報と貸出情報を取得して、ステップＳ２へ移行する。貸出情報とは、このＩＤカード１８が貸与されているユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２の種別毎の個数、及び、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間の情報である。入力処理部４２は、入力部２８にかざされたＩＤカード１８のＩＣチップ１６から契約情報と貸出情報を取得することに代えて、ユーザ１０が入力部２８を操作することにより入力された契約情報及び貸出情報の一方又は両方を取得するようにしてもよい。

　ステップＳ２において、入力処理部４２は、契約が有効であるか否かを判定して、ステップＳ３へ移行する。契約が有効である場合にはステップＳ４へ移行し、契約が無効である場合にはステップＳ３へ移行する。契約が無効であるとは、例えば、貸出返却処理が実行されている日にちが、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間の前又は後であることを示す。ステップＳ１において契約情報が取得されない場合にも、契約が無効であると判定してもよい。

　ステップＳ３において、入力処理部４２は、表示制御部４８を介して表示部２６にエラーを表示させて、貸出返却処理を終了する。表示部２６には、エラーの表示として、例えば、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間前である旨、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間が切れている旨、契約情報が取得できない旨等を示すメッセージ、画像等が表示される。

　ステップＳ４において、入力処理部４２は、表示制御部４８を介して表示部２６に契約情報を表示させて、ステップＳ５へ移行する。

　ステップＳ５において、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２がある場合にはステップＳ６へ移行し、ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２がない場合にはステップＳ２３へ移行する。ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２がある状態とは、サービス利用契約におけるモバイルバッテリ１２の個数よりも、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２の個数が少ない状態を示す。例えば、ユーザ１０とのサービス利用契約のモバイルバッテリ１２の個数が２個である場合に、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２の個数が１個である場合には、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２があると判定する。

　ステップＳ６において、入力処理部４２は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の貸出要求があるか否かを判定する。貸出要求がある場合にはステップＳ７へ移行し、貸出要求がない場合にはステップＳ２１に移行する。ユーザ１０が入力部２８を操作することにより、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の貸出要求が入力される。

　ステップＳ７において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２の中から、ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２に対応する種別のモバイルバッテリ１２であって、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２を選択して、ステップＳ８へ移行する。

　ステップＳ８において、貸出処理部４４は、ステップＳ７で選択されたモバイルバッテリ１２の記憶部３２に、現在のモバイルバッテリ１２の劣化度情報を書き込んで、ステップＳ９へ移行する。これにより、記憶部３２には、モバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出されるときのモバイルバッテリ１２の劣化度情報が記憶される。

　ステップＳ９において、貸出処理部４４は、ＩＤカード１８のＩＣチップ１６に貸出情報を書き込んで、ステップＳ１０へ移行する。ステップＳ９では、貸出情報のうち、ステップＳ７で選択されたモバイルバッテリ１２に対応する種別の個数が１個追加される。

　ステップＳ１０において、貸出処理部４４は、ステップＳ７で選択されたモバイルバッテリ１２が収容されているスロット２２の扉２４を開いて、ユーザ１０にモバイルバッテリ１２を貸出して、ステップＳ５に戻る。

　ステップＳ２１において、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２がある場合にはステップＳ２２へ移行し、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２がない場合には貸出返却処理を終了する。

　ステップＳ２２において、入力処理部４２は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の交換要求があるか否かを判定する。交換要求がある場合にはステップＳ２３へ移行し、貸出要求がない場合には貸出返却処理を終了する。ユーザ１０が入力部２８を操作することにより、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の交換要求が入力される。

　ステップＳ２３において、返却処理部４６は、交換装置２０の空いているスロット２２の扉２４を開いて、ステップＳ２４へ移行する。

　ステップＳ２４において、返却処理部４６は、スロット２２にモバイルバッテリ１２が投入されたか否かを判定する。スロット２２にモバイルバッテリ１２が投入された場合にはステップＳ２６へ移行し、スロット２２にモバイルバッテリ１２が投入されない場合にはステップＳ２５へ移行する。スロット２２にモバイルバッテリ１２が投入されたか否かの判定は、スロット２２の扉２４が開いて、所定時間後に行われる。

　ステップＳ２５において、返却処理部４６は、表示制御部４８を介して表示部２６にエラーを表示させて、貸出返却処理を終了する。表示部２６には、エラーの表示として、例えば、所定時間モバイルバッテリ１２が投入されないため、返却処理を中止する旨を示すメッセージ、画像等が表示される。

　ステップＳ２６において、返却処理部４６は、モバイルバッテリ１２の記憶部３２から劣化度情報を取得して、ステップＳ２７へ移行する。劣化度情報は、返却されたモバイルバッテリ１２の貸出時に、貸出処理部４４が、モバイルバッテリ１２の記憶部３２に書き込んだ劣化度情報である。

　ステップＳ２７において、返却処理部４６は、劣化度情報を取得できたか否かを判定する。劣化度情報を取得できた場合にはステップＳ３０へ移行し、劣化度情報を取得できなかった場合にはステップＳ２８へ移行する。

　サービス提供会社１４から貸出されるモバイルバッテリ１２は市中で販売されているものである。そのため、市中で購入されたモバイルバッテリ１２、又は、他のサービス提供会社から貸出されたモバイルバッテリ１２であっても、サービス提供会社１４から貸出されるモバイルバッテリ１２の形状と同じものがある。よって、市中で購入されたモバイルバッテリ１２、又は、他のサービス提供会社から貸出されたモバイルバッテリ１２であっても、スロット２２に投入することが可能な場合がある。

　モバイルバッテリ１２の貸出時に、貸出処理部４４がモバイルバッテリ１２の記憶部３２に書き込む劣化度情報の形式は、サービス提供会社１４の独自の形式である。そのため、返却処理部４６が劣化度情報を取得できた場合には、スロット２２に投入されたモバイルバッテリ１２は、サービス提供会社１４が貸出しているモバイルバッテリ１２であると判断できる。一方、返却処理部４６が劣化度情報を取得できなかった場合には、スロット２２に投入されたモバイルバッテリ１２は、サービス提供会社１４が貸出しているモバイルバッテリ１２ではないと判断できる。

　ステップＳ２８において、返却処理部４６は、表示制御部４８を介して表示部２６にエラーを表示させて、ステップＳ２９へ移行する。表示部２６には、エラーの表示として、例えば、スロット２２に投入されたモバイルバッテリ１２が、サービス提供会社１４が貸出したモバイルバッテリ１２ではない旨を示すメッセージ、画像等が表示される。

　ステップＳ２９において、返却処理部４６は、モバイルバッテリ１２が投入されたスロット２２の扉２４を開いて、モバイルバッテリ１２を排出して、貸出返却処理を終了する。

　ステップＳ３０において、返却処理部４６は、取得した劣化度情報に基づいて、モバイルバッテリ１２の種別を判断して、ステップＳ４１へ移行する。取得された劣化度情報が、８０％以上且つ１００％以下のＳＯＨの範囲である場合には種別Ａと判断でき、６０％以上且つ８０％未満のＳＯＨの範囲である場合には種別Ｂと判断でき、４０％以上且つ６０％未満のＳＯＨの範囲である場合には種別Ｃと判断できる。

　ステップＳ４１において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２の個数を判定する。ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２の個数が、１個である場合にはステップＳ４２に移行し、０個である場合にはステップＳ４５に移行し、２個以上である場合にはステップＳ６１へ移行する。

　ステップＳ４２において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２であって、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２を選択する。そして、貸出処理部４４は、選択したモバイルバッテリ１２の記憶部３２に、現在のモバイルバッテリ１２の劣化度情報を書き込んで、ステップＳ４３へ移行する。

　ステップＳ４３において、貸出処理部４４は、ＩＤカード１８のＩＣチップ１６に貸出情報を書き込んで、ステップＳ４４へ移行する。ステップＳ４３では、貸出情報のうち、ステップＳ３０で判断された種別の個数が１個追加される。

　ステップＳ４４において、貸出処理部４４は、ステップＳ４２で選択されたモバイルバッテリ１２が収容されているスロット２２の扉２４を開いて、ユーザ１０にモバイルバッテリ１２を貸出して、貸出返却処理を終了する。

　ステップＳ４５において、入力処理部４２は、充電中のモバイルバッテリ１２に対して貸出要求があるか否かを判定する。貸出要求がある場合にはステップＳ４７へ移行し、貸出要求がない場合にはステップＳ４６へ移行する。ユーザ１０が入力部２８を操作することにより、ユーザ１０からの充電中のモバイルバッテリ１２の貸出要求が入力される。

　ステップＳ４６において、貸出処理部４４は、ＩＤカード１８のＩＣチップ１６に貸出情報を書き込んで、貸出返却処理を終了する。ステップＳ４６では、貸出情報のうち、ステップＳ３０で判断された種別の個数が１個削減される。

　ステップＳ４７において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電中のモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２であって、充電電力量（供給可能電力量）が最大のモバイルバッテリ１２を選択して、ステップＳ４８へ移行する。

　ステップＳ４８において、貸出処理部４４は、ステップＳ４７で選択されたモバイルバッテリ１２の記憶部３２に、現在のモバイルバッテリ１２の劣化度情報を書き込んで、ステップＳ４９へ移行する。

　ステップＳ４９において、貸出処理部４４は、ＩＤカード１８のＩＣチップ１６に貸出情報を書き込んで、ステップＳ５０へ移行する。ステップＳ４９では、貸出情報のうち、ステップＳ４７で選択されたモバイルバッテリ１２に対応する種別の個数が１個追加される。

　ステップＳ５０において、貸出処理部４４は、ステップＳ４７で選択されたモバイルバッテリ１２が収容されているスロット２２の扉２４を開いて、ユーザ１０にモバイルバッテリ１２を貸出して、貸出返却処理を終了する。

　ステップＳ６１において、返却処理部４６は、モバイルバッテリ１２の記憶部３２から使用電力量の情報を取得して、ステップＳ６２へ移行する。

　ステップＳ６２において、返却処理部４６は、使用電力量の情報を取得できたか否かを判定する。使用電力量の情報を取得できた場合にはステップＳ６４へ移行し、使用電力量の情報を取得できなかった場合にはステップＳ６３へ移行する。

　ステップＳ６３において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に対応するモバイルバッテリ１２であって、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２を選択して、ステップＳ６８へ移行する。

　ステップＳ６４において、返却処理部４６は、契約の見直しが必要であるか否かを判定する。契約の見直しが必要である場合にはステップＳ６５へ移行し、契約の見直しが必要でない場合にステップＳ６６へ移行する。

　契約の見直しが必要であるか否かの判定は、返却されたモバイルバッテリ１２の使用電力量から求めたState Of Charge（以下、ＳＯＣと記載）の変化量に応じて行われる。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ａであった場合には、ＳＯＣの変化量が小さい（例えば２０％以下である）ときに契約の見直しが必要であると判定する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ｂであった場合には、ＳＯＣの変化量が小さい（例えば２０％以下）、又は、大きい（例えば８０％以上）であるときに契約の見直しが必要であると判定する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ｃであった場合には、ＳＯＣの変化量が大きい（例えば８０％以上である）ときに契約の見直しが必要であると判定する。

　ステップＳ６５において、返却処理部４６は、表示制御部４８を介して表示部２６に推奨する種別を表示させて、ステップＳ６６へ移行する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ａであって、ＳＯＣの変化量が小さい（例えば２０％以下である）場合には、推奨する種別として種別Ｂを選択する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ｂであって、ＳＯＣの変化量が小さい（例えば２０％以下である）場合には、推奨する種別として種別Ｃを選択する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ｂであって、ＳＯＣの変化量が大きい（例えば８０％以上である）場合には、推奨する種別として種別Ａを選択する。返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２が種別Ｃであって、ＳＯＣの変化量が大きい（例えば８０％以上である）場合には、推奨する種別として種別Ｂを選択する。表示部２６には、選択された種別を推奨する旨を示すメッセージ、画像等が表示される。

　ステップＳ６６において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２であって、最適な劣化度のモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。最適な劣化度のモバイルバッテリ１２がある場合にはステップＳ６７へ移行し、最適な劣化度のモバイルバッテリ１２がない場合にはステップＳ６３へ移行する。

　最適な劣化度は、返却されたモバイルバッテリ１２の使用電力量から求めたＳＯＣの変化量に応じて設定される。返却されたモバイルバッテリ１２のＳＯＣの変化量が大きい（例えば６０％より大きく且つ１００％以下である）場合には、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に対応するモバイルバッテリ１２であって、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２の劣化度が最適な劣化度として設定される。返却されたモバイルバッテリ１２のＳＯＣの変化量が小さい（例えば０％以上であって且つ６０％以下である）場合には、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に対応するモバイルバッテリ１２であって、２番目に劣化度が低い（２番目にＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２の劣化度が最適な劣化度として設定される。

　ステップＳ６７において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に対応するモバイルバッテリ１２であって、ステップＳ６６で設定された最適な劣化度のモバイルバッテリ１２を選択して、ステップＳ６８へ移行する。

　ステップＳ６８において、貸出処理部４４は、ステップＳ６３又はステップＳ６７で選択されたモバイルバッテリ１２の記憶部３２に、現在のモバイルバッテリ１２の劣化度情報を書き込んで、ステップＳ６９へ移行する。

　ステップＳ６９において、貸出処理部４４は、ＩＤカード１８のＩＣチップ１６に貸出情報を書き込んで、ステップＳ７０へ移行する。ステップＳ６９では、貸出情報として、ステップＳ６３又はステップＳ６７で選択されたモバイルバッテリ１２の種別の個数が１個追加される。

　ステップＳ７０において、貸出処理部４４は、ステップＳ６３又はステップＳ６７で選択されたモバイルバッテリ１２が収容されているスロット２２の扉２４を開いて、ユーザ１０にモバイルバッテリ１２を貸出して、ステップＳ２１へ戻る。

　［貸出返却処理の具体例］
　貸出返却処理の流れについて、具体例を用いて説明する。図１０Ａ～図１０Ｃは、貸出返却処理の流れの説明に用いる具体例を示す図である。

　図１０Ａは、モバイルバッテリ貸出サービスの利用を希望するユーザ１０が、サービス提供会社１４と結んだサービス利用契約の契約情報を示す。図１０Ａに示すように、ユーザ１０は、種別Ａのモバイルバッテリ１２を１個、種別Ｂのモバイルバッテリ１２を１個、それぞれ２０２０年７月１日から２０２０年１２月３１日までの６か月利用するサービス利用契約をサービス提供会社１４と結んでいる。

　ここで、ユーザ１０には、種別ＡのＳＯＨ１００％のモバイルバッテリ１２が１個、種別ＢのＳＯＨ８０％のモバイルバッテリ１２が１個、既に貸出されているとする。図１０Ｂは、ユーザ１０に貸出されているモバイルバッテリ１２の使用状態を示す。図１０Ｂに示すように、ユーザ１０は、ＳＯＨ１００％のモバイルバッテリ１２を乗用芝刈り機で使用した。そのときの使用電力量は１ｋｗｈであり、ＳＯＣの変化量は８０％であった。また、ユーザ１０は、ＳＯＨ８０％のモバイルバッテリ１２を背負い式ブロアで使用した。そのときの使用電力量は２５０ｗｈであり、ＳＯＣの変化量は４０％であった。

　図１０Ｃは、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２の情報を示す。交換装置２０には、種別Ａである９０％と８５％のモバイルバッテリ１２がそれぞれ１個収容されている。交換装置２０には、種別Ｂである８０％、７０％と６２％のモバイルバッテリ１２がそれぞれ１個収容されている。交換装置２０には、種別Ｃである５５％のモバイルバッテリ１２が１個収容されている。

　乗用芝刈り機で使用されたモバイルバッテリ１２と、背負い式ブロアで使用されたモバイルバッテリ１２を、充電済みのモバイルバッテリ１２と交換するために、２０２０年８月３日にユーザ１０が交換装置２０のある場所に来たとする。ユーザ１０が、入力部２８にＩＤカード１８をかざすと、交換装置２０では貸出返却処理が実行される。

　貸出返却処理が実行されるとステップＳ１→ステップＳ２と進む。ステップＳ２において、入力処理部４２は、契約が有効であるか否かを判定する。２０２０年８月３日は、モバイルバッテリ貸出サービスの利用期間中であり、契約が有効であるため、ステップＳ２→ステップＳ４→ステップＳ５と進む。

　ステップＳ５において、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出していないモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。ユーザ１０には、既に２個のモバイルバッテリ１２が貸出されているため、ステップＳ５→ステップＳ２３と進む。

　ステップＳ２３において、返却処理部４６が交換装置２０の空いているスロット２２の扉２４を開き、ユーザ１０がスロット２２に劣化度情報としてＳＯＨ１００％（モバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度）と書き込まれているモバイルバッテリ１２を投入したとする。

　その後、ステップＳ２３→ステップＳ２４→ステップＳ２６→ステップＳ２７→ステップＳ３０と進み、ステップＳ３０において、返却処理部４６は、取得した劣化度情報に基づいて、モバイルバッテリ１２の種別を判断する。投入されたモバイルバッテリ１２の劣化度情報がＳＯＨ１００％であるため、投入されたモバイルバッテリ１２は種別Ａと判断される。

　ステップＳ３０→ステップＳ４１と進み、ステップＳ４１において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２の個数を判定する。図１０Ｃに示すように、種別Ａに該当する充電済みのモバイルバッテリ１２は２個あるため、ステップＳ４１→ステップＳ６１→ステップＳ６２→ステップＳ６４と進む。

　ステップＳ６４において、返却処理部４６は、契約の見直しが必要であるか否かを判定する。返却されたモバイルバッテリ１２は、種別Ａであり、ＳＯＣの変化量は８０％であるため、契約の見直しは不要と判断され、ステップＳ６４→ステップＳ６６と進む。

　ステップＳ６６において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２であって、最適な劣化度のモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。返却されたモバイルバッテリ１２は種別Ａであり、ＳＯＣの変化量は８０％であるため、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２の劣化度（ＳＯＨ９０％）が最適な劣化度として設定される。

　続くステップＳ６７において、設定されたＳＯＨ９０％のモバイルバッテリ１２が選択される。その後、ステップＳ６８→ステップＳ６９→ステップＳ７０と進み、ステップＳ７０において、選択されたＳＯＨ９０％のモバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出される。

　ステップＳ７０→ステップＳ２１と進み、ステップＳ２１において、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。ユーザ１０にモバイルバッテリ１２が貸出されているため、ステップＳ２１→ステップＳ２２と進む。

　ステップＳ２２において、入力処理部４２は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の交換要求があるか否かを判定する。ユーザ１０からモバイルバッテリ１２の交換要求が入力されたときには、ステップＳ２２→ステップＳ２３と進む。

　ステップＳ２３において、返却処理部４６が交換装置２０の空いているスロット２２の扉２４を開き、ユーザ１０がスロット２２に劣化度情報としてＳＯＨ８０％と書き込まれているモバイルバッテリ１２を投入したとする。

　その後、ステップＳ２３→ステップＳ２４→ステップＳ２６→ステップＳ２７→ステップＳ３０と進み、ステップＳ３０において、返却処理部４６は、取得した劣化度情報に基づいて、モバイルバッテリ１２の種別を判断する。投入されたモバイルバッテリ１２の劣化度情報がＳＯＨ８０％であるため、投入されたモバイルバッテリ１２は種別Ｂと判断される。

　ステップＳ３０→ステップＳ４１と進み、ステップＳ４１において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２の個数を判定する。図１０Ｃに示すように、種別Ｂに該当する充電済みのモバイルバッテリ１２は３個あるため、ステップＳ４１→ステップＳ６１→ステップＳ６２→ステップＳ６４と進む。

　ステップＳ６４において、返却処理部４６は、契約の見直しが必要であるか否かを判定する。返却されたモバイルバッテリ１２は、種別Ｂであり、ＳＯＣの変化量は４０％であるため、契約の見直しは不要と判断され、ステップＳ６４→ステップＳ６６と進む。

　ステップＳ６６において、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、ステップＳ３０で判断された種別に該当するモバイルバッテリ１２であって、最適な劣化度のモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。返却されたモバイルバッテリ１２は種別Ｂであり、ＳＯＣの変化量は４０％であるため、２番目に劣化度が低い（２番目にＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２の劣化度（ＳＯＨ７０％）が最適な劣化度として設定される。

　続くステップＳ６７において、設定されたＳＯＨ７０％のモバイルバッテリ１２が選択される。その後、ステップＳ６８→ステップＳ６９→ステップＳ７０と進み、ステップＳ７０において、選択されたＳＯＨ７０％のモバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出される。

　ステップＳ７０→ステップＳ２１と進み、ステップＳ２１において、入力処理部４２は、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２があるか否かを判定する。ユーザ１０には、モバイルバッテリ１２が貸出されているため、ステップＳ２１→ステップＳ２２と進む。

　ステップＳ２２において、入力処理部４２は、ユーザ１０からのモバイルバッテリ１２の交換要求があるか否かを判定する。ユーザ１０からモバイルバッテリ１２の交換要求が入力されないときには、貸出返却処理は終了する。

　［作用効果］
　モバイルバッテリ１２は、充放電を繰り返すことにより、劣化度が高くなり満充電状態（ＳＯＣ１００％）のときの供給可能電力量が低下する。すなわち、同じ満充電状態（ＳＯＣ１００％）のモバイルバッテリ１２であっても、モバイルバッテリ１２毎の劣化度に応じて、モバイルバッテリ１２の性能が異なる。貸出されたモバイルバッテリ１２の性能によっては、ユーザ１０は満足度を十分に得ることができないおそれがある。また、複数の充電済みのモバイルバッテリ１２のうち、適切な供給可能電力量を有するモバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出することが求められる。なお、ここで言う性能とは、モバイルバッテリ１２の供給可能電力量のことを指す。

　そこで、本実施形態の交換装置２０では、返却処理部４６は、ユーザ１０から返却されたモバイルバッテリ１２の使用状態として使用電力量を取得する。貸出処理部４４は、使用電力量に基づいて、交換装置２０に収容されている複数のモバイルバッテリ１２に対して、貸出可能なモバイルバッテリ１２の有無を判定する。

　これにより、ユーザ１０が必要とする性能を有するモバイルバッテリ１２の有無を判定できる。ユーザ１０が必要とする性能を有するモバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出されるため、ユーザ１０の満足度を向上できる。

　また、サービス提供会社１４は、ユーザ１０が必要とする性能に対して過剰な性能のモバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出することを抑制できる。さらに、サービス提供会社１４は、高い性能のモバイルバッテリ１２を必要とするユーザ１０に高い性能のモバイルバッテリ１２を貸出できる。よって、サービス提供会社１４は、モバイルバッテリ１２が貸出された多くのユーザ１０の満足度を向上できる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、貸出処理部４４は、使用電力量に基づいて、交換装置２０に収容されている複数のモバイルバッテリ１２のうち、貸出するモバイルバッテリ１２を決定する。

　これにより、ユーザ１０が必要とする性能を有するモバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出され、ユーザ１０が必要とする性能に対して過小な性能を有するモバイルバッテリ１２がユーザ１０に貸出されることを抑制できる。そのため、ユーザ１０の満足度の低下を抑制できる。

　また、サービス提供会社１４は、ユーザ１０が必要とする性能に対して過剰な性能のモバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出することを抑制できる。さらに、サービス提供会社１４は、高い性能のモバイルバッテリ１２を必要とするユーザ１０に高い性能のモバイルバッテリ１２を貸出できる。よって、サービス提供会社１４は、モバイルバッテリ１２が貸出される多くのユーザ１０の満足度を向上できる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、貸出処理部４４は、使用電力量が閾値以下であるときには、交換装置２０に収容されている複数のモバイルバッテリ１２のうち、最も劣化度が低いモバイルバッテリ１２以外のモバイルバッテリ１２を、貸出するモバイルバッテリ１２に決定する。

　これにより、サービス提供会社１４は、モバイルバッテリ１２の使用電力量が少ないユーザ１０に、過剰な性能のモバイルバッテリ１２を貸出することを抑制できる。さらに、サービス提供会社１４は、高い性能のモバイルバッテリ１２を必要とするユーザ１０に高い性能のモバイルバッテリ１２を貸出できる。よって、サービス提供会社１４は、モバイルバッテリ１２が貸出される多くのユーザ１０の満足度を向上できる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、返却処理部４６は、ユーザ１０から返却されたモバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度を取得する。貸出処理部４４は、劣化度に基づいて、交換装置２０に収容されている複数のモバイルバッテリ１２に対して、貸出可能なモバイルバッテリ１２の有無を判定する。

　モバイルバッテリ１２の返却時の劣化度は、そのモバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度よりも高い（劣化が進行している）ことがある。モバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度に基づいて、貸出可能なモバイルバッテリ１２の有無が判定されるため、貸出処理部４４は、前回貸出されたモバイルバッテリ１２と同等の性能を有するモバイルバッテリ１２の有無を判定できる。よって、モバイルバッテリ１２が貸出される毎のモバイルバッテリ１２の性能差を抑制することができ、ユーザ１０の満足度を向上させることができる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている複数のモバイルバッテリ１２のうち、返却されたモバイルバッテリ１２の記憶部３２に記憶されている劣化度情報に基づき、返却されたモバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度に対応する種別のモバイルバッテリ１２に対して、貸出可能なモバイルバッテリ１２の有無を判定する。

　これにより、モバイルバッテリ１２の返却時の劣化度ではなく、貸出時の劣化度に基づいて、貸出可能なモバイルバッテリ１２の有無を判定することが可能となる。よって、前回貸出されたモバイルバッテリ１２と同等の性能を有するモバイルバッテリ１２の有無を判定できる。したがって、ユーザ１０に貸出されるモバイルバッテリ１２毎の供給可能電力量のバラツキが抑制され、ユーザ１０が契約した貸出するモバイルバッテリ１２の種別に対して、実際に貸出されるモバイルバッテリ１２の性能が確保され、ユーザ１０の納得感を高めることができる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２の貸出時の劣化度を取得できない場合には、返却されたモバイルバッテリ１２の返却を中止する。

　これにより、市中で購入されたモバイルバッテリ１２、又は、他のサービス提供会社で貸出されたモバイルバッテリ１２が交換装置２０に返却されることを抑制することができる。

　なお、市中で購入されたモバイルバッテリ１２、又は、他のサービス提供会社から貸出されたモバイルバッテリ１２が返却された場合には、サービス提供会社１４で貸出されたモバイルバッテリ１２が返却された場合とは別のサービスがユーザ１０に提供されるようにしてもよい。例えば、市中で購入されたモバイルバッテリ１２、又は、他のサービス提供会社から貸出されたモバイルバッテリ１２が返却された場合には、充電されている他のモバイルバッテリ１２を貸出するサービスは行われないものの、追加料金が支払われることを条件として、返却されたモバイルバッテリ１２に充電を行うサービスをユーザ１０に提供されてもよい。これにより、ユーザ１０に対して、多様なサービスを提供できる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２の使用電力量に応じて、契約の見直しが必要であるか否かを判定する。そして、契約の見直しが必要である場合には、返却処理部４６は、表示制御部４８を介して表示部２６に推奨する種別を表示させる。

　返却処理部４６は、返却されたモバイルバッテリ１２の記憶部３２に記憶されている、モバイルバッテリ１２が搭載された機器の種類の情報と、モバイルバッテリ１２の劣化度情報とに応じて、契約の見直しが必要であるか否かを判定してもよい。例えば、モバイルバッテリ１２の種別に対して、消費電力が大きい機器にモバイルバッテリ１２が搭載されている場合には、契約の見直しが必要であると判定する。そして、契約の見直しが必要である場合には、返却処理部４６は、表示制御部４８を介して表示部２６に推奨する種別を表示させる。これにより、交換装置２０は、モバイルバッテリ１２が搭載される機器に適した種別をユーザ１０に提示することができる。

　これにより、ユーザ１０は、ユーザ１０のモバイルバッテリ１２の使用電力量に適したモバイルバッテリ１２の種別を認識することができる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、貸出処理部４４は、サービス利用契約におけるモバイルバッテリ１２の個数よりも、ユーザ１０に貸出しているモバイルバッテリ１２の個数が少ない場合には、貸出処理部４４は、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２の中から、サービス利用契約の種別のモバイルバッテリ１２であって、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出する。

　これにより、ユーザ１０には、サービス利用契約の種別の中で最も電力量が多いモバイルバッテリ１２が貸出されるため、ユーザ１０の満足度を向上させることができる。

　また、本実施形態の交換装置２０では、返却されたモバイルバッテリ１２の使用電力量が取得できないときには、貸出処理部４４では、交換装置２０に収容されている充電済みのモバイルバッテリ１２の中から、返却されたモバイルバッテリ１２の種別に対応するモバイルバッテリ１２であって、最も劣化度が低い（最もＳＯＨが高い）モバイルバッテリ１２をユーザ１０に貸出する。

　これにより、ユーザ１０には、サービス利用契約の種別の中で最も電力量が多いモバイルバッテリ１２が貸出されるため、ユーザ１０の満足度を向上させることができる。

　本実施形態のモバイルバッテリ１２は、表示部３８を有する。表示部３８には、モバイルバッテリ１２の劣化度、種別等が表示される。これにより、ユーザ１０は、表示部３８の表示から、モバイルバッテリ１２の劣化度、種別等を認識できる。

　〔実施形態から得られる技術的思想〕
　上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。

　複数のモバイルバッテリ（１２）を収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）であって、返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部（４６）と、前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、を有する。

　上記の交換装置であって、前記使用状態は、前記返却されたモバイルバッテリで使用された使用電力量を含み、前記貸出処理部は、前記使用電力量に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、貸出する前記モバイルバッテリを決定してもよい。

　上記の交換装置であって、前記貸出処理部は、前記使用電力量が閾値以下であるときには、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、最も劣化度が低い前記モバイルバッテリ以外の前記モバイルバッテリを、貸出する前記モバイルバッテリに決定してもよい。

　複数のモバイルバッテリ（１２）を収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）であって、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得する返却処理部（４６）と、前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、を有する。

　上記の交換装置であって、前記劣化度が所定の範囲で複数に区分され、区分されたそれぞれの前記劣化度の範囲に対応して複数の種別が設定され、前記貸出処理部は、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度に対応する種別の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定してもよい。

　上記の交換装置であって、前記返却処理部は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得できない場合には、返却された前記モバイルバッテリの返却を中止してもよい。

　複数のモバイルバッテリ（１２）と、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）と、を備える交換システム（３０）であって、前記交換装置は、返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部（４６）と、前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、を有する。

　上記の交換システムであって、前記使用状態は、前記返却されたモバイルバッテリで使用された使用電力量を含み、前記貸出処理部は、前記使用電力量に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、貸出する前記モバイルバッテリを決定する。

　上記の交換システムであって、前記貸出処理部は、前記使用電力量が閾値以下であるときには、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、最も劣化度が低い前記モバイルバッテリ以外の前記モバイルバッテリを、貸出する前記モバイルバッテリに決定してもよい。

　複数のモバイルバッテリ（１２）と、複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）と、を備える交換システム（３０）であって、前記モバイルバッテリは、前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を記憶する記憶部（３２）を有し、前記交換装置は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得する返却処理部（４６）と、前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、を有する。

　上記の交換システムであって、前記劣化度が所定の範囲で複数に区分され、区分されたそれぞれの前記劣化度の範囲に対応して複数の種別が設定され、前記貸出処理部は、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度に対応する種別の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定してもよい。

　上記の交換システムであって、前記返却処理部は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得できない場合には、返却された前記モバイルバッテリの返却を中止してもよい。

　交換装置（２０）において充電されて、ユーザ（１０）に貸出されるモバイルバッテリ（１２）であって、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度を示す情報が記憶される記憶部（３２）を有する。

　上記のモバイルバッテリであって、前記記憶部は、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度を示す情報に対応付けられて、前記モバイルバッテリが搭載された機器に関する情報が記憶されてもよい。

　上記のモバイルバッテリであって、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度、又は、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度に応じて設定された前記モバイルバッテリの種別が表示される表示部（３８）を有してもよい。

１０…ユーザ　　　　　　　　　　　　　　１２…モバイルバッテリ
２０…交換装置　　　　　　　　　　　　　３０…交換システム
３２…記憶部　　　　　　　　　　　　　　３８…表示部
４４…貸出処理部　　　　　　　　　　　　４６…返却処理部

Claims (15)

1. 　複数のモバイルバッテリ（１２）を収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）であって、
   　返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部（４６）と、
   　前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、
   　を有する、交換装置。
2. 　請求項１に記載の交換装置であって、
   　前記使用状態は、前記返却されたモバイルバッテリで使用された使用電力量を含み、
   　前記貸出処理部は、前記使用電力量に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、貸出する前記モバイルバッテリを決定する、交換装置。
3. 　請求項２に記載の交換装置であって、
   　前記貸出処理部は、前記使用電力量が閾値以下であるときには、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、最も劣化度が低い前記モバイルバッテリ以外の前記モバイルバッテリを、貸出する前記モバイルバッテリに決定する、交換装置。
4. 　複数のモバイルバッテリ（１２）を収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）であって、
   　返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得する返却処理部（４６）と、
   　前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、
   　を有する、交換装置。
5. 　請求項４に記載の交換装置であって、
   　前記劣化度が所定の範囲で複数に区分され、区分されたそれぞれの前記劣化度の範囲に対応して複数の種別が設定され、
   　前記貸出処理部は、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の前記劣化度に対応する種別の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する、交換装置。
6. 　請求項４又は５に記載の交換装置であって、
   　前記返却処理部は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の前記劣化度を取得できない場合には、返却された前記モバイルバッテリの返却を中止する、交換装置。
7. 　複数のモバイルバッテリ（１２）と、
   　複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）と、
   　を備える交換システム（３０）であって、
   　前記交換装置は、
   　返却された前記モバイルバッテリの使用状態を取得する返却処理部（４６）と、
   　前記使用状態に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、
   　を有する、交換システム。
8. 　請求項７に記載の交換システムであって、
   　前記使用状態は、前記返却されたモバイルバッテリで使用された使用電力量を含み、
   　前記貸出処理部は、前記使用電力量に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、貸出する前記モバイルバッテリを決定する、交換システム。
9. 　請求項８に記載の交換システムであって、
   　前記貸出処理部は、前記使用電力量が閾値以下であるときには、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、最も劣化度が低い前記モバイルバッテリ以外の前記モバイルバッテリを、貸出する前記モバイルバッテリに決定する、交換システム。
10. 　複数のモバイルバッテリ（１２）と、
    　複数のモバイルバッテリを収容可能であり、前記モバイルバッテリが返却された場合に、収容されている前記モバイルバッテリを貸出する交換装置（２０）と、
    　を備える交換システム（３０）であって、
    　前記モバイルバッテリは、前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を記憶する記憶部（３２）を有し、
    　前記交換装置は、
    　返却された前記モバイルバッテリの貸出時の前記劣化度を取得する返却処理部（４６）と、
    　前記劣化度に基づいて、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する貸出処理部（４４）と、
    　を有する、交換システム。
11. 　請求項１０に記載の交換システムであって、
    　前記劣化度が所定の範囲で複数に区分され、区分されたそれぞれの前記劣化度の範囲に対応して複数の種別が設定され、
    　前記貸出処理部は、前記交換装置に収容されている複数の前記モバイルバッテリのうち、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の前記劣化度に対応する種別の前記モバイルバッテリに対して、貸出可能な前記モバイルバッテリの有無を判定する、交換システム。
12. 　請求項１０又は１１に記載の交換システムであって、
    　前記返却処理部は、返却された前記モバイルバッテリの貸出時の劣化度を取得できない場合には、返却された前記モバイルバッテリの返却を中止する、交換システム。
13. 　交換装置（２０）において充電されて、ユーザ（１０）に貸出されるモバイルバッテリ（１２）であって、
    　貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度を示す情報が記憶される記憶部（３２）を有する、モバイルバッテリ。
14. 　請求項１３に記載のモバイルバッテリであって、
    　前記記憶部は、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度を示す情報に対応付けられて、前記モバイルバッテリが搭載された機器に関する情報が記憶される、モバイルバッテリ。
15. 　請求項１３又は１４に記載のモバイルバッテリであって、
    　貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度、又は、貸出時の前記モバイルバッテリの劣化度に応じて設定された前記モバイルバッテリの種別が表示される表示部（３８）を有する、モバイルバッテリ。

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