WO2022003911A1

WO2022003911A1 - ワークフロー整合性確保装置、ワークフロー整合性確保方法、および、ワークフロー整合性確保プログラム

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Publication number: WO2022003911A1
Application number: PCT/JP2020/026039
Authority: WO
Inventors: 謙輔高橋; 友基池谷; 翔金丸; 剛司豊嶋
Original assignee: 日本電信電話株式会社
Priority date: 2020-07-02
Filing date: 2020-07-02
Publication date: 2022-01-06
Also published as: US20230316191A1; JPWO2022003911A1

Abstract

ワークフロー整合性確保装置２は、REST APIで制御する制御対象に関するワークフローの実行状態のワークフロー実行履歴管理情報を記憶するワークフロー履歴保存部２２と、ワークフロー履歴保存部２２からワークフロー実行履歴管理情報を読み出して、ワークフロー実行履歴管理情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象３を削除するワークフロー整合性確保部２３と、を備える。

Description

ワークフロー整合性確保装置、ワークフロー整合性確保方法、および、ワークフロー整合性確保プログラム

　本発明は、ワークフロー整合性確保装置、ワークフロー整合性確保方法、および、ワークフロー整合性確保プログラムに関する。

　ユーザから申し込まれた要求サービスXの実態を複数のサービスA，B，C，…を連携させることで構築する方法が知られている。具体的には、REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）のようなリソース志向型APIを用い、複数のサービスA，B，C，…を生成して連携させることで、要求サービスXをユーザへ提供する。例えば、特許文献１には、カタログとアダプタとの組み合わせにより、新サービスや新APIを追加して連携サービスを構築する方法が開示されている。

特開２０１８－２０６０５０号公報

　しかしながら、特許文献１は、サービスA，B，C，…間の連携方法を開示するにすぎないため、そのサービスに関するワークフローの処理中（例えば、要求サービスXの構築中）に障害が発生した場合、ワークフロー全体のデータ整合性を確保できないという課題があった。

　本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、複数のサービスに関するワークフローの処理中に障害が発生した場合でも、ワークフロー全体のデータ整合性を確保可能な技術を提供することである。

　本発明の一態様のワークフロー整合性確保装置は、REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）で制御する制御対象に関するワークフローの実行状態の履歴情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象を削除する制御部と、を備える。

　本発明の一態様のワークフロー整合性確保方法は、前記ワークフロー整合性確保装置が、REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）で制御する制御対象に関するワークフローの実行状態の履歴情報を記憶部に記憶するステップと、前記記憶部から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象を削除するステップと、を行う。

　本発明の一態様のワークフロー整合性確保プログラムは、上記ワークフロー整合性確保装置として、コンピュータを機能させるプログラムである。

　本発明によれば、複数のサービスに関するワークフローの処理中に障害が発生した場合でも、ワークフロー全体のデータ整合性を確保できる。

図１は、課題説明時の参照図である。図２は、ワークフロー整合性確保装置の構成を示す構成図である。図３は、ワークフロー実行履歴管理情報に含まれるパラメータ例を示す図である。図４は、ワークフロー実行処理の具体例を示す図である。図５Ａは、ワークフロー実行履歴管理情報の具体例を示す図である。図５Ｂは、ワークフロー実行履歴管理情報の具体例を示す図である。図５Ｃは、ワークフロー実行履歴管理情報の具体例を示す図である。図５Ｄは、ワークフロー実行履歴管理情報の具体例を示す図である。図６は、ワークフロー実行履歴の新規登録動作を示すフロー図である。図７は、ワークフロー実行履歴の変更登録動作を示すフロー図である。図８は、ワークフロー実行履歴の失敗登録動作を示すフロー図である。図９は、ワークフロー整合性確保の動作を示すフロー図である。図１０は、ワークフロー整合性確保装置のハードウェア構成を示す構成図である。

　以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。

　［１．発明の概要］
　本発明は、ユーザから申し込まれた要求サービスXを提供する技術に関する。特に、REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）を用いて、要求サービスXを提供するために必要な複数のサービスA，B，C，…を連携させる技術である。

　従来技術では、上記課題欄で説明した通り、複数のサービスA，B，C，に関するワークフローの処理中に障害が発生した場合、ワークフロー全体のデータ整合性を確保できない。具体的には、図１（ａ）に示すように、要求サービスXを作成する場合、ワークフロー実行部１は、REST APIを用いて、サービスAを生成するための生成要求（POST/serviceA）をサーバへ送信し、サービスAの生成完了後にサービスBの生成要求（POST/serviceB）を送信し、サービスBの生成完了後にサービスCの生成要求（POST/serviceC）を送信する。このタイミングで障害が発生すると、サービスCは生成されず、要求サービスXも生成されない。一方、サービスA及びサービスBは生成されており、データ整合性が確保できていない状態になる。この場合、サービスA及びサービスBの削除が必要である。

　また、図１（ｂ）に示すように、要求サービスXを削除する場合、ワークフロー実行部１は、REST APIを用いて、サービスAを削除するための削除要求（DELETE/serviceA）をサーバへ送信し、サービスAの削除完了後にサービスBの削除要求（DELETE/serviceB）を送信し、サービスBの削除完了後にサービスCの削除要求（DELETE/serviceC）を送信する。このタイミングで障害が発生すると、サービスCは削除されず、要求サービスXも削除されない。一方、サービスA及びサービスBは削除されており、データ整合性が確保できていない状態になる。この場合、サービスCの削除が必要である。

　そこで、本発明は、ワークフロー実行部１が実行するワークフローの実行履歴を管理するとともに、その実行履歴を用いてワークフローの実行状態（完了、失敗）を定期的に確認し、障害の発生により実行状態が「失敗」となりデータ不整合が発生しているリソースのデータを自動で削除する。具体的には、制御対象（サービスA，B，C，…の処理部）に関して実行したワークフローの実行履歴の内容について、ワークフロー実行時の障害発生を考慮して、ワークフローの識別子、ワークフローの実行時刻、不整合を解消させるための削除APIなどを基に、その実行履歴を管理する。また、その実行履歴を基に、ワークフローの整合性を確保する。

　［２．ワークフロー整合性確保装置の構成］
　［２．１．ワークフロー整合性確保装置の構成例］
　図２は、本実施形態に係るワークフロー整合性確保装置２の構成を示す構成図である。図２には、制御対象３に関するワークフローを実行するワークフロー実行部（実行部）１も併せて描画している。制御対象３とは、ユーザから申し込まれた要求サービスXを提供するために必要な各サービスA，B，C，…の処理部（各処理の実体、各処理に必要なデータ群）である。

　ワークフロー実行部１は、ユーザのユーザ端末から要求サービスXの申し込みを受け付け、申し込みの種別（生成、変更、削除）に応じたワークフローを実行する機能を備える。例えば、ワークフロー実行部１は、要求サービスXの作成を受け付けた場合、REST APIを用いて、その要求サービスXを提供するために必要な複数のサービスA，B，C，…を連携可能に生成する。ワークフロー実行部１は、要求サービスXの削除を受け付けた場合、REST APIを用いて、その要求サービスXに係る全てのサービスA，B，C，…を削除する。

　本実施形態において、ワークフロー実行部１は、ワークフロー実行時に処理したデータの複製をワークフロー実行の履歴情報としてワークフロー整合性確保装置２へ送信し、ワークフロー整合性確保装置２のワークフロー履歴登録部２１に登録する機能を備えている。

　次に、ワークフロー整合性確保装置２について説明する。ワークフロー整合性確保装置２は、図２に示したように、ワークフロー履歴登録部２１と、ワークフロー履歴保存部２２と、ワークフロー整合性確保部２３と、を備える。

　ワークフロー履歴登録部（登録部）２１は、ワークフロー実行部１からデータの複製（履歴情報）を受信し、ワークフロー実行履歴管理情報としてワークフロー履歴保存部２２に登録する機能を備える。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行部１のワークフロー実行処理とは無関係にワークフロー実行部１からのデータをワークフロー履歴保存部２２に登録する隠蔽的な登録処理を実行する。ワークフロー実行部１としては、単にデータをワークフロー履歴登録部２１に渡すだけであり、ワークフロー履歴登録部２１の登録処理（ワークフロー整合性確保装置２の内部処理）を意識しないので、「隠蔽的な登録処理」となる。

　ワークフロー履歴保存部（記憶部）２２は、ワークフロー履歴登録部２１により登録されたワークフロー実行履歴管理情報を記憶する機能を備える。つまり、ワークフロー履歴保存部２２は、ワークフロー実行部１がREST APIで制御する制御対象３に関するワークフローの実行状態の履歴情報を記憶する。

　図３は、ワークフロー実行履歴管理情報に含まれるパラメータ例を示す図である。ワークフロー実行履歴管理情報には、例えば、上段の親ワークフローを一意に示す「グローバル識別子」と、下段の子ワークフローを一意に示す「ローカル識別子」と、ワークフローの実行状態（実行中、完了、失敗）を示す「実行状態」と、制御対象３に対して実行したAPIの内容を示す「実行API」と、実行APIの内容を削除するための「削除API」と、APIの内容が制御対象３に反映された時刻を示す「制御対象反映時刻」と、APIの内容が変更オーダ、削除オーダ等により制御対象３から解除された時刻を示す「制御対象解除時刻」と、APIの内容がオーダとして実行された時刻を示す「システム反映時刻」と、APIの内容が変更オーダ、削除オーダ等が実行されたことによりオーダとして解除された時刻を示す「システム解除時刻」と、が関連付けて保存される。ワークフロー実行履歴管理情報には、これらのパラメータがワークフロー毎に保存される。

　ワークフロー整合性確保部（制御部）２３は、ワークフロー履歴保存部２２からワークフロー実行履歴管理情報を読み出し、読み出したワークフロー実行履歴管理情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に確認し、実行状態が「失敗」であるワークフローに関する制御対象３を削除する機能を備える。具体的には、ワークフロー整合性確保部１３は、実行状態が「失敗」であるワークフローの識別子（グローバル識別子、ローカル識別子）をワークフローの実行時刻（制御対象反映時刻、システム反映時刻）を基に検索し、検索したワークフローの識別子に対応する削除APIを取得して実行することで、実行状態が「失敗」であるワークフローに関する制御対象３を削除する。

　［２．２．ワークフロー整合性確保装置の構成による効果］
　本実施形態では、ワークフロー履歴保存部２２が、ワークフローの識別子と、ワークフローの実行状態と、ワークフローの実行時刻及び制御対象反映の時刻と、不整合を解消するための削除APIとを基に、ワークフロー実行部１によるワークフロー実行履歴を管理し、ワークフロー整合性確保部２３が、実行状態が「失敗」であるワークフローに関する制御対象３を削除するので、データ整合性を確保できる。

　特に、ワークフロー実行履歴管理情報に削除APIを格納するので、制御対象３の削除が容易かつ確実に実現可能となる。なお、REST APIのようなリソース志向型APIの場合、生成リソースに対応した削除用APIが既に存在しており、その削除用APIをそのまま活用可能である。

　また、本実施形態では、グローバル識別子とローカル識別子との階層的な識別子を用いるので、ワークフローが階層的な多段構成であっても、その多段構成のワークフローに関するワークフロー実行履歴を適切に管理できる。

　さらに、本実施形態では、制御対象３への反映を表す制御対象反映時刻や制御対象解除時刻、オーダ実行を表すシステム反映時刻やシステム解除時刻など、時間軸に関する情報を含めて管理するので、検索時の現在時刻を基に最新の状態を容易に検索できる。

　［３．ワークフロー整合性確保装置の動作］
　［３．１．ワークフロー実行履歴管理の具体例］
　図４は、ワークフロー実行処理の具体例を示す図である。図５Ａ～図５Ｄは、図４のワークフロー実行処理に応じて更新されるワークフロー実行履歴管理情報の具体例を示す図である。この実施例では、サービスAとサービスBで構成される要求サービスXを生成する場合を例に説明する。また、ワークフローは、要求サービスXを生成するためにサービスAとサービスBの両方のサービスを生成するグローバルワークフローと、サービスAとサービスBのそれぞれを生成するローカルワークフローと、の２段に分かれているものとする。ワークフローの階層は、２段に限らず、３段以上でもよい。

　ここで、サービスとオーダについて補足しておく。「サービス」とは、ユーザが実際に利用するサービスである。例えば、電子雑誌の購読などである。「オーダ」とは、ユーザが申し込んだ「サービス」を提供可能となるように、サーバやコンピュータシステムに様々な必要な設定を投入することである。

　ステップＳ１；
　ユーザから要求サービスXの申し込みが行われると、ワークフロー実行部１のグローバルワークフロー実行部１１は、要求サービスXを生成（POST/serviceX）する。このとき、ワークフロー整合性確保装置２のワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の１行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“null”、
　「実行状態」に“実行中”、
　「実行API」に“POST/serviceX”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:00:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。

　ステップＳ２；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、ローカルワークフロー実行部１２のサービスA生成機能１２１を呼び出し、呼び出したサービスA生成機能１２１にサービスAへの生成ワークフローを実行（POST/serviceA）させる。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の２行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“2222”（＝サービスAの識別子）、
　「実行状態」に“実行中”、
　「実行API」に“POST/serviceA”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:00:30”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。

　ステップＳ３；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、サービスA生成機能１２１から、サービスAに対してオーダA-1が実行（POST/A-1）され、そのオーダA-1の実行についてサービスAから正常応答が返却されたことが通知される。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の３行目に、
　「グローバル識別子」に“2222”（＝サービスAの識別子）、
　「ローカル識別子」に“3333”（＝オーダA-1の識別子）、
　「実行状態」に“完了”、
　「実行API」に“POST/A-1”、
　「削除API」に“DELETE/A-1/3333”
　「制御対象反映時刻」に“2020/3/30 10:01:00”（＝現在時刻）、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:01:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。「削除API」の“DELETE/A-1/3333”は、オーダA-1を削除するためのAPIである。この削除APIを実行することでオーダA-1を削除できる。

　ステップＳ４；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、サービスA生成機能１２１から、サービスAに対してオーダA-2が実行（POST/A-2）され、そのオーダA-2の実行についてサービスAから正常応答が返却されたことが通知される。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の４行目に、
　「グローバル識別子」に“2222”（＝サービスAの識別子）、
　「ローカル識別子」に“4444”（＝オーダA-2の識別子）、
　「実行状態」に“完了”、
　「実行API」に“POST/A-2”、
　「削除API」に“DELETE/A-2/4444”
　「制御対象反映時刻」に“2020/3/30 10:02:00”（＝現在時刻）、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:02:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。「削除API」の“DELETE/A-1/4444”は、オーダA-2を削除するためのAPIである。この削除APIを実行することでオーダA-2を削除できる。

　ステップＳ５；
　ステップＳ４により、サービスAの生成が完了する。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の５行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“2222”（＝サービスAの識別子）、
　「実行状態」に“完了”、
　「実行API」に“POST/serviceA”、
　「削除API」に“DELETE/serviceA/2222”
　「制御対象反映時刻」に“2020/3/30 10:02:30”（＝現在時刻）、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:02:30”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。「削除API」の“DELETE/serviceA/2222”は、サービスAを削除するためのAPIである。この削除APIを実行することで、サービスA及び当該サービスAに紐づく全てのオーダ（オーダA-1及びオーダA-2）を削除できる。また、サービスAの生成処理に関する２行目のレコードの「システム解除時刻」にも“2020/3/30 10:02:30”（＝現在時刻）が登録される。

　ステップＳ６；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、ローカルワークフロー実行部１２のサービスB生成機能１２２を呼び出し、呼び出したサービスB生成機能１２２にサービスBへの生成ワークフローを実行（POST/serviceB）させる。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の６行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“5555”（＝サービスBの識別子）、
　「実行状態」に“実行中”、
　「実行API」に“POST/serviceB”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:03:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。

　ステップＳ７；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、サービスB生成機能１２２から、サービスBに対してオーダB-1が実行（POST/B-1）され、そのオーダB-1の実行についてサービスBから正常応答が返却されたことが通知される。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の７行目に、
　「グローバル識別子」に“5555”（＝サービスBの識別子）、
　「ローカル識別子」に“6666”（＝オーダB-1の識別子）、
　「実行状態」に“完了”、
　「実行API」に“POST/B-1”、
　「削除API」に“DELETE/B-1/6666”
　「制御対象反映時刻」に“2020/3/30 10:03:30”（＝現在時刻）、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:03:30”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。“「削除API」のDELETE/B-1/6666”は、オーダB-1を削除するためのAPIである。この削除APIを実行することでオーダB-1を削除できる。

　ステップＳ８；
　次に、グローバルワークフロー実行部１１は、サービスB生成機能１２２により、サービスBに対してオーダB-2が実行（POST/B-2）されるが、通信障害により当該実行は失敗する。このとき、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の８行目に、
　「グローバル識別子」に“5555”（＝サービスBの識別子）、
　「ローカル識別子」に“7777”（＝オーダB-2の識別子）、
　「実行状態」に“失敗”、
　「実行API」に“POST/B-2”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:04:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。

　また、ワークフロー実行履歴管理情報の９行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“5555”（＝サービスBの識別子）、
　「実行状態」に“失敗”、
　「実行API」に“POST/serviceB”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:04:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。

　また、ワークフロー実行履歴管理情報の１０行目に、
　「グローバル識別子」に“1111”（＝要求サービスXの識別子）、
　「ローカル識別子」に“null”、
　「実行状態」に“失敗”、
　「実行API」に“POST/serviceX”、
　「削除API」に“-”
　「制御対象反映時刻」に“Infinity”、
　「制御対象解除時刻」に“Infinity”、
　「システム反映時刻」に“2020/3/30 10:04:00”（＝現在時刻）、
　「システム解除時刻」に“Infinity”、
を登録する。また、要求サービスXの生成要求に関する１行目のレコードとサービスBの生成要求に関する６行目のレコードとの各「システム解除時刻」にも“2020/3/30 10:04:00”（＝現在時刻）が登録される。

　［３．２．データ整合の具体例］
　図５Ｄに示したワークフロー実行履歴管理情報の８行目～１０行目のレコードより、オーダB-2、サービスB、要求サービスXの生成に失敗している。一方、３行目～５行目、７行目のレコードより、オーダA-1、オーダA-2、サービスA、オーダB-1の生成は完了しており、データに不整合がある。

　そこで、ワークフロー整合性確保部２３は、ワークフロー実行履歴管理情報からデータ整合性確保に必要な削除APIを取得して実行することで、オーダA-1、オーダA-2、サービスA、オーダB-1を削除する。これにより、要求サービスXに関するデータ整合性を確保する。ワークフロー実行履歴管理情報は、時間軸及びワークフローの実行状態（実行中、完了、失敗）で管理されており、それらを基に以降の手順を実行することで、データ整合性を確保できる。

　手順１．
　ワークフロー整合性確保部２３は、「ローカル識別子＝null AND 実行状態＝失敗 AND システム反映時刻＜現在時刻 AND システム解除時刻≧現在時刻」の検索式で、不整合が発生しているグローバル識別子“1111”（＝要求サービスXの識別子）を取得する。

　手順２．
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、「グローバル識別子＝1111 AND 制御対象反映時刻＜現在時刻AND システム解除時刻≧現在時刻」の検索式で、不整合が発生している要求サービスXに関連する“サービスA”の削除APIを取得する。

　手順３．
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、「グローバル識別子＝1111 AND 制御対象反映時刻≧現在時刻AND システム解除時刻≧現在時刻」の検索式で、不整合が発生している要求サービスXに関連する“サービスB”のローカル識別子“5555”を取得する。

　手順４．
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、「グローバル識別子＝5555 AND 制御対象反映時刻＜現在時刻AND システム解除時刻≧現在時刻」の検索式で、不整合が発生している要求サービスXに関連する“オーダB-1”の削除APIを取得する。

　手順５．
　最後に、ワークフロー整合性確保部２３は、手順２で取得した“サービスA”の削除APIを実行し、手順４で取得した“オーダB-1”の削除APIを実行する。これにより、オーダA-1、オーダA-2、サービスA、オーダB-1が削除されるので、データ不整合が解消する。

　［３．３．ワークフロー履歴登録部の動作］
　上記ワークフロー実行履歴管理の具体例の通り、ワークフロー実行履歴管理を行うためには、ワークフロー実行単位に履歴情報の更新処理・新設処理を行う必要がある。ワークフロー履歴登録部２１では、これらの処理を隠蔽し、新規登録・変更・失敗の種別に応じてワークフロー実行履歴を登録する。

　なお、「隠蔽」とは、ワークフロー実行部１がワークフロー履歴登録部２１の内部処理を意識する必要がないことをいう。ワークフロー実行部１は、ワークフロー実行時に処理したデータの複製を単にワークフロー履歴登録部２１へ渡すだけであり、データ整合性を確保する処理はワークフロー実行部１とは別の処理主体であるワークフロー整合性確保装置２で行う。ワークフロー実行部１は、ワークフローの実行処理に注力でき、データ整合性の確保処理をする面倒な必要から解放される。

　［３．３．１．新規登録の動作］
　ワークフロー実行履歴の新規登録動作について説明する。図６は、ワークフロー実行履歴の新規登録動作を示すフロー図である。

　ステップＳ１０１；
　ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行部１から、「グローバル識別子」、「ローカル識別子」、「実行状態」、「実行API」、「削除API」を入力情報として受信する。

　ステップＳ１０２；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、入力情報の「実行状態」が“実行中”であるか否かを判定する。その「実行状態」が“実行中”である場合、ステップＳ１０３へ進む。その「実行状態」が“実行中”でない場合、ステップＳ１０４へ進む。

　ステップＳ１０３；
　入力情報の「実行状態」が“実行中”である場合、ワークフロー履歴登録部２１は、「システム反映時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、「制御対象反映時刻」、「制御対象解除時刻」、「システム解除時刻」に“Infinity”を自動で追記する。その後、ステップＳ１０５へ進む。

　ステップＳ１０４；
　入力情報の「実行状態」が“実行中”でない場合、ワークフロー履歴登録部２１は、「制御対象反映時刻」、「システム反映時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、「制御対象解除時刻」、「システム解除時刻」に“Infinity”を自動で追記する。その後、ステップＳ１０５へ進む。

　ステップＳ１０５；
　最後に、ワークフロー履歴登録部２１は、ステップＳ１０３又はステップＳ１０４で自動追記が行われた入力情報をワークフロー実行履歴管理情報の最終行に追加する。

　［３．３．２．変更登録の動作］
　ワークフロー実行履歴の変更登録動作について説明する。図７は、ワークフロー実行履歴の変更登録動作を示すフロー図である。

　ステップＳ２０１；
　ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行部１から、「グローバル識別子」、「ローカル識別子」、「実行状態」、「実行API」、「削除API」を入力情報として受信する。

　ステップＳ２０２；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の「グローバル識別子」が入力情報の「グローバル識別子」に一致し、かつ、ワークフロー実行履歴管理情報の「システム反映時刻」が最新時刻のレコードを取得する。

　ステップＳ２０３；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、取得したレコードの「システム解除時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、そのレコードを無効化する。

　ステップＳ２０４；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、ステップＳ２０１の入力情報に対し、「制御対象反映時刻」、「システム反映時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、「制御対象解除時刻」、「システム解除時刻」に“Infinity”を自動で追記する。

　ステップＳ２０５；
　最後に、ワークフロー履歴登録部２１は、自動追記が行われた入力情報をワークフロー実行履歴管理情報の最終行に追加する。

　［３．３．３．失敗登録の動作］
　ワークフロー実行履歴の失敗登録動作について説明する。図８は、ワークフロー実行履歴の失敗登録動作を示すフロー図である。

　ステップＳ３０１；
　ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行部１から、「グローバル識別子」、「ローカル識別子」、「実行状態」、「実行API」、「削除API」を入力情報として受信する。

　ステップＳ３０２；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、「システム反映時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、「制御対象反映時刻」、「制御対象解除時刻」、「システム解除時刻」に“Infinity”を自動で追記する。

　ステップＳ３０３；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、自動追記が行われた入力情報をワークフロー実行履歴管理情報の最終行に追加する。

　ステップＳ３０４；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、入力情報の「グローバル識別子」がワークフロー実行履歴管理情報の「ローカル識別子」に指定されているレコードを取得する。

　ステップＳ３０５；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、取得したレコードの「システム解除時刻」に“現在時刻”を自動で追記し、そのレコードを無効化する。

　ステップＳ３０６；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、無効化したレコードを複製し、「実行状態」を“失敗”に更新し、「システム反映時刻」を“現在時刻”に更新して、新規レコードとしてワークフロー実行履歴管理情報の最終行に追加する。

　ステップＳ３０７；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、ワークフロー実行履歴管理情報の「グローバル識別子」又は「ローカル識別子」が“null”のレコードを取得し、「システム解除時刻」として“現在時刻”を追記して、そのレコードを無効化する。

　ステップＳ３０８；
　次に、ワークフロー履歴登録部２１は、ステップＳ３０７で無効化したレコードを複製し、「実行状態」を“失敗”に更新し、「システム反映時刻」を“現在時刻”に更新して、新規レコードとしてワークフロー実行履歴管理情報の最終行に追加する。

　［３．４．ワークフロー整合性確保部の動作］
　ワークフロー整合性確保部２３の動作について説明する。図９は、ワークフロー整合性確保の動作を示すフロー図である。下記ステップＳ４０１～ステップＳ４０５は、上記手順１～手順５にそれぞれ対応する。

　ステップＳ４０１；
　ワークフロー整合性確保部２３は、ワークフロー実行履歴管理情報から、「ローカル識別子」が“null”、「実行状態」が“失敗”、「システム反映時刻」が“現在時刻”よりも前、「システム解除時刻」が“現在時刻”以降のグローバル識別子を取得する。

　ステップＳ４０２；
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、ワークフロー実行履歴管理情報から、「グローバル識別子」が取得したグローバル識別子に一致し、「制御対象反映時刻」が“現在時刻”よりも前、「システム解除時刻」が“現在時刻”以降のレコードに含まれる削除APIを取得する。

　ステップＳ４０３；
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、ワークフロー実行履歴管理情報から、「グローバル識別子」がステップＳ４０１で取得したグローバル識別子に一致し、「制御対象反映時刻」が“現在時刻”以降、「システム解除時刻」が“現在時刻”以降のレコードに含まれるローカル識別子を取得する。

　ステップＳ４０４；
　次に、ワークフロー整合性確保部２３は、ワークフロー実行履歴管理情報から、「グローバル識別子」がステップＳ４０３で取得したローカル識別子に一致し、「制御対象反映時刻」が“現在時刻”よりも前、「システム解除時刻」が“現在時刻”以降のレコードに含まれる削除APIを取得する。

　ステップＳ４０５；
　最後に、ワークフロー整合性確保部２３は、ステップＳ４０２とステップＳ４０４とでそれぞれ取得した削除APIを実行する。これにより、データ不整合を解消できる。

　［４．実施形態の効果］
　本実施形態によれば、ワークフロー整合性確保装置２が、REST APIで制御する制御対象に関するワークフローの実行状態のワークフロー実行履歴管理情報を記憶するワークフロー履歴保存部２２と、ワークフロー履歴保存部２２からワークフロー実行履歴管理情報を読み出して、ワークフロー実行履歴管理情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象３を削除するワークフロー整合性確保部２３と、を備えるので、複数のサービスに関するワークフローの処理中に障害が発生した場合でも、ワークフロー全体のデータ整合性を確保できる。

　［５．その他］
　本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明は、本発明の要旨の範囲内で数々の変形が可能である。

　上記説明した本実施形態のワークフロー整合性確保装置２は、例えば、図１０に示すように、CPU（Central Processing Unit、プロセッサ）９０１と、メモリ９０２と、ストレージ（HDD：Hard Disk Drive、ＳＳＤ：Solid State Drive）９０３と、通信装置９０４と、入力装置９０５と、出力装置９０６と、を備えた汎用的なコンピュータシステムを用いて実現できる。メモリ９０２及びストレージ９０３は、記憶装置である。当該コンピュータシステムにおいて、CPU９０１がメモリ９０２上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、ワークフロー整合性確保装置２の各機能が実現される。

　ワークフロー整合性確保装置２は、１つのコンピュータで実装されてもよい。ワークフロー整合性確保装置２は、複数のコンピュータで実装されてもよい。ワークフロー整合性確保装置２は、コンピュータに実装される仮想マシンであってもよい。

　ワークフロー整合性確保装置２用のプログラムは、HDD、SSD、USB（Universal Serial Bus）メモリ、CD（Compact Disc）、DVD（Digital Versatile Disc）などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶できる。ワークフロー整合性確保装置２用のプログラムは、通信ネットワークを介して配信することもできる。

　１：ワークフロー実行部
　２：ワークフロー整合性確保装置
　３：制御対象
　１１：グローバルワークフロー実行部
　１２：ローカルワークフロー実行部
　２１：ワークフロー履歴登録部
　２２：ワークフロー履歴保存部
　２３：ワークフロー整合性確保部
　１２１：サービスA生成機能
　１２２：サービスB生成機能
　９０１：CPU
　９０２：メモリ
　９０３：ストレージ
　９０４：通信装置
　９０５：入力装置
　９０６：出力装置

Claims

　REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）で制御する制御対象に関するワークフローの実行状態の履歴情報を記憶する記憶部と、
　前記記憶部から前記履歴情報を読み出して、前記履歴情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象を削除する制御部と、
　を備えるワークフロー整合性確保装置。
　前記記憶部は、ワークフロー毎に、ワークフローの識別子と、前記ワークフローの実行状態と、前記ワークフローの実行時刻と、前記ワークフローを削除するための削除API（Application Programming Interface）とを、関連付けて記憶し、
　前記制御部は、
　実行状態が失敗であるワークフローの識別子を前記ワークフローの実行時刻を基に検索し、検索したワークフローの識別子に対応する削除APIを取得して実行することで、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象を削除する請求項１に記載のワークフロー整合性確保装置。
　前記ワークフローは、多段構成のワークフローであって、
　前記記憶部は、
　前記ワークフローの識別子として、上段のワークフローの識別子と下段のワークフローの識別子とを互いに関連付けて記憶するとともに、前記ワークフローの実行時刻として、前記REST APIの内容が前記制御対象に反映された制御対象反映時刻と、前記REST APIの内容がオーダとして実行されたシステム反映時刻と、を記憶する請求項２に記載のワークフロー整合性確保装置。
　前記制御対象に関するワークフローを実行する実行部のワークフロー実行処理とは無関係に前記実行部から受信した前記履歴情報の各データを前記記憶部に登録する隠蔽的な登録処理を実行する登録部を更に備える請求項１乃至３のいずれかに記載のワークフロー整合性確保装置。
　前記制御対象は、
　要求サービスを提供するための複数のサービス処理部である請求項１乃至４のいずれかに記載のワークフロー整合性確保装置。
　ワークフロー整合性確保装置で行うワークフロー整合性確保方法において、
　前記ワークフロー整合性確保装置が、
　REST API（Representational State Transfer Application Programming Interface）で制御する制御対象に関するワークフローの実行状態の履歴情報を記憶部に記憶するステップと、
　前記記憶部から前記履歴情報を読み出して、前記履歴情報を用いてワークフローの実行状態を定期的に把握し、実行状態が失敗であるワークフローに関する制御対象を削除するステップと、
　を行うワークフロー整合性確保方法。
　請求項１乃至５のいずれかに記載のワークフロー整合性確保装置としてコンピュータを機能させるワークフロー整合性確保プログラム。