WO2022003815A1

WO2022003815A1 - 電力制御システム

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Publication number: WO2022003815A1
Application number: PCT/JP2020/025645
Authority: WO
Inventors: 靖生鈴木
Original assignee: 武蔵精密工業株式会社
Priority date: 2020-06-30
Filing date: 2020-06-30
Publication date: 2022-01-06

Abstract

コンバータに関する回路構成を簡略化する。電力制御システムは、自然エネルギーを利用して発電する発電装置と負荷との間の電力供給ラインに接続される。電力制御システムは、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池とを有する蓄電部と、ＤＣ／ＤＣコンバータと、蓄電部の充放電を制御する充放電制御部と、を備える。充放電制御部は、リチウムイオンキャパシタを、ＤＣ／ＤＣコンバータを介して、電力供給ラインに接続してリチウムイオンキャパシタの充放電を制御し、リチウムイオン電池を、共通のＤＣ／ＤＣコンバータを介して、電力供給ラインに接続してリチウムイオン電池の充放電を制御する。

Description

電力制御システム

　本発明は、電力制御システムに関する。

　従来から、例えば太陽光発電や風力発電など、自然エネルギー（「再生可能エネルギー」ともいう）を利用して発電する発電装置と負荷との間の電力供給ラインに接続される電力制御システムが知られている。

　第１の電力制御システムは、商用電源や発電装置が電力供給ラインに接続されており、無停電電源機能と負荷平準化機能との実現のため、瞬発力型電力バッファ（例えば電気二重層キャパシタ）と持続力型電力バッファ（例えば鉛蓄電池）とを備えている。瞬発力型電力バッファは、第１の双方向ＤＣ／ＤＣコンバータを介して電力供給ラインに接続されており、第１の双方向ＤＣ／ＤＣコンバータを用いて瞬発力型電力バッファの充放電が制御される。持続力型電力バッファは、第１の双方向ＤＣ／ＤＣコンバータとは別に設けられた第２の双方向ＤＣ／ＤＣコンバータを介して電力供給ラインに接続されており、第２の双方向ＤＣ／ＤＣコンバータを用いて持続力型電力バッファの充放電が制御される（下記特許文献１参照）。

　第２の電力制御システムは、商用電源や発電装置が電力供給ラインに接続されており、商用電源や発電装置の電力変動の抑制のため、リチウムイオンキャパシタと鉛蓄電池とを備えている。リチウムイオンキャパシタは、第１の電力変換部を介して電力供給ラインに接続されており、第１の電力変換部を用いてリチウムイオンキャパシタの充放電が制御される。鉛蓄電池は、第１の電力変換部とは別に設けられた第２の電力変換部を介して電力供給ラインに接続されており、第２の電力変換部を用いて鉛蓄電池の充放電が制御される（下記特許文献２参照）。

　第３の電力制御システムは、発電装置の電力変動による影響を抑制するため、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池とを備えている。リチウムイオンキャパシタは、第１のコンバータを介して電力供給ラインに接続されており、第１のコンバータを用いてリチウムイオンキャパシタの充放電が制御される。リチウムイオン電池は、第１のコンバータとは別に設けられた第２のコンバータを介して電力供給ラインに接続されており、第２のコンバータを用いて、リチウムイオンキャパシタの余剰電力がリチウムイオン電池に放電される（下記特許文献３参照）。

特開２００７－６０７９６号公報国際公開第２０１３／０３０９５２号国際公開第２０１３／１２９６８３号

　上述した従来の電力制御システムでは、キャパシタの充放電を制御するための専用のコンバータと、電池の充放電を制御するための専用のコンバータとが設けられており、これらのコンバータが互いに独立に制御されるため、例えば回路構成や充放電制御が複雑になる、という課題がある。

　本発明は、上述した課題を解決することが可能な電力制御システムを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の電力制御システムは、自然エネルギーを利用して発電する発電装置と負荷との間の電力供給ラインに接続される電力制御システムであって、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池とを有する蓄電部と、ＤＣ／ＤＣコンバータと、前記蓄電部の充放電を制御する充放電制御部と、を備え、前記充放電制御部は、前記リチウムイオンキャパシタを、前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して、前記電力供給ラインに接続して前記リチウムイオンキャパシタの充放電を制御し、前記リチウムイオン電池を、前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して、前記電力供給ラインに接続して前記リチウムイオン電池の充放電を制御する。本電力制御システムでは、リチウムイオンキャパシタが、ＤＣ／ＤＣコンバータを介して電力供給ラインに接続されてリチウムイオンキャパシタの充放電が制御され、また、リチウムイオン電池が、上記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して電力供給ラインに接続されてリチウムイオン電池の充放電が制御される。すなわち、リチウムイオンキャパシタの充放電とリチウムイオン電池の充放電とが共通のＤＣ／ＤＣコンバータを介して制御される。これにより、キャパシタの充放電用と電池の充放電用とで個別のＤＣ／ＤＣコンバータを備える構成に比べて、少なくともコンバータに関する回路構成を簡略化することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記蓄電部は、前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに並列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された並列形態を有する構成としてもよい。本電力制御システムでは、蓄電部が並列形態を有する。並列形態では、電力供給ラインの電力変動分は、リチウムイオンキャパシタの充放電に優先的に利用される。このため、リチウムイオン電池の充放電を許容しつつ、電力供給ラインの電力変動に起因するリチウムイオン電池の劣化を抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記蓄電部は、前記並列形態と、前記リチウムイオンキャパシタが前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されており、かつ、前記リチウムイオン電池が前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されていないキャパシタ単独形態と、を切り替え可能に構成されている構成としてもよい。本電力制御システムでは、並列形態からキャパシタ単独形態に切り替えることにより、電力供給ラインの電力変動に起因するリチウムイオン電池の劣化を、より効果的に抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記蓄電部は、前記並列形態と、前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに直列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された直列形態と、を切り替え可能に構成されている構成としてもよい。本電力制御システムでは、並列形態から直列形態に切り替えることにより、リチウムイオン電池の電圧に制限されることなく、リチウムイオンキャパシタを充放電させることができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、前記リチウムイオン電池が、単位時間当たりの電圧変化量が基準量以上である電圧急変状態であるか否かを判断する第１の状態判断部を備え、前記第１の状態判断部にて前記リチウムイオン電池が前記電圧急変状態であると判断されたことを必要条件として、前記蓄電部を前記並列形態から前記直列形態に切り替える構成としてもよい。電圧急変状態であるリチウムイオン電池の電圧は急峻に変化し、それに伴ってリチウムイオン電池の充放電電流が急速に変化し、リチウムイオン電池が過放電や過充電になりやすくなる。これに対して、本電力制御システムでは、リチウムイオン電池が電圧急変状態であると判断されたことを必要条件として、蓄電部が並列形態から直列形態に切り替えられる。これにより、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池との合算電圧が増大し、リチウムイオン電池の充放電電流が低下するため、リチウムイオン電池が過放電や過充電になることを抑制することができる。また、リチウムイオン電池が電圧急変状態であっても蓄電部から負荷に電力を供給できる。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、前記リチウムイオン電池の内部抵抗が基準抵抗以上であるか否かを判断する第２の状態判断部を備え、前記第２の状態判断部にて前記リチウムイオン電池の内部抵抗が基準抵抗以上であると判断されたことを必要条件として、前記蓄電部を前記並列形態から前記直列形態に切り替える構成としてもよい。リチウムイオン電池の内部抵抗が増大すると、リチウムイオン電池に流れる充放電電流量が減少し、蓄電部の放電不足や充電不足が発生するおそれがある。これに対して、本電力制御システムでは、リチウムイオン電池が基準抵抗以上であることを必要条件として、蓄電池が並列形態から直列形態に切り替わる。これにより、リチウムイオン電池に流れる充放電電流量が減少しても、蓄電部の電圧が高くなる分だけ、蓄電部の放電不足や充電不足の発生を抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記リチウムイオンキャパシタは、互いに直列に接続された複数のキャパシタセルを含み、前記リチウムイオン電池は、互いに直列に接続された複数の電池セルを含み、前記複数のキャパシタセルと前記複数の電池セルとは、それぞれ１つずつ互いに並列に接続されている構成としてもよい。リチウムイオンキャパシタは、エネルギー容量が小さいために過放電になり易く、リチウムイオン電池は、リチウムイオンキャパシタに比べてエネルギー容量が大きいため過放電になり難い。本構成によれば、各キャパシタセルの電圧は、該各キャパシタセルに並列に接続された各電池セルの電圧に制限されることにより、各キャパシタセルの電圧が各電池セルの電圧と同じになる。これにより、暗電流によるリチウムイオンキャパシタの過放電を抑制できる。

　上記電力制御システムにおいて、前記リチウムイオンキャパシタは、互いに直列に接続された複数のキャパシタセルを含み、前記リチウムイオン電池は、互いに直列に接続された複数の電池セルを含み、前記複数のキャパシタセルと前記複数の電池セルとは、１つずつ交互に配列され、かつ、互いに隣り合う前記キャパシタセルと電池セルとが接触するように配置されている構成としてもよい。リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン電池に比べて、高出力に設計されているため、電極が薄く、集電体の容積が大きいため、放熱性が高い。このため、本電力制御システムによれば、リチウムイオンキャパシタの放熱効果によりリチウムイオン電池の高温化を抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記リチウムイオン電池は、複数の電池セルを有する電池モジュールにより構成されるとともに、前記電池モジュールを増設可能に構成されており、前記充放電制御部は、前記電池モジュールを制御する電池制御部を備え、前記電池制御部は、増設可能な最大数の前記電池モジュールを制御可能に構成されている構成としてもよい。本電力制御システムによれば、電池制御部を備えない電池モジュールを増設するだけで、増設後の電池モジュールを制御できる。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、前記リチウムイオン電池の内部抵抗を特定する抵抗特定部と、前記抵抗特定部により特定される前記内部抵抗が高い程、前記蓄電部に流す電流量を小さくする電流制御部と、を備える構成としてもよい。リチウムイオン電池の内部抵抗の増大に伴うリチウムイオン電池の電圧上昇を抑えて、リチウムイオン電池の劣化を抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記発電装置は、太陽光発電装置であり、前記蓄電部は、前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに並列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された並列形態と、前記リチウムイオンキャパシタが前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されており、かつ、前記リチウムイオン電池が前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されていないキャパシタ単独形態と、を切り替え可能に構成されており、前記充放電制御部は、前記太陽光発電装置より発電される電力が前記負荷に必要な電力を超えた場合、前記蓄電部を前記キャパシタ単独形態として前記太陽光発電装置からの余剰電力によって前記リチウムイオンキャパシタを充電し、前記太陽光発電装置より発電される電力が前記負荷で必要な電力に対して不足する場合、前記蓄電部を前記並列形態として前記蓄電部から放電させて前記負荷に電力を供給する構成としてもよい。本電力制御システムでは、太陽光発電装置より発電される電力が負荷に必要な電力を超えた場合、電力変動分を含み得る太陽光発電装置からの余剰電力を使用してリチウムイオンキャパシタを充電させつつ、電力供給ラインの電力変動に起因するリチウムイオン電池の劣化を抑制することができる。また、太陽光発電装置より発電される電力が負荷に必要な電力未満である場合、リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池との両方からの放電電力が負荷に供給される。このため、リチウムイオン電池の放電を可能としつつ、リチウムイオンキャパシタにより電力供給ラインの電力変動に起因するリチウムイオン電池の劣化を抑制することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、前記太陽光発電装置の発電量が基準量以下である場合、前記蓄電部を前記キャパシタ単独形態として前記太陽光発電装置からの電力によって前記リチウムイオンキャパシタを充電する構成としてもよい。本電力制御システムによれば、曇りなどで発電量が少ない場合でも、無駄にせずにリチウムイオンキャパシタに充電することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記電力供給ラインには、商用電源が接続されており、前記充放電制御部は、現在時刻が夜間料金帯でない場合、前記蓄電部を前記並列形態として前記蓄電部から放電させて前記負荷に電力を供給し、現在時刻が前記夜間料金帯である場合、前記商用電源から前記負荷に電力を供給する構成としてもよい。本電力制御システムでは、夜間料金帯の商用電力を効果的に利用することができる。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、前記太陽光発電装置の翌日の発電量を予測する予測部を備え、前記予測部に予測された発電量が基準量以下であることを必要条件として、前日の前記夜間料金帯における前記リチウムイオンキャパシタの充電を行う構成としてもよい。本電力制御システムでは、太陽光発電装置の翌日の発電量が基準量以下である場合、翌日の日中において、太陽光発電装置からの電力によって負荷に電力が十分に供給されなくなるおそれがある。このため、前日の夜間料金帯におけるリチウムイオンキャパシタの充電を行う。一方、太陽光発電装置の翌日の発電量が基準量を超える場合、前日の夜間料金帯におけるリチウムイオンキャパシタの充電を行わないことより、翌日の太陽光発電装置からの電力の変動分に応じてリチウムイオンキャパシタが十分に充放電できるようにする。

　上記電力制御システムにおいて、前記充放電制御部は、さらに、気象に関する測定データを蓄積する蓄積部を備え、前記予測部は、前記蓄積部に蓄積された前記測定データに基づき前記翌日の発電量を予測する構成としてもよい。これにより、蓄積された気象に関する実際の測定データに基づき、正確に翌日の発電量を予測することができる。

　なお、本発明は、例えば、電力制御システム、電力制御方法、電力制御プログラム、該電力制御プログラムを記録した一時的でない記録媒体等の他の形態で実現することも可能である。

第１実施形態における電力制御システム１００と外部装置との電気的構成を示す説明図電力制御システム１００の電気的構成を示す説明図併用型電力制御処理の内容を示すフローチャート各処理時の電力の流れを示す説明図ＰＶ発電時処理の内容を示すフローチャート夜間処理の内容を示すフローチャートバッテリ放電処理の内容を示すフローチャートＬＩＢモジュール３００の充放電曲線ＧＢを示す説明図第２実施形態における自立型電力制御処理の内容を示すフローチャート変形例におけるバッテリユニット１２０Ａの電気的構成を示す説明図ＬＩＣ２１０とＬＩＢ３１０との物理的構成を示す説明図ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗とＬＩＢモジュール３００に流す電流量との関係を示す説明図

Ａ．第１実施形態：
Ａ－１．電力制御システム１００と外部装置との電気的構成：
　図１は、第１実施形態における電力制御システム１００と外部装置との電気的構成を示す説明図である。図１には、外部装置として、太陽光発電装置１０と商用電源２０と通信機器３０（例えば通信基地局）とが示されており、これらの外部装置と電力制御システム１００とが電力供給ラインＬＷを介して電気的に接続されている。太陽光発電装置１０は、特許請求の範囲における発電装置の一例であり、通信機器３０は、特許請求の範囲における負荷の一例である。

　太陽光発電装置１０は、太陽光エネルギーを電力に変換する太陽光発電を用いて発電する装置であり、ソーラーパネル１２とＰＶコンバータ１４とを有する。ＰＶコンバータ１４は、ソーラーパネル１２の発電制御を行い、ソーラーパネル１２での発電量に応じた直流電力を電力供給ラインＬＷに出力する。以下、太陽光発電装置１０から出力される電力を「ＰＶ電力Ｗｐ」という。商用電源２０は、ＡＣ／ＤＣコンバータ２２を介して電力供給ラインＬＷに電気的に接続されている。商用電源２０からの交流電力がＡＣ／ＤＣコンバータ２２により直流電力に変換され、電力供給ラインＬＷに出力される。以下、商用電源２０から出力される直流電力を「商用電力Ｗａ」という。

　電力制御システム１００は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０と、バッテリユニット１２０と、ＰＣＵ（ＰＯＷＥＲ　ＣＯＮＴＲＯＬ　ＵＮＩＴ）１３０と、を備える。バッテリユニット１２０は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに電気的に接続されている。ＰＣＵ１３０は、例えばＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を動作させてバッテリユニット１２０の充放電を制御する。このような構成により、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐは、通信機器３０だけでなく、電力制御システム１００にも供給可能である。また、商用電源２０からの商用電力Ｗａは、通信機器３０だけでなく、電力制御システム１００にも供給可能である。ＰＣＵ１３０は、供給されるＰＶ電力Ｗｐや商用電力Ｗａによってバッテリユニット１２０を充電する。また、ＰＣＵ１３０は、バッテリユニット１２０に蓄電された電力Ｗｃ，Ｗｂを通信機器３０に供給することも可能である。バッテリユニット１２０は、特許請求の範囲における蓄電部の一例であり、ＰＣＵ１３０は、特許請求の範囲における充放電制御部の一例である。

Ａ－２．電力制御システム１００の電気的構成：
　図２は、電力制御システム１００の電気的構成を示す説明図である。図２に示すように、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０は、双方向ＤＣ／ＤＣコンバータであり、後述のように、この共通のＤＣ／ＤＣコンバータ１１０がＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との両方の充放電制御に用いられる。

　バッテリユニット１２０は、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００と第１スイッチ１２２と第２スイッチ１２４と第３スイッチ１２６とを備えている。

　ＬＩＣモジュール２００は、複数のリチウムイオンキャパシタ（以下、「ＬＩＣ」という）２１０が直列に接続された構成である。ＬＩＣモジュール２００の一端（例えば正極側）は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に電気的に接続されており、ＬＩＣモジュール２００の他端（例えば負極側）は、コモンライン（例えばグランドライン）側に電気的に接続されている。ＬＩＣは、特許請求の範囲におけるキャパシタセルの一例である。

　ＬＩＢモジュール３００は、複数のリチウムイオン電池（以下、「ＬＩＢ」という）３１０が直列に接続された構成である。ＬＩＢ３１０は、例えばリン酸鉄系のＬＩＢや３元系（ニッケルマンガンコバルト系等）のＬＩＢである。本実施形態では、ＬＩＢ３１０は、ＬＩＣ２１０の上下限電圧範囲（例えば２．２Ｖ以上、３．８Ｖ以下）と同一の電圧範囲で使用可能であることが好ましい。上下限電圧範囲は、放電終止電圧（カットオフ電圧）から満充電電圧までの電圧範囲である。また、上下限電圧範囲が同一であるとは、誤差が±０．２Ｖ以下であることをいう。例えば、ＬＩＢ３１０がリン酸鉄系である場合、そのリン酸鉄系の一般的な上下限電圧範囲（例えば２．０Ｖ以上、３．７Ｖ以下）でＬＩＢ３１０を使用することが好ましい。また、ＬＩＢ３１０が３元系である場合、その３元系の一般的な上下限電圧範囲（例えば２．８Ｖ以上、４．０Ｖ以下）より狭い電圧範囲（例えば２．６Ｖ以上、４．０Ｖ以下）でＬＩＢ３１０を使用することが好ましい。

　ＬＩＢモジュール３００の一端（例えば正極側）は、第１スイッチ１２２を介して、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に電気的に接続されており、ＬＩＢモジュール３００の他端（例えば負極側）は、コモンライン側に電気的に接続されている。すなわち、第１スイッチ１２２は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０とＬＩＢモジュール３００との電気的接続を入り切りするためのスイッチである。また、ＬＩＣモジュール２００の他端側は、第２スイッチ１２４を介して、第１スイッチ１２２とＬＩＢモジュール３００との接続ラインに電気的に接続されている。すなわち、第２スイッチ１２４は、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との直列接続を入り切りするためのスイッチである。ＬＩＢモジュール３００は、特許請求の範囲における電池モジュールの一例であり、ＬＩＢは、特許請求の範囲における電池セルの一例である。第３スイッチ１２６は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に対して並列に接続されている。第３スイッチ１２６が開状態であるときに、バッテリユニット１２０は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに電気的に接続され、充放電が可能になる。第３スイッチ１２６が閉状態であるときに、バッテリユニット１２０は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介さず、電力供給ラインＬＷに電気的に接続され、充放電が可能になる。

　以上の構成により、バッテリユニット１２０は、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に対するＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との接続形態を、「並列形態」と「直列形態」と「ＬＩＣ単独形態」とに切り替え可能である。
　「並列形態」は、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００とが互いに電気的に並列に接続され、その並列接続されたＬＩＣモジュール２００およびＬＩＢモジュール３００が、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに接続された形態である（後述の図４（ｂ）（ｃ）参照）。第１スイッチ１２２を閉状態とし、かつ、第２スイッチ１２４を開状態にすることにより、バッテリユニット１２０を並列形態にすることができる。
　「直列形態」は、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００とが互いに直列に接続され、その直列接続されたＬＩＣモジュール２００およびＬＩＢモジュール３００が、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに接続された形態である。第１スイッチ１２２を開状態とし、かつ、第２スイッチ１２４を閉状態にすることにより、バッテリユニット１２０を直列形態にすることができる。
　「ＬＩＣ単独形態」は、ＬＩＣモジュール２００がＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に電気的に接続されており、かつ、ＬＩＢモジュール３００がＤＣ／ＤＣコンバータ１１０に接続されていない形態である（後述の図４（ａ）参照）。第１スイッチ１２２と第２スイッチ１２４との両方を開状態にすることにより、バッテリユニット１２０をＬＩＣ単独形態にすることができる。

　ＰＣＵ１３０は、制御部１３２と、記憶部１３４と、インターフェース部１３６と、ＬＩＣ管理部１３８と、ＬＩＢ管理部１４０とを備え、これらの各部が、バス（図示しない）を介して互いに通信可能に接続されている。

　制御部１３２は、例えばＣＰＵ等により構成され、記憶部１３４から読み出したコンピュータプログラムを実行することにより、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０やスイッチ１２２，１２４の動作を制御する。例えば、制御部１３２は、記憶部１３４から電力制御プログラム（図示しない）を読み出して実行することにより、後述の電力制御処理を実行する。制御部１３２は、電力制御処理を実行する際、第１の状態判断部、第２の状態判断部として機能する。これら各部の機能については、後述の各種の処理の説明に合わせて説明する。

　記憶部１３４は、例えばＲＯＭやＲＡＭ、ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）等により構成され、各種のデータ、プログラムやモデルを記憶したり、各種のプログラムやモデルを実行する際の作業領域やデータの一時的な記憶領域として利用されたりする。また、記憶部１３４には、電力制御プログラムが格納されている。電力制御プログラムは、後述の電力制御処理を実行するためのコンピュータプログラムである。これらのプログラムは、例えば、ＣＤ－ＲＯＭやＤＶＤ－ＲＯＭ、ＵＳＢメモリ等のコンピュータによって読み取り可能な記録媒体（不図示）に格納された状態で提供され、ＰＣＵ１３０にインストールすることにより記憶部１３４に格納される。

　インターフェース部１３６は、例えばＬＡＮインターフェースやＵＳＢインターフェース等により構成され、有線または無線により他の装置との通信を行う。ＬＩＣ管理部１３８は、ＬＩＣモジュール２００におけるＬＩＣ２１０の電流、電圧や温度等を検出して、その検出結果に基づきＬＩＣ２１０の状態を管理する。ＬＩＢ管理部１４０は、ＬＩＢモジュール３００におけるＬＩＢ３１０の電流、電圧や温度等を検出して、その検出結果に基づきＬＩＢ３１０の状態を管理する。ＬＩＢ管理部１４０は、特許請求の範囲における電池制御部の一例である。

　本実施形態では、バッテリユニット１２０は、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００とがそれぞれ増設可能に構成されている。具体的には、バッテリユニット１２０では、所定の最大数のＬＩＣモジュール２００が、互いに並列に接続可能であり、かつ、ＰＣＵ１３０に備えられた共通のＬＩＣ管理部１３８によって制御可能である。すなわち、バッテリユニット１２０では、ＬＩＣモジュール２００を最大数まで増減可能である。また、バッテリユニット１２０では、所定の最大数のＬＩＢモジュール３００が、互いに並列に接続可能であり、かつ、ＰＣＵ１３０に備えられた共通のＬＩＢ管理部１４０によって制御可能である。すなわち、バッテリユニット１２０では、ＬＩＢモジュール３００を最大数まで増減可能である。なお、ＬＩＣモジュール２００の最大数とＬＩＢモジュール３００の最大数とは同じでもよいし、異なってもよい。このような構成により、バッテリユニット１２０に配置可能な最大数のＬＩＣモジュール２００やＬＩＢモジュール３００について、共通のＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を用いてまとめて充放電制御が可能である。また、バッテリユニット１２０に配置可能な最大数のＬＩＣモジュール２００について、共通のＬＩＣ管理部１３８によってまとめて管理可能である。また、バッテリユニット１２０に配置可能な最大数のＬＩＢモジュール３００について、共通のＬＩＢ管理部１４０によってまとめて管理可能である。これにより、電力制御システム１００全体のコンパクト化を図ることができる。

Ａ－３．併用型電力制御処理：
　次に、本実施形態のＰＣＵ１３０により実行される併用型電力制御処理について説明する。本実施形態では、太陽光発電装置１０の最大発電量が比較的に小さいため、太陽光発電装置１０のＰＶ電力Ｗｐと商用電源２０の商用電力Ｗａとの両方を併用して通信機器３０への電力供給やバッテリユニット１２０への充電が行われる。併用型電力制御処理は、このようにＰＶ電力Ｗｐと商用電力Ｗａとが併用されるシステムにおいて、太陽光発電装置１０の発電状態や通信機器３０の動作状態等に応じてＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との充放電を制御するための処理である。図３は、併用型電力制御処理の内容を示すフローチャートである。

　併用型電力制御処理が開始されると、図３に示すように、制御部１３２は、太陽光発電装置１０による太陽光発電の有無を判断する（Ｓ１１０）。具体的には、制御部１３２は、ＰＶコンバータ１４からの信号に基づき、太陽光発電の有無を判断する。制御部１３２は、太陽光発電ありと判断した場合（Ｓ１１０：ＹＥＳ）、後述のＰＶ発電時処理を実行し（Ｓ１２０）、ＰＶ発電時処理の実行後にＳ１１０の処理に戻る。制御部１３２は、太陽光発電なしと判断した場合（Ｓ１１０：ＮＯ）、現在時刻が夜間料金帯（「夜間電力時間帯」ともいう）に属するか否かを判断する（Ｓ１３０）。夜間料金帯とは、商用電源２０からの商用電力Ｗａの使用料金が昼間よりも安くなる夜間時間帯（例えば２３時～７時）であり、商用電源２０からの商用電力Ｗａを優先的に利用することにメリットがある時間帯の一例である。

　制御部１３２は、現在時刻が夜間料金帯に属すると判断した場合（Ｓ１３０：ＹＥＳ）、後述の夜間処理を実行し（Ｓ１４０）、商用電源２０から通信機器３０に電力を供給する夜間処理の実行後にＳ１１０の処理に戻る。制御部１３２は、現在時刻が夜間料金帯に属しないと判断した場合（Ｓ１３０：ＮＯ）、バッテリユニット１２０から通信機器３０に電力を供給するバッテリ放電処理を実行し（Ｓ１５０）、バッテリ放電処理の実行後にＳ１１０の処理に戻る。図４は、各処理時の電力の流れを示す説明図である。

Ａ－３－１．ＰＶ発電時処理
　図５は、ＰＶ発電時処理の内容を示すフローチャートである。ＰＶ発電時処理は、主として、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐを使用して通信機器３０に電力を供給するための処理である。本実施形態では、ＰＶ発電時処理は、昼間料金帯（例えば７時～２３時）のうち、太陽光発電装置１０が発電状態である場合（図３でＳ１１０：ＹＥＳ）に実行される。また、ＰＶ発電時処理では、商用電源２０による商用電力Ｗａは使用されない。

　ＰＶ発電時処理が開始されると、制御部１３２は、太陽光発電装置１０によるＰＶ電力Ｗｐの電力量（以下、「ＰＶ発電電力量」という）が、通信機器３０に必要な電力量（以下、「デバイス電力量」という）以上であるか否かを判断する（Ｓ２１０）。例えば空が晴れており太陽光発電装置１０が十分に発電しているとき、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上になる。このような場合、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐ（Ｗｐ１）だけが通信機器３０に供給されて通信機器３０が動作する。また、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上である場合、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐに余剰電力Ｗｐ２が発生する。図４（ａ）には、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上である場合における各電力の流れが示されている。

　制御部１３２は、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上であると判断した場合（Ｓ２１０：ＹＥＳ）、図４（ａ）に示すように、太陽光発電装置１０からの余剰電力Ｗｐ２を使用してＬＩＣモジュール２００を充電する（Ｓ２２０）。具体的には、制御部１３２は、バッテリユニット１２０を上記ＬＩＣ単独形態とし、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を動作させてＬＩＣモジュール２００だけを充電する。このため、ＬＩＣモジュール２００の蓄電容量は、太陽光発電装置１０からの余剰電力Ｗｐ２をすべて充電できる容量であることが好ましい。

　ここで、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐは、天候の変化によって変動しやすい。具体的には、ＰＶ電力Ｗｐには短周期変動分（変動周期が秒単位、分単位）と中長期変動分（変動周期が時間単位、日単位）とが含まれ得る。例えばＰＶ電力Ｗｐ（余剰電力Ｗｐ２）の短周期変動分がＬＩＢモジュール３００に供給されると、ＬＩＢ３１０が充放電を急速に繰り返すことによりＬＩＢ３１０が劣化する。これに対して、本実施形態では、バッテリユニット１２０がＬＩＣ単独形態であり、ＰＶ電力Ｗｐ（短周期変動分）がＬＩＢモジュール３００に供給されない。このため、ＰＶ電力Ｗｐの短周期変動分に起因してＬＩＢ３１０が劣化することを抑制することができる。一方、ＬＩＣモジュール２００を構成するＬＩＣ２１０は、ＬＩＢ３１０に比べて、高出力（出力密度が高い）であり、充放電の応答性が高い（内部抵抗が低い）。このため、ＰＶ電力Ｗｐの短周期変動分に応じてＬＩＣモジュール２００が充電される。ＬＩＣモジュール２００の容量は、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐの充電によって飽和しない程度の容量であることが好ましい。

　また、例えば空が曇っており太陽光発電装置１０のＰＶ発電電力量が微少であり、かつ、通信機器３０のデバイス電力量が微少である場合でも、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上になり得る。このような場合でも、微少な余剰電力Ｗｐ２によってＬＩＣ２１０に微少な電流が流れてＬＩＣモジュール２００が充電される。つまり、本実施形態では、太陽光発電装置１０のＰＶ発電電力量が微少である場合でもバッテリユニット１２０を充電することができる。なお、ＬＩＢ３１０や通信機器３０の内部抵抗は、ＬＩＣ２１０の内部抵抗に比べて高い。このため、太陽光発電装置１０のＰＶ発電電力量が微少である場合、ＬＩＢ３１０や通信機器３０を充電することは難しい。そこで、本実施形態のようにＬＩＣ２１０を充電することにより、太陽光発電装置１０のＰＶ発電電力量が微少である場合でも、その微少なＰＶ発電電力量を無駄にせず有効に利用することができる。

　制御部１３２は、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量未満であると判断した場合（Ｓ２１０：ＮＯ）、バッテリ放電処理を実行する（Ｓ２３０）。バッテリ放電処理については後述する。なお、制御部１３２は、Ｓ２２０の処理またはＳ２３０の処理の開始から所定時間経過後に図３のＳ１１０に戻る。

Ａ－３－２．夜間処理
　図６は、夜間処理の内容を示すフローチャートである。夜間処理は、主として、商用電源２０からの商用電力Ｗａを使用して通信機器３０に電力を供給するための処理である。本実施形態では、上述したように、夜間処理は、夜間料金帯（図３でＳ１３０：ＹＥＳ）に実行される。また、夜間処理では、太陽光発電装置１０は発電しないため、太陽光発電装置１０によるＰＶ電力Ｗｐは使用されない。図４（ｂ）には、夜間料金帯における各電力の流れが示されている。

　夜間処理が開始されると、制御部１３２は、商用電源２０からの商用電力Ｗａを通信機器３０に供給することを許容する（Ｓ３１０）。これにより、図４（ｂ）に示すように、商用電源２０からの商用電力Ｗａ（Ｗａ１）だけが通信機器３０に供給されて通信機器３０が動作する。また、制御部１３２は、バッテリユニット１２０を並列形態とし、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を動作させて、商用電源２０からの商用電力Ｗａ（Ｗａ２，Ｗａ３）を使用してバッテリユニット１２０（ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００）を充電する（Ｓ３２０）。制御部１３２は、例えばＬＩＢモジュール３００に対してＣＣ（定電流充電）－ＣＶ（定電圧充電）方式で充電する。この際、ＬＩＣモジュール２００も充電され、上限電圧に達したらＬＩＣモジュール２００の充電を停止する。なお、制御部１３２は、Ｓ３２０の処理の開始から所定時間経過後に図３のＳ１１０に戻る。

Ａ－３－３．バッテリ放電処理
　図７は、バッテリ放電処理の内容を示すフローチャートである。バッテリ放電処理は、バッテリユニット１２０からの放電電力Ｗｃ，Ｗｂを使用して通信機器３０に電力を供給するための処理である。本実施形態では、バッテリ放電処理は、昼間料金帯のうち、太陽光発電装置１０が発電状態でない場合（図３でＳ１１０：ＮＯ、かつ、Ｓ１３０：ＮＯ）に実行される。太陽光発電装置１０は発電しないため、太陽光発電装置１０によるＰＶ電力Ｗｐは使用されない。また、バッテリ放電処理では、夜間料金帯ではないため、商用電源２０による商用電力Ｗａは使用されない。このため、ＬＩＢモジュール３００の蓄電容量は、昼間料金帯におけるデバイス電力量以上であることが好ましい。

　バッテリ放電処理が開始されると、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態であるか否かを判断する（Ｓ４１０）。このとき、制御部１３２は、第１の状態判断部として機能する。電圧急変状態は、ＬＩＢモジュール３００の単位時間当たりの電圧変化量が基準量以上である状態である。制御部１３２は、例えばＬＩＢ管理部１４０からのＬＩＢモジュール３００の電圧の検出結果に基づき、ＬＩＢモジュール３００の単位時間当たりの電圧変化量を特定する。

　ここで、図８は、ＬＩＢモジュール３００の充放電曲線ＧＢを示す説明図である。図８のグラフの縦軸がＬＩＣモジュール２００のＯＣＶ（開放電圧）であり、横軸がＳＯＣ（充電状態）である。図８に示すように、ＬＩＢモジュール３００では、充放電過程において、単位時間当たりの電圧変化量が所定値以下であるプラトー領域Ｅ１と、単位時間当たりの電圧変化量が所定値を超える非プラトー領域Ｅ２（Ｅ２１，Ｅ２２）とが存在する。ＳＯＣが高い非プラトー領域Ｅ２１では、ＬＩＢモジュール３００は、過充電になり易く、ＳＯＣが低い非プラトー領域Ｅ２２では、ＬＩＢモジュール３００は、過放電になり易い。ＬＩＢモジュール３００は、過充電や過放電を繰り返すことによって劣化する。本実施形態では、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態でないことは、ＬＩＢモジュール３００がプラトー領域Ｅ１に属しており、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態であることは、ＬＩＢモジュール３００が非プラトー領域Ｅ２に属しているものとする。

　制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態でないと判断した場合（Ｓ４１０：ＮＯ）、電圧急変状態に起因するＬＩＢモジュール３００の過放電が生じる可能性は低いため、Ｓ４２０に進む。一方、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態であると判断した場合（Ｓ４１０：ＹＥＳ）、バッテリユニット１２０を並列形態から直列形態に切り替える（Ｓ４３０）。すなわち、ＬＩＢモジュール３００は、非プラトー領域Ｅ２に属しているため、過放電になり易い。しかし、バッテリユニット１２０が並列形態から直列形態になると、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との合計抵抗値が大きくなることにより、ＬＩＢモジュール３００に流れる充放電電流量が低減する。その結果、電圧急変状態に起因するＬＩＢモジュール３００の過放電の発生を抑制することができる。このため、例えば図８に示すように、プラトー領域Ｅ１のうち、非プラトー領域Ｅ２に近い広い領域を使用してＬＩＢ３１０の充放電制御を行うことができる。

　Ｓ４２０では、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗が基準抵抗以上であるか否かを判断する。このとき、制御部１３２は、第２の状態判断部として機能する。ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗は、例えばＬＩＢモジュール３００の劣化や環境温度の影響によるＬＩＢモジュール３００の温度低下などの要因により増大する。そこで、制御部１３２は、例えばＬＩＢ管理部１４０からのＬＩＢモジュール３００の電圧と電流の検出結果に基づき、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗を特定する。なお、制御部１３２は、例えば、ＬＩＢ管理部１４０からのＬＩＢモジュール３００の温度の検出結果に基づき、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗を特定してもよい。

　ここで、上述したように、ＬＩＢモジュール３００が電圧急変状態でない（プラトー領域Ｅ１に属している）場合、ＬＩＢモジュール３００の電圧は略一定である。このような場合にＬＩＢモジュール３００の内部抵抗が増大すると、ＬＩＢモジュール３００の放電電流量が減少し、バッテリユニット１２０（ＬＩＢモジュール３００）から十分な電力を放電できなくなるおそれがある。

　そこで、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗が基準抵抗以上であると判断した場合（Ｓ４２０：ＹＥＳ）、バッテリユニット１２０を並列形態から直列形態に切り替える（Ｓ４３０）。バッテリユニット１２０が並列形態から直列形態になると、バッテリユニット１２０の電圧は、ＬＩＢモジュール３００の電圧にＬＩＣモジュール２００の電圧を合算した電圧に上昇する。その結果、ＬＩＢモジュール３００の充放電電流量が減少しても、ＬＩＢモジュール３００（バッテリユニット１２０）の放電不足の発生を抑制し、通信機器３０に十分な電力を供給することができる。一方、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗が基準抵抗未満であると判断した場合（Ｓ４２０：ＮＯ）、内部抵抗の増大に起因するＬＩＢモジュール３００の放電不足が生じる可能性は低いため、Ｓ４４０に進む。

　Ｓ４４０では、制御部１３２は、バッテリユニット１２０を並列形態とし、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を動作させてバッテリユニット１２０を放電させる。図４（ｃ）には、バッテリユニット１２０の放電時における各電力の流れが示されている。ここで、例えば通信機器３０への給電（必要な電力）に短周期変動分が生じた場合、その短周期変動分に追従するようにＬＩＣモジュール２００からの放電電力Ｗｃが通信機器３０に供給されるため、通信機器３０への給電不足の発生を抑制することができる。このため、短周期変動分（急速な充放電）に起因するＬＩＢ３１０の劣化を抑制しつつ、ＬＩＢモジュール３００からの放電電力Ｗｂを通信機器３０に供給することができる。

　ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００とが並列に接続されている。このため、ＬＩＣモジュール２００の電圧がＬＩＢモジュール３００の電圧に制限される（図８のグラフＧＣ参照）。この結果、例えば回路の暗電流等によってＬＩＣモジュール２００が短時間に過放電になることを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、ＬＩＣモジュール２００の暗電流を抑制するための専用の回路を設けることが不要である。また、通信機器３０に必要な電力における短周期変動分を検出する手段を別途設けることなく、ＬＩＣモジュール２００から短周期変動分の電力を通信機器３０に供給し、ＬＩＢモジュール３００から中長期変動分の電力を通信機器３０に供給することができる。なお、制御部１３２は、Ｓ４３０の処理またはＳ４４０の処理の開始から所定時間経過後に図３のＳ１１０に戻る。

Ａ－４．本実施形態の効果：
　以上説明したように、本実施形態の電力制御システム１００では、ＬＩＣモジュール２００が、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに接続されてＬＩＣモジュール２００の充放電が制御され、また、ＬＩＢモジュール３００が、同じくＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して電力供給ラインＬＷに接続されてＬＩＢモジュール３００の充放電が制御される。すなわち、ＬＩＣモジュール２００の充放電とＬＩＢモジュール３００の充放電とが共通のＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を介して制御される。これにより、キャパシタの充放電用と電池の充放電用とで個別のＤＣ／ＤＣコンバータを備える構成に比べて、少なくともコンバータに関する回路構成を簡略化することができる。また、その結果、電力制御システム１００の全体をコンパクトにすることができる。

　本実施形態では、バッテリユニット１２０が並列形態を有する（図５のＳ２３０、図４（ｂ）（ｃ）、図６のＳ３２０、図７のＳ４４０参照）。並列形態では、電力供給ラインＬＷの電力変動分（短周期変動分）は、ＬＩＣモジュール２００の充放電に優先的に利用される。このため、ＬＩＢモジュール３００の充放電を許容しつつ、電力供給ラインＬＷの電力変動に起因するＬＩＢモジュール３００の劣化を抑制することができる。

　本実施形態では、バッテリユニット１２０を並列形態からＬＩＣ単独形態に切り替えることができる（図４（ａ）、図５のＳ２２０参照）。これにより、電力供給ラインＬＷの電力変動に起因するＬＩＢモジュール３００の劣化を、より効果的に抑制することができる。

　本実施形態では、バッテリユニット１２０を並列形態から直列形態に切り替えることができる（図７のＳ４３０参照）。これにより、ＬＩＢモジュール３００の電圧に制限されることなく、ＬＩＣモジュール２００を充放電させることができる。

　本実施形態では、太陽光発電装置１０からのＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上である場合（図５のＳ２１０：ＹＥＳ）、電力変動分を含み得る太陽光発電装置１０からの余剰電力Ｗｐ２を使用してＬＩＣモジュール２００を充電させつつ、電力供給ラインＬＷの電力変動に起因するＬＩＢモジュール３００の劣化を抑制することができる（図４（ａ）参照）。また、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量未満である場合（図５のＳ２１０：ＮＯ）、ＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との両方からの放電電力Ｗｃ，Ｗｂが通信機器３０に供給される（図４（ｃ）参照）。このため、ＬＩＢモジュール３００の放電を可能としつつ、ＬＩＣモジュール２００により電力供給ラインＬＷの電力変動に起因するＬＩＢモジュール３００の劣化を抑制することができる。

Ｂ．第２実施形態：
　図９は、第２実施形態における自立型電力制御処理の内容を示すフローチャートである。第２実施形態では、ＰＣＵ１３０の制御部１３２が自立型電力制御処理を実行する点で、上述した第１実施形態とは異なる。以下、第２実施形態における電力制御システム１００と外部装置との電気的構成（処理）の内、第１実施形態と同一の構成（処理）については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。

　本実施形態では、太陽光発電装置１０の最大発電量が比較的に大きいため、商用電源２０の商用電力Ｗａを使用せずに、太陽光発電装置１０のＰＶ電力Ｗｐを使用して通信機器３０への電力供給やバッテリユニット１２０への充電が行われる。太陽光発電装置１０の最大発電量とバッテリユニット１２０の蓄電容量とは、ぞれぞれ、通信機器３０の１日分のデバイス電力量以上であることが好ましい。自立型電力制御処理は、このように主としてＰＶ電力Ｗｐが使用されるシステムにおいて、太陽光発電装置１０の発電状態や通信機器３０の動作状態等に応じてＬＩＣモジュール２００とＬＩＢモジュール３００との充放電を制御するための処理である。なお、自立型電力制御処理では、商用電源２０の商用電力Ｗａはバックアップ用としてのみ使用される。

　自立型電力制御処理が開始されると、図９に示すように、制御部１３２は、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上であるか否かを判断する（Ｓ５１０）。このＳ５１０の処理は、第１実施形態のＳ２１０の処理と同じである。制御部１３２は、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量以上であると判断した場合（Ｓ５１０：ＹＥＳ）、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐの発電周期が短周期であるか否かを判断する（Ｓ５２０）。本実施形態では、電力制御システム１００は、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐの発電周期を検出する周期検出部（図示しない）を備えており、その周期検出部の検出結果に基づき、ＰＶ電力Ｗｐの発電周期が短周期であるか否かを判断する。

　制御部１３２は、ＰＶ電力Ｗｐの発電周期が短周期であると判断した場合（Ｓ５２０：ＹＥＳ）、バッテリユニット１２０をＬＩＣ単独形態として、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０を動作させてＬＩＣモジュール２００だけを充電する（Ｓ５３０）。このＳ５３０の処理は、第１実施形態のＳ２２０の処理と同じである。一方、制御部１３２は、ＰＶ電力Ｗｐの発電周期が短周期でない（中長周期である）と判断した場合（Ｓ５２０：ＮＯ）、バッテリユニット１２０を並列形態とする（Ｓ５４０）。これにより、ＬＩＣモジュール２００に加えてＬＩＢモジュール３００が充電される。

　制御部１３２は、ＰＶ発電電力量がデバイス電力量未満であると判断した場合（Ｓ５１０：ＮＯ）、上述したバッテリ放電処理を実行する（Ｓ５５０）。このＳ５５０の処理は、第１実施形態のバッテリ放電処理（図７）と同じである。

Ｃ．変形例：
　本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。

　上記実施形態における電力制御システム１００等の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば上記実施形態では、蓄電部として、複数のＬＩＣ２１０（キャパシタセル）や複数のＬＩＢ３１０（電池セル）を備えるバッテリユニット１２０を例示したが、蓄電部は、１つのＬＩＣ２１０を備える構成や１つのＬＩＢ３１０を備える構成でもよい。

　図１０は、変形例におけるバッテリユニット１２０Ａの電気的構成を示す説明図であり、図１１は、ＬＩＣ２１０とＬＩＢ３１０との物理的構成を示す説明図である。図１０に示すように、バッテリユニット１２０Ａは、互いに直列に接続された複数のＬＩＣ２１０（キャパシタセル）と、互いに直列に接続された複数のＬＩＢ３１０（電池セル）を含んでいる。また、各ＬＩＣ２１０の正極側と各ＬＩＢ３１０の正極側とが第１スイッチ１２２Ａを介して電気的に接続されている。ここで、図１０のように、全ての第１スイッチ１２２Ａが開状態である場合、複数のＬＩＣ２１０の全体電圧は、複数のＬＩＢ３１０の全体電圧と同じになる。しかし、複数のＬＩＣ２１０のそれぞれの電圧バラツキによって特定のＬＩＣ２１０が過放電になるという課題が生じる。これに対して、本変形例では、全ての第１スイッチ１２２Ａを開状態にすると、複数のＬＩＣ２１０の全体と複数のＬＩＢ３１０の全体とが並列に接続され、例えばＬＩＢ３１０の電圧の制限を受けることなく、ＬＩＣ２１０を充電することができる。また、全ての第１スイッチ１２２Ａを閉状態にすると、複数のＬＩＣ２１０と複数のＬＩＢ３１０とは、それぞれ１つずつ互いに並列に接続される。これにより、各ＬＩＣ２１０の過放電を確実に抑制することができる。また、電力供給ラインＬＷの短周期変動分を、ＬＩＢ３１０の充放電よりもＬＩＣ２１０の充放電に、より確実に優先的に利用することができる。また、各ＬＩＣ２１０（キャパシタセル）と各ＬＩＢ３１０（電池セル）の電圧のバランスをとるためのバランス回路を設ける場合、ＬＩＣ２１０の１セルとＬＩＢ３１０の１セルとからなる並列回路内でバランス回路を共通化できるため、回路構成をより簡素化できる。さらに、上述したように、各ＬＩＢ３１０は、電圧急変状態になることに起因して過放電になり易いという課題がある。これに対して、本変形例では、各ＬＩＣ２１０の他端側は、第２スイッチ１２４Ａを介して、各第１スイッチ１２２Ａと各ＬＩＢ３１０との接続ラインに電気的に接続されている。すなわち、各第２スイッチ１２４Ａを開閉させることにより、各ＬＩＣ２１０と各ＬＩＢ３１０とを、並列形態と直列形態とに個別に切り替えることができる。これにより、各ＬＩＢ３１０が電圧急変状態である場合、各ＬＩＣ２１０と各ＬＩＢ３１０とを直列形態にすることにより、電圧急変状態に起因する各ＬＩＢ３１０の過放電の発生を個別に抑制することができる。

　また、ＬＩＢ３１０は、ＬＩＣ２１０に比べて内部抵抗が高いため、高温になり易いという課題がある。これに対して、図１１に示すように、複数のＬＩＣ２１０と複数のＬＩＢ３１０とは、１つずつ交互に配列され、かつ、互いに隣り合うＬＩＣ２１０とＬＩＢ３１０とが接触するように配置されている。ＬＩＣ２１０とＬＩＢ３１０とは互いに面接触することが好ましい。ＬＩＣ２１０は、ＬＩＢ３１０に比べて、高出力に設計されているため、電極が薄く、集電体の容積が大きいため、放熱性が高い。このため、ＬＩＣ２１０の放熱効果によりＬＩＢ３１０の高温化を抑制することができる。なお、ＬＩＣ２１０がＬＩＢ３１０の外周側に飛び出すように配置したり（図１１参照）、ＬＩＣ２１０に放熱手段を付加したりすることにより、ＬＩＣ２１０の放熱効果がさらに向上する。

　上記実施形態では、発電装置として、太陽光発電装置１０を例示したが、自然エネルギーを利用して発電する装置であればよく、例えば風力発電、水力発電やバイオ系燃料電池などでもよい。上記実施形態では、負荷として、通信機器３０を例示したが、例えばサーバ装置や管理装置などでもよく、アクチュエータ（例えばモータ）を動作させる定置型あるいは移動型の装置などでもよい。

　上記実施形態における各種の処理の内容は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第１実施形態において、図５のＰＶ発電時処理のＳ２２０において、バッテリユニット１２０を並列形態にしてもよい。この場合でも、ＰＶ電力Ｗｐの短周期変動分がＬＩＣ２１０に優先的に充電されるため、急速な充放電に起因するＬＩＢ３１０の劣化を抑制することができる。

　上記第１実施形態において、電力制御システム１００は、制御部１３２を、太陽光発電装置１０の翌日の発電量を予測する予測部として機能させてもよい。制御部１３２は、例えば通信ネットワークを介して得られる気象情報（例えば気象予測）に基づき翌日の発電量を予測してもよい。或いは、制御部１３２は、例えば太陽光発電装置１０が設置される環境の気象に関するデータを記憶部１３４に記憶しておき、制御部１３２がこの気象に関するデータに基づき発電量を予測してもよい。気象に関するデータは、例えば、気候に影響する環境情報（温度、気圧、風力等）と発電量との対応関係について過去の実績から作成されたデータである。また、制御部１３２は、環境情報と発電量とを逐次取得して蓄積し、その蓄積されたビックデータに基づく機械学習によって翌日の発電量を予測してもよい。そして、制御部１３２は、翌日の発電量が基準量以下である場合、翌日の日中において、太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐによって通信機器３０に電力が十分に供給されなくなるおそれがある。このため、前日の夜間料金帯におけるＬＩＣモジュール２００の充電を行う（図４（ｂ）、図６参照）。一方、翌日の発電量が基準量を超える場合、前日の夜間料金帯におけるＬＩＣモジュール２００の充電を行わないことより、翌日の太陽光発電装置１０からのＰＶ電力Ｗｐの変動分に応じてＬＩＣモジュール２００が十分に充放電できるように待機させることができる。このとき、記憶部１３４は、特許請求の範囲における蓄積部の一例である。

　上記第２実施形態では、図９の自立型電力制御処理において、Ｓ５２０の判断をせずにバッテリユニット１２０を並列形態としてもよい。このような構成でも、ＰＶ電力Ｗｐ（電力供給ラインＬＷ）の電力変動分（短周期変動分）は、ＬＩＣモジュール２００の充放電に優先的に利用される。このため、ＬＩＢモジュール３００の充放電を許容しつつ、ＰＶ電力Ｗｐの電力変動に起因するＬＩＢモジュール３００の劣化を抑制することができる。また、上記周期検出部が不要になる。また、図９のＳ５４０の処理において、ＤＣ／ＤＣコンバータ１１０にＬＩＢモジュール３００を電気的に接続し、ＬＩＣモジュール２００の電気的な接続を切り離すＬＩＢ単独形態としてもよい。また、上記第２実施形態において、商用電源２０が電力供給ラインＬＷに接続されていない構成でもよい。

　上記実施形態において、制御部１３２は、次の電流制御処理を実行してもよい。すなわち、制御部１３２は、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗を特定し、その特定した内部抵抗が高い程、バッテリユニット１２０に流す電流量を小さくする。このとき、制御部１３２は、特許請求の範囲における抵抗特定部と電流制御部として機能する。図１２は、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗とＬＩＢモジュール３００に流す電流量との関係を示す説明図である。図１２に示すように、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗が低下するに連れて（グラフＧＺ参照）、ＬＩＢモジュール３００に流す電流量を増大させる（グラフＧＩ参照）。これにより、ＬＩＢモジュール３００の内部抵抗の増大に伴うＬＩＢモジュール３００の副反応を抑えて、ＬＩＢモジュール３００の劣化を抑制することができる。なお、図１２に示すように、ＬＩＢモジュール３００の過放電を抑制するため、ＬＩＢモジュール３００に流す電流量が所定の上限量に達した場合には、ＬＩＢモジュール３００に流す電流量を上限量に保つことが好ましい。

　上記実施形態において、ハードウェアによって実現されている構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、反対に、ソフトウェアによって実現されている構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。

１０：太陽光発電装置　１２：ソーラーシステム　１４：ＰＶコンバータ　２０：商用電源　２２：ＡＣ／ＤＣコンバータ　３０：通信機器　１００：電力制御システム　１１０：ＤＣ／ＤＣコンバータ　１２０，１２０Ａ：バッテリユニット　１２２，１２２Ａ，１２４，１２４Ａ，１２６：スイッチ　１３０：ＰＣＵ　１３２：制御部　１３４：記憶部　１３６：インターフェース部　１３８：ＬＩＣ管理部　１４０：ＬＩＢ管理部　２００：ＬＩＣモジュール　２１０：ＬＩＣ　３００：ＬＩＢモジュール　３１０：ＬＩＢ　Ｅ１：プラトー領域　Ｅ２：非プラトー領域　ＧＢ：充放電曲線　ＬＷ：電力供給ライン　Ｗａ：商用電力　Ｗｃ，Ｗｂ：放電電力　Ｗｐ２：余剰電力　Ｗｐ：ＰＶ電力

Claims

　自然エネルギーを利用して発電する発電装置と負荷との間の電力供給ラインに接続される電力制御システムであって、
　リチウムイオンキャパシタとリチウムイオン電池とを有する蓄電部と、
　ＤＣ／ＤＣコンバータと、
　前記蓄電部の充放電を制御する充放電制御部と、
を備え、
　前記充放電制御部は、
　　前記リチウムイオンキャパシタを、前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して、前記電力供給ラインに接続して前記リチウムイオンキャパシタの充放電を制御し、
　　前記リチウムイオン電池を、前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して、前記電力供給ラインに接続して前記リチウムイオン電池の充放電を制御する、
　電力制御システム。
　請求項１に記載の電力制御システムであって、
　前記蓄電部は、
　　前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに並列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された並列形態を有する、
　電力制御システム。
　請求項２に記載の電力制御システムであって、
　前記蓄電部は、
　　前記並列形態と、
　　前記リチウムイオンキャパシタが前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されており、かつ、前記リチウムイオン電池が前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されていないキャパシタ単独形態と、
　を切り替え可能に構成されている、
　電力制御システム。
　請求項２または請求項３に記載の電力制御システムであって、
　前記蓄電部は、
　　前記並列形態と、
　　前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに直列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された直列形態と、
　を切り替え可能に構成されている、
　電力制御システム。
　請求項４に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、
　　前記リチウムイオン電池が、単位時間当たりの電圧変化量が基準量以上である電圧急変状態であるか否かを判断する第１の状態判断部を備え、
　　前記第１の状態判断部にて前記リチウムイオン電池が前記電圧急変状態であると判断されたことを必要条件として、前記蓄電部を前記並列形態から前記直列形態に切り替える、
　電力制御システム。
　請求項４または請求項５に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、
　　前記リチウムイオン電池の内部抵抗が基準抵抗以上であるか否かを判断する第２の状態判断部を備え、
　　前記第２の状態判断部にて前記リチウムイオン電池の内部抵抗が基準抵抗以上であると判断されたことを必要条件として、前記蓄電部を前記並列形態から前記直列形態に切り替える、
電力制御システム。
　請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載の電力制御システムであって、
　前記リチウムイオンキャパシタは、互いに直列に接続された複数のキャパシタセルを含み、
　前記リチウムイオン電池は、互いに直列に接続された複数の電池セルを含み、
　前記複数のキャパシタセルと前記複数の電池セルとは、それぞれ１つずつ互いに並列に接続されている、
電力制御システム。
　請求項１から請求項７までのいずれか一項に記載の電力制御システムであって、
　前記リチウムイオンキャパシタは、互いに直列に接続された複数のキャパシタセルを含み、
　前記リチウムイオン電池は、互いに直列に接続された複数の電池セルを含み、
　前記複数のキャパシタセルと前記複数の電池セルとは、１つずつ交互に配列され、かつ、互いに隣り合う前記キャパシタセルと電池セルとが接触するように配置されている、
電力制御システム。
　請求項１から請求項８までのいずれか一項に記載の電力制御システムであって、
　前記リチウムイオン電池は、複数の電池セルを有する電池モジュールにより構成されるとともに、前記電池モジュールを増設可能に構成されており、
　前記充放電制御部は、前記電池モジュールを制御する電池制御部を備え、前記電池制御部は、増設可能な最大数の前記電池モジュールを制御可能に構成されている、
電力制御システム。
　請求項１から請求項９までのいずれか一項に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、
　　前記リチウムイオン電池の内部抵抗を特定する抵抗特定部と、
　　前記抵抗特定部により特定される前記内部抵抗が高い程、前記蓄電部に流す電流量を小さくする電流制御部と、を備える、
電力制御システム。
　請求項１から請求項１０までのいずれか一項に記載の電力制御システムであって、
　前記発電装置は、太陽光発電装置であり、
　前記蓄電部は、
　前記リチウムイオンキャパシタと前記リチウムイオン電池とが互いに並列に接続されると共に前記ＤＣ／ＤＣコンバータを介して前記電力供給ラインに接続された並列形態と、
　　前記リチウムイオンキャパシタが前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されており、かつ、前記リチウムイオン電池が前記ＤＣ／ＤＣコンバータに接続されていないキャパシタ単独形態と、
　を切り替え可能に構成されており、
　前記充放電制御部は、
　　前記太陽光発電装置より発電される電力が前記負荷に必要な電力を超えた場合、前記蓄電部を前記キャパシタ単独形態として前記太陽光発電装置からの余剰電力によって前記リチウムイオンキャパシタを充電し、
　　前記太陽光発電装置より発電される電力が前記負荷で必要な電力に対して不足する場合、前記蓄電部を前記並列形態として前記蓄電部から放電させて前記負荷に電力を供給する、
　電力制御システム。
　請求項１１に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、前記太陽光発電装置の発電量が基準量以下である場合、前記蓄電部を前記キャパシタ単独形態として前記太陽光発電装置からの電力によって前記リチウムイオンキャパシタを充電する、
　電力制御システム。
　請求項１１または請求項１２に記載の電力制御システムであって、
　前記電力供給ラインには、商用電源が接続されており、
　前記充放電制御部は、現在時刻が夜間料金帯でない場合、前記蓄電部を前記並列形態として前記蓄電部から放電させて前記負荷に電力を供給し、現在時刻が前記夜間料金帯である場合、前記商用電源から前記負荷に電力を供給する、
　電力制御システム。
　請求項１３に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、前記太陽光発電装置の翌日の発電量を予測する予測部を備え、
　前記予測部に予測された発電量が基準量以下であることを必要条件として、前日の前記夜間料金帯における前記リチウムイオンキャパシタの充電を行う、
　電力制御システム。
　請求項１４に記載の電力制御システムであって、
　前記充放電制御部は、さらに、気象に関する測定データを蓄積する蓄積部を備え、
　前記予測部は、前記蓄積部に蓄積された前記測定データに基づき前記翌日の発電量を予測する、
　電力制御システム。