WO2021234976A1 - マスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスク - Google Patents

Abstract

【課題】マスクの装着、脱着が簡便で、装着中には、マスクのずれを防止可能であり、不織布製、ガーゼ等多種のマスクに対して、繰り返し使用可能でありながら、誤用を確実に防止することが可能なマスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクを提供する。 【解決手段】マスクの内面の縦中心線を跨って上縁部１２４に沿って貼られる固定シールであって、 固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、 他方の表面には、鼻柱を跨ぐ顔の一部表面に固着可能な顔粘着部が設けられ、 固定シールの端部に、識別タグが付設され、 マスクを縦中心線に沿って折り畳む際、折り畳まれる前記固定シールの一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを粘着固定することにより、マスクの内面の露出を防止可能であるとともに、折り畳まれたマスクを広げる際、一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを剥離可能である、ことを特徴とするマスク用固定シール。　

Description

マスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスク

　本発明は、マスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクに関し、より詳細には、マスクの装着、脱着が簡便で、装着中には、マスクのずれを防止可能であり、紙製、不織布製、布製等多種のマスクに対して、繰り返し使用可能でありながら、誤用を確実に防止することが可能なマスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクに関する。

従来から、風邪、花粉症対策として、健康マスクが多用されている。
　このような健康マスクにおいて、マスク装着中における息苦しさを緩和する健康マスクが、たとえば、特許文献１において、鼻孔拡張マスクとして開示されている。
この鼻孔拡張マスクは、着用者の顔面と対向する対向面を有するマスク本体と、対向面の上縁近傍に固定され、横方向に延びる弾性変形可能な鼻孔拡張テープと、対向面の中央部を横断して配置され、弾性変形可能なワイヤーと、を備え、鼻孔拡張テープは、着用者の鼻柱の両側に粘着する粘着面を有し、両端部がその余の部位よりも幅広形状を呈している。

本構成によると、着用時には、対向面の上縁近傍に設けられた鼻孔拡張テープが着用者の鼻柱を横方向に跨ぐように位置する。その状態で、鼻孔拡張テープは、着用者の鼻の形状に沿って折り曲げられて、粘着面が着用者の鼻柱に粘着される。鼻孔拡張テープが元の形状に弾性的に復帰しようとすることで、着用者の鼻孔が拡張される。
また、横方向における鼻孔拡張テープの両端部が幅広形状を有しているため、両端部において鼻と鼻孔拡張テープとの粘着面積が広く確保される。鼻孔拡張テープの両端部ほど、鼻孔を拡張する力が大きく作用するが、上記の力が作用する面積が広いことから、鼻孔拡張テープの粘着面が鼻から剥がれにくくなると共に、効率的に鼻孔を拡張することができる。
さらに、ワイヤーは対向面の中央部を横断して配置されているため、両端が両頬にそれぞれ位置する。ワイヤーによってマスク本体の形状が維持されるため、着用者の鼻や口の周辺に空間が形成される。これにより、マスク本体が着用者の鼻孔を塞いでしまうことがなく、着用者の息苦しさをさらに緩和することができる。

しかしながら、以上の鼻孔拡張テープおよび鼻孔拡張テープを備えた鼻孔拡張マスクには、以下のような技術的問題点が存する。
第１に、マスク装着中のずれ防止がなされていない。
より詳細には、一般的に、マスクの装着中、会話等で口を動かすことにより、マスクは徐々にずれ、場合により鼻が露出した状態となり、マスクの顔のカバー機能という本来の機能が損なわれることが頻繁に生じるが、このずれは、特に顔の上下方向のずれである。
これに対して、鼻孔拡張テープは、鼻柱を跨ぐように頬部まで延び、顔に対して横長に装着されることから、顔全体において、口を動かしても略不動な鼻柱だけでなく、口の動きに伴って動きの生じる頬部に貼り付けられている。しかも、鼻孔拡張テープは、そもそも、鼻孔を拡張しようとする目的のために、元の形状に弾性的に復帰させようとするものであり、マスクの装着中のずれに対しては、脆弱である。

第２に、抗菌マスクとして感染防止対策が不十分である。
より詳細には、第１の点に関連して、マスク中の装着中のずれを修正するのに、菌等付着の恐れのあるマスク外面を手で触り、菌等が付着した手で、鼻、口等に直接触れることで、感染の機会が増大する。
さらに、鼻孔拡張テープは、そもそも、鼻孔を拡張しようとする目的のために、元の形状に弾性的に復帰させようとするものであり、マスクと顔の面との間に隙間が形成されやすく、隙間からの菌等の侵入の恐れがある。
第３に、鼻孔拡張テープの繰り返し使用が困難であり、鼻孔拡張テープ付きマスクを繰り返し使用する場合に誤用の可能性が高い。
より詳細には、鼻孔拡張テープは、そもそも、マスクの内面に接着固定されており、繰り返し使用が困難であり、このようなマスクは、複数のセット販売が通常であるところ、鼻孔拡張マスクを繰り返し使用する場合に、他の使用者の鼻孔拡張マスクとの区別が困難となり、誤用することにより、たとえば、家族内で菌の感染が生じ得る。
昨今、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、既存の社会秩序、経済システム、生活行動様式を一変させるほどに影響を与えており、このコロナウイルス菌の感染を防ぐ基本的な策は言うまでもなく、消毒、手洗いとマスク着用であり、このような意味において、マスクの装着、脱着が簡便で、装着中には、マスクのずれを防止可能であり、紙製、不織布製、布製等多種のマスクに対して、繰り返し使用可能でありながら、誤用を確実に防止可能なマスクが要望されている。

実用新案登録第３１８５８７９号

　以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、マスク装着中のずれを防止することが可能なマスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクを提供することにある。
　以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、抗菌マスクとして感染防止対策が十分なマスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクを提供することにある。
　以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、マスク用固定シールとして繰り返し使用が可能であり、繰り返し使用する場合に誤用の可能性を低減したマスク用固定シールおよびマスク用固定シールを備えたマスクを提供することにある。

　上記課題を達成するために、本発明のマスク用固定シールは、
マスクの内面の縦中心線を跨って上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
他方の表面には、鼻柱を跨ぐ顔の一部表面に固着可能な顔粘着部が設けられ、
　　固定シールの端部に、識別タグが付設され、
マスクを縦中心線に沿って折り畳む際、折り畳まれる前記固定シールの一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを粘着固定することにより、マスクの内面の露出を防止可能であるとともに、折り畳まれたマスクを広げる際、一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを剥離可能である、構成としている。

　上記課題を達成するために、本発明のマスク用固定シールは、
マスクの内面の上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
固定シールは、鼻柱に跨って貼られるように、横長状であり、
固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
他方の表面には、鼻および頬の表面に固着可能な粘着テープが設けられ、
　　固定シールの端部に、識別タグが付設される、構成としている。

　上記課題を達成するために、本発明のマスク用固定シールは、
マスクの内面の上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
固定シールは、鼻柱に跨って貼られるように、横長状であり、
固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
他方の表面には、鼻および頬の表面に固着可能な粘着テープが設けられ、
　　面ファスナーのオス部によるマスクの内面への固着強さは、粘着テープによる鼻の表面に粘着強さより強く設定され、
　　固定シールの端部に、識別タグが付設される、構成としている。

　　また、前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、前記粘着テープは、片面テープであり、基板の他方の面には、前記粘着テープの一方の面に粘着可能な粘着部が設けられ、前記識別タグは、前記基板の他方の面と前記粘着テープの一方の面との間に挟み込まれ、積層構造をなすのがよい。
さらに、前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、前記粘着テープは、両面テープであり、鼻の表面に固着可能な第１粘着面と、基板の他方の面に粘着可能な第２粘着面とを有し、前記識別タグは、前記第１粘着面と前記第２粘着面との間に挟み込まれ、積層構造をなすのがよい。
さらにまた、前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、基板の他方の面には、鼻の表面に固着可能な粘着剤が塗布され、前記識別タグは、前記基板の他方の面に固着されるのでもよい。

また、前記識別タグは、樹脂製であり、前記識別タグを摘まんで、引っ張ることにより前記マスク用固定シールのマスクの内面からの脱着を可能とする強度を有するのがよい。
さらに、前記粘着テープまたは前記粘着剤による鼻および頬の表面への粘着面積は、前記基板の前記他方の面の一部であるのがよい。
さらにまた、前記基板の前記一方の面の端部は、オス部が設けられない領域を有し、該領域を前記識別タグとして活用するのがよい。
加えて、前記識別タグは、前記基板の各端に設けられるのでもよい。

　さらに、前記顔粘着部の粘着強さの劣化に応じて、前記顔粘着部に対して、新たな粘着テープを貼り付けることにより、新たな粘着テープを新たな顔粘着部として活用するのがよい。

　上記課題を達成するために、本発明のマスクは、
　請求項１ないし請求項１１いずれか１項に記載のマスク用固定シールマスクが内面に固定されている、構成としている。
また、前記マスクは、平型マスクであって、
　前記マスクの内面の両上下縁部それぞれに沿って、第２マスク用固定シールが付設され、
　第２マスク用固定シールは、両面テープと、医療用皮膚テープと、該両面テープおよび該医療用皮膚テープの間に介在するスポンジ層を有し、
該両面テープは、一方の面の第1粘着部により、前記マスクの内面に粘着固定され、
　該両面テープは、他方の面の第２粘着部が、所定厚みを有するスポンジ層の一方の面に粘着固定され、
　該スポンジ層の他方の面は、医療用皮膚テープに粘着固定され、
医療用皮膚テープがマスク使用者の顔の頬部に粘着固定されるのがよい。
さらに、前記両面テープのいずれか、又は両方の端部に、識別タグが付設されるのがよい。
さらにまた、前記第1粘着部の粘着固定力が、前記医療用皮膚テープの粘着固定力より大きくなるように設定されるのがよい。
加えて、前記第２マスク用固定シールには、対応する前記上下縁部から外方に突出する突出部が付設されているのがよい。

本発明に係るマスク用固定シールの第１実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
　図１に示すように、マスク１００は、例えば、使い捨てのプリーツ型のマスク１００であり、具体的には、着用者の顔面の鼻や口や顎（ 対象部位） 等を覆うマスク本体部１１２ と、このマスク本体部１１２ を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部１１４ と、マスク本体部１１２ の鼻対応部位に設けられるマスク用固定シ―ル１００とを備えている。

マスク本体部１１２には、一般的な健康マスクとして用いられる公知な材料が使用される。一例として、綿素材のガーゼに任意の方法で抗菌・消臭等の加工が施されたものが使用される。抗菌・消臭加工の一例として、ナノ化された銀イオンをガーゼに吸着させる方法が挙げられる。

　マスク本体部１１２は、略対称な形状を有する左右一対の不織布シート を重ね合わせて、その一対の不織布シート をマスク本体部１１２ の左右方向の略中央で上下方向の接合縁１２２により略円弧状に一体に接合されている。
　なお、マスク本体部１１２は顎部、口許部 、鼻部及びその左右両側の頬部を覆う大きさであるが、少なくとも口許部から鼻梁の上下方向の中間部、及び左右の両側の頬部を覆い得るものであればよい。接合縁１２２ は熱溶着等により構成されている。

　不織布シート にはアレルギー性鼻炎症、花粉症等の原因物質である花粉等の通過を阻止し、且つ適度な通気性と保温性とを有するもの、例えば熱可塑性を有する合成樹脂繊維製の不織布シートが使用されている。
　接合縁１２２で着用者の顔面等を傷つけない観点から、不織布シート はマスク本体部１１２の上下両端に非接合部ができるように、その非接合部間を接合縁１２２で接合することが好ましい。

　熱可塑性を有する合成樹脂繊維の不織布としては、例えばオレフィン樹脂繊維、ポリエチレン樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維等の単繊維を素材とする不織布や、複合芯鞘繊維を素材とする不織布、あるいは積層複合不織布等を使用することができる。複合芯鞘繊維としては、ポリエステル－ ポリエチレン芯鞘繊維、ポリプロピレン－ ポリエチレン芯鞘繊維等を適用できる。積層複合不織布としては、綿とポリエチレンの積層不織布、レーヨンとポリエチレンの積層不織布、綿とポリプロピレンの積層不織布等を適用できる。

　マスク本体部１１２ は、立体性のない平面状の不織布シート を使用して略円弧状の接合縁１２２で接合し、その後に周縁を一体に裁断したものであって、着用に際して不織布シート を左右に広げたときに接合縁１２２ が前方に円弧状に張り出す立体形状を呈し、接合縁１２２ 及びその左右両側において、目頭部 間と顎部とを除く上下方向の中間部分で顔面との間に所定の隙間ができるようになっている。

　耳掛け部１１４は耳通し孔の上下に上辺部と下辺部とを有し、基部が各不織布シート の接合縁１２２ と反対側の上下方向の接合部で熱溶着等により接合されている。上辺部、下辺部は、マスク本体部１１２ を顔面に当てて耳掛け部１１４を耳部 に掛けたときに、上辺部の張力が下辺部の張力よりも大になるように構成されている。耳掛け部１１４には、熱可塑性を有する合成樹脂繊維製の不織布シートが使用されている。

　なお、粘着部３０は例えばホットメルト感圧接着剤により構成されている。そして、ホットメルト感圧接着剤は、熱可塑性ポリマーをベースにした、溶剤や水を含まない接着性混合物からなる。勿論、粘着部３０にはその他の粘着剤を使用してもよい。
　表シート、裏シートは通気性を有する熱可塑性繊維の不織布からなり、その周縁が熱溶着等によりシールされている。なお、裏シートは熱可塑性フィルム等を使用してもよい。また表シートは多数の微孔が形成されたフィルムを使用してもよい。

次に、図１および図２を参照して、マスク用固定シール１０について、説明すれば、マスク１００の内面１１０の縦中心線を跨って上縁部１２４に沿って貼られる固定シール１０であって、
固定シール１０は、鼻柱に跨って横方向に貼られるように、横長状であり、固定シール１０は、一方の表面１２には、マスク１００の内面１１０に固定可能な面ファスナー１４のオス部１５が設けられ、他方の表面１６には、鼻の表面ＮＳおよび頬部に固着可能な粘着テープ１８が設けられ、面ファスナー１４のオス部１５によるマスク１００の内面１１０への固着強さは、粘着テープ１８による鼻の表面ＮＳに粘着強さより強く設定され、固定シール１０の端部２０に、識別タグ２２が付設される。これは、たとえば、後に説明するオス部１５を構成するフック部の先端形状、フック部の密度等を選択することにより、調整可能である。
マスク用固定シール１０の外形は、たとえば、幅Ｗは、１５ミリ程度、長さＬ１は、１５センチ前後（大人用）、厚みＤは、数ミリ以下であり、識別タグ２２の突出長さＬ２は、識別タグ２２を指で摘まんで、つまんで、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０から引きはがすのに便利なように設定すればよく、たとえば、１センチ程度である。

図２に示すように、面ファスナー１４は、保形性を具備する基板２４を有し、基板２４は、たとえば、樹脂製であり、基板２４の一方の面１２に、マスク１００の内面１１０に絡み合い可能なフック部が設けられ、基板２４の他方の面１６には、粘着テープ１８の一方の面に粘着可能な粘着部が設けられ、識別タグ２２は、基板２４の他方の面１６と粘着テープ１８の一方の面との間に挟み込まれ、積層構造をなす。粘着テープ１８は、片面テープであり、粘着テープ１８の他方の面には、鼻の表面ＮＳおよび頬部に固着可能な粘着部３０が設けられ、そこが剥離フィルム１９で覆われている。
　識別タグ２２は、樹脂製であり、識別タグ２２を摘まんで、引っ張ることによりマスク用固定シール１０のマスク１００の内面１１０からの脱着可能な強度を有する。つまり、識別タグ２２の他方の面の端部が、粘着テープ１８の面に当接した状態で、識別タグ２２の一方の面の端部は、基板２４の他方の面に粘着されるとともに、識別タグ２２の材質は、識別タグ２２を摘まんで、引っ張る際、引きちぎれない強度を有する。
識別タグ２２は、色の異なるものが複数あり、この識別タグ２２により、マスク用固定シール１０の区別可能としており、それにより、たとえば、家族間における、マスク用固定シール１０の誤用に有効であり、または、同じマスク１００を用いている場合において、マスク１００の内面１１０にマスク用固定シール１０を貼り付けておくことにより、マスク１００自体の誤用にも有効である。

なお、変形例として、粘着テープ１８は、両面テープでもよく、基板２４の他方の面１６に設けられる、粘着テープ１８の一方の面に粘着可能な粘着部の代わりに、鼻の表面ＮＳに固着可能な第１粘着面と、基板２４の他方の面１６に粘着可能な第２粘着面とを有し、識別タグ２２が、第１粘着面と第２粘着面との間に挟み込まれ、積層構造をなすのでもよい。

　さらなる変形例として、図３に示すように、別個の要素部品である粘着テープ１８および識別タグ２２を省略してもよい。
より詳細には、面ファスナー１４のオス部１５が、保形性を具備する基板２４を有し、基板２４の一方の面１２に、マスク１００の内面１１０に絡み合い可能なフック部が設けられる点は、同様であるが、基板２４の他方の面１６には、粘着テープ１８の他方の面に設けている、鼻の表面ＮＳおよび頬部に固着可能な粘着部３０として、粘着剤３２を塗布し、その代わりに、粘着テープ１８を省略し、基板２４の一方の面１２の端部には、オス部１５が設けられない領域を設け、領域を識別タグ２２として活用し、その代わりに、粘着テープ１８を省略してもよい。
　粘着剤は、アレルギー性の低い感圧性アクリル酸接着剤であって臭いや揮発成分の有無等も考慮して人体に対する影響が十分に小さいものが使用される。感圧性であるため、化学反応による硬化等が生じにくく、長期間の粘着性を維持すると共に、貼着後も鼻の表面から剥離させることができ、繰り返し使用可能である。アクリル酸系なので、皮脂が付着した表皮でも高い粘着性を維持することができる。

　粘着テープ１８または粘着剤による顔への粘着面積は、マスクの装着中のずれ防止に有効である限りにおいて、基板２４の他方の面１６の一部であってもよく、粘着面積を最小にすることにより、肌への悪影響を極力小さくすることが可能である。

マスク用固定シール１０は、それぞれ色の異なる識別タグ２２が設けられ、互いに区別可能な複数のマスク用固定シール１０を、たとえば、樹脂製の透明ケーシングにまとめて収納するのが好ましい。この場合、透明ケーシングの内部には、マスク用固定シール１０のオス部１５と絡み合うことにより、マスク用固定シール１０を内部に固定可能なメス部（たとえば、面ファスナーのループ部）を設けるのがよく、これにより、複数のマスク用固定シール１０から自分用のマスク用固定シール１０を識別タグ２２により選択する際、透明ケーシングを開けても、複数のマスク用固定シール１０がケーシング内部から落下する恐れなく、マスク用固定シール１０の誤用を防止可能である。

　以上の構成を有するマスク用固定シール１０の作用について、以下に、マスク用固定シール１０のマスク１００への装着マスク用、固定シール１０のマスク１００からの脱着およびマスク用固定シール１０の繰り返し使用の場合に大別して、説明する。
　マスク用固定シール１０は、それぞれ既存の要素製品である面ファスナー１４、識別タグ２２および粘着テープ１８を単に組み合わせることにより完成可能である。面ファスナー１４の基板２４が保形性を有するので、保形性のない粘着テープ１８だけであれば、再使用の際、粘着部３０同士がくっ付いてしまう恐れが高いところ、１つのマスク用固定シール１０を繰り返し使用可能であり、しかも、安価な製品として提供可能である。
　たとえば、面ファスナー１４としては、スリーエム社製の商品名メカニカルファスナー（フックNC-2141）、トラスコ中山社製の型番TMSD-25W、識別タグ２２としては、スリーエム社製の商品名ポストイット、または、カラーセロハン、粘着テープ１８としては、スリーエム社製の商品名マイクロポア、ニチバン社製の商品名サージカルテープでもよい。
　特に、粘着テープ１８の剥離フィルム１９の表面、または、本マスク用固定シール１０を複数収納するケーシングの表面に会社名等をプリントして、広告用のノベルティ商品として利用することも可能である。
本マスク用固定シール１０によれば、鼻用シ―ルを鼻柱に跨って横方向に貼り付けることにより、マスク１００装着中のずれを防止することが可能であるとともに、鼻と頬との間に隙間が形成されるのを有効に防止し、マスク１００内への菌等の侵入を効果的に防止可能であるとともに、眼鏡をかけてマスクを装着する使用者の場合、鼻息による眼鏡の曇り止めにも有効である。

（１）  マスク用固定シール１０のマスク１００への装着
　先ず、新たにマスク用固定シール１０を選択して、マスク１００へ装着する場合、ケーシングを開けて、所望色の識別タグ２２のマスク用固定シール１０を選ぶ。その際、複数のマスク用固定シール１０はそれぞれ、面ファスナー１４を介して、ケーシング内に設けたループ部（メス部１２０）に固定されているので、ケーシングを開けてマスク用固定シール１０を選ぶ際、マスク用固定シール１０がケーシングから、たとえば、地面に落下して、マスク用固定シール１０自体の抗菌性が損なわれる恐れを低減することが可能である。
　次いで、選択したマスク用固定シール１０の剥離フィルム１９を剥がして、使用者の鼻柱に跨って横方向に、マスク用固定シール１０の粘着面を鼻部まわりに押し当てて、マスク用固定シール１０を顔に貼る。
　次いで、マスク１００の両耳かけ部を使用者の対応する耳に掛けて、通常のやり方で、マスク１００を装着する。
　次いで、マスク１００の外面１１１の上縁部を顔に向かって押圧するだけで、マスク用固定シール１０の面ファスナー１４のフック部２８（オス部１５）がマスク１００の内面１１０のループ部（メス部１２０）に絡み合うことにより、マスク用固定シール１０がマスク１００の内面１１０に固定される。

　なお、マスク用固定シール１０の鼻用シールのマスク１００の内面１１０の対向面の色を目立たない色にすることにより、マスク１００外面１１１からマスク用固定シール１０が透けることもなく、マスク用固定シール１０自体の厚みも薄いことから、マスク１００の装着中、マスク用固定シール１０の存在は、外からは認識されない。逆に、デザイン状の観点から、マスク用固定シール１０の鼻用シールのマスク内面１１０の対向面の色を敢えて目立つ色として、マスク１００の層数次第で、マスク１００の外面１１１から透けるようにしてもよい。
マスク１００の装着中、会話等口を動かしても、マスク１００が上下方向、特に下方向にずれて、鼻部が露出して、マスク１００によるカバー機能を損なうのを防止することが可能である。これにより、手でマスク１００の外面１１１に触れて、マスク１００のずれを修正することにより、マスク１００の外面１１１に付着するウィルス等菌が手に付着し、菌が付着した手で鼻、口等に直接触れて、菌に感染する機会が生じるのを抑制することが可能である。
特に、マスク用固定シール１０がマスク１０の上縁部１２４に沿って横方向に、鼻柱を跨いで貼り付けられることから、マスク１０と顔との間に隙間が形成され、この隙間を介して菌等が侵入することをより効果的に防止可能であり、これは、平型タイプのマスクに場合には、立体型タイプに比べて、鼻と頬との間に隙間が形成されがちであるので、より有効であり、これにより、眼鏡をかけてマスクを装着する使用者の場合、鼻息による眼鏡の曇り止めにも有効である。
　マスク用固定シール１０の粘着テープ１８の選択により、女性の化粧肌、発汗肌にも、マスク１００のずれを防止可能な程度にマスク１００を固定することが可能である。さらに、粘着部３０に対してアレルギーにより肌荒れ等を生じる恐れがある場合には、医療用の粘着テープ１８を用いればよい。
　なお、マスク用固定シール１０のマスク１００への装着の際、選択したマスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０に固定後、剥離フィルム１９を剥がして、マスク用固定シール１０を鼻柱に跨って固定するのでもよい。この場合、マスク用固定シール１０のマスク１００の内面１１０の固定位置は、マスク１００の内面１１０の上縁部１２４に沿って横方向であることから、特段、マスク１００の内面１１０上に目印の必要なく、適切な位置にマスク１００の内面１１０に固定可能である。特に、紙製マスク１００で、マスク１００の中央部に横方向に、上下方向に拡大用の折りひだ部１１８が存する場合、マスク用固定シール１０を鼻部まわりに貼った後、マスク１００を装着し、折りひだ部１１８を上下方向に拡大後に、マスク１００の外面１１１の上縁部１２４を顔に向かって押圧するのが好ましい。

（２）マスク用固定シール１０のマスク１００からの脱着
　通常のように、マスク１００の耳掛け部１１４を耳から外して、マスク１００を顔から脱着する。その際、面ファスナー１４にマスク用固定シール１０のマスク１００の内面１１０への固定力の方が、粘着テープ１８によるマスク用固定シール１０の顔への粘着力の方が、大きいことから、マスク用固定シール１０は、マスク１００の内面１１０に貼り付いたままである。これにより、たとえば、外でマスク１００を脱着する際、飲食等、マスク１００を下方にずらして、口を露出する必要がある場合、発汗のため、いったん脱着したい場合等、人前で、マスク用固定シール１０だけが鼻に付着した状態で、マスク１００だけが脱着されてしまうという好ましくない状況を回避することが可能である。
　マスク用固定シール１０のマスク１００からの脱着の際、マスク１００の内面１１０に貼り付いているマスク用固定シール１０の識別タグ２２を指でつまんで、マスク用固定シール１０の延び方向に沿って引きはがすことにより、面ファスナー１４のフック部２８（オス部１５）とマスク１００の内面１１０のループ部（メス部１２０）との絡み合いが順々に解除され、手で粘着面に触れる必要がなく、抗菌性を損なう機会を低減することが可能である。
　特に、マスク用固定シール１０の両端部に識別タグ２２が付設されており、どちらかを指でつまんで、マスク用固定シール１０の延び方向に沿って引きはがすのがよい。
　なお、識別タグ２２は、マスク用固定シール１０のマスク１００への装着の際、マスク１００外部へ露出しない範囲で、マスク用固定シール１０の端部２０、すなわち、面ファスナー１４の基板２４の端部２０に設けるのがよい。

　マスク１００から引きはがしたマスク用固定シール１０は、ケーシング内に設けたループ部（メス部１２０）を介して、ケーシング内に固定保管するのが好ましく、同じケーシング内に保管しても、識別タグ２２により、たとえば、家族内で誤用するのを防止することが可能であり、家族内感染防止に資する。なお、マスク１００を繰り返し使用する場合には、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０に貼り付けた状態で、マスク１００を保管してもよい。この場合、マスク１００の内面１１０に貼り付けられた状態のマスク用固定シール１０の識別タグ２２により、マスク１００自体の誤用を防止することが可能である。
　この場合、同じケーシング内に、子供用マスク用固定シール１０と、大人用マスク用固定シール１０とを混在させても、子供用マスク用固定シール１０の長さは、スモールサイズで、ラージサイズの大人用マスク用固定シール１０の長さとは、一目瞭然に区別可能であり、同じ色の識別タグ２２が付されていても、誤用の恐れはない。
 
　使用済みのマスク用固定シール１０は、まとめて、ケーシングごと廃棄するのがよい。

（３）マスク用固定シール１０の繰り返し使用の場合
　新たなマスク１００に対して、マスク用固定シール１０を繰り返し使用する場合、自分用のマスク用固定シール１０を識別タグ２２の色により選択して、（１）マスク用固定シール１０のマスク１００への装着　で述べたように、新たなマスク１００の内面１１０に貼り付ければよい。これにより、繰り返し使用する場合、家族内でのマスク用固定シール１０の誤用防止が可能であり、マスク用固定シール１０を通じての家族間の感染の機会を低減することが可能である。
　特に、図５に示すように、マスク１００を脱着し、折り畳んで２つ折り又は4つ折りにして、ポケット或いは鞄等にしまう際、マスク１００を縦中心線に沿って折り畳み、折り畳まれるマスク用固定シール１０の一方の部分の顔粘着部と、他方の部分の顔粘着部とを粘着固定することにより、顔粘着部への菌等の付着を防止するとともに、マスク１００の内面１１０の露出を防止可能であり、一方、折り畳まれたマスク１００をポケット或いは鞄等から取り出して広げる際、一方の部分の顔粘着部と、他方の部分の顔粘着部とを剥離可能で、繰り返し使用可能であり、総じて、抗菌性マスクとしての有用性を改善可能である。

また、マスク１００を洗濯する際、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０から脱着してから、洗濯してもよいが、粘着テープとして、「水に強い接着材」（数社有り）を用いることにより、アイロンをかけて熱活性化する必要なく、粘着力が低下するとしても、マスク装着中のずれ防止が可能な程度に低下範囲を抑制することが可能であり、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０に装着しままで、マスクを洗濯しても、マスク用固定シール１０を繰り返し使用である。
　さらに、マスク用固定シール１０をマスク１００に装着して繰り返し使用することにより、マスク用固定シール１０の顔への粘着性能が、マスク装着中のずれ防止が可能でない程度まで低下した場合には、市販の医療用皮膚テープ（横幅17cm×縦幅1.5 cmが一般的である）をマスク用固定シール１０の外形と同じサイズに切って、その上から貼ればマスク１００が捨てられるまで、マスク装着中のずれ防止が可能に何度も使用可能であるという利点を有する。なお、マスクの材質が、ポリプロピレン、ポリエチレン等で、マスク１００の内面１１０に対して、面ファスナー１４のフック部が絡み合うことにより、マスク用固定シール１０をマスク１００に固定するのが、困難である場合には、面ファスナー１４の代替として、市販の両面接着剤（たとえば、ＫＡＷＡＧＵＣＨＩ社製　商品名『水に強い超強力両面テープ』）を用いればよい。
　マスク１００の材質、たとえば、ガーゼ製、不織布製により違いはあるが、マスク用固定シール１０は、少なくとも５回ないし１０回程度は、繰り返し使用可能である。
　なお、使用中の同じマスク１００にマスク用固定シール１０を繰り返し使用する場合も同様であり、面ファスナー１４による貼り付けのため、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０から引きはがし、再度マスク用固定シール１０を繰り返し使用する場合であっても、マスク１００の内面１１０を荒らすことなく、マスク用固定シール１０をマスク１００の内面１１０に対して、口等の動きにより、マスク１００のずれを防止可能な程度に固定可能である。

以下に、本発明の第２実施形態について、図６および図７を参照しながら説明する。以下の説明において、第１実施形態と同様な構成要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。
本発明の第２実施形態の特徴は、マスク１００が平型であり、それに伴い、マスクの１００の上下縁部５２に沿って、第２マスク用固定シール４５を設ける点である。
平型マスクは、立体型マスクまたはプリーツマスクに比べて、マスク内面１１０が平面状であることから、マスク装着中に、たとえば、会話、あくび、くしゃみ等口を動かすことにより、顔の頬部には、少なからず凹部が形成され、それにより、マスク内面１１０と頬部との間に隙間が形成され、この隙間を介して、ウィルス、菌が侵入して感染のリスクを増大したり、この隙間を介して、マスク使用者が外部へウィルス、菌を放出するリスクを増大するという問題点が存するところ、このような課題を解決するものである。

マスクは、平型マスクであって、第２マスク用固定シール４５は、両面テープ５０と、医療用皮膚テープ６１と、両面テープ５０および医療用皮膚テープ６１の間に介在するスポンジ層５５を有する。
より詳細には、マスクの内面１１０の両上下縁部５２それぞれに沿って、第２マスク用固定シール４５が付設される。なお、第２マスク用固定シール４５の側縁が両上下縁部５２に一致する必要はなく、マスクの内面１１０と頬部との密着性を確保する観点から、両上下縁部５２の近傍に設ければよく、必ずしも、両上下縁部５２に平行に第２マスク用固定シール４５を設ける必要もない。後述するように、脱着したマスクをポケット、鞄等内に保管する際、マスクを長手方向の中央部を折り目として、二つ折りにして、第２マスク用固定シール４５の医療用皮膚テープ６１の粘着部が重なって、互いに密着することにより、マスクの内面１１０が露出しないように、両第２マスク用固定シール４５のマスクの内面１００に対する位置を定めればよい。
　両面テープ５０の長さおよび/または幅は、マスクの内面１１０と頬部との密着性を確保する観点と、第２粘着部による頬部の肌への影響（たとえば、肌荒れ）の観点とを勘案して、決定すればよく、たとえば、製品名『ＯＴＯＫＵ魔法両面テープ』でよい。
　　両面テープ５０には、対応する上下縁部５２から横方向に延びて外方に突出する突出部２５が設けられている。突出部２５の長さは、以下で説明するように、マスクを、たとえば、ポケット、鞄に保管する場合、マスクを長手方向の中央部を折り目として、２つに折り畳む際、第１実施形態と同様に、折り畳まれるマスク用固定シール１０の一方の部分の顔粘着部と、他方の部分の顔粘着部とを粘着固定するとともに、第２マスク用固定シール４５同士を密着させ、再び、折り畳んでいたマスクを広げて再使用する際に、マスクの外方へ突出する部分を指で摘まんで広げるのに利用可能な観点から定めればよい。
　両面テープ５０は、一方の面５４の第1粘着部により、マスクの内面１１０に粘着固定され、他方の面５６の第２粘着部が、所定厚みを有するスポンジ層５５の一方の面５７に粘着固定され、スポンジ層５５の他方の面５９は、医療用皮膚テープ６１に粘着固定され、医療用皮膚テープ６１がマスク使用者の顔の頬部に粘着固定される。スポンジ層５５の材質は、マスク装着の際、口を動かすことにより頬部に形成される凹部に追従可能な弾性を有するものである限り、通常のものでよい。
　スポンジ層５５の厚みは、マスクの内面１１０と頬部との密着性を確保することにより、隙間形成を防止する観点から定めればよく、図７に示すように、口を動かすことにより凹む頬部の部位、すなわち、スポンジ層５５の中央部が頂点となるような山型に形成されており、特に、材質を弾力性に富むウレタン製とすることにより、頬部の表面形状に係わらず、口のマスクの内面１１０と頬部との密着性を維持することが可能である。

　以上の構成のマスクによれば、第１実施形態と同様に、マスク装着中に、マスク用固定シール１０により、ずれを防止しつつ、特に平型マスクの欠点である両側部における隙間形成を有効に防止可能である。
より詳細には、マスク１００の装着中、会話等口を動かしても、マスク１００が上下方向、特に下方向にずれて、鼻部が露出して、マスク１００によるカバー機能を損なうのを防止することが可能であるとともに、マスクの両側部に隙間が形成され、そこからウィルス、菌の出入りするリスクを有効に抑制することが可能である。これにより、手でマスク１００の外面１１１に触れて、マスク１００のずれを修正することにより、マスク１００の外面１１１に付着するウィルス等菌が手に付着し、菌が付着した手で鼻、口等に直接触れて、菌に感染する機会が生じるのを抑制することが可能であるとともに、第２マスク用固定シール４５における両面テープ５０と医療用皮膚テープ６１それぞれの粘着固定力およびそれらの間に介在するスポンジ層５５により、マスクの内面１１０と頬部との間の密着性を保持して、隙間が形成されるのを有効に防止可能である。
なお、第２マスク用固定シール４５は、その粘着固定力に応じて、マスクの内面１１０と頬部との間の密着性を保持するとともに、マスク１００のずれにも寄与することから、第２マスク用固定シール４５を設けることにより、マスク用固定シール１０の長さを短くするのでもよい。

マスクの装着は、第１実施形態と同様であるが、両面テープ５０の両方またはいずれかの端部に、識別タグ２２を付設してもよい。これにより、繰り返し使用する場合、家族内でのマスク１００の誤用防止が可能であり、たとえば、家族間の感染の機会を低減することが可能である。特に、両面テープ５０の上端部に、識別タグ２２を設けることにより、それを目印にして、マスクの上下向きを見誤ることなく装着することが可能である。突出部１５０の先端部の裏面に識別タグ２２と同じ色の識別マークを付してもよい。これにより、マスクの表裏を誤認するのを防止可能である。
なお、医療用皮膚テープ６１には、マスク用固定シール１０と同様に、剥離フィルム（図示せず）が貼られ、マスク１００を使用する際、剥離フィルムを剥がして、頬部に粘着固定すればよい。
第1粘着部の粘着固定力が、医療用皮膚テープ６１の粘着固定力より大きくなるように設定されるのが好ましい。これにより、外でマスクを脱着する際、第２マスク用固定シール４５が頬部に残存した状況でマスクを脱着する事態を防止することが可能である。
　マスク１００の脱着も、第１実施形態と同様であるが、特に、マスク１００の上縁の中央部に設けた突起部１５０を指で押さえて、耳掛け部１１４を耳から外して、脱着することにより、マスク１００の外面に指で触れることなく、脱着可能である。突起部１５０の大きさ、形状は、突起部１５０を指で押さえやすい観点から定まればよい。
脱着後、たとえば、マスク１００を折り畳んで、ポケット、鞄内に保管する際、第２マスク用固定シール４５を利用するとよい。より詳細には、マスク１００を長手方向の中央部を折り目として、２つに折り畳む際、第２マスク用固定シール４５同士の医療用皮膚テープ６１の粘着部同士を密着させることにより、マスク１００の内面１１０を露出させることなく、ポケット、鞄内へ手を挿入して、ウィルス、菌等が付着した指で不意にマスク１００の内面１１０を触れて、内面１１０にウィルス、菌等が付着するのを有効に予防することが可能である。
　次いで、ポケット、鞄内からマスク１００を再び取り出して、再使用する際、マスク１００から突出する突出部２５を指で摘まんで、２つ折りのマスク１００を拡げることにより、第２マスク用固定シール４５同士で強固に粘着している部分を容易に引きはがすことが可能である。
また、マスクを繰り返し使用する際、マスク内面１１０に両面テープ５０が粘着固定した状態で、マスクごと洗濯するのでよく、数回の洗濯後も、第１粘着部によりマスク内面１１０に両面テープ５０が粘着固定した状態を維持することが可能であるとともに、第２粘着部の粘着力も繰り返し使用可能な程度に維持することが可能である。特に、製品名『ＯＴＯＫＵ魔法両面テープ』によれば、水洗いにより、水に触れることにより、粘着性を回復可能である。
　さらに、数回の洗濯後、医療用皮膚テープ６１の粘着力が低下した場合には、医療用皮膚テープ６１に、新たな医療用皮膚テープ６１を粘着させて、医療用皮膚テープ６１を重ねて設けてもよい。

以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、マスク用固定シール１０が装着されるマスクとしては、健康マスクのものとして説明したが、それに限定されることなく、マスク装着中のずれ抑制に寄与する限り、風邪予防用ガーゼマスク、花粉症用の不織布マスク、捕集効率の高い医療用サージカルマスクや、感染者の隔離病棟で利用される感染予防用のマスク、さらには、生物化学兵器を想定した防毒（防護）マスクにも、適用可能であり、プリーツ型、立体型だけでなく、平型にも適用可能である。
たとえば、本実施形態において、マスク用固定シール１０と顔との間の粘着確保の観点から、粘着テープがマスク用固定シール１０の基板の裏面全体に設けられるものとして説明したが、それに限定されることなく、マスク装着中のずれ抑制に寄与する限り、粘着部３０が基板２４の全体を覆わなくてもよい。
たとえば、本実施形態において、面ファスナー、粘着テープおよび識別タグそれぞれを、別個の要素部品のものとして説明したが、それに限定されることなく、マスクの誤用防止に寄与する限り、たとえば、識別タグ２２は、面ファスナーまたは粘着テープと一体でもよい。

本発明の第１実施形態に係るマスク１００の全体斜視図である。 本発明の第１実施形態に係るマスク用固定シール１０の長手方向の断面図である。 本発明の第１実施形態に係るマスク１００の変形例の図２と同様な図である。 本発明の第１実施形態に係るマスク１００を顔に装着した状態を示す図である。 本発明の第１実施形態に係るマスク用固定シール１０付マスクを折り畳んだ状態を示す概略図である。 本発明の第２実施形態に係るマスク１００の平面図である。 図６の線A-Aに沿う断面図である。

Ｌ１　マスク用固定シールの長さ
Ｌ２　識別タグの突出長さ
Ｗ　　マスク用固定シールの幅
Ｄ　　マスク用固定シールの厚み
Ｎ　鼻対応部位
ＮＳ　鼻の表面
Ｓ　　粘着面積
１００　マスク
１１０　内面
１１１　外面
１１２　マスク本体部
１１４　耳掛け部
１１６　プリーツ
１１８　折りひだ
１２０　メス部
１２２　接合縁
１２４　上縁部
１５０　突起部
１０　マスク用固定シール
１２　一方の表面
１４　面ファスナー
１５　オス部
１６　他方の表面
１８　粘着テープ
１９　剥離フィルム
２０　端部
２２　識別タグ
　　２４　基板
２５　突出部
２８　フック部
３０　粘着部
３２　粘着剤
４５　第２マスク用固定シール
５０　両面テープ
５２　上下縁部
５４　一方の面
５５　スポンジ層
５６　他方の面
５７　一方の面
５９　他方の面
６１　医療用皮膚テープ

Claims (16)

1. マスクの内面の縦中心線を跨って上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
   固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
   他方の表面には、鼻柱を跨ぐ顔の一部表面に固着可能な顔粘着部が設けられ、
   　　固定シールの端部に、識別タグが付設され、
   マスクを縦中心線に沿って折り畳む際、折り畳まれる前記固定シールの一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを粘着固定することにより、マスクの内面の露出を防止可能であるとともに、折り畳まれたマスクを広げる際、一方の部分の前記顔粘着部と、他方の部分の前記顔粘着部とを剥離可能である、ことを特徴とするマスク用固定シール。
2. マスクの内面の上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
   固定シールは、鼻柱に跨って貼られるように、横長状であり、
   固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
   他方の表面には、鼻および頬の表面に固着可能な粘着テープが設けられ、
   　　固定シールの端部に、識別タグが付設される、ことを特徴とするマスク用固定シール。
3. マスクの内面の上縁部に沿って貼られる固定シールであって、
   固定シールは、鼻柱に跨って貼られるように、横長状であり、
   固定シールは、一方の表面には、マスクの内面に固定可能な面ファスナーのオス部が設けられ、
   他方の表面には、鼻および頬の表面に固着可能な粘着テープが設けられ、
   　　面ファスナーのオス部によるマスクの内面への固着強さは、粘着テープによる鼻の表面に粘着強さより強く設定され、
   　　固定シールの端部に、識別タグが付設される、ことを特徴とするマスク用固定シール。
4. 　　前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、前記粘着テープは、片面テープであり、基板の他方の面には、前記粘着テープの一方の面に粘着可能な粘着部が設けられ、前記識別タグは、前記基板の他方の面と前記粘着テープの一方の面との間に挟み込まれ、積層構造をなす請求項２ないし請求項３いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
5. 　前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、前記粘着テープは、両面テープであり、鼻の表面に固着可能な第１粘着面と、基板の他方の面に粘着可能な第２粘着面とを有し、前記識別タグは、前記第１粘着面と前記第２粘着面との間に挟み込まれ、積層構造をなす請求項２ないし請求項３いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
6. 　前記面ファスナーは、保形性を具備する基板を有し、基板の一方の面に、マスクの内面に絡み合い可能なフック部が設けられ、基板の他方の面には、鼻の表面に固着可能な粘着剤が塗布され、前記識別タグは、前記基板の他方の面に固着される、請求項２ないし請求項３いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
7. 　前記識別タグは、樹脂製であり、前記識別タグを摘まんで、引っ張ることにより前記マスク用固定シールのマスクの内面からの脱着を可能とする強度を有する、請求項１ないし請求項６いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
8. 　前記粘着テープによる鼻および頬の表面への粘着面積は、前記基板の前記他方の面の一部である、請求項４ないし請求項５いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
9. 　前記基板の前記一方の面は、オス部が設けられない領域を有し、該領域を前記識別タグとして活用する、請求項４ないし請求項６いずれか１項に記載のマスク用固定シール。
10. 　前記識別タグは、前記基板の各端に設けられる、請求項１ないし請求項９いずれか１項に記載のマスク固定用シ－ル。
11. 　前記顔粘着部の粘着強さの劣化に応じて、前記顔粘着部に対して、新たな粘着テープを貼り付けることにより、新たな粘着テープを新たな顔粘着部として活用する、請求項１に記載のマスク固定用シ－ル。
12. 　請求項１ないし請求項１１いずれか１項に記載のマスク用固定シールマスクが内面に固定されている、マスク。
13. 　前記マスクは、平型マスクであって、
    　前記マスクの内面の両上下縁部それぞれに沿って、第２マスク用固定シールが付設され、
    　第２マスク用固定シールは、両面テープと、医療用皮膚テープと、該両面テープおよび該医療用皮膚テープの間に介在するスポンジ層を有し、
    該両面テープは、一方の面の第1粘着部により、前記マスクの内面に粘着固定され、
    　該両面テープは、他方の面の第２粘着部が、所定厚みを有するスポンジ層の一方の面に粘着固定され、
    　該スポンジ層の他方の面は、医療用皮膚テープに粘着固定され、
    医療用皮膚テープがマスク使用者の顔の頬部に粘着固定される、請求項１２に記載のマスク。
14. 　前記両面テープのいずれか、又は両方の端部に、識別タグが付設される、請求項１３に記載のマスク。
15. 　前記第1粘着部の粘着固定力が、前記医療用皮膚テープの頬部への粘着固定力より大きくなるように設定される、請求項１３に記載のマスク。
16. 　前記第２マスク用固定シールには、対応する前記上下縁部から外方に突出する突出部が付設されている、請求項１３に記載のマスク。

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