WO2021199846A1

WO2021199846A1 - 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

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Publication number: WO2021199846A1
Application number: PCT/JP2021/007884
Authority: WO
Inventors: 拓也深山; 匡志宇田
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2020-03-31
Filing date: 2021-03-02
Publication date: 2021-10-07
Also published as: EP4115858A4; EP4115858A1; JP2021159334A; JP7249970B2

Abstract

軟便等の排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減する。吸収性物品（１）は、吸収コア（40a）と、吸収コアよりも肌対向面側に位置し、着用者に接するトップシート(46)と、を有する。少なくともトップシートの後胴回り域には、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部(50)が設けられている。吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部(41)を有する。凹凸構造部の前端縁は、吸収性物品の前後方向の中心である物品前後中心よりも後側に位置する。吸収コアが配置されたコア配置領域には、凹凸構造部と低坪量部が重なる積層領域と、凹凸構造部と重ならずに低坪量部と重なる低坪量領域と、が設けられている。

Description

吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

　本発明は、着用者の肌に接するトップシートに凹凸構造部を設けた吸収性物品及び吸収性物品の製造方法に関する。

　従来、着用者の尿や便等の排泄物を吸収する吸収性物品において、着用者の肌に接するトップシートに凹凸構造部を設けた吸収性物品が提供されている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１のトップシートは、互いに平行な多数の襞状部を有し、襞条部間において基材シートに接合されている。トップシートの基材シートに接合された部分は、凹部を構成し、襞状部の頂点部分は、凸部を構成する。各襞部は、前後方向に延びており、幅方向において隣接する襞状部と近接している。トップシートの凹部は、軟便等の高粘性排泄物を取り込むように構成されている。凹部に高粘性排泄物が取り込まれることにより、身体と高粘性排泄物を離間させることができる。

特開２００２－１６５８３０号公報

　しかし、特許文献１の吸収性物品のトップシートは、以下の問題があった。
　トップシートの凹凸構造部に取り込まれた排泄物のうち水分は、非肌面側に移行する。トップシートの厚みは、凹凸構造部を有しないトップシートの厚みよりも厚い。そのため、トップシートの肌面上に排出された水分がトップシートの非肌面に移行する時間を要することがあった。尿と便が一度に排出された場合等、大量の水分が排出された場合に、トップシートよりも非肌面側への体液の引き込みに時間がかかり、トップシートを排泄物が拡散することがあった。排泄物が肌に広い範囲で付着し、肌の負担が大きくなることがあった。

　そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、軟便等の排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減することを目的とする。

　一態様に係る吸収性物品は、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域と前記後胴回り域との間に位置する股下域と、前記前胴回り域から前記後胴回り域に向かう前後方向及び前記前後方向と直交する幅方向と、前記股下域を跨ぎ、前記前胴回り域及び前記後胴回り域の少なくともいずれか一方に延び、少なくとも高吸収性ポリマーを有する吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置し、着用者に接するトップシートと、を有する。少なくとも前記トップシートの前記後胴回り域には、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び前記頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部が設けられている。前記吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有する。前記凹凸構造部の前端縁は、前記吸収性物品の前後方向の中心である物品前後中心よりも後側に位置する。前記吸収コアが配置されたコア配置領域には、前記凹凸構造部と前記低坪量部が重なる積層領域と、前記凹凸構造部と重ならずに前記低坪量部と重なる低坪量領域と、が設けられている。前記低坪量領域の少なくとも一部は、前記凹凸構造部よりも前側に配置されている。本態様によれば、凹凸構造部と前記低坪量部が重なる積層領域と、前記凹凸構造部の前端縁よりも前側において前記低坪量部が配置された前側領域と、が設けられた吸収性物品を製造できる。

　一態様に係る吸収性物品の製造方法は、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域と前記後胴回り域との間に位置する股下域を有するとともに、前記前胴回り域から前記後胴回り域に向かう前後方向及び前記前後方向と直交する幅方向を有する吸収性物品を製造する。吸収性物品の製造方法は、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有する吸収コアを成形するコア成形工程と、着用者に接するトップシートが連続したトップシート連続体を搬送するトップシート搬送工程と、少なくとも前記トップシート連続体に、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び前記頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部を形成する賦型工程と、積層領域において前記凹凸構造部と前記低坪量部が重なり、かつ低坪量領域において前記凹凸構造部と重ならずに前記低坪量部が重なるように、前記トップシート連続体と前記吸収コアを積層する積層工程と、を有する。前記積層工程は、前記凹凸構造部よりも前側に前記低坪量領域を設ける。

本実施形態に係る吸収性物品の展開平面図である。図１に示すＡ－Ａ線の断面図である。凹凸構造部を模式的に示した斜視図である。凹凸構造部と低坪量部の位置関係を説明するための平面図である。吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置の一例を模式的に示す図である。

　（１）実施形態の概要
　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　一態様に係る吸収性物品は、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域と前記後胴回り域との間に位置する股下域と、前記前胴回り域から前記後胴回り域に向かう前後方向及び前記前後方向と直交する幅方向と、前記股下域を跨ぎ、前記前胴回り域及び前記後胴回り域の少なくともいずれか一方に延び、少なくとも高吸収性ポリマーを有する吸収コアと、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置し、着用者に接するトップシートと、を有する。少なくとも前記トップシートの前記後胴回り域には、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び前記頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部が設けられている。前記吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有する。前記凹凸構造部の前端縁は、前記吸収性物品の前後方向の中心である物品前後中心よりも後側に位置する。前記吸収コアが配置されたコア配置領域には、前記凹凸構造部と前記低坪量部が重なる積層領域と、前記凹凸構造部と重ならずに前記低坪量部と重なる低坪量領域と、が設けられている。前記低坪量領域の少なくとも一部は、前記凹凸構造部よりも前側に配置されている。本態様によれば、後胴回り域に凹凸構造部が設けられているため、頂部間の底部に軟便等の排泄物を保持することができる。低坪量領域の少なくとも一部は、積層領域よりも排尿口の近くに配置されている。そのため、低坪量領域の少なくとも一部の吸収コアは、高吸収性ポリマーが水分を吸収することによって膨潤し易く、積層領域側から股下側への排泄物の移行を抑制できる。よって、軟便等の排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。また、積層領域には、凹凸構造部及び低坪量部が形成されている。凹凸構造部に取り込まれた排泄物のうち水分は、非肌面側に移行する。凹凸構造部を介して非肌面側に引き込んだ体液を低坪量部によって拡散できる。このとき、積層領域は、低坪量領域よりも排尿口にから離れており、尿が到達し難いため、低坪量領域の低坪量部が先に膨潤し、積層領域側から低坪量領域への排泄物の移行を抑制できる。よって、軟便等の排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収コアの肌面と非肌面を覆うコアラップを有する。前記低坪量部は、前記吸収材料が実質的に配置されていないスリットである。前記吸収コアの肌面側に位置するコアラップと、前記吸収コアの非肌面に位置するコアラップと、は、前記スリットと重なる領域において接合されている。本態様によれば、トップシート上に排出された水分は、コアラップを介して低坪量部に導かれる。このとき、コアラップ同士が接合されており、吸収コアの肌面側に位置するコアラップから吸収コアの非肌面に位置するコアラップに水分を導き易い。また、コアラップ同士が接合されることでコアラップが低坪量部に密着し易く、低坪量部に水分をより引き込み易い。よって、トップシート上に体液が残り続けることを抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記コア配置領域には、前記低坪量部と重ならずに前記凹凸構造部と重なる凹凸領域が設けられている。前記凹凸領域の少なくとも一部は、前記低坪量部の後端縁よりも後側に配置されている。前記低坪量部の後端縁よりも後側に配置された前記凹凸領域の前記前後方向の長さは、前記積層領域の前記前後方向の長さよりも長い。本態様によれば、積層領域に軟便が排出されると、トップシートから低坪量部に水分が導かれ、低坪量部を介して前後方向に拡散する。積層領域の前後方向の長さが比較的短いため、軟便の水分が低坪量部に導かれる量を抑え、軟便の広範囲に亘る拡散を抑制できる。また、低坪量部の後端縁よりも後側に配置された凹凸領域の前後方向の長さが比較的長いため、軟便の拡散を抑制しつつ、凹凸構造部での軟便の引き込み容量を確保できる。

　好ましい一態様によれば、前記トップシートの非肌対向面に当接し、かつ前記トップシートよりも密度が高い補助シートを有する。前記補助シートは、前記積層領域と、前記凹凸構造部よりも前側に配置された前記低坪量領域と、に跨がって配置されている。本態様によれば、補助シートの密度が比較的高く、トップシート側から補助シート側への体液の移行を促進できる。よって、トップシート側から低坪量部への水分の移行をより促進でき、排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、吸収コアを覆い、かつ前記補助シートの非肌面に当接するコアラップを有する。前記コアラップの密度は、前記補助シートの密度よりも高い。本態様によれば、コアラップの密度が比較的高く、トップシート側から補助シート側への体液の移行、及び補助シート側からコアラップ側への体液の移行を促進できる。よって、排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記低坪量部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を挟んで一対で設けられている。前記一対の低坪量部のそれぞれは、前記物品前後中心を跨がっており、前記物品前後中心側から前記前後方向の外側に向かって前記幅方向の外側に向かって湾曲している。本態様によれば、低坪量部が物品前後中心を跨っており、着用者の脚によって吸収性物品が挟まれた際に、低坪量部を基点に吸収コアが変形する。低坪量部が物品前後中心側から前後方向の外側に向かって幅方向の外側に湾曲しており、低坪量部による変形基点が脚の内側に沿い易い。脚の内側に低坪量部が沿い、かつ当該低坪量部を基点に吸収コアが変形することにより、一対の低坪量部間の領域に対して低坪量部よりも幅方向の外側の部分が立ち上がるカップ形状を実現できる。カップ形状の底部分（一対の低坪量部間の領域）によって前後方向に体液を拡散でき、吸収コア全体によって体液を吸収することで、トップシートから吸収コア側への体液の移行性を高めることができる。なお、変形例において、低坪量部41は、前後方向に延びる直線状であってもよいし、曲線状に湾曲せずに、前後方向に対して傾斜して延びる直線状であってもよい。

　好ましい一態様によれば、前記コア配置領域には、前記低坪量部と重ならずに前記凹凸構造部と重なる凹凸領域と、前記凹凸構造部と重ならず、かつ前記低坪量部と重ならない非積層領域と、が設けられている。前記非積層領域は、前記凹凸構造部の前端縁から前側に延びる前側非積層領域を有する。前記凹凸領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は、前記前側非積層領域における前記高吸収性ポリマーの坪量よりも高い。本態様によれば、凹凸領域は、凹凸構造部と重なっており、軟便が排出される領域である。前側非積層領域は、凹凸領域よりも前側に位置し、凹凸領域よりも尿が排出され易い領域である。軟便の水分は、尿と比較して、高吸収性ポリマーに移行し難く、高吸収性ポリマーに吸収され難い。当該高吸収性ポリマーに吸収され難い軟便が排出される領域（凹凸領域）において高吸収性ポリマーの坪量を高めることで、高吸収性ポリマーによる軟便の水分に対する吸収性を向上できる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、平面視にて前記低坪量部を囲む囲み部を有している。前記囲み部における高吸収性ポリマーの坪量は、前記低坪量部及び前記囲み部よりも外側の領域における高吸収性ポリマーの坪量よりも高い。本態様によれば、低坪量部を囲む囲み部の高吸収性ポリマーの坪量が高いため、低坪量部に引き込まれた水分を高吸収性ポリマーによって吸収できる。低坪量部がより膨潤し易くなり、積層領域側から股下域側への排泄物の移行を抑制する効果をより得易い。

　好ましい一態様によれば、防漏弾性部材の収縮によって収縮する収縮部と、前記収縮部よりも前記後側において前記収縮部の起立支点となる後基点部と、を有する起立性の防漏ギャザーを備える。前記後基点部の前端縁は、前記凹凸構造部の後端縁よりも後側に位置する。防漏ギャザーの収縮部は、後基点部を支点に起立し、後基点部よりも前側には、防漏ギャザーによって覆われたポケットが形成される。当該ポケット内に凹凸構造部の後端縁が位置するため、凹凸構造部内で軟便が拡散しても、当該軟便をポケット内に収めることができる。よって、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、前記後基点部の前端縁に重なり、かつ前記後基点部の前記前端縁よりも後側に延びている。本態様によれば、後基点部の前端縁に吸収コアが重なり、かつ後基点部の前端縁よりも後側に吸収コアが延びているため、吸収コアの剛性によって後基点部が安定する。防漏ギャザーが起立し易くなり、軟便を収容するポケットをより形成し易い。よって、軟便をポケット内により収め易く、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記後胴回り域において、前記幅方向に伸縮するウエストギャザーを有する。前記ウエストギャザーは、前記吸収コアの後端縁よりも後側に配置されている。本態様によれば、吸収コアの後端縁よりも後側の領域は、ウエストギャザーによって身体に密着し易い。ウエストギャザーよりも前側の領域は、ウエストギャザーと重なる領域よりも密着し難く、ウエストギャザーよりも身体側に膨らむポケットを形成できる。ウエストギャザーよりも前方に、ウエストギャザーの前端縁を基点としたポケットを形成し、かつ吸収コアの後端縁よりも前方に後基点部の前端縁を基点としたポケットを形成し、凹凸構造部内で軟便が拡散しても、当該軟便をポケット内に収めることができる。よって、軟便をポケット内により収め易く、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　好ましい一態様によれば、前記凹凸構造部の非肌面と、前記凹凸構造部の非肌面と当接する非肌側部材と、を接合領域において接合する接合工程を有する。前記接合工程は、前記低坪量部が配置されていない領域に少なくとも前記接合領域を設ける。本態様によれば、凹凸構造部が形成された部分は、厚み方向に凹凸する形状であり、平滑な部分と比較して、非肌面部材に接する面積を得にくい。加えて、低坪量部が配置された部分は、周囲と比較して吸収コアの厚みが薄く、凹凸構造部が形成された部分に接する面積を得にくい。低坪量部が配置された部分と凹凸構造部が形成された部分のみに接合領域を設けると、接合領域の接合力を得にくいことがある。しかし、低坪量部が配置されていない領域に少なくとも接合領域を設けることで、接合領域の接合力を得ることができる。

　（２）実施形態に係る吸収性物品
　次に、本発明に係る吸収性物品10の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る吸収性物品は、着用者の体液を吸収する。着用対象は、乳幼児及び高齢者を例示できる。吸収性物品は、尿を吸収する使い捨ておむつ及び失禁パッドであってもよいし、経血を吸収する生理用ナプキンであってもよいし、おりものを吸収するおりものシートであってもよい。使い捨ておむつは、パンツ型おむつであってもよいし、テープ型おむつであってもよい。実施形態に係る吸収性物品は、テープ型の使い捨ておむつである。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。

　図１は、実施形態に係る吸収性物品10の展開状態の肌対向面側T1から見た模式平面図である。図１に示す模式平面図は、吸収性物品10を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。図２は、図１に示すＡ－Ａ線に沿った模式断面図である。模式断面図において、説明の便宜上、各部材が厚さ方向Ｔにおいて離間していることがあるが、実際の製品においては厚さ方向Ｔに接している。吸収性物品10は、前胴回り域20と、股下域25と、後胴回り域30とを有する。前胴回り域20は、着用者の前胴回り部（腹部分）と接する部分である。また、後胴回り域30は、着用者の後胴回り部（背部分）と接する部分である。股下域25は、前胴回り域20と後胴回り域30との間に位置する。なお、本実施形態では、前胴回り域20から後胴回り域30に向かう方向を前後方向Lと呼び、前後方向Lと直交する方向を幅方向Wと呼び、着用者の肌対向面側T1と非肌対向面側T2に延びる方向を厚さ方向Tと呼ぶ。

　吸収性物品10は、吸収体40を有する。吸収体40は、吸収コア40aとコアラップ40bとを有してよい。吸収コア40aは、パルプ及び高吸収性ポリマー等の吸収材料を有する。吸収コア40aは、少なくとも高吸収性ポリマーを有してよい。吸収コア40aは、股下域25を跨ぎ、前胴回り域20及び後胴回り域30の少なくともいずれか一方に延びる。本実施の形態の吸収コア40aは、前胴回り域20、股下域25、及び後胴回り域30を跨いで配置される。吸収コア40aは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部41を有する。低坪量部41は、単位面積当たりの吸収材料の重量（ｇ／ｍ³）が周囲よりも低い部分である。低坪量部は、吸収材料が配置された部分であってもよいし、実質的に坪量が０（設計上の坪量が０）であるスリットであってよい。スリットからなる低坪量部には、周囲から流入した吸収材料がわずかに配置されていてもよい。低坪量部41の前後方向の長さは、吸収コア40aの前後方向の長さよりも短くてよい。低坪量部41は、吸収性物品の幅方向Wの中心である物品幅中心10WCを挟んで一対で設けられてよい。当該形態にあっては、低坪量部41は、物品幅中心10WCに配置されず、物品幅中心10WCと離間してよい。一対の低坪量部41は、物品幅中心10WCを中心とした線対称であってよい。コアラップ40bは、吸収コア40aを覆う。コアラップ40bの少なくとも一部は、後述する補助シート45の非肌面に当接する。コアラップ40bは、吸収コア40aの肌面と吸収コア40aの非肌面のそれぞれを覆うように配置されていてよい。

　吸収性物品10は、トップシート46を有する。トップシート46は、吸収コア40aよりも肌対向面側T1に位置し、着用者に接する。トップシート46は、液透過性を有する。トップシート46は、吸収性物品10の肌当接面を構成する。トップシート46は、前胴回り域20、股下域25、及び後胴回り域30を跨いで配置される。トップシート46は、繊維を有しており、具体的には、不織布によって構成できる。少なくともトップシート46の後胴回り域30には、凹凸構造部50が設けられている。凹凸構造部50については、後述にて詳細に説明する。吸収性物品10は、トップシート46の外側部を覆うサイドシート70を有してよい。サイドシート70は、トップシート46の肌対向面側に配置されている。よって、トップシート46のうち、サイドシート70によって覆われていない領域が、着用者の肌に当接する。サイドシート70は、後述する防漏ギャザー80を構成する。吸収体40の非肌対向面側T2には、液不透過性のバックシート60が備えられる。バックシート60の非肌対向面側T2には、不織布からなる外装シート（図示せず）が配置されていてもよい。

　吸収性物品10は、トップシート46の非肌対向面側T2に当接する補助シート45を有してよい。補助シート45は、トップシート46と吸収体40の間に配置されている。本実施の形態の補助シート45は、トップシート46とコアラップ40bの間に配置されている。補助シート45の面積は、トップシート46の面積よりも小さくてよい。より詳細には、補助シート45の前後方向Lの長さは、トップシート46の前後方向Lの長さよりも短く、吸収コア40aの前後方向Lの長さよりも短くてよい。補助シート45の幅方向Wの長さは、トップシート46の幅方向Wの長さよりも短く、吸収コア40aの幅方向Wの長さよりも短くてよい。トップシート46と補助シート45が積層された領域と、トップシート46が配置され、かつ補助シート45が配置されていない（トップシート46と補助シート45が積層されていない）領域と、が設けられてよい。

　吸収性物品10の幅方向の中心よりも幅方向の両外側には、一対の防漏ギャザー80が配置される。防漏ギャザー80は、着用者側に起立可能な起立性のギャザーである。防漏ギャザー80は、サイドシート70と、防漏弾性部材71と、によって構成されている。防漏弾性部材71は、サイドシート70の内側部に接合されており、前後方向Lに伸縮する。一対の防漏ギャザー80は、吸収性物品の幅方向の中心を対称軸としてほぼ線対称である。防漏ギャザー80は、防漏弾性部材71の収縮によって収縮する収縮部83と、収縮部83よりも後側において収縮部83の起立支点となる後基点部82と、収縮部83よりも前側において収縮部83の起立支点となる前基点部81と、を有してよい。サイドシート70は、前基点部81及び後基点部82においてトップシート46に接合されており、収縮部83においてトップシート46に接合されていない。よって、収縮部83は、防漏弾性部材71の収縮によって、前基点部81及び後基点部82を基点に着用者側に起立する。防漏ギャザー80は、吸収体40の外側縁において肌対向面側T1に立ち上がる壁を形成し、排泄物の横漏れを防止する。

　吸収性物品10は、一対のファスニングテープ90を有する。ファスニングテープ90は、後胴回り域30においてサイドシート70よりも幅方向Wの外側に延出する。ファスニングテープ90は、前胴回り域20のターゲット部95に止着する止着部91を有する。止着部91は、例えば、係合フックが設けられた部分である。ファスニングテープ90は、前胴回り域20のターゲット部95に止着されることにより、吸収性物品10を着用者の身体に保持する。ファスニングテープ90は、サイドシート70に取り付けられている。ターゲット部95は、前胴回り域20の外装シートの非肌対向側の面に設けられている。ターゲット部95は、ファスニングテープ90の係合フックが引っ掛かるように構成されており、フックとループの係止システムのループとして機能する。吸収性物品10は、幅方向に伸縮するウエストギャザー85を有する。ウエストギャザー85は、後胴回り域30に配置される。ウエストギャザー85は、幅方向における一対のファスニングテープ90間に配置されており、ファスニングテープ90間を幅方向に収縮する。

（３）凹凸構造部の構成
　次いで、凹凸構造部50の構成について詳細に説明する。図３は、凹凸構造部50の拡大平面図である。凹凸構造部50は、肌対向面側T1に突出する頂部51と、非肌対向面側T2に突出する底部52と、頂部51と底部52の間を繋ぐ壁部53を有する。図１及び図２においては、凹凸構造部50の詳細な構造を省略して示している。頂部51は、周囲の領域に対して肌対向面側T1に突出している。底部52は、周囲の領域に対して非肌対向面側T2に突出している。壁部53は、頂部51と底部52を繋ぐ部分であり、少なくとも厚さ方向Tに延びてよい。頂部51は、最も肌対向面側T1に位置する点を含む部分であり、底部52は、最も非肌対向面側T2に位置する点を含む部分であり、壁部53は、頂部51と底部52の間の部分である。

　本実施の形態の凹凸構造部50は、前後方向Lに延びる第１頂部511及び第１底部521及び第１壁部531と、幅方向Wに延びる第２頂部512及び第２底部522及び第２壁部532と、を有する。第１頂部511及び第１底部521及び第１壁部531は、幅方向Wに間隔を空けて配置されており、幅方向Wに沿った断面において互いに隣接して配置される。また、第２頂部512及び第２底部522及び第２壁部532は、前後方向Lに間隔を空けて配置されており、前後方向Lに沿った断面において互いに隣接して配置される。このように、幅方向Wに延びる凹凸構造部50と、前後方向Lに延びる凹凸構造部50と、を有する形態にあっては、幅方向Wへの便の拡散を抑制できるとともに前後方向Lへの便の拡散を抑制できる。また、幅方向Wに延びる凹凸構造部50と、前後方向Lに延びる凹凸構造部50と、を有する形態にあっては、幅方向Wに沿った断面における（前後方向Lに延びる）頂部及び底部と、前後方向Lに沿った断面における（幅方向Wに延びる）頂部及び底部と、のそれぞれの断面において頂部と底部を設定することができる。また、凹凸構造部50は、頂部、底部、壁部を有する形態であればよく、本実施の形態に限定されず、周知の構造を採用することができる。例えば、特許第６０８７４６２号に記載の凹凸構造部50を採用できる。

　凹凸構造部50は、少なくともトップシート46に形成されている。すなわち、凹凸構造部50は、吸収性物品の肌対向面（着用者の肌に当接する面）に形成されている。なお、凹凸構造部50は、トップシート46と補助シート45が配置された領域においては、トップシート46と補助シート45に一体的に形成されてよい。トップシート46と補助シート45に一体的に形成されている形態は、トップシート46の凹凸構造部（例えば、凸部）と、補助シート45の凹凸構造部（例えば、凸部）と、が別々に形成されてなく、両方が共に形成され、トップシート46の凸部に沿って補助シート45の凸部が沿っている形態である。後述する吸収性物品の製造方法において、トップシート46と補助シート45を積層した状態で賦形加工された凹凸構造部50は、トップシート46と補助シート45に一体的に形成された凹凸構造部50となる。

　凹凸構造部50は、少なくとも後胴回り域30に配置される。よって、凹凸構造部50上には、主に便が排出される。凹凸構造部50上に便が排出されると、便は、頂部51間の底部52に収容される。凹凸構造部50内に便を引き込むことにより、便が着用者の肌に当たり続けることによる違和感を低減できる。また、凹凸構造部50がトップシート46と補助シート45に一体的に形成されている形態にあっては、トップシート46の凹凸構造部50は、補助シート45の凹凸構造部50に重なり、かつ補助シート45の凹凸構造部50に沿っている。そのため、トップシート46上の排泄物の水分が補助シート45に移行しやすい。よって、体液を非肌対向面側T2に導きつつ、トップシート46から補助シート45への移行を促すことができる。

　底部52の密度は、壁部53の密度よりも高くてよい。底部52の少なくとも一部の密度が、壁部53の密度よりも高ければよく、底部52が壁部53と同じ密度の部分を有してもよい。底部52の密度は、壁部53の密度よりも高いため、トップシート46上に排出された体液は、底部52に導かれ易い。体液を非肌対向面側に導きつつ、トップシート46から補助シート45への移行を促すことができる。なお、密度の高い部分と低い部分は、次の方法によって判断することができる。密度は、シートの対象部分（例えば、１ｍｍ×１ｍｍのサイズ）をデジタルマイクロスコープ又は電子顕微鏡等で約１００倍程度に拡大し、単位面積内のシート表面に存在する繊維の本数を対比することで判断できる。好ましくは、測定対象の領域内でそれぞれ30箇所確認を行い本数比較の傾向から、繊維本数が多い傾向にある対象部位が、高い繊維密度にある領域とする。

　更に、頂部51の密度は、壁部53の密度よりも高くてよい。頂部51の密度及び底部52の密度が壁部53の密度よりも高く、トップシート46上に排出された体液は、頂部51と底部52に導かれ易い。底部52に体液が導かれることにより、身体から離れる側に体液を導きつつ、補助シート45に体液を移行できる。よって、体液が肌に当たり続ける不具合を抑制できる。また、頂部51に導かれ、かつ頂部51から補助シート45側に導かれた体液は、頂部51の膨らみの裏側の空間に導かれる。頂部51の裏側の空間に体液を引き込むことで、身体から離れる側に体液を導き、体液が肌に当たり続ける不具合を抑制できる。

　次いで、図４等に基づいて、凹凸構造部50と低坪量部41の位置関係について説明する。図４は、図１に示す吸収性物品の平面図であって、凹凸構造部50と低坪量部41の位置関係を説明するための図である。凹凸構造部50は、平面視においてトップシート46の一部に形成されている。凹凸構造部50の前端縁50Fは、吸収性物品の前後方向の中心である物品前後中心10LCよりも後側に位置し、低坪量部41の前端縁41Fよりも後側に位置している。凹凸構造部50の後端縁50Rは、吸収コア40aの後端縁よりも前側に位置し、低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に位置している。低坪量部41の内側縁（幅方向の内側の端縁）は、物品幅中心10WCよりも幅方向の外側に位置し、低坪量部41の外側縁（幅方向の外側の端縁）は、吸収コア40aの外側縁よりも幅方向の内側に位置し、凹凸構造部50の外側縁よりも幅方向の内側に位置してよい。

　吸収コア40aが配置されたコア配置領域には、凹凸構造部50と低坪量部41が重なる積層領域R11と、凹凸構造部50と重ならずに低坪量部41と重なる低坪量領域R12と、が少なくとも設けられてよい。積層領域R11は、凹凸構造部50及び低坪量部41が配置された領域である。積層領域R11の前端縁は、凹凸構造部50の前端縁50Fに一致し、低坪量部41の前端縁よりも後側に位置する。積層領域R11の後端縁は、低坪量部41の後端縁に一致し、凹凸構造部50の後端縁50Rよりも前側に位置する。積層領域R11の外側縁は、低坪量部41の外側縁に一致し、吸収コア40aの外側縁よりも幅方向の内側、凹凸構造部50の外側縁よりも幅方向の内側に位置する。低坪量領域R12は、凹凸構造部50が配置されず、低坪量部41が配置された領域である。低坪量領域Ｒ12は、平面視にて、低坪量部41に重なり、かつ凹凸構造部50が配置されていない領域である。低坪量領域R12の少なくとも一部は、凹凸構造部50よりも前側に配置されている。低坪量領域R12の後端縁は、凹凸構造部50の前端縁50Fに一致し、低坪量領域R12の前端縁は、低坪量部41の前端縁41Fに一致している。すなわち、低坪量領域R12は、凹凸構造部50の前端縁50Fから前側に延びている。低坪量領域R12の少なくとも一部は、積層領域R11よりも排尿口の近くに配置されている。そのため、低坪量領域R12の少なくとも一部の吸収コア40aは、高吸収性ポリマーが水分を吸収することによって膨潤し易く、積層領域R11側から股下側への排泄物の移行を抑制できる。よって、軟便等の排泄物のトップシート46上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。また、積層領域R11には、凹凸構造部50及び低坪量部41が形成されている。凹凸構造部50に取り込まれた排泄物のうち水分は、非肌面側に移行する。凹凸構造部50を介して非肌面側に引き込んだ体液を低坪量部41によって拡散できる。このとき、積層領域R11は、低坪量領域R12よりも排尿口にから離れており、尿が到達し難いため、低坪量領域R12の低坪量部41が先に膨潤し、積層領域R11側から低坪量領域R12への排泄物の移行を抑制できる。よって、軟便等の排泄物のトップシート46上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　コア配置領域には、低坪量部41と重ならずに凹凸構造部50と重なる凹凸領域R13が設けられてよい。凹凸領域R13は、凹凸構造部50が配置され、低坪量部41が配置されていない領域である。凹凸領域R13の前端縁は、凹凸構造部50の前端縁50Fに一致し、低坪量部41の前端縁よりも後側に位置する。凹凸領域R13の後端縁は、凹凸構造部50の後端縁50Rに一致し、低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に位置する。凹凸領域R13の外側縁は、凹凸構造部50の外側縁に一致し、低坪量部41の外側縁よりも幅方向の外側に位置する。凹凸領域Ｒ１３は、平面視にて、凹凸構造部50が配置され、かつ低坪量部41が配置されていない領域である。よって、凹凸領域Ｒ１３は、一対の低坪量部41の間の領域、各低坪量部よりも幅方向の外側の領域に設けられている。凹凸領域R13の少なくとも一部は、低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に配置されている。低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に配置された凹凸領域R13の前後方向の長さL11は、積層領域R11の前後方向の長さL12よりも長くてよい。積層領域R11に軟便が排出されると、軟便内の水分は、トップシート46から低坪量部41に導かれ、低坪量部41を介して前後方向に拡散する。積層領域R11の前後方向の長さが比較的短いため、軟便の水分が低坪量部41に導かれる量を抑え、軟便の広範囲に亘る拡散を抑制できる。また、低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に配置された凹凸領域R13の前後方向の長さが比較的長いため、軟便の拡散を抑制しつつ、凹凸構造部50での軟便の引き込み容量を確保できる。凹凸構造部50内に便を引き込むことにより、便が着用者の肌に当たり続けることによる違和感を低減できる。

　コア配置領域には、凹凸構造部50と重ならず、かつ低坪量部41と重ならない非積層領域R14が設けられてよい。非積層領域R14は、凹凸構造部50が配置されず、低坪量部41が配置されていない領域である。非積層領域R14は、低坪量部41よりも前側の領域と、凹凸構造部50よりも幅方向の外側の領域と、に少なくとも設けられている。非積層領域R14は、凹凸構造部50よりも前側において、一対の低坪量部の間の領域、及び各低坪量部４１よりも幅方向の外側の領域にそれぞれ設けられている。図2に示すように、非積層領域R14は、凹凸構造部50の前端縁50Fから前側に延びる前側非積層領域R14Fを有してよい。前側非積層領域R14Fは、凹凸構造部50の前端縁50Fから前側に延びる領域のうち、低坪量部41が配置されていない領域である。凹凸領域R13は、凹凸構造部50と重なっており、軟便が排出される領域である。前側非積層領域R14Fは、凹凸領域R13よりも前側に位置し、凹凸領域R13よりも尿が排出され易い領域である。軟便の水分は、尿と比較して、高吸収性ポリマーに移行し難く、高吸収性ポリマーに吸収され難い。当該高吸収性ポリマーに吸収され難い軟便が排出される領域（凹凸領域）において高吸収性ポリマーの坪量を高めることで、高吸収性ポリマーによる軟便の水分に対する吸収性を向上できる。

　吸収コア40aの肌面側に位置するコアラップ40bと、吸収コア40aの非肌面に位置するコアラップ40bと、は、低坪量部41を構成するスリットと重なる領域において接合されてよい。トップシート46上に排出された水分は、コアラップ40bを介して低坪量部41に導かれる。このとき、コアラップ40b同士が接合されており、吸収コア40aの肌面側に位置するコアラップ40bから吸収コア40aの非肌面に位置するコアラップ40bに水分を導き易い。また、コアラップ40b同士が接合されることでコアラップ40bが低坪量部41に密着し易く、低坪量部41に水分をより引き込み易い。よって、トップシート46上に体液が残り続けることを抑制し、肌に対する負担を低減できる。また、吸収コア40aの非肌面に位置するコアラップ40bに水分が導かれ易く、吸収性物品の非肌面側に排泄物を近づけることができる。よって、吸収性物品の非肌面側から排泄があったことを装着補助者が把握でき、吸収性物品の交換を促し、排泄物が肌に付着し続けることを抑制できる。なお、コアラップ同士の接合は、熱溶着又は超音波溶着によって接合してよい。当該構成によれば、ホットメルト型接着剤を介して接合する構成と比較して、接着剤による体液の引き込み性の低下を抑制できる。よって、体液の引き込み性の低下を抑制しつつ、コアラップを介して低坪量部41に水分をより引き込み易くなる。

　補助シート45の密度は、トップシート46の密度よりも高くてよい。補助シート45は、積層領域R11と、凹凸構造部50よりも前側に配置された低坪量領域R12と、に跨がって配置されてよい。補助シート45の密度が比較的高いことにより、トップシート46側から補助シート45側への体液の移行を促進できる。トップシート46側から低坪量部41への水分の移行をより促進でき、排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。好適には、補助シート45は、低坪量部41の全域を覆ってよい。すなわち、補助シート45の後端縁は、低坪量部41の後端縁41Rよりも後側に位置し、補助シートの前端縁45Fは、低坪量部41の前端縁41Fよりも前側に位置し、補助シートの外側縁は、低坪量部41の外側縁よりも幅方向の外側に位置してよい。トップシート側から低坪量部41への水分の移行をより促進でき、排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担をより低減できる。なお、当該シートにおける密度が高い部分と低い部分は、繊維径の違いによって判断できる。繊維径が小さい場合には、繊維間距離が短く、密度が高いと判断することができる。また、コアラップ40bの密度は、補助シート45の密度よりも高くてよい。コアラップの密度が比較的高く、トップシート46側から補助シート45側への体液の移行、及び補助シート45側からコアラップ40b側への体液の移行を促進できる。よって、排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　図２に示すように、凹凸構造部50の後端縁50Rは、補助シート45の後端縁46Rよりも後側であり、吸収コア40aの後端縁40aRよりも前側に位置してよい。また、補助シート45の前端縁45Fは、凹凸構造部50の前端縁50Fよりも前側に位置し、吸収コア40aの前端縁40aFよりも後側に位置する。従って、吸収性物品の前端縁から後側に向かって、吸収性物品の前端縁及びトップシート46の前端縁46F、吸収コア40aの前端縁40aF、補助シート45の前端縁45F、凹凸構造部50の前端縁50F、補助シート45の後端縁45R、凹凸構造部50の後端縁50R、吸収コア40aの後端縁40aR、吸収性物品の後端縁及びトップシート46の後端縁46Rが前後方向Lに間隔を空けて配置されている。

　吸収コア40aは、少なくとも高吸収性ポリマーを有し、高吸収性ポリマーの重量は、吸収コア40aの重量に対する６０％以上１００％以下であってよい。吸収コア40aにおける高吸収性ポリマーの重量が比較的高いため、吸収コア40aにおけるパルプの比率が低い構成と比較して、体液の吸収時に吸収コア40aが膨潤し易い。吸収コア40aが膨潤し、吸収コア40aが補助シート45側に膨らむことにより、補助シート45の底部と吸収コア40aがより近づいたり、補助シート45の頂部の裏側の凹みに吸収コア40aが入り込んだりして、吸収コア40a側への体液の引き込み性を向上できる。高吸収性ポリマーの重量は、吸収体の保水量に基づいて算出でき、高吸収性ポリマーの重量が大きい程（比率が高い程）、吸収体全体の保水量が大きくなる。

　一対の低坪量部41のそれぞれは、物品前後中心10LCを跨がっており、物品前後中心10LC側から前後方向の外側に向かって幅方向Wの外側に向かって湾曲してよい。本実施の形態は、各低坪量部41は、低坪量部41の前後方向Lの中央から前側に向かって幅方向の外側に延びるともに、低坪量部41の前後方向Lの中央から後側に向かって幅方向の外側に延びている。低坪量部41が物品前後中心を跨っており、着用者の脚によって吸収性物品が挟まれた際に、低坪量部41を基点に吸収コア40aが変形する。低坪量部41が物品前後中心側から前後方向の外側に向かって幅方向の外側に湾曲しており、低坪量部41による変形基点が脚の内側に沿い易い。脚の内側に低坪量部41が沿い、かつ当該低坪量部41を基点に吸収コア40aが変形することにより、一対の低坪量部41間の領域に対して低坪量部41よりも幅方向の外側の部分が立ち上がるカップ形状を実現できる。カップ形状の底部分（一対の低坪量部41間の領域）によって前後方向に体液を拡散でき、吸収コア40a全体によって体液を吸収することで、トップシート46から吸収コア40a側への体液の移行性を高めることができる。

　図１に示すように、吸収コア40aは、平面視にて低坪量部41を囲む囲み部42を有している。囲み部42は、低坪量部41を囲むように配置された部分であり、低坪量部41の外縁から幅方向の外側に５ｍｍ、かつ低坪量部41の外縁から前後方向の外側に５ｍｍの部分として設定できる。囲み部42における高吸収性ポリマーの坪量は、低坪量部41及び囲み部42よりも外側の領域における高吸収性ポリマーの坪量よりも高くてよい。低坪量部41及び囲み部よりも外側の領域は、囲み部42の外縁から幅方向の外側に５ｍｍ、かつ囲み部42の側縁から前後方向の外側に５ｍｍの部分として設定できる。低坪量部41を囲む囲み部42の高吸収性ポリマーの坪量が高いため、低坪量部41に引き込まれた水分を高吸収性ポリマーによって吸収できる。低坪量部41がより膨潤し易くなり、積層領域R11側から股下域側への排泄物の移行を抑制する効果をより得易い。

　防漏ギャザー80の後基点部82の前端縁82Fは、凹凸構造部50の後端縁よりも後側に位置してよい。防漏ギャザーの収縮部83は、後基点部82を支点に起立し、後基点部82よりも前側には、防漏ギャザー80によって覆われたポケットが形成される。当該ポケット内に凹凸構造部50の後端縁が位置するため、凹凸構造部50内で軟便が拡散しても、当該軟便をポケット内に収めることができる。よって、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　吸収コア40aは、後基点部82の前端縁82Fに重なり、かつ後基点部82の前端縁82Fよりも後側に延びてよい。すなわち、後基点部82の前端縁82Fは、吸収コア40aに重なってよい。後基点部82の前端縁82Fに吸収コア40aが重なり、かつ後基点部82の前端縁82Fよりも後側に吸収コア40aが延びているため、吸収コア40aの剛性によって後基点部82が安定する。防漏ギャザー80が起立し易くなり、軟便を収容するポケットをより形成し易い。よって、軟便をポケット内により収め易く、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

　ウエストギャザー85は、吸収コア40aの後端縁40aRよりも後側に配置されてよい。ウエストギャザーの少なくとも一部が、吸収コア40aの後端縁よりも後側に配置されていればよい。ウエストギャザーは、吸収コア40aと重なっていてもよいし、吸収コア40aと前後方向に離間してもよい。吸収コア40aの後端縁よりも後側の領域は、ウエストギャザー85によって身体に密着し易い。ウエストギャザー85よりも前側の領域は、ウエストギャザー85と重なる領域よりも密着し難く、ウエストギャザー85よりも身体側に膨らむポケットを形成できる。ウエストギャザー85よりも前方に、ウエストギャザー85の前端縁を基点としたポケットを形成し、かつ吸収コア40aの後端縁よりも前方に後基点部82の前端縁82Fを基点としたポケットを形成し、凹凸構造部50内で軟便が拡散しても、当該軟便をポケット内に収めることができる。よって、軟便をポケット内により収め易く、軟便の肌に対する付着を抑制し、肌に対する負担を低減できる。

（４）吸収性物品の製造方法
　次いで、図５に基づいて、吸収性物品の製造方法について説明する。図５は、吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置の一例を模式的に示す図である。吸収性物品の製造方法S100は、トップシート搬送工程S101と、積層体形成工程S102と、賦形工程S103と、コア成形工程S107と、ラップ工程S108と、積層工程S104と、接合工程S109と、を有してよい。吸収性物品の製造装置は、トップシート供給機構110と、補助シート供給機構120と、賦形機構130と、コア成形機構170と、ラップ機構180と、積層機構140と、接合機構190と、を有してよい。

　トップシート搬送工程S101は、トップシート供給機構110によって実行され、着用者に接するトップシートが連続したトップシート連続体46Cを搬送する。トップシート供給機構110は、トップシート連続体46Cがロール状に巻かれ、トップシート連続体46Cを搬送方向MDに向けて巻き出す巻き出しロール111を少なくとも有する。

　積層体形成工程S102は、トップシート搬送工程S101よりも搬送方向MDの下流側に位置する。積層体形成工程S102は、補助シート供給機構120によって実行され、補助シート45をトップシート連続体46Cに積層し、シート積層体を形成する。補助シート供給機構120は、補助シート45が連続した補助シート連続体45Cがロール状に巻かれ、補助シート連続体45Cを搬送方向MDに向けて巻き出す巻き出しロール121と、巻き出しロール121から供給された補助シート連続体45Cをカッターによって切断し、切断した補助シート45をトップシート連続体46C上に積層する一対の搬送ロール122と、を有する。積層体形成工程S102は、補助シート45を搬送方向MDにおいて間隔を空けて配置する。なお、本実施の形態の補助シート45は、前後方向Lに間隔を空けて配置されているため、補助シート45を搬送方向MDに間欠的に配置している。しかし、変形例において、補助シート45が前後方向Lに連続する形態にあっては、補助シート連続体をトップシート連続体に積層してもよい。また、変形例において、補助シートを有しない形態にあっては、積層体形成工程S102を有していなくてよい。

　賦形工程S103は、トップシート搬送工程S101よりも搬送方向MDの下流側に位置し、積層体形成工程S102を有する形態では、積層体形成工程S102よりも搬送方向MDの下流側に位置する。賦形工程S103は、賦形機構130によって実行され、トップシート連続体46C又はシート積層体に凹凸構造部50を形成する。賦形工程S103は、前後方向Lに間隔を空け、少なくとも一部が後胴回り域30に対応する位置に凹凸構造部50を形成する。当該賦形工程S103を有することにより、トップシート46に凹凸構造部50を設けた吸収性物品10を得ることができる。また、シート積層体に賦形加工を施すことにより、トップシート46及び補助シート45に一体的に形成した凹凸構造部50を、少なくとも後胴回り域に設けた吸収性物品を製造できる。賦形工程S103は、搬送方向MDに間隔を空けて凹凸構造部50を形成してよい。凹凸構造部50が形成された領域と、凹凸構造部50が形成されていない領域と、を有する吸収性物品10を製造することができる。

　コア成形工程S107は、コア成形機構170によって実行され、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部41を有する吸収コア40aを成形する。コア成形機構170は、コア成形ドラム171を少なくとも有する。コア成形ドラム171の外周面には、吸収コア40aの外形に沿った凹部が複数形成されている。当該凹部内に、吸収材料を積層し、個々の吸収コア40aを成形する。コア成形ドラム171の凹部には、低坪量部41に対応する凸部が設けられている。凸部が配置された部分は、吸収材料が積層されず、低坪量部41を形成できる。

　ラップ工程S108は、コア成形工程S107よりも搬送方向MDの下流側に位置する。ラップ工程S108は、ラップ機構180によって実行され、吸収コア40aを、コアラップ40bが連続したラップ連続体40bCで覆う。ラップ機構180は、ラップ連続体40bCを搬送方向MDに向けて巻き出す巻き出しロール181と、ラップ連続体40bCを切断する切断装置182と、を少なくとも有する。ラップ工程S108は、巻き出しロール181から供給されたラップ連続体40bCよって吸収コア40aの肌面側と吸収コア40aの非肌面を覆う。次いで、切断装置182によってラップ連続体40bCを切断し、個々の吸収体40を得ることができる。なお、ラップ工程S108において、吸収コア40aの肌面側と吸収コア40aの非肌面を覆うラップ連続体40bC同士を切断してもよい。

　積層工程S104は、賦形工程S103よりも搬送方向MDの下流、かつラップ工程S108より搬送方向MDの下流側に位置する。積層工程S104は、積層機構140によって実行され、賦形加工が施されたトップシート連続体又はシート積層体を、吸収体40及びバックシート60に積層する。積層機構140は、巻き出しロール141と、吸収体供給機構(図示せず)と、を少なくとも有する。巻き出しロール141は、バックシート60が連続したバックシート連続体60Cがロール状に巻かれ、バックシート連続体60Cを搬送方向MDに向けて巻き出す。吸収体供給機構は、バックシート連続体60C上に搬送方向MDに間隔を空けて吸収体40を配置する。次いで、図示しない切断機構によって吸収性物品10の外縁に沿ってシートを切断することにより、吸収性物品10を製造することができる。積層工程S104は、積層領域S11において凹凸構造部50と低坪量部41が重なり、かつ低坪量領域R12において凹凸構造部50と重ならずに低坪量部41が配置されるように、トップシート連続体と吸収コア40aを積層する。当該製造方法によれば、凹凸構造部50と低坪量部41が重なる積層領域R11と、凹凸構造部50の前端縁よりも前側に低坪量領域R12と、が設けられた吸収性物品を製造できる。

　積層体形成工程S102は、トップシート連続体46Cと補助シート45を接合してよい。当該トップシート連続体46Cと補助シート45を接合する工程は、賦形工程S103よりも前工程であればよい。トップシート連続体46Cと補助シート45を一体化して配置でき、トップシート連続体46Cと補助シート45を搬送する過程でのシートのめくれ等の不具合を抑制できる。より好適には、当該トップシート連続体46Cと補助シート45を接合する工程は、トップシート連続体46Cと補助シート45を熱溶着又は超音波溶着によって接合してよい。当該構成によれば、ホットメルト型接着剤を介して接合する構成と比較して、接着剤による体液の引き込み性の低下を抑制できる。よって、体液の引き込み性の低下を抑制しつつ、トップシート46と補助シート45を一体化でき、トップシートから補助シート45側への体液の移行性を向上できる。

　また、吸収性物品の製造方法は、積層工程S104の後に、凹凸構造部50の非肌面と、凹凸構造部50の非肌面と当接する非肌側部材と、を接合領域において接合する接合工程S109を有してよい。接合工程S109は、接合機構190によって実行される。接合機構190は、プレス装置191を少なくとも有する。プレス装置191は、一対のロールを有し、トップシート連続体（又はシート積層体）、吸収体、及びバックシートが積層された積層体を一対のロール間に通過させ、一対のロールによって押圧する。当該接合工程を有することにより、凹凸構造部50の非肌面と、凹凸構造部50の非肌面と当接する非肌側部材と、を接合できる。凹凸構造部50の非肌面は、本実施の形態では、補助シート45の非肌面であり、補助シートを有しない形態では、トップシート連続体46Cの非肌面である。また、非肌面部材は、凹凸構造部50の非肌面に接する部材であり、本実施の形態では、コアラップ40bである。なお、補助シート45を有し、かつ補助シートに凹凸構造部50が形成されていない形態であっては、凹凸構造部50の非肌面をトップシート連続体の非肌面が構成し、非肌側部材を補助シートが構成してよい。接合領域は、当該接合工程において凹凸構造部50の非肌面と非肌側部材が接合された領域であり、凹凸構造部50の非肌面と非肌側部材が当接する全領域であってもよい。接合工程は、低坪量部41が配置されていない領域に少なくとも接合領域を設けてよい。凹凸構造部50が形成された部分は、厚み方向に凹凸する形状であり、平滑な部分と比較して、非肌面部材に接する面積を得にくい。加えて、低坪量部41が配置された部分は、周囲と比較して吸収コア40aの厚みが薄く、凹凸構造部50が形成された部分に接する面積を得にくい。低坪量部41が配置された部分と凹凸構造部50が形成された部分のみに接合領域を設けると、接合領域の接合力を得にくいことがある。しかし、低坪量部41が配置されていない領域に少なくとも接合領域を設けることで、接合領域の接合力を得ることができる。

　賦形機構130は、第１賦形ロール131、第２賦形ロール132、及び第３賦形ロール133を少なくとも有してよい。第１賦形ロール131及び第２賦形ロール132は、対向して配置され、当該ロール間を通過するシート積層体に凹凸構造部50の一部を賦形加工する第１賦形加工を施す第１賦形工程S1031を実行する。また、第２賦形ロール132及び第３賦形ロール133は、対向して配置され、当該ロール間を通過するシート積層体に凹凸構造部50の他の部分を賦形加工する第２賦形加工を施す第２賦形工程S1032を実行する。すなわち、賦形工程S103は、第１賦形工程S1031と、第２賦形工程S1032と、を有してよい。第２賦形工程S1032は、第１賦形工程S1031よりも搬送方向MDの下流側に位置する。第１賦形工程S1031と第２賦形工程S1032を有し、段階で賦形加工を行うため、一度に形成する工程と比較して、凹凸構造部50を細部まで形成し易くなる。また、第１賦形工程と第２賦形工程を共通の第２賦形ロールを用いて行うため、第１賦形工程S1031による一部の凹凸構造部50と、第２賦形工程S1032による他の部分の凹凸構造部50と、の位置ずれを抑制できる。

　第１賦形ロール131及び第２賦形ロール132は、円盤ロールとピンロールの組み合わせによって構成されてよく、同様に、第２賦形ロール132及び第３賦形ロール133も、円盤ロールとピンロールの組み合わせによって構成されてよい。より詳細には、円盤ロールは、ロール幅方向に一定の間隔で配設された突稜と、隣り合う突稜の間に設けられた複数列の凹溝とを備えている。突稜と凹溝は、ロール幅方向において交互に設けられ、ロール周方向において連続して設けられている。一方、ピンロールは、外周面に、円盤ロールの凹溝と噛み合うように設けられた複数のピンを備えている。ピンは、ロール幅方向に対しては、突稜と接触しないように一定の間隔で配設されていると共に、ロール周方向に対しては、外周面に沿って一定の間隔でほぼ直線的に配設されている。当該円盤ロールとピンロールの間にシート積層体を通過させることより、ピン及び凹溝に対向する位置、及び突稜に対応する位置を延伸させ、凹凸構造部50を形成できる。

　第１賦形工程S1031は、前後方向L及び幅方向Wの一方である第１方向に間隔を空けて凹凸構造部50を賦形加工し、第２賦形工程S1032は、前後方向L及び幅方向Wの他方である第２方向に間隔を空けて凹凸構造部50を賦形加工してよい。例えば、第１賦形工程S1031によって形成される凹凸構造部50は、第１頂部511、第１底部521、及び第１壁部531であってよく、第２賦形工程S1032によって形成される凹凸構造部50は、第２頂部512、第２底部522、及び第２壁部532であってよい。第１方向に間隔を空けた凹凸構造部50と、第２方向に間隔を空けて凹凸構造部50と、を一度に賦形加工すると、賦形加工時に資材が伸び難くなる。より詳細には、第１方向に間隔を空けた凹凸構造部50を形成する際は、第１方向に資材が延びつつ賦形加工される。このとき同時に、第２方向に間隔を空けて凹凸構造部50を形成しようとすると、第２方向に資材が延び難く、資材が破断したり、凹凸構造部50を適切に成形できなかったりするおそれがある。しかし、第１方向に間隔を空けた凹凸構造部50と、第２方向に間隔を空けて凹凸構造部50と、を段階的に形成できるため、資材の破損を防ぎつつ適切に凹凸構造部50を成形できる。

　また、賦形工程S103は、搬送方向MDと直交する交差方向CDにおいてシート積層体の一部に凹凸構造部50を形成してよい。シート積層体の交差方向CDの全域でなく、交差方向CDの一部に凹凸構造部50を形成することにより、賦形加工時に、延伸される部分と延伸されない部分を設けることができ、延伸される部分の位置を安定させ、凹凸構造部50を意図した位置及び形状で形成し易くなる。また、賦形加工時に、延伸される部分と延伸されない部分を設けることにより、賦形加工時の資材の延伸による資材の破断を抑制できる。

　上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。

　なお、２０２０年３月３１日に出願された日本国特許出願第２０２０－０６４４０３号の全内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。

　本態様によれば、軟便等の排泄物のトップシート上の拡散を抑制し、肌に対する負担を低減することができる吸収性物品を提供できる。

　10：使い捨ておむつ、20：前胴回り域、25：股下域、30：後胴回り域、40：吸収体、41：低坪量部、42：囲み部、45：補助シート、46：トップシート、46C：トップシート連続体、50：凹凸構造部、51：頂部、52：底部、53：壁部、60：バックシート、R11：積層領域、R12：低坪量領域、R13：凹凸領域、R14：非積層領域、S101：トップシート搬送工程、S102：積層体形成工程、S103：賦形工程、S1031：第１賦形工程、S1032：第２賦形加工、S104：積層工程、S107：コア成形工程、S108：ラップ工程、S109：接合工程、L：前後方向、T：厚さ方向、T1：肌対向面側、T2：非肌対向面側、W：幅方向

Claims

　前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域と前記後胴回り域との間に位置する股下域と、
　前記前胴回り域から前記後胴回り域に向かう前後方向及び前記前後方向と直交する幅方向と、
　前記股下域を跨ぎ、前記前胴回り域及び前記後胴回り域の少なくともいずれか一方に延び、少なくとも高吸収性ポリマーを有する吸収コアと、
　前記吸収コアよりも肌対向面側に位置し、着用者に接するトップシートと、を有し、
　少なくとも前記トップシートの前記後胴回り域には、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び前記頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部が設けられた吸収性物品であって、
　前記吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有し、
　前記凹凸構造部の前端縁は、前記吸収性物品の前後方向の中心である物品前後中心よりも後側に位置し、
　前記吸収コアが配置されたコア配置領域には、前記凹凸構造部と前記低坪量部が重なる積層領域と、前記凹凸構造部と重ならずに前記低坪量部と重なる低坪量領域と、が設けられており、
　前記低坪量領域の少なくとも一部は、前記凹凸構造部よりも前側に配置されている、吸収性物品。
　前記吸収コアの肌面と非肌面を覆うコアラップを有し、
　前記低坪量部は、前記吸収材料が実質的に配置されていないスリットであって、
　前記吸収コアの肌面側に位置するコアラップと、前記吸収コアの非肌面に位置するコアラップと、は、前記スリットと重なる領域において接合されている、請求項１に記載の吸収性物品。
　前記コア配置領域には、前記低坪量部と重ならずに前記凹凸構造部と重なる凹凸領域が設けられており、
　前記凹凸領域の少なくとも一部は、前記低坪量部の後端縁よりも後側に配置されており、
　前記低坪量部の後端縁よりも後側に配置された前記凹凸領域の前記前後方向の長さは、前記積層領域の前記前後方向の長さよりも長い、請求項１又請求項２に記載の吸収性物品。
　前記トップシートの非肌対向面に当接し、かつ前記トップシートよりも密度が高い補助シートを有し、
　前記補助シートは、前記積層領域と、前記凹凸構造部よりも前側に配置された前記低坪量領域と、に跨がって配置されている、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記吸収コアを覆い、かつ前記補助シートの非肌面に当接するコアラップを有し、
　前記コアラップの密度は、前記補助シートの密度よりも高い、請求項４に記載の吸収性物品。
　前記低坪量部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を挟んで一対で設けられ、
　前記一対の低坪量部のそれぞれは、前記物品前後中心を跨がっており、前記物品前後中心側から前記前後方向の外側に向かって前記幅方向の外側に向かって湾曲している、請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記コア配置領域には、前記低坪量部と重ならずに前記凹凸構造部と重なる凹凸領域と、前記凹凸構造部と重ならず、かつ前記低坪量部と重ならない非積層領域と、が設けられており、
　前記非積層領域は、前記凹凸構造部の前端縁から前側に延びる前側非積層領域を有しており、
　前記凹凸領域における前記高吸収性ポリマーの坪量は、前記前側非積層領域における前記高吸収性ポリマーの坪量よりも高い、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記吸収コアは、平面視にて前記低坪量部を囲む囲み部を有しており、
　前記囲み部における高吸収性ポリマーの坪量は、前記低坪量部及び前記囲み部よりも外側の領域における高吸収性ポリマーの坪量よりも高い、請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　防漏弾性部材の収縮によって収縮する収縮部と、前記収縮部よりも前記後側において前記収縮部の起立支点となる後基点部と、を有する起立性の防漏ギャザーを備え、
　前記後基点部の前端縁は、前記凹凸構造部の後端縁よりも後側に位置する、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記吸収コアは、前記後基点部の前端縁に重なり、かつ前記後基点部の前記前端縁よりも後側に延びている、請求項９に記載の吸収性物品。
　前記後胴回り域において、前記幅方向に伸縮するウエストギャザーを有し、
　前記ウエストギャザーは、前記吸収コアの後端縁よりも後側に配置されている、請求項１０に記載の吸収性物品。
　前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域と前記後胴回り域との間に位置する股下域を有するとともに、前記前胴回り域から前記後胴回り域に向かう前後方向及び前記前後方向と直交する幅方向を有する吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法であって、
　周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有する吸収コアを成形するコア成形工程と、
　着用者に接するトップシートが連続したトップシート連続体を搬送するトップシート搬送工程と、
　少なくとも前記トップシート連続体に、肌対向面側に突出する頂部、非肌対向面側に突出する底部、及び前記頂部と前記底部の間を繋ぐ壁部を有する凹凸構造部を形成する賦型工程と、
　積層領域において前記凹凸構造部と前記低坪量部が重なり、かつ低坪量領域において前記凹凸構造部と重ならずに前記低坪量部が配置されるように、前記トップシート連続体と前記吸収コアを積層する積層工程と、を有し、
　前記積層工程は、前記凹凸構造部よりも前側に前記低坪量領域を設ける、吸収性物品の製造方法。
　前記凹凸構造部の非肌面と、前記凹凸構造部の非肌面と当接する非肌側部材と、を接合領域において接合する接合工程を有し、
　前記接合工程は、前記低坪量部が配置されていない領域に少なくとも前記接合領域を設ける、請求項１２に記載の吸収性物品の製造方法。