WO2021038855A1 - 前照灯モジュール及び前照灯装置 - Google Patents

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Abstract

前照灯モジュール(100)は、第1の光を発する第1の光源(10)と、第1の光学部(30)とを備え、第1の光学部(30)は、第1の光を反射する第1の光学面(32)と、第1の光学面(32)で反射した第1の光を含む照明光(L3)を投射するレンズ面(33)とを有する。第1の光学面(32)のレンズ面(33)に近い端部(321)は、レンズ面(33)の光軸(C1)に直交する方向(X)における位置が互いに異なる第1の端部(321a)及び第2の端部(321b)を含み、第2の端部(321b)の光軸の方向(Z)の位置は、第1の端部(321a)の光軸の方向の位置よりもレンズ面(33)に近い。

Description

前照灯モジュール及び前照灯装置
 本発明は、前照灯モジュール及び前照灯装置に関する。
 車両用の前照灯装置が、特許文献1において提案されている。この前照灯装置は、ロービーム用の光を出射する第1光学系と、ハイビーム用の光を出射する第2光学系と、導光部材と、導光部材から出射した光を投射する投射レンズとを備えている。導光部材の下面は、高さ方向の位置が高い上側面と、高さ方向の位置が低い下側面と、これらを繋ぐ傾斜面とを有している。また、導光部材の下面には、遮光薄膜が備えられている。導光部材の下面及び遮光薄膜は、第1光学系から導光部材及び投射レンズを介して投射される光の配光パターンのカットオフラインを形成する。
特開2013-242996号公報(例えば、請求項1から3、段落0026、図1、図3から図5)
 しかしながら、上記前照灯装置の傾斜面で反射した光は、導光部材の下面の傾斜面以外の部分(すなわち、上側面及び下側面)で反射した光と異なる方向に進む。このため、上記前照灯装置によって投射される光には、傾斜面で反射した光によって配光ムラが生じるという課題がある。
 本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、配光ムラを低減することができる前照灯モジュール及び前照灯装置を提供することを目的とする。
 本発明の一態様に係る前照灯モジュールは、第1の光を発する第1の光源と、第1の光学部とを備え、前記第1の光学部は、前記第1の光を反射する第1の光学面と、前記第1の光学面で反射した前記第1の光を含む照明光を投射するレンズ面とを有し、前記第1の光学面の前記レンズ面に近い端部は、前記レンズ面の光軸に直交する方向における位置が互いに異なる第1の端部及び第2の端部を含み、前記第2の端部の前記光軸の方向の位置は、前記第1の端部の前記光軸の方向の位置よりも前記レンズ面に近いことを特徴とする。
 本発明の他の態様に係る前照灯装置は、1つ以上のモジュールを備え、前記1つ以上のモジュールの各々は、上記前照灯モジュールであることを特徴とする。
 本発明によれば、配光ムラを低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る前照灯モジュールの構成例を概略的に示す側面図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールの構成例を概略的に示す上面図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールの導光投射光学素子を概略的に示す斜視図である。 図3に示される導光投射光学素子を概略的に示す上面図である。 図3に示される導光投射光学素子を概略的に示す側面図である。 図3に示される導光投射光学素子を概略的に示す下面図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールが投射する照明光の配光パターンを示す図である。 実施の形態1の変形例に係る前照灯モジュールの導光投射光学素子を通過する主要な光線を示す上面図である。 図8に示される導光投射光学素子を概略的に示す上面図である。 図8に示される導光投射光学素子を概略的に示す側面図である。 図8に示される導光投射光学素子を概略的に示す下面図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールが投射する照明光の照度分布をコンター表示で示す図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールが投射する照明光の照度分布をコンター表示で示す図である。 比較例の導光投射光学素子を示す斜視図である。 比較例の導光投射光学素子を用いた前照灯モジュールが投射する照明光の照度分布をコンター表示で示す図である。 実施の形態1に係る前照灯モジュールの反射面の傾斜角度と共役面上に形成される配光パターンとの関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る前照灯モジュールの導光投射光学素子の構成例を概略的に示す斜視図である。 図17に示される導光投射光学素子を概略的に示す上面図である。 図17に示される導光投射光学素子を概略的に示す側面図である。 図17に示される導光投射光学素子を概略的に示す下面図である。 本発明の実施の形態3に係る前照灯モジュールの構成例を概略的に示す側面図である。 本発明の実施の形態4に係る前照灯モジュールの構成例を概略的に示す側面図である。 本発明の実施の形態5に係る前照灯モジュールの構成例を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態6に係る前照灯装置の構成例を概略的に示す上面図である。
 以下に、本発明の実施の形態に係る前照灯モジュール及び1つ以上の前照灯モジュールを含む前照灯装置を、図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は同様の構成には、同じ符号がふされている。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
 図には、発明の理解を容易にするために、XYZ直交座標系の座標軸が示されている。X軸は、前照灯モジュールが搭載されている車両の左右方向に延びる座標軸である。車両の前方を向いて、右側は+X軸方向であり、左側は-X軸方向である。「前方」は、車両の前方直進時の進行方向である。つまり、「前方」は、前照灯モジュールが光を照射する方向である。Y軸は、車両の上下方向に延びる座標軸である。上側は+Y軸方向であり、下側は-Y軸方向である。「上側」は、空を向く方向であり、「下側」は、地面(例えば、路面など)を向く方向である。Z軸は、車両の直進時の進行方向に延びる座標軸である。車両の前方直進時の進行方向は+Z軸方向であり、車両の後方直進時の進行方向は-Z軸方向である。+Z軸方向を「前方」とも呼び、-Z軸方向を「後方」とも呼ぶ。
 ZX平面は、路面に平行な面である。しかし、登り坂、下り坂、幅方向に傾斜した道路などでは、路面は傾斜している。したがって、重力方向に直交する面である水平面は、実際には、路面と平行でない場合がある。ただし、本出願では、路面に平行な面であるZX平面を「水平面」とも呼ぶ。
 前照灯モジュール及び前照灯装置は、例えば、車両の前方を照射する。前照灯装置は、法律など(以下「道路交通規則」と呼ぶ。)によって定められる領域を照明する配光パターンの光を照射できなければならない。「配光」とは、照明装置の各方向に対する光度、すなわち、光度分布をいう。つまり、「配光」とは、照明装置から出る光の空間的な強度分布である。また、「光度」とは、光源からどのくらい強い光が出ているかを表す物理量である。光度は、ある方向の微小な立体角内を通る光束を、その微小立体角で割ることで得られる値である。
 一般に、道路交通規則は、自動車用の前照灯装置のロービームの配光パターンは、上下方向に短く左右方向に長い横長の形状であることを要求している。そして、道路交通規則は、対向車の運転者を眩惑させないために、配光パターンの上側の光の境界線(すなわち、カットオフライン)が明瞭であることを要求している。「明瞭」とは、カットオフラインに大きな色収差又は大きなぼやけ等が生じていないことを意味している。つまり、道路交通規則は、カットオフラインの上側(すなわち、配光パターンの外側)の領域が十分に暗く、カットオフラインの下側(すなわち、配光パターンの内側)の領域が十分に明るく、カットオフラインが十分に明瞭であることを要求している。
 ここで、「カットオフライン」とは、前照灯モジュールから出射した光を壁又はスクリーンに照射した場合に形成される明るい領域と暗い領域との区切り線である。一般に、カットオフラインは、配光パターンの上側に存在する区切り線である。つまり、カットオフラインは、配光パターンの上側の光の明暗の境界線のことである。つまり、カットオフラインは、配光パターンの上側の明るい領域(すなわち、配光パターンの内側の領域)と暗い領域(すなわち、配光パターンの外側の領域)との間の境界線である。カットオフラインは、自動車がすれ違うときに使用される前照灯の照射方向を説明するために用いられる用語である。自動車がすれ違うときに使用される前照灯の配光パターンは、ロービームとも呼ばれる。
 「配光パターン」は、光源で発せられる光の方向によって決まる光束の形状及び光の強度分布を示している。「配光パターン」は、被照射面上での照度パターンの意味としても使用される。「配光分布」は、光源から放射される光の方向に対する光の強度の分布を意味する。「配光分布」は、被照射面上における照度分布の意味としても使用される。
 実施の形態に係る前照灯モジュールは、車両に搭載された前照灯のロービームの照射又はハイビームの照射などに使用される。例えば、前照灯モジュールは、自動二輪車用の前照灯に使用される。また、前照灯モジュールは、三輪又は四輪などの各種の車両の前照灯にも使用される。三輪の車両は、例えば、ジャイロと呼ばれる自動三輪車を含む。自動三輪車は、前輪が一輪で、後輪が一軸二輪の三輪でできたスクーターである。
 以下の説明では、自動二輪車用の前照灯モジュールのロービームの配光パターンを形成する場合を中心に説明する。自動二輪車用の前照灯のロービームの配光パターンは、カットオフラインが車両の左右方向(すなわち、X軸方向)に水平な直線を含む。また、カットオフラインの下側(すなわち、配光パターンの内側)の領域が最も明るい。
《1》実施の形態1
 図1は、実施の形態1に係る前照灯モジュール100の構成例を概略的に示す側面図である。図2は、前照灯モジュール100の構成例を概略的に示す上面図である。図1は、車両の右側から見た前照灯モジュール100の側面を示し、図2は、車両の上から見た前照灯モジュール100の上面を示す。
 図1及び図2に示されるように、前照灯モジュール100は、第1の光を発する光源10と、第1の光学部としての導光投射光学素子30とを備えている。また、前照灯モジュール100は、第2の光学部としての集光光学素子20を備えてもよい。集光光学素子20は、光源10に取り付けられてもよい。また、光源10と集光光学素子20とは、一体的な構造を有してもよい。
 光源10の光軸と集光光学素子20の光軸は、共通の光軸C2である。光源10及び集光光学素子20は、光軸C2がY軸に対して角度α傾くように配置されている。角度αは、0度であってもよい。しかし、図1に示されるように、光軸C2をY軸に対して0度より大きい角度で傾くように、光源10及び集光光学素子20を配置すれば、光利用効率は向上する。
 光源10及び集光光学素子20の説明では、理解を容易にするために、XYZ直交座標系とは異なるX直交座標系を用いる。X直交座標系は、XYZ直交座標系を+X軸側から見て、X軸を回転中心として時計回りに角度α回転させた座標系である。実施の形態1では、集光光学素子20の光軸C2は、Z軸に平行である。
〈光源10〉
 光源10は、第1の光である光を発する発光面11を備えている。二酸化炭素(CO)の排出の抑制及び燃料の消費の抑制といった環境への負荷を軽減する観点から、光源10は、発光効率の高い半導体光源であることが望ましい。半導体光源は、例えば、発光ダイオード(LED)又はレーザーダイオード(LD)である。光源10は、ハロゲンバルブなどを有するランプ光源であってもよい。また、光源10は、固体光源であってもよい。固体光源は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)又は蛍光体に励起光を照射して蛍光体を発光させる光源などを含む。半導体光源は、固体光源の一種である。
 光源10は、発光面11から車両の前方を照明するための光を出射する。光源10は、集光光学素子20の-Z軸側に位置している。光源10は、導光投射光学素子30の-Z軸側(すなわち、後方)に位置している。光源10は、導光投射光学素子30の+Y軸側(すなわち、上側)に位置している。図1及び図2では、光源10は、+Z軸方向に光を出射している。光源10の種類は特に限定されないが、以下の説明では、光源10がLEDである場合を説明する。
〈集光光学素子20〉
 集光光学素子20は、光源10の+Z軸側に位置している。集光光学素子20は、導光投射光学素子30の-Z軸側に位置している。集光光学素子20は、導光投射光学素子30の-Z軸側(すなわち、後方)に位置している。集光光学素子20は、導光投射光学素子30の+Y軸側(すなわち、上側)に位置している。
 集光光学素子20には、光源10から発せられた光が入射する。集光光学素子20は、入射した光を、集光光学素子20の前方(すなわち、+Z軸方向)に集光させる。集光光学素子20は、集光機能を有する光学素子である。つまり、集光光学素子20は、光源10から発せられた光の発散角及び収束角を変更する光学素子である。
 図1及び図2では、集光光学素子20は、正のパワーを有する光学素子として示されている。また、実施の形態1では、集光光学素子20は、内部が光透過性の屈折材で満たされた光学素子である。
 図1及び図2では、集光光学素子20は、1つの光学部品で構成されている。集光光学素子20は、複数の光学部品の組み合わせによって構成されてもよい。しかし、集光光学素子20を、複数の光学部品の組み合わせによって構成する場合には、各光学部品の十分に高い位置決め精度を確保することが必要である。このため、集光光学素子20は、1つの光学部品で構成されることが好ましい。
 光源10及び集光光学素子20は、導光投射光学素子30の上側(すなわち、+Y軸側)に配置されている。また、光源10及び集光光学素子20は、導光投射光学素子30の後方(すなわち、-Z軸側)に配置されている。
 光源10及び集光光学素子20は、導光投射光学素子30の第1の光学面である反射面32の、光を反射する面の側に位置している。つまり、光源10及び集光光学素子20は、反射面32に対して、反射面32のおもて面側に位置している。光源10及び集光光学素子20は、反射面32の法線方向であって、反射面32に対して、反射面32のおもて面側に位置している。つまり、集光光学素子20は、反射面32に対向する方向に配置されている。
 光源10及び集光光学素子20の光軸C2は、反射面32に交点を有している。導光投射光学素子30の入射面31で光が屈折する場合には、集光光学素子20から出射された中心光線が、反射面32上に到達する。つまり、集光光学素子20の光軸C2又は中心光線は、反射面32に交点を有している。
 集光光学素子20は、入射面211及び212、反射面22、並びに出射面231及び232を備えている。集光光学素子20は、光源10の直後に配置される。「後」とは、光源10から出射された光の進行方向の側のことである。集光光学素子20は、光源10の直後に配置されているので、発光面11から出射された光は、直ぐに入射面211及び212から集光光学素子20に入射する。
 LEDは、ランバート配光の光を出射する。「ランバート配光」とは、発光面の輝度が見る方向によらず一定となる配光である。つまり、LEDの配光の指向性は広い。このため、LEDを有する光源10と集光光学素子20との距離を短くすることで、より多くの光を集光光学素子20に入射させることができる。
 集光光学素子20は、例えば、透明樹脂、光透過性を有する硝子又はシリコーン(silicone)材で製作されている。光の利用効率を高めるために、集光光学素子20の材料は、光透過性の高い材料であることが好ましい。また、集光光学素子20が、光源10の直後に配置されることから、集光光学素子20の材料は、耐熱性に優れた材料であることが好ましい。
 入射面211は、集光光学素子20の中心部分に形成された入射面である。「集光光学素子20の中心部分」は、集光光学素子20の光軸C2が入射面211に交点を有している部分である。入射面211は、例えば、正のパワーを有する凸面形状を有している。入射面211の凸面形状は、-Z軸方向に凸の形状である。パワーは、屈折力とも呼ばれる。入射面211は、例えば、光軸C2を回転軸とする回転対称の形状である。
 入射面212は、例えば、楕円の長軸又は短軸を回転軸として回転させた回転体の表面形状の一部である。楕円の長軸又は短軸を回転軸として回転させた回転体を、回転楕円体という。この回転楕円体の回転軸は、光軸C2と一致している。入射面212は、回転楕円体の回転軸方向の両端を切断した表面形状を有している。つまり、入射面212は、筒形状を有している。
 入射面212の筒形状の一端(すなわち、+Z軸側の端)は、入射面211の外周に接続されている。入射面212の筒形状は、入射面211に対して光源10側(すなわち、-Z軸方向)に形成されている。つまり、入射面212の筒形状は、入射面211よりも光源10側に形成されている。
 反射面22の形状は、X平面上の断面形状が、例えば、光軸C2を中心とした円形状をした筒形状である。反射面22の筒形状は、-Z軸側の端のX平面上の円形状の直径が、+Z軸側の端のX平面上の円形状の直径よりも小さい。つまり、反射面22は、-Z軸側から+Z軸方向に向けて直径が大きくなっている。例えば、反射面22は、円錐台の側面の形状である。中心軸を含む面上での円錐台の側面の形状は直線形状である。しかし、光軸C2を含む面上での反射面22の形状は曲線形状であってもよい。「光軸C2を含む面」とは、面上に光軸C2の線を描ける面のことである。
 反射面22の筒形状の一端(すなわち、-Z軸側の端)は、入射面212の筒形状の他端(すなわち、-Z軸側の端)に接続している。つまり、反射面22は、入射面212の外周側に位置している。
 出射面231は、入射面211の+Z軸側に位置している。出射面231は、正のパワーを有する凸面形状を有している。出射面231の凸面形状は、+Z軸方向に凸の形状である。集光光学素子20の光軸C2は、出射面231に交点を有している。出射面213は、例えば、光軸C2を回転軸とする回転対称の形状を有している。
 出射面232は、出射面231の外周側に位置している。出射面232は、例えば、X平面に平行な平面形状を有している。出射面232の内周及び外周は、円形状である。出射面232の内周は、出射面231の外周に接続している。出射面232の外周は、反射面22の筒形状の他端(すなわち、+Z軸側の端)に接続している。
 発光面11から出射された光のうち、出射角度(すなわち、発散角)の小さい光線は、入射面211に入射する。出射角度の小さい光線は、例えば、発散角が60度以内の光線である。出射角度の小さい光線は、入射面211から入射され、出射面231から出射される。出射面231から出射された出射角度の小さい光線は集光されて、集光光学素子20の前方(すなわち、+Z軸方向)に集光される。
 発光面11から出射された光のうち、出射角度の大きい光線は、入射面212に入射する。出射角度の大きい光線は、例えば、発散角が60度よりも大きい。入射面212から入射した光線は、反射面22で反射される。反射面22で反射された光線は、+Z軸方向に進行する。反射面22で反射された光線は、出射面232から出射される。出射面232から出射された出射角度の大きい光線は集光されて、集光光学素子20の前方(すなわち、+Z軸方向)に集光される。
 集光光学素子20は、以下の機能を有する光学素子として説明される。つまり、集光光学素子20は、光源10から出射された出射角度の小さい光線を屈折により集光する。また、集光光学素子20は、光源10から出射された出射角度の大きい光線を反射により集光する。ただし、集光光学素子20の形状は、図示されたものに限定されない。
 例えば、出射面231から出射された光の集光位置は、光源10の発光面11から発せられた光の配光パターンによって決まるため、発光面11の形状が投影されることで配光ムラを生じることがある。実施の形態1では、出射面231から出射された光の集光位置と、出射面232から出射された光の集光位置を互いに異なる位置に設定することで、配光ムラを減らすことができる。つまり、出射面232から出射された光の集光位置と、出射面231から出射された光の集光位置とは、一致する必要はない。例えば、出射面231から出射された光の集光位置よりも、出射面232から出射された光の集光位置の方が、集光光学素子20に近い位置であってもよい。
 また、実施の形態1においては、集光光学素子20の入射面211及び212、反射面22、並びに出射面231及び232の各々は、すべて光軸C2を中心とした回転対称な形状としている。しかし、集光光学素子20は、光源10から出射された光を適切に集光できる機能を有していれば、回転対称な形状のものに限定されない。
 例えば、反射面22のX平面上の断面形状を楕円形状にすることで、集光位置における集光スポットも楕円形状にすることができる。この場合、前照灯モジュール100は、幅広い配光パターンを生成しやすくなる。また、光源10の発光面11の形状が矩形形状である場合には、例えば、反射面22のX平面上の断面形状を楕円形状する方が、集光光学素子20を小型にできる。
 また、集光光学素子20は全体として正のパワーを有していればよい。つまり、入射面211及び212、反射面22、並びに出射面231及び232のいずれかが、負のパワーを有してもよい。
 また、光源10が管球光源を有する場合には、集光光学素子20の代りに、又は、集光光学素子20に加えて、反射鏡を備えてもよい。反射鏡は、例えば、回転楕円面鏡、回転放物面鏡、などの凹面鏡である。
〈導光投射光学素子30〉
 第2の光学部としての導光投射光学素子30は、集光光学素子20の+Z軸方向に位置している。導光投射光学素子30は、集光光学素子20の+Z軸側に位置している。導光投射光学素子30は、集光光学素子20の-Y軸側に位置している。
 導光投射光学素子30には、集光光学素子20から出射された光が入射する。導光投射光学素子30は、前方(すなわち、+Z軸方向)に光を出射する。導光投射光学素子30は、反射面32により、入射した光を導光する機能を有している。また、導光投射光学素子30は、導光された光を出射面33により照明光L3として投射する機能を有している。
 図3は、導光投射光学素子30を概略的に示す斜視図である。図4、図5及び図6は、図3に示される導光投射光学素子30を概略的に示す上面図、側面図及び下面図である。導光投射光学素子30は、第1の光学面である反射面32と、レンズ面である出射面33とを備えている。導光投射光学素子30は、入射面31を備えてもよい。また、導光投射光学素子30は、入射面34を備えてもよい。
 導光投射光学素子30は、例えば、透明樹脂、光透過性の硝子又はシリコーン材などで製作されている。また、実施の形態1における導光投射光学素子30は、例えば、内部が光透過性の屈折材で満たされている。
 入射面31は、導光投射光学素子30の-Z軸側の端部に設けられている。入射面31は、導光投射光学素子30の+Y軸側の部分に設けられている。図1から図6では、導光投射光学素子30の入射面31は曲面形状である。入射面31の曲面形状は、例えば、水平方向(すなわち、X軸方向)及び垂直方向(すなわち、Y軸方向)がともに正のパワーを有する凸面形状である。
 曲面形状をした入射面31に入射した光は、その発散角が変化する。入射面31は、光の発散角を変化させることで、配光パターンを成形することができる。つまり、入射面31は、配光パターンの形状を成形する機能を有している。つまり、入射面31は、配光パターン形状成形部として機能する。
 例えば、入射面31に集光機能を持たせることで、集光光学素子20を省くことも可能である。つまり、入射面31は、集光光学素子として機能する形状を有してもよい。図1から図6に示される入射面31は、配光パターン形状成形部の一例である。ただし、入射面31は、曲面形状に限らず、例えば、平面形状であってもよい。
 実施の形態1では、まず、導光投射光学素子30の入射面31の形状が正のパワーを有する凸面形状である場合について説明する。また、実施の形態1では、カットオフラインが段差のある形状である場合について説明する。なお、導光投射光学素子の入射面31の形状が負のパワーを有する凹面形状である場合については、図17から図20を用いて後述される。
 反射面32は、入射面31の-Y軸側の端部に設けられている。つまり、反射面32は、入射面31の-Y軸側に配置されている。反射面32は、入射面31の+Z軸側に配置されている。実施の形態1では、反射面32の-Z軸側の端部は、入射面31の-Y軸側の端部に接続している。
 反射面32は、図1に示されるように、反射面32に到達した光を反射する。つまり、反射面32は、光を反射する機能を有している。つまり、反射面32は、光反射部として機能する。反射面32は、光反射部の一例である。
 図1から図6に示されるように、反射面32は、概ね+Y軸方向を向く面である。つまり、反射面32のおもて面は、+Y軸方向に対して傾斜角β傾いた面である。反射面32のおもて面は、光を反射する面である。反射面32の裏面は、概ね-Y軸方向を向く面である。
 反射面32は、ZX平面に対して、X軸に平行な軸を中心として、+X軸側から見て時計回りに回転した面である。図1に示される例では、反射面32は、ZX平面に対して、角度β回転した面である。角度βは0度であってもよい。しかし、角度βが0度より大きい場合には、光利用効率が向上する。
 図1から図6では、反射面32は平面で示されている。しかし、反射面32は、平面以外の形状であってもよい。反射面32は、曲面形状又は複数の平面が連結されることで形成された多面形状であってもよい。例えば、反射面32は、垂直方向(すなわち、Y軸方向)の曲率を有し、水平方向(すなわち、X軸方向)の曲率を有さないシリンドリカル形状であってもよい。また、反射面32は、シリンドリカル形状の曲面形状の曲線を近似した多面形状であってもよい。
 また、反射面32は、上記の例に限定されず、X軸方向の曲率を有してもよい。また、反射面32は、X軸方向の曲率とY軸方向の曲率とを有する曲面であってもよい。さらに、反射面32は、X軸方向の曲率及びY軸方向の曲率を有する曲面を近似した多面形状であってもよい。また、多面形状は、曲面を近似するものに限定されない。ただし、反射面32は、後述するように、左右方向(すなわち、X軸方向)に傾斜する面を含まないことが、配光ムラを減らす観点から、望ましい。また、反射面32は、後述するように、左右方向(すなわち、X軸方向)に傾斜する面を含むことは許容されるが、配光ムラを減らす観点から、傾斜する面の面積は小さいほど好ましい。
 反射面32は、金属などを用いたミラー蒸着をすることで形成されたミラー面であってもよい。しかし、反射面32は、ミラー蒸着をせずに全反射面として機能させることが望ましい。なぜなら、全反射面は、ミラー面よりも反射率が高く、光の利用効率の向上に寄与するからである。また、ミラー蒸着の工程をなくすることで、導光投射光学素子30の製造工程を簡素化することができ、製造コストの低減に寄与することができるからである。特に、実施の形態1における構成では、反射面32への光線の入射角が大きいため、ミラー蒸着をしなくても反射面32を全反射面とすることができる。
 入射面34は、例えば、XY平面に平行な平面を含む。しかし、入射面34は、曲面であってもよい。入射面34を曲面とすることで、入射面34から入射する光の配光を変更することができる。入射面34から入射する光は、第2の光とも呼ぶ。入射面34は、反射面32の-Y軸側に配置されている。つまり、入射面34は、反射面32の裏面側に配置されている。なお、第2の光を発する光源は、図21を用いて後述される。
 また、実施の形態1では、入射面34は、入射面34a、入射面34b及び入射面34cを含んでいる。入射面34a、入射面34b、及び入射面34cは、後述する反射面32の+Z軸側の稜線部321のカットオフライン形状に対応した部位(すなわち、端部位置)である稜線部321a、稜線部321b、及び稜線部321cに対応している。
 実施の形態1では、入射面34aは、入射面34bよりも-Z軸側に位置している。また、入射面34cは、入射面34aと入射面34bとを繋ぐ面である。実施の形態1では、入射面34aは、入射面34bよりも+X軸側に位置している。図1から図6に示される例は、右側(すなわち、+X軸側)のカットオフラインの位置(すなわち、高さ)に対して左側(すなわち、-X軸側)のカットオフラインの位置が低い配光パターンを照射する例である。このような配光パターンを形成するために、入射面34cより+X軸側に位置する入射面34aは、入射面34cより-X軸側に位置する入射面34bよりも、-Z軸側に配置されている。
 入射面34a、34b、及び34cの+Y軸側の端部は、反射面32の+Z軸側の稜線部321の対応する部位に接続している。例えば、入射面34aの+Y軸側の端部は、反射面32の+Z軸側の稜線部321のうち稜線部321aに接続している。入射面34bの+Y軸側の端部は、反射面32の+Z軸側の稜線部321のうち稜線部321bに接続している。また、入射面34cの+Y軸側の端部は、反射面32の+Z軸側の稜線部321のうち稜線部321cに接続している。
 図1から図6では、入射面34bは、被照射面90と光学的に共役の位置にある。「光学的に共役」とは、1つの点から発した光が他の1つの点に結像するときにおけるこれら2つの点の関係のことをいう。つまり、入射面34bを含む面上にある共役面Pc上の光の形状が、被照射面90に投影される。
 図1から図6では、入射面34からは光は入射されていない。このため、入射面31から入射した光の共役面Pc上の形状が、被照射面90に投影される。
 稜線部321は、反射面32の+Z軸側の辺である。また、図1から図6では、稜線部321は、反射面32の-Y軸側の辺であるが、反射面32の傾斜の有無又は向きによっては、この限りではない。そして、稜線部321は、被照射面90と光学的に共役の位置にある部位(すなわち、図1から図6の例では、稜線部321b)を含む。
 「稜線」とは、一般的には、面と面との境界線のことである。しかし、ここでは、「稜線」は、面と面との境界線に限定されず、面の端部を含む概念である。実施の形態1では、稜線部321は、反射面32と入射面34とを接続する部分である。つまり、反射面32と入射面34との接続する部分が稜線部321である。
 しかし、例えば、導光投射光学素子30の内部が空洞となっていて、入射面34が開口部である場合には、稜線部321は、反射面32の端部となる。つまり、稜線部321は、面の端部を含む。なお、上述のように実施の形態1では、導光投射光学素子30は、内部が屈折材で満たされている。また、「稜線」は、直線に限らず、曲線などであってもよい。実施の形態1では、稜線部321は、「立ち上がりライン」を有するカットオフライン形状に対応した形状とされる。
 実施の形態1では、稜線部321は、入射面34の+Y軸側の辺である。実施の形態1では、稜線部321は、導光投射光学素子30の光軸C1と交差している部位(すなわち、図1から図6の例では、稜線部321c)を含む。図1から図6では、稜線部321は、導光投射光学素子30の光軸C1と直角以外の角度で交差している。ただし、カットオフライン形状によっては、稜線部321が、導光投射光学素子30の光軸C1と直角に交差していてもよい。
 光軸C1は、出射面33の面頂点を通る法線である。図1から図6の場合では、光軸C1は、出射面33の面頂点を通るZ軸に平行な軸である。つまり、出射面33の面頂点がXY平面でX軸方向又はY軸方向に平行移動する場合には、光軸C1も同様にX軸方向又はY軸方向に平行移動する。また、出射面33が、XY平面に対して傾斜する場合には、出射面33の面頂点の法線もXY平面に対して傾斜するため光軸C1もXY平面に対して傾斜する。
 出射面33は、導光投射光学素子30の+Z軸側の端部に設けられている。出射面33は、正のパワーを有する曲面形状である。出射面33は、+Z軸方向に突出した凸面形状である。
 図1から図6に示される例では、反射面32の稜線部321bの形状に対応して形成される共役面Pc上の光の形状が、被照射面90に投影される。図1から図6に示される例では、入射面34bを+X軸方向及び+Y軸方向に延長させた面である共役面Pc上の光の形状が、被照射面90に投影される。すなわち、稜線部321bを含むZX平面に垂直な面が被照射面90と共役の関係にある。ここで、ZX平面に垂直な面は、曲面を含む。この曲面は、例えば、水平方向(すなわち、X軸方向)の曲率を有する面である。
 また、共役面Pcは、例えば、後述する稜線部321のうち投影される配光パターンにおいて最も輝度勾配を急峻にしたい箇所に対応するエッジ部分のエッジ形状をX軸方向に滑らかに延長させた仮想の稜線を垂直方向に伸ばしてできる面であってもよい。エッジ部分は、実施の形態1では、最も出射面33に近い部位であり、後述する図12に示されるカットオフライン91bに対応する稜線部321bに対応する部分である。ここで、稜線部321bが曲面であれば、仮想の稜線部も曲面となり、共役面Pcも曲面となる。
 共役面Pcの位置は、投影される配光パターンの垂直方向の照度勾配がカットオフライン91において最も高くなる位置に対応する稜線部の部位を含むように、設定されることが好ましい。つまり、共役面Pcは、前照灯モジュール100から出射する配光パターンの垂直方向の単位立体角当たりの光度勾配が最も高くなる位置に対応する稜線部の部位を含むことが好ましい。なお、図1から図6に示される例では、共役面PcがZX平面に垂直な平面である例を示しているが、共役面Pcは、平面に限定されず、出射面33側の焦点を含む面であれば他の面であってもよい。
 実施の形態1では、反射面32は、高さ方向(すなわち、Y軸方向)に段差を有していない。すなわち、反射面32は、1つの平面又は曲面である。ここで、高さ方向の段差とは、反射面32が、基準面(すなわち、ZX平面に平行な面)に対して高さが異なる部位を有することにより、XY平面上でみたときに屈曲線形状を描くものをいう。
 稜線部321は、図1から図6に示されるように、出射面33の光軸C1方向の位置が異なる2以上の部位を含んでもよい。図1から図6に示される例では、稜線部321は、光軸C1に直交する方向(すなわち、X方向)における位置が互いに異なる稜線部321a、稜線部321b及び稜線部321cを含む。実施の形態1では、少なくとも稜線部321aと稜線部321bは、光軸C1方向の位置が異なる。稜線部321は、ZX平面(より具体的には、稜線部321と出射面33とを含む、光軸C1に平行な平面)上でみたときに屈曲線形状を描く。稜線部321の屈曲線形状に対応して、入射面34は、Z軸方向(すなわち、光軸C1方向)に段差を有する。
 稜線部321aは、光軸C1方向の位置が入射面34に最も近い点を含む。また、稜線部321bは、光軸C1方向の位置が出射面33に最も近い点を含む。また、稜線部321cは、稜線部321aと稜線部321bとを繋ぐ部位である。
 ZX平面において、稜線部321aと光軸C1との角度又は曲率(すなわち、Y軸方向の曲率)は、稜線部321cと光軸C1との角度又は曲率(すなわち、Y軸方向の曲率)と異なる。また、ZX平面において、稜線部321bと光軸C1との角度又は曲率(すなわち、Y軸方向の曲率)は、稜線部321cと光軸C1との角度又は曲率(すなわち、Y軸方向の曲率)と異なる。例えば、図1から図6に示される例では、稜線部321aは、光軸C1と直角の関係にあるが、稜線部321aと繋がれた稜線部321cは、光軸C1と直角の関係にない。同様に、稜線部321cは、光軸C1と直角の関係にないが、稜線部321cと繋がれた稜線部321bは、光軸C1と直角の関係にある。
 例えば、図1から図6に示される稜線部321を有し、かつ共役面Pcが稜線部321bに沿って設定された場合、反射面32の稜線部321bの形状は、被照射面90に投影される。また、入射面31から入射した光のうち、反射面32で反射され、稜線部321a及び稜線部321bの+Y軸側を通過する光が共役面Pc上に形成する配光パターンも被照射面90に投影される。
 図7は、前照灯モジュール100が投射する照明光L3の配光パターンを示す図である。稜線部321により、共役面Pc上の稜線部321bの高さより+Y軸側に形成される配光パターンは、例えば、図7に示されるような配光パターンとなる。図7に示される配光パターンは、入射面31から入射した光のうち、反射面32で反射されて稜線部321bの+Y軸側を通過する光、反射面32で反射されずに稜線部321bの+Y軸側を通過する光、及び反射面32で反射されて稜線部321a及び稜線部321bの+Y軸側を通過する光によって共役面Pc上に形成される配光パターンを重ね合わせたものである。図7に示される配光パターンD0の下端の直線部分D2は、稜線部321bに対応する。また、図7に示される配光パターンD0の下端の直線部分D1は、稜線部321aに対応する。また、図7に示される配光パターンD0の下端の直線部分D3は、稜線部321cに対応する。
 実施の形態1では、稜線部321aは、共役面Pc上にない。すなわち、稜線部321aは、共役面Pcとは、異なる場所に位置する。しかし、反射面32で反射されて稜線部321aの上部(すなわち、+Y軸側)を通過する光は、共役面Pc上で稜線部321aの直線形状を維持する。同様に、稜線部321cの一部は、共役面Pc上にない。すなわち、稜線部321cの一部は、共役面Pcとは、異なる場所に位置する。しかし、反射面32で反射されて稜線部321cの上部(すなわち、+Y軸側)を通過する光は、共役面Pc上で稜線部321cの直線形状を維持する。このようにして、反射面32の稜線部321の形状に対応したカットオフラインが形成される。
 このように構成することで、反射面32の高さ方向(すなわち、Y軸方向)に段差を設けずに反射面32の稜線部321の形状に対応したカットオフラインを形成することができる。これによって、反射面32の段差からの反射光による配光ムラを抑制することができる。
 共役面Pc上の光の像は、導光投射光学素子30内の共役面Pc上の一部に形成される。つまり、導光投射光学素子30内の共役面Pc上の範囲内で、配光パターンを前照灯モジュール100に適した形状に形づくることができる。例えば、後述する図24に示されるように、複数の前照灯モジュール100を用いて1つの配光パターンを形づくる場合には、複数の前照灯モジュールの各々の役割に応じた配光パターンを形づくることができる。
 被照射面90は、車両の前方の予め定められた位置に設定される仮想の面である。被照射面90は、XY平面に平行な面である。車両の前方の予め定められた位置は、前照灯装置の光度又は照度を計測する位置であり、例えば、道路交通規則などで規定されている。例えば、欧州におけるUNECE(United Nations Economic Commission for Europe)が定める自動車用の前照灯装置の光度の計測位置は、光源から25mの位置である。日本における日本工業標準調査会(JIS)が定める光度の計測位置は、光源から10mの位置である。
〈光線の挙動〉
 図1から図6に示されるように、集光光学素子20によって集光された光は、入射面31から導光投射光学素子30内に入射する。入射面31は、屈折面である。入射面31に入射した光は、入射面31で屈折する。例えば、入射面31は、-Z軸方向に突出した凸面である。ここで、入射面31のX軸方向の曲率は、路面に対して水平方向の「配光の幅」に寄与する。また、入射面31のY軸方向の曲率は、路面に対して垂直方向の「配光の高さ」に寄与する。
〈ZX平面上の光線の挙動〉
 ZX平面で見ると、図1から図6の例では、入射面31は、凸面形状を有している。つまり、入射面31は、水平方向(すなわち、X軸方向)について正のパワーを有している。ここで、「ZX平面で見る」とは、+Y軸側から見るという意味である。つまり、ZX平面に投影して見るということである。このため、入射面31に入射した光は、入射面31で更に集光されて導光投射光学素子30内を伝播する。ここで「伝播」とは、導光投射光学素子30の中を光が進行するという意味である。
 ZX平面で見ると、導光投射光学素子30内を伝播する光は、図2に示されるように、集光光学素子20及び導光投射光学素子30の入射面31により、導光投射光学素子30の内部にある集光位置に集光される。また、図2において、稜線部321bの位置が共役面Pcの位置である。
 図8は、実施の形態1の変形例に係る前照灯モジュール100の導光投射光学素子36を通過する主要な光線を示す上面図である。図9、図10及び図11は、図8に示される導光投射光学素子36を概略的に示す上面図、側面図及び下面図である。図8に示される前照灯モジュール100は、例えば、導光投射光学素子36の入射面31の水平方向(すなわち、X軸方向)の曲面を、負のパワーを有する凹面としている。こうすることで、稜線部321で水平方向の光を広げることができる。
 つまり、共役面Pc上の光束の幅が入射面31上の光束の幅よりも大きくなる。凹面の入射面31は、共役面Pc上でのX軸方向の光束の幅を制御することができる。そして、被照射面90において、水平方向に幅広い配光パターンを得ることができる。
〈YZ平面上の光線の挙動〉
 一方、入射面31から入射した光をYZ平面で見れば、入射面31で屈折した光は、導光投射光学素子30内を伝播して、反射面32に導かれる。
 導光投射光学素子30に入射して反射面32に到達する光は、導光投射光学素子30に入射して、反射面32に直接到達している。「直接到達する」とは、他の面などで反射されることなく、到達するという意味である。導光投射光学素子30に入射して反射面32に到達する光は、他の面などで反射されることなく、反射面32に到達する。つまり、反射面32に到達する光は、導光投射光学素子30内で最初の反射をする。
 また、反射面32で反射された光は、直接、出射面33から出射されている。つまり、反射面32で反射された光は、他の面などで反射されることなく、出射面33に到達する。つまり、反射面32で最初の反射をした光は、この一度の反射で出射面33に到達する。
 図1から図6では、集光光学素子20の出射面231及び232の内、集光光学素子20の光軸C2より+Y軸側から出射される光は、反射面32に導かれている。また、集光光学素子20の出射面231及び232の内、集光光学素子20の光軸C2より-Y軸側から出射される光は、反射面32で反射されることなく出射面33から出射される。つまり、導光投射光学素子30に入射した光のうち、一部の光が反射面32に到達する。反射面32に到達した光は、反射面32で反射されて、出射面33から出射される。
 なお、光源10及び集光光学素子20の傾斜角度αの設定により、集光光学素子20から出射される全ての光を反射面32で反射させることができる。また、反射面32の傾斜角度βの設定により、集光光学素子20から出射される全ての光を反射面32で反射させることができる。
 また、光源10及び集光光学素子20の傾斜角度αの設定により、導光投射光学素子30の光軸C1方向(すなわち、Z軸方向)の長さを短くすることができる。そして、光学系の奥行き(すなわち、Z軸方向の長さ)を短くできる。ここで「光学系」とは、実施の形態1では、集光光学素子20及び導光投射光学素子30を構成要素に持つ光学系である。
 また、光源10及び集光光学素子20の傾斜角度αの設定により、集光光学素子20から出射した光を、反射面32に導くことが容易になる。このため、効率的に共役面Pc上で稜線部321の内側(すなわち、+Y軸側)の領域に光を集めやすくなる。つまり、集光光学素子20から出射した光を、反射面32の共役面Pc側に集めることで、稜線部321の+Y軸方向の領域から出射される光の出射量を多くすることができる。
 したがって、被照射面90に投影される配光パターンのカットオフライン91の下側の領域を明るくすることが容易になる。また、導光投射光学素子30の光軸方向(すなわち、Z軸方向)の長さが短くなることで、導光投射光学素子30の光の内部吸収が少なくなり光の利用効率が向上する。「内部吸収」とは、導光部品(例えば、導光投射光学素子30)を光が透過する際の、表面反射の損失を除く、材料内部での光損失のことである。内部吸収は、導光部品の長さが長いほど増加する。
 一般的な導光素子では、光は、導光素子の側面で反射を繰り返して導光素子の内部を進行する。これにより、光の強度分布は、均一化される。実施の形態1では、導光投射光学素子30に入射した光は、反射面32で1回反射されて、出射面33から出射されている。この点で、実施の形態1の導光投射光学素子30の使用方法は、一般的な導光素子の使用方法と相違する。
 道路交通規則などに定められる配光パターンでは、例えば、カットオフライン91の下側(すなわち、-Y軸側)の領域が最大照度の領域である。上述のように、導光投射光学素子30の稜線部321は、被照射面90と共役の関係にある。このため、カットオフライン91の下側(すなわち、-Y軸側)の領域を最大の照度とするには、導光投射光学素子30の稜線部321の上側(すなわち、+Y軸側)の領域の光度を最も高くすればよい。
 カットオフライン91の下側(すなわち、-Y軸側)の領域が最大照度となるような配光パターンを生成するためには、図1に示されるように、YZ平面上で見て、導光投射光学素子30の入射面31から入射した光の一部を反射面32によって反射させることが有効である。なぜなら、入射面31から入射した光のうち、反射面32で反射せずに稜線部321の+Y軸側に到達した光と、反射面32上で反射された光とが、共役面Pc上で重畳されるからである。
 つまり、被照射面90上の高照度領域に対応する共役面Pc上の領域で、反射面32で反射せずに共役面Pcに到達した光と、反射面32上で反射されて共役面Pcに到達した光とは重畳する。このような構成により、稜線部321の上側(すなわち、+Y軸側)の領域の光度を、共役面Pc上の光度の中で最も高くすることができる。
 反射面32で反射せずに共役面Pcに到達した光と、反射面32で反射されて共役面Pcに到達した光とを、共役面Pc上で重畳することで、光度の高い領域を形成している。共役面Pc上での光度の高い領域の位置の変更は、反射面32上での光の反射位置を変更することで可能である。
 反射面32上での光の反射位置を共役面Pcに近づけることで、共役面Pc上の稜線部321の近くを光度の高い領域とすることができる。つまり、被照射面90上でのカットオフライン91の下側を照度の高い領域とすることができる。
 また、この重畳された光の量は、水平方向の配光の幅を調整する場合と同様に、入射面31の垂直方向(すなわち、Y軸方向)の曲率を所望の値に設定することで調整することができる。「重畳された光の量」とは、反射面32で反射せずに稜線部321の+Y軸側に到達した光(すなわち、共役面Pc上)と、反射面32上で反射された光との重畳された光の量である。
 このように入射面31の曲率を調整することで、配光を調整することができる。つまり、入射面31の曲率を適切に設定することで、所望の配光を得ることができる。ここで「所望の配光」とは、例えば、道路交通規則などによって定められる配光などのことである。或いは、後述する図24に示されるように、複数の前照灯モジュール100を用いて1つの配光パターンを形成する場合には、「所望の配光」とは、複数の前照灯モジュール100の各々に要求される配光のことである。
 また、集光光学素子20と導光投射光学素子30との幾何学的な関係を調整することで、所望の配光を得ることができる。つまり、集光光学素子20と導光投射光学素子30との幾何学的な関係を適切に設定することで、所望の配光を得ることができる。ここで「所望の配光」とは、例えば、道路交通規則などによって定められる配光などのことである。
 「幾何学的な関係」とは、例えば、集光光学素子20及び導光投射光学素子30の光軸方向の位置関係である。集光光学素子20から導光投射光学素子30までの距離が短くなると、反射面32で反射する光の量が少なくなり、配光パターンの垂直方向(すなわち、Y軸方向)の寸法が短くなる。つまり、配光パターンの高さが低くなる。反対に、集光光学素子20から導光投射光学素子30までの距離が長くなると、反射面32で反射する光の量が増えて、配光の垂直方向(すなわち、Y軸方向)の寸法が長くなる。つまり、配光パターンの高さが高くなる。
 また、重畳された光の位置は、反射面32で反射される光の位置を調整することで変化させることができる。「重畳された光の位置」とは、反射面32で反射せずに稜線部321の+Y軸側(すなわち、共役面Pc上)に到達した光と、反射面32上で反射された光とが共役面Pc上で重畳される位置である。つまり、共役面Pc上での高光度領域の範囲である。高光度領域は、被照射面90上の高照度領域に対応する共役面Pc上の領域である。
 また、反射面32で反射される光の集光位置を調整することで、出射面33上での高光度領域の高さを調整することができる。つまり、集光位置が共役面Pcに近いと、高光度領域の高さ方向の寸法は短くなる。反対に、集光位置が共役面Pcから遠いと、高光度領域の高さ方向の寸法は長くなる。
 なお、高照度領域は、カットオフライン91の下側(すなわち、-Y軸側)の領域である。つまり、この領域は、被照射面90上の配光パターンの高照度領域の位置である。
 例えば、複数の前照灯モジュールを用いて、被照射面90上に1つの配光パターンを形成する場合がある。このような場合には、各前照灯モジュールの共役面Pc上での高光度領域は、稜線部321の+Y軸側の領域とは限らない。共役面Pc上で、各前照灯モジュールの配光パターンに適した位置に、高光度領域は形成される。
 水平方向の集光位置を調整することで、配光パターンの幅を制御することができる。また、垂直方向の集光位置を調整することで、高照度領域の高さを制御することができる。このように、水平方向の集光位置と垂直方向の集光位置とは、必ずしも一致している必要はない。水平方向の集光位置と垂直方向の集光位置とを独立して設定することで、配光パターンの形状又は高照度領域の形状を、所望の形状に設定することができる。
 また、反射面32の稜線部321の形状をZ軸方向において異なる位置となる屈曲線形状とすることで、段差のある形状のカットオフラインを容易に形成することができる。実施の形態1によれば、導光投射光学素子の反射面に段差を有する比較例(後述の図14及び図15に示される。)の場合と異なり、反射面32上の段差を繋ぐ形状(例えば、図14に示される傾斜面32c)がないため、配光ムラを低減することができる。
 共役面Pc上に形成された配光パターンの像は、導光投射光学素子30によって車両の前方の被照射面90に拡大して投影される。出射面33の焦点のZ軸方向(すなわち、光軸C1方向)の位置は、稜線部321bのZ軸方向の位置に一致している。
 従来の前照灯装置では、遮光板と投射レンズなどの複数の部品を用いてカットオフラインを形成している場合があった。しかし、実施の形態1では、導光投射光学素子30は、1つの部品で形成されているため、出射面33の焦点位置を光軸C1方向で稜線部321aの位置に一致させることができる。これにより、前照灯モジュール100は、カットオフラインの変形又は配光のばらつき等の変化を抑えることができる。なぜならば、一般に2つの部品間の位置精度よりも1つの部品の形状精度の方が容易に向上できるからである。
〈配光パターン〉
 自動車用の前照灯装置のロービームの配光パターンでは、カットオフライン91は、立ち上がりラインを有する段違い形状である。導光投射光学素子30の共役面Pcと被照射面90とは、光学的に共役の関係にある。稜線部321aは、共役面Pc上の光が透過する領域の中で最も下端(すなわち、-Y軸側)に位置する。稜線部321は、被照射面90におけるカットオフライン91に対応する。
 実施の形態1に係る前照灯モジュール100は、共役面Pc上に形成された配光パターンを被照射面90上に直接投影する。このため、共役面Pc上の配光分布は、そのまま被照射面90上に投影される。したがって、配光ムラの少ない配光パターンを実現するには、共役面Pc上で配光ムラを少なくすることが有効である。また、稜線部321の形状は、被照射面90上に投影される。
 なお、以上では、共役面Pcの位置は、稜線部321bの位置として説明したが、共役面Pcの位置は、稜線部321bの位置から光軸方向(すなわち、Z軸方向)に前後してもよい。例えば、稜線部321b近傍として光軸方向(すなわち、Z軸方向)に±1.0mm以内で調整することができる。なお、近傍の定義を、±1.00mmの範囲内とする以外に、出射面33の焦点深度の範囲内としてもよい。
 共役面Pcの位置が稜線部321bに位置する場合は、被照射面90上に投影されるカットオフライン91は、ぼやけがなく明瞭である。しかし、カットオフライン91が明瞭すぎる場合は、カットオフライン91を境界として明暗の差が大きいため、運転者に違和感を与える場合がある。このような場合には、共役面Pcの位置を稜線部321bから光軸方向に前後させ、カットオフライン91をぼかすことで運転者の違和感を解消することができる。
 図12及び図13は、実施の形態1に係る前照灯モジュール100の照度分布をコンター表示で示す図である。図12は、図3から図6に示される導光投射光学素子30を用いた場合の照度分布である。図13は、図8から図11に示される導光投射光学素子36を用いた場合の照度分布である。この照度分布は、25m前方(すなわち、+Z軸方向)の被照射面90に投射された光の照度分布である。また、この照度分布は、シミュレーションにより求めたものである。「コンター表示」とは、等高線図で表示することである。「等高線図」とは、同じ値の点を線で結んで表した図である。
 図12から分かるように、配光パターンのカットオフライン91は、明瞭に投影されている。また、配光ムラのない配光パターンが実現できている。図12に示されるカットオフライン91a、91b、91cは、それぞれ実施の形態1に係る前照灯モジュール100の導光投射光学素子30の稜線部321a、321b、及び321cに対応している。
 図13は、実施の形態1の変形例に係る前照灯モジュール100が投射する照明光の照度分布をコンター表示で示す図である。入射面31の水平方向は、負のパワーを有している。図14は、比較例の導光投射光学素子300を示す斜視図である。図15は、比較例の導光投射光学素子300を用いた前照灯モジュールが投射する照明光の照度分布をコンター表示で示す図である。このため、図12に示される配光パターンの場合と比べて、図15に示される比較例の配光パターンは、配光の幅(すなわち、X軸方向の幅)が広い。
 また、図13に示される配光パターンのカットオフライン91は、図15に示される比較例の配光パターンのものに比べて、明瞭に投影されている。また、配光ムラのない配光パターンが実現できている。
 このように、導光投射光学素子30の入射面31の曲面形状を変化させることで、配光パターンを容易に形成することができる。つまり、明瞭なカットオフライン91を維持したまま、カットオフライン91の下側の領域を最も明るくすることができる。
〈比較例との対比〉
 図14に示される導光投射光学素子300の入射面31は、図8に示される導光投射光学素子30の入射面31と同じである。導光投射光学素子300の入射面31は、水平方向(すなわち、X軸方向)が負のパワーである。つまり、入射面31は、水平方向(すなわち、X軸方向)が凹面形状である。また、反射面32の端部は、反射面32が有する段差と接続されるために、段差を有する形状である。また、稜線部321は、入射面34と同一平面内に形成されている。
 図15は、図14に示される導光投射光学素子300を用いて求めた照度分布をコンター表示で示す。図13に示される配光パターンの場合と比べて、図15に示される配光パターンは、破線内で配光ムラが大きく出ている。「配光ムラ」とは、照度分布の等高線が滑らかな曲線ではないということである。このような配光ムラは、運転者に距離の誤認識又は障害物の見落としなどに繋がる。このため、前照灯装置の安全性能が低下する。
 つまり、比較例の前照灯装置は、例えば、反射面32に高さ方向の位置が異なる段差(すなわち、XY断面形状が屈曲線形状となる段差)を設けてカットオフライン91を形成している。このような比較例の場合には、反射面の段差を繋ぐ傾斜面で反射した光が、反射面に段差がなかった場合に進む方向とは異なる方向に反射される。このため、比較例の前照灯装置では、図15に示されるように、配光ムラが生じる。
 つまり、実施の形態1に係る前照灯モジュール100は、比較例の前照灯装置のように、カットオフライン91を生成するために、反射面32に段差を設ける必要がない。このため、前照灯モジュール100は、簡易な構成で配光ムラの発生を低減できる。
 実施の形態1に係る前照灯モジュール100は、自動車用の前照灯装置のロービームを例として説明した。しかし、前照灯モジュール100は、自動車用の前照灯装置に限るものではない。例えば、前照灯モジュール100は、自動二輪車用又は自動三輪車用の前照灯装置として採用されてもよい。そして、前照灯モジュール100は、前照灯装置のロービーム又はハイビームに適用できる。
 また、車両の中には、複数の前照灯モジュールを並べて、各モジュールの配光パターンを足し合わせて配光パターンを形成する場合がある。つまり、複数の前照灯モジュールを並べて、各モジュールの配光パターンを足し合わせて配光パターンを形成する場合がある。この様な場合でも、実施の形態1に係る前照灯モジュール100は、容易に適用できる。
 前照灯モジュール100は、導光投射光学素子30の入射面31の曲面形状を調整することで、配光パターンの幅及び高さを変化させることができる。その結果、配光分布も変化させることができる。
 また、前照灯モジュール100は、集光光学素子20と導光投射光学素子30との光学的な位置関係又は導光投射光学素子30の入射面31の形状を調整することで、配光パターンの幅及び高さを変化させることができる。その結果、配光分布も変化させることができる。
 また、反射面32を用いることで、配光分布の変化も容易にできる。例えば、反射面32の傾斜角度βを変化させることで、高照度領域の位置を変化させることができる。また、例えば、反射面32の傾斜角度βを変化させることで、カットオフラインと高照度領域との間の輝度勾配を変化させることができる。反射面32の傾斜角度βは、例えば、0度以上+45度未満であることが望ましい。なお、反射面32の傾斜角度βは、0度以上+30度未満であることがより望ましい。
 ここで、傾斜角度βは、反射面32の接平面のZX平面に対する傾きを表す傾きベクトルのうちZ軸と平行な成分のベクトルの角度(すなわち、ZX平面に対する角度)である。なお、反射面32が平面以外(例えば、曲面形状又は多面状)である場合は、反射面32の全域における接平面の傾きベクトルの和を求め、その傾きベクトルの和が示す方向のうちZ軸と平行な成分が示す角度(すなわち、ZX平面に対する角度)であってもよい。なお、和を求める範囲を反射面32の全域とせず、光源からの光が入射する領域(すなわち、有効領域)としてもよい。
 傾斜角度βは、マイナスの値であってもよい。傾斜角度βは、ZX平面に平行な場合を0度として、光の進行方向に対して下りの傾斜すなわち反射面32の+Z軸方向の端部である稜線部321が-Z軸方向の端部よりも-Y軸側に位置する場合を+の角度、光の進行方向に対して上りの傾斜すなわち反射面32の+Z軸方向の端部である稜線部321が-Z軸方向の端部よりも+Y軸側に位置する場合をマイナスの角度とする。
 傾斜角度βの下限値は、例えば、-90度である。換言すると、傾斜角度βは、-90度以上であることが好ましい。また、傾斜角度βは、-45度以上であることがより好ましい。
 図16は、実施の形態1に係る前照灯モジュール100の反射面の傾斜角度と共役面上に形成される配光パターンとの関係を説明するための図である。図16は、前照灯モジュール100の導光投射光学素子30の稜線部321を拡大して示している。図16では、反射面32の傾斜角度βは、20度である。反射面32の稜線部321aで反射する光線のうち、反射面32に最も-Y軸方向から入射する光線Rd0が反射したものを光線Rd1と表し、反射面32に最も+Y軸方向から入射する光線Ru0が反射したものを光線Ru1と表す。
 導光投射光学素子30の出射面33は、共役面Pc上に形成された配光パターンを投影する。つまり、稜線部321aで反射された光線のうち、最も-Y軸方向から入射して稜線部321aで反射された光線Rd1が、共役面Pcを通過する位置E1を投射する。このとき、光線Rd1と光軸C1とのなす角度γは、反射面32の傾斜角度βよりも小さい。図16の場合、角度γは、20度未満となる。理解を容易にするために、角度γは、光線Ru1と光線Rd1で囲まれる出射光束の拡がり角の1/2の角度とみなしてもよい。
 光線Rd1と光軸C1とがなす角度γが大きければ大きいほど、出射面33によって投影された配光パターン上の収差が大きくなる。ここで、収差とは、仮に稜線部321aの位置に共役面Pcを設けた場合に稜線部321aで反射された光が共役面Pcを通過するときの光の拡がり度合い(すなわち、焦点深度に応じた幅をもつが、ほぼ点とみなせる)と、稜線部321bの位置に共役面Pcを設けた場合に稜線部321aで反射された光が共役面Pcを通過するときの光の拡がり度合い(すなわち、光線Ru1と光線Rd1で囲まれる出射光束の拡がり角に対応する幅をもつ)との差に起因して生じる配光パターン上のぼやけ量をいう。つまり、角度γが大きければ大きいほど、共役面Pcを通過するときの光の拡がり度合いが大きくなるために、稜線部321aに対応するカットオフライン91aにぼやけが生じる。このため、カットオフライン91aに大きなぼやけを発生させないためには、反射面32の角度を適切に設定するのが好ましい。
 カットオフライン91のぼやけを前照灯モジュール100において許容される範囲に抑えるには、光線Rd1と光軸C1のなす角度γは、45度未満であることが望ましい。したがって、反射面32の傾斜角度βを45度未満とすることが望ましい。なお、角度γは、30度以下がより望ましい。したがって、反射面32の傾斜角度βを30度未満とすることがより望ましい。
 また、前照灯モジュール100は、導光投射光学素子30の稜線部321の形状(すなわち、ZX平面でみたときの形状)で、カットオフライン91の形状を規定することができる。つまり、導光投射光学素子30の形状により配光パターンを所望の形状に形成できる。
 稜線部321によって段差のあるカットオフライン91を形成する場合には、稜線部321を2つ以上に分割する。図1から図6に示される導光投射光学素子30では、稜線部321は、稜線部321aと稜線部321bとを含んでいる。そして、稜線部321a及び稜線部321bは、光軸方向の異なる位置に配置されている。これによって、段差のあるカットオフライン91の形状が形成される。
 このため、複数の前照灯モジュール100を備えた前照灯装置において、各前照灯モジュール100の集光光学素子20の形状などを同じにすることができる。つまり、集光光学素子20を共通部品とすることができる。このため、部品の種類を削減でき、組立性を改善して、製造コストを低減することができる。
 また、このような配光パターンの幅及び高さを調整する機能と、配光分布を調整する機能とは、前照灯モジュール100の全体で発揮できればよい。前照灯モジュール100の光学部品は、集光光学素子20及び導光投射光学素子30を備える。つまり、これらの機能を、前照灯モジュール100を構成する集光光学素子20又は導光投射光学素子30のいずれかの光学面によって分担させることも可能である。例えば、導光投射光学素子30の反射面32を曲面形状にしてパワーを持たせ、配光を形成することが可能である。
 しかし、反射面32については、必ずしも全ての光が反射面32に到達する必要は無い。このため、反射面32に形状を持たせた場合には、配光パターンの成形に寄与できる光の量は制限される。つまり、反射面32で反射することで、配光パターンに反射面32の形状の作用を与えられる光の量は制限される。したがって、全ての光に対して光学的に作用を与えて、容易に配光パターンを変化させるためには、入射面31にパワーを持たせて配光を形成させることが好ましい。
《2》実施の形態2
 実施の形態1では、図1から図6に示されるように、反射面32が平面である場合について説明した。しかし、前照灯モジュールの反射面は、平面に限定されず、曲面形状(すなわち、断面形状が曲線形状の平面)又は複数の平面を連結することで形成された多面形状(すなわち、断面形状が多角形状の平面)であってもよい。
 図17は、実施の形態2に係る前照灯モジュールの導光投射光学素子30aの構成例を概略的に示す斜視図である。図18、図19及び図20は、図17に示される導光投射光学素子30aを概略的に示す上面図、側面図及び下面図である。導光投射光学素子30aの反射面32は、多面形状である。実施の形態2では、反射面32は、反射面32上の、入射面31と接続される第1面と、稜線部321bと接続される第2面との境界に、稜線部321dを有している。稜線部321dは、稜線部321aを延長した位置に存在する。なお、反射面32は、反射面32上の、第1面と、稜線部321cと接続される第3面との境界、及び第2面と第3面との境界にも稜線部を有している。
 このような場合にも、反射面32は、稜線部321の段差を形成している領域(すなわち、図17に示される例では、上述の第2面、第3面及び第4面)以外の領域(すなわち、上述の第1面)に段差を有さない。したがって、配光パターンの配光ムラを十分に低減することができる。ここで、反射面32において「稜線部321の段差を形成している領域」とは、より具体的に、反射面32のうち光軸C1方向の位置が最も入射面31側に近い出射面33側の端部(実施の形態2では、稜線部321a)よりも出射面33に近い領域をいう。
 上記以外に関し、実施の形態2は、実施の形態1と同じである。
《3》実施の形態3
 上記実施の形態1及び2では、前照灯モジュールが1つの光源10を有する場合について説明した。しかし、前照灯モジュールは、第2の光源としての光源40をさらに有している。つまり、前照灯モジュールは、2つ以上の光源を有してもよい。
 図21は、実施の形態3に係る前照灯モジュール120の構成例を概略的に示す側面図である。前照灯モジュール120は、光源40をさらに有する点で、実施の形態1に係る前照灯モジュール100と相違する。
 光源40は、反射面32の裏面側に配置されている。光源40から発せられた光は、入射面34から導光投射光学素子30に入射し、出射面33から出射される。前照灯モジュール120では、光源40から発せられた光は、被照射面90において光軸C1よりも上側に照射される。つまり、光源40は、ハイビーム用の光源として使用することができる。
 また、図21に示されるように、前照灯モジュール120は、光源40の光を集光する集光光学素子50を有してもよい。集光光学素子50は、集光光学素子20と同様の構造を有している。集光光学素子50を有することで光源40から発せられた光を効率よく集光することができる。
 上記以外に関し、実施の形態3は、実施の形態1又は2と同じである。
《4》実施の形態4
 実施の形態3に係る前照灯モジュール120では、光源40の光が入射面34から導光投射光学素子30に入射して出射面33から出射される場合について説明した。しかし、導光投射光学素子は、光源40から出射された光を反射する第2の光学面である反射面35をさらに有してもよい。
 図22は、実施の形態4に係る前照灯モジュール130の構成例を概略的に示す側面図である。前照灯モジュール130は、反射面35を有する点が、実施の形態3に係る前照灯モジュール120と異なる。実施の形態4に係る前照灯モジュール130を用いることで、光源40からの光が導光投射光学素子30bの入射面34に入射し、入射面34に入射した光のうち導光投射光学素子30bの反射面35で反射する光と、反射面35で反射しない光とが、共役面Pcで重畳され、高照度領域を形成することが可能となる。したがって、前照灯モジュール130は、高照度領域を有するハイビームを形成することが可能となる。
 上記以外に関し、実施の形態4は、実施の形態3と同じである。
《5》実施の形態5
 上記実施の形態1においては、前照灯モジュール100が1つの光源10を有する場合について説明した。しかし、前照灯モジュールは、X軸方向に並ぶ複数の光源を有してもよい。
 図23は、実施の形態5に係る前照灯モジュール140の構成例を概略的に示す上面図である。前照灯モジュール140は、複数の光源15a、15b、15cを含む光源部15を有している点で、前照灯モジュール100と相違する。図23では、例えば、光源部15は、3つの光源15a、15b及び15cを有している。光源15b、15cは、ZX平面で見て、光軸C1を中心にして対称に配置されている。光源15a、15b及び15cは、それぞれ異なる領域を照明する。
 ロービームの配光パターンは、水平方向の中央付近が明るくなるように設計されている。これは、車両の進行方向を最も明るく照射したいからである。しかし、カーブを走行する場合、水平方向の中央付近ではなく、カーブの先に相当する配光パターンの周辺部を見て運転者は、運転するため、十分な明るさが得られないという課題が生じる。このような場合に、光源15a、15b及び15cを独立に調光制御することで、運転者の視線方向を明るくすることが可能となる。図23の場合では、配光パターンの周辺部を照明する光源は、光源15cと光源15bであり、これらの光源を調光することで、運転者の視線方向を明るく照明することが可能である。
 上記以外に関し、実施の形態5は、実施の形態1と同じである。また、実施の形態5に係る前照灯モジュール140は、実施の形態1から4の集光光学素子及び導光投射光学素子のいずれの構成を備えてもよい。
《6》実施の形態6
 実施の形態6では、実施の形態1に係る前照灯モジュール100を用いた前照灯装置200について説明する。図24は、実施の形態6に係る前照灯装置200の構成例を概略的に示す上面図である。
 前照灯装置200は、筐体97とカバー96とを有している。カバー96は、透明な材料で作製されている。筐体97は、車両の車体の内部に取り付けられている。カバー96は、車体の表面部分に配置されて、車体の外部に表れている。カバー96は、筐体97のZ軸方向(すなわち、前方)に配置されている。
 筐体97の内部には、1つ以上の前照灯モジュール100が収められている。図24では、筐体97の内部に3つの前照灯モジュール100が収められている。ただし、前照灯モジュール100の個数は、3に限定されない。前照灯モジュール100の個数は、1個、2個、4個以上のいずれであってもよい。複数の前照灯モジュール100は、筐体97の内部に、X軸方向に並べて配置されている。なお、複数の前照灯モジュール100の並べ方は、X軸方向に並べる方法に限らない。デザイン又は機能などを考慮して、複数の前照灯モジュール100をY軸方向又はZ軸方向などの他の方向に配列してもよい。
 複数の前照灯モジュール100から出射された光は、カバー96を透過して、車両の前方に出射される。図24では、カバー96から出射された照明光はL3、隣り合う前照灯モジュール100から出射された光と重なり合って、1つの配光パターンを形成している。
 カバー96は、前照灯モジュール100を風雨又は塵埃などから守るために設けられている。しかし、導光投射光学素子30が前照灯モジュール100の内部の部品を風雨又は塵埃などから守る構造である場合には、カバー96を設けなくてもよい。また、図24では、筐体97の内部に前照灯モジュール100を収めている。しかし、筐体97は、箱形状である必要はない。筐体97は、フレームなどで構成されており、そのフレームに前照灯モジュール100が固定される構成を採用してもよい。
 以上に説明したように、複数の前照灯モジュール100を備えた前照灯装置200は、前照灯モジュール100の集合体である。また、1個の前照灯モジュール100を備える場合には、前照灯装置200は、前照灯モジュール100と同じである。また、実施の形態6に係る前照灯装置200は、実施の形態1から5のいずれの前照灯モジュールを備えてもよい。
《7》変形例
 上記実施の形態1から6における構成部品を適宜組み合わせることができる。
 上記実施の形態1から6において、部品間の位置関係又は部品の形状を示す用語は、製造上の公差及び組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。
 10、10a~10c、40 光源、 11 発光面、 20、20a~20c、50 集光光学素子、 211、212 入射面、 22 反射面、 231、232 出射面、 30、30a、30b、36 導光投射光学素子、 31、34 入射面、 32 反射面、 321、321a、321b、321c 稜線部、 33 出射面、 90 被照射面、 91 カットオフライン、 96 カバー、 97 筐体、 100、120、130、140 前照灯モジュール、 200 前照灯装置、 α、β、γ 角度、 C1、C2 光軸、 L3 照明光、 Pc 共役面。

Claims (20)

  1.  第1の光を発する第1の光源と、
     第1の光学部と
     を備え、
     前記第1の光学部は、
     前記第1の光を反射する第1の光学面と、
     前記第1の光学面で反射した前記第1の光を含む照明光を投射するレンズ面と
     を有し、
     前記第1の光学面の前記レンズ面に近い端部は、前記レンズ面の光軸に直交する方向における位置が互いに異なる第1の端部及び第2の端部を含み、
     前記第2の端部の前記光軸の方向の位置は、前記第1の端部の前記光軸の方向の位置よりも前記レンズ面に近い
     前照灯モジュール。
  2.  前記第1の光学面の前記レンズ面に近い前記端部は、前記第1の端部と前記第2の端部とを繋ぐ第3の端部をさらに含み、
     前記第1の端部、前記第3の端部、及び前記第2の端部を含む平面上において、前記第1の光学面の前記レンズ面に近い前記端部は、前記第1の端部に対し前記第3の端部が屈曲し、前記第3の端部に対し前記第2の端部が屈曲する、屈曲線形状を有する
     請求項1に記載の前照灯モジュール。
  3.  前記第1の端部、前記第2の端部及び前記第3の端部の各々は、直線の稜線部であり、
     前記第1の端部と前記第2の端部とは、平行であり、
     前記第3の端部は、前記第1の端部及び前記第2の端部に対して傾斜している
     請求項2に記載の前照灯モジュール。
  4.  前記光軸に対する前記第1の光学面の傾斜角度は、45度未満である
     請求項1から3のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  5.  前記光軸に対する前記第1の光学面の傾斜角度は、30度以下である
     請求項1から3のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  6.  前記第1の光学面の、前記レンズ面から最も遠い端部と前記第1の端部との間の領域は、段差のない平面又は曲面である
     請求項1から5のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  7.  前記第1の光学面の、前記レンズ面から最も遠い端部と前記第2の端部との間の領域は、段差のない平面又は曲面である
     請求項1から6のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  8.  前記第1の光学面の、前記レンズ面から最も遠い端部と前記第2の端部との間の領域は、前記レンズ面から最も遠い端部側の第1の領域と、前記第2の端部側の第2の領域とを含み、
     前記光軸に対する前記第2の領域の傾斜角度は、前記光軸に対する前記第1の領域の傾斜角度より小さい
     請求項7に記載の前照灯モジュール。
  9.  前記レンズ面は、前記第1の光学面の前記レンズ面に近い前記端部の形状を含む配光パターンの前記照明光を投射する
     請求項1から8のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  10.  前記レンズ面は、前記レンズ面の焦点を含む共役面上における前記第1の光の形状を含む配光パターンの前記照明光を投射する
     請求項1から8のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  11.  前記照明光の配光パターンのカットオフラインの形状は、前記第1の光学面の前記レンズ面に近い前記端部の形状に対応する形状である
     請求項1から8のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  12.  前記レンズ面の焦点は、前記第2の端部の±1mm以内に位置する
     請求項1から11のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  13.  前記第1の光学部は、前記レンズ面を含む光学素子である
     請求項1から12のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  14.  前記第1の光学部は、前記第1の光学面と前記レンズ面とを含む光学素子である
     請求項1から12のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  15.  前記第1の光学部は、前記第1の光学面の前記レンズ面に近い端部を含む、光を通過させる入射面をさらに有する
     請求項14に記載の前照灯モジュール。
  16.  第2の光を発する第2の光源をさらに備え、
     前記第1の光学部は、前記入射面を通して入射した前記第2の光を含む前記照明光を投射する
     請求項15に記載の前照灯モジュール。
  17.  前記第1の光源から発せられた前記第1の光を集光する第2の光学部をさらに備え、
     前記第1の光学面に入射する前記第1の光は、前記第2の光学部で集光された前記第1の光である
     請求項1から16のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  18.  前記第2の光学部は、集光光学素子である
     請求項17に記載の前照灯モジュール。
  19.  第2の光を発する第2の光源と、
     第3の光を発する第3の光源と、
     をさらに備え、
     前記第1の光学面には、前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光が、互いに異なる方向で入射する
     請求項1から15のいずれか1項に記載の前照灯モジュール。
  20.  1つ以上のモジュールを備え、
     前記1つ以上のモジュールの各々は、請求項1から19のいずれか1項に記載の前照灯モジュールである
     前照灯装置。
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