WO2020189658A1

WO2020189658A1 - 蓄電装置

Info

Publication number: WO2020189658A1
Application number: PCT/JP2020/011624
Authority: WO
Inventors: 彰吾 ▲つる▼田; 彬和田; 拓也中畑
Original assignee: 株式会社Ｇｓユアサ
Priority date: 2019-03-18
Filing date: 2020-03-17
Publication date: 2020-09-24
Also published as: JPWO2020189658A1

Abstract

蓄電装置（１０）は、筐体（１００）を備える。筐体（１００）は、固定壁部（１４０）と、被支持部材（６００）を取り付けるための取付部（１２０）とを有する。固定壁部（１４０）は、筐体（１００）を他の部材（５００）に固定するための固定部（１４５）が設けられた壁部である。取付部（１２０）は、筐体（１００）の固定壁部（１４０）以外の複数の壁部の１つである支持壁部（１１０）に配置されている。被支持部材（６００）は、支持壁部（１１０）と固定壁部（１４０）との対向方向から筐体（１００）を見た場合に、支持壁部（１１０）よりも大きな部材である。取付部（１２０）は、取付部（１２０）に取り付けられた被支持部材（６００）を、筐体（１００）を挟んで他の部材（５００）と反対側に位置させる姿勢で、支持壁部（１１０）に設けられている。

Description

蓄電装置

　本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。

　特許文献１には、複数の単電池を備える蓄電装置が開示されている。この蓄電装置には、蓄電装置を車両ボディに対して位置決めする位置決め機構が設けられている。位置決め機構は、蓄電装置および車両ボディの一方に設けられたピンと、蓄電装置および車両ボディの他方に設けられ、ピンが挿入される溝に向かってピンをガイドするガイド部材と、を有する。特許文献１には、ガイド部材を用いることでピンを溝に容易に挿入することができ、車両ボディに対して蓄電装置を容易に位置決めできる旨が記載されている。

特開２０１３－８６５６４号公報

　蓄電装置を搭載する機器では、内部空間の有効利用の観点から、蓄電装置の配置位置については制約がある。普通自動車では、室内空間の広さ、及び、収納空間の広さが求められるため、エンジンルームの外に蓄電装置を配置する場合に、蓄電装置をどのように配置すべきかが問題となる。この点に関し、特許文献１には、車両ボディの所定の位置に対して蓄電装置を容易に位置決めするための構造は開示されている。しかし、蓄電装置をどのような態様で配置することが、空間の有効利用につながるかは不明である。

　本発明は、空間を有効利用して配置できる蓄電装置を提供することを目的とする。

　本発明の一態様に係る蓄電装置は、筐体であって、前記筐体を他の部材に固定するための固定部が設けられた固定壁部を有する筐体と、前記筐体の前記固定壁部以外の複数の壁部の１つである支持壁部に配置された、被支持部材を取り付けるための取付部であって、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から前記筐体を見た場合に、前記支持壁部よりも大きな前記被支持部材を取り付けるための取付部とを備え、前記取付部は、前記取付部に取り付けられた前記被支持部材を、前記筐体を挟んで前記他の部材と反対側に位置させる姿勢で、前記支持壁部に設けられている。

　本発明によれば、空間を有効利用して配置できる蓄電装置を提供できる。

図１は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電装置の内部構成を示す分解斜視図である。図３は、実施の形態に係る蓄電装置の詳細な内部構成を示す分解斜視図である。図４は、実施の形態に係る蓄電装置の車両における配置例を示す模式図である。図５は、実施の形態に係る蓄電装置への被支持部材の取付構造の一例を示す図である。図６は、実施の形態に係る蓄電装置が被支持部材を支持している状態を示す平面図である。図７は、図６に対応する蓄電装置の第１の側面図である。図８は、図６に対応する蓄電装置の第２の側面図である。

　この構成によれば、他の部材に固定された蓄電装置の筐体を利用して、筐体を挟んで他の部材と反対側に配置された被支持部材を支持できる。そのため、自動車の室内のような、比較的に狭い空間に蓄電装置を配置する場合に、その筐体に、床板、化粧板またはドリンクホルダ等の被支持部材を取り付けることができる。言い換えると、被支持部材が支持されるべき位置に蓄電装置を配置することで、被支持部材の支持と蓄電装置の収納との両方が実現される。このように、本態様の蓄電装置によれば、比較的に狭い空間を有効に利用して配置できる。

　前記支持壁部は、前記筐体において前記固定壁部と対向する位置に配置されてもよい。

　この構成によれば、取付部を、支持壁部の外面に設けることで、被支持部材を、筐体を挟んで他の部材と反対側に位置させることができる。この場合、筐体が被支持部材から受けた荷重が、筐体を回転させるモーメントとして作用し難いため、筐体による被支持部材の支持がより安定化される。これにより、蓄電装置の、被支持部材を支持する構造物としての実用性が向上する。

　前記固定部及び前記取付部は、前記筐体を、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から見た場合において、前記筐体の外形内に配置されてもよい。

　この構成によれば、筐体が、他の部材及び被支持部材から押圧力を受けた場合に、箱型の構造物である筐体の全体で、その押圧力を受けることができる。従って、平面視における筐体の外形から突出するブラケットに固定部または取付部を設けた場合と比較すると、耐荷重性が向上する。これにより、蓄電装置の、被支持部材を支持する構造物としての実用性が向上する。

　前記筐体は、前記固定壁部が下向きとなる姿勢にした状態で、前記筐体を側方から見た場合、下辺が上辺よりも長い略台形状に形成されてもよい。

　この構成によれば、筐体が、固定壁部が下向きの姿勢である場合、筐体の側面視形状が、下辺が上辺より長い略台形状であるため、筐体の上方に位置する被支持部材を安定して支持できる。支持壁部が被支持部材から受ける荷重は、比較的に広い面積の固定壁部で受け止められるため、固定壁部が固定された他の部材に、蓄電装置から過大な圧力が付与される可能性が低減される。つまり、比較的に狭い空間に配置された蓄電装置を利用して、比較的に大きな重量の被支持部材を安定して支持できる。これにより、蓄電装置の、被支持部材を支持する構造物としての実用性が向上する。

　前記取付部は、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から見た場合における前記支持壁部の角部に配置されてもよい。

　この構成によれば、筐体において、互いに異なる方向に向く複数の壁部（支持壁部を含む）が接続されている位置の近くに取付部が配置される。つまり、取付部は、筐体における強度の高い部分に配置されるため、比較的に大きな重量の被支持部材を安定して支持できる。これにより、蓄電装置の、被支持部材を支持する構造物としての実用性が向上する。

　本発明は、複数の蓄電素子を含む蓄電素子ユニットを収容する筐体として実現できる。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。

　以下の説明及び図面中において、筐体の長手方向（筐体の短側面の対向方向）、または、１つの蓄電素子における短側面の対向方向をＸ軸方向と定義する。筐体の短手方向（筐体の長側面の対向方向）、または、１つの蓄電素子における長側面の対向方向をＹ軸方向と定義する。筐体における本体部と固定壁部との並び方向、または、蓄電素子の短側面の長手方向をＺ軸方向と定義する。これらＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向は、互いに交差（本実施の形態では直交）する方向である。本実施の形態では、Ｚ軸方向を上下方向とし、かつ、Ｚ軸方向プラス側を「上」として説明を行うが、このことは、実際の蓄電装置の使用時における姿勢を限定しない。各図面については、本発明を示すために、適宜強調、省略、または比率の調整を行うことで、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。

　Ｘ軸方向プラス側とは、Ｘ軸の矢印方向側を示し、Ｘ軸方向マイナス側とは、Ｘ軸方向プラス側とは反対側を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。２つの方向が直交している、とは、当該２つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、数％程度の差異を含むことも意味する。

　（実施の形態）
　［１．蓄電装置の全般的な説明］
　まず、図１～図３を用いて、実施の形態に係る蓄電装置１０の全般的な説明を行う。図１は、実施の形態に係る蓄電装置１０の外観を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電装置１０の内部構成を示す分解斜視図である。図３は、実施の形態に係る蓄電装置１０の詳細な内部構成を示す分解斜視図である。図２及び図３では、図１に示される電力ケーブル２０及び電線３０の図示は省略されている。

　蓄電装置１０は、外部からの電気を充電し、外部へ電気を放電できる装置である。蓄電装置１０は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュールである。具体的には、蓄電装置１０は、電気自動車（ＥＶ）、ハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）またはプラグインハイブリッド電気自動車（ＰＨＥＶ）等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械等の移動体の駆動用、エンジン始動用若しくはバックアップ用、または、家庭用若しくは発電機用に使用される定置用として用いられる。

　図１～図３に示すように、蓄電装置１０は、複数の蓄電素子２１０を有する蓄電素子ユニット２００と、蓄電素子ユニット２００を収容する筐体１００とを備える。本実施の形態では、蓄電素子ユニット２００は４個の蓄電素子２１０を有している。蓄電素子ユニット２００が有する蓄電素子２１０の数は４には限定されない。蓄電素子ユニット２００は少なくとも１つの蓄電素子２１０を備えていればよい。

　筐体１００は、蓄電装置１０を他の部材５００に固定するための固定部１４５が設けられた固定壁部１４０と、固定壁部１４０との間に蓄電素子ユニット２００等を収容する空間を形成する箱型の本体部１０５とを有する。図３に示すように、固定壁部１４０には、蓄電素子ユニット２００の固定のためのねじ穴１４６が複数設けられている。後述するエンド部材３００を貫通する複数のボルト５０のそれぞれが、ねじ穴１４６に螺合することで、エンド部材３００及び蓄電素子ユニット２００が固定壁部１４０の上面に固定される。さらに、エンド部材３００及び蓄電素子ユニット２００を囲むように本体部１０５が配置される。

　つまり、全体として平板状の固定壁部１４０の上面に蓄電素子ユニット２００等の各要素が配置されており、これら蓄電素子ユニット２００等を上方及び側方から覆うように本体部１０５が配置される。固定壁部１４０の固定部１４５には固定用開口部１４５ａが設けられており、本体部１０５の端部には、固定用開口部１０６が設けられている。固定用開口部１０６及び固定用開口部１４５ａに挿通されたボルト４０が、他の部材５００のねじ穴（またはナット）に螺合する。つまり、本体部１０５と固定壁部１４０とは、ボルト４０によって他の部材５００に共締めされる。本実施の形態では、このような、筐体１００の固定箇所が４つ設けられており、これら４つの固定箇所によって、他の部材５００に蓄電装置１０が固定される。

　図１に示すように、本体部１０５の一つの壁部（Ｘ軸方向プラス側の壁部）には、排気管１９０及び排気管１９０よりも上方に配置された外部接続部１９５が設けられている。排気管１９０は、筐体１００内の１以上の蓄電素子２１０のガス排出弁からガスが排出された場合、そのガスを筐体１００の外部に導くための部材である。外部接続部１９５は、蓄電素子ユニット２００の正極及び負極に接続された一対の電力ケーブル２０と、後述するＢＭＵ（Ｂａｔｔｅｒｙ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ　Ｕｎｉｔ）４００に接続された複数の電線３０とを保持する部材である。図１では、一対の電力ケーブル２０及び複数の電線３０は外部接続部１９５から外部に延設されているが、一対の電力ケーブル２０及び複数の電線３０のそれぞれは、外部接続部１９５の位置に、外部機器と接続するためのコネクタを有してもよい。

　筐体１００は、鉄等の金属で形成されており、かつ、箱型の本体部１０５を有しているため、蓄電装置１０は、比較的に小型でかつ外殻（つまり筐体１００）の強度が高いという特性を有している。そのため、蓄電装置１０は、自動車に搭載された電気機器の動作のためのバッテリー、または、当該動作を保証するバックアップ用のバッテリーとして自動車に搭載される。従って、蓄電装置１０が固定される他の部材５００としては、自動車の車体の一部が例示される。図１及び図２では、他の部材５００は、簡易的に矩形の板状部材として表しているが、他の部材５００は、蓄電装置１０を固定できる部分を有していれば、サイズ及び形状に特に限定はない。

　筐体１００は、固定壁部１４０以外の複数の壁部のうちの１つである支持壁部１１０を有しており、支持壁部１１０は、被支持部材を取り付けるための取付部１２０を有している。取付部１２０には、支持壁部１１０と固定壁部１４０との対向方向から見た場合に、支持壁部１１０よりも大きな被支持部材を取り付けることができる。取付部１２０は、被支持部材を取り付けるためのボルト等と螺合する取付穴１２０ａを有している。蓄電装置１０が自動車に搭載される場合、蓄電装置１０は比較的に小型であることから、運転席と助手席との間に配置できる。この場合、本実施の形態において支持壁部１１０に４つ配置された取付部１２０に、ドリンクホルダ等を含むコンソールボックスを取り付けることができる。つまり、蓄電装置１０を、コンソールボックスを支持する支持部材として機能させることができる。蓄電装置１０を車両に搭載する場合の配置例、及び、被支持部材との位置関係等については、図４～図８を用いて後述する。

　本実施の形態では、筐体１００の内部にはさらに、蓄電素子ユニット２００の充放電を制御するＢＭＵ（Ｂａｔｔｅｒｙ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ　Ｕｎｉｔ）４００が収容されている。ＢＭＵ４００は、複数のボルトで固定壁部１４０の上面に固定される。蓄電装置１０がＢＭＵ４００を内蔵することは必須ではなく、蓄電素子ユニット２００の充放電の制御は外部の機器によって行われてもよい。

　蓄電素子ユニット２００は、図２及び図３に示すように、蓄電素子２１０の並び方向（Ｙ軸方向）で対向するエンド部材３００に挟まれた状態で保持されている。蓄電素子ユニット２００の電極端子の側（Ｚ軸方向プラス側）には、複数の蓄電素子２１０を電気的及び機械的に接続する複数のバスバー２５０と、複数のバスバー２５０を保持するバスバーフレーム２５５とが配置される。バスバーフレーム２５５には、バスバー用開口部２５６が複数設けられており、複数のバスバー２５０のそれぞれは、複数のバスバー用開口部２５６のいずれかに配置され、その下方の１つまたは２つの蓄電素子２１０に接合される。

　本実施の形態では、蓄電素子ユニット２００の上方にはさらにカバー部材２８０が配置されており、蓄電素子ユニット２００とカバー部材２８０との間にバスバー２５０が配置されている。つまり、蓄電素子ユニット２００とカバー部材２８０との間にバスバーフレーム２５５が配置されている。

　［２．蓄電装置の配置例及び利用例］
　次に、以上のように構成された蓄電装置１０を車両に搭載した場合の配置例及び被支持部材との位置関係等について、図４～図８を用いて説明する。図４は、実施の形態に係る蓄電装置１０の車両５１０における配置例を示す模式図である。図５は、実施の形態に係る蓄電装置１０への被支持部材６００の取付構造の一例を示す図である。図６は、実施の形態に係る蓄電装置１０が被支持部材６００を支持している状態を示す平面図である。図７は、図６に対応する蓄電装置１０の第１の側面図であり、図８は、図６に対応する蓄電装置１０の第２の側面図である。図６～図８では、被支持部材６００のおおよその存在範囲が点線で囲まれた範囲で示されている。図５では、他の部材５００である車体の一部を簡易的に矩形の板状部材として図示している。図７では、Ｙ軸方向マイナス側から見た場合の蓄電装置１０の側面図が示されており、図８では、Ｘ軸方向プラス側から見た場合の蓄電装置１０の側面図が示されている。

　図４に示すように、蓄電装置１０は、普通自動車である車両５１０において、並んで配置される座席の間に配置できる。図４に示す例では、車両５１０の車体である他の部材５００における、運転席５１１と助手席５１２との間の部分に固定されている。蓄電装置１０の上面（支持壁部１１０）には、被支持部材６００が取り付けられている。被支持部材６００は、図５に示すように、ドリンクホルダ等を有するコンソールボックスである。つまり、運転席５１１と助手席５１２との間への配置が必要な部材であるコンソールボックスが、被支持部材６００として配置される。

　被支持部材６００は、取付板６１０と取付板６１０に固定される上部部材６２０とを有する。取付板６１０と上部部材６２０とは、図示しないネジ等で接続される。取付板６１０には、蓄電装置１０が有する取付部１２０と同じ数の貫通孔６１１が形成されている。各貫通孔６１１にボルト７０が挿入されて取付穴１２０ａに螺合され、これにより、取付板６１０が筐体１００に固定される。さらに、取付板６１０に上部部材６２０が固定される。これにより、被支持部材６００が蓄電装置１０に取り付けられ、かつ、蓄電装置１０に支持された状態となる。このとき、上面視における被支持部材６００と蓄電装置１０との関係は、図６に示す状態となる、つまり、上面視において、被支持部材６００は、支持壁部１１０よりも大きく、筐体１００の外形よりも大きい。

　被支持部材６００は、取付板６１０と上部部材６２０とに分離される必要はなく、単一の部材である被支持部材６００、または３以の部材の組み合わせで構成される被支持部材６００が、筐体１００に取り付けられてもよい。本実施の形態では、被支持部材６００として、図５に示すコンソールボックスを例示しているが、被支持部材６００の種類、形状、及び大きさはこの例示に限定されない。蓄電装置１０が車両に搭載される場合、被支持部材６００として、床板、床板に固定されたフレーム、及び化粧板などの装飾部材が採用されてもよい。

　［３．効果等］
　以上説明したように、本実施の形態に係る蓄電装置１０は、筐体１００を備える。筐体１００は、固定壁部１４０と、被支持部材６００を取り付けるための取付部１２０とを有する。固定壁部１４０は、筐体１００を他の部材５００に固定するための固定部１４５が設けられた壁部である。取付部１２０は、筐体１００の固定壁部１４０以外の複数の壁部の１つである支持壁部１１０に配置されている。被支持部材６００は、支持壁部１１０と固定壁部１４０との対向方向から筐体１００を見た場合に、支持壁部１１０よりも大きな部材である。取付部１２０は、取付部１２０に取り付けられた被支持部材６００を、筐体１００を挟んで他の部材５００と反対側に位置させる姿勢で、支持壁部１１０に設けられている。

　この構成によれば、他の部材５００に固定された蓄電装置１０の筐体１００を利用して、筐体１００を挟んで他の部材５００と反対側に配置された被支持部材６００を支持できる。そのため、上述のように、車両５１０の室内のような比較的に狭い空間に蓄電装置１０を配置する場合に、その筐体１００に、床板、化粧板またはドリンクホルダ等の被支持部材６００を取り付けることができる。言い換えると、被支持部材６００が支持されるべき位置に蓄電装置１０を配置することで、被支持部材６００の支持と蓄電装置１０の収納との両方が実現される。このように、本態様の蓄電装置１０によれば、比較的に狭い空間を有効に利用して配置できる。

　本実施の形態では、図５～図８に示すように、取付部１２０は、支持壁部１１０において他の部分より凹んだ部分である低壁部１１０ａに配置されている。具体的には、支持壁部１１０は、中央部分の上壁部１１０ｂと、上壁部１１０ｂのＸ軸方向の両側に配置された低壁部１１０ａとを有する。

　この構成によれば、雌ねじ部材である取付部１２０を、支持壁部１１０に溶接等で固定する場合であっても、取付部１２０を、支持壁部１１０の他の部分（上壁部１１０ｂ）よりも突出させないように配置できる（図７参照）。つまり、取付部１２０が、支持壁部１１０に対して突出状に設けられている場合であっても、筐体１００の全体として、取付部１２０が突出しない状態にできる。同じ種類の複数の筐体１００に、取付穴１２０ａの内径が互いに異なる取付部１２０を溶接等で配置することで、互いに種類が異なる蓄電装置１０を製造することも可能である。

　本実施の形態では、支持壁部１１０は、筐体１００において固定壁部１４０と対向する位置に配置されている。

　この構成によれば、図７及び図８に示すように、取付部１２０を、支持壁部１１０の外面に設けることで、被支持部材６００を、筐体１００を挟んで他の部材５００と反対側に位置させることができる。この場合、筐体１００が被支持部材６００から受けた荷重が、筐体１００を回転させるモーメントとして作用し難いため、筐体１００による被支持部材６００の支持がより安定化される。これにより、蓄電装置１０の、被支持部材６００を支持する構造物としての実用性が向上する。

　本実施の形態では、図６に示すように、筐体１００を、支持壁部１１０と固定壁部１４０との対向方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、固定部１４５及び取付部１２０は、筐体１００の外形内に配置されている。つまり、固定部１４５及び取付部１２０は、平面視における筐体１００の外形内に配置されている。

　従って、筐体１００が、他の部材５００及び被支持部材６００から押圧力を受けた場合に、箱型の構造物である筐体１００の全体で、その押圧力を受けることができる。そのため、平面視における筐体１００の外形から突出するブラケットに固定部１４５または取付部１２０を設けた場合と比較すると、耐荷重性が向上する。これにより、蓄電装置１０の、被支持部材６００を支持する構造物としての実用性が向上する。

　本実施の形態では、図７及び図８に示すように、筐体１００は、固定壁部１４０が下向きとなる姿勢にした状態で、筐体１００を側方から見た場合、下辺が上辺よりも長い略台形状に形成されている。

　つまり、筐体１００の側面視形状が、下辺が上辺より長い略台形状であるため、筐体１００の上方に位置する被支持部材６００を安定して支持できる。支持壁部１１０が被支持部材６００から受ける荷重は、比較的に広い面積の固定壁部１４０で受け止められるため、固定壁部１４０が固定された他の部材５００に、蓄電装置１０から過大な圧力が付与される可能性が低減される。つまり、比較的に狭い空間に配置された蓄電装置１０を利用して、比較的に大きな重量の被支持部材６００を安定して支持できる。これにより、蓄電装置１０の、被支持部材６００を支持する構造物としての実用性が向上する。

　本実施の形態において、取付部１２０は、図６に示すように、支持壁部１１０と固定壁部１４０との対向方向から見た場合における支持壁部１１０の角部に配置されている。

　このように、本実施の形態では、筐体１００において、互いに異なる方向に向く複数の壁部（支持壁部１１０及び互いに隣接する２つの側壁部）が接続されている位置の近くに取付部１２０が配置される。本実施の形態では、支持壁部１１０は、箱型に形成された本体部１０５の天面を形成する部分であり、４つの側壁部と一体に形成されている。従って、支持壁部１１０の角部は筐体１００における強度の高い部分である。このように、取付部１２０は、筐体１００における強度の高い部分に配置されるため、比較的に大きな重量の被支持部材６００を安定して支持できる。これにより、蓄電装置１０の、被支持部材６００を支持する構造物としての実用性が向上する。本実施の形態では、支持壁部１１０には４つの角部が存在し、これら４つの角部のそれぞれに取付部１２０が配置されている。このことは、平面視において支持壁部１１０より大きな被支持部材６００の安定的な支持に有利である。

　（他の実施の形態）
　以上、本発明に係る蓄電装置について、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

　取付部１２０は、取付部１２０に取り付けられた被支持部材６００を、筐体１００を挟んで他の部材５００と反対側に位置させる姿勢で、支持壁部１１０に設けられていればよい。そのため、取付部は、支持壁部１１０から側方（ＸＹ平面に平行な方向）に突出して設けられていてもよい。被支持部材６００における、ボルト７０（図５参照）の貫通孔を、平面視における支持壁部１１０の外形内に配置できない場合を想定する。この場合、支持壁部１１０から側方に突出して設けられた取付部１２０を用いて、被支持部材６００を筐体１００に取り付けることは可能である。

　支持壁部１１０は、固定壁部１４０と対向する位置に配置されている必要はない。筐体１００の本体部１０５における、Ｘ軸方向またはＹ軸方向に向く４つの側壁部のうちの一つが、支持壁部として機能してもよい。この場合、支持壁部である側壁部に、筐体１００の上面よりも上方に突出する取付部を配置する。これにより、被支持部材６００を、筐体１００を挟んで他の部材５００と反対側に位置させる姿勢で、筐体１００に支持させることは可能である。

　取付部１２０の個数は４には限定されず、筐体１００は、少なくとも１つの取付部１２０を有すればよい。固定部１４５についても同様であり、筐体１００は、少なくとも１つの固定部１４５を有すればよい。いずれの場合であっても、外部の機器に電力を供給できる蓄電装置１０を、被支持部材６００を支持するための部材として利用することは可能である。

　筐体１００の側面視形状は略台形である必要はない。筐体１００は、全体的に湾曲したドーム状の形状でもよい。筐体１００は、側面が一連の湾曲面を形成する円筒状の形状でもよい。筐体１００は、内部空間を封止する必要がない場合、１以上の開口部が形成された壁部を有してもよい。つまり、内部に蓄電素子ユニット２００等を収容する空間を有し、かつ、固定部及び取付部が配置可能な形状を有する構造物であれば、筐体１００として採用することは可能である。

　蓄電装置１０の構成要素の素材は、実施の形態で説明された素材には限定されない。筐体１００は金属製でなくてもよい。繊維強化プラスチックのような非金属によって筐体１００が形成されてもよい。筐体１００を構成する本体部１０５及び固定壁部１４０のそれぞれの素材が異なっていてもよい。本体部１０５及び固定壁部１４０のそれぞれに求められる強度、剛性、または製造コスト等に基づいて、本体部１０５及び固定壁部１４０のそれぞれの素材が決定されてもよい。

　上記実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

　本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。

　１０　蓄電装置
　１００　筐体
　１１０　支持壁部
　１２０　取付部
　１４０　固定壁部
　１４５　固定部
　２００　蓄電素子ユニット
　５００　他の部材
　６００　被支持部材

Claims

　筐体であって、前記筐体を他の部材に固定するための固定部が設けられた固定壁部を有する筐体と、
　前記筐体の前記固定壁部以外の複数の壁部の１つである支持壁部に配置された、被支持部材を取り付けるための取付部であって、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から前記筐体を見た場合に、前記支持壁部よりも大きな前記被支持部材を取り付けるための取付部とを備え、
　前記取付部は、前記取付部に取り付けられた前記被支持部材を、前記筐体を挟んで前記他の部材と反対側に位置させる姿勢で、前記支持壁部に設けられている、
　蓄電装置。
　前記支持壁部は、前記筐体において前記固定壁部と対向する位置に配置されている、
　請求項１記載の蓄電装置。
　前記筐体を、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から見た場合において、前記固定部及び前記取付部は、前記筐体の外形内に配置されている、
　請求項２記載の蓄電装置。
　前記筐体は、前記固定壁部が下向きとなる姿勢にした状態で、前記筐体を側方から見た場合、下辺が上辺よりも長い略台形状に形成されている、
　請求項１～３のいずれか一項に記載の蓄電装置。
　前記取付部は、前記支持壁部と前記固定壁部との対向方向から見た場合における前記支持壁部の角部に配置されている、
　請求項１～４のいずれか一項に記載の蓄電装置。