WO2019186790A1

WO2019186790A1 - エレベータの監視装置

Info

Publication number: WO2019186790A1
Application number: PCT/JP2018/012858
Authority: WO
Inventors: 勇樹日下部
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2018-03-28
Filing date: 2018-03-28
Publication date: 2019-10-03

Abstract

本発明のエレベータの監視装置は、エレベータ運行状態信号に対応した文字情報を表示するための表示装置（表示画面部）と、表示画面部の前方にいる監視員と表示画面部との距離を検出するための距離検出装置と、表示画面部の表示エリアをサイズ変更可能とすると共に、表示エリアにおいて指定された表示レイアウトに従って文字情報を表示するように表示装置に対して指示する表示制御装置と、を備える。さらに、表示制御装置は、距離検出装置が検出した距離に基づいて表示画面部における第１の表示エリアにおいて表示された文字情報を、第１の表示エリアと共にサイズ変更して、第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示すると共に、第２の表示エリアが第１の表示エリアよりも小さい場合には、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにおいて、さらに文字情報を表示可能とすることで、監視員は認識しやすく、理解しやすくなる。

Description

エレベータの監視装置

　本発明は、エレベータの運行状態を監視するための、エレベータの監視装置に関するものである。

　エレベータが故障する、災害が発生する等の異常事態が発生した場合に、エレベータの監視装置が、表示や報知（ブザー音などによる）を用いて監視員に状況を連絡することで、監視員に対し適切な対応を促すものである。

　例えば、監視員が、異常内容に応じて、エレベータの監視装置に利用される監視盤、等に備えられたキースイッチを選択して操作することで、エレベータに対し災害時の管制運転などの必要な運転指令を与えることが必要であった。

　そして、監視員が適切な対応をさらに素早く行うためには、エレベータの監視装置に利用される監視盤による表示や報知が監視員にとって認識しやすく、かつ、理解しやすいことが重要なポイントになる。

監視盤は、一般に、エレベータの運行状態の表示やエレベータの異常の報知を行う機能を有しており、監視員がこの適切な対応を素早く行うためには、この表示や報知を行う、監視盤に用いられる表示装置がキーパーツとなる。

　近年、監視盤には、表示装置として、ランプ表示のタイプだけでなく、ディスプレイ表示のタイプのものが採用されてきている。
　しかしながら、このディスプレイ表示のタイプである表示装置（ディスプレイ利用）には、以下に述べるような問題があった。
　なお、上記では、ディスプレイ表示のタイプである表示装置を、表示装置（ディスプレイ利用）と記載しているが、以降において記載している表示装置は、誤解が生じない範囲で、表示装置（ディスプレイ利用）の意味で用いることとする。

　エレベータの監視装置に利用される監視盤は、その筐体に対し、従来、設置スペースなどの関係から幅方向のサイズに制約があったため、その前面パネル（筐体の前面側）は縦長のものになっていた。その結果、監視盤の前面パネルに設けられエレベータの運行状態などを表示する表示装置は、監視盤と同様に幅方向のサイズの制約を受けて、表示装置が表示できる文字数および文字サイズに制限があった。

　そこで、従来、表示装置の近傍に設けたタグリーダを用いて監視員が携帯する無線タグとの距離を測定し、測定結果に基づいて表示装置の表示を拡大縮小する制御部を備えることで、監視員が画面に近づくにつれて表示装置の表示が縮小されて詳細な情報を監視員に提示することができるようなエレベータの監視装置が知られている（例えば特許文献１参照）。このような制御部を用いることで、表示装置の幅方向のサイズの制約を受けながらも、監視員にとって認識しやすい表示を実現していた。

日本特開２０１４－１０６６０８号公報

　しかしながら、特許文献１に示されている従来のエレベータの監視装置では、監視盤に設けられた表示装置の画面に関し、監視員が画面に近づくにつれて、最大拡大表示、拡大表示、通常表示の切替えが行う技術内容が開示されているだけで、例えば、上述したような、表示装置の幅方向のサイズの制約に対して表示できる文字数の制限を緩和する技術内容については、特に開示されていなかった。

　そのため、監視盤による表示や報知に関する情報を用いて適切な対応を素早く行うことが要求される監視員に対し、表示装置を用いて、例えば、エレベータの運行状態の表示やエレベータの異常の報知に伴うメッセージ文などで、より詳細な対応内容を提示したい場合があっても、表示装置が表示できる文字数および文字サイズに制限があることで十分な情報を提示することができないという問題があった。

　本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、監視盤９に設けられた表示装置による表示や報知を、監視員にとって認識しやすく、かつ、理解しやすいように実現するエレベータの監視装置を提供することを目的とする。

　本発明によるエレベータの監視装置は、
エレベータの運行状態を管理する制御装置から得られたエレベータ運行状態信号に対応した文字情報を表示するための表示画面部を有する表示装置と、
表示画面部の前方にいる監視員と当該表示画面部との距離を検出するための距離検出装置と、
表示画面部の表示エリアをサイズ変更可能とすると共に、当該表示エリアにおいて指定された表示レイアウトに従って文字情報を表示するように表示装置に対して指示する表示制御装置と、
を備え、
表示制御装置は、
距離検出装置が検出した距離に基づいて表示画面部における第１の表示エリアにおいて表示された文字情報を、第１の表示エリアと共にサイズ変更して、第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示すると共に、
第２の表示エリアが第１の表示エリアよりも小さい場合には、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにおいて、さらに文字情報を表示可能とする、
ものである。

　本発明によるエレベータの監視装置によれば、表示装置による表示や報知を監視員にとって認識しやすいような文字サイズにサイズ変更して第２の表示エリアに提示することができ、さらに、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにメッセージ文を新たに提示することができる。これにより、従来、表示装置が表示できる文字数および文字サイズにあった制限を緩和することができるため、監視盤を用いて適切な対応を素早く行うことが要求される監視員に対し、十分な情報を提示することができる。その結果、監視員にとって監視盤に設けられた表示装置による表示や報知を、監視員にとって認識しやすく、かつ、理解しやすいように実現できる。

本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置を備えた、エレベータの監視システムを示す構成図である。本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置を備えた、エレベータの監視システムを示す構成図であり、エレベータの監視装置の一構成である表示制御装置については、特に、その内部構成を電気回路図で示したものである。本発明の実施の形態における表示制御装置に関する説明図である。特に、距離検出装置が検出した距離に対応して、表示装置の表示画面部における、表示エリアと文字情報のサイズ変更の状況を示す図（上図：距離が500ｃｍの場合、中図：距離が280ｃｍの場合、下図：距離が80ｃｍの場合）である。なお、各図の左図は、監視員と監視盤との距離関係を示す図である。各図の右図は、距離に対応して表示画面部における、表示エリアと文字情報の例を示す図である。さらに、図３の左図は、距離検出装置の一構成が、監視盤の前面パネルに設けられて距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサである場合を示す図でもある。本発明の実施の形態における表示制御装置に関する動作フローチャートであり、距離検出装置が検出した距離と文字情報のサイズとの関係を示す図である。距離検出装置の一構成が、監視盤と監視員を上方からそれぞれ検知して距離を検出するための距離関連情報を出力する撮像カメラである場合を示す図である。

　以下、本発明のエレベータの監視装置の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。

　＜実施の形態＞
　図１は、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置を備えた、エレベータの監視システム１を示す構成図である。

エレベータの監視システム１は、エレベータの監視装置２と制御装置４（制御装置Ａ～Ｃ）を備えている。本発明の実施の形態では、３つのエレベータ（エレベータ装置３）を監視する例を示している。

　制御装置Ａ～Ｃ（制御装置４）は、それぞれに対応する３つのエレベータ（エレベータ装置３）、すなわち、エレベータＡ～Ｃの運行状態を管理すると共に、通常、昇降動作を制御する。なお、エレベータＡ～Ｃは、それぞれ、エレベータのＡ号機ないしＣ号機であることを示している。

制御装置４から得られるエレベータ運行状態信号としては、例えば、エレベータＡ～Ｃにおける、乗りかご位置、運転方向、地震・火災・停電における運転開始信号と運転完了信号、故障信号などがある。エレベータＡ～Ｃが群管理制御されている場合には、地震・火災・停電の災害発生信号と復帰信号、群管理機能故障信号などがある。

　エレベータの監視装置２は、監視員がエレベータの運行状態を監視するためのものであって、距離検出装置６、表示制御装置７、および、表示装置５を備えている。

　制御装置Ａ～Ｃ（制御装置４）は、通信線を介してエレベータの監視装置２に電気的に接続されている。本発明の実施の形態では、より正確には、図１のとおり、制御装置Ａ～Ｃ（制御装置４）は、それぞれ通信線を用いて表示制御装置７と電気的に接続されている。図１では、通信線はシリアル通信線の場合を示している。もちろんながら、通信線はシリアル通信線ではなく、パラレル通信線であっても良い。

　表示装置５は、エレベータ（エレベータ装置３）の運行状態を管理する制御装置４から得られたエレベータ運行状態信号に対応した文字情報を表示するための表示画面部を有するものである。そして、ここで言うところの文字情報とは、単なる文字だけでなく、その他に記号を含むものとして扱うこととする。

また、表示装置５の表示画面部は、監視盤の筐体における前面パネルに設けられているものとする。なお、図１では、エレベータの監視装置２については、物理的な構造としての監視盤は図示していない。

　ここで、表示画面部は、例えば、薄膜トランジスタアレイ型（ＴＦＴ）の液晶パネルで構成されている。その他、発光型素子を利用したプラズマディスプレイ（プラズマパネル）、エレクトロルミネセンスや非発光型ディスプレイ素子を利用した、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子などで構成してもよい。

　距離検出装置６は、表示画面部の前方にいる監視員と当該表示画面部との距離を検出するためのものである。もちろんながら、前述のとおり、表示装置５の表示画面部は、監視盤の筐体における前面パネルに設けられているため、次のように、言い換えることができる。

　すなわち、距離検出装置６は、前面パネル（あるいは監視盤）の前方にいる監視員と当該前面パネル（あるいは監視盤）との距離を検出するものである、と言ってもよい。なぜならば、次のような理由によるためである。

　監視員の位置を、表示画面部の位置、（監視盤の）前面パネルの位置、あるいは監視盤の位置、の三者のいずれか一つを基準として測定した距離は、残りの二つをそれぞれ基準として測定したいずれの距離と比較しても、一定のオフセット値がただ単に異なるだけである。そして、後ほど説明するように、本発明によるエレベータの監視装置２では、距離検出装置６が検出した距離に基づいて少なくとも文字情報をサイズ変更するものである。このため、距離の測定基準が、表示画面部の位置、前面パネルの位置、あるいは監視盤の位置などのように異なることで生じる、一定のオフセット値は、本質的な問題にならない。これは、本質的な問題が、距離検出装置６が検出した距離と表示画面部に表示する文字情報サイズとの関係をどのように決定するか否かにあるためである。つまり、距離と文字情報のサイズの関係である、対応表あるいは関数によるためである。このように、距離の測定基準が異なることで生じる、一定のオフセット値は、距離と文字情報のサイズの関係に対し、本質的な問題にならないのである。

　そして、後ほど説明するように、距離検出装置６は、監視盤の前面パネルに設けられて距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサを有することで構成されるものである。
　ここで、距離検出装置６は、例えば、レーザ光を距離測定対象である物体に照射し、その物体から戻ってきた反射光を受け取る測距センサを有することで、物体までの距離を検出するものである。実際に、距離を検出するための測定原理としては、位相差検出方式、ＴＯＦ方式（Ｔｉｍｅ　ｏｆ　Ｆｌｉｇｈｔ　方式）、三角測距方式が広く知られている。
　また、その他の距離検出装置６としては、例えば、並行に並べた２つのカメラを備えた測距センサを用いて、同時に撮影し、その撮影画像に画像処理を行うことで撮影した物体の奥行情報、すなわち、物体までの距離を検出するものもある。この場合の測距センサは、一般に、ステレオカメラと呼ばれるものである。

　次に、表示制御装置７は、距離検出装置６と表示装置５に、それぞれ電気的に接続されている。そして、表示装置５の表示画面部の表示エリアをサイズ変更可能とすると共に、表示エリアにおいて表示レイアウトに従って文字情報を表示するものである。

また、表示制御装置７は、図１に示すように、情報変換装置８を備えている。

そして、情報変換装置８は、制御装置４から得られたエレベータ運行状態信号が入力されると、エレベータ運行状態信号に対応する文字コードに変換するものである。

その結果、表示制御装置７は、文字コードに対応した文字情報を表示装置５の表示画面部の表示エリアに表示するように表示装置５に対し指示するものである。

次に、図２は、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２を備えた、エレベータの監視システム１を示す構成図であり、エレベータの監視装置２の一構成である表示制御装置７については、特に、その内部構成を電気回路図で示したものである。

この図２は、図１に示したエレベータの監視システム１を構成するエレベータの監視装置２、その内の、特に、表示制御装置７について、内部構成を示す電気回路図を明らかにしたものである。表示制御装置７は、図２のように、制御装置Ａ～Ｃ（制御装置４）、距離検出装置６、および、表示装置５が接続されて、信号を伝達するためのインターフェイスＩ／Ｆと、演算装置であるＣＰＵと、さらに、ここでは図示していないメモリなど、の電気回路から実現されるものである。

ここまで、図１および図２を用いて、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２を備えた、エレベータの監視システム１の構成について説明した。

　そして、以下では、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２の動作について、特に、表示制御装置７の動作を中心に、図３および図４を用いて説明する。
　図３は、本発明の実施の形態における表示制御装置７に関する説明図である。特に、距離検出装置６が検出した距離に対応して、表示装置５の表示画面部１３に表示される、表示エリアと文字情報のサイズ変更の状況を示す図である。ここで、上図は、距離が500ｃｍの場合を示すものである。中図は、距離が280ｃｍの場合を示すものである。下図は、距離が80ｃｍの場合を示すものである。
　さらに、図３は、距離検出装置６の一構成が、監視盤９の前面パネル１０に設けられて距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサ１２である場合を示す図でもある。

　なお、上図、中図、および、下図において、左図は、監視員１１と監視盤９の側面図であり、監視員１１と監視盤９との距離関係を示す図である。そして、右図は、表示画面部１３の前面図であり、距離に対応して表示画面部１３に表示される表示エリアと文字情報の例を示す図である。
なお、ここで、監視員１１と監視盤９との距離とは、すでに述べたように、実質的に、監視員１１と表示画面部１３との距離、または、監視員１１と前面パネル１０との距離に言い換えることができるものである。

　さらに、この右図において、斜線を用いて表示エリアを示している。上図の右図（すなわち、右上図）における、右肩上がりの斜線で示した表示エリアは、第１の表示エリアを示すものである。

　次に、中図の右図（すなわち、右中図）における、右肩上がりの斜線で示した表示エリアは、第２の表示エリア（例１）を示すものである。そして、中図の右図（すなわち、右中図）における、左肩上がりの斜線で示した表示エリアは、第２の表示エリア（例１）の下に位置する表示エリア、すなわち、第１の表示エリアから第２の表示エリア（例１）を除いた表示エリアを示すものである。

　そして、下図の右図（すなわち、右下図）における、右肩上がりの斜線で示した表示エリアは、第２の表示エリア（例２）を示すものである。そして、下図の右図（すなわち、右下図）における、左肩上がりの斜線で示した表示エリアは、第２の表示エリア（例２）の下に位置する表示エリア、すなわち、第１の表示エリアから第２の表示エリア（例２）を除いた表示エリアを示すものである。右下図では、右中図と比較すると明らかなように、第２の表示エリア（例２）は、第２の表示エリア（例１）よりも小さく、文字情報のサイズが小さくなっていることを示している。

　さらに、右中図および右下図では、右上図と比較すると、第２の表示エリア（例１および例２）には、右上図で示した第１の表示エリアに表示されている文字情報が、第１の表示エリアと共にサイズ変更して、第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示されていることが分かる。また、第１の表示エリアから第２の表示エリア（例１および例２）を除いた表示エリアには、右上図には無かった文字情報がメッセージ文として表示されていることが分かる。

　次に、右下図では、右中図と比較すると、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアには、右中図には無かった文字情報がメッセージ文として表示されていることが分かる。

　参考までに、上述した文字情報に関し、図３で例示している内容について簡単に説明しておく。
　図３の上図（第１の表示エリア）、中図（第２の表示エリア（例１））、および、下図（第２の表示エリア（例２））において、それぞれ文字情報のサイズは異なるものの、表示エリアには、“エレベータのＡ号機であるエレベータＡについては、乗りかご位置が現在３Ｆにあり、通常運転中の状態にあること”を意味する内容が示されている。
さらに、“エレベータのＢ号機であるエレベータＢについては、乗りかご位置が現在１Ｆにあり、異常発生の状態にあること”を意味する内容が示されている。

本実施の形態では、上述のように、３つのエレベータ（エレベータ装置３）であるエレベータＡ～Ｃを対象としたエレベータの監視装置２について例示しているものであり、エレベータＡ～Ｃの運行状態信号を同時に表示しても良いし、図３で説明したように、その内の２つのエレベータを同時に表示しても良い。もちろんながら、その内の１つのエレベータを表示しても良い。ここでのポイントは、監視員１１が注意して監視するべき監視対象がどのエレベータなのかによる、ということである。例えば、異常発生時であれば、異常を発生しているエレベータを少なくとも表示すべきであることは極めて妥当である、と考える。

いずれにしても、表示制御装置７が、表示エリアにおいてあらかじめ指定された表示レイアウトに従って文字情報を表示するように表示装置５に対して指示することで決まるものである。

　また、図３の中図（第２の表示エリア（例１）の下に位置する表示エリア）、および、下図（第２の表示エリア（例２）下に位置する表示エリア）において、それぞれ文字情報のサイズおよび表示内容は異なるものの、“エレベータのＢ号機であるエレベータＢについて、地震計が作動したため、運転モードが地震管制運転モードに手動切換ください”、とのことを意味する内容が示されている。

　この表示内容を受けて、監視員１１が、エレベータの監視装置２に利用される監視盤９、等に備えられたキースイッチを選択して操作することになる。そして、監視員１１が、キースイッチを操作することで、ここでの必要な地震管制運転モードに手動切換することになる。

　ここでのキースイッチは、ハードウェアで実現しても良い。また、その他のキースイッチとしては、表示装置５の表示画面部１３にソフトウェアで表示され、キースイッチの操作を、タッチパネルを介して認識することで実現しても良い。

　このように異常発生の内容に応じて、監視員１１が適切な対応を素早く行うことが要求される場合に、本発明に係るエレベータの監視装置２は格別なる効果を有するものである。特に、監視員１１が経験不足で熟練者ではない場合には、対応マニュアルに記載される手順などに対応するメッセージ文を、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアに新たに提示することができるため、たとえ監視員１１が熟練者でなくても適切な対応を素早く行うことができる効果がある。

　その他、図３の中図（第２の表示エリア（例１）の下に位置する表示エリア）、および、下図（第２の表示エリア（例２）下に位置する表示エリア）には、上述したようなエレベータ運行状態だけでなく、別の表示があっても良い。例えば、災害が発生した場合には、災害の発生警報および災害対応マニュアルに記載される手順などに対応するメッセージ文を表示することも可能である。また、エレベータが故障した場合には故障表示を、エレベータ休止の場合には休止表示、等を表示することも可能である。

　なお、特に、第１の表示エリアは、右上図で示したように、表示装置５の表示画面部１３の表示可能な最大の表示エリアとして扱っている。しかしながら、第１の表示エリアが、必ずしも、表示装置５の表示画面部１３の表示可能な最大の表示エリアである必要は特に無い。

　以上のように、ここでは、図３を用いて、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２は、距離検出装置６が検出した距離に基づいて表示装置５の表示画面部１３における第１の表示エリアにおいて第１の表示レイアウトに従って表示された文字情報を、第１の表示エリアと共にサイズ変更して、前記第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示すると共に、第２の表示エリアが前記第１の表示エリアよりも小さい場合には、第１の表示エリアから前記第２の表示エリアを除いた表示エリアにおいて、さらに文字情報を表示可能とする動作を実現するものであることを示した。

　そして、ここで述べた動作を実現するのが、表示制御装置７である。
すなわち、表示制御装置７は、距離検出装置６が検出した距離に基づいて表示画面部１３における第１の表示エリアにおいて表示された文字情報を、第１の表示エリアと共にサイズ変更して、第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示すると共に、第２の表示エリアが第１の表示エリアよりも小さい場合には、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにおいて、さらに文字情報を表示可能とする、ものである。

　ここでは、距離検出装置６の一構成が、監視盤９の前面パネル１０に設けられて距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサ１２である場合を示す図３を用いて、エレベータの監視装置２の動作について、特に、表示制御装置７の動作について説明した。

　次に、ここで述べた動作の一部として、表示制御装置７において、距離検出装置６が検出した距離と文字情報のサイズの関係を決める動作について、その詳細を、図４を用いて説明する。

　図４は、本発明の実施の形態における表示制御装置７に関する動作フローチャートであり、距離検出装置６が検出した距離と文字情報のサイズの関係を示す図である。

　図４が示す、表示制御装置７に関する動作フローチャートから明らかなように、距離検出装置６が検出した距離に応じた文字情報のサイズが、３０ｍｍ、２０ｍｍ、１０ｍｍ、６ｍｍのように、４種類が用意されている例である。この例のように、４つの段階によって文字情報のサイズを変更しても良いし、この例とは異なって、よりもっと小刻みに変更しても良い。
　このように、表示制御装置７が、距離検出装置６が検出した距離と表示画面部１３に表示する文字情報サイズとの関係を決定しているのである。つまり、ここでの表示制御装置７に関する動作フローチャートに示す技術内容が、距離と文字情報のサイズの関係である、対応表あるいは関数に対応するものである。

ここでの技術内容によれば、すでに前述したように、距離の測定基準が、表示画面部１３の位置、前面パネル１０の位置、あるいは監視盤９の位置などのように異なることで生じる、一定のオフセット値は、本質的な問題にならないことは容易に理解できるはずである。

　表示制御装置７は、すでに図２で示した内部構成のとおり、制御装置Ａ～Ｃ（制御装置４）、距離検出装置６、および、表示装置５が接続されて、信号を伝達するためのインターフェイスＩ／Ｆと、演算装置であるＣＰＵ、図示していないメモリなどの電気回路から実現されるものである。

　そして、これらの電気回路にとって、以下に示す、表示制御装置７の動作が実現されるものである。

　以下、図４にしたがって、表示制御装置７の動作フローについて説明していく。
　初期状態としては、表示制御装置７の動作を説明する前提として、監視員１１が表示画面部１３（あるいは前面パネル１０）の前方に立っていない場合には、エレベータの運行状態が通常表示されているものとしている。

　次に、ステップ１（Ｓ０１）において、エレベータの運行状態に異常があるか否かを判断し、異常があると判断した場合には、ステップ１５（Ｓ１５）において異常のあるエレベータの号機のみを表示する。

　ステップ１５（Ｓ１５）に続くステップ１６（Ｓ１６）において、表示情報の文字サイズを６ｍｍで表示する。

　ステップ１６（Ｓ１６）に続くステップ１７（Ｓ１７）において、異常状態の内容である異常状態情報を表示する。そして、ステップ１８（Ｓ１８）において、異常状態情報の表示に加えて、かご内情報を表示する。

　もし上記のステップ１（Ｓ０１）において、エレベータの運行状態に異常がないと判断した場合には、ステップ１（Ｓ０１）に続くステップ２（Ｓ０２）において、監視員１１と監視盤９との距離を検出する。より正確には、距離検出装置６を用いて、監視員１１と監視盤９との距離を入手する。

　ステップ２（Ｓ０２）に続くステップ３（Ｓ０３）において、距離検出装置６で検出した監視員１１と監視盤９との距離が３ｍ以上である場合、表示情報の文字サイズを３０ｍｍで表示する。もしステップ３（Ｓ０３）において距離検出装置６で検出した距離が３ｍ未満の場合には、ステップ５（Ｓ０５）において、再度、距離検出装置６を用いて、距離を検出する。

　そして、ステップ５（Ｓ０５）に続くステップ６（Ｓ０６）において、距離検出装置６で検出した距離が２ｍ以上３ｍ未満である場合、ステップ７（Ｓ０７）において表示情報の文字サイズを２０ｍｍで表示する。もしステップ６（Ｓ０６）において距離検出装置６で検出した距離が２ｍ未満である場合には、ステップ８（Ｓ０８）において、再度、距離検出装置６を用いて、距離を検出する。

　ステップ８（Ｓ０８）に続くステップ９（Ｓ０９）において距離検出装置６で検出した距離が１ｍ以上２ｍ未満である場合には、ステップ１０（Ｓ１０）において表示情報の文字サイズを１０ｍｍで表示し、続いてステップ１１（Ｓ１１）においてエレベータの運行状態を追加表示する。もしステップ９（Ｓ０９）において距離検出装置６で検出した距離が１ｍ未満の場合には、ステップ１２（Ｓ１２）において表示情報の文字サイズを６ｍｍで表示し、続いてステップ１３（Ｓ１３）においてエレベータの運行状態を追加表示し、さらにステップ１４（Ｓ１４）において、運行状態に加え、かご内情報を追加表示する。

なお、ここまで、図３および図４を用いて、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２における表示制御装置７の動作を説明してきた。特に、表示装置５による表示について説明したが、この表示に関する情報に、例えば、ブザー音（図示していない）などの情報を加えることで、監視員１１に対する注意喚起を行う報知情報にすることが可能になることから、表示装置５による報知については、ここまで説明した表示装置５による表示と同様に扱うことができると考える。

　以上のように、本発明の実施の形態に係るエレベータの監視装置２によれば、表示装置５による表示や報知を監視員１１にとって認識しやすいような文字サイズにサイズ変更して第２の表示エリアに提示することができ、さらに、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにメッセージ文を新たに提示することができる。これにより、従来、表示装置５が表示できる文字数および文字サイズにあった制限を緩和することができるため、監視盤９を用いて適切な対応を素早く行うことが要求される監視員１１に対し、十分な情報を提示することができる。その結果、監視員１１にとって監視盤９に設けられた表示装置５の表示画面部１３による表示や報知を、監視員１１にとって認識しやすく、かつ、理解しやすいように実現できる。

　したがって、本発明によるエレベータの監視装置２によれば、例えば、監視員１１が経験不足で熟練者ではない場合には、対応マニュアルに記載される手順などに対応するメッセージ文を、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアに新たに提示することができるため、たとえ監視員１１が熟練者でなくても適切な対応を素早く行うことができる。

　なお、上述した実施の形態では、距離検出装置６の一構成が、監視盤９の前面パネル１０に設けられて監視員１１と監視盤９との距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサ１２である場合を示す図３を用いて、エレベータの監視装置２の動作について、特に、表示制御装置７の動作について説明した。

　しかしながら、距離検出装置６の一構成が、ここで述べた測距センサ１２に限定されるものではない。例えば、図５に示すような、距離検出装置６の一構成が、監視盤９と監視員１１を上方からそれぞれ検知して距離を検出するための距離関連情報を出力する撮像カメラ１４であっても、上述した表示制御装置７の動作については、図３を用いて説明したことが同様に成り立つことは明らかである。

　つまり、距離検出装置６の一構成が撮像カメラ１４であっても、監視員１１と監視盤９との距離を得ることができることから、表示装置５による表示や報知を監視員１１にとって認識しやすいような文字サイズにサイズ変更して第２の表示エリアに提示することができ、さらに、第１の表示エリアから第２の表示エリアを除いた表示エリアにメッセージ文を新たに提示することができる。その結果、上述した実施の形態で述べた内容と同様に、監視員１１にとって監視盤９に設けられた表示装置５による表示や報知を、監視員１１にとって認識しやすく、かつ、理解しやすいように実現できることは明らかである。

　１　エレベータの監視システム、２　エレベータの監視装置２、３　エレベータ装置（エレベータ）、４　制御装置、５　表示装置、６　距離検出装置、７　表示制御装置、８　情報変換装置、９　監視盤、１０　（監視盤９の）前面パネル、１１　監視員、１２　測距センサ、１３、　表示画面部、１４　撮像カメラ。

Claims

監視員がエレベータの運行状態を監視するためのエレベータの監視装置であって、
前記エレベータの運行状態を管理する制御装置から得られたエレベータ運行状態信号に対応した文字情報を表示するための表示画面部を有する表示装置と、
前記表示画面部の前方にいる前記監視員と当該表示画面部との距離を検出するための距離検出装置と、
前記表示画面部の表示エリアをサイズ変更可能とすると共に、当該表示エリアにおいて指定された表示レイアウトに従って前記文字情報を表示するように前記表示装置に対して指示する表示制御装置と、
を備え、
前記表示制御装置は、
前記距離検出装置が検出した距離に基づいて前記表示画面部における第１の表示エリアにおいて表示された文字情報を、前記第１の表示エリアと共にサイズ変更して、前記第１の表示エリアをサイズ変更した第２の表示エリアに表示すると共に、
前記第２の表示エリアが前記第１の表示エリアよりも小さい場合には、前記第１の表示エリアから前記第２の表示エリアを除いた表示エリアにおいて、さらに文字情報を表示可能とする、
ことを特徴としたエレベータの監視装置。
前記第１の表示エリアは、
前記表示画面部の表示可能な最大の表示エリアである、
ことを特徴とした請求項１に記載のエレベータの監視装置。
前記距離検出装置は、監視盤に設けられて前記距離を検出するための距離関連情報を出力する測距センサを有することを特徴とした請求項１または２に記載のエレベータの監視装置。
前記距離検出装置は、監視盤と前記監視員を上方からそれぞれ検知して前記距離を検出するための距離関連情報を出力するための撮像カメラを有することを特徴とした請求項１または２に記載のエレベータの監視装置。
前記表示制御装置は、情報変換装置をさらに備え、
前記情報変換装置は、
前記制御装置から得られたエレベータ運行状態信号が入力されると、当該エレベータ運行状態信号に対応する文字コードに変換し、
前記表示制御装置は、
前記文字コードに対応した文字情報を前記表示画面部の表示エリアに表示するように前記表示装置に対して指示する、
ことを特徴とした請求項１ないし４のいずれか１項に記載のエレベータの監視装置。