WO2019131317A1 - 混植採種されたハイブリッド穀物種の種子の選別方法 - Google Patents

混植採種されたハイブリッド穀物種の種子の選別方法 Download PDF

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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
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    • A01CPLANTING; SOWING; FERTILISING
    • A01C1/00Apparatus, or methods of use thereof, for testing or treating seed, roots, or the like, prior to sowing or planting

Definitions

  • ⁇ 5> The method according to any one of ⁇ 1> to ⁇ 4>, wherein the sorting based on the difference in seed grain length is performed by an indent cylinder type sorting machine.
  • the hybrid grain species means grains, which are varieties of the hybrid line (F1 hybrid variety).
  • a hybrid cultivar refers to a line (male sterile line) grown so as not to form fertile pollen as a seed parent line, and a line having a factor that causes fertility recovery (fertility restoration line) as a pollen parent line It is a cultivar group of the type which provides the seeds of hybrid first generation (F1) for production.
  • the seeds of the cultivar are subjected to mixed planting cultivation so that the target seeds can be selected from mixed seed-sorted seeds based on the difference in grain length.
  • Select pollen parent variety and seed parent variety depending on grain size that is, when selecting pollen parent cultivars and seed parent cultivars for mixed planting, by considering the grain length of those cultivars, seeds of hybrid grain seeds and seeds of pollen parent cultivars in mixed-seeded seeds are selected.
  • the grain lengths can each be as desired.
  • the obtained seed sample (harvest) was first subjected to the following pretreatment prior to sorting.
  • the seed sample (harvest) is treated sequentially with a coarse separator (made by Satake Co., Ltd., coarse selector PC350002), and then with a grader (made by Tiger Kawasima, grader R-18A (1.9 mm)).
  • a coarse separator made by Satake Co., Ltd., coarse selector PC350002
  • a grader made by Tiger Kawasima, grader R-18A (1.9 mm)
  • the seed sample is deasphalted using a deasper (Tiger Kawashima Co., Ltd., deasper TDS-100 / 200) under conventional conditions, and then the grader (Tiger Kawashima Co., Ltd.)
  • the remaining waste and dust were removed using a grader R-18A (2.4 mm)).

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Abstract

本発明は、混植採種されたハイブリッド穀物種の種子の選別方法に関する。本発明の方法は、花粉親系統品種と種子親系統品種とを混植栽培して採種された種子から、そこに含まれるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の違いに基づいて、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別し取得することを含んでなる。本発明によれば、混植採種して得られたハイブリッド穀類種の種子を、実用レベルで効率的に選別することが可能となる。

Description

混植採種されたハイブリッド穀物種の種子の選別方法 関連出願の参照
 本願は、先行する日本国特許出願である特願2017-250752号(出願日:2017年12月27日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
 本発明は、混植採種されたハイブリッド穀物種の種子選別方法に関する。すなわち本発明は、ハイブリッド穀類品種の混植採種法に適用することができる採種種子の選別方法に関する。
 ハイブリッド品種(F1ハイブリッド品種)とは、稔性花粉を形成できないよう育成された系統(雄性不稔系統)を種子親系統とし、稔性回復をもたらす因子を有する系統(稔性回復系統)を花粉親系統とした、雑種第1世代(F1)の種子を、生産に供するタイプの品種群である。
 一般的に、ハイブリッド品種は、雑種強勢現象により収量性が向上するため、自殖品種と比較して栽培上、有利であるが、低い採種効率が原因で種子が高価になる場合が多い。特に、イネ、ムギ、ダイズ等の穀物種においては、効率的な採種法が十分に確立されておらず、このため本発明者等の知る限り、現時点ではハイブリッド品種については限定的な利用に留まっている。
 ハイブリッド品種の採種を行う場合、生産するF1種子の純度を高く維持するために、同じ圃場内で稔っている花粉親系統の混入を最小限に留めなければならない。
 このため、従来は、栽培段階から種子調製に係るまでの一連の作業を、両系統が混ざらないように慎重に区別して進める必要があった(吉村明、「ハイブリッドライス「みつひかり」の事業展開」、Techno Innovation, Vol. 20, No. 20(通巻No.76)(2010), pp.20-29(非特許文献1))。しかしながら、このような従来の手法による場合、作業工程数(項数)の多さや、作業の煩雑さなどを伴い、さらにこれらの状況から、作業を請け負う担い手の確保が困難なものとなっている。
 こうしたハイブリッド品種の採種の効率を改善するため、両親系統が混ざった状態で播種から収穫・乾燥までの一連の作業を行い、収穫後に両親系統の種子を選別する「混植採種法」が、イネにおいて検討されている(丸山清明、「一代雑種イネ品種の育種学的研究」、1993年2月14日発行、東京大学博士論文(農学)(非特許文献2))。
 この混植採種法は、作業工程数の削減に有効であることに加えて、
 (i) 採種圃場内における両親系統間の物理的距離を短縮することによって花粉がかかりやすくなる、および、
 (ii) 花粉親系統の栽培スペースを相対的に小さくできることで、より多くの種子親株を展開することが可能となる
等の効果が期待でき、採種効率を向上させる上でも利用価値が高いといえる。
 また、特開2017-023031号公報(本出願人による)(特許文献1)にも、イネについて混植採種法を行うための栽培方法が開示されている。
 しかしながら、これら混植採種法においては、混植の技術について多く検討されているが、混植して収穫された種子において、F1種子と、両親系統の種子とを選別する技術については、本発明者が知る限り、一般的には、前記した丸山による試験的な方法において採用されている円孔篩を用いる手法が知られているのみであった。
日本国特許出願公開公報 特開2017-023031号公報
吉村明、「ハイブリッドライス「みつひかり」の事業展開」、Techno Innovation, Vol. 20, No. 20(通巻No.76)(2010), pp.20-29 丸山清明、「一代雑種イネ品種の育種学的研究」、1993年2月14日発行、東京大学博士論文(農学)
 本発明は、混植採種して得られたハイブリッド穀類種の種子を、実用レベルで効率的に選別することが可能な種子選別方法を提供することを目的とする。
 前記した丸山による試験的な方法(非特許文献2)は、円孔篩を用いて「籾幅」の差異をもとに両親系統の種子を選別するものであり、両親系統の籾幅の差が0.7mm程度、たとえば片親に一般的なジャポニカ品種を用いた場合には、籾幅4.0mm以上の大粒種、および、籾幅2.5mm以下のインド型細長粒品種を組み合わせた場合に、分別が可能であるとするものである。
 籾粒の大きさを考える場合、籾のような粒の径は、籾が球形ではないことから、通常、長い順に、粒長、粒幅、および粒厚の要素が存在する。円孔篩を用いて、一番短い籾厚を円孔直径としても籾は篩を通過し得ないことから、円孔篩により、球状でない籾(種子)を分別するためには、籾粒において粒厚に次いで短い長さの部分である「籾幅」(粒幅)を基準にする必要がある。すなわち、円孔篩で、球状ではない粒子(籾粒)を分別する場合、円孔の大きさ(直径)に応じて、円孔の直径以上の籾幅を持つ種子が篩上に残る一方、円孔の直径より小さい籾幅の籾は篩を通過することになる。このとき、もし円孔の直径を籾幅ではなく籾長に基づき設定すると、円孔の直径よりも大きな籾長を有する種子であっても、その籾幅は籾長よりも短いことから、円孔に対しても籾粒が縦向きかそれに近い向きになれば、そのような籾長の種子であっても篩を通過してしまう。すなわち、円孔篩では、籾長(粒長)の大きさに基づいて、種子を精度よく分別することは困難であることがわかる。種子の選別手段として円孔篩を使用する場合には、種子の粒の「幅」の違いが選別の指標にならざるを得ないといえる。
 丸山による試験的な方法の種子選別法としての円孔篩法では、前記したように、選別のためには籾幅の差異が極めて大きいことが必要であるが、ハイブリッド品種における両親系統の組み合わせとして、籾幅に大きな差異を設けることができる場合は、非常に限られる。そのような籾幅の差異を生ずるような品種自体が少なく、またそれらの組合せられる場合も非常に限られるからである。このため、円孔篩法を適用できる範囲は非常に狭くならざるを得ない。
 具体的には例えば、農業生物資源ジーンバンク(https://www.gene.affrc.go.jp/index_j.php)のデータベースによれば、片親に一般的なジャポニカ品種を使用する場合に選別上必要となる粒幅4.0mm以上の大粒種は、全系統14749系統のうちわずか294系統であり、全体系統のうちのわずか1.99%に過ぎない。また、粒幅2.5mm以下のインド型細長粒品種につても、926系統であり、全体系統のうちのわずか6.28%に過ぎない。円孔篩法が適用できるのは、これら限られた系統の組合せであり、非常に限られた場合に適用可能となるに過ぎないことが理解できる。
 このように適用可能な粒形は比較的稀な存在であることから、円孔篩による選別法を広範な組み合わせに適用させることは非常に難しいと言えた。
 さらに、籾幅を基準に分別する円孔篩法は、籾粒において分別可能なより短い径を基準に篩を通過するか否かで分別されることになるため、精度良く分別するためには、篩う作業をある程度時間をかけて丁寧に行う必要がある。実際、このような円孔篩法では、円孔篩を用いて50gの種子を選別する処理に90秒を要しており、これは毎分0.03kgの処理速度にあたる。
 しかしながら、実用的な種子選別を行うためには、最低でも毎分数kgの処理能力が必要である。このため、従来法である円孔篩法では、実用レベルの種子選別の処理能力を確保することは困難といえた。
 このように従来の丸山の試験的方法による種子選別法は、適用できる穀物種や品種の範囲が狭く、選別の処理能力も実用上、十分と言えないものであり、さらに作業手順の煩雑さ等を含めて、依然として改善の余地のあるものであった。
 本発明者等は今般、穀類種の種子の「籾幅」以外の形質、特に「粒長」の違いに着目することによって、混植採種されたハイブリッド穀類種の種子を、実用レベルで効率的に選別することに成功した。また、混植採種する際に、予め混植する花粉親系統と種子親系について、それぞれの種子の粒長の違いを、混植採種した後に得られる種子においてハイブリッド穀類種の種子を選別し易いように、設定しておくことで、種子の選別をより確実にできることも判明した。これらにより、穀物類の混植採種法において適用できる、新しい実用的な種子選別法を提供することに成功した。
 本発明はこれら知見に基づくものである。
 よって、本発明は、混植採種して得られたハイブリッド穀類種の種子を選択的に効率よく選別する方法を提供することを目的とする。
 すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> 花粉親系統品種と種子親系統品種とを混植栽培して採種された種子から、そこに含まれるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の違いに基づいて、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別し取得することを含んでなる、ハイブリッド穀物種の種子の選別方法。
<2> 混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種の種子の粒長を考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する、前記<1>の方法。
<3> 混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種間の種子の平均粒長の差に考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する、前記<1>または<2>の方法。
<4> 花粉親系統品種の種子の平均粒長と、種子親系統品種の種子の平均粒長との差が0.9mm以上となるように、花粉親系統品種と種子親系統品種を選択する、前記<1>~<3>のいずれかの方法。
<5> 種子の粒長の違いに基づく選別を、インデントシリンダ型選別機によって行う、前記<1>~<4>のいずれかの方法。
<6> 種子の粒長の違いに基づく選別を、画像処理による選別によって行う、前記<1>~<4>のいずれかの方法。
<7> 穀物が、イネ、コムギ、またはオオムギのいずれかである、前記<1>~<6>のいずれかの方法。
<8> 穀物がイネである場合、粒長が籾長であり、または、穀物がコムギもしくはオオムギである場合、粒長が原麦粒長である、前記<1>~<7>のいずれかの方法。
 本発明によれば、混植採種して得られたハイブリッド穀類種の種子を効率よく選別することができる。より詳しくは、本発明によれば、混植採種して得られた種子には、目的とするハイブリッド穀物種の種子の他に、花粉親系統の種子が混入しているが、ここから、ハイブリッド穀物種の種子を、高純度で、高効率、例えば、短い時間で、多くの選別処理能力をもって、選別をすることができる。
 さらに、本発明によれば、従来の円孔篩法による選別法で実現できなかった花粉親系統と種子親系統の組合せ、すなわち、籾の大きさがより小さい場合の組合せについても、混植採種して得られた種子から、目的とするハイブリッド穀物種の種子の選別を選別することも可能となる。すなわち、本発明によって、混植採種を行うことが出来る花粉親系統と種子親系統の組合せの選択の幅を、従来に比べてより大きく広げることが出来る。これによって、ハイブリッド穀物種の種子の生産において、混植採種法をより広範に適用しやすいものとすることができる。
 さらに本発明の方法と、混植採種法を組み合わせることによって、ハイブリッド穀類種の種子の生産をより効率的かつ大規模に実施することが可能となる。すなわち、本発明によれば、ハイブリッド穀物種の採種コストの低減をはかることができ、また採種にあたっての作業効率を大幅に高めることができる。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
ハイブリッド穀物種の種子の選別方法
 本発明のハイブリッド穀物種の種子の選別方法は、前記したように、花粉親系統品種と種子親系統品種とを混植栽培して採種された種子から、そこに含まれるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の違いに基づいて、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別し取得することを含んでなる。
 本発明において、ハイブリッド穀物種とは、穀物類であって、そのハイブリッド系統の品種(F1ハイブリッド品種)を意味する。ここでハイブリッド品種とは、稔性花粉を形成できないよう育成された系統(雄性不稔系統)を種子親系統とし、稔性回復をもたらす因子を有する系統(稔性回復系統)を花粉親系統とした、雑種第1世代(F1)の種子を、生産に供するタイプの品種群である。
 本発明おいて、穀物類には、イネ、麦類(コムギ、オオムギ、ライ麦、エン麦、カラスムギ、ハトムギ等)、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、モロコシのようなイネ科作物(または禾穀類(かこくるい、Cereals))の他、ダイズのようなマメ科作物等も包含されるが、好ましくは、イネ科作物であり、より好ましくは、イネ、または麦類である。さらに好ましくは、穀物類は、イネ、コムギ、またはオオムギであり、さらにより好ましくは、イネ、またはコムギであり、特に好ましくは、イネである。
 本発明において、種子親系統品種とは、ハイブリッド穀物種、特に雑種第1世代(F1)品種の親系統にあたる品種であって、自ら受精能力のある花粉が形成できないよう育成された系統(雄性不稔系統)の品種である。具体的には、例えば、雄性不稔細胞質を有する系統を母本、かつ、1回親、稔性回復因子を有していないことが確認されている目的系統を反復親とした戻し交雑を行い、目的系統の細胞質を雄性不稔細胞質に置換することにより、雄性不稔性を付与させることができ、これにより、種子親系統を得ることができる。
 また本発明において、花粉親系統品種とは、ハイブリッド穀物種、特に雑種第1世代(F1)品種の親系統にあたる品種であって、不稔系統との雑種後代において稔性の回復をもたらす因子を有する系統品種である。具体的には、例えば、少なくとも片親に長粒種等の稔性回復因子を有している系統を用いて品種改良を行うことにより、1/2以上の確立で花粉親系統を得ることができる。
 ここで混植栽培とは、両親系統をブロック別に分けて植えるなどのように区別せずに、水田内等の圃場において両親系統が混在する形で植え、栽培することをいい、両親系統を株内混植するような場合も包含する意味で使用される。例えば、混植栽培としては、特開2017-023031号公報(特許文献1)に開示されているような栽培方法があげられる。なお前記した混植栽培法は、イネに関するものであるが、これは例示であり、コムギやオオムギ等の他の穀物類においても、同様にして混植し、それを栽培する場合についても、ここでいう混植栽培に包含される。
 また混植採種とは、混植栽培を実施して、種子を収穫する、すなわち採種することを意味する。本発明の選別方法に使用する混植採種された種子としては、混植栽培して収穫された種子をそのまま使用しても良いが、必要に応じて、収穫物を、本発明における選別に供するに先立って前処理を行っても良い。そのような前処理としては、例えば、粗選機、グレーダー、脱芒機、唐箕機、揺動選別機などに収穫物である種子を付することが挙げられる。これらの機材に付することによって、収穫物に混入している屑、屑穀類、ゴミ等を適宜除去することが出来、またノゲを適宜除去することが出来、選別の精度や効率を高めることができる。
 本発明のハイブリッド穀物種の種子の選別方法においては、花粉親系統品種と種子親系統品種とを混植栽培して採種された種子を用いて、これを種子選別の処理に供する。通常、このようにして混植栽培して採種された種子には、目的とするハイブリッド穀物種の種子の他に、花粉親系統の品種の自殖による種子が混入する。前記したように、ハイブリッド品種の採種を行う場合には、生産するF1種子の純度を高く維持する必要があり、このような花粉親系統の種子の混入は最小限にする必要がある。このため、本発明では、混植栽培して採種された種子から、そこに含まれるハイブリッド穀物種の種子を、花粉親系統品種と区別して選別する。
 本発明では、混植栽培して採種された種子から、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別する際に、採種された種子に含まれるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の違いに基づいて選別を行う。すなわち、本発明では、混植採種したF1ハイブリッド品種の種子の選別を行うにあたり、その粒長の違いをもとに行う。
 ここで種子の粒長とは、穀物類の種子の粒子の長さであって、粒幅に対しより長い部分の長さをいう。換言すると、粒長は、穀物類の種子が通常円形ではなく楕円形を厚くしたような形状をしているといえるときに、この楕円形かそれに近い形状の長径をいう。短径について、粒幅といい、厚みの部分は粒厚という。
 穀物類の種子が、籾であることができる。また穀物類のイネである場合、粒長はこのましくは籾長であり、また穀物類がコムギまたはオオムギである場合には、原麦の粒長であることができる。
 ここで、穀物類の種子の粒長の測定は慣用の方法により当業者であれば適宜行うことが可能である。例えば、穀物類の種子の粒長の測定は、直接ノギスや物差しを用いて測定する方法や、画像解析処理により画像から粒子径を測定すること等により行うことができる。後者の場合、例えば、画像解析ソフトに、あらかじめ撮影しておいた種子の画像を読み込み、画像解析した粒子を楕円に近似し測定することで、粒長を測定することができる。
 また本発明において、粒長という場合、このましくは、平均粒長を意味する。ここで平均粒長は、所定の個数(例えば画像解析では180個)の粒子の長径を測定し、それらの平均値を得ることで算出することができる。
 前記のハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の「粒長の違いに基づいて」選別するとは、粒長の違い(差)を利用して粒子の選別が可能な手段であれば特に制限なく、選別に用いることができること意味する。このような種子の粒長の違いを基に選別する方法としては、例えば、揺動の原理を用いる選別方法(例えば、異形プラスチックペレット選別機、サタケ社製)、回転式の選別法、画像解析を用いる選別法などがあげられる。
 ここで、回転式の選別法とは、インデント型の選別用金網を用いて選別する手法のことであり、選別用金網として、インデントシリンダを用いることができる。すなわち、それぞれの対象物の長さの間に位置するサイズのインデントを用いることによって、長さの差異をもとに選別が可能となる。
 したがって、このような回転式の選別機としては、例えば、インデントシリンダ型選別機が挙げられる。インデントシリンダ型選別機は、それぞれの対象物の長さの間に位置するサイズのインデントを用いることで、長さの差異をもとに選別を可能とする機器であり、通常は、穀類において、正常粒と異常粒(未熟粒、破損粒、脱ぷ粒)などを除去するために用いられている。
 実際に、混植採種法にて収穫した種籾の選別にインデントシリンダ型選別機を用いた場合、例えば、籾長に1.42mm程度の差異があった場合には、有効な選別が可能であった。また例えば、片親として粒長7.3mmの日本稲品種を用いた場合、農業生物資源ジーンバンクのデータベース検索でこの範囲に含まれる品種は、8.72mm以上の粒長である系統は全体の15.0%あり、5.88mm以下の粒長の系統は2.5%ある。このことは、従来法として知られる円孔篩法と比較して、明らかに広範囲の系統を、もう一方の片親として利用できることを示している。
 また、インデントシリンダ型選別機としては、毎時数tといった高い処理能力を有する機器が市販されている。混植採種法による収穫物に対してこれのような選別機を適用することで、実用的な速度の選別処理を行うことができる。
 なお、インデントシリンダ型選別機の使用方法や条件設定などの設定については、例えば、以下の文献を参照することによって当業者であれば適切に使用し、運用することができる:農業機械学会誌 41巻(1979-1980) 3号,p.455-461;農業機械学会誌 41巻(1979-1980),4号,p.603-609;農業機械学会誌 42巻(1980-1981),4号,p.499-506;農業機械学会誌 49巻(1987)3号,p.207-216;「回転米選機に関する実験的研究」赤瀬章,京都大学(https://core.ac.uk/download/pdf/39210725.pdf)。 
 回転式選別の代わりに、画像処理によって、粒長の差異に基づいて粒子を選別することも可能である。このような選別を実現する機器としては、画像処理選別機が挙げられる。このような画像処理による選別機は、市販されており、形状による選別機能があり、粒子の大きさ、例えば、粒子の長さに基づいて選別することができる。選別機の具体例として、多用途シュート式光選別機(株式会社サタケ製)等が挙げられる。このような画像処理による選別機は、処理能力も比較的高く、混植採種法による収穫物に対してこれのような選別機を適用することで、実用的な速度の選別処理を行うことができる。
 本発明の方法を実施するにあたって、選別に供するハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差は、少なくとも0.9mmあることが望ましい。上記したような、実際に混植採種法にて収穫した種籾の選別にインデントシリンダ型選別機を用いた例では、籾長に1.42mm程度の差異があった場合に、選別が可能であったとされたが、当業者の技術的な知見や品種における種子の大きさのばらつき等を考慮すること、選別に必要とされる種子の粒長の差は、少なくとも0.9mm程度あれば実施は可能であろうと考えられた。
 したがって、本発明の方法において、ハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差は、好ましくは0.98mm以上であり、より好ましくは1.1mm以上であり、さらに好ましくは1.2mm以上であり、さらにより好ましくは1.3mm以上であり、もっと好ましくは1.42mm以上である。
 本発明の方法において、混植採種された種子におけるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差は、混植栽培を行う際に、混植する花粉親系統品種および種子親系統品種を選択することによって調節することができる。
 花粉親系統品種および種子親系統品種を用意して、これを混植栽培してそれらから採種を行うと、混植採種された種子を得ることができる。この混植採種された種子には、前記したように、種子親系統品種のめしべに花粉親系統品種の雄しべの花粉が受粉して、それが成熟して、交配に伴うハイブリッド穀物類の種子が得られることになる。また、混植採種された種子のなかに混入する花粉親系統品種の種子は、混植採種に際して用いた花粉親系統品種の種子と同じ品種で変わりは無い。したがって、混植採種して得られるハイブリッド穀物種の種子は、その種子親である種子親系統品種の種子とほぼ同等の形状特性(例えば、粒長や粒幅)を維持していると考えてよいと言え、このことから、ハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差は、混植する種子親系統品種の種子および花粉親系統品種の種子の差が、ほぼそのまま反映されると考えられる。
 したがって、混植採種された種子におけるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差として、所望の値のものを得たい場合には、混植採種を行う際に使用する花粉親系統品種および種子親系統品種の種子の粒長の差を、前記した所望の値に調整することによって、調節することが可能となる。
 よって本発明の好ましい態様によれば、本発明の方法において、混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種の種子の粒長を考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する。すなわち、混植する花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する際に、それらの品種の粒長を考慮することで、混植採種された種子におけるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長をそれぞれ所望のものとすることができる。
 本発明のより好ましい態様によれば、本発明の方法において、混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種間の種子の平均粒長の差に考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する。すなわち、混植する花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する際に、それらの品種間の平均粒長の差を考慮することで、混植採種された種子におけるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の差を所望の範囲のものとすることができる。
 混植する花粉親系統品種および種子親系統品種の選択にあたっては、公知のデータベース(例えば、農業生物資源ジーンバンクのデータベース)や過去の栽培データに基づき、候補となり得る品種の粒長(平均粒長)を確認し、花粉親系統品種および種子親系統品種に選択した品種で所望の粒長、または選択した品種間で所望の粒長の差を生ずるように、品種を選択するのが望ましい。また必要であれば、所望の粒長を有するように、花粉親系統品種および種子親系統品種を、既存の品種から予め改変、作出して用意しておいてもよい。
 本発明のさらに好ましい態様によれば、本発明の方法において、花粉親系統品種の種子の平均粒長と、種子親系統品種の種子の平均粒長との差が0.98mm以上となるように、花粉親系統品種と種子親系統品種を選択する。花粉親系統品種の種子の平均粒長と、種子親系統品種の種子の平均粒長の差は、好ましくは1.1mm以上であり、より好ましくは1.2mm以上であり、さらに好ましくは1.3mm以上であり、さらにより好ましくは1.4mm以上であり、もっと好ましくは1.42mm以上である。
 本発明の別の態様によれば、本発明の選別方法を含む、ハイブリッド穀物種の種子の混植採種方法が提供される。ここで混植採種の過程については、例えば、特開2017-023031号公報(特許文献1)に開示された方法を適用してもよい。
 本発明のさらに別の態様によれば、本発明による方法を実施可能な種子選別システムも提供される。
 本発明のさらに別の態様によれば、本発明による方法によって、得られた種子も提供される。
 以下において、本発明を下記の実施例によって詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1: モデル種子サンプル(イネ)の選別試験(回転式選別)
 選別する試験に付する種子サンプルとして、イネ品種「ハイブリッドとうごう3号」(品種登録第23694号)の採種に供する花粉親系統品種JFR-004と、雄性不稔系統(種子親系統)品種JMS-023の種子をそれぞれ用意し、これらを混合して試験用の種子サンプルを調製した。
 ここで、種子親系統であるイネ品種「JMS-023」は、特開2012-210205号公報に記載されているとおり、受託番号FERM BP-11463(原寄託日平成24年1月27日)にて、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1 つくばセンター中央第6)に寄託されている。また、花粉親系統であるイネ品種「JFR-004」は、株式会社水稲生産技術研究所において栽培し系統維持を行っている。
ここで使用した花粉親系統JFR-004の籾の平均籾長は8.89mmであり、種子親系統MS-011の籾の平均籾長は7.47mmであった。したがって、使用した系統の平均籾長の差は、1.42mmであった。
 なお、平均籾長および平均籾幅の測定は物差しを用いて行い、籾10粒の平均をとった。
 前記したとおり、花粉親系統と雄性不稔系統(種子親系統)とを交配して得られるハイブリッド穀物種の種子は、種子親系統のめしべが成長して得られるものであることから、種子親系統と同じ形質を持つことになる。このため、この種子サンプルに含まれる種子親系統の種子は、交配により得られるハイブリッド穀物種の種子と同じ形質であると言えるため、この種子サンプルを、混植採種して得られた種子、すなわち、ハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統の種子とを含む仮想の種子サンプルモデルとして、本試験では使用した。
 選別機としては、回転式の選別器を使用した。具体的には選別機として、インデントシリンダ型の選別機である卓上インデントシリンダセパレータ(株式会社サタケ製、砕粒測定器TRG05B)を用いた。試験に用いたインデントシリンダセパレータ用の選別金網は、イネの砕粒選別では主に長粒種で使用される「S8.2」のタイプのものを使用した。
 具体的には、JFR-004の籾とJMS-023の籾を混合し、種子親系統MS-011の純度を77%とした種子サンプルを250g調製した。
 次いで、この種子サンプルを、卓上インデントシリンダ型選別機に投入し、選別機の処理条件をホッパ角度55度、および回転速度90rpmに設定して、15秒間、選別機による選別処理を行った。
 その結果、ハイブリッド穀物種の種子に相当するJMS-023の種子を純度98.9%にて、104g回収することが出来た。
 これは選別の処理速度としては、毎分0.42kgであり、これは、従来法である丸山による円孔篩法の処理速度(毎分0.03kg)の約13倍の速度に相当した。すなわち、従来法に比べて、約13倍の速度で、精度の高い選別をすることに成功した。
 また、使用した各系統の平均籾幅は、JMS-023で3.49mm、JFR-004で3.07mmであり、平均籾幅の差は、0.42mmに過ぎず、このような籾幅の差では、丸山の円孔篩法による選別は、そもそも実施困難であると考えられた。
 以上から、本発明の方法によって、従来法では選別困難であった種子サンプルから、従来法に比べて12倍以上の速度(効率)で、かつ高い純度で、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別できることがわかった。
 なおここで使用したインデントシリンダセパレータは、卓上型の小型機であることから、実用レベルのセパレータを使用することで、選別の処理速度は、さらに向上できることが予想された。
実施例2: 実際に混植採種した種子サンプル(イネ)の選別試験(回転式選別)
 ハイブリッドとうごう3号(特開2012-210205号公報参照)用のF1採種圃場(4.4ha)(千葉県柏市)にて、移植-移植法による混植を行い、通常の栽培計画、手法にしたがって栽培した後、採種を行った(混植採種法については特許文献1参照)。
 具体的には、相対的に晩生熟期である花粉親系統JFR-004を5月下旬に移植した後、相対的に早生熟期であるJMS-023をその2週間後に、同一圃場内に、花粉親系統と直行する形で移植して、花粉親系統JFR-004と、種子親系統JMS-023の混植を行った。その後、千葉県におけるコシヒカリの慣行条件に準じて栽培を継続した。
 種子親系統の出穂期である8月中旬に合計7日間、ロープを使って花粉を散らす受粉促進作業を行った後、9月上旬の種子親系統(ハイブリッド穀物種に相当)の成熟期に一斉に収穫し、循環型穀物乾燥機による乾燥を行った。これにより、混植採種による種子サンプルを取得した。
 採種された収穫物である種子サンプル中の各平均籾長は、JMS-023(ハイブリッド穀物種に相当)で6.88mmであり、種子親系統JFR-004で8.85mmであった。したがって、平均籾長の差は、1.97mmであった。また、種子サンプル中のJF1種子、つまり、JMS-023に由来する種子の純度は、重量比で52.4%であった。
 得られた種子サンプル(収穫物)について、まず選別に先立って以下の前処理を行った。
 まず、種子サンプル(収穫物)を、粗選機(株式会社サタケ製、粗選機PC350002)、次いで、グレーダー(株式会社タイガーカワシマ製、グレーダーR-18A(1.9mm))にて順次処理して、屑籾、ゴミ等を除去した。次いで、種子サンプルを、脱芒機(株式会社タイガーカワシマ製、脱芒機TDS-100/200)を用いて慣用の条件にて脱芒処理を行った後、再度、グレーダー(株式会社タイガーカワシマ製、グレーダーR-18A(2.4mm))を用いて、残っていた屑、ゴミ等の除去を行った。
 前処理を行った種子サンプルについて、以下のインデントシリンダ型選別機を使用した回転式の選別処理を行った。
 具体的には、実用レベルの処理が可能なインデントシリンダ型選別機として、インデントシリンダセパレータ(Cater Day社製、インデントシリンダセパレータUNIFLOW No.3SI、インデント#19_サイズ7.5mm)を使用した。選別機の処理条件として、回転数40rpm、ホッパ目盛角5.5に設定した。
 選別機への種子サンプルの投入量を平均4.73kg/minに調節し、ハイブリッド穀物種の種子を選別して取得すべく、選別処理を行った。
 選別処理により選別された種子サンプルについて、再度、グレーダー(株式会社タイガーカワシマ製、グレーダーR-18A(2.0mm))を用いて、屑、ゴミ等の除去を行った。
 その結果、ハイブリッド穀物種の種を純度98.6%にて回収することが出来た。最終的に、本圃場におけるF1(ハイブリッド穀物種)採種収量は、実収として274kg/10aであった。
実施例3: モデル種子サンプル(コムギ)の選別試験(回転式選別)
 選別する試験に付する種子サンプルとして、雄性不稔系統に見立てた国産のパン用品種である「春よ恋」と、稔性回復系統に見立てた米国産の「カムットコムギ」の種子を用意し、これらを混合して試験用の種子サンプルを調製した。なお、ここで使用したコムギ品種はいずれも市販されている。
 ここで使用した各品種の原麦の平均粒長はそれぞれ、「春よ恋」が6.33mm、「カムットコムギ」が9.81mmであり、平均粒長の差は、3.48mmであった。
 一方、これら品種の各平均粒幅はそれぞれ、「春よ恋」が3.30mm、「カムットコムギ」が3.53mmであり、その平均粒幅の差は、0.23mmに過ぎず、このような粒幅の差では、丸山の円孔篩法による選別は、そもそも実施困難であると考えられた。
 選別機としては、実施例1と同様に、インデントシリンダ型の選別機である卓上インデントシリンダセパレータ(株式会社サタケ製、砕粒測定器TRG05B)を用いた。試験に用いたインデントシリンダセパレータ用の選別金網についても、実施例1と同様に、「S8.2」のタイプのものを使用した。
 具体的には、「春よ恋」と「カムットコムギ」の両品種の種子(原麦)を、100gずつ用いてそれらを混合し、種子サンプルを250g調製した。
 次いで、この種子サンプルを、卓上インデントシリンダ型選別機に投入し、選別機の処理条件をホッパ角度40度、および回転速度90rpmに設定して、20秒間、選別機による選別処理を行った。
 その結果、雄性不稔系統、すなわち混植採種した場合に得られるハイブリッド穀物種に相当する「春よ恋」を純度99.6%で、かつ回収率92.1%で得ることができた。
参考例: 画像処理による種子の選別
 実施例1~3において使用したインデントシリンダ型選別機の代わりに、画像処理によって、粒長の差異に基づいて粒子を選別可能な選別機を使用することができる。このような画像処理による選別機としては、例えば、多用途シュート式光選別機(株式会社サタケ製)等が挙げられる。このようなタイプの選別機は、形状による選別機能があり、粒子の大きさ、例えば、粒子の長さに基づいて選別することができるものである。したがって、画像処理による種子選別によっても本発明の方法は、実施可能であると考えられた。
 以上から、イネだけでなく、コムギについても、本発明の方法により、混植採種して得られたハイブリッド穀物種の種子を効率的に選別できることがわかった。さらに、イネ、コムギ以外の他の穀類、例えば、オオムギ、ライ麦、エン麦等をはじめとする他の穀物類においても、混植採種する段階から、種子の粒長を考慮して用いる品種を選択することで、本発明の方法を適用可能であろうと考えられた。
 

Claims (8)

  1.  花粉親系統品種と種子親系統品種とを混植栽培して採種された種子から、そこに含まれるハイブリッド穀物種の種子と花粉親系統品種の種子の粒長の違いに基づいて、目的とするハイブリッド穀物種の種子を選別し取得することを含んでなる、ハイブリッド穀物種の種子の選別方法。
  2.  混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種の種子の粒長を考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する、請求項1に記載の方法。
  3.  混植採種された種子から粒長の違いに基づいて目的とする種子の選別が可能となるように、混植栽培に際して、品種間の種子の平均粒長の差に考慮して花粉親系統品種および種子親系統品種を選択する、請求項1または2に記載の方法。
  4.  花粉親系統品種の種子の平均粒長と、種子親系統品種の種子の平均粒長との差が0.9mm以上となるように、花粉親系統品種と種子親系統品種を選択する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5.  種子の粒長の違いに基づく選別を、インデントシリンダ型選別機によって行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6.  種子の粒長の違いに基づく選別を、画像処理による選別によって行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7.  穀物が、イネ、コムギ、またはオオムギのいずれかである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8.  穀物がイネである場合、粒長が籾長であり、または、穀物がコムギもしくはオオムギである場合、粒長が原麦粒長である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
     
     
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