WO2017037835A1 - 計算機システム及びシステム制御方法 - Google Patents

計算機システム及びシステム制御方法 Download PDF

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Definitions

  • the feature vector calculation unit 121 calculates a feature vector from the operation information (step S402).
  • the overall objective function generation unit 122 generates an overall objective function based on the objective index and the feature vector (step S403).
  • the processing in step S402 and step S403 may be, for example, using multivariate analysis such as principal component analysis and multiple regression analysis in data mining, or pattern recognition and machine learning in artificial intelligence.
  • the partial objective function generation unit 123 calculates the similarity of a function such as the distance between the partial objective function before update and the newly generated partial objective function.
  • the partial objective function generation unit 123 determines to update the partial objective function when the similarity is smaller than a predetermined threshold. Note that the above-described two determination methods are examples and are not limited to these.

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Abstract

 制御対象となる複数の要素を含む計算機システムであって、計算機システムは計算機と、複数の要素を制御する制御部とを備え、計算機は、少なくとも一つの要素を含むグループの運用状態を最適化するための部分目的関数に基づいて制御される複数のグループから、複数のグループの各々の運用状態を示す運用情報を取得する取得部と、運用情報に基づいて計算機システム全体を最適化するための全体目的関数を生成する全体目的関数生成部と、全体目的関数から所定の部分目的関数を生成する部分目的関数生成部とを有し、制御部は、部分目的関数に基づいて前記複数のグループに含まれる複数の要素を制御する。

Description

計算機システム及びシステム制御方法
 本発明は複数の要素を自律的に制御するシステム及び方法に関する。
 多数の要素が相互作用するような大規模かつ複雑なシステムを制御する場合、システムの全体最適化を行おうとしても現実的に解けないという問題である。システムの全体最適化では、膨大な要素の状態の組合せを最適化する必要がある。したがって、組合せの数が増大した場合、解空間が巨大化するため、有限時間で最適解を求めることが困難になる。
 前述した問題からシステム全体の最適制御を実現するために、大規模な最適化問題を小規模な部分最適化問題に分割する方法が研究されている(例えば特許文献1、非特許文献1を参照)。
 特許文献1には、「1つ以上のロットをグルーピングして生成したロットグルーピングを、製造ライン工程の各リソースに割付ける際の、前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせであるグループ候補の最適解を探索する処理を行うサーバを含んで構成される最適解探索システムであって、前記サーバが、指定された条件下で前記ロットグルーピングと前記リソースとの組み合わせとして可能な全てのグループ候補を含んでなる全体集合を生成する機能、前記生成した全体集合を、1つ以上のグループ候補を要素として持つ複数の部分集合として、かつ、ある部分集合内のグループ候補に所属する各ロットが他の部分集合内のグループ候補には所属しないように分割する機能、前記部分集合毎の最適解に相当するグループ候補を探索して、部分最適解として決定する機能、前記決定した部分集合毎の部分最適解について、各部分最適解を合わせて、前記全体集合の最適解として出力する機能を有する」ことが記載されている。また、非特許文献1には、システムの全体目的関数からサブシステムの部分目的関数を生成することが記載されている。
特開2008-33518号公報
廣松毅ほか.2章 最適制御の理論.経済分析,1989,第115号,pp. 20-54.(http://www.esri.go.jp/jp/archive/bun/bun115/bun115b.pdf)
 部分最適化問題に分割する方法では、以下のような問題が生じる。
 第1は、システムの全体最適化と部分最適化とが必ずしも一致しない問題である。一般的に、大規模なシステムは、複数のサブシステムに分割し、サブシステム毎に部分最適化が行われる。しかし、部分最適化を行っても、システム全体の最適化されない場合がある。
 第2は、全体最適化を行う場合、システムの状態変化に即座に追従できない問題である。一般的にサブシステムの部分制御はフロントエンドで行われるため、部分最適化はシステムの状態変化に即座に対応できる。一方、システム全体の制御はバックエンドで行われるため、情報収集及び全体最適化に要する時間がかかり、システムの状態変化に即座に対応できない。
 前述した問題に対して、特許文献1及び非特許文献1に記載の方法では、システム全体の最適化問題を小規模な部分最適化問題に分割し、部分最適化問題を解くことによって前述した問題を解決している。
 例えば、非特許文献1では、部分目的関数を解くことによって、最適化問題の解空間が小さくなるため有限時間で最適解を求めることができる。また、非特許文献1では、システム全体の全体目的関数からサブシステムの部分目的関数を生成することによって第1の問題を解決している。また、非特許文献1では、システム全体を統合するコーディネータが部分目的関数の変数を調整して全体制御の負荷を軽減することによって、第2の問題を解決している。
 一方、前述した問題の他に、システムが複雑系であるため一意な解を求められない問題である。複雑系では要素同士が相互作用し、また、要素と環境とが相互作用するため、全体の挙動を要素又は一部分から把握できない。そのため、不確実性又は限定合理性の下でシステムを制御する必要があり、システム又はサブシステムの目的関数を適切に設定できない。したがって、全体目的関数が設定できない場合、非特許文献1に記載の技術を適用できない。
 本発明の目的は、システムの状態変化にリアルタイムに対応し、かつ、システムの状態に柔軟に適応した最適化を実現する自律制御システムを提供することにある。
 本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、制御対象となる複数の要素を含む計算機システムであって、前記計算機システムは、プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、前記プロセッサに接続され、前記複数の要素に接続するインタフェースを有する少なくとも一つの計算機と、前記複数の要素を制御する制御部と、を備え、前記計算機は、少なくとも一つの前記要素を含むグループの運用状態を最適化するための部分目的関数に基づいて制御される複数のグループから、前記複数のグループの各々の運用状態を示す運用情報を取得する取得部と、前記運用情報に基づいて前記計算機システム全体を最適化するための全体目的関数を生成する全体目的関数生成部と、前記全体目的関数から所定の前記部分目的関数を生成する部分目的関数生成部と、を有し、前記制御部は、前記部分目的関数に基づいて前記複数のグループに含まれる複数の要素を制御することによって前記計算機システムを最適化することを特徴とする。
 本発明によれば、全体目的関数及び部分目的関数が再帰的に生成され、また、制御部が部分目的関数に基づいてグループに含まれる要素を制御するため、システムの状態変化にリアルタイムに対応し、かつ、システムの状態に適応した最適化を実現できる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
実施例1の自律制御システムの構成例を示す説明図である。 実施例1の自律制御システムの概念図である。 実施例1の自律制御システムの制御方法を示す図である。 実施例1の管理計算機が実行する処理を説明するフローチャートである。 実施例1の管理計算機が実行する処理の具体例を説明するフローチャートである。 実施例2の自律制御システムの構成例を示す説明図である。 実施例3の自律制御システムの構成例を示す説明図である。 実施例3の自律制御システムの概念図である。 従来の制御システムの概念図である。
 以下、本発明による実施例を図面とともに説明する。
 図1は、実施例1の自律制御システムの構成例を示す説明図である。
 自律制御システム100は、管理計算機101、複数のサブシステム102、及びデータベース103から構成される。管理計算機101、複数のサブシステム102、及びデータベース103は、ネットワーク104を介して互いに接続される。ネットワーク104は、WAN(Wide Area Network)又はLAN(Local Area Network)等が考えられる。なお、本発明はネットワーク104の接続形式に限定されない。
 管理計算機101は、自律制御システム100の全体最適化を行うための全体目的関数、及び自律制御システム100の部分最適化を行うための部分目的関数を管理する。管理計算機101の具体的な構成は後述する。
 サブシステム102は、部分最適化の対象となるシステム(グループ)である。図1に示す例では、n個のサブシステム102が存在する。各サブシステム102は、複数の計算機105を含む。なお、計算機105のハードウェア構成は、管理計算機101と同様のものである。ただし、サブシステム102は、後述する記憶装置112等は含まなくてもよい。また、サブシステム102に含まれる複数の計算機105のうち、少なくとも一つの計算機105が部分目的関数に基づく部分最適化を行う制御機能を有する。
 なお、サブシステム102は、部分最適化を行う最小単位となるグループを定義するものであり、計算機105から構成される必要はない。例えば、製品を製造する工場の場合、複数の工程を一つのサブシステム102として扱えばよい。この場合、自律制御システム100は、管理計算機101及び制御機能を有する計算機105を備えればよい。ただし、制御機能を有する計算機105の数は、サブシステム102の数と必ずしも一致しなくてもよい。
 データベース103は、図示しないコントローラ、及び図示しない複数の記憶装置を有するストレージシステムである。データベース103には、目的指標及び設定情報等の全体目的関数を生成するための情報が格納される。ここで、目的指標とは、自律制御システム100全体の最適化の指標を表す。例えば、コスト、時間等の数値、又は、コスト、時間等の条件等が目的指標となる。
 ここで、管理計算機101のハードウェア構成及びソフトウェア構成について説明する。まず、管理計算機101のハードウェア構成について説明する。管理計算機101は、プロセッサ110、メモリ111、記憶装置112、ネットワークインタフェース113、及びユーザインタフェース114を備える。なお、管理計算機101は図示しない構成を含んでいてもよい。
 プロセッサ110は、メモリ111に格納されるプログラムを実行する。プロセッサ110がメモリ111に格納されるプログラムを実行することによって、管理計算機101が有する機能が実現される。以下の説明では、機能(プログラム)を主体に処理を説明する場合、プロセッサ110が当該機能を実現するプログラムを実行していることを示す。
 メモリ111は、プロセッサ110によって実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に必要な情報を格納する。また、メモリ111は、プログラムによって使用されるワークエリアを含む。
 記憶装置112は、各種情報を格納する。例えば、全体目的関数を生成するための情報を格納する。全体目的関数を生成するための情報には、目的指標及びシステムの設定情報等が含まれる。
 ネットワークインタフェース113は、ネットワーク104を介して他の装置に接続するためのインタフェースである。ユーザインタフェース114は、情報の入力及び情報の出力を行うためのインタフェースである。ユーザインタフェース114は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、及びディスプレイ等を含む。
 次に、管理計算機101のソフトウェア構成について説明する。実施例1のメモリ111は、情報取得部120、特徴ベクトル算出部121、全体目的関数生成部122、部分目的関数生成部123、設定部124、及びシミュレーション部125を実現するプログラムを格納する。なお、メモリ111は、図示しないオペレーティングシステム等のプログラムを含む。
 情報取得部120は、ネットワーク104を介して、各サブシステム102の運用情報を取得する。取得された運用情報は、メモリ111又は記憶装置112のいずれかに格納される。特徴ベクトル算出部121は、運用情報から特徴ベクトルを算出する。
 全体目的関数生成部122は、目的指標及び特徴ベクトルに基づいて全体目的関数を生成する。すなわち、全体目的関数生成部122は、部分目的関数に基づいて制御された各サブシステム102の運用情報を入力として、全体目的関数を生成する。なお、全体目的関数生成部122が特徴ベクトル算出部121を含むような構成であってもよい。
 部分目的関数生成部123は、全体目的関数を入力として、部分目的関数を生成する。後述するように、部分目的関数生成部123は、全体目的関数を分割することによって部分目的関数を生成する。また、部分目的関数生成部123は、新たに生成された部分目的関数を各サブシステム102に送信することによって、各サブシステム102に部分目的関数を設定する。なお、部分目的関数生成部123は、生成された部分目的関数をログとして保持する。
 設定部124は、データベース103から全体目的関数を生成するための情報を読み出し、読み出された情報を記憶装置112等に格納する。なお、当該情報は、ユーザインタフェース114を介して入力されてもよい。また、設定部124は、自律制御システム100の運用のシミュレーションを行う場合、記憶装置112に格納された情報を読み出す。
 シミュレーション部125は、自律制御システム100の運用のシミュレーションを行う。また、シミュレーション部125は、シミュレーションの結果、すなわち、運用情報を情報取得部120に出力する。例えば、シミュレーション部125は、自律制御システム100の運用開始時又はシステム構成の変更時にシミュレーションを行う。また、シミュレーション部125は、自律制御システム100の運用中に、運用情報又は特徴ベクトルを入力としてシミュレーションを行い、自律制御システム100の運用状態を予測する。予測結果に基づいて全体目的関数が生成されることとなる。
 ここで、実施例1の自律制御システム100の自律制御、及び従来の制御システムの制御について説明する。
 図2は、実施例1の自律制御システム100の概念図である。図3は、実施例1の自律制御システム100の制御方法を示す図である。図9は、従来の制御システムの概念図である。
 自律制御システム100は、複数の要素から構成される。図2に示す自律制御システム100は、要素Xa1、要素Xa2、要素Xa3、要素Xa4、要素Xb1、要素Xb2、要素Xb3、要素Xb4、要素Xb5、要素Xc1、要素Xc2、要素Xc3、及び要素Xd1を含む。各要素は互いに関係性を有する。
 また、自律制御システム100は、一つ以上の要素を含むグループ200単位に最適化が行われる。図2に示す自律制御システム100は、グループ200-1、グループ200-2、グループ200-3、及びグループ200-4の四つのグループを含む。グループ200-1は要素Xa1、要素Xa2、要素Xa3、及び要素Xa4を含む。グループ200-2は要素Xb1、要素Xb2、要素Xb3、要素Xb4、及び要素Xb5を含む。グループ200-3は要素Xc1、要素Xc2、及び要素Xc3を含む。グループ200-4は要素Xd1を含む。
 ここで、グループ200は図1のサブシステム102に対応し、要素はサブシステム102に含まれる計算機105に対応する。
 各グループ200は制御部を含み、当該制御部がグループ200を制御する。より具体的には、各グループ200の制御部は、全体目的関数Gを分割して生成された部分目的関数gに基づいて各グループ200を制御する。
 図2では、グループ200-1の制御部は部分目的関数gaに基づいてグループ200-1を制御し、グループ200-2の制御部は部分目的関数gbに基づいてグループ200-2を制御し、グループ200-3の制御部は部分目的関数gcに基づいてグループ200-3を制御し、グループ200-4の制御部は部分目的関数gdに基づいてグループ200-4を制御する。ここで、各グループ200の部分目的関数gは下式(1)のように与えられ、また、全体目的関数Gは下式(2)のように表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ここで、部分目的関数gの変数xa1等は、要素Xa1等の状態を示すパラメータである。部分目的関数gaの変数xb1o等はグループ200-1に相互作用する要素の状態を示すパラメータである。
 例えば、グループ200-1の制御部は、要素Xa1、要素Xa2、要素Xa3、及び要素Xa4の状態、並びに、要素Xb1、要素Xb2、及び要素Xc2の状態を参照して、グループ200-1を最適化するための制御を行う。他のグループ200の制御部についても同様の制御が行われる。
 図3に示すように、部分目的関数gは、全体目的関数Gを分割することによって生成され、各グループ200に設定される。また、全体目的関数Gは、部分目的関数gに基づく制御結果である運用情報から生成される。このように、本実施例では、全体目的関数Gに基づく部分目的関数gの生成、及び部分目的関数gの制御結果に基づく全体目的関数Gの生成が再帰的に循環する。
 これによって、部分最適化と全体最適化との間の乖離を回避することができる。また、自律制御システム100全体の最適化を部分最適化により実現しているため、有限時間内で最適解を求めることができる。また、各グループ200の制御部が、部分目的関数gに基づいて各グループ200を自律的に制御することによって、各グループ200の状態変化にリアルタイムに対応した制御が可能となる。さらに、システムが複雑系であっても、システムの状態変化に合わせて全体目的関数及び部分目的関数が更新されるため、システムの状態に柔軟に適応した最適化を実現できる。すなわち、システムの状態に応じて最適な全体目的関数及び部分目的関数が、自律制御システム100に設定される。
 従来の制御システム900も互いに関係性を有する複数の要素から構成される。説明の簡単のため、図9に示す制御システム900を構成する要素は、自律制御システム100を構成する要素と同一であるものとする。また、従来の制御システム900のグループ910-1、900-2、900-3、900-4の構成は、自律制御システム100のグループ200-1、200-2、200-3、200-4の構成と同一であるものとする。
 従来の制御システム900では、全体目的関数Fは、下式(3)で与えられる。変数の組合せが膨大になると、有限時間内に全体目的関数Gの最適解を求めることが困難である。また、全体目的関数Fに基づく最適化(制御)には時間が掛かり、各要素又は各グループ200の変化に対応できない。また、従来の制御システム900では、部分目的関数fは下式(4)で与えられるため、全体目的関数Fに基づく最適化と部分目的関数fに基づく最適化とが一致しない。また、全体目的関数Fの最適解を求めることができない。さらに、複雑系のシステムの場合、全体目的関数F又は部分目的関数fを適切に設定できない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 これに対して、実施例1の自律制御システム100は、全体目的関数Gを分割することによって部分目的関数gを生成しているため、全体目的関数Gに基づく制御と、部分目的関数gに基づく制御との間の乖離を抑止できる。また、部分目的関数gに基づいて、各グループ200が自律的に制御されるため、最適解を算出する時間を削減し、また、最適解を容易に求めることができる。さらに、システムの状態変化に対応して全体目的関数Gの生成と部分目的関数gの生成とが再帰的に行われるため、システムの状態に対応した目的関数を設定できる。
 図4は、実施例1の管理計算機101が実行する処理を説明するフローチャートである。
 情報取得部120は、周期的に又は管理者から指示を受け付けた場合、各サブシステム102から運用情報を取得する(ステップS401)。なお、各サブシステム102は、部分目的関数に基づいて部分最適化を行っている。
 次に、特徴ベクトル算出部121は、運用情報から特徴ベクトルを算出する(ステップS402)。次に、全体目的関数生成部122は、目的指標及び特徴ベクトルに基づいて、全体目的関数を生成する(ステップS403)。ステップS402及びステップS403の処理は、例えば、データマイニングにおける主成分分析及び重回帰分析等の多変量解析、又は、人工知能におけるパターン認識及び機械学習等を用いることが考えられる。
 部分目的関数生成部123は、全体目的関数が入力された場合、全体目的関数を分割することによって、部分目的関数を生成する(ステップS404)。なお、部分目的関数はサブシステム102の数だけ生成されるものとする。
 全体目的関数の分割方法としては、厳密な分割原理に基づく分割方法を用いる方法が考えられる。ただし、自律制御システム100の状態は変化するため分割原理に基づいて分割しても常に最適な解とはならず、また、システムの状態に応じて全体目的関数及び部分目的関数が再帰的に更新されるため厳密な分割原理に基づく分割方法でなくてもよい。例えば、サブシステム102に関連するパラメータのみを変数として扱う分割方法等が考えられる。急激なシステムの状態変化に対しては、システム変更に伴う割り込み処理を用いて対応すればよい。
 部分目的関数生成部123は、サブシステム102に対して部分目的関数を更新するか否かを判定する(ステップS405)。なお、ステップS405の判定処理はサブシステム毎に行われる。
 例えば、以下のような処理が実行される。部分目的関数生成部123は、対象となるサブシステムを選択する。部分目的関数生成部123は、選択されたサブシステム102に設定される部分目的関数と、新たに生成された部分目的関数とを比較し、関数が変化しているか否かを判定する。関数が変化している場合、部分目的関数生成部123は、部分目的関数を更新すると判定する。
 また、別の方法としては以下のような処理が考えられる。部分目的関数生成部123は、更新前の部分目的関数と新たに生成された部分目的関数との距離等の関数の類似度を算出する。部分目的関数生成部123は、当該類似度が所定の閾値より小さい場合、部分目的関数を更新すると判定する。なお、前述した二つの判定方法は一例であってこれに限定されない。
 ステップS405において、全てのサブシステム102の部分目的関数を更新しないと判定された場合、管理計算機101はステップS401に戻り同様の処理を実行する。
 ステップS405において、少なくとも一つのサブシステム102の部分目的関数を更新すると判定された場合、部分目的関数生成部123は、新たに生成された部分関数を当該サブシステム102に設定する(ステップS406)。その後、管理計算機101はステップS401に戻り同様の処理を実行する。具体的には、部分目的関数生成部123が、部分目的関数を更新する必要があるサブシステム102に対して、新たに生成された部分目的関数を送信する。
 なお、部分目的関数を設定する場合、サブシステム102と同期して設定してもよいし、サブシステム102の状態に合わせて非同期的に設定してもよい。例えば、自律制御システム100の急な状態変化又は大幅な設定変更等がある場合にはサブシステム102と同期して部分目的関数を設定すればよい。また、自律制御システム100の通常運用時には、サブシステム102が関係性の大きい要素から構成され、かつ、サブシステム102間の関係性が小さい場合、サブシステム102と非同期で部分目的関数を設定すればよい。
 サブシステム102の制御部は、部分目的関数生成部123によって設定された部分目的関数に基づいて部分最適化を行う。なお、サブシステム102の制御部は、部分目的関数に基づいて、サブシステム内の計算機105(要素)の関係性を変更し、計算機105(要素)を追加若しくは削除し、又は、サブシステム102間の計算機105(要素)の組み替えを行う場合がある。
 このように、自律制御システム100では、部分目的関数に基づく制御結果である運用情報に基づく全体目的関数の生成、全体目的関数に基づく部分目的関数の生成が再帰的に行われる。
 自律制御システム100の運用開始時、又は、自律制御システム100の大幅な変更に割り込み処理の開始時には、設定部124が、目的指標及び設定情報を受け付ける(ステップS411)。自律制御システム100の変更時には、管理計算機101に対して割込み処理を行えばよい。
 シミュレーション部125は、自律制御システム100の運用をシミュレーションし(ステップS412)、シミュレーションの結果、目的指標及び設定情報に基づいて全体目的関数を生成する(ステップS403)。なお、シミュレーション部125は、ステップS401において取得された運用情報を用いてもよいし、また、ステップS402において算出された特徴ベクトルを用いてもよい。
 次に、図5を用いて管理計算機101が実行する処理の具体例について説明する。図5は、実施例1の管理計算機101が実行する処理の具体例を説明するフローチャートである。
 以下の説明では、n個のサブシステム102-1~102-nが存在しているものとする。また、識別子が「i」であるサブシステム102の運用情報には、k個のパラメータxik_iの値が含まれるものとする。ここで、k_iは識別子が「i」であるサブシステム102のパラメータを識別する識別子である。なお、パラメータxik_iの値は、スカラー値及びベクトル値のいずれであってもよい。例えば、時系列データを扱うシステムの場合、複数の時系列データ群から抽出された特徴量(ベクトル)がパラメータxik_iの値となる。ここでは、説明の簡単のため、パラメータxikの値はスカラー値であるものとする。
 以下の説明では、k_i個のパラメータxik_iの値を含む運用情報を運用情報(xik_i)とも記載する。
 ステップS401において、情報取得部120は、サブシステム102-1から運用情報(x1k_1)を取得し、サブシステム102-2から運用情報(x2k_2)を取得し、サブシステム102-nから運用情報(xnk_n)を取得する。
 ステップS402において、特徴ベクトル算出部121は、複数のパラメータxik_iの間の相関関係を示す相関行列Aを生成する。なお、相関行列の要素である相関係数aijはパラメータxik_iの間の相関解析によって求めることができる。添字i、jは、1からmまでの整数である。また、mは自律制御システム100全体のパラメータxik_iの総数と一致する。特徴ベクトル算出部121は、固有値λsからなる固有値行列及び固有ベクトルUを生成する。添字sは、1からmまでの整数である。固有値ベクトルが特徴ベクトルとなる。
 ステップS403において、全体目的関数生成部122は、目的指標に対する重回帰分析を実行することによって、特徴ベクトルU及び回帰係数αtから構成される全体目的関数を生成する。添字tは0以上かつm以下の整数である。例えば、下式(5)のように全体目的関数が生成される。なお、計算量を削減するために固有値が大きい成分を選択することによって全体目的関数の次元を縮約してもよい。すなわち、回帰係数のパラメータの数が固有ベクトルの固有値の数より小さくなるように重回帰分析を行ってもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 ステップS404において、部分目的関数生成部123は、固有ベクトルUを元のパラメータxik_iの表記に戻すことによって全体目的関数から下式(6)に示すような部分目的関数を生成する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 ここで、全体目的関数及び部分目的関数の生成方法の一例について説明する。説明の簡単のため、自律制御システム100が、第1のサブシステム102及び第2のサブシステム102を有するものとする。また、ステップS401において、情報取得部120は、第1のサブシステム102から一つのパラメータx11の値のみを含む運用情報(x11)を取得し、また、第2のサブシステム102から一つのパラメータx21運用情報(x21)を取得するものとする。ここで、パラメータの個数の添字を省略して、パラメータx11をx1、パラメータx21をx2と記載する。
 このとき、特徴ベクトル算出部121は、下式(7)に示すような成分から構成される特徴ベクトルUを算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
 全体目的関数生成部122は、式(7)の特徴ベクトルUを用いて二次の重回帰分析を実行する。この場合、全体目的関数は下式(8)に示すような特徴ベクトルの成分u1、u2の二次関数となる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
 部分目的関数生成部123は、全体目的関数を変形し、数式の各項をパラメータ毎の項にまとめる。パラメータ同士の積の項が含まれる場合、部分目的関数生成部123は、いずれかのパラメータを平均値等の定数に置き換える。以上の手順によって第1のサブシステム102の部分目的関数、及び第2のサブシステム102の部分目的関数に分割できる。
 例えば、部分目的関数生成部123は、式(7)を用いて、式(8)に示す全体目的関数を下式(9)に示すように変形する。x1の項、x1の自乗の項、x2の項、x2の自乗の項、並びに、x1及びx2の積の項のそれぞれの係数をβ1、β2、β3、β4、及びβ5と定義した場合、式(9)は式(10)のように表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
 式(10)に示すように、全体目的関数にはパラメータx1、x2の積の項が含まれる。部分目的関数生成部123は、x2を平均値に置き換えることによって式(11)に示すような第1のサブシステム102の部分目的関数を算出し、また、x1を平均値に置き換えることによって式(12)に示すような第2のサブシステム102の部分目的関数を算出する。なお、それぞれのサブシステム102の部分目的関数の定数項は、サブシステム102の運用状態に合わせて設定すればよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
 なお、線形回帰の場合、異なるパラメータの積の項がないため、部分目的関数の生成は前述した例より容易になる。パラメータの数が多い場合、又は高次のパラメータの項を含む複雑な全体目的関数の場合、前述した処理と同様の処理を実行し、又は、システム理論又は数理計画法の分野における分割原理を利用した処理を実行してもよい。
 (実施例1の適用例1)
 実施例1の自律制御システム100の適用例として工場を考える。ここでは、複数の工程を経て製品を出荷する工場の生産性の管理を一例に考える。この場合、工場が一つの自律制御システム100に対応し、各工程がサブシステム102に対応する。
 ある工程(サブシステム102)が最適化され、スループットが向上した場合であっても、他の工程のスループットが小さいと仕掛在庫が増加する。また、人員配置、故障、保守、電力、温室効果ガス排出量等の要因が前後の工程に影響を与える。そのため、部分最適化、すなわち、各工程の最適化では工場全体の生産性を上げられない場合がある。
 実施例1の自律制御システム100を適用した場合、工場全体を管理する管理計算機101が、各工程の稼働状態及びスループット等の運用情報に基づいて全体目的関数を生成し、全体目的関数を分割することによって部分目的関数を生成する。各工程は、部分目的関数に基づいて稼働する。
 したがって、各工程が全体目的関数から生成された部分目的関数に基づいて自律的に制御されるため、工場全体の最適化が可能となる。また、全体目的関数及び部分目的関数が循環的に生成されるため、例えば、部材の供給、製品の需要、及び電力のコスト等が変化にあわせて、全体目的関数及び部分目的関数が更新される。したがって、各工程を最適な状態で稼働させることができる。
 (実施例1の適用例2)
 自動運転車にも実施例1の自律制御システム100を適用できる。この場合、自動車がサブシステム102に対応し、交通が自律制御システム100に対応する。
 自動車はセンサ又は人工知能に基づいて道路を走行する。しかし、部分最適化だけでは渋滞及び公害等の問題が生じる場合がある。
 交通を管理する管理計算機101が、各自動車の走行状況及び位置情報等の運用情報に基づいて交通を最適化するための全体目的関数を生成し、全体目的関数を分割することによって各自動車の運行を最適化するための部分目的関数を生成する。各自動車は、部分目的関数に基づいて自動運転を行う。したがって、交通の状況変化にあわせて、全体目的関数及び部分目的関数が更新されるため、自動車の最適な自動運転を実現できる。
 (実施例1の適用例3)
 持株会社にも実施例1の自律制御システム100を適用できる。この場合、持株会社が自律制御システム100に対応し、子会社がサブシステム102に対応する。
 複数の子会社が異なる事業を行っているが、子会社同士の製品が競合し、又は、収益が相反することによって、ある子会社における収益の最大化が持株会社の収益の最大化につながらない場合がある。
 子会社全体を管理する管理計算機101が、各子会社の事業状況及び収益等の運用情報に基づいて、持株会社の収益を最大化するための全体目的関数を生成し、全体目的関数を分割することによって各子会社の収益を最大化する部分目的関数を生成する。子会社には、部分目的関数にしたがった事業を行わせる。
 したがって、子会社の事業環境の変化にあわせて、全体目的関数及び部分目的関数が更新されるため、持株会社の収益の最大化が実現できる。
 以上の三つの適用例で説明したように、実施例1は幅広い分野に適用することができる。
 実施例1では、バックエンドである管理計算機101が全体目的関数から部分目的関数を生成し、フロントエンドである各サブシステム102に部分目的関数を設定する。各サブシステム102の制御部は部分目的関数に基づいて制御を行う。また、実施例1では、管理計算機101がサブシステム102から取得された運用情報に基づいて新たに全体目的関数を生成する。
 全体目的関数及び部分目的関数は管理計算機101によって生成されているため、各サブシステム102の制御部は、サブシステム102の状態変化にリアルタイムに対応した制御が可能となる。また、全体目的関数の生成と部分目的関数の生成とが循環することによって、適切な全体目的関数又は部分目的関数が定義できない場合でも、全体目的関数及び部分目的関数が自律制御システム100の状態に合わせて適宜更新される。すなわち、自律制御システム100に適した全体目的関数及び部分目的関数を設定できる。したがって、自律制御システム100はシステム状態に順応し、かつ自律した制御が可能となる。
 また、全体目的関数及び部分目的関数の再帰的な生成処理と並行して、シミュレーション結果に基づいて全体目的関数を生成することによって、現在の状態だけを考慮した制御ではなく、システムの状態変化を先取りした制御が可能となる。
 なお、シミュレーション結果に基づく全体目的関数の生成処理は、全体目的関数及び部分目的関数の再帰的な生成処理より時間を要する。そのため、通常運用時には、全体目的関数及び部分目的関数の再帰的な生成処理を優先的に実行すればよい。また、システムの変化が緩やかである場合、シミュレーション結果に基づく全体目的関数の生成処理は必ずしも実行する必要はない。
 前述した二つの生成処理が並列して実行された結果、二つの全体目的関数が生成された場合、ステップS403又はステップS406において、管理計算機101が、いずれの生成処理に基づいて生成された全体目的関数及び部分目的関数を使用するかを判定すればよい。この場合、設定情報等に判定に必要な条件を含めればよい。
 目的指標が複数である場合全体目的関数は多目的関数になる。この場合、複数の目的指標の各々に重みを付与することによって全体目的関数を単一目的関数へ変換することによって全体目的関数を部分目的関数に分割すればよい。また、他の方法としては、設定情報に含まれる制約条件に基づいて全体目的関数を部分目的関数に分割することによって、パレート効率的に各サブシステム102が制御するようにしてもよい。
 実施例2では、分散処理システムが全体目的関数の生成及び部分目的関数の生成する点が実施例1と異なる。以下、実施例1との差異を中心に実施例2について説明する。
 図6は、実施例2の自律制御システム600の構成例を示す説明図である。
 実施例2の自律制御システム600は、複数のサブシステム102、及びデータベース103から構成される。実施例2では、各サブシステム102に含まれる少なくとも一つの計算機105を用いて分散処理システム610が構築される。分散処理システム610を構成する計算機105のハードウェア構成、及びソフトウェア構成は、実施例2と同一である。また、分散処理システム610によって実行される処理は、実施例1の管理計算機101が実行する処理と同一である。
 実施例2によれば、フロントエンドのみからなる自律制御システムでも実施例1と同様の効果を得ることができる。
 なお、実施例1の自律制御システム100と実施例2の自律制御システム600のいずれを用いるかは様々な指針に基づいて決定すればよい。例えば、サブシステム102間の関係性又は独立性、分散処理システム610を構成する計算機105の性能、ネットワーク104の通信帯域等に基づいて決定すればよい。
 実施例3では、一つの要素を一つのサブシステム102とする点が実施例1と異なる。以下、実施例1との差異を中心に実施例3について説明する。
 図7は、実施例3の自律制御システム700の構成例を示す説明図である。
 自律制御システム100は、管理計算機101、複数の計算機105、及びデータベース103から構成される。図7に示すように、実施例3では、一つの計算機105が一つのサブシステム102に対応する。
 図8は、実施例3の自律制御システム700の概念図である。
 自律制御システム700は、複数の要素から構成される。図7に示す自律制御システム700の要素の構成は、図2の示す自律制御システム100と同一であるものとする。
 また、自律制御システム700は、各要素が部分目的関数に基づいて自律的に制御する。例えば、要素Xa1は、部分目的関数g1に基づいて制御される。当該制御には、要素Xa1に関係性を有する他の要素及び環境の状態Eioが参照される。すなわち、要素Xa1の制御時には、関係性を有する要素Xa2、Xa3、Xa4の状態xa2o、xa3o、xa4o、及び環境の状態が参照される。
 実施例3によれば、要素毎の運用情報に基づいて全体目的関数が生成され、また、全体目的関数を分割して生成された部分目的関数に基づいて各要素が最適化される。したがって、よりシステムの変化に適応した自律制御が可能となる。
 なお、実施例1の自律制御システム100と実施例3の自律制御システム700のいずれを用いるかは様々な指針に基づいて決定すればよい。例えば、要素間の関係性及びクラスタ性、要素間を接続するネットワークの帯域及び距離、人又はモノの流量又は移動時間等に基づいて決定すればよい。
 なお、サブシステム102及び要素の構成はシステムに応じて決定すればよい。例えば、複数の要素から構成される下位層のサブシステム102、下位層のサブシステム102から構成される中位層のサブシステム102、中位層のサブシステム102から構成されるを上位層のサブシステム102のように多段の階層から構成されるシステムであってもよい。この場合、管理計算機101は、全体目的関数から上位層のサブシステム102の部分目的関数を生成し、上位層のサブシステム102の部分目的関数から中位層のサブシステム102の部分目的関数を生成し、中位層のサブシステム102の部分目的関数から下位層のサブシステム102の部分目的関数を生成すればよい。要素は、下位層のサブシステム102の部分目的関数に基づいて制御される。
 なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
 また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
 また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
 さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるCPUが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
 上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。

Claims (12)

  1.  制御対象となる複数の要素を含む計算機システムであって、
     前記計算機システムは、
     プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、前記プロセッサに接続され、前記複数の要素に接続するインタフェースを有する少なくとも一つの計算機と、
     前記複数の要素を制御する制御部と、を備え、
     前記計算機は、
     少なくとも一つの前記要素を含むグループの運用状態を最適化するための部分目的関数に基づいて制御される複数のグループから、前記複数のグループの各々の運用状態を示す運用情報を取得する取得部と、
     前記運用情報に基づいて前記計算機システム全体を最適化するための全体目的関数を生成する全体目的関数生成部と、
     前記全体目的関数から所定の数の前記部分目的関数を生成する部分目的関数生成部と、を有し、
     前記制御部は、前記部分目的関数に基づいて前記複数のグループに含まれる複数の要素を制御することによって前記計算機システムを最適化することを特徴とする計算機システム。
  2.  請求項1に記載の計算機システムであって、
     前記全体目的関数生成部は、
     前記運用情報に含まれるパラメータ間の相関関係を示す相関行列を生成し、
     前記相関行列から固有ベクトルを算出し、
     前記パラメータ及び前記固有ベクトルを用いて前記全体目的関数を生成し、
     前記部分目的関数生成部は、最適化の最小単位となるグループの数だけ前記全体目的関数を分割することによって、前記複数のグループの各々の前記部分目的関数を生成することを特徴とする計算機システム。
  3.  請求項2に記載の計算機システムであって、
     前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループを含み、
     前記部分目的関数生成部は、
     前記全体目的関数を用いて、前記第1のグループを特徴付ける前記パラメータを変数とする第1の関数を算出することによって、前記第1のグループの前記部分目的関数を生成し、
     前記全体目的関数を用いて、前記第2のグループを特徴付ける前記パラメータを変数とする第2の関数を算出することによって、前記第2のグループの前記部分目的関数を生成することを特徴とする計算機システム。
  4.  請求項3に記載の計算機システムであって、
     前記部分目的関数生成部は、
     前記全体目的関数に含まれる前記第2のグループを特徴付ける前記パラメータを定数に置き換えることによって、前記第1のグループの前記部分目的関数を生成し、
     前記全体目的関数に含まれる前記第1のグループを特徴付ける前記パラメータを定数に置き換えることによって、前記第2のグループの前記部分目的関数を生成することを特徴とする計算機システム。
  5.  請求項2に記載の計算機システムであって、
     前記部分目的関数生成部は、
     新たに生成された前記部分目的関数と、現在前記各グループに適用される部分目的関数とを比較し、
     前記新たに生成された部分目的関数を前記各グループに設定する必要があるか否かを判定し、
     前記新たに生成された部分目的関数を前記各グループに設定する必要があると判定された場合、前記各グループに前記新たに生成された部分目的関数を設定することを特徴とする計算機システム。
  6.  請求項2に記載の計算機システムであって、
     前記計算機は、前記複数のグループの運用状態のシミュレーションを実行するシミュレーション部を有し、
     前記全体目的関数は、前記シミュレーション部によって実行されたシミュレーションの結果に基づいて前記全体目的関数を生成することを特徴とする計算機システム。
  7.  制御対象となる複数の要素を含む計算機システムにおけるシステム制御方法であって、
     前記計算機システムは、
     プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、前記プロセッサに接続され、前記複数の要素に接続するインタフェースを有する少なくとも一つの計算機と、
     前記複数の要素を制御する制御部と、を有し、
     前記システム制御方法は、
     前記計算機が、少なくとも一つの前記要素を含むグループの運用状態を最適化するための部分目的関数に基づいて制御される複数のグループから、前記複数のグループの各々の運用状態を示す運用情報を取得する第1のステップと、
     前記計算機が、前記運用情報に基づいて前記計算機システム全体を最適化するための全体目的関数を生成する第2のステップと、
     前記計算機が、前記全体目的関数から所定の数の前記部分目的関数を生成する第3のステップと、
     前記制御部が、前記部分目的関数に基づいて前記複数のグループに含まれる複数の要素を制御することによって前記計算機システムを最適化する第4のステップと、を含むことを特徴とするシステム制御方法。
  8.  請求項7に記載のシステム制御方法であって、
     前記第2のステップは、
     前記運用情報に含まれるパラメータ間の相関関係を示す相関行列を生成するステップと、
     前記相関行列から固有ベクトルを算出するステップと、
     前記パラメータ及び前記固有ベクトルを用いて前記全体目的関数を生成するステップと、を含み、
     前記第3のステップは、最適化の最小単位となるグループの数だけ前記全体目的関数を分割することによって、前記複数のグループの各々の前記部分目的関数を生成するステップを含むことを特徴とするシステム制御方法。
  9.  請求項8に記載のシステム制御方法であって、
     前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループを含み、
     前記第3のステップは、
     前記全体目的関数を用いて、前記第1のグループを特徴付ける前記パラメータを変数とする第1の関数を算出することによって、前記第1のグループの前記部分目的関数を生成する第5のステップと、
     前記全体目的関数を用いて、前記第2のグループを特徴付ける前記パラメータを変数とする第2の関数を算出することによって、前記第2のグループの前記部分目的関数を生成する第6のステップと、を含むことを特徴とするシステム制御方法。
  10.  請求項9に記載のシステム制御方法であって、
     前記第5のステップでは、前記全体目的関数に含まれる前記第2のグループを特徴付ける前記パラメータを定数に置き換えることによって、前記第1のグループの前記部分目的関数を生成し、
     前記第6のステップでは、前記全体目的関数に含まれる前記第1のグループを特徴付ける前記パラメータを定数に置き換えることによって、前記第2のグループの前記部分目的関数を生成することを特徴とするシステム制御方法。
  11.  請求項8に記載のシステム制御方法であって、
     前記第3のステップは、
     新たに生成された前記部分目的関数と、現在前記各グループに適用される部分目的関数とを比較するステップと、
     前記新たに生成された部分目的関数を前記各グループに設定する必要があるか否かを判定するステップと、
     前記新たに生成された部分目的関数を前記各グループに設定する必要があると判定された場合、前記各グループに前記新たに生成された部分目的関数を設定するステップと、を含むことを特徴とするシステム制御方法。
  12.  請求項8に記載のシステム制御方法であって、
     前記計算機が、前記複数のグループの運用状態のシミュレーションを実行するステップと、
     前記計算機が、前記シミュレーションの結果に基づいて前記全体目的関数を生成するステップと、を含むことを特徴とするシステム制御方法。
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