WO2016052716A1

WO2016052716A1 - 情報処理装置、制御プログラム、表示装置、端末装置、近距離無線通信システム、および情報処理装置の制御方法

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Publication number: WO2016052716A1
Application number: PCT/JP2015/077989
Authority: WO
Inventors: 門脇　幹宏; 慶子蛭川; 佳成澤田
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2014-10-02
Filing date: 2015-10-01
Publication date: 2016-04-07
Also published as: US20170279499A1; US10547351B2; CN106797238A

Abstract

　ユーザの望まない通信を防ぐ。情報処理装置（１）は、表示装置（１１）の表示部（１８）に表示される画面に含まれる要素画像に応じた、上記表示部（１８）の表示領域のうちの特定領域を決定する領域特定部（２３）と、上記特定領域に含まれるアンテナ（１５０）の状態を通信可能状態とし、その他のアンテナ（１５０）の状態を通信不可能状態とするアンテナ制御部（２４）と、を備える。

Description

情報処理装置、制御プログラム、表示装置、端末装置、近距離無線通信システム、および情報処理装置の制御方法

　本発明は、近距離無線通信を行うためのアンテナの状態を制御する情報処理装置などに関する。

　従来から、近距離無線通信を用いた情報の送受信が行われている。近距離無線通信は、タグリーダとタグとを近接させることで情報の送受信を行う。以下に示す特許文献１～８には、近距離無線通信に関する技術が開示されている。例えば特許文献１には、電力消費を削減するために、タッチセンサによってタグの存在を検知したとき、タグリーダを活性化する技術が開示されている。また、特許文献２には、複数のタグを備えたディスプレイ装置が記載されている。

日本国公開特許公報「特開２０１３－２３９１６４号公報（２０１３年１１月２８日公開）」日本国公開特許公報「特開２０１１－１７５６２６号公報（２０１１年９月８日公開）」日本国公表特許公報「特表２０１２－５０４３５６号公報（２０１２年２月１６日公表）」日本国特許公報「特許第５３６７８４７号（２０１３年９月２０日登録）」日本国公開特許公報「特開２０１３－２５７８７８号公報（２０１３年１２月２６日公開）」日本国公開特許公報「特開２０１３－８４９４５号公報（２０１３年５月９日公開）」日本国公開特許公報「特開２０００－２１５２７８号公報（２０００年８月４日公開）」日本国公開特許公報「特開２０１１－３１５０号公報（２０１１年１月６日公開）」

　特許文献２のように、ディスプレイ装置に複数のタグを備え、当該複数のタグのいずれかにタグリーダを近接させて通信を行う場合、ユーザがタグリーダを誤って本来近接させるべきではないタグに近接させてしまうことで、ユーザの望まない通信が行われてしまうという問題があった。しかしながら、上述した各特許文献に記載の技術はこの問題の解決には不十分である。例えば、特許文献１の技術では、ユーザが本来近接させるべきタグではない別のタグであっても、タグリーダが活性化されてしまうため、ユーザの望まない通信が行われてしまう。

　この問題は、タグ（またはタグリーダ）の位置に応じて異なる情報の送受信が行われるような構成において特に顕著である。具体的には、ユーザがタグリーダ（またはタグ）を誤って本来近接させるべきでないタグ（またはタグリーダ）に近接させてしまうことで、ユーザの望まない情報の取得や、ユーザの望まない処理が実行されてしまう。

　本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの望まない通信を防ぐ情報処理装置などを提供することにある。

　上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置であって、上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じて、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定部と、上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御部と、を備える。

　また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備え、上記近距離無線通信部は、上記表示部に表示する画面に含まれる要素画像の領域に応じて、各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする。

　また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る端末装置は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部とを備え、各アンテナの状態が、通信が可能である通信可能状態または通信が不可能である通信不可能状態である表示装置に対して、上記通信可能状態の上記アンテナに近接して、当該アンテナを介して所定の情報を送信する送信部を備え、上記所定の情報を送信することにより、当該送信に利用した上記アンテナを含む、上記表示部の領域に表示された画面に含まれる要素画像に対応付けられた処理を実行させる。

　また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る近距離無線通信システムは、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置と、上記表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置と、を含む近距離無線通信システムであって、上記情報処理装置は、上記表示部に表示した画面に含まれる要素画像の領域に応じて決定される、上記表示部の表示領域のうちの特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とする。

　また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置の制御方法は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置の制御方法であって、上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じて、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定ステップと、上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御ステップと、を含む。

　本発明の一態様によれば、ユーザの望まない通信を防ぐことができるという効果を奏する。

本発明の近距離無線通信システムに含まれる情報処理装置、表示装置、およびスマートフォンの要部構成の一例を示すブロック図である。（ａ）は、図１に示す表示装置を正面から見た場合の外観図であり、（ｂ）は、図１に示す表示装置を側面から見た場合の外観図である。実施形態１のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図である。（ａ）は、図３に示すメニュー画像を表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｂ）は、図３の（ｄ）に示すスマートフォンから情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、情報処理装置が処理を実行した後に図３の（ｄ）に示すスマートフォンに送信する設定情報を示す図である。図４の（ｃ）に示す設定情報を受信した後にスマートフォンにて実行される処理の一例を示す概略図である。実施形態１のアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。（ａ）～（ｃ）は、実施形態２のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は（ｃ）に続いて実行される処理を示す概略図である。（ａ）は、図７に示すコンテンツ画像を表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｂ）は、図７の（ｃ）に示すスマートフォンから情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、情報処理装置が処理を実行した後に図７の（ｃ）に示すスマートフォンに送信する設定情報を示す図である。実施形態２のアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。（ａ）～（ｃ）は、実施形態３のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は（ｃ）に続いて実行される処理を示す概略図である。（ａ）は、図１０の（ａ）に示すスマートフォンから情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｂ）は、図１０の（ｃ）に示すスマートフォンから情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、図１０の（ａ）に示すスマートフォンと近距離無線通信を行った後に、情報処理装置が処理する設定情報を示す図であり、（ｄ）は、図１０に示す写真データを表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｅ）は、図１０の（ｃ）に示すスマートフォンと近距離無線通信を行った後に、情報処理装置が処理する設定情報を示す図である。実施形態３のアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。（ａ）は、実施形態４における写真データの表示の一例を示す図であり、（ｂ）は（ａ）に示す写真データを表示するためのスクリプトの具体例を示す図である。実施形態４におけるアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態５のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図である。実施形態５におけるアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。（ａ）～（ｃ）は、実施形態６のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は実施形態６におけるアンテナの制御の他の例を示す図である。実施形態６におけるアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態７および８における近距離無線通信システムの一例を示す概略図である。実施形態７におけるアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態８におけるアンテナ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。実施形態１～８の変形例におけるアンテナの制御の他の例を示す図である。上記情報処理装置などとして利用可能なコンピュータの構成を例示したブロック図である。

　〔実施形態１〕
　本発明の一実施形態について、図１～図６に基づいて説明すれば以下のとおりである。

　（近距離無線通信システム１００）
　まず、図１を参照して、近距離無線通信システム１００について説明する。図１は、近距離無線通信システム１００に含まれる情報処理装置１、表示装置１１、およびスマートフォン１０（端末装置）の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、情報処理装置１、表示装置１１、およびスマートフォン１０の要部構成の詳細については後述する。

　表示装置１１は、情報処理装置１の指示を受けて画像（詳細には、後述する要素画像）を表示するディスプレイデバイスである。詳細については後述するが、表示装置１１はその表示領域に、外部と近距離無線通信を実行するためのアンテナを複数備えている。これにより、ユーザは表示装置１１の表示領域にＮＦＣ（Near Field Communication）用のタグ（以下、ＮＦＣタグと称する）を近づけることで、情報の送受信を行うことができる。

　情報処理装置１は、表示装置１１に画像を表示させるものである。具体的には、情報処理装置１はアプリケーションを実行し、当該アプリケーションにおける処理に応じた画像（詳細には、アプリケーションを実行したときに表示部に表示される画面を形成する要素画像）を表示装置１１に表示させる。上記画像とは、例えば実行する処理をユーザに選択させるためのメニュー画像の各項目、後述するサーバ２０が保持、運用するＷｅｂサイトのページ（Ｗｅｂページ）を形成するための画像、サーバ２０に格納されているその他の画像などが挙げられる。ただし、上記画像はここに挙げた例に限定されるものではない。また、上記画像は、表示部に表示されたときにユーザに文字列として示される画像（例えば、Ｗｅｂページ内の文字列）も含む。以下、単に「画像」と記載した場合は、上述した要素画像を示すものとする。

　また、情報処理装置１は、表示装置１１に表示される画像に応じて、表示装置１１に備えられた各アンテナの状態を制御する。ここで「アンテナの状態」とは、外部との近距離無線通信が可能な状態である通信可能状態と、近距離無線通信が不可能な状態である通信不可能状態の２種類の状態のことである。つまり、表示装置１１の各アンテナは、情報処理装置１に制御されることで、自装置に表示される画像に応じて通信可能状態または通信不可能状態のいずれかの状態となる。

　なお、図１の例では情報処理装置１と表示装置１１とを別装置として記載しているが、情報処理装置１と表示装置１１とは１つの装置として一体となっていてもよい。この場合、情報処理装置１は表示装置１１に相当するディスプレイを備えた構成となる。

　スマートフォン１０は、近距離無線通信システム１００のユーザが使用する携帯端末であり、ＮＦＣタグを備えている。これにより、スマートフォン１０は表示装置１１（情報処理装置１）との間で近距離無線通信を行うことができる。

　サーバ２０は、情報処理装置１が実行するアプリケーションに応じた各種情報を管理するものである。サーバ２０は、インターネット網３０を介して、各種情報を情報処理装置１に送信する。例えば、サーバ２０はＷｅｂサイトを保持、運用していてもよい。情報処理装置１は、Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーションを実行することで、表示装置１１に上記Ｗｅｂサイトを表示することができる。

　また例えば、サーバ２０はユーザのデータを保管する、いわゆるオンラインストレージ用のサーバであってもよい。情報処理装置１は、オンラインストレージを管理するためのアプリケーションを実行することで、表示装置１１にユーザのデータに応じた画像（写真など）を表示することができる。

　（表示装置１１の要部構成）
　次に、図１および図２を参照して、表示装置１１の要部構成について説明する。図２の（ａ）は、表示装置１１を正面から見た場合の外観図であり、図２の（ｂ）は、表示装置１１を側面から見た場合の外観図である。

　図１に示すように、表示装置１１は、ＮＦＣ通信部１５（近距離無線通信部）およびタッチパネル１６を備える。

　ＮＦＣ通信部１５は外部と近距離無線通信を行うための通信デバイスである。ＮＦＣ通信部１５は、ＮＦＣタグを検知して、情報の送受信を行うタグリーダとしての機能を有するアンテナ１５０を備えている。具体的には、ＮＦＣ通信部１５は、図２の（ｂ）に示すように、タッチパネル１６に重畳して設けられるシート状の部材である。なお、ＮＦＣ通信部１５とタッチパネル１６（後述する入力部１７および表示部１８）との位置関係は、図２の（ｂ）に限定されるものではない。例えば、最前面に配置された入力部１７と表示部１８との間にＮＦＣ通信部１５が配置されている構成であってもよい。

　ここで、本実施の形態および以降の実施形態においては、ＮＦＣ通信部１５は、スマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０に対し、データの読み取りおよびデータの書き込みの機能を有するものとする。そして、データの読み取りを「データの受信」、データの書き込みを「データの送信」と記載することがある。

　図２の（ａ）に示すように、ＮＦＣ通信部１５は、複数のアンテナ１５０を備えている。なお、図２の（ａ）では、アンテナ１５０はマトリクス状に配列されているが、この例に限定されるものではない。例えば、図２の（ａ）に示すアンテナ１５０の行ごと、または列ごとの個数が異なっていてもよいし、行または列の間隔が異なっていてもよい。また、アンテナ１５０はＮＦＣ通信部１５においてランダムに配置されていてもよい。

　タッチパネル１６は、入力部１７と表示部１８とが一体となった部材である。そのため、入力部１７が入力を受け付ける入力領域と、表示部１８が画像を表示する表示領域とは略同一であり、入力部１７は、表示部１８が画像を表示する表示領域に対する操作を受け付ける。

　入力部１７は、ユーザが指示体（指、ペンなど）を用いて指示信号を入力する入力デバイスである。具体的には、入力部１７は指示体の接触（接近も含む）を受け付ける入力面と、指示体が入力面に接触したことを検知するとともに、入力面における指示体が接触した位置（座標）を検知するタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体と入力面との接触／非接触を検知できればどのようなセンサで実現されていてもよい。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。入力部１７は、検知した、指示体が接触（タッチ）した位置（座標）の情報（以下、タッチ情報）を、情報処理装置１の後述するアプリケーション実行部２１（処理実行部）に出力する。

　表示部１８は、情報処理装置１が処理する情報を画像（要素画像）として表示領域に表示する表示デバイスである。例えば、表示部１８には、後述する表示制御部２２などによって処理された情報が表示される。表示部１８には、例えばＬＣＤ（液晶ディスプレイ）などで構成される。

　なお、本実施形態では入力部１７と表示部１８とが一体となってタッチパネル１６を構成している例を説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。つまり、入力部１７と表示部１８とは別体であってもよく、その場合、入力部１７は例えば、マウスやキーボードなどの入力デバイスとなる。

　以上のように、表示装置１１は、近距離無線通信を行うためのアンテナ１５０が複数配置されている。つまり、各アンテナ１５０の状態を制御することによって、当該アンテナの一部を通信可能状態のアンテナ１５０とし、その他を通信不可能状態のアンテナ１５０とすることができる。ここで上述したように、アンテナ１５０は表示装置１１に表示される画像に応じて、通信可能状態または通信不可能状態のいずれかとなる。ここで、通信不可能状態のアンテナ１５０にスマートフォン１０を近接させても近距離無線通信は実行されないので、ユーザの望まない通信を防ぐ表示装置を実現することができる。

　また、複数のアンテナ１５０が表示部１８に重畳して配置されているので、表示部１８の表示領域は各アンテナ１５０に対応した複数の領域に区分されているとみなせる。そして、この複数の領域にそれぞれ含まれるアンテナ１５０の状態を、当該領域に表示される画像に応じて制御することができる。これにより、複数の領域にそれぞれ含まれるアンテナ１５０を通信可能状態とすれば、例えば複数人での近距離無線通信を用いたデータ取得を一度に行うことができ、効率的である。

　（情報処理装置１の要部構成）
　次に、図１を参照して、情報処理装置１の要部構成について説明する。

　図１に示すように、情報処理装置１は、制御部１２、記憶部１３、およびネットワーク通信部１４を備える。

　制御部１２は、情報処理装置１が備える各部を統括制御するものである。制御部１２は、アプリケーション実行部２１、表示制御部２２、領域特定部２３（領域決定部）、およびアンテナ制御部２４を含む。

　アプリケーション実行部２１は、情報処理装置１に記憶されている各種アプリケーションを実行するものである。具体的には、アプリケーション実行部２１は、後述する記憶部１３から読み出したアプリケーション３１における処理を実行する。さらに具体的には、表示装置１１の入力部１７から出力されたタッチ情報に応じて、アプリケーションに対する処理を実行し、実行する処理に応じた画像を表示部１８に表示するために、アプリケーションを実行したときに表示部１８に表示される画面を定義するための情報（画面定義情報）を表示制御部２２に供給する。画面定義情報は例えば、アプリケーションを実行したときに表示部１８に表示される画面を生成するためのスクリプトである。つまり画面定義情報には、画像を表示するために必要な情報（表示位置、サイズなど）が含まれている。これにより、表示制御部２２は、アプリケーション実行部２１が実行する処理に応じた画像を表示部１８に表示することができる。なお、画面定義情報の具体例については後述する。また、画面定義情報は上述したスクリプトに限定されない。つまり、画面定義情報は、アプリケーションを実行したときに表示部１８に表示される画面を定義するものであればよい。

　具体的には、アプリケーション実行部２１は、記憶部１３に記憶されている、後述するアンテナ位置情報３２を参照して画面定義情報を生成する。具体的には、アプリケーション実行部２１は、表示部１８に表示する画像の大きさを、別の画像の表示領域に含まれるアンテナ１５０を含まないような大きさとなるように、画面定義情報を生成する。なお、画面定義情報の生成についてはこの例に限定されない。例えば、画像の表示領域とアンテナ１５０とが１対１、または１対Ｎ（Ｎは１以上の自然数）で対応するのであれば（当該アンテナ１５０にスマートフォン１０を近接させたとき、当該画像に応じた処理が実行されるのであれば）、画像の表示領域にアンテナ１５０が含まれないような位置に、画像を表示してもよい。

　当該画像は例えば、実行する処理をユーザに選択させるためのメニュー画像の各項目であったり、サーバ２０が保持、運用するＷｅｂサイトのページ（Ｗｅｂページ）を形成するための画像であったり、オンラインストレージ用のサーバ２０に保管されているユーザのデータに応じた画像であったりする。つまりアプリケーション実行部２１は、サーバ２０が保持、運用するＷｅｂサイトのページ（Ｗｅｂページ）を形成するための画像や、オンラインストレージ用のサーバ２０に保管されているユーザのデータに応じた画像を表示する場合、ネットワーク通信部１４およびインターネット網３０を介してサーバ２０にアクセスし、上述したような画像を含む画面を表示装置１１の表示部１８に表示するための画面定義情報を、表示制御部２２に供給する。

　また、アプリケーション実行部２１は、表示制御部２２に供給した画面定義情報を領域特定部２３にも供給する。これにより、領域特定部２３は、表示部に表示される画像に応じた領域を特定することができる。

　さらに、アプリケーション実行部２１は、アンテナ制御部２４から、スマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０に設定された情報（設定情報）、および当該情報を受信したアンテナ１５０の位置情報を受け取ると、当該位置情報が示す位置に表示されている画像を特定し、特定した画像に応じた処理を実行する。例えば、アプリケーション実行部２１はアンテナ制御部２４から設定情報を供給されると、当該設定情報を変更して、ＮＦＣ通信部１５（アンテナ１５０）を介してスマートフォン１０に変更した設定情報を送信する。なお、設定情報については、後で詳細に説明する。

　表示制御部２２は、表示部１８に画像（要素画像）を表示するものである。具体的には、表示制御部２２は、アプリケーション実行部２１から供給された画面定義情報に応じて、表示部１８に画像を表示する。

　領域特定部２３は、アンテナ１５０を通信可能状態とする領域である通信可能領域を特定するものである。具体的には、領域特定部２３は、アプリケーション実行部２１から供給された画面定義情報を参照して、通信可能領域を特定する。そして、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。なお、通信可能領域の特定の詳細については後述する。

　アンテナ制御部２４は、アンテナ１５０の状態を制御するものである。具体的には、アンテナ制御部２４は、アンテナ制御情報を供給されると、記憶部１３から後述するアンテナ位置情報３２を読み出し、当該アンテナ制御情報が示す通信可能領域に含まれるアンテナ１５０と、含まれないアンテナ１５０とを特定する。そして、通信可能領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　また、アンテナ制御部２４は、ＮＦＣ通信部１５から、ＮＦＣタグ１１０から取得した情報を供給されると、当該情報とともに、当該情報を取得したアンテナ１５０の位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。

　記憶部１３は、情報処理装置１にて使用される各種データを記憶する記憶デバイスである。記憶部１３はアプリケーション３１およびアンテナ位置情報３２を少なくとも格納している。

　アプリケーション３１は、アプリケーション実行部２１によって実行されるソフトウェアである。具体的には、アプリケーション３１は、Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーションであったり、オンラインストレージを管理するためのアプリケーションであったりするが、この例に限定されるものではない。なお、記憶部１３には複数のアプリケーションが記憶されていてもよい。

　アンテナ位置情報３２は、表示装置１１における各アンテナ１５０の位置（座標）を示す情報である。

　ネットワーク通信部１４は、情報処理装置１と外部機器（例えばサーバ２０）との間で、インターネット網３０を介して情報の送受信を行うための通信デバイスである。

　（スマートフォン１０の要部構成）
　次に、図１を参照して、スマートフォン１０の要部構成について説明する。図１に示すようにスマートフォン１０は、ＮＦＣタグ１１０（送信部）、情報設定部１２０、アプリケーション実行部１３０、および記憶部１４０を備える。なお、スマートフォン１０は、入力部、表示部、通信部などの既存のスマートフォンが備えている部材、機能も備えているが、本発明との関連が薄いため、ここでの説明を省略する。

　ＮＦＣタグ１１０は、外部と近距離無線通信を行うための通信デバイスである。ＮＦＣタグ１１０には、ユーザが外部（情報処理装置１）に送信したい情報を設定することができる。当該情報が設定された後、ユーザがスマートフォン１０を表示装置１１のＮＦＣ通信部１５に近づけることで、近距離無線通信が実行され、ＮＦＣタグ１１０に設定された情報（以降、設定情報と称する）が、表示装置１１を介して情報処理装置に送信される。また、ＮＦＣタグ１１０は、情報処理装置１から、表示装置１１のＮＦＣ通信部１５を介して送信された情報を受信する。

　情報設定部１２０は、設定情報をＮＦＣタグ１１０に設定するものである。情報設定部１２０は、アプリケーション実行部１３０からの指示に応じて、設定情報をＮＦＣタグ１１０に設定する。設定情報は、アプリケーション実行部１３０にて実行されるアプリケーションに応じてそれぞれ異なるが、一具体例としては、スマートフォン１０の記憶部１４０、または外部のサーバの記憶部における特定領域（フォルダ）を示す文字列（フォルダパスやＵＲＬなど）が挙げられる。

　アプリケーション実行部１３０は、スマートフォン１０に記憶されている各種アプリケーションを実行するものである。具体的には、アプリケーション実行部１３０は、後述する記憶部１４０から読み出したアプリケーション１４１における処理を実行する。さらに具体的には、アプリケーション実行部１３０は、入力部（不図示）を介したユーザからの指示に応じて、情報設定部１２０に、実行しているアプリケーション１４１に応じた設定情報を設定するための指示を供給する。また、アプリケーション実行部１３０は、ユーザからの指示に応じて、アプリケーション１４１に対する処理を実行し、実行する処理に応じた画面をスマートフォン１０の表示部（不図示）に表示させる。

　記憶部１４０は、スマートフォン１０にて使用される各種データを記憶する記憶デバイスである。記憶部１４０はアプリケーション１４１を少なくとも格納している。

　アプリケーション１４１は、アプリケーション実行部１３０によって実行されるソフトウェアである。具体的には、アプリケーション１４１は、Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーションであったり、オンラインストレージを管理するためのアプリケーションであったりするが、この例に限定されるものではない。なお、記憶部１４０には複数のアプリケーションが記憶されていてもよい。

　なお、本実施形態にて、表示装置１１と近距離無線通信を実行するための装置としてスマートフォン１０を挙げて説明したのは一例である。具体的には、ＮＦＣタグを有していれば、表示装置１１と近距離無線通信を実行するための装置はスマートフォン１０には限定されない。例えば、表示装置１１と近距離無線通信を実行するための装置は、ＮＦＣタグを有するカードであってもよい。この例の場合、ユーザは外部機器を用いて設定情報をＮＦＣタグに設定すればよい。

　（アンテナ制御処理の具体例）
　次に、図３～図５を参照して本実施形態に係るアンテナ制御処理の具体例について説明する。図３は、本実施形態のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図である。また、図４の（ａ）は、図３に示すメニュー画像を表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｂ）は、スマートフォン１０から情報処理装置１に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、情報処理装置１が処理を実行した後にスマートフォン１０に送信する設定情報を示す図である。さらに、図５は情報処理装置１から受信した設定情報にアクセスした場合にスマートフォン１０に表示される画面の概略図である。

　本実施形態において情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、観光案内のアプリケーション３１を実行し、当該アプリケーション３１に関する画面を表示装置１１に表示する。

　まず、アプリケーション実行部２１は、ユーザがコンテンツを選択するためのメニュー画像の第１階層１７０を表示装置１１（表示部１８）に表示するために、表示制御部２２に画面定義情報を供給する。図３の（ａ）に示すように、表示制御部２２は、当該画面定義情報に応じて、表示部１８に第１階層１７０を表示させる。ここで、第１階層１７０は、この観光地におけるユーザの目的の概要を示す各コンテンツ（「食事」、「観光」、「土産」、「宿泊」）によって構成されている。

　また、アプリケーション実行部２１は画面定義情報を領域特定部２３にも供給する。領域特定部２３は、当該画面定義情報を参照して、第１階層１７０が表示される領域（以下、表示領域）を通信可能領域として特定する。そして、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、領域特定部２３から供給されたアンテナ制御情報を参照して、通信可能領域に含まれるアンテナ１５０と、含まれないアンテナ１５０とを特定する。そして、通信可能領域、すなわち第１階層１７０の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。なお、本実施形態を含む各実施形態では、斜線でパターニングされたアンテナ１５０が通信可能状態であるアンテナ１５０を示し、白抜きのアンテナ１５０が通信不可能状態であるアンテナ１５０を示す。つまり、図３の（ａ）で示すように、第１階層１７０が表示された状態では、第１階層１７０が表示された位置のアンテナ１５０のみが通信可能状態となっている。

　ここで、ユーザが第１階層１７０から１つのコンテンツ（図３の（ａ）では「観光」）をタッチ操作（入力操作）によって選択すると、当該コンテンツに応じた第２階層１７１が表示される。具体的には、アプリケーション実行部２１は、ユーザのタッチ操作の位置の情報に応じて、第２階層１７１を表示するための画面定義情報を表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。

　そして、表示制御部２２は、供給された画面定義情報に応じて、表示部１８に第２階層１７１を表示させる。具体的には、表示制御部２２は、画面定義情報として図４の（ａ）に示すようなスクリプトに応じた処理を実行することにより、表示部１８に第２階層１７１を表示させる。なお、図４の（ａ）に示すスクリプトは一例であり、画面定義情報はこの例に限定されるものではない。また、表示制御部２２は供給された画面定義情報に応じて、現在ユーザの操作を受け付ける状態となっている階層（以下、アクティブな階層と称する。図３の（ｂ）では第２階層１７１）を、他の階層と異ならせて表示してもよい。例えば、アクティブな階層の色を他の階層と異ならせてもよい。

　なお、第２階層１７１は、第１階層１７０にて選択されたコンテンツに応じた、具体的な場所を示す各コンテンツによって構成されている。例えば、図３の（ｂ）に示すようにユーザが第１階層１７０で「観光」を選択した場合、第２階層１７１としては、観光に適した場所（「神社」、「美術館」）が表示される。

　一方、領域特定部２３は、供給された画面定義情報を参照して、第２階層１７１の表示領域を通信可能領域として特定する。そして、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。アンテナ制御部２４は、第２階層１７１の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　具体的には上述したように、画面定義情報において現在アクティブとなっている階層を他の階層と異ならせて表示するようになっていれば、供給された画面定義情報を参照するだけで、アクティブな第２階層１７１が表示されている領域に含まれるアンテナ１５０のみを通信可能状態とすることができる。

　なお、アクティブな階層が表示されている領域に含まれるアンテナ１５０のみを通信可能状態とする例は上述したものに限定されず、例えば、表示されている階層のうち、最も新しく表示された階層の表示領域に含まれるアンテナ１５０を通信可能な状態としてもよい。

　ここで、ユーザが「美術館」を示す項目１７２をタッチ操作にて選択すると、図３の（ｃ）に示すように美術館のＷｅｂページが表示部１８に表示される。具体的には、アプリケーション実行部２１は、当該タッチ操作の位置の情報を供給されると、ネットワーク通信部１４およびインターネット網３０を介して、サーバ２０から美術館のＷｅｂページを取得する。そして、当該Ｗｅｂページを表示するための画面定義情報を表示制御部２２に供給する。表示制御部２２は、供給された画面定義情報に応じて、美術館のＷｅｂページを表示部１８に表示させる。

　一方、図３の（ｄ）に示すように、ユーザが「美術館」を示す項目１７２の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０を近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０から設定情報を取得する。具体的には、当該アンテナ１５０は図４の（ｂ）に示すような、スマートフォン１０における所定のフォルダを示す設定情報を取得し、情報処理装置１のアンテナ制御部２４に出力する。アンテナ制御部２４は取得した設定情報とともに、当該設定情報を取得したアンテナ１５０の位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。なお、設定情報は図４の（ｂ）の例に限定されるものではない。

　アプリケーション実行部２１は、受け付けた設定情報に対して処理を実行する。具体的には、受け付けた位置情報が示す位置に表示されている項目１７２に応じて、受け付けた設定情報を変更する。さらに具体的には、アプリケーション実行部２１は、美術館のＷｅｂページを示す設定情報を用いて設定情報を図４の（ｃ）のように、スマートフォン１０におけるフォルダを示す文字列の後に続く形で、美術館のＷｅｂページのＵＲＬを記載するように変更し、スマートフォン１０のアプリケーション（Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーション）において美術館のＷｅｂページが閲覧できるようにする。そして、アプリケーション実行部２１は、変更した設定情報をＮＦＣ通信部１５およびＮＦＣタグ１１０を介した近距離無線通信によって、スマートフォン１０に送信する。なお、変更後の設定情報は図４の（ｃ）の例に限定されるものではない。

　これにより、ユーザは図５に示すように、スマートフォン１０にて実行されるＷｅｂサイト閲覧用のアプリケーションにおいて、美術館のＷｅｂページを閲覧することができる。例えば、Ｗｅｂページの閲覧にはある程度の時間がかかるため、あるユーザが表示装置１１にＷｅｂページを表示して閲覧している場合は、当該ユーザの閲覧が終了するまで別のユーザは待たなくてはいけない。ここで本実施形態のように、近距離無線通信を用いて当該ＷｅｂページのＵＲＬを含む設定情報をスマートフォン１０に送信することができれば、ユーザはＷｅｂページを閲覧する時間に比べて短い時間で表示装置１１の使用を終了することができ、表示装置１１の効率的な使用を実現することができる。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図６を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図６は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図６において表示装置１１は、図３の（ａ）に示すように、第１階層１７０を表示した状態となっているものとする。

　まず、ユーザは自身のスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０に設定情報を設定しておく（Ｓ１１）。具体的には、アプリケーション実行部１３０の指示に応じて、情報設定部１２０が、図４の（ｂ）に示す設定情報をＮＦＣタグ１１０に設定する。これにより、ＮＦＣタグ１１０は、アンテナ１５０に近接することで、設定情報を送信することができる状態となる（Ｓ１２）。

　一方、情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、表示装置１１の入力部１７を介した、ユーザのタッチ操作の位置を示すタッチ情報を待機している状態となっている（Ｓ１）。タッチ情報を受け付けた場合（Ｓ１でＹＥＳ）、具体的には、第１階層１７０のいずれかのコンテンツがタッチされたことを示すタッチ情報を受け付けた場合、アプリケーション実行部２１は、第２階層１７１を表示するための画面定義情報を表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。

　表示制御部２２は供給された画面定義情報に応じて、メニュー画像の新たな階層、すなわち第２階層１７１を表示する（Ｓ２）。

　また、領域特定部２３は供給された画面定義情報に応じて、新たな階層、すなわち第２階層１７１の表示領域を通信可能領域として特定する（Ｓ３、領域決定ステップ）。そして、領域特定部２３は特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域内のアンテナを特定し、特定したアンテナ１５０を通信可能状態とし、それ以外のアンテナを通信不可能状態とする（Ｓ４、アンテナ制御ステップ）。

　これにより、表示装置１１のＮＦＣ通信部１５において、通信可能状態のアンテナ１５０は、スマートフォン１０が備えるＮＦＣタグ１１０の検知を待機する状態となっている（Ｓ５）。ここで、ＮＦＣタグ１１０が通信可能状態のアンテナ１５０に近接することで（Ｓ１２でＹＥＳ）、当該アンテナ１５０がＮＦＣタグ１１０を検知すると（Ｓ５でＹＥＳ）、ＮＦＣタグ１１０から当該アンテナ１５０を介して情報処理装置１に設定情報が送信される（Ｓ１３）。具体的には、ＮＦＣ通信部１５は、通信可能状態のアンテナ１５０によって設定情報を取得すると、アンテナ制御部２４に設定情報を送信する。アンテナ制御部２４は設定情報を取得すると（Ｓ６）、受信した設定情報とともに、当該設定情報を取得したアンテナ１５０の位置を特定し、特定した位置を示す位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。

　アプリケーション実行部２１は、設定情報および位置情報を供給されると、ＮＦＣタグ１１０を検知したアンテナの位置に表示されている項目１７２に基づいて設定情報を変更する（Ｓ７）。具体的には、アプリケーション実行部２１は供給された位置情報が示す位置に表示された項目１７２を特定する。そして、特定された項目１７２に応じたＷｅｂページ（例えば美術館のＷｅｂページ）のＵＲＬを用いて設定情報を変更する。具体的には、設定情報を図４の（ｃ）のように、スマートフォン１０におけるフォルダを示す文字列の後に続く形で、美術館のＷｅｂページのＵＲＬを記載するように変更し、スマートフォン１０のアプリケーション（Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーション）において美術館のＷｅｂページが閲覧できるようにする。

　そして、アプリケーション実行部２１は変更した設定情報をスマートフォン１０に送信する（Ｓ８）。具体的には、アプリケーション実行部２１は、ＮＦＣ通信部１５を介した近距離無線通信によって、変更した設定情報をスマートフォン１０に送信する。そして、スマートフォン１０は、情報処理装置１（アプリケーション実行部２１）から近距離無線通信によって送信された変更後の設定情報を取得する（Ｓ１４）。

　これによりユーザは、スマートフォン１０が近接したアンテナ１５０の位置に表示されていた項目１７２に応じたＷｅｂページを、スマートフォン１０にて閲覧することができる。

　（実施形態１に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、メニュー画像におけるアクティブな階層の表示領域を通信可能領域として特定する。これにより、アクティブな階層の表示領域に含まれるアンテナ１５０のみが通信可能状態となるので、他のアンテナ１５０にユーザがスマートフォン１０を近接させても近距離無線通信は行われない。よって、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　また、アクティブな階層の選択はユーザの操作によって行われるので、通信可能領域はユーザによって選択された領域となる。つまり、ユーザが選択した領域に含まれるアンテナ１５０が通信可能状態となるので、ユーザは直感的に近距離無線通信を行うことが可能な領域を認識することができる。

　〔実施形態２〕
　次に、本発明の他の実施形態について図７～図９に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　本実施形態では、表示部１８に表示されるコンテンツ画像のうち、画面定義情報において所定の情報が含まれているコンテンツ画像の表示領域に含まれるアンテナ１５０のみを通信可能状態とする構成について説明する。

　（アンテナ制御処理の具体例）
　まず、図７および図８を参照して本実施形態に係るアンテナ制御処理の具体例について説明する。図７の（ａ）～（ｃ）は、本実施形態のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は（ｃ）に続いて実行される処理を示す概略図である。また、図８の（ａ）は、図７に示すコンテンツ画像を表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｂ）は、スマートフォン１０から情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、情報処理装置１が処理を実行した後にスマートフォン１０に送信する設定情報を示す図である。

　図７の（ｄ）に示すように、本実施形態では、サーバ２０が有しているデータ（例えば、写真データＡ）を、近距離無線通信を用いてスマートフォン１０にて取得する例を説明する。つまり、本実施形態において情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、データ取得のためのアプリケーション３１を実行し、当該アプリケーション３１に関する画面を表示装置１１に表示する。

　図７の（ａ）に示すように、アプリケーション実行部２１は、データ取得のための処理（以下、データ取得処理）を実行する前においては、すべてのアンテナ１５０を通信不可能状態とするようアンテナ制御部２４に指示しておく。

　続いて、データ取得処理の実行を示すタッチ情報を取得すると、アプリケーション実行部２１は、データを取得するためのコンテンツ画像１７３およびコンテンツ画像１７４を表示部１８に表示するために、表示制御部２２に画面定義情報を供給する。ここで、コンテンツ画像１７３は、近距離無線通信によるデータ取得のためにスマートフォン１０を近接させる位置を示す画像である。コンテンツ画像１７４は当該画像にスマートフォン１０を近づけても近距離無線通信を行なえない画像である。例えば、当該アプリケーション３１の説明を示す画像、または取得する写真データＡのサムネイル画像であるが、特に限定されるものではない。

　表示制御部２２は、図７の（ｂ）に示すように、コンテンツ画像１７３およびコンテンツ画像１７４を表示する。具体的には、表示制御部２２は、図８の（ａ）に示すようなスクリプトに応じた処理を実行することにより、表示部１８にコンテンツ画像１７３およびコンテンツ画像１７４を表示させる。なお、図８の（ａ）に示すスクリプトは一例であり、画面定義情報はこの例に限定されるものではない。

　また、アプリケーション実行部２１は画面定義情報を領域特定部２３にも供給する。領域特定部２３は、当該画面定義情報を参照して、コンテンツ画像１７３の表示領域をアンテナ表示領域として特定する。そして、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　ここで、領域特定部２３がコンテンツ画像１７３の表示領域を通信可能領域と特定する処理の詳細について説明する。図８の（ａ）において、文字列２０１が、コンテンツ画像１７４を表示するための文字列であり、文字列２０２が、コンテンツ画像１７３を表示するための文字列である。文字列２０２には文字列２０１と異なり、ｄａｔａタグが含まれる。つまりコンテンツ画像１７３は、当該ｄａｔａタグに挟まれた文字列が示す処理を、近距離無線通信を用いて実行するための画像である。具体的には、文字列２０２の３行目に記載された「http://xxx/xxx/」のＵＲＬで示されるサーバ２０のフォルダに格納されている、「data1.jpg」で示される写真データＡを取得する処理を実行するための画像である。さらに具体的には、コンテンツ画像１７３の領域内に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０が近接したとき、図８の（ｂ）に示す、スマートフォン１０における所定のフォルダを示す設定情報をスマートフォン１０から取得し、当該変更情報を、図８の（ｃ）に示すように、「data1.jpg」で示される写真データＡをスマートフォン１０における所定のフォルダに送る処理を実行するように変更し、スマートフォン１０に送信する処理を実行するための画像である。

　領域特定部２３は、画面定義情報からｄａｔａタグを検索し、当該ｄａｔａタグを含む文字列２０２によって表示されるコンテンツ画像１７３の表示領域を、通信可能領域と特定する。つまりｄａｔａタグは、ｄａｔａタグを含む文字列によって表示されるコンテンツ画像の表示領域に含まれるアンテナの状態を、情報の送受信が可能な状態とするための状態特定情報でもある。なお、状態特定情報はｄａｔａタグに限定されるものではない。また領域特定部２３は、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域、すなわち図７の（ｂ）に示すコンテンツ画像１７３の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　そして、図７の（ｃ）に示すように、ユーザがコンテンツ画像１７３の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０を近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０から設定情報を取得する。具体的には、当該アンテナ１５０は図８の（ｂ）に示すような、スマートフォン１０における所定のフォルダを示す設定情報を取得し、情報処理装置１のアンテナ制御部２４に出力する。アンテナ制御部２４は取得した設定情報とともに、当該設定情報を取得したアンテナ１５０の位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。なお、設定情報は図８の（ｂ）の例に限定されるものではない。

　アプリケーション実行部２１は、受け付けた設定情報に対して処理を実行する。具体的には、受け付けた位置情報が示す位置に表示されているコンテンツ画像１７３に応じて、受け付けた設定情報を変更する。さらに具体的には、アプリケーション実行部２１は、設定情報を図８の（ｃ）のように、「data1.jpg」で示される写真データＡをスマートフォン１０における所定のフォルダに送る処理を実行するように変更する。そして、アプリケーション実行部２１は、変更した設定情報をＮＦＣ通信部１５およびＮＦＣタグ１１０を介した近距離無線通信を用いて、スマートフォン１０に送信する。なお、変更後の設定情報は図８の（ｃ）の例に限定されるものではない。なお、本実施形態において情報処理装置１およびスマートフォン１０は、サーバ２０をあらかじめ特定しているものとする。そのため、変更後の設定情報にサーバ２０のＵＲＬなどが含まれなくても、処理が実行可能となっている。

　これにより、図７の（ｄ）に示すように、スマートフォン１０は、サーバ２０から写真データＡを取得し、所定のフォルダに格納することができる。なお、当該取得はサーバ２０からスマートフォン１０への移動（サーバ２０からデータが削除される）であってもよいし、コピー（サーバ２０にデータが残る）であってもよい。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図９を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図９は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、スマートフォン１０におけるステップＳ３１～ステップＳ３４までの処理は、実施形態１にて説明したステップＳ１１～ステップＳ１４までの処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。

　まず、アプリケーション実行部２１から画面定義情報を供給された表示制御部２２は、当該画面定義情報に応じて、ｄａｔａタグを有するコンテンツ画像を表示する（Ｓ２１）。具体的には、表示制御部２２は、コンテンツ画像１７３を表示する。なお、本実施形態において表示制御部２２は、ｄａｔａタグを有しないコンテンツ画像１７４をコンテンツ画像１７３とともに表示する。

　続いて、アプリケーション実行部２１から画面定義情報を供給された領域特定部２３は、当該画面定義情報を参照して、ｄａｔａタグを有するコンテンツ画像が表示された領域を特定する（Ｓ２２）。具体的には、領域特定部２３は、供給された画面定義情報からｄａｔａタグを検索し、当該ｄａｔａタグを含む文字列２０２によって表示されるコンテンツ画像１７３の表示領域を、通信可能領域と特定する。そして、領域特定部２３は特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域内のアンテナを特定し、特定したアンテナ１５０を通信可能状態とし、それ以外のアンテナを通信不可能状態とする（Ｓ２３）。

　これにより、表示装置１１のＮＦＣ通信部１５において、通信可能状態のアンテナ１５０は、スマートフォン１０が備えるＮＦＣタグ１１０の検知を待機する状態となっている（Ｓ２４）。ここで、通信可能状態のアンテナ１５０がＮＦＣタグ１１０を検知すると（Ｓ２４でＹＥＳ）、ＮＦＣ通信部１５は、通信可能状態のアンテナ１５０によって設定情報を取得し、アンテナ制御部２４に設定情報を送信する。アンテナ制御部２４は設定情報を取得すると（Ｓ２５）、受信した設定情報とともに、当該設定情報を取得したアンテナ１５０の位置を特定し、特定した位置を示す位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。

　アプリケーション実行部２１は、設定情報および位置情報を供給されると、ＮＦＣタグ１１０を検知したアンテナの位置に表示されているコンテンツ画像１７３に基づいて設定情報を変更する（Ｓ２６）。具体的には、アプリケーション実行部２１は供給された位置情報が示す位置に表示されたコンテンツ画像１７３を特定する。そして、特定されたコンテンツ画像１７３に応じて設定情報を変更する。さらに具体的には、図８の（ｃ）に示すように、設定情報を「data1.jpg」で示される写真データＡをスマートフォン１０における所定のフォルダに送る処理を実行するように変更する。

　なお、本実施形態では、どのアンテナ１５０で設定情報を取得したとしても、アプリケーション実行部２１は同じ処理を実行する。そのためアンテナ制御部２４は、取得した設定情報のみをアプリケーション実行部２１に供給してもよい。

　そして、アプリケーション実行部２１は変更した設定情報をスマートフォン１０に送信する（Ｓ２７）。具体的には、アプリケーション実行部２１は、ＮＦＣ通信部１５を介した近距離無線通信によって、変更した設定情報をスマートフォン１０に送信する。

　これにより、スマートフォン１０は、サーバ２０から写真データＡを取得し、所定のフォルダに格納することができる。つまりユーザは、スマートフォン１０をコンテンツ画像１７３が示す位置に近接させるだけで、近距離無線通信によって所望するデータをサーバ２０から取得することができる。

　なお、画面定義情報において、ｄａｔａタグを含む文字列が複数あってもよい。すなわち、当該コンテンツ画像の表示領域に含まれるアンテナ１５０が通信可能状態となるようなコンテンツ画像が、表示部１８に複数表示されてもよい。また、アプリケーション実行部２１は、サーバ２０からデータを取得する処理に加えて、当該データの代金を支払う課金処理を実行してもよい。なお、近距離無線通信を用いた課金処理については、既存の技術を適用可能であるため、ここでの詳細な説明を省略する。

　（実施形態２に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、ｄａｔａタグを有するコンテンツ画像１７３の表示領域を通信可能領域として特定する。これにより、近距離無線通信を用いた処理が規定された画像の表示領域を通信可能領域として特定することができる。よって、近距離無線通信を用いた処理が可能な位置のアンテナ１５０のみが通信可能状態となるので、それ以外のアンテナ１５０にスマートフォン１０を近接させても近距離無線通信は行われない。よって、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　〔実施形態３〕
　続いて、本発明のさらに別の実施形態について図１０～図１２に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　本実施形態では、近距離無線通信を用いて、あるユーザが有するデータを別のユーザが取得する構成について説明する。具体的なユースケースとしては例えば、第１のユーザが所有する複数の写真データを表示装置１１に表示して、第２のユーザが当該表示された写真データの中から所望する写真データを取得するといったケースが考えられる。

　（アンテナ制御処理の具体例）
　まず、図１０および図１１を参照して本実施形態に係るアンテナ制御処理の具体例について説明する。図１０の（ａ）～（ｃ）は、本実施形態のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は（ｃ）に続いて実行される処理を示す概略図である。また、図１１の（ａ）は、図１０に示す写真データ１７５を表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｂ）は、スマートフォン１０Ａから情報処理装置に送信される設定情報を示す図であり、（ｃ）は、スマートフォン１０Ａと近距離無線通信を行った後に、情報処理装置が処理する設定情報を示す図であり、（ｄ）は、図１０に示す写真データを表示するためのスクリプトの具体例を示す図であり、（ｅ）は、スマートフォン１０Ｂと近距離無線通信を行った後に、情報処理装置が処理する設定情報を示す図である。

　図１０の（ｄ）に示すように、本実施形態では、オンラインストレージ用のサーバ２０において第１のユーザのフォルダ２０ａに保管されている、第１のユーザが所有する複数の写真データ１７５のうち、第２のユーザが所望する写真データ１７５ａをサーバ２０における第２のユーザのフォルダ２０ｂにコピーする例を説明する。つまり、本実施形態において情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、写真データ取得のためのアプリケーション３１を実行する。

　アプリケーション実行部２１はまず、第１のユーザが所有する写真データ１７５を表示装置１１に表示する処理を実行する。図１０の（ａ）に示すように、アプリケーション実行部２１は、すべてのアンテナ１５０を通信可能状態とするようアンテナ制御部２４に指示する。アンテナ制御部２４は、当該指示を受けてすべてのアンテナ１５０を通信可能状態とする。

　この状態で、第１のユーザが自身のスマートフォン１０Ａをいずれかのアンテナ１５０に近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０ＡのＮＦＣタグ１１０から設定情報を取得する。以降、設定情報を区別するために、スマートフォンＡにおける設定情報を第１の設定情報、スマートフォンＢにおける設定情報を第２の設定情報と称する。具体的には、当該アンテナ１５０は図１１の（ａ）に示すような設定情報を第１の設定情報として取得し、情報処理装置１のアンテナ制御部２４に出力する。アンテナ制御部２４は取得した第１の設定情報をアプリケーション実行部２１に供給する。なお、本実施形態における第１の設定情報は、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第１のユーザのアカウントを示す情報である。具体的には第１の設定情報において、第１のユーザのアカウントは「account=a」で示されている。ただし、第１の設定情報は図１１の（ａ）の例に限定されるものではない。

　アプリケーション実行部２１は、受け付けた第１の設定情報に対して処理を実行する。具体的には、アプリケーション実行部２１は、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第１のユーザのアカウントを特定し、第１のユーザがフォルダ２０ａに保存している複数の写真データ１７５のリストを表示する処理を実行するように、第１の設定情報を図１１の（ｃ）のように変更する。そして、変更した第１の設定情報に基づいて処理を実行し、特定したフォルダ２０ａに保存されている写真データ１７５のリストを表示する。具体的には、アプリケーション実行部２１は、写真データ１７５のリストを表示部１８に表示するために、表示制御部２２に画面定義情報を供給する。このとき、アプリケーション実行部２１はアンテナ位置情報３２を参照し、画面定義情報を１つの写真データ１７５の表示領域に１つのアンテナ１５０が含まれるようなものとする。なお、上述したように１つの写真データ１７５の表示領域に１つのアンテナ１５０が含まれるようにしているのは一例であり、１つの写真データ１７５の表示領域に複数のアンテナ１５０が含まれるようにしてもよい。

　表示制御部２２は、図１０の（ｂ）に示すように、写真データ１７５のリストを表示する。具体的には、表示制御部２２は、図１１の（ｄ）に示すようなスクリプトに応じた処理を実行することにより、表示部１８に写真データ１７５を表示する。ここで、図１０の（ｂ）において、一番上の行における一番左の写真データ１７５が、図１１の（ｄ）において「photo=1」で示される写真データ１７５である。そして、「photo=2」で示される写真データ１７５は、「photo=1」で示される写真データ１７５の１つ右に表示された写真データ１７５である。同様にして「photo=3」以降の写真データ１７５も表示される。なお、図１１の（ｄ）では、「photo=4」以降の記載は省略している。

　また、図１０の（ｂ）に示すように、奇数行にのみ写真データ１７５を配置しているのは一例であり、写真データ１７５を偶数行や任意の位置に配置してもよい。また、図１１の（ｄ）に示すスクリプトは一例であり、画面定義情報はこの例に限定されるものではない。

　また、アプリケーション実行部２１は画面定義情報を領域特定部２３にも供給する。領域特定部２３は、当該画面定義情報を参照して、写真データ１７５の表示領域をアンテナ表示領域として特定する。そして、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域、すなわち図１０の（ｂ）に示すように、写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　そして、図１０の（ｃ）に示すように、第２のユーザが写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０Ｂを近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０ＢのＮＦＣタグ１１０から第２の設定情報を取得する。具体的には、当該アンテナ１５０は図１１の（ｂ）に示すような第２の設定情報を取得し、情報処理装置１のアンテナ制御部２４に出力する。アンテナ制御部２４は取得した第２の設定情報とともに、当該第２の設定情報を取得したアンテナ１５０の位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。なお、本実施形態における第２の設定情報は、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第２のユーザのアカウントを示す情報である。具体的には第２の設定情報において、第２のユーザのアカウントは「account=b」で示されている。ただし、第２の設定情報は図１１の（ｂ）の例に限定されるものではない。

　アプリケーション実行部２１は、受け付けた第２の設定情報に対して処理を実行する。具体的には、受け付けた位置情報が示す位置に表示されている写真データ１７５に応じて、受け付けた第２の設定情報を変更する。さらに具体的には、アプリケーション実行部２１は、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第２のユーザのアカウントを特定し、第２のユーザのフォルダ２０ｂに、「photo=13」で示される写真データ１７５ａをコピーする処理を実行するように、設定情報を図１１の（ｅ）のように変更する。そして、変更した第２の設定情報に基づいて、サーバ２０に、写真データ１７５ａをフォルダ２０ｂにコピーする処理を実行させる。

　これにより、フォルダ２０ａに格納されている写真データ１７５ａが、フォルダ２０ｂにコピーされる。つまり、第２のユーザは、第１のユーザが所有する写真データ１７５ａを取得することができる。

　なお、上述したように本実施形態では、写真データ１７５はサーバ２０（詳細には、第１のユーザのフォルダ２０ａ）に格納されているが、この例に限定されるものではない。例えば、写真データ１７５はスマートフォン１０Ａに格納されているものであってもよく、この写真データ１７５を設定情報とともに近距離無線通信を用いて情報処理装置１に供給してもよい。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図１２を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図１２は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図１２においては、スマートフォン１０Ａを第１のスマートフォン、スマートフォン１０Ｂを第２のスマートフォンと記載しているが、ここではスマートフォン１０Ａおよびスマートフォン１０Ｂと記載する。

　まず、第１のユーザは、自身のスマートフォン１０ＡのＮＦＣタグ１１０に第１の設定情報を設定しておく（Ｓ４１）。具体的には、アプリケーション実行部１３０の指示に応じて、情報設定部１２０が、図１１の（ａ）に示す、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第１のユーザのアカウントを示す情報をＮＦＣタグ１１０に設定する。これにより、ＮＦＣタグ１１０は、アンテナ１５０に近接することで、第１の設定情報を送信することができる状態となる（Ｓ４２）。

　また、第２のユーザも、自身のスマートフォン１０ＢのＮＦＣタグ１１０に第２の設定情報を設定しておく（Ｓ６１）。具体的には、アプリケーション実行部１３０の指示に応じて、情報設定部１２０が、図１１の（ｂ）に示す、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第２のユーザのアカウントを示す情報をＮＦＣタグ１１０に設定する。これにより、ＮＦＣタグ１１０は、アンテナ１５０に近接することで、第２の設定情報を送信することができる状態となる（Ｓ６２）。

　一方、情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、アンテナ制御部２４に指示して、すべてのアンテナ１５０を通信可能状態としておく。そして、スマートフォン１０ＡのＮＦＣタグ１１０が通信可能状態のアンテナ１５０に近接することで（Ｓ４２でＹＥＳ）、当該アンテナ１５０がＮＦＣタグ１１０を検知すると（Ｓ５１でＹＥＳ）、ＮＦＣタグ１１０から当該アンテナ１５０を介して情報処理装置１に第１の設定情報が送信される（Ｓ４３）。具体的には、ＮＦＣ通信部１５は、通信可能状態のアンテナ１５０によって第１の設定情報を取得すると、アンテナ制御部２４に第１の設定情報を送信する。アンテナ制御部２４は第１の設定情報を取得すると（Ｓ５２）、受信した第１の設定情報をアプリケーション実行部２１に供給する。

　アプリケーション実行部２１は、第１の設定情報を供給されると、当該第１の設定情報が示すアカウントのフォルダ２０ａに格納された写真を、それぞれアンテナの位置に合わせて表示する（Ｓ５３）。具体的には、アプリケーション実行部２１は、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第１のユーザのアカウントを特定し、第１のユーザがフォルダ２０ａに保存している複数の写真データ１７５のリストを表示する処理を実行するように、第１の設定情報を図１１の（ｃ）のように変更する。そして、変更した設定情報に応じた処理を実行した結果として、写真データ１７５のリストを表示するために、図１１の（ｄ）に示す画面定義情報を表示制御部２２に供給する。またこのとき、アプリケーション実行部２１は、アンテナ位置情報３２を参照し、画面定義情報を１つの写真データ１７５の表示領域に１つのアンテナ１５０が含まれるようなものとする。なお、アプリケーション実行部２１は、画面定義情報を領域特定部２３にも供給する。そして、表示制御部２２は、供給された画面定義情報に応じて、写真データ１７５のリストを表示する。上述したように画面定義情報は、１つの写真データ１７５の表示領域に１つのアンテナ１５０が含まれるようなものとなっているので、写真データ１７５は、各アンテナ１５０の位置に合わせて表示される。

　続いて、領域特定部２３は、写真が表示される領域を特定する（Ｓ５４）。具体的には、領域特定部２３は、供給された画面定義情報に応じて、写真データ１７５が表示される領域を通信可能領域として特定する。そして、領域特定部２３は特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域内のアンテナを特定し、特定したアンテナ１５０を通信可能状態とし、それ以外のアンテナを通信不可能状態とする（Ｓ５５）。

　これにより、表示装置１１のＮＦＣ通信部１５において、通信可能状態のアンテナ１５０は、スマートフォン１０Ｂが備えるＮＦＣタグ１１０の検知を待機する状態となっている（Ｓ５６）。ここで、スマートフォン１０ＢのＮＦＣタグ１１０が通信可能状態のアンテナ１５０に近接することで（Ｓ６２でＹＥＳ）、当該アンテナ１５０がＮＦＣタグ１１０を検知すると（Ｓ５６でＹＥＳ）、ＮＦＣタグ１１０から当該アンテナ１５０を介して情報処理装置１に第２の設定情報が送信される（Ｓ６３）。具体的には、ＮＦＣ通信部１５は、通信可能状態のアンテナ１５０によって第２の設定情報を取得すると、アンテナ制御部２４に第２の設定情報を送信する。アンテナ制御部２４は第２の設定情報を取得すると（Ｓ５７）、受信した第２の設定情報とともに、当該第２の設定情報を取得したアンテナ１５０の位置を特定し、特定した位置を示す位置情報をアプリケーション実行部２１に供給する。

　アプリケーション実行部２１は、第２の設定情報および位置情報を供給されると、第２の設定情報が示すアカウントのフォルダ２０ｂに、ＮＦＣタグ１１０を検知したアンテナ１５０の位置に表示されている写真データ１７５をコピーする（Ｓ５８）。具体的には、アプリケーション実行部２１は、第２の設定情報から、事業者がサーバ２０を用いて運営するオンラインストレージサービスにおける第２のユーザのアカウントを特定する。さらに、供給された位置情報が示す位置に表示された写真データ１７５を特定する。そして、特定された写真データ１７５を示す文字列（図１１の（ｅ）における「photo=13」）を用いて第２の設定情報を変更する。そして、図１１の（ｅ）に示すように第２の設定情報を変更し、サーバ２０に、フォルダ２０ａに格納されている写真データ１７５ａ（「photo=13」で示される写真データ）を、フォルダ２０ｂにコピーする処理を実行させる。

　（実施形態３に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、各写真データ１７５の表示領域を通信可能領域として特定する。これにより、写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０が通信可能状態となり、それ以外のアンテナ１５０が通信不可能状態となる。換言すれば、写真データ１７５が表示されていない領域にあるアンテナ１５０は通信不可能状態となるので、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　なお、本実施形態に係る情報処理装置１は、スマートフォン１０から受信した設定情報に対する応答を、スマートフォン１０に送信しない。そのため、本実施形態にて行われる近距離無線通信は例えば、ＲＦタグが備えられたスマートフォンとＲＦタグリーダが備えられた表示装置とを用いた近距離無線通信であってもよい。

　〔実施形態４〕
　次に、実施形態４について図１３および図１４に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　実施形態３では、表示装置１１に表示された写真データ１７５の表示領域内のアンテナ１５０はすべて通信可能状態となっていた。本実施形態では、写真データ１７５に対応付けられた属性情報に応じて、写真データ１７５の表示領域内のアンテナ１５０の状態が変わる例について説明する。

　図１３の（ａ）は、本実施形態における写真データの表示の一例を示す図であり、図１３の（ｂ）は（ａ）に示す写真データを表示するためのスクリプトの具体例を示す図である。

　サーバ２０（フォルダ２０ａ）に格納されている各写真データには、当該写真データを他人に譲渡してもよいか否かを示す属性情報が対応付けられている。アプリケーション実行部２１は、フォルダ２０ａに格納されている写真データを表示部１８に表示するための画面定義情報を生成するとき、当該属性情報を参照して、各写真データを他人が取得可能か否かを示す文字列を含む画像表示方法を生成する。具体的には、図１３の（ｂ）に示すように、「ａｃｃｅｓｓ＝“”」という文字列を用いる。「“”」の中には、「ｔｒｕｅ」または「ｆａｌｓｅ」が記載されており、「ｔｒｕｅ」が記載されている場合、当該写真データは他人が取得可能な写真データ１７５である。一方、「ｆａｌｓｅ」が記載されている場合、当該写真データは他人が取得不可能な写真データ１７６である。なお、図１３の（ｂ）に示すスクリプトは一例であり、画面定義情報はこの例に限定されるものではない。

　アプリケーション実行部２１は、このような記載がされた画面定義情報を領域特定部２３に供給する。領域特定部２３は、画面定義情報を参照して、「ｔｒｕｅ」が記載された写真データ１７５の表示領域を通信可能領域として特定する。そして、領域特定部２３は、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報を、アンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域、すなわち「ｔｒｕｅ」が記載された写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０のみを通信可能状態とする。一方、「ｆａｌｓｅ」が記載された写真データ１７６の表示領域に含まれるアンテナ１５０、および、写真データの表示領域に含まれないアンテナ１５０は、通信不可能状態とする。

　なお、各写真データを他人が取得可能か否かを示す文字列については、写真データに対応付けられた属性情報をそのまま用いてもよいし、アプリケーション実行部２１が、当該属性情報に応じて、属性情報と異なる文字列を画面定義情報に記載してもよい。

　また、属性情報は譲渡不可な相手を特定するようなものであってもよい。例えば、オンラインストレージのアプリケーションなどにおいて、関係が友人として設定されている相手以外には譲渡不可とするような属性情報であってもよいし、所定の年齢、例えば１８歳未満には譲渡不可とするような属性情報であってもよい。この場合、アプリケーション実行部２１は、スマートフォン１０Ｂの設定情報を取得したときに、第１のユーザと第２のユーザの関係を示す情報や、第２のユーザの年齢を示す情報をサーバ２０から取得する。そして、例えば第２のユーザの年齢が１８歳未満であることを示す情報を取得した場合、領域特定部２３は、当該情報および１８歳未満には譲渡不可とするような属性情報を有する画面定義情報をアプリケーション実行部２１から取得し、１８歳未満には譲渡不可とするような属性情報を有しない写真データの画像表示領域を通信可能領域として特定すればよい。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図１４を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図１４は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、スマートフォン１０Ａおよびスマートフォン１０Ｂにて実行される処理については、図１２と同様であるため、図１４における図示、およびここでの説明を省略する。

　本実施形態において領域特定部２３は、実施形態３と異なり、ａｃｃｅｓｓ＝“ｔｒｕｅ”の属性情報を有する写真が表示される領域を特定する（Ｓ７４）。そして、領域特定部２３は特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　なお、ステップＳ７１～ステップＳ７３、およびステップＳ７５～ステップＳ７８における処理は、図１２におけるステップＳ５１～ステップＳ５３、およびステップＳ５５～ステップＳ５８における処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　（実施形態４に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、他人が取得できない写真データ１７６の表示領域を通信可能領域として特定しないため、写真データ１７６の表示領域に含まれるアンテナ１５０は、通信不可能状態となる。これにより、第２のユーザが誤って写真データ１７６の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０Ｂを近接させても、近距離無線通信が行われないので、第２のユーザが写真データ１７６を取得することはない。よって、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　〔実施形態５〕
　次に、実施形態５について図１５および図１６に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　本実施形態および後述する実施形態６では、表示部１８に表示された画像の表示領域と、ユーザのタッチ操作によって選択された領域とに応じて、通信可能領域を特定する構成について説明する。

　図１５は、本実施形態のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図である。

　本実施形態におけるアプリケーション実行部２１は、実施形態２と異なり、図１５の（ａ）に示すコンテンツ画像１７４およびコンテンツ画像１７７を表示するための画面定義情報を表示制御部２２に供給する。そして、表示制御部２２は、図１５の（ａ）に示すようにコンテンツ画像１７４およびコンテンツ画像１７７を表示する。

　コンテンツ画像１７７は、図１５の（ａ）に示すように、当該画像の表示領域へのタッチ操作を促す画像である。アプリケーション実行部２１は、コンテンツ画像１７７の表示領域への指示体の接触を示すタッチ情報を受け付けると、コンテンツ画像１７３を表示するための画面定義情報を表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。そして、表示制御部２２は、図１５の（ｂ）に示すように、コンテンツ画像１７７に代えてコンテンツ画像１７３を表示する。

　また、領域特定部２３は、コンテンツ画像１７３を表示するための画面定義情報を供給されると、画面定義情報からｄａｔａタグを検索し、当該ｄａｔａタグを含む文字列によって表示されるコンテンツ画像１７３の表示領域を、通信可能領域と特定する。また領域特定部２３は、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域、すなわち図１５の（ｂ）に示すコンテンツ画像１７３の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　そして、図１５の（ｃ）に示すように、ユーザがコンテンツ画像１７３の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０を近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０から設定情報を取得する。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図１６を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図１６は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、スマートフォン１０にて実行される処理については、図６および図９と同様であるため、図１６における図示、およびここでの説明を省略する。

　アプリケーション実行部２１から画面定義情報を供給された表示制御部２２は、まず、当該画面定義情報に応じてコンテンツ画像１７４およびコンテンツ画像１７７を表示する（Ｓ８１）。そして、コンテンツ画像１７４およびコンテンツ画像１７７が表示された後、タッチ情報を待機する状態となる（Ｓ８２）。ここで、入力部１７が、特定のコンテンツ画像（本実施形態ではコンテンツ画像１７７）に対するタッチ操作を検知し（Ｓ８２でＹＥＳ）、アプリケーション実行部２１がタッチ情報を受け付けると、コンテンツ画像１７３を表示するための画面定義情報を表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。アプリケーション実行部２１から画面定義情報を供給された表示制御部２２は、当該画面定義情報に応じて、コンテンツ画像１７７を、ｄａｔａタグを有するコンテンツ画像１７３に置き換えて表示する（Ｓ８３）。

　なお、ステップＳ８４～ステップＳ８９における処理は、図９におけるステップＳ２２～ステップＳ２７における処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　（実施形態５に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、コンテンツ画像１７７に対するユーザのタッチ操作に応じて、ｄａｔａタグを有するコンテンツ画像１７３を表示するとともに、当該画像の表示領域を通信可能領域として特定する。これにより、通信可能領域はユーザの選択によって表示された領域となるので、ユーザは直感的に近距離無線通信を行うことが可能な領域を認識することができる。

　〔実施形態６〕
　次に、実施形態６について図１７および図１８に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　図１７の（ａ）～（ｃ）は、本実施形態のアンテナ制御処理の流れの一例を示す遷移図であり、（ｄ）は本実施形態におけるアンテナの制御の他の例を示す図である。

　本実施形態における領域特定部２３は、実施形態３と異なり、写真データ１７５を表示するための画面定義情報を供給された時点では、通信可能領域の特定を行わない。つまり、図１７の（ａ）に示すように、表示制御部２２が写真データ１７５を表示部１８に表示した時点では、すべてのアンテナ１５０は通信不可能状態となっている。

　ここで、本実施形態のアプリケーション実行部２１は、タッチ情報を時系列で保持する。そして、一定期間にわたって連続で入力されたタッチ操作の軌跡を特定する。つまり、アプリケーション実行部２１は、図１７の（ｂ）に示すような、範囲を指定するドラッグ操作の軌跡を特定し、当該ドラッグ操作によって選択された選択領域Ｂの表示を他の領域と異ならせる（例えば、当該領域の色を変える）ための画面定義情報である選択領域表示情報を生成し、表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。そして、表示制御部２２は、供給された選択領域表示情報に応じて、選択領域Ｂの表示を他の領域と異ならせる。

　領域特定部２３は、選択領域表示情報を供給されると、既に供給されていた画面定義情報と当該選択領域表示情報とを参照して、選択領域Ｂに含まれる写真データ１７５の表示領域を、通信可能領域として特定する。また領域特定部２３は、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　アンテナ制御部２４は、供給されたアンテナ制御情報が示す通信可能領域、すなわち図１７の（ｂ）に示す、選択領域Ｂ中の写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とし、含まれないアンテナ１５０の状態を通信不可能状態とする。

　そして、図１７の（ｃ）に示すように、ユーザが選択領域Ｂ中の写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０にスマートフォン１０を近づけた場合、当該アンテナ１５０はスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０から設定情報を取得する。

　なお、領域特定部２３は、選択領域Ｂを通信可能領域としてもよい。この場合、アンテナ制御部２４は、図１７の（ｄ）に示すように、選択領域Ｂに含まれるアンテナ１５０の状態を通信可能状態とする。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図１８を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図１８は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、スマートフォン１０Ａおよびスマートフォン１０Ｂにて実行される処理については、図１２と同様であるため、図１８における図示、およびここでの説明を省略する。

　本実施形態におけるアプリケーション実行部２１は、実施形態３と異なり、写真データ１７５のリストが表示された後、タッチ情報を待機する状態となる（Ｓ９４）。ここで、入力部１７が表示された写真データ１７５を含む範囲を選択するタッチ操作（ドラッグ操作）を検知し（Ｓ９４でＹＥＳ）、アプリケーション実行部２１がタッチ情報を受け付けると、選択された範囲である選択領域Ｂの表示を他の領域と異ならせるための画面定義情報である選択領域表示情報を生成し、表示制御部２２および領域特定部２３に供給する。そして、表示制御部２２は、供給された選択領域表示情報に応じて、選択領域Ｂの表示を他の領域と異ならせる。

　続いて、領域特定部２３は、選択された範囲内において、写真が表示された領域を特定する（Ｓ９５）。具体的には、領域特定部２３は、選択領域表示情報を供給されると、既に供給されていた画面定義情報と当該選択領域表示情報とを参照して、選択領域Ｂに含まれる写真データ１７５の表示領域を、通信可能領域として特定する。そして領域特定部２３は、特定した通信可能領域を示すアンテナ制御情報をアンテナ制御部２４に供給する。

　なお、ステップＳ９１～ステップＳ９３、およびステップＳ９６～ステップＳ９９における処理は、図１２におけるステップＳ５１～ステップＳ５３、およびステップＳ５５～ステップＳ５８における処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　（実施形態６に係る発明の作用効果）
　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１は、選択領域Ｂに含まれる写真データ１７５の表示領域を通信可能領域とする。ここで、選択領域Ｂは第２のユーザによって選択された領域であり、当該領域に含まれる写真データ１７５は第２のユーザが取得したい写真データ１７５であると考えられる。つまり、第２のユーザが取得したい写真データ１７５の表示領域に含まれるアンテナ１５０のみを通信可能状態とすることができる。これにより、第２のユーザが誤って別のアンテナ１５０にスマートフォン１０Ｂを近接させても、近距離無線通信は行われないので、第２のユーザが所望しない写真データ１７５を取得することはない。よって、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　〔実施形態７〕
　続いて、本発明のさらに別の実施形態について図１９および図２０に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　実施形態１および２では、近距離無線通信によってスマートフォン１０から設定情報が表示装置１１および情報処理装置１に送信され、情報処理装置１が変更した変更後の設定情報が、近距離無線通信によってスマートフォン１０に送信されていた。つまり、スマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０と、表示装置１１のＮＦＣ通信部１５（詳細には、アンテナ１５０）とは、双方向の近距離無線通信を行う構成であった。

　これに対して、本実施形態では、ＮＦＣタグ１１０とＮＦＣ通信部１５とが、ＮＦＣタグ１１０からＮＦＣ通信部１５への単方向の近距離無線通信を行う構成について説明する。なお、本実施形態では実施形態１を単方向の近距離無線通信を行う構成に変更した例を説明し、後述する実施形態８では、実施形態２を単方向の近距離無線通信を行う構成に変更した例を説明する。

　（近距離無線通信システム２００）
　まず、図１９を参照して、近距離無線通信システム２００について説明する。図１９は、近距離無線通信システム２００の一例を示す概略図である。

　図１９に示すように、近距離無線通信システム２００は、情報処理装置１、スマートフォン１０、表示装置１１、ＮＦＣ管理サーバ２１０、およびコンテンツ管理サーバ２２０を含む。なお、情報処理装置１、スマートフォン１０、および表示装置１１については、実施形態１にて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。

　ＮＦＣ管理サーバ２１０は、近距離無線通信に関する各種情報を管理するものである。具体的には、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、ＮＦＣタグを備える装置（本実施形態ではスマートフォン１０）のユーザを識別する情報（以降、ユーザアカウントと称する）と、ＮＦＣタグを備える装置（スマートフォン１０）を識別するタグ識別情報とを対応付けて管理している。

　ＮＦＣ管理サーバ２１０は、スマートフォン１０からの設定情報の供給指示とともにタグ識別情報を取得する。ＮＦＣ管理サーバ２１０は、取得したタグ識別情報からユーザアカウントを特定する。そして、特定したユーザアカウントを用いた設定情報を生成し、スマートフォン１０に送信する。

　ここで、本実施形態では、設定情報はＮＦＣ管理サーバ２１０において管理されているユーザアカウントを示す文字列である。なお、設定情報はこの例に限定されず、例えば、ＮＦＣ管理サーバ２１０において、ユーザアカウントと対応付けられたフォルダのフォルダパスやＵＲＬを示す文字列であってもよいし、スマートフォン１０の記憶部１４０における特定領域（フォルダ）を示す文字列（フォルダパスやＵＲＬなど）であってもよい。

　また、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、情報処理装置１から供給された、変更後の設定情報に応じて処理を実行する。変更後の設定情報は、変更前の設定情報に対して、後述するコンテンツ管理サーバ２２０が管理する各種情報の特定、および、特定された情報に対して実行する処理の特定を行うことを示す文字列が追加されたものである。ＮＦＣ管理サーバ２１０は、供給された変更後の設定情報から、コンテンツ管理サーバ２２０が管理する情報（以降、コンテンツ）と、コンテンツに対して実行すべき処理を特定し、コンテンツに対して処理を実行する。例えばＮＦＣ管理サーバ２１０は、ユーザアカウントと、ＵＲＬが変更後の設定情報に追加されているＷｅｂページのＵＲＬとを対応付ける。これにより、スマートフォン１０を用いてＮＦＣ管理サーバ２１０にアクセスすることで、スマートフォン１０にＷｅｂページを表示することができるようになる。なお、ＮＦＣ管理サーバ２１０が特定するコンテンツおよびコンテンツに対して実行される処理の具体例は、上述したものに限定されない。

　そして、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、コンテンツ情報に対して処理を実行したことをスマートフォン１０に通知する。

　コンテンツ管理サーバ２２０は、情報処理装置１が実行するアプリケーションに応じた各種情報を管理するものである。コンテンツ管理サーバ２２０は、インターネット網３０を介して、各種情報を情報処理装置１に送信する。例えば、コンテンツ管理サーバ２２０はＷｅｂサイトを保持、運用していてもよい。情報処理装置１は、Ｗｅｂサイト閲覧用のアプリケーションを実行することで、表示装置１１に上記Ｗｅｂサイトを表示することができる。

　なお、ＮＦＣ管理サーバ２１０の機能とコンテンツ管理サーバ２２０の機能とを、１つのサーバが有していてもよい。

　（近距離無線通信システム２００における処理の流れ）
　ここで、図１９を参照して、近距離無線通信システム２００における各装置の処理の流れ、および装置間でやり取りされる情報の詳細について説明する。なお、図１９は、スマートフォン１０がＮＦＣ管理サーバ２１０から設定情報を受信し、ＮＦＣタグ１１０に当該設定情報を設定した後の処理を示している。

　まず、スマートフォン１０から表示装置１１に対して、近距離無線通信（ＮＦＣ）によって設定情報が送信される。具体的には、ユーザがスマートフォン１０を表示装置１１に近接させることで、表示装置１１が備えるＮＦＣ通信部１５（詳細には、アンテナ１５０）とＮＦＣタグ１１０との間で近距離無線通信が実行される。これにより、スマートフォン１０から表示装置１１に対して設定情報が送信される。表示装置１１は、受信した設定情報を情報処理装置１に出力する。

　情報処理装置１は、受信した設定情報を、ＮＦＣタグ１１０を検知したアンテナ１５０の位置に基づいて変更する。そして、変更後の設定情報をＮＦＣ管理サーバ２１０に送信する。

　ＮＦＣ管理サーバ２１０は、受信した変更後の設定情報に基づいて、コンテンツとユーザアカウントとを対応付ける。本実施形態では、コンテンツ管理サーバ２２０が管理しているＷｅｂサイト（例えば、美術館のＷｅｂページ）とユーザアカウントとを対応付ける。そして、ＮＦＣ管理サーバ２１０は対応付けが完了したことをスマートフォン１０に通知する。

　その後、スマートフォン１０は上記通知を受けたことをユーザに報知する。この報知の方法については特に限定されず、例えば表示部（不図示）に当該通知を受信したことを示す画像や文字列を表示してもよいし、音声出力部（不図示）から、当該通知を受信したことを示す音声を出力してもよい。

　ユーザはスマートフォン１０の入力部（不図示）を操作することで、ＮＦＣ管理サーバ２１０にアクセスする。このとき、ユーザは入力部を操作することで、ユーザアカウントを入力する。ＮＦＣ管理サーバ２１０にてユーザアカウントとコンテンツとが対応付けられているので、ユーザはスマートフォン１０を用いてＮＦＣ管理サーバ２１０にアクセスすることで、コンテンツ（例えば、美術館のＷｅｂページ）をスマートフォン１０にて閲覧することができる。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図２０を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図２０は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、図２０において表示装置１１は、第１階層１７０を表示した状態となっているものとする。

　まず、ユーザは自身のスマートフォン１０のＮＦＣタグ１１０に設定情報を設定する。スマートフォン１０のアプリケーション実行部１３０は、ＮＦＣ管理サーバ２１０に設定情報を供給するよう指示するとともに、タグ識別情報を送信する。ＮＦＣ管理サーバ２１０は、当該指示およびタグ識別情報を受信すると、受信したタグ識別情報と対応付けられたユーザアカウントを特定し、当該ユーザアカウントを示す文字列である設定情報を生成する。そして、スマートフォン１０に設定情報を送信する（Ｓ１２１）。

　スマートフォン１０は、ＮＦＣ管理サーバ２１０から設定情報を受信すると（Ｓ１１１）、ＮＦＣタグ１１０に設定情報を設定する（Ｓ１１２）。ステップＳ１１２の詳細については、実施形態１にて説明したステップＳ１１と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　また、ステップＳ１０１～ステップＳ１０７、およびステップＳ１１３～ステップＳ１１４の処理については、実施形態１にて説明したステップＳ１～ステップＳ７、およびステップＳ１２～ステップＳ１３とそれぞれ同様であるため、ここでの説明を省略する。

　続いて、情報処理装置１のアプリケーション実行部２１は、変更後の設定情報をＮＦＣ管理サーバ２１０に送信する（Ｓ１０８）。

　ＮＦＣ管理サーバ２１０は、変更後の設定情報を受信すると（Ｓ１２２）、受信した変更後の設定情報に基づいて、設定情報が示すＵＲＬとユーザアカウントとを対応付ける（Ｓ１２３）。具体的には、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、変更後の設定情報に含まれている、コンテンツ管理サーバ２２０が管理している美術館のＷｅｂページのＵＲＬと、ユーザアカウントとを対応付ける。そして、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、ＵＲＬとアカウントとを対応付けたことをスマートフォン１０に通知する（Ｓ１２４）。

　最後に、スマートフォン１０の通信部（不図示）は、ＮＦＣ管理サーバ２１０から通知を受信する（Ｓ１１５）。以上で、本実施形態に係るアンテナ制御処理は終了する。なお、通知を受信した後の処理については上述したとおりであるため、ここでの説明を省略する。

　〔実施形態８〕
　続いて、本発明のさらに別の実施形態について図１９および図２１に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

　本実施形態では、実施形態２を単方向の近距離無線通信を行う構成に変更した例を説明する。つまり本実施形態では、コンテンツ管理サーバ２２０は、実施形態２のサーバ２０と同様に写真データを管理している。よって、変更後の設定情報は、コンテンツ管理サーバ２２０が管理する写真データを特定、および、特定された写真データとユーザアカウントとを対応付けを行うことを示す文字列となる。

　（アンテナ制御処理の流れ）
　次に、図２１を参照して、アンテナ制御処理の流れについて説明する。図２１は、本実施形態に係るアンテナ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップＳ１３１～ステップＳ１３６の処理は、実施形態２にて説明したステップＳ２１～ステップＳ２６と同様であり、ステップＳ１３７の処理は、実施形態７にて説明したステップＳ１０８と同様であり、ステップＳ１４１～ステップＳ１４５、およびステップＳ１５１の処理は実施形態７にて説明したステップＳ１１１～ステップＳ１１５、およびステップＳ１３１と同様であるため、ここでの説明を省略する。

　ＮＦＣ管理サーバ２１０は、変更後の設定情報を受信すると（Ｓ１５２）、受信した変更後の設定情報に基づいて、設定情報が示す写真データとユーザアカウントとを対応付ける（Ｓ１５３）。具体的には、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、コンテンツ管理サーバ２２０が管理している写真データとユーザアカウントとを対応付ける。そして、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、写真データとアカウントとを対応付けたことをスマートフォン１０に通知する（Ｓ１５４）。

　これにより、ユーザはスマートフォン１０を用いてＮＦＣ管理サーバ２１０にアクセスすることで、写真データをスマートフォン１０にて閲覧することができる。なお、ＮＦＣ管理サーバ２１０にアクセスすることで、当該写真データをスマートフォン１０内にダウンロードする処理を実行可能であってもよい。

　また、変更後の設定情報は、写真データとユーザアカウントとを対応付ける処理を示すものではなく、写真データをスマートフォン１０にダウンロードする処理を示すものであってもよい。具体的には、ＮＦＣ管理サーバ２１０は、変更後の設定情報に含まれるユーザアカウントからタグ識別情報を特定する。そして、コンテンツ管理サーバ２２０から写真データを取得し、タグ識別情報が示すスマートフォン１０に対して、当該写真データを送信する。

　〔変形例〕
　以下、実施形態１～８の変形例について説明する。

　図２２は、実施形態２の変形例におけるアンテナの制御の他の例を示す図である。図２２において１本の斜線を有するアンテナ１５０は、当該アンテナに対する電力供給が停止している電力停止状態のアンテナ１５０を示す。図２２に示すように、通信不可能状態のアンテナ１５０は、電力停止状態としてもよい。これにより、通信可能状態のアンテナ１５０のみに電力が供給されるので、表示装置１１における消費電力を抑えることができる。なお、図２２は実施形態２の変形例として記載したが、本変形例は他の実施形態にも適用可能である。

　また、通信可能状態のアンテナ１５０の位置を示す表示を、通信不可能状態のアンテナ１５０の位置と区別できるような表示としてもよい。例えば、通信可能状態のアンテナ１５０がある位置において、アンテナ１５０の形状に合わせた領域を所定の色で点灯させてもよい。これにより、通信不可能状態のアンテナ１５０がある位置は点灯しないので、例えば通信可能状態となるべき位置のアンテナ１５０が故障などで通信不可能状態となっている場合でも、ユーザは当該アンテナが通信不可能状態であることを認識できる。よって、ユーザが近距離無線通信による情報の送受信ができないアンテナ１５０にスマートフォン１０を近接させることがなくなる。

　さらに、領域特定部２３は、ユーザの操作によって現在選択されている画像や、現在ユーザの操作を受け付ける状態となっている画像の領域を示す情報を、ＯＳ（operating system）を制御する部材（不図示）から取得し、当該領域の中から通信可能領域を特定してもよい。これにより、画面定義情報が現在選択されている画像やユーザの操作を受け付ける状態となっている画像と、他の画像とを異ならせて表示するようなものでなくても、ユーザの操作によって現在選択されている画像や、現在ユーザの操作を受け付ける状態となっている画像を特定することができる。

　また、実施形態１～８では、領域特定部２３は、画面定義情報を参照して、メニュー画像の項目、コンテンツ画像、写真データなどの画像の表示領域を通信可能領域として特定していた。この例とは異なり、領域特定部２３は、画面定義情報を参照して、上述したような画像の表示領域以外を通信可能領域として特定してもよい。

　例えば、画面定義情報に「画面にスマートフォンを近づけてください」という文字列の画像（以下、文字列画像と称する）を表示するための情報が含まれているとする。このとき、領域特定部２３は、画面定義情報を参照して、表示部１８における上記文字列画像の表示領域以外の領域を通信可能領域として特定する。これにより、表示部１８における文字列画像の表示領域以外の領域に含まれるアンテナ１５０が通信可能状態となり、文字列画像の表示領域に含まれるアンテナ１５０が通信不可能状態となる。

　また、実施形態１～８では、画像の表示領域を通信可能領域として特定していたが、あるアンテナ１５０に対応する画像が１つに決まる場合、画像の表示領域とアンテナ１５０とが１対１、または１対Ｎ（Ｎは１以上の自然数）で対応するのであれば、画像の表示領域外のアンテナ１５０を含むように通信可能領域を特定してもよい。

　具体的には、ＮＦＣタグ１１０は、アンテナ１５０が出力する電波強度を計測して、最も電波強度の強いアンテナ１５０と近距離無線通信を実行する。つまり、あるアンテナ１５０について、当該アンテナ１５０に最も近い位置に表示領域を有する画像が１つのみ特定できるような位置に当該画像を表示すれば、当該アンテナ１５０とＮＦＣタグ１１０とが近距離無線通信を実行したとき、当該画像に応じた処理が実行される。

　この変形例について、図３を参照してより具体的に説明する。図３の（ｂ）に示す項目１７２の右にあるアンテナ１５０は、表示装置１１（表示部１８）に表示されている複数の項目のうち、項目１７２に最も近いアンテナ１５０であるとも表現できる。つまり、このアンテナ１５０が通信可能状態となった場合、対応する画像は項目１７２となる。

　このような場合に、領域特定部２３は、通信可能領域を項目１７２の領域から広げ、項目１７２の右にあるアンテナ１５０を含むような領域を通信可能領域とする。これにより、通信可能状態となるアンテナ１５０が、画像の表示領域に含まれなくてもよくなるため、アンテナ１５０と画像の表示領域との位置関係の自由度が高くなる。よって、自然な画像の配置が可能となる。

　〔実施形態９〕
　上記各実施形態では、１つの情報処理装置１を用いる例を説明したが、情報処理装置１の有する各機能が、個別の装置にて実現されていてもよい。例えば、情報処理装置１は、アプリケーションを実行し、表示装置１１にアプリケーションの実行結果としての画面を表示するアプリケーション実行装置と、当該画面に含まれる画像の表示領域に応じて、アンテナの状態を制御するアンテナ制御装置とから構成されてもよい。

　〔実施形態１０〕
　情報処理装置１およびスマートフォン１０の各ブロックは、集積回路（ＩＣチップ）等に形成された論理回路（ハードウェア）によって実現してもよいし、ＣＰＵ（Central Processing Unit）を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、情報処理装置１およびスマートフォン１０のそれぞれを、図２３に示すようなコンピュータ（電子計算機）を用いて構成することができる。

　図２３は、情報処理装置１およびスマートフォン１０として利用可能なコンピュータ９１０の構成を例示したブロック図である。コンピュータ９１０は、バス９１１を介して互いに接続された演算装置９１２と、主記憶装置９１３と、補助記憶装置９１４と、入出力インターフェース９１５と、通信インターフェース９１６とを備えている。演算装置９１２、主記憶装置９１３、および補助記憶装置９１４は、それぞれ、例えばＣＰＵ、ＲＡＭ（random access memory）、ハードディスクドライブであってもよい。入出力インターフェース９１５には、ユーザ（契約者）がコンピュータ９１０に各種情報を入力するための入力装置９２０、および、コンピュータ９１０がユーザに各種情報を出力するための出力装置９３０が接続される。入力装置９２０および出力装置９３０は、コンピュータ９１０に内蔵されたものであってもよいし、コンピュータ９１０に接続された（外付けされた）ものであってもよい。例えば、入力装置９２０は、キーボード、マウス、タッチセンサなどであってもよく、出力装置９３０は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどであってもよい。また、タッチセンサとディスプレイとが一体化されたタッチパネルのような、入力装置９２０および出力装置９３０の双方の機能を有する装置を適用してもよい。そして、通信インターフェース９１６は、コンピュータ９１０が外部の装置と通信するためのインターフェースである。なお、通信インターフェース９１６は、近距離無線通信を行うための通信インターフェースを含む。

　補助記憶装置９１４には、情報処理装置１およびスマートフォン１０として動作させるための各種のプログラムが格納されている。そして、演算装置９１２は、補助記憶装置９１４に格納された上記プログラムを主記憶装置９１３上に展開して該プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ９１０を、情報処理装置１およびスマートフォン１０が備える各部として機能させる。なお、補助記憶装置９１４がプログラム等の情報の記録に用いる記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」であればよく、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などであってもよい。

　また、上記プログラムは、コンピュータ９１０の外部から取得してもよく、この場合、任意の伝送媒体（通信ネットワークや放送波等）を介して取得してもよい。そして、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

　〔まとめ〕
　本発明の態様１に係る情報処理装置（１）は、表示部（１８）と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナ（１５０）を有する近距離無線通信部（ＮＦＣ通信部１５）と、を備える表示装置（１１）の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置であって、上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じて、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定部（領域特定部２３）と、上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御部（２４）と、を備える。

　上記の構成によれば、表示部に表示される画面に含まれる要素画像に応じて、表示部の表示領域のうちの特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とする。

　これにより、表示装置の表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じた特定領域に含まれるアンテナでのみ近距離無線通信を行うことができ、その他のアンテナでは近距離無線通信が行われなくなるので、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　なお、上記要素画像とは、画面に含まれる１または複数の画像であり、ユーザに画像として示される画像の他に、ユーザに文字列として示される画像を含む。画像として示される画像とは、例えば写真データなどであり、文字列として示される画像とは、例えば写真データのファイル名などである。

　本発明の態様２に係る情報処理装置は、上記態様１において、上記領域決定部は、上記要素画像のうち、特定の画像が表示される領域を上記特定領域としてもよい。

　上記の構成によれば、要素画像のうち、特定の画像が表示される領域のアンテナでのみ近距離無線通信を行うことができるようになるので、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。また、近距離無線通信が可能な領域に画像を表示するので、ユーザに近距離無線通信が可能な領域を報知することができる。

　本発明の態様３に係る情報処理装置は、上記態様１または２において、上記領域決定部は、上記アンテナを介して近距離無線通信を行うことを示す状態特定情報が対応付けられている上記要素画像が表示される領域を上記特定領域としてもよい。

　上記の構成によれば、要素画像のうち、状態特定情報が対応付けられている画像が表示される領域を特定領域とすることができる。つまり、状態特定情報が対応付けられていない要素画像が表示される領域に含まれるアンテナは、通信不可能状態となる。よって、通信可能状態とする必要があるアンテナのみを通信可能状態とすることができる。

　本発明の態様４に係る情報処理装置は、上記態様１から３のいずれかにおいて、上記領域決定部は、ユーザによる入力操作によって選択された上記要素画像が表示される領域を上記特定領域としてもよい。

　上記の構成によれば、表示される要素画像のうち、ユーザによる入力操作によって選択された要素画像の領域を特定領域とする。換言すれば、表示されている要素画像であっても、ユーザによる入力操作によって選択されていない要素画像の場合は、当該画像の領域を特定領域とせず、当該要素画像の領域に含まれるアンテナの状態を通信不可能状態とする。よって、通信可能状態とするアンテナを必要最小限とすることができる。

　また、ユーザにとっては自身の入力操作によって選択した要素画像の領域に含まれるアンテナが通信可能状態となる。よってユーザは、通信可能状態のアンテナが含まれる領域を容易に認識することができる。

　本発明の態様５に係る情報処理装置は、上記態様１から４のいずれかにおいて、上記領域決定部は、上記要素画像を含む領域であって、ユーザによる入力操作によって選択された領域を上記特定領域としてもよい。

　上記の構成によれば、ユーザによる入力操作によって選択された領域を特定領域とする。つまり、ユーザによる入力操作によって選択された領域において、要素画像が表示された領域に含まれるアンテナと、当該要素画像周辺に配置されたアンテナとが通信可能状態となる。

　これにより、ユーザが近距離無線通信を行う場合、要素画像が表示された領域から少し外れた位置のアンテナであっても、ユーザによる入力操作によって選択された領域に含まれていれば、当該アンテナを用いて近距離無線通信を行うことができる。よって、ユーザにとって利便性の高い近距離無線通信による情報の送受信を実現することができる。

　本発明の態様６に係る情報処理装置は、上記態様１から５のいずれかにおいて、上記表示部はユーザによる入力操作を受け付け可能なタッチパネル（１６）であり、上記領域決定部は、上記タッチパネルによって上記入力操作を受け付けるための上記要素画像が表示される領域を上記特定領域としてもよい。

　上記の構成によれば、タッチパネルによって入力操作（タッチ操作）を受け付けるための要素画像が表示される領域に含まれるアンテナが通信可能状態となる。

　これにより、ユーザによるタッチパネルに対するタッチ操作を受け付ける要素画像が、端末装置などを近接させることで近距離無線通信を実行することができる要素画像となるので、ユーザにとって分かりやすいユーザインターフェースを実現し、ユーザが異なる位置のアンテナに端末装置を近接させてしまうなどといった無駄な動作を防ぐことができる。

　本発明の態様７に係る情報処理装置は、上記態様１から６のいずれかにおいて、上記通信可能状態の上記アンテナに近接した端末装置（スマートフォン１０）に応じて、当該アンテナを含む領域に表示された上記要素画像に対応付けられた処理を実行する処理実行部（アプリケーション実行部２１）をさらに備えてもよい。

　上記の構成によれば、通信可能状態のアンテナに近接した端末装置に応じて、当該端末装置が近接した要素画像に対応付けられた処理を実行することができる。これにより、例えば、近距離無線通信を行ったユーザのみに当該処理の結果に応じた影響を与えることができる。具体例を挙げれば、近距離無線通信を行ったユーザが有している、オンラインストレージサービスのフォルダに、他のユーザの所有する写真データをコピーすることができる。

　本発明の態様８に係る情報処理装置は、上記態様７において、上記処理実行部は、上記要素画像に対応付けられた処理として、上記要素画像に対応付けられた情報を、上記端末装置が近接した上記アンテナを介して上記端末装置に送信してもよい。

　上記の構成によれば、通信可能状態のアンテナに近接した端末装置に、当該アンテナを介して情報を送信するので、ユーザは近接させた端末装置において処理の結果を取得することができる。

　例えば、オンラインストレージサービスのサーバに格納されている写真データを端末装置内に移動またはコピーしたり、表示装置に表示していたＷｅｂページの続きを端末装置にて閲覧したりすることができる。

　本発明の態様９に係る情報処理装置は、上記態様１から８のいずれかにおいて、上記アンテナ制御部は、上記アンテナへの電力供給を停止することで、上記アンテナを上記通信不可能状態としてもよい。

　上記の構成によれば、アンテナを通信不可能状態とする場合、アンテナへの電力供給を停止する。

　これにより、電力が供給されるアンテナは通信可能状態のアンテナのみとなる。よって、アンテナにおける消費電力を抑えることができる。

　本発明の態様１０に係る表示装置は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備え、上記近距離無線通信部は、上記表示部に表示する画面に含まれる要素画像の領域に応じて、各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする。

　上記の構成によれば、複数のアンテナのうち、表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じた特定領域に含まれるアンテナのみが通信可能状態となる。

　これにより、表示部に表示される要素画像に応じた特定領域に含まれるアンテナでのみ近距離無線通信を行うことができ、その他のアンテナでは近距離無線通信が行われなくなるので、ユーザの望まない通信を防ぐことができる。

　本発明の態様１１に係る端末装置は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部とを備え、各アンテナの状態が、通信が可能である通信可能状態または通信が不可能である通信不可能状態である表示装置に対して、上記通信可能状態の上記アンテナに近接して、当該アンテナを介して所定の情報を送信する送信部を備え、上記所定の情報を送信することにより、当該送信に利用した上記アンテナを含む、上記表示部の領域に表示された画面に含まれる要素画像に対応付けられた処理を実行させる。

　上記の構成によれば、自装置が送信する所定の情報に応じて、要素画像に対応付けられた処理を実行させることができる。これにより、例えば、近距離無線通信を行ったユーザのみに当該処理の結果に応じた影響を与えることができる。具体例を挙げれば、近距離無線通信を行ったユーザが有している、オンラインストレージサービスのフォルダに、他のユーザの所有する写真データをコピーさせたり、オンラインストレージサービスのサーバに格納されている写真データを端末装置内に移動またはコピーさせたり、表示装置に表示していたＷｅｂページの続きを端末装置にて閲覧させたりすることができる。

　本発明の態様１２に係る近距離無線通信システム１００は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置と、上記表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置と、を含む近距離無線通信システムであって、上記情報処理装置は、上記表示部に表示された画面に含まれる要素画像の領域に応じて決定される、上記表示部の表示領域のうちの特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とする。

　この近距離無線通信システムによれば、態様１に係る情報処理装置と同様の作用効果を有する。

　本発明の態様１３に係る情報処理装置の制御方法は、表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置の制御方法であって、上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じた、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定ステップ（Ｓ３）と、上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御ステップ（Ｓ４）と、を含む。

　この制御方法によれば、態様１に係る情報処理装置と同様の作用効果を有する。

　本発明の各態様に係る情報処理装置、表示装置、および端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置、表示装置、および端末装置が備える各部（ソフトウェア要素に限る）として動作させることにより上記情報処理装置、表示装置、および端末装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置、表示装置、および端末装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

　本発明は、近距離無線通信を行うためのアンテナの状態を制御する情報処理装置などに利用することができる。

　　　１　情報処理装置
　　１０　スマートフォン（端末装置）
　　１１　表示装置
　　１５　ＮＦＣ通信部（近距離無線通信部）
　　１６　タッチパネル
　　１８　表示部
　　２１　アプリケーション実行部（処理実行部）
　　２３　領域特定部（領域決定部）
　　２４　アンテナ制御部
　１００　近距離無線通信システム
　１１０　ＮＦＣタグ（送信部）
　１５０　アンテナ
　　Ｓ３　領域決定ステップ
　　Ｓ４　アンテナ制御ステップ

Claims

　表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置であって、
　上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じて、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定部と、
　上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
　上記領域決定部は、上記要素画像のうち、特定の画像が表示される領域を上記特定領域とすることを特徴とする請求項１に記載の情報処理装置。
　上記領域決定部は、上記アンテナを介して近距離無線通信を行うことを示す状態特定情報が対応付けられている上記要素画像が表示される領域を上記特定領域とすることを特徴とする請求項１または２に記載の情報処理装置。
　上記領域決定部は、ユーザによる入力操作によって選択された上記要素画像が表示される領域を上記特定領域とすることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　上記領域決定部は、上記要素画像を含む領域であって、ユーザによる入力操作によって選択された領域を上記特定領域とすることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　上記表示部はユーザによる入力操作を受け付け可能なタッチパネルであり、
　上記領域決定部は、上記タッチパネルによって上記入力操作を受け付けるための上記要素画像が表示される領域を上記特定領域とすることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　上記通信可能状態の上記アンテナに近接した端末装置に応じて、当該アンテナを含む領域に表示された上記要素画像に対応付けられた処理を実行する処理実行部をさらに備えることを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　上記処理実行部は、上記要素画像に対応付けられた処理として、上記要素画像に対応付けられた情報を、上記端末装置が近接した上記アンテナを介して上記端末装置に送信することを特徴とする請求項７に記載の情報処理装置。
　上記アンテナ制御部は、上記アンテナへの電力供給を停止することで、上記アンテナを上記通信不可能状態とすることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　請求項１に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記領域決定部および上記アンテナ制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
　表示部と、
　上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備え、
　上記近距離無線通信部は、上記表示部に表示する画面に含まれる要素画像の領域に応じて、各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とすることを特徴とする表示装置。
　表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部とを備え、各アンテナの状態が、通信が可能である通信可能状態または通信が不可能である通信不可能状態である表示装置に対して、上記通信可能状態の上記アンテナに近接して、当該アンテナを介して所定の情報を送信する送信部を備え、
　上記所定の情報を送信することにより、当該送信に利用した上記アンテナを含む、上記表示部の領域に表示された画面に含まれる要素画像に対応付けられた処理を実行させることを特徴とする端末装置。
　表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置と、
　上記表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置と、を含む近距離無線通信システムであって、
　上記情報処理装置は、上記表示部に表示された画面に含まれる要素画像の領域に応じて決定される、上記表示部の表示領域のうちの特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とすることを特徴とする近距離無線通信システム。
　表示部と、上記表示部に重畳して設けられた、外部と近距離無線通信を行うための複数のアンテナを有する近距離無線通信部と、を備える表示装置の各アンテナの状態を、通信が可能である通信可能状態、または通信が不可能である通信不可能状態とする情報処理装置の制御方法であって、
　上記表示部に表示される画面に含まれる要素画像の領域に応じて、上記表示部の表示領域のうちの特定領域を決定する領域決定ステップと、
　上記特定領域に含まれるアンテナの状態を上記通信可能状態とし、その他のアンテナの状態を上記通信不可能状態とするアンテナ制御ステップと、を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。