WO2016009695A1 - 情報処理装置、情報処理方法、著作物提供システムおよびコンピュータプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】複数の著作物からなる新たな著作物に対し、自動的に各著作物の著作権者への対価額を計算することが可能な情報処理装置を提供する。【解決手段】複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、寄与量に基づいて、著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、情報処理装置が提供される。

Description

情報処理装置、情報処理方法、著作物提供システムおよびコンピュータプログラム

　本開示は、情報処理装置、情報処理方法、著作物提供システムおよびコンピュータプログラムに関する。

　近年、著作物がインターネットを通じて自由に配信されるようになり、自らの手で作成した著作物を手軽にアップロードして視聴する文化が浸透しつつある。著作物の利用に際しては、著作物の利用者は、著者権者に対して所定の対価を支払うことにより、著作権者の許諾の範囲内において自由に利用することができる。

　著者権者への対価の支払いは、例えば音楽の著作物に関しては、著作権管理団体の仲介により行われており、著作権者は複雑な権利関係を意識することなく正当な対価を受けることができている。この際、例えば、特許文献１、２に示すような著作物管理のためのシステムを利用することで、効率的に著作物の管理を行うことが試みられている。

特許第３７５３７４９号公報 特許第３８７４２７１号公報 特開２００３－１３２３６２号公報

　しかし、上記特許文献１、２に記載の技術では、著作物を改変あるいは合成した２次著作物に対する対価の計算方法に関しては明らかにしていない。世界中のあらゆる人々が著作者にも視聴者にもなり得る環境において、既存の著作物を改変あるいは合成する等の方法によって新たな著作物が生み出される可能性は高くなってきている。これより、複数の著作者によって作成された作品を組み合わせて構成された、動画像や音楽等のマルチメディアコンテンツに関して、自動的に対価額を計算する方法が求められている。

　本開示では、複数の著作物からなる新たな著作物に対し、自動的に各著作物の著作権者への対価額を計算することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、著作物提供システムおよびコンピュータプログラムを提案する。

　本開示によれば、複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、寄与量に基づいて、著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、情報処理装置が提供される。

　また、本開示によれば、複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの再生時間に対し、コンテンツに含まれる著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備える、情報処理装置が提供される。

　さらに、本開示によれば、複数の著作物を含むコンテンツを作成する第１のサーバと、コンテンツを再生する再生装置にコンテンツを配信し、当該コンテンツに含まれる著作物の利用対価を算出する第２のサーバと、からなり、第１のサーバは、複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの再生時間に対し、コンテンツに含まれる著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備え、第２のサーバは、第１のサーバにて作成されたコンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる著作物の構成比率である寄与量を、コピーライトマップを用いて算出する寄与量演算部と、寄与量に基づいて、著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、著作物提供システムが提供される。

　また、本開示によれば、複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの再生時間に対し、コンテンツに含まれる著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成すること、複数の著作物を含むコンテンツについて、の一部を切り出した再生領域に含まれる著作物の構成比率である寄与量を算出すること、寄与量に基づいて、著作物の利用対価を算出することを含む、情報処理方法が提供される。

　さらに、本開示によれば、コンピュータを、複数の著作物を含むコンテンツについて、コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、寄与量に基づいて、著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラムが提供される。

　以上説明したように本開示によれば、複数の著作物からなる新たな著作物に対し、自動的に各著作物の著作権者への対価額を計算することが可能となる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。

本開示の実施形態に係る著作物提供システムの概要を説明するための概略説明図である。 同実施形態に係る著作物提供システムの機能構成を示す機能ブロック図である。 動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理を示すフローチャートである。 コピーライトマップの作成方法の一例を示す説明図である。 ユーザの姿勢に応じた動画コンテンツの再生領域の変化を説明する説明図である。 動画コンテンツに含まれる著作物の寄与量の算出処理を示す説明図である。 対価の分配方法の一例を説明する説明図である。 ユーザが所有する画像内の表示領域に対する対価の算出への適用例を説明する説明図である。 撮影画像内の人物に対する対価の算出への適用例を説明する説明図である。 同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。

　以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

　なお、説明は以下の順序で行うものとする。
　１．概要
　２．機能構成
　　２．１．オーサリングサーバ
　　２．２．配信サーバ
　　２．３．再生端末
　３．動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理
　　３．１．オーサリングサーバによる事前処理
　　３．２．著作物対価算出処理
　４．変形例
　　４．１．料金の自動算出について
　　４．２．画像中に写っている人物への対価の算出
　５．ハードウェア構成例

　＜１．概要＞
　まず、図１を参照して、本開示の実施形態に係る著作物提供システムの概要について説明する。図１は、本実施形態に係る著作物提供システムの概要を説明するための概略説明図である。

　本実施形態に係る著作物提供システムは、複数の著作物からなる新たな著作物に対し、自動的に各著作物の著作権者への対価額を算出するシステムである。著作物は、例えば動画コンテンツであって、動画コンテンツ内に複数の著作物が含まれているとする。係るシステムでは、ユーザが複数の著作物から作成された動画コンテンツを視聴した際、視聴した部分に含まれる各著作物の構成比率に基づき、各著作物の著作権者への対価額を算出する。

　本実施形態に係る著作物提供システムは、図１に示すように、複数の著作物を利用した新たな著作物を作成し、作成された著作物を管理するオーサリングサーバ１００と、著作物を配信する配信サーバ２００と、著作物を視聴するための再生端末３００とからなる。例えば、オーサリングサーバ１００にて複数の著作物から新たな著作物として動画コンテンツが作成される。このとき、オーサリングサーバ１００は、当該動画コンテンツ中に含まれる著作物情報であるコピーライトマップを作成する。動画コンテンツは、コピーライトマップとともに配信サーバ２００へ送信される。

　配信サーバ２００は、動画コンテンツを再生端末３００に配信する。再生端末３００は、配信された動画コンテンツを再生し、表示装置に表示させる。動画コンテンツが表示される表示装置としては、例えば、ディスプレイ装置、タブレット端末やスマートフォン等の表示部、あるいはヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末の表示部等がある。このような表示装置は、表示装置の表示領域に動画コンテンツの画角を対応させて動画コンテンツを表示させたり、パノラマ動画や図１に示す全天周動画等のように、ユーザの視点位置に応じて動画コンテンツの表示領域を変化させ表示させたりする（例えば特許文献３）。

　ここで、表示装置に表示される動画コンテンツが、複数の著作物から構成されている場合、動画コンテンツの各著作物の著作権者に対して相当の対価が支払われることが望ましい。そこで、本実施形態に係る著作物提供システムでは、動画コンテンツのうち、ユーザが見ている表示装置に表示された部分（すなわち、動画コンテンツの一部を切り出した再生領域）に含まれる著作物の構成比率を算出し、各著作権者への対価額を算出する。動画コンテンツには、例えば、パノラマ動画や全天周動画等のように、ユーザの見回し動作によって変化するユーザの視点位置に応じて表示装置に表示される画像が変化するものもある。このような場合にも、本実施形態に係る著作物提供システムによれば、表示装置に表示された（すなわち、ユーザが視聴したと思われる）画像を対価額算出対象として、各著作権者への対価額を適切に算出することができる。

　＜２．機能構成＞
　図２に基づいて、本実施形態に係る著作物提供システムの機能構成について説明する。図２は、本実施形態に係る著作物提供システムの機能構成を示す機能ブロック図である。

　上述したように、本実施形態に係る著作物提供システムは、オーサリングサーバ１００と、配信サーバ２００と、再生端末３００とからなる。著作物提供システムにおいて、これらの機器はそれぞれ複数存在してもよい。すなわち、例えば１つの配信サーバ２００に対して複数の再生端末３００が接続されてもよい。

　なお、図２には、オーサリングサーバ１００での著作物の編集処理を指示するユーザ端末１０が記載されている。ユーザ端末１０は、例えば、ユーザが情報を入力する入力部１１と、端末の機能全般を制御する制御部１３と、情報を表示する表示部１５と、オーサリングサーバ１００等の外部端末とネットワークを介して接続し、情報を送受信する通信部１７とからなる。ユーザ端末１０は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末を用いることができる。新たな著作物を作成するユーザは、ユーザ端末１０を介してオーサリングサーバ１００を機能させ、著作物を作成することができる。

　また、以下では、再生端末３００は、複数の著作物を用いて作成された新たな著作物として、図１に示すような全天周動画コンテンツ（以下、「動画コンテンツ」とも称する。）を表示する場合について説明する。このとき、再生端末３００としては、ヘッドマウントディスプレイを用いることができる。

　［２．１．オーサリングサーバ］
　オーサリングサーバ１００は、著作物の作成や管理を行うサーバ（第１のサーバ）である。オーサリングサーバ１００は、図２に示すように、通信部１１０と、コンテンツ編集処理部１２０と、コピーライトマップ作成部１３０と、コンテンツ記憶部１４０と、コンテンツ取得部１５０とからなる。

　通信部１１０は、ユーザ端末１０や配信サーバ２００等の外部端末とネットワークを介して接続し、情報を送受信する。例えば、通信部１１０を介して、ユーザ端末１０から送信された著作物の編集指示情報が受信されたり、配信サーバ２００から配信要求を受けたコンテンツを配信サーバ２００へ送信したりする。

　コンテンツ編集処理部１２０は、ユーザ端末１０から受信した著作物の編集指示情報に基づいてコンテンツ等の著作物を編集し、動画コンテンツ等の新たな著作物を作成する。コンテンツ編集処理部１２０は、作成した新たな著作物を、コンテンツ記憶部１４０に記録する。

　コピーライトマップ作成部１３０は、新たに作成された著作物中に含まれる著作物情報であるコピーライトマップを作成する。コピーライトマップには、新たに作成された著作物に含まれる著作物の権利者情報と当該著作物との関連性が記録されている。より具体的には、コピーライトマップとは、著作物の各再生時刻について、新たな著作物のどの部分がどの著作者によって作成されたかを記録した情報である。本実施形態では、コピーライトマップに基づき、新たな著作物に含まれる著作物の各著作権者に対する対価が算出される。コピーライトマップは、コンテンツ編集処理部１２０にて作成された新たな著作物と関連付けて、コンテンツ記憶部１４０に記録される。

　コンテンツ記憶部１４０は、コンテンツ編集処理部１２０にて作成された新たな著作物と、コピーライトマップ作成部１３０により作成されたコピーライトマップとを、関連付けて記憶する。

　コンテンツ取得部１５０は、配信サーバ２００からのコンテンツ配信要求に応じて、対応する著作物を、コンテンツ記憶部１４０から取得する。コンテンツ取得部１５０は、コンテンツ記憶部１４０から取得した著作物を、コピーライトマップとともに配信サーバ２００へ送信する。

　［２．２．配信サーバ］
　配信サーバ２００は、作成された著作物を再生端末３００にて再生可能とするために、適切に変換して再生端末３００に配信するサーバ（第２のサーバ）である。配信サーバ２００は、図２に示すように、通信部２１０と、再生領域演算部２２０と、重み付け処理部２３０と、寄与量演算部２４０と、対価演算部２５０とからなる。

　通信部２１０は、オーサリングサーバ１００や再生端末３００等の外部端末とネットワークを介して接続し、情報を送受信する。例えば、通信部２１０を介して、オーサリングサーバ１００に対して配信要求を送信して、対応するコンテンツを受信する。また、本実施形態に係る配信サーバ２００は、全天周画像コンテンツを配信可能に構成されている。全天周画像コンテンツは、これを視聴するユーザの姿勢や位置、視野角に応じて、ユーザが見る映像や聴こえる音声が変化する。このため、配信サーバ２００は、通信部２１０によって、再生端末３００からユーザの姿勢情報や位置情報、視野角情報等を受信するとともに、これらの情報に基づきユーザの視野角に対応するコンテンツを、再生端末３００に配信する。

　再生領域演算部２２０は、再生端末３００から受信したユーザの姿勢情報、位置情報、および視野角情報に基づいて、動画コンテンツの画像領域のうち、再生端末３００に送信すべき再生領域を算出する。再生領域演算部２２０により特定された再生領域の動画コンテンツが、再生端末３００に送信される。

　重み付け処理部２３０は、動画コンテンツの再生領域を分割した各局所領域に対し、再生領域に含まれる著作物の寄与量に対して重み付けを行う。例えば画像のピクセル比率や立体角比率等のコンテンツ特性や、動画コンテンツを視聴する再生端末３００のデバイス特性、人間の眼球特性に基づく視野内の解像度分布や視細胞分布等の身体的特性により、ユーザが見る画像と実際の画像とは大きさが異なる。例えば、全天周画像コンテンツのように再生領域内の画像に歪みが含まれる場合、局所領域の面積をそのまま用いると、実際の寄与量との誤差が生じる。そこで、重み付け処理部２３０は、このような誤差を考慮して、画像領域を区分した各局所領域に対して重み付けを行うことで、領域の歪みを補正している。

　寄与量演算部２４０は、重み付け処理部２３０により重み付け処理された再生領域と、コピーライトマップとに基づいて、ユーザが視聴した動画コンテンツに含まれる著作物の割合を寄与量として算出する。寄与量が高い著作物ほど、ユーザが多く利用した著作物となる。

　対価演算部２５０は、動画コンテンツにおける各著作物の寄与量に基づいて、著作権者への対価を算出する。対価演算部２５０により算出された対価は、著作物を管理する団体等を介して利用者から著者権者に分配される。

　［２．３．再生端末］
　再生端末３００は、視聴者であるユーザが著作物を視聴する端末である。本実施形態では、上述したように、例えばヘッドマウントディスプレイが再生端末３００として用いられる。再生端末３００は、図２に示すように、通信部３１０と、制御部３２０と、姿勢情報取得部３３０と、表示部３４０とを備える。

　通信部３１０は、配信サーバ２００等の外部端末とネットワークを介して接続し、情報を送受信する。例えば、通信部３１０を介して、配信サーバ２００に対して配信要求を送信して、対応するコンテンツを受信する。

　制御部３２０は、再生端末３００の機能全般を制御する。制御部３２０は、姿勢情報取得部３３０により取得されるユーザの姿勢情報、位置情報、および視野角情報を、配信サーバ２００へ送信させ、配信サーバ２００から受信した再生領域の動画コンテンツを表示部３４０に表示させる。

　姿勢情報取得部３３０は、再生端末３００により動画コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報、位置情報、および視野角情報を取得する。姿勢情報取得部３３０は、例えば、ヘッドマウントディスプレイを装着しているユーザが、見回す動作によって前後、左右、上下等どの方向を向いているかという情報を姿勢情報として取得する。姿勢情報は、例えばジャイロセンサ等により取得可能である。また、姿勢情報取得部３３０は、ユーザが基準位置からの平行移動によりどの位置に存在しているかを位置情報として取得する。ユーザの位置は、部屋等の空間であれば、空間を撮影した画像情報から特定することもでき、距離センサ等によっても特定できる。また、Ｗｉ－Ｆｉ等の通信情報からも位置を特定できる。視野角情報は、ヘッドマウントディスプレイの設定情報より取得可能である。姿勢情報取得部３３０が取得したユーザの姿勢情報、位置情報、および視野角情報は、制御部３２０に出力され、配信サーバ２００へ送信される。

　表示部３４０は、動画コンテンツを表示する表示装置である。ユーザは、表示部３４０を介して、動画コンテンツを見ることができる。

　＜３．動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理＞
　図２に示した著作物提供システムでは、図３に示すフローチャートに基づき、動画コンテンツに含まれる著作物への対価額を算出する。以下、図３～図６に基づいて、本実施形態に係る著作物提供システムによる、動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理を説明する。なお、図３は、動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理を示すフローチャートである。図４は、コピーライトマップの作成方法の一例を示す説明図である。図５は、ユーザの姿勢に応じた動画コンテンツの再生領域の変化を説明する説明図である。図６は、動画コンテンツに含まれる著作物の寄与量の算出処理を示す説明図である。

　［３．１．オーサリングサーバによる事前処理］
　著作物を利用したときの対価額を算出するにあたり、当該著作物の作成時に、オーサリングサーバ１００によって予めコピーライトマップが作成され、著作物とともに管理される。ユーザが、ユーザ端末１０を用いて、複数の著作物を利用した動画コンテンツを新たに作成するとき、オーサリングサーバ１００は、ユーザの指示に基づいて、コンテンツ編集処理部１２０により著作物を編集し、新たな著作物を作成していく（Ｓ１００）。このとき、コピーライトマップ作成部１３０により、新たに作成している動画コンテンツにおいて、どの著作物がどの位置利用されているかを表す情報として、コピーライトマップが作成される（Ｓ１１０）。コピーライトマップは、著作物の各再生時刻に対し、著作物のどの部分がどの著作者によって作成されたかを記録した情報である。

　図４に基づき、コピーライトマップ作成部１３０により作成されるコピーライトマップの一例を示す。ここでは、アーティストと舞台設定とが異なる著作権者のものである場合の、コピーライトマップの作成方法の一例を説明する。まず、コピーライトマップ作成部１３０は、図４の上図に示すように、作成している動画コンテンツの各時刻に対応するフレームＰ_ｔ１、Ｐ_ｔ２、Ｐ_ｔ３、・・・を取得する。フレームＰ_ｔ１、Ｐ_ｔ２、Ｐ_ｔ３、・・・は、時刻ｔ１、ｔ２、ｔ３、・・・におけるフレームである。

　次いで、コピーライトマップ作成部１３０は、取得した各フレームについて、フレーム内において、アーティストが帰属するアーティスト部分と舞台設定が帰属する舞台設定部分とにラベル付けする。例えば、図４中央に示すように、アーティスト部分を白色で示し、舞台設定部分を黒色で示す。この画像をラベル画像Ｌと称する。ラベル画像Ｌの横方向のピクセル数をｗ、縦方向のピクセル数をｈとしたとき、ラベル画像Ｌを１次元化すると、大きさがｗ×ｈの配列が得られる。コピーライトマップ作成部１３０は、各フレームＰ_ｔ１、Ｐ_ｔ２、Ｐ_ｔ３、・・・に対してこの配列をそれぞれ作成する。

　そして、コピーライトマップ作成部１３０は、時刻ｔ１、ｔ２、ｔ３、・・・におけるラベル画像Ｌ_ｔ１、Ｌ_ｔ２、Ｌ_ｔ３、・・・の配列を時刻順に並べ、図４下図に示すような画像を生成する。これを時系列ラベル画像と称する。本例では、時系列ラベル画像は、時系列ラベル画像の横ピクセル数が動画コンテンツの全再生時間に対応するフレーム数に等しく、縦ピクセル数がｗ×ｈの画像となる。このようにして構成された時系列ラベル画像は、著作物の各再生時刻に対し、著作物のどの部分がどの著作者によって作成されたかを記録している。そこで、この時系列ラベル画像をコピーライトマップとして用いることができる。

　なお、本実施形態でのコピーライトマップは、例えば球面などの３次元空間内の２次元閉曲面を、例えば正距円筒図法等によって２次元平面上に投影したものを想定している。しかし、本技術は係る例に限定されず、２次元球面や２次元平面の形状及び投影方法は一貫していればよく、特定の表現方法に限定されるものではない。

　このようにして作成されたコピーライトマップは、著作物である動画コンテンツとともに、配信サーバ２００へ送信される。

　［３．２．著作物対価算出処理］
　次に、オーサリングサーバ１００にて作成された動画コンテンツが、配信サーバ２００により再生端末３００へ配信され、ユーザによって視聴されると、配信サーバ２００は、動画コンテンツの利用に伴う著作物への対価を算出する。このため、配信サーバ２００は、再生端末３００に配信してユーザに利用された動画コンテンツの再生領域に含まれる各著作物の寄与量を算出しておく。そして、配信サーバ２００は、各著作物の寄与量に基づいて、各著作物への対価を算出する。

　本実施形態では、動画コンテンツとして全天周画像コンテンツが再生端末３００に配信される。そこで、再生端末３００は、これを利用するユーザの姿勢情報および位置情報と、再生端末３００の視野角情報とを、配信サーバ２００に所定のタイミングで定期的に送信する（Ｓ１２０）。なお、再生端末３００の視野角は、通常デバイス毎に予め設定されている。したがって、視野角情報は、配信サーバ２００と再生端末３００との最初の通信時にのみ伝達されればよい。視野角を変更可能なデバイスであれば、視野角が変更されたときに配信サーバ２００へ送信されるようにしてもよい。

　全天周画像コンテンツの視聴においては、例えば、図５に示すように、ユーザが左を向いたときにはアーティストＡ、Ｂが見えるが、右を向いたときにはアーティストＡは見えなくなり、アーティストＢ、Ｃが見えるようになる。このように、ユーザの姿勢によって、ユーザが見る動画コンテンツの内容が異なる。また、ユーザが前方に移動すると画像が拡大して見えたり、ユーザが後方に移動すると画像が縮小して見えたりするように、ユーザの位置によってもユーザが見る動画コンテンツの内容が異なる。したがって、配信サーバ２００は、ユーザの姿勢や位置に合った動画コンテンツの再生領域を算出するために、再生端末３００からユーザの姿勢情報および位置情報を所定のタイミングで定期的に受信する。これらの情報に基づいて、配信サーバ２００の再生領域演算部２２０は、その時刻においてユーザに提供する動画コンテンツの再生領域を演算する（Ｓ１３０）。

　再生領域が決定されると、配信サーバ２００は、重み付け処理部２３０により、再生領域を区分した局所領域毎に重み付けを行う（Ｓ１４０）。本実施形態では、各著作物が再生領域において占める割合（すなわち、面積比率）で表される構成比率に応じて、各著作物の対価が決定される。しかし、ユーザが見ている画像には歪みや見え方への個人差等があり、実際の面積比率とずれが生じることもある。そうすると、複数の著作物への対価の分配を公平に行うことができなくなる。そこで、ステップＳ１４０の重み付け処理により、画像の歪み等を考慮した補正を行うことで、より正確に対価を分配することができる。重み付けは、例えば、画像のピクセル比率や立体角比率等のコンテンツ特性や、動画コンテンツを視聴する再生端末３００のデバイス特性、人間の眼球特性に基づく視野内の解像度分布や視細胞分布等の身体的特性を考慮して行われる。

　その後、寄与量演算部２４０により、再生領域とコピーライトマップとに基づいて、各著作物の著作権者への寄与量が算出される（Ｓ１５０）。

　ここで、コピーライトマップの切り出し処理と重み付け処理との一例を図６に示す。図６上図には、図４に示した、動画コンテンツの各時刻に対応するフレームＰ_ｔ１、Ｐ_ｔ２、Ｐ_ｔ３、・・・が示されている。ここで、ステップＳ１３０にて特定される、ある時刻ｔにおける動画コンテンツの再生領域をＲ（ｔ）とする。例えば、図６上図の時刻ｔ１では、動画コンテンツの中央部分が再生領域Ｒ（ｔ１）として特定されている。

　動画コンテンツから作成されたラベル画像Ｌに再生領域Ｒ（ｔ１）を対応させると、図６中央のようになる。ここで、アーティスト部分を示す白領域の著作者への対価を計算する場合、例えばラベル画像Ｌ_ｔ１の白領域には０より大きく１以下の正の値を割り当て、舞台設定部分を示す黒領域には０を割り当てる。割り当て値が１の領域は、アーティスト部分の著作権者の著作物のみによって構成されている領域である。割り当て値が０の領域は、アーティスト部分の著作権者の著作物は寄与していない領域である。割り当て値が０より大きく１より小さい領域は、アーティスト部分の著作権者の著作物の他、他の著作権者の著作物も寄与している領域である。これより、ラベル画像について０以上１以下の値で表される配列が得られる。これがコピーライトマップとなる。

　ラベル画像Ｌの各領域については、アーティスト部分の著作権者と舞台設定部分の著作権者との寄与率を完全に分けることができる場合もあるが、ある領域では各著作権者の寄与率を分離できない場合もある。このような領域については、動画コンテンツのピクセル毎に、０より大きく１より小さい値がその著作権者の寄与率として割り当てられる。このとき、時刻ｔの各ラベル画像Ｌにおいて、あるピクセルに割り当てられた値の合計は１となるように寄与率は分配される。

　ラベル画像Ｌは、各時刻において、各著作権者に対してそれぞれ１つずつ作成される。図６中央のラベル画像Ｌ_ｔ１は、時刻ｔ１におけるアーティスト部分の著作権者に対するラベル画像であり、これとは別に、当該時刻ｔ１における舞台設定部分の著作権者に対するラベル画像も作成される。したがって、著作権者がｎ人いる場合、ある時刻ｔにおけるラベル画像はｎ個作成される。

　一方、人間の眼球特性、視線方向、視細胞分布、視力等の身体的特性や、再生端末３００の表示視野角等のデバイス特性等を考慮して、重みＷ（ｔ）が設定される。なお、重みＷ（ｔ）は、眼球特性および視細胞分布に関しては一般的な定数を設定し、視力に関してはユーザ毎に設定し、デバイス特性についてはデバイス毎に設定され、基本的には、定数として表すことができる。さらにユーザの視線方向を考慮する場合には、視線方向は時間によって変化するため、時間によって重みを変化させるようにしてもよい。視線方向を検出することで、再生領域において、ユーザがより注視している部分を特定することができ、その注視している部分の寄与率を高くするように調整することが可能となる。図６では、下図に示すように、重みＷ（ｔ）を格子の大きさによって表現している。この例では、格子の大きさが大きい視野中心部分は、格子の大きさが小さい視野周辺部分に比べて重みの値が大きいものとする。

　寄与量演算部２４０は、ラベル画像Ｌから生成された行列の要素毎の積を全て足し合わせた値Ｗ（ｔ）・Ｒ（ｔ）を、コンテンツ開始時刻ｔ＝ｔ_{ｓｔａｒｔ}からコンテンツ終了時刻ｔ＝ｔ_ｅｎｄまで足し合わせることにより、著作者の寄与量を表現する値を算出する。一般的にはＷ（ｔ）、Ｒ（ｔ）の各要素の値は、任意の実数値を取ることも可能である。同様な手順で、舞台設定部分を示す黒領域についても寄与量が算出される。このようにして、各著作者に応じて寄与量を作成して対価を計算することができる。

　以上説明したステップＳ１２０～Ｓ１５０までの処理は、動画コンテンツの配信と並行して行われる。そして、動画コンテンツの再生が終了すると、対価演算部２５０により、各著作物の著作権者に対する対価が算出される（Ｓ１６０）。対価演算部２５０は、例えば、各時刻における寄与量を時間方向に積分した値を算出し、算出された積分値の比率に基づいて各著作権者への対価を決定する。

　積分値の比率に基づき各著作権者への対価を決定する方法としては、例えば、積分値の比率に対応して対価の比率を決定して分配してもよく、積分値の比率の大きい順から、予め設定された対価の支払額にさらに対価の支払額を加算してもよい。あるいは、図７に示すように、再生領域の中央に位置する著作物の著作権者に対して、対価を多くするようにしてもよい。

　以上、本実施形態に係る著作物提供システムによる、動画コンテンツに含まれる著作物への対価額算出処理について説明した。このような著作物提供システムにより、複数の著作物から構成された新たな著作物に関しても、自動的に著作者への対価額を計算することが可能になる。また、上述した全天周画像のような、視聴者の姿勢情報や位置情報に応じて再生内容が変化する著作物に関しても、自動的に著作者への対価額を計算することが可能となる。

　なお、上述の例では、動画コンテンツが２次元情報であることを想定して説明したが、例えば、コンピュータグラフィックス技術により作成されたコンテンツのように、コンテンツが３次元情報を有する場合にも、この著作物提供システムを適用することができる。すなわち、各コンピュータグラフィックス作品に対して著作権者情報を付与したものをコピーライトマップとして、コンテンツを画面上にラスタライズし、再生領域計算や重み付け処理を実行することで、同様に各著作権者への対価額を算出することが可能である。

　また、上述の例では、動画コンテンツについて、その画像を構成する各著作物の対価を算出する方法について説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、複数の音楽の著作物からなる音楽コンテンツについても、上記実施形態に係る著作権提供システムを適用できる。音楽コンテンツについても、動画コンテンツと同様、ユーザの位置、姿勢応じて、ユーザに聞こえる音声の大きさ（すなわち、ボリューム）が変化する。例えば、音声コンテンツが音声Ａ、Ｂ、Ｃから構成されているとき、ユーザが右を向いたときには音声Ａが最もよく聞こえ、左を向いたときには音声Ｂが最もよく聞こえる、といったように変化する。

　この場合、音楽コンテンツに対する各著作物の寄与量は、例えば、ボリューム比率で表してもよい。すなわち、音楽コンテンツを構成する各音声について、各時間でのユーザの位置、姿勢に応じて聞こえるボリュームをそれぞれ加算し、再生時間全体における各音声のボリューム比率を寄与量とする。このとき、音楽コンテンツを提供する空間が、１つの著作物を１つのスピーカから出力させるように構成されている場合には、再生時間全体における各スピーカのボリュームを加算することで、ボリューム比率を算出できる。これにより、音楽コンテンツに含まれる音楽の著作物の著作権者への対価を自動的に算出することができる。

　また、音楽コンテンツの場合にも、スピーカ自体のデバイス特性や、ユーザの身体的特性によって、実際の音声とユーザに聞こえる実際の音声とに誤差が生じる場合もある。したがって、音楽コンテンツについても、重み付け処理部２３０によって、誤差を補正する重み付けを行ってもよい。例えば、ユーザの年齢によって音として認識できる周波数帯域（可聴域）が変化する。そこで、音楽コンテンツに対してユーザの年齢に基づく可聴域の音声のみを通すフィルタ処理を行い、実際は聞こえていない周波数帯域の音声がある場合には、その部分は寄与量から除外するようにしてもよい。

　なお、動画コンテンツに音楽が付加されている場合にも、同様にコンテンツに含まれる各著作物への対価を算出することができ、ユーザの位置、姿勢（画像についてはさらに視野角）に応じて、動画と音楽とのそれぞれについて対価が算出される。

　＜４．変形例＞
　上述の著作物提供システムは、例えば、ユーザが視聴する画像に複数の所有者が存在する場合に適用可能である。

　［４．１．料金の自動算出について］
　例えば、図８に示すように、ユーザが所有する画像Ｐ内に、表示領域Ａ、Ｂ、Ｃがあるとする。ここで、表示領域Ｃには、当該ユーザが自由に利用可能できる情報が表示されており、領域Ａ、Ｂには、他のユーザが所有する情報が表示されている。ユーザが画像Ｐを編集した際、他の所有者の情報が表示されている領域Ａ、Ｂについては、画像Ｐでの表示位置がサイズがわかっている。そこで、あるユーザが他のユーザが所有する情報を用いて画像Ｐを作成するとき、上述の著作物提供システムを適用して、他のユーザに支払うべき対価を自動的に算出することが可能である。

　あるいは、表示領域Ａ、Ｂに広告を載せることで、ユーザが、表示領域Ａ、Ｂに広告を掲載した会社から対価を受け取るような場合についても上記著作物提供システムを適用できる。すなわち、画像Ｐでの広告の表示位置がサイズに応じた広告掲載料を、記著作物提供システムにより自動算出することができる。

　［４．２．画像中に写っている人物への対価の算出］
　また、図９に示すように、撮影した画像Ｐ内に、人物Ａ、Ｂが写っているとする。このとき、上記著作物提供システムを適用してこの人物Ａ、Ｂへの対価を算出することもできる。人物Ａ、Ｂは、例えば人物認識処理を用いて、画像Ｐ中から抽出することができる。また抽出された人物Ａ、Ｂについて、画像Ｐ内における大きさ（すなわち、人物Ａ、Ｂの表示領域Ｐ_Ａ、Ｐ_Ｂのサイズ）も取得できる。これより、画像Ｐ中に写っている人物に対して支払う対価を、自動的に算出することが可能である。

　＜５．ハードウェア構成例＞
　最後に、上記実施形態に係るオーサリングサーバ１００、配信サーバ２００、再生端末３００のハードウェア構成例について説明する。これらの機器は同様に構成することができるため、以下では、配信サーバ２００を例として説明する。図１０は、上実施形態に係る配信サーバ２００のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。

　本実施形態に係る配信サーバ２００は、上述したように、コンピュータ等の処理装置により実現することができる。配信サーバ２００は、図１０に示すように、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）９０１と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）９０２と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）９０３と、ホストバス９０４ａとを備える。また、配信サーバ２００は、ブリッジ９０４と、外部バス９０４ｂと、インタフェース９０５と、入力装置９０６と、出力装置９０７と、ストレージ装置９０８と、ドライブ９０９と、接続ポート９１１と、通信装置９１３とを備える。

　ＣＰＵ９０１は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って配信サーバ２００内の動作全般を制御する。また、ＣＰＵ９０１は、マイクロプロセッサであってもよい。ＲＯＭ９０２は、ＣＰＵ９０１が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。ＲＡＭ９０３は、ＣＰＵ９０１の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはＣＰＵバスなどから構成されるホストバス９０４ａにより相互に接続されている。

　ホストバス９０４ａは、ブリッジ９０４を介して、ＰＣＩ（Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ　Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ　Ｉｎｔｅｒｃｏｎｎｅｃｔ／Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）バスなどの外部バス９０４ｂに接続されている。なお、必ずしもホストバス９０４ａ、ブリッジ９０４および外部バス９０４ｂを分離構成する必要はなく、１つのバスにこれらの機能を実装してもよい。

　入力装置９０６は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、ＣＰＵ９０１に出力する入力制御回路などから構成されている。出力装置９０７は、例えば、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）装置、ＯＬＥＤ（Ｏｒｇａｎｉｃ　Ｌｉｇｈｔ　Ｅｍｉｔｔｉｎｇ　Ｄｉｏｄｅ）装置およびランプなどの表示装置や、スピーカなどの音声出力装置を含む。

　ストレージ装置９０８は、配信サーバ２００の記憶部の一例であり、データ格納用の装置である。ストレージ装置９０８は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このストレージ装置９０８は、ハードディスクを駆動し、ＣＰＵ９０１が実行するプログラムや各種データを格納する。

　ドライブ９０９は、記憶媒体用リーダライタであり、配信サーバ２００に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ９０９は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、ＲＡＭ９０３に出力する。

　接続ポート９１１は、外部機器と接続されるインタフェースであって、例えばＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｓｅｒｉａｌ　Ｂｕｓ）などによりデータ伝送可能な外部機器との接続口である。また、通信装置９１３は、例えば、通信網５に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置９１３は、無線ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）対応通信装置であっても、ワイヤレスＵＳＢ対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。

　以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲は係る例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。

　例えば、上記実施形態では、ユーザに提供されるコンテンツとして画像や音楽について説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、コンテンツとして、手触りや匂い等を提供してもよい。例えば、力覚提示デバイスを用いて、ユーザに対して力のフィードバックを与えることにより、画像として表示している物体を触れたり、ユーザを押したり、引っ張ったり、浮き上がったりする体感を与えることができる。そこで、ユーザの位置や姿勢に応じて、このような体感が力覚提示デバイスによって提供されたとき、コンテンツに対して所定の対価を支払うようにしてもよい。

　また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。

　なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
（１）
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、
　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、
を備える、情報処理装置。
（２）
　前記コンテンツが画像であるとき、前記寄与量演算部は、画像全体から一部を切り出した再生領域において前記著作物が表示されている面積比率に基づいて、前記コンテンツに含まれる前記著作物の寄与量を算出する、前記（１）に記載の情報処理装置。
（３）
　前記コンテンツが動画像であるとき、前記寄与量演算部は、画像全体から一部を切り出した再生領域において前記著作物が表示されている面積比率および前記著作物の再生時間に基づいて、前記コンテンツに含まれる前記著作物の寄与量を算出する、前記（１）に記載の情報処理装置。
（４）
　前記コンテンツは全天周動画像である、前記（３）に記載の情報処理装置。
（５）
　コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方と、再生装置の視野角情報とに基づいて、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備える、前記（１）～（４）のいずれか１項に記載の情報処理装置。
（６）
　前記コンテンツが音楽であるとき、前記寄与量演算部は、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物のボリューム比率に基づいて、各著作物の寄与量を算出する、前記（１）に記載の情報処理装置。
（７）
　コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備える、前記（６）に記載の情報処理装置。
（８）
　前記再生領域における前記各著作物の構成比率を補正する処理部を備え、
　前記処理部は、ユーザの身体的特性またはコンテンツを視聴するためのデバイス特性に基づいて前記構成比率を補正する、前記（１）～（７）のいずれか１項に記載の情報処理装置。
（９）
　前記寄与量演算部は、前記再生領域における前記各著作物の構成比率を、コンテンツ全体における、前記各著作物の構成比率を表すコピーライトマップに基づき取得する、前記（１）～（８）のいずれか１項に記載の情報処理装置。
（１０）
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備える、情報処理装置。
（１１）
　複数の著作物を含むコンテンツを作成する第１のサーバと、
　コンテンツを再生する再生装置にコンテンツを配信し、当該コンテンツに含まれる著作物の利用対価を算出する第２のサーバと、
からなり、
　前記第１のサーバは、
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備え、
　前記第２のサーバは、
　前記第１のサーバにて作成された前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を、前記コピーライトマップを用いて算出する寄与量演算部と、
　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、備える、著作物提供システム。
（１２）
　前記第２のサーバの前記寄与量演算部は、前記再生装置により再生された前記コンテンツの再生領域について、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を算出する、前記（１１）に記載の著作物提供システム。
（１３）
　前記第２のサーバは、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備え、
　前記再生領域演算部は、前記再生装置より再生される前記コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方を姿勢情報取得部から受信し、受信した情報に基づいて前記再生領域を決定する、前記（１１）または（１２）に記載の著作物提供システム。
（１４）
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成すること、
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出すること、
　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出することを含む、情報処理方法。
（１５）
　コンピュータを、
　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、
　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラム。

　１００　　オーサリングサーバ
　１１０　　通信部
　１２０　　コンテンツ編集処理部
　１３０　　コピーライトマップ作成部
　１４０　　コンテンツ記憶部
　１５０　　コンテンツ取得部
　２００　　配信サーバ
　２１０　　通信部
　２２０　　再生領域演算部
　２３０　　重み付け処理部
　２４０　　寄与量演算部
　２５０　　対価演算部
　３００　　再生端末
　３１０　　通信部
　３２０　　制御部
　３３０　　姿勢情報取得部
　３４０　　表示部

Claims (15)

1. 　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、
   　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、
   を備える、情報処理装置。
2. 　前記コンテンツが画像であるとき、前記寄与量演算部は、画像全体から一部を切り出した再生領域において前記著作物が表示されている面積比率に基づいて、前記コンテンツに含まれる前記著作物の寄与量を算出する、請求項１に記載の情報処理装置。
3. 　前記コンテンツが動画像であるとき、前記寄与量演算部は、画像全体から一部を切り出した再生領域において前記著作物が表示されている面積比率および前記著作物の再生時間に基づいて、前記コンテンツに含まれる前記著作物の寄与量を算出する、請求項１に記載の情報処理装置。
4. 　前記コンテンツは全天周動画像である、請求項３に記載の情報処理装置。
5. 　コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方と、再生装置の視野角情報とに基づいて、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備える、請求項１に記載の情報処理装置。
6. 　前記コンテンツが音楽であるとき、前記寄与量演算部は、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物のボリューム比率に基づいて、各著作物の寄与量を算出する、請求項１に記載の情報処理装置。
7. 　コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備える、請求項６に記載の情報処理装置。
8. 　前記再生領域における前記各著作物の構成比率を補正する処理部を備え、
   　前記処理部は、ユーザの身体的特性またはコンテンツを視聴するためのデバイス特性に基づいて前記構成比率を補正する、請求項１に記載の情報処理装置。
9. 　前記寄与量演算部は、前記再生領域における前記各著作物の構成比率を、コンテンツ全体における、前記各著作物の構成比率を表すコピーライトマップに基づき取得する、請求項１に記載の情報処理装置。
10. 　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備える、情報処理装置。
11. 　複数の著作物を含むコンテンツを作成する第１のサーバと、
    　コンテンツを再生する再生装置にコンテンツを配信し、当該コンテンツに含まれる著作物の利用対価を算出する第２のサーバと、
    からなり、
    　前記第１のサーバは、
    　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成するコピーライトマップ作成部を備え、
    　前記第２のサーバは、
    　前記第１のサーバにて作成された前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を、前記コピーライトマップを用いて算出する寄与量演算部と、
    　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、備える、著作物提供システム。
12. 　前記第２のサーバの前記寄与量演算部は、前記再生装置により再生された前記コンテンツの再生領域について、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を算出する、請求項１１に記載の著作物提供システム。
13. 　前記第２のサーバは、前記コンテンツから切り出す再生領域を決定する再生領域演算部を備え、
    　前記再生領域演算部は、前記再生装置より再生される前記コンテンツを視聴するユーザの姿勢情報または位置情報のうち少なくともいずれか一方を姿勢情報取得部から受信し、受信した情報に基づいて前記再生領域を決定する、請求項１１に記載の著作物提供システム。
14. 　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの再生時間に対し、前記コンテンツに含まれる前記著作物の構成比率を表すコピーライトマップを作成すること、
    　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出すること、
    　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出することを含む、情報処理方法。
15. 　コンピュータを、
    　複数の著作物を含むコンテンツについて、前記コンテンツの一部を切り出した再生領域に含まれる前記著作物の構成比率である寄与量を算出する寄与量演算部と、
    　前記寄与量に基づいて、前記著作物の利用対価を算出する対価演算部と、を備える、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラム。

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