WO2014030201A1 - 新規なレッグギャザーを備えた吸収体物品 - Google Patents

Abstract

【課題】着用時の拘束感が少なく、蒸れやかぶれの発生が抑制された吸収体物品の提供。 【解決手段】シート状の防漏体と、防漏体の上部に配置された吸収体と、吸収体の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される左右一対のフローティングレッグギャザー（ＦＬＧ）とを具備する吸収体物品であって、ＦＬＧが、頭部と頭部に連なる垂下部とを有し、左右一対のＦＬＧが、頭部が内側に、垂下部が外側に向くように配置され、ＦＬＧの前端部及び後端部が、吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、垂下部が頭部から吸収体に向かって垂れ下がるように構成され、左右一対のＦＬＧが、その垂下部の下端部近傍で吸収体物品本体及び／又は吸収体の表面と結合して前部ポケット及び後部ポケットを形成し、かつ、股下部近傍において吸収体の表面と離間している、吸収体物品。

Description

新規なレッグギャザーを備えた吸収体物品

　本発明は、新規なレッグギャザーを備えた吸収体物品に関する。

　紙おむつ（子供用及び大人用）、生理用ナプキン、失禁用品、トレーニングパンツ等の吸収体物品は、高吸水性樹脂（Ｓｕｐｅｒ　Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ　Ｐｏｌｙｍｅｒ、以下「ＳＡＰ」ともいう。）やフラッフ状パルプ等を用いた吸収体により、着用者から排出された尿等の体液を吸収する物品である。
　従来の吸収体物品は、吸収体を着用者の身体の表面に隙間なく密着させることによって、排出された体液を吸収体の表面から内部に移行させて吸収させ、これにより漏れを防いでいる。
　このような吸収体の着用者の身体への密着状態は、吸収体に「外部からの押圧」を加えることにより実現される。子供用おむつを例にしてより詳しく説明する。
　子供用おむつにおいては、「外部からの押圧」を発生させるものとして、各種の伸縮性材料（パンティーストッキング、サポーター、競泳用水着等に用いられているのと同様のもの）が各部に配置されている。特に、近年、子供用おむつの主流になっているテープレスのパンツ型おむつにおいては、身体の動きが活発になる幼児（体重の目安として約６ｋｇ以上）を主たる対象にしているため、伸縮性材料を用いることが必須となっている。

　パンツ型おむつにおける伸縮性材料としては、一般に、以下のものが用いられる。
（１）ウェストギャザーバンド（腰部伸縮体）：おむつ本体の前端部と後端部とを連結し、おむつをウェスト周りに密着させ、ずれ落ちを防ぐ固定バンドとして働く。
（２）シャーリングギャザー又はトランクギャザー（胴部維持伸縮体）：おむつの背面及び腹面をそれぞれカバーするように存在し、背面付近及び腹面付近にある吸収体を着用者の身体の表面に押し付ける機能を奏する。
（３）レッグギャザー（脚部伸縮体）：股下部付近において、おむつ本体と着用者の身体との間に隙間が生じないようにシールするとともに、吸収体の側面からの漏れを防ぐ堰（バンク）としての役割を果たす。レッグギャザーは、その役割に応じて次の３種類に分類され、いずれかを単独で、又は２種以上を組み合わせて用いられる。
（３ａ）第１インナーレッグギャザー（ＩＬＧ）：吸収体上又は吸収体の側縁に設けられ、伸縮性の頭部と不織布製の脚部とを持ち、通常は立ち上がった形状を持つ。
（３ｂ）第２インナーレッグギャザー（ＩＬＧ）：吸収体の側縁又は外側に設けられ、伸縮性の頭部と不織布製の脚部とを持ち、通常は立ち上がった形状を持つ。
（３ｃ）アウターレッグギャザー（ＯＬＧ）又はガゼットギャザー：おむつ本体の側縁において、トップシートと防漏体とで伸縮性材料を両面から挟んで設けられ、通常はフラットであるが、場合によっては内側に折り返されて、立ち上がる形状にして使用される。

　上述したような伸縮性材料は、幅広のゴムバンドのような強いテンションが集中する態様で使用すると着用者に拘束感を与え、また、痕（マーク）が残るので、一般に、複数の細いポリウレタンフィラメントを並列させた態様にして、テンションを分散させる等の改善努力がなされてきたが、現状のおむつは、依然として、着用者にとって、身体的にも、精神的にも大きな拘束感を伴うものとなっている。
　また、この従来のおむつは、「外部からの押圧」により、吸収体の着用者の身体への密着状態を実現させるため、蒸れやかぶれが発生しやすい。
　そこで、本発明は、着用時の拘束感が少なく、蒸れやかぶれの発生が抑制された吸収体物品を提供することを目的とする。

　本発明者は、上記目的を達成すべく、着用時の拘束感が少なく、蒸れやかぶれの発生が抑制された吸収体物品を、「外部からの押圧」を用いずに、新しいコンセプトにより実現することを検討した。
　本発明者は、鋭意研究の結果、吸収体の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される左右一対のフローティングレッグギャザー（以下「ＦＬＧ」ともいう。）として、頭部と頭部に連なる垂下部とを有し、ＦＬＧの前端部及び後端部が、吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、垂下部が頭部から吸収体に向かって垂れ下がるように構成されたＦＬＧを設け、左右一対のＦＬＧの垂下部の少なくとも一部が下端部付近で相互に連結され、前記垂下部の内面側に体液の移動通路が形成されるようにすることにより、吸収体物品の着用時において、ＦＬＧが吸収体と離間するため、着用時の拘束感が少なく、また、吸収体上に排出された尿や便が着用者の肌に接触することが効果的に抑制され、ひいては蒸れやかぶれの発生が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。

　本発明は、吸収体物品を構成する部材の中でも、特に、スキンコンタクト部材と吸収体部材に着目し、
（１）従来の吸収体物品においては、吸収体とそこから立ち上がるギャザーとが両方とも着用者の肌に押圧されていたのに対し、「着用者の体液排出器の側縁の肌に常時、柔らかく密着して働くスキンコンタクト部材」と「形態保持性が必要で、剛性のある吸収体部材」とに機能的に分離した上、
（２）上記「吸収体部材」を着用者の身体の表面から物理的に離間させ、かつ、
（３）上記「スキンコンタクト部材」として、左右一対の頭部と、前記頭部から吸収体部材に向かって垂れ下がる左右一対の垂下部とを有するＦＬＧを別体として設けることにより、
　従来の吸収体物品のように、吸収体を着用者の身体の表面に圧着させることなく、しかも吸収体が着用者の身体の表面と離間したままの状態で、吸収体の吸収機能を十分に発揮することができる新規な吸収体物品を提供するものである。

　すなわち、本発明は、以下の（１）～（１９）を提供する。
　（１）シート状の防漏体と、
　前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された、体液を吸収しうる吸収体と、
　前記吸収体の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される左右一対のフローティングレッグギャザーと
を具備する吸収体物品であって、
　前記フローティングレッグギャザーが、頭部と前記頭部に連なる垂下部とを有し、
　前記左右一対のフローティングレッグギャザーが、前記頭部が内側に、前記垂下部が外側に向くように配置され、
　前記フローティングレッグギャザーの前端部及び後端部が、前記吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、前記垂下部が前記頭部から前記吸収体に向かって垂れ下がるように構成され、
　前記左右一対のフローティングレッグギャザーが、前後方向の前端部から前身頃にかけて、その前記垂下部の下端部近傍で前記吸収体物品本体及び／又は前記吸収体の表面と結合して前部ポケットを形成し、前後方向の後端部から後身頃にかけて、その前記垂下部の下端部近傍で前記吸収体物品本体及び／又は前記吸収体の表面と結合して後部ポケットを形成し、かつ、股下部近傍において前記吸収体の表面と離間している、吸収体物品。
　（２）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部が左右方向の中央部近傍で互いに対向するように配置されている、上記（１）に記載の吸収体物品。
　（３）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの対向する前記頭部の間が、前後方向の少なくとも一部において、防漏性シートによりふさがれている、上記（２）に記載の吸収体物品。
　（４）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する、上記（３）に記載の吸収体物品。
　（５）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する、上記（３）又は（４）に記載の吸収体物品。
　（６）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部が、前後方向の少なくとも一部において、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合うように配置されている、上記（１）に記載の吸収体物品。
　（７）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する、上記（６）に記載の吸収体物品。
　（８）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する、上記（６）又は（７）に記載の吸収体物品。
　（９）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記垂下部が、股下部近傍において、その下端部付近で相互に連結され、前記垂下部の内面側に体液の移動通路が形成されている、上記（１）～（８）のいずれかに記載の吸収体物品。
　（１０）前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記垂下部が、股下部近傍において、それぞれ下端部付近で垂下部サポートシートと結合することにより、相互に連結され、
前記垂下部と前記垂下部サポートシートとにより体液の移動通路が形成されている、上記（９）に記載の吸収体物品。
　（１１）前記体液の移動通路が、更に股下部から前身頃にかけて延在する、上記（９）又は（１０）に記載の吸収体物品。
　（１２）前記体液の移動通路が、前部ポケットまで連なっている、上記（１１）に記載の吸収体物品。
　（１３）前記体液の移動通路が、更に股下部から後身頃にかけて延在する、上記（９）～（１２）のいずれかに記載の吸収体物品。
　（１４）前記体液の移動通路が、後部ポケットまで連なっている、上記（１３）に記載の吸収体物品。
　（１５）前記体液の移動通路が、その前端部及び／又は後端部において、前記吸収体の表面と結合している、上記（９）～（１４）のいずれかに記載の吸収体物品。
　（１６）更に、前記左右一対のフローティングレッグギャザーの外側に配置される左右一対のスタンディングレッグギャザーを具備し、
　前記スタンディングレッグギャザーが、頭部と前記頭部に連なる脚部とを有し、前記脚部の下端部が前記吸収体物品本体に結合して起立している、上記（１）～（１５）のいずれかに記載の吸収体物品。
　（１７）前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している、上記（１６）のいずれかに記載の吸収体物品。
　（１８）前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している部分が、少なくとも後身頃に存在する、上記（１７）に記載の吸収体物品。
　（１９）前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している部分が、少なくとも股下部近傍に存在する、上記（１７）又は（１８）に記載の吸収体物品。

　本発明の吸収体物品は、着用時の拘束感が少なく、蒸れやかぶれの発生が抑制されている。

本発明の吸収体物品の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施例を示す模式図である。 種々の垂下部サポートシートを示す模式的な平面図である。 本発明の吸収体物品の別の実施例を示す模式的な展開平面図である。 本発明の吸収体物品の更に別の実施例を示す模式的な展開平面図である。 本発明の吸収体物品の更に別の実施例を示す模式図である。 対向する頭部の間が前後方向の少なくとも一部において防漏性シートによりふさがれているＦＬＧの種々の例を示す模式的な平面図である。 本発明の吸収体物品の更に別の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の更に別の例を示す模式図である。

　以下、本発明の吸収体物品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の肌に近い側を「上」といい、遠い側を「下」という。また、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の体の前側に対応する側を「前」といい、後側に対応する側を「後」という。また、各図中、理解を容易にするために、実際には接触している部材を離間させて示すことがある。添付した図面中の各平面図及び斜視図においては、図の左側に吸収体物品等の前側が位置するように図示してあり、添付した図面中の縦断面図においては、図の左側に吸収体物品等の前側が位置するように図示してある。
　また、本明細書においては、「吸収体物品本体」とは、吸収体物品の構成部材である防漏体、防漏体上に設けることができるトップシート、その他吸収体物品に設けることができる各種部材を総称していうものである。これに従い、吸収体物品がおむつである場合は、吸収体物品本体をおむつ本体と呼ぶ。
　さらに、本明細書においては、「吸収体の表面」とは、吸収体が露出している場合は、その表面を意味し、吸収体が拡散シート、アクイジションシート、トップシート等で被覆されている場合は、被覆している拡散シート、アクイジションシート、トップシート等の表面を意味する。

　図１及び図２は、本発明の吸収体物品の例を示す模式図である。図１（Ａ）は、パンツ型おむつの態様である吸収体物品をそのウェストギャザーの左右両側の部分（図中のＺ及びＺ’）で切断して、吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図１（Ｂ）は、前記の状態の図１（Ａ）中のＩＢ－ＩＢ線に沿った横端面図である。図１（Ｃ）は、吸収体物品に応力を加えない場合の（弛緩状態の）図１（Ａ）中のＩＢ－ＩＢ線に沿った横端面図である。図２は、斜視図である。

　図１及び図２に示される本発明の吸収体物品１００は、パンツ型おむつとして構成されており、基本的に、シート状の防漏体１０と、防漏体１０の上部に少なくとも一層配置された、体液を吸収しうる吸収体１２と、吸収体１２の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃Ｆ、股下部Ｃ及び後身頃Ｒを経て後端部にわたって配置される左右一対のＦＬＧ１４とを具備する。

　防漏体１０の材質は、一般に、バックシートとして用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＥＶＡ等の樹脂のフィルム；前記樹脂の発泡シート等の体液不透過性シートを用いることができる。体液不透過性シートは、通気性フィルム等の通気性を有するものも好適に用いられる。
　また、前記樹脂のフィルムを用いる場合には、感触や外観を向上させるために、フィルムと不織布との複層シートとして用いることもできる。この場合、不織布としては、比較的低目付のＳＢ、サーマルボンド不織布（例えば、エアスルータイプ）等が好適に用いられる。
　また、前記樹脂のフィルムと後述するシート状吸収体との複層シートを用いることもできる。
　また、高耐水性不織布を用いることもできる。高耐水性不織布としては、例えば、耐水度１００ｍｍＨ₂Ｏ以上の耐水性を有するＳＭＳ、不織布ウェブの細孔をミクロフィブリル化セルロース（ＭＦＣ）やワックスで充填することにより耐水性を付与されたＳＭＳが挙げられる。この場合、単独で用いてもよく、フィルムと高耐水性不織布との複層シートとして用いることもできる。

　防漏体１０は、シート状であり、吸収体１２等を上部に収納し、かつ、ＦＬＧ１４を配置し得るものであれば、その形状を特に限定されない。

　吸収体物品１００においては、防漏体１０の下側に外装シート１１が設けられている。
　外装シート１１は、パンツ型おむつにおいて用いられる、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材である。具体的には、前身頃Ｆ、股下部Ｃ及び後身頃Ｒの各部を形成するシート状の部材が用いられる。
　吸収体物品１００のようなパンツ型おむつにおいては、防漏体１０により尿等の漏れが防止されるため、外装シート１１には、液不透過性材料を用いる必要がない。外装シート１１としては、例えば、従来公知の吸収体物品に用いられる外装シートを用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルその他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布を外装シート１１として用いることができる。
　吸収体物品１００においては、外装シート１１が２枚の不織布が伸縮性部材（例えば、ポリウレタンフィラメント）を挟んでシャーリングギャザー３６を構成している。シャーリングギャザー３６は、着用時に着用者の腹部及び背部を被覆する位置に設けられている。本発明においては、シャーリングギャザーの構成は、特に限定されず、例えば、従来公知のシャーリングギャザーの構成とすることができる。

　本発明に用いられる吸収体１２は、体液を吸収しうるものであれば特に限定されず、従来公知の吸収体物品に用いられる吸収体を用いることができる。例えば、粉砕された木材パルプ、粉砕された木材パルプと粒状又は粉体状のＳＡＰとを混合しマット状に成形した吸収体、薄いシート状に成形されたＳＡＰを主成分とするシート状吸収体等を用いることができる。これらの吸収体は、その形状を保持し、同時にパルプやＳＡＰから発生する微粉の発生や脱落を防ぐため、ティッシュペーパー、不織布、開孔フィルム等からなるコアラッピング材で被覆されているのが一般的である。本明細書においては、コアラッピング材が用いられている場合には、コアラッピング材も含めて「吸収体」と呼ぶ。

　シート状吸収体は、形態安定性、ＳＡＰの脱落防止等の可能性等に優れる。
　シート状吸収体の中でも、ＳＡＰを５０質量％以上、好ましくは６０質量％以上、より好ましくは７０質量％以上含有する高吸水性シートであるのが好ましい。また、高吸水性シートにおけるＳＡＰの含有量は、高吸水性シートの安定性等の点で、９５質量％以下であるのが好ましい。

　高吸水性シートは、ＳＡＰを主成分とする極薄のシート状吸収体である。高吸水性シートは、ＳＡＰの含有量が極めて高いため、厚さが極めて薄い。高吸水性シートの厚さは、１．５ｍｍ以下であるのが好ましく、１ｍｍ以下であるのがより好ましい。
　高吸水性シートは、ＳＡＰを主成分とする極薄のシート状吸収体であれば、構成や製造方法を特に限定されない。
　例えば、Ａｉｒ　Ｌａｉｄ法で得られる高吸水性シートが挙げられる。Ａｉｒ　Ｌａｉｄ法は、粉砕した木材パルプとＳＡＰとを混合し、結合剤を添加してシート状に成形して高吸水性シートを得る方法である。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、米国レオニヤ（Ｒａｙｏｎｉｅｒ）社製のＮＯＶＡＴＨＩＮ（米国登録商標）、王子キノクロス社製のＢ－ＳＡＰ等が知られている。
　また、ＳＡＰの分散スラリーを不織布等の体液透過性シートの上にコーティングする方法で得られる高吸水性シートも挙げられる。ここで、ＳＡＰの分散スラリーは、ＳＡＰとミクロフィブリル化セルロース（ＭＦＣ）とを、水とエタノールとの混合溶媒に分散させたものであるのが好ましい。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、（株）日本吸収体技術研究所製のＭｅｇａＴｈｉｎ（登録商標）が知られている。
　そのほかに、例えば、起毛状不織布にＳＡＰを大量に担持させ、ホットメルトバインダー、エマルションバインダー、水性繊維等で固定する方法で得られる高吸水性シート、繊維状ＳＡＰをＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）繊維と混合してウェブ状に成形する方法で得られる高吸水性シート、ＳＡＰ層の上下をティッシュで挟んだＳＡＰシートが挙げられる。

　吸収体１２は、防漏体１０の上部に、少なくとも１層配置される。すなわち、吸収体１２は、１層であってもよく、２層以上（複数層）であってもよい。
　また、吸収体１２は、折りたたんだ状態で配置することもできる。

　左右一対のＦＬＧ１４は、吸収体１２の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃Ｆ、股下部Ｃ及び後身頃Ｒを経て後端部にわたって配置される。ＦＬＧは、防漏体に結合して設けられてもよく、防漏体上に設けられたトップシートやその他の部材に結合して設けられてもよく、複数の部材にわたって結合して設けられてもよい。

　ＦＬＧ１４は、頭部１６と頭部１６に連なる垂下部１８とを有する。ＦＬＧ１４は、例えば、伸縮性部材（例えば、図１中に示されている並列した２本のポリウレタンフィラメント）を有して構成される。左右一対のＦＬＧ１４は、頭部１６が内側に、垂下部１８が外側に向くように配置される。
　ＦＬＧ１４の前端部及び後端部は、吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合される。具体的には、ＦＬＧ１４の頭部１６の前端部及び後端部（図１（Ａ）中、ポリウレタンフィラメントの存在しない部分）が、それぞれ、吸収体１２の表面１２ｓと、前端結合部２０及び後端結合部２２において、結合している。また、ＦＬＧ１４の垂下部１８の前端部及び後端部が、それぞれ、吸収体１２の表面１２ｓと、前端結合部２１及び後端結合部２３において、結合している。これにより、垂下部１８は、頭部１６から吸収体１２に向かって垂れ下がるように構成されている（図１（Ｃ）参照）。前端結合部２１及び後端結合部２３は、前端結合部２０及び後端結合部２２よりも相対的に前後方向の長さが長くなっている。結合の方法は、特に限定されず、例えば、接着剤により結合する方法が挙げられる。
　ＦＬＧ１４の大部分（前端結合部２０及び後端結合部２２と前端結合部２１及び後端結合部２３とに相当する部分以外の部分）は、吸収体１２の表面１２ｓと結合していない状態となっている。

　垂下部１８は、頭部１６からカーテン状に垂れ下がっており、従来のＩＬＧのように吸収体（又は吸収体を被覆するトップシート）に結合し固定され支えられて立ち上がるのではなく、股下部Ｃの近傍においては、吸収体１２の表面１２ｓと離間し、吸収体１２の表面１２ｓから浮き上がっている。この新規なＦＬＧ１４は、このように浮き上がっている構造を有するため、本明細書においては、フローティングレッグギャザー（Ｆｌｏａｔｉｎｇ　Ｌｅｇ　Ｇａｔｈｅｒ（ｓ）：ＦＬＧ）と呼んでいる。このように浮き上がっている構造とするためには、例えば、ＦＬＧ１４における前端結合部２０及び２１と後端結合部２２及び２３との間の長さを、防漏体１０における前端結合部２０及び２１と後端結合部２２及び２３との間の長さより短くすることにより実現することができる。

　左右一対のＦＬＧ１４は、前後方向の前端部から前身頃Ｆにかけて、その垂下部１８の下端部近傍で吸収体１２の表面１２ｓと結合して左右一対の前部ポケット２４を形成し、前後方向の後端部から後身頃Ｒにかけて、その垂下部１８の下端部近傍で吸収体１２の表面１２ｓと結合して左右一対の後部ポケット２６を形成している。
　より具体的には、前部ポケット２４は、ＦＬＧ１４と吸収体１２の表面１２ｓとが、（１）ＦＬＧ１４の頭部１６と吸収体１２の表面１２ｓとが結合する前端結合部２０、（２）ＦＬＧ１４の垂下部１８と吸収体１２の表面１２ｓとが結合する前端結合部２１、及び、（３）ＦＬＧ１４とウェストギャザー３８の被覆部分との結合部の各箇所において接合されることにより形成される密閉空間である。
　また、後部ポケット２６は、ＦＬＧ１４と吸収体１２の表面１２ｓとが、（１）ＦＬＧ１４の頭部１６と吸収体１２の表面１２ｓとが結合する後端結合部２２、（２）ＦＬＧ１４の垂下部１８と吸収体１２の表面１２ｓとが結合する後端結合部２３、及び、（３）ＦＬＧ１４とウェストギャザー３８の被覆部分との結合部の各箇所において接合されることにより形成される密閉空間である。

　本発明においては、前部ポケットは、ＦＬＧの垂下部と吸収体の表面ではなく、ＦＬＧの垂下部と吸収体物品本体とが結合して構成されていてもよいし、ＦＬＧの垂下部と吸収体物品本体及び吸収体の表面とが結合して構成されていてもよい。

　ＦＬＧ１４の頭部１６は、着用時においては、着用者の肌に接触し、かつ、吸収体１２の表面１２ｓとは離間した状態を保持する。

　本発明の吸収体物品１００は、更に、左右一対のＦＬＧ１４の外側に配置される左右一対のスタンディングレッグギャザー（以下「ＳＬＧ」ともいう。）２８を具備している。
　ＳＬＧ２８は、頭部３０と頭部３０に連なる脚部３２とを有し、脚部３２の下端部が防漏体１０にトップシート４０を介して結合して起立している。具体的には、ＳＬＧ２８は、吸収体１２の表面１２ｓを含め、吸収体物品本体の全体を被覆するトップシート４０が左右縁部において、伸縮性材料を内側に含むかたちで折り返されて頭部３０が構成され、また、トップシート４０と防漏体１０とにより脚部３２が構成されている。
　ＳＬＧ２８は、吸収体物品１００の前後方向にわたってＦＬＧ１４の垂下部１８の上に被さるように折り返されて設けられており、その前端及び後端は、垂下部１８の前端及び後端とＳＬＧ結合部３４で結合している。ＳＬＧ２８は、着用時には、吸収体物品本体から立ち上がった状態となる（図１（Ｃ）参照）。

　前部ポケット２４及び後部ポケット２６の内部においては、ＦＬＧ１４の垂下部１８の下端部は吸収体１２の表面１２ｓと結合している。本発明においては、ＦＬＧの垂下部の下端部とＳＬＧの脚部とが結合していなくてもよいが、結合していると、ＦＬＧとＳＬＧの挙動が連動するようになる。

　本発明の吸収体物品１００は、着用時には、図２に示されるように、股下部において、ＦＬＧ１４の垂下部１８が、吸収体１２の表面１２ｓ（図示せず）から浮き上がっており、また、その外側に、ＳＬＧ２８が吸収体１２の表面１２ｓ（図示せず）から立ち上がり、両者が並立する。

　本発明の吸収体物品１００は、更に、防漏体１０の前端付近及び後端付近において、ウェストギャザー３８を具備する。
　ウェストギャザー３８は、吸収体物品１００本体の前端部と後端部とを連結し、おむつをウェスト周りに密着させ、ずれ落ちを防ぐ固定バンドとして働く。ウェストギャザー３８は、伸縮性部材（例えば、ポリウレタンフィラメント）を不織布で被覆して形成されている。
　本発明においては、ウェストギャザーの構成は、特に限定されず、例えば、従来公知のウェストギャザーを用いることができる。具体的には、例えば、吸収体物品１００におけるような伸縮性部材（例えば、ポリウレタンフィラメント）を不織布で被覆して形成される構成、外装シートの前端部及び後端部を上側に折り返して伸縮性部材（例えば、ポリウレタンフィラメント）を被覆して形成される構成が挙げられる。

　本発明の吸収体物品１００は、尿及び便を、ＦＬＧ１４の頭部１６の間隙により形成される開口から安定的に受容する。尿及び便は、いずれも、浮き上がっているＦＬＧ１４の頭部１６から垂れ下がっている垂下部１８によってガイドされ、吸収体１２の表面１２ｓに到達する。
　吸収体物品１００に受容された尿は、吸収体１２の表面１２ｓを前後左右に移動して拡散し、吸収体１２の全面において吸収される。着用者の体位により吸収体１２への拡散状態は異なってくるが、たとえ尿が大きく前後左右のいずれかに偏って移動したとしても、吸収体物品１００本体の前部及び後部に設けられた、幅が広く、かつ、深い前部ポケット２４及び後部ポケット２６により捕捉され、漏れが防止される。
　また、吸収体物品１００に受容された便は、後身頃Ｒにおいて、吸収体１２の表面１２ｓ上に収容される。場合によっては、便は、幅が広く、かつ、深い後部ポケット２６においても収容される。さらに、吸収体物品１００が左右一対のＳＬＧ２８を有する場合には、後身頃Ｒにおいて、吸収体１２の表面１２ｓと立ち上がった左右一対のＳＬＧ２８とで形成された空間に、便が安定的に収容される。

　本発明の吸収体物品１００は、着用時において、ＦＬＧ１４が吸収体１２と離間するため、着用時の拘束感が少なく、また、吸収体１２上に排出された尿や便が着用者の肌に接触することが効果的に抑制され、ひいては蒸れやかぶれの発生が抑制される。

　図３は、本発明の吸収体物品の実施例を示す模式図である。図３（Ａ）は、テープ型おむつの態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図３（Ｂ）は、前記吸収体物品を図３（Ａ）中の折り線Ｌ及びＬ’で内側に折り畳み、ＦＬＧの垂下部とＳＬＧの脚部とを結合させた状態であり、かつ、応力を加えていない状態における図３（Ａ）中のＩＩＩＢ－ＩＩＩＢ線に沿った横端面図である。

　図３に示される本発明の吸収体物品１０２は、テープ型おむつとして構成されているが、パンツ型おむつとして構成されている吸収体物品１００と、基本的に同じである。
　吸収体物品１０２は、防漏体１０ａの下側に外装シートを有していない点で、吸収体物品１００と異なる。
　防漏体１０ａは、特に限定されないが、例えば、通気性ＰＥフィルム／ＰＰスパンボンド複合体のシート状防漏体を用いることができる。
　トップシート４０ａは、特に限定されないが、例えば、ＰＥ／ＰＰエアスルー不織布を用いることができる。

　吸収体物品１０２の大きさは、特に限定されないが、子供用おむつのＭサイズ（体重の目安として約６ｋｇ以上）とする場合、例えば、前後方向の長さは、４４０ｍｍ程度、左右方向の幅は、２７０ｍｍ程度、質量は、３４ｇ程度とすることができる。

　吸収体１２ａは、平面図上で、砂時計型を呈し、前身頃及び後身頃の幅が広い部分の左右方向の幅は、１２０ｍｍ程度、股下部を中心とする幅が狭い部分の幅は、９０ｍｍ程度、前後方向の長さは、３５０ｍｍ程度である。吸収体１２ａは、粉砕パルプ２５ｇとＳＡＰ６ｇとがティッシュペーパーにより被覆されて構成されている。この吸収体１２ａは、防漏体１０ａの上部に配置され、防漏体１０ａとトップシート４０ａとの間に収容されている。

　吸収体物品１０２においては、吸収体１２ａの上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃Ｆ、股下部Ｃ及び後身頃Ｒを経て後端部にわたって配置される左右一対のＦＬＧ１４ａが設けられている。
　ＦＬＧ１４ａは、頭部１６ａと頭部１６ａに連なる垂下部１８ａとを有している。
　左右一対のＦＬＧ１４ａは、頭部１６ａが内側に、垂下部１８ａが外側に向くように配置されている。
　左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、図３（Ａ）に示されるように、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合うように配置されている。このように、左右一対のＦＬＧの頭部が、前後方向の少なくとも一部において、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合うように配置されているのは、本発明の好適な態様の一つである。中でも、左右一対のＦＬＧの頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する態様、及び、左右一対のＦＬＧの頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する態様が好ましい。
　左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合った部分の一部において互いに結合されている。すなわち、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、前端付近の頭部結合部２５及び後端付近の頭部結合部２７において互いに結合されている。これにより、左右一対のＦＬＧ１４ａは、前端付近及び後端付近においては、頭部１６ａを介して左右の垂下部１８ａが連続した状態となる。結合の方法は、特に限定されず、例えば、接着剤により結合する方法が挙げられる。

　ＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、並列した２本のポリウレタンフィラメント（伸縮性部材）をＰＰ製のＳＭＳ不織布（例えば、目付量１５ｇ／ｍ²、ＡＶＧＯＬ社製）で被覆して構成されており、そのＳＭＳ不織布が垂れ下がった部分が垂下部１８ａを構成している。頭部１６ａの幅は１０ｍｍ程度、垂下部１８ａの幅は６０ｍｍ程度である。

　ＦＬＧ１４ａの前端部及び後端部は、吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されている。具体的には、ＦＬＧ１４ａの前端部及び後端部（図３（Ａ）中、ポリウレタンフィラメントの存在しない部分）が、それぞれ、前端結合部２０ａ及び後端結合部２２ａにおいて、トップシート４０ａを介して防漏体１０ａと結合している。また、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａの前端部が、吸収体１２ａの表面１２ａｓと、前端結合部２１ａにおいて、結合している。さらに、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａの後端部が、後端結合部２３ａにおいて、トップシート４０ａを介して防漏体１０ａと結合している。
　これにより、垂下部１８ａは、前身頃Ｆから後身頃Ｒにかけての領域において、頭部１６ａから吸収体１２ａの表面１２ａｓに向かって垂れ下がるように構成されている（図３（Ｂ）参照）。前端結合部２１ａ及び後端結合部２３ａは、前端結合部２０ａ及び後端結合部２２ａよりも相対的に前後方向の長さが長くなっている。結合の方法は、特に限定されず、例えば、接着剤により結合する方法が挙げられる。

　垂下部１８ａは、左右方向の中央部近傍で互いに対向する頭部１６ａに連なって左右縁部の方へと垂れ下がっている（図３（Ｂ）参照）。

　左右一対のＦＬＧ１４ａは、上述したように、前端部が、前端結合部２０ａにおいて、トップシート４０ａを介して防漏体１０ａと結合しており、また、前後方向の前端部から前身頃Ｆにかけて、その垂下部１８ａの下端部近傍の前端結合部２１ａで吸収体１２ａの表面１２ａｓと結合している。そして、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、前端付近で互いに結合している。これにより、前部ポケット２４ａが形成されている。
　また、左右一対のＦＬＧ１４ａは、上述したように、後端部が、後端結合部２２ａにおいて、トップシート４０ａを介して防漏体１０ａと結合しており、また、前後方向の後端部から後身頃Ｒにかけて、その垂下部１８ａの下端部近傍の後端結合部２３ａでトップシート４０ａを介して防漏体１０ａと結合している。そして、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、後端付近で互いに結合している。これにより、後部ポケット２６ａが形成されている。

　ＦＬＧ１４ａは、股下部近傍においては、吸収体１２ａの表面１２ａｓと離間している。

　吸収体物品１０２は、２種類のレッグギャザーを具備する。すなわち、上述したＦＬＧ１４ａの他に、吸収体物品本体の側縁部に存在するＳＬＧ２８ａを具備する。ＳＬＧ２８ａは、並列した３本のポリウレタンフィラメント（伸縮性部材）が、防漏体１０ａとトップシート４０との間に配置されることにより形成されている。

　吸収体物品１０２は、図３（Ａ）中の折り線Ｌ及びＬ’で矢印で示されるように内側に折り畳まれ、図３（Ａ）中に示される後身頃Ｒに存在する接合点４２において、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａとＳＬＧ２８ａの脚部（防漏体１０ａ及びトップシート４０ａの両者のＳＬＧ２８ａを構成する伸縮性部材の内側に存在する部分）とが接合されている（図３（Ａ）は、接合点を切り離した状態を示すものである。）。接合の方法は、特に限定されず、例えば、接着剤（例えば、ホットメルト接着剤）により接合する方法が挙げられる。接合点４２の前後方向の位置は、吸収体物品本体の後端から１５０ｍｍ程度である。
　ＳＬＧ２８ａは、ＦＬＧ１４ａと接合されることにより、上方に立ち上がっている。

　他方、ＦＬＧ１４ａの頭部１６ａは、前端付近の頭部結合部２５及び後端付近の頭部結合部２７において互いに結合されているが、頭部結合部２５と頭部結合部２７との間においては互いに結合されていない。したがって、頭部１６ａの伸縮性部材の収縮により、左右一対の頭部１６ａ間には開口となる間隙が形成される。また、後身頃Ｒでは、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａがＳＬＧ２８ａと接合されることにより、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａが更に左右両側に広がり、その結果、ＦＬＧ１４ａの頭部１６ａが図３（Ｂ）に示されるように左右両側に大きく広がって、便の収容が容易にできるようになっている。

　左右一対の頭部１６ａの間に生じる開口は、尿及び便の受容部（入口）として機能する。
　この機能を十分に発揮させるためには、上記開口が、着用者の尿及び便の排出器を収容することができる大きさであるのが好ましい。吸収体物品１０２においては、左右一対の頭部１６ａの間隔（開口の幅）は、後身頃Ｒの接合点４２の付近で最大であり、ここから股下部Ｃ、前身頃Ｆへと前側に行くに連れて狭くなっていき、また、後端部に近づくに連れて狭くなっていく。
　開口の幅は、接合点とＦＬＧの頭部との距離（又は吸収体の表面からの接合点までの高さ）、接合点と吸収体物品本体の後端との距離及びＦＬＧの頭部に用いられる伸縮性部材の伸縮力によって決定される。
　開口の幅を適切な範囲の大きさにする手段は、特に限定されないが、吸収体物品１０２のように、ＦＬＧの垂下部とＳＬＧの脚部を結合している態様は、左右一対の頭部１６ａの間隔を左右両側に広げる手段として好ましい態様の一つである。
　ＦＬＧの垂下部と、ＳＬＧの脚部とが結合している部分は、存在位置を特に限定されないが、股下部から後身頃にかけて存在する態様、及び、股下部近傍に存在する態様が好ましく、股下部近傍に存在する態様がより好ましい。

　吸収体物品１０２においては、着用者の排出器から排出された尿は左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａの間隙（開口）から安定に受容される。ついで、ＦＬＧ１４ａの頭部１６ａから垂れ下がり、浮き上がっている垂下部１８ａにガイドされ、吸収体１２ａの表面１２ａｓに導かれる。
　吸収体１２ａの表面１２ａｓに導かれた尿は、吸収体１２ａの表面１２ａｓを前後左右に移動して拡散し、吸収体１２ａの全体に吸収される。着用体位により吸収体１２ａへの拡散状態は異なってくるが、たとえ尿の拡散状態が大きく前後左右のいずれかに偏っても、前後に設けられた幅が広く、かつ、深い前部ポケット２４ａ及び後部ポケット２６ａに捕捉され、漏れを回避することができる。

　また、着用者の排出器から排出された便は左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａの間隙（開口）から安定に受容される。ついで、ＦＬＧ１４ａの頭部１６ａから垂れ下がり、浮き上がっている垂下部１８ａにガイドされ、吸収体１２ａの表面１２ａｓに導かれる。便は、後身頃Ｒに設けられた立ち上がったＳＬＧで形成された空間と、幅広で、深さのある後部ポケット２６ａにおいて、安定に収容される。

　本発明においては、上記構成に限定されず、例えば、従来公知の各種部材を具備することができる。
　吸収体物品１０２は、上記の各部材に加え、以下に説明する各種部材を具備する。

　防漏体１０ａの後端付近の左右両側には、着脱部材４４が設けられている。防漏体１０の前端付近の下面には、着脱部材と互いに着脱自在となるように、着脱部材（図示せず）が設けられている。これらの着脱部材は、例えば、各種面ファスナーにより構成することができる。具体的には、防漏体１０ａの後端付近の左右両側に設けられる着脱部材４４として、ベルクロテープ（雄）、防漏体１０の前端付近の下面に設けられる着脱部材として、ＴＬＺ（雌）を用いることができる。

　吸収体物品１０２においては、左右一対のＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａは、相互に結合されていないが、本発明においては、左右一対のＦＬＧの垂下部が、股下部近傍において、その下端部付近で相互に連結され、垂下部の内面側に体液の移動通路が形成されているのが好ましい態様の一つである。
　この場合、左右一対のＦＬＧの垂下部は、直接結合することにより相互に連結されていてもよい。
　また、左右一対のＦＬＧの垂下部は、それぞれ下端部付近で垂下部サポートシートと結合することにより、相互に連結され、垂下部と垂下部サポートシートとにより体液の移動通路が形成されていてもよい。
　中でも、垂下部サポートシートを用いた態様が好ましい。垂下部サポートシートを用いた場合、体液の移動通路の横断面における断面積が大きくなるため、許容流量が大きくなり、尿が体液の移動通路から溢れにくい。また、製造も容易である。すなわち、吸収体の表面上にあらかじめ垂下部を左右に横切るように垂下部サポートシートを配置しておき、その上にＦＬＧを重ねて配置して、ＦＬＧの垂下部と垂下部サポートシートとが重なり合った部位で接合すると、左右一対の垂下部が、垂下部サポートシートにより相互に連結され、体液の移動通路が形成される。

　垂下部サポートシートの幅Ｗは、外側を向けて配置される左右一対のＦＬＧの垂下部の下端部付近を相互に連結することができる幅とする。
　例えば、図３に示される吸収体物品１０２に、垂下部サポートシートを設ける場合には、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａの下端間の幅（１３０ｍｍ程度）に比べて２０ｍｍ程度長い値（１５０ｍｍ程度）から２０ｍｍ程度短い値（１１０ｍｍ程度）であるのが好ましい。上記範囲であると、体液の移動通路の断面積が十分に大きくなり、かつ、垂下部サポートシートに無駄な部分も生じない。
　垂下部サポートシートの長さＬは、ＦＬＧの垂下部の吸収体から浮き上がっている部分の長さに応じて、適宜設定することができる。

　垂下部サポートシートは、左右一対の垂下部を連結して、垂下部が左右の側面となり、垂下部サポートシートが底面となった体液の移動通路を形成するため、体液の移動通路から尿が漏れないのが好ましい。したがって、垂下部サポートシートの材質としては、防漏性を有する疎水性材料であるのが好ましい。例えば、ＰＰ、ＰＥ系のスパンメルト不織布；ソフトなＰＥ、ＰＰ、ＥＶＡ、ポリウレタン等の合成樹脂フィルム類が挙げられる。
　他方、垂下部サポートシートは、尿の円滑な移動（迅速で均一な移動）のためには、親水性材料のほうが好ましい。
　これらの点に鑑み、垂下部サポートシートとしては、疎水性材料と親水性材料とを組み合わせて複合化したものが好ましい態様の一つである。
　疎水性材料と親水性材料とを組み合わせて複合化する方法としては、例えば、ラミネート、コーティング、接着剤を用いての張合せが挙げられる。
　疎水性材料と親水性材料とを組み合わせて複合化した垂下部サポートシートとしては、例えば、ＰＰ・ＳＭＳ不織布とＰＥフィルムとを張り合わせたもの、ティッシュとＰＥフィルムとのラミネート、レーヨン不織布とＥＶＡフィルムとのラミネートが挙げられる。
　垂下部サポートシートは、前後方向及び左右方向の全範囲にわたって疎水性材料と親水性材料とを複合化していてもよく、その一部のみが複合化していてもよい。

　図４は、種々の垂下部サポートシートを示す模式的な平面図である。以下の説明において、垂下部サポートシートの大きさは、子供用おむつのＭサイズ（体重の目安として約６ｋｇ以上）を想定した数値であるが、本発明はこれに限定されない。

　図４（Ａ）に示される垂下部サポートシート４６は、長方形状であり、前後方向の長さ（Ｌ）が左右方向の幅（Ｗ）よりも短い。前後方向の長さは、２０～１５０ｍｍ程度である。
　垂下部サポートシート４６は、垂下部との結合部４８を左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０を左右方向の中央付近に前後方向のほぼ全長にわたって有している。本発明においては、このように、垂下部サポートシートが吸収体の表面との結合部を有しているのが好ましい。
　垂下部サポートシート４６は、股下部に設けられるのが好ましい。

　図４（Ｂ）に示される垂下部サポートシート４６ａは、長方形状であり、前後方向の長さが左右方向の幅よりも長い。前後方向の長さは、１１０～３００ｍｍ程度である。
　垂下部サポートシート４６ａは、垂下部との結合部４８ａを左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０ａを左右方向の中央付近に前端付近及び後端付近の２箇所に有している。
　垂下部サポートシート４６ａは、前部ポケットから後部ポケットに至る範囲に設けられるのが好ましい。

　図４（Ｃ）に示される垂下部サポートシート４６ｂは、変形した長方形状であり、前後方向の長さが左右方向の幅よりも長い。前後方向の長さは、１１０～３００ｍｍ程度である。具体的には、前端及び後端において中央部に頂点が形成されており、六角形状をしている。
　垂下部サポートシート４６ｂは、垂下部との結合部４８ｂを左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０ｂを左右方向の中央付近に前端付近、後端付近及び中央付近の３箇所に有している。吸収体の表面との結合部は、１箇所であってもよく、２箇所であってもよく、４箇所以上であってもよい。
　垂下部サポートシート４６ｂは、前部ポケットから後部ポケットに至る範囲に設けられるのが好ましい。

　図４（Ｄ）に示される垂下部サポートシート４６ｃは、変形した長方形状であり、前後方向の長さが左右方向の幅よりも長い。前後方向の長さは、１１０～３００ｍｍ程度である。具体的には、前端及び後端において中央部が曲線的に凸状を形成している。
　垂下部サポートシート４６ｃは、前後方向の中央部において、スリット５２がＣ字状に設けられ、スリット５２に囲まれた部分が下側に落ち込むことができるようになっている。この落ち込んだ部分が体液の移動通路の出口として機能する。
　垂下部サポートシート４６ｃは、垂下部との結合部４８ｃを左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０ｃを左右方向の中央付近に前端付近、後端付近及びスリット５２に囲まれた部分の３箇所に有している。
　垂下部サポートシート４６ｃは、前部ポケットから後部ポケットに至る範囲に設けられるのが好ましい。

　図４（Ｅ）に示される垂下部サポートシート４６ｄは、変形した長方形状であり、前後方向の長さが左右方向の幅よりも長い。前後方向の長さは、１１０～２５０ｍｍ程度である。具体的には、後端において中央部が曲線的に凸状を形成し、かつ、切欠部５４を有している。
　垂下部サポートシート４６ｄは、垂下部との結合部４８ｄを左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０ｄを左右方向の中央付近に前端付近の１箇所と、後端付近の切欠部５４の両側２箇所の合計３箇所に有している。切欠部５４の付近は、体液の移動通路の出口として機能する。

　図４（Ｆ）に示される垂下部サポートシート４６ｅは、長方形状の疎水性シート５６と長方形状の親水性シート５８とを組み合わせた複合化シートである。具体的には、疎水性シート５６の上側に、疎水性シート５６よりも左右方向の幅が狭く、前後方向の長さが長い親水性シート５８を重ねて結合させたものである。
　疎水性シート５６と親水性シート５８とを組み合わせた複合化シートは、特に限定されないが、例えば、ＰＰ・ＳＭＳ不織布（ＡＶＧＯＬ社製）とテープ状のＴＣＦ（二村化学社製）とをホットメルト接着剤で部分的に複合化したものが挙げられる。
　垂下部サポートシート４６ｅは、垂下部との結合部４８ｅを疎水性シート５６の左右の縁部付近に前後方向のほぼ全長にわたって有し、吸収体の表面との結合部５０ｅを親水性シート５８の前後端部付近に左右方向のほぼ全幅にわたって有している。

　図５～図７に示される各吸収体物品は、いずれも基本的に図３に示される吸収体物品と同様であるが、図４に示されるような種々の垂下部サポートシートを組み合わせることによって、それぞれ異なった、新たな機能を付与した実施態様例である。

　図５は、本発明の吸収体物品の別の実施例を示す模式的な展開平面図である。図５は、テープ型おむつの態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を示している。
　図５に示される吸収体物品１０４は、図３に示される吸収体物品１０２と基本的に同様であるが、垂下部サポートシート４６ｆを有している点で異なる。
　垂下部サポートシート４６ｆは、長方形状であり、前後方向の長さ（１３０ｍｍ程度）が左右方向の幅（１４０ｍｍ程度）よりも若干短い。
　垂下部サポートシート４６ｆは、股下部Ｃの大部分及び前身頃Ｆの一部にわたって配置されている。
　垂下部サポートシート４６ｆとしては、例えば、下側が疎水性シート（約１０μｍのＰＥフィルム）、上側が親水性シート（目付量２５ｇ／ｍ²のＴＣＦ）であるラミネートシート（二村化学社製）を用いることができる。

　左右一対のＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａは、股下部Ｃ近傍において、それぞれ下端部付近の結合部４８ｆで垂下部サポートシート４６ｆと結合することにより、相互に連結され、垂下部１８ａと垂下部サポートシート４６ｆとにより体液の移動通路Ｐが形成されている。体液の移動通路Ｐは、左右側面が垂下部１８ａ、底面が垂下部サポートシート４６ｆにより形成されている。
　体液の移動通路Ｐは、股下部Ｃから前身頃Ｆにかけて延在している。

　図５に示される吸収体物品１０４は、応力をかけずに弛緩状態にすると、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａを構成する伸縮性部材が収縮して開口を形成する。
　これにより、１３０ｍｍ程度の幅と５０ｍｍ程度の深さを有し、上方に開口した大きな空間である体液の移動通路Ｐが股下部Ｃから前身頃Ｆにかけて形成される。
　体液の移動通路Ｐは、吸収体１２ａの表面１２ａｓから浮き上がり、吸収体１２ａの表面１２ａｓから離間した状態を保っている。

　着用者から排出された尿は、開口部から受容され、そのほぼ全量がこの体液の移動通路Ｐで受け止められる。尿は、体液の移動通路Ｐに受容されて、流速が大幅に緩和され、均等化された状態で体液の移動通路Ｐの前方からは前身頃Ｆの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、体液の移動通路Ｐの後方からは後身頃Ｒの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、それぞれ供給され、吸収体１２ａの表面１２ａｓを前後左右に拡散しながら吸収体１２ａのほぼ全面が利用されて吸収される。
　体液の移動通路Ｐから前側及び後側に移動する尿の量の割合は、着用者の体位によって異なるが、たとえ大きく前後いずれかに偏っても、前後に設けられた幅が広く、かつ、深い前部ポケット２４ａ及び後部ポケット２６ａに捕捉され、漏れを回避することができる。

　図６は、本発明の吸収体物品の更に別の実施例を示す模式的な展開平面図である。図６は、テープ型おむつの態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を示している。
　図６に示される吸収体物品１０６は、図３に示される吸収体物品１０２と基本的に同様であるが、垂下部サポートシート４６ｇを有している点で異なる。
　垂下部サポートシート４６ｇは、変形した長方形状であり、具体的には、前端において中央部に頂点が形成されており、五角形状をしている。垂下部サポートシート４６ｇは、前後方向の長さ（２００ｍｍ程度（最も長い中央部で））が左右方向の幅（１４０ｍｍ程度）よりも長い。
　垂下部サポートシート４６ｇは、股下部Ｃから前身頃Ｆにわたって配置されている。
　垂下部サポートシート４６ｇとしては、例えば、下側が疎水性シート（約１０μｍのＰＥフィルム）、上側が親水性シート（目付量２５ｇ／ｍ²のＴＣＦ）であるラミネートシート（二村化学社製）を用いることができる。

　左右一対のＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａは、股下部Ｃ近傍において、それぞれ下端部付近の結合部４８ｇで垂下部サポートシート４６ｇと結合することにより、相互に連結され、垂下部１８ａと垂下部サポートシート４６ｇとにより体液の移動通路Ｐが形成されている。体液の移動通路Ｐは、左右側面が垂下部１８ａ、底面が垂下部サポートシート４６ｇにより形成されている。
　体液の移動通路Ｐは、股下部Ｃから前身頃Ｆにかけて延在し、垂下部サポートシート４６ｇの前端が前部ポケット２４ａの内部に入り込むことにより、前部ポケット２４ａまで連なっている。
　垂下部サポートシート４６ｇは、左右方向の中央付近に前端付近及び後端付近の２箇所の結合部５０ｆで、吸収体１２ａの表面１２ａｓに結合している。

　図６に示される吸収体物品１０６は、応力をかけずに弛緩状態にすると、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａを構成する伸縮性部材が収縮して開口を形成する。
　これにより、１３０ｍｍ程度の幅と５０ｍｍ程度の深さを有し、上方に開口した大きな空間である体液の移動通路Ｐが股下部Ｃから前身頃Ｆにかけて延在し、前部ポケット２４ａまで連なって形成される。
　体液の移動通路Ｐは、体液の移動通路Ｐの前端及び後端に相当する２箇所の結合部５０ｆで吸収体１２ａの表面１２ａｓに結合している一方、それら以外の部分では、吸収体１２ａの表面１２ａｓから浮き上がり、吸収体１２ａの表面１２ａｓから離間した状態を保っている。体液の移動通路Ｐの底面は、基本的に、股下部Ｃの後端出口が低く、前身頃Ｆに向かって位置が高くなっていくが、前端中央部の頂点付近では吸収体１２ａの表面１２ａｓとの結合部５０ｆにより位置を低くし、前部ポケット２４ａ内に尿を導入しやすいようになっている。

　着用者から排出された尿は、開口部から受容され、そのほぼ全量がこの体液の移動通路Ｐで受け止められる。尿は、体液の移動通路Ｐに受容されて、流速が大幅に緩和され、均等化された状態で体液の移動通路Ｐの前方からは前身頃Ｆの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、体液の移動通路Ｐの後方からは後身頃Ｒの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、それぞれ供給され、吸収体１２ａの表面１２ａｓを前後左右に拡散しながら吸収体１２ａのほぼ全面が利用されて吸収される。
　ここで、尿は、体液の移動通路Ｐから吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に移動する際、体位にもよるが、大部分の尿は後端の出口から吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に移動し、一部は前端出口から前部ポケット２４ａ内に移動する。
　体液の移動通路Ｐを前方に移動した尿は、垂下部サポートシート４６ｇの前端の頂点付近を通って前部ポケット２４ａの内部の中央部から吸収体１２ａの表面１２ａｓに選択的に供給され、そこから、まず前部ポケット２４ａの全体に吸収体１２ａの表面１２ａｓを流れて拡散する。さらに、吸収されなかった尿は、垂下部サポートシート４６ｇの下側を通って、前部ポケット２４ａより後側の吸収体１２ａに少しずつ浸透しながら移動していく。
　他方、体液の移動通路Ｐを後方に移動した尿は、後端の中央部付近を通って吸収体１２ａの表面１２ａｓに選択的に供給され、そこから、前後及び左右に移動して拡散する。前後と比較して左右へ移動する尿の量は大幅に少なくなるが、左右に移動した尿があっても、左右一対のＦＬＧ１４ａの外側に配置される左右一対のＳＬＧ２８ａが横漏れを防止する。また、後側に拡散した尿の量が多い場合であっても、後部ポケット２６ａが漏れを防止する。

　排出された尿は、体液の移動通路Ｐに上述したような傾斜が形成されているため、体液の移動通路Ｐ内にほとんど残留しない。また、吸収体１２ａの表面１２ａｓは、開口部を除き、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａで被覆されているので、着用者の肌が尿に接触する可能性は極めて少ない。
　この状況は、尿の排出量が吸収体１２ａの吸収能力の限度を超え、トップシート４０ａ上に尿が浸出しているような状態に至っても、垂下部サポートシート４６ｇが防漏性を有し、かつ、吸収体１２ａの表面１２ａｓと着用者の肌とが非接触となっているため、同じである。

　図７は、本発明の吸収体物品の更に別の実施例を示す模式図である。図７（Ａ）は、テープ型おむつの態様である吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を模式的に示した展開平面図である。図７（Ｂ）は、前記吸収体物品を図７（Ａ）中の折り線Ｌ及びＬ’で内側に折り畳み、ＦＬＧの垂下部とＳＬＧの脚部とを結合させた状態であり、かつ、応力を加えていない状態における図７（Ａ）中のＶＩＩＢ－ＶＩＩＢ線に沿った縦断面図である。
　図７に示される吸収体物品１０８は、図３に示される吸収体物品１０２と基本的に同様であるが、垂下部サポートシート４６ｈを有している点で異なる。
　垂下部サポートシート４６ｈは、変形した長方形状であり、具体的には、前端において中央部が曲線的に凸状を形成している。垂下部サポートシート４６ｈは、前後方向の長さ（３１０ｍｍ程度（最も長い中央部で））が左右方向の幅（１４０ｍｍ程度）よりも長い。
　垂下部サポートシート４６ｈは、前後方向の中央部において、中央付近に弧状のスリット５２ａが設けられ、スリット５２ａに囲まれた部分が下側に落ち込むことができるようになっている。この落ち込んだ部分が体液の移動通路Ｐの出口として機能する。
　垂下部サポートシート４６ｈは、股下部Ｃの全域、前身頃Ｆの一部及び後身頃Ｒの一部にわたって配置されている。
　垂下部サポートシート４６ｈとしては、例えば、下側が疎水性シート（約１０μｍのＰＥフィルム）、上側が親水性シート（目付量２５ｇ／ｍ²のＴＣＦ）であるラミネートシート（二村化学社製）を用いることができる。

　左右一対のＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａは、股下部Ｃ近傍において、それぞれ下端部付近の結合部４８ｈで垂下部サポートシート４６ｈと結合することにより、相互に連結され、垂下部１８ａと垂下部サポートシート４６ｈとにより体液の移動通路Ｐが形成されている。体液の移動通路Ｐは、左右側面が垂下部１８ａ、底面が垂下部サポートシート４６ｈにより形成されている。
　体液の移動通路Ｐは、股下部Ｃから前身頃Ｆ及び後身頃Ｒにかけてそれぞれ延在し、垂下部サポートシート４６ｈの前端及び後端が前部ポケット２４ａ及び後部ポケット２６ａの内部に入り込むことにより、前部ポケット２４ａ及び後部ポケット２６ａまで連なっている。
　垂下部サポートシート４６ｈは、左右方向の中央付近に前端付近及び後端付近の２箇所の結合部５０ｇと、スリット５２ａに囲まれ、下側に落ち込んだ部分となる結合部５０ｇとで、吸収体１２ａの表面１２ａｓに結合している。

　図７に示される吸収体物品１０８は、応力をかけずに弛緩状態にすると、左右一対のＦＬＧ１４ａの頭部１６ａを構成する伸縮性部材が収縮して開口を形成する。
　これにより、１３０ｍｍ程度の幅と５０ｍｍ程度の深さを有し、上方に開口した大きな空間である体液の移動通路Ｐが股下部Ｃから前身頃Ｆ及び後身頃Ｒにかけてそれぞれ延在し、前部ポケット２４ａ及び後部ポケット２６ａまで連なって形成される。
　体液の移動通路Ｐは、体液の移動通路Ｐの３箇所の結合部５０ｇで吸収体１２ａの表面１２ａｓに結合している一方、それら以外の部分では、吸収体１２ａの表面１２ａｓから浮き上がり、吸収体１２ａの表面１２ａｓから離間した状態を保っている。そのため、体液の移動通路Ｐの底面は、体位にもよるが、前身頃Ｆ及び後身頃Ｒにおいて位置が高く、股下部Ｃに向かって低くなっていき、スリット５２ａに囲まれ下側に落ち込んだ部分となる５０ｇの出口で一段と低くなるような傾斜状態が形成されている。

　着用者から排出された尿は、開口部から受容され、そのほぼ全量がこの体液の移動通路Ｐで受け止められる。尿は、体液の移動通路Ｐに受容されて、流速が大幅に緩和され、均等化された状態で体液の移動通路Ｐの前方からは前身頃Ｆの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、体液の移動通路Ｐの後方からは後身頃Ｒの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、体液の移動通路Ｐの中央部においてはスリット５２ａにより形成され下側に落ち込んだ出口からは股下部Ｃの吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に、それぞれ供給され、吸収体１２ａの表面１２ａｓを前後左右に拡散しながら吸収体１２ａのほぼ全面が利用されて吸収される。
　ここで、尿は、体液の移動通路Ｐから吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に移動する際、大部分はスリット５２ａにより形成された出口の中央付近から流出するが、体位により、一部は前身頃の出口からも溢流して、前部ポケット２４ａ内で吸収される。体液の移動通路Ｐの後身頃Ｒに存在する部分に移動する尿はほとんどない。
　体液の移動通路Ｐを前方に移動した尿は、垂下部サポートシート４６ｈの前端の頂点付近を通って前部ポケット２４ａの内部の中央部から吸収体１２ａの表面１２ａｓに選択的に供給され、そこから、まず前部ポケット２４ａの全体に吸収体１２ａの表面１２ａｓを流れて拡散する。さらに、吸収されなかった尿は、垂下部サポートシート４６ｈの下側を通って、前部ポケット２４ａより後側の吸収体１２ａに少しずつ浸透しながら移動していく。
　大部分の尿は、主に、スリット５２ａにより形成された出口の左右方向の中央部から吸収体１２ａの表面１２ａｓに選択的に供給され、そこから前後及び左右に移動して拡散する。左右に拡散する尿の量は、通常のおむつの場合と比較して大幅に少なくなるが、左右に移動した尿があっても、左右一対のＦＬＧ１４ａの外側に配置される左右一対のＳＬＧ２８ａが横漏れを防止する。また、後側に拡散した尿の量が多い場合であっても、後部ポケット２６ａが漏れを防止する。

　排出された尿は、体液の移動通路Ｐに上述したような傾斜が形成されているため、体液の移動通路Ｐ内にほとんど残留しない。また、吸収体１２ａの表面１２ａｓは、開口部を除き、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａで被覆されているので、着用者の肌が尿に接触する可能性は極めて少ない。
　この状況は、尿の排出量が吸収体１２ａの吸収能力の限度を超え、トップシート４０ａ上に尿が浸出しているような状態に至っても、垂下部サポートシート４６ｈが防漏性を有し、かつ、吸収体１２ａの表面１２ａｓと着用者の肌とが非接触となっているため、同じである。

　着用者から排出され、体液の移動通路Ｐの開口部から受容された便は、体液の移動通路Ｐのスリット５２ａより後側において収容される。
　なお、スリット５２ａの後側とスリット５２ａにより形成された出口とは大きな段差が生じるため、スリット５２ａから後方に尿が移動することはほとんど起こらず、極めて効果的に尿便の分離が行われる。
　便の流動性が小さい場合は、便は、体液の移動通路Ｐ内に留まる。
　これに対し、便の流動性が大きい場合は、便は、体液の移動通路Ｐの出口から吸収体１２ａの表面１２ａｓに移動する。前方に移動した便は、スリット５２ａにより形成された出口を通って吸収体１２ａの表面１２ａｓに移動し、吸収体１２ａの表面１２ａｓと垂下部サポートシート４６ｈとの間に存在する空間に収容され、水分が吸収体１２ａにより吸収され、固定される。後方に移動した便は、体液の移動通路Ｐの後端から吸収体１２ａの表面１２ａｓ上に移動し、後部ポケット２６ａの内部において収容され、水分が吸収体１２ａにより吸収され、固定される。
　したがって、体液の移動通路Ｐ内に残留する便は、ほとんど流動性が小さい固形のもののみであり、開口部を除き、ＦＬＧ１４ａの垂下部１８ａが着用者の肌を被覆するので、着用者の肌が便に接触する領域は、肛門周辺に限られる。したがって、かぶれの危険性も低減され、脱着後の清拭も容易になり、本発明の吸収体物品１０８が要介護者に用いられる場合に、介護者の負担も極めて小さい。

　本発明の吸収体物品は、左右一対のＦＬＧが、頭部が内側に、垂下部が外側に向くように配置されることにより、吸収体上に排出された尿や便が着用者の肌に接触することが効果的に抑制されるものである。
　このような機能をより効果的に奏させるためには、例えば、図３に示される吸収体物品１０２のように、左右一対のＦＬＧの頭部が、前後方向の少なくとも一部において、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合うように配置されている態様とする他、左右一対のＦＬＧの対向する頭部の間が、前後方向の少なくとも一部において、防漏性シートによりふさがれている態様とするのも好ましい。
　中でも、左右一対のＦＬＧの頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する態様、及び、左右一対のＦＬＧの頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する態様が好ましい。

　図８は、対向する頭部の間が前後方向の少なくとも一部において防漏性シートによりふさがれているＦＬＧの種々の例を示す模式的な平面図である。
　図８（Ａ）に示されるＦＬＧ１４ｂは、頭部１６ｂと頭部１６ｂに連なる垂下部１８ｂとを有し、頭部１６ｂが内側に、垂下部１８ｂが外側に向くように配置されている。左右一対のＦＬＧ１４ｂの頭部１６ｂは、間隔ｄで対向している。ＦＬＧ１４ｂの前端部及び後端部は、吸収体物品本体（図示せず）の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、垂下部１８ｂが頭部１６ｂから吸収体（図示せず）に向かって垂れ下がるように構成される。
　左右一対のＦＬＧ１４ｂの上には、前端部付近及び後端部付近で、これらをまたいで被覆する前部被覆シート６０及び後部被覆シート６２がそれぞれ設けられている。前部被覆シート６０及び後部被覆シート６２は、それぞれ、防漏性シートであり、例えば、疎水性不織布や、不織布とフィルムとの積層体が用いられる。
　前部被覆シート６０により、左右一対のＦＬＧの頭部の間がふさがれている部分が、吸収体物品本体（図示せず）の前端部から前身頃にかけて存在するようにすることができる。
　また、後部被覆シート６２により、左右一対のＦＬＧの頭部の間がふさがれている部分が、吸収体物品本体（図示せず）の後端部から後身頃にかけて存在するようにすることができる。
　前部被覆シート６０及び後部被覆シート６２は、いずれもＦＬＧ１４ｂと直接結合していないため、ＦＬＧ１４ｂは、左右及び前後に多少動く程度の自由度を有している。
　なお、前部被覆シート６０及び後部被覆シート６２を吸収体物品本体に配置し、結合させる態様については、後述する。

　図８（Ｂ）に示されるＦＬＧ１４ｃは、頭部１６ｃと頭部１６ｃに連なる垂下部１８ｃとを有し、頭部１６ｃが内側に、垂下部１８ｃが外側に向くように配置されている。左右一対のＦＬＧ１４ｃの頭部１６ｃは、中央開口Ｏｃにおいて間隔ｄで対向している。ＦＬＧ１４ｃの前端部及び後端部は、吸収体物品本体（図示せず）の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、垂下部１８ｃが頭部１６ｃから吸収体（図示せず）に向かって垂れ下がるように構成される。
　ＦＬＧ１４ｃは、１枚又は２枚のほぼ長方形のシート（例えば、不織布）を用いて得ることができる。
　例えば、１枚のシートの左右方向の中央部に、左右一対の伸縮性材料を引っ張った状態で間隔ｄとなるように貼り付け、又は、２枚のシートの左右方向の中央部に、左右一対の伸縮性材料を引っ張った状態で間隔ｄとなるように挟み込み、ＦＬＧ１４ｃの頭部１６ｃを形成させる。
　ついで、左右一対の伸縮性材料の間の部分を、角が丸い長方形状に切り抜き、中央開口Ｏｃを形成させる。
　さらに、スリット６３をシートの左右縁部に２箇所ずつ設け、スリット６３の間の部分によりＦＬＧ１４ｃの垂下部１８ｃを形成させる。なお、スリット６３の代わりに切欠部を設けても同様の効果が得られる。
　このようにして、ＦＬＧ１４ｃを形成させたＦＬＧシート６５が得られる。
　ＦＬＧ１４ｃのように、一対のＦＬＧの前部及び後部が連結しているのは、本発明の好適な態様の一つである。
　なお、ＦＬＧシート６５を吸収体物品本体に配置し、結合させる態様については、後述する。

　図８（Ｃ）に示されるＦＬＧ１４ｄは、頭部１６ｄと頭部１６ｄに連なる垂下部１８ｄとを有し、頭部１６ｄが内側に、垂下部１８ｄが外側に向くように配置されている。左右一対のＦＬＧ１４ｄの頭部１６ｄは、前部開口Ｏｆ及び後部開口Ｏｒにおいて間隔ｄで対向している。ＦＬＧ１４ｄの前端部及び後端部は、吸収体物品本体（図示せず）の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、垂下部１８ｄが頭部１６ｄから吸収体（図示せず）に向かって垂れ下がるように構成される。
　ＦＬＧ１４ｄは、前部開口Ｏｆ及び後部開口Ｏｒを形成させるために２箇所シートを切り抜き、その間に架橋部を残す他は、ＦＬＧ１４ｃと同様に、１枚又は２枚のほぼ長方形のシート（例えば、不織布）を用いて得ることができる。
　このようにして、ＦＬＧ１４ｄを形成させたＦＬＧシート６５ａが得られる。
　ＦＬＧ１４ｄのように、一対のＦＬＧの前部、後部及び中央部が連結しているのは、本発明の好適な態様の一つである。

　図９は、本発明の吸収体物品の更に別の例を示す模式図である。図９（Ａ）は、パンツ型おむつの態様である吸収体物品をそのウェストギャザーの左右両側の部分（図中のＺ及びＺ’）で切断して、吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を示している。図９（Ｂ）は、前記の状態の図９（Ａ）中のＩＸＢ－ＩＸＢ線に沿った横端面図である。
　図９に示される吸収体物品１１０は、基本的に図１及び図２に示される吸収体物品１００と同様であるが、図８（Ａ）に示される前部被覆シート６０及び後部被覆シート６２を有している点で異なる。

　前部被覆シート６０は、左右一対のＦＬＧ１４の頭部１６の間を、前端部付近で、ふさいでいる。また、前部被覆シート６０は、左右一対のＦＬＧ１４の頭部１６及び垂下部１８を、吸収体１２の左右縁部に至る範囲まで上から被覆している。
　前部被覆シート６０は、結合部６６により、前端部が吸収体物品本体の前端部にＦＬＧ１４の前端部とともに接合されている。前部被覆シート６０の左右縁部は、図９（Ｂ）に示される後部被覆シート６２と同様に、吸収体１２の表面１２ｓと結合されて、漏れの生じないように密閉されている。
　前部被覆シート６０は、上述した前端部及び左右縁部の３辺において接合されているため、前部ポケット２４より大きくて深い前部ポケット２４’が形成される。これにより、漏れがより効果的に防止される。
前部被覆シート６０は、前端部を除き、ＦＬＧ１４とは結合されない。これにより、ＦＬＧ１４の変形の自由度が高くなる。

　後部被覆シート６２は、左右一対のＦＬＧ１４の頭部１６の間を、前端部付近で、ふさいでいる。また、後部被覆シート６２は、左右一対のＦＬＧ１４の頭部１６及び垂下部１８を、吸収体１２の左右縁部に至る範囲まで上から被覆している。
　後部被覆シート６２は、結合部７０により、後端部が吸収体物品本体の後端部にＦＬＧ１４の後端部とともに接合されている。後部被覆シート６２の左右縁部は、図９（Ｂ）に示されるように、吸収体１２の表面１２ｓと結合されて、漏れの生じないように密閉されている。
　後部被覆シート６２は、上述した後端部及び左右縁部の３辺において接合されているため、後部ポケット２６より大きくて深い後部ポケット２６’が形成される。これにより、漏れがより効果的に防止される。
　後部被覆シート６２は、後端部を除き、ＦＬＧ１４とは結合されない。これにより、ＦＬＧ１４の変形の自由度が高くなる。

　吸収体１２の外側に延在するＳＬＧ２８は、前部被覆シート６０の側縁部、後部被覆シート６２の側縁部及び垂下部１８の下端部を覆うように内側に折り返されて、その頭部（伸縮性部材を有していない部分）の前端部及び後端部が、ＳＬＧ結合部６４及び６８で被覆シート上にそれぞれ結合されている。

　吸収体物品１１０においては、前部ポケット２４’と後部ポケット２６’とは同じ形状で同じ大きさとなっているが、本発明においてはこれに限定されず、形状や大きさが異なっていてもよい。

　図１０は、本発明の吸収体物品の更に別の例を示す模式図である。図１０（Ａ）は、パンツ型おむつの態様である吸収体物品をそのウェストギャザーの左右両側の部分（図中のＺ及びＺ’）で切断して、吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態を示している。図１０（Ｂ）は、前記の状態の図１０（Ａ）中のＸＢ－ＸＢ線に沿った横端面図である。
　図１０に示される吸収体物品１１２は、基本的に図１及び図２に示される吸収体物品１００と同様であるが、ＦＬＧ１４の代わりに、図８（Ｂ）に示されるＦＬＧ１４ｃを形成するＦＬＧシート６５が設けられている点で異なる。

　ＦＬＧシート６５は、前端部及び後端部と、その間の左右一対のＦＬＧ１４の頭部１６を構成する部分とを、１枚のシートに含んでいる。
　ＦＬＧシート６５は、結合部７４により、前端部が吸収体物品本体の前端部に接合されている。前端部付近の左右縁部は、図１０（Ｂ）に示される後端部と同様に、吸収体１２の表面１２ｓに結合されて、漏れの生じないように密閉されている。
　ＦＬＧシート６５は、結合部７８により、後端部が吸収体物品本体の後端部に接合されている。後端部付近の左右縁部は、図１０（Ｂ）で示されるように、吸収体１２の表面１２ｓに結合されされて、漏れの生じないように密閉されている。
　ＦＬＧシート６５は、上述した前端部及び左右縁部の３辺において接合されているため、前部ポケット２４より大きくて深い前部ポケット２４”が形成され、かつ、上述した後端部及び左右縁部の３辺において接合されているため、後部ポケット２６より大きくて深い後部ポケット２６”が形成される。これにより、漏れがより効果的に防止される。

　吸収体物品１１２においては、前部ポケット２４”と後部ポケット２６”とは同じ形状で同じ大きさとなっているが、本発明においてはこれに限定されず、形状や大きさが異なっていてもよい。

　吸収体１２の外側に延在するＳＬＧ２８は、図１０（Ｂ）に示されるように、ＦＬＧシート６５の側縁部を覆うように内側に折り返されて、その頭部（伸縮性部材を有していない部分）の前端部及び後端部が、ＳＬＧ結合部７２及び７６でＦＬＧシート６５上にそれぞれ結合されている。

　以上、本発明の吸収体物品を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
　また、各実施形態における各部の構成を任意に組み合わせて、別の実施形態とすることもできる。
　例えば、図９や図１０に示されるような、左右一対のＦＬＧの対向する頭部の間が、前後方向の少なくとも一部において、防漏性シートによりふさがれている態様と、図４に示されるような、垂下部サポートシートを有する態様とを組み合わせてもよい。

　本発明の吸収体物品は、紙おむつ（子供用及び大人用）、失禁用品、トレーニングパンツ等に好適に用いられる。

　１０、１０ａ　防漏体
　１１　外装シート
　１２、１２ａ　吸収体
　１２ｓ、１２ａｓ　吸収体の表面
　１４、１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ　フローティングレッグギャザー（ＦＬＧ）
　１６、１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ　頭部
　１８、１８ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄ　垂下部
　２０、２０ａ、２１、２１ａ、６６、７４　前端結合部
　２２、２２ａ、２３、２３ａ、７０、７８　後端結合部
　２４、２４’、２４”、２４ａ　前部ポケット
　２５、２７　頭部結合部
　２６、２６’、２６”、２６ａ　後部ポケット
　２８、２８ａ　スタンディングレッグギャザー（ＳＬＧ）
　３０　頭部
　３２　脚部
　４８、４８ａ、４８ｂ、４８ｃ、４８ｄ、４８ｅ、４８ｆ、４８ｇ、４８ｈ、５０、５０ａ、５０ｂ、５０ｃ、５０ｄ、５０ｅ、５０ｆ、５０ｇ　結合部
　３４、６４、６８、７２、７６　ＳＬＧ結合部
　３６　シャーリングギャザー
　３８　ウェストギャザー
　４０、４０ａ　トップシート
　４２　接合点
　４４　着脱部材
　４６、４６ａ、４６ｂ、４６ｃ、４６ｄ、４６ｅ、４６ｆ、４６ｇ、４６ｈ　垂下部サポートシート
　５２、５２ａ、６３　スリット
　５４　切欠部
　５６　疎水性シート
　５８　親水性シート
　６０　前部被覆シート
　６２　後部被覆シート
　６５、６５ａ　ＦＬＧシート
　１００、１０２、１０４、１０６、１０８、１１０、１１２　吸収体物品
　Ｃ　股下部
　Ｆ　前身頃
　Ｏｃ　中央開口
　Ｏｆ　前部開口
　Ｏｒ　後部開口
　Ｐ　体液の移動通路
　Ｒ　後身頃

Claims (19)

1. 　シート状の防漏体と、
   　前記防漏体の上部に少なくとも一層配置された、体液を吸収しうる吸収体と、
   　前記吸収体の上部に、吸収体物品本体の長さ方向の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される左右一対のフローティングレッグギャザーと
   を具備する吸収体物品であって、
   　前記フローティングレッグギャザーが、頭部と前記頭部に連なる垂下部とを有し、
   　前記左右一対のフローティングレッグギャザーが、前記頭部が内側に、前記垂下部が外側に向くように配置され、
   　前記フローティングレッグギャザーの前端部及び後端部が、前記吸収体物品本体の前端部近傍及び後端部近傍にそれぞれ結合されて、前記垂下部が前記頭部から前記吸収体に向かって垂れ下がるように構成され、
   　前記左右一対のフローティングレッグギャザーが、前後方向の前端部から前身頃にかけて、その前記垂下部の下端部近傍で前記吸収体物品本体及び／又は前記吸収体の表面と結合して前部ポケットを形成し、前後方向の後端部から後身頃にかけて、その前記垂下部の下端部近傍で前記吸収体物品本体及び／又は前記吸収体の表面と結合して後部ポケットを形成し、かつ、股下部近傍において前記吸収体の表面と離間している、吸収体物品。
2. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部が左右方向の中央部近傍で互いに対向するように配置されている、請求項１に記載の吸収体物品。
3. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの対向する前記頭部の間が、前後方向の少なくとも一部において、防漏性シートによりふさがれている、請求項２に記載の吸収体物品。
4. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する、請求項３に記載の吸収体物品。
5. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の間がふさがれている部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する、請求項３又は４に記載の吸収体物品。
6. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部が、前後方向の少なくとも一部において、左右方向の中央部近傍で互いに重なり合うように配置されている、請求項１に記載の吸収体物品。
7. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の前端部から前身頃にかけて存在する、請求項６に記載の吸収体物品。
8. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記頭部の左右方向の中央部近傍で互いに重なり合う部分が、少なくとも前記吸収体物品本体の後端部から後身頃にかけて存在する、請求項６又は７に記載の吸収体物品。
9. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記垂下部が、股下部近傍において、その下端部付近で相互に連結され、前記垂下部の内面側に体液の移動通路が形成されている、請求項１～８のいずれかに記載の吸収体物品。
10. 　前記左右一対のフローティングレッグギャザーの前記垂下部が、股下部近傍において、それぞれ下端部付近で垂下部サポートシートと結合することにより、相互に連結され、
    前記垂下部と前記垂下部サポートシートとにより体液の移動通路が形成されている、請求項９に記載の吸収体物品。
11. 　前記体液の移動通路が、更に股下部から前身頃にかけて延在する、請求項９又は１０に記載の吸収体物品。
12. 　前記体液の移動通路が、前部ポケットまで連なっている、請求項１１に記載の吸収体物品。
13. 　前記体液の移動通路が、更に股下部から後身頃にかけて延在する、請求項９～１２のいずれかに記載の吸収体物品。
14. 　前記体液の移動通路が、後部ポケットまで連なっている、請求項１３に記載の吸収体物品。
15. 　前記体液の移動通路が、その前端部及び／又は後端部において、前記吸収体の表面と結合している、請求項９～１４のいずれかに記載の吸収体物品。
16. 　更に、前記左右一対のフローティングレッグギャザーの外側に配置される左右一対のスタンディングレッグギャザーを具備し、
    　前記スタンディングレッグギャザーが、頭部と前記頭部に連なる脚部とを有し、前記脚部の下端部が前記吸収体物品本体に結合して起立している、請求項１～１５のいずれかに記載の吸収体物品。
17. 　前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している、請求項１６のいずれかに記載の吸収体物品。
18. 　前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している部分が、少なくとも後身頃に存在する、請求項１７に記載の吸収体物品。
19. 　前記フローティングレッグギャザーの前記垂下部と、前記スタンディングレッグギャザーの前記脚部とが結合している部分が、少なくとも股下部近傍に存在する、請求項１７又は１８に記載の吸収体物品。

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