WO2013102962A1

WO2013102962A1 - キャッシュ装置、キャッシュ置換方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体

Info

Publication number: WO2013102962A1
Application number: PCT/JP2012/006411
Authority: WO
Inventors: 徹大須賀
Original assignee: 日本電気株式会社
Priority date: 2012-01-04
Filing date: 2012-10-05
Publication date: 2013-07-11

Abstract

　キャッシュ容量の制約の中でレスポンス時間やユーザの体感速度の向上量を逐次的に向上させるキャッシュ装置を提供する。サーバ装置（センタストレージ装置（３））から取得したコンテンツを保持し、コンテンツをユーザ端末（１）に提供するキャッシュ装置２であって、ユーザ端末（１）に提供するコンテンツをキャッシュとして保持するキャッシュ記憶部（２６）と、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定するキャッシュ制御手段（キャッシュ優先度決定部（２２）、コンテンツ特性決定部（２３）、ローカルＮＷ状態測定部（２４）、グローバルＮＷ状態測定部（２５））と、優先度に基づいて、キャッシュ記憶部（２６）がキャッシュとして保持しているコンテンツと、新たに格納するコンテンツとを置換するキャッシュ置換部（２１）と、を備える。

Description

キャッシュ装置、キャッシュ置換方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体

　本発明は、インターネットやＮＧＮ（Next Generation Network）といったネットワークを経由してユーザが写真・動画等のコンテンツを多様な端末から利用するサービスにおいて、ユーザの近傍に設置されたキャッシュ装置に一部のコンテンツを格納してユーザの体感品質を向上させるキャッシュ置換方法、装置、及びプログラムに関する。

　コンピュータの高性能化やネットワークの広帯域化に伴い、ユーザがネットワーク上にある写真・動画等のコンテンツを多様な端末から利用するサービスが広まってきている。より具体的には、サービスはネットワーク上に設置されたクラウドストレージに各ユーザが利用可能な記憶領域を設け、ユーザは記憶領域に自分の写真・動画等のコンテンツを蓄積して多様な端末から利用するクラウドストレージサービスである。また他には、サービスはサービス事業者や他のユーザが作成した写真・動画等のコンテンツをネットワーク経由で取得して視聴・閲覧する映像配信サービスや動画投稿サービス、ｗｅｂサービス等である。

　ここで、ユーザからの全てのコンテンツの配信要求に対してクラウドストレージやオリジンサーバ等のセンタストレージ装置から配信を行うと、センタストレージ装置から各ユーザ端末までの通信経路全てに大量のトラヒックが発生する。このため、特に現在広く普及しているインターネットのようなベストエフォートなネットワークでは通信経路上の輻輳によるスループットの著しい低下や遅延時間の上昇等の影響を受けやすい。その結果、コンテンツを取得して利用可能になるまでの待ち時間が増大し、ユーザの体感品質を著しく損ねてしまう。

　これに対し、一部のコンテンツを格納可能なプロキシサーバやエッジサーバといったキャッシュ装置をユーザの近傍に設置することが提案されている。キャッシュ装置にユーザが利用する可能性の高いコンテンツをキャッシュしてトラヒックをユーザ近傍に集約する。これにより、上述した課題を緩和してユーザの体感品質の向上が図られてきた。関連するキャッシュ装置によるユーザの体感品質の向上させる方式には、大きく２通りのアプローチがある。

　１つ目は、ユーザの行動を推測し、近い将来ユーザが要求するコンテンツを予めキャッシュ装置に格納しておくプリフェッチ技術であり、例えば特許文献１や特許文献２で開示されている。特許文献１では、現在表示しているｗｅｂページからリンクされているページを将来ユーザが要求する可能性が高いと判断し、予め取得してキャッシュ装置に格納している。さらに、特許文献２では、マウスカーソルの現在の位置から近いリンクで指定されているページや、マウスカーソルの移動方向の先にあるリンクで指定されているページを将来ユーザが要求する可能性が高いと判断し、予め取得してキャッシュ装置に格納している。

　２つ目は、映像コンテンツを対象に、先頭またはシーンジャンプ先等の再生される可能性が高い部分を優先的にキャッシュ装置に格納するプレフィックスキャッシング技術で、例えば特許文献３や特許文献４で開示されている。特許文献３では、映像コンテンツの冒頭部分をユーザは再生する可能性が高いと判断し、優先的にキャッシュ装置に格納している。また、特許文献４では、映像再生アプリケーションでシーンジャンプ操作をしたときの再生部分をユーザは再生する可能性が高いと判断し、優先的にキャッシュ装置に格納している。

特許４２７０２１３号公報特許４０９３４７８号公報特開２００７－０８０１６１公報特許４６５８５０５号公報

　本発明が対象としているクラウドストレージサービスでは、個人コンテンツをネットワーク上のクラウドストレージに格納するようになる。ここで、個人コンテンツとは、ユーザが利用しているパーソナルコンピュータ（ＰＣ）のＨＤＤ（Hard Disk Drive）等のローカルなストレージに格納されるコンテンツである。そのため、クラウドストレージに格納し配信するコンテンツには、テキスト等の小容量コンテンツや写真等の大容量コンテンツ、あるいは、動画等の特殊な再生表示を行うコンテンツといったように多種多様なコンテンツ種別が混在する。

　これに対し、関連するキャッシュ装置によるユーザの体感品質の向上方式では、全てのキャッシュが同等に扱われ、コンテンツ種別がユーザの体感品質に与える影響が考慮されていなかった。そのため、キャッシュしても大して体感速度が向上しないコンテンツが無駄にキャッシュされ、その分キャッシュ装置の記憶容量が圧迫されることにより、キャッシュによるユーザの体感速度の向上効果が薄くなってしまう可能性があった。

　そこで、本発明は上述した課題を鑑みてなされたものであって、キャッシュ容量の制約の中でレスポンス時間やユーザの体感速度を向上させるキャッシュ装置、キャッシュ置換方法及び関連するプログラムを提供することを目的とする。

　本発明に係るキャッシュ装置の一態様は、サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、保持するコンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置であって、キャッシュ記憶部、キャッシュ制御部、及びキャッシュ置換部を備える。キャッシュ記憶部は、ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとして保持する。キャッシュ制御部は、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する。キャッシュ置換部は、優先度に基づいて、キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持しているコンテンツと、新たに格納するコンテンツとを置換する。

　本発明に係るキャッシュ置換方法の一態様は、サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、保持するコンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法であって、ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持する工程と、新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する工程と、優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する工程とを含む。

　本発明に係るプログラムの一態様は、サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、保持するコンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法を実現するプログラムであって、コンピュータに、前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持する処理と、新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する処理と、前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する処理と、を実行させる。

　本発明によれば、キャッシュ容量の制約の中でレスポンス時間やユーザの体感速度を向上させるキャッシュ装置、キャッシュ置換方法及び関連するプログラムを提供することができる。

本発明の第１の実施の形態の構成例を示すブロック図である。本発明の第１の実施の形態における、ユーザ端末からのコンテンツの要求メッセージを契機としたキャッシュ置換の動作を示すフローチャートである。本発明の第１の実施の形態における、ユーザ端末からのコンテンツの要求に因らない定期的なキャッシュ置換の動作を示すフローチャートである。本発明の第１の実施の形態における、コンテンツの優先度決定の動作を示すフローチャートである。本発明の第１の実施の形態における、コンテンツの特性決定の動作を示すフローチャートである。本発明の第１の実施の形態における、ローカルネットワークのネットワーク状態の測定の動作を示すフローチャートである。本発明の第１の実施の形態における、グローバルネットワークのネットワーク状態の測定の動作を示すフローチャートである。本発明の第２の実施の形態のキャッシュ装置の構成例を示すブロック図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。

　本発明の実施の形態のキャッシュ装置一態様では、コンテンツ種別ごとに異なる、キャッシュすることによって向上するレスポンス時間やユーザの体感速度を推定し、これをもとにキャッシュを置換することで、キャッシュによるユーザの体感速度を向上させる。以下、本発明を実施するための好ましい形態について図面を参照して詳細に説明する。

第１の実施の形態
　図１は、本発明を実施するための第１の実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
図１を参照すると、本発明の第１の実施の形態は、ユーザ端末１、キャッシュ装置２、センタストレージ装置３、ローカルネットワーク（第１のネットワーク）４、及び、グローバルネットワーク（第２のネットワーク）５を含むシステム構成例で実現する。
　ユーザ端末１は、例えばパーソナルコンピュータや携帯端末等のように、ユーザがネットワーク（例えば、ローカルネットワーク４及びグローバルネットワーク５）を経由してコンテンツを取得し、取得したコンテンツの利用・閲覧等を行う端末である。

　キャッシュ装置２は、例えば、キャッシュサーバやプロキシサーバ、エッジサーバ等のようにネットワーク上に設置され（図１の場合）、または、ブラウザキャッシュ等のようにユーザ端末１の中の記憶領域として割り当てられる（図示していない場合の一例）。キャッシュ装置２は、ユーザ端末１から要求されたまたは要求され得るコンテンツの一部または全部を、キャッシュとして自身が管理する記憶領域に格納する。そして、ユーザ端末１からの要求に対して、対応するコンテンツを記憶領域から読み出して配信する。

　センタストレージ装置３は、グローバルネットワーク５の上に存在し、ユーザ端末１から要求されるコンテンツを保有する。センタストレージ装置３は、システム内で１つまたは複数配置され得る。
　ローカルネットワーク４は、例えばＬＡＮ（Local Area Network）やアクセス回線、またはユーザ端末１の内部のデータ伝送路等のように、ユーザ端末１とキャッシュ装置２とを繋げる。
　グローバルネットワーク５は、例えばインターネット等のように、キャッシュ装置２とセンタストレージ装置３とを繋げる。
　なお、ローカルネットワーク４とグローバルネットワーク５は異なるネットワークであり、その接続部分にキャッシュ装置２を設置しても良いし、または、ローカルネットワーク４とグローバルネットワーク５は同一のネットワークで、ネットワークの内部に設置されたキャッシュ装置２から見てユーザ端末１側をローカルネットワーク４、センタストレージ装置３側をグローバルネットワーク５と呼称しても良い。

　キャッシュ装置２は、ローカルネットワーク４及びグローバルネットワーク５の接続部分、または、ローカルネットワーク４とグローバルネットワーク５とを含む単一のネットワーク内に設置される。図１に示す構成例では、キャッシュ装置２は、キャッシュ置換部２１、キャッシュ優先度決定部２２、コンテンツ特性決定部２３、ローカルＮＷ状態測定部２４、グローバルＮＷ状態測定部２５、及び、キャッシュ記憶部２６を含む。
　キャッシュ置換部２１は、キャッシュ記憶部２６の容量が超過する際に、キャッシュ優先度決定部２２で設定された優先度に基づいて不要なキャッシュを削除する。

　キャッシュ優先度決定部２２は、各キャッシュのコンテンツ特性と、ローカルネットワーク４及びグローバルネットワーク５の帯域や遅延等のネットワーク状態とに基づいて、各キャッシュをキャッシュ記憶部２６に残す優先度を決定する。
　コンテンツ特性決定部２３は、各キャッシュのサイズや利用開始に必要なデータ量等のコンテンツ特性を決定あるいは保持する。

　ローカルＮＷ状態測定部２４は、ローカルネットワーク４の遅延や帯域等といったネットワーク状態の情報を計測し、計測値または統計処理をした統計値等として記録しておく。
　グローバルＮＷ状態測定部２５は、グローバルネットワーク５の遅延や帯域等といったネットワーク状態の情報を計測し、計測値または統計処理をした統計値等として記録しておく。
　キャッシュ記憶部２６は、ユーザ端末１から要求されたまたは要求され得るコンテンツの一部または全部をキャッシュとして格納する。

　これらの手段はそれぞれ概略つぎのように動作する。
　ユーザ端末１は、ユーザからコンテンツの取得の要求がされた際に、キャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３に向けてコンテンツのリクエストを送信する。そして、キャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３から要求したコンテンツが配信された際に、ユーザに配信されたコンテンツを表示する。

　また、キャッシュ装置２は、ユーザ端末１からコンテンツの要求メッセージが送信された際に、要求メッセージを取得する。要求されたコンテンツがキャッシュ記憶部２６に格納されている場合は、キャッシュ装置２は、要求されたコンテンツをキャッシュ記憶部２６から取得し、ユーザ端末１へ配信する。一方、要求されたコンテンツがキャッシュ記憶部２６に格納されていない場合は、キャッシュ装置２は、要求メッセージをセンタストレージ装置３へ転送する。

　ここで、要求メッセージの取得方法は、例えばユーザ端末１がセンタストレージ装置３へ送信した要求メッセージを、ネットワーク装置を利用して実現することができる。ここでいうネットワーク装置は、ユーザ端末１からセンタストレージ装置３への経路の途中に設置され、かつ、キャッシュ装置２と接続しているルータ等である。具体的には、ネットワーク装置が、要求メッセージのヘッダ情報等の条件をもとに、要求メッセージをセンタストレージ装置３の代わりにキャッシュ装置２へ転送する。加えて、上述した取得方法に限らず、例えばユーザ端末１がキャッシュ装置２をプロキシとして明示的に指定して要求メッセージを送信する方法であっても良い。または、例えばユーザ端末１がセンタストレージ装置３に要求メッセージを送信しようとしてＤＮＳ（Domain Name System）等で宛先のアドレス解決を行う際に、ＤＮＳ等がセンタストレージ装置３の代わりにキャッシュ装置２のアドレスを返答する方法であっても良い。さらに、その他の方法であってもよい。

　また、キャッシュ装置２は、ユーザ端末１からの要求メッセージに関わらず、一定時間ごとに、センタストレージ装置３からコンテンツを取得しても良い。ここで、コンテンツの取得方法は、キャッシュ装置２が必要なコンテンツを判断し、センタストレージ装置３に必要なコンテンツの要求メッセージを送信する方法でも良いし、センタストレージ装置３が必要なコンテンツを判断し、キャッシュ装置２に必要なコンテンツを送信する方法でも良い。また、必要なコンテンツの判断方法は、例えばキャッシュ優先度決定部２２によって決定された優先度が高い順に予め設定された個数のコンテンツを選択する方法である。

　また、キャッシュ装置２は、センタストレージ装置３からユーザ端末１またはキャッシュ装置２の要求したコンテンツが送信された際に、当該コンテンツを取得し、ユーザ端末１へ配信する。これとともに、当該コンテンツがキャッシュ記憶部２６にキャッシュとして存在しない場合には、キャッシュ装置２（より具体的には、図中に明示していない、キャッシュ装置２の内部の格納手段）に設定された条件およびアルゴリズムに応じて当該コンテンツをキャッシュ記憶部２６にキャッシュとして格納する（格納処理）。また、格納処理に際して、キャッシュ記憶部２６の記憶容量が不足している場合は、キャッシュ置換部２１によってキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュの中から不要なキャッシュを削除し、その後格納処理を行う。ここで、コンテンツの取得方法は、要求メッセージの取得方法として例示した方法と同様の方法が存在し、そのどれであっても良い。

　キャッシュ置換部２１は、キャッシュ装置２がセンタストレージ装置３から取得したコンテンツをキャッシュ記憶部２６にキャッシュとして格納する際に、キャッシュ記憶部２６の記憶容量が不足している場合に、キャッシュ優先度決定部２２からキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュ及びセンタストレージ装置３から取得したコンテンツの優先度を取得し、優先度に基づいてキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュの中から不要なキャッシュを削除する。
　ここで、キャッシュの削除方法は、例えばセンタストレージ装置３から、取得した、格納対象のコンテンツのサイズより大きい空き容量がキャッシュ記憶部２６にできるまで、優先度の低いキャッシュから順に削除する方法である。また、上述した削除方法に限らず、例えば、まずセンタストレージ装置３から取得したコンテンツのサイズより大きい空き容量がキャッシュ記憶部２６にできるまで、優先度の低いキャッシュから順に削除候補として選択する。次に、削除候補の中に格納対象のコンテンツが含まれていない場合は削除候補を削除し、格納対象のコンテンツが含まれている場合は、格納対象のコンテンツのみを削除する方法であってもよい。さらに他の方法であっても良い。

　キャッシュ優先度決定部２２は、任意のタイミングで、所定の情報を取得し、取得した情報をもとに各コンテンツの優先度ｓｃｏｒｅ（ｘ）を決定する。ここで、変数ｘは、各コンテンツを区別する数値である。
　任意のタイミングには、以下に示す（Ｔ１）から（Ｔ３）等の場合を含む。（Ｔ１）キャッシュ装置２がセンタストレージ装置３から取得した、格納対象のコンテンツをキャッシュ記憶部２６にキャッシュとして格納する際。（Ｔ２）キャッシュ格納に際して、キャッシュ記憶部２６の記憶容量が不足している場合。（Ｔ３）一定時間ごと。

　所定予定の情報には、例えば、以下に示す（Ｄ１）から（Ｄ３）情報を含む。
（Ｄ１）コンテンツ特性決定部２３から取得する各コンテンツの特性であり、具体的には、コンテンツｘのサイズｓｉｚｅ（ｘ）、コンテンツ種別ｆｔ（ｘ）によって異なる、利用開始に必要なデータ量ｄａｔａ＿ｓｔａｒｔ（ｓｉｚｅ（ｘ），ｆｔ（ｘ））、あるいは、体感品質関数ｑｏｅ（ｔ，ｓｉｚｅ（ｘ），ｆｔ（ｘ））といった各コンテンツの特性である。変数ｔは、時刻である。
（Ｄ２）ローカルＮＷ状態測定部２４から取得するネットワーク状態であり、具体的には、ローカルネットワーク４の帯域ｂｗ＿ｌｏｃａｌや遅延ｄｅｌａｙ＿ｌｏｃａｌといったネットワーク状態である。
（Ｄ３）グローバルＮＷ状態測定部２５から取得するネットワーク状態であり、具体的には、グローバルネットワーク５の帯域ｂｗ＿ｇｌｏｂａｌや遅延ｄｅｌａｙ＿ｇｌｏｂａｌといったネットワーク状態である。

　優先度を決定する、対象となるコンテンツは、少なくともキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュである。加えて、センタストレージ装置３から取得したコンテンツまたはセンタストレージ装置３に格納されているコンテンツの一部または全部を含んでも良い。ここで、優先度の決定方法は、例えばコンテンツｘへの要求のキャッシュヒット時のレスポンス時間ｒｅｓ＿ｈｉｔ（ｘ）及びキャッシュミス時のレスポンス時間ｒｅｓ＿ｍｉｓｓ（ｘ）を以下の式（１）、（２）のように計算する。

res_hit(x) = delay_local+data_start(size(x),ft(x))÷bw_local
　・・・式（１）
res_miss(x) =
delay_local+delay_global+data_start(size(x),ft(x))÷min(bw_local,bw_global)
　・・・式（２）
　式（２）中、min(A,B)は、引数Ａ，Ｂのうちの小さい数値を出力する関数である。

　コンテンツｘのアクセス頻度をｐｏｐ（ｘ）としたときの優先度ｓｃｏｒｅ（ｘ）を以下の式（３）のように計算する。
score(x) =
(qoe(res_hit(x),size(x),ft(x))-qoe(res_miss(x),size(x),ft(x)))×pop(x)÷size(x)
　・・・式（３）

　また、上述した決定方法に限らず、例えば以下の式（４）のように計算する方法であっても良い。
score(x) =
(qoe(res_hit(x),size(x),ft(x))÷qoe(res_miss(x),size(x),ft(x)))×pop(x)÷size(x)
　・・・式（４）
　式（３）では、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮量に依存する優先度を算出し、式（４）では、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮割合に依存する優先度を算出する。

　コンテンツ特性決定部２３は、新しいコンテンツがキャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３に格納された際に、または、一定時間ごとに、新しいコンテンツの特性を決定する。ここで、コンテンツの特性は、コンテンツのサイズ、例えば動画の再生開始に必要なバッファ量のようなコンテンツ種別によって異なる利用開始に必要なデータ量、または、コンテンツ種別によって異なる体感品質関数等である。また、特性の決定方法は、例えば動画における利用開始に必要なデータ量は先頭のｔ秒分のデータ量とする等のように、コンテンツ種別ごとに予め設定された計算方法に基づいて自動的に計算される方法である。また、決定方法に限らず、例えば新しいコンテンツの作成時に、ユーザまたはサービス事業者が手動で設定する等の他の方法であっても良い。

　ローカルＮＷ状態測定部２４は、ユーザ端末１とキャッシュ装置２との間で通信が発生した際に、または、一定時間ごとに、ローカルネットワーク４の帯域や遅延といったネットワーク状態を取得する。ここで、ネットワーク状態の取得方法は、次の方法を用いることができる。例えば帯域は通信スループットとして計測、またはインライン計測やアクティブ計測と呼ばれる既知の手法によって可用帯域やボトルネック回線容量等として導出する。例えば遅延はＲＴＴ（Round Trip Time）の半分の値として導出する。また、上述した取得方法に限らず、例えば計測・導出した帯域や遅延の過去一定期間における平均値や最大値、最小値等や、または平滑化係数をかけて累加していく指数移動平均値等の統計量として導出する方法であっても良い。さらに、例えば計測・導出した帯域や遅延の履歴から、既知の予測手法を用いて将来の帯域や遅延を推定する方法であっても良い。さらに加えて、例えばユーザ端末の所在等からユーザの置かれている環境や状態を推測して、そこから将来の帯域や遅延を推定する方法であっても良い。

　グローバルＮＷ状態測定部２５は、キャッシュ装置２とセンタストレージ装置３との間で通信が発生した際に、または、一定時間ごとに、グローバルネットワーク５の帯域や遅延といったネットワーク状態を取得する。ここで、ネットワーク状態の取得方法は、ローカルＮＷ状態測定部２４におけるネットワーク状態の取得方法として例示した方法と同様の方法が存在し、そのどれであっても良い。

　センタストレージ装置３は、グローバルネットワーク５の上に１つまたは複数存在し、ユーザが要求するコンテンツを保有する。そして、ユーザ端末１またはキャッシュ装置２からコンテンツが要求された際に、要求されたコンテンツを自身の管理する記憶領域から取得してユーザ端末１またはキャッシュ装置２へ配信する。

　次に、図１～図７を参照して本発明を実施するための第１の実施の形態の動作について詳細に説明する。
　まず、図１と図２を参照して、ユーザがコンテンツを要求してから取得するまでの動作について説明する。
　ユーザ端末１は、ユーザからコンテンツの取得の要求がされた際に、キャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３に向けてコンテンツをリクエストする要求メッセージを送信する（ステップＳ１１）。キャッシュ装置２は、ユーザ端末１からコンテンツの要求メッセージが送信された際に、要求メッセージを取得し、要求されたコンテンツがキャッシュ記憶部２６に格納されているか確認する（ステップＳ１２）。

　キャッシュ装置２は、要求されたコンテンツがキャッシュ記憶部２６に格納されている場合（ステップＳ１２でＹＥＳ）は、要求されたコンテンツをキャッシュ記憶部２６から取得し、ユーザ端末１へ配信する（ステップＳ１３）。
　キャッシュ装置２は、要求されたコンテンツがキャッシュ記憶部２６に格納されていない場合（ステップＳ１２でＮＯ）は、要求メッセージをセンタストレージ装置３へ転送する（ステップＳ１４）。
　センタストレージ装置３は、ユーザ端末１またはキャッシュ装置２から要求メッセージが送信された際に、要求されたコンテンツを自身の管理する記憶領域から取得してユーザ端末１またはキャッシュ装置２へ配信する（ステップＳ１５）。

　キャッシュ装置２は、センタストレージ装置３から要求メッセージに応じた、要求されたコンテンツが送信された際に、コンテンツを取得し、ユーザ端末１へ配信しつつキャッシュ記憶部２６に格納する（ステップＳ１６）。
　ステップＳ１６において、キャッシュ記憶部２６の記憶容量が不足している場合、キャッシュ置換部２１は、キャッシュ優先度決定部２２から各コンテンツの優先度を取得し、取得した優先度に基づいてキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュの中から不要なキャッシュを削除する（ステップＳ１７）。
　ユーザ端末１は、キャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３からコンテンツが配信された際に、ユーザにコンテンツを表示する（ステップＳ１８）。

　次に、図１と図３を参照して、定期的なキャッシュ置換の動作について説明する。
　キャッシュ装置２は、一定時間ごとに、センタストレージ装置３からコンテンツを取得する（ステップＳ２１）。一定時間は任意の時間であり、予めセンタストレージ装置３またはキャッシュ装置２に設定された時間であればよい。より具体的には、キャッシュ装置２がセンタストレージ装置３から取得する場合はキャッシュ装置２に設定されている値を用い、センタストレージ装置３がキャッシュ装置２へ送信する場合はセンタストレージ装置３に設定されている値を用いる。キャッシュ装置２は、一定時間ごとに、センタストレージ装置３からコンテンツを取得するように設定されていることを前提とする。
　キャッシュ装置２は、ステップＳ２１において取得したコンテンツをキャッシュ記憶部２６に格納する（ステップＳ２２）。
　ステップＳ２２において、キャッシュ記憶部２６の記憶容量が不足している場合、キャッシュ置換部２１は、キャッシュ優先度決定部２２から各コンテンツの優先度を取得し、取得した優先度に基づいてキャッシュ記憶部２６に格納されているキャッシュの中から不要なキャッシュを削除する（ステップＳ２３）。

　次に、図１と図４を参照して、コンテンツの優先度決定の動作について説明する。
　キャッシュ優先度決定部２２は、処理開始の指示を受けると（起動されると）、各コンテンツの特性とネットワーク状態とを取得する（ステップＳ３１）。具体的には、キャッシュ優先度決定部２２は、コンテンツ特性決定部２３から各コンテンツの特性を取得し、ローカルＮＷ状態測定部２４からローカルネットワーク４のネットワーク状態を取得し、グローバルＮＷ状態測定部２５からグローバルネットワーク５のネットワーク状態を取得する。処理の指示を受けるタイミングには、例えば、上述した（Ｔ１）から（Ｔ３）のタイミングを含む。加えて、（Ｔ３）のタイミングには、図３のステップＳ２１で説明した一定時間の場合を含む。
　キャッシュ優先度決定部２２は、取得した各コンテンツの特性と、ローカルネットワーク４及びグローバルネットワーク５のネットワーク状態とをもとに、各コンテンツの優先度を決定する（ステップＳ３２）。

　次に、図１と図５を参照して、コンテンツの特性決定の動作について説明する。
　コンテンツ特性決定部２３は、処理開始の指示を受けると（起動されると）、新しいコンテンツの特性を決定する（ステップＳ４１）。処理の指示を受けるタイミングには、例えば、新しいコンテンツがキャッシュ装置２またはセンタストレージ装置３に格納された際に、任意の時間（ステップＳ４１の処理を実施するために設定された時間）ごとに、または、キャッシュ優先度決定部２２からの要求があったときを含む。

　次に、図１と図６を参照して、ローカルネットワークのネットワーク状態の測定の動作について説明する。
　ローカルＮＷ状態測定部２４は、処理開始の指示を受けると（起動されると）、ローカルネットワーク４の帯域や遅延といったネットワーク状態を取得する（ステップＳ５１）。処理開始の指示を受けるタイミングには、例えば、ユーザ端末１とキャッシュ装置２との間で通信が発生した際に、任意の時間（ステップＳ５１の処理を実施するために設定された時間）ごとに、または、キャッシュ優先度決定部２２からの要求があったとき、を含む。

　次に、図１と図７を参照して、グローバルネットワークのネットワーク状態の測定の動作について説明する。
　グローバルＮＷ状態測定部２５は、処理開始の指示を受けると（起動されると）、グローバルネットワーク５の帯域や遅延といったネットワーク状態を取得する（ステップＳ６１）。処理開始の指示を受けるタイミングには、例えば、キャッシュ装置２とセンタストレージ装置３との間で通信が発生した際に、任意の時間（ステップＳ６１の処理を実施するために設定された時間）ごとに、または、キャッシュ優先度決定部２２からの要求があったとき、を含む。
　なお、上述したステップＳ３１、ステップＳ４１、Ｓ５１、Ｓ６１の一定時間または任意の時間は、各ステップにおいて同じ時間であっても、それぞれ異なる時間であってもよい。各ステップの処理が、一定時間または任意の時間として同じ時間を（繰り返して）用いればよい。

　次に、本発明を実施するための第１の実施の形態の効果について説明する。
　本発明の第１の実施の形態では、コンテンツの特性とネットワーク状態とをもとに、各コンテンツをキャッシュすることで向上するレスポンス時間やユーザの体感速度を推定する。そして、推定した結果に基づいて各コンテンツをキャッシュとして残す優先度を決定する。そのため、キャッシュ容量の制約の中でレスポンス時間やユーザの体感速度の向上量を逐次的に最大化することができる。

第２の実施の形態
　図１では、キャッシュ装置２は、ローカルネットワーク４とグローバルネットワーク５との間に配置される例を示しているが、これに限られることはない。キャッシュ装置２は、ユーザ端末との帯域、または遅延について、センタストレージ装置３などのサーバ装置より、帯域が大きく、または遅延が短くなるように配置されていればよい。図８では、ローカルネットワーク４は、グローバルネットワーク５より、帯域が大きく、または遅延が短いことにより実現できる。例えば、キャッシュ装置２がユーザ端末内の記憶領域に配置される場合であってもよい。

　図８に、発明の第２の実施の形態のキャッシュ装置の構成例を示すブロック図を示す。図１と同じ符号の構成要素は図１と同様である。キャッシュ装置２Ａでは、キャッシュ優先度決定部２２、コンテンツ特性決定部２３、ローカルＮＷ状態測定部２４、及びグローバルＮＷ状態測定部２５をキャッシュ制御部２９として表している。キャッシュ制御部２９は、ユーザ端末１及びセンタストレージ装置３とメッセージやコンテンツを送受信する働きをする。メッセージには、ユーザ端末１から送信される要求メッセージの他、装置間を制御するための各種メッセージを含む。図８には、ユーザ端末１及びセンタストレージ装置３と情報を送受信する具体的な構成要素を示していないが、インターフェース機能を備えることを前提とする。
　キャッシュ装置２は、キャッシュ制御部２９が、ユーザ端末１及びセンタストレージ装置３との間で情報を送受信できる環境であれば、図１のシステム構成に限定されることなく、ユーザ端末１の近傍に配置することができる。具体的には、キャッシュ制御部２９が、ユーザ端末１から要求メッセージを受け取り、要求されたコンテンツをユーザ端末１へ送信する機能、及び、センタストレージ装置３へ要求メッセージを送信し、要求されたコンテンツを受け取る機能を実現できる環境であればよい。

その他の実施の形態
　上記各実施の形態で説明した優先度決定手段は、プログラムによって実現することが可能である。プログラムは、サーバ装置（例えば、図１のセンタストレージ装置３）から取得したコンテンツを保持し、保持するコンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法を実現する。プログラムは少なくとも次の（１）から（３）の処理をコンピュータに実行させる。（１）ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持する処理。（２）新たに格納するコンテンツとキャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する処理。（３）優先度に基づいて、キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する処理。

　加えて、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体（non-transitory computer readable medium）を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体（tangible storage medium）を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体（例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ）、光磁気記録媒体（例えば光磁気ディスク）、ＣＤ－ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＣＤ－Ｒ、ＣＤ－Ｒ／Ｗ、半導体メモリ（例えば、マスクＲＯＭ、ＰＲＯＭ（Programmable ROM）、ＥＰＲＯＭ（Erasable PROM）、フラッシュＲＯＭ、ＲＡＭ（Random Access Memory））を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体（transitory computer readable medium）によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。

　以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、本発明は、以下の形態をとることが可能である。

（付記１）
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置であって、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとして保持するキャッシュ記憶部と、
　各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定するキャッシュ制御部と、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持しているコンテンツと、新たに格納するコンテンツとを置換するキャッシュ置換部と、を備えるキャッシュ装置。

（付記２）
　前記キャッシュ制御部は、前記レスポンス時間に基づく評価関数として、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮量に依存する関数を用いることを特徴とする付記１に記載のキャッシュ装置。

（付記３）
　前記キャッシュ制御部は、前記レスポンス時間に基づく評価関数として、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮割合に依存する関数を用いることを特徴とする付記１に記載のキャッシュ装置。

（付記４）
　前記キャッシュ制御部は、
　各コンテンツのサイズ、前記各コンテンツの利用開始に必要なデータ量、及び、前記各コンテンツのレスポンスに対するユーザの体感品質関数を決定するコンテンツ特性決定部と、
　前記ユーザ端末と当該キャッシュ装置とを繋ぐローカルネットワークの遅延及び帯域を計測するローカルＮＷ状態測定部と、
　当該キャッシュ装置と前記センタストレージ装置とを繋ぐグローバルネットワークの遅延及び帯域を計測するグローバルＮＷ状態測定部と、
　前記レスポンス時間に基づく評価関数を、前記各コンテンツのサイズ、前記各コンテンツの利用開始に必要なデータ量、前記各コンテンツのレスポンスに対するユーザの体感品質関数、前記ローカルネットワークの遅延及び帯域、及び、前記グローバルネットワークの遅延及び帯域から算出するキャッシュ優先度決定部と、を備えることを特徴とする付記１乃至３のいずれか一つに記載のキャッシュ装置。

（付記５）
　前記コンテンツ特性決定部は、前記ユーザの体感品質関数として、前記各コンテンツのサイズまたは前記各コンテンツの種別に依存する関数を決定することを特徴とする付記４に記載のキャッシュ装置。

（付記６）
　前記キャッシュ制御部は、前記レスポンス時間が、現在までのレスポンス時間の推移、前記ユーザ端末の所在位置、及び、前記ユーザ端末の電波状況のうちの少なくとも一つに基づいて予測された、将来のレスポンス時間であることを特徴とする付記１乃至５のいずれか一つに記載のキャッシュ装置。

（付記７）
　前記ユーザ端末との帯域、または遅延について、前記ユーザ端末と前記サーバ装置との帯域より大きく、または遅延より短くなるような位置に配置されることを特徴とする付記１乃至６のいずれか一つに記載のキャッシュ装置。

（付記８）
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法であって、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持し、
　新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定し、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換するキャッシュ置換方法。

（付記９）
　前記レスポンス時間に基づく評価関数が、前記各コンテンツの特性と、接続するネットワークの状態とに基づくことを特徴とする付記８記載のキャッシュ置換方法。

（付記１０）
　前記各コンテンツの特性として、前記各コンテンツのサイズ、前記各コンテンツの利用開始に必要なデータ量、及び、前記各コンテンツのレスポンスに対するユーザの体感品質関数を含むことを特徴とする付記９記載のキャッシュ置換方法。

（付記１１）
　前記ネットワークの状態として、前記ユーザ端末と前記キャッシュ装置とを繋ぐ第１のネットワークに関する遅延及び帯域と、前記キャッシュ装置と前記センタストレージ装置とを繋ぐ第２のネットワークの遅延及び帯域とを含むことを特徴とする付記９または１０記載のキャッシュ置換方法。

（付記１２）
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法を実現するプログラムであって、
　コンピュータに、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持する処理と、
　新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する処理と、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する処理と、を実行させるプログラム。

（付記１３）
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法を実現するプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
　コンピュータに、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶部に保持する処理と、
　新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶部がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する処理と、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶部が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する処理と、を実行させるプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体。

　本発明のキャッシュ装置及びキャッシュ置換方法は、ネットワーク上に設置され、複数のユーザの体感速度を向上可能なキャッシュサーバ、または、ユーザ端末上に割り当てられ、ユーザ端末を使用するユーザの体感速度を向上可能なキャッシュ領域として適用することできる。

　この出願は、２０１２年１月４日に出願された日本出願特願２０１２－０００１００を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

１　　ユーザ端末
２　　キャッシュ装置
３　　センタストレージ装置
４　　ローカルネットワーク
５　　グローバルネットワーク
２１　キャッシュ置換部
２２　キャッシュ優先度決定部
２３　コンテンツ特性決定部
２４　ローカルＮＷ状態測定部
２５　グローバルＮＷ状態測定部
２６　キャッシュ記憶部
２９　キャッシュ制御部

Claims

　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置であって、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとして保持するキャッシュ記憶手段と、
　各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定するキャッシュ制御手段と、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶手段がキャッシュとして保持しているコンテンツと、新たに格納するコンテンツとを置換するキャッシュ置換手段と、を備えるキャッシュ装置。
　前記キャッシュ制御手段は、前記レスポンス時間に基づく評価関数として、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮量に依存する関数を用いることを特徴とする請求項１に記載のキャッシュ装置。
　前記キャッシュ制御手段は、前記レスポンス時間に基づく評価関数として、キャッシュヒットすることによるレスポンス時間の短縮割合に依存する関数を用いることを特徴とする請求項１に記載のキャッシュ装置。
　前記キャッシュ制御手段は、
　各コンテンツのサイズ、前記各コンテンツの利用開始に必要なデータ量、及び、前記各コンテンツのレスポンスに対するユーザの体感品質関数を決定するコンテンツ特性決定手段と、
　前記ユーザ端末と当該キャッシュ装置とを繋ぐローカルネットワークの遅延及び帯域を計測するローカルＮＷ状態測定手段と、
　当該キャッシュ装置と前記センタストレージ装置とを繋ぐグローバルネットワークの遅延及び帯域を計測するグローバルＮＷ状態測定手段と、
　前記レスポンス時間に基づく評価関数を、前記各コンテンツのサイズ、前記各コンテンツの利用開始に必要なデータ量、前記各コンテンツのレスポンスに対するユーザの体感品質関数、前記ローカルネットワークの遅延及び帯域、及び、前記グローバルネットワークの遅延及び帯域から算出するキャッシュ優先度決定手段と、を備えることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載のキャッシュ装置。
　前記コンテンツ特性決定手段は、前記ユーザの体感品質関数として、前記各コンテンツのサイズまたは前記各コンテンツの種別に依存する関数を決定することを特徴とする請求項４に記載のキャッシュ装置。
　前記キャッシュ制御手段は、前記レスポンス時間が、現在までのレスポンス時間の推移、前記ユーザ端末の所在位置、及び、前記ユーザ端末の電波状況のうちの少なくとも一つに基づいて予測された、将来のレスポンス時間であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載のキャッシュ装置。
　前記ユーザ端末との帯域、または遅延について、前記ユーザ端末と前記サーバ装置との帯域より大きく、または遅延より短くなるような位置に配置されることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一項に記載のキャッシュ装置。
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法であって、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶手段に保持し、
　新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶手段がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定し、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶手段が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換するキャッシュ置換方法。
　前記レスポンス時間に基づく評価関数が、前記各コンテンツの特性と、接続するネットワークの状態とに基づくことを特徴とする請求項８記載のキャッシュ置換方法。
　サーバ装置から取得したコンテンツを保持し、前記コンテンツをユーザ端末に提供するキャッシュ装置のキャッシュ置換方法を実現するプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
　コンピュータに、
　前記ユーザ端末に提供するコンテンツをキャッシュとしてキャッシュ記憶手段に保持する処理と、
　新たに格納するコンテンツと前記キャッシュ記憶手段がキャッシュとして保持する複数のコンテンツとについて、各コンテンツの優先度を、レスポンス時間に基づく評価関数を用いて決定する処理と、
　前記優先度に基づいて、前記キャッシュ記憶手段が保持しているキャッシュと、新たに格納するコンテンツとを置換する処理と、を実行させるプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体。