WO2013051052A1 - 情報表示装置、情報表示方法及び情報表示プログラム - Google Patents

Abstract

タッチパネル装置（情報表示装置）は、表示部と、検出部と、制御部と、を備える。表示部は、表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モード、又は、画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードで情報を表示する。検出部は、表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する。制御部は、全画面モード中に直進操作が検出部により検出されると、全画面モードから分割画面モードへ切り替える。

Description

情報表示装置、情報表示方法及び情報表示プログラム

　本発明は、主要には、画像表示領域を分割して情報を表示可能な情報表示装置に関する。

　従来から、複数種類のセンサと接続され、これらのセンサから取得した情報をセンサ映像として表示する表示装置が知られている。この種の表示装置では、画面を分割して複数のセンサ映像を同時に表示する分割画面モードと、画面を分割せずに１つのセンサから得られた情報を表示する全画面モードと、を切替可能な構成が採用されることがある。特許文献１及び２は、この種の表示装置を開示する。

　特許文献１及び２の表示装置は、船舶に搭載され、ＧＰＳアンテナから位置情報を取得して自船の周囲の海図等を示す映像を作成するとともに、測深機から測定結果を取得して、海底の様子を示す映像を作成する。表示装置は、作成した２つの映像を、画面を分割して同時に表示することができる。

米国特許第６８３３８５１号明細書 米国特許第７５４３２４１号明細書

　ところで、この種の表示装置において、分割画面モードと全画面モードとを切り替える場合、物理キー又はマウス操作によってメニュー画面を呼び出し（必要に応じてサブメニューを呼び出した後に）、表示モードの切替えを選択する必要がある。

　このように、表示モードの切替えには複数の操作が必要であり、頻繁に表示モードを切り替える場合はユーザの手間となることがあった。また、これらの操作中は、メニュー画面によって表示画面が隠れてしまうことがあり、表示内容を確認しながら表示モードを切り替えることができなかった。

　本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、全画面モードから分割画面モードへ簡単な操作で切替可能であるとともに、表示モードを切り替える操作を行うときに表示画面が隠れない構成の情報表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段及び効果

　本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。

　本発明の第１の観点によれば、以下の構成の情報表示装置が提供される。即ち、この情報表示装置は、表示部と、検出部と、制御部と、を備える。前記表示部は、表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モード、又は、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードで情報を表示する。前記検出部は、前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する。前記制御部は、前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出部により検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える。

　これにより、直感的な操作で画像表示領域を分割することができる。また、メニュー画面等を呼び出して分割画面モードを指定する従来の構成と比較して、素早く分割ができるとともに、メニュー画面によって表示画面の視認性が悪くなることを防止できる。

前記の情報表示装置においては、前記直進操作の直進方向と、当該直進操作による分割が行われることで表示される分割画面同士の境界線と、が平行であることが好ましい。

　これにより、一層直感的な操作で画像表示領域を分割することができる。また、例えば左右にも上下にも分割可能な場合は、分割方向を指定する手間を省くことができる。

　前記の情報表示装置においては、前記検出部は、前記表示画面へのタッチ操作によって行われる前記直進操作を検出することが好ましい。

　即ち、タッチ操作が可能な情報表示装置においては直感的な操作が求められる傾向があるため、本発明の効果を有効に活用することができる。

　前記の情報表示装置においては、前記検出部は、２点以上のタッチでのタッチ操作によって行われる前記直進操作を検出することが好ましい。

　これにより、他のタッチジェスチャと被ることを防止しつつ、直感的な操作を実現することができる。

　前記の情報表示装置においては、前記検出部は、前記表示画面に表示されるポインタの移動によって行われる前記直進操作を検出することが好ましい。

　これにより、マウスやトラックボール等が接続された機器においても本発明の効果を発揮させることができる。

　前記の情報表示装置においては、所定の距離以上を直進する操作が前記直進操作であることが好ましい。

　これにより、表示画面を少し移動させただけでは分割が行われないので、誤って直進操作が検出されてしまうことを防止できる。また、表示画面上を少し直進させる操作に他の処理を対応付けることができる。

　前記の情報表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記表示画面は矩形状である。また、直進方向における前記表示画面の長さの８割以上を直進する操作が前記直進操作である。

　これにより、表示画面を実質的に端から端まで移動する操作を行うことで表示画面が分割されるので、直感的な操作を実現できる。

　前記の情報表示装置においては、前記制御部は、前記直進操作の軌跡に基づいて、当該直進操作による分割が行われることで表示される分割画面同士の境界線の位置を定めることが好ましい。

　これにより、分割画面モードへ移行させる操作と、境界線の位置を指定する操作と、を一度で行うことができるので、ユーザの手間を軽減することができる。

　前記の情報表示装置においては、分割画面同士の境界線の位置が予め定められていても良い。

　これにより、表示画面上のどの位置に直進操作を行っても画像表示領域を所望の位置で分割できるので、操作性を向上させることができる。また、揺れが激しい箇所（例えば船舶上）等では、ユーザは、境界線の位置を所望どおりに指定することが困難である。そのため、本構成の効果を特に有効に発揮させることができる。

　前記の情報表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御部は、前記全画面モードから、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モードへ切り替えたときに、前記全画面モード中に表示していた情報を左側の分割画面へ表示する。

　これにより、新しい情報が右側へ追加されるというユーザの一般的な感覚に整合する画面レイアウトを実現できる。

　前記の情報表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御部は、前記全画面モードから、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モードへ切り替えたときに、前記全画面モード中に表示していた情報を除いて最も優先順位が高い情報を右側の分割画面へ表示する。

　これにより、右側の分割画面に表示させる情報を選択する手間を省くことができる。また、優先順位を適切に設定することにより、ユーザのニーズにマッチした情報を右側の分割画面に表示させることができる。

　前記の情報表示装置においては、左右又は上下に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モード中において、分割画面同士の境界線を横切る前記直進操作が前記検出部に検出されると、前記制御部は、両方の分割画面を前記境界線と垂直に２分割することが好ましい。

　これにより、ユーザは、簡単かつ直感的な操作で、２分割された状態から４分割された状態へ移行させることができる。

　前記の情報表示装置においては、左右又は上下に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モード中において、前記制御部は、前記検出部が検出した分割画面への前記直進操作に基づいて、当該直進操作が行われた分割画面を更に２分割することが好ましい。

　これにより、ユーザは、簡単かつ直感的な操作で、２分割された状態から３分割された状態へ移行させることができる。

　前記の情報表示装置においては、前記制御部は、分割画面同士の境界線に沿って移動する操作を前記検出部が検出した場合、当該境界線による分割を解除することが好ましい。

　これにより、直感的な操作で、画像表示領域や分割画面の分割を解除することができる。

　前記の情報表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、情報表示装置は、複数のセンサから情報を取得している。前記表示部は、複数のセンサから得られた情報を表示する。

　これにより、例えば、あるセンサから取得した情報を検証している状況において、直進操作を行うだけで、当該情報を他のセンサから取得した情報と見比べることができる。

　前記の情報表示装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、情報表示装置は、船舶に搭載される。また、情報表示装置は、舶用機器から取得した情報を前記表示部に表示する。

　これにより、舶用機器から得られた情報を表示する表示装置について、本発明の効果を発揮させることができる。

　前記の情報表示装置においては、前記表示部は、海図情報、レーダ映像、魚群情報のうち、少なくとも２つを表示可能であることが好ましい。

　これにより、船舶に搭載される代表的なセンサについて、本発明の効果を発揮させることができる。

　本発明の第２の観点によれば、以下の情報表示方法が提供される。即ち、この情報表示方法は、表示工程と、検出工程と、制御工程と、を含む。前記表示工程では、表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モードと、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードと、の何れかのモードで情報を表示する。前記検出工程では、前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する。前記制御工程では、前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出工程で検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える。

　これにより、直感的な操作で画像表示領域を分割することができる。また、メニュー画面等を呼び出して分割画面モードを指定する従来の構成と比較して、素早くかつ簡単な操作が実現できる。

　本発明の第３の観点によれば、以下の構成の情報表示プログラムが提供される。即ち、この情報表示プログラムは、コンピュータに、表示手順と、検出手順と、制御手順と、を実行させるプログラムである。前記表示手順では、表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれに異なる情報を表示する分割画面モードと、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードと、の何れかのモードで情報を表示する。前記検出手順では、前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する。前記制御手順では、前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出手順で検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える。

　これにより、直感的な操作で画像表示領域を分割することができる。また、メニュー画面等を呼び出して分割画面モードを指定する従来の構成と比較して、素早くかつ簡単な操作が実現できる。

舶用機器ネットワークシステムの全体的な構成を示すブロック図。 タッチパネル装置の正面図。 全画面モード中に直進操作が行われているときの表示画面を示す図。 直進操作によって分割画面モードへ切り替えた後の表示画面を示す図。 センサ映像の優先順位を示す表。 表示するセンサ映像を切り替えるときの表示画面を示す図。 画面の境界線に沿って移動する操作が行われているときの表示画面を示す図。 分割画面モード中に表示される分割画面を更に分割する際の表示画面を示す図。

　次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１は、舶用機器ネットワークシステム１の全体的な構成を示すブロック図である。図２は、タッチパネル装置１１の正面図である。

　本実施形態の舶用機器ネットワークシステム１は、舶用ネットワーク１０に接続された複数の舶用機器等から構成される。舶用機器同士は、検出した情報等を、舶用ネットワーク１０を介してやり取りすることができる。舶用ネットワーク１０の規格としては、例えばＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）やＣＡＮ（Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）を採用することができる。

　図１に示すように、本実施形態の舶用機器ネットワークシステム１は、タッチパネルを有する装置（以下、単にタッチパネル装置と称する）１１と、ＧＰＳアンテナ（ＧＮＳＳセンサ）１２と、レーダアンテナ１３と、魚群探知機（音響センサ）１４と、船首方位センサ１５と、自動操舵装置１６と、を備えている。

　タッチパネル装置１１は、他の舶用機器（センサ）が検出した情報に基づいて映像（センサ映像）を作成して表示するとともに、表示画面へのタッチ操作を検出して検出結果に応じた処理を行う構成である。具体的には、タッチパネル装置１１は、表示部２１と、操作部２２と、記憶部２３と、検出部２４と、制御部２５と、を備えている。

　表示部２１は、液晶ディスプレイ等で構成されており、前述のように、センサ映像や、各種設定画面等を表示画面に表示することができる。

　操作部２２は、例えば、時計回り又は反時計回りに回転させる操作が可能な回転キー、及び、メニュー画面を呼び出すためのメニューキー等のハードウェアキーで構成されている。なお、タッチパネル装置１１は、画面へのタッチ操作により入力及び指示を行うことができるので、操作部２２のキーの数を低減することができる。

　記憶部２３は、制御部２５が実行するプログラムの内容、海図情報、及びユーザに設定された航海ルート等を記憶している。

　検出部２４は、ユーザによる画面へのタッチ操作を検出する。本実施形態では、タッチ操作を検出する方式として、投影型の静電容量方式を用いている。この方式は、ディスプレイパネル上に、透過性の高い複数の電極を配置しておき、指先がパネルに接近した際に発生する各電極の静電容量の変化に基づいて、タッチ位置を検出する構成である。この構成では、タッチされた位置だけでなく、タッチした状態での指の動き（タッチ位置の変化）も検出することができる。また、検出部２４は、同時に２点以上タッチされている場合のそれぞれのタッチ位置及びタッチ位置の変化についても検出することができる。検出部２４が検出したタッチ位置及びタッチ位置の変化は、制御部２５へ出力される。なお、タッチ操作を検出する方式は投影型の静電容量方式に限られず、適宜の方式を用いることができる。また、指によるタッチ操作以外にも、例えば先細状の棒状の部材によるタッチ操作を検出する構成であっても良い。

　制御部２５は、記憶部２３の記憶内容及び他の舶用機器から受信した情報に基づいて前記センサ映像（レーダ映像や自船周囲の海図等）を作成し、表示部２１に表示する。制御部２５は、複数の舶用機器から情報を受信しており、複数のセンサ映像を作成する。制御部２５は、この複数のセンサ映像のうち１つのみを表示画面に表示するモード（全画面モード）と、表示画面を分割して複数のセンサ映像を表示するモード（分割画面モード、図２を参照）と、を切替可能である。

　また、制御部２５は、予め設定されたタッチ操作の内容（タッチジェスチャ）と、検出部２４が検出したタッチ位置の変化と、のマッチングを行うことにより、ユーザがどのタッチジェスチャを行ったかを特定する。そして、制御部２５は、特定したタッチジェスチャに対応付けられた処理を行う。

　タッチジェスチャの具体例としては、「ドラッグ操作」を挙げることができる。ドラッグ操作とは、タッチした指（通常は１本）を画面から離さずに所定の方向へ移動させるタッチジェスチャである。このドラッグ操作には、通常は、画像のスクロールが対応付けられている。なお、このドラッグ操作には、画面にタッチしたまま指を素早く動かす操作（フリック操作）等も含まれるものとする。また、タッチジェスチャの他の例としては、「ピンチ操作」を挙げることができる。ピンチ操作とは、タッチした２本の指を画面から離さずに、指同士を近づける（ピンチイン）又は離す（ピンチアウト）操作である。このピンチ操作には、通常は、画像の縮尺を変更する処理が対応付けられている。なお、制御部２５は、上記で示した例以外にも様々なタッチジェスチャを特定することができる。

　ＧＰＳアンテナ１２は、ＧＰＳ衛星（ＧＮＳＳ衛星）からの測位信号を受信して、舶用ネットワーク１０を介して、タッチパネル装置１１等へ出力している。タッチパネル装置１１の制御部２５は、この測位信号に基づいて自船の位置（詳細には、ＧＰＳアンテナの位置、地球基準の絶対位置）を求めている。なお、測位信号から位置を求める演算をＧＰＳアンテナ１２側で行い、自船の位置をタッチパネル装置１１へ出力する構成であっても良い。

　タッチパネル装置１１は、求めた自船の位置と、記憶部２３に記憶された海図情報と、に基づいて、航法装置としての機能を発揮することができる。具体的には、制御部２５は、取得した自船の位置と、記憶部２３に記憶した海図情報と、に基づいて、海図上に自船の位置を重畳して表示部２１に表示することができる。また、制御部２５は、時刻に応じて変化する自船の位置を利用して、対地船速を求めたり、自船の航跡を求めたりして表示部２１に表示することができる。更に、制御部２５は、ユーザのタッチ操作によって目的地及びウェイポイント（経由地）が選択されることにより、航海ルートを作成して表示部２１に表示することができる（図２に示す第１センサ映像３１を参照）。

　レーダアンテナ１３は、マイクロ波の送信を行うとともに、物標からの反射波を受信する。この反射波は、適宜の信号処理が行われた後に、タッチパネル装置１１へ出力される。タッチパネル装置１１は、この反射波に基づいてレーダ映像を作成する。具体的には、タッチパネル装置１１の制御部２５は、マイクロ波を送信してから反射波を受信するまでの時間から、物標の距離を求める。また、制御部２５は、マイクロ波を送信した方向に基づいて、物標が存在する方向を求める。制御部２５は、このようにしてレーダ映像を作成して、表示部２１に表示する（図２に示す第２センサ映像３２を参照）。

　魚群探知機１４は、振動子と、分析部と、から構成される。振動子は、船底等に設置され、海中の真下方向に向けて超音波を発射するとともに、海底又は魚群からの反射波を受信する。分析部は、反射波に基づいて、魚探データ（魚群探知機によって取得されるデータ、魚群や海底のデータ）を作成する。また、本実施形態の魚群探知機１４は、取得した魚探データに基づいて、海底の状態（底質）を判定する機能を有している。具体的には、分析部は、受信した反射波を分析することで、海底が岩、礫（石）、砂、及び泥の何れの可能性が高いかを判定することができる。この魚探データ及び判別した底質は、タッチパネル装置１１へ出力される。そして、タッチパネル装置１１の制御部２５は、受信したデータに基づいて第３センサ映像３３を作成し（図２を参照）、表示部２１に表示する。第３センサ映像３３は、縦軸が魚探データを示し、横軸が魚探データを取得した時間（画面の左端に行くほど古くなる）を示している。

　船首方位センサ１５は、自船の船首方向（船首が向いている方向）を、地球基準の絶対的な方位で検出するように構成されている。一般的に船舶は、船首方向へ向かって前進する。従って、船首方位センサ１５は、船体の前進方向の方位を検出していると言うこともできる。船首方位センサ１５は、例えば磁気方位センサや、ＧＰＳコンパス等を利用することができる。

　自動操舵装置１６は、設定された航海ルートに沿って自船が移動するように舵の操作を自動的に行う装置である。具体的には、自動操舵装置１６は、船首方位センサ１５から取得した船首方位と、タッチパネル装置１１から取得した航海ルートと、に基づいて、自船の船首をどれだけ変化させれば良いかを求める。そして、自動操舵装置１６は、求めた値に応じて舵角を変化させることにより、自船の針路を航海ルートに一致させる。

　本実施形態の舶用機器ネットワークシステム１は、以上のように構成される。なお、舶用機器ネットワークシステム１を構成する舶用機器は任意であり、上記で説明した以外の舶用機器が接続される構成であっても良いし、同種の舶用機器が複数接続される構成であっても良い。また、舶用機器が取得したデータの処理は、当該舶用機器で行う構成であっても良いし、タッチパネル装置１１の制御部２５で行う構成であっても良い。

　次に、前記全画面モードから前記分割画面モードへの切替えについて図３から図５までを参照して説明する。図３及び図４は、全画面モードから分割画面モードへ切り替えたときの表示画面を示す図である。図５は、センサ映像の優先順位を示す表である。なお、以下の説明では、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替えること又はその逆を「表示モードを切り替える」等と表現する。

　ユーザは、複数のセンサ映像を参照したいときは、２点のタッチ（２本の指）によるドラッグ操作を行う（図３を参照）。これにより、全画面モードから分割画面モードへ切り替えることができる（図４を参照）。本実施形態では、表示画面内の画像表示領域を左右に２つに分割したり、上下に２つに分割したりすることができる。また、左右に２分割された画面を更に上下に分割したり、上下に２分割された画面を更に左右に分割したりできるようになっており、１つの画面を最大で４分割することができる。なお、以下では、画像表示領域を分割して得られるそれぞれの画面を分割画面と称することがある。

　なお、画像表示領域とは、表示画面内の大部分を占める領域であって、センサ映像等の様々な画像を表示可能な領域である。例えば、表示画面の一端等に常に表示される帯状の表示領域が設けられる場合、表示画面から帯状の表示領域を除いた部分が画像表示領域となる。

　以下、分割画面モードへの切替えを行う際にタッチパネル装置１１が行う処理について説明する。タッチパネル装置１１は、タッチジェスチャを特定して、特定したタッチジェスチャに応じた処理を行うことができる。本実施形態では、直進操作と、分割画面モードへの切替えと、が対応付けられている。本実施形態において、直進操作とは、２点のタッチによるタッチ操作であって、表示画面を所定距離（詳細は後述）以上、左右方向又は上下方向に直進する操作である。

　具体的には、タッチパネル装置１１は、２点のタッチが行われている場合、それらのタッチ位置がどの方向に移動しているかを所定の基準で判断する。そして、タッチパネル装置１１は、タッチ位置が上下方向に移動している場合は表示画面の上下方向の長さの所定割合（本実施形態では８割）以上を移動したか否かを判断する。一方、タッチパネル装置１１は、タッチ位置が左右方向に移動している場合は表示画面の左右方向の長さの所定割合（本実施形態では８割）以上を移動したか否かを判断する。

　そして、タッチパネル装置１１は、表示画面のそれぞれ８割以上を２点のタッチ位置が移動していると判断した場合、直進操作が行われたとして、当該直進操作の移動方向に基づいて表示画面を分割する。具体的には、直進操作が上下方向に行われた場合（図３に示す場合）、左右に画面を分割して分割画面モードへ切り替える。一方、タッチパネル装置１１は、直進操作が左右方向に行われた場合、画面を上下に分割して分割画面モードへ切り替える。このように、本実施形態では、直進操作の直進方向と、当該直進操作による分割が行われることで表示される分割画面同士の境界線と、が平行となっている。なお、このときに画面を分割する境界線の位置は、予め定められた位置（例えば中央）であっても良いし、直進操作の軌跡に基づいて定められた位置であっても良い。

　なお、直進操作の軌跡に基づいて境界線の位置を定める方法としては、例えば、直進操作がどの位置に行われたかを検出して、当該位置が境界線となるように画面を分割する方法を挙げることができる。また、他の方法としては、例えば境界線の候補を予め（例えば１０本）定めておき、境界線の候補のうち、直進操作の軌跡と最も近い候補を求め、求められた境界線で画面を分割する方法を挙げることができる。

　また、分割画面モードへ切り替えた場合、タッチパネル装置１１の制御部２５は、予め設定された優先順位に基づいて、新たに表示するセンサ映像を決定する。制御部２５は、図５に示すような優先順位を記憶している。図５には、センサ映像の優先順位に加え、当該センサ映像が表示中か否かが記述されている。図５に示すように、優先順位の高いセンサ映像から順に、第１センサ映像３１、第２センサ映像３２、第３センサ映像３３、・・・となっている。また、図５には、第１センサ映像３１が表示中である旨についても記述されている。

　制御部２５は、表示中のセンサ映像を除いて最も優先順位が高いセンサ映像を特定し、特定したセンサ映像を分割画面に新たに表示する。具体的には、表示中の第１センサ映像３１を除いて最も優先順位が高い第２センサ映像３２が新たに表示される。また、制御部２５は、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する分割画面モードへ切り替わったときに、全画面モード中に表示していた第１センサ映像３１を左側の分割画面へ表示し、先ほど特定した第２センサ映像３２を右側の分割画面へ表示する構成である。

　これにより、既に表示されていた第１センサ映像３１が左側の分割画面に表示され、新たに追加される第２センサ映像３２が右側の分割画面に表示されるので、ユーザの感覚に応じた位置にセンサ映像を表示できる。本実施形態の分割画面モードへの切替えは、以上のようにして行われる。

　次に、分割画面モード中に、ユーザが行う操作及び制御部２５が行う処理について、図６及び図７を参照して説明する。図６は、表示するセンサ映像を切り替えるときの表示画面を示す図である。図７は、分割画面モード中に画面の境界線に沿って移動する操作が行われているときの表示画面を示す図である。

　本実施形態では、分割後の画面上での３点のタッチによるドラッグ操作と、センサ映像を切り替える処理と、が対応付けられている。従って、ユーザは、分割画面に表示されるセンサ映像を切り替えたい場合、３本指によるドラッグ操作を行う。例えば図６に示すように、第２センサ映像３２に３本指によるドラッグ操作を行うことにより、表示されるセンサ映像を切り替えることができる。

　なお、ここで新たに表示されるセンサ映像は、前記優先順位に基づいて決定される。具体的には、制御部２５は、表示中のセンサ映像以外のセンサ映像を、優先順位が高い順に切り替えて表示する。つまり、表示画面への３本指によるドラッグ操作が行われた場合、制御部２５は、表示中のセンサ映像（第１センサ映像３１及び第２センサ映像３２）以外であって優先順位が最も高いセンサ映像である第３センサ映像３３が新たに表示される。その後、第３センサ映像３３への３本指によるドラッグ操作が行われた場合、制御部２５は、第３センサ映像３３の次に優先順位が高いセンサ映像を表示する。

　また、本実施形態では、分割画面同士の境界線に沿って移動させる２点のタッチによるドラッグ操作と、この操作によって検出された境界線による分割を解除する処理と、が対応付けられている。従って、ユーザは、分割画面同士の境界線に沿って２本指によるドラッグ操作を行うことにより、図３に示すような全画面モードへ切り替えることができる。なお、制御部２５は、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する分割画面モードから全画面モードへ切り替えるときには、左側の分割画面に表示されているセンサ映像を全画面モードで表示する。

　また、本実施形態では、２つの分割画面で情報を表示する分割画面モード中において、更に直進操作を行うことにより、３つ又は４つの分割画面で情報を表示させることができる。以下、図８を参照して説明する。図８は、分割画面モード中に表示される分割画面を更に分割する際の表示画面を示す図である。

　図８（ａ）に符号Ａ１で示すように、左側の分割画面のみへ直進操作が行われたことを検出部２４が検出すると、制御部２５は、検出部２４が検出した分割画面への直進操作に基づいて、当該直進操作が行われた分割画面を更に２分割する。具体的には、図８（ａ）に示す直進操作は、左右に行われているので、制御部２５は、直進操作が行われた分割画面を上下に分割する。この場合、左側に２つの分割画面が表示され、右側には元から存在している分割画面が表示されているので、合計３つの分割画面で情報を表示することができる。なお、直進操作が上下に行われた場合、制御部２５は、直進操作が行われた分割画面を左右に分割する。

　また、図８（ｂ）に符号Ａ２で示すように、分割画面同士の境界線を横切る直進操作が行われたことを検出部２４が検出すると、制御部２５は、左右両側の分割画面を境界線と垂直に２分割する。この場合、左右両側に２つずつの分割画面が表示されるので、合計４つの分割画面で情報を表示することができる。

　なお、このように分割画面モード中に更に分割を行う場合でも、上述の直進操作の判定方法や分割位置の指定方法等が適用できるものとする。

　また、上記では、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する分割画面モード中において、画面を更に上下に分割する例を示したが、上下に並べられた２つの分割画面を更に左右に分割する場合も同様の処理が行われる。

　以上に示したように、タッチパネル装置１１は、表示部２１と、検出部２４と、制御部２５と、を備える。表示部２１は、表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モード、又は、画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードで情報を表示する。検出部２４は、表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する。制御部２５は、全画面モード中に直進操作が検出部２４により検出されると、全画面モードから分割画面モードへ切り替える。

　これにより、直感的な操作で画像表示領域を分割することができる。また、メニュー画面等を呼び出して分割画面モードを指定する従来の構成と比較して、素早く分割ができるとともに、メニュー画面によって表示画面の視認性が悪くなることを防止できる。

　以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。

　上記で説明したセンサは一例であり、上記で示した以外のセンサから情報を取得する構成であっても良い。例えば、スキャニングソナーを用いることができる。

　直進操作は、直進方向における表示画面の長さの８割以上を直進する操作に限られず、例えば、８割以上に代えて、７割以上、６割以上であっても良い。また、直進操作であるか否かを判定する距離の基準は、表示画面の寸法に対する割合で定めることに代えて、絶対的な距離（例えば３００ピクセル等）を用いて定めても良い。

　上記実施形態では、２点のタッチによるドラッグ操作を直進操作として検出する構成であるが、１点又は３点以上のタッチによるドラッグ操作を直進操作として検出する構成であっても良い。また、マウスやトラックボールが接続される表示装置においては、表示画面上のポインタの移動（所定のキーを押しながらであっても良い）を直進操作として検出する構成であっても良い。なお、これらは、全画面モードから分割画面モードへ切り替える直進操作に限られず、分割画面モードからへ全画面モード切り替える操作の場合も同様である。

　表示するセンサ映像を切り替えるためのタッチジェスチャは、３点のタッチによるドラッグ操作に代えて、４点又はそれ以上のタッチによるドラッグ操作であっても良い。また、ドラッグ操作にも限られない。

　タッチパネル装置は、船舶に搭載される表示装置以外にも、自動車及び航空機等の移動体に搭載される表示装置（ナビゲーション装置等）、従って、本発明は、タッチパネル式以外の表示装置にも本発明を適用することができる。ＰＣ（タブレットＰＣを含む）、スマートフォン、及び携帯情報端末等であっても良い。なお、上述のようにマウス等が接続される装置に対しても本発明を適用することができるので、情報表示装置はタッチパネル式でなくても良い。更には、温度情報や光度情報等を取得して表示する表示装置等であっても良い。ナビゲーション装置に本発明を適用する場合、表示画面に表示される情報としては、例えば地図情報や記録媒体に保存した映像等が考えられる。また、ＰＣ等に本発明を適用する場合、表示画面に表示される情報としては、例えばメール作成画面やブラウザ画面等が考えられる。

　１　舶用機器ネットワークシステム
　１０　舶用ネットワーク
　１１　タッチパネル装置（情報表示装置）
　１２　ＧＰＳアンテナ
　１３　レーダアンテナ
　１４　魚群探知機
　１５　船首方位センサ
　１６　自動操舵装置
　２１　表示部
　２２　操作部
　２３　記憶部
　２４　検出部
　２５　制御部

Claims (19)

1. 　表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モード、又は、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードで情報を表示する表示部と、
   　前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する検出部と、
   　前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出部により検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える制御部と、
   を備えることを特徴とする情報表示装置。
2. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　前記直進操作の直進方向と、当該直進操作による分割が行われることで表示される分割画面同士の境界線と、が平行であることを特徴とする情報表示装置。
3. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　前記検出部は、前記表示画面へのタッチ操作によって行われる前記直進操作を検出することを特徴とする情報表示装置。
4. 　請求項３に記載の情報表示装置であって、
   　前記検出部は、２点以上のタッチでのタッチ操作によって行われる前記直進操作を検出することを特徴とする情報表示装置。
5. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　前記検出部は、前記表示画面に表示されるポインタの移動によって行われる前記直進操作を検出することを特徴とする情報表示装置。
6. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　所定の距離以上を直進する操作が前記直進操作であることを特徴とする情報表示装置。
7. 　請求項６に記載の情報表示装置であって、
   　前記表示画面は矩形状であり、
   　直進方向における前記表示画面の長さの８割以上を直進する操作が前記直進操作であることを特徴とする情報表示装置。
8. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　前記制御部は、前記直進操作の軌跡に基づいて、当該直進操作による分割が行われることで表示される分割画面同士の境界線の位置を定めることを特徴とする情報表示装置。
9. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
   　分割画面同士の境界線の位置が予め定められていることを特徴とする情報表示装置。
10. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　前記制御部は、前記全画面モードから、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モードへ切り替えたときに、
    　前記全画面モード中に表示していた情報を左側の分割画面へ表示することを特徴とする情報表示装置。
11. 　請求項１０に記載の情報表示装置であって、
    　前記制御部は、前記全画面モードから、左右に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モードへ切り替えたときに、
    　前記全画面モード中に表示していた情報を除いて最も優先順位が高い情報を右側の分割画面へ表示することを特徴とする情報表示装置。
12. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　左右又は上下に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モード中において、
    　分割画面同士の境界線を横切る前記直進操作が前記検出部に検出されると、前記制御部は、両方の分割画面を前記境界線と垂直に２分割することを特徴とする情報表示装置。
13. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　左右又は上下に並べられた２つの分割画面で情報を表示する前記分割画面モード中において、
    　前記制御部は、前記検出部が検出した分割画面への前記直進操作に基づいて、当該直進操作が行われた分割画面を更に２分割することを特徴とする情報表示装置。
14. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　前記制御部は、分割画面同士の境界線に沿って移動する操作を前記検出部が検出した場合、当該境界線による分割を解除することを特徴とする情報表示装置。
15. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　複数のセンサから情報を取得しており、
    　前記表示部は、複数のセンサから得られた情報を表示することを特徴とする情報表示装置。
16. 　請求項１に記載の情報表示装置であって、
    　船舶に搭載され、
    　舶用機器から取得した情報を前記表示部に表示することを特徴とする情報表示装置。
17. 　請求項１６に記載の情報表示装置であって、
    　前記表示部は、海図情報、レーダ映像、魚群情報のうち、少なくとも２つを表示可能であることを特徴とする情報表示装置。
18. 　表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モードと、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードと、の何れかのモードで情報を表示する表示工程と、
    　前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する検出工程と、
    　前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出工程で検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える制御工程と、
    を含むことを特徴とする情報表示方法。
19. 　コンピュータに、
    　表示画面内の画像表示領域を分割して、それぞれの分割画面に異なる情報を表示する分割画面モードと、前記画像表示領域に全画面で情報を表示する全画面モードと、の何れかのモードで情報を表示する表示手順と、
    　前記表示画面上を直進する操作である直進操作を検出する検出手順と、
    　前記全画面モード中に前記直進操作が前記検出手順で検出されると、前記全画面モードから前記分割画面モードへ切り替える制御手順と、
    を実行させる情報表示プログラム。

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