WO2011004707A1

WO2011004707A1 - 貨幣識別装置のプログラム設定システム、プログラム更新システム、プログラム更新方法、プログラムインストールシステム及び、プログラムインストール方法

Info

Publication number: WO2011004707A1
Application number: PCT/JP2010/060645
Authority: WO
Inventors: 泰池田; 伸治松浦; 肇森野
Original assignee: グローリー株式会社
Priority date: 2009-07-06
Filing date: 2010-06-23
Publication date: 2011-01-13
Also published as: CN102473328B; CN102473328A

Abstract

　貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止することで、開発コストの回収を図る。識別プログラムに基づき紙幣を識別する紙幣識別部６と、装置単位で付与したＰＩＮコードを入力する操作部２Ｂと、ＰＩＮコードを装置コードで暗号化して確認コードを作成する確認コード作成部２１と、確認コードが許可コードに合致した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化するプログラム復号部２２と、復号化した更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、紙幣識別部６の識別プログラムを更新する更新制御部２３とを有している。

Description

貨幣識別装置のプログラム設定システム、プログラム更新システム、プログラム更新方法、プログラムインストールシステム及び、プログラムインストール方法

　本発明は、例えば、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置のプログラム設定システム、プログラム更新システム、プログラム更新方法、プログラムインストールシステム及び、プログラムインストール方法に関する。

　従来の貨幣識別装置では、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別部を備え、例えば、仕向国での貨幣改刷や貨幣偽造等が生じた場合、これら貨幣改刷に伴う金種識別や偽造紙幣の識別等の新たな識別内容に応じて、貨幣識別部の識別プログラムを変更する必要が生じる。

　そこで、従来の貨幣識別装置では、新たな識別内容に応じて、識別プログラムを更新する更新用プログラムを格納したＳＤカード等の記録媒体を挿入し、この記録媒体から更新用プログラムを読み出し、読み出した更新用プログラムに基づき、貨幣識別部の識別プログラムを更新する（例えば、特許文献１及び特許文献２参照）。

　その結果、従来の貨幣識別装置では、記録媒体から更新用プログラムを読み出し、読み出した更新用プログラムに基づき、貨幣識別部の識別プログラムを更新するようにしたので、新たな識別内容に十分適合できるものである。

　また、特許文献１では、識別プログラムの更新時にバージョン適合性の確認作業を全て自動化することで、人為的なミスで発生する識別プログラムのバージョン不整合による各種動作不良を確実に防止できる。

　また、このような更新用プログラムの開発にはコストがかかるため、更新用プログラムを格納した記録媒体を有料販売して、その記録媒体の販売売上で開発コストを回収する必要がある。しかしながら、正規購入した記録媒体を再利用することで、同一機種の他の貨幣識別装置の識別プログラムを更新できるため、貨幣識別装置の台数に比例した枚数分の記録媒体が売れず、その開発コストを回収できていないのが実情である。

　そこで、特許文献２では、更新用プログラムを格納した記録媒体を使用して貨幣識別部の識別プログラムを更新した後、記録媒体の所定エリアに更新用プログラムの利用不可を書き込んで記録媒体の更新用プログラムの再利用を不可とし、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を防止することで、その開発コストの回収を図ることができる。

特許第３８０５５４８号公報（請求項１及び図１参照）特開２００７－１９９９２７号公報（要約書及び図１参照）

　しかしながら、特許文献２では、更新用プログラムを格納した記録媒体の所定エリアに利用不可を書き込んだとしても、顧客側の所定操作に応じて利用不可を解除することができ、その記録媒体の更新用プログラムを再利用して何度でも他の貨幣識別装置の識別プログラムを更新できてしまうため、更新用プログラムの開発コストを回収できない。

　また、仮に記録媒体の更新用プログラムの再利用が全くできないようにセキュリティを強化した場合には、更新用プログラムの不正利用は防止できるものの、貨幣識別装置１台毎に記録媒体１個が必要となり、多くの貨幣識別装置を導入しているユーザや、多くの貨幣識別装置を一度に販売する販売代理店にとっては記録媒体の数が多くなり、使用済みと未使用とを区別して使用しなければならず、インストール作業が非常に煩わしいという問題があった。

　また、更新用プログラムを供給するメーカー側にとっても、記録媒体の数が多くなることは製造上も、輸送上も効率的でないという問題があった。

　また、当然ながら、更新用プログラムだけでなく、販売国が決まった時点で、その国用の識別プログラムをインストールするような最初のインストールの場合においても、販売代理店が、その記録媒体の識別プログラムを再利用して何度でも他の貨幣識別装置にインストールすることができるため、識別プログラムの開発コストを回収できない。

　本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、開発コストの回収を図ることができる貨幣識別装置のプログラム設定システムを提供することにある。

　更に、本発明の目的とするところは、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止することで、開発コストの回収を図ることができる貨幣識別装置のプログラム更新システム及び、貨幣識別装置のプログラム更新方法を提供することにある。

　更に、本発明の目的とするところは、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図ることができると共に、多くの貨幣識別装置のプログラムを同時にインストールする場合にも効率的な貨幣識別装置のプログラムインストールシステム及び、貨幣識別装置のプログラムインストール方法を提供することにある。

　上記目的を達成するために本発明の貨幣識別装置のプログラム設定システムは、貨幣識別装置のプログラムを設定するプログラム設定システムであって、前記貨幣識別装置に関わる装置固有の情報を入力する固有情報入力部と、前記固有情報入力部にて入力された前記装置固有の情報が当該装置固有の情報と関連付けられた条件に合致した場合に、当該装置固有の情報と関連付けられた条件に対応した前記プログラムの当該貨幣識別装置への設定を許可する設定制御部とを有する。

　上記目的を達成するために本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別部と、装置本体毎に付与された暗証コードを入力する入力部と、前記入力部で入力された暗証コード及び、前記装置本体を特定する装置コードに基づき、所定アルゴリズムで確認コードを作成する確認コード作成部と、前記確認コード作成部にて作成した前記確認コードが許可条件に合致した場合、更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別部の識別プログラムを更新する更新制御部とを有する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記更新制御部は、前記確認コードが前記許可条件に合致しなかった場合、この更新用プログラムの利用を不可とする。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記更新制御部は、前記確認コードが前記許可条件に合致した場合、当該確認コードに基づき前記更新用プログラムを復号化して当該更新用プログラムの利用を可能にする復号部を有する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記許可条件は、前記更新用プログラムと一緒に記憶されている。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記更新制御部は、前記更新用プログラムを格納した記録媒体の挿入動作に応じて、当該記録媒体に格納した前記更新用プログラムを読み出し、読み出した更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別装置の識別プログラムを更新する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記更新制御部は、前記更新用プログラムを管理した管理装置との通信接続動作に応じて、前記管理装置から前記更新用プログラムを受信し、受信した更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別装置の識別プログラムを更新する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の前記装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を可能にする前記許可条件に基づき、前記所定アルゴリズムで、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する前記暗証コードを作成する暗証コード作成部を有する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムは、上記発明の構成において、前記許可条件は、当該更新用プログラムの利用を可能にする共通の許可コードにした。

　上記目的を達成するために本発明の貨幣識別装置のプログラム更新方法は、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置のプログラム更新方法であって、装置本体毎に付与された暗証コードを入力する入力ステップと、入力された暗証コード及び、前記装置本体を特定する装置コードに基づき、所定アルゴリズムで確認コードを作成する確認コード作成ステップと、作成した確認コードが許可条件に合致した場合、更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、前記識別プログラムを更新する更新制御ステップとを含む。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新方法は、上記方法において、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を許可する許可条件に基づき、前記所定アルゴリズムで、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する暗証コードを作成する暗証コード作成ステップを含む。

　上記目的を達成するために本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置にプログラムをインストールする貨幣識別装置のプログラムインストールシステムであって、インストール対象の貨幣識別装置を識別する装置情報を指定する指定部と、この指定部にて指定した装置情報の貨幣識別装置に関わるプログラムを作成するプログラム作成部と、このプログラム作成部で作成したプログラムを装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供するプログラム提供部とを有し、前記貨幣識別装置は、当該プログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールするプログラムインストール部を有する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記プログラム作成部で作成したプログラムを複数個の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記プログラム情報を格納した記録媒体を通じて前記貨幣識別装置に提供する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、複数個のプログラム情報を格納した記録媒体を通じて前記貨幣識別装置に提供する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記貨幣識別装置と通信接続し、前記プログラム情報を前記貨幣識別装置に提供する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記指定部は、前記装置情報を指定する装置情報指定部及び、プログラムを識別するプログラム名を指定するプログラム指定部を含む指定画面を提供する指定画面提供部を有し、この指定画面上の装置情報指定部及びプログラム指定部を通じて装置情報及びプログラム名を指定する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記装置情報単位でプログラムの履歴情報を管理する履歴管理部を有し、前記指定画面上の前記装置情報指定部を通じて装置情報を指定すると、当該装置情報に対応した履歴情報を履歴管理部から読み出し、この履歴情報に基づき、当該装置情報の更新履歴を指定画面上に画面表示する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記指定部は、全貨幣識別装置共通の共通コードを前記装置情報として指定する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、上記発明の構成において、前記貨幣識別装置にプログラムを提供するプログラム提供装置を有し、このプログラム提供装置内に、前記指定部、前記プログラム作成部及び前記プログラム提供部を有する。

　上記目的を達成するために本発明の貨幣識別装置のプログラムインストール方法は、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置にプログラムをインストールする貨幣識別装置のプログラムインストール方法であって、インストール対象の貨幣識別装置を識別する装置情報を指定する指定ステップと、指定した装置情報の貨幣識別装置に関わるプログラムを作成するプログラム作成ステップと、作成したプログラムを装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供するプログラム提供ステップと、当該プログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールする前記貨幣識別装置側のプログラムインストールステップとを含む。

　上記のように構成された本発明の貨幣識別装置のプログラム設定システムでは、入力された装置固有の情報が当該装置固有の情報と関連付けられた条件に合致した場合に、装置固有の情報と関連付けられた条件に対応したプログラムの貨幣識別装置への設定を許可する。その結果、本発明では、装置固有の情報を装置単位で付与することになるため、当該貨幣識別装置に異なる貨幣識別装置の装置固有の情報を入力したとしても、入力した装置固有の情報が条件に合致しないため、貨幣識別装置へのプログラムの設定を許可することなく、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止できるという効果を奏する。

　上記のように構成された本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、装置単位の暗証コード及び装置コードを利用して確認コードを作成し、この確認コードが許可条件に合致した場合、更新用プログラムを利用可能にし、この更新用プログラムに基づき識別プログラムを更新する。その結果、本発明では、暗証コードを装置単位で付与することになるため、他の貨幣識別装置に同一暗証コードを入力したとしても、装置コードが異なるため、許可条件に合致した確認コードを作成することができず、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できるという効果を奏する。

　つまり、貨幣識別装置側の顧客は、更新用プログラムを正規購入したことで付与される装置単位の暗証コードを利用して識別プログラムを更新できるという効果を奏する。更に、貨幣識別装置側の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位で暗証コードを提供することになるため、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、確認コードが許可条件に合致しなかった場合、この更新用プログラムの利用を不可とする。その結果、本発明では、入力した暗証コードが正しくない場合、確認コードが許可条件に合致しないことになるため、更新用プログラムの不正利用を確実に防止できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、確認コードが許可条件に合致した場合、当該確認コードに基づき更新用プログラムを復号化して当該更新用プログラムの利用を可能にする。その結果、本発明では、暗号化した更新用プログラムを確認コードで復号化できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、許可条件を更新用プログラムと一緒に記憶できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、記録媒体を通じて更新用プログラムを取得し、この更新用プログラムに基づき、貨幣識別装置の識別プログラムを更新できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、管理装置を通じて更新用プログラムを取得し、この更新用プログラムに基づき、貨幣識別装置の識別プログラムを更新できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を可能にする許可条件に基づき、所定アルゴリズムで、更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する暗証コードを作成する。その結果、貨幣識別装置側の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位で暗証コードを提供することになるため、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システムでは、上記発明の効果に加えて、更新用プログラムの利用を可能にする許可条件を共通の許可コードにすることで、更新用プログラム単位の許可条件を管理する負担を大幅に軽減できるという効果を奏する。

　また、上記のように構成された本発明の貨幣識別装置のプログラム更新方法では、装置単位の暗証コード及び装置コードを利用して確認コードを作成し、この確認コードが許可条件に合致した場合、この更新用プログラムを利用可能にし、この更新用プログラムに基づき識別プログラムを更新する。その結果、貨幣識別装置側の顧客は、更新用プログラムを正規購入したことで付与される装置単位の暗証コードを利用して識別プログラムを更新できるという効果を奏する。更に、貨幣識別装置側の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位で暗証コードを提供することになるため、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラム更新方法では、上記発明の効果に加えて、更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を可能にする許可条件に基づき、所定アルゴリズムで、更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する暗証コードを作成する。その結果、貨幣識別装置側の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位で暗証コードを提供することになるため、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができるという効果を奏する。

　上記のように構成された本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムは、インストール対象の貨幣識別装置の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供すると共に、貨幣識別装置側でプログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールする。その結果、製造者は、指定した貨幣識別装置に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図るという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、プログラムを複数個の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供する。その結果、製造者は、複数台の貨幣識別装置に単一のプログラムをインストールする場合でも、指定した貨幣識別装置毎にプログラム情報を作成するのではなく、指定した複数台の貨幣識別装置にのみ有効な１個のプログラム情報を作成するだけで済むため、その生産効率を大幅向上が図れるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、プログラム情報を格納した記録媒体を通じて、プログラム情報を貨幣識別装置に提供する。その結果、製造者は、記録媒体を使用してプログラム情報を貨幣識別装置に提供できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、複数個のプログラム情報を格納した記録媒体を通じて、これら複数個のプログラム情報を貨幣識別装置に提供する。その結果、製造者は、記録媒体を使用して複数個のプログラム情報を貨幣識別装置に提供できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、貨幣識別装置と通信接続し、プログラム情報を貨幣識別装置に提供する。その結果、製造者は、貨幣識別装置と通信接続し、そのオンライン上でプログラム情報を貨幣識別装置に提供できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、指定画面上で装置情報及びプログラムを指定する。その結果、製造者又は顧客は、インストール対象の貨幣識別装置及びプログラムを指定画面上で指定できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、指定画面上で装置情報を指定すると、当該装置情報に対応した履歴情報を履歴管理部から読み出し、この履歴情報に基づき、当該装置情報の更新履歴を指定画面上に画面表示する。その結果、製造者又は顧客は、インストール対象の貨幣識別装置の更新履歴に基づき、インストールすべきプログラムを認識できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、全貨幣識別装置共通の共通コードを装置情報として指定する。その結果、製造者は、共通コードを装置情報として指定することで、全貨幣識別装置に対して有効なプログラムを一括で指定できるため、例えば、全貨幣識別装置をインストール対象とする製品バグ等にも十分対応できるという効果を奏する。

　また、本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムでは、上記発明の効果に加えて、前記貨幣識別装置にプログラムを提供するプログラム提供装置を備え、このプログラム提供装置内に、前記指定部、前記プログラム作成部及び前記プログラム提供部を有する。その結果、プログラム提供装置は、インストール対象の貨幣識別装置の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供できる。

　また、上記のように構成された本発明の貨幣識別装置のプログラムインストール方法では、インストール対象の貨幣識別装置の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供すると共に、貨幣識別装置側でプログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールする。その結果、製造者は、指定した貨幣識別装置に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図るという効果を奏する。

図１は、実施例１の紙幣識別装置内部の概略構成を示す説明図である。図２は、実施例１の紙幣識別装置内部の概略構成を示すブロック図である。図３は、更新用プログラムの暗号化方法を端的に示す説明図である。図４は、ＰＩＮコードの作成方法を端的に示す説明図である。図５は、更新用プログラムの復号化方法を端的に示す説明図である。図６は、更新用プログラム毎のＰＩＮコード、装置コード、確認コード及び許可コードを端的に示す説明図である。図７は、実施例２のプログラムインストールシステム内部の概略構成を示すブロック図である。図８は、実施例２の紙幣識別装置内部の概略構成を示す説明図である。図９は、通信端末装置に提供する指定画面の一例を端的に示す説明図である。図１０は、ＳＤカード内部のデータ構成を端的に示す説明図である。図１１は、管理テーブルのテーブル内容を端的に示す説明図である。図１２は、プログラム要求処理に関わるプログラム提供装置内の提供制御部内部の処理動作を示すフローチャートである。図１３は、第１プログラムインストール処理に関わる紙幣識別装置内の本体制御部内部の処理動作を示すフローチャートである。図１４は、実施例３のプログラムインストールシステム内部の概略構成を示すブロック図である。図１５は、第２プログラムインストール処理に関わるプログラム提供装置内の提供制御部内部の処理動作を示すフローチャートである。

　以下、図面に基づき本発明の貨幣識別装置のプログラム設定システム、貨幣識別装置のプログラム更新システム、貨幣識別装置のプログラム更新方法、貨幣識別装置のプログラムインストールシステム及び貨幣識別装置のプログラムインストール方法に関わる実施例について詳細に説明する。

　まず、本実施例の貨幣識別装置のプログラム設定システムについて説明する。その概要は、貨幣識別装置のプログラムを設定するプログラム設定システムであって、固有情報入力部と、設定制御部とを有する。固有情報入力部は、貨幣識別装置に関わる装置固有の情報を入力する。尚、装置固有の情報は、例えば、貨幣識別装置本体毎に付与された暗証コード、貨幣識別装置本体を特定する装置コードや、貨幣識別装置を識別する製造番号等に相当する。

　設定制御部は、固有情報入力部にて入力された装置固有の情報が当該装置固有の情報と関連付けられた条件に合致した場合に、当該装置固有の情報と関連付けられた条件に対応したプログラムの当該貨幣識別装置への設定を許可する。尚、条件は、例えば、装置固有の情報が暗証コードの場合、貨幣識別装置の正しい暗証コード及び装置コードに基づき所定アルゴリズムで得るコードや、装置固有の情報が製造番号の場合、当該貨幣識別装置に格納中の正しい製造番号に相当する。更に、プログラムは、例えば、貨幣識別用の識別プログラム、貨幣種別毎に判定基準を定めた識別テーブル、及び貨幣識別装置の制御用プログラムの何れか、又は、これらの組合せ等に相当する。

　本実施例のプログラム設定システムでは、入力された装置固有の情報が当該装置固有の情報と関連付けられた条件に合致した場合に、装置固有の情報と関連付けられた条件に対応したプログラムの貨幣識別装置への設定を許可する。

　本実施例のプログラム設定システムでは、装置固有の情報を装置単位で付与することになるため、当該貨幣識別装置に異なる貨幣識別装置の装置固有の情報を入力したとしても、入力した装置固有の情報が条件に合致しないため、貨幣識別装置へのプログラムの設定を許可することなく、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止できるという効果を奏する。

　更に、本実施例の貨幣識別装置のプログラム更新システムについて説明する。その概要は、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別部を備えた貨幣識別装置のプログラム更新システムであって、装置本体毎に付与されたＰＩＮ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ　Ｎｕｍｂｅｒ）コードを入力する入力部と、入力されたＰＩＮコード及び、装置本体を特定する装置コードに基づき、所定アルゴリズムで確認コードを作成する確認コード作成部とを有している。

　ここで、プログラムとは、例えば、貨幣識別用の識別プログラム、貨幣種別毎に判定基準を定めた識別テーブル、及び貨幣識別装置の制御用プログラムの何れか、又は、これらの組合せを指す。

　更に、貨幣識別装置は、確認コード作成部にて作成した確認コードが許可コードに合致した場合、更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、貨幣識別部の識別プログラムを更新する更新制御部を有している。

　つまり、貨幣識別装置では、装置単位の暗証コード及び装置コードを利用して確認コードを作成し、この確認コードが許可コードに合致した場合、更新用プログラムに基づき、貨幣識別部の識別プログラムを更新する。

　その結果、貨幣識別装置側の顧客は、例えば、更新用プログラムを正規購入したことで付与される装置単位のＰＩＮコードを利用して識別プログラムを更新できる。更に、貨幣識別装置側の製造者は、貨幣識別装置毎にＰＩＮコードを提供することで、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図るというものである。

　更に、本実施例の貨幣識別装置のプログラムインストールシステムについて説明する。その概要は、識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置と、この貨幣識別装置にプログラムを提供するプログラム提供装置とを有している。ここで、プログラムとは、貨幣識別用の識別プログラム、貨幣種別毎に判定基準を定めた識別テーブル、及び貨幣識別装置の制御用プログラムの何れか、又は、これらの組合せを指す。

　更に、プログラム提供装置は、インストール対象の貨幣識別装置の製造番号を指定する指定部と、この指定部にて指定した製造番号の貨幣識別装置に関わるプログラムを作成するプログラム作成部とを有している。

　更に、プログラム提供装置は、このプログラム作成部で作成したプログラムを製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供するプログラム提供部を有している。

　また、貨幣識別装置は、当該貨幣識別装置自体を識別する製造番号を管理した管理部と、プログラム情報を検出すると、当該プログラム情報内に、管理部に管理された製造番号に該当する製造番号がある場合、当該プログラム情報内の当該製造番号に対応したプログラムをインストールするプログラムインストール部とを有している。

　本実施例のプログラムインストールシステムでは、インストール対象の貨幣識別装置の製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供すると共に、貨幣識別装置側でプログラム情報を検出すると、当該プログラム情報内に当該貨幣識別装置に該当する製造番号がある場合、このプログラム情報内の当該製造番号に対応したプログラムをインストールする。

　その結果、製造者は、指定した貨幣識別装置に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図るというものである。

　図１は、実施例１の紙幣識別装置内部の概略構成を示す説明図である。

　図１に示す紙幣識別装置１は、各種情報を画面表示し、この画面表示上で各種コマンドを入力する操作／表示部２と、取引紙幣を装置内に投入するホッパ部３と、このホッパ部３に投入した紙幣を１枚単位で繰り出す繰出部４とを有している。

　更に、紙幣識別装置１は、この繰出部４にて繰り出した紙幣を搬送する搬送ベルト等の紙幣搬送部５と、この紙幣搬送部５で搬送した紙幣の金種、真偽、方向等の種別を識別する紙幣識別部６とを有している。

　更に、紙幣識別装置１は、紙幣識別部６にて搬送紙幣の種別を識別し、この識別結果に基づき、搬送紙幣を順次集積する集積部７と、識別不能の紙幣や、設定により対象外となった紙幣をリジェクトするリジェクト部８とを有している。

　また、紙幣識別装置１内の紙幣搬送路上の分岐箇所には、紙幣搬送路上を搬送する搬送紙幣を集積部７又はリジェクト部８に振り分ける分岐部９を配置している。尚、分岐部９は、検知センサ１０Ａを通じて搬送紙幣の先端の進入を検知すると、図示せぬソレノイドが駆動することで搬送紙幣を振り分けるものである。

　また、集積部７は、搬送紙幣を１枚単位で紙幣集積空間内の所定位置に集積する羽根車７Ａと、紙幣集積空間内に集積した紙幣を取出可能にすべく、紙幣集積空間の紙幣取出口を開閉するシャッタ７Ｂとを備えている。

　また、紙幣識別部６は、搬送紙幣の表面及び裏面を光学的に検知し、その検知結果に基づき搬送紙幣を識別するラインセンサ６Ａを備えている。

　更に、紙幣識別装置１は、紙幣識別部６の識別プログラムを更新する更新用プログラムを格納したＳＤカードを挿入するＳＤカード挿入部１１を有している。

　図２は、実施例１の紙幣識別装置１内部の概略構成を示すブロック図である。

　図２に示す紙幣識別装置１は、表示部２Ａ及び操作部２Ｂを備えた操作／表示部２と、ＳＤカード挿入部１１と、検知センサ１０Ａ等のセンサ部１０と、紙幣搬送部５、羽根車７Ａ、シャッタ７Ｂや分岐部９等を駆動する駆動部１３と、ラインセンサ６Ａ等の紙幣識別部６とを有している。

　更に、紙幣識別装置１は、紙幣識別部６を制御する識別制御部１４と、この紙幣識別装置１全体を制御する本体制御部１５とを有している。

　識別制御部１４は、紙幣識別部６の固定設定内容を記憶した識別制御用ＲＯＭ１４Ａと、識別制御部１４の識別プログラム等を記憶する識別制御用ＲＡＭ１４Ｂと、識別制御部１４全体を制御する識別制御用ＣＰＵ１４Ｃとを有している。尚、識別プログラムは、搬送紙幣の金種、真偽や方向等の種別を識別するために種別毎の判定情報やプログラムが含まれているものとする。

　本体制御部１５は、紙幣識別装置１の固定設定内容を記憶した制御用ＲＯＭ１５Ａと、本体制御部１５の各種プログラムや各種設定内容を記憶した制御用ＲＡＭ１５Ｂと、本体制御部１５全体を制御する制御用ＣＰＵ１５Ｃとを有している。

　制御用ＲＡＭ１５Ｂは、揮発性記憶領域１５１及び不揮発性記憶領域１５２で構成し、その不揮発性記憶領域１５２には、紙幣識別装置１の製造番号の他に、例えば、紙幣識別装置１の製造時等に、当該紙幣識別装置１を識別する装置コードが格納してある。尚、装置コードは、例えば、製造者側では把握しているものの、顧客に対しては隠匿した構成としているため、顧客による装置コードの不正利用を回避できるものである。

　制御用ＣＰＵ１５Ｃは、例えば、更新用プログラム正規購入後に付与される装置単位のＰＩＮコードを制御用ＲＡＭ１５Ｂに格納した装置コードで復号化することで、確認コードを作成する確認コード作成部２１を有している。

　更に、制御用ＣＰＵ１５Ｃは、確認コード作成部２１にて作成した確認コードが更新用プログラムを復号化する許可コードと合致した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化するプログラム復号部２２を有している。

　更に、制御用ＣＰＵ１５Ｃは、プログラム復号部２２にて更新用プログラムを復号化し、この復号化した更新用プログラムに基づき、識別制御用ＲＡＭ１４Ｂに格納した識別プログラムを更新する更新制御部２３を有している。

　また、プログラム復号部２２は、確認コードが許可コードに合致しなかった場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化できず、この処理動作を終了する。つまり、更新制御部２３は、更新用プログラムが復号化できないため、識別制御用ＲＡＭ１４Ｂに格納した識別プログラムの更新ができないことになる。

　ここで、実施例１で使用するＰＩＮコード、装置コード、確認コード及び許可コードの各種コードについて説明する。

　許可コードは、更新用プログラムを暗号化又は復号化する、紙幣識別装置１の製造者側で設定したコードに相当するものである。

　また、ＰＩＮコードは、例えば、更新対象の紙幣識別装置１側顧客の更新用プログラムの正規購入に応じて、更新用プログラムの許可コードを更新対象の紙幣識別装置１の装置コードで暗号化した、正規購入者に付与するコードに相当するものである。

　更に、確認コードは、ＰＩＮコードを装置コードで復号化することで、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化するためのコードに相当するものである。

　尚、プログラム復号部２２は、確認コードが許可コードに合致した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化して当該更新用プログラムを利用可能とし、確認コードが許可コードに合致しなかった場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化できず、当該更新用プログラムを利用不可とするものである。

　すなわち、紙幣識別装置１の制御用ＣＰＵ１５Ｃでは、例えば、ＰＩＮコード＊装置コード＝確認コードのアルゴリズムが成立し、当該紙幣識別装置１に対する正しいＰＩＮコードが入力された場合、ＰＩＮコード＊装置コード＝確認コード＝許可コードのアルゴリズムが成立することになる。

　尚、請求項記載の貨幣識別装置は紙幣識別装置１、貨幣識別部は紙幣識別部６、入力部は操作部２Ｂ、確認コード作成部は確認コード作成部２１、暗証コードはＰＩＮコード、許可条件は許可コード、更新制御部はプログラム復号部２２及び更新制御部２３、暗証コード作成部は図示せぬ製造者側のパソコン端末等に夫々対応するものである。更に、請求項記載の固有情報入力部は操作部２Ｂ、設定制御部は確認コード作成部２１及び更新制御部２３等に夫々対応するものである。

　次に、実施例１の紙幣識別装置１の動作について説明する。図３は、更新用プログラムの暗号化方法を端的に示す説明図、図４は、ＰＩＮコードの作成方法を端的に示す説明図、図５は、更新用プログラムの復号化方法を端的に示す説明図、図６は、更新用プログラム毎のＰＩＮコード、装置コード、確認コード及び許可コードを端的に示す説明図である。

　紙幣識別装置１の製造者側では、例えば、紙幣改刷に応じた各金種の識別内容に適合すべく、紙幣識別部６の識別プログラムを更新する更新用プログラムを開発したとする。

　更に、製造者側では、更新用プログラムの利用を可能にすべく、当該更新用プログラムを暗号化又は復号化する許可コードを設定する。

　製造者側は、図３に示すように、更新用プログラムＡ１を許可コードＤ１で暗号化し、この暗号化した更新用プログラムＡ１をＳＤカードに格納する。

　更に、製造者側では、例えば、パソコン端末等を利用して、図４に示すように、紙幣識別装置１毎に、更新用プログラムＡ１を復号化する許可コードＤ１を当該紙幣識別装置１の装置コードＢ１で暗号化して装置単位のＰＩＮコードＣ１を作成する。

　製造者側では、更新用プログラムＡ１の正規購入契約に応じて、暗号化した更新用プログラムＡ１を格納したＳＤカードを各正規購入者に配布する。更に、製造者側では、同正規購入者の使用する更新対象の紙幣識別装置１に対応した装置単位のＰＩＮコードＣ１を同正規購入者に付与する。

　正規購入者は、配布されたＳＤカードをＳＤカード挿入部１１に挿入すると共に、操作部２Ｂを通じて、製造者側から付与された装置単位のＰＩＮコードＣ１を入力する。

　紙幣識別装置１内の制御用ＣＰＵ１５Ｃは、図５に示すように、確認コード作成部２１を通じて、ＰＩＮコードＣ１を当該紙幣識別装置１の装置コードＢ１で復号化して確認コードＥ１を作成する。

　制御用ＣＰＵ１５Ｃは、確認コードＥ１を作成すると、確認コードＥ１が許可コードＤ１に合致した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムＡ１を確認コードＥ１で復号化することで、利用可能な更新用プログラムＡ１を得る。

　制御用ＣＰＵ１５Ｃは、更新制御部２３を通じて、復号化された更新用プログラムＡ１に基づき、識別制御用ＲＡＭ１４Ｂに格納された識別プログラムＡ１を更新する。

　その結果、正規購入者は、更新用プログラムの正規購入で付与された装置単位のＰＩＮコードを紙幣識別装置１に入力した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムＡ１を復号化して、この更新用プログラムＡ１に基づき、当該紙幣識別装置１内の識別プログラムを更新できる。

　例えば、図６に示すように、更新用プログラムＡ１を復号化する許可コードＤ１とし、当該紙幣識別装置１が装置コードＢ１の場合、装置コードＢ１に対応した装置単位のＰＩＮコードＣ１を付与し、装置コードＢ１＊ＰＩＮコードＣ１で確認コードＥ１を取得する。また、装置コードＢ４の場合、装置コードＢ４に対応した装置単位のＰＩＮコードＣ４を付与し、装置コードＢ４＊ＰＩＮコードＣ４で確認コードＥ４を取得する。つまり、紙幣識別装置１毎に装置コードが異なるため、装置単位のＰＩＮコードも夫々異なる。

　また、正規購入で付与された装置単位のＰＩＮコードＣ１を他の紙幣識別装置１（例えば、装置コードＢ２の紙幣識別装置１）に入力した場合、制御用ＣＰＵ１５Ｃは、ＰＩＮコードＣ１を当該紙幣識別装置１の装置コードＢ２で復号化することで確認コードＥ２を得る。

　しかしながら、制御用ＣＰＵ１５Ｃは、確認コードＥ２を取得したとしても、ＰＩＮコードＣ１が装置コードＢ２に対応していないため、確認コードＥ２が許可コードＤ１に合致せず、ＳＤカードに格納した更新用プログラムＡ１を確認コードＥ２で復号化できない。

　その結果、正規購入で付与された装置単位のＰＩＮコードを他の紙幣識別装置１に使用したとしても、装置コードが異なるため、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを復号化することができないため、当該紙幣識別装置１内の識別プログラムを更新できないということになる。

　また、図６に示すように、更新用プログラムＡ１とはバージョン等が異なる更新用プログラムＡ２を復号化する許可コードＤ２とし、当該紙幣識別装置１が装置コードＢ４の場合、装置コードＢ４に対応した装置単位のＰＩＮコードＣ１４を付与し、装置コードＢ４＊ＰＩＮコードＣ１４で確認コードＥ１４を取得する。つまり、更新用プログラム毎に許可コードが異なるため、装置単位のＰＩＮコードも夫々異なる。

　実施例１では、装置単位のＰＩＮコード及び装置コードを利用して確認コードを作成し、この確認コードが許可コードに合致した場合、この更新用プログラムを利用可能にし、この更新用プログラムに基づき識別プログラムを更新する。その結果、本実施例では、ＰＩＮコードを装置単位で付与することになるため、他の紙幣識別装置１に同一ＰＩＮコードを入力したとしても、装置コードが異なるため、許可コードに合致した確認コードを作成することができず、紙幣識別装置１間相互間の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できる。

　また、紙幣識別装置１側の顧客は、更新用プログラムを正規購入したことで付与される装置単位のＰＩＮコードを利用して識別プログラムを更新できる。更に、紙幣識別装置１の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位でＰＩＮコードを提供することになるため、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができる。

　実施例１では、確認コードが許可コードに合致しなかった場合、この更新用プログラムの利用を不可とする。その結果、本実施例では、入力したＰＩＮコードが正しくない場合、確認コードが許可コードに合致しないことになるため、更新用プログラムの不正利用を確実に防止できる。

　実施例１では、確認コードが許可コードに合致した場合、当該確認コードに基づき更新用プログラムを復号化して当該更新用プログラムの利用を可能にする。その結果、本実施例では、暗号化した更新用プログラムを確認コードで復号化できる。

　実施例１では、ＳＤカードを通じて更新用プログラムを取得し、この更新用プログラムに基づき、紙幣識別部６の識別プログラムを更新できる。

　実施例１では、更新用プログラム更新対象の紙幣識別装置１の装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を可能にする許可コードに基づき、更新用プログラム更新対象の紙幣識別装置１に付与するＰＩＮコードを作成する。その結果、紙幣識別装置１の製造者は、更新用プログラムを正規購入した顧客に対して装置単位でＰＩＮコードを提供することになるため、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止しながら、その開発コストの回収を図ることができる。

　実施例１では、更新用プログラムの利用を可能にする許可条件を共通の許可コードにすることで、更新用プログラム単位の許可コードを管理する負担を大幅に軽減できる。

　実施例１では、暗号化された更新用プログラムを復号化する許可コードを更新用プログラム共通の許可コードで設定し、更新対象の紙幣識別装置１の装置単位でＰＩＮコードを作成することになる。その結果、本実施例では、同一更新用プログラムで共通の許可コードに設定することで、紙幣識別装置１毎に装置コードが異なるため、装置単位のＰＩＮコードも夫々異なることから、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できる。

　更に、実施例１では、更新用プログラム毎に許可コードが異なる場合でも、紙幣識別装置１毎に装置コードも異なることから、装置単位のＰＩＮコードも夫々異なるため、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できる。

　また、実施例１では、更新用プログラム正規購入時に付与された装置単位のＰＩＮコードを更新対象の紙幣識別装置１の装置コードで復号化して確認コードを作成する。その結果、更新用プログラム正規購入時に付与された装置単位のＰＩＮコード及び更新対象の紙幣識別装置１の装置コードを利用して確認コードを作成することになるため、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できる。しかも、確認コード作成に利用する装置コードは顧客に対して隠匿したコードであるため、確認コードを作成するには極めて困難である。

　また、実施例１では、暗号化した更新用プログラムをＳＤカードに格納し、この更新用プログラムを復号化する確認コードを作成するのに、装置単位の装置コード及びＰＩＮコードを利用することになるが、ＳＤカードに不正利用を防止するための余計な細工をする必要がないため、ＳＤカードの製造負担を軽減できる。

　尚、実施例１では、更新用プログラムを許可コードで暗号化又は復号化するようにしたが、更新用プログラムと一緒に許可コードを記憶しておき、確認コードが許可コードに合致した場合、ＳＤカードに格納した更新用プログラムを展開可能にしても良く、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、実施例１では、ＳＤカードから更新用プログラムを取得するようにしたが、更新用プログラムを管理する管理サーバに対して紙幣識別装置１を通信接続し、ＰＩＮコード及び装置コードに基づき作成した確認コードが許可コードに合致した場合、この管理サーバから更新用プログラムを紙幣識別装置１にダウンロードできるようにしても良く、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、実施例１では、更新用プログラムの正規購入契約に応じて装置単位のＰＩＮコードを正規購入者に付与するようにしたが、例えば、更新対象の紙幣識別装置１と管理サーバとを通信接続し、当該管理サーバから更新対象の紙幣識別装置１にオンライン上でＰＩＮコードを通知するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、管理サーバから更新対象の紙幣識別装置１にオンライン上でＰＩＮコードを通知した場合、本実施例のようにＰＩＮコードを手入力するのではなく、ＰＩＮコードを自動入力するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、実施例１では、装置コードとして顧客に対して隠匿性のあるコードを利用したが、顧客に対する隠匿性はないが、紙幣識別装置１固有の製造番号を装置コードとして利用し、これら装置単位の装置コード及びＰＩＮコードを利用したとしても、紙幣識別装置１間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止することができる。

　また、上記実施例１においては、紙幣を識別する機能を備えた紙幣識別装置１を例に挙げて説明したが、硬貨を識別する機能を備えた装置、更には、紙幣及び硬貨両方を識別する機能を備えた装置であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　図７は、実施例２のプログラムインストールシステム内部の概略構成を示すブロック図、図８は、実施例２の紙幣識別装置内部の概略構成を示す説明図である。

　図７に示すプログラムインストールシステム１０１は、紙幣を識別しながら、その紙幣を集積する紙幣識別装置１０２と、紙幣識別装置１０２のプログラムを提供するプログラム提供装置１０３と、通信網１０４経由でプログラム提供装置１０３と通信接続する、例えば、パソコン端末等の通信端末装置１０５とを有している。尚、説明の便宜上、紙幣識別装置１０２は、例えば、顧客側に配置、プログラム提供装置１０３は、例えば、製造元に配置、通信端末装置１０５は、例えば、紙幣識別装置１０２を販売した製造元の販売代理店等に配置するものとする。

　図７及び図８に示す紙幣識別装置１０２は、各種情報を画面表示し、この画面表示上で各種コマンドを入力する操作表示部１１１と、取引紙幣を装置内に投入するホッパ部１１２と、このホッパ部１１２に投入した紙幣を１枚単位で繰り出す繰出部１１３とを有している。

　更に、紙幣識別装置１０２は、この繰出部１１３にて繰り出した紙幣を搬送する搬送ベルト等の紙幣搬送部１１４と、この紙幣搬送部１１４で搬送した紙幣の金種、真偽や方向等の種別を識別する紙幣識別部１１５とを有している。

　更に、紙幣識別装置１０２は、紙幣識別部１１５にて搬送紙幣の種別を識別し、この識別結果に基づき、搬送紙幣を順次集積する集積部１１６と、識別不能の紙幣や、設定により対象外となった紙幣をリジェクトするリジェクト部１１７とを有している。

　また、紙幣識別装置１０２内の紙幣搬送路上の分岐箇所には、紙幣搬送路上を搬送する搬送紙幣を集積部１１６又はリジェクト部１１７に振り分ける分岐部１１８を配置している。尚、分岐部１１８は、検知センサ１１９Ａを通じて搬送紙幣の先端の進入を検知すると、図示せぬソレノイドが駆動することで搬送紙幣を振り分けるものである。

　また、集積部１１６は、搬送紙幣を１枚単位で紙幣集積空間内の所定位置に集積する羽根車１１６Ａと、紙幣集積空間内に集積した紙幣を取出可能にすべく、紙幣集積空間の紙幣取出口を開閉するシャッタ１１６Ｂとを備えている。

　また、紙幣識別部１１５は、識別プログラムに基づき、搬送紙幣の表面及び裏面を光学的に検知し、その検知結果に基づき搬送紙幣を識別するラインセンサ１１５Ａを備えている。

　更に、紙幣識別装置１０２は、紙幣識別部１１５の識別プログラムを更新する更新用プログラムを格納したＳＤカード１０６を挿入するＳＤカード挿入部１２０を有している。

　図７に示す紙幣識別装置１０２は、表示部１１１Ａ及び操作部１１１Ｂを備えた操作表示部１１１と、ＳＤカード挿入部１２０と、検知センサ１１９Ａ等のセンサ部１１９と、紙幣搬送部１１４、羽根車１１６Ａ、シャッタ１１６Ｂや分岐部１１８等を駆動する駆動部１２１と、ラインセンサ１１５Ａ等の紙幣識別部１１５とを有している。

　更に、紙幣識別装置１０２は、紙幣識別部１１５を制御する識別用制御部１２２と、この紙幣識別装置１０２全体を制御する本体制御部１２３とを有している。

　識別用制御部１２２は、紙幣識別部１１５の固定設定内容を記憶した識別用ＲＯＭ１２２Ａと、識別用制御部１２２の識別プログラム等のプログラムを記憶する識別用ＲＡＭ１２２Ｂと、識別用制御部１２２全体を制御する識別用ＣＰＵ１２２Ｃとを有している。尚、識別プログラムは、搬送紙幣の金種、真偽や方向等を識別するために種別毎の判定情報やプログラムが含まれているものとする。

　本体制御部１２３は、紙幣識別装置１０２の固定設定内容を記憶した制御用ＲＯＭ１２３Ａと、本体制御部１２３の各種プログラムや各種設定内容等のプログラムを記憶した制御用ＲＡＭ１２３Ｂと、本体制御部１２３全体を制御する制御用ＣＰＵ１２３Ｃとを有している。

　制御用ＲＡＭ１２３Ｂは、揮発性記憶領域２３１及び不揮発性記憶領域２３２で構成し、その不揮発性記憶領域２３２には、紙幣識別装置１０２の製造番号と、紙幣識別装置１０２の製造時等に、当該紙幣識別装置１０２を識別する装置コードとが格納してある。尚、装置コードは、例えば、製造者側では把握しているものの、顧客に対しては隠匿した構成としているため、顧客による装置コードの不正利用を回避できるものである。

　制御用ＣＰＵ１２３Ｃは、ＳＤカード挿入部１２０に挿入したＳＤカード１０６からプログラム情報を読み出すと、プログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号があるか否かを判定する製造番号判定部１３１を有している。尚、プログラム情報とは、後述するが、プログラム及び、そのプログラムがインストール可能な紙幣識別装置１０２の製造番号を対応付けた情報である。

　制御用ＣＰＵ１２３Ｃは、製造番号判定部１３１にて該当する製造番号がある場合、この製造番号に対応したプログラム情報をＳＤカード１０６から読み出すＳＤカード制御部１３２と、ＳＤカード制御部１３２にて読み出したプログラムを制御用ＲＡＭ１２３Ｂや識別用ＲＡＭ１２２Ｂにインストールするインストール制御部１３３とを有している。

　また、図７に示すプログラム提供装置１０３は、通信網１０４との通信インタフェースを司る通信部１４１と、ＳＤカード１０６を挿入するＳＤカード挿入部１４２と、作成したプログラム情報を管理する管理テーブル１４３と、紙幣識別装置１０２の製造番号毎にプログラムの更新履歴を管理する履歴管理部１４４と、プログラム提供装置１０３全体を制御する提供制御部１４５とを有している。

　提供制御部１４５は、通信網１０４経由で通信端末装置１０５との通信接続に応じて、通信端末装置１０５に対して案内画面を提供する画面提供部１５１とを有している。

　画面提供部１５１は、通信端末装置１０５に対して、例えば、プログラムを要求する要求画面や、インストール対象の製造番号等を指定する指定画面等の案内画面を提供するものである。図９は、通信端末装置１０５に提供する指定画面の一例を端的に示す説明図である。

　図９に示す指定画面１６０では、インストール対象の紙幣識別装置１０２の製造番号を指定する製造番号入力欄１６０Ａと、インストール対象の紙幣識別装置１０２にインストールするプログラム名を指定するプログラム名入力欄１６０Ｂとを有している。

　製造番号入力欄１６０Ａでは、例えば、複数の紙幣識別装置１０２で連続する製造番号を範囲指定可能な構成とし、プログラム名入力欄１６０Ｂは、製造元で予め準備した複数のプログラム名を一覧表示し、これら一覧表示から所望のプログラム名を指定可能とする選択タブで構成している。図９の例では、インストール対象の製造番号１６０Ａとして「００３０５～００４０５」、これらインストール対象の製造番号の紙幣識別装置１０２に対するインストール対象プログラム名１６０Ｂとして「ＲＯ」、例えば、ルーマニア仕様のテンプレートがインストールされたことになる。

　提供制御部１４５は、指定画面１６０の製造番号入力欄１６０Ａ上で、通信端末装置１０５側で指定したインストール対象の製造番号を検出する製造番号検出部１５２と、指定画面１６０のプログラム名入力欄１６０Ｂ上で、通信端末装置１０５側で指定したインストールするプログラム名を検出するプログラム名検出部１５３とを有している。

　尚、提供制御部１４５は、製造番号検出部１５２にてインストール対象の製造番号を順次検出すると、順次検出した製造番号に対応する更新履歴を履歴管理部１４４に問合せ、その問合せ結果である更新履歴を指定画面１６０上にポップアップ表示するものである。その結果、通信端末装置１０５側のユーザは、製造番号単位で現在の更新履歴を認識することで無駄な更新を回避することができる。

　提供制御部１４５は、プログラム名検出部１５３を通じてインストール対象のプログラム名を検出した場合、そのプログラム名に対応するプログラムを作成するプログラム作成部１５４と、このプログラム作成部１５４にて作成したプログラム及びインストール対象の製造番号を対応付けてプログラム情報を作成するプログラム情報作成部１５５とを有している。

　更に、提供制御部１４５は、プログラム情報作成部１５５にて作成したプログラム情報を管理テーブル１４３に管理すると共に、プログラム情報をＳＤカード１０６に格納するプログラム提供部１５６を有している。

　プログラム提供部１５６は、ＳＤカード挿入部１４２に挿入したＳＤカード１０６にプログラム情報を格納するＳＤカード制御部１５６Ａを有している。

　図１０は、ＳＤカード１０６内部のデータ構成を端的に示す説明図である。

　図１０に示すＳＤカード１０６には、少なくも１個以上のプログラム情報を格納し、そのプログラム情報は、インストール対象の紙幣識別装置１０２の製造番号１０６Ａと、インストールするプログラム名１０６Ｂと、インストールするプログラム１０６Ｃとを対応付けて格納している。

　図１１は、管理テーブル１４３のテーブル内容を端的に示す説明図である。

　図１１に示す管理テーブル１４３は、紙幣識別装置１０２の機種名１４３Ａ、プログラムを要求した販売代理店を識別するグループ１４３Ｂ、プログラム名１４３Ｃと、インストール対象の製造番号１４３Ｄと、インストールするプログラム１４３Ｅとを対応付けて管理している。尚、プログラム提供部１５６は、プログラム情報作成部１５５にて作成したプログラム情報内のインストール対象の製造番号、プログラム名及びプログラム名の他に、インストール対象の機種名及び販売代理店グループを管理テーブル１４３に管理するものである。

　尚、図１１の例では、機能名１４３Ａとして「ＧＦＲ－ＶＸ１」、そのグループ１４３Ｂとして「１１」、インストール対象の製造番号１４３Ｄとして「００３０５～００４０５」、インストールするプログラム名１４３Ｃとして「ＲＯ」、インストールするプログラム１４３Ｅとしてプログラム内容が対応付けて、その管理テーブル１４３内に管理されている。

　尚、請求項記載のプログラムインストールシステムはプログラムインストールシステム１０１、貨幣識別装置は紙幣識別装置１０２、プログラム提供装置はプログラム提供装置１０３、指定部は製造番号検出部１５２、プログラム作成部はプログラム作成部１５４、プログラム提供部はプログラム情報作成部１５５及びプログラム提供部１５６、プログラムインストール部は製造番号判定部１３１、ＳＤカード制御部１３２及びインストール制御部１３３、指定画面提供部は画面提供部１５１、指定画面は指定画面１６０、装置情報指定部は製造番号入力欄１６０Ａ、プログラム指定部はプログラム名入力欄１６０Ｂ、履歴管理部は履歴管理部１４４等に対応している。更に、請求項記載の固有情報入力部は製造番号検出部１５２、設定制御部は製造番号判定部１３１、ＳＤカード制御部１３２及びインストール制御部１３３等に相当する。

　次に、実施例２のプログラムインストールシステム１０１の動作について説明する。図１２は、プログラム要求処理に関わるプログラム提供装置１０３内の提供制御部１４５内部の処理動作を示すフローチャートである。

　図１２に示すプログラム要求処理は、通信端末装置１０５から通信網１０４経由でインストールするプログラム及びインストール対象の紙幣識別装置１０２の製造番号を指定し、製造番号を対応付けたプログラムをプログラム情報として作成し、そのプログラム情報をＳＤカード１０６に格納する処理である。

　プログラム提供装置１０３内の提供制御部１４５は、通信網１０４経由で通信端末装置１０５との通信接続中に、画面提供部１５１を通じて要求画面を通信端末装置１０５に対して提供し、この要求画面上で通信端末装置１０５からのプログラム要求を検出すると（ステップＳ１１）、画面提供部１５１を通じて指定画面１６０（図９参照）を通信端末装置１０５に提供する。

　更に、提供制御部１４５は、製造番号検出部１５２を通じて指定画面１６０の製造番号入力欄１６０Ａ上で、通信端末装置１０５からインストール対象の製造番号の指定操作を検出したか否かを判定する（ステップＳ１２）。

　提供制御部１４５は、インストール対象の製造番号の指定操作を検出した場合（ステップＳ１２肯定）、この製造番号に対応する更新履歴を履歴管理部１４４から読み出し、この製造番号に対応する更新履歴を指定画面１６０上にポップアップ表示する（ステップＳ１３）。尚、通信端末装置１０５側のユーザは、指定画面１６０上のポップアップ表示で製造番号単位の紙幣識別装置１０２の更新履歴を認識し、その更新の要否を認識できる。

　更に、提供制御部１４５は、プログラム名検出部１５３を通じて指定画面１６０のプログラム名入力欄１６０Ｂ上で、通信端末装置１０５からインストールするプログラム名の指定操作を検出したか否かを判定する（ステップＳ１４）。

　提供制御部１４５は、インストールするプログラム名の指定操作を検出した場合（ステップＳ１４肯定）、プログラム作成部１５４を通じて、このプログラム名に対応するプログラムを作成する（ステップＳ１５）。

　更に、提供制御部１４５は、インストールするプログラムを作成すると、インストールするプログラム及びインストール対象の製造番号に基づき、プログラム情報作成部１５５を通じてプログラム情報を作成する（ステップＳ１６）。

　提供制御部１４５は、プログラム情報を作成すると、このプログラム情報を管理テーブル１４３内に登録管理する（ステップＳ１７）。

　更に、提供制御部１４５は、プログラム情報を管理テーブル１４３内に管理した後、ＳＤカード制御部１３２を通じて、このプログラム情報をＳＤカード１０６に格納し（ステップＳ１８）、図１２に示す処理動作を終了する。

　また、提供制御部１４５は、インストール対象の製造番号の指定操作を検出しなかった場合（ステップＳ１２否定）、インストールするプログラム名の指定操作を検出したか否かを判定すべく、ステップＳ１４に移行する。

　また、提供制御部１４５は、プログラム名の指定操作を検出しなかった場合（ステップＳ１４否定）、インストール対象の製造番号の指定操作を検出したか否かを判定すべく、ステップＳ１２に移行する。

　図１２に示すプログラム要求処理では、通信端末装置１０５側でインストール対象の製造番号及びプログラム名を指定し、プログラム提供装置１０３側でインストール対象の製造番号に対応するプログラムを作成し、インストール対象の製造番号及びプログラムに対応したプログラム情報を作成し、このプログラム情報を管理テーブル１４３に管理すると共に、このプログラム情報をＳＤカード１０６に格納する。その結果、プログラム提供装置１０３側では、通信端末装置１０５側で指定したインストール対象の紙幣識別装置１０２のプログラム情報を作成し、このプログラム情報をＳＤカード１０６でインストール対象の紙幣識別装置１０２に提供できる。

　更に、プログラム要求処理では、通信端末装置１０５側でインストール対象の製造番号を指定すると、当該製造番号の紙幣識別装置１０２に対応した更新履歴を履歴管理部１４３から読み出し、この読み出した更新履歴を指定画面１６０上にポップアップ表示する。その結果、通信端末装置１０５側のユーザは、指定画面１６０上のポップアップ表示に基づき、指定した製造番号の紙幣識別装置１０２に関わる更新履歴を認識しながら、当該紙幣識別装置１０２の更新の要否を認識できる。

　次に、プログラム情報を格納したＳＤカード１０６を紙幣識別装置１０２に挿入した場合の紙幣識別装置１０２側の動作について説明する。図１３は、第１プログラムインストール処理に関わる紙幣識別装置１０２内の本体制御部１２３内部の処理動作を示すフローチャートである。

　図１３に示す第１プログラムインストール処理は、プログラム情報を格納したＳＤカード１０６を挿入し、このＳＤカード１０６に格納したプログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、当該製造番号に対応したプログラム情報内のプログラムをインストールする処理である。

　紙幣識別装置１０２内の本体制御部１２３は、ＳＤカード挿入部１２０にＳＤカード１０６を挿入したか否かを判定する（ステップＳ２１）。

　本体制御部１２３は、ＳＤカード挿入部１２０にＳＤカード１０６を挿入した場合（ステップＳ２１肯定）、ＳＤカード１０６に格納されたプログラム情報の全製造番号の内、制御用ＲＡＭ１２３Ｂに記憶された製造番号に該当する製造番号があるか否かを判定する（ステップＳ２２）。

　本体制御部１２３は、該当する製造番号がある場合（ステップＳ２２肯定）、該当する製造番号に対応したプログラム名をＳＤカード１０６から読み出し（ステップＳ２３）、このプログラム名を表示部１１１Ａに画面表示する（ステップＳ２４）。尚、紙幣識別装置１０２側の顧客は、インストール可能なプログラム名を認識できる。

　本体制御部１２３は、プログラム名を表示部１１１Ａに画面表示すると、この画面上でインストールＯＫを指示するＯＫボタンのボタン操作を検出したか否かを判定する（ステップＳ２５）。

　本体制御部１２３は、ＯＫボタンのボタン操作を検出した場合（ステップＳ２５肯定）、プログラムのインストール動作を実行するものと判断し、ステップＳ２３で読み出したプログラムを制御用ＲＡＭ１２３Ｂや識別用ＲＡＭ１２２Ｂにインストールし（ステップＳ２６）、図１３に示す処理動作を終了する。

　また、本体制御部１２３は、ＯＫボタンのボタン操作を検出しなかった場合（ステップＳ２５否定）、画面上でＮＧボタンのボタン操作を検出したか否かを判定する（ステップＳ２７）。

　本体制御部１２３は、ＮＧボタンのボタン操作を検出した場合（ステップＳ２７肯定）、プログラムのインストール動作を実行することなく、図１３に示す処理動作を終了する。

　また、本体制御部１２３は、ＮＧボタンのボタン操作を検出しなかった場合（ステップＳ２７否定）、ＯＫボタンのボタン操作を検出したか否かを判定すべく、ステップＳ２５に移行する。

　また、本体制御部１２３は、ＳＤカード挿入部１２０にＳＤカード１０６を挿入しなかった場合（ステップＳ２１否定）、図１３に示す処理動作を終了する。

　また、本体制御部１２３は、該当する製造番号がない場合（ステップＳ２２否定）、ＳＤカード１０６内にインストール可能なプログラムなしを示すメッセージを表示部１１１Ａに画面表示し（ステップＳ２８）、図１３に示す処理動作を終了する。尚、紙幣識別装置１０２の顧客は、ＳＤカード１０６内にインストール可能なプログラムがないことを認識できる。

　図１３に示す第１プログラムインストール処理では、プログラム情報を格納したＳＤカード１０６が当該紙幣識別装置１０２内に挿入されると、このＳＤカード１０６に格納したプログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、インストール可能なプログラムがあるものと判断し、そのインストール可能なプログラム名を表示部１１１Ａに画面表示する。その結果、紙幣識別装置１０２の顧客は、ＳＤカード１０６内にインストール可能なプログラム名を認識できる。

　また、第１プログラムインストール処理では、インストール可能なプログラム名を画面表示した後、ＯＫボタンのボタン操作を検出すると、そのプログラム名に対応したプログラムをインストールする。その結果、紙幣識別装置１０２の顧客ユーザは、自らプログラムのインストール要否を選択できる。

　また、第１プログラムインストール処理では、ＳＤカード１０６に格納したプログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がない場合、インストール可能なプログラムがないと判断し、プログラムなしのメッセージを画面表示する。その結果、紙幣識別装置１０２のユーザは、ＳＤカード１０６内にインストール可能なプログラムがないことを認識できる。

　実施例２では、インストール対象の紙幣識別装置１０２の製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供すると共に、紙幣識別装置１０２側でプログラム情報を検出すると、当該プログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、当該プログラム情報内の当該製造番号報に対応したプログラムをインストールする。その結果、製造者は、指定した紙幣識別装置１０２に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、紙幣識別装置１０２間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図ることができる。

　また、実施例２では、プログラムを複数個の製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供する。その結果、製造者は、複数台の紙幣識別装置１０２に単一のプログラムをインストールする場合でも、指定した紙幣識別装置１０２毎にプログラム情報を作成するのではなく、指定した複数台の紙幣識別装置１０２にのみ有効な１個のプログラム情報を作成するだけで済むため、その生産効率を大幅に向上させることができる。

　また、実施例２では、プログラム情報を格納したＳＤカード１０６を通じて、プログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供する。その結果、製造者は、ＳＤカード１０６を使用してプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供できる。

　また、実施例２では、複数個のプログラム情報を格納したＳＤカード１０６を通じて、これら複数個のプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供する。その結果、製造者は、ＳＤカード１０６を使用して複数個のプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供できる。

　また、実施例２では、プログラム提供装置１０３で提供した指定画面１６０上でインストール対象の製造番号及びプログラム名を指定する。その結果、販売代理店は、インストール対象の紙幣識別装置１０２及びプログラムを簡単に指定できる。

　また、実施例２では、指定画面１６０上でインストール対象の製造番号を指定すると、当該製造番号に対応した更新履歴を履歴管理部１４４から読み出し、この製造番号の紙幣識別装置１０２に関わる更新履歴を指定画面１６０上にポップアップ表示する。その結果、販売代理店は、インストール対象の紙幣識別装置１０２の更新履歴に基づき、インストールすべきプログラムを認識できる。

　尚、上記実施例２では、プログラム提供装置１０３から紙幣識別装置１０２に対してＳＤカード１０６を使用してプログラム情報を提供するようにしたが、プログラム提供装置３から紙幣識別装置１０２に対してオンラインでプログラム情報を提供するようにしても良く、この場合につき、以下に実施例３として説明する。

　図１４は、実施例３のプログラムインストールシステム内部の概略構成を示すブロック図である。尚、実施例１のプログラムインストールシステム１０１と同一の構成については同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。

　実施例２のプログラムインストールシステム１０１と実施例３のプログラムインストールシステム１０１Ａとが異なるところは、紙幣識別装置１０２及びプログラム提供装置１０３Ａ間を通信網１０４経由で通信接続し、紙幣識別装置１０２がプログラム提供装置１０３Ａからオンライン上でプログラム情報をダウンロード可能にした点にある。

　プログラム提供部１５６は、通信網１０４経由で紙幣識別装置１０２と接続中に、当該紙幣識別装置１０２に対するプログラム情報のダウンロードを制御するダウンロード制御部１７０を有している。

　ダウンロード制御部１７０は、管理テーブル１４３内のプログラム情報内に、接続中の紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号があるか否かを判定する製造番号判定部１７１と、製造番号判定部１７１にて該当する製造番号がある場合、紙幣識別装置１０２からのダウンロード要求を検出するダウンロード要求検出部１７２とを有している。

　更に、ダウンロード制御部１７０は、紙幣識別装置１０２からのダウンロード要求を検出すると、この紙幣識別装置１０２に対して自装置の製造番号に対応したプログラム情報のダウンロードを実行するダウンロード実行部１７３を有している。

　また、紙幣識別装置１０２は、通信網１０４と通信接続する通信部１２４を備え、通信部１２４を使用して、通信網１０４経由でプログラム提供装置１０３Ａと通信接続するものである。

　更に、紙幣識別装置１０２は、本体制御部１２３を制御する制御用ＣＰＵ１２３Ｄを有し、制御用ＣＰＵ１２３Ｄは、接続中のプログラム提供装置１０３Ａに対して、所定操作に応じてダウンロード要求を通知するダウンロード要求部１３４を有している。

　更に、制御用ＣＰＵ１２３Ｄ内のインストール制御部１３３は、接続中のプログラム提供装置１０３Ａに対するダウンロード要求に対して、プログラム提供装置１０３Ａからプログラム情報をダウンロードすると、このダウンロードしたプログラム情報内のプログラムを制御用ＲＡＭ１２３Ｂや識別用ＲＡＭ１２２Ｂにインストールするものである。

　次に、実施例３のプログラムインストールシステム１０１Ａの動作について説明する。図１５は、実施例３の第２プログラムインストール処理に関わるプログラム提供装置１０３Ａ内の提供制御部１４５Ａ内部の処理動作を示すフローチャートである。

　図１５に示す第２プログラムインストール処理とは、プログラム提供装置１０３Ａ側で、プログラム情報内に、接続中の紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、この接続中の紙幣識別装置１０２に対してプログラム情報を伝送し、紙幣識別装置１０２側でプログラムを更新する処理である。

　図１５においてプログラム提供装置１０３Ａ内の提供制御部１４５Ａは、通信網１０４経由で紙幣識別装置１０２と接続中であるか否かを判定する（ステップＳ３１）。

　提供制御部１４５Ａは、紙幣識別装置１０２と接続中の場合（ステップＳ３１肯定）、製造番号判定部１７１を通じて、管理テーブル１４３内のプログラム情報内に、この接続中の紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号があるか否かを判定する（ステップＳ３２）。

　提供制御部１４５Ａは、プログラム情報内に該当する製造番号がある場合（ステップＳ３２肯定）、この製造番号に対応したプログラム情報を管理テーブル１４３から読み出す（ステップＳ３３）。

　提供制御部１４５Ａは、製造番号に対応するプログラム情報を読み出すと、画面提供部１５１を通じて、このプログラム情報のプログラム名を紙幣識別装置１０２に対して画面提供する（ステップＳ３４）。尚、紙幣識別装置１０２のユーザは、インストール可能なプログラム名を表示部１１１Ａ上で認識できる。

　更に、提供制御部１４５Ａは、プログラム名を紙幣識別装置１０２に対して画面提供すると、紙幣識別装置１０２からダウンロードＯＫ要求を検出したか否かを判定する（ステップＳ３５）。尚、ダウンロードＯＫ要求は、紙幣識別装置１０２側の操作部１１１Ｂの特定操作でプログラム提供装置１０３Ａに通知されるものである。

　提供制御部１４５Ａは、紙幣識別装置１０２からダウンロードＯＫ要求を検出した場合（ステップＳ３５肯定）、この紙幣識別装置１０２の製造番号に対応するプログラム情報を紙幣識別装置１０２に対してダウンロードし（ステップＳ３６）、図１５に示す処理動作を終了する。尚、紙幣識別装置１０２側のインストール制御部１３３は、ダウンロードしたプログラム情報からプログラムを読み出し、このプログラムを制御用ＲＡＭ１２３Ｂや識別用ＲＡＭ１２２Ｂにインストールすることになる。

　提供制御部１４５Ａは、紙幣識別装置１０２からダウンロードＯＫ要求を検出しなかった場合（ステップＳ３５否定）、紙幣識別装置１０２からダウンロードＮＧ要求を検出したか否かを判定する（ステップＳ３７）。尚、ダウンロードＮＧ要求は、紙幣識別装置１０２側の操作部１１１Ｂの特定操作でプログラム提供装置１０３Ａに通知されるものである。

　提供制御部１４５Ａは、紙幣識別装置１０２からダウンロードＮＧ要求を検出した場合（ステップＳ３７肯定）、図１５に示す処理動作を終了する。

　提供制御部１４５Ａは、紙幣識別装置１０２からダウンロードＮＧ要求を検出しなかった場合（ステップＳ３７否定）、紙幣識別装置１０２からダウンロードＯＫ要求を検出したか否かを判定すべく、ステップＳ３５に移行する。

　提供制御部１４５Ａは、製造番号判定部１７１を通じて、管理テーブル１４３内のプログラム情報内に、この接続中の紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がない場合（ステップＳ３２否定）、画面提供部１５１を通じて、該当するプログラムなしを示すメッセージを紙幣識別装置１０２に対して画面提供し（ステップＳ３８）、図１５に示す処理動作を終了する。尚、紙幣識別装置１０２側のユーザは、プログラムなしを表示部１１１Ａ上で認識できる。

　また、提供制御部１４５Ａは、通信網１０４経由で紙幣識別装置１０２と接続中でない場合（ステップＳ３１否定）、図１５に示す処理動作を終了する。

　図１５に示す第２プログラムインストール処理では、紙幣識別装置１０２と通信接続中に、管理テーブル１４３に管理されたプログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、インストール可能なプログラムがあると判断し、インストール可能なプログラム名を当該紙幣識別装置１０２に画面提供する。その結果、紙幣識別装置１０２のユーザは、インストール可能なプログラム名を表示部１１１Ａ上で認識できる。

　更に、第２プログラムインストール処理では、インストール可能なプログラム名を紙幣識別装置１０２に画面提供した後、紙幣識別装置１０２側のダウンロードＯＫ要求に応じて当該紙幣識別装置１０２に対するプログラム情報のダウンロードを実行する。その結果、紙幣識別装置１０２のユーザは、自らプログラムのインストール要否を選択できる。

　また、第２プログラムインストール処理では、管理テーブル１４３に管理されたプログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がない場合、インストール可能なプログラムがないと判断し、インストール可能なプログラムなしメッセージを当該紙幣識別装置１０２に画面提供する。その結果、紙幣識別装置１０２のユーザは、インストール可能なプログラムがないことを認識できる。

　実施例３では、インストール対象の紙幣識別装置１０２の製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供すると共に、紙幣識別装置１０２と通信接続し、当該プログラム情報内に当該紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、当該プログラム情報内の当該製造番号に対応したプログラムをインストールする。その結果、製造者は、指定した紙幣識別装置１０２に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、紙幣識別装置１０２間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図ることができる。

　また、実施例３では、プログラムを複数個の製造番号に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供する。その結果、製造者は、複数台の紙幣識別装置１０２に単一のプログラムをインストールする場合でも、指定した紙幣識別装置１０２毎にプログラム情報を作成するのではなく、指定した複数台の紙幣識別装置にのみ有効な１個のプログラム情報を作成するだけで済むため、その生産効率の大幅向上が図れる。

　また、実施例３では、プログラム提供装置１０３Ａが紙幣識別装置１０２と通信接続し、プログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供する。その結果、製造者は、紙幣識別装置１０２と通信接続し、そのオンライン上でプログラム情報を紙幣識別装置１０２に提供できる。

　尚、上記実施例２及び３では、通信端末装置１０５と通信接続し、その指定画面１６０上のインストール対象の製造番号及びプログラム名を検出すると、製造番号に対応したプログラム情報を作成し、そのプログラム情報をＳＤカード１０６又はオンラインで紙幣識別装置１０２に提供するようにしたが、通信端末装置１０５と通信接続しなくても、紙面でインストール対象の製造番号及びプログラム名を受け付けて、これらインストール対象の製造番号及びプログラム名をプログラム提供装置１０３（１０３Ａ）に手入力したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、上記実施例２及び３では、説明の便宜上、通信端末装置１０５のユーザを販売代理店としたが、紙幣識別装置１０２の顧客や、その製造元であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、同様に、紙幣識別装置１０２についても、顧客に限定されるものではなく、製造元や販売代理店等に配置したとしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、上記実施例２及び３では、指定画面１６０上のインストール対象の製造番号として、連続する製造番号を範囲指定できるようにしたが、当然ながら、製造番号が連続してなくても、複数個のインストール対象の製造番号を順次指定し、これら複数個の製造番号に対応した１個のプログラム情報を作成できることは言うまでもない。

　また、上記実施例２及び３では、インストール対象の製造番号として紙幣識別装置固有の製造番号を使用したが、例えば、製品バグ等のバグ解消プログラムのように全紙幣識別装置１０２をインストール対象とする場合、紙幣識別装置１０２毎に製造番号を入力するのは非常に手間がかかる。そこで、そのインストール対象の製造番号として全紙幣識別装置１０２共通の共通コードを予め準備しておき、インストール対象の製造番号として１個の共通コードを使用した場合、全紙幣識別装置１０２に対してプログラムがインストール可能となるようにしても良い。

　また、上記実施例２及び３では、通信端末装置１０５と通信接続し、その指定画面１６０上のインストール対象の製造番号及びプログラム名を検出すると、製造番号に対応したプログラム情報を作成し、そのプログラム情報をＳＤカード１０６又はオンライン上で紙幣識別装置１０２に提供するようにしたが、インストール対象の製造番号及びプログラム名の指定後、そのプログラムの費用支払状況をも監視し、支払済みの場合にのみ、ＳＤカード１０６又はオンライン上でプログラム情報を提供するようにしても良く、この場合、確実に開発コストの回収を図ることができる。

　また、上記実施例２及び３では、インストール対象の紙幣識別装置１０２を製造番号で指定するようにしたが、個々の紙幣識別装置１０２を識別できる装置情報であれば、これら製造番号に限定されるものではなく、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、上記実施例２及び３では、紙幣を識別する機能を備えた紙幣識別装置１０２を例に挙げて説明したが、硬貨を識別する機能を備えた装置、更には、紙幣及び硬貨両方を識別する機能を備えた装置であっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

　また、上記実施例３では、プログラム提供装置１０３Ａと紙幣識別装置１０２との通信接続中に、プログラム情報内に接続中の紙幣識別装置１０２の製造番号に該当する製造番号がある場合、そのプログラム情報を接続中の紙幣識別装置１０２に伝送するようにしたが、プログラム情報の内、該当するプログラムのみを紙幣識別装置１０２に伝送するようにしても良く、この場合、紙幣識別装置１０２側でプログラム情報からプログラムを読み出すような処理負担を大幅に軽減できる。

　以上、上記実施例について説明したが、本実施例によって本願の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。

　また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。

　また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。

　さらに、各装置で行われる各種処理機能は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、（又はＭＰＵ（Ｍｉｃｒｏ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＭＣＵ（Ｍｉｃｒｏ　Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ　Ｕｎｉｔ）等のマイクロ・コンピュータ）上、又は同ＣＰＵ（又はＭＰＵ、ＭＣＵ等のマイクロ・コンピュータ）で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。

　本発明の貨幣識別装置のプログラム設定システムでは、装置固有の情報を装置単位で付与することになるため、当該貨幣識別装置に異なる貨幣識別装置の装置固有の情報を入力したとしても、入力した装置固有の情報が条件に合致しないため、貨幣識別装置へのプログラムの設定を許可することなく、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止できるため、例えば、搬送紙幣を識別し、その識別結果に基づき搬送紙幣を集積する紙幣識別装置等に有用である。

　本発明の貨幣識別装置のプログラム更新システム及び貨幣識別装置のプログラム更新方法では、暗証コードを装置単位で付与することになるため、他の貨幣識別装置に同一暗証コードを入力したとしても、装置コードが異なるため、許可条件に合致した確認コードを作成することができず、貨幣識別装置間相互の更新用プログラムの不正利用を確実に防止できるため、例えば、搬送紙幣を識別し、その識別結果に基づき搬送紙幣を集積する紙幣識別装置等に有用である。

　本発明の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム及び貨幣識別装置のプログラムインストール方法では、インストール対象の貨幣識別装置の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を貨幣識別装置に提供し、貨幣識別装置側で当該プログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールすることで、製造者は、指定した貨幣識別装置に対してのみ有効なプログラム情報を作成し、貨幣識別装置間相互のプログラムの不正利用を確実に防止することで、プログラムに要する開発コストの回収を図ることができるため、例えば金融機関等で使用される紙幣識別装置等に有用である。

　１　紙幣識別装置
　２Ｂ　操作部
　６　紙幣識別部
　２１　確認コード作成部
　２２　プログラム復号部
　２３　更新制御部
　１０１　プログラムインストールシステム
　１０１Ａ　プログラムインストールシステム
　１０２　紙幣識別装置
　１０３　プログラム提供装置
　１０３Ａ　プログラム提供装置
　１０４　通信網
　１０６　ＳＤカード
　１２３Ｂ　制御用ＲＡＭ
　１２４　通信部
　１３１　製造番号判定部
　１３２　ＳＤカード制御部
　１３３　インストール制御部
　１４４　履歴管理部
　１５１　画面提供部
　１５２　製造番号検出部
　１５４　プログラム作成部
　１５５　プログラム情報作成部
　１５６　プログラム提供部
　１６０　指定画面
　１６０Ａ　製造番号入力欄
　１６０Ｂ　プログラム名入力欄

Claims

　貨幣識別装置のプログラムを設定するプログラム設定システムであって、
　前記貨幣識別装置に関わる装置固有の情報を入力する固有情報入力部と、
　前記固有情報入力部にて入力された前記装置固有の情報が当該装置固有の情報と関連付けられた条件に合致した場合に、当該装置固有の情報と関連付けられた条件に対応した前記プログラムの当該貨幣識別装置への設定を許可する設定制御部と
を有することを特徴とする貨幣識別装置のプログラム設定システム。
　識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別部と、
　装置本体毎に付与された暗証コードを入力する入力部と、
　前記入力部で入力された暗証コード及び、前記装置本体を特定する装置コードに基づき、所定アルゴリズムで確認コードを作成する確認コード作成部と、
　前記確認コード作成部にて作成した前記確認コードが許可条件に合致した場合、更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別部の識別プログラムを更新する更新制御部と
を有することを特徴とする貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記更新制御部は、
　前記確認コードが前記許可条件に合致しなかった場合、この更新用プログラムの利用を不可とすることを特徴とする請求項２記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記更新制御部は、
　前記確認コードが前記許可条件に合致した場合、当該確認コードに基づき前記更新用プログラムを復号化して当該更新用プログラムの利用を可能にする復号部を有することを特徴とする請求項２又は３記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記許可条件は、
　前記更新用プログラムと一緒に記憶されていることを特徴とする請求項２又は３記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記更新制御部は、
　前記更新用プログラムを格納した記録媒体の挿入動作に応じて、当該記録媒体に格納した前記更新用プログラムを読み出し、読み出した更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別装置の識別プログラムを更新することを特徴とする請求項２～５の何れか一項に記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記更新制御部は、
　前記更新用プログラムを管理した管理装置との通信接続動作に応じて、前記管理装置から前記更新用プログラムを受信し、受信した更新用プログラムに基づき、前記貨幣識別装置の識別プログラムを更新することを特徴とする請求項２～５の何れか一項に記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の前記装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を可能にする前記許可条件に基づき、前記所定アルゴリズムで、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する前記暗証コードを作成する暗証コード作成部を有することを特徴とする請求項２～７の何れか一項に記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　前記許可条件は、
　当該更新用プログラムの利用を可能にする共通の許可コードであることを特徴とする請求項２～８の何れか一項に記載の貨幣識別装置のプログラム更新システム。
　識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置のプログラム更新方法であって、
　装置本体毎に付与された暗証コードを入力する入力ステップと、
　入力された暗証コード及び、前記装置本体を特定する装置コードに基づき、所定アルゴリズムで確認コードを作成する確認コード作成ステップと、
　作成した確認コードが許可条件に合致した場合、更新用プログラムの利用を可能にし、この更新用プログラムに基づき、前記識別プログラムを更新する更新制御ステップと
を含むことを特徴とする貨幣識別装置のプログラム更新方法。
　前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置本体の装置コード及び、当該更新用プログラムの利用を許可する許可条件に基づき、前記所定アルゴリズムで、前記更新用プログラム更新対象の貨幣識別装置に付与する暗証コードを作成する暗証コード作成ステップを含むことを特徴とする請求項１０記載の貨幣識別装置のプログラム更新方法。
　識別プログラムに基づき、貨幣を識別する貨幣識別装置にプログラムをインストールする貨幣識別装置のプログラムインストールシステムであって、
　インストール対象の貨幣識別装置を識別する装置情報を指定する指定部と、
　この指定部にて指定した装置情報の貨幣識別装置に関わるプログラムを作成するプログラム作成部と、
　このプログラム作成部で作成したプログラムを装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供するプログラム提供部と
を有し、
　前記貨幣識別装置は、
　当該プログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールするプログラムインストール部を有することを特徴とする貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記プログラム作成部で作成したプログラムを複数個の装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供することを特徴とする請求項１２記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記プログラム情報を格納した記録媒体を通じて前記貨幣識別装置に提供することを特徴とする請求項１２又は１３記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　複数個のプログラム情報を格納した記録媒体を通じて前記貨幣識別装置に提供することを特徴とする請求項１２又は１３記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記貨幣識別装置と通信接続し、前記プログラム情報を前記貨幣識別装置に提供することを特徴とする請求項１２又は１３記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記指定部は、
　前記装置情報を指定する装置情報指定部及び、プログラムを識別するプログラム名を指定するプログラム指定部を含む指定画面を提供する指定画面提供部を有し、この指定画面上の装置情報指定部及びプログラム指定部を通じて装置情報及びプログラム名を指定することを特徴とする請求項１２～１６の何れか１項に記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記装置情報単位でプログラムの履歴情報を管理する履歴管理部を有し、
　前記指定画面上の前記装置情報指定部を通じて装置情報を指定すると、当該装置情報に対応した履歴情報を履歴管理部から読み出し、この履歴情報に基づき、当該装置情報の更新履歴を指定画面上に画面表示することを特徴とする請求項１７記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。　
　前記指定部は、
　全貨幣識別装置共通の共通コードを前記装置情報として指定することを特徴とする請求項１２～１８の何れか１項に記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　前記貨幣識別装置にプログラムを提供するプログラム提供装置を有し、
　このプログラム提供装置内に、前記指定部、前記プログラム作成部及び前記プログラム提供部を有することを特徴とする請求項１２～１９の何れか１項に記載の貨幣識別装置のプログラムインストールシステム。
　識別プログラムに基づき貨幣を識別する貨幣識別装置にプログラムをインストールする貨幣識別装置のプログラムインストール方法であって、
　インストール対象の貨幣識別装置を識別する装置情報を指定する指定ステップと、
　指定した装置情報の貨幣識別装置に関わるプログラムを作成するプログラム作成ステップと、
　作成したプログラムを装置情報に対応付けてプログラム情報を作成し、このプログラム情報を前記貨幣識別装置に提供するプログラム提供ステップと、
　当該プログラム情報内に自装置に該当する装置情報がある場合、当該プログラム情報内の当該装置情報に対応したプログラムをインストールする前記貨幣識別装置側のプログラムインストールステップと
を含むことを特徴とする貨幣識別装置のプログラムインストール方法。