WO2010106955A1 - エンジン - Google Patents

Abstract

　エンジン（１００）が、シリンダーヘッド（３）、マフラー（６）、及び、該シリンダーヘッド（３）と該マフラー（６）との間に介設される排気マニホールド（５・１０５・２０５・３０５）を備える。該排気マ二ホールド（５・１０５・２０５・３０５）は、該シリンダーヘッド（３）内に形成される排気ポート（３４）に連通する排気入口（１２ａ・１１２ａ）と、該マフラー（６）に連通する排気出口（１１ｃ・１１１ｃ）とを有する。該エンジン（１００）は、排気浄化装置（１０・１１０・２１０）を備えている。該排気浄化装置（１０・１１０・２１０）は、該排気マニホールド（１０５・２０５・３０５）と、該排気マニホールド（１０５・２０５・３０５）の該排気入口（１２ａ・１１２ａ）と該排気出口（１１ｃ・１１１ｃ）との間の排気通路としての内部空間に配置される排気浄化用触媒（４１・４２・２３）とにより構成される。

Description

エンジン

　本発明は、排気経路に排気浄化用触媒を配置した、ディーゼルエンジン等のエンジンに関する。

　ディーゼルエンジン等の内燃機関（以下、「エンジン」）より排出される排出ガスには、環境汚染に影響を及ぼす可能性が高い窒素酸化物や粒子状物質が含まれる。昨今の環境問題に対する配慮から、排出ガスの規制がより厳しくなっており、これに対応するために、エンジンの排気経路に排気浄化用触媒（酸化触媒）を配置する技術が提案されており、このような技術が、例えば、特許文献１、２、３に開示されている。
特開２００６－２２７５２号公報 特開２００６－２９１２１号公報 特開２００８－３１９５５号公報

　しかし、特許文献１、２、３に開示される排気浄化用触媒は、いずれも、マフラーの中に組み込まれている。したがって、排気浄化用触媒を収容する分、マフラーが大型化してしまい、エンジン全体の大型化につながるとともに、エンジン全体の形状が規格化した形状から逸脱してしまうおそれがある。また、マフラーはかなり大きなエンジン部品の中の一つであり、排気浄化用触媒の交換のためには、大きなマフラーを脱着、分解する必要があるので、排気浄化用触媒のメンテナンス性を損なっていた。エンジンが作業機につながれているエンジン作業機では、マフラーの脱着・分解はさらに煩雑になる。さらに、エンジンの排気経路において、マフラーは排気マニホールドよりも下流側に配置されており、マフラーに到達した排気は、排気マニホールドを通過した後なので、マフラー内の触媒における酸化燃焼作用を低減してしまうほどに低温化してしまっている可能性がある。

　本発明の目的は、排気浄化用触媒を備えたエンジンにおける以上の如き従来の問題を考慮し、エンジンのコンパクト性や規格化した形状を確保しつつ、排気浄化用触媒を容易に交換可能なエンジンを提供することである。

　上記目的を達成すべく、本発明に係るエンジンは、シリンダーヘッド、マフラー、及び、該シリンダーヘッドと該マフラーとの間に介設される排気マニホールドを備え、該排気マニホールドは、該シリンダーヘッド内に形成される排気ポートに連通する排気入口と、該マフラーに連通する排気出口とを有するものである。このようなエンジンに、排気浄化装置を備えるものであって、該排気浄化装置は、該排気マニホールドと、該排気マニホールドの該排気入口と該排気出口との間の排気通路としての内部空間に配置される排気浄化用触媒とにより構成されるものである。

　前記エンジンの効果として、既存の排気マニホールドに排気浄化用触媒を内装することで排気浄化用装置を構成するので、新たな排気浄化装置を別途に設けるよりも、部品点数を少なくすることができる。また、排気浄化用触媒の配置スペースとして、既存の排気マニホールドの内部空間が利用されるので、排気マニホールドの外形寸法は、排気浄化用触媒を配置しない場合と変わらないものとすることができる。一方、マフラーも、排気浄化用触媒を内装するために大型化する必要がない。したがって、エンジン全体の外形寸法や形状を、排気浄化用触媒を設けない状態でのものに保つことができる。

　また、排気浄化用触媒のメンテナンス性に関しても、触媒の交換のためにマフラーを脱着、分割する必要がない。排気マニホールドとその内部の排気浄化用触媒とが分離不能に一体化して排気浄化装置を構成している場合は、排気浄化装置全体を新たな排気浄化装置と交換する必要があるが、マフラー等に比べてかなり小振りのエンジン部品である排気マニホールド自体が排気浄化装置のケースとなっているので、シリンダーヘッド及びマフラーに対しての排気マニホールドの脱着作業のみで、排気浄化装置の交換作業を完了させることができる。さらに後述のように、排気浄化用触媒を排気マニホールドに対して脱着可能な構造にすれば、排気マニホールドをシリンダーヘッドとマフラーとの間に介設した状態のままで、排気浄化用触媒のみを交換することができる。このように、本発明に係るエンジンの排気浄化装置は、排気浄化用触媒のメンテナンス性を向上する。

　さらに、排気浄化効果に関しても、上記のように従来において排気浄化用触媒を内装していたマフラーよりも、排気の流れにおいて上流側の、排気マニホールドの内部空間に排気浄化用触媒が配置されるので、排気浄化用触媒に到達する時点で排気の熱はかなり高温に保たれており、この高温の排気熱により、排気浄化用触媒の酸化燃焼作用が促進され、排気浄化効果、すなわち、排気エミッションの低減効果を向上するのである。

　前記エンジンの第一態様において、前記排気浄化装置における、前記排気通路としての前記排気マニホールドの前記内部空間内に、他の排気浄化用触媒を配置し、前記排気浄化用触媒及び該他の浄化用触媒のうち、該排気通路中の排気の流れ方向において上流側のものを一次触媒、下流側のものを二次触媒としている。

　このように、該第一態様において、該他の排気浄化用触媒も排気マニホールドの内部空間内に配置されるので、排気マニホールドの大きさや形状を既存の大きさや形状のままとして、エンジンのコンパクト性を保持することができ、エンジン全体の形状を複雑にすることも回避される。そして、該排気マニホールド内の排気通路にて、排気が一次触媒及び二次触媒によって二段階で浄化されるので、浄化性能を向上することができる。

　前記エンジンの前記第一態様において、前記一次触媒を前記排気マニホールドに対して着脱自在とする。

　このように、一次触媒を排気マニホールドに対して着脱自在としたのは、より高温の排気にさらされる一次触媒の方が二次触媒よりも寿命が短く、その交換頻度が二次触媒の交換頻度よりも高いためである。すなわち、一次触媒の交換は、一次触媒の排気マニホールドに対しての着脱によってなされるので、排気マニホールドを一次触媒の交換のたびにシリンダーヘッドやマフラーに対して脱着するという煩雑な作業が不要となる。また、もしも一次触媒が排気マニホールドに対して着脱できないとすると、一次触媒の交換が必要な時に、排気浄化装置全体の交換が必要となり、一次触媒よりも寿命の長くてまだ有効な二次触媒も交換してしまうことになる。本発明では、一次触媒を排気マニホールドに対して着脱自在とすることで、このような二次触媒の無駄な交換も回避できるのである。

　前記エンジンの第二態様において、前記排気マニホールドの側面に挿入口が開口しており、前記排気浄化用触媒の第一端が該挿入口を介して該排気マニホールドに挿入されることで、該排気浄化用触媒が該排気マニホールド内に配置され、該第一端に対して反対側の、該排気浄化用触媒の第二端には、蓋体が固設され、該蓋体は該挿入口を閉塞するように該排気マニホールドの外面に装着される。

　このように、該第二態様においては、排気浄化用触媒がカートリッジのように構成されていて、該挿入口を介して該第一端を排気マニホールドに挿入し、その後、該蓋体を排気マニホールドの外面に装着するだけで、簡単に排気浄化用触媒を排気マニホールド内に組み付け完了させることができ、また、排気マニホールドの外部に配置されている蓋体を挿入口から遠ざけるように移動させるだけで、簡単に排気浄化用触媒を該挿入口から引き抜いて排気マニホールドから取り外すことができる。すなわち、排気マニホールドをシリンダーヘッド及びマフラーに対して着脱する必要なく、排気浄化用触媒を交換することができるので、排気浄化用触媒のメンテナンス性の向上を図ることができる。

　前記エンジンの前記第二態様において、前記排気浄化用触媒の前記第一端は、前記排気ポートに合わせた形状とされ、該第一端が、前記排気マニホールドの前記排気入口を介して該排気ポートに挿入されることで、該排気浄化用触媒が該シリンダーヘッドに支持されるものである。

　このように、排気マニホールドの排気通路としての内部空間の中で排気の温度が最も高い位置に、排気浄化用触媒を配置することで、排気浄化用触媒の浄化能力（酸化能力）が最大限発揮でき、排気エミッションの低減効果を促進する。そして、排気浄化用触媒の第二端に固設された蓋体が排気マニホールドの外面に取り付けられる一方で、排気浄化用触媒の第二端が排気ポートに嵌入された状態でシリンダーヘッドに支持されるので、排気浄化用触媒は、対向する両端にて支持されることとなり、エンジンの振動で排気浄化用触媒ががたついたり排気を漏らしたりすることがない。

　前記エンジンの前記第二態様において、前記蓋体はその外周部にフランジ部を有し、該フランジ部と、前記排気マニホールドとを、ともに前記シリンダーヘッドに締結するものである。

　これにより、シリンダーヘッドに対して排気マニホールドと排気浄化用触媒とを一体的に着脱することが可能となり、メンテナンス性が向上する。すなわち、排気浄化用触媒に固設された蓋体のフランジ部をシリンダーヘッドに締結する一つの作業が、排気マニホールドのシリンダーヘッドへの締結作業を兼ねることとなり、一方、該フランジ部のシリンダーヘッドへの締結を解除する作業により、排気マニホールドのシリンダーヘッドへの締結も解除できる。このように、排気浄化装置をシリンダーヘッドに接続するための作業数、及びシリンダーヘッドから取り外すための作業数が低減されるのである。

　前記エンジンの第三態様において、前記排気マニホールドは、その内部空間である前記排気通路における排気の流れ方向と平行な面を介して互いに接合される少なくとも二つのケース部材を有しており、該排気マニホールドの内面に、該少なくとも二つのケース部材同士が接合する際に該排気浄化用触媒を位置決めするための保持ガイドが配置されている。

　このように、該第三態様においては、保持ガイドによって、該少なくとも二つのケース部材の接合作業に際して、排気マニホールド内部の所定位置に排気浄化用触媒を位置決めして保持することができ、排気浄化用触媒の排気マニホールドへの組み付けを容易化する。なお、該少なくとも二つのケース部材を分離可能とすれば、ケース部材の分離により、保持ガイドにて保持していた排気浄化用触媒を容易に取り外すことができ、新たな排気浄化用触媒を、上記のプロセスで簡単に排気マニホールドに組み付けることができる。

　前記エンジンの第四態様において、前記排気浄化用触媒の外周に触媒フランジが固設されており、前記排気マニホールドが、その内部の前記排気通路における排気の流れ方向に対して直角な分割面により、二つのケース部材に分割可能に構成されており、各該ケース部材の、該分割面に面する端部外周に、ケースフランジが形成されており、両該ケースフランジ間に該触媒フランジを挟持することによって該排気浄化用触媒が該排気マニホールド内に固定されるものである。

　このように、該第四様態においては、両ケース部材のケースフランジ同士を分離することで、排気マニホールドを分解可能であり、容易に排気浄化用触媒を着脱することができ、メンテナンス性が向上する。また、両ケース部材のケースフランジ間に、排気浄化用触媒と一体となった触媒フランジを設けることで、排気がケースフランジ間の隙間から漏れることを防ぐことができる。

　前記エンジンの第五態様において、前記排気浄化用触媒は、その外周に断熱材を備えるものである。

　このように、該第五態様においては、断熱材にて、排気マニホールドと排気浄化用触媒との隙間を埋め、排気浄化用触媒の温度低下を抑えることで、その排気浄化能力を最大限発揮でき、排気エミッションの低減効果を向上する。

本発明の第一実施形態に係る排気浄化装置の構成を示した正面図。 図１におけるＡ－Ａ線断面図。 図１におけるＢ－Ｂ線断面図。 本発明の第二実施形態に係る排気浄化装置の構成を示した正面図。 本発明の第二実施形態に係る排気浄化装置の構成を示した平面図。 図４におけるＣ－Ｃ線端面図。 本発明の第三実施形態に係る排気浄化装置の構成を示した正面図。 本発明の第三実施形態に係る排気浄化装置の構成を示した平面図。 図７におけるＤ－Ｄ線断面図。 本発明の実施形態に係るエンジンの全体的な構成を示した斜視図。 本発明の実施形態に係るエンジンの内部構成を示した側断面図。

　１００　　エンジン
　３　　　　シリンダーヘッド
　３４　　　排気ポート
　５　　　　排気マニホールド
　６　　　　マフラー
　１０　　　排気浄化装置
　１０５　　排気マニホールド
　１２ａ　　排気入口
　１１ｃ　　排気出口
　１１ｂ　　挿入口
　４１　　　排気浄化用触媒（一次触媒）
　４２　　　排気浄化用触媒（二次触媒）
　４３　　　蓋体
　４３ａ　　フランジ部
　１１０　　排気浄化装置
　２０５　　排気マニホールド
　１１２ａ　排気入口
　１１１ｃ　排気出口
　１１１ｂ　挿入口
　２０　　　触媒仕組
　２１　　　蓋体
　２３　　　排気浄化用触媒
　２１０　　排気浄化装置
　３０５　　排気マニホールド
　８１　　　上流ケース
　８１ａ　　挿入口
　７１　　　ケースフランジ
　８２　　　下流ケース
　７２　　　ケースフランジ
　１２０　　触媒仕組
　２３　　　排気浄化用触媒
　１２６　　触媒フランジ

　本発明の実施の一形態に係るエンジンの全体構成について、空冷式の一気筒ディーゼルエンジンを実施形態として、図１０および図１１を用いて説明する。なお、以下の説明においては、図中における矢印Ｆの方向を「前方」とし、この前方に向かって左右および後方を決定する。図中の白抜き矢印は、排気マニホールド５への排気浄化用触媒及びその関連部品の組み付け方向を示し、太矢印は、排出ガスの流れる方向を示す。

　エンジン１００の本体は、主として、その下部がクランクケース１、その上部が、内部にシリンダ２ａを形成するシリンダブロック２として構成され、さらに該シリンダブロック２の上にシリンダーヘッド３を設けている。シリンダブロック２内の中央には、シリンダ２ａを上下方向に形成し、該シリンダ２ａにピストン４を収納している。

　シリンダ２ａとピストン４とシリンダーヘッド３により囲まれる室を燃焼室とし、シリンダ２ａ上方のシリンダーヘッド３内には、吸気バルブ３１、排気バルブ３２を上下方向に摺動可能に配置し、吸気バルブ３１の近傍に噴射ノズル（図示省略）を配置している。シリンダ２ａの上方におけるシリンダーヘッド３の内部には、吸気ポート３３と排気ポート３４とが形成され、燃焼室に対して吸気ポート３３を吸気バルブ３１により開閉できるようにし、燃焼室に対して排気ポート３４を排気バルブ３２により開閉できるようにしている。吸気ポート３３は、吸気マニホールド８ａを介してエアクリーナー８と連通される。排気ポート３４は、排気マニホールド５を介してマフラー６と連通される。

　シリンダーヘッド３の外周には、前方に排気マニホールド５を配置し、一側方（本実施形態では右側方）にマフラー６を配置し、他側方（本実施形態では左側方）に燃料タンク７を配置し、後方にエアクリーナー８を配置している。排気マニホールド５は、その一端部（本実施形態で左端部）に排気入口、その他端部（本実施形態で右端部）に排気出口を有し、該一端部をシリンダーヘッド３に接続して該排気入口を前記吸気ポート３４に連通し、該他端部を該マフラー６に接続して該排気出口を該マフラー６内に連通させることで、該排気マニホールド５内に、該排気入口から該排気出口へと排気を流す排気通路を構成している。本実施形態のエンジン１００においては、該排気マニホールド５内の排気の流れ方向が左右方向（右向き）となるように、該シリンダーヘッド３内の排気ポート３４、該排気マニホールド５、及び、該マフラー６が配置されている。高温である排気は、温度を低下させながら、排気ポート３４、排気マニホールド５、マフラー６へと導かれ、マフラー６から排気管を介して大気中へ排出される。

　次に、第一実施形態の排気浄化装置１０の構成について図１から図３を用いて説明する。排気浄化装置１０は、主として排気マニホールド１０５と、該排気マニホールド１０５内に配設される排気浄化用酸化触媒である一次触媒４１及び二次触媒４２とより構成される。排気マニホールド１０５は、前記排気マニホールド５としての基本構成を有し、その内部空間を、排気ポート３４からマフラー６へと排気を案内するための排気通路としているとともに、排気浄化装置１０における排気浄化用触媒４１・４２のケースとして兼用されるものである。排気マニホールド１０５内に前述の如く排気入口と排気出口との間に構成される排気通路において、一次触媒４１は、排気の流れ方向における上流側（排気入口側）に配置され、二次触媒４２は、排気の流れ方向における下流側（排気出口側）に配置される。

　一次触媒４１および二次触媒４２の触媒本体は、コージェライトのようなセラミックスよりなるモノリス担体であり、その比表面積を増やすため、格子状またはハニカム形状の多孔質の隔壁で仕切られた多角形断面を有する。これら隔壁は、互いに平行に形成された多数の貫通孔に排出ガスの入口と出口を交互に封止することにより構成される。そして該隔壁には、白金等の触媒金属が担持されており、そのため酸化触媒機能が備わっている。

　なお、モノリス担体の材質は、本実施形態ではコージェライトとしているが、特に限定するものではなく、炭化ケイ素又はステンレス等を用いることもできる。また、触媒本体の構造は、比表面積を増やすための構造となっておればよく、例えば、格子状の金属板の仕切りが多数配置されたメッシュリングであってもよい。また、触媒金属として、本実施形態では白金を用いているが、これも特に限定するものではなく、パラジウム、ロジウム、イリジウム等の他の金属を用いることもできるし、または複数の金属を組み合わせて用いることもできる。

　以上の如き構成の一次触媒４１および二次触媒４２は、多孔質の隔壁によって排気中のＰＭ（浮遊粒子状物質）を捕捉する。それと同時に、一次触媒４１および二次触媒４２は、前記触媒金属の担持により、排気中の一酸化窒素（ＮＯ）、一酸化炭素（ＣＯ）、炭化水素（ＨＣ）などを酸化して、二酸化炭素、水、二酸化窒素ＮＯ２等を生成する。そして、触媒金属により排出ガス中に多く生成されたＮＯ２等の有する酸化力と、排気ポート３４の近傍による排出ガスの高温が利用され、前記捕集されたＰＭは連続的に酸化され燃焼除去される。

　排気マニホールド１０５は、第一ケース部材１１および第二ケース部材１２を合わせて、全体として後端が鉛直直線状である略Ｄ字状の外周断面を有する筒体に形成される。両ケース部材１１・１２の周囲同士が溶接等により接続されることで、第一ケース部材１１および第二ケース部材１２が互いに一体的に固定される。

　なお、排気マニホールド１０５の形状は限定するものではなく、全体として角筒状や円柱状等、成形のしやすい形状であってもよい。また、二つの分割部材同士をボルト等で接続することで、分割可能な排気マニホールドを構成してもよい。また、三以上の分割部材を接合することで排気マニホールドを構成してもよく、さらに、排気マニホールドを三以上の分割部材に分割可能としてもよい。

　第一ケース部材１１は、排気マニホールド１０５の前部を成す部材であり、前記の、排気マニホールド１０５の側面視略Ｄ字状の外周断面のうちの円弧状部（断面視略Ｃ字状の部分）を成すものである。詳述すると、第一ケース部材１１は、全体として、側面断面視において、互いに平行な水平面状の上端部及び下端部と、鉛直面状の前端部とを有し、水平面状の上端部と鉛直面状の前端部との間の部分、及び、水平面状の下端部と鉛直面状の前端部との間の部分は、それぞれ、円弧状に延設されている。第一ケース部材１１は、その軸線方向がエンジン１００の左右方向となるように、シリンダーヘッド３の前方に配置される。

　第一ケース部材１１の左右中途部分は、正面視で矩形となっていて、左右水平の上端・下端を有する。この左右中途部分は、後述の如く、二次触媒４２を保持するために用いられる。第一ケース部材１１の左端部（正面視右端部）は閉塞されており、該左端部近傍における第一ケース部材１１の左前部には、正面視で排気ポート３４と一致するように、挿入口１１ｂが形成される。この挿入口１１ｂは、後述の如く、一次触媒４１を排気マニホールド１０５内に組み込むために用いられる。第一ケース部材１１の、前記の正面視矩形部分と前記左端部（正面視右端部）との間に延設される部分は、左下方（正面視で右下方）に傾斜する上端部と、右上方（正面視で左上方）に傾斜する下端部とを有しており、正面視において、排気ポート３４に向かって絞られるような形状に形成されている。

　第一ケース部材１１の後端において、前記の正面視矩形部分の上端部及び下端部と、前記の正面視絞られた形状の部分の周縁部とが、フランジ部１１ａとして、外方に突出するように鉛直板状に形成されおり、該フランジ部１１ａに囲まれる第一ケース部材１１の後端面は開放されている。挿入口１１ｂを囲む該フランジ部１１ａの左側部分（正面視で右側部分）は拡張され、この拡張された左側部分に、該挿入口１１ｂから所定間隔をおいて、ボルト孔６３・６３が開孔される。

　また、後述の第二実施形態の排気マニホールド２０５を示す図５を参照して、第一ケース部材１１（図５の第一ケース部材１１１に相当する）の前端部は、第一ケース部材１１の前記正面視矩形部分の上端・下端に形成されたフランジ部１１ａ（図５のフランジ部１１１ａに相当する）の右端（正面視で左端）よりも右方（正面視で左方）に延出して、該第一ケース部材１１の前端部と該フランジ部１１ａの右端（正面視左端）との間に、平面視傾斜状の右端部（正面視で左端部）を形成している。こうして、第一ケース部材１１は、その右端部（正面視左端部）に、後ろ向き斜めに傾斜した開口端面を有しており、この開口端面を、後述の如く、排気マニホールド１０５の排気出口１１ｃ（図５の排気出口１１１ｃに相当する）としている。第一ケース部材１１の、前記の平面視傾斜状の右端部（正面視左端部）は、マフラー６の左側面（正面視右側面）に開口した挿入口６ａを介して、マフラー６内に挿入され、これにより、排気出口１１ｃをマフラー６内に配置している。

　第二ケース部材１２は、シリンダーヘッド３の前面に沿って配置されて、排気マニホールド１０５の後端部を成す板状の部材であり、前記の、排気マニホールド１０５の側面視略Ｄ字状の外周断面のうちの鉛直線状部を成すものである。言い換えれば、第二ケース部材１２の鉛直状の前端面が第一ケース部材１１と接合するための接合面をなしており、第一ケース部材１１と第二ケース部材１２とが、排気通路としての排気マニホールド１０５の内部空間における排気の流れ方向と平行に配置した接合面を介して、互いに接合されて、排気マニホールド１０５を構成している。

　第二ケース部材１２の正面視形状は、第一ケース部材１１の、マフラー６内に配置される前記右端部（正面視左端部）を除いての正面視形状と一致し、第二ケース部材１２の外周縁部と前記第一ケース部材１１のフランジ部１１ａとが前後に対向して重なるものとなっている。また、第二ケース部材１２の左（正面視右）外周縁部は拡張されて、第一ケース部材１１の前記の拡張された左側部分と正面視で略同じ形状に形成されており、この拡張された外周縁部に、前述のフランジ部１１ａのボルト孔６３・６３と正面視で一致可能に、ボルト孔６２・６２が形成されている。そして、正面視にてこの左（正面視右）外周縁部で囲まれる第二ケース部材１２の左側部分（正面視右側部分）には、正面視で前記排気ポート３４及び前記挿入口１１ｂと一致可能な開口が形成されており、この開口を排気マニホールド１０５の排気入口１２ａとしている。

　こうして、第一ケース部材１１と第二ケース部材１２とは、ボルト孔６３とボルト孔６２とを一致させた状態で、フランジ部１１ａと第二ケース部材１２の外周縁部とを重ね合わせて溶接により接合することで、互いに一体化されて、排気マニホールド１０５を構成する。なお、第一ケース部材１１のフランジ部１１ａと第二ケース部材１２の外周縁部とを、溶接ではなく、ボルト締めにより締結することで、第一ケース部材１１と第二ケース部材１２とを、前述の如く排気マニホールド１０５内の排気の流れ方向と平行に配置した（該第二ケース部材１２の前端面に該当する）接合面を介して、分離可能としてもよい。

　前記の如く第二ケース部材１２に形成された排気入口１２ａは、排気をシリンダーヘッド３内に形成した排気ポート３４から排気マニホールド１０５内へと流入させるために、排気マニホールド１０５の左後部（正面視右後部）に配置される孔である。排気入口１２ａは、前述の排気ポート３４の正面視開口形状（本実施形態では円状）と略同形状とし、正面視で排気ポート３４と略一致することが可能な位置に形成される。

　前記の如く第一ケース部材１１に形成される挿入口１１ｂは、一次触媒４１の出し入れをするために、排気マニホールド１０５の側面（前面）に配置される孔である。挿入口１１ｂは、排気ポート３４および排気入口１２ａの正面視形状（本実施形態では円状）と略同形状の開口とし、正面視で排気ポート３４および排気入口１２ａと略一致することが可能な位置に形成される。

　前記の如く第一ケース部材１１に形成される排気出口１１ｃは、二次触媒４２を通過した排出ガスを、排気マニホールド１０５よりマフラー６内へと流出させるために、排気マニホールド１０５の右端部（正面視左端部）に配置される孔であり、前述の如く挿入口６ａを介して排気マニホールド１０５の右端部をマフラー６内に挿入することで、マフラー６内に配置される。

　前記の第一・第二ケース部材１１・１２の正面視矩形部分は、排気マニホールド１０５における二次触媒４２を収納する部分となる。排気マニホールド１０５内には、二次触媒４２を保持するために複数の（本実施形態では８つの）保持ガイド５１が配置される。保持ガイド５１は、各ケース部材１１・１２より突設される突片であって、各ケース部材１１・１２に一体的に形成してもよいし、各ケース部材１１・１２とは別体のものを各ケース部材１１・１２に固設するものとしてもよい。排気マニホールド１０５内に配置される二次触媒４２の前部の左右両端面と当接するように、第一ケース部材１１の鉛直前端部からは、四つの保持ガイド５１が、互いに左右方向及び上下方向にて所定の間隔をおいて、後方に突出している。一方、排気マニホールド１０５内に配置される二次触媒４２の後部の左右両端面と当接するように、第二ケース部材１２からも、四つの保持部材５１が、左右方向及び上下方向にて所定の間隔をおいて、前方に突出している。こうして、排気マニホールド１０５の排気通路としての内部空間に面する第一ケース部材１１の内面と第二ケース部材１２の内面に、排気マニホールド１０５内に配置される二次触媒４２を保持できるように、保持ガイド５１・５１・・・が設けられている。

　本実施形態では、第一ケース部材１１より突出される四つの保持ガイド５１と、第二ケース部材１２より突出される四つの保持ガイド５１とが、正面視において一致するように配設されているが、第一ケース部材１１の保持ガイド５１と第二ケース部材１２の保持ガイド５１とが正面視にて上下にずれるよう配置されるものとしてもよく、また、保持ガイド５１の数も限定されない。二次触媒４２の大きさや形状に合わせて、該二次触媒４２をうまく保持できるように、保持ガイド５１の配置や数を設定すればよい。

　次に、排気マニホールド１０５内への一次触媒４１および二次触媒４２の組み入れについて以下に説明する。

　一次触媒４１は円柱状であって、挿入口１１ｂ、排気入口１２ａおよび排気ポート３４に嵌装可能に形成される。したがって、一次触媒４１の大きさ（円形面の直径）は、排気ポート３４、排気入口１２ａ、および挿入口１１ｂの大きさ（正面視円形開口の直径）に合わせて形成される。

　一次触媒４１の一端面（前端面）には蓋体４３が固設されている。一次触媒４１は、該蓋体４３を固設した該一端面（前端面）とは反対側の他端面（後端面）を、前記挿入口１１ｂを介して排気マニホールド１０５内に挿入することで、該排気マニホールド１０５の前記排気通路としての内部空間内に配置される。一次触媒４１の該他端部（後端部）は、排気入口１２ａを介して、排気ポート３４に嵌入される。したがって、一次触媒４１は、該他端部（後端部）にてシリンダーヘッド３に支持される。

　前記蓋体４３は、第一ケース部材１１の挿入口１１ｂおよびその周囲の部分を覆うように形成される。蓋体４３の左（正面視右）外周には、フランジ部４３ａが形成される。フランジ部４３ａには、排気マニホールド１０５のボルト孔６３・６２とそれぞれ正面視で一致するように、ボルト孔６４・６４が形成されている。また、シリンダーヘッド３には、該シリンダーヘッド３に接続される排気マニホールド１０５のボルト孔６３・６２とそれぞれ正面視で一致するように、ボルト孔６１・６１が形成されている。

　排気マニホールド１０５の前記左端部（正面視右端部）をシリンダーヘッド３の前に配置した状態で、前述の如く挿入口１１ｂ及び排気入口１２ａを介して一次触媒４１を排気マニホールド１０５に挿入し、その後端部を排気ポート３４に嵌入すると、蓋体４３は、自然に、該挿入口１１ｂを閉塞するように排気マニホールド１０５（第一ケース部材１１）の外面に装着され、フランジ部４３ａのボルト孔６４が排気マニホールド１０５のボルト孔６３・６２と一致し、さらには、該ボルト孔６３・６２を介してシリンダーヘッド３のボルト孔６１と一致する。こうして各ボルト孔６１・６２・６３・６４が一致するように、シリンダーヘッド３の前外面に排気マニホールド１０５が配置され、排気マニホールド５の左（正面視右）前外面に蓋体４３が配置される。なお、シリンダーヘッド３の前外面と排気マニホールド１０５（第二ケース部材１２）の後端面との間、及び、排気マニホールド１０５（第一ケース部材１１）の前外面と蓋体４３との間には、ガスケット（図示省略）が挟み込まれる。この状態において、一致したボルト孔６１・６２・６３・６４に、各ボルト６５を螺挿することで、一次触媒４１の蓋体４３及び排気マニホールド１０５（ケース部材１１・１２）が、シリンダーヘッド３に共締め固定される。すなわち、排気マニホールド１０５内への一次触媒４１の組み入れ作業と、蓋体４３のシリンダーヘッド３への締結作業とが、排気マニホールド１０５のシリンダーヘッド３への接続作業を兼ねている。

　こうして排気マニホールド１０５内に組み込まれた一次触媒４１は、前述の如く排気ポート３４に嵌入された後端部にてシリンダーヘッド３に支持される一方で、前端部が蓋体４３及び排気マニホールド１０５を介してシリンダーヘッド３に締止されているので、エンジン１００の振動によるがたつきが回避され、したがって、排気の漏れを生じさせないので、良好な排気浄化効率を確保する。そして、排気ポート３４、排気入口１２ａ、及び該排気マニホールド１０５内の排気通路における排気入口１２ａ近傍にわたって配置されて、排気ポート３４から排気入口１２ａを介して該排気通路に流入する高熱の排気を浄化処理する。

　二次触媒４２は、前述の如く第一・第二ケース部材１１・１２の正面視矩形部分で構成される排気マニホールド１０５の正面視矩形部分内に保持されるように適した形状に形成されている。本実施形態では、二次触媒４２の形状は、正面視矩形、側面視で上下に長い略楕円形となっている。なお、二次触媒４２の外周面と、排気マニホールド１０５（第一・第二ケース部材１１・１２）の内面との空間は、断熱材２５でシールされており、二次触媒４２の外形寸法は、この断熱材２５の配設を考慮して設定される。なお、断熱材２５としては、グラスウール等が考えられる。

　排気マニホールド１０５に二次触媒４２を組み入れるには、第一・第二ケース部材１１・１２を接合する前に、第一ケース部材１１の保持ガイド５１に二次触媒４２の左右両端面を当接させた状態で、このケース部材１１または１２に保持しておく。この時に、第一ケース部材１１内にて、断熱材２５を二次触媒４２周りに装着しておく。その後、第一ケース部材１１内の二次触媒４２及び断熱材２５を覆うように第二ケース部材１２を第一ケース部材１１に被せることで、第二ケース部材１２の保持ガイド５１も自然に二次触媒４２の左右両端面に当接する。そして、前述の如く第一ケース部材１１のフランジ部１１ａと第二ケース部材１２の外周縁部とを溶接にて接合することで、排気マニホールド１０５が内部に二次触媒４２を保持した状態で完成する。

　排気マニホールド１０５の前記平面視傾斜状の右端部（正面視左端部）をマフラー６内に挿入することで、排気出口１１ｃがマフラー６内に配置されるとともに、排気マニホールド１０５内に組み込まれた二次触媒４２が、排気の流れで排気出口１１ｃより上流側の（マフラー６外部の）排気通路に設置されることとなる。一方、一次触媒４１は、前述の如く挿入口１１ｂを介して排気マニホールド１０５に組み入れられ、この一次触媒４１の組み入れにより、排気マニホールド１０５の左端部（正面視右端部）がシリンダーヘッド３に固定される。こうして、一次触媒４１及び二次触媒４２を内装した排気マニホールド１０５が、排気浄化装置１０として、エンジン１００のシリンダーヘッド３とマフラー６との間に介設される。

　こうしてエンジン１００に装着された排気浄化装置１０において、排気は、先ず排気ポート３４から排気入口１２ａを介して排気マニホールド１０５の内部空間に流入する過程で、一次触媒４１を通過する。一次触媒４１通過後の排気は、排気マニホールド１０５の内部空間にて構成される排気通路内を流れる過程で、二次触媒４２を通過する。二次触媒４２通過後、排気は、排気出口１１ｃよりマフラー６内へと誘導される。

　一次触媒４１は排気マニホールド１０５に対して着脱自在の構造となっているので、　排気浄化装置１０の排気浄化能力が低下した場合は、一次触媒４１を交換することで、簡単に排気浄化装置１０の排気浄化能力を回復させることができる。すなわち、排気ボルト６５・６５を取り外し、蓋体４３を排気マニホールド１０５の外面から遠ざけるように移動させることで、該蓋体４３と一体の一次触媒４１が挿入口１１ｂから引き抜かれる。こうして、簡単に古い一次触媒４１を排気マニホールド１０５から取り外される。そして、前述の要領で、新しい一次触媒４１を簡単に排気マニホールド１０５及びシリンダーヘッド３に組み込むことができる。

　排気の流れで二次触媒４２より上流側に配置される一次触媒４１は、高熱の排気にさらされ、寿命が短い傾向にあるので、この観点から、一次触媒４１が排気マニホールド１０５に対し着脱自在であることは、排気浄化装置１０のメンテナンスに有利である。一方、本実施形態の排気浄化装置１０では、二次触媒４２は、溶接接合された第一・第二ケース部材１１・１２に挟み込まれるように排気マニホールド１０５内に組み込まれているので、排気マニホールド１０５から取り外すことはできないが、第一・第二ケース部材１１・１２同士を、例えばボルト締結により接続することで分離可能とし、該第一・第二ケース部材１１・１２の分離により二次触媒４２を取り出すことができるよう、排気浄化装置１０を分解可能としてもよい。

　次に、第二実施形態の排気浄化装置１１０の構成について、図４から図６を用いて説明する。第一実施形態で用いた符号と同じ符号は、第一実施形態の部材と同様の部材を指す。排気浄化装置１１０は、主として排気マニホールド２０５、およびその内部に配置する排気浄化用触媒（酸化触媒）２３より構成される。すなわち、排気マニホールド２０５は、前記排気マニホールド５としての基本構成を有するとともに、排気浄化装置１１０における排気浄化用触媒２３のケースを兼用するものである。また、排気浄化用触媒２３は、排気マニホールド２０５に対して着脱自在な触媒仕組２０に一体的に組み入れられている。

　排気マニホールド２０５は、主として第一ケース部材１１１および第二ケース部材１１２で構成される。第一ケース部材１１１および第二ケース部材１１２を溶接等により接続固定することで、排気マニホールド２０５が側面断面視略矩形（図６参照）の角筒状に構成されるが、その形状は限定するものではなく、エンジン１００の設計に合わせて様々な形状が考えられる。例えば、該形状を、もっとケース部材の成形が容易になる形状としてもよい。また、ケース部材同士をボルト等で接続して、排気マニホールド２０５を二以上のケース部材に分割可能としてもよい。

　第一ケース部材１１１は第一実施形態の第一ケース部材１１に相当する部材であって、該第一ケース部材１１と同様の正面形状（図４参照）を有し、該第一ケース部材１１のフランジ部１１ａ、排気出口１１ｃ、ボルト孔６３・６３に該当するフランジ部１１１ａ、排気出口１１１ｃ、ボルト孔６３・６３を有している。第二ケース部材１１２は第一実施形態の第二ケース部材１２に相当する部材であって、該第二ケース部材１２と同様の形状を有し、該第二ケース部材の排気入口１２ａ、ボルト孔６２・６２に該当する排気入口１１２ａ、ボルト孔６２・６２を有している。第一・第二ケース部材１１・１２同士の接合と同様に、エンジン１００の左右方向に、すなわち、排気通路における排気の流れと平行に延伸される第二ケース１１２の鉛直前面が接合面となって、該前面の外周縁部に第一ケース部材１１１のフランジ部１１１ａを溶接等で接合することにより、第一・第二ケース部材１１１・１１２が該接合面を介して互いに接合され、排気マニホールド２０５が構成される。

　排気マニホールド２０５をエンジン１００に装着する際には、排気マニホールド１０５と同様に、排気マニホールド２０５の右端部（正面視左端部）がマフラー６に挿入されることで排気出口１１１ｃがマフラー６内に配置される。一方、排気入口１１２ａが排気ポート３４と一致するように配置され、排気マニホールド２０５のボルト孔６２・６３とシリンダーヘッド３のボルト孔６１とを一致し、ボルト孔６１・６２・６３にそれぞれボルト６５を螺入することで、排気マニホールド２０５の左端部（正面視右端部）がシリンダーヘッド３に固定される。

　排気マニホールド２０５における第一ケース部材１１１の鉛直前端面部分には、挿入口１１１ｂが開口されている。これは、排気浄化用触媒２３を備えた後述の触媒仕組２０の出し入れをするための孔である。なお、排気マニホールド２０５は、排気マニホールド１０５における二次触媒４２を保持する部分に該当する正面視矩形部分を、排気浄化用触媒２３の収納部として備えており、挿入口１１１ｂは、この排気マニホールド２０５の正面視矩形部分における前端面にて開口されている。

　第一ケース部材１１１には、挿入口１１１ｂの上下外周端部にて、取付フランジ部１１１ｄ・１１１ｄが略鉛直外方向に突出するように形成されており、該取付フランジ部１１１ｄ・１１１ｄと、挿入口１１１ｂの左右外周端部とに、所定間隔をおいてボルト孔１１１ｅ・１１１ｅ・・・が開孔されている。これらの取付フランジ部１１１ｄの前面は、エンジン１００の左右方向に延伸する面、すなわち、排気マニホールド２０５内における排気通路での排気の流れ方向に対し平行な面であって、これらの面が、後述する触媒仕組２０の蓋体２１との接合面、すなわち、排気マニホールド２０５と触媒仕組２０との接合面をなしている。

　排気マニホールド２０５内には、排気浄化用触媒２３を保持するための突片である上下二つの保持ガイド１３が配置されている。両保持ガイド１３は、排気浄化用触媒２３を備えた触媒仕組２０を排気マニホールド２０５に組み付けた際、排気仕組２０の左右中途部と当接して、排気マニホールド２０５と触媒仕組２０よりなる隙間を埋めて気密性を保つとともに、触媒仕組２０を適切な位置で保持する。図５を参照して詳述すると、排気マニホールド２０５内には、第一ケース部材１１１の水平状の上端部・下端部の内面と、鉛直状の第二ケース部材１１２の内面との間にて、側面視直角状の後上隅部及び後下隅部が形成されている。一方で、触媒仕組２０（詳しくは、後述のステー２２）の後上部及び後下部は側面視円弧状となっているので、触媒仕組２０が排気マニホールド２０５に組み付けられた後に、触媒仕組２０の該側面視円弧状の後上部及び後下部と、排気マニホールド２０５の該側面視直角状の後上隅部及び後下隅部との間には、隙間が残ってしまう。上・下の保持ガイド１３は、これらの隙間を埋めるように配設されている。

　すなわち、図５に示すように、上・下両保持ガイド１３は、両者間に上下方向の所定間隔をおいて、第二ケース部材１１２の、排気マニホールド２０５内の排気通路に面する鉛直状の内面（前面）より、前方に突出している。上側の保持ガイド１３の上端及び下側の保持ガイド１３の下端は水平となっていて、上側の保持ガイド１３の上端は、第一ケース部材１１１の水平状の上端部の内面（下面）に当接し、下側の保持ガイド１３の下端は、第一ケース部材１１１の水平状の下端部の内面（上面）に当接している。各保持ガイド１３は、触媒仕組２０（詳しくはステー２２）の後上部・後下部各々の側面視円弧形状に合わせて、側面視円弧状の前辺を有している。こうして、排気マニホールド２０５に組み込まれた触媒仕組２０の左右途中部の後上部・後下部の各々に、各保持ガイド１３の円弧状前辺が係合されることで、上記の如く、保持ガイド１３・１３が、排気マニホールド２０５と触媒仕組２０との間の隙間を埋めて、排気マニホールド２０５内の排気通路を通過する排気が、排気浄化用触媒２３から漏れないようにしている。

　次に、排気マニホールド２０５に内装する触媒仕組２０について説明する。触媒仕組２０は、蓋体２１、ステー２２、排気浄化用触媒２３、シール２４、断熱材２５を一体的に組み合わせて構成されている。触媒仕組２０の形状は、触媒仕組２０が挿入口１１１ｂを介して排気マニホールド２０５に挿入可能であるように、かつ、第一ケース部材１１１と第二ケース部材１１２の間に形成される排気マニホールド２０５の内部空間形状に対応するように、形成される。

　蓋体２１は、挿入口１１１ｂを閉塞するための板状の部材である。蓋体２１の上端・下端は、触媒仕組２０が排気マニホールド２０５に組み込まれた場合に、挿入口１１１ｂの上側・下側の取付フランジ部１１１ｄ・１１１ｄの外周端（上端・下端）と略一致するように形成される。一方、蓋体２１の左端・右端部は、挿入口１１１ｂ周りのボルト孔１１１ｅ・１１１ｅ・・・を覆うように左右に延出されている。そして、蓋体２１には、取付ボルト孔１１１ｅ・１１１ｅ・・・と一致する位置に、ボルト孔２１ａ・２１ａ・・・が開孔される。

　ステー２２は、蓋体２１の後方に配置される板状部材であって、排気浄化用触媒２３は、ステー２２と蓋体２１との間の空間にて保持される。ステー２２は、蓋体２１の後方に配置される排気浄化用触媒２３の後面・後上部・後下部の形状に合わせて屈曲されている。具体的には、ステー２２は、板状の部材を略Ｃ字状（横倒しＵ字状）に折り曲げて形成される。さらに、ステー２２は、その上部・下部を水平方向前方に突出させて、その上水平部の前端部を鉛直上方に、下水平部の前端部を鉛直下方に屈曲させることで、左右方向に延伸される鉛直板状の上・下フランジ部２２ａを形成している。該上・下フランジ部２２ａの左端部同士の間、及び右端部同士の間には、上下方向に延伸される鉛直板状の左・右フランジ部２２ｂが形成されている。

　ステー２２の上・下フランジ部２２ａ及び左・右フランジ部２２ｂは、ステー２２の前端開口の四辺を囲む四角形の枠状に形成され、これらのフランジ部２２ａ・２２ｂに、正面視において各ボルト孔２１ａと一致するように、ボルト孔２２ｃが開孔される。蓋体２１の四辺部の後面とステー２２のフランジ部２２ａ・２２ｂの前面とを当接してこれらを溶接で接続することにより、蓋体２１とステー２２とが一体化される。いいかえれば、ステー２２のフランジ部２２ａ・２２ｂは、蓋体２１の一部となっている。蓋体２１とステー２２との間に形成される触媒仕組２０の内部空間は、排気マニホールド２０５内において排気通路として提供されるため、左右方向に（すなわちステー２２の左右両端で）開放されており、この空間内に排気浄化用触媒２３が配置される。

　排気浄化用触媒２３は、排気浄化装置１０に用いられる一次触媒４１および二次触媒４２と同様の構成とする。つまり、コージェライトのようなセラミックスよりなるモノリス担体で、酸化触媒機能が備わっていものとする。触媒仕組２０に組込まれる排気浄化用触媒２３は、正面視矩形、側面視で上下に長い楕円形に形成されている。触媒仕組２０の前記内部空間において、排気浄化用触媒２３は、その後半部の外周面が、ステー２２の内面（詳しくは、鉛直状の後端部の内（前）面と側面視円弧状の後上部・後下部の内面）に当接した状態で装着されている。

　さらに、該触媒仕組２０の内部空間において、排気浄化用触媒２３の前半部の外周面と、ステー２２及び蓋体２１の内面との間の空間に、グラスウール等の断熱材２５が充填される。これにより、排気通路としての該触媒仕組２０の内部空間を通る排気が、該空間内に配置される排気浄化用触媒２３から漏れないようにしており、また、断熱材２５の断熱作用により、排気の温度が保たれるので、排気浄化用触媒２３における排気浄化作用を安定させる。

　蓋体２１に接合されたステー２２は、左右両端が開口しているので、この開口を介して、触媒仕組２０の内部空間に対しての排気浄化用触媒２３及び断熱材２５の組み入れ及び抜き取りが可能である。あるいは、蓋体２１に接合される前のステー２２内に前述の如く排気浄化用触媒２３と断熱材２５を装着しておき、その後、断熱材２５を覆うように蓋体２１をステー２２のフランジ部２２ａ・２２ｂに当接し、蓋体２１とフランジ部２２ａ・２２ｂとを溶接接合するものとしてもよい。

　触媒仕組２０のステー２２の外周面上にはシール２４が一体的に装着されている。触媒仕組２０を排気マニホールド２０５内に設置する際には、ステー２２と排気マニホールド２０５の内面との間にシール２４が介装される。すなわち、排気マニホールド２０５の上端部・下端部・後端部の内面（すなわち、第一ケース部材１１１の上端部・下端部の内面と第二ケース部材１１２の内面）に、ステー２２の外周面（上端面・下端面・後端面）が、シール２４を介して当接し、また、ステー２２の左右途中部の側面視円弧状後上部と後下部とが、シール２４を介して両保持ガイド１３に当接している。このシール２４及び前述の保持ガイド１３により、触媒仕組２０のステー２２の外周面と排気マニホールド２５０の内面との間の隙間が密閉される。これにより、排気入口１２ａより排気マニホールド２０５内に導入された排気が、漏れなくステー２２と蓋体２１との間の前記内部空間へと導入され、必ず排気浄化用触媒２３を通過するので、排気浄化効率を向上する。

　さらに、蓋体２１に接合されたステー２２のフランジ部２２ａ・２２ｂの後面と、排気マニホールド２０５の取付フランジ部１１１ｄの前面との間には、ガスケット２６が介装される。ガスケット２６の外形は、正面視でフランジ部２２ａ・２２ｂと一致するように形成されている。蓋体２１のボルト孔２１ａ及びフランジ部２２ａ・２２ｂのボルト孔２２ｃとそれぞれ一致するように、該ガスケット２６にボルト孔２６ａが形成されている。

　触媒仕組２０を排気マニホールド２０５に装着する過程について説明する。触媒仕組２０と排気マニホールド２０５との間にガスケット２６を介在させた状態で、該ガスケット２６の開口及び挿入口１１１ｂを介して、触媒仕組２０の、シール２４を外装したステー２２を、排気マニホールド２０５に挿入する。さらに触媒仕組２０を、後方、すなわち、排気マニホールド２０５内の排気の流れに対して直角方向に移動させると、やがて、該ステー２２の後上部・後下部がシール２４を介して保持ガイド１３・１３に当接し、かつ、ステー２２の後端面がシール２４を介して第二ケース部材１１２の内面（前面）に当接する。この時、蓋体２１が挿入口１１１ｂを閉塞しており、蓋体２１の後端面に接合されているフランジ部２２ａ・２２ｂが、自然に、ガスケット２６を介して取付フランジ部１１１ｄに当接し、蓋体２１及びフランジ部２２ａ・２２ｂの各ボルト孔２１ａ・２２ｃが、ガスケット２６の各ボルト孔２６ａ、及び、取付フランジ部１１１ｄの各ボルト孔１１１ｅと一致する。一致した各ボルト孔２１ａ・２２ｃ・２６ａ・１１１ｅにボルト２７を螺入し、これらのボルト２７にて、蓋体２１（及びフランジ部２２ａ・２２ｂ）及びガスケット２６を、排気マニホールド２０５の取付フランジ部１１１ｄに共締めすることで、触媒仕組２０の排気マニホールド２０５への装着が完了し、すなわち、排気浄化装置１１０が完成する。

　こうして排気マニホールド２０５に触媒仕組２０が装着完了した状態において、排気マニホールド２０５内では、触媒仕組２０と排気マニホールド２０５内面との間の隙間が、保持ガイド１３及びシール２４にて密閉され、また、触媒仕組２０の内部空間において、蓋体２１及びステー２２と排気浄化用触媒２３との隙間が、断熱材２５にて密閉され、さらに、排気マニホールド２０５の外部では、排気マニホールド２０５の取付フランジ部１１１ｄと、触媒仕組２０の蓋体２１（詳しくはステー２２のフランジ部２２ａ・２２ｂ）との間の隙間が、ガスケット２６にて密閉されている。このような排気浄化装置１１０の気密性により、排気入口１１２ａより、排気通路としての排気マニホールド２０５の内部空間へと導入された排気は、漏れなく排気浄化用触媒２３を通過してから、排気出口１１１ｃを介してマフラー６へと流れるので、高い排気浄化効率が確保される。

　排気浄化装置１１０の排気浄化能力が低下した場合は、すべてのボルト２７を取り外し、蓋体２１をガスケット２６及び取付フランジ部１１１ｄ（前記の、排気マニホールド２０５と触媒仕組２０との接合面）から離すことで、簡単に触媒仕組２０を排気マニホールド２０５より取り外すことができる。取り外した触媒仕組２０については、古くなった排気浄化用触媒２３を、ステー２２の左右一端の開口を介して抜き取り、該開口を介して新しい排気浄化用触媒２３をステー２２内に装着することで、再び排気マニホールド２０５に装着可能な触媒仕組２０とすることができる。あるいは、触媒仕組２０そのものを新たなものと交換してもよい。こうして、新しい排気浄化用触媒２３を備えた触媒仕組２０を排気マニホールド２０５に装着することで、排気浄化装置１１０の排気浄化能力を回復させることができる。

　以上のように、排気マニホールド２０５に装着された触媒仕組２０において、挿入口１１１ｂを閉塞する蓋体２１（フランジ部２２ａ・２２ｂを含む）は、排気マニホールド２０５の一部としてのケース部材となっており、排気マニホールド２０５内の排気流れと平行な前記接合面を介して、第一ケース部材１１１と接合しており、また、ボルト２７を取り外すことで、該接合面を介して、第一ケース部材１１１より分離可能となっている。蓋体２１（詳しくはフランジ部２２ａ・２２ｂ）と第一ケース部材１１１とが該接合面を介して接合する際に、排気マニホールド２０５の内面に配置されている保持ガイド１３が、排気浄化用触媒２３を位置決めするのである。

　なお、第二実施形態の排気浄化装置１１０の排気マニホールド２０５内においては、排気浄化装置１０の二次触媒４２が排気マニホールド１０５内に配置される位置と同じように、排気出口１１１ｃ寄りの位置にて、排気浄化用触媒２３が配置されている一方、排気入口１１２ａには、一次触媒４１のような排気浄化用触媒は配置されていない。しかし、排気マニホールド２０５の排気入口１１２ａ周りの構造を、排気マニホールド１０５の排気入口１２ａ周りの構造と同じように構成して、一次触媒４１と同様の排気浄化用触媒を排気入口１１２ａに装着できるようにしてもよい。これにより、排気浄化装置１１０においても、排気マニホールド２０５内に、一次触媒としての排気浄化用触媒と、二次触媒としての排気浄化用触媒２３とを配置することができ、排気浄化効果を高めることができる。また、触媒仕組２０が排気マニホールド２０５に対して着脱自在なので、一次触媒を排気マニホールド２０５に対し着脱自在とすることで、一次・二次触媒の両方が排気マニホールド２０５に対して着脱自在となり、メンテナンス性を向上できる。また、排気流れで上流側の一次触媒を、酸化触媒機能が備わったＤＯＣ（ディーゼル用酸化触媒）とし、排気流れで下流側の二次触媒となる排気浄化用触媒２３を、ＤＰＦ（ディーゼル・パティキュレート・フィルター）とすることも考えられる。

　次に、第三実施形態の排気浄化装置２１０の構成について、図７から図９を用いて説明する。第一実施形態及び第二実施形態で用いた符号と同じ符号は、第一実施形態及び第二実施形態の部材と同様の部材を指す。排気浄化装置２１０は、主として排気マニホールド３０５、およびその内部に配置する排気浄化用触媒（酸化触媒）２３より構成される。すなわち、排気マニホールド３０５は、前記排気マニホールド５としての基本構成を有するとともに、排気浄化装置２１０における排気浄化用触媒２３のケースを兼用するものである。また、排気浄化用触媒２３は、排気マニホールド２０５に対して着脱自在な触媒仕組１２０に一体的に組み入れられている。

　排気マニホールド３０５は、排気マニホールド２０５と同様に、排気の流れに対して平行な鉛直接合面を介して、第一ケース部材１１１と第二ケース部材１１２とを溶接等で接合することで構成される。なお、第一・第二ケース部材１１１・１１２同士をボルト締結して分離可能としてもよい。第一ケース部材１１１・第二ケース部材１１２の形状（特に正面視形状）は、排気浄化装置１１０のケース部材１１１・１１２と同様か、あるいはエンジン１００の設計に合わせて、様々な形状とすることが考えられる。ただし、排気浄化装置１１０の第一ケース部材１１１の有するような、排気の流れと平行に開口する挿入口１１１ｂや取付フランジ部１１１ｄは、第一ケース部材１１１には設けられていない。

　排気浄化装置２１０の排気マニホールド３０５は、マフラー６の挿入口６ａ近傍において、該挿入口６ａと平行、すなわち、排気の流れに対して直角な（エンジン１００の前後方向の）鉛直接合面を介して、左（正面視右）の上流ケース８１と、右（正面視左）の下流ケース８２とを接合することで構成されている。すなわち、該上流・下流ケース８１・８２の各々が、排気マニホールド３０５の前部となる第一ケース部材１１１と、排気マニホールド３０５の後部となる第二ケース部材１１２とを接合して構成されているのである。上流ケース８１は、排気マニホールド３０５による排気流れの上流側に配置されて、シリンダーヘッド３に固定される。下流ケース８２は、排気マニホールド３０５による排気流れの下流側に配置されて、マフラー６に固定される。

　なお、本実施形態では、各部材（各部分）が左右両端を有する場合に、左（正面視右）端が、排気マニホールド３０５内の排気流れにおける上流側、右（正面視左）端が、該排気流れにおける下流側に配置されることとなる。以後、「上流側」端とは、その部材（あるいは部分）の左（正面視右）端、「下流側」端とは、その部材（あるいは部分）の右（正面視左）端を指すものとする。

　前記接合面に臨む上流ケース８１の下流側端には、鉛直状のケースフランジ７１が形成（あるいは固設）され、該接合面に臨む下流ケース８２の上流側端には、鉛直状のケースフランジ７２が形成（あるいは固設）される。ケースフランジ７１には複数のボルト孔７１ａが、側面視で所定間隔をおいて開孔されており、各ボルト孔７１ａと一致するように、ケースフランジ７２には複数のボルト孔７２ａが、側面視で所定間隔をおいて開孔されている。

　上流ケース８１内には、後述する排気浄化用触媒２３を保持するための突片である保持ガイド１４が配置される。保持ガイド１４は、排気浄化用触媒２３の上流側端面と当接する。本実施形態では、図７、図８からわかるように、上流ケース８１の前部（すなわち第一ケース部材１１１）の内面より後方に突出する上・下二つの前側保持ガイド１４と、上流ケース８１の後部（すなわち第二ケース部材１１１）の内面より前方に突出する上・下二つの後側保持ガイド１４との、合計四つの保持ガイド１４を上流ガイド８１内に設けている。保持ガイド１４は、各ケース部材１１１・１１２に一体に形成したものであっても、ケース部材１１１・１１２とは別の部材であって、各ケース部材１１１・１１２に固設したものであってもよい。

　触媒仕組１２０は、触媒フランジ１２６、断熱材２５、および排気浄化用触媒２３を一体に組み合わせて構成される。

　触媒フランジ１２６は、排気浄化用触媒２３の下流側端面の外周縁部に固設されている鉛直板状のフランジであって、触媒仕組１２０が排気マニホールド３０５に装着されると、ケースフランジ７１・７２間に介装されるガスケットとなる。触媒フランジ１２６の外郭形状は、図９でわかるように、本実施形態では側面視略矩形であるが、これに限定されるものではなく、ケースフランジ７１・７２と一致するような形状に形成すればよい。

　触媒フランジ１２６には、ケースフランジ７１の各ボルト孔７１ａ及びケースフランジ７２の各ボルト孔７２ａにそれぞれ一致するように、ボルト孔１２６ａが開孔される。本実施形態では、図９に示すように、側面視略矩形の触媒フランジ１２６の四隅部のそれぞれにボルト孔１２６ａを形成している。

　上流ケース８１の下流側端の、ケースフランジ７１にて囲まれる開口は、排気浄化用触媒２３を挿入するための挿入口８１ａとなっており、触媒フランジ１２６には、挿入口８１ａと一致することが可能な位置に、開口１２６ｂが形成される。

　排気浄化用触媒２３の外周面はグラスウール等の断熱材２５で覆われており、該断熱材２５は、上流ケース８１の内部空間に合わせて成形される。排気浄化用触媒２３を排気マニホールド３０５内に設置すると、排気浄化用触媒２３外面の排気マニホールド３０５（すなわち上流ケース８１）の内面との間の隙間に断熱材２５が充填される。これにより、排気入口１１２ａから上流ケース８１に導入された排気が漏れなく排気浄化用触媒２３に導入され、また、断熱材２５の断熱作用により、排気浄化用触媒２３中の排気温度を高温に保って、排気浄化作用を促進するのである。

　排気浄化用触媒２３は、排気浄化装置１１０の排気浄化用触媒２３と同様の構造、機能、及び形状を有している。該排気浄化用触媒２３の下流側端部は、触媒フランジ１２６の開口１２６ｂ内に配置されて、該排気浄化用触媒２３の外周面に装着された断熱材２５を介して触媒フランジ１２６に接着されている。但し、触媒フランジ１２６の開口１２６ｂを上流ケース８１の挿入口８１ａ及び排気浄化用触媒２３の下流側端面よりも小さく形成して、該排気浄化用触媒２３の下流側端面を触媒フランジ１２６の上流側端面に直接接着するものとしてもよい。

　触媒仕組１２０を排気マニホールド３０５に装着する過程について説明する。排気マニホールド３０５を上流ケース８１と下流ケース８２とに分割した状態において、挿入口８１ａを介して、触媒仕組１２０の排気浄化用触媒２３及び断熱材２５を、上流ケース８１に挿入する。さらに触媒仕組１２０を、排気マニホールド３０５内の排気の流れ方向に沿って、上流ケース８１に対し相対的に左方（正面視右方）に移動させると、やがて、上流ケース８１に挿入された排気浄化用触媒２３の上流側端面が、保持ガイド１４に当接し、この時に、触媒フランジ１２６の上流側端面が、自然に、ケースフランジ７１に当接する。また、この時、排気浄化用触媒２３の外周面と上流ケース８１の内周面との間の空間には、断熱材２５が充填された状態となっている。

　この状態において、下流ケース８２のケースフランジ７２を、触媒フランジ１２６の下流側端面に当接して、ケースフランジ７１・７２で触媒フランジ１２６を挟み込む。この時、各ボルト孔７１ａ・１２６ａ・７２ａ同士が一致し、これらのボルト孔に、ボルト２７を螺挿することで、ケースフランジ７１・７２および触媒フランジ１２６は共締め固定される。これにより、排気マニホールド３０５が完成するとともに、排気マニホールド３０５への排気浄化用触媒２３の組み入れが完了する。

　こうして完成した排気マニホールド３０５は、排気マニホールド２０５と同様に、排気入口１１２ａ、排気出口１１１ｃ、ボルト孔６２・６３を有している。排気浄化装置２１０の排気マニホールド３０５をエンジン１００に装着する際には、排気マニホールド１０５・２０５と同様に、排気マニホールド３０５（詳しくは下流ケース８２）の下流側端部がマフラー６に挿入されることで排気出口１１１ｃがマフラー６内に配置される。一方、排気入口１１２ａが排気ポート３４と一致するように配置され、排気マニホールド３０５（詳しくは上流ケース８１）のボルト孔６２・６３とシリンダーヘッド３のボルト孔６１とを一致し、ボルト孔６１・６２・６３にそれぞれボルト６５を螺入することで、排気マニホールド３０５の上流側端部がシリンダーヘッド３に固定される。

　排気浄化装置２１０の排気浄化能力が低下した場合は、排気マニホールド３０５を上流ケース８１と下流ケース８２とに分割するとともに、古くなった排気浄化用触媒２３を有する触媒仕組１２０を上流ケース８１から抜き取る。この過程について説明する。ボルト６５を各ボルト孔６１・６２・６３より取り外し、シリンダーヘッド３より排気マニホールド３０５（すなわち上流ケース８１）を分離する。さらに、下流ケース８２はマフラー６に固定された状態において、ボルト２７をボルト孔７２ａ・１２６ａ・７１ａより取り外し、上流ケース８１及び触媒仕組１２０を下流ケース８２より分離可能とする。こうして、シリンダーヘッド３及び下流ケース８２よりフリーとなった上流ケース８１を、排気の流れ方向に沿って左方（正面視右方）に移動させることで、下流ケース８２より引き離し、さらに、触媒仕組１２０を上流ケース８１より取り出す。

　取り出した触媒仕組１２０は、触媒フランジ１２６を残して古くなった排気浄化用触媒２３を触媒フランジ１２６から取り外し、新しい排気浄化用触媒２３を触媒フランジ１２６に装着することで、リフレッシュされる。あるいは、排気浄化用触媒２３を交換することなく、排気浄化用触媒２３の上流側端と下流側端を逆に配置して、今まで上流側端であった端部に触媒フランジ１２６を取り付けて排気マニホールド３０５内に戻すことで、排気浄化用触媒２３の使用期間を長くすることも可能である。あるいは、触媒仕組１２０そのものを新しい触媒仕組１２０と交換してもよい。こうして、修理した触媒仕組１２０、あるいは新しい触媒仕組１２０を、上流ケース８１に組み付け、触媒フランジ１２６を介して上流ケース８１のケースフランジ７１を下流ケース８２のケースフランジ７２にボルト２７で締結し、さらに、ボルト６５で上流ケース８１をシリンダーヘッド３に締止することで、排気浄化能力を回復した排気浄化装置２１０がエンジン１００に装着される。

　なお、排気マニホールド３０５の排気入口１１２ａ周りの構造を、排気浄化装置１０における排気マニホールド１０５の排気入口１２ａ周りの構造と同じように構成して、一次触媒４１と同様の排気浄化用触媒を排気入口１１２ａに装着できるようにしてもよい。これにより、排気浄化装置２１０においても、排気マニホールド３０５内に、一次触媒としての排気浄化用触媒と、二次触媒としての排気浄化用触媒２３とを配置することができ、排気浄化効果を高めることができる。また、触媒仕組１２０が排気マニホールド３０５に対して着脱自在なので、一次触媒を排気マニホールド３０５に対し着脱自在とすることで、一次・二次触媒の両方が排気マニホールド３０５に対して着脱自在となり、メンテナンス性を向上できる。また、排気流れで上流側の一次触媒を、酸化触媒機能が備わったＤＯＣ（ディーゼル用酸化触媒）とし、排気流れで下流側の二次触媒となる排気浄化用触媒２３を、ＤＰＦ（ディーゼル・パティキュレート・フィルター）とすることも考えられる。

　以上のように、本発明に係るエンジン１００は、シリンダーヘッド３、マフラー６、及び、該シリンダーヘッド３と該マフラー６との間に介設される排気マニホールド５（１０５、２０５または３０５）を備え、該排気マニホールド５（１０５、２０５または３０５）は、該シリンダーヘッド３内に形成される排気ポート３４に連通する排気入口１２ａまたは１１２ａと、該マフラー６に連通する排気出口１１ｃまたは１１１ｃとを有するものである。このようなエンジン１００に、排気浄化装置１０、１１０または２１０を備えるものであって、該排気浄化装置１０、１１０または２１０は、該排気マニホールド１０５、２０５または３０５と、該排気マニホールド１０５、２０５または３０５の該排気入口１２ａまたは１１２ａと該排気出口１１ｃまたは１１１ｃとの間の排気通路としての内部空間に配置される排気浄化用触媒４１、４２または２３とにより構成されるものである。

　このように、既存の排気マニホールド１０５、２０５または３０５に排気浄化用触媒４１、４２または２３を内装することで排気浄化用装置１０、１１０または２１０を構成するので、新たな排気浄化装置を別途に設けるよりも、部品点数を少なくすることができる。また、排気浄化用触媒４１、４２または２３の配置スペースとして、既存の排気マニホールド１０５、２０５または３０５の内部空間が利用されるので、排気マニホールド１０５、２０５または３０５の外形寸法は、排気浄化用触媒を配置しない場合と変わらないものとすることができる。一方、マフラー６も、排気浄化用触媒を内装するために大型化する必要がない。したがって、エンジン１００全体の外形寸法や形状を、排気浄化用触媒を設けない状態でのものに保つことができる。

　また、排気浄化用触媒４１、４２または２３のメンテナンス性に関しても、触媒の交換のためにマフラー６を脱着、分割する必要がない。排気マニホールドとその内部の排気浄化用触媒とが分離不能に一体化して排気浄化装置を構成している場合は、排気浄化装置全体を新たな排気浄化装置と交換する必要があるが、マフラー等に比べてかなり小振りのエンジン部品である排気マニホールド１０５、２０５または３０５自体が排気浄化装置１０、１１０または２１０のケースとなっているので、シリンダーヘッド３及びマフラー６に対しての排気マニホールド１０５、２０５または３０５の脱着作業のみで、排気浄化装置１０、１１０または２１０の交換作業を完了させることができる。さらに後述のように、排気浄化用触媒４１、４２または２３を排気マニホールド１０５、２０５または３０５に対して脱着可能な構造にすれば、排気マニホールド１０５、２０５または３０５をシリンダーヘッド３とマフラー６との間に介設した状態のままで、排気浄化用触媒４１、４２または２３のみを交換することができる。このように、本発明に係るエンジン１００の排気浄化装置１０、１１０または２１０は、排気浄化用触媒４１、４２または２３のメンテナンス性を向上する。

　さらに、排気浄化効果に関しても、上記のように従来において排気浄化用触媒を内装していたマフラー６よりも、排気の流れにおいて上流側の、排気マニホールド１０５、２０５または３０５の内部空間に排気浄化用触媒４１、４２または２３が配置されるので、排気浄化用触媒４１、４２または２３に到達する時点で排気の熱はかなり高温に保たれており、この高温の排気熱により、排気浄化用触媒４１、４２または２３の酸化作用及び燃焼作用が促進され、排気浄化効果、すなわち、排気エミッションの低減効果を向上するのである。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、該排気浄化装置１０における、前記排気通路としての前記排気マニホールド１０５の前記内部空間内に、他の排気浄化用触媒を配置し、前記排気浄化用触媒及び該他の浄化用触媒のうち、該排気通路中の排気の流れ方向において上流側のものを一次触媒４１、下流側のものを二次触媒４２としている。

　このように、該排気浄化装置１０において、該他の排気浄化用触媒も排気マニホールド１０５の内部空間内に配置されるので、排気マニホールド１０５の大きさや形状を既存の大きさや形状のままとして、エンジン１００のコンパクト性を保持することができ、エンジン１００全体の形状を複雑にすることも回避される。そして、該排気マニホールド１０５内の排気通路にて、排気が一次触媒４１及び二次触媒４２によって二段階で浄化されるので、浄化性能を向上することができる。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、前記一次触媒４１を前記排気マニホールド１０５に対して着脱自在とする。

　このように、一次触媒４１を排気マニホールド１０５に対して着脱自在としたのは、より高温の排気にさらされる一次触媒４１の方が二次触媒４２よりも寿命が短く、その交換頻度が二次触媒４２の交換頻度よりも高いためである。すなわち、一次触媒４１の交換は、一次触媒４１の排気マニホールド１０５に対しての着脱によってなされるので、排気マニホールド１０５を一次触媒４１の交換のたびにシリンダーヘッド３やマフラー６に対して脱着するという煩雑な作業が不要となる。また、もしも一次触媒が排気マニホールドに対して着脱できないとすると、一次触媒の交換が必要な時に、排気浄化装置全体の交換が必要となり、一次触媒よりも寿命の長くてまだ有効な二次触媒も交換してしまうことになる。本発明では、一次触媒４１を排気マニホールド１０５に対して着脱自在とすることで、このような二次触媒４２の無駄な交換も回避できるのである。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、前記排気マニホールド１０５の側面に挿入口１１ｂが開口しており、前記排気浄化用触媒４１の第一端が該挿入口１１ｂを介して該排気マニホールド１０５に挿入されることで、該排気浄化用触媒４１が該排気マニホールド１０５内に配置され、該第一端に対して反対側の、該排気浄化用触媒４１の第二端には、蓋体４３が固設され、該蓋体４３は該挿入口１１ｂを閉塞するように該排気マニホールド１０５の外面に装着される。

　また、前記排気浄化装置１１０を備えるエンジン１００においても、前記排気マニホールド２０５の側面に挿入口１１１ｂが開口しており、前記排気浄化用触媒２３の第一端が該挿入口１１１ｂを介して該排気マニホールド２０５に挿入されることで、該排気浄化用触媒２３が該排気マニホールド２０５内に配置され、該第一端に対して反対側の、該排気浄化用触媒２３の第二端には、蓋体２１が固設され、該２１は該挿入口１１１ｂを閉塞するように該排気マニホールド２０５の外面に装着される。

　このように、排気浄化装置１０または１１０においては、排気浄化用触媒４１または２３がカートリッジのように構成されていて、該挿入口１１ｂまたは１１１ｂを介して該第一端を排気マニホールド１０５または２０５に挿入し、その後、該蓋体４３または２１を排気マニホールド１０５または２０５の外面に装着するだけで、簡単に排気浄化用触媒４１または２３を排気マニホールド１０５または２０５内に組み付け完了させることができ、また、排気マニホールド１０５または２０５の外部に配置されている蓋体４３または２１を挿入口１１ｂまたは１１１ｂから遠ざけるように移動させるだけで、簡単に排気浄化用触媒４１または２３を該挿入口１１ｂまたは１１１ｂから引き抜いて排気マニホールド１０５または２０５から取り外すことができる。すなわち、排気マニホールド１０５または２０５をシリンダーヘッド３及びマフラー６に対して着脱する必要なく、排気浄化用触媒４１または２３を交換することができるので、排気浄化用触媒４１または２３のメンテナンス性の向上を図ることができる。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、前記排気浄化用触媒４１の前記第一端は、前記排気ポート３４に合わせた形状とされ、該第一端が、前記排気マニホールド１０５の前記排気入口１２ａを介して該排気ポート３４に挿入されることで、該排気浄化用触媒４１が該シリンダーヘッド３に支持されるものである。

　このように、排気マニホールド１０５の排気通路としての内部空間の中で排気の温度が最も高い位置に、排気浄化用触媒４１を配置することで、排気浄化用触媒４１の排気浄化能力（酸化能力）が最大限発揮でき、排気エミッション４１の低減効果を促進する。そして、排気浄化用触媒４１の第二端に固設された蓋体４３が排気マニホールド１０５の外面に取り付けられる一方で、排気浄化用触媒４１の第二端が排気ポート３４に嵌入された状態でシリンダーヘッド３に支持されるので、排気浄化用触媒４１は、対向する両端にて支持されることとなり、エンジン１００の振動で排気浄化用触媒４１ががたついたり排気を漏らしたりすることがない。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、前記蓋体４３はその外周部にフランジ部４３ａを有し、該フランジ部４３ａと、前記排気マニホールド１０５とを、ともに前記シリンダーヘッド３に締結するものである。

　これにより、シリンダーヘッド３に対して排気マニホールド１０５と排気浄化用触媒４１とを一体的に着脱することが可能となり、メンテナンス性が向上する。すなわち、排気浄化用触媒４１に固設された蓋体４３のフランジ部４３ａをシリンダーヘッド３に締結する一つの作業が、排気マニホールド１０５のシリンダーヘッド３への締結作業を兼ねることとなり、一方、該フランジ部４３ａのシリンダーヘッド３への締結を解除する作業により、排気マニホールド１０５のシリンダーヘッド３への締結も解除できる。このように、排気浄化装置１０をシリンダーヘッド３に接続するための作業数、及びシリンダーヘッド３から取り外すための作業数が低減されるのである。

　前記排気浄化装置１０を備えるエンジン１００において、前記排気マニホールド１０５は、その内部空間である前記排気通路における排気の流れ方向と平行な面を介して互いに接合される少なくとも二つのケース部材１１・１２を有しており、該排気マニホールド１０５の内面に、該少なくとも二つのケース部材１１・１２同士が接合する際に該排気浄化用触媒４２を位置決めするための保持ガイド５１が配置されている。

　また、前記排気浄化装置１１０を備えるエンジン１００においても、前記排気マニホールド２０５は、その内部空間である前記排気通路における排気の流れ方向と平行な面を介して互いに接合される少なくとも二つのケース部材１１１・２１を有しており、該排気マニホールド１０５の内面に、該少なくとも二つのケース部材１１１・２１同士が接合する際に該排気浄化用触媒２３を位置決めするための保持ガイド１３が配置されている。

　このように、該排気浄化装置１０または１１０においては、保持ガイド５１または１３によって、該少なくとも二つのケース部材１１・１２または１１１・２１の接合作業に際して、排気マニホールド１０５または２０５内部の所定位置に排気浄化用触媒４２または２３を位置決めして保持することができ、排気浄化用触媒４２または２３の排気マニホールド１０５または２０５への組み付けを容易化する。なお、該少なくとも二つのケース部材１１・１２または１１１・２１を分離可能とすれば、ケース部材の分離により、保持ガイド５１または１３にて保持していた排気浄化用触媒４２または２３を容易に取り外すことができ、新たな排気浄化用触媒４２または２３を、上記のプロセスで簡単に排気マニホールド１０５または２０５に組み付けることができる。

　前記排気浄化装置２１０を備えるエンジン１００において、前記排気浄化用触媒２３の外周に触媒フランジ１２６が固設されており、前記排気マニホールド３０５が、その内部の前記排気通路における排気の流れ方向に対して直角な分割面により、二つのケース部材８１・８２に分割可能に構成されており、各該ケース部材８１・８２の、該分割面に面する端部外周に、ケースフランジ７１・７２が形成されており、両該ケースフランジ７１・７２間に該触媒フランジ１２６を挟持することによって該排気浄化用触媒２３が該排気マニホールド３０５内に固定されるものである。

　このように、排気浄化装置２１０においては、両ケース部材８１・８２のケースフランジ７１・７２同士を分離することで、排気マニホールド３０５を分解可能であり、容易に排気浄化用触媒２３を着脱することができ、メンテナンス性が向上する。また、両ケース部材８１・８２のケースフランジ７１・７２間に、排気浄化用触媒２３と一体となった触媒フランジ１２６を設けることで、排気がケースフランジ７１・７２間の隙間から漏れることを防ぐことができる。

　前記排気浄化装置１０、１１０または２１０を備えるエンジン１００において、前記排気浄化用触媒４２または２３は、その外周に断熱材２５を備えるものである。

　このように、該排気浄化装置１０、１１０または２１０においては、断熱材２５にて、排気マニホールド１０５、２０５または３０５と排気浄化用触媒４２または２３との隙間を埋め、排気浄化用触媒４２または２３の温度低下を抑えることで、その排気浄化能力を最大限発揮でき、排気エミッションの低減効果を向上する。

　なお、断熱材２５については、上記の他、例えば設定によって排気浄化装置１０の一次触媒４１に備えるものとしてもよい。また、断熱材を外装せずに排気浄化用触媒２３または４３を排気マニホールドに内装するものとしてもよい。また、排気浄化用触媒の外周全面が断熱材を介して排気マニホールドの内面に当接するものとしてもよいし、一部のみが断熱材を介して排気マニホールドの内面に当接するものとしてもよい。

　本発明は、エンジンの排気浄化装置の技術、特に排気浄化用の触媒の配置とその交換の技術に利用することが可能である。本発明に係る排気浄化装置を備えたエンジンとしては、ディーゼルエンジン等が考えられ、また、エンジン単体で提供される他、作業機と連結してなるエンジン作業機として提供することも考えられる。

Claims (9)

1. 　シリンダーヘッド、マフラー、及び、該シリンダーヘッドと該マフラーとの間に介設される排気マニホールドを備え、該排気マニホールドは、該シリンダーヘッド内に形成される排気ポートに連通する排気入口と、該マフラーに連通する排気出口とを有するものとしたエンジンであって、
   　該エンジンは、排気浄化装置を備えており、該排気浄化装置は、該排気マニホールドと、該排気マニホールドの該排気入口と該排気出口との間の排気通路としての内部空間に配置される排気浄化用触媒とにより構成されることを特徴とするエンジン。
2. 　前記排気浄化装置における、前記排気通路としての前記排気マニホールドの前記内部空間内に、他の排気浄化用触媒を配置し、前記排気浄化用触媒及び該他の浄化用触媒のうち、該排気通路中の排気の流れ方向において上流側のものを一次触媒、下流側のものを二次触媒とすることを特徴とする請求項１に記載のエンジン。
3. 　前記一次触媒を前記排気マニホールドに対して着脱自在とすることを特徴とする請求項２に記載のエンジン。
4. 　前記排気マニホールドの側面に挿入口が開口しており、前記排気浄化用触媒の第一端が該挿入口を介して該排気マニホールドに挿入されることで、該排気浄化用触媒が該排気マニホールド内に配置され、該第一端に対して反対側の、該排気浄化用触媒の第二端には、蓋体が固設され、該蓋体は該挿入口を閉塞するように該排気マニホールドの外面に装着されることを特徴とする請求項１に記載のエンジン。
5. 　前記排気浄化用触媒の前記第一端は、前記排気ポートに合わせた形状とされ、該第一端が、前記排気マニホールドの前記排気入口を介して該排気ポートに挿入されることで、該排気浄化用触媒が該シリンダーヘッドに支持されるものとしたことを特徴とする請求項４に記載のエンジン。
6. 　前記蓋体はその外周部にフランジ部を有し、該フランジ部と、前記排気マニホールドとを、ともに前記シリンダーヘッドに締結することを特徴とする請求項４または５に記載のエンジン。
7. 　前記排気マニホールドは、その内部空間である前記排気通路における排気の流れ方向と平行な面を介して互いに接合される少なくとも二つのケース部材を有しており、該排気マニホールドの内面に、該少なくとも二つのケース部材同士が接合する際に該排気浄化用触媒を位置決めするための保持ガイドが配置されていることを特徴とする請求項１に記載のエンジン。
8. 　前記排気浄化用触媒の外周に触媒フランジが固設されており、前記排気マニホールドが、その内部の前記排気通路における排気の流れ方向に対して直角な分割面により、二つのケース部材に分割可能に構成されており、各該ケース部材の、該分割面に面する端部外周に、ケースフランジが形成されており、両該ケースフランジ間に該触媒フランジを挟持することによって該排気浄化用触媒が該排気マニホールド内に固定されることを特徴とする請求項１に記載のエンジン。
9. 　前記排気浄化用触媒は、その外周に断熱材を備えることを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか一項に記載のエンジン。

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