以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
始めに、本発明の第1の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態による無線通信システムは、1つ以上の基地局装置と1つ以上の移動局装置とを備えていて、その間の無線通信を行う。1つの基地局装置は、1つ以上のセルを構成し、1つのセルに1つ以上の移動局装置を収容できる。
図1は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。図1に示す下りリンクのチャネルと、図2に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。
論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルを運ぶ物理的なチャネルである。
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)、専用制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH:Multicast Control Channel)、マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH:Multicast Traffic Channel)が含まれる。上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)が含まれる。
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネル(BCH:Broadcast Channel)、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)、下りリンク共用チャネル(DL-SCH:Downlink Shared Channel)、マルチキャストチャネル(MCH:Multicast Channel)が含まれる。上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネル(UL-SCH:Uplink Shared Channel)、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)が含まれる。
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が含まれる。上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)が含まれる。
これらのチャネルは、従来技術で説明した図11のようにして基地局装置と移動局装置の間で送受信される。
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネル(BCCH)は、システム情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。
共通制御チャネル(CCCH)は、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネル(DCCH)は、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネル(DCCH)は、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。
専用トラフィックチャネル(DTCH)は、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、ネットワークから移動局装置へMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service:マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)制御情報を、一対多(point-to-multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。これは、1対多でサービスを提供するMBMSサービスに使用される。
MBMSサービスの送信方法としては、単セル一対多(SCPTM:Single-Cell Point-to-Multipoint)送信と、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス単一周波数網(MBSFN:Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)送信とがある。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、複数セルから同時に識別可能な波形(信号)を送信することで実現する同時送信技術である。一方、SCPTM送信とは、1つの基地局装置でMBMSサービスを送信する方法である。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、1つまたは複数のマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)に利用される。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、ネットワークから移動局装置へトラフィックデータ(MBMS送信データ)を一対多(point-to-multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、MBMSを受信する移動局装置だけが利用する。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネル(BCH)は、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネル(DL-SCH)では、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)、MBMS送信がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、下りリンク共用チャネル(DL-SCH)では、ビームフォーミングを利用可能であり、動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ページングチャネル(PCH)では、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、ページングチャネル(PCH)は、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)、にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、セル全体に報知される必要がある。また、マルチキャストチャネル(MCH)では、複数セルからのMBMS送信のMBSFN(MBMS Single Frequency Network)結合(Combining)や、拡張サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)を使う時間フレームなど、準静的リソース割り当てがサポートされる。
上りリンク共用チャネル(UL-SCH)では、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされる。また、上りリンク共用チャネル(UL-SCH)では、ビームフォーミングを利用可能である。動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、限られた制御情報が送信され、衝突リスクがある。
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネル(PBCH)は、40ミリ秒間隔で報知チャネル(BCH)をマッピングする。40ミリ秒のタイミングは、ブラインド検出(blind detection)される。すなわち、タイミング提示のために、明示的なシグナリングを行わなくても良い。また、物理報知チャネル(PBCH)を含むサブフレームは、そのサブフレームだけで復号できる(自己復号可能(self-decodable)である)。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、下りリンク共用チャネル(PDSCH)のリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。物理マルチキャストチャネル(PMCH)は、マルチキャストチャネル(MCH)を送信するために利用するチャネルであり、下りリンク参照信号(下りリンクリファレンスシグナル)、上りリンク参照信号(上りリンクリファレンスシグナル)、物理下りリンク同期信号が別途配置される。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、主に上りリンクデータ(UL-SCH)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置100が、移動局装置200をスケジューリングした場合には、チャネル状態情報(下りリンクのチャネル品質識別子CQI(Channel Quality Indicator)、プレコーディングマトリックス識別子PMI(Precoding Matrix Indicator)、ランク識別子RI(Rank Indicator))や下りリンク送信に対するHARQ肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を使用して送信される。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、チャネル状態情報(CQI、PMI、RI)、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQ、肯定応答/否定応答などを送信するために使用されるチャネルである。
物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のために使用されるOFDMシンボル数を移動局装置に通知するために利用するチャネルであり、各サブフレームで送信される。
物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)は、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを送信するために利用するチャネルである。
下りリンク参照信号(DL-RS:Downlink Reference Signal)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンク参照信号は、所定の時間間隔(例えば1フレーム)で周期的に繰り返される信号であり、移動局装置は、所定の時間間隔において下りリンク参照信号を受信し、チャネル状態(受信品質)を測定することによって、セル毎のチャネル状態の判断に用いる。また、下りリンク参照信号と同時に送信される下りデータの復調のための参照用の信号として用いる。下りリンク参照信号に使用される系列は、セル毎に一意に識別可能な系列であれば、任意の系列を用いても良い。
次に、本発明の第1の実施形態による通信システムによるチャネルマッピングについて説明する。
図1に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネル(BCH)は、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。ページングチャネル(PCH)および下りリンク共用チャネル(DL-SCH)は、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)にマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理チャネル単独で使用される。
一方、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネル(UL-SCH)は、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)にマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(RACH)は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)にマッピングされる。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、物理チャネル単独で使用される。
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページングチャネル(PCH)にマッピングされる。
報知制御チャネル(BCCH)は、報知チャネル(BCH)と下りリンク共用チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL-SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL-SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)からマルチキャストチャネル(MCH)へのマッピングは、MBSFN送信時に行われる一方、SCPTM送信時は、このマッピングは下りリンク共用チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
一方、上りリンクにおいて次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、上りリンク共用チャネル(UL-SCH)にマッピングされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、論理チャネルとマッピングされない。
図3は、本発明の第1の実施形態による通信システムの下りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。図3、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)で識別される無線フレームは10ミリ秒(10ms)で構成されている。また、1サブフレームは1ミリ秒(1ms)で構成されており、無線フレームには10個のサブフレーム#F0~#F9が含まれる。
図3に示すように、下りリンクで用いる無線フレームには、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理下りリンク同期信号、物理報知チャネル(PBCH)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)/物理マルチキャストチャネル(PMCH)、下りリンク参照信号が配置されている。
上りリンクで用いる無線フレームには、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)、上りリンク復調用参照信号、上りリンク測定用参照信号が配置されている。
1サブフレーム(例えば、サブフレーム#F0)は、2つのスロット#S0、#S1に分離される。通常のサイクリックプレフィックス(normal CP)が使用される場合、下りリンクのスロットは7個のOFDMシンボルで構成され(図3参照)、上りリンクのスロットは7個のSC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボルで構成される。
なお、拡張CP(long CP、または、extended CPとも称する)が使用される場合は、下りリンクのスロットは6個のOFDMシンボルで構成され、上りリンクのスロットは6個のSC-FDMAシンボルで構成される。
また、1つのスロットは周波数方向に複数のブロックに分割される。15kHzのサブキャリア12本を周波数方向の単位として、1個の物理リソースブロック(PRB)を構成する。物理リソースブロック(PRB)数は、システム帯域幅に応じて、6個から110個までサポートされる。図3では、物理リソースブロック(PRB)数が25個の場合を示す。また、上りリンクと下りリンクで異なるシステム帯域幅を使用することも可能である。また、アグリゲーションにより、全システム帯域幅を110個以上にすることも可能である。通常コンポーネントキャリアは100物理リソースブロックで構成し、コンポーネントキャリア間にガードバンドをはさんで、5個のコンポーネントキャリアで、全システム帯域幅を500物理リソースブロックにすることができる。これを、帯域幅で表現すると、例えば、コンポーネントキャリアは20MHzで構成し、コンポーネントキャリア間にガードバンドをはさんで、5個のコンポーネントキャリアで、全システム帯域幅を100MHzにすることができる。
下りリンク、上りリンクのリソース割り当ては、時間方向にサブフレーム単位かつ周波数方向に物理リソースブロック(PRB)単位で行われる。すなわち、サブフレーム内の2つのスロットは、一つのリソース割り当て信号で割り当てられる。
サブキャリアとOFDMシンボルまたはサブキャリアとSC-FDMAシンボルで構成される単位をリソースエレメント(RE)と称する。物理層でのリソースマッピング処理で各リソースエレメントに対して変調シンボルなどがマッピングされる。
図4は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置100は、データ制御部101、OFDM変調部102、無線部103、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT-S-OFDM(DFT-Spread-OFDM)復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1を備えている。
無線部103、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT-S-OFDM復調部106、データ抽出部107、上位層108およびアンテナ部A1は、受信部を構成している。また、データ制御部101、OFDM変調部102、無線部103、スケジューリング部104、上位層108およびアンテナ部A1は、送信部を構成している。それぞれの送信部、受信部の一部は、コンポーネントキャリアごとに別々に処理するように構成され、一部は、コンポーネントキャリア間で共通の処理を行うように構成されている。
アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT-S-OFDM復調部106およびデータ抽出部107は、上りリンクの物理層の処理を行う。アンテナ部A2、データ制御部101、OFDM変調部102および無線部103は、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部101は、スケジューリング部104からトランスポートチャネルを取得する。データ制御部101は、トランスポートチャネルと、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。以上のようにマッピングされた各データは、OFDM変調部102へ出力される。
OFDM変調部102は、データ制御部101から入力されたデータに対して、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(下りリンク物理リソースブロック(PRB)割り当て情報(例えば、周波数、時間など物理リソースブロック位置情報)や、各下りリンク物理リソースブロック(PRB)に対応する変調方式および符号化方式(例えば、16QAM変調、2/3コーディングレート)などを含む)に基づいて、符号化、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入、並びに、フィルタリングなどOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成して、無線部103へ出力する。
無線部103は、OFDM変調部102から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A1を介して、移動局装置200に送信する。また、無線部103は、移動局装置200からの上りリンクの無線信号を、アンテナ部A1を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データをチャネル推定部105とDFT-S-OFDM復調部106とに出力する。
スケジューリング部104は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。スケジューリング部104は、各物理層の処理部を統合して制御するため、スケジューリング部104と、アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT-S-OFDM復調部106、データ制御部101、OFDM変調部102およびデータ抽出部107との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
スケジューリング部104は、下りリンクのスケジューリングでは、移動局装置200から受信したフィードバック情報(下りリンクのチャネル状態情報(チャネル品質(CQI)、ストリームの数(RI)、プレコーディング情報(PMI)など))や、下りリンクデータに対するACK/NACKフィードバック情報など)、各移動局装置の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、バッファ状況、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための下りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理、HARQにおける再送制御および下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101およびデータ抽出部107へ出力される。
また、スケジューリング部104は、上りリンクのスケジューリングでは、チャネル推定部105が出力する上りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果、移動局装置200からのリソース割り当て要求、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための上りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理および上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。
これら上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101およびデータ抽出部107へ出力される。
また、スケジューリング部104は、上位層108から入力された下りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部101へ出力する。また、スケジューリング部104は、データ抽出部107から入力された上りリンクで取得した制御データとトランスポートチャンネルを、必要に応じて処理した後、上りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層108へ出力する。
チャネル推定部105は、上りリンクデータの復調のために、上りリンク復調用参照信号(DRS:Demodulation Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をDFT-S-OFDM復調部106に出力する。また、上りリンクのスケジューリングを行うために、上りリンク測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をスケジューリング部104に出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT-S-OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
DFT-S-OFDM復調部106は、チャネル推定部105から入力された上りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部103から入力された変調データに対し、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)変換、サブキャリアマッピング、IFFT変換、フィルタリング等のDFT-S-OFDM信号処理を行って、復調処理を施し、データ抽出部107に出力する。
データ抽出部107は、スケジューリング部104からのスケジューリング情報に基づいて、DFT-S-OFDM復調部106から入力されたデータに対して、正誤を確認するとともに、確認結果(肯定信号ACK/否定信号NACK)をスケジューリング部104に出力する。
また、データ抽出部107は、スケジューリング部104からのスケジューリング情報に基づいて、DFT-S-OFDM復調部106から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データとに分離して、スケジューリング部104に出力する。
分離された制御データには、移動局装置200から通知されたフィードバック情報(下りリンクのチャネル状態情報(CQI、PMI、RI)、下りリンクのデータに対するACK/NACKフィードバック情報)などが含まれている。
上位層108は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層108は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層108と、スケジューリング部104、アンテナ部A1、無線部103、チャネル推定部105、DFT-S-OFDM復調部106、データ制御部101、OFDM変調部102およびデータ抽出部107との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
上位層108は、無線リソース制御部109を有している。また、無線リソース制御部109は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、測定設定および測定結果の管理、ページング制御、各移動局装置の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、移動局装置ごとのバッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)の管理などを行っている。上位層108は、別の基地局装置への情報および上位ノードへの情報の授受を行う。
図5は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、データ制御部201、DFT-S-OFDM変調部202、無線部203、スケジューリング部204、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207、上位層208、アンテナ部A2を備えている。
データ制御部201、DFT-S-OFDM変調部202、無線部203、スケジューリング部204、上位層208およびアンテナ部A2は、送信部を構成している。また、無線部203、スケジューリング部204、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207、上位層208およびアンテナ部A2は、受信部を構成している。また、スケジューリング部204は、選択部を構成している。
アンテナ部A2、データ制御部201、DFT-S-OFDM変調部202および無線部203は、上りリンクの物理層の処理を行う。アンテナ部A2、無線部203、チャネル推定部205、OFDM復調部206およびデータ抽出部207は、下りリンクの物理層の処理を行う。それぞれの送信部、受信部の一部は、コンポーネントキャリアごとに別々に処理するように構成され、一部は、コンポーネントキャリア間で共通の処理を行うように構成されている。
データ制御部201は、スケジューリング部204からトランスポートチャネルを取得する。データ制御部201は、トランスポートチャネルと、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部204から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。このようにマッピングされた各データは、DFT-S-OFDM変調部202へ出力される。
DFT-S-OFDM変調部202は、データ制御部201から入力されたデータに対し、データ変調、DFT処理、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、サイクリックプレフィックス(CP)挿入、フィルタリングなどのDFT-S-OFDM信号処理を行い、DFT-S-OFDM信号を生成して、無線部203へ出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT-S-OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、代わりにOFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
無線部203は、DFT-S-OFDM変調部202から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A2を介して、基地局装置100に送信する。
また、無線部203は、基地局装置100からの下りリンクのデータで変調された無線信号を、アンテナ部A2を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを、チャネル推定部205およびOFDM復調部206に出力する。
スケジューリング部204は、媒体アクセス制御層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。スケジューリング部104は、各物理層の処理部を統合して制御するため、スケジューリング部104と、アンテナ部A2、データ制御部201、DFT-S-OFDM変調部202、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207および無線部203との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
スケジューリング部204は、下りリンクのスケジューリングでは、基地局装置100や上位層208からのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報)などに基づいて、トランスポートチャネルおよび物理信号および物理チャネルの受信制御、HARQ再送制御および下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部201およびデータ抽出部207へ出力される。
スケジューリング部204は、上りリンクのスケジューリングでは、上位層208から入力された上りリンクのバッファ状況、データ抽出部207から入力された基地局装置100からの上りリンクのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報など)、および、上位層208から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングするためのスケジューリング処理および上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報の生成を行う。
なお、上りリンクのトランスポートフォーマットについては、基地局装置100から通知された情報を利用する。これらスケジューリング情報は、データ制御部201およびデータ抽出部207へ出力される。
また、スケジューリング部204は、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部201へ出力する。また、スケジューリング部204は、チャネル推定部205から入力された下りリンクのチャネル状態情報(CQI、PMI、RI)や、データ抽出部207から入力されたCRC確認結果についても、データ制御部201へ出力する。
また、スケジューリング部204は、データ抽出部207から入力された下りリンクで取得した制御データとトランスポートチャネルを、必要に応じて処理した後、下りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層208へ出力する。
チャネル推定部205は、下りリンクデータの復調のために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をOFDM復調部206に出力する。
また、チャネル推定部205は、基地局装置100に下りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、この推定結果を下りリンクのチャネル状態情報(チャネル品質情報など)に変換して、スケジューリング部204に出力する。また、基地局装置100に下りリンクの測定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)の測定結果を無線リソース制御部209に出力する。
OFDM復調部206は、チャネル推定部205から入力された下りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部203から入力された変調データに対して、OFDM復調処理を施し、データ抽出部207に出力する。
データ抽出部207は、OFDM復調部206から入力されたデータに対して、巡回冗長検査(CRC)を行い、正誤を確認するとともに、確認結果(ACK/NACKフィードバック情報)をスケジューリング部204に出力する。
また、データ抽出部207は、スケジューリング部204からのスケジューリング情報に基づいて、OFDM復調部206から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データに分離して、スケジューリング部204に出力する。分離された制御データには、下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てや上りリンクのHARQ制御情報などのスケジューリング情報が含まれている。このとき、物理下りリンク制御信号(PDCCH)の検索空間(検索領域ともいう)をデコード処理し、自局宛の下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てなどを抽出する。
上位層208は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層208は、無線リソース制御部209を有している。上位層208は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層208と、スケジューリング部204、アンテナ部A2、データ制御部201、DFT-S-OFDM変調部202、チャネル推定部205、OFDM復調部206、データ抽出部207および無線部203との間のインターフェースが存在する。ただし、図示しない。
無線リソース制御部209は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、測定設定および測定結果の管理、ページング制御、自局の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、バッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)の管理を行う。
図6は、本発明の下りリンク参照信号(4論理アンテナポートの場合)についての詳細を示した図である。図のように、4つの論理アンテナポートのEUTRAシステムでは、各スロットの第1、第2、第5OFDMシンボルに下りリンク参照信号が配置される。また、下りリンク参照信号は、3サブキャリアおき(各論理アンテナポートでは6サブキャリアおき)に配置される。ただし、下りリンク参照信号のサブキャリア位置は、下りリンク同期信号から特定される物理セルIDに基づいて、サブキャリア方向にシフトされ、セル特有の位置に配置される。通常のサブフレームには、このような構成で下りリンク参照信号が配置されるが、MBMS用のサブフレームなど特定のサブフレームには別の下りリンク参照信号が配置される場合もある。
4論理アンテナポートの場合は、第1、第5OFDMシンボルには、1番および2番論理アンテナポートの参照信号が配置され、第2OFDMシンボルには、3番および4番論理アンテナポートの参照信号が配置される。2論理アンテナポートの場合は、第1、第5OFDMシンボルに、1番および2番論理アンテナポートの参照信号が配置される。1論理アンテナポートの場合は、第1OFDMシンボルに、1番論理アンテナポートの参照信号が配置され、6サブキャリアおきに配置される。論理アンテナポートの数は、1、2、4本のいずれかであり、物理報知チャネル(PBCH)から特定される。論理アンテナポートを構成する物理アンテナポートは、同じである必要はなく、複数のアレイアンテナなどで一つの論理アンテナポートを構成しても良い。
EUTRAにおける移動局装置は、これらの参照信号を、チャネル状態情報の測定および下りリンクデータ復調の両方のために使用する。なお、チャネル状態情報の測定指標としては、SIR(Signal-to-Interference Ratio:信号対干渉電力比)、SINR(Signal-to-Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音電力比)、SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音電力比)、CIR(Carrier-to-Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)、BLER(Block Error Rate:ブロック誤り率)、パスロスなどが使用される。チャネル状態情報の測定の際には、移動局装置は、各論理アンテナポートのチャネル状態情報の測定指標から、RIを決定し送信する。さらに、移動局装置は、送信したRIを元に、選択可能なプレコーディングマトリックスのコードブックのサブセットを特定し、最もチャネル状態情報の測定指標が向上するPMIをプレコーディングマトリックスのコードブックサブセットから選択する。移動局装置は、CQIの測定の際、CQIの値に応じた変調方式、トランスポートブロックサイズで特定されるトランスポートブロックのエラー確率が0.1を超えないように、CQIの値を選択する。移動局装置は、RIのフィードバックおよび/またはPMIのフィードバックを行った場合には、そのRI,PMIでデータが送信されたことを想定して、CQIを測定する。このRI,PMI,CQIの測定の際、エラー確率が0.1を超えないようにするトランスポートブロックの解釈において想定されるリソースは、CQI参照リソースと呼ばれる。CQI参照リソースは、周波数方向では、CQIの測定を行う周波数帯域幅に関連するPRBグループ、時間方向では、1サブフレームで定義される。
一方、上記のような1から4本の論理アンテナポートで構成されているシステムに、新たに高次MIMO用の参照信号を追加すると、データが配置されるリソースエレメントに参照信号を追加することになる。EUTRAにおける移動局装置や高次MIMOが導入されていることを認識していない移動局装置は、追加された参照信号を意識することなく、データが配置されているとして、復調することになる。この場合、参照信号が追加された部分のリソースエレメントのデータは正しく復調することができず、誤り検出、誤り訂正処理、HARQ処理によって、補償するしかない。しかしながら、この追加される参照信号の量がそれほど多くない場合であれば、誤り訂正処理によって回復可能である。
高次MIMOを使用する移動局装置を、低モビリティの伝播路変動の少ない状況の移動局装置に限定してしまえば、チャネル状態情報の測定には、時間的に高い密度は要求されない。周波数の密度についても、CQIをサブバンドごとに測定することを考慮すれば、EUTRAの参照信号ほど密度は要求されない。移動局装置が下りリンクデータ復調する際にのみ、高い密度の参照信号が追加されればよい。よって、以下、チャネル状態情報の測定に使用する参照信号をCQI-RS、下りリンクデータの復調に使用する参照信号DM-RSと呼ぶことにする。EUTRAにおける移動局装置は、CQI-RSおよびDM-RSともに同じ参照信号(ただし、EUTRAにおける論理アンテナポート5は移動局特有でDM-RSとしてのみ用いられる。)である。
CQI-RSの時間・周波数密度をまばらにするために、各論理アンテナポートが配置されるサブフレームを限定されたものとする。また、CQI-RSのサブキャリア間隔をPRBに2つ(6サブキャリアごと)やPRBに1つ(12サブキャリアごと)や3PRBに1つ(36サブキャリアごと)程度のものとする。高次MIMOを使用する移動局装置または高次MIMOを使用可能な移動局装置またはAdvanced-EUTRANの移動局装置にのみこの追加されたCQI-RSの位置が通知される。追加された参照信号を認識した移動局装置は、追加された参照信号が配置されたリソースエレメントにはデータが配置されないとしてデコードを行うようにする。基地局装置は、データをリソースエレメントに配置する際には、追加された参照信号が配置されたリソースエレメントにはデータを配置しない。各リソースブロックは、移動局装置ごとにスケジューリングされるので、追加された参照信号を認識している移動局装置と認識していない移動局装置でデータの配置方法を異ならせることが可能である。または、設計を簡単にするため、EUTRANの移動局装置と同様、追加された参照信号を認識した移動局装置も、追加された参照信号が配置されたリソースエレメントを区別することなくデータが配置されたものとしてデコードを行う。その場合、基地局装置は、データをリソースエレメントに配置する際には、追加された参照信号に配置するデータをパンクチャする。
一方、DM-RSは、各移動局装置に特有な配置方法が可能であり、スケジューリングされた際のストリームの数(ランク)にあわせて必要な量のリソースエレメントに配置される。
移動局装置は、論理アンテナポート1、論理アンテナポート2、論理アンテナポート3、論理アンテナポート4(この例において、論理アンテナポート1から論理アンテナポート4を第一の論理アンテナポートとする。)のチャネル状態の測定には、各サブフレームに配置されている図6の参照信号を使用する。一方、論理アンテナポート5、論理アンテナポート6、論理アンテナポート7、論理アンテナポート8(この例において、論理アンテナポート5から論理アンテナポート8を第二の論理アンテナポートとする。)の高次MIMO用の参照信号が配置されるサブフレームは、報知情報チャネル(BCCH)を使って報知されたり、共通制御チャネル(CCCH)および/または専用制御チャネル(DCCH)のRRCシグナリングで、基地局装置から個々の移動局装置へ通知されたりする。基本的には、高次MIMOを行う移動局装置全部が同じCQI-RSを使用するので、高次MIMO用の参照信号が配置されるサブフレームは報知されることが望ましい。この報知情報チャネル(BCCH)で報知されるシステム情報は、既存のEUTRAにおける移動局装置は読まないように、システム情報の拡張領域(予約領域)に含めて送信される。しかしながら、ハンドオーバーの際に前もって移動局装置へ通知しておく場合や高次MIMOを行う移動局装置が極端に少ない場合などは、RRCシグナリングを使うことも効率がよい。また、RRCシグナリングは、高次MIMOを行うか否かを基地局装置から移動局装置へ通知するためにも使用される。
高次MIMO用の参照信号が配置されるサブフレームの通知方法はいくつかある。常に、高次MIMOが使用される場合には、論理アンテナポートの数が最大8本までと定められている場合には、追加される論理アンテナポート(第二の論理アンテナポート)の数は、8-n本となる。nは、物理報知チャネル(PBCH)で特定されるEUTRA用の論理アンテナポート(第一の論理アンテナポート)の数である。すなわち、移動局装置は、EUTRA用の論理アンテナポートの数から追加される論理アンテナポートの数を特定する。または、高次MIMOが使用される場合の論理アンテナポート数を可変とする場合には、追加される論理アンテナポート数または高次MIMOが使用される場合の論理アンテナポート数を通知する。これにより、移動局装置は、追加される論理アンテナポート数を特定できる。
追加される論理アンテナポート数または高次MIMOが使用される場合の論理アンテナポート数を特定すると、高次MIMOを使用するように基地局装置によって設定された移動局装置は、追加される論理アンテナポート数に対して、10msの1無線フレーム内のサブフレームの上から順に配置されるというような規則を適用して、CQI-RSが配置されるサブフレームを判断する。例えば、追加される論理アンテナポート数が6本の場合、移動局装置は、サブフレーム#0、サブフレーム#1、サブフレーム#2、サブフレーム#3、サブフレーム#4、サブフレーム#5にそれぞれ、論理アンテナポート3、論理アンテナポート4、論理アンテナポート5、論理アンテナポート6、論理アンテナポート7、論理アンテナポート8が配置されると判断する。このようにすると、各論理アンテナポート3から8は、10msに1回の割合で配置されることになる。または、1つのサブフレームに対して複数の論理アンテナポートを追加することも可能である。その場合は、例えば、追加される論理アンテナポート数が6本の場合、移動局装置は、サブフレーム#0、サブフレーム#1、サブフレーム#2にそれぞれ、論理アンテナポート3および論理アンテナポート4、論理アンテナポート5および論理アンテナポート6、論理アンテナポート7および論理アンテナポート8が配置されると判断する。
また、2無線フレームごとにCQI-RSを配置するようにしても良い。その場合、例えば、偶数無線フレームにCQI-RSが配置されるような規則を適用する。さらには、連続したサブフレームではなく2サブフレームおきに配置するような規則を適用してもよい。また、CQI-RSが配置されるサブフレームをビットマップにて表現するようにしても良い。例えば、ビットマップが、サブフレーム0~9に対して、0101010111と表現された場合、サブフレーム1、3、5、7、8、9が指定されたサブフレームとなる。例えば、CQI-RSが配置されるサブフレームがビットマップにて特定されると、各サブフレームに上から順に追加される論理アンテナポートを配置する。また、論理アンテナポートと、その論理アンテナポートのCQI-RSが配置されるサブフレームの関係を示す識別情報を通知するようにしても良い。
このようにシステム情報を構成することにより、より少ないオーバヘッドでCQI-RSの位置を移動局装置に認識させることが可能となる。基地局装置は、移動局装置が認識している場所にCQI-RSを配置して送信する。また、別のシステム情報でMBMSのためのサブフレームや基地局装置が予約したサブフレームの設定がされた場合、移動局装置は、そのサブフレームにはCQI-RSは配置されないと判断する。すなわち、MBMSのためのサブフレームや基地局装置が予約したサブフレームが優先される。
これらの高次MIMO用のCQI-RSの特定の仕組みは、CoMPにおけるCQI-RSにも適用することが可能である。すなわち、CoMPのモードが設定された移動局装置は、追加される論理アンテナポート数またはCoMPが使用される場合の論理アンテナポート数を特定すると、上記のような規則を適用して、CQI-RSが配置されるサブフレームを判断する。このように、高次MIMOの場合と同じ仕組みを利用することによって、システム情報の削減及び移動局装置の実装の簡単化が可能となる。さらには、高次MIMO用のCQI-RSと同じサブフレームが、CoMP用のCQI-RSとするようにしても良い。
CQI-RSのリソースブロック内での配置例を図7に示す。この例では、論理アンテナポート6のCQI-RSが、各PRBの第3OFDMシンボルの第1サブキャリアに配置されている。第3OFDMシンボルは、第一の論理アンテナポートの参照信号が配置されていなかったシンボルであるため、隣接セルの参照信号との競合や、第一の論理アンテナポートのパワーブーストの影響を受けない。論理アンテナポート6のCQI-RSは、偶数PRBには、スロット0にのみ、奇数PRBには、スロット1にのみ配置されている。このように、スロット間、およびPRB間で時間、周波数にまばらに配置する(第二の論理アンテナポートの参照信号を配置するリソースエレメントの間隔を、第一の論理アンテナポートの参照信号を配置するリソースエレメントの周波数・時間間隔に比べて広くする。あるいは第二の論理アンテナポートの参照信号を配置するサブフレームの間隔を、第一の論理アンテナポートの参照信号を配置するサブフレームの間隔に比べて長くする)ことにより、既存移動局装置への影響を抑え、参照信号によるオーバヘッドを抑えることができる。また、高次MIMOを行う移動局装置は、時間変動の少ない環境の移動局装置であることが想定されるので、CQI-RSをスロット間で異なるサブキャリアに配置することで、周波数変動の測定に特化した配置となる。もちろん、各PRBのスロット0の第1サブキャリアと、各PRBのスロット1の第7サブキャリアにCQI-RSを配置するなどの構成や、3の倍数のPRBかつスロット0と、3の倍数+1のPRBかつスロット1にCQI-RSを配置するなどの構成でも良い。
図8は、CQI-RSとDM-RSの追加の概念図である。各サブフレームには、EUTRA用の参照信号が配置されている。論理アンテナポート6および論理アンテナポート7のCQI-RSが、10ms間隔で別々のサブフレームに配置されている。高次MIMOの移動局装置にスケジューリングされたPRBには、DM-RSがさらに付与されている。上述したように、CQI-RSが追加されたサブフレームにおいても、追加された参照信号を認識していない移動局装置がスケジューリングされるが、パンクチャされたデータは、エラー訂正やHARQで解決される。また、この問題は、基地局装置が、追加された参照信号を認識していない移動局装置を、追加された参照信号が配置されるサブフレームにスケジューリングしないなどの方法によっても、解決される。
図9は、チャネル状態情報の測定方法の例を示した図である。EUTRAでは、チャネル状態情報を測定する際のCQI-RSには、移動局装置の処理時間を考慮して、すくなくとも、4サブフレーム以上前の参照信号が使用される。すなわち、チャネル状態情報を送信するサブフレームnに対して、サブフレーム(n-4)またはサブフレーム(n-4)より前のサブフレームで、かつ、有効なサブフレーム、の参照信号が使用される。ここで有効なサブフレームとは、セルに対してMBSFNのために予約されたサブフレームではないサブフレームや、移動局装置に対してメジャメントギャップに設定されていないサブフレームや、TDDの際の下りリンクサブフレームとして設定されているサブフレームなどのことを示す。このチャネル状態を測定する際に想定されるサブフレームが、時間方向のCQI参照リソースとなる。しかしながら、高次MIMOやCoMPのために追加されるCQI-RSは、すべてのサブフレームに配置されるわけではなく、また、CQI-RSは、論理アンテナポートごとに配置されるサブフレームが異なる。そのため、高次MIMOやCoMPを利用することができる移動局装置は、CQI-RSの受信信号を保持する機構(受信したCQI-RSを記憶するバッファ)を備え、高次MIMOやCoMPに設定された移動局装置は、論理アンテナポートごとのCQI-RSの受信信号を保持する。
すなわち、チャネル状態の測定に使用する複数の論理アンテナポートのそれぞれの論理アンテナポートの参照信号は、チャネル状態情報の送信が指定されているサブフレームから一定サブフレーム以上前のサブフレームで、最も近い有効な、かつ、それぞれの論理アンテナポートの参照信号が配置されるサブフレームの参照信号とする。ただし、EUTRA用の参照信号に対しては、チャネル状態の測定に使用する複数の論理アンテナポートのそれぞれの論理アンテナポートの参照信号は、チャネル状態情報の送信が指定されているサブフレームから一定サブフレーム以上前のサブフレームで、最も近い有効なサブフレームの参照信号となる。この際、想定される時間方向のCQI参照リソースは、EUTRAと同様、チャネル状態情報の送信が指定されているサブフレームから一定サブフレーム以上前のサブフレームで、最も近い有効なサブフレームとする。移動局装置は、この想定される時間方向のCQI参照リソースで、時間方向のCQI参照リソース以前の論理アンテナポートの参照信号の信号状態に基づくチャネル状態測定用のトランスポートブロックを想定して、チャネル状態を測定する。
例えば、図9に示すように、EUTRA用の参照信号を論理アンテナポート1、論理アンテナポート2とし、サブフレーム0、サブフレーム1、サブフレーム2、サブフレーム3、サブフレーム4、サブフレーム5にそれぞれ、論理アンテナポート3、論理アンテナポート4、論理アンテナポート5、論理アンテナポート6、論理アンテナポート7、論理アンテナポート8のCQI-RSを追加する。無線フレーム1のサブフレーム1でチャネル状態情報の送信を行う場合、移動局装置は、無線フレーム0のサブフレーム7(4つ前のサブフレーム)に配置されている論理アンテナポート1および論理アンテナポート2と、無線フレーム0のサブフレーム7または無線フレーム0のサブフレーム7よりも前のサブフレームのうち、最も近い有効な、各論理アンテナポートが配置されているサブフレームに配置されるCQI-RS、(すなわち、無線フレーム0のサブフレーム0、サブフレーム1、サブフレーム2、サブフレーム3、サブフレーム4、サブフレーム5にそれぞれ配置されている論理アンテナポート3、論理アンテナポート4、論理アンテナポート5、論理アンテナポート6、論理アンテナポート7、論理アンテナポート8)を使用してチャネル状態情報の測定を行う。移動局装置は、測定したチャネル状態情報を基地局装置へ報告する。
また、無線フレーム2のサブフレーム2が有効なサブフレームではない場合で、無線フレーム2のサブフレーム6でチャネル状態情報の送信を行う場合、移動局装置は、無線フレーム2のサブフレーム1(4つ前以上でかつ最も近い有効なサブフレーム)に配置されている論理アンテナポート1および論理アンテナポート2と、無線フレーム2のサブフレーム2または無線フレーム0のサブフレーム2よりも前のサブフレームのうち、最も近い有効な、各論理アンテナポートが配置されているサブフレームに配置されるCQI-RS、(すなわち、無線フレーム2のサブフレーム0、無線フレーム2のサブフレーム1、無線フレーム1のサブフレーム2、無線フレーム1のサブフレーム3、無線フレーム1のサブフレーム4、無線フレーム1のサブフレーム5にそれぞれ配置されている論理アンテナポート3、論理アンテナポート4、論理アンテナポート5、論理アンテナポート6、論理アンテナポート7、論理アンテナポート8)を使用してチャネル状態情報の測定を行う。移動局装置は、測定したチャネル状態情報を基地局装置へ報告する。
図10は、チャネル状態情報の測定方法の別の例を示した図である。例えば、図10に示すように、EUTRA用の参照信号を論理アンテナポート1、論理アンテナポート2とし、サブフレーム0、サブフレーム1、サブフレーム2にそれぞれ、論理アンテナポート3および論理アンテナポート4、論理アンテナポート5および論理アンテナポート6、論理アンテナポート7および論理アンテナポート8のCQI-RSを追加する。この場合、複数の論理アンテナポートのCQI-RSが1つのサブフレームに配置されているため、移動局装置は、論理アンテナポートごとにCQI-RSの受信信号を保持するのではなく、複数論理アンテナポートごとにCQI-RSの受信信号を保持するようにしても良い。
図9、図10では、周期的レポートの場合について説明したが、非周期的レポートの場合も同様の処理を行う。移動局装置は、移動局装置がサブフレームnで受信した物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)でCQI要求を検出した際に、サブフレームn+kで、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)にて、CQIおよび/またはRIおよび/またはPMIの非周期的レポートを、基地局装置へ送信する。kは、FDDの場合は4であるが、TDDの場合は、下りリンク及び上りリンクのサブフレーム設定によって異なる。この場合、チャネル状態の測定に使用する複数の論理アンテナポートのそれぞれの論理アンテナポートの参照信号は、チャネル状態情報の送信を要求するCQI要求を検出したサブフレームnまたはそれ以前のサブフレームn-jで、最も近い有効な、かつ、それぞれの論理アンテナポートの参照信号が配置されるサブフレームの参照信号とする。
高次MIMOやCoMPが設定された移動局装置は、RIのフィードバックおよび/またはPMIおよび/またはCQIの測定の際に、各論理アンテナポートが配置されるサブフレームの位置に応じて、直近のサブフレームに配置された論理アンテナポートの参照信号の影響がより大きくなるようなフィルタ(時間的に近い論理アンテナポートの参照信号の電力やSNを大きくし、時間的に遠い論理アンテナポートの参照信号の電力やSNを小さくするなど)を用いるように制御してもよい。すなわち、移動局装置は、CQI参照リソースで、時間方向のCQI参照リソース以前の論理アンテナポートの参照信号の信号状態に基づくチャネル状態測定用のトランスポートブロックを想定して、チャネル状態を測定するが、この時間方向のCQI参照リソース以前の論理アンテナポートの参照信号の信号状態に基づくチャネル状態測定用のトランスポートブロックの想定の際に、時間的な影響を考慮した想定をするようにする。
例えば、論理アンテナポート数が8、コードワード数が2の場合について説明する。任意のリソースエレメント(RE)における8つの論理アンテナポートのそれぞれの受信信号をs1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8とし、受信信号ベクトルsをs=[s1 s2 s3 s4 s5 s6 s7 s8]Tとし(ただし、Tは転置行列を示す)、プレコーディングマトリックスをR、受信重み行列をWとすると、このREにおける2つのコードワードの受信信号c1とc2は、c=[c1 c2]Tとして、c=R-1WAsと算出することができる。ここで、Aはポート毎の係数(α1からα8)を対角成分として持つ対角行列であり、各係数は、時間的に近い論理ポートの係数を大きく、逆に時間的に遠い論理ポートの係数を小さくするように定められる。雑音ベクトルに関しても受信信号ベクトルと同様の処理を行うことで、このREにおける2つのコードワードの雑音信号電力が得られる。このようにして得られた2つのコードワードの受信信号電力(受信信号の絶対値の2乗)と雑音電力を、複数のREに渡って算出して加算し、合計(各コードワードに対応したトランスポートブロックのCQI参照リソース分)の受信信号電力と雑音電力とを算出することにより、時間方向の変動を考慮したRIのフィードバックおよび/またはPMIおよび/またはCQIの測定を行うことができる。このようにすることによって、サブフレームが時間的に離れている場合においても、精度のよい測定結果が得られる確率が向上する。
このようにすることにより、移動局装置は、基地局装置からの指示をすることなく自動的に、CQI-RSを特定し、状況に応じて、最近のCQI-RSを使ったチャネル状態情報の測定およびチャネル状態情報のフィードバックが可能となる。基地局装置は、移動局装置がどの時点での参照信号を使用して測定結果を報告しているのかを把握することができるので、内部でフィルタリングを用いたりチャネル変動を予測したりする際に、重要な情報を予め知ることができることになる。
上記のそれぞれの実施形態においては、基地局装置および移動局装置は複数であっても良い。また、移動局装置とは、移動する端末に限らず、情報端末や基地局装置や固定端末に移動局装置の機能を実装することなどにより実現しても良い。
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。