WO2009136485A1 - セメント製造設備におけるco2ガスの回収方法および回収設備 - Google Patents

セメント製造設備におけるco2ガスの回収方法および回収設備 Download PDF

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Abstract

 本発明の課題は、セメント製造設備において発生するCO2 ガスを高い濃度で分離して回収することが可能となるCO2 ガスの回収方法および回収設備を提供することである。 かかる課題を解決するため、本発明においては、[1]か焼前のセメント原料を、過熱炉においてか焼温度以上に過熱した後に、混合か焼炉において新たなか焼前のセメント原料と混合すること、[2]か焼前のセメント原料と、セメントキルンから排出された高温のセメントクリンカの一部とを混合か焼炉において混合すること、及び、[3]外熱式か焼炉を用いることのいずれかの方法によりセメント原料のか焼を行い、か焼炉内において発生したCO2 ガスを回収する。

Description

セメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備
 本発明は、セメント製造設備において、主としてセメント原料のか焼時に発生するCO2ガスを高濃度で回収するためのセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備に関するものである。
 近年、世界的かつ全産業にわたって、地球温暖化の主因たる二酸化炭素(CO2)ガスを削減する試みが推進されている。
 ちなみに、セメント産業は、電力や鉄鋼等と共にCO2ガスの排出量が多い産業の一つであり、日本におけるCO2ガスの全排出量の約4%にのぼる。このため、当該セメント産業におけるCO2ガスの排出削減は、日本全体におけるCO2ガスの排出削減に大きな貢献を果たすことになる。
 図12は、上記セメント産業における一般的なセメントの製造設備を示すもので、図中符号1がセメント原料を焼成するためのロータリーキルン(セメントキルン)である。
 そして、このロータリーキルン1の図中左方の窯尻部分2には、セメント原料を予熱するための2組のプレヒータ3が並列的に設けられるとともに、図中右方の窯前に、内部を加熱するための主バーナ5が設けられている。なお、図中符号6は、焼成後のセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラである。
 ここで、各々のプレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、供給ライン4から最上段のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するロータリーキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、さらに下から2段目のサイクロンから抜き出されて仮焼炉7に送られ、当該仮焼炉7においてバーナ7aにより加熱されてか焼された後に、最下段のサイクロンから移送管3aを介してロータリーキルン1の窯尻部分2に導入されるようになっている。
 他方、窯尻部分2には、ロータリーキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管3bが設けられており、上記サイクロンに送られた排ガスは、順次上方のサイクロンへと送られて、上記セメント原料を予熱するとともに、最終的に最上段のサイクロンの上部から、排気ファン9によって排気ライン8を介して排気されて行くようになっている。
 このような構成からなるセメント製造設備においては、先ずセメント原料の主原料として含まれる石灰石(CaCO3)をプレヒータ3で予熱し、次いで仮焼炉7およびプレヒータ3の最下段のサイクロンにおいてか焼した後に、ロータリーキルン1内において約1450℃の高温雰囲気下で焼成することでセメントクリンカを製造している。
 そして、このか焼において、CaCO3→CaO+CO2↑で示される化学反応が生じて、CO2ガスが発生する(原料起源によるCO2ガスの発生)。この原料起源によるCO2ガスの濃度は、原理的には100%である。また、上記ロータリーキルン1を上記高温雰囲気下に保持するために、主バーナ5において化石燃料が燃焼される結果、当該化石燃料の燃焼によってもCO2ガスが発生する(燃料起源によるCO2ガスの発生)。ここで、主バーナ5からの排ガス中には、燃焼用空気中のN2ガスが多く含まれているために、当該排ガス中に含まれる燃料起源によるCO2ガスの濃度は、約15%と低い。
 この結果、上記セメントキルンから排出される排ガス中には、上述した濃度の高い原料起源によるCO2ガスと、濃度の低い燃料起源によるCO2が混在するために、当該CO2の排出量が多いにもかかわらず、そのCO2濃度は30~35%程度であり、回収が難しいという問題点があった。
 これに対して、現在開発されつつあるCO2ガスの回収方法としては、液体回収方式、膜分離方式、固体吸着方式等があるものの、未だ回収コストが極めて高いという課題があった。
 また、上記セメント製造設備から排出されたCO2による地球温暖化を防止する方法として、当該排出源から低濃度で排出されたCO2を分離・回収して略100%にまで濃度を高め、液化した後に地中に貯留する方法等も提案されているものの、分離・回収のためのコストが高く、同様に実現には至っていない。
 一方、下記特許文献1には、耐火物製の伝熱管に充填された石灰石を移動させながら、燃焼炉から導かれた1000℃~1300℃の高温ガスにより間接的に石灰石(CaCO3)を生石灰(CaO)と炭酸ガス(CO2ガス)に焼成分解する焼成帯と、生成した炭酸ガスを循環使用して高温生石灰を冷却する冷却帯と、焼成帯で生成した高温炭酸ガスと生石灰の冷却により高温となった循環炭酸ガスとにより石灰石を予熱する予熱帯を備えた間接加熱式石灰石焼成炉が提案されている。
 そして、上記加熱式石灰石焼成炉によれば、石灰石を高温燃焼ガスに直接接触させることなく間接的に焼成することにより、燃料の如何にかかわらず純度の高い生石灰を得ると共に、石灰石が充填された伝熱管内における上記CO2ガスの濃度が100%近くになるために、上記石灰石の焼成時に発生する炭酸ガスを高濃度で回収出来るとされている。
 しかしながら、図13に示すように、石灰石のか焼反応が起こる温度は、雰囲気中のCO2ガス濃度が高くなるにしたがって急激に上昇し、100%(大気圧(1atm)の下での分圧1atmに相当)に近くになると、860℃を超える温度となる。
 このため、上記間接加熱式石灰石焼成炉による従来技術によって石灰石をか焼した後に、粘土等のSiO2、Al23、Fe23等の他のセメント原料を加えてセメントクリンカを製造しようとすると、上記伝熱管を既述の通り1000℃~1300℃の高温ガスにより間接的に加熱する必要があり、この結果コストが嵩むという問題点がある。また、上記伝熱管を間接的に加熱するために、化石燃料を燃焼させて上記高温ガスを得ようとすると、逆に当該燃焼によって多量のCO2ガスが発生してしまうという問題点もある。
特開2004-231424号公報
 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、セメント製造設備における熱源を有効活用することにより、当該セメント設備において発生するCO2ガスを高い濃度で分離して回収することが可能となるセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備を提供することを課題とするものである。
(1)本発明の第1~第4の態様
 上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、セメント原料を、第1のプレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、上記第1のプレヒータから抜き出されたか焼前の上記セメント原料を、過熱炉においてか焼温度以上に過熱した後に、混合か焼炉に供給して上記第1のプレヒータから抜き出されて当該混合か焼炉に供給される新たなか焼前の上記セメント原料と混合することにより、当該混合か焼炉内をか焼温度以上に保持して上記か焼前の上記セメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料を再び上記過熱炉に戻して上記混合か焼炉へ循環させる工程を繰り返すことにより、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するとともに、か焼された上記セメント原料の一部を、上記セメントキルンに供給することを特徴とするものである。
 なお、上記か焼温度とは、石灰石、即ちCaCO3(炭酸カルシウム)がCaO(酸化カルシウム)とCO2に分解する反応が起こる温度をいう。
 また、か焼された上記セメント原料の一部を上記セメントキルンに供給するに際しては、上記混合か焼炉から供給するようにしても、あるいは上記過熱炉から供給するようにしてもよい。
 また、本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る回収方法において、上記第1のプレヒータから抜き出されたか焼前の上記セメント原料と、上記第1のプレヒータから独立した第2のプレヒータで予熱されたか焼前の他のセメント原料とを、上記混合か焼炉に供給するとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とするものである。
 さらに、本発明の第3の態様は、セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料が導入される混合か焼炉と、この混合か焼炉から供給される上記セメント原料をか焼温度以上に過熱する過熱炉と、この過熱炉で過熱された上記セメント原料を上記混合か焼炉に戻すとともに上記混合か焼炉内の上記セメント原料を上記過熱炉へ送る循環ラインと、か焼された上記セメント原料の一部を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内で発生したCO2ガスを回収するCO2ガス排気管とを備えてなることを特徴とするものである。
 なお、か焼された上記セメント原料の一部を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すに際しては、上記混合か焼炉から供給するようにしても、あるいは上記過熱炉から供給するようにしてもよい。
 また、本発明の第4の態様は、上記第3の態様に係る回収設備において、上記第1のプレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱されたか焼前の上記他のセメント原料を上記混合か焼炉に供給する移送管とを備え、かつ上記混合か焼炉からの上記CO2ガス排気管が、上記第2のプレヒータの熱源として導入されていることを特徴とするものである。
 本発明の第1の態様または第2の態様に係る回収方法および本発明の第3の態様または第4の態様に係る回収設備においては、第1のプレヒータから抜き出したか焼前のセメント原料を、過熱炉においてか焼温度以上に過熱した後に混合か焼炉に供給して、当該混合か焼炉内において新たに供給される上記か焼前のセメント原料と混合しつつか焼温度以上に保持することにより、か焼前のセメント原料がか焼される。
 この結果、上記混合か焼炉内は、セメント原料のか焼によって発生したCO2ガスで満たされ、当該CO2ガス濃度が略100%になる。このように、上記回収方法または回収設備によれば、上記混合か焼炉から略100%の濃度のCO2ガスをCO2ガス排気管から回収することができる。
 また、特に本発明の第2の態様または第4の態様においては、上記混合か焼炉内で発生した高温のCO2ガスを、第1のプレヒータから独立した第2のプレヒータに送ってセメント原料の予熱に利用した後に、そのまま排ガス管から回収することができる。
 この際に、上記混合か焼炉内は、100%近い高濃度のCO2ガス雰囲気下になるために、セメント原料のか焼温度は高くなるが、セメント原料中には、石灰石(CaCO3)とともに粘土、珪石および酸化鉄原料、すなわちSiO2、Al23およびFe23が含まれている。
 そして、上記セメント原料は、800~900℃程度の温度雰囲気下において、
 2CaCO3+SiO2→2CaO・SiO2+2CO2↑     (1)
 2CaCO3+Fe23→2CaO・Fe23+2CO2↑    (2)
 CaCO3+Al23→CaO・Al23+CO2↑       (3)
で示される反応が生じ、最終的にセメントクリンカを構成する珪酸カルシウム化合物であるエーライト(3CaO・SiO2)およびビーライト(2CaO・SiO2)並びに間隙相であるアルミネート相(3CaO・Al23)およびフェライト相(4CaO・Al23・Fe23)が生成されることになる。
 この際に、図3に示す上記(1)式の反応温度のグラフ、図4に示す上記(2)式の反応温度のグラフおよび図5に示す上記(3)式の反応温度のグラフに見られるように、縦軸に示したCO2ガスの分圧が高くなった場合においても、より低い温度で上記反応を生じさせることができる。
 さらに、上記セメント原料においては、上記(1)~(3)式で示す反応が生じることに加えて、珪石、粘土等の石灰石以外の原料から持ち込まれるSiO2、Al23、Fe23やその他の微量成分が鉱化剤となり、炭酸カルシウムの熱分解が促進されるために、図6に見られるように、炭酸カルシウム単独の場合と比較して、熱分解の開始温度および終了温度共に低下する。なお、図6は、上記セメント原料(feed)のサンプルおよび石灰石(CaCO3)単独のサンプルを、それぞれ一般的なセメント製造設備における加熱速度に近い10K/secの速度で加熱した際の重量の変化から、上記熱分解の推移を確認したものである。
 以上のことから、本発明によれば、過熱炉における運転温度(過熱温度)を低下させても、所望のCO2ガスの回収量を確保することができ、よって設備の熱負荷やコーチングトラブル等を低減させることが可能になる。
 また、混合か焼炉に導入されるか焼前のセメント原料は、通常のセメント製造プロセスと同様にしてセメント製造設備における第1のプレヒータにより予熱されているとともに、本発明の第2の態様または第4の態様における他のセメント原料は、第2のプレヒータにおいて混合か焼炉から排出される高温のCO2ガスにより予熱されている。
 さらに、か焼された高温のセメント原料の一部を混合か焼炉および過熱炉間において循環使用しているために、混合か焼炉において大きな熱量を確保することができるとともに、既存のセメント製造設備に対して新たな熱エネルギーを加えることなく、か焼時に発生する原料起源のCO2を、選択的に高濃度で回収することができる。
 また、特に本発明の第2の態様または第4の態様においては、CO2ガスが発生する際に生じる熱量を、上記他のセメント原料の予熱に利用することにより、混合か焼炉における熱分解に有効活用することもできる。
(2)本発明の第5~第13の態様
 本発明の第5の態様は、セメント原料を、第1のプレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成してセメントクリンカを製造するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、上記第1のプレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料を混合か焼炉に供給するとともに、上記セメントキルンから排出された高温の上記セメントクリンカの一部を上記混合か焼炉に導入することにより、上記混合か焼炉内をか焼温度以上に保持して上記か焼前の上記セメント原料をか焼した後に、少なくとも上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収することを特徴とするものである。
 また、本発明の第6の態様は、上記第5の態様に係る回収方法において、上記第1のプレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料と、上記第1のプレヒータから独立して設けられた第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料とを上記混合か焼炉に供給するとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とするものである。
 さらに、本発明の第7の態様は、上記第5の態様に係る回収方法において、上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とするものである。
 また、本発明の第8の態様は、上記第6の態様に係る回収方法において、上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とするものである。
 これに対して、本発明の第9の態様は、上記第5の態様に係る回収方法において、上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料と上記セメントクリンカとを分離して、上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とするものである。
 また、本発明の第10の態様は、上記第6の態様に係る回収方法において、上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料と上記セメントクリンカとを分離して、上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とするものである。
 次いで、本発明の第11の態様は、セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料および上記セメントキルンから抜き出した高温の上記セメントクリンカの一部が導入されて当該セメント原料をか焼する混合か焼炉と、この混合か焼炉においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するCO2排ガスラインとを備えてなることを特徴とするものである。
 また、本発明の第12の態様は、セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料および上記セメントキルンから抜き出した高温の上記セメントクリンカの一部が導入されて当該セメント原料をか焼する混合か焼炉と、この混合か焼炉においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを分離する分離手段と、この分離手段において分離された上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するCO2排ガスラインとを備えてなることを特徴とするものである。
 そして、本発明の第13の態様は、上記第11の態様または上記第12の態様に係る回収設備において、上記第1のプレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱されたか焼前の上記他のセメント原料を上記混合か焼炉に供給する移送管とを備え、かつ上記混合か焼炉からの上記CO2排ガスラインが、上記第2のプレヒータの熱源として導入されていること特徴とするものである。
 本発明の第5~第10の態様に係る回収方法および本発明の第11~第13の態様に係る回収設備においては、第1のプレヒータから抜き出したか焼前のセメント原料を混合か焼炉に供給するとともに、セメントキルンから排出された高温のセメントクリンカの一部を上記混合か焼炉に導入することにより、当該混合か焼炉内がか焼温度以上に保持され、この結果か焼前の上記セメント原料がか焼される。また、本発明の第6、13の態様においては、上記セメント原料、セメントクリンカおよび第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料を混合か焼炉において混合することにより、か焼前の上記セメント原料がか焼される。
 この結果、上記混合か焼炉内は、セメント原料のか焼によって発生したCO2ガスで満たされ、当該CO2ガス濃度が略100%になる。このように、上記回収方法または回収設備によれば、上記混合か焼炉から略100%の濃度のCO2ガスを回収することができる。
 また、特に本発明の第6の態様または第13の態様においては、上記混合か焼炉内のCO2ガスを、第1のプレヒータから独立した第2のプレヒータに送って上記他のセメント原料の予熱に利用した後に、そのまま排ガス管から回収することができるため、混合か焼炉から排出された上記CO2ガスの有効利用を図ることができる。
 この際に、上記混合か焼炉内は、100%近い高濃度のCO2ガス雰囲気下になるために、セメント原料のか焼温度は高くなるが、セメント原料中には、石灰石(CaCO3)とともに粘土、珪石および酸化鉄原料、すなわちSiO2、Al23およびFe23が含まれている。
 そして、上記セメント原料は、800~900℃程度の温度雰囲気下において、
 2CaCO3+SiO2→2CaO・SiO2+2CO2↑     (1)
 2CaCO3+Fe23→2CaO・Fe23+2CO2↑    (2)
 CaCO3+Al23→CaO・Al23+CO2↑       (3)
で示される反応が生じ、最終的にセメントクリンカを構成する珪酸カルシウム化合物であるエーライト(3CaO・SiO2)およびビーライト(2CaO・SiO2)並びに間隙相であるアルミネート相(3CaO・Al23)およびフェライト相(4CaO・Al23・Fe23)が生成されることになる。
 この際に、図3に示す上記(1)式の反応温度のグラフ、図4に示す上記(2)式の反応温度のグラフおよび図5に示す上記(3)式の反応温度のグラフに見られるように、縦軸に示したCO2ガスの分圧が高くなった場合においても、より低い温度で上記反応を生じさせることができる。
 さらに、上記セメント原料においては、上記(1)~(3)式で示す反応が生じることに加えて、珪石、粘土等の石灰石以外の原料から持ち込まれるSiO2、Al23、Fe23やその他の微量成分が鉱化剤となり、炭酸カルシウムの熱分解が促進されるために、図6に見られるように、炭酸カルシウム単独の場合と比較して、熱分解の開始温度および終了温度共に低下する。なお、図6は、上記セメント原料(feed)のサンプルおよび石灰石(CaCO3)単独のサンプルを、それぞれ一般的なセメント製造設備における加熱速度に近い10K/secの速度で加熱した際の重量の変化から、上記熱分解の推移を確認したものである。
 以上のことから、本発明によれば、過熱炉における運転温度(過熱温度)を低下させても、所望のCO2ガスの回収量を確保することができ、よって設備の熱負荷やコーチングトラブル等を低減させることが可能になる。
 また、混合か焼炉に導入されるか焼前のセメント原料は、通常のセメント製造プロセスと同様にしてセメント製造設備における第1のプレヒータにより予熱され、また本発明の第6の態様における他のセメント原料は、混合か焼炉から排出されるCO2ガスを加熱媒体とする第2のプレヒータにより予熱されているとともに、上記か焼前のセメント原料をか焼させるための熱源として、セメントキルンから排出された高温のセメントクリンカを用いているために、当該セメント原料をか焼するための付加的なエネルギーを必要としないことになる。
 さらに、本発明の第7の態様、第8の態様または第11の態様においては、高温の上記セメントクリンカの一部を、セメントキルンと混合か焼炉との間で循環させているために、混合か焼炉において大きな熱量を確保することができるとともに、既存のセメント製造設備に対して新たな熱エネルギーを加えることなく、か焼時に発生する原料起源のCO2を、選択的に高濃度で回収することができる。
 これに対して、本発明の第9の態様、第10の態様または第12の態様においては、混合か焼炉から排出されたか焼後のセメント原料とセメントクリンカとを分離して、上記セメント原料のみを第1のプレヒータまたはセメントキルンに戻しているために、上記セメントクリンカが再び焼成工程に送られて、余分なセメントキルンの駆動電力等を消費することがない。
(3)本発明の第14~第17の態様
 本発明の第14の態様は、セメント原料を、プレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、上記プレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料を、外熱式か焼炉において間接的にか焼温度以上の温度に加熱して上記か焼前のセメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料と上記か焼時に発生したCO2ガスとを分離して、上記セメント原料を上記プレヒータまたは上記セメントキルンに戻すとともに、上記CO2ガスを回収することを特徴とするものである。
 また、本発明の第15の態様は、上記第14の態様に係る回収方法において、上記プレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料と、上記プレヒータから独立して設けられた複数段のサイクロンを有する第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料とを、上記外熱式か焼炉において間接的にか焼温度以上の温度に加熱してか焼前の上記セメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料と上記か焼時に発生したCO2ガスとを上記サイクロンによって分離して、上記CO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とするものである。
 次いで、本発明の第16の態様は、セメント原料を予熱するプレヒータと、このプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、上記プレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す第1の抜出ラインと、この第1の抜出ラインが内部に導入されて上記セメント原料を間接的にか焼温度以上の温度に加熱してか焼する外熱式か焼炉と、この外熱式か焼炉の出口側に設けられて上記第1の抜出ラインから送られてくるか焼された上記セメント原料とCO2ガスとを分離する固気分離手段と、この固気分離手段によって分離された上記セメント原料を上記プレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記固気分離手段によって分離されたCO2ガスを回収するCO2ガスの回収ラインとを備えてなることを特徴とするものである。
 また、本発明の第17の態様は、上記第16の態様に係る回収設備において、上記プレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する複数段のサイクロンを備えた第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱された上記他のセメント原料を抜き出す第2の抜出ラインと、上記外熱式か焼炉の排出側と上記第2のプレヒータの下段の上記サイクロンとの間に接続されるとともに、上段の上記サイクロンの排気ラインから枝配管されて上記外熱式か焼炉の入口側に接続された循環ラインとを有し、かつ上記固気分離手段は、上記第2のプレヒータの上記下段のサイクロンであるとともに、上記第1の抜出ラインおよび第2の抜出ラインは、上記循環ラインの上記外熱式か焼炉の上流側に接続されていることを特徴とするものである。
 本発明の第14、第15の態様に係る回収方法および本発明の第16、第17の態様に係る回収設備においては、第1のプレヒータから抜き出したか焼前のセメント原料を、外熱式か焼炉に送って、間接的にか焼温度以上の温度に加熱することにより、か焼前の上記セメント原料がか焼される。
 また、本発明の第15、第17の態様においては、プレヒータによってか焼前の温度まで予熱されたセメント原料と第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料とを循環ラインから外熱か焼炉に送って、同様に間接的にか焼温度以上の温度に加熱することにより、か焼前の上記セメント原料がか焼される。
 この結果、本発明の第14、第16における第1の抜出ライン、または本発明の第15、第17の態様における循環ラインは、か焼されたセメント原料および当該セメント原料のか焼によって発生したCO2ガスで満たされ、当該CO2ガス濃度が略100%になる。そして、固気分離手段によってか焼されたセメント原料とCO2ガスとを分離することにより、略100%の濃度のCO2ガスを回収することができる。
 また、特に本発明の第15の態様においては、上記混合か焼炉内のCO2ガスを、第1のプレヒータから独立した第2のプレヒータに送ってセメント原料の予熱に利用した後に、そのまま回収ラインから回収することができる。
 この際に、本発明の第14、第16における第1の抜出ライン、または本発明の第15、第17の態様における循環ライン内は、100%近い高濃度のCO2ガス雰囲気下になるために、セメント原料のか焼温度は高くなるが、セメント原料中には、石灰石(CaCO3)とともに粘土、珪石および酸化鉄原料、すなわちSiO2、Al23およびFe23が含まれている。
 そして、上記セメント原料は、800~900℃程度の温度雰囲気下において、
 2CaCO3+SiO2→2CaO・SiO2+2CO2↑     (1)
 2CaCO3+Fe23→2CaO・Fe23+2CO2↑    (2)
 CaCO3+Al23→CaO・Al23+CO2↑       (3)
で示される反応が生じ、最終的にセメントクリンカを構成する珪酸カルシウム化合物であるエーライト(3CaO・SiO2)およびビーライト(2CaO・SiO2)並びに間隙相であるアルミネート相(3CaO・Al23)およびフェライト相(4CaO・Al23・Fe23)が生成されることになる。
 この際に、図3に示す上記(1)式の反応温度のグラフ、図4に示す上記(2)式の反応温度のグラフおよび図5に示す上記(3)式の反応温度のグラフに見られるように、縦軸に示したCO2ガスの分圧が高くなった場合においても、より低い温度で上記反応を生じさせることができる。
 さらに、上記セメント原料においては、上記(1)~(3)式で示す反応が生じることに加えて、珪石、粘土等の石灰石以外の原料から持ち込まれるSiO2、Al23およびFe23やその他の微量成分が鉱化剤となり、炭酸カルシウムの熱分解が促進されるために、図6に見られるように、炭酸カルシウム単独の場合と比較して、熱分解の開始温度および終了温度共に低下する。なお、図6は、上記セメント原料(feed)のサンプルおよび石灰石(CaCO3)単独のサンプルを、それぞれ一般的なセメント製造設備における加熱速度に近い10K/secの速度で加熱した際の重量の変化から、上記熱分解の推移を確認したものである。
 以上のことから、本発明によれば、過熱炉における運転温度(過熱温度)を低下させても、所望のCO2ガスの回収量を確保することができ、よって設備の熱負荷やコーチングトラブル等を低減させることが可能になる。
 また、外熱か焼炉において間接加熱されるか焼前のセメント原料は、通常のセメント製造プロセスと同様にしてセメント製造設備における第1のプレヒータにより予熱され、また本発明の第15の態様における他のセメント原料は、か焼時に発生するCO2ガスを加熱媒体とする第2のプレヒータにより予熱されているために、当該セメント原料をか焼するための付加的なエネルギーを必要としないことになる。
 さらに、外熱か焼炉における間接加熱のための熱量は、本来セメント製造設備の仮焼炉においてか焼するために要する熱量に等しいため、既存のセメント製造設備に対して新たな熱エネルギーを加えることなく、か焼時に発生する原料起源のCO2を、選択的に略100%の高濃度で回収することができる。
図1は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第1の実施形態を示す概略構成図である。 図2は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第2の実施形態を示す概略構成図である。 図3は、雰囲気中CO2濃度と(1)式で示した反応温度との関係を示すグラフである。 図4は、雰囲気中CO2濃度と(2)式で示した反応温度との関係を示すグラフである。 図5は、雰囲気中CO2濃度と(3)式で示した反応温度との関係を示すグラフである。 図6は、CO2雰囲気下におけるセメント原料と石灰石単独との焼成開始温度および終了温度の相違を示すグラフである。 図7は、図1に示したCO2の回収設備について行ったプロセスシミュレーションの結果を示す図である。 図8は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第3の実施形態を示す概略構成図である。 図9は、図8に示したCO2の回収設備について行ったプロセスシミュレーションの結果を示す図である。 図10は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第4の実施形態を示す概略構成図である。 図11は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第5の実施形態を示す概略構成図である。 図12は、一般的なセメント製造設備を示す概略構成図である。 図13は、雰囲気中のCO2濃度と石灰石のか焼温度との関係を示すグラフである。
(第1の実施形態)
 図1は、本発明に係るセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備の第1の実施形態を示すもので、セメント製造設備の構成については、図12に示したものと同一であるために、同一符号を付してその説明を簡略化する。
 図1において、符号10は、セメント製造設備のプレヒータ(第1のプレヒータ)3とは独立して設けられた第2のプレヒータである。
 この第2のプレヒータ10は、上記プレヒータ3と同様に、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、最上段のサイクロンに供給ライン11からセメント原料が供給されるようになっている。そして、第2のプレヒータ10の最下段のサイクロンの底部には、移送管10aの上端が接続されるとともに、この移送管10aの下端部が混合か焼炉12に導入されている。
 他方、上記セメント製造設備のプレヒータ3においては、最下段のサイクロンからか焼前のセメント原料を抜き出す抜出ライン13が設けられ、この抜出ライン13の先端部が第2のプレヒータ10からの移送管10aに接続されている。これにより、第2のプレヒータ10からのか焼前のセメント原料と、プレヒータ3からのか焼前のセメント原料とが、混合か焼炉12内に導入されるようになっている。なお、抜出ライン13の中間部には、図示されない仮焼率調整用の分配弁を介して上記セメント原料の一部を従来と同様にロータリーキルン1の窯尻部分2へと供給する移送管3aが接続されている。
 混合か焼炉12は、例えば流動床式、ロータリーキルン式、充填層式等の粉体混合炉であり、その底部には、混合されたセメント原料を抜き出す排出管12aが接続されている。そして、この排出管12aは枝配管され、一方が過熱ライン14とされて過熱炉15へ接続されると共に、他方が戻りライン16とされてロータリーキルン1の窯尻部分2に接続されている。ここで、排出管12aと過熱ライン14および戻りライン16との分岐部には、図示されない分配弁が介装されており、本実施形態においては、過熱ライン14への流量が戻りライン16への流量より多く(例えば流量比が4:1に)なるように設定されている。
 上記過熱炉15は、内部に送られてくる上記セメント原料を、クリンカクーラ6からの抽気を燃焼用空気とするバーナ17の燃焼によって当該セメント原料をか焼温度以上に過熱するためのものである。この過熱炉15は、既存の仮焼炉を改造して用いることも可能である。そして、この過熱炉15の排出側には、バーナ17における燃焼によって発生した排ガスと上記セメント原料とを排気する排気管18と、この排気管18が接続されて排ガス中からセメント原料を分離するサイクロン19と、このサイクロン19で分離された上記セメント原料を再び混合か焼炉12へと戻す戻り管20とからなる循環ラインが設けられている。
 他方、サイクロン19において分離された排ガスを排出する排ガス管21は、ロータリーキルン1からの排ガス管3bに接続されている。なお、上記過熱炉15内は、1100℃程度の高温に保持する必要があるのに対して、ロータリーキルン1からの排ガスは、1100~1200℃の温度であるために、当該ロータリーキルン1からの排ガスの全量または一定量を、過熱炉15内に導入して、再び排ガス管21からプレヒータ3へと送るようにすれば、上記排ガスを有効利用することができる。
 さらに、混合か焼炉12には、内部で生成したCO2ガスを排出するためのCO2排気管22が接続されるとともに、このCO2排気管22が、第2のプレヒータ10における加熱媒体として導入されている。なお、図中符号23は、CO2ガスの排気ファンであり、符号24は、CO2ガスの排気ラインである。
 ちなみに、混合か焼炉12として、流動床式のものを用いた場合には、当該混合か焼炉12から排出されたCO2ガスを、CO2排気管22や排気ライン24から抜き出して、再び混合か焼炉12に循環供給して使用することもできる。
(第2の実施形態)
 図2は、本発明に係るCO2ガスの回収設備の第2の実施形態を示すもので、図1に示したものと同一構成部分については、同様に同一符号を付してその説明を簡略化する。
 この回収設備は、図12に示した既存のセメント設備をそのまま活用するとともに、当該セメント製造設備に上記回収設備を増設したものである。
 すなわち、この回収設備においては、プレヒータ3の下から2段目のサイクロンから仮焼炉7へとセメント原料を送る移送管3cに、上述したセメント製造設備のプレヒータ3から混合か焼炉12へとセメント原料を送る抜出ライン13が枝配管されている。これにより、プレヒータ3において予熱されたか焼前のセメント原料が、混合か焼炉12へ導入されるようになっている。
 次に、上記第1および第2の実施形態に示したCO2ガスの回収設備を用いた本発明に係るCO2ガスの回収方法の一実施形態について説明する。
 先ずセメント原料を、供給管4、11から各々プレヒータ3、第2のプレヒータ10の最上段のサイクロンに供給する。
 すると、プレヒータ3においては、順次下方のサイクロンへと送られる過程で、従来と同様にロータリーキルン1から排ガス管3bを介して供給される排ガスによって予熱される。そして、か焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱された上記セメント原料が、抜出ライン13から混合か焼炉12へと供給されてゆく。
 他方、第2のプレヒータ10に供給されたセメント原料は、後述する混合か焼炉12から排出された高濃度かつ高温のCO2ガスによって予熱され、最終的にか焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱されて混合か焼炉12へと供給されてゆく。
 そして、この混合か焼炉12に供給されたセメント原料は、過熱ライン14から過熱炉15に送られ、ここでバーナ17によってか焼温度以上(例えば、約1100℃)に過熱された後に、排気管18から排出されてサイクロン19において固気分離され、セメント原料については、戻り管20から混合か焼炉12へと戻される。
 この結果、混合か焼炉12内においては、過熱されたセメント原料と、移送管10aおよび抜出ライン13から供給されたか焼前のセメント原料が混合されて、内部雰囲気がか焼温度以上(例えば、900℃)に保持され、これによりか焼前のセメント原料がか焼される。そして、この混合か焼炉12においてか焼されたセメント原料の多くが、再び過熱炉15へと循環供給される。他方、混合か焼炉12においてか焼されたセメント原料の一部は、戻りライン16からロータリーキルン1の窯尻部分2へと戻され、最終的にロータリーキルン1内で焼成される。
 他方、過熱炉15内で発生したCO2ガスを含む排ガスは、排ガス管21からロータリーキルン1の排ガス管3bへと送られ、ロータリーキルン1からの排ガスと共にプレヒータ3の熱媒体として利用される。
 これに対して、混合か焼炉12内は、上記セメント原料のか焼によって発生したCO2によって満たされるために、CO2排気管22からは、略100%の濃度の高温のCO2ガスが、第2のプレヒータ10における過熱媒体として導入される。この結果、CO2ガスの排気ライン24から、原料起源による略100%の濃度のCO2ガスを回収することができる。
 このように、上記セメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備によれば、過熱炉15におけるバーナ17の熱量は、従来仮焼炉において消費されていた熱量に相当するために、新たな付加エネルギーを必要とすることなく、上記セメント設備における熱源を有効活用して、当該セメント設備において発生するCO2ガスのうちの半分以上を占める原料起源によるCO2ガスを、100%に近い高い濃度で回収することができる。
(実施例)
 図1に示したセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備について、プロセスシミュレーションを行った。図7は、その結果を示すものである。
 ここで、プロセスシミュレーションとは、主に化学工学プラントにおける複数の単位操作を数学モデル化してプラント全体を表現し、繰り返し計算によって各所の物質流量、温度、圧力等を算出するものである。
 本実施例においては、平衡計算モデルの他、流路を所定の割合で分割する流量分割モデル、熱流を流路の入出力の温度差に変換するヒーターモデル、複数の分割された流路に各化学種を設定した割合で割り振るセパレーターモデル等を使用して、ロータリーキルン1、プレヒータ3、クリンカクーラ6、混合か焼炉12,過熱炉15等をモデル化した。
 このモデル化にあたって、第1のプレヒータ3と第2のプレヒータ10の各サイクロンでの熱交換では原料温度と排ガス温度とが等しくなるとした他、集塵効率を考慮した。また、最下段のサイクロンや混合か焼炉12における石灰石の熱分解量は、平衡計算をベースに決定されるものとした。また、過熱炉15の燃料量とロータリーキルン1の主バーナ5の燃料量は、それぞれ過熱炉15の出口温度とロータリーキルン1の出口のクリンカ温度が所定の温度となるように調整するとともに、過熱炉15や主バーナ5の必要空気量は、それぞれ過熱炉15やロータリーキルン1の出口の酸素濃度が所定の値となるように決定した。さらに、クリンカクーラ6の熱回収率を一定とした。
 このような解析条件の下で、混合か焼炉12でか焼されたセメント原料を、ロータリーキルンに1、過熱炉15に4の割合で割り振ったところ、過熱炉15と主バーナ5に供給された燃料の熱量原単位は、クリンカ1kg当たり712kcalであり、一般的なセメント製造プロセスと同等の値となった。
 また、第2のプレヒータ10からは、CO2が100%の濃度で回収され、その量は焼成されるクリンカ1kg当たり0.234kgであって、プレヒータ3から排出されるCO2を含めた全CO2排出量の29.2%に相当する。
 したがって、本発明によれば、回収された濃度100%のCO2を、熱源として第2のプレヒータ10において有効利用した後に回収することができ、よってセメント製造設備から排出されるCO2の総排出量を、29.2%削減し得ることが確認できた。また、CO2濃度が低いために有効利用が困難なプレヒータ3等から排出される燃料起源のCO2は、クリンカ1kg当たり0.566kg(濃度27.9%)と、通常のセメント製造プロセスから排出される値と比較して少なく、実質的なCO2の排出量も削減されていることが確認できた。
(第3の実施形態)
 図8は、本発明に係るセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備の第3の実施形態を示す概略構成図である。
 図8において、符号110は、セメント製造設備のプレヒータ(第1のプレヒータ)103とは独立して設けられた第2のプレヒータである。
 この第2のプレヒータ110は、上記プレヒータ103と同様に、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、最上段のサイクロンに供給ライン111からセメント原料が供給されるようになっている。そして、第2のプレヒータ110の最下段のサイクロンの底部には、移送管110aの上端が接続されるとともに、この移送管110aの下端部が混合か焼炉112に導入されている。
 他方、上記セメント製造設備のプレヒータ103においては、下から2段目のサイクロンから仮焼炉107へとセメント原料を送る移送管103cに、か焼前のセメント原料を抜き出す抜出ライン113が設けられ、この抜出ライン113の先端部が混合か焼炉112に導入されている。これにより、第2のプレヒータ110からのか焼前のセメント原料と、プレヒータ103からのか焼前のセメント原料とが、混合か焼炉112内に導入されるようになっている。さらに、この混合か焼炉112には、ロータリーキルン101から排出されてセメントクリンカクーラ106へ送られる前の高温(約1400℃)のセメントクリンカの一部を抜き出して供給するためのセメントクリンカ供給ライン114が接続されている。
 この混合か焼炉112は、上記か焼前のセメント原料と高温のセメントクリンカとを混合する、例えば流動床式、ロータリーキルン式、充填層式等の粉体混合炉であり、セメントクリンカ供給ライン114から送られてくる高温のセメントクリンカによって内部がセメント原料のか焼温度以上の温度雰囲気下に保持されるようになっている。
 他方、混合か焼炉112の底部には、当該混合か焼炉内においてか焼されたセメント原料とセメントクリンカとの混合粉体を抜き出して、上記最下段のサイクロンからロータリーキルン101への移送管103aに戻す循環ライン115が接続されている。
 さらに、混合か焼炉112の上部には、内部で生成したCO2ガスを排出するためのCO2排ガスライン116が接続されるとともに、このCO2排ガスライン116が、第2のプレヒータ110における加熱媒体として導入されている。なお、図中符号117は、CO2ガスの排気ファンであり、符号118は、CO2ガスの排気ラインである。
 ちなみに、混合か焼炉112として、流動床式のものを用いた場合には、当該混合か焼炉112から排出されたCO2ガスを、CO2排ガスライン116や排気ライン118から抜き出して、再び混合か焼炉112に循環供給して使用することもできる。
 次に、上記構成からなるCO2ガスの回収設備を用いた本発明に係るCO2ガスの回収方法の一実施形態について説明する。
 先ずセメント原料を、供給管104、111から各々プレヒータ103、第2のプレヒータ110の最上段のサイクロンに供給する。
 すると、プレヒータ103においては、順次下方のサイクロンへと送られる過程で、従来と同様にロータリーキルン101から排ガス管103bを介して供給される排ガスによって予熱される。そして、下から2段目のサイクロンから仮焼炉107へと送られる前のセメント原料、すなわち、か焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱された上記セメント原料が、抜出ライン113から混合か焼炉112へと供給されてゆく。
 他方、第2のプレヒータ110に供給されたセメント原料は、後述する混合か焼炉112からCO2排ガスライン116を介して排出された高濃度かつ高温のCO2ガスによって予熱され、最終的にか焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱されて混合か焼炉112へと供給されてゆく。
 さらに、この混合か焼炉112には、セメントクリンカ供給ライン114から高温(約1400℃)のセメントクリンカの一部が送られてくる。これにより、当該混合か焼炉112内において、上記セメント原料とセメントクリンカとが混合されてか焼温度以上(例えば、900℃)に保持され、か焼前のセメント原料がか焼される。
 そして、混合か焼炉112においてか焼されたセメント原料およびセメントクリンカは、循環ライン115を介してプレヒータ103の移送管103aからロータリーキルン101の窯尻部分102へと供給されてゆく。
 他方、混合か焼炉112内は、上記セメント原料のか焼によって発生したCO2によって満たされるために、CO2排ガスライン116からは、略100%の濃度の高温のCO2ガスが、第2のプレヒータ110における加熱媒体として導入される。この結果、CO2ガスの排気ライン118から、原料起源による略100%の濃度のCO2ガスを回収することができる。
 このように、上記セメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備によれば、新たな付加エネルギーを必要とすることなく、上記セメント設備における熱源を有効活用して、当該セメント設備において発生するCO2ガスのうちの半分以上を占める原料起源によるCO2ガスを、100%に近い高い濃度で回収することができる。
(実施例)
 図8に示したセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備について、プロセスシミュレーションを行った。図9は、その結果を示すものである。
 ここで、プロセスシミュレーションとは、主に化学工学プラントにおける複数の単位操作を数学モデル化してプラント全体を表現し、繰り返し計算によって各所の物質流量、温度、圧力等を算出するものである。
 本実施例においては、平衡計算モデルの他、流路を所定の割合で分割する流量分割モデル、熱流を流路の入出力の温度差に変換するヒーターモデル、複数の分割された流路に各化学種を設定した割合で割り振るセパレーターモデル等を使用して、ロータリーキルン101、プレヒータ103、クリンカクーラ106、仮焼炉107、混合か焼炉112等をモデル化した。
 このモデル化にあたって、第1のプレヒータ103および第2のプレヒータ110等の各サイクロンでの熱交換では原料温度と排ガス温度とが等しくなるとした他、集塵効率を考慮した。また、最下段のサイクロンや仮焼炉107、混合か焼炉112における石灰石の熱分解量は、平衡計算をベースに決定されるものとした。また、仮焼炉107の燃料量とロータリーキルン101の主バーナ105の燃料量は、それぞれ仮焼炉107の出口温度とロータリーキルン101の出口のクリンカ温度が所定の温度となるように調整するとともに、仮焼炉107や主バーナ105の必要空気量は、それぞれ仮焼炉107やロータリーキルン101の出口の酸素濃度が所定の値となるように決定した。さらに、クリンカクーラ106の熱回収率を一定とした。
 このような解析条件の下で、ロータリーキルン101においてセメント原料が焼成されることによって得られたセメントクリンカを、クリンカクーラ106に4割、混合か焼炉112に106割で割り振って上記セメント製造設備におけるセメントの製造を行ったところ、仮焼炉107と主バーナ105に供給された燃料の熱量原単位は、クリンカ1kg当たり682kcalであり、一般的なセメント製造プロセスと同等の値となった。
 また、第2のプレヒータ110からは、CO2が100%の濃度で回収され、その量は焼成されるクリンカ1kg当たり0.188kgであって、プレヒータ103から排出されるCO2を含めた全CO2排出量の24.0%に相当する。
 したがって、本発明によれば、回収された濃度100%のCO2を、第2のプレヒータ110において有効利用した後に回収することができ、よってセメント製造設備から排出されるCO2の総排出量を、24.0%削減し得ることが確認できた。また、CO2濃度が低いために有効利用が困難なプレヒータ103等から排出される燃料起源のCO2は、クリンカ1kg当たり0.593kg(濃度31.4%)と、通常のセメント製造プロセスから排出される値と比較して少なく、実質的なCO2の排出量も削減されていることが確認できた。
(第4の実施形態)
 図10は、本発明に係るセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備の第4の実施形態を示すもので、図8に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
 この回収設備が、図8に示したものと相違する点は、混合仮焼炉112の底部に接続された排出管112aの下方に、排出されたセメント原料とセメントクリンカとを、互いの粒度の相違によって分離するスクリーン等の分級装置(分離手段)120が設けられていることにある。
 そして、この分級装置120によって分離されたセメントクリンカは、戻りライン121からセメントクリンカクーラ106内へと供給されるとともに、か焼後のセメント原料は、戻りライン122を介してプレヒータ103における最下段のサイクロンからロータリーキルン101の窯尻部分102への移送管103aに戻されるようになっている。
 上記構成からなる回収設備においては、混合仮焼炉112においてか焼されて排出管112aから抜き出されたか焼後のセメント原料とセメントクリンカとの混合粉体が、分級装置120において概略分離されて、セメントクリンカについては戻りライン121からセメントクリンカクーラ106内へと供給されるとともに、か焼されたセメント原料については、戻りライン122によってプレヒータ103における最下段のサイクロンからロータリーキルン101の窯尻部分102への移送管103aに戻され、最終的にロータリーキルン101内で焼成される。
 このため、単にセメントキルン101から抜き出したセメントクリンカの一部のみで、混合か焼炉112におけるセメント原料のか焼に充分な熱量を得ることができる場合には、上記セメントクリンカが再び焼成工程に送られて、余分なロータリーキルン101の駆動電力等を消費することがないという利点がある。
(第5の実施形態)
 図11は、本発明に係るセメント製造設備おけるCO2ガスの回収設備の第5の実施形態を示す概略構成図である。
 図11において、符号210は、セメント製造設備のプレヒータ(第1のプレヒータ)203とは独立して設けられた第2のプレヒータである。
 この第2のプレヒータ210は、上記プレヒータ203と同様に、上下方向に直列的に配置された複数段(図では4段)のサイクロン210a~210dによって構成されており、最上段のサイクロン210aに供給ライン211からセメント原料が供給されるようになっている。
 また、この第2のプレヒータ210に隣接して、外熱か焼炉212が設けられている。
 この外熱か焼炉212は、石炭等の化石燃料を燃焼させるバーナ213が設けられるとともに、クリンカクーラ206からの抽気が給気管214から燃焼用空気として導入されることにより、内部を略1100℃に加熱するもので、この外熱か焼炉212内には、熱交換チューブ212aが配設されている。そして、この外熱か焼炉212と第2のプレヒータ210との間には、循環ライン215が配管されている。
 この循環ライン215は、熱交換チューブ212aの排出側と第2のプレヒータ210の最下段のサイクロン(固気分離手段)210dの流体導入口との間に配管されるとともに、第2のプレヒータ210の最上段のサイクロン210aの排気ライン(回収ライン)216から枝配管されて、外熱か焼炉212の熱交換チューブ212aの入口側に接続されている。ここで、上記循環ライン215は、熱交換チューブ212aの排出側と第2のプレヒータ210における他のサイクロン210c、210bまたは210aの流体導入口との間に配管することも可能である。なお、図中符号217は、排気ライン216に設けられたCO2ガスの排気ファンである。
 そして、上記セメント製造設備のプレヒータ203においては、最下段のサイクロンからか焼前のセメント原料を抜き出す第1の抜出ライン218が設けられ、この第1の抜出ライン218の先端部が循環ライン215の外熱か焼炉212への入口側に接続されている。また、第2のプレヒータ210においては、下から2段目のサイクロン210cからか焼前の他のセメント原料を抜き出す第2の抜出ライン219が設けられ、その先端部も同様に循環ライン215の外熱か焼炉212への入口側に接続されている。
 また、循環ライン215における第1および第2の抜出ライン218、219の接続部の上流側には、CO2循環ファン220が設けられている。
 他方、第2のプレヒータ210の最下段のサイクロン210dの底部には、当該サイクロン210dにおいて固気分離されて排出されたか焼後のセメント原料をロータリーキルン201の窯尻部分202へと送る移送管(戻りライン)221が設けられている。
 さらに、外熱か焼炉212の上部には、バーナ213における燃焼によって発生した排ガスを排気するための排ガス管222が設けられるとともに、この排ガス管222がロータリーキルン201からの排ガス管203bに接続されて、排気された高温の排ガスがプレヒータ203の熱源の一部として利用されるようになっている。
 なお、上記外熱か焼炉212内は、1100℃程度の高温に保持する必要があるのに対して、ロータリーキルン201からの排ガスは、1100~1200℃の温度であるために、当該ロータリーキルン201からの排ガスの全量または一定量を、排ガス管203bへ流さずに、直接外熱か焼炉212内に導入して、再び排ガス管222からプレヒータ203へと送るようにすれば、上記排ガスを有効利用することができる。
 次に、上記構成からなるCO2ガスの回収設備を用いた本発明に係るCO2ガスの回収方法の一実施形態について説明する。
 先ずセメント原料を、供給管204、211から各々プレヒータ203の最上段のサイクロンおよび第2のプレヒータ210の最上段のサイクロン210aに供給する。
 すると、プレヒータ203においては、順次下方のサイクロンへと送られる過程で、従来と同様にロータリーキルン201から排ガス管203bを介して供給される排ガスによって予熱される。そして、最下段のサイクロンにおいてか焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱された上記セメント原料が、第1の抜出ライン218から循環ライン215へと供給されてゆく。
 他方、第2のプレヒータ210に供給されたセメント原料は、後述する循環ライン215から排出された高濃度かつ高温のCO2ガスによって予熱され、下から2段目のサイクロン210cにおいて、か焼温度に達する前(例えば、約750℃)まで予熱され、第2の抜出ライン219から同様に循環ライン215へと供給されてゆく。
 そして、これら第1および第2の抜出ライン218、219から循環ライン215へと供給されたか焼前のセメント原料は、外熱か焼炉212内の熱交換チューブ212aへと送られ、この外熱か焼炉212内においてバーナ213の燃焼により約900℃に加熱される。この結果、か焼前の上記セメント原料がか焼されるとともに、これに伴ってCO2ガスが発生することにより、熱交換チューブ212a内はか焼されたセメント原料と高濃度のCO2ガスによって満たされる。
 次いで、外熱か焼炉212内の熱交換チューブ212aから循環ライン215を通じて排出されたか焼後のセメント原料および高濃度のCO2ガスは、第2のプレヒータ210の最下段のサイクロン210dに送られて固気分離される。そして、このサイクロン210dにおいて分離されたか焼後のセメント原料は、移送管221からロータリーキルン201の窯尻部分202へと供給され、最終的にロータリーキルン201内において焼成される。
 これに対して、サイクロン210dにおいて分離された高濃度のCO2ガスは、第2のプレヒータ210における排気ライン216を上昇し、第2のプレヒータ210における熱媒体として利用された後に、その一部がCO2循環ファン220の吸引によって、再び循環ライン215から外熱か焼炉212内の熱交換チューブ212aへと循環される。これにより、循環ライン215中のか焼されたセメント原料を容易に搬送することができるとともに、当該セメント原料を分散させて、一層か焼され易くすることもできる。そして、略100%の濃度のCO2ガスは、CO2ガスの排気ファン217によって排気ライン216から回収される。
 このように、上記セメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法および回収設備によれば、新たな付加エネルギーを必要とすることなく、上記セメント設備における熱源を有効活用して、当該セメント設備において発生するCO2ガスのうちの半分以上を占める原料起源によるCO2ガスを、100%に近い高い濃度で回収することができる。
 1 ロータリーキルン(セメントキルン)
 3 プレヒータ(第1のプレヒータ)
 10 第2のプレヒータ
 10a 移送管
 12 混合か焼炉
 13 抜出ライン
 14 過熱ライン
 15 過熱炉
 16 戻りライン
 18 排気管
 19 サイクロン
 20 戻り管
 22 CO2ガス排気管
 101 ロータリーキルン(セメントキルン)
 103 プレヒータ(第1のプレヒータ)
 110 第2のプレヒータ
 110a 移送管
 112 混合か焼炉
 112a 排出管
 113 抜出ライン
 114 セメントクリンカ供給ライン
 115 循環ライン
 116 CO2排ガスライン
 120 分級装置(分離手段)
 121 セメントクリンカの戻りライン
 122 セメント原料の戻りライン
 201 ロータリーキルン(セメントキルン)
 203 プレヒータ(第1のプレヒータ)
 210 第2のプレヒータ
 210d 最下段のサイクロン(固気分離手段)
 212 外熱か焼炉
 212a 熱交換チューブ
 215 循環ライン
 216 CO2の排気ライン(回収ライン)
 218 第1の抜出ライン
 219 第2の抜出ライン
 221 移送管(戻りライン)

Claims (17)

  1.  セメント原料を、第1のプレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、
     上記第1のプレヒータから抜き出されたか焼前の上記セメント原料を、過熱炉においてか焼温度以上に過熱した後に、混合か焼炉に供給して上記第1のプレヒータから抜き出されて当該混合か焼炉に供給される新たなか焼前の上記セメント原料と混合することにより、当該混合か焼炉内をか焼温度以上に保持して上記か焼前の上記セメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料を再び上記過熱炉に戻して上記混合か焼炉へ循環させる工程を繰り返すことにより、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するとともに、か焼された上記セメント原料の一部を、上記セメントキルンに供給することを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  2.  上記第1のプレヒータから抜き出されたか焼前の上記セメント原料と、上記第1のプレヒータから独立した第2のプレヒータで予熱されたか焼前の他のセメント原料とを、上記混合か焼炉に供給するとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とする請求項1に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  3.  セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、
     上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料が導入される混合か焼炉と、この混合か焼炉から供給される上記セメント原料をか焼温度以上に過熱する過熱炉と、この過熱炉で過熱された上記セメント原料を上記混合か焼炉に戻すとともに上記混合か焼炉内の上記セメント原料を上記過熱炉へ送る循環ラインと、か焼された上記セメント原料の一部を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内で発生したCO2ガスを回収するCO2ガス排気管とを備えてなることを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  4.  上記第1のプレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱されたか焼前の上記他のセメント原料を上記混合か焼炉に供給する移送管とを備え、かつ上記混合か焼炉からの上記CO2ガス排気管が、上記第2のプレヒータの熱源として導入されていること特徴とする請求項3に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  5.  セメント原料を、第1のプレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成してセメントクリンカを製造するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、
     上記第1のプレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料を混合か焼炉に供給するとともに、上記セメントキルンから排出された高温の上記セメントクリンカの一部を上記混合か焼炉に導入することにより、上記混合か焼炉内をか焼温度以上に保持して上記か焼前の上記セメント原料をか焼した後に、少なくとも上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収することを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  6.  上記第1のプレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料と、上記第1のプレヒータから独立して設けられた第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料とを上記混合か焼炉に供給するとともに、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とする請求項5に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  7.  上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とする請求項5に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  8.  上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とする請求項6に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  9.  上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料と上記セメントクリンカとを分離して、上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とする請求項5に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  10.  上記混合か焼炉内においてか焼された上記セメント原料と上記セメントクリンカとを分離して、上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻すことを特徴とする請求項6に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  11.  セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、
     上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料および上記セメントキルンから抜き出した高温の上記セメントクリンカの一部が導入されて当該セメント原料をか焼する混合か焼炉と、この混合か焼炉においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するCO2排ガスラインとを備えてなることを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  12.  セメント原料を予熱する第1のプレヒータと、この第1のプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、
     上記第1のプレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す抜出ラインと、この抜出ラインから抜き出された上記セメント原料および上記セメントキルンから抜き出した高温の上記セメントクリンカの一部が導入されて当該セメント原料をか焼する混合か焼炉と、この混合か焼炉においてか焼された上記セメント原料および上記セメントクリンカを分離する分離手段と、この分離手段において分離された上記セメント原料を上記第1のプレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記混合か焼炉内において発生したCO2ガスを回収するCO2排ガスラインとを備えてなることを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  13.  上記第1のプレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱されたか焼前の上記他のセメント原料を上記混合か焼炉に供給する移送管とを備え、かつ上記混合か焼炉からの上記CO2排ガスラインが、上記第2のプレヒータの熱源として導入されていること特徴とする請求項11または12に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  14.  セメント原料を、プレヒータで予熱した後に、内部が高温雰囲気に保持されたセメントキルンに供給して焼成するセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための方法であって、
     上記プレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料を、外熱式か焼炉において間接的にか焼温度以上の温度に加熱して上記か焼前のセメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料と上記か焼時に発生したCO2ガスとを分離して、上記セメント原料を上記プレヒータまたは上記セメントキルンに戻すとともに、上記CO2ガスを回収することを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  15.  上記プレヒータから抜き出したか焼前の上記セメント原料と、上記プレヒータから独立して設けられた複数段のサイクロンを有する第2のプレヒータにおいてか焼前の温度まで予熱された他のセメント原料とを、上記外熱式か焼炉において間接的にか焼温度以上の温度に加熱してか焼前の上記セメント原料をか焼した後に、か焼された上記セメント原料と上記か焼時に発生したCO2ガスとを上記サイクロンによって分離して、上記CO2ガスを上記第2のプレヒータの熱源として利用した後に回収することを特徴とする請求項14に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収方法。
  16.  セメント原料を予熱するプレヒータと、このプレヒータによって予熱された上記セメント原料を焼成するセメントキルンとを備えたセメント製造設備において発生するCO2ガスを回収するための設備であって、
     上記プレヒータからか焼前の上記セメント原料を抜き出す第1の抜出ラインと、この第1の抜出ラインが内部に導入されて上記セメント原料を間接的にか焼温度以上の温度に加熱してか焼する外熱式か焼炉と、この外熱式か焼炉の出口側に設けられて上記第1の抜出ラインから送られてくるか焼された上記セメント原料とCO2ガスとを分離する固気分離手段と、この固気分離手段によって分離された上記セメント原料を上記プレヒータまたは上記セメントキルンに戻す戻りラインと、上記固気分離手段によって分離されたCO2ガスを回収するCO2ガスの回収ラインとを備えてなることを特徴とするセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
  17.  上記プレヒータから独立して設けられて他のセメント原料を予熱する複数段のサイクロンを備えた第2のプレヒータと、この第2のプレヒータで予熱された上記他のセメント原料を抜き出す第2の抜出ラインと、上記外熱式か焼炉の排出側と上記第2のプレヒータの下段の上記サイクロンとの間に接続されるとともに、上段の上記サイクロンの排気ラインから枝配管されて上記外熱式か焼炉の入口側に接続された循環ラインとを有し、
     かつ上記固気分離手段は、上記第2のプレヒータの上記下段のサイクロンであるとともに、上記第1の抜出ラインおよび第2の抜出ラインは、上記循環ラインの上記外熱式か焼炉の上流側に接続されていることを特徴とする請求項16に記載のセメント製造設備におけるCO2ガスの回収設備。
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