WO2009104822A1 - 水素分子を含む網膜虚血性疾患治療薬 - Google Patents

水素分子を含む網膜虚血性疾患治療薬 Download PDF

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小原澤英彰
大澤郁朗
五十嵐勉
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Abstract

 水素分子を含む緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬、特に緑内障において眼圧下降治療を行う際に投与される緑内障治療薬の提供。 水素分子を含む液体からなる緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬。

Description

明 細 書 水素分子を含む網膜虚血性疾患治療薬 技術分野
本発明は緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬に関する。 特に、 緑内障において上 昇した眼圧を低下させる眼圧下降治療時に投与される緑内障治療薬に関する。 背景技術
緑内障は、 日本では最近になって糖尿病網膜症を抜いて 1番目の失明の原因と なっている。 緑内障は、 何らかの原因で視神経が障害され視野 (見える範囲) が 狭くなる病気で、 眼圧の上昇が主な病因である。 視神経乳頭の異常と特徴的な視 野の変化の両方あるいはどちらかがあり、 眼圧を十分に下げることで視神経障害 の改善あるいは進行を防止できる可能性のある病気と緑内障は定義される。 現在の緑内障治療の基本は、 眼圧を下げることを主眼においている。 その治療 として点眼薬、 内服薬、 点滴療法、 レーザ手術、 外科手術がある。 視野欠損の程 度の少ない発症初期には点眼薬により様子を見るが、 視野欠損の進行具合と視神 経の障害の程度から判断して、 外科的手術をすることも少なくない。
眼圧を下げる緑内障の治療薬としては、 ]3 -プロッカーやピロカルピンの点眼薬 による治療が行われている。 また、 眼圧下降作用を有する薬剤を組み合わせて使 用することも行われている。 例えば、 プロスタグランジン類と交感神経遮断薬と の組み合わせの投与(特許文献 1 )、眼圧下降作用を有する薬剤を組合せた投与(特 許文献 2 ) 及び Rhoキナーゼ阻害剤と ]3遮断薬を組合せた投与 (特許文献 3 ) 等 について報告されていた。
しかしながら、 眼圧を急激に下げることで、 網膜にアポトーシス (細胞死) が 誘引され、 網膜の各層が薄くなつてしまい治療効果が上がらないだけでなく、 悪 化する場合が多々あった。
緑内障は網膜虚血 ·再還流障害による網膜虚血性疾患であり、 その他、 網膜虚 血性疾患として、 網膜血管閉塞症、 眼動脈閉塞症、 糖尿病性網膜症、 高血圧性網 膜症、 黄斑変性症等がある。 これらの網膜虚血性疾患に広く用い得る治療薬が望 まれていた。
特許文献 1 特許第 2726672号公報
特許文献 2 国際公開 W002/38158号パンフレッ ト
特許文献 3 特開 2004-182723号公報 発明の開示
本発明は、 水素分子を含む緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬、 特に緑内障にお いて眼圧下降治療を行う際に投与される緑内障治療薬の提供を目的とする。 本発明者らは、 ラットを用いた緑内障モデル実験において、 水素を含んだ生理 的食塩水を眼球に滴下することで、 急激な眼圧の変化に対して障害が著しく減少 することを見出した。 緑内障の治療時に水素を含む液体を眼に投与することで、 治療効果を著しく向上させ得る。 また、 本発明者らは、 網膜虚血 ·再還流障害に よる網膜の疾患において、 水素を含んだ生理的食塩水を眼球に滴下することで、 障害が改善されることを見出した。
すなわち、 本発明は以下のとおりである。
[ 1 ] 水素分子を含む液体からなる網膜虚血性疾患治療薬。
[ 2 ] 網膜虚血性疾患が緑内障、 網膜血管閉塞症および眼動脈閉塞症からなる群 から選択される、 [ 1 ]の網膜虚血性疾患治療薬。
[ 3 ] 緑内障治療薬である [ 2 ]載の網膜虚血性疾患治療薬。
[ 4 ] 水素分子が 0. lppm (0. 05mM) 以上含まれる、 [ 1 ]〜 [ 3 ]のいずれかの網膜 虚血性疾患治療薬。
[ 5 ] 点眼剤である [ 1 ]〜 [ 4 ]のいずれかの網膜虚血性疾患治療薬。
[ 6 ] 緑内障の眼圧下降治療時に投与されることを特徴とする、 [ 1 ]〜[ 5 ]のい ずれかの網膜虚血性疾患治療薬。
[ 7 ] 緑内障のレーザ又は外科手術による眼圧下降治療時に眼に連続的に滴下さ れる [ 6 ]の網膜虚血性疾患治療薬。
[ 8 ] 緑内障の眼圧下降治療剤と併用される [ 6 ]の網膜虚血性疾患治療薬。 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願 2008-040065号の明細書 および zまたは図面に記載される内容を包含する 図面の簡単な説明
図 1は、 ラットの正常網膜像を示す写真である。
図 2は、 眼圧下降治療時に水素を含む緑内障治療薬を投与したラットの網膜像 を示す写真である。
図 3は、 眼圧下降治療時に水素を含まない生理食塩水を投与したラットの網膜 像を示す写真である。
図 4は、 水素を含む緑内障治療薬を投与した場合の効果を示す図である。 図 5は、 水素点眼薬投与によるラットの眼内水素濃度変化を示す図である。 図
5 Aは、硝子体における水素濃度変化を示し、 図 5 Bは眼球表面における水素濃度 変化を示す。
図 6は、 水素点眼薬投与によるラットの眼球表面と硝子体の水素濃度を示す図 である。
図 7は、 水素点眼薬投与によるヒ ドロキシラジカルの蓄積抑制効果を示す写真 である。 未処置の網膜を図 7 A に、 虚血 ·再還流時に生理食塩水を投与したもの を図 7 Bに、 水素点眼薬を投与したものを図 7 Cに示す。
図 8は、 水素点眼薬の投与により、 虚血 ·再還流で増加した網膜のヒ ドロキシ ラジカルの抑制を示す図である。
図 9は、 ラット網膜虚血 ·再還流により増加したアポトーシス細胞の水素点眼 薬投与による抑制を示す写真である。
図 1 0は、 ラヅト網膜虚血 ·再還流により増加したアポトーシス細胞の水素点 眼薬投与による抑制を示す図である。
図 1 1は、 ラッ ト網膜虚血 ·再還流により増加した 4-ヒ ドロキシノネナ一ル (4HNE) の水素点眼薬投与による抑制を示す写真である。
図 1 2は、 ラッ ト網膜虚血 ·再還流により増加した 4-ヒ ドロキシノネナール (4HNE) の水素点眼薬投与による抑制を示す図である。
' 図 1 3は、 ラット網膜虚血 ·再還流により増加した 8-ヒ ドロキシ 2-ォキソグァ ノシン (80HdG) の水素点眼薬投与による抑制を示す写真である。 図 1 4は、 ラッ ト網膜虚血'再還流により増加した 8-ヒ ドロキシ 2-ォキソグァ ノシン (80HdG) の水素点眼薬投与による抑制を示す図である。
図 1 5は、 ラッ ト網膜虚血 ·再還流による網膜の厚み低下を水素点眼薬投与が 抑制することを示す写真である。
図 1 6は、 ラット網膜虚血 ·再還流による網膜の厚み低下を水素点眼薬投与が 抑制することを示す図である。
図 1 7は、 水素点眼薬によるラット網膜虚血 ·再還流により引き起こされる網 膜の厚み低下抑制効果を検討する実施例の投与期間を示す図である。
図 1 8は、 水素点眼薬によるラット網膜虚血 ·再還流により引き起こされる網 膜の厚み低下抑制効果を の投与期間の影響を示す図である。
図 1 9は、 ラット網膜虚血 ·再還流による網膜でのグリア細胞の活性化とその 水素点眼薬投与による抑制効果を示す写真である。
図 2 0は、 ラット網膜虚血 ·再還流による網膜でのグリァ細胞の活性化とその 水素点眼薬投与による抑制効果を示す図である。
図 2 1ば、 ラッ ト網膜虚血 ·再還流による網膜での活性化ァストロサイ ト及ぴ ミユーラ一細胞の活性化とその水素点眼薬投与による抑制効果を示す写真である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
本発明の緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、 少なく とも水素分子を含む。 水 素分子は水又は水溶液中にある程度の時間溶けていることができる。 このような 水素分子が飽和状態の水又は水溶液は、 加圧下において水素ガスを水又は水溶液 に溶解させた後に圧力を取り除くことにより簡単に製造し得る。 例えば、 水溶液 を 0. 4MPa以上の水素ガス圧下に数時間、好ましくは 1〜3時間おけばよい。 ある いは、 水素ガスを満たした容器に水溶液を入れておいてもよい。 あるいは大量に 水素水を製造する装置で短時間で製造してもよい。 このような装置として、 管路 を流れている加圧状態の液体に対して直接加圧状態の水素を接触させることによ り、 水素を液体に効率的に迅速に溶解させる装置が挙げられる。
水素 1気圧、 室温条件で水素は水 1 L当たり約 17. 5raL溶存し得る (約 1. 6ppra、 約 0. 8 mM) 0本発明の水素分子を含む液体組成物は、水溶液 1 L当たり、 lmL以上、 好ましくは 10mL以上、 特に好ましくは 17. 5mL以上の水素分子を含む。 また、 本 発明の水素分子を含む液体組成物は、 0. lppm以上、 好ましくは l ppm以上、 特に 好ましくは 1. 5ppm以上の水素分子を含む。 また、本発明の水素分子を含む液体組 成物は、 0. 05mM以上、 好ましくは 0. 4mM以上、 さらに好ましくは 0. 6mM、 特に好 ましくは 0. 8mM以上の水素を含む。
本発明の緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、生理食塩水、リン酸ナトリゥム、 酢酸ナトリゥム等の緩衝液に水素を溶解させ製造することができる。 本発明の緑 内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、 さらに、 通常水性点眼液に用いられる添加剤 を含有させることができる。 このような添加剤としては、 例えば保存剤、 等張化 剤、 安定化剤又は pH調整剤等が用いられる。 保存剤としては、 塩化ベンザルコニ ゥム、 パラベン等が挙げられ、 等張化剤としては、 グリセリン、 ブドウ糖、 マン 二トール、 ソルビトール等が挙げられ、安定化剤としては、クェン酸ナトリゥム、 ェデト酸ナトリゥム等が挙げられる。 pHは水性点眼液に許容される範囲内にあれ ばよく、 pH 4〜 8の範囲が好ましい。
本発明の緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、 例えば、 緑内障において上昇し た眼圧を下降させる治療を行う際に投与すればよい。 上昇した眼圧を下降させる 治療として、 レーザ虹彩切開術、 レーザ線維柱帯形成術、 レーザ隅角形成術、 毛 様体光凝固術、レーザ切糸術等のレーザ治療が挙げられ、さらに線維柱帯切除術、 非穿孔性線維帯切除術、 全層ろ過手術、 セトン手術等のろ過手術、 線維柱帯切開 術、 隅角癒着解離術、 隅角切開術等の房水流出路再建術、 周辺虹彩切除術等の瞳 孔ブロックを解消する手術、 毛様体破壊術などの外科的手術 (観血的手術) が挙 げられる。 また、 治療薬投与によっても上昇した眼圧を下降させることができ、 そのような眼圧下降治療剤として、 以下のものが挙げられる。
交感神経刺激薬
ェピネフリン、 ジピべフリン等の受容体非選択性刺激薬
アブラクロ二ジン等の α 2受容体選択性刺激薬
交感神経遮断薬
チモローノレ、 力ノレテオローノレ、 べフノロ一ノレ、 レボブノロ一ノレ. ベタキソロー ル等の β
遮断薬
二プラジロール等の α ]3遮断薬
ブナゾシン等の α ι受容体選択性遮断薬
副交感神経刺激薬
ピロカルピン、 カルバコール等
プロスタグランジン関連薬
ウノプロス トン、 ラタノプロス ト等
炭酸脱水素酵素阻害薬
ドルゾラミ ド (点眼薬)、 ァセタゾラミ ド (内服薬) 等
高張浸透圧薬
マンニトール、 グリセリン、 イソソルビド等
眼圧下降治療剤による眼圧下降治療は、 上記の治療薬を併用することもあり、 例えば、 交換神経 ]3遮断薬と交感神経刺激薬の併用、 プロスタグランジン関連約 とピロカルピンの併用等が挙げられる。
上記のレーザ治療、 外科的治療及び眼圧下降治療剤を用いる眼圧下降治療にお いては、 眼圧の低下により網膜細胞にアポトーシスが誘導され、 網膜の各層が薄 くなつてしまい治療効果が上がらないだけでなく、 悪化する場合もある。 本発明 の水素分子を含む緑内障治療薬は、 このような眼圧の低下による障害を抑制し、 網膜の厚さを保ち、 眼圧下降治療の効果を高めることができる。 すなわち、 本発 明の水素分子を含む緑内障治療薬は、 好ましくは眼圧下降治療時に投与される。 本発明の水素を含む緑内障治療薬は、 緑内障の眼圧下降治療における障害、 特に 網膜の障害を改善するための改善薬でもある。 また、 本発明の水素を含む緑内障 治療薬は、 上記の眼圧下降治療剤と併用することができる。 本発明は、 水素分子 を含む緑内障治療薬と上記の眼圧下降治療剤を含む緑内障治療のためのキッ トを 包含する。
ここで、 眼圧降下治療時とは、 上記の種々の方法による眼圧降下治療の前、 最 中及び後のいずれか又はすベてを含む。
さらに、 本発明の水素分子を含む治療薬は、 網膜虚血性疾患の治療に用いるこ とができる。 網膜虚血性疾患とは、 網膜の血管障害による、 網膜虚血 .再環流障 害'を伴う疾患であり、 網膜中心動脈閉塞や網膜中心静脈閉塞などの網膜血管閉塞 症、 眼動脈閉塞症、 糖尿病性網膜症、 高血圧性網膜症、 黄斑変性症等が挙げられ る。 本発明の水素を含む網膜虚血性疾患治療薬は、 網膜虚血 ·再環流障害におい て増加した網膜のヒ ドロキシラジカルの生成を抑制し、 前記障害によるアポトー シス細胞死を抑制し、 前記障害による酸化ス トレス障害を抑制する。 また、 本発 明の水素を含む網膜虚血性疾患治療薬を投与することにより、 網膜虚血 ·再環流 障害による網膜厚減少を抑制することができる。 さらに、 本発明の水素を含む網 膜虚血性疾患治療薬は、網膜虚血 ·再環流障害による活性化ミク口グ yァの増加、 活性化ァストロサイ ト及びミューラー細胞の増加を抑制し、 網膜の損傷を抑制し 得る。
本発明の水素を含む緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、 好ましくは点眼剤で ある。 投与回数は、 特に限定されないが、 1回又は数回に分けて投与するのが好 ましく、 液体点眼剤を、 1回に 1〜数滴点眼すればよい。 また、 例えば、 眼圧下 降治療の際に、 連続して滴下してもよい。
例えば、 レーザ治療及び外科的手術の場合は、 レーザ治療又は外科的手術を行 う際に、 治療前、 治療中及び治療後のいずれかのとき、 又はすベてのときに本発 明の水素を含む緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬 連続して滴下すればよい。 ま た、 眼圧を下降させるための治療薬により治療を行う場合は、 眼圧を下降させる ための治療薬を投与する期間、 その前、 及びその後のいずれか又はすベての期間 において、 本発明の水素を含む緑内障等の網膜虚血性疾患治療用点眼薬を投与す ればよい。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、 本発明はこれらの実施例 によって限定されるものではない。
なお、 実施例 2 〜 9で用いた網膜虚血 ·再還流傷害 (緑内障モデル) は次のよ うに作製した。 ペントバルビタール (体重 1キログラムあたり 100 ミリグラム) で麻酔をかけ、 仰向けにしたラット (Sprague-Dawley ラッ ト ;体重は 200〜250 グラム) の眼球に散瞳薬を点眼後、 上部に固定してある食塩水を入れた容器にチ ユーブで接続した 3 0ゲージの注射針を前眼房に挿入し、 100瞧 Hg にまで眼圧 ( intraocular pressure: IOP) を高め、 網膜を虚血状態にした。 その状態で 1時 間、 水素を飽和状態にまで溶解した生理的食塩水 (水素点眼薬、 pH 7. 2)、 または 対照として水素を含まない食塩水を眼球上に連続的に滴下した。 滴下速度は 1秒 間に 1滴 (約 67 L) とした。 次いで、 眼球内に挿入した注射針をはずして眼圧 を低下させ、 必要に応じてさらに水素を含む、 あるいは含まない生理的食塩水を 眼球上に滴下した。 一連の実験中、 ラットの体温は 3 7に保った。 また、 網膜の 虚血は光彩と眼底が白くなることで確認している。 動物の取り扱いは日本医科大 学動物実験委員会の承認を得て、眼及び視覚研究における動物利用の ARV0宣言に 従った。 実施例 1
麻酔をかけ、 側臥させたラット (Sprague- Dawley ラッ ト ;体重は 200〜250 グ ラム) の眼球内に、 上部に固定した食塩水を入れた容器に接続した注射針を挿入 し、 眼圧 ( intraocular pressure : IOP) を高めた。 眼圧は一時間かけて l lOmmHg にまで高めた。 その間、 水素を飽和状態にま 溶解した生理的食塩水、 または対 照として水素を含まない食塩水を眼球上に連続的に滴下した。 眼球内に挿入した 注射針をはずして、 眼圧を低下させ、 その後 3 0分後まで、 水素を含む、 あるい は含まない生理的食塩水を眼球状に滴下した。
一週間後、 眼球を取り外し、 0. 1Mのリン酸緩衝液中の 1 %ダルタルアルデヒ ド と 4 %パラホルムアルデヒ ドで組織を固定した。その後、視神経乳頭(optic nerve head) に沿って直角方向に切断し切片を作製した。 へマトキシリン ·ェォジン染 色液で染色し、 内側網膜 (inner ret inal thickness : IRT) の厚さを測定した。 図 1は操作をしなかった正常網膜の写真である。 図 2は、 眼圧を上昇させた時 と下降させた時に水素を含む生理的食塩水を滴下したラッ トの網膜の写真である。 図 3は、 眼圧を上昇させた時と下降させた時に水素を含まない生理的食塩水を滴 下したラッ トの網膜の写真である。 図 4は、 3回の実験例の側頭部側の網膜の厚 さの平均、 鼻側の網膜の厚さの平均及び 2力所の網膜の厚さの平均を示したもの で、 統計的に水素の有無で P〈0. 0001の有意な違いが認められた。
以上の実験から、 緑内障の高い眼圧を薬物、 レーザあるいは手術によって低下 させる時に、 水素を含んだ食塩水を滴下することが予後を良好に保つことがわ力 つた。 実施例 2
水素点眼薬は、 水素ガスを生理食塩水にバブルすることで飽和レベル (0. 8 mM) まで水素を溶存させ、 それをアルミ容器に封入することで作製した。 水素濃度は ニードルタイプの水素センサー (Uni sense社製、 Aarhus N、 デンマーク) で測定 した。 眼球表面の水素濃度はこのセンサーを表面に接触させることで (図 5 B)、 硝子体中の水素濃度はこのセンサーを強膜から硝子体に挿入することで測定した
(図 5 A)。水素点眼薬投与 2分後に眼球表面の水素濃度は飽和の約 6 0 %、 0. 5 mM に達した。 硝子体でも水素濃度は上がり続け、 1 5分後にピークに達した。 その 濃度は飽和の約 2 0 %、 0. 16 mM であった。 水素点眼薬投与停止後、 硝子体水素 濃度は徐々に減少し、 1 5分後には検出限界以下となった。硝子体の水素濃度は、 眼球表面の 1ノ 3程度であった (図 6 )。 実施例 3
虚血 ·再還流時に網膜で生じるヒ ドロキシラジカル (· 0Η) を永素点眼薬で消失 できるか調べた。虚血直前にヒ ドロキシラジカル の量に応じて蛍光強度が増大す る 2- [6- (4 _hydroxy) phenoxy- 3 ^xanthen - 3 - on - 9 - yl」 benzoate (HPF、 第一糸 ¾ 薬製、 東京) 1 mM を 4 レ 硝子体内注射した。 虚血 6 0分間に再還流 1 5分間 の計 7 5分間、 水素点眼薬またはコントロールの生理食塩水を点眼し続けた。 そ の直後に網膜を剥離し、 レーザー共焦点顕微鏡 (励起波長 488 mn、 ォリンパス社 製、 東京) で観察した。 未処置の網膜を図 7 A に虚血 '再還流時に生理食塩水を 投与したものを図 7 Bに水素点眼薬を投与したものを図 7 Cに示す。水素点眼薬の 投与により、 虚血 ·再還流で増加した網膜のヒ ドロキシラジカルは有意に抑制さ れた (図 8 )。 実施例 4
虚血 ·再還流で生じる網膜の傷害を水素点眼薬で抑制できるか、 虚血 ·再還流 後の網膜アポトーシス細胞死について調べた。 虚血 6 0分間に再還流 3 0分間の 計 9 0分間、 水素点眼薬またはコントロールの生理食塩水を点眼し続けた。 その 2 4時間後、 眼球を取り出して 4 %パラホルムアルデヒ ドで固定した。 3 0 %シ ョ糖で脱水後、 垂直経線に沿って視神経乳頭を通過するように凍結切片 (厚さ 10 ία) を作製した。 TdT- medi ated dUTP n i ck-end l abe l ing (TUNEL)陽性細胞 (ァ ポトーシス細胞) は市販のキット (CHEMIC0N 社製、 Norcros s、 GA、 USA) を用い て検出した。 未処置の網膜に比して虚血 ·再還流時に生理食塩水を投与したもの ではアポトーシス細胞が増加しているが、 水素点眼薬を投与したものでは陽性細 胞が顕著に低下しており、 水素点眼薬が網膜の虚血 ·再還流傷害によるアポトー シス細胞死を抑制していることが示された (図 9、 図 1 0 )。 実施例 5
虚血 ·再還流で生じる網膜の酸化ストレス傷害蓄積を水素点眼薬で抑制できる か、 虚血 '再還流後の 4-ヒ ドロキシノネナール (4 - HNE) 陽性細胞について調べ た。 4- HNE は脂質の過酸化により生じる猛毒なアルデヒ ドである。 虚血 6 0分間 に再還流 3 0分間の計 9 0分間、 水素点眼薬またはコントロールの生理食塩水を 点眼し続けた。 その 2 4時間後、 眼球を取り出してブアン固定液で固定した。 3 0 %ショ糖で脱水後、垂直経線に沿って視神経乳頭を通過するように凍結切片(厚 さ Ι Ο μ πι)を作製した。 4-ΗΝΕは抗 4-ΗΝΕ抗体(4 0 0倍希釈、 日本老化研究所製、 静岡) で検出した。 検出には ABCキット (Vector Lab、 Bur l i ngame , CA、 USA) を 用いた。 対比染色として細胞核をメチルグリーン (0. 5 % ) で染色した。 未処置の 網膜に比して虚血 ·再還流時に生理食塩水を投与したものでは 4-HNE陽性細胞が 増加している力 S、水素点眼薬を投与したものでは陽性細胞が顕著に低下しており、 水素点眼薬が網膜の虚血 ·再還流傷害による酸化ストレス傷害を抑制しているこ とが示された (図 1 1、 図 1 2 )。 実施例 6
虚血 ·再還流で生じる網膜の酸化ス トレス傷害蓄積を水素点眼薬で抑制できる か、 虚血 '再還流後の 8-ヒ ドロキシ 2 -ォキソグアノシン (8-OHdG) 陽性細胞につ いて調べた。 8- OHdGは核酸酸化の指標である。 虚血 6 0分間に再還流 3 0分間の 計 9 0分間、 水素点眼薬またはコントロールの生理食塩水を点眼し続けた。 その 2 4時間後、眼球を取り出してブアン固定液で固定した。 3 0 %ショ糖で脱水後、 垂直経線に沿って視神経乳頭を通過するように凍結切片 (厚さ ΙΟ μ ηι) を作製し た。 8- OHdGは抗 8- OHdG抗体 (2 0倍希釈、 日本老化研究所製、 静岡) で検出し た。 検出には ABCキット (Vector Lab、 Burl ingame, CA、 USA) を用いた。 対比染 色として細胞核をメチルグリーン (0. 5%) で染色した。 未処置の網膜に比して虚 血 ·再還流時に生理食塩水を投与したものでは 8-OHdG陽性細胞が増加しているが、 水素点眼薬を投与したものでは陽性細胞が顕著に低下しており、 水素点眼薬が網 膜の虚血'再還流傷害による酸化ストレス傷害を抑制していることが示された(図 1 3、 図 1 4 )。 実施例 7
虚血 ·再還流で生じる網膜の傷害を水素点眼薬で抑制できるか、 虚血 ·再還流 による網膜厚減少について調べた。虚血 6 0分間に再還流 3 0分間の計 9 0分間、 水素点眼薬またはコントロールの生理食塩水を点眼し続けた。 一週間後、 眼球を 取り外し、 0. 1Mのリン酸緩衝液中の 1 %ダルタルアルデヒ ドと 4 %パラホルムァ ルデヒ ドで組織を固定した。 その後、 視神経乳頭に沿って直角方向に切断し凍結 切片を作製した。 へマトキシリン ·ェォジン染色液で染色した結果を図 1 5に示 す。 未処置の網膜に比して虚血 ·再還流時に生理食塩水を投与したものでは内側 網膜 (inner retinal layer : IRL) の厚みが顕著に低下していた。 一方、 水素点 眼薬を投与したものではその厚みの低下がさほど見られず、 網膜の傷害を水素点 眼薬が抑制した。 また、 水素点眼薬の網膜厚み低下抑制効果は、 水素濃度に依存 していた (図 1 6 )。 実施例 8
網膜虚血 ·再還流時における水素点眼薬投与期間について検討した。 虚血 6 0 分間に再還流 3 0分間の計 9 0分間 (期間 F)、 虚血 6 0分間のみ (期間 1)、 再還 流 3 0分間のみ(期間 R)、虚血最後の 1 0分間に再還流 3 0分間の計 4 0分間(期 間 I/R) に水素点眼薬を投与し続けた(図 1 7 )。一週間後、眼球を取り外し、 0. 1M のリン酸緩衝液中の 1 %ダルタルアルデヒ ドと 4 %パラホルムアルデヒ ドで組織 を固定した。その後、視神経乳頭に沿って直角方向に切断し凍結切片を作製した。 へマトキシリン*ェォジン染色液で染色し、 内側網膜(inner retinal layer : IRL) の厚みを計測した結果を図 1 8に示す。 期間 F投与では、 未処置の 7 0 %程度ま で厚みの低下抑制が見られるが、 虚血 6 0分間のみ (期間 I) でも厚みの低下抑 制は有意であった。 一方、 再還流 3 0分間のみ (期間 R) では厚みの低下抑制に 有意差は認められなかった (Ρ = 0· 06)。 虚血 ·再還流モデルでは虚血から再還流 へと切り替わるときに大量のヒ ドロキシラジカルが発生し、 網膜に傷害を引き起 こすことが知られている。 実施例 2に見るように水素点眼薬投与直後にはまだ眼 球内に水素が到達できないことから、 期間 Rでは水素点眼薬投与による網膜厚み 低下抑制効果が見られなかったと考えられる。 そこで、 虚血最後の 1 0分間に再 還流 3 0分間の計 4 0分間 (期間 I/R) 水素点眼薬を投与したところ、 予想通り 厚みの低下抑制は有意であった。 以上の結果は、 虚血から再還流に移行する時点 で必要量の水素が眼球内に存在することで水素点眼薬投与による網膜傷害抑制が 効果的に起こることを示している。 実施例 9
虚血 ·再還流で生じる網膜の傷害を水素点眼薬で抑制できるか、 虚血 ·再還流 によるグリア細胞の活性化について調べた。 一週間後、 .眼球を取り外し、 4 %パ ラホルムアルデヒ ドで固定した。 3 0 %ショ糖で脱水後、 垂直経線に沿って視神 経乳頭を通過するように凍結切片 (厚さ ΙΟ μ ιη) を作製した。 活性化ミクロダリ ァの検出には抗 Ibal抗体 (1 0 0倍希釈、 和光純薬製、 大阪) で検出した。 活性 化ァストロサイ ト及びミューラー細胞の検出には抗 GFAP 抗体 (5 0 0倍希釈、
DAK0 社製、 Glostrup、 デンマーク) で検出した。 検出には二次抗体として FITC 標識抗ゥサギ Ig抗体 (1 0 0倍希釈、 Invitrogen、 Carlsbad, CA、 USA) を用い た。 対比染色として細胞核を PI (propidium iodide) で染色し、 レーザー共焦点 顕微鏡 (ォリンパス社製、 東京) で観察した。 未処置の網膜に比して虚血 ·再還 流時に生理食塩水を投与したものでは活性化ミクログリアが増加しているが、 水 素点眼薬を投与したものでは活性化ミクログリアが顕著に低下していた(図 1 9、 図 2 0 )。 また、 未処置の網膜に比して虚血 ·再還流時に生理食塩水を投与したも のでは活性化ァストロサイ ト及びミューラー細胞が増加しているが、 水素点眼薬 を投与したものでは活性化ァストロサイ ト及ぴミューラー細胞が顕著に低下して いた (図 2 1 )。 以上の結果は、 水素点眼薬を投与したものでは虚血 ·再還流によ るグリァ細胞の活性化が顕著に抑制されており、 ダリァ細胞の活性化による網膜 の損傷を水素点眼薬が抑制していることが示された。
産業上の利用可能性
緑内障の高い眼圧を薬物、 レーザあるいは手術によって低下させる眼圧下降治 療時に、 本発明の水素を含んだ緑内障治療薬を眼に滴下することにより、 眼圧下 降治療による障害を予防することができ、 予後を良好に保ち、 治療効果を上げる ことが可能である。
本発明の水素分子を含む液体からなる緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬は、 緑 内障の眼圧下降治療時に投与する緑内障治療薬として有用である。
また、 本発明の水素分子を含む液体からなる緑内障等の網膜虚血性疾患治療薬 は、 網膜の血管障害等による網膜虚血 ·再環流障害を改善することができる。 本明細書で引用した全ての刊行物、 特許および特許出願をそのまま参考として 本明細書にとり入れるものとする。

Claims

請求の範囲
1 . 水素分子を含む液体からなる網膜虚血性疾患治療薬。
2 . 網膜虚血性疾患が緑内障、 網膜血管閉塞症および眼動脈閉塞症からなる 群から選択される、 請求項 1記載の網膜虚血性疾患治療薬。
3 . 緑内障治療薬である請求項 2記載の網膜虚血性疾患治療薬。
4 . 水素分子が O. lppm (0. 05mM) 以上含まれる、 請求項 1〜 3のいずれか 1 項に記載の網膜虚血性疾患治療薬。
5 . 点眼剤である請求項 1〜4のいずれか 1項に記載の網膜虚血性疾患治療 薬。
6 . 緑内障の眼圧下降治療時に投与されることを特徴とする、 請求項 1〜5 のいずれか 1項に記載の網膜虚血性疾患治療薬。
7 . 緑内障のレーザ又は外科手術による眼圧下降治療時に眼に連続的に滴下 される請求項 6記載の網膜虚血性疾患治療薬。
8 . 緑内障の眼圧下降治療剤と併用される請求項 6記載の網膜虚血性疾患治 療薬。
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