WO2007058218A1 - 信号分離方法および信号分離装置 - Google Patents

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Xiaoming She
Jifeng Li
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Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
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    • H04L25/03006Arrangements for removing intersymbol interference
    • H04L2025/0335Arrangements for removing intersymbol interference characterised by the type of transmission
    • H04L2025/03426Arrangements for removing intersymbol interference characterised by the type of transmission transmission using multiple-input and multiple-output channels

Definitions

  • a transmitting side transmits signals using a plurality of antennas
  • a receiving side receives signals using a plurality of antennas.
  • MIMO technology can significantly improve channel capacity, resulting in an increase in information transmission rate.
  • the higher the number of transmit and receive antennas used the higher the information transmission rate can be provided.
  • MIMO technology is effective in overcoming bottlenecks in conventional technologies because space antenna resources can be used almost infinitely compared to time-frequency resources. It is one of the core technologies of the system.
  • OFDM technology is also one of the mainstream technologies currently used to solve high-speed wireless data transmission.
  • the principle of the OFDM technology is to transmit high-speed data to be transmitted using a number of orthogonal subcarriers (frequency units), and the data rate in each subcarrier is relatively low.
  • the subcarriers are superimposed orthogonally in OFDM, which further improves the spectrum utilization of the system.
  • OFDM divides the total signal bandwidth into multiple narrow, subcarrier frequency bands Force Since the bandwidth of each subcarrier is smaller than the mutual interference bandwidth of the channel, it is considered to be flat fading.
  • o orthogonal subcarriers
  • the channel characteristic matrix H for each subcarrier k is
  • Patent Document 1 JP 2006-157390 A
  • the second arrangement QR decomposition unit 402 performs the following processing.
  • step S504 The process in step S503 is repeated until p, Q and R nT ⁇ are obtained, that is, until it is determined in step S505 that Nc is reached.
  • step S602 and step S603 are as follows.

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Abstract

 簡便でかつ優れた排列性能が得られ、検出精度の向上できる排列QR分解方法を用いる信号分離方法及び信号分離装置。信号分離装置に、複数の周波数単位のうちの1つの周波数単位に対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記1つの周波数単位に対応するチャネル特定行列Hに対してQR分解を行うことにより、前記1つの周波数単位に対応するQ行列及びR行列を取得する排列QR分解部(401)と、前記1つの周波数単位について取得した前記排列順序を前記1つの周波数単位と隣接する現排列対象の周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整を加えることにより現排列対象の周波数単位に関する排列順序を取得すると共に、当該排列順序に基づいて現排列対象の周波数単位に対応するHがQR分解された、現排列対象の周波数単位に関するQ行列及びR行列を取得する排列QR分解部(402)と、を設けた。

Description

信号分離方法および信号分離装置
技術分野
[0001] 本発明は、 MIMO— OFDMシステムにおける信号分離技術に関し、具体的には、 分離精度を下げることなく分離速度の高速ィ匕を実現する、簡便かつ高性能な排列 Q R分解方法を用いた信号分離方法に関する。
背景技術
[0002] 無線ネットワークとインターネットとの融合が進むにつれて、無線通信業務の種類や 品質に対する要求が高まってきて 、る。無線マルチメディアと高速データ伝送への要 求を満たすためには、新世代無線通信システムの開発が必要である。中でも、マル チアンテナによる入出力(MIMO)および直交周波数分割多重 (OFDM)を組み合 わせた MIMO— OFDM技術が注目されてきて!/、る。
[0003] MIMOシステムにおいては、送信側が複数のアンテナを利用して信号を送信し、 受信側が複数のアンテナを利用して信号を受信する。研究の結果、従来のシングル アンテナ伝送方法と比較して、 MIMO技術はチャネル容量を格段に向上させること ができ、その結果として情報伝送レートが向上する。また、 MIMOシステムでは、用 いられる送信アンテナおよび受信アンテナの数が多くなるほど、より高い情報伝送レ ートを提供することができる。周知の通り、空間のアンテナリソースは、時間周波数的 なリソースと比較して、ほぼ無限に利用することができるため、 MIMO技術は従来技 術におけるボトルネックの克服に有効であり、次世代無線通信システムの核心技術の 一つとなっている。
[0004] OFDM技術もまた、現在高速無線データ伝送を解決するために主流となる技術の 一つである。 OFDM技術の原理は、伝送する高速データを、直交する多数のサブキ ャリア (周波数単位)を用いて伝送することであり、各サブキャリアにおけるデータレー トは相対的に低い。通常の周波数分割多重システムと比較して、 OFDMではサブキ ャリアが直交して重畳されていることにより、システムのスペクトル利用率を更に向上さ せる。 OFDMでは全信号帯域幅を複数の狭 、サブキャリア周波数帯域に分割する 力 各サブキャリアの帯域幅はチャネルの相互干渉帯域幅よりも小さいため、フラット フェージングであるとみなされる。このように、シングルキャリアシステムと比較して、 o
FDMにおける均衡は格段に容易に実現することが可能である。
[0005] 図 1は通常の MIMO— OFDMシステムの構成を示す図である。
[0006] この構成にぉ 、て、送信側と受信側はそれぞれ n本と n本のアンテナを用いて信
T R
号の送受信を行う。送信側では、送信される周波数領域データは、まず SZP変換部 101で SZP変換されることにより、それぞれの送信アンテナに対応する n個のデー
T
タサブストリームに分けられる。そして、符号化部 102および変調部 103において、各 データサブストリームに対してそれぞれ符号化処理および変調処理が行われる。次 いで、変調部 103から出力された周波数領域シンボルは、 SZP変換部 104、逆高 速フーリエ変換部 105および PZS変換部 106において、順次 SZP変換処理、逆高 速フーリエ変換 (IFFT)処理および PZS変換処理されることにより、時間領域信号で ある OFDM信号に変換される。最後に、 PZS変換部 106から出力された信号は、 C P挿入部 107においてサイクリック'プレフィックス (CP)の挿入操作が行われた後、そ れぞれ対応する送信アンテナ 108から送信される。
[0007] 受信側では、まず、 n本のアンテナ 109により空間の全ての信号を受信する。次に
R
、 CP除去部 110において、それぞれのアンテナの受信信号に対して CP除去の操作 が行われる。そして、 CP除去部 110から出力された時間領域信号である OFDM信 号は、 SZP変換 111において SZP変換された後に、高速フーリエ変換 (FFT)部 1 12において周波数領域信号に変換される。次いで、チャネル推定部 114により、当 該周波数領域信号中のパイロット信号に基づいてチャネル推定 (パイロット信号を用 いる以外の他の方法でも可能である)が行われ、現在のチャネル特性行列 Hが求め られる。最後に、 MIMO検出部 115により、チャネル特性行列 Hに基づいて各送信 データサブストリームの検出が行われ、受信データ (元の送信データ)が得られる。
[0008] MIMO— OFDMシステムについては、そのチャネル特性行列 Hは三次元行列とし て、又は、二次元行列の組として表される。具体的には、チャネル特性行列 Η={Η ,Η
1
,· ··,Η }として表される。ただし、 Ηは、 MIMO-OFDMシステムにおいて k番目の
2 Nc k
サブキャリアにおけるチャネル特性行列を表す。 Ncは、サブキャリアの総数を表す。 Hは、 n *nの行列である。そして、 Hの第 i行、第 j列の要素 H (i,j)は、 j番目のアン k R T k k
テナから送信された k番目のサブキャリア信号が、 i番目のアンテナで受信されたとき のチャネル周波数領域ゲインである。 i= l,2,〜,nであり、 j = l,2 ',nである。この
R T
ように MIMO-OFDMシステムにつ!/、ては、各サブキャリアにお!/、てそれぞれ一つ のシングルキャリアの MIMOシステムとみなすことができる。従って、 MIMO-OFD Mシステムの検出部は、図 2に示すように複数のパラレルなシングルキャリア MIMO 検出部で構成されるとみなすことができる。
[0009] 同図に示すように MIMO検出部 115は、 Nc個の MIMO検出部 113— l〜Ncを有 し、 MIMO検出部 113— 1〜Ncのそれぞれが OFDM - MIMOシステムにおける 1 つのサブキャリアについて検出を行う。
[0010] ここで、 MIMO検出部 113— l〜Ncの MIMO検出方法、すなわち MIMOにて空 間多重された信号の検出方法としては、例えば、通常用いられるゼロフォージング (Z F)、最小平均二乗誤差 (MMSE)、シリアル型干渉除去 (SIC)など様々な方法を用 いることができる。通常、 MIMO検出部 113— l〜Ncにて行われる操作には、送信 側の各アンテナカゝら送信された信号を検出子を用いて求める操作と、当該操作によ り求められた各信号に対して復調および復号を行う操作との 2つが含まれる。実際の MIMO検出においては、各アンテナの送信信号を求める操作と復調および復号を 行う操作の両者が独立して行われないことも多ぐ前者の出力を後者に送る場合や、 前者の処理に後者の出力を必要とする場合も多い。このため、通常は復調部および 復号部もまた MIMO検出部に組み入れられて 、る。
[0011] MIMO検出において、逆行列を求める操作での演算量が、実現時のボトルネック となっている。これを解決する方法として QR分解を伴うものが考えられている(例えば 、特許文献 1参照)。図 3に示す構成により行われる、 QR分解に基づいた検出方法 を用いた場合には、逆行列を求める演算量の多い操作を回避することができるため、 より有効な検出方法と考えられている。
[0012] 同図に示すように、従来の MIMO検出と比較して、 QR分解に基づいた MIMO検 出においては、信号検出の前段に排列 QR分解部 201および行列演算部 202が追 カロされている。 QR分解に基づいた MIMO検出の過程は、以下の通りである。 [0013] シングルキャリアの場合(MIMO— OFDMでは、検出の際は複数のパラレルなシ ングルキャリア MIMOと等価である)を考えると、チャネル特性行列 Hは、 n *nの行
R T
列である。チャネル特性行列 Hは、数式(1)に示すように、行列理論により Qと Rとに 分解することができる。
H = QR · · · (1)
ただし、 Qは、 n *nの行列であり、 QHQ=Iを満たす。 QHは、 Qの共役転置であり、
R T
Iは単位行列である。また、 Rは、 n *nの上三角行列である。このため、 MIMO受信
T T
信号ベクトル v=Hs+n (但し、 sは、 n *1の送信信号ベクトル、 nは、 n *1の受信ノィ
T R
ズベクトル、 yは、 n *1の受信信号ベクトルである)は、数式(2)のように変換すること
R
ができる。
z = QHy=Rs+n, …(2)
ここで、 n' =QHnであり、 Qの直交性により n'と nとは同様の統計特性を有する。 R は上三角行列であるため、 QR分解を伴う送信信号ベクトル sの検出では、下から上 へ(s(n )から s(l)へ)順次シンボル候補を検出(すなわち、最初のステージに係るシ
T
ンボル候補カゝら最終ステージに係るシンボル候補を順次検出)してはその干渉を除 去するという、より簡略ィ匕した方法を用いることができる。
[0014] 例えば、 QR分解後に ZFに基づいた送信信号ベクトル sの検出を行う場合には、そ の工程は以下の通りである。
(1)まず、 s(n )を検出する。すなわち、数式(2)により、 z(n )=R(n ,n )s(n )+n' ( n )であり、 z(n )および R(n ,n )はいずれも既知であるため、硬判定法を用いて、シン
T T T T
ボル候補 s(n )が得られる。
T
(2)次に、 s(n 1)を検出する。すなわち、数式(2)により、 z(n— l)=R(n— Ι,η
τ τ τ τ
— l)s(nT— l)+R(nT— l,nT)s(nT)+n,(nT— 1)であり、 ζ(ητ— 1)、 R^- 1,^- 1), および R(n - Ι,η )はいずれも既知であるため、硬判定法を用いて、シンボル候補 s(
T T
n 1)が得られる。
T
(3)順次これに準じて、全てのサブストリームに関するシンボル公報を検出するまで 、すなわち s (l)を検出するまで行う。
[0015] 当然ながら、 MIMO通信における、 QR分解を伴う送信信号の検出方法では、 QR 分解の後に、即ち MIMO検出部 203にて用いられるアルゴリズムは、上述した ZFに 限られず、 MMSEや最大尤度(ML)法等、その他の方法を用いても良い。総じてい えば、 QR分解を用いた MIMO検出方法の主な優位性は、 QR分解を用いない Ml MO検出方法と比較して、検出過程の実現を容易にすることにある。
[0016] し力しながら、 MIMO通信における、 QR分解を伴う送信信号の検出方法を用いる 場合に注意が必要な重要な問題として、「エラー伝播」の問題が挙げられる。ここで 言う「エラー伝播」とは、上記の例を参照すると、先に検出した信号 (送信信号べタト ルの 1要素)に誤りがあった場合には、その誤りが 1段階ごと(1ステージごと)に次々 に伝わっていくことであり、その結果として、後に検出する信号の検出性能を悪化さ せてしまうことになる。「エラー伝播」は、この種の MIMO通信における送信信号の検 出に対して大きく影響を及ぼす。このような影響を軽減する、すなわちエラー伝播を 減少させる主要な方法として、 QR分解と同時に送信サブストリームを排列する(つま り、並べ替える)方法、排列 QR分解(図 3の排列 QR分解部 201にて行われる)と呼 ばれる方法を挙げることがでさる。
[0017] 送信サブストリームを排列する基本的な考え方は、排列によってチャネル品質の良 好な信号の検出を先に行い、チャネル品質の劣る信号の検出を後に行うというもので ある。上記の例と対照すると、この検出方法では、送信信号ベクトルの要素である s(l ),s(2),〜,s(n )について排列を行うことにより、チャネル品質が最良のサブストリーム
T
に対応する s(k)をもともと s(n )の位置に配置し、先に検出が行われるようにする。また
T
、チャネル品質の劣るサブストリームに対応する s(k)をもともと s(l)の位置に配置し、 最後に検出が行われるようにする。このように排列することによって、先に検出した信 号が後に検出した信号に与えるエラー伝播の問題を最小限に抑えることができる。
[0018] 現在、実現方法として、送信サブストリームを排列する方法には以下の 2種類が挙 げられる。
(1)最適排列
基本的な考え方は、排列によって QR分解後に R行列の対角線要素の絶対値が最 大になるようにすると 、うものである。この方法の長所は性能が良 ヽと 、う点であり、 短所は複雑であるという点である。例えば、エルゴードによる方法を用いる場合には、 1回の排列に n ! (nの階乗)回の QR分解演算が必要となり、近視眼的な (myopic)最
T T
適化方法を用いた場合でも、約 n 2Z2回の QR分解演算が必要となる。
T
(2)部分最適排列
具体的には、ノルムに基づいた排列方法や、単純交換法等。ノルムに基づいた排 列方法においては、その基本的な考え方は、各送信信号の対応チャネル特性 (即ち 、 H行列の列ベクトル)のノルム値を計算し、ノルム値が大きくなる信号を後から検出 し、ノルム値が小さくなる信号を先に検出するというものである。この方法の長所は簡 便であるという点であり、短所は性能が劣るという点であって、特に、チャネル相関性 が存在する場合には、この種の方法の信頼性は低くなる。
[0019] 既存のサブストリーム排列および QR分解の方法においては、両者を独立して行う 方法もあれば、同時に行う方法もある。ここでは、それらを「排列 QR分解」方法と総称 する。上記の通り、既存の排列 QR分解方法には依然として不備があり、簡便かつ性 能的には最適方法に近 、排列 QR分解方法を 、かにして実現するかと 、うことが、現 在重要な研究課題となって 、る。
[0020] 図 3に戻って、排列 QR分解部 201は、サブキャリア kにおけるチャネル特性行列 H k に基づいて、排列 QR分解操作を行う。排列 QR分解部 201の出力は、次の 3つであ る。すなわち、排列後の結果 (つまり、要素を並べ替え後の受信信号ベクトル)である p ={k ,k ,- --,k }と、直交 Q行列 Qと、上三角 R行列 Rである。ただし、 k ,k ,- --,k k 1 2 nT k k 1 2 nT は、もともとの受信信号ベクトルの序列 1,2,〜,nの排列結果の一例を表す。また、 Q
T k
R =[H (:, k ),H (:, k ),· ··,Η (:, k )]である。ただし、 H (:, n)は、チャネル行列 Hの第 k k 1 k 2 k nT k k n列ベクトルを表す。なお、 QR分解の後に、まず信号 s(k )が検出され、その後信号 s nT
(k )が検出され、最後に s(k )が検出されることが求められる。
ηΤ-1 1
[0021] 次 、で、行列演算部 202は、まずサブキャリア kにおける受信信号ベクトル yを pに k k 基づいて排列し、排列の後に [y (k ),y (k ),〜,y (k )]Tを取得し、更に行列 Q Hを左 k 1 k 2 k nT k 乗して、 zを取得する。最後に、 MIMO検出部 203が送信信号ベクトルの検出を行う k
[0022] MIMO— OFDMシステムにおいて、従来の方法では各サブキャリア k (k= 1,2,· ··, n )に対して独立に排列 QR分解を行っている。すなわち、図 3における排列 QR分 解部 201の操作フローは、図 4に示すフロー図のように具体化される。図 4は、 MIM O— OFDMシステムにおける従来の排列 QR分解方法を示すフロー図である。
[0023] ステップ S301のスタート時には、各サブキャリア kにおけるチャネル特性行列 Hは
k 既知である。
[0024] ステップ S302および S303では、各サブキャリア k(k= l,2,〜,n )に対して、 Nc本
c
全てのサブキャリアについての操作が終わるまで、順次独立に排列 QR分解が行わ れる。図 4では、ステップ S302における排列 QR分解方法として、先に述べた最適排 列方法や部分最適方法等、従来の方法の!/ゝずれを用いても良 、。
特許文献 1 :特開 2006— 157390号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0025] しかしながら、 MIMO— OFDMシステムにおける従来の排列 QR分解方法には、 依然として以下の不備が認められる。
(1)各サブキャリアに対して独立に排列 QR分解を行う必要がないにも関わらず行 つている。行う必要のない理由は、 MIMO— OFDMシステムにおいては、隣接する サブキャリアのチャネル特性の相関性が強いことが挙げられる。例えば、 M. 1225チ ャネル Aモデルを用いて、チャネル帯域幅が 10MHz、サブキャリア数 Nc= 1024の 場合に、隣接するサブキャリアにおけるチャネル特性の相関性は、 0. 95を上回る。 隣接するサブキャリア間のチャネル特性の相関性は、必然的に各サブストリーム排列 結果の相関性をもたらす。実際には、隣接するサブキャリアにおけるサブストリーム排 列結果に微調整を行えば、現在のサブキャリアにおける排列結果とすることができる 。すなわち、従来の排列 QR分解方法では、十分に演算量が低減されていない問題 がある。
(2)既存のアルゴリズム自体に不備が存在する問題がある。つまり、従来の方法に ぉ 、ては、各サブキャリアにお!、て独立に既存のアルゴリズムを用いて排列 QR分解 を行っている力 既存のアルゴリズムには依然として次のような欠点がある。すなわち 、高性能の最適排列アルゴリズムを用いた場合には複雑になりすぎ、簡便な部分最 適排列方法を用いた場合には性能の保証が難し 、。 [0026] 本発明の目的は、簡便でかつ優れた排列性能が得られ、これにより検出精度の向 上を可能にする排列 QR分解方法を用いる信号分離方法および信号分離装置を提 供することである。
課題を解決するための手段
[0027] 本発明の信号分離方法は、受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施 したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM 信号を分離する信号分離方法であって、複数の周波数単位のうちの 1つの周波数単 位に対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの周波数単 位に対応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1つの周波 数単位に対応する Q行列及び R行列を取得するステップと、前記 1つの周波数単位 について取得した前記排列順序を前記 1つの周波数単位と隣接する現排列対象の 周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整を加えること により前記現排列対象の周波数単位に関する排列順序を取得すると共に、当該取 得した排列順序に基づいて前記現排列対象の周波数単位に対応するチャネル特性 行列が QR分解された、前記現排列対象の周波数単位に関する Q行列及び R行列を 取得するステップと、を具備するようにした。
[0028] 本発明の信号分離方法は、受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施 したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM 信号を分離する信号分離方法であって、複数の時間単位のうちの 1つの時間単位に 対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの時間単位に対 応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1つの時間単位に 対応する Q行列及び R行列を取得するステップと、前記 1つの時間単位につ!、て取 得した前記排列順序を前記 1つの時間単位と隣接する現排列対象の時間単位に関 する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整を加えることにより前記現排 列対象の時間単位に関する排列順序を取得すると共に、当該取得した排列順序に 基づいて前記現排列対象の時間単位に対応するチャネル特性行列が QR分解され た、前記現排列対象の時間単位に関する Q行列及び R行列を取得するステップと、 を具備するようにした。 [0029] 本発明の信号分離装置は、受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施 したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM 信号を分離する信号分離装置であって、複数の周波数単位のうちの 1つの周波数単 位に対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの周波数単 位に対応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1つの周波 数単位に対応する Q行列及び R行列を取得する第 1の QR分解手段と、前記 1つの 周波数単位について取得した前記排列順序を前記 1つの周波数単位と隣接する現 排列対象の周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整 を加えることにより前記現排列対象の周波数単位に関する排列順序を取得すると共 に、当該取得した排列順序に基づ ヽて前記現排列対象の周波数単位に対応するチ ャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の周波数単位に関する Q行列 及び R行列を取得する第 2の QR分解手段と、を具備する構成を採る。
[0030] 本発明の信号分離装置は、受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施 したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM 信号を分離する信号分離装置であって、複数の時間単位のうちの 1つの時間単位に 対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの時間単位に対 応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1つの時間単位に 対応する Q行列及び R行列を取得する第 1の QR分解手段と、前記 1つの時間単位 について取得した前記排列順序を前記 1つの時間単位と隣接する現排列対象の時 間単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整を加えることによ り前記現排列対象の時間単位に関する排列順序を取得すると共に、当該取得した 排列順序に基づいて前記現排列対象の時間単位に対応するチャネル特性行列が Q R分解された、前記現排列対象の時間単位に関する Q行列及び R行列を取得する第 2の QR分解手段と、を具備する構成を採る。
発明の効果
[0031] 本発明によれば、簡便でかつ優れた排列性能が得られ、これにより検出精度の向 上を可能にする排列 QR分解方法を用いる信号分離方法および信号分離装置を提 供することができる。 図面の簡単な説明
[0032] [図 1]通常の MIMO— OFDMシステムの構成を示す図
[図 2]MIMO— OFDMシステムの検出過程を示す図
[図 3]QR分解に基づいた MIMO— OFDM信号検出方法を示す図
[図 4]MIMO— OFDMシステムにおける従来の排列 QR分解方法のフロー図
[図 5]本発明の実施の形態に係る排列 QR分解部を示す図
[図 6]本発明の実施の形態に係る排列 QR分解過程のフロー図
[図 7]図 6の排列 QR分解のステップの詳細なフロー図
[図 8]本発明に係る方法を低速時間変動シングルキャリア MIMOシステムに応用した 場合のフロー図
[図 9]本発明に係る方法をサブバンドごとに排列 QR分解を行う MIMO- OFDMシス テムに応用した場合のフロー図
[図 10]本発明に係る方法と従来の方法の性能を比較する図
発明を実施するための最良の形態
[0033] 以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[0034] 図 5は、本発明の実施の形態に係る信号分離装置としての MIMO受信装置におけ る排列 QR分解部を示す図である。なお、 MIMO受信装置の他の構成は、図 2およ び図 3に示したものと同様であるのでその説明は省略される。
[0035] 同図に示すように排列 QR分解部 201は、第一の排列 QR分解部 401と、第二の排 列 QR分解部 402とを有する。
[0036] 第一の排列 QR分解部 401は、或るサブキャリアに対する排列 QR分解を行う。第 一の排列 QR分解部 401にて行われる排列 QR分解は、従来の排列 QR分解方法の いずれが用いられても良い。
[0037] 第二の排列 QR分解部 402は、第一の排列 QR分解部 401にて取得された排列 Q
R分解の結果に基づ 、て、第一の排列 QR分解部 401にお 、て排列 QR分解の対象 となった対象サブキャリアに周波数方向で隣接するサブキャリアに対して、以下に示 す方法で順次排列 QR分解を行う。
[0038] 図 6は、図 5の排列 QR分解部 201における排列 QR分解のフロー図である。 [0039] まず、ステップ S501では、チャネル推定部 114において、チャネル推定により現在 のチャネル特性行列 Η (Η={Η ,Η ,· ··,Η }、ただし、 Ηは MIMO— OFDMの k番
1 2 Nc k
目のサブキャリアにおけるチャネル特性行列 (k= 1,2,〜,Nc))が得られている。なお 、スタート時には、任意の cの値が選択される。ただし、 c{l,2,〜,Nc}、かつ、 k = cとす る。
[0040] ステップ S502では、従来の方法を用いて、第一の排列 QR分解部 401が、 Hに基 k づいてサブキャリア kに対して排列 QR分解を行うことにより、 p、 Q、および Rを取得 k k k する。ただし、 pは、排列結果であり、 Qおよび Rは、それぞれ QR分解により取得し k k k
た Q行列および R行列である。
[0041] ここでは従来の排列 QR分解方法のいずれを用いても良いため、その実現につい て重ねて述べることは避ける。しかし、複雑性の面ではある程度妥協して、性能の良 いアルゴリズムを用いることを提案する。その理由としては、以下で残りの Nc— 1本の サブキャリアにおける排列結果は、いずれも当該サブキャリアにおける排列結果に基 づ 、て調整を行って取得されるものであるため、当該サブキャリアにおける排列結果 の正確性が重要になるためである。また、 OFDMシステムにおけるサブキャリア数は 例えば 1000を上回る等往々にして多いため、このサブキャリア 1本のみにおいて排 列が複雑になることがシステム平均の複雑性に大きく影響することはないためである
[0042] ステップ S503力らステップ S509では、第二の排列 QR分解部 402力 全サブキヤ リアの排列 QR分解が完了するまで、隣接するサブキャリアに対して順次排列 QR分 解を行う。
[0043] ここで、本発明の基本的な考え方は、隣接するサブキャリアに関して既に求めた排 列結果を、現在排列結果を求める対象となっているサブキャリア(つまり、現対象サブ キャリア)に関する排列初期値とし、この排列初期値に対して調整を行うことにより、現 対象サブキャリアに関する排列結果を取得すると 、うものである。
[0044] 上記ステップ S502において、既にサブキャリア cに関する排列結果 pが得られてい るため、以降は第二の排列 QR分解部 402が既に取得されているサブキャリアに関す る排列結果を排列初期値として用いて、そのサブキャリアに隣接するサブキャリアに 関する排列結果を順次取得する。
[0045] 詳細には、第二の排列 QR分解部 402は以下の処理を行う。
(1)第二の排列 QR分解部 402は、第一の排列 QR分解部 401にて求められたサ ブキャリア cに関する排列結果 p、および、サブキャリア c+ 1に関するチャネル特性行 列 H に基づいて、サブキャリア c + 1について排列 QR分解を行うことにより、サブキ c+1
ャリア c+ 1に関する排列結果 p 、Q行列 Q および R行列 R を取得する (ステップ c+1 c+1 c+1
S504)。サブキャリア c+ 1が Ncに達していない場合 (ステップ S 505 : NO)には、更 にサブキャリア c+ 1に関する排列結果 p 、および、サブキャリア c + 2に関するチヤ c+1
ネル特性行列 H に基づいて、サブキャリア c + 2について排列 QR分解を行うことに
+2
より、サブキャリア c + 2に関する排列結果 p 、Q行列 Q および R行列 R を取得す
+2 +2 +2 る(ステップ S504)。ステップ S503力もステップ S505の処理は、 p 、Q および R nT ηΤ ηΤ が得られるまで、すなわちステップ S505にて Ncに達したと判断されるまで繰り替えさ れる。
(2)また、第二の排列 QR分解部 402は、第一の排列 QR分解部 401にて求められ たサブキャリア cに関する排列結果 p、および、サブキャリア c 1に関するチャネル特 性行列 H に基づいて、サブキャリア c 1について排列 QR分解を行うことにより、サ c-1
ブキャリア c 1に関する排列結果 p 、Q行列 Q および R行列 R を取得する (ステ c 1 c 1 c— 1
ップ S507)。サブキャリア c— 1が 1に達して!/ヽな 、場合 (ステップ S508: NO)には、 更にサブキャリア c 1に関する排列結果 p 、および、サブキャリア c 2に関するチ c 1
ャネル特性行列 H に基づ 、て、サブキャリア c— 2につ ヽて排列 QR分解を行うこと c-2
により、サブキャリア c 2に関する排列結果 p 、Q行列 Q および R行列 R を取得 c-2 c-2 c-2 する(ステップ S507)。ステップ S506力らステップ S508の処理は、 p、 Qおよび Rが
1 1 1 得られるまで、すなわちステップ S508にて 1に達したと判断されるまで繰り替えされる
[0046] 次に、隣接するサブキャリアに関する排列結果をいかに利用して現対象サブキヤリ ァにつ 、て排列 QR分解を行うか、すなわち上記ステップ S504およびステップ S507 における処理について、図 7を参照して説明する。
[0047] まず、ステップ S601においては、先の操作 (ステップ S 501、又は、先のステップ S5 04若しくは先のステップ S507の処理)によって、或るサブキャリアに関する最終的な 排列結果 p (p={k ,k ,-,k })が特定されている。ただし、 k ,k ,-,k は、序列 1,2,
1 2 nT 1 2 ηΤ
••·,ηの排序結果の一例である。このサブキャリアに隣接するサブキャリアを kと表すと
T
、チャネル特性行列 Hはチャネル推定により取得されている。このとき、 n= l, R =0
k k
, Q =Ηとする。以降の処理では、現対象サブキャリア kのチャネル特性行列 Ηに基 k k k づ、て、その現対象サブキャリア kに隣接するサブキャリアの排列結果 pを調整するこ とにより、現対象サブキャリア kに関する排列結果 pを取得するとともに、 Qおよび R
k k k を取得する。
[0048] すなわち、ステップ S602およびステップ S603では、 p(n)と p(n+ 1)とを交換すると「 エラー伝播」を減少することができる力否かを判断し、交換によって「エラー伝播」が 減少する場合にはその交換を行う。なお、 p(n)は、排列 pの n番目の要素を意味する。 よって、「p(n)と p(n+ 1)との交換」とは、排列 pの n番目の要素と、排列 pの n+ 1番目 の要素とを交換することを意味する。
[0049] 「エラー伝播」の程度は、主に QR分解後の R行列の対角線要素の幅によって判断 される。ここで、 p(n)と p(n+ l)とを交換することによる、順序の影響を受ける R行列の 対角線要素は、主に、 R
η,ηおよび R
η+1,η+1である。 2つの数値があること、および QR分 解の性質によって、本実施の形態では以下の 2つの原則を用いることができる。
(原則 1) |R
η,η Iをより小さくする排列方法を選択する。
(原則 2) |R Iをより大きくする排列方法を選択する。
n+l,n+l
[0050] ここで、 p(n)と p(n+l)とを交換した後の排列を p,とすると、 ρ, ={ρ(1) ·,ρ(η— l),p(n
+ 1),ρ(η),ρ(η+ 2),· ··}となる。
[0051] そして、上記原則 1を用いる場合には、ステップ S602およびステップ S603の処理 は次のようになる。
[0052] ステップ S602では、排列 ρおよび排列 ρ'を用いる場合の対角線要素 R および R
η,η η,η
,が計算され、更に、 |R の
η,η Iと |R
η,η,|とが比較される。なお、 R
η,ηおよび R ,
η,η 計算方法 については古典的なグラム.シュミット(Gram-Schmidt) 'アルゴリズム、即ち QR分解ァ ルゴリズムを参考にすれば良いため、ここでは詳しく述べることは避ける。
[0053] ステップ S603では、比較の結果、 |R ,|の方が小さい場合 (ステップ S602 : YES) には、 p(n)と p(n+ 1)との順序の交換によってエラー伝播を減少できることになるので 、交換を行う、すなわち ρ=Ρ'とする。
[0054] 一方、上記原則 2を用いる場合には、ステップ S602およびステップ S603の処理は 次のようになる。
[0055] ステップ S602では、排列 ρおよび排列 ρ'を用いる場合の対角線要素 R および
η+1,η+1
R ,が計算され、更に、 |R Iと |R ,|とが比較される。
n+l,n+l n+l,n+l n+l,n+l
[0056] ステップ S603では、比較の結果、 |R ,|の方が大きい場合 (ステップ S602 : YE
n+l,n+l
S)には、 p(n)と p(n+ l)との順序の交換によってエラー伝播を減少できることになるの で、交換を行う、すなわち p=p 'とする。
[0057] ステップ S604では、行列 Qの第 n列、行列 Rの第 n行が計算される。
k k
[0058] このステップの計算方法にっ 、ても、古典的なグラム ·シュミット ·アルゴリズムを参考 にすることができる。具体的には、以下の式を用いて計算される。
Q =[Q (: ,p(l)),Q (: ,p(2)) -,Q (: ,p(n ))]
k k k k T
R
n,n =1 Q (: ,n)|
k
Q (:,n) = Q (:,n)/R
k k n,n
R =Q (:,n)H Q (:, j)
n,j k k
Q (:,j) = Q (:, j)— R Q (:,n)
k k n,j k
た:^し、 j =n+ l,"',nである。
τ
[0059] ステップ S605力らステップ S607では、 ηの数値を 1増やすとともに、 ηが ηに達して
Τ
いる力否かを基準に排列が完了した力否かを判断し (ステップ S605)、完了していな い場合 (ステップ S606 :NO)には、ステップ S602に戻って引続き排列を行い、完了 している場合 (ステップ S606 : YES)には終了する。そして、 p =p、 Qおよび Rが出
k k k 力される。
[0060] 以上に、主にサブキャリアごとに排列 QR分解を行う MIMO— OFDMシステムに用 いられる、本発明の一実施の形態を示した。実際には、本発明の方法を更に拡張し て、例えば、低速時間変動シングルキャリア MIMOシステムや、サブバンドごとに排 列 QR分解を行う MIMO-OFDMシステムのような他のシステムに応用することも可 能である。この 2つの適用例について、以下に説明する。 [0061] [低速時間変動シングルキャリア MIMOシステム]
低速時間変動シングルキャリア MIMOシステムにお!/、て、 MIMOチャネルの経時 変化が十分に遅い場合には、隣接する時間単位内の MIMOチャネルは十分な相関 性を有している。この場合、同様に本発明の方法を用いること、すなわち、隣接する 時間単位に関して既に求めた排列結果を、現在排列結果を求める対象となっている 時間単位 (つまり、現対象時間単位)に関する排列の初期値とし、この排列初期値に 対して調整を行うことにより、簡便かつ高性能な排列 QR分解を実現することができる 。この流れを図 8のフローを参照して説明する。図 8は、本発明に係る方法を低速時 間変動シングルキャリア MIMOシステムに応用した場合のフロー図である。
[0062] ステップ S801において、各時刻の MIMOチャネル特性行列は既知である。
[0063] ステップ S802では、従来の方法を用いて、第一の排列 QR分解部 401が、或る時 刻 kに対して排列 QR分解を行うことにより、 p、 Qおよび Rを取得する。ただし、 pは
k k k k
、排列結果であり、 Q
kおよび R
kは、それぞれ QR分解により取得した Q行列および R 行列である。
[0064] ステップ S803力らステップ S805では、第二の排列 QR分解部 402力 全ての時刻 について計算が終了するまで、隣接する時刻に対して順次排列 QR分解を行う。す なわち、第二の排列 QR分解部 402が、隣接する時刻に関して既に求めた排列結果 を、現在排列結果を求める対象となっている時刻(つまり、現対象時刻)に関する排 列の初期値とし、この排列初期値に対して調整を行うことにより、各対象時刻の排列 結果を順次算出する。これは、全ての時刻について計算が終了するまで行われる。 そして、各対象時刻の排列結果は、出力される。
[0065] なお、この方法は MIMOの時間領域におけるブロック(例えば、タイムスロット)を時 間単位としたときにも適用できる。このとき、各ブロックにおいて、同一のチャネル特性 行列 Hを用いて送信信号ベクトルの検出を行う。この場合、まず従来の方法を用いて 、或る時間ブロック kにおけるチャネル特性行列 Hに基づいて排列 QR分解を行うこ
k
とにより、その結果である p、 Qおよび Rを取得する。そして、排列済の結果を、順次
k k k
、排列されていない隣接ブロックに関する排列の初期値とし、図 7の方法に従って排 列を行うとともにその結果を出力する。 [0066] [サブバンドごとに排列 QR分解を行う MIMO-OFDMシステム]
まず、ここで言う「サブバンド」とは、 OFDMにおける、隣接するいくつかのサブキヤ リア力もなる纏まり(つまり、サブキャリアブロック)を意味する。そして、「サブバンドごと に排列 QR分解を行うこと」とは、同一サブバンド内の全てのサブキャリアにおいて同 一の排列結果を用いると 、うことを意味して 、る。
[0067] この場合には、隣接サブバンドに関して既に求めた排列結果を、現在排列の対象 となっているサブバンドに関する排列の初期値とし、この排列初期値に対して調整を 行うことにより、簡便かつ高性能な排列 QR分解を実現することができる。この流れを 図 9のフローを参照して説明する。図 9は、本発明に係る方法をサブバンドごとに排 列 QR分解を行う MIMO— OFDMシステムに応用した場合のフロー図である。
[0068] ステップ S901において、各サブバンドにおける、全てのサブキャリアに等価の Ml MOチャネル特性行列は既知である。
[0069] ステップ S902では、従来の方法を用いて、第一の排列 QR分解部 401が、或るサ ブバンド kに対して排列 QR分解を行うことにより、 p、 Qおよび Rを取得する。ただし k k k
、 P
kは、排列結果であり、 Q
kおよび R
kは、それぞれ QR分解により取得した Q行列およ び R行列である。
[0070] ステップ S903力らステップ S905およびステップ S906力らステップ S908では、第 二の排列 QR分解部 402が、全てのサブバンドについて計算が終了するまで、隣接 するサブバンドに対して順次排列 QR分解を行う。すなわち、第二の排列 QR分解部 402が、隣接するサブバンドに関して既に求めた排列結果を、現在排列結果を求め る対象となっているサブバンド (つまり、現対象サブバンド)に関する排列の初期値と し、この排列初期値に対して調整を行うことにより、各対象サブバンドの排列結果を 順次算出する。これは、全てのサブバンドについて計算が終了するまで行われる。そ して、各対象サブバンドの排列結果は、出力される。
[0071] 図 10は本発明の方法と従来の方法との性能の比較を示す図である。
[0072] 同図には、従来の排列 QR分解を用いた方法と本発明の方法におけるシステム BE R (ビット誤り率)性能が示されている。ここで、送信アンテナ数 nが 4、受信アンテナ
T
数 nが 4、受信側では QR分解に基づいた ZF検出を用いるものとし、変調パラメータ は QPSKとする。
[0073] 図 10の結果力も理解できる通り、 BER性能の面からは、本発明の方法を用いること で最適排列に近い BER性能を得ることができる。また、複雑性 (つまり、演算量)の面 力 は、本発明の方法の複雑性はノルムに基づいた排列方法に近ぐ最適方法より も格段に低くなつている。
[0074] このように本発明の実施の形態によれば、受信信号ベクトルに対して行う排列に応 じた排列を施したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重され た受信 OFDM信号を分離する信号分離装置に、複数の周波数単位のうちの 1つの 周波数単位に対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの 周波数単位に対応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1 つの周波数単位に対応する Q行列及び R行列を取得する第 1の排列 QR分解部 401 と、前記 1つの周波数単位について取得した前記排列順序を前記 1つの周波数単位 と隣接する現排列対象の周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順 序に排列調整を加えることにより前記現排列対象の周波数単位に関する排列順序を 取得すると共に、当該取得した排列順序に基づ 、て前記現排列対象の周波数単位 に対応するチャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の周波数単位に 関する Q行列及び R行列を取得する第 2の排列 QR分解部 402と、を設けた。
[0075] こうすることにより、排列 QR分解部 401にて或る周波数単位に関して求めた受信信 号ベクトルの排列順序を、排列 QR分解部 402がその或る周波数単位に隣接する周 波数単位の初期排列順序として利用するため、隣接する周波数単位間の特性の相 関性を利用することができるので、簡便でかつ優れた排列性能が得られ、これにより 検出精度を向上することができる。
[0076] また、本発明の実施の形態によれば、受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた 排列を施したチャネル特定行列に対する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受 信 OFDM信号を分離する信号分離装置に、複数の時間単位のうちの 1つの時間単 位に対応する受信信号ベクトルの排列順序を取得すると共に、前記 1つの時間単位 に対応するチャネル特性行列に対して QR分解を行うことにより、前記 1つの時間単 位に対応する Q行列及び R行列を取得する第 1の排列 QR分解部 401と、前記 1つの 時間単位について取得した前記排列順序を前記 1つの時間単位と隣接する現排列 対象の時間単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列調整を加え ることにより前記現排列対象の時間単位に関する排列順序を取得すると共に、当該 取得した排列順序に基づいて前記現排列対象の時間単位に対応するチャネル特性 行列が QR分解された、前記現排列対象の時間単位に関する Q行列及び R行列を取 得する第 2の排列 QR分解部 402と、を設けた。
[0077] こうすることにより、排列 QR分解部 401にて或る時間単位に関して求めた受信信号 ベクトルの排列順序を、排列 QR分解部 402がその或る時間単位に隣接する時間単 位の初期排列順序として利用するため、隣接する時間単位間の特性の相関性を利 用することができるので、簡便でかつ優れた排列性能が得られ、これにより検出精度 を向上することができる。
[0078] 本明細書は、 2005年 11月 16日出願の中国特許出願 200510125389. 3に基づ く。この内容はすべてここに含めておく。

Claims

請求の範囲
[1] 受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施したチャネル特定行列に対 する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM信号を分離する信号分離 方法であって、
複数の周波数単位のうちの 1つの周波数単位に対応する受信信号ベクトルの排列 順序を取得すると共に、前記 1つの周波数単位に対応するチャネル特性行列に対し て QR分解を行うことにより、前記 1つの周波数単位に対応する Q行列及び R行列を 取得するステップと、
前記 1つの周波数単位について取得した前記排列順序を前記 1つの周波数単位と 隣接する現排列対象の周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序 に排列調整を加えることにより前記現排列対象の周波数単位に関する排列順序を取 得すると共に、当該取得した排列順序に基づ 、て前記現排列対象の周波数単位に 対応するチャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の周波数単位に関 する Q行列及び R行列を取得するステップと、
を具備する信号分離方法。
[2] 前記初期排列順序に対する排列調整は、
前記初期排列順序の隣接要素を入れ替えたときにエラー伝播を減少できることを 入れ替え実行基準として、前記初期排列順序の要素のうち信号分離の最終ステージ に係る要素力 最初のステージに係る要素に向力 順番で順次入れ替えを実行する ことにより行われる請求項 1記載の信号分離方法。
[3] 前記入れ替え実行基準は、前記入れ替えに係る隣接要素のうち前記順番が小さい 要素に対応する R行列における対角線要素の絶対値が、前記入れ替え前の前記 R 行列における対角線要素の絶対値よりも小さくなることである請求項 2記載の信号分 離方法。
[4] 前記入れ替え実行基準は、前記入れ替えに係る隣接要素のうち前記順番の大き い要素に対応する R行列における対角線要素の絶対値が、前記入れ替え前の前記 R行列における対角線要素の絶対値よりも大きくなることである請求項 2記載の信号 分離方法。
[5] 前記周波数単位は、サブキャリアである請求項 1記載の信号分離方法。
[6] 前記周波数単位は、サブバンドである請求項 1記載の信号分離方法。
[7] 受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施したチャネル特定行列に対 する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM信号を分離する信号分離 方法であって、
複数の時間単位のうちの 1つの時間単位に対応する受信信号ベクトルの排列順序 を取得すると共に、前記 1つの時間単位に対応するチャネル特性行列に対して QR 分解を行うことにより、前記 1つの時間単位に対応する Q行列及び R行列を取得する ステップと、
前記 1つの時間単位について取得した前記排列順序を前記 1つの時間単位と隣接 する現排列対象の時間単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列 調整を加えることにより前記現排列対象の時間単位に関する排列順序を取得すると 共に、当該取得した排列順序に基づ 、て前記現排列対象の時間単位に対応するチ ャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の時間単位に関する Q行列及 び R行列を取得するステップと、
を具備する信号分離方法。
[8] 前記入れ替え実行基準は、前記入れ替えに係る隣接要素のうち前記順番が小さい 要素に対応する R行列における対角線要素の絶対値が、前記入れ替え前の前記 R 行列における対角線要素の絶対値よりも小さくなることである請求項 7記載の信号分 離方法。
[9] 前記入れ替え実行基準は、前記入れ替えに係る隣接要素のうち前記順番の大き い要素に対応する R行列における対角線要素の絶対値が、前記入れ替え前の前記 R行列における対角線要素の絶対値よりも大きくなることである請求項 7記載の信号 分離方法。
[10] 前記時間単位は、時刻である請求項 7記載の信号分離方法。
[11] 前記時間単位は、タイムスロットである請求項 7記載の信号分離方法。
[12] 受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施したチャネル特定行列に対 する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM信号を分離する信号分離 装置であって、
複数の周波数単位のうちの 1つの周波数単位に対応する受信信号ベクトルの排列 順序を取得すると共に、前記 1つの周波数単位に対応するチャネル特性行列に対し て QR分解を行うことにより、前記 1つの周波数単位に対応する Q行列及び R行列を 取得する第 1の QR分解手段と、
前記 1つの周波数単位について取得した前記排列順序を前記 1つの周波数単位と 隣接する現排列対象の周波数単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序 に排列調整を加えることにより前記現排列対象の周波数単位に関する排列順序を取 得すると共に、当該取得した排列順序に基づ 、て前記現排列対象の周波数単位に 対応するチャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の周波数単位に関 する Q行列及び R行列を取得する第 2の QR分解手段と、
を具備する信号分離装置。
受信信号ベクトルに対して行う排列に応じた排列を施したチャネル特定行列に対 する QR分解を伴う、 MIMO空間多重された受信 OFDM信号を分離する信号分離 装置であって、
複数の時間単位のうちの 1つの時間単位に対応する受信信号ベクトルの排列順序 を取得すると共に、前記 1つの時間単位に対応するチャネル特性行列に対して QR 分解を行うことにより、前記 1つの時間単位に対応する Q行列及び R行列を取得する 第 1の QR分解手段と、
前記 1つの時間単位について取得した前記排列順序を前記 1つの時間単位と隣接 する現排列対象の時間単位に関する初期排列順序とし、当該初期排列順序に排列 調整を加えることにより前記現排列対象の時間単位に関する排列順序を取得すると 共に、当該取得した排列順序に基づ 、て前記現排列対象の時間単位に対応するチ ャネル特性行列が QR分解された、前記現排列対象の時間単位に関する Q行列及 び R行列を取得する第 2の QR分解手段と、を具備する信号分離装置。
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