明 細 書
ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物
技術分野
[0001] 本発明は、治療薬、診断薬又は研究試薬として有用な、ホスホロチォエート結合を 有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物及びその製法に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、特定の遺伝子の発現抑制を行う方法として、オリゴ DNAによるアンチセンス 法が知られている。ターゲット遺伝子 (mRNA)と相補的な構造を有するアンチセンス 分子は、ガン細胞などの増殖を遺伝子レベルで制御することが理論的に可能なこと から、新しい医薬品としての利用が期待されている。すでに、ターゲット遺伝子 (mR NA)と相補的な構造を有する天然型のオリゴ DNAは、ターゲット遺伝子 (mRNA)と 安定な二重鎖を形成しアンチセンス分子として機能することが明らかにされている。し かし、天然型のオリゴ DNAは、細胞内の種々の酵素によりそのリン酸架橋部や核酸 塩基部が代謝を受け、アンチセンス分子としての機能が失われることが明ら力とされ ている。アンチセンス法を有効な遺伝子治療法とするために、ターゲット遺伝子 (mR NA)への親和性の向上、細胞内への透過性向上、核酸分解酵素に対する安定性 向上などの特徴を有する核酸分子の創製が有効である。
[0003] 上記目的を達成するために、オリゴ DNAに対して種々の化学修飾が研究されてき た。特に、ホスホロチォエート結合を有するオリゴ DNAは最も研究されている化合物 であり、種々のターゲット遺伝子(mRNA)に対してアンチセンス効果があることが確 認されている。
し力しながら、通常の化学合成によって合成されたホスホロチォエート結合を有す るオリゴ DNAは、各ホスホロチォエート結合部位が Rpと Spのジァステレオ混合物で あり、 N個のホスホロチォエート結合が分子内にあれば、理論上、 2N個のジァステレ ォ混合物が存在する。この P—キラルの問題は、ターゲット遺伝子 (mRNA)への親 和性、核酸分解酵素に対する安定性等に大きく影響することが予想され、光学活性 な核酸化合物の合成が望まれて ヽる。
[0004] 、くつかの研究グループから、オリゴ DNAにお!/、て、 Rp異性体は、ターゲットであ る RNAに対して結合能力を増強し、 Sp異性体は、ェキソヌクレアーゼに対して十分 に安定であることが報告されて 、る。
最近、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ DNAの合成がなされた ( 特許文献 1、非特許文献 1参照)。し力しながら、縮合工程において、不斉中心を有 するホスホロチォエート結合が生じる工程を含むので、必ずしも純度の高 、オリゴ D NAを得られるとは限らない。また、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリ ゴ RNA又は RNAを分子内に有するオリゴ核酸ィ匕合物は未だ製造されて ヽな ヽ。
[0005] 一方、最近、 RNAそのもの力 種々の機能、活性を有することが判ってきた。例え ば、 RNA干渉にぉ 、てみられるような遺伝子発現抑制が知られて 、る。
しカゝしながら、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ RNA又は RNAを 分子内に有するオリゴ核酸は未だ合成されて 、な 、ので、該化合物の効果にっ 、て も研究が充分になされて 、な 、。
[0006] 特許文献 1:国際公開第 01/40515A1号パンフレット
非特干文献 1 :Wojciech J. stecら, Journal of American Chemical Soci ety, 120 (29) , 7156 (1998)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明の目的は、主として治療薬、診断薬又は研究試薬として有用となり得るホス ホロチォエート結合を有する、光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物及びその製法並びにそ の原料となる核酸ダイマーを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ホスホロチォエート結合を有する光学活性 な核酸ダイマー化合物を利用することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本 発明を完成するに至った。
[0009] I.ホスホロチォヱート結合を有する光学活件なオリゴ核酸化合物の製法
次の一般式(1)で表されるホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸
化合物は、核酸合成ユニットとして、次の一般式(2a)又は(2b)で表される光学活性 な核酸ダイマー化合物を少なくとも 1つ使用することによって製造することができる。 以下それを詳述する。
[化 1]
Θ o 4s、
Θ o
( 1 ) ( 2 a ) ( 2 b )
[式中、各 Bは、それぞれ独立して、核酸塩基をORP III表す。 nは、 1〜99の範囲内にある整 数を表す。各 R1は、それぞれ独立して、水素、水酸基又はアルコキシ基を表し、各 は、少なくとも 1つは水酸基を表す。各 Yは、それぞれ独立して、次の一般式(la)、 ( lb)又は(lc)で表される置換基を表し、各 Yは、少なくとも 1つは置換基(la)又は(1 b)を表す。但し、隣り合う構成モノマーの Yがいずれも置換基(la)又は(lb)である 場合を除く。
[化 2]
b ) ( l c )
Zは、水素又はリン酸基を表す。
Bx、 Bxは、同一又は異なって、保護基を有していてもよい核酸塩基を表す。 Rlal、
1 2
Rla2は、同一又は異なって、水素、アルコキシ又はシリルォキシを表す。 R2は、ァシ ル、又は次の一般式(3a)若しくは(3b)で表される置換基を表す。
( 3 a ) 3 b
[式中、 R2a、 R2bは、同一又は異なって、アルキルを表す力、又は R2a、 R2bが隣接す る窒素原子と一緒になつて形成される、 5〜6員の飽和アミノ環基を表す。 R2dはァリ ール又は 1〜2環性の複素環基を表す。 R2 R2eは、アルキルを表す。 ]
R3は、アルキル、ァリール又は 1〜2環性の複素環基を表す。 R4は、水素又は酸性 条件下で脱離する基を表す。 ]
[0010] B、B 、B 〖こ係る「核酸塩基」は、核酸の合成に使用されるものであれば特に制
XI X2
限されない。例えば、アデニン、グァニン、シトシン、ゥラシル、チミン又はそれらの修 飾体を挙げることができる。
核酸塩基の「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されて 、る化合物を 、う B、 B 、 B の修飾体に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、ァシル、アルキル
XI X2
、ァリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミ入モノアルキ ルァミノ、ジアルキルァミノ、カルボキシ、シァノ及び-トロからなる群から 1〜3個の同 一又は異なる置換基を選択することができる。
[0011] ここで、本発明おいて「ノヽロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙 げることができる。
本発明において「ァシル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数 1〜6の アルカノィル、炭素数 7〜13のァロイルを挙げることができる。具体的には、例えば、 ホルミル、ァセチル、 n プロピオニル、イソプロピオニル、 n—ブチリル、イソブチリル 、 tert—ブチリル、バレリル、へキサノィル、ベンゾィル、ナフトイル、レブリ-ルを挙げ ることができる。当該「ァシル」は置換されていてもよぐ力かる置換基としては、例え ば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シァ入ニトロ、トリメチルシリルを挙げることがで き、これらが 1〜3個置換されている。なかでも、 R2に係る「ァシル」としては、例えば、 レブリニル、ァセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ベンゾィル、 4—ァニソ ィル、フエ-ルァセチル、フエノキシァセチル、 4 tert ブチルフエノキシァセチル、 4 イソプロピルフエノキシァセチルを挙げることができる。
[0012] 本発明において「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数 1〜5
のものを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、ェチル、 n—プロピル、ィ ソプロピル、 n—ブチル、イソブチル、 sec—ブチル、 tert—ブチルを挙げることができ る。当該「アルキル」は置換されていてもよぐ力かる置換基としては、例えば、ハロゲ ン、アルキル、アルコキシ、シァ入ニトロ、トリメチルシリルを挙げることができ、これら 力^〜 3個置換されている。なかでも、 R2a、 R2bに係る「アルキル」としては、例えば、メ チル、ェチル、 n—プロピル、イソプロピルを挙げることができ、 R2c、 R2d、 R3に係る「ァ ルキル」としては、例えば、メチル、 2—シァノエチル、 2— -トロェチル、 2—トリメチル シリルェチルを挙げることができる。
本発明にお 、て「ァリールアルキル」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルァミノ」 及び「ジアルキルァミノ」のアルキル部分は、上記「アルキル」と同じものを挙げること ができる。
[0013] 本発明において「ァリール」としては、例えば、炭素数 6〜12のものを挙げることが できる。具体的には、例えば、フエニル、 1—ナフチル、 2—ナフチル、ビフエ二ルを挙 げることができる。当該「ァリール」は置換されていてもよぐ力かる置換基としては、例 えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シァ入ニトロを挙げることができ、これらが 1 〜3個置換されている。なかでも、 R2d、 R3に係る「ァリール」としては、例えば、 2—ク ロロフエ-ル、 2—クロ口一 4— tert -ブチルフエ-ルを挙げることができる。
本発明にお 、て「ァリールアルキル」のァリール部分は、上記「ァリール」と同じもの を挙げることができる。
[0014] 本発明において「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数 1 〜4のものを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、 n—プロボ キシ、イソプロポキシ、 n—ブトキシ、イソブトキシ、 sec—ブトキシ、 tert—ブトキシを挙 げることができる。当該「アルコキシ」は置換されていてもよぐ力かる置換基としては、 例えば、アルキル、アルコキシを挙げることができ、これらが 1〜3個置換されていても よい。なかでも、 R\ Rlal、 Rla2に係る「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、ェトキ シ、メトキシエトキシを挙げることができる。
本発明にお 、て「アルコキシアルキル」のアルコキシ部分も、上記「アルコキシ」と同 じちのを挙げることができる。
[0015] 本発明において「ァシル」、「アルキル」、「ァリール」の置換基である「ノヽロゲン」、「ァ ルキル」及び「アルコキシ」としては、各々前記と同じものを挙げることができる。
[0016] B 、B に係る「核酸塩基」は保護されていてもよぐなかでもアミノ基を有する核酸
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塩基、例えば、アデニン、グァニン、シトシンは、ァミノ基が保護されているのが好まし い。力かる「ァミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば 特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾィル、 4 ァ-ソィル、ァセチル、プロ ピオニル、ブチリル、イソブチリル、フエ二ルァセチル、フエノキシァセチル、 4 tert ブチルフエノキシァセチル、 4 イソプロピルフエノキシァセチルを挙げることができ る。
[0017] Rlal、 Rla2に係る「シリルォキシ」としては、例えば、トリメチルシリル、トリェチルシリル 、 tert—ブチルジメチルシリル、トリイソプロビルシリル、 tert—ブチルジフ 二ルシリ ノレを挙げることができる。
[0018] R2d、 R3に係る「1〜2環性の複素環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫 黄原子力 なる群力 選択されるへテロ原子 1〜3個を含み、 1〜6個の不飽和結合 を有していてもよぐ置換されていてもよい 5〜 12員の単環又は縮合環を挙げること ができる。力かる置換基としては、例えば、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロか らなる群力 選択される 1〜3個の同一又は異なる置換基を挙げることができる。なか でも、 1—ベンゾトリァゾール、 1—モルホリノが好ましい。
[0019] R4に係る「酸性条件下で脱離する基」としては、例えば、トリチル、 4, 4'—ジメトキ シトリチル、 9 フエニルキサンテンー9 ィル、 2—テトラヒドロビラニル、 1ーメトキシ —4—テトラヒドロビラ-ルを挙げることができる。
R2a、 R2bに係る「5〜6員の飽和アミノ環基」としては、例えば、ピロリジン— 1—ィル、 ピぺリジン一 1—ィル、モルホリン一 1—ィルを挙げることができる。
[0020] 本発明において製造されるオリゴ核酸ィ匕合物に存在するホスホロチォエート結合部 位のリン原子上の不斉中心は、全て光学活性な核酸ダイマー化合物(2a)又は(2b) によって導入される。
本発明に係るオリゴ核酸化合物の製法において使用する核酸ダイマー化合物(2a )又は(2b)は、いわゆる固相法において製造する力、又は、いわゆる液相法におい
て製造するかによって異なる。
以下、ホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィヒ合物の固相法による製法及び 液相法による製法にっ 、て詳述する。 図面の簡単な説明
[0021] [図 1]図 1は、(Rp)— AsA(l)の逆相 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す 。図中、縦軸は、時間 (分)を示し、横軸は、吸収強度を示す。
[図 2]図 2は、(Sp)— AsA (2)の逆相 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す 。図中、縦軸は、時間 (分)を示し、横軸は、吸収強度を示す。
[図 3]図 3は、(Rp)—AsA(l)と(Sp)—AsA (2)との混合物の逆相 HPLC分析によ り得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)を示し、横軸は、吸収強度 を示す。
[図 4]図 4は、実施例 8において合成されたオリゴ核酸ィ匕合物(3)のイオン交換 HPL C分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)を示し、横軸は 、吸収強度を示す。
[図 5]図 5は、実施例 9において合成されたオリゴ核酸化合物 (4)のイオン交換 HPL C分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)を示し、横軸は 、吸収強度を示す。
発明を実施するための最良の形態
[0022] 1 (a) .ホスホロチォヱー 合 有する光学活件なオリゴ核酴化合物の困相法による 膽
ホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物の固相法による製法は、例えば 、次に示す工程 1〜工程 7の操作を経ることにより、段階的に 3'から 5'の方向へ核酸 合成ユニットを縮合し、核酸重合度が 2〜: LOOのホスホロチォエート結合を有するオリ ゴ核酸ィ匕合物を製造することができる。当該製法は、マニュアル又は自動合成機を 用いるいずれの方法によっても実施することができるが、操作法の簡便化、また合成 の正確性の点から自動合成機を用いる方法が望ましい。また、反応式に記載されて いる化合物及び試薬のうち、核酸合成ユニット以外については、オリゴ DNA合成に
一般的に使用されているものであれば特に限定されない。
[0023] (1)工程 1:固相担体に担持された核酸ィ匕合物に酸を作用させることによって 5'位の 水酸基の保護基を脱離する工程。
本工程は、固相担体に担持された次の一般式 (6)、(6a)、(6b)で表される核酸ィ匕 合物、又は、後述する工程 A〜工程 Dの操作を行うことにより製造される固相担体に 担持されたオリゴ RNA若しくはオリゴ DNA (以下、「固相担体に担持された核酸化合 物」という。 )に酸を作用させることにより実施することができる。
[化 4]
(6) (6 a) (6 b)
[式中、 Bx、B 、B 、 Rla、 Rlal、 Rla2、 R3、 R4は前記と同義である。 R2Lは、次の一 xl x2
般式 (7)で表される置換基である。
[化 5] 一 ιΗリンカー H固相担体 I (7)
[式中、 Lは、単結合又は次の一般式 (8)で表される置換基を表す。
[化 6]
0=P— O- OR2e
[式中 R ま、前記と同義である。 ]]]
[0024] 「固相担体」としては、例えば、定孔ガラス(controlled pore glass;CPG)、ォキ サリル化—定孔ガラス(例えば、 Alulら, Nucleic Acids Research, 1991, 19, ]
527を参照)、 TentaGel支持体ーァミノポリエチレングリコール誘導体ィ匕支持体 (例 えば、 Wrightら, Tetrahedron Letters, 1993, 34, 3373を参照)、 Poros—ポリ スチレン Zジビュルベンゼンのコポリマーを挙げることができる。
「リンカ一」としては、例えば、 3—ァミノプロピル、スクシ-ル、 2, 2'ージエタノール スルホ -ル、ロング一チェーンアルキルアミノ(LCAA)を挙げることができる。
化合物(6)、 (6a) , (6b)は、公知の方法に従い製造される又は市販品として入手 できる固相担体に担持された核酸化合物である。化合物(6)、(6a)、(6b)における
R2Lの好ましい態様としては、次の一般式(9a)、(9b)で表される置換基を挙げること ができる。
[化 7]
( 9 a ) ( 9 b )
[式中、 R2Eは、前記と同義である。 ]
R2Lが置換基(9a)又は(9b)である化合物(6a)又は(6b)は、例えば、核酸ダイマ 一化合物(2a)又は(2b)力 公知の方法(例えば、 Steven P. Adamsら, Journa 1 of American Chemical Society, 105, 661 (1983)、 T. Hornら, Tetrah edron Letters, 27, 4705 (1986)、 A. Guzaevら,アメリカ特許第 5959090号 公報を参照)に従い製造することができる。
本工程に使用しうる「酸」としては、例えば、トリフルォロ酢酸、トリクロ口酢酸、酢酸 等を挙げることができる。本工程に使用する酸は、適当な溶媒で希釈して使用するこ ともできる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ァセトニトリル、水又はこれら の混合溶媒を挙げることができる。上記反応における反応温度は、 20°C〜50°Cが適 当である。反応時間は、使用する酸の種類、反応温度によって異なるが、通常 1分〜 1時間が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持された核酸化合物に対し て 1〜 100倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量が好まし!/、。
[0027] (2)工程 2 :工程 1において製造された、固相担体に担持された核酸化合物に活性 ィ匕剤を用いて核酸合成ユニットを縮合させる工程。
本工程は、固相担体に担持された核酸ィ匕合物に核酸合成ユニットと活性化剤とを 作用させること〖こより実施することができる。
[0028] 固相法に用いる「核酸合成ユニット」としては、例えば、核酸モノマーユニット、核酸 ダイマーユニット、核酸オリゴマーユニットを挙げることができる。
[0029] 「核酸モノマーユニット」としては、例えば、公知の方法に従い製造又は市販品とし て入手可能な次の一般式(10a)で表される化合物を挙げることができる。
( 1 0 a )
[式中、 Bx、 Rla、 R4は、上記と同義である。 R2paは、一般式 (3a)で表される置換基を 表す。
[式中、 R2a、 R2b、 R2eは、前記と同義である。 ]]
[0030] 「核酸ダイマーユニット」としては、例えば、次の一般式(2a )又は(2b )で表される 光学活性な核酸ダイマー化合物を挙げることができる。
[式中、 B 、B 、 R
lal、 R
la2、 R
2pa、 R
3、 R
4は、前記と同義である。]
xl x2
「オリゴ核酸ユニット」としては、例えば、次の一般式(11a)で表されるオリゴ核酸化 合物を挙げることができる。
[化 11]
( 1 1 a )
[式中、 B、 Rla、 R2pa、 R3、 R4は、前記と同義である。 qは、 1〜98の範囲内にある整 数を表す。 ]
[0032] 「活性化剤」としては、例えば、 1H—テトラゾール、 5— (4 -トロフエ-ル) 1H —テトラゾール、又はジイソプロピルアミノテトラゾリドを挙げることができる。上記反応 における反応温度は、 20°C〜50°Cが適当である。反応時間は、使用する活性化剤 の種類、反応温度によって異なるが、通常 1分〜 1時間が適当である。使用する試薬 の量は固相担体に担持された核酸化合物に対して 1〜: LOO倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量がより好まし!/、。
[0033] (3)工程 3:工程 2にお ヽて未反応であった、固相担体に担持された核酸化合物の 5
'位の水酸基をキヤッビングする工程。
本工程は、前記工程 2において未反応であった、固相担体に担持された核酸化合 物の 5'位の水酸基を保護する反応であり、固相担体に担持された核酸化合物にキ ヤップ化剤を作用することにより実施することができる。
[0034] 「キャップ化剤」としては、例えば、無水酢酸又はフ ノキシ酢酸無水物を挙げること ができる。キャップ化剤は、 0. 05〜1Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使 用することもできる。反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、 例えば、ピリジン、ジクロロメタン、ァセトニトリル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合
溶媒を挙げることができる。また、必要に応じて、「反応促進剤」として、例えば、 4— ジメチルァミノピリジン、 N—メチルイミダゾールを使用することができる。上記反応に おける反応温度は、 20°C〜50°Cが適当である。反応時間は、使用するキャップ化剤 の種類、反応温度によって異なるが、通常 1分〜 30分が適当である。使用する試薬 の量は固相担体に担持された核酸化合物に対して 1〜: LOO倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量が好まし!/、。
[0035] (4)工程 4:工程 2にお 、て製造された核酸化合物に酸化剤を作用させることによつ て亜リン酸基をリン酸基に変換する工程。
本工程は、 3価のリンから 5価のリンに酸化剤を使用して変換する反応であり、固相 担体に担持された核酸ィ匕合物に酸化剤を作用させることにより実施することができる
[0036] 「酸化剤」としては、例えば、ヨウ素、 tert—ブチルヒドロペルォキシドを挙げることが できる。また、本工程に使用する酸化剤は、 0. 05〜2Mの濃度になるように適当な溶 媒で希釈して使用することもできる。反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に 限定されないが、例えば、ピリジン、テトラヒドロフラン、水又はこれらの混合溶媒を挙 げることができる。例えば、ヨウ素 Z水 Zピリジンーテトラヒドロフランあるいはヨウ素 Z ピリジン 酢酸、過酸化剤(例えば、 tert ブチルハイド口パーォキシド Zジクロロメ タン)を用いることができる。反応温度は、 20°C〜50°Cが適当である。反応時間は、 使用する酸化剤の種類、反応温度によって異なるが、通常 1分〜 30分が適当である 。使用する試薬の量は固相担体に担持された核酸化合物に対して 1〜 100倍モル 量が適当であり、 10〜50倍モル量が好ましい。
[0037] (5)工程 5:上記工程 1〜4を繰り返すことにより製造された、所望の鎖長のホスホロチ ォエート結合を有するオリゴ核酸化合物を固相担体から切り出し、各核酸塩基部分 及び各 2'位の水酸基の保護基を脱離する工程。
本工程は、所望の鎖長のホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物を切り 出し剤によって、固相担体及びリンカ一から外す反応であり、所望の鎖長のホスホロ
チォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物が担持された固相担体に切り出し剤を添 加することにより実施することができる。また、本工程において、各核酸塩基部の保護 基を脱離することができる。
[0038] 「切り出し剤」としては、例えば、濃アンモニア水、メチルァミンを挙げることができる 。本工程に使用する「切り出し剤」は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピ ルアルコール、ァセトニトリル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合溶媒で希釈して使 用することもできる。なかでも、エタノールが好ましい。
反応温度は、 15°C〜75°Cが適当であり、 15°C〜30°Cが好ましぐ 18°C〜25°Cが より好ましい。脱保護反応時間は、 1〜30時間が適当であり、 1〜24時間が好ましぐ 12〜24時間がより好ましい。脱保護に使用される溶液中の水酸ィ匕アンモ-ゥムの濃 度は、 20〜30重量%が適当であり、 25〜30重量%が好ましぐ 28〜30重量%がよ り好ましい。使用する試薬の量は、固相担体に担持された核酸化合物に対して 1〜1 00倍モル量が適当であり、 10〜50倍モル量が好まし!/、。
[0039] 2'位の水酸基の保護基を脱離する工程は、「2'位の水酸基の保護基を脱保護す る試薬」、例えば、テトラ n—プチルアンモ -ゥムフルオリド、三フッ化水素'トリェチル アミン塩を固相担体力 切り出された所望の鎖長のホスホロチォエート結合を有する オリゴ核酸ィ匕合物に作用させることにより行うことができる。反応溶媒としては、反応に 関与しなければ特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、 N—メチルピロリド ン、ピリジン又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、 20°C〜80°C が適当である。反応時間は、使用する脱保護剤の種類、反応温度によって異なるが 、通常 1時間〜 100時間が適当である。使用する試薬の量は除去される保護基に対 して 50〜500倍モル量力適当であり、 50〜: LOO倍モル量が好まし!/ヽ。
上記反応混合物から通常の分離手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分 離、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー 、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、透析、限界ろ過などの手段を用いることにより、 5 '位が保護されたオリゴ核酸ィ匕合物を単離することができる。
[0040] (6)工程 6:工程 5において製造されたオリゴ核酸化合物の 5'位水酸基の保護基を
脱離する工程。
本工程は、最終的にオリゴ核酸化合物の 5'位水酸基の保護基を脱離する反応で あり、固相担体力 切り出されたホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物 に酸を作用させることにより実施することができる。
[0041] 「酸」としては、例えば、トリクロ口酢酸、ジクロロ酢酸、酢酸等を挙げることができる。
本工程に使用する酸は、適当な溶媒で希釈して使用することもできる。反応溶媒とし ては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、ァセトニトリル、水 、 pHが 2〜5の緩衝液又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。緩衝液としては、 例えば、酢酸緩衝液を挙げることができる。反応温度は、 20°C〜50°Cが適当である 。反応時間は、使用する酸の種類、反応温度によって異なるが、通常 1分〜 1時間が 適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持された核酸化合物に対して 1〜 1 00倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量が好まし!/、。
[0042] (7)工程 7:工程 6にお 、て製造されたオリゴ核酸化合物を分離精製する工程。
「分離精製工程」とは、上記反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、 濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、 C力 C の逆相カラムクロマトグラフィー、 C
8 18
力 C の逆相カートリッジカラム、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交
8 18
換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトダラ フィ一、透析、限界ろ過などの手段を単独若しくは組み合わせて用いることにより、所 望のホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物を単離精製する工程である。
[0043] 「溶出溶媒」としては、例えば、ァセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピル アルコール、水の単独溶媒もしくは任意の比率の混合溶媒を挙げることができる。こ の場合添加物として、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩ィ匕ナトリウム、塩ィ匕 カリウム、酢酸アンモ-ゥム、酢酸トリェチルアンモ-ゥム、酢酸ナトリウム、酢酸力リウ ム、トリス塩酸、エチレンジァミン四酢酸を lmM〜2Mの濃度で添カ卩し、溶液の pHを 1〜9の範囲で調整することもできる。
[0044] 上記工程 1〜工程 4の操作を繰り返すことにより、所望の鎖長のホスホロチォエート
結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物(1)を製造することができる。なお、本製法において ホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物を製造するための出発原料として
、化合物(6)、(6a)、(6b)等を使用することができる。但し、出発原料として、化合物 (6)を使用した場合、核酸合成ユニットとして、少なくとも 1つは核酸ダイマー化合物( 2a )又は(2b )を使用する必要がある。
また、本製法において、上記工程 5の操作を行う前に上記工程 6の操作を行い、そ の後上記工程 5の操作を行 、、次 、で上記工程 7の操作を行うことによりオリゴ RNA を単離精製することもできる。
さらに、本製法において、上記工程 5の操作を行った後に、上記工程 7の操作を行 い、その後、上記工程 6、次いで再度上記工程 7の操作を行うことによりオリゴ RNAを 単離精製することもできる。
[0045] Kb) .ホスホロチォヱー 合 有する光学活件なオリゴ核酴化合物の液相法による 膽
ホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物の液相法による製法は、例えば 、次に示す工程 a〜dの操作を経ることにより、段階的に核酸合成ユニットを縮合し、 核酸重合度が 2〜: LOOのホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物を製造 することができる。当該合成法において、反応式に記載されている化合物及び試薬 のうち、核酸合成ユニット以外については、オリゴ DNA合成に一般的に使用されて V、るものであれば特に限定されな 、。
[0046] 液相法に用いる「核酸合成ユニット」としては、例えば、核酸モノマーユニット、核酸 ダイマーユニット、核酸オリゴマーユニットを挙げることができる。
[0047] 「核酸モノマーブロック」としては、公知の方法に従!、製造又は市販品として入手可 能な次の一般式(10b)で表される化合物を挙げることができる。
( 1 0 b )
[式中、 Bx、 Rla、 R4は、上記と同義である。 R2pbは、ァシル又は次の一般式(3b)で 表される置換基を表す。
[化 13]
R2d-0-P=0
o
R2e
( 3 b )
[式中、!Td、 R2eは、前記と同義である。 ] ]
R2pbに係る「ァシル」としては、前記と同じものを挙げることができる。なかでも、 と 同じものを挙げることができる。
[0048] 「核酸ダイマーユニット」としては、例えば、次の一般式(2a )又は(2b )で表される
2 2
光学活性な核酸ダイマー化合物を挙げることができる。
[化 14]
( 2 a 2 ) ( 2 b 2 )
[式中、 B 、B 、 Rlal、 Rla2、 R2pb、 R3、 R4は前記と同義である。]
xl x2
[0049] 「オリゴ核酸ユニット」としては、例えば、次の一般式(l ib)で表される化合物、又は 、工程 a〜bを経ることにより、核酸モノマーユニット、核酸ダイマーユニット若しくはォ リゴ核酸ユニット(l ib)を縮合して製造されるオリゴ核酸ィ匕合物を挙げることができる
[化 15]
( l i b )
[式中、 Bx、 Rla、 R2pb、 R3、 R4は、前記と同義である。 qは、 1〜98の範囲内にある整 数を表す。 ] (1)工程 a:選択的脱保護の工程。
選択的脱保護工程は、核酸合成ユニットに、 5'位又は 3'位の水酸基の保護基を 脱離する試薬を作用させることによって、選択的に脱保護された化合物を製造する 工程である。具体的には、例えば、核酸合成ユニットである、核酸モノマーユニット、 核酸ダイマーユニット又はオリゴ核酸ユニットにお 、て、 5,位の水酸基に置換して!/ヽ る保護基である、例えば、 4, 4'ージメトキシトリチル、又は 3'位の水酸基に置換して いるリン酸基上の保護基である、例えば、シァノエチル基を除去する工程である。 「シァノエチル基を除去する試薬」としては、例えば、ピリジン—トリェチルァミン—水
(3 : 1 : 1)溶液を挙げることができる。
「4, 4'—ジメトキシトリチル基を除去する試薬」としては、例えば、トリクロ口酢酸、酢 酸を挙げることができる。
「4, 4'—ジメトキシトリチル基を除去する試薬」、「シァノエチル基を除去する試薬」 の使用量は、除去される 4, 4'ージメトキシトリチル基あるいはシァノエチル基に対し て、 1〜20倍モル量、より好ましくは、 1〜10倍モル量である。上記反応における反 応温度は、例えば、 20°C〜100°Cが適当あり、 0°C〜80°Cが好ましぐ 5°C〜30 °Cがより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、 通常 1分〜 1時間が適当である。
(2)工程 b :縮合工程,
本工程は、通常、適当な溶媒中、過剰の有機アミン存在下において、 2種類の選択 的に脱保護された核酸合成ユニット、(例えば、 5'位の水酸基の保護基が脱離した 核酸合成ユニットと 3'位の水酸基の保護基が脱離した核酸合成ユニット)に縮合試 薬を作用させること〖こより実施することができる。
反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、テトラヒド 口フラン、ジェチルエーテル、 1, 4 ジォキサンなどのエーテル類、ァセトニトリル、プ 口ピオ-トリルなどの-トリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素、ピリジンなどの 有機アミン類又はこれらの混合溶媒が挙げられる。縮合試薬の使用量は、核酸合成 ユニットである、核酸モノマーユニット、核酸ダイマーユニット、又は、オリゴ核酸ュ-ッ トに対して、 1〜 20倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量が好ましい。反応温度は 、例えば、 20°C〜100°Cが適当あり、 0°C〜80°Cが好ましぐ 5°C〜30°Cがより好 ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常 30分 〜 100時間が適当である。
「縮合試薬」としては、例えば、 1一(2—メシチレンスルホ -ル)ー3 -トロー 1, 2, 4 トリァゾール、 2, 4, 6 トリメチルベンゼンスルホ-ルテトラゾール又 1— (2, 4, 6 —トリイソプロピルベンゼンスルホ -ル)—3 -トロ 1, 2, 4 トリァゾールを挙げる ことができる。 (3)工程 c:全ての保護基を脱離する工程。
本工程は、上記工程 aと工程 bとの繰り返しにより製造される所望の鎖長の保護され たオリゴ核酸ィ匕合物のすべての保護基を脱離する工程である。
本工程において使用する「各保護基を除去するための試薬」としては、例えば、ァ ンモユア類、シリル基を除去する試薬、酸を挙げることができる。
「アンモニア類」としては、例えば、水酸ィ匕アンモ-ゥム水溶液及びアンモニア Zメタ ノール溶液を挙げることができる。反応温度は、 18°C〜75°Cが適当であり、 18°C〜6 5°Cが好ましぐ 25°C〜55°Cがより好ましい。反応時間は、 1〜30時間が適当であり 、 1〜24時間が好ましい。脱保護に使用される溶液中の水酸ィ匕アンモ-ゥムの濃度 は、 20〜30重量%が適当であり、 25〜30重量%が好ましい。使用する試薬の量は
、除去される保護基に対して 1〜: LOO倍モル量が適当であり、 10〜50倍モル量が好 ましい。
「シリル基を除去する試薬」として、 2'位の水酸基の保護基力 ¾ert—ブチルジメチ ルシリル基である場合、例えば、テトラ n—ブチルアンモ -ゥムフルオリド、三フッ化水 素'トリェチルアミン塩を挙げることができる。反応溶媒としては、反応に関与しなけれ ば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、 N—メチルピロリドン、ピリジン、ト リエチルァミン又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、 20°C〜80
°Cが適当であり、 55°C〜70°Cが好ましい。反応時間は、使用する脱保護剤の種類、 反応温度によって異なるが、通常 1時間〜 100時間が適当である。使用する試薬の 量は、除去される保護基に対して 50〜500倍モル量が適当であり、 50〜: L00倍モル 量が好ましい。
「酸」としては、例えば、トリクロ口酢酸、酢酸等を挙げることができる。酸は、適当な 溶媒で希釈して使用することもできる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ァ セトニトリル、水又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、 20°C〜5 0°Cが適当である。反応時間は、使用する酸の種類、反応温度によって異なる力 通 常 1分〜 1時間が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されている化合 物に対して 1〜 100倍モル量が適当であり、 1〜 10倍モル量が好まし!/、。 (4)工程 d:精製工程。
「精製工程」とは、上記反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮 、中和、濾過、遠心分離、再結晶、 C力 C の逆相カラムクロマトグラフィー、 C力
8 18 8
C の逆相カートリッジカラム、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換力
18
ラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー 、透析、限界ろ過などの手段を単独若しくは組み合わせて用いることにより、所望の ホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物を単離精製する工程である。
「溶出溶媒」としては、例えば、ァセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピル アルコール、水の単独溶媒もしくは任意の比率の混合溶媒を挙げることができる。こ の場合添加物として、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩ィ匕ナトリウム、塩ィ匕
カリウム、酢酸アンモ-ゥム、酢酸トリェチルアンモ-ゥム、酢酸ナトリウム、酢酸力リウ ム、トリス塩酸、エチレンジァミン四酢酸を lmM〜2Mの濃度で添カ卩し、溶液の pHを 1〜9の範囲で調整することもできる。 上記工程 a、工程 bを繰り返し行うことにより、所望の鎖長のオリゴ核酸ィ匕合物を製 造することができる。なお、本製法においてホスホロチォエート結合を有するオリゴ核 酸化合物を製造するため、核酸合成ユニットとして、少なくとも 1つは核酸ダイマー化 合物(2a )又は(2b )を使用し、及びオリゴ核酸ィ匕合物の構成モノマーとしてリボ核
2 2
酸ィ匕合物を少なくとも 1つ使用する必要がある。 [0054] 1 (c) .総栝
本発明は、少なくとも 1つは、ラセミ化を起こさないよう高度にホスホロチォエート結 合部位が保護された核酸ダイマー化合物(2a)又は(2b) (固相法による場合は、核 酸ダイマー化合物(2a )又は(2b )、液相法による場合は、核酸ダイマー化合物(2a
)又は(2b ) )を使用するオリゴ核酸ィ匕合物(1)の製法である。また、本発明は、従来
2 2
力 知られているホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物の製法とは異な り、通常のオリゴ核酸ィ匕合物の製法と同様にリン酸ジエステル結合のみを形成する方 法である。
したがって、本発明は、核酸合成ユニットの 1つとして純度の高い核酸ダイマー化 合物(2a)又は(2b)を使用することにより、純度の高いオリゴ核酸ィ匕合物を容易に製 造することができる製法である。本発明により製造されるオリゴ核酸化合物の純度とし て ίま、 f列免は、、 500/0〜1000/0力 S適当であり、 95〜99. 990/0力 S好ましく、 99〜99. 9 %がより好ましい。
[0055] II.ホスホロチォヱート結合を有する光学活件な核酸ダイマー化合物
本発明として、次の一般式 (2a)又は(2b)で表される光学活性な核酸ダイマー化 合物(以下、「本発明核酸ダイマー」という。)を挙げることができる。
( 2 a ) ( 2 b )
[式中、 Bx、 Bx、 Rlal、 Rla2、 R2、 R3、 R4は、前記と同義である。 ]
1 2
[0056] 本発明核酸ダイマーは、高度に保護された光学活性なホスホロチォエート結合部 位を有するので、ラセミ化を起こさないという特徴を有する。したがって、本発明核酸 ダイマーは、例えば、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物 (1)を製造するための原料ィ匕合物として有用である。
[0057] 本発明核酸ダイマーの具体例としては、次の 1.〜14.の化合物を挙げることがで きる。
1. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2,— O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォ ホスホリル 6— N ベンゾィル 2,— O— tert -ブチルジメチルシリルアデノシン —3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
2. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)—2,—O— tert—ブチルジメチル シリルゥリジルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォホスホリル 2, -O-tert ーブチルジメチルシリルゥリジン 3' -0- (2 シァノエチルー N, N ジイソプロピ ノレホスホロアミダイト)
3. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2,— O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォ ホスホリル 2— N イソブチリル 2 '— O— tert ブチルジメチルシリルグアノシン —3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
4. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 2— N—イソブチリル— 2,— O
tert—ブチルジメチルシリルグアノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリル 6— N ベンゾィル - 2' -0- tert -ブチルジメチルシリルアデノシ ン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
5. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)—2,—O— tert—ブチルジメチル シリルゥリジルー [3,→5, ] -0- (2 シァノエチル)チォホスホリルー4 N— (4— ァ-ソィル) 2,一O— tert—ブチルジメチルシリルシチジン一 3,一 O— (2 シァノ ェチル N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
6. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2, O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォ ホスホリルー4 N— (4—ァ-ソィル)—2'— O—tert—ブチルジメチルシリルシチ ジン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
7. (Rp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 2— N—イソブチリル— 2, O tert—ブチルジメチルシリルグアノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリル一チミジン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホ ロアミダイト)
8. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2, O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォ ホスホリル 6— N ベンゾィル 2,— O— tert -ブチルジメチルシリルアデノシン —3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
9. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)—2,—O—tert—ブチルジメチル シリルゥリジルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チォホスホリル 2,—O—tert —ブチルジメチルシリルゥリジン— 3' -0- (2 シァノエチル— N, N ジイソプロピ ノレホスホロアミダイト)
10. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2, O tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリル 2— N イソブチリル 2 '— O— tert ブチルジメチルシリルグアノシ ン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
11. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 2— N—イソブチリル— 2, O
tert—ブチルジメチルシリルグアノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリル 6— N ベンゾィル - 2' -0- tert -ブチルジメチルシリルアデノシ ン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
12. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)—2,—O— tert—ブチルジメチ ルシリルゥリジルー [3,→5, ] -0- (2 シァノエチル)チォホスホリルー4 N— (4 —ァニソィノレ)—2,—O— tert—ブチノレジメチノレシリノレシチジン— 3,— O— (2 シァ ノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト)
13. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2,— O tert—ブチルジメチルシリルアデノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリルー4 N— (4 ァ-ソィル) 2,— O—tert ブチルジメチルシリルシ チジン— 3, -0- (2 シァノエチル— N, N—ジイソプロピルホスホロアミダイト)
14. (Sp)—5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 2— N—イソブチリル— 2,— O tert—ブチルジメチルシリルグアノシルー [3,→5,]—O—(2 シァノエチル)チ ォホスホリル一チミジン一 3, -0- (2 シァノエチル一 N, N ジイソプロピルホスホ ロアミダイト)
[0058] III.本発明核酸ダイマーの製法
本発明核酸ダイマーは、次のようにして製造することができる。
以下の製法において、原料に反応させたくない置換基 (例えば、ヒドロキシ、アミ入 カルボキシ)が存在する場合は、当該原料をあらかじめ公知の方法に従い、保護基( 例えば、ベンゾィル又は 4ーァ-ソィル基)で保護した後に反応に用いるのが一般的 である。反応後に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法に従い保護 基を脱離することができる。
本発明核酸ダイマーは、公知の化合物又は容易に製造可能な中間体から、例えば 、次の工程 A〜工程 Dを経ることにより製造することができる。
以下、それらの工程を詳細に説明する。
[0059] (1)工程 A:核酸ダイマー化合物(15)を製造する工程。
[化 17]
, la2 -, 3
[式中、 B 、B 、 Rlal、 Rlaz、 、 R4は、前記と同義である。 R2yはァシルを表す, x2
R2xは、次の一般式( 13a)〜( 13e)で表される置換基を表す。
[化 18]
( 1 3 a ) ( 1 3 ( 1 3 c ) ( 1 3 d ) ( 1 3 e )
[式中、 R3a、 R3bは、同一又は異なって、アルキルを表す。 R3e、 R3d、 R3eは、アルキル を表す。 R3iは、アルキル、ァリール又は 1〜2環性の複素環を表す。 q、 r、 s、 tは、そ れぞれ独立して 1〜2の範囲内にある整数を表す。 ] ]
R3a、 R3b、 R3 R3d、 R3e、 R3iに係る「アルキル」としては、前記と同じものを挙げるこ とができる。なかでも、 R3a、 R3b、 R3eに係る「アルキル」は、前記 R2a、 R2bに係る「アル キル」と同じものを挙げることができる。また、 R3 R3d、 R3iに係る「アルキル」は、前記 R2eに係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
R3iに係る「ァリール」、「1〜2環性の複素環」は、前記と同じものを挙げることができ る。なかでも、 R3iに係る「ァリール」は、前記 R2dに係る「ァリール」と同じものを挙げる ことができる。
R2yに係る「ァシル」としては、前記と同じものを挙げることができる。なかでも、前記 R 2に係る「ァシル」と同じちのを挙げることができる。 本工程では、核酸化合物(12)を適当な溶媒に溶解し、適当なリン酸化試薬を作用 させることによって、核酸ィ匕合物(13)を製造することができる。この反応自体は公知
の方法に従 ヽ実施することができる。
反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメ タン、ァセトニトリル、トルエン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。「リン酸化試薬」と しては、例えば、 2 クロ口フエ-ルジクロロチォフォスフェート、 2, 4 ジクロロフエ- ルジクロロチォフォスフェート、 2—シァノエチル ジイソプロピルクロ口ホスホロアミダ イト、 2—シァノエチル テトライソプロピルホスホロジアミダイトを挙げることができる。リ ン酸化試薬の使用量は、化合物(12)に対して、 1〜20倍モル量がよぐより好ましく は、 1〜10倍モル量である。上記反応における反応温度は、 0°C〜50°Cが好ましい 。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常 30分〜 100 時間が適当である。 次に、核酸ィ匕合物(13)を適当な溶媒に溶かし、核酸ィ匕合物(14)と適当な活性ィ匕 剤又は縮合剤と反応させることにより、核酸ダイマー化合物(15)を製造することがで きる。この反応自体は公知の方法で行うことができる。
「活性化剤」としては、例えば、 1H—テトラゾール、 5 ェチルチオテトラゾール、 3, 4—ジクロロイミダゾール、 3, 4—ジシァノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート 、イミダゾールトリフラート、 5— (4— -トロフエ-ル)一 1H—テトラゾール、ジイソプロ ピルアミノテトラゾリドを挙げることができる。「縮合剤」としては、例えば、 1— (2—メチ シレンスルホニル) 3 二トロー 1, 2, 4 トリァゾール、 2, 4, 6 トリメチルベンゼ ンスルホ-ルテトラゾール又は 1一(2, 4, 6 トリイソプロピルベンゼンスルホ -ル) 3 -トロ一 1, 2, 4 トリァゾールを挙げることができる。活性化剤又は縮合剤の使 用量は、核酸化合物(13)に対して、 1〜20倍モル量がよぐより好ましくは、 1〜: LO 倍モル量である。反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例 えば、ジクロロメタン、ァセトニトリル、トルエン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。反 応温度は、 0°C〜50°Cが適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度 等によって異なる力 通常 30分〜 100時間が適当である。 この時、 R2xが置換基(13a)〜(13d)である場合、例えば、硫化試薬で酸化するこ
とにより、核酸ダイマー化合物(15)を製造することができる。「硫ィ匕試薬」としては、例 えば、硫黄、 3H—1, 2 ベンゾジチオール 3 オン 1, 1ージォキシド(ビューケ ージ試薬)、 3 アミノー 1, 2, 4ージチアゾールー 5 チオン(ADTT)を挙げること ができる。硫化試薬の使用量は、核酸化合物(13)に対して、 1〜20倍モル量がよく 、より好ましくは、 1〜10倍モル量である。硫化試薬で酸化する際において使用する 溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、 ァセトニトリル、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。 通常、本工程において製造される核酸ダイマー化合物(15)は、ホスホロチォエート 結合のリン原子に不斉中心を有するので、 1対 1のジァステレオ混合物である。 R2xが 、光学活性な置換基(13d)である核酸ィ匕合物(13)を使用した場合、その比率が片 方のジァステレオマーに片寄るので、次の工程の分離工程を簡素化できる場合があ る。 (2)工程 B:分離により光学活性な核酸ダイマー化合物(15a)又は(15b)を製造する 工程。
[化 19]
[式中、 B 、 B 、 Rlal、 Rla2、 R2y、 R3、 R4は、上記と同義である。]
xl x2
ジァステレオマー混合物である核酸ダイマー化合物(15)は、シリカゲルクロマト力 ラム精製等の分離操作により、ホスホロチォエート結合を有する光学活性な核酸ダイ マー化合物(15a)、(15b)に分割することができる。
本工程において製造される核酸ダイマー化合物(15a)、(15b)は、 R2がァシルで ある本発明核酸ダイマーである。
(3)工程 C:核酸ダイマー化合物(15a)又は(15b)の R2yを選択的に除去する工程。
[化 20]
[式中、 B 、 B 、 Rlal、 Rla2、 R2y、 R3、 R4は、上記と同義である。]
xl x2
核酸ダイマー化合物(15a)又は(15b)を適当な溶媒に溶解し、 R2yを選択的に除 去する試薬を作用させることによって、核酸ダイマー化合物(16a)又は(16b)を製造 することができる。
反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ピリジン、 ァセトニトリル又はこれらの混合溶媒が挙げられる。「R2yを選択的に除去する試薬」と しては、例えば、 Rlal又は Rla2が tert—ブチルジメチルシリルであり、 R4が 4, 4'—ジ メトキシトリチルであり、 R3が 2—シァノエチルであり、且つ、 R2yがレブリニルである場 合には、 R2yを選択的に除去する試薬としては、 0. 5Mヒドラジン一水和物 Z酢酸 ピリジン(1 :4)溶液を挙げることができる。「R2yを選択的に除去する試薬」の使用量 は、核酸ダイマー化合物(15a)又は(15b)に対して、 1〜20倍モル量がよぐより好 ましくは 1〜10倍モル量である。反応温度は、 0°C〜50°Cが好ましい。反応時間は、 使用する原料の種類、反応温度等によって異なる力 通常 30分〜 100時間が適当 である。
(4)工程 D:核酸ダイマー化合物( 17a)又は( 17b)を製造する工程。
[化 21]
( 1 6 b ) ( 1 7 b )
[式中、 B 、 B 、 1^1、 1^2、 、1^4は、上記と同義でぁる。1^¾>は、次のー般式(3&) xl x2
又は(3b)で表される置換基を表す。
[化 22]
!2c、 .P
0' 、
[式中、 R2a、 R2b、 R2e、 R2d、 R2eは、前記と同義である。 ]]
本発明において、核酸ダイマー化合物(16a)又は(16b)を適当な溶媒に溶解し、 リン酸ィ匕試薬を作用させて、核酸ダイマー化合物(17a)又は(17b)を製造することが できる。
本工程において製造される核酸ダイマー化合物(17a)、(17b)は、 R2が置換基 (3 a)、 (3b)である本発明核酸ダイマーである。
反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメ タン、ァセトニトリル、トルエン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。「リン酸ィ匕試薬」と しては、例えば、 2—シァノエチノレ ジイソプロピルクロ口ホスホロアミダイト、 2—シァノ ェチル テトライソプロピルホスホロジアミダイト、 2—クロ口フエニルホスホリルジクロラ
イドを挙げることができる。リン酸化試薬は、核酸ダイマー化合物(16a)又は(16b)に 対して、 1〜20倍モル量、より好ましくは、 1〜10倍モル量である。反応温度は、例え ば、—20°C〜100°Cが適当であり、 0°C〜80°Cが好ましぐ 5°C〜30°Cがより好まし い。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常 30分〜 10 0時間が適当である。 IV.本発明オリゴ核酸
次の一般式(1)で表される光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物 (以下、「本発明オリゴ核 酸」という)について詳述する。
[化 23]
[式中、 B、 n、
Y、 Zは、前記と同義である。 ]
nは、 1〜99の範囲内にある整数が適当であり、 10〜50の範囲内にある整数が好 ましぐ 15〜30の範囲内にある整数がより好ましい。 また、本発明として、次の一般式 (4)で表されるホスホロチォエート結合を有する光 学活性なオリゴ核酸ィ匕合物 (オリゴ核酸ィ匕合物(1)とあわせて「本発明オリゴ核酸」と もいう。)を挙げることができる。
T1は、水素又は次の一般式(5a)で表される置換基を表す。
[化 26]
( 5 a )
[式中、 B、 R1は、前記と同義である。 ]
T2は、水酸基、又は次の一般式 (5a)、(5b)で表される置換基を表す。
( 5 b ) ( 5 c )
[式中、 B、 R1は、前記と同義である。 ] ]
mは、 1〜49の範囲内にある整数が適当であり、 5〜25の範囲内にある整数が好ま しぐ 7〜 15の範囲内にある整数がより好ましい。
[0066] 本発明オリゴ核酸は遊離の酸のまま用いることもできる力 公知の方法に従い塩の 形で用いることもできる。力かる「塩」としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などの アルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩又は、トリェチルァミン、ピリ ジンなどの三級有機アミン塩を挙げることができる。
また、本発明として、例えば、その分子内に存在するホスホロチォエート結合力 全 て Rpの立体配置であるか又は全て Spの立体配置である本発明オリゴ核酸又はその 塩を挙げることができる。
さらに、本発明として、純度の高い本発明オリゴ核酸を挙げることができる。本発明 オリゴ核酸の純度としては、例えば、 50%〜100%が適当であり、 95-99. 99%力 S 好まし <、 99〜99. 90/0力より好まし!/ヽ0
[0067] 本発明者らは、本発明オリゴ核酸が、二重鎖融解温度の測定をした結果、それと相 補鎖を形成しうる RNAに対して、天然型のオリゴ RNAと同様又はそれ以上の親和性 を有し、熱力学的に安定なハイブリッドを形成することが明らかとなった (試験例 1)。 したがって、本発明オリゴ核酸は、アンチセンス分子として有用な化合物であること が明らかとなった。なかでも、ホスホロチォエート結合が全て Rpの立体配置である本 発明オリゴ核酸は、アンチセンス分子として特に有用である。
また、本発明者らは、本発明オリゴ核酸が、同一配列を有する天然型のオリゴ RNA よりも、核酸分解酵素 (ホスホジエステラーゼ I、ゥシ血清)に対して抵抗性を示すこと を明らかにした (試験例 3、試験例 4)。
[0068] V.本発明二本鎖オリゴ核酸
本発明として、本発明オリゴ核酸と相補的な配列を有する天然型のオリゴ RNA又 は本発明オリゴ核酸とのニ本鎖オリゴ核酸ィ匕合物を挙げることができる。
本発明において二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物とは、 10から 50塩基対の二重鎖形成部 を有する 12から 52塩基のオリゴ核酸ィ匕合物の対であって、このオリゴ核酸化合物の 対の細胞内への導入により二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物と相補的な mRNAを切断するこ とで、その mRNAがコードする遺伝子産物の合成が抑制される活性を有するオリゴ 核酸の対と定義される。また、本明細書において二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物は、 Tusc hiらが報告している siRNAに限るものではない。例えば、本発明二本鎖オリゴ核酸 においては、 12〜52塩基のオリゴ核酸ィ匕合物の対であり、より好ましくは 15〜30塩 基のオリゴ核酸化合物の対である。
本発明二本鎖オリゴ核酸は、リボソームとの複合体として細胞内に導入することによ り、同一配列である全てホスホジエステル結合からなるオリゴ RNAの-本鎖オリゴ R NAと同等の RNA干渉を示し、タンパク発現を抑制することを明らかにした (試験例 2 )。したがって、本発明二本鎖オリゴ核酸は、 siRNAとして有用な化合物であることが 明らかとなった。
さらに、本発明者らは、本発明オリゴ核酸と相補的な配列を有する天然型のオリゴ R NAとの二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物を形成した場合における核酸分解酵素 (ホスホジェ ステラーゼ I)に対する抵抗性を調べた結果、分解抵抗性を有することを明らかにした (試験例 5)。
[0069] VI.医薬組成物
本発明は、本発明オリゴ核酸と当該オリゴ核酸を細胞内に移行させるのに有効な 担体との複合体を含むことを特徴とする医薬組成物又は本発明二本鎖オリゴ核酸と 当該二本鎖オリゴ核酸を細胞内に移行させるのに有効な担体との複合体を含むこと を特徴とする医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、例えば、 Bel— 2タン ノ ク質の過剰発現が原因となっている疾患、アポトーシスの促進が所望される疾患、
または血液学的悪性疾患などの治療および Zまたは予防のために用いることができ る。これらの疾患は、具体的には、リンパ腫及び白血病の両方を含む血液学的悪性 疾患、および固形腫瘍、例えば、肝臓癌、皮膚癌、乳癌、肺癌、消化器癌、前立腺 癌、子宮癌、膀胱癌などである。
本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸との複合体を形成する担体は、本 発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸を細胞内に移行させるのに有効な、力 チオン性リボソームおよびカチオン性ポリマーなどのカチオン性担体、またはウィルス エンベロープを利用した担体などを用いてょ 、。カチオン性リボソームとして望まし ヽ ものは、 2— 0—(2—ジェチルアミノエチル)力ルバモイル 1, 3— O—ジォレオイルグ リセロールを含有するリボソーム(以下リボソーム Aと表記する)、オリゴフエクトァミン (I nvitrogen)、リポフエクチン(Invitrogen)、リポフエクトァミン(Invitrogen)、リボフ エタトァミン 2000 (Invitrogen)、 DMRIE— C (Invitrogen)、 GeneSilencer (Gen e Therapy Systems)、 TransMessenger (QIAGEN)、 TransIT TKO (Miru s)、などである。カチオン性ポリマーとして望まし 、ものは、 JetSI (Qbiogene)、 Jet— PEI (ポリエチレンィミン; Qbiogene)などである。ウィルスエンベロープを利用した担 体として望まし 、ものは、 GenomeONE (HVJ— Eリボソーム;石原産業)などである 本発明の医薬組成物に含まれる本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸と 担体との複合体は、当業者に既知の方法により調製することができる。簡単に述べる と、適当な濃度の担体分散液と本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸の溶 液とを混合して調製する。カチオン性担体を用いる場合、本発明オリゴ核酸又は本 発明二本鎖オリゴ核酸は水溶液中で負電荷を帯びているため、常法により水溶液中 で混合することによって本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸とカチオン性 担体は容易に複合体を形成する。複合体形成のために用いる水性溶媒としては、注 射用水、注射用蒸留水、生理食塩水などの電解質液、ブドウ糖液、マルトース液など の糖液などを用いてよい。また、複合体を形成させる際の pHおよび温度などの条件 は当業者が適宜選択できる。例えば、リボソーム Aの場合、 10%マルトース水溶液中 の 16mgZmlのリボソーム分散液に、 10%マルトース水溶液中の本発明オリゴ核酸
又は本発明二本鎖オリゴ核酸の溶液を、 pH7. 4、 25°Cで撹拝しながら徐々に添カロ して調製でさる。
複合体は、必要ならば超音波分散装置や高圧乳化装置などを用いて分散処理を 行うことにより、均一な組成物とすることもできる。当業者であれば、本発明オリゴ核酸 又は本発明二本鎖オリゴ核酸と担体との複合体の調製に最適な方法および条件は、 用いる担体に依存するので、上記の方法にとらわれることなぐ用いる担体に最適な 方法を選択できる。
本発明の医薬組成物に含まれる本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸と 担体との複合体の配合比は、本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸 1重量 部に対して担体 1〜200重量部が適当である。望ましくは、本発明オリゴ核酸又は本 発明二本鎖オリゴ核酸 1重量部に対して 2. 5〜: LOO重量部、さらに望ましくは 10〜2 0重量部である。
本発明の医薬組成物には本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸と担体と の複合体の他に、医薬的に許容できるキャリアーまたは希釈剤などを含んでいてもよ い.医薬的に許容できるキャリアーまたは希釈剤などは、本質的に化学的に不活性 および無害な組成物であり、本発明の医薬組成物の生物学的活性に全く影響を与 えないものである。そのようなキャリアーまたは希釈剤の例は、塩溶液、糖溶液、ダリ セロール溶液、エタノールなどがある力 これらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、治療および Zまたは予防に有効量の複合体を含み、力 つ、患者に適切に投与できるような形態で提供される。本発明の医薬組成物の製剤 形態は、例えば注射剤、点滴剤などの液剤、例えば軟膏、ローションなどの外用剤、 または凍結乾燥製剤であってもよ!/、。
液剤の場合、本複合体が、 0. 001〜25% (wZv)の濃度範囲内に存在しているも のが適当であり、好ましくは 0. 01〜5% (wZv)の濃度範囲内に存在し、より好ましく は 0. 1〜2% (WZV)の濃度範囲内に存在するのが適当である.本発明の医薬組成 物は医薬的に許容される任意の添加剤、例えば、乳化補助剤、安定化剤、等張化剤 、 pH調製剤を適当量含有していてもよい.具体的には、炭素数 6〜22の脂肪酸 (例 えば、カブリル酸、カブリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ォレイン酸、リノール酸、ァラキドン酸、ドコサへキサェン酸)やその医薬的に許容され る塩 (例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩);アルブミン、デキストランなど の乳化補助剤;コレステロール、ホスファチジン酸などの安定化剤;塩ィ匕ナトリウム、 グルコース、マルトース、ラタトース、スクロース、トレハロースなどの等張化剤;塩酸、 硝酸、リン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、トリエタノールァミンなどの pH 調製剤;などを挙げることができる。医薬的に許容される任意の添加剤は、本複合体 の分散前でも分散後でも適当な工程で添加することができる。
凍結乾燥製剤は、本発明オリゴ核酸又は本発明二本鎖オリゴ核酸と担体との複合 体を分散処理した後、凍結乾燥処理することにより調製することができる。凍結乾燥 処理は、常法により行うことができる。例えば、上記の分散処理後の複合体溶液を無 菌状態にて所定量をバイアル瓶に分注し、約— 40〜― 20°Cの条件で予備乾燥を約 2時間程度行い、約 0〜10°Cで減圧下に一次乾燥を行い、次いで、約 15〜25°Cで 減圧下に二次乾燥して凍結乾燥することができる。そして、一般的にはノ ィアル内部 を窒素ガスで置換し、打栓して本発明医薬組成物の凍結乾燥製剤を得ることができ る。
本発明の凍結乾燥製剤は、一般には任意の適当な溶液 (再溶解液)の添カ卩によつ て再溶解し使用することができる。このような再溶解液としては、注射用水、生理食塩 水などの電解質液、ブドウ糖液、その他一般輸液を挙げることができる。この再溶解 液の液量は、用途などによって異なり、特に制限されないが、凍結乾燥前の液量の 0 . 5〜2倍量、または 500ml以下が適当である。
本発明の医薬組成物は、投与単位形態で投与することが望ましぐヒトを含む動物 に対し、静脈内投与、動脈内投与、経口投与、組織内投与、経皮投与、経粘膜投与 または経直腸投与することができ、患者の症状に合わせた適切な方法により投与し てよい。特に静脈投与、経皮投与、経粘膜投与が好ましい。また、癌内局所投与など の局所投与することもできる。これらの投与方法に適した剤型、例えば各種の注射剤 、経口剤、点滴剤、吸収剤、点眼剤、軟膏剤、ローション、坐剤等で投与されるのはも ちろんである。
例えば、本発明の医薬組成物の用量は、薬物、剤型、年齢や体重などの患者の状
態、投与経路、病気の性質と程度などを考慮した上で決定することが望ましいが、通 常は、成人に対して本発明オリゴ核酸又は本発明オリゴ核酸の量として 1日当たり、 0 . lmg〜10gZ曰 Zヒトの範囲力 好ましくは lmg〜500mgZ日 Zヒトの範囲が一 般的である。場合によっては、これ以下でも十分であるし、また逆にこれ以上の用量 を必要とすることもある.また 1日 1〜数回投与、または 1〜数日の間隔で投与するこ とがでさる。
また、本発明の別の態様においては、本発明二本鎖オリゴ核酸を生じるために用 いられる DNAを医薬的に許容される添加剤などと一緒に医薬組成物とすることがで きる。ここで、本発明二本鎖オリゴ核酸を生じるために用いられる DNAは、本発明二 本鎖オリゴ核酸の二重鎖形成部の塩基配列をデォキシリボヌクレオチドとして有する (ここで、ヌクレオチド配列中のゥラシルはチミンに変換される) DNAを含む、本発明 二本鎖オリゴ核酸を生産するためのプラスミドなどを意味する。このような医薬組成物 は患者に投与されると、患者の生体内において本発明二本鎖オリゴ核酸を生じるの で、前述した本発明二本鎖オリゴ核酸と適切な担体を含む医薬組成物と同様の効果 を有する、すなわち、 Bel— 2の過剰発現が原因となっている疾患などの治療および Zまたは予防に有効である。投与形態および投与経路は、本発明オリゴ核酸又は本 発明二本鎖オリゴ核酸と担体との複合体を含む医薬組成物の場合と同様に、患者の 症状に合わせた適切な方法により投与してよぐ用量もまた同様に、薬物、剤型、年 齢や体重などの患者の状態、投与経路、病気の性質と程度などを考慮した上で決定 してよい。 実施例
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定さ れるものではない。
ここで、 DMTrは、 4, 4—ジメトキシトリチルを、 psは、 O— (2—シァノエチル)チォ ホスホリルを、 sは、チォホスホリルを、 Levは、レブ二リルを、 CEPは、 2—シァノエチ ルー N, N—ジイソプロピルホスホロアミダイトを、 TBDMSは、 tert—ブチルジメチル シリルを、 Aは、アデノシンを、 Cは、シチジンを、 Gは、グアノシンを、 Uは、ゥリジンを
、 dTは、チミジンを、 PA、 PC、 PG、 PUは、それぞれ保護された核酸を表す。 Rp、 Spは 、ホスホロチォエート結合のリン原子上の立体を表す。
また、化合物名の後に付している数字は、光学活性な化合物であることを表し、最 初にジァステレオマーを分割した時に、 Rf値が大きい化合物に 1を、 Rf値の小さい 化合物に 2を付した。それら原料化合物を使用し製造される化合物名の後ろには、 原料ィ匕合物の数字を継承し、その数字を付している。 実施例 1
工程 1
3' O—「5, -0- (4. 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2, O— te rtーブチルジメチルシリルアデノシル Ί 5,—O— Γ6—Ν べンゾィルー 2,—O—t ert—ブチルジメチルシリル 3'— O レブリニルアデノシル Ίホスホチォエート O 一(2—シァノエチノレ)エステノレ (DMTrO -BApsBA-OLev)のジァステレオマー分
6— N ベンゾィル一 2, 一 O— tert一ブチルジメチルシリル一 3, 一 O レブリニル アデノシン 2gと 5,— O— (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2,— O —tert—ブチルジメチルシリルアデノシン 3, -0- (2 シァノエチルー N, N ジ イソプロピルホスホロアミダイト) 4. 06g、 1H—テトラゾール 577mgをアルゴン雰囲気 下ァセトニトリル 30mlに溶解し、 40分室温にて攪拌した。これに 3 ァミノ一 1, 2, 4 —ジチアゾール 5 チオン(ADTT) 932mgをアルゴン雰囲気下、 270mlのァセト 二トリル、 30mlのピリジンに溶解させたものをカ卩え、室温で 10分間攪拌した。反応液 を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えた後、酢酸ェチルにて抽出した。有機層を 飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて溶媒乾燥後、濾過してさらに溶媒 留去、減圧乾燥を行い、ジァステレオ混合物として粗生成物を黄色固体として得た。 これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、 TLCで Rf値が大き 、ジァステレオマ 一(DMTrO—PApsPA—OLev—l ;実施例 1— 1) (1. 7g、 66%収率)と小さいジァ ステレオマー(DMTrO—PApsPA—OLev—2 ;実施例 1— 2) (2. 18g、 85%収率)
とに分離し、白色泡状物質として目的化合物を得た。
[0072] 工程 2—1
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 6— Ν ベンゾィル 2,一 Ο— tert ブチルジメチルシリルアデノシン 3,一 O—( 2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト)一 l (DMTrO— eAOSE A— OCEP 1:実施例 1 3)
DMTrO— PApsPA— OLev— 1 0. 7gにピリジン:酢酸 =4 : 1にて調製した 0. 5M ヒドラジン溶液 9mlをカ卩え、室温で 20分攪拌した。氷冷下反応液に 2mlのアセトン を加え、そのまま 5分間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸ェチル にて抽出した。飽和食塩水にて有機層を洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて溶媒乾 燥させたのち濾過してさらに溶媒留去、減圧乾燥を行い、得られた粗生成物をシリカ ゲルクロマトグラフィーにて精製し、白色泡状物質として脱レブリニル化合物 0. 53g ( 81%収率、 ESI— Mass (mZz) = 1404. 4 (M+) )を得た。
次に、脱レブリニル化合物 0. 5gをアルゴン雰囲気下 4mlのァセトニトリルに溶解し 、氷冷下ジイソプロピルェチルァミン 0. 73mlをカ卩えた。この溶液に 0. 68gの 2 シ ァノエチル— N, N ジイソプロピルクロ口ホスホロアミダイトを滴下し、 2時間室温に て攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸ェチルにて抽出し た。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて溶媒乾燥させたのち 濾過してさらに溶媒留去、減圧乾燥を行い、得られた粗生成物をシリカゲルクロマト グラフィ一にて精製し、白色泡状物質として目的化合物 0. 93g (82%収率)を得た。 ESI-Mass (m/z) = 1604. 6 (M+)
[0073] 工程 2— 2
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 6 Ν ベンゾィ 2, Ο— tert -ブチルジメチルシ 2ルァぞノシン 3, O— (
2 -シァノエチル— N._N—ジイソプロピノレホスホロアミダイト) - 2 (DMTrO -^A^s1
A-OCEP- 2i^¾gll -4l
DMTrO— pApspA— OLev— 2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を得た。
ESI-Mass (m/z) = 1604. 7 (M+)
[0074] 工程 3—1
DMTrO - BAP sBA - OLev - 1の全ての保譁某を脱離し AsA— 1を得る工程
DMTrO - Aps A- OLev- 1 に 7mgをピリジン 2mlに溶解し、濃アンモニア水 10mlを加えて 55°Cで 16時間攪拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣に 1Mテトラ n— ブチルアンモ -ゥムフルオリドの THF溶液 lmlをカ卩えて室温で終夜攪拌した。反応 液を濃縮後 50%ピリジン水に溶解し、 DOWEX 50W (ピリジン型)をカ卩えて 10分後 ろ過した。ろ液を濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて精製し、 4, 4'—ジメトキシト リチル基を含むフラクションを集め濃縮乾固した。このものに 80%酢酸 2mlをカロえ、 室温で 1時間攪拌後濃縮し、酢酸ェチルー水で分液後、水層を凍結乾燥した。この ものを更に逆相クロマトグラフィーを用いて精製し、凍結乾燥して目的化合物を 11m g に。
ESI-Mass (m/z) =613. 2 (M+) [0075] 工程 3— 2
DMTrO - BAP snA— OLev— 2の全ての保譁某を脱離し AsA - 2を得る工程
DMTrO— Aps A— OLev— 2を実施例 1 工程 3— 1と同様の方法を用いて目的 化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) =613. 1 (M+)
工程 4
構诰決定 <Rp、 SPの同定 > 実施例 1 工程 3— 1と実施例 1 工程 3— 2で得られた、 AsA - 1、 AsA - 2を文献 記載(B. Karwowski et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 11 (2001) 1001 — 1003)の方法に従って、蛇毒ホスホジエステラーゼ(svPDE)及び、ヌクレアーゼ P 1 (NP1)で処理し、 svPDEでカ卩水分解される AsA— 1を Rp、 NP1でカ卩水分解される AsA— 2を Spと同定した。
即ち、実施例 1において製造された化合物は、表 1に示す化学構造を有する。
[表 1]
また、図 1〜3に示す逆相 HPLC分析の結果より、実施例 1 工程 3—1と実施例 1 工程 3— 2で得られた AsA— 1、 AsA— 2が、それぞれ単一のジァステレオマーであ り高純度であることを確認した。測定条件は下記のとおりである。
測定条件:
HPLC 装置
送液ュ-ット: LC— 6 A (島津製作所社製)
検出器: SPD— 6 A (島津製作所社製)
逆相 HPLCカラム
Mightysil RP— 18GPく 4. 6mm φ xl5cm> (関東化学社製)
カラム温度 :35°C
移動相
グラジェント:リニアグラジェント 20分(B液: 0% 70%)
A液: 5%ァセトニトリルを含む 50mMトリェチルァミン—酢酸緩衝液
B液: 90%ァセトニトリルを含む 50mMトリェチルァミン 酢酸緩衝液
移動相の流量 :lmlZ分 実施例 2
工程 1
3'—0—「5' -0- (4. 4'ージメトキシトリチル)—2'—O—tert—ブチルジメチル シリルゥリジル Ί 5'— O—「2'— O tert—ブチルジメチルシリル 3'— O レブリ -ルゥリジル Ίホスホチォエート O—(2—シァノエチル)エステル(DMTrO UOSB U-OLev)のジァステレオマー分離工程
2' O— tert—ブチルジメチルシリル 2— N イソブチリルー 3,一 O レブリニ ルグアノシン 3gと 5' -0- (4, 4'—ジメトキシトリチル) 6— N—ベンゾィル 2' - O—tert—ブチルジメチルシリルアデノシン— 3, -0- (2 シァノエチル— N, N— ジイソプロピルホスホロアミダイト) 7. 85gを用い、実施例 1 工程 1と同様の方法を用 いて目的化合物を製造した。
Rf値が大きいジァステレオマー(DMTrO— PUpsPU— OLev— 1;実施例 2— 1) : 1. 05g、 77%収率
小さいジァステレオマー(DMTrO— pUpspU— OLev— 2 ;実施例 2— 2) : 1. 12g、 8 2%収率
[0078] 工程 2—1
5'— O— (4. 4'ージメトキシトリチル) 2'— O— tert—ブチルジメチルシリルゥリジ ルー「3 '→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 2' Ο— tert—ブチルジ メチルシリルゥリジン— 3' -0- (2 シァノエチル— N. N—ジイソプロピルホスホロ アミダイト) - 1 (DMTrO-BUpsBU - OCEP - 1:実施例 2— 3)
DMTrO—PUpsPU— OLev—lを用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て、白色泡状物質として 1. 37gの目的化合物を得た。
ESI-Mass (m/z) = 1350. 7 (M+)
[0079] 工程 2— 2
5'— O—(4. 4'ージメトキシトリチル) 2'— O— tert—ブチルジメチルシリルゥリジ ルー「3 '→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 2' Ο— tert—ブチルジ メチルシリルゥリジン一 3' -0- (2 シァノエチル一 N. N—ジイソプロピルホスホロ アミダイト) - 2 (DMTrO-BUpsBU - OCEP - 2:実施例 2—4)
DMTrO—pUpspU— OLev—2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て、目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1350. 7 (M+)、 1372. 6 ( [M + Na] +) [0080] 工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— pUpspU— OCEP— 1から UsU— 1 を、 DMTrO— pUpspU— OCEP— 2から UsU— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 UsU— 1、 UsU 2の構造決定を行った。その結果を表 2に示す
[表 2]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 2 工程 3で得られたィ匕合物 UsU— 1、 U sU— 2が、それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。 実施例 3
工程 1
3, -0-J5' -0- (4, 4,ージメトキシトリチル)— 6— N ベンゾィノレ— 2, -O-te rt- ソブ ±]Jル
tert—ブチルジメチルシリル 3'— O レブリニルグアノシル Ίホスホチォエート O — (2—シァノエチル)エステル (DMTrO -BAPSBG - OLev)のジァステレオマー分
2' O— tert—ブチルジメチルシリル 2— N イソブチリルー 3,一 O レブリニ ルグアノシン 3gと 5' -0- (4, 4'—ジメトキシトリチル) 6— N—ベンゾィル 2' - O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシン— 3, -0- (2 シァノエチル— N, N—
ジイソプロピルホスホロアミダイト) 7. 85gを用い、実施例 1 工程 1と同様の方法を用 いて目的化合物を製造した。
Rf値が大きいジァステレオマー(DMTrO— pApspG— OLev— 1;実施例 3— 1): 3. 14gゝ ESI-Mass (m/z) = 1484. 7 (M+)
Rf値が小さ!/ヽジァステレオマー(DMTrO - Aps G - OLev- 2;実施例 3— 2) : 3. 51gゝ ESI-Mass (m/z) = 1484. 5 (M+)
[0082] 工程 2—1
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί—O (2 シァノエチル)チォホスホリル— 2— Ν イソブチリル 2 '— Ο— tert ブチルジメチルシリルグァノシン— 3 '— O—( 2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト)一 1 (DMTrO— eAOSE G OCEP 1:実施例 3— 3)
DMTrO— PApsPG— OLev— 1を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様にして目的化 合物を得た。
ESI-Mass (m/z) = 1586. 8 (M+) [0083] 工程 2— 2
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 2— Ν イソブチリル 2 '— Ο— tert ブチルジメチルシリルグァノシン— 3 '— O—( 2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト) - 2 (DMTrO-BApsB G OCEP 2:実施例 3—4)
DMTrO—pApspG— OLev—2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1586. 8 (M+)
工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— pApspG— OCEP— 1から AsG—l を、 DMTrO— pApsPG— OCEP— 2から AsG— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 AsG— 1、 AsG— 2の構造決定を行った。その結果を表 3に示す, [表 3]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 3 工程 3で得られた AsG— 1、 AsG— 2 力 それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。 実施例 4
工程 1
3'— O—「5' -0- (4. 4'—ジメトキシトリチル)— 2— N—イソブチリル— 2'— O— t
ert ブチルジメチルシリルグアノシル Ί - 5 ' -Ρ- Γ6-Ν-ベンゾィル 2 '— Ο t ert—ブチルジメチルシリル 3'— O レブリ-ルアデノシル Ίホスホチォエート O — (2—シァノエチノレ)エステノレ (DMTrO -BGpsBA-OLev)
6— N ベンゾィル一 2,一 O— tert一ブチルジメチルシリル一 3,一 O レブリニル アデノシン 2. 5gと 5,ー0—(4, 4,ージメトキシトリチル)—2,—0—tert—ブチルジ メチルシリル— 2— N—イソブチリルグアノシン— 3, -0- (2 シァノエチル— N, N —ジイソプロピルホスホロアミダイト) 7. 38gを用い、実施例 1 工程 1と同様の方法を 用いて目的化合物を製造した。
Rf値が大きいジァステレオマー(DMTrO— PGpsPA—OLev— 1;実施例 4— 1) : 1. 40g、 ESI-Mass (m/z) = 1484. 6 (M+)
Rf値が小さいジァステレオマー(DMTrO— PGpsPA— OLev— 2 ;実施例 4— 2) : 1. 89g、 ESI-Mass (m/z) = 1484. 7 (M+)
[0086] 工程 2—1
5'—O—(4. 4'ージメトキシトリチル)—2—N—イソブチリルー 2'—O—tert—ブチ ルジメチルシリルグアノシルー「3'→5Ί—O (2 シァノエチル)チォホスホリル— 6— Ν ベンゾィノレ 2,一 Ο— tert ブチノレジメチノレシリノレアデノシン 3,一 O—( 2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト)一 1 (DMTrO— nGOsE A - OCEP - 1:実施例 4 - 3)
DMTrO— pGpspA— OLev— 1を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1587. 8 (M+)
[0087] 工程 2— 2
5' -0- (4. 4,ージメトキシトリチル)—2—N—イソブチリルー 2,—O—tert—ブチ ルジメチルシリルグアノシル— Γ3'→5Ί_-0-し2 シァノエチル」チォホスホ ルー
6— N ベンゾィル 2,一 O— tert ブチルジメチルシリルアデノシン 3,一 O—( 2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト) - 2 (DMTrO-BGpsB A-OCEP- 2:実施例 4 41
DMTrO— pGpspA— OLev— 2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1587. 7 (M+) 工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— PGpsPA—OCEP—lから GsA—1 を、 DMTrO— PGpsPA— OCEP— 2から GsA— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 GsA— 1、 GsA— 2の構造決定を行った。その結果を表 4に示す。
[表 4]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 4 工程 3で得られた GsA—l、 GsA—2 力 それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。
[0089] 実施例 5
工程 1
3'—0—「5, -0- (4. 4,ージメトキシトリチル)ー2,—O—tert—ブチルジメチル シリルゥリジル Ί 5, -0- Γ4-Ν- (4 ァニソィル)ー2,—O—tert ブチルジメ チルシリル 3,一 O レブリニルシチジル Ίホスホチォエート O—(2 シァノエチル )エステル (DMTrO -BUPSBC OLev)
4 N—(4 ァ-ソィル) 2,一 O— tert ブチルジメチルシリル 3,一 O レブ リニルシチジン 3. 5gと 5, -0- (4, 4'—ジメトキシトリチル)—2'—O—tert—ブチ ルジメチルシリルゥリジン— 3' -0- (2 シァノエチル— N, N—ジイソプロピルホス ホロアミダイト) 7. 7gを用い、実施例 1 工程 1と同様の方法を用いて目的化合物を 製造した。
Rf値が大き ヽジァステレオマー(DMTrO— PUpsPC— OLev— 1;実施例 5— 1) : 3. 12g
Rf値が大き ヽジァステレオマー(DMTrO— PUpsPC— OLev— 2;実施例 5— 2) : 3. 70g
[0090] 工程 2—1
5'— O— (4. 4'ージメトキシトリチル) 2'— O— tert—ブチルジメチルシリルゥリジ ルー「3,→5Ί—O (2 シァノエチル)チォホスホリルー4 Ν (4 ァニソィル) - 2'—O—tert—ブチルジメチルシリルシチジン 3'—O—(2 シァノエチルー N . N—ジイソプロピルホスホロアミダイト) - 1 (DMTrO -BUPSBC - OCEP - 1:実施 例 5— 3)
DMTrO— PUpsPC— OLev— 1を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い
て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1483. 5 (M+)
[0091] 工程 2— 2
5'— O— (4. 4'ージメトキシトリチル) 2'— O— tert—ブチルジメチルシリルゥリジ ルー「3,→5Ί—O (2 シァノエチル)チォホスホリルー4 Ν (4 ァニソィル) - 2'—O—tert—ブチルジメチルシリルシチジン 3'—O—(2 シァノエチルー N . N—ジイソプロピルホスホロアミダイト)— 2 (DMTrO— eUOSEC OCEP— 2 :実施 例 5 - 4)
DMTrO— PUpsPC— OLev— 2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1483. 8 (M+)
[0092] 工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— PUpsPC— OCEP— 1力ら UsC— 1 を、 DMTrO— PUpsPC— OCEP— 2から UsC— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 UsC— 1、 UsC— 2の構造決定を行った。その結果を表 5に示す。
[表 5]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 5 工程 3で得られた UsC— 1、 UsC— 2 力 それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。 実施例 6
工程 1
3'— O—「5, -0- (4. 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2,— O— te rtーブチルジメチルシリルアデノシル Ί一 5, 一 O 「4一 N (4一ァニソィル)一 2, 一 O tert ブチルジメチルシリル 3 '— O レブリニルシチジル Ίホスホチォエート O—(2—シァノエチノレ)エステノレ (DMTrO -BAPSBC OLev)
4一 N—(4一ァ-ソィル)一 2, 一 O— tert一ブチルジメチルシリル一 3, 一 O レブ リニルシチジン 3gと 5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル) 6— N ベンゾィル—2, —O— tert—ブチルジメチルシリルアデノシン— 3, -0- (2 シァノエチル— N, N ージイソプロピルホスホロアミダイト) 6. 03gを用い、実施例 1 工程 1と同様の方法を
用いて目的化合物を製造した。
Rf値が大きいジァステレオマー(DMTrO— pApspC— OLev— 1;実施例 6— 1): 3. 57g
Rf値が小さ!/ヽジァステレオマー(DMTrO - Aps C - OLev- 2;実施例 6— 2): 3. 64g
[0094] 工程 2—1
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 4-Ν- (4 ァニソィル) 2,— O—tert—ブチルジメチルシリルシチジン 3,—O - (2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト)一 1 (DMTrO— EA PSBC - OCEP - 1:実施例 6 - 3)
DMTrO—PApsPC— OLev—lを用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1610. 6 (M+)
[0095] 工程 2— 2
5,— O— (4. 4,ージメトキシトリチル) 6—N—べンゾィルー 2,— O—tert—ブチ ルジメチルシリルアデノシルー「3'→5Ί O (2 シァノエチル)チォホスホリルー 4 Ν—(4 ァニソィル) 2,一 Ο— tert ブチルジメチルシリルシチジン 3,一 O - (2—シァノエチル一 N. N ジイソプロピルホスホロアミダイト) - 2 (DMTrO -BA psBC - OCEP - 2:実施例 6 - 4)
DMTrO—pApspC— OLev—2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1610. 5 (M+)
工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— pApspC— OCEP— 1から AsC— 1 を、 DMTrO— pApspC— OCEP— 2から AsC— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 AsC—l、 AsC— 2の構造決定を行った。その結果を表 6に示す。
[表 6]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 6 工程 3で得られた AsC— 1、 AsC— 2 力 それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。 実施例 7
工程 1
3'— O—「5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)— 2— N—イソブチリル— 2,— O— t ert—ブチルジメチルシリルグアノシル Ίー5, -0-「3,—O—レブリニルチミジル Ίホ スホ ォエート 0-し 2—シァノエチル)—エステル CDMTrO— GpsdT— OLev)_
3,—O レブリニルチミジン 2gと 5, -0- (4, 4,—ジメトキシトリチル)—2,— O— t ert—ブチルジメチルシリル—2—N—イソブチリルグアノシン—3'—O—(2 シァノ ェチル N, N ジイソプロピルホスホロアミダイト) 6. 84gを用い、実施例 1 工程 1 と同様の方法を用いて目的化合物を製造した。
Rf値が大きいジァステレオマー(DMTrO— pGpsdT— OLev— 1;実施例 7— 1): 3 . 18g
Rf値が大き 、ジァステレオマー(DMTrO— PGpsdT— OLev— 2;実施例 7— 2): 2 . 86g 工程 2— 1
5' -0- (4. 4'ージメトキシトリチル)—2—N—イソブチリルー 2'—O—tert—ブチ ルジメチルシリルグアノシルー「3'→5Ί—O (2 シァノエチル)チォホスホリル— チミジン一 3, -0- (2 シァノエチル一 Ν. Ν ジイソプロピルホスホロアミダイト) - 1し DMTrO - EGDsdT - OCEP - 1 :実施例 7 - 3)
DMTrO— PGpsdT—OLev—lを用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI-Mass (m/z) = 1343. 6 (M+)、 1365. 6 ( [M+Na] +) 工程 2— 2
5, -0- (4^4'—ジメ キシト JJチル 1 2— N—インブチリル— 2,—O—tert—ブチ ルジメチルシリルグアノシルー 3 '→5 Ί -0- (2 シァノ 'ェチノレ)チォホスホリノレー チミジン一 3' -0- (2 シァノエチル一 Ν, Ν ジイソプ t 2ピルホスホロアミダイト) -
2し DMTrO— EGDsdT OCEP— 2 :実施例 7 4〗
DMTrO— PGpsdT—OLev—2を用い、実施例 1 工程 2— 1と同様の方法を用い て目的化合物を製造した。
ESI— Mass (mZz) = 1343. 7 (M )、 1366. 6 ( [M + Na] +) 工程 3
実施例 1 工程 3—1と同様にして、 DMTrO— pGpsdT— OCEP— 1力ら GsdT— 1 を、 DMTrO— pGpsdT— OCEP— 2から GsdT— 2をそれぞれ製造し、実施例 1 ェ 程 4と同様にして、 GsdT— 1 GsdT— 2の構造決定を行った。その結果を表 7に示 す。
[表 7]
また、逆相 HPLC分析の結果より、実施例 7 工程 3で得られた GsdT— 1 GsdT 2が、それぞれ単一のジァステレオマーであり高純度であることを確認した。
<オリゴ核酸化合物の製造 >
実施例 8
(Rp)—5 - AsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAA- 3 ' (配列番号 1)
Rp体である DMTrO— pApspA— OCEP— 1をァセトニトリルに溶解し、核酸自動 合成機 (Expedite™)によりオリゴ核酸ィ匕合物の合成を行った。固相担体は市販の アデニン CPGカラム、縮合触媒はテトラゾール、酸化剤はヨウ素溶液、キヤッビング溶 液は無水酢酸と、 N—メチルイミダゾール溶液を用いた。合成終了後の CPGカラム( DMTr-ON)を濃アンモニア水 Zエタノール(3Z1)で処理して固相担体力 切り 出した後、 55°Cで 17時間インキュベーションし塩基保護基を脱保護した。このものを 濃縮乾固し、 3HF/TEA, TEA, N—メチルピロリジン、 N—メチルピロリドンの混合 溶液中 55°Cで 2時間攪拌して、 2'位の水酸基の保護基を脱保護した。反応液を室 温まで冷却後、 2—プロパノールに注ぎ、生じた沈殿を遠心分離して集めた。このも のを逆相クロマトグラフィーを用いて精製し、 4, 4'—ジメトキシトリチル基を含むフラク シヨンを集め濃縮乾固した。次いで 80%酢酸で 4, 4'—ジメトキシトリチル基を脱保護 し、濃縮乾固後、酢酸ェチル—水で分液し、水層を凍結乾燥した。得られた粗生成 物をイオン交換クロマトグラフィーにより精製し、 目的化合物を含むフラクションを集め 凍結乾燥した後、脱塩して再度凍結乾燥し目的化合物を得た。
MALDI TOF MS : Calculated 7012. 05
Found 7011. 3 図 4のイオン交換 HPLC分析の結果より、 目的化合物がほぼ単一であることは明ら かである。測定条件は下記のとおりである。
測定条件:
HPLC 装置
送液ュ-ット: LC— 6 A (島津製作所社製)
検出器: SPD— 6 A (島津製作所社製)
イオン交換 HPLCカラム
DEAE— NPRく 4. 5mm χ3. 5cm> (東ソ一社製)
カラム温度 :35°C
移動相
グラジェント:リニアグラジェント 15分(B液: 25% - 90%)、 B液 90% 5分
A液: 1 OmMリン酸緩衝液 (pH 7)
B液: lMNaClを含む 10mMリン酸緩衝液(pH 7)
移動相の流量 :lmlZ分
紫外線可視分光器検出波長: 260nm
[0102] 実施例 9
(SO)—5' - AsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAAsAA- 3 ' (配列番吾 2)
Sp体である DMTrO— ApsA— OCEP— 2を用 、、実施例 8と同様の方法を用 ヽ て目的化合物を合成した。
MALDI TOF MS : Calculated 7012. 05
Found 7013. 72
図 5のイオン交換 HPLC分析の結果より、目的化合物がほぼ単一であることは明ら 力である。測定条件は実施例 8と同じ条件を使用した。
[0103] 実施例 10
(Rp)—5,一 UsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUU— 3,(西 R歹 II番号 31
Rp体である DMTrO— UpsU— OCEP 1を用い、実施例 8と同様の方法を用 ヽ て目的化合物を合成した。イオン交換 HPLC分析を用いて目的化合物がほぼ単一 であることを確認した。測定条件は実施例 8と同じ条件を使用した。
MALDI TOF MS : Calculated 6528. 21
Found 6530. 3
[0104] 実施例 11
丄 S。丄一 5,一 UsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUUsUU— 3, 列番号
41
Sp体である DMTrO— UpsU— OCEP 2を用 、、実施例 8と同様の方法を用 ヽ て目的化合物を合成した。イオン交換 HPLC分析を用いて目的化合物がほぼ単一 であることを確認した。測定条件は実施例 8と同じ条件を使用した。
MALDI TOF MS : Calculated 6528. 21
Found 6529. 6
(実配列の合成)
5 ' -AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' 実施例 12
(Rp)—5,— AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT— 3,(配列番号 51
Rp体である DMTrO— PApsPG - OCEP - 1、 Rp体である DMTrO— PGpsPA— O CEP— 1、 Rp体である DMTrO— PApsPA— OCEP— 1、 Rp体である DMTrO— PU psPC— OCEP— 1、 Rp体である DMTrO— PApsPC— OCEP— 1、 Rp体である DM TrO— PGpsdT— OCEP— 2をそれぞれ 0. 1Mになるようにァセトニトリルに溶解した アミダイト溶液、及び、固相担体は市販のチミジン CPGカラム、縮合触媒はテトラゾー ル、酸化剤は 2. OM tert ブチルハイド口パーオキサイドのジクロロメタン溶液、キ ャッビング溶液は無水酢酸と、 N—メチルイミダゾール溶液を用いて実施例 8と同様 に核酸自動合成機 (Expedite™)によりオリゴ核酸ィ匕合物の合成を行 、、 目的化合 物を得た。逆相 HPLC分析を用いて目的化合物がほぼ単一であることを確認した。 測定条件は実施例 1と同じ条件を使用した。
MALDI TOF MS : Calculated 6986. 93
Found 6990. 946
[0106] 実施例 13
(SO) 5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番晉
61
Sp体である DMTrO— pApspG - OCEP - 2、 Sp体である DMTrO— pGpspA— O CEP— 2、 Sp体である DMTrO— pApspA— OCEP— 2、 Sp体である DMTrO— PU psPC— OCEP— 2、 Sp体である DMTrO— PApsPC— OCEP— 2、 Sp体である DM TrO— PGpsdT— OCEP— 1を用いて、実施例 8と同様の方法を用いてオリゴ核酸ィ匕 合物を合成し、 目的化合物を得た。逆相 HPLC分析を用いて目的化合物がほぼ単 一であることを確認した。測定条件は実施例 1と同じ条件を使用した。
MALDI TOF MS : Calculated 6986. 93
Found 6989. 943
[0107] 試験例 1
核酴二重鎖の安定件評価 <Tm値 >
実施例 8で合成したオリゴ核酸化合物、実施例 9で合成したオリゴ核酸化合物、又 は、天然のアデノシンの 21mer(A )の最終濃度がそれぞれ 1. の濃度になる
21
ように、サンプルと同量のポリゥリジル酸 (Poly (U) )を含むリン酸緩衝溶液 (0. 1M 塩ィ匕ナトリウム、 10mM リン酸ナトリウム、 pH7. 5)を調製した。こうして調製したそれ ぞれのサンプル溶液を 70°Cに加熱した後ゆっくりと室温まで冷却し、次いで、 日立製 U— 3210形自記分光光度計を用いて 20°Cから 80°Cまで 120分かけて昇温しなが ら 260nmの吸光度を測定した。得られた吸光度 温度曲線から、それぞれの二重 鎖融解温度 (Tm値)を求めた。
同様にして、実施例 10において製造したオリゴ核酸ィ匕合物、実施例 11において製 造したオリゴ核酸化合物、又は、天然のゥリジンの 21mer (U )とポリアデニル酸 (Po
21
ly(A) )との Tm値を求めた。表 8に結果を表す。
[表 8]
R N Aに対する T m値
表 8の結果より、本発明オリゴ核酸は、天然型のオリゴ RNAと同様又はそれ以上の RNAに対する親和性を有することが明らかとなった。なかでも、オリゴ核酸化合物内 の全てのホスホロチォエート結合が Rpであるオリゴ核酸ィ匕合物は、顕著に親和性を 向上することが明ら力となった。 試験例 2
タンパク皙発頊, 制活件の評価
二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物を担体と共に A431細胞に導入し、 Bel— 2タンパク質発 現抑制活性をウェスタンブロッテイングにより定量的に評価した。 ニ 鎖オリゴ核酴化合物 相.体の 合体の調製
担体として 2— 0—(2—ジェチルアミノエチル)力ルバモイル 1, 3— O—ジォレオイ ルグリセロールと精製卵黄レシチンを含むリボソーム Aを用い、二本鎖オリゴ核酸ィ匕 合物との複合体を調製した。
二本鎖オリゴ核酸化合物 1重量部に対してリボソーム A16重量部を混合して複合 体を調製した。以下に、二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物の終濃度 300nMの複合体溶液、 2 mlの調製について表す。ただし、二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物複合体の濃度は、二本鎖 オリゴ核酸ィ匕合物が完全に二本鎖形成していると仮定したときに複合体に含まれて V、る二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物のモル濃度で示して 、る。
注射用水に溶解したセンス鎖およびアンチセンス鎖を 10%マルトースで希釈し、両 鎖をそれぞれ 600nMの濃度で含む二本鎖オリゴ核酸化合物溶液を調製した。 16m gZmlのリボソーム A分散液を 10%マルトースで 0. 130mgZmlに希釈した。このリ ポソーム分散液に対し、同容量の二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物溶液を撹拝しながら徐々
に添加した。以上の操作により、二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物の終濃度が 300nMである 二本鎖オリゴ核酸化合物—リボソーム複合体溶液を調製した。この複合体を 600W のバス型超音波装置を用いて 15秒間分散処理することにより複合体の粒子を均一 にした。 ウェスタンブロッテイング
上記の二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物 リボソーム複合体を用いて二本鎖オリゴ核酸ィ匕 合物が細胞内にトランスフエクシヨンされることで、 Bel— 2タンパク質の発現が抑制さ れるかどうかをウェスタンブロッテイングにより Bel— 2タンパク質の量の変化で評価し た。
6cm径のシャーレに A431細胞(上皮癌細胞)を 2 X 105cells/6cm dishで播種 し、 10%FBS (ゥシ胎児仔血清)を含む DMEM培地(Sigma, D6046)中、 37°C、 5 %CO条件下で一晩培養した。翌日、培養ディッシュ力も培地を吸引し、 2. 7mlの 1
2
0%FBS含有 DMEM培地(Sigma, D6046)をカ卩えて培地交換した。そこに、 10% マルトース水溶液中で混合した二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物 Zリボソーム A複合体 (重量 比は二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物:リボソーム A= 1 : 16)溶液を 0. 3ml添加し、終量を 3 mlとした。このときの二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物の最終濃度は ΙΟηΜである。 37°Cの 5 %COインキュベーター内にて 72時間培養した。細胞を PBS (Phosphate buffer
2
ed Saline)で 2回洗浄し、セルスクレーパーを用いて 1. 5mlチューブに移した。 10 00 X gで 2分間遠心分離し、上清を取り除いた後、 60 1の Lysis buffer (50mM Tris-HCl, pH7. 5, 150mM NaCl, 1%NP— 40)を加えて細胞を溶解した。氷 上で 30分間静置し、 100, 000 X gで 20分間遠心後、上清を新しいチューブに移し 、電気泳動用サンプルとした。
電気泳動はポリアクリルアミドゲル (ATTO E—T520L)を用い、 1レーンあたり 15 gのサンプルをアプライした。泳動終了後、ポリビ-リデンフルオライド (PVDF)膜 にゲル内のタンパク質を転写し、 5%スキムミルク含有 PBST(PBST— MLK;ここで 、 PBSTの組成は、 0. l%Tween20含有 PBS緩衝液)中室温で 1時間ブロッキング した。まず、 Bel— 2タンパク質の検出を行った。ブロッキングが終了した PVDF膜を P
BST—MLKで 500倍に希釈したマウス抗ヒト Bel— 2モノクローナル抗体(DAKO M0887)中にて、 4°Cでー晚振盪して一次抗体と結合させた。 PVDF膜を PBSTで 洗浄後、 PBST—MLKで2000倍に希釈したHRP (セィヨウヮサビペルォキシダー ゼ)標識抗マウス Ig抗体 (DAKO PO260)中にて室温で 90分間振盪し、二次抗体 と結合させた。 PBSTで洗净後、 WesternLightning Chemiluminescence Rea gent Plus (Perkin Elmer)を用いて発光させ、 ChemiDoc (BioRad)により Bel— 2タンパク質を定量した。
Bel— 2タンパク質の検出終了後、同じ PVDF膜を MilliQ水で洗浄し、 Bel— 2と同 様に Actinタンパク質の検出を行った。一次抗体にはャギ抗ヒト Actin抗体(Santa Cruz sc- 1616)を、二次抗体には HRP標識抗ャギ Ig抗体(DAKO P0449)を 用いた。それぞれ PBST— MLKで 500倍、 1500倍に希釈して使用した。
ルシフェラーゼの発現を抑制する二本鎖オリゴ核酸化合物(GL3)をトランスフエク シヨンした時の Bel— 2タンパク質の量を陰性対照とした。
使用した二本鎖オリゴ核酸ィヒ合部物を以下に示す。
B622 :
センス鎖
5, - CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT - 3 ' (配列番号 7)
アンチセンス鎖
5' - AGGAGAAAUCAAACAGAGGdTdT- 3 ' (配列番号 8)
B622—Rp :アンチセンス鎖が実施例 12のオリゴ核酸ィ匕合物である二本鎖オリゴ核 酸化合物
センス鎖
5,一 CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT— 3,(配列番号 7)
アンチセンス鎖
(Rp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番 号 8 ;実施例 12)
B622— Sp :アンチセンス鎖が実施例 13のオリゴ核酸ィ匕合物である二本鎖オリゴ核 酸化合物
センス鎖
5, - CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT - 3 ' (配列番号 7)
アンチセンス鎖
(Sp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番 号 6 ;実施例 13) これらの二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物の活性をウェスタンプロティングにより評価した結 果を表 9に示す。
[表 9]
アンチセンス鎖を構成するチォエート結合が全て Rpである二本鎖オリゴ核酸ィ匕合 物は、天然型とほぼ同等に Bel— 2タンパク質の発現を抑制することが明ら力となった
試験例 3.
一本鎖オリゴ核酴化合物のヱキソヌクレアーゼに針する分解抵抗件評
T4ポリヌクレオチドキナーゼにより一本鎖オリゴ核酸ィ匕合物の 5'末端を32 Pで標識 した。取り込まれなかった32 P—ATPは、 Microspin G— 25 Columns (Amersha m Bioscience)で除去した。 ImM MgClを含む 25mM Tris— HCl (pH8. 9)
2
180 ^ 1^-C32P^^RNA3. 3pmolに対し、 0. 2mU の Phosphodiesterase l ( Exonuclease from Crotalus Adamanteus Venom; Worthington Bioch emical Corporation) をカ卩えて 37°Cで 15分間インキュベートした。 40 1をフエノ ール ζクロ口ホルムで抽出することによって反応を停止させた。ポリアクリルアミドゲル 電気泳動(PAGE; 16%ポリアクリルアミド Z8M尿素;アクリルアミド:ビス アクリル アミド 19 : l ; 89mM TrisZ89mMホウ酸 Z2mM EDTA)によって分析した。ゲ ルを乾燥後、 BAS— 2500 (FUJI FILM)を用いて 21塩基 RNAを定量化した。酵
素添加直後に回収した一本鎖オリゴ核酸ィ匕合物を残存率 100%とした。
使用した一本鎖オリゴ核酸ィヒ合物を以下に示す。
5' - AGGAGAAAUCAAACAGAGGdTdT- 3 ' (配列番号 8)
(Rp)—5, -AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT
5 ;実施例 12)
(Sp)—5, -AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT
6 ;実施例 13) これらの一本鎖オリゴ核酸ィ匕合物のェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性の結 果を表 10に示す。
[表 10]
一本鎖才リ ゴ核酸化合物のェキソヌク レアーゼに対する分解抵抗性評価
ホスホロチォエート結合を有する本発明オリゴ核酸は、天然型と比較して、非常に 多くの化合物が残存しており、ェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性が高いことが わかった。そのなかでも、チォエート結合が全て Spである本発明オリゴ核酸がその効 果が顕著であることが明らかとなった。 試験例 4
一本鎖オリゴ核酸化合物のゥシ血清に針する分解抵抗件評価
試験例 3と同様の方法で32 P標識一本鎖オリゴ核酸ィ匕合物を得た。 40 1の 10%ゥ シ血清中で32 Pラベル RN A3. 3pmolを 37°Cで 30分間インキュベートした。 9 1を 回収し、フエノール Zクロ口ホルムで抽出することによって反応を停止させた。試験例 3の方法で PAGEを行 ヽ 21塩基 RNAを定量ィ匕した。ゥシ血清添加直後に回収した
一本鎖オリゴ核酸化合物を残存率 100%とした。
使用した一本鎖オリゴ核酸ィヒ合物を以下に示す。
5' - AGGAGAAAUCAAACAGAGGdTdT- 3 ' (配列番号 8)
(Rp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番号
5 ;実施例 12)
(Sp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番号 6 ;実施例 13) これらの一本鎖オリゴ核酸ィ匕合物のゥシ血清に対する分解抵抗性の結果を表 11に 示す。
[表 11]
一本 オリゴ 酸化合物のゥシ血清に対する分解抵抗性評価
ホスホロチォエート結合を有する本発明オリゴ核酸は、天然型と比較して、非常に 多くの化合物が残存しており、ェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性が高いことが わかった。そのなかでも、チォエート結合が全て Spである本発明オリゴ核酸がその効 果が顕著であることが明らかとなった。 試験例 5
二本鎖 RNAのェキソヌクレアーゼに対する分解抵杭件評価
sense鎖と antisense鎖それぞれ 20 Mを Annealing Buffer (lOOmM 酢酸力 リウム, 30mM HEPES— KOH、 2mM 酢酸マグネシウム、 pH7. 4)中 90。C で 1分間、 70度で 1分間おき、 70°Cから 37°Cまで 1時間かけて温度を下げることによ り二本鎖 RNAを形成させた。 MicroSpin G— 25 Columns (Amersham Biosci ence)で脱塩した。
33mM Tris— HCl (pH8. 9)、0. 67mM MgCl中で二本鎖 RNA400pmolに
2
対し、 258mU の Phosphodiesterase I (Exonuclease from Crotalus Ada manteus Venom; Worthington Biochemical Corporation) をカロえ d 7 °Cで 15分間インキュベートした。インキュベート後 10 μ 1をフエノール Ζクロ口ホルム で抽出することによって反応を停止させた。水層を PAGEで確認した。
二本鎖 RNAはポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE ; 12%ポリアクリルアミド;ァ クリルアミド:ビス アクリルアミド 19 : 1 ; 89mM TrisZ89mMホウ酸 Z2mM EDT A)で分析した。ェチジゥムブロマイドで染色後、 ChemiDoc (BioRad)を用いて 19 塩基対 RNAを定量した。酵素添加直後に回収した 19塩基対 RNAの残存率を 100 %とした。
使用した二本鎖オリゴ核酸ィヒ合物を以下に示す。
B622 :
センス鎖
5, - CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT - 3 ' (配列番号 7)
アンチセンス鎖
5' - AGGAGAAAUCAAACAGAGGdTdT- 3 ' (配列番号 8)
B622—Rp :アンチセンス鎖が実施例 12のオリゴ核酸ィ匕合物である二本鎖オリゴ核 酸化合物
センス鎖
5,一 CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT— 3,(配列番号 7)
アンチセンス鎖
(Rp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番 号 5 ;実施例 12)
B622— Sp :アンチセンス鎖が実施例 12のオリゴ核酸ィ匕合物である二本鎖オリゴ核 酸化合物
センス鎖
5,一 CCUCUGUUUG AUUUCUCCUdTdT— 3,(配列番号 7)
アンチセンス鎖
(Sp)—5, - AsGGsAGsAAsAUsCAsAAsCAsGAsGGsdTdT- 3 ' (配列番 号 6 ;実施例 13) これらの二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物のェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性の結 果を表 12に示す。
[表 12]
二本鎖オリ ゴ核酸化合物のェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性評価
二本鎖 R N A 残存率(%)
B 6 2 2 0
B 6 2 2 - R p 5 1 . 6
B 6 2 2 - S p 6 8 . 9 天然型の二本鎖オリゴ核酸ィヒ合物は、全くェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性 を有しないが、ホスホロチォエート結合を有する本発明オリゴ核酸は、非常に多くの 化合物が残存しており、ェキソヌクレアーゼに対する分解抵抗性が非常に高いことが わかった。そのなかでも、チォエート結合が全て Spである本発明オリゴ核酸がその効 果が顕著であることが明らかとなった。 産業上の利用可能性
本発明に係るホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物の製 法は、従来力も知られて 1、るホスホロチォエート結合を有するオリゴ核酸ィ匕合物の製 法とは異なり、通常のオリゴ核酸ィヒ合物の製法と同様にリン酸ジエステル結合のみを 形成する方法である。
したがって、核酸合成ユニットとして、純度の高いホスホロチォエート結合を有する 光学活性な核酸ダイマー化合物を使用することにより、純度の高いホスホロチォエー ト結合を有する光学活性なオリゴ核酸化合物を容易に製造することができる製法であ る。
また、本発明核酸ダイマーは、ホスホロチォエート結合を有する核酸ダイマー化合 物であるので、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物を製造
することができる原料ィ匕合物として有用である。
本発明核酸ダイマーを少なくとも 1つ使用して製造することができる、ホスホロチォ エート結合を有する光学活性なオリゴ核酸化合物は、それと相補鎖を形成しうる RN Aに対して、天然型のオリゴ RNAと同様又はそれ以上の親和性を有することが明ら かとなつた。
また、本発明核酸ダイマーを少なくとも 1つ使用して製造することができる、ホスホロ チォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合物は、同じ配列を有する天然型 のオリゴ核酸ィ匕合物と比較して、ェキソヌクレアーゼ又はゥシ血清に対して非常に高 い分解抵抗性を示した。
さらに、該オリゴ核酸化合物を含む二本鎖オリゴ核酸化合物においても、同じ配列 を有する天然型の二本鎖オリゴ核酸ィ匕合物と比較して、ェキソヌクレアーゼに対して 非常に高!ヽ分解抵抗性を示した。
即ち、ターゲット遺伝子 (mRNA)に対して切断活性を有する天然型のオリゴ RNA と同様の配列を有する、ホスホロチォエート結合を有する光学活性なオリゴ核酸ィ匕合 物は、天然型のオリゴ RNAとほぼ同様又はそれ以上の親和性やほぼ同等のターゲ ット遺伝子 (mRNA)に対する切断活性を有するので、種々酵素耐性を有する本発 明オリゴ核酸は、治療薬、診断薬又は研究試薬として有用である。