明 細 書
税務監査システム 技術分野
[0001] 本発明は、高品質かつ有効な監査を効率よく行う税務監査システム、税務監査プロ グラム及び記録媒体に関する。
背景技術
[0002] 現状の税務監査において、その監査のための判断基準は、慣習や経験則により作 成されており、また、抽象的でありかつ不明確なものが列挙されているために、監査 人が適切な監査を行うことを困難なものにしている。そのために、作成された監査の 品質は、企業が期待する監査に対する品質との間にギャップが生じているといわれて いる。例えば、昭和 25年に企業会計審議会で制定された企業会計制度の監査基準 は、取引記録の監査について、「現金に関する記帳に付いては、現金の収支を示す 証拠資料を調査して、正当な記帳が行われているかどうかを確かめる。」とされている 。この監査基準は、実務の中に慣習として発達し、一般に公正妥当と認められるとこ ろを取りまとめた原則である。そのために、監査実施基準が抽象的でありかつ不明確 であるといわれている。そこで、専門的能力及び実務経験を備えた職人的な監査人 だけが、有効適切な監査を行うことが可能である。国際的にみても、税務監査は同様 な状況下にあると 、われて 、る。
[0003] また、職人的な監査人と補助者の能力 ·経験の違いがあまりにも大きいために、業 務連携は容易でなぐ他方、どの企業に対しても一律、一様な監査しかできず、企業 の要求を満たせないのが現状である。監査人が遵守すべき一般基準、即ち、(1)専 門的能力の向上と知識の蓄積、(2)職業的専門家として正当な注意義務、(3)不正 等による虚偽表示への対応、(4)監査全体に係る監査調書の作成、(5)監査の指揮 命令、職務分担等の管理、これらの遵守すべき一般基準が上記したように抽象的か つ不明確であるために、現場での適切な監査を担保するのが困難な状況にある。又 、経験の豊富な監査人とそうでない監査人との監査業務の負担の程度は、そうでな V、監査人にとって相当大きな負担となって!/、る。
[0004] 例えば、監査業務を標準化する財務監査システム (特許文献 1参照)は、科目別監 查、消費税区分別監査及び消費税事業区分別監査を行う場合、その監査項目に対 応するクリック項目を表示させることにより、各仕訳項目をクリックできるので、監査業 務の経験の浅いものでも標準的な監査ができることが示されている(特許文献 1の図 5乃至 8参照)。
[0005] し力しながら、このクリック項目は、上記したように実務の中に慣習として発達し、一 般に公正妥当と認められるところを取りまとめた監査基準であるために、監査人に対 し適切な監査を担保できず、そのことが原因で企業が期待する監査の品質に対して 実際の監査との間にギャップがあり、そのギャップを解消したいという社会的ニーズが 高まりつつある。更に、上記した財務監査システムにおいては、クリックする仕訳項目 の数が数千項目にわたる場合もあり、経験豊富な監査人は、組織形態及び業種によ り必要のない仕訳項目を瞬時に判断できる力 経験の少ない監査人はその判断がで きないこと等から、監査は経験の少ない監査人にとって大変過重な負担を余儀なくさ れるものであった。
[0006] 更に、監査を行う前に、監査を行う監査事項の件数及びその内容にについて事前 に知る手段がないために、監査を行う科目の選択や監査業務量等の監査計画が立 てられないために、現地で手順良く効率的に監査を行うことができな力つた。また、経 済のグローバルィヒに伴い、税務監査の世界基準の必要性が求められており、監査の 判断基準の明確性は世界基準の確立には必須のことであり、特に、日本は監査結果 の透明性が低いことが問題視されているところである。
[0007] 特許文献 1 :特開平 10— 105619号公報
発明の開示
[0008] そこで、本発明の課題は、監査人に対し監査を行う科目の選択及び監査業務量を 、事前に知ることにより、監査を行う科目の選択や監査業務量等の監査計画を立てる ことが可能となり、また、明確な判断基準を表示することにより適切な監査が担保でき 、企業が期待する監査の品質に対して、実際の監査との間にギャップのない監査を 行うことが可能となる税務監査システム、税務監査記録媒体及びプログラムを提供す ることにめる。
[0009] 更に、チェックする仕訳項目の数が数千項目にわたる場合であっても、監査が監査 人にとって高品質かつ有効な監査を効率よく行うことを可能とした税務監査システム 、税務監査プログラム及び記録媒体を提供することにある。
[0010] そして、監査結果の透明性を高めることを可能とした税務監査システム、税務監査 プログラム及び記録媒体を提供することにある。
[0011] 第 1の発明に係る税務監査システムは、顧客端末と情報通信ネットワークを介して 接続され税務監査システムにおいて、前記税務監査システムが、前記顧客端末から 送信された関与先情報をデータベースに格納する関与先情報処理手段と、前記デ ータベースの前記関与先情報の抽出情報及び選択された科目に基づいて、その抽 出科目テーブルを作成して、前記データベースに格納する監査計画処理手段とを備 えることを特徴とする。
[0012] 第 2の発明に係る税務監査システムは、前記抽出科目テーブルが、選択科目に関 する関与先抽出行列及び関与先レコードセット行列を作成し、これらを乗じて作成す ることを特徴とする。
[0013] 第 3の発明に係る税務監査システムは、前記抽出科目テーブルが、少なくとも設定 件数及び科目名を含むことを特徴とする。
[0014] 第 4の発明に係る税務監査システムは、前記データベースは関与先データベース 及び監査判断データベースを備えることを特徴とする。
[0015] 第 5の発明に係る税務監査システムは、前記関与先データベースには、少なくとも 関与先テーブルが、前記監査判断データベースには、少なくとも監査科目テーブル 及び監査事項テーブルが含まれることを特徴とする。
[0016] 第 6の発明に係る税務監査システムは、前記監査判断データベースには、チェック 事項テーブルが更に含まれることを特徴とする。
[0017] 第 7の発明に係る税務監査システムは、前記関与先テーブルに前記関与先情報を 格納することを特徴とする。
[0018] 第 8の発明に係る税務監査システムは、前記選択科目に関する関与先抽出行列は
、前記監査科目テーブル力も作成されることを特徴とする。
[0019] 第 9の発明に係る税務監査システムは、前記選択科目に関する関与先レコードセッ
ト行列が、前記監査判断データベースの監査事項テーブルから作成されることを特 徴とする。
[0020] 第 10の発明に係る税務監査システムは、前記関与先テーブルは少なくとも関与先 I D、関与先名、組織形態、業種、監査ランク及び科目候補リストを含むことを特徴とす る。
[0021] 第 11の発明に係る税務監査システムは、前記監査科目テーブルは少なくとも科目 I
D、科目名、組織形態、業種を含むことを特徴とする。
[0022] 第 12の発明に係る税務監査システムは、前記監査事項テーブルは少なくとも科目 I
D、監査要点、監査要件、監査ランクを含むことを特徴とする。
[0023] 第 13の発明に係る税務監査システムは、前記チェック事項テーブルは少なくともチ エック事項 ID、チ ック事項名、監査事項 IDを含むことを特徴とする。
[0024] 第 14の発明に係る税務監査システムは、前記抽出情報は組織形態データ及び業 種データを含むことを特徴とする。
[0025] 第 15の発明に係る税務監査システムは、前記抽出情報は更に監査ランクデータを 含むことを特徴とする。
[0026] 第 16の発明に係る税務監査システムは、前記関与先抽出行列は組織形態及び業 種の数値データを含むことを特徴とする。
[0027] 第 17の発明に係る税務監査システムは、前記関与先抽出行列は更に監査ランクの 数値データを含むことを特徴とする。
[0028] 第 18の発明に係る税務監査システムは、前記関与先レコードセット行列は科目 ID
、分類情報及び監査事項情報を含むことを特徴とする。
[0029] 第 19の発明に係る税務監査システムは、前記監査事項情報は科目、監査要点、 監査要件及び監査ランクの情報を含むことを特徴とする。
[0030] 第 20の発明に係る税務監査システムは、前記科目は監査要点及び監査要件に基 づき分類されて ヽることを特徴とする。
[0031] 第 21の発明に係る税務監査システムは、前記税務監査システムが、前記監査を行 う科目に基づいて、前記抽出科目テーブルを取得して、監査事項評価情報に基づ いて監査関連情報を作成する監査実施処理手段を更に備えることを特徴とする。
[0032] 第 22の発明に係る税務監査システムは、前記監査事項評価情報は顧客端末の税 務監査調書画面上の監査科目のクリックにより送信される情報であることを特徴とす る。
[0033] 第 23の発明に係る税務監査システムは、前記監査関連情報は前記監査事項評価 情報により評価された結果の内容の情報であることを特徴とする。
[0034] 第 24の発明に係る税務監査システムは、前記監査実施処理手段は前記抽出科目 テーブルのデータに基づき税務監査調書画面を作成して送出する機能を更に備え ることを特徴とする。
[0035] 第 25の発明に係る税務監査システムは、前記税務監査調書画面のクリックにより送 信された監査要点 ·要件データに基づき、前記抽出科目テーブル力 前記監査要点 •要件データに関する情報を抽出する機能を更に備えることを特徴とする。
[0036] 第 26の発明に係る税務監査システムは、前記抽出した情報に基づき抽出税務監 查調書画面を作成して送出することを特徴とする。
[0037] 第 27の発明に係る税務監査システムは、前記税務監査調書画面又は前記抽出税 務監査調書画面上の前記監査事項評価のチェックにより、チェック事項を含む監査 事項画面を作成して送出することを特徴とする税務監査システム。
[0038] 第 28の発明に係る税務監査システムは、前記税務監査システムは、報告書閲覧画 面を作成して送出する監査報告書処理手段を更に備えることを特徴とする。
[0039] 第 29の発明に係る税務監査プログラムは、顧客端末と情報通信ネットワークを介し て接続され税務監査システムにおいて、前記税務監査システムのサーバーが、前記 顧客端末から送信された関与先情報をデータベースに格納する関与先情報処理手 段と、前記データベースの前記関与先情報の抽出情報及び選択された科目に基づ いて、選択科目に関する関与先抽出行列及び関与先レコードセット行列を作成し、こ れらを乗じて抽出科目行列の作成を行 、抽出科目テーブルを作成して、前記データ ベースに格納する監査計画処理手段として機能させる。
[0040] 第 30の発明に係る税務監査プログラムは、前記監査システムのサーバー力 更に 監査を行う科目に基づいて、前記抽出科目テーブルを取得して、監査事項評価情 報に基づいて監査関連情報を作成する監査実施処理手段として機能させる。
[0041] 第 31の発明に係る税務監査プログラムは、前記監査システムのサーバー力 更に 報告書閲覧画面を作成して送出する監査報告書処理手段として機能させる。
[0042] 第 32の発明に係る税務監査記録媒体は、顧客端末と情報通信ネットワークを介し て接続され税務監査システムにおいて、前記税務監査システムのサーバーが、前記 顧客端末から送信された関与先情報をデータベースに格納する関与先情報処理手 段と、前記データベースの前記関与先情報の抽出情報及び選択された科目に基づ いて、選択科目に関する関与先抽出行列及び関与先レコードセット行列を作成し、こ れらを乗じて抽出科目行列を作成して抽出科目テーブルを作成し、前記データべ一 スに格納する監査計画処理手段として機能させる。
[0043] 第 33の発明に係る税務監査記録媒体は、前記監査システムのサーバーが、更に 監査を行う科目に基づいて、前記抽出科目テーブルを取得して、監査事項評価情 報に基づいて監査関連情報を作成する監査実施処理手段として機能させる。
[0044] 第 34の発明に係る税務監査記録媒体は、前記監査システムのサーバーは、更に 報告書閲覧画面を作成して送出する監査報告書処理手段として機能させる。
[0045] 第 35の発明の税務監査システムは、前記監査判断データベースに代えて監査判 断データベースサーバーを備えることを特徴とする。
[0046] 本発明の税務監査システムは、関与先レコードセット行列に抽出行列を乗じて抽出 科目行列を生成することにより、関与先抽出テーブルを作成してそのテーブルのデ ータに基づいて監査計画一覧画面を送出する機能を有するので、監査を行う科目の 選択及び監査業務量を事前に知ることにより、監査を行う科目の選択、監査業務量 等の監査計画を立てることが可能となり、また、関与先の組織形態及び業種により監 查の必要のない監査事項までも監査対象とされていたもの力 抽出行列を乗じること により監査の必要のない監査事項が自動的に削除され必要な監査事項だけが抽出 されるので、従来と比べ大幅に監査事項を減少させることが可能となる。
[0047] また、本発明の税務監査システムは、監査を行う科目に基づ!/、て抽出科目テープ ルを取得して、監査事項評価情報に基づ!、て監査関連情報を作成する機能を有す るので、監査が高品質かつ有効な監査を効率よく行うことを可能となり、また、監査要 点 ·要件データに基づき、前記関与先抽出テーブル力 前記監査要点 ·要件データ
に関する情報を抽出する機能を更に備えているので、チェックする仕訳項目の数が 数千項目にわたる場合であっても、監査する科目を大幅に減少させることが可能とな り、また、「いいえ」の監査事項評価情報によりチェック事項を有する監査事項画面を 送出するので、監査人は判断基準を明確に示したチェック事項を読むことにより、監 查事項の内容を詳細に理解することが可能となったので、経験の浅い補助者でも監 查の評価が行!、やすくなつた。
[0048] 更に、抽出税務監査調書画面上の「監査評価報告書」ボタンのクリックで、生成され た監査評価報告書データにより監査評価報告書画面を生成して送出され、監査事 項の評価がまだ未了のものが明確に分力るので、監査漏れが全く発生しない。
[0049] また、印刷用監査関連情報である帳票 1乃至 3が顧客端末 200に送出されるので、 従来監査の判断基準が明確でな力つたために上記帳票を作成することが不可能で あつたのが、判断基準が明確になったこと及びその評価の結果が自動的に作成され て表示できることにより、監査結果の透明性を高めることが可能となった。
図面の簡単な説明
[0050] [図 1]図 1は商法、税法及び企業会計の監査目的と監査要点'要件の関係を示す図 である。
[図 2]図 2は監査要点と監査要件との関係を示す図である。
[図 3]図 3は本発明の税務監査システムの全体の構成図である。
[図 4]図 4は顧客端末 200の表示画面上に表示される画面の流れを示した図である。
[図 5]図 5は顧客端末 200の表示画面上に表示される画面の流れを示した図である。
[図 6]図 6は画面 1のログイン画面及び画面 2のメニュー画面を示した図である。
[図 7]図 7は画面 3の関与先情報画面及び画面 4の関与先ランク監査設定画面を示し た図である。
[図 8]図 8は画面 5の監査計画画面及び画面 6の関与先監査ランク設定画面を示した 図である。
[図 9]図 9は画面 7' の監査計画一覧画面を示した図である。
[図 10]図 10は画面 7の科目選択画面及び画面 8の監査実施画面を示した図である。
[図 11]図 11は画面 9の監査年月選択画面及び画面 10の科目選択一覧画面を示し
た図である。
[図 12]図 12は画面 11の税務監査調書画面を示した図である。
[図 13]図 13は画面 12の抽出税務監査調書画面を示した図である。
[図 14]図 14は画面 13の監査事項画面を示した図である。
[図 15]図 15は画面 14の監査所見画面を示した図である。
[図 16]図 16は画面 15の監査所見印刷画面を示した図である。
[図 17]図 17は帳票 1の監査所見画面を示した図である。
[図 18]図 18は画面 16の監査評価報告書画面を示した図である。
圆 19]図 19は帳票 2の税務監査評価報告書画面を示した図である。
[図 20]図 20は画面 17の報告書閲覧画面及び画面 18の関与先閲覧画面を示した図 である。
[図 21]図 21は画面 19の対象期間設定画面を示した図である。
[図 22]図 22は帳票 3の監査評価報告書画面を示した図である。
[図 23]図 23は各種情報の処理手順を説明するシーケンスチャート(図 4の「流れ 1」に 相当)を示した図である。
[図 24]図 24は各種情報の処理手順を説明するシーケンスチャート(図 5の「流れ 2A」 及び「流れ 2C」に相当)を示した図である。
[図 25]図 25は各種情報の処理手順を説明するシーケンスチャート(図 5の「流れ 2B」 に相当)を示した図である。
[図 26]図 26は各種情報の処理手順を説明するシーケンスチャート(図 4の「流れ 3」に 相当)を示した図である。
[図 27]図 27は関与先及び監査判断データベースに格納された各種テーブルの構造 の一例を示した図である。
[図 28]図 28は監査科目テーブルのテーブル構造の一例を示した図である。
[図 29]図 29は関与先テーブルの科目候補リストに格納されたデータ構造の一例を示 した図である。
[図 30]図 30は監査科目「現金」の関与先抽出テーブルの一例を示す図である。
[図 31]図 31は画面 11の監査要点 *要件の中から「計算合理性」の選択により、監査
事項を更に絞り込んだことを示す図である。
[図 32]図 32は税務監査システム 100の税務監査サーバー 300が備える処理手段を 説明する機能ブロック図である。
[図 33]図 33は関与先情報処理手段 301のフローチャートである。
[図 34]図 34は監査計画処理手段 302のフローチャートである。
[図 35]図 35は監査実施処理手段 303のフローチャートである。
[図 36]図 36は監査実施処理手段 303のフローチャートである。
[図 37]図 37は監査実施処理手段 303のフローチャートである。
[図 38]図 38は監査報告処理手段 304のフローチャートである。
発明を実施するための最良の形態
[0051] 監査は社会的要請に基づき会計帳簿等を検証することにより、財務諸表の信頼性 を高めその内容を保証しかつ報告するものである。その監査の目的は商法、税法及 び企業会計からみて、図 1に示すように社会的要請が異なっているために監査の目 的が異なっている。商法は営業上の財産及び損益の状況を明らかにするため整然 かつ明瞭に記載 ·記録することを定めている。税法は適正な申告納税の実現のため 資産、負債、資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記に従い整然かつ明 瞭に記録することを定めている。企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関し て真実な報告をするためすべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な 会計帳簿を作成することを求めて!/ヽる。
[0052] 上記商法、税法及び企業会計の目的を総合的、概観的に検討した結果、その監 查の目的を 4つの範疇、即ち、適法性、正確性、実在性及び開示性の観点で捉えて みると、上記の商法、税法及び企業会計の目的と前記 4つの範疇とは、図 1に示すよ うな対応関係にあることが判明した。適法性とは、「法的判断は正しい」ことを意味し、 正確性とは、「会計帳簿の記録は正確である」ことを意味し、実在性は「会計取引は 実在し真実である」ことを意味し、そして、開示性とは、「帳簿を利害関係者に開示で きる」ことを意味している。これらの 4つの適法性、正確性、実在性及び開示性を「監 查要点」と総称する。
[0053] 上記監査要点に基づいて実際の監査を行うには、監査の判断を示すより具体的な
判断基準が必要であることから、更に詳細に検討した結果、前記 4つの範疇を 9つの 範疇、即ち、合法性、妥当性、適正性、計算合理性、評価性、証拠性、検証可能性、 網羅性及び表示性の観点で捉えてみると、前記 4つの範疇と当該 9つの範疇とが図 1に示すような対応関係にあることが判明した。図 2に示すように、適法性は合法性及 び妥当性から成り、正確性は適正性、計算合理性及び評価性から成り、実在性は証 拠性、検証可能性及び網羅性から成り、開示性は表示性から成っている。
[0054] 図 1に示すように、合法性とは、「会計取引は、法令や規範に照らして適法である」 ことを意味し、妥当性とは、「会計取引に対して、法令や規範の適用'解釈は適切で ある」ことを意味し、適正性とは、「会計処理 ·手続は適正に行われている」ことを意味 し、計算合理性とは、「計算は整然明瞭な記録に基づいて、合理的に行われている」 ことを意味し、評価性とは、「営業上の財産、即ち資産、負債及び引当金等の評価は 妥当である」ことを意味し、証拠性とは、「その取引を証明する帳簿書類'証拠書類が 保存されている」ことを意味し、検証可能性とは、「監査人その他第三者が、その取引 内容を検証できる」ことを意味し、網羅性とは、「すべての取引は、もれなく完全に記 録されている」ことを意味し、そして、表示性とは、「会計処理'表示は適正に行われ ている」ことを意味している。これらの 9つの合法性、妥当性、適正性、計算合理性、 評価性、証拠性、検証可能性、網羅性及び表示性のことを「監査要件」と総称する。
[0055] 上記の商法、税法及び企業会計の目的に対して、上記の監査要点及び監査要件 と対応付けてみると、図 1に示すような対応関係にあることが分力つた。この図に示す ように、監査の目的は監査要点及び監査要件の判断基準とすべて対応していること が理解できる。
[0056] 図 2は上記した 4つの監査要点と 9つの監査要件との関係を示している。適法性は 合法性及び妥当性を含み、正確性は適正性、計算合理性及び評価性を含み、実在 性は証拠性、検証可能性及び網羅性を含み、開示性は表示性を含んでいる。
[0057] 一方、財務諸表等の監査を行う際の判断のレベルとして 4つの監査のランクに分か れており、監査のランクは、ランク 1が初期指導、ランク 2が青色申告、ランク 3が税務 監査、そして、ランク 4が書面添付の判断レベル力も成っている。初期指導は商法上 の会計帳簿の作成レベルを、青色申告は税法上の青色申告記載要件を満たす会計
帳簿の作成レベルを、税務監査は適正な決済書類並びに税務申告書類を作成する レベルを、そして、書面添付は税理士の添付書面制度を満たすレベルを意味してい る。
[0058] また、本願の最良の形態では、組織形態を 7種類に分け、業種を 9種類に分けて説 明を行って ヽる。それぞれの組織形態及び業種により監査を行う内容が異なって ヽ る。 7種類の組織形態は株式会社、有限会社、医療法人、社会福祉法人、組合、 NP O,個人であり、 9種類の業種は建設業、製造業、運輸業、卸売業、小売業、飲食業 、不動産業、医療業、サービス業である。この 7種類の組織形態及び 9種類の業種は 、我が国における代表的なものとして示したものであって、この数に限定されるもので はない。将来、産業構造の変化に伴い、新たな組織形態、新たな業種が増えた場合 には、組織形態、業種の数が増えることとなる。
[0059] ところで、この 4つの監査要点と 9つの監査要件に基づ 、て、監査する科目につ ヽ て全て対応づけるために、各科目は監査人が容易に判断できる「監査事項」で過不 足なく構成され、「監査事項」は科目の監査判断基準を提供している。即ち、「監査事 項」は何れの監査要点及び監査要件、更に何れの監査ランクにも属しており、監査 対象に適した監査判断基準を提供すると共に、監査判断の網羅性を確保して ヽる。
[0060] そして、監査人が監査の際に監査事項の監査で判断が容易なようにチェックすべき 事項、即ち、「チェック事項」を作成し、監査事項のより具体的な判断基準として各科 目と対応付けてデータベース化を行った。このように、 4つの監査要点と 9つの監査 要件は、監査する科目を分類する機能を有するものであるから、この監査要点及び 監査要件を「分類情報」と称する。従って、上記した「監査事項」は、この分類情報に 対応した科目に対し +て監査すべき判断基準が示された内容のことを意味している
[0061] 科目とは監査の対象となる最小の項目であり、約 200の科目(例えば、現金、小口 預金、当座預金、受取手形、売掛金、商品、製品、原材料等)から成っている。後述 する最良の形態では、例えば図 14の画面 13に示すように、科目名「現金」、監査要 点「正確性」、監査要件「適正性」に対しては、「日々の現金有高と現金出納帳残高 が不一致で、原因が判明せず、その現金過不足額が異常又は多額である場合次の
会計処理が行われている。」が監査事項を、「現金有高と現金出納帳残高の不一致 が異常又は多額な現金不明金(10, 000円を超える程度)は、現金過不足の経常的 な会計処理と区別し、その原因が判明するまで一時的に仮払金ある!/ヽは仮受金で処 理されている。」がチェック事項を意味している。
[0062] 上述した科目、分類情報と監査事項を監査判断データベースに格納するために、 各科目に ID番号 (以下、記号「id」で表す。)を付与し、それに対応する分類情報 (以 下、記号「 δ」で表す。)、監査事項 (以下、記号「《」で表す。)から成るデータ構造を 「監査科目テーブル」(図 28参照)と称する。監査科目テーブルについては後述する 。本願の税務監査システムのサーバーは、この監査科目テーブルのデータを用いて レコードセット行列を作成する。該レコードセット行列は、以下に示すように第 1列目 が科目の ID番号 (id)、第 2列目から第 p列目が分類情報( δ )で、監査要点、監査要 件、監査ランク、業種、組織形態に対応する判断パラメータで採否を決定する部分で ある。それ以降の q列目までが監査事項情報( α )で、監査計画、監査実施、監査報 告までのそれぞれの該当情報及びそれぞれにおいて取るべきアクションが明記され る。
[0063] [数 1]
レコ一ドセット行列 そして、実際の監査を行う際に、レコードセット行列のデータ力 監査の対象を特定 するために、上述した 7つの組織形態、 9つの業種及び 4つの監査ランク、カゝら成る抽 出行列が用いられる。前記サーバーは、関与先データベースに格納された「関与先 テーブル」のデータを用いて前記抽出行列を作成する。なお、関与先テーブルにつ いては後述する。
[0064] 次に関与先別の判断内容を決定する管理用データとして以下の (数 2)に示す抽出 行列から構成され、第 1列目力 第 7列目が 7つの組織形態で、第 8列目から第 16例
目が 9つの業種で、 17列目から 20列目が 4つの監査ランク力も成り、該抽出行列は、 監査対象である関与先企業の組織形態、業種及び監査ランクの中から科目が該当 するものには「1」を、該当しないものには「0」が書き込まれて作成される。従って、該
、
当する糸且織形態、業種及び監査ランクの 3つの列において科目に関連するものは「1 」で、科目に関連1Λし 、ないものは「0」であり、 3つの列以外の他の列は「0」である。これら
2
の組織形態、業種及び監査ランクの情報を総称して「抽出情報」 t ヽぅ。
[0065] [数 2]
1Λ 、
1 1 1
12 δ、
上記のレコードセット行列(a)に上記の抽出行列 (b)を掛け合わせることにより、監 查要点、監査用件及び監査事項のデータから、監査ランク、組織形態、業種及び科 目の各項目の中から監査すべき対象を選択することにより、監査すべき科目の判断 基準を示す判断内容が自動的に抽出される。この抽出されたデータを抽出科目行列 (c)という。
抽出科目行列 後にこれらのレコードセット行列、抽出行列と抽出科目行列が、どの様に税務監査 システムにおいて使用されるのかを詳細に説明する。
[0067] ところで、本発明の税務監査システム 100 (税務監査サーバーとデータベースを含 む)を用いて関与先の監査を行うためには、税理士事務所等に設置されている顧客 端末 200上に表示されているログイン画面に、事務所 ID、ユーザー ID及びパスヮー ドを入力して、次にメニュー画面(図 4及び図 6の画面 2参照)の 4つの事項から一つ
を選択することからこのシステム操作が始まる。最初に、関与先の名称、組織形態、 業種等の関与先情報を入力して税務監査システムの関与先データベースにその情 報を格納して、関与先情報を設定する。次に、顧客端末 200から監査を行う科目の 選定を行い、その選定され科目に基づいて作成された抽出科目テーブルを関与先 データベースに格納して、監査計画を設定する処理が行われる。この監査計画の設 定の処理も、税理士事務所等にお 、て事前に行われるものである。
[0068] そして、監査人は、関与先に顧客端末 (携帯端末等であっても良い)を持参して出 向き (又は、関与先のコンピュータ端末を用いても良い。)、監査する科目の対象帳簿 書類等を詳細に調査した後、顧客端末から関与先名称、監査実施時期、科目の指 定により、情報通信ネットワークを介して税務監査システムの監査判断データベース から設定された監査計画を取得して、顧客端末に送信する。送信された情報を顧客 端末の表示画面に表示することにより、監査人はその表示画面上の監査科目の判定 、監査評価を行い、関与先の責任者にその判定及び評価を示して、必要であれば監 查所見を顧客端末から入力する。最後に、税理士事務所等において、監査人の最 高責任者が監査報告書の内容を検討して、問題がなければその監査報告書を監査 判断データベースに格納し、印刷物として出力する。
[0069] 次に、図面を参照して本発明の最良の形態を詳細に説明する。
[0070] 図 3は、本発明の税務監査システム 100の全体の構成図である。図 3に示される、 サービス会社等に設置されて 、る税務監査システム 100は、情報通信ネットワークを 介して顧客端末 200と接続されている。顧客端末 200から入力、選択された情報は、 情報通信ネットワーク、例えば、インターネットを介して送信され、その情報を受信し た税務監査システムカゝら各種の情報が顧客端末 200に送信される。税務監査システ ム 100は、税務監査サーバー、関与先データベース及び監査判断データベースを 備えている。
[0071] 図 4及び図 5は、顧客端末 200の表示画面上に表示される画面の流れを示した図 である。税務監査システム 100は、顧客端末 200から入力された情報を受信して、そ の入力された情報に応じて各種画面情報を顧客端末 200に送信して、その送信され た情報が顧客端末 200の画面で変遷する流れを説明するための図である。
[0072] 図 6力ら図 22は、上記図 4及び図 5で示された顧客端末 200上の表示画面の流れ を示した図と同じものであり、その各画面を拡大して詳細に示した図である。この図 6 力 図 22の図面は、表示された画面及びその画面にどの様な情報を選択又は入力 するかを理解するためのものである。従って、図 4及び図 5に示した画面の番号は、 図 6から図 22の画面の番号に対応している。そこで、図 4及び図 5の流れの説明にお いて、各画面の説明、例えば、画面 3の説明の場合、その画面の番号に対応してい る図 7に記載されて 、る画面に基づ!/、て以下の説明を行う。
[0073] なお、以下に説明する監査する関与先の一例として「パン屋」を取り上げて説明す る。この例のパン屋の組織形態は有限会社で、業種は小売業として説明を行う。
[0074] 図 4において、顧客端末 200が税務監査システム 100にアクセスすると画面 1の口 グィン画面が表示され、事務所 ID、ユーザー IDとパスワードを入力して「ログイン」ボ タンをクリックすると、画面 2のメニュー画面が表示される。画面 2はメニューを選択す るための画面であり、最初は、上記したように顧客端末 200のメニュー画面の「関与 先情報を選ぶ」を選択すると、画面 3の関与先情報設定画面が表示される。
[0075] 関与先名称欄に会社名等を入力し、組織形態及び業種を選択して「登録」ボタンを クリックすると、画面 4の関与先監査ランク設定画面が表示され、 4つのランクの何れ かを選択して、「登録」ボタンをクリックすることにより関与先情報の設定が完了する。 このように「関与先情報」には、関与先名称、組織形態、業種及び監査ランクが含ま れる。
[0076] 次に、画面 2のメニュー画面の「監査計画を選ぶ」をクリックすると、画面 5の監査計 画画面(図 8参照)が表示される。監査計画を行う関与先名称を選択すると、画面 6の 関与先監査ランク選択画面が表示され、 4つのランクの何れかを選択して、「次へ」ボ タンをクリックすることにより画面 7の科目選択画面(図 10参照)が表示され、監査を 行う科目を選択し、「登録」ボタンのクリックにより画面 の監査計画一覧(図 9参照) が表示され、科目「現金」に関する設定された件数、即ち、監査を行う科目の選択と 監査業務量等を見ることが可能となり、監査計画の設定が完了する。画面 5から画面 1' までの画面の流れが図 4で示す「流れ 1」である。
[0077] 上記のように監査を行う科目を選択して「登録」ボタンのクリックにより、関与先の監
查する科目数が少なくなつている。後にその理由を詳細に説明するが、前記従来技 術である財務監査システムでは、組織形態と業種により監査する科目を対応づけて データ化されて 、な 、ので、組織形態と業種によっては監査の必要のな 、科目も表 示されて、評価の判断を求められるものであった。ところが、本願の税務監査システム
100を用いることにより、監査計画の処理の段階で関与先の糸且織形態と業種に応じ て、監査する科目数を減らすことが可能となった。
[0078] 次に、画面 2のメニュー画面の「監査実施を選ぶ」をクリックすると、画面 8の監査実 施画面(図 10参照)が表示される。監査実施を行う関与先名称をクリックすると、画面 9の監査年月選択画面が表示され、監査実施をする年月をクリックすると、画面 10の 科目一覧画面が表示され、監査を行う科目をクリックすると、画面 11の税務監査調書 画面(図 12参照)が表示される。
[0079] この画面 11の例では、科目の選択で「現金」が選択され、監査事項として「期中に おける現金の管理 ·保管及び記は正確である」力 チェック事項として「現金は出納責 任者によって適切に管理 ·保管され、すべての入金と出金の記録が適正に行われ、 期中における日々の現金有高と現金出納帳残高は合致し、総勘定元帳の当月末現 金残高は正確である。」が表記されている。監査要点 ·要件の欄には、 4つの項目が 表記されているが、監査の科目の分類には、 9つの監査要件で分類するのが論理的 ではあるが、この例では 4つの項目で分類して!/、る。
[0080] 画面 11の下部に示されている監査事項の欄には、科目「現金」に関する監査事項 が多数表示されており、その監査事項の評価を右部に記載の評価の欄の「はい」「い いえ」及び「非該当」から選択する。「はい」は監査事項に記載の内容が監査の評価と 一致して 、る場合、 Γ 、 、え」は監査事項に記載の内容が監査の評価と一致して!/、な い場合、「非該当」は評価する監査事項がない場合、クリックする項目である。各監査 事項に対する上記評価の欄の「はい」「いいえ」及び「非該当」からの選択により生成 されるデータを総称して以下「監査事項評価情報」という。従って、監査事項評価情 報が「は!/、」の場合には、監査する科目の対象帳簿書類等の調査した結果とその監 查事項の内容とがー致して 、ることを意味し、監査事項評価情報が「 、 、え」の場合 には、監査する科目の対象帳簿書類等の調査した結果とその監査事項の内容とが
一致していないことを意味している。このように監査事項を評価した結果、後述する監 查評価報告書の評価欄には、「はい」の場合には「適正」、「いいえ」の場合には「未 了」と表示される。このような評価された結果の内容の情報である、「適正」及び「未了 」を「監査関連情報」と総称する。
[0081] ここで、経験の豊富な監査人は、画面 11の監査事項の記載だけで評価が可能で ある。その評価が全て「はい」であれば、監査人は「監査評価報告書」ボタンをクリック する。それによつて、画面 16の監査評価報告書画面が表示され、画面 16の「印刷」 ボタンのクリックにより監査評価報告書が印刷される。
[0082] 一方、画面 11の下部の監査事項の数が多いので監査の業務負担が大きいと判断 、又はこの監査事項の記載内容では評価が困難と判断した監査人は、会計帳簿等 を検証した結果、 4項目の何れかに該当する項目を選択して「抽出」ボタンをクリック する。そうすると、画面 11の数が多力つた監査事項が、選択された監査要点 ·要件に より絞られた監査事項が、画面 12の抽出税務監査調書画面(図 13参照)として表示 される。画面 12の例では(1)金額が合わな ヽ (計算合理性)を選択した例が示されて いる。従来であれば、科目「現金」に関する監査事項の全てを評価しなければならな かったが、本願の税務監査システム 100を用いることにより、会計帳簿等を検証した 結果に応じて、平均で 4分の 1の監査事項の評価を行うだけで監査の実施が可能と なった。
[0083] この少なくなつた監査事項を評価して評価欄の 3項目の何れに該当するか選択し てクリックを行う。「いいえ」をクリックした場合には、画面 13の監査事項画面(図 14参 照)が表示される。そして、画面 13のチェック事項の「いいえ」をクリックして「監査所 見」ボタンをクリックした場合、画面 14の監査所見画面(図 15参照)が表示される。監 查所見とは収集された監査証拠を、監査基準に基づいて評価した見解のことであり、 監査所見には、監査基準に対する適合も不適合も示すことができるし、また、改善の 機会も示すことができる。この監査所見は、監査事項に対して評価した見解であるか ら、前述の監査関連情報に含まれる。
[0084] 監査所見 (覚書)の欄等は監査人自ら文字入力してもよいし、ひな形文を検索して 採用又は修正してもよい。画面 14の「登録」ボタンのクリックにより、画面 15の監査所
見印刷画面(図 16参照)が表示され、「印刷」ボタンのクリックにより帳票 1 (図 17参照 )が印刷される。
[0085] なお、画面 12の抽出税務監査調書画面の「監査評価報告書」ボタンのクリックで生 成する監査評価報告書データにより、画面 16の監査評価報告書画面が表示される ことにより、評価欄の中でまだ評価がされて ヽな ヽ「未了」のものをクリックすることが できる。評価が未了の場合には、監査事項の文字列にアンダーラインが表示されて いる。その中で評価したい未了の監査事項のアンダーラインをクリックすると、画面 13 の監査事項画面(図 14参照)が表示される。画面 8から画面 11までの画面の流れが 図 5で示す「流れ 2A」であり、画面 12から画面 15及び帳票 1までの画面の流れが図 5で示す「流れ 2B」であり、画面 16及び帳票 2の画面の流れが図 5で示す「流れ 2C」 である。
[0086] 最後に、画面 2のメニュー画面の「監査報告を選ぶ」をクリックすると、画面 17の報 告書閲覧画面(図 20参照)が表示される。その画面の「一覧」ボタンをクリックすると、 画面 18の関与先選択画面(図 20参照)が表示される。関与先を選択して「OK」ボタ ンをクリックすると、画面 17が再表示されるので、監査人が必要な報告書を 3項目の 中から選択してクリックする。例えば「監査評価報告書」ボタンをクリックした場合、画 面 19の対象期間設定画面(図 21参照)が表示されるので、閲覧したい対象期間を選 択して「表示」ボタンをクリックすると帳票 3 (図 22参照)が印刷される。
[0087] 図 23は、メニュー選択画面 (画面 2)で、「監査計画を選ぶ」を選択した場合の前記 税務監査システム 100の監査計画の処理における、各種情報の処理手順を説明す るシーケンスチャート(図 4の「流れ 1」に相当)である。図 4が顧客端末 200の表示画 面上に表示される画面の流れを示した図であるのに対して、図 23は顧客端末 200と 税務監査システム 100との間での情報の流れを示している。
[0088] 図 23の左側に記載の事項は、顧客端末 200に表示される画面の番号と、その表示 画面に対する顧客の操作を示しており、右側は税務監査システム 100の顧客端末 2 00から受信した情報の処理を示して 、る。ここで処理手順の順番であるステップを、 例えば「S101」等のように以下表記する。なお、税務監査システム 100のステップ番 号の右側の括弧内に記載のステップ番号は、後述する税務監査システム 100の情報
の処理手順の番号(図 33から 38)を示して!/、る。
[0089] 画面 2の「監査計画を選ぶ」をクリックする(S101)と選択メニューデータが送信され て、税務監査システム 100がそのデータを受信して監査計画画面を送出する(S102 )。監査計画画面 (画面 5)の関与先名称を選択する(S103)と関与先名称データが 送信されて、税務監査システム 100がそのデータを受信して、関与先名称データに 基づき関与先データベースから関与先 IDを取得し、監査ランク選択画面を送出する (S104)。
[0090] 監査ランク選択画面(画面 6)の「再登録」又は「次へ」ボタンをクリックする(S 105)こ とによりこのデータが送信されて、税務監査システム 100がそのデータを受信して関 与先抽出行列を作成し、演算結果の科目を抽出して科目選択画面を作成し、科目 選択画面を送出する(S 106)。科目選択画面 (画面 7)の科目を選択して「登録」ボタ ンをクリックする(S107)ことによりこのデータが送信されて、税務監査システム 100が そのデータを受信して抽出科目行列を作成し、その行列から抽出科目テーブルを作 成して、そのテーブル力も監査計画一覧画面を作成して送出する(S 108)。顧客端 末 200の画面に監査計画一覧画面が表示される(ステップ S109)。
[0091] 図 23は、メニュー選択画面 (画面 2)で、「監査実施を選ぶ」を選択した場合の前記 税務監査システム 100の監査実施の処理における、各種情報の処理手順を説明す るシーケンスチャート(図 5の「流れ 2A」及び「流れ 2C」に相当)である。
[0092] 画面 2の「監査実施を選ぶ」を選択する(S201)とデータが送信されて、税務監査シ ステム 100がそのデータを受信して監査実施画面を送出する(S202)。監査実施画 面 (画面 8)の関与先名称を選択すると (S203)とデータが送信されて、税務監査シス テム 100がそのデータを受信して、そのデータに基づき関与先データベースから関 与先 IDを取得し、監査年月選択画面を送出する(S204)。監査年月選択画面 (画面 9)の監査年月を選択する(S205)とデータが送信されて、税務監査システム 100が そのデータを受信して、科目選択一覧画面を送出する(S206)。
[0093] 科目選択一覧画面 (画面 10)の科目をクリックする(S207)とデータが送信されて、 税務監査システム 100がそのデータを受信して、税務監査調書画面 (画面 11)を作 成して送出する(S208)。
[0094] 画面 11の監査事項評価欄の「はい」又は「非該当」をクリックした (S209)後に、「監 查評価報告書」ボタンをクリックする(図 5の(ァ)に相当)とデータが送信されて、税務 監査システム 100がそのデータを受信して、 S204の関与先 ID、 S206の「選択監査 年月」の選択により送信されたデータに基づき、監査報告書データを関与先データ ベースから取得して、監査評価報告書画面 (画面 16) (図 18参照)を作成して送出す る(S210)。画面 16の「監査事項」のアンダーラインは、監査がまだ未了であることを 示しており、そのアンダーラインをクリックする(S211)とデータが送信されて、税務監 查システム 100がそのデータを受信して、監査事項画面 (画面 13)を送出する (ステ ップ S212)。監査事項画面(画面 13)の送出の場合には、その後の流れは図 25の S 403に進む。
[0095] 上記 S209の画面 11の「は 、」又は「非該当」をクリックする代わりに「抽出」ボタンを クリックする(S301) (図 5の (ィ)に相当)と、データが送信されて、税務監査システム 100がそのデータを受信して、そのデータに基づき、選択科目の関与先抽出科目テ 一ブルを抽出して、抽出税務監査調書画面 (画面 12) (図 13参照)を作成して送出 する(S302)。画面 12の「いいえ」をクリックする(S303)と、そのデータが税務監査シ ステム 100に送信され、その後の処理は、図 25の S402に進む。図 25は、画面 11の 税務監査調書画面(図 12参照)で、監査事項評価欄の「 ヽ!、え」をクリックした場合、 前記税務監査システム 100の監査実施の処理における、各種情報の処理手順を説 明するシーケンスチャート(図 5の「流れ 2B」に相当)である。
[0096] 画面 11の監査事項評価欄の「いいえ」をクリックする(S401)と、そのデータが送信 されて、税務監査システム 100がそのデータを受信して、監査事項画面 (画面 13)を 作成して送出する(S402)。
[0097] 画面 13の「監査所見」ボタンをクリックする(S403)と、そのデータが送信されて、税 務監査システム 100がそのデータを受信して、監査所見画面を送出する(S404)。 画面 14の「監査所見」、てん末欄に文字データを入力して「登録」ボタンをクリックす る(S405)と、そのデータが送信されて、税務監査システム 100がそのデータを受信 して、画面 15の監査所見印刷画面(図 16参照)を送出する(S406)。画面 15の「印 刷」ボタンのクリックにより帳票 1 (図 17参照)を印刷する(S407)。
[0098] 図 26は、メニュー選択画面 (画面 2)で、「監査報告を選ぶ」を選択した場合の前記 税務監査システム 100の監査報告の処理における、各種情報の処理手順を説明す るシーケンスチャート(図 4の「流れ 3」に相当)である。
[0099] 画面 2の「監査報告を選ぶ」を選択する(S501)とそのデータが送信されて、税務監 查システム 100がそのデータを受信して画面 17の報告書閲覧画面(図 20参照)を送 出する(S502)。画面 17の「一覧」ボタンをクリックする(S503)とそのデータが送信さ れて、税務監査システム 100が該データを受信して画面 18の関与先選択画面(図 2 0参照)を送出する(S504)。画面 18の関与先の名称をクリックする(S505)とそのデ ータが送信されて、税務監査システム 100がそのデータを受信して、そのデータに基 づき関与先データベースから関与先 IDを取得して画面 17の報告書閲覧画面(図 20 参照)を再送出する(S506)。
[0100] 画面 17の閲覧する報告書をクリックする(S507)とそのデータが送信されて、税務 監査システム 100がそのデータを受信し、そのデータを記録して画面 19の対象期間 設定画面(図 21参照)を送出する(S508)。画面 19の閲覧したい対象期間を選択し て「表示」ボタンをクリックして(S509)そのデータが送信されて、税務監査システム 1 00がそのデータを受信して、報告書閲覧画面 (帳票 1、 2又は 3)を作成して送出する (S510)。帳票 1、 2又は 3の何れかの画面の「印刷」ボタンのクリックにより帳票 1、 2 又は 3の何れかの画面を印刷する(S511)。
[0101] 図 27は関与先及び監査判断データベースに格納された各種テーブルのテーブル 構造の一例を示した図である。これら関与先及び監査判断データベースはリレーショ ナル型データベースであり、各種テーブルの上段はテーブル名を示しており、その 下段は項目を示している。関与先データベースには、一例として「チェック事項結果」 、「関与先」、「事務所」の各テーブルが格納されている。監査判断データベースには 、一例として「チェック事項」、「監査事項」、「監査科目」の各テーブルが格納されてい る。従って、これらの各テーブルは、例えば、テーブル「事務所」とテーブル「関与先」 とは、キーとして「事務所 ID」によりリレーションシップの関係にある。他の例としてキ 一が「関与先 ID」、「科目 ID」及び「監査事項 ID」が示されて 、る。
[0102] 例えば、一例として監査科目テーブルは、科目 ID、科目名、組織形態、業種等の
項目を備えており、監査事項テーブルは、監査事項 ID、監査事項名、科目 ID、監査 要点、監査要件、監査事項名、監査ランク等の項目を備えており、チェック事項テー ブルは、チェック事項 ID、チェック事項名、監査事項 ID監査事項名等の項目を備え ており、関与先テーブルは、関与先 ID、関与先名、関与先担当者、事務所 ID、組織 形態、業種、監査ランク、科目候補リスト等の項目を備えており、チェック事項結果テ 一ブルは、チェック事項 ID、関与先 ID、期間、チェック事項結果、所見、てん末等を 備えている。
[0103] なお、上述したように、科目とは監査の対象となる最小の項目であり、約 200の科目
(例えば、現金、小口預金、当座預金、受取手形、売掛金、商品、製品、原材料等) 力も成っており、科目名はその科目の名前を指している。
[0104] 図 28は監査科目テーブルのテーブル構造の一例を示した図である。該監査科目 テーブルには、項目として「科目 ID」、「科目名」、「組織形態」、「業種」等の項目を備 えていることは前述した通りである。この図 28は、特に、科目名と組織形態及び業種 との関係を説明するための図で、この図から科目名に対応して数値「1」が記載され ている組織形態及び業種は、その科目が監査の対象であることを示している。数値「 0」が記載されて組織形態及び業種は、その科目が監査の対象外であることを示して いる。
[0105] 図 29は関与先テーブルの科目候補リストに格納されたデータ構造の一例を示した 図である。監査計画を選択した場合、「パン屋」は組織形態としては「有限会社」、業 種としては「小売業」であるから、図 28で示した有限会社及び小売業の数値が共に「 1」である科目 IDを抽出したものであり、その抽出したデータ構造は、関与先テープ ルの科目候補リストに格納されたデータ構造の例を示した図である。監査対象となる 科目数は 29科目であることが示されている。この例力も分力るように、監査する科目 数が大幅に少なくなる理由が理解される。
[0106] 図 30は監査科目「現金」の関与先抽出テーブルの一例を示す図である。この図は 、関与先抽出テーブルの項目には、「時期」、「監査要点」、「監査要件」、「監査事項 」等が含まれることを示している。斜線部はランク 3以上を示しており、「パン屋」の場 合には監査レベルが 2であるから、画面 4の関与先ランク監査設定画面でランクが「2
」を選択した場合、斜線部は表示されない。
[0107] 図 31は、監査科目「現金」の監査要点'要件「正確性'計算合理性」の関与先抽出 科目テーブルを示す図である。図 30の監査科目「現金」に関する監査事項を、上述 した画面 11の税務監査調書画面上の監査要点 ·要件の選択欄から「計算合理性」の 選択により、監査事項を更に絞り込んだことを示す図である。従って、「計算合理性」 を選択した場合、斜線部は表示されない。
[0108] 図 32は本発明の最良の形態である税務監査システム 100の税務監査サーバー 30 0が備える処理手段を説明する機能ブロック図である。該税務監査システム 100は、 税務監査サーバー 300の機能として関与先情報処理手段 301、監査計画処理手段 302、監査実施処理手段 303及び監査報告処理手段 304を、そして、データベース 400を備えており、またデータベース 400は、関与先データベース 401及び監査判 断データベース 402を備えて 、る。 情報通信ネットワークを介して顧客端末 200か ら送信された関与先情報を税務監査システム 100が受信すると、該システム 100の 関与先情報処理手段 301は、顧客端末 200から送信された関与先情報を監査書き データベース格納し、監査計画処理手段 302は、この関与先情報に基づき監査を行 う科目の選択、監査業務量等の監査計画を立てるための監査事項情報を作成して 顧客端末 200に送信する。監査実施処理手段 303は、監査により監査科目が評価さ れた結果の内容の情報である監査関連情報が作成され、関与先データベースに格 納されて顧客端末 200に送出される。監査報告処理手段 304は、この監査関連情報 に基づき印刷用監査関連情報を作成して顧客端末 200に送出する。
[0109] これらの各手段が処理する処理手順(フローチャート)を図 33から図 38に基づいて 説明する。
[0110] 図 33は関与先情報処理手段 301が処理するフローチャートである。顧客端末 200 のメニュー画面 (画面 2)上の「関与先情報を選ぶ」の選択で送信されたデータにより 、関与先情報設定画面 (画面 3)を送出する (Sl)。関与先情報として関与先名称の 入力と、組織形態及び業種の選択で送信されたデータを、関与先データベースの関 与先テーブルの科目候補リストに格納し、関与先ランク監査設定画面 (画面 4)を送 出して (S2)、関与先ランク監査設定画面 (画面 4)を送出する。画面 4の関与先ランク
選択で送信されたデータを関与先データベース 401の関与先テーブルの科目候補 リストに格納する(S3)。
[0111] 図 34は監査計画処理手段 302のフローチャートである(顧客端末 200の画面の流 れを示した図 4の流れ 1に対応)。メニュー画面(画面 2)上の「監査計画を選ぶ」の選 択で送信されたデータにより、監査計画画面 (画面 5)を送出する(S 11)。画面 5の関 与先名称の選択で送信されたデータにより、関与先データベースから関与先 IDを取 得し、監査ランク選択画面 (画面 6)を送出する(S 12)。関与先ランクの変更の有無の 判断を行い(S13)、変更無しの場合は何も処理を行わず (S14)、変更有りの場合に は関与先データベースに監査ランクを格納する(S 15)。
[0112] 取得された IDに基づいて、関与先データベース力も組織形態、業種、監査ランクの 各データを抽出して関与先抽出行列を作成する (S16)。選択された科目の区分及 び科目のデータに基づいて、監査判断データベース 402から選択科目に関する関 与先レコードセット行列を作成し (S17)、該レコードセット行列に前記作成した抽出 行列を乗じて抽出科目行列を作成し (S18)、その行列に基づ 、て抽出科目テープ ルを作成して関与先データベース 401に格納し(S19)、そのテーブルに基づいて画 面 の監査計画一覧画面(図 9参照)を作成して顧客端末 200に送出する(S20)。
[0113] この監査計画一覧画面には、設定件数、科目、監査要点、監査要件、監査ランク 及び監査事項が含まれて!/ヽる。
[0114] 上記監査計画処理手段 302は、関与先レコードセット行列に抽出行列を乗じて関 与先抽出行列を生成することにより、関与先抽出テーブルを作成してそのテーブル のデータに基づ 、て監査計画一覧画面を送出する機能を有するので、監査を行う科 目の選択及び監査業務量を事前に知ることにより、監査を行う科目の選択、監査業 務量等の監査計画を立てることが可能となり、また関与先の組織形態及び業種により 監査の必要のな!ヽ監査事項までも監査対象とされて!/、たものが、抽出行列を乗じる ことにより監査の必要のない監査事項が自動的に削除され必要な監査事項だけが抽 出されるので、従来と比べ大幅に監査事項を減少させることが可能となる。
[0115] 図 35は監査実施処理手段 303のフローチャートである(顧客端末 200の画面の流 れを示した図 5の流れ 2Aに対応)。
[0116] メニュー画面 (画面 2)上の「監査実施を選ぶ」の選択で送信されたデータにより、監 查実施画面 (画面 8)を送出する(S21)。画面 8の関与先名称の選択で送信された データにより、関与先データベースから関与先 IDを取得して、監査年月選択画面( 画面 9)を送出する(S22)。監査実施する年月の選択で送信されたデータにより、関 与先データベースに選択された年月のデータを格納し、科目一覧画面 (画面 10)を 送出する(S23)。
[0117] 画面 10の科目一覧の選択で送信されたデータにより、関与先データベースから前 記抽出科目テーブルを取得して、そのテーブルのデータに基づき税務監査調書画 面 (画面 11)を作成して送出し、以下の何れかの処理により処理データを取得する。
[0118] 画面 11の「監査評価報告書」ボタンのクリックの場合は S25へ、「抽出」ボタンのタリ ックの場合は(1) S31へ、評価覧の「 、え」のクリックの場合は(2) S41へ進む(S2 4)。前記画面 11の「監査評価報告書」ボタンのクリックで送信されたデータにより監 查評価報告書画面 (画面 16)を送出する(S25)。画面 16の「監査事項」のアンダー ラインのクリックで送信されたデータにより、監査事項画面 (画面 13)を送出して(2) S 41へ進む。
[0119] 画面 16の監査評価報告書画面の監査事項欄中に、アンダーラインが付されている 監査事項は、まだ監査が終了していないことを示している。前記画面 11の税務監査 調書画面の「監査評価報告書」ボタンをチ ックすれば、上記画面 16が表示され、監 查の進拔状況と未了の監査事項が瞬時に表示される。
[0120] 図 35は監査実施処理手段 303が処理するフローチャートである(顧客端末 200の 画面の流れを示した図 5の流れ 2Bに対応)。
[0121] 税務監査調書画面 (画面 11)上の「監査要点 ·要件の選択」の何れかを選択し、「 抽出」ボタンのクリックで送信された監査要点 ·要件データを取得する(S31)。監査 要点 ·要件データが 1である力否か判断し (S32)、 YESであれば関与先データべ一 スから関与先 IDにより、選択科目の関与先抽出科目テーブルを取得し、当該抽出科 目テーブルから監査要点 ·要件データ「1」(計算合理性)に基づき、計算合理性に関 する選択科目の関与先抽出科目テーブルを抽出して、抽出税務監査調書画面 (画 面 12)を送出して(S33) (2)へ進む。
[0122] NOであれば監査要点 ·要件データが 2であるか否か判断し(S34)、 YESであれば 関与先データベース力 関与先 IDにより、選択科目の関与先抽出科目テーブルを 取得し、当該当該抽出科目テーブルから監査要点 ·要件データ「2」(実在性)に基づ き、実在性に関する選択科目の関与先抽出科目テーブルを抽出して、抽出税務監 查調書画面 (画面 12)を送出して(S35) (2)へ進む。 NOであれば監査要点'要件 データが 3である力否か判断し (S36)、関与先データベースから関与先 IDにより、選 択科目の関与先抽出科目テーブルを取得し、当該抽出科目テーブルから監査要点 •要件データ「3」(適正性)に基づき、適正性に関する選択科目の関与先抽出科目テ 一ブルを抽出して、抽出税務監査調書画面 (画面 12)を送出して(S37) (2)へ進む
[0123] NOであれば監査要点 ·要件データが 4である力否か判断し (S38)、関与先データ ベースから関与先 IDにより、選択科目の関与先抽出科目テーブルを取得し、当該抽 出科目テーブル力も監査要点,要件データ「4」(表示性)に基づき、表示性に関する 選択科目の関与先抽出科目テーブルを抽出して、画面 12の抽出税務監査調書画 面(図 13参照)を送出して(S39) (2)へ進む。 NOであれば(2)へ進む。上記の例で は、監査要点 ·要件データとして 1乃至 4の数値で説明した力 この監査要点'要件デ ータは、前述したように監査要件は 9項目力も構成されていることから、 1乃至 9の数 値も含むものであり、また数値に限定するものではな 、。
[0124] 図 37は監査実施処理手段 303が処理するフローチャートである(顧客端末 200の 画面の流れを示した図 5の流れ 2Bに対応)。
[0125] 画面 12の抽出税務監査調書画面(図 13参照)(又は画面 11の税務監査調書画面
(図 12参照))上の、「いいえ」のクリックで送信されたデータにより画面 13の監査事項 画面(図 14参照)を送出する。画面 13の「監査所見」のクリックで送信されたデータに より、画面 14の監査所見画面(図参照)を送出する(S42)。監査所見画面上のクリツ クボタンの操作により、監査所見覧及びてん末覧に文書を作成し、「登録」のクリック で送信されたデータにより作成された文書データを関与先データベースに格納し、 画面 15の監査所見印刷画面(図 16参照)を送出する(S43)。
[0126] 上記監査実施処理手段 303は、監査を行う科目に基づいて抽出科目テーブルを
取得して、監査事項評価情報に基づ!、て監査関連情報を作成する機能を有するの で、監査が高品質かつ有効な監査を効率よく行うことを可能となり、また前記監査実 施処理手段 303は、監査要点,要件データに基づき、前記関与先抽出テーブルから 前記監査要点 ·要件データに関する情報を抽出する機能を更に備えているので、チ エックする仕訳項目の数が数千項目にわたる場合であっても、監査する科目を大幅 に減少させることが可能となり、また、「いいえ」の監査事項評価情報によりチェック事 項を有する監査事項画面を送出するので、監査人は判断基準を明確に示したチエツ ク事項を読むことにより、監査事項の内容を詳細に理解することが可能となったので 、経験の浅 、補助者でも監査の評価が行 、やすくなつた。
[0127] 更に、前記抽出税務監査調書画面上の「監査評価報告書」ボタンのクリックで、生 成された監査評価報告書データにより監査評価報告書画面を生成して送出され、監 查事項の評価がまだ未了のものが明確に分力るので、監査漏れが全く発生しない。
[0128] 図 38は監査報告処理手段 304が処理するフローチャートである(顧客端末 200の 画面の流れを示した図 4の流れ 3に対応)。画面 2のメニュー画面上の「監査報告を 選ぶ」の選択で送信されたデータにより、画面 17の報告書閲覧画面(図 20参照)を 送出する(S51)。画面 17の「一覧」ボタンのクリックにより、画面 18の関与先選択画 面(図 20参照)を送出する(S52)。画面 18の「関与先名称」のクリックで送信された データにより、画面 17の報告書閲覧画面を再送出する(S53)。
[0129] 画面 17の「報告書」のチ ックで送信されたデータにより、画面 19の対象期間設定 画面(図 21参照)を送出する (ステップ S54)。画面 19の閲覧したい対象期間を選択 し、「表示」のクリックで送信されたデータにより、報告書閲覧画面 (帳票 1、 2又は 3) を作成して送出する(S55)。
[0130] 帳票 1 (図 17参照)は監査所見の覚書を示しており、科目名「現金」の監査事項とし て「現金過不足が異常又は多額な現金不明金の会計処理は適正である」に対して、 監査人はその監査事項の評価が「 、 、え」であったので、次に表示された画面 13の 監査事項画面(図 14参照)を見て、その画面のチ ック事項に示された「異常又は現 金不明金(10, 000円を超える程度)」の明確な判断基準により、監査の評価として「 V、 、え」を選択することが極めて容易に行えることが可能となった。
[0131] 帳票 2 (図 19参照)は税務監査報告書を示しており、科目名「現金」に対する監査 要件として、適正性、計算合理性、証拠性及び検証可能性とその監査事項が示され ている。
[0132] 帳票 3 (図面 22参照)は監査評価報告書を示しており、画面 13の監査事項画面( 図 14参照)のチ ック事項に示された明確な判断基準により、評価が「 、え」であつ たことから、科目名「現金」の監査事項の監査結果として、評価欄に「未了」が示され ている。
[0133] 上記監査報告処理手段 304により、監査実施処理手段 303での顧客端末 200から の監査関連情報に基づき、自動的に印刷用監査関連情報である帳票 1乃至 3が顧 客端末 200に送出されるので、従来監査の判断基準が明確でなかったために上記 帳票を作成することが不可能であったのが、判断基準が明確になったこと及びその 評価の結果が自動的に作成されて表示できることにより、監査結果の透明性を高め ることが可能となった。
[0134] なお、上記最良の形態を説明するのに、画面 11の税務監査調書画面の監査要点 •要件の選択において、計算合理性、実在性、適正性及び表示性の 4項目から選択 する例が一例として示されている力 当然、これに限定されるものでないことは明らか である。
[0135] 更に、監査判断データベース 402は、本発明の税務監査サーバー 300の記憶部と して用いる例を示したがこれに限定されるものではなぐ監査判断データベース 402 を管理する監査判断データベースサーバーを用いてもよいことは明らかである。