WO2006011224A1

WO2006011224A1 - 移動体無線通信システムの基地局、移動機および移動体無線通信システムの規制制御方法

Info

Publication number: WO2006011224A1
Application number: PCT/JP2004/010921
Authority: WO
Inventors: Yoshinori Utsumi
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-07-30
Filing date: 2004-07-30
Publication date: 2006-02-02
Also published as: JPWO2006011224A1; CN1977471A; CN1977471B

Abstract

　無線アクセスを規制するための規制信号を無視するような移動機に対しても、確実に無線アクセスを停止させること。　制御チャネルの送受信を制御する制御チャネル送受信制御部と、制御チャネル送受信制御部からの制御に基づいて制御用物理スロットの組立／分離を行う制御用スロット組立／分離部と、無線回線のトラヒック状態を監視し、トラヒックが集中しているか否かを検出するトラヒック集中検出部と、制御チャネル送受信制御部が制御用スロット組立／分離部に対して制御用物理スロットの組立を要求する際に指定されるユニークワードパターンを記憶するユニークワードパターン格納部とが備えられ、制御用スロット組立／分離部は、トラヒック集中検出部の監視結果に基づいて移動機から基地局へのアクセスを規制する際に、制御用物理スロットに設定するユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更する。

Description

明細書

移動体無線通信システムの基地局、移動機および移動体無線通信システムの規制制御方法

技術分野

[0001] 本発明は、移動体無線通信システムを構成する基地局、移動機および当該基地局と当該移動機との間の無線回線の使用を規制制御する移動体無線通信システムの規制制御方法に関するものである。

背景技術

[0002] 近時、複数の通信事業者によって種々の移動体無線通信システムが運用され、その利用者も増加の一途をたどっている。また、利用者側にとっても、その利便性のため使用頻度が増加し、また、メールや、コンテンツサービスなどの利用態様の多様化により、通信トラフィック量も急激に増加している。

[0003] 移動体無線通信システムに限らず通信システムにおいては、呼や、トラフィックが特定の地域に集中すると通信路が輻輳状態に陥り、通話が困難は状況となる。特に、移動体無線通信システムの移動機は、その機動性から、例えば、イベント会場や、ァミューズメント施設などにおいて、特定の基地局に呼が集中する場合があり、これらの集中呼を分散させたり、一部の接続を中止したりする処置 (規制制御処置）が必要である。

[0004] かかる状況下において、特定基地局に集中したトラヒックを他の基地局に分散させることを目的とした従来技術に力かる移動体無線通信システムとして、下記特許文献 1などが存在する。この特許文献 1に示される移動体無線通信システムは、自基地局の形成通話エリアに複数の端末機が集中することによる規定通話可能チャネルを越えるトラヒック集中状態を検出し、その検出時に自基地局の制御チャネル信号レベルを下げると共に周辺基地局に信号レベルを上げる指示を行い、また周辺基地局からの指示に応じて信号レベルを上げる制御手段とを基地局に具備するようにしている。

[0005] この移動体無線通信システムでは、サービスエリアに多くの移動機が集中した場合、基地局の無線リソースが頻繁に使用されることに起因して移動機で移動体通信サ一ビスが利用しにくくなる状況の発生を防止するため、基地局に具備されるトラヒック集中検出部が移動機力のアクセス集中を検出すると、同じく基地局に具備される規制信号送出部に対して、移動機が無線リソースを使用しないように規制信号送出を要求する。基地局が構成するサービスエリアの中にいる移動機は、規制信号送出部によって規制信号が送出されることにより、当該サービスエリアにおいて無線リソースを利用できないと判断し、無線アクセスを行わなくなる。（この方式を「規制信号を送出する規制制御方式」と呼称）

[0006] また、この移動体無線通信システムでは、基地局に具備されるトラヒック集中検出部が移動機からのアクセス集中を検出すると、同じく基地局に具備される制御チャネルオン/オフ部に対して、制御チャネル送出停止を要求する。基地局が構成するサービスエリアの中にいる移動機は、制御チャネルオン/オフ部によって制御チャネル送出が停止されることにより、当該サービスエリアが存在しなくなつたと判断し、無線ァクセスを行わなくなる。（この方式を「制御チャネルのオン/オフによる規制制御方式」と呼称）

[0007] 特許文献 1 :特開平 9一 163435号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] し力、しながら、上述の特許文献 1などに示される従来の移動体無線通信システムにおいて、上述の規制信号を送出する規制制御方式では、移動機が送出された規制信号を理解できな力つた場合や、規制信号を無視した場合には規制制御が働かず、トラヒックが集中している基地局の負荷を下げることができないといった問題点があつた。

[0009] また、上述の制御チャネルのオン/オフによる規制制御方式では、基地局が規制を行うために制御チャネルを停止すると、基地局が構成していたサービスエリアが存在しなくなるため、基地局が制御チャネル送出を停止している間に、基地局が構成していたサービスエリアと同一場所にサービスエリアを構成する新たな基地局が動作し始めた場合、規制を解除しょうとしたときに基地局において干渉が検出され、元のサ一ビスエリアを利用するために所定以上の時間を必要とし、あるいは元のサービスェリアを利用することができなくなる可能性があるといった問題点があった。

[0010] このような状況に鑑み、本発明は、無線アクセスを規制するための規制信号を無視するような移動機に対しても、確実に無線アクセスを停止させることができる移動体無線通信システムを提供することを第 1の目的とする。

[0011] また、規制制御実施中でも当該サービスエリアでの制御チャネル送信タイミングを失わず、規制解除後に確実、かつ迅速にサービスの復帰を行うことができる移動体無線通信システムを提供することを第 2の目的とする。

課題を解決するための手段

[0012] 上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる基地局は、複数の移動機との間の無線回線をユニークワードパターンによって同期確立する移動体無線通信システムを構成する基地局におレ、て、制御チャネルの送受信を制御する制御チャネル送受信制御部と、前記制御チャネル送受信制御部からの制御に基づいて制御用物理スロットの組立/分離を行う制御用スロット組立/分離部と、前記無線回線のトラヒック状態を監視し、トラヒックが集中しているか否力を検出するトラヒック集中検出部と、前記制御チャネル送受信制御部が前記制御用スロット組立/分離部に対して制御用物理スロットの組立を要求する際に指定されるユニークワードパターンを記憶するユニークワードパターン格納部と、を備え、前記制御用スロット組立 Z分離部は、前記トラヒック集中検出部の監視結果に基づいて前記移動機から前記基地局へのアクセスを規制する際に、前記制御用物理スロットに設定するユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更することを特徴とする発明の効果

[0013] 本発明にかかる基地局によれば、移動機からの無線アクセスを規制しょうとする際に、それまで送信してレ、た制御チャネルのユニークワードパターンを標準以外のパターンに変更して送信するようにしているので、移動機は制御チャネルを認識することができなくなり、当該基地局の無線リソースを使用することを確実に停止することができるという効果を奏する。また、規制を行う際に制御チャネルで送信していた周波数とタイミングを変更することなく電波を送信するため、規制を解除する際に制御チヤネル送信タイミングを再取得する必要がなぐ迅速にサービスを復帰させることができるという効果を奏する。

[0014] また、本発明にかかる移動機によれば、受信信号から検出したユニークワードパターンと、ユニークワードパターン格納部に格納されているユニークワードパターンと、がー致した場合に、基地局との同期通信が行われる移動機にて保持された複数のュニークワードパターンの中から基地局が使用しているユニークワードパターンを選択するようにしているので、システム内の移動機を複数の規制群に分けた規制制御を確実に実現できるとレ、う効果を奏する。

[0015] また、本発明にかかる移動体無線通信システムの規制制御方法によれば、移動機から基地局へのアクセスを規制する際に、基地局が送信する制御チャネルに含まれるユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更するようにしているので、移動機は制御チャネルを認識することができなくなり、当該基地局の無線リソースを使用することを確実に停止することができるという効果を奏する。また、規制を行う際に制御チャネルで送信していた周波数とタイミングを変更することなく電波を送信するため、規制を解除する際に制御チャネル送信タイミングを再取得する必要がなぐ迅速にサービスを復帰させることができるという効果を奏する。図面の簡単な説明

[0016] [図 1]図 1は、本発明の実施の形態 1にかかる移動体無線通信システムの基地局における送受信機能構成を示すブロック図である。

[図 2]図 2は、実施の形態 1にかかる基地局 1のユニークワードパターン格納部 6に格納され、基地局 1で使用するユニークワードパターンの構成例を示す図である。

[図 3]図 3は、第 2世代コードレス電話システム標準規格 (RCR STD—28)で規定された制御用物理スロットのユニークワードパターンを示す図である。

[図 4]図 4は、下り（基地局→移動局）制御用物理スロットのビット構成を示す図である

[図 5]図 5は、本発明の実施の形態 1にかかる移動体無線通信システムの移動機における制御チャネル送受信機能構成を示すブロック図である。

[図 6]図 6は、一般的な移動体無線通信システムにおけるシステム構成および通信回線構成を示す概念図である。

[図 7]図 7は、本発明の実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの移動機における送受信機能構成を示すブロック図である。

[図 8]図 8は、実施の形態 2にかかる移動局 2のユニークワードパターン格納部 16に格納されるユニークワードパターンの構成例を示す図である。

[図 9]図 9は、実施の形態 2にかかる基地局 1のユニークワードパターン格納部 6に格納されるユニークワードパターンの構成例を示す図である。

[図 10]図 10は、実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。

[図 11]図 11は、実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの移動機の動作を示すフローチャートである。

[図 12]図 12は、簡易型携帯電話システム（PHS)で使用されている π Ζ4シフト QPS Κ変調方式におけるシンボルの位相平面上での配置を示す信号空間ダイアグラムである。

[図 13]図 13は、 π /4シフト QPSKの差動符号化規則を示す図である。

[図 14]図 14は、 π /4シフト QPSK変調方式におけるシンボル推移を示す図である。符号の説明

1 , la, lb, lc 基地局

2, 9 制御チャネル送受信制御部

3, 10 制御用スロット組立/分離部

4, 11 無線変復調部

5 トラヒック集中検出部

6, 16 ユニークワードパターン格納部

7, 12 送受信アンテナ

8 移動機

13 ユニークワードパターン検出部

14, 14a, 14b, 14c サービスエリア

15 ネットワーク発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下に、本発明にかかる移動体無線通信システムを構成する基地局、移動機、および当該基地局と当該移動機との間の無線回線の使用を規制制御する移動体無線通信システムの規制制御方法に力、かる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。

[0019] 実施の形態 1.

図 1は、本発明の実施の形態 1にかかる移動体無線通信システムの基地局における送受信機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動体無線通信システムの基地局 1は、制御チャネル送受信制御部 2、制御用スロット組立/分離部 3、無線変復調部 4、トラヒック集中検出部 5、ユニークワードパターン格納部 6、および送受信ァンテナ 7を備えている。

[0020] つぎに、これらの各構成部の概略機能について説明する。図 1において、制御チヤネル送受信制御部 2は、基地局 1における制御チャネルの送受信を制御する。制御用スロット組立/分離部 3は、制御チャネル送受信制御部 2からの制御に基づき、制御用物理スロットを組み立て、組み立てた制御用物理スロットを無線変復調部 4に伝達し、あるいは受信した制御用物理スロットから制御信号を分離して制御チャネル送受信制御部 2に伝達する。無線変復調部 4は、制御用スロット組立/分離部 3によつて構成された制御用物理スロットを電波として送信するための所定の変調を行レ、、あるいは受信した電波を復調して制御用物理スロットを制御用スロット組立/分離部 3 に伝達する。トラヒック集中検出部 5は、基地局 1のトラヒック状態を監視し、トラヒック力 S 集中しているか否かを検出する。ユニークワードパターン格納部 6は、制御チャネル送受信制御部 2が制御用スロット組立/分離部 3に対して下り制御用物理スロットの組立を要求するときに指定するユニークワードパターンを記憶する。送受信アンテナ 7は、無線変復調部 4において変調された制御チャネルを電波として送受信する。

[0021] 図 2は、実施の形態 1にかかる基地局 1のユニークワードパターン格納部 6に格納され、基地局 1で使用するユニークワードパターンの構成例を示す図であり、図 3は、第 2世代コードレス電話システム標準規格 (RCR STD-28)で規定された制御用物理スロットのユニークワードパターンを示す図である。図 2において、標準パターンとは、例えば、図 3に示したようなユニークワードパターンで構成されていることを意味し、非標準パターンとは、図 3に示したユニークワードパターンとは異なるビット列、例えば、 ALL"0"や、 ALL'T'などのビットパターンで構成されていることを意味する。

[0022] 図 4は、下り（基地局→移動局）制御用物理スロットのビット構成を示す図である。同図に示す制御用物理スロットのビット構成は、左側から、過渡応答用ランプタイムビット（R: 4ビット）、プリアンブルビットであるスタートシンボルビット（SS： 2ビット）および制御信号ビット（CAC： 62ビット）、同期ワード（ユニークワード）ビット（UW: 32ビット）、制御信号ビット (CAC： 108ビット）、巡回符号検查ビット (CRC： 16ビット）ならびに移動体無線通信システムに特有のビットであり、フエージングの影響を除去するためのガードビット（16ビット）の計 240ビットのビット列で構成されている。なお、上述したュニークワードパターンは、図 4において「UW」と記された位置に設定される。

[0023] 図 5は、本発明の実施の形態 1にかかる移動体無線通信システムの移動機における制御チャネル送受信機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動体無線通信システムの移動機 8は、制御チャネル送受信制御部 9、制御用スロット組立/分離部 10、無線変復調部 11、およびユニークワードパターン検出部 13を備えている。

[0024] つぎに、これらの各構成部の概略機能について説明する。図 5において、制御チヤネル送受信制御部 9は、移動機 8における制御チャネルの送受信を制御する。制御用スロット組立/分離部 10は、制御チャネル送受信制御部 9からの制御に基づき、制御用物理スロットを組み立て、組み立てた制御用物理スロットを無線変復調部 11 に伝達し、あるいは受信した制御用物理スロットから制御信号を分離して制御チヤネル送受信制御部 9に伝達する。無線変復調部 11は、制御用スロット組立/分離部 1 0によって構成された制御用物理スロットを電波として送信するための所定の変調を行レ、、あるいは受信した電波を復調して制御用物理スロットを制御用スロット組立/ 分離部 10に伝達する。ユニークワードパターン検出部 13は、無線変復調部 11から受信した信号のユニークワードを検出して図 1に示した基地局 1と無線同期をとる。送受信アンテナ 12は、無線変復調部 11におレ、て変調された制御チャネルを電波として送受信する。

[0025] 図 6は、一般的な移動体無線通信システムにおけるシステム構成および通信回線構成を示す概念図である。同図において、通信サービスを提供するネットワーク 15に接続される複数の基地局 1 (la, lb, lc)によって、各サービスエリア 14a, 14b, 14c がそれぞれ構成される。また、複数の基地局 la, lb, lcのそれぞれは、サービスエリァ 14a, 14b, 14c内の任意の場所に位置する移動機 8 (8a， 8b, 8c)に対して、自身が提供するサービスエリア 14内において所定のサービスを提供する。

[0026] つぎに、この実施の形態の移動体無線通信システムの動作について図 1、図 5および図 6を用いて説明する。図 1において、基地局 1から送信すべき制御チャネルの情報は、制御チャネル送受信制御部 2により制御信号として構成され、当該制御信号が制御用スロット組立 Z分離部 3に伝達され、下り制御用物理スロットが構成される。この際、ユニークワードパターン格納部 ₆から選択されたユニークワードパターンが当該下り制御用物理スロットに設定される。このようにして、制御用スロット組立 Z分離部 3が構成する下り制御用物理スロットのユニークワード部に、選択したユニークヮードパターンが設定される。

[0027] また、図 5において、移動機 8では、送受信アンテナ 12で受信された電波が無線変復調部 11で復調される。この際、ユニークワードパターン検出部 13によってユニークワードパターンの検出が行われ、受信信号に含まれてレ、るユニークワードパターンが既知のものであれば、基地局 1との間で無線同期をとつて通信を行うことができる。

[0028] ここで、移動機 8に具備されるユニークワードパターン検出部 13は、この実施の形態の移動体無線通信システムによって規定されたユニークワードパターンを認識できる機能を有している。例えば。簡易型携帯電話システム（PHS)の場合であれば、図 3に示した RCR STD—28で規定された制御用物理スロットのユニークワードパターンを認識することができ、基地局 1が通常時に送信する制御チャネルには、ユニークワードパターン格納部 6に格納されている標準パターンがユニークワードとして使用される。よって、移動機 8は、基地局 1が送信する制御チャネルを認識し、基地局 1と同期をとつて通信を行うことができる。

[0029] いま、図 6に示すように、基地局 lbのサービスエリア 14bに移動機 8が集中し、基地局 lbの無線リソースが輻輳する状況が発生した場合を考える。このとき、トラヒック集中を検出した基地局 1 bのトラヒック集中検出部 5は、制御チャネル送受信制御部 2に対して使用ユニークワードパターンの変更を指示する。制御チャネル送受信制御部 2 は、制御用スロット組立/分離部 3に指定するユニークワードパターンを、ユニークヮードパターン格納部 6に格納されている非標準パターンに変更する。

[0030] 上述のように、移動機 8に具備されるユニークワードパターン検出部 13は、この実施の形態の移動体無線通信システムによって規定されたユニークワードパターンを認識する機能を有している。一方、基地局 lbが送出する制御チャネルのユニークヮ一ドが非標準パターンに変更されると、移動機 8のユニークワードパターン検出部 13 は、基地局 1が送信する制御チャネルを認識することができないので基地局 1との同期をとることができず、所定の通信を行うことができなくなる。

[0031] このように構成された移動体無線通信システムによれば、移動機からの無線ァクセスを規制しょうとする際に、それまで送信していた制御チャネルのユニークワードバターンを標準以外のパターンに変更して送信するような送信制御が行われるので、移動機において制御チャネルを認識することができなくなり、基地局の無線リソースの使用を確実に停止することができる。

[0032] また、この移動体無線通信システムでは、上述した規制を行う際に送信される制御チャネルの送信周波数や、送信タイミングを変更する必要がない。したがって、規制を解除する際に制御チャネルの送信周波数や、送信タイミングを取り直す必要がなく、迅速にサービスを復帰させることができる。

[0033] 以上説明したように、この実施の形態では、トラヒック集中検出部の監視結果に基づいて移動機から基地局へのアクセスを規制する際に、制御用物理スロットに設定するユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更するようにしているので、基地局の無線リソースの使用を確実に停止することができるとともに、中断されたサービスを迅速に復帰させることができる。

[0034] 実施の形態 2.

図 7は、本発明の実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの移動機における送受信機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動機 8は、所定のユニークワードパターンを複数格納することができるユニークワードパターン格納部 16をさらに備えるように構成している。なお、その他の構成については、実施の形態 1にかかる移動機 8の構成と同一あるいは同等であり、それらの部分には、同一符号を付して示している。

[0035] 上述した実施の形態 1の移動体無線通信システムでは、規制制御時にすべての移動機に対して規制制御を行うようにしていたが、この実施の形態の移動体無線通信システムでは、複数のグループに分けられた移動機に対して当該複数のグループごとに規制制御を行うようにしたものである。

[0036] 図 8は、実施の形態 2にかかる移動機 8のユニークワードパターン格納部 16に格納されるユニークワードパターンの構成例を示す図であり、図 9は、実施の形態 2にかかる基地局 1のユニークワードパターン格納部 6に格納されるユニークワードパターンの構成例を示す図である。なお、実施の形態 2にかかる基地局 1の構成は、図 1に示す実施の形態 1の構成と同一である。図 8に示す例では、移動機 Aには標準パターンのみが格納され、移動機 Bには標準パターンおよび標準とは異なるパターン 1の 2種類が格納され、移動機 Cには標準パターンと、標準パターンとは異なり、かつ移動機 B に設定されているものとも異なるパターン 2がそれぞれ格納される。一方、図 9に示すように、基地局 1には、図 8に示す、少なくとも一つの移動機で使用されるユニークヮードパターンのすべて、すなわち標準パターン、パターン 1およびパターン 2が格納される。

[0037] つぎに、この実施の形態の移動体無線通信システムの動作について図 10および図 11を用いて説明する。なお、図 10は、実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの動作を示すシーケンス図であり、図 11は、実施の形態 2にかかる移動体無線通信システムの移動機の動作を示すフローチャートである。図 10の上段部に示すように、通常時 (規制なしの場合)では、ユニークワードパターン格納部 6からユニークヮードパターンとして選択された標準パターンが設定された下り制御用物理スロットが構成され、システム内のすべての移動機 (移動局 A， B， C)に対して送信される。この場合、各移動機はユニークワードを検出することができるので、例えば、発信するためのリンクチャネル確立要求（LCH確率要求）を基地局 1に対して送信することができる（ステップ S 101)。

[0038] 一方、基地局 1において、トラヒックの集中が検出された場合、基地局 1のトラヒック集中検出部 5は、制御チャネル送受信制御部 2に対して使用ユニークワードパターンの変更を指示する。このとき、例えば、ユニークワードパターン格納部 6から制御チヤネル送受信制御部 2に対して複数の非標準パターンのうちのいずれか一つが出力される。なお、制御チャネル送受信制御部 2に対して出力される使用ユニークワードパターンの変更指示は、一定時間ごとに行われるようにしてもよいし、予め定められたパターンやタイミングなどに基づいて行うようにしてもよレ、。なお、ここでは、図 10の中段部に示すように、使用ユニークワードパターンとしてパターン 1が設定されたものと仮定する。

[0039] このとき、各移動機では、図 11のフローに基づいて、つぎのような処理が行われる。

システム内の各移動機は受信信号と、設定されてレ、るユニークワードパターンとの一致検査が行われる（ステップ SI 11)。両者のパターンが一致した場合 (ステップ S 112 、 Yes)、基地局 1との同期確立のための処理が行われ（ステップ S113)、ユニークヮードパターンチェック処理を終了し、所定の通信が継続される。

[0040] 一方、両者のパターンが一致しなかった場合（ステップ S 112、 No)、移動機のュニークワードパターン格納部 16に他のユニークワードパターンが保持されているかの検査が行われる（ステップ S114)。他のユニークワードパターンが存在する場合 (ステップ S115、 Yes)、ユニークワードパターンの変更処理が行われ（ステップ S116)、再度受信信号とユニークワードパターンの一致検査が行われる (ステップ S 111)。他方、他のユニークワードパターンが存在しない場合 (ステップ S 115、 No)、基地局 1との同期が失敗したものとして（ステップ S 117)、ユニークワードパターンチェック処理を終了する。

[0041] 以上のような処理がシステム内の移動機のそれぞれにおいて実行される結果、図 1 0の中段部に示すように、基地局 1が使用しているユニークワードパターンと同じバターン 1を保持している移動機 Bのみがユニークワードを検出することができ、移動機 B のみが発信のためのリンクチャネル確立要求（LCH確率要求）を基地局 1に対して送信することができる（ステップ S102)。

[0042] つぎに、図 10の下段部に示すように、使用ユニークワードパターンがパターン 1からパターン 2に変更された場合を考える。このとき、基地局 1はパターン 2をユニークヮードとして選択し、送信する制御チャネルのユニークワードパターンとして使用する。システム内の各移動機では、図 11に示したユニークワードパターンチェック処理が行われ、その結果、基地局 1が使用しているユニークワードパターンと同じパターン 2を保持している移動機 Cのみがユニークワードを検出することができ、移動機 Cのみが発信のためのリンクチャネル確立要求 (LCH確率要求）を基地局 1に対して送信することができる（ステップ S103)。

[0043] このように構成された移動体無線通信システムによれば、受信信号から検出したュニークワードパターンと、ユニークワードパターン格納部に格納されているユニークヮードパターンとがー致した場合に、基地局と移動機との間での同期通信が行われるようにしているので、システム内の移動機を複数の規制群に分けた規制制御を確実に実現することができる。

[0044] 以上説明したように、この実施の形態では、移動機にて保持された複数のユニークワードパターンの中から基地局が使用しているユニークワードパターンを選択する機能を移動機が有するため、システム内の移動機を複数の規制群に分けた規制制御を確実に実現することができる。

[0045] 実施の形態 3.

上述した実施形態 1 , 2では、非標準のユニークワードパターンのビット構成については、特に規定していない。一方、この実施の形態は、非標準パターンとして好適なビットパターンの構成を示すものである。なお、この実施の形態の前提となるシステム構成は、を選択する場合の実施形態を示す。

[0046] 図 12は、簡易型携帯電話システム（PHS)で使用されている π /4シフト QPSK変調方式におけるシンボルの位相平面上での配置を示す信号空間ダイアグラムであり、図 13は、 π /4シフト QPSKの差動符号化規則を示す図である。

[0047] 信号空間ダイアグラムでは、原点からシンボルまでの距離が変調信号の振幅に相当するため、シンボル間の移動が原点近くを通過するということが、変調信号の振幅変動幅が大きくなることを意味する。振幅変動幅が大きくなると、送信側増幅器の線形性を保持する観点から、大電力を取り扱うことができる増幅器や、複雑な回路構成の増幅が必要となる。 [0048] 図 14は、 π /4シフト QPSK変調方式におけるシンボル推移を示す図である。同図において、例えば、シンボル点が A点に位置している場合、ビット列「00」が作用する場合、図 13に示すようにシンボル間の位相差力「_π /4」となり、 Α点のシンボルは Β 点に遷移する。同様に、ビット列「01」、「11」、「10」がそれぞれ作用する場合には、各シンボル間の位相差がそれぞれ「3 π Ζ4」、「_3 π /4」、「― π /4」となり、 Α点のシンボルは、それぞれ C点、 D点、 E点に遷移する。

[0049] 図 14に示した遷移図から明らかなように、 π Ζ4シフト QPSK変調方式の位相変移は、 π Ζ4の遷移 (Α点→Β点）および— π Ζ4の遷移 (Α点→Ε点）の方力 3 π /4 の遷移 (Α点→C点）および- 3 π /4の遷移 (Α点→D点）に比べて、原点との距離の変化が小さくなる。したがって、簡易型携帯電話システム（PHS)などにおいては、ュニークワードパターンを「00」と「10」を組み合わせたビット歹 IJ、例えば「0010 0010 0010 0010 0010 0010 0010 0010」とすることで、ユニークワード送出日寺の振幅変動幅を小さくすることができる。

[0050] 以上説明したように、この実施の形態において示したユニークワードパターンによれば、使用するユニークワードパターンを、送出時に振幅変動幅が小さくなるようなビットパターンを選択しているので、基地局の消費電力を低減することができる。

産業上の利用可能性

[0051] 以上のように、本発明は、移動体無線通信システムで使用される無線回線の規制制御技術として有用であり、特に、無線アクセスを規制するための規制信号を無視するような不正に運用されている移動機の使用を中止させる場合などに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の移動機との間の無線回線をユニークワードパターンによって同期確立する移動体無線通信システムを構成する基地局におレ、て、

制御チャネルの送受信を制御する制御チャネル送受信制御部と、

前記制御チャネル送受信制御部からの制御に基づいて制御用物理スロットの組立

/分離を行う制御用スロット組立/分離部と、

前記無線回線のトラヒック状態を監視し、トラヒックが集中しているか否力を検出するトラヒック集中検出部と、

前記制御チャネル送受信制御部が前記制御用スロット組立/分離部に対して制御用物理スロットの組立を要求する際に指定されるユニークワードパターンを記憶するユニークワードパターン格納部と、

を備え、

前記制御用スロット組立/分離部は、

前記トラヒック集中検出部の監視結果に基づいて前記移動機から前記基地局へのアクセスを規制する際に、前記制御用物理スロットに設定するユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更することを特徴とする基地局。

[2] 前記ユニークワードパターン格納部には複数のユニークワードパターンが格納され前記複数のユニークワードパターンから選択されたユニークワードパターンが前記制御用物理スロットに設定されることを特徴とする請求項 1に記載の基地局。

[3] 前記移動機から前記基地局へのアクセスを規制する際に該基地局から送信される変調信号に含まれるユニークワードパターンが、該変調信号の振幅変動量が小さくなるように設定されることを特徴とする請求項 1に記載の基地局。

[4] 前記変調信号は π /4シフト QPSK信号であり、該 π /4シフト QPSK信号のシンボル間位相差として、 π /4または一 π /4のレ、ずれかを選択することを特徴とする請求項 1に記載の基地局。

[5] 基地局との間の無線回線をユニークワードパターンによって同期確立する移動体無線通信システムを構成する移動機において、

前記移動機は、

/分離を行う制御用スロット組立/分離部と、

複数のユニークワードパターンを格納するユニークワードパターン格納部と、受信信号から検出したユニークワードパターンと、前記ユニークワードパターン格納部に格納されているユニークワードパターンと、の比較照合結果に基づいて前記基地局と無線同期をとるユニークワードパターン検出部と、

を備え、

前記ユニークワードパターン検出部は、

前記受信信号から検出したユニークワードパターンと、前記ユニークワードパターン格納部に格納されているユニークワードパターンと、がー致した場合に、前記基地局との同期通信が行われることを特徴とする移動機。

[6] 基地局と、複数の移動機との間の無線回線の使用を規制制御する移動体無線通信システムの規制制御方法にぉレ、て、

前記移動機から前記基地局へのアクセスを規制する際に、該基地局が送信する制御チャネルに含まれるユニークワードパターンを標準規格に規定されたパターン以外のパターンに変更するユニークワードパターン変更ステップを含むことを特徴とする移動体無線通信システムの規制制御方法。

[7] 前記ユニークワードパターン変更ステップでは、前記無線回線のトラヒック状態の監視結果に基づいて複数のユニークワードパターンのうちのいずれか一つのユニークワードパターンが選択されることを特徴とする請求項 6に記載の移動体無線通信システムの規制制御方法。