WO2005083497A1 - 遠近二重焦点レンズ - Google Patents

Abstract

染色ムラを防止する課題を解決するために、プラスチック製にして近視矯正用部の一部分に遠視矯正用部を設けた遠近二重焦点レンズであって、近視矯正用の台玉レンズ１の対物面に遠視矯正用の小玉レンズ２を突設して基材３と成し、該基材３は屈折率0.10～1.80の素材により形成され、該基材３よりも低屈折率の素材により基材３の対物面を被覆して、被覆層４に小玉レンズ３を埋没させることにより、遠近二重焦点レンズの対物面を滑らかにし、染色時の染料が局所に溜まるのを防止する。

Description

明糸田

遠近二重焦点レンズ

技術分野

本発明は、 眼鏡用にしてプラスチック製の遠近二重焦点レンズに 関する。 背景技術

従来、 プラスチック製の眼鏡レンズは、 熱硬化性樹脂のモノマー に触媒を添加した後、 所定の型内に注入し、 これを加熱し、 型内で モノマーを重合 ·硬化させる様にした注型重合法で形成されていた。 近視矯正用部の一部分に遠視矯正用部を設けたレンズ、 所謂ヮン ピース型の遠近二重焦点レンズの場合は、 上記方法で台玉レンズと、 これより小さな小玉レンズを作製し、 台玉レンズの対物面 （目視物 に対向する面） に小玉レンズを貼付けるか、 或いは、 台玉レンズの みを作製し、 対物面を研磨して、 曲率の異なる部分を形成し、 曲率 が小さくなだらかな部位を近視矯正用部とすると共に、 曲率が大き な突出部位を遠視矯正用部としていた。

ところが、 上記の遠近二重焦点レンズは、 遠視矯正用部が突出し て段差が有るため、 当該レンズに染色を施す場合、 染料が遠視，近 視の両矯正用部の境に溜まり、 この部分のみが周囲より色濃くなつ て、 外観上好ましくないばかりか、 視界の妨げとなった。 発明の開示

本発明は、 上記の課題に鑑み、 プラスチック製にして近視矯正用 部の一部分に遠視矯正用部を設けた遠近二重焦点レンズであって、 近視矯正用の台玉レンズの対物面に遠視矯正用の小玉レンズを突設 して基材と成し、 該基材は屈折率 0. 10〜1. 80の素材により形成され、 該基材よりも低屈折率の素材により基材の対物面を被覆して、 被覆 層に小玉レンズを埋没させることにより、 遠近二重焦点レンズの対 物面を滑らかにし、 染色時の染料が局所に溜まるのを防止する様に して、 上記課題を解決する。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明に係る遠近二重焦点レンズの正面図であり、 第 2図は、 第 1図の A— A断面図であり、 第 3図は、 基材の両面を被 覆した場合の第 1図の A— A断面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第 1図は本発明の遠近二重焦点レンズの正面図、 第 2図は第 1図 の A— A断面図である。 ，

尚、 第 2図において、 左側は対物面 （目視物に対向する面） 側、 右側は対眼面 （人の目に対向する面） 側である。

本発明の遠近二重焦点レンズは、 台玉レンズ 1の対物面に、 これ より小さな小玉レンズ 2を一体的に突設して基材 3と成し、 該基材 3の対物面を透明素材で被覆して、 被覆層 4に小玉レンズ 2を埋没 させている。

台玉レンズ 1は、 対物面凸、 且つ対眼面凹の近視矯正用で、 台玉 レンズ 1の対物面は台玉レンズ 1の対眼面より曲率が小さく調製さ れている。

小玉レンズ 2は、 対物面凸にして、 小玉レンズ 2の対物面は台玉 レンズ 1の対物面、 並びに台玉レンズ 1の対眼面より曲率を大きく して、 遠視矯正用に調製されている。

台玉レンズ 1と小玉レンズ 2は、 必ずしも一体物でなくても良く、 図示しないが、 例えば台玉レンズ 1の対物面に小玉レンズ 2を貼り 付けて基材 3と成しても良い。

又、 第 3図に示す様に、 基材 3の対物面及び対眼面の両方を、 共 に透明素材で被覆して、 対物面側の被覆層 4と対眼面側の被覆層 5 との間に基材 3を挟持させる様にしても良い。

この場合も、 製造工程において、 注型重合法を利用すれば良く、 例えば縦二分割可能な成形型の内面中腹に凹溝を周設し、 該凹溝に 上記基材 3を嵌合し、 基材 3の上下に樹脂モノマー （触媒添加済み） を注入して、 基材 3における対物面側には被覆層 4を、 基材 3にお ける対眼面側には被覆層 5を形成する様にすれば良い。

基材 3の素材としては、 屈折率 0. 10〜1. 80のものが良く、 被覆層 4の素材は、 基材 3の素材よりも低屈折率のものでなければならな い o

このことにより、 被覆層 4が透過光の屈折に対し及ぼす影響より、 基材 3が透過光の屈折に対し及ぼす影響の方が大きくなり、 基材 3 を透過する光は、 基材 3の対物面及び対眼面に調製した屈折面曲率 の相対関係に従つて屈折するため、 近視矯正用部と遠視矯正用部の 各々の部位を透過する光の焦点は、 近視眼の調節遠点、 並びに遠視 眼の調節遠点に夫々一致する。

又、 光透過率、 接着性の点から、 基材 3をポリウレタンとし、 被 覆層 4及び被覆層 5の素材をァリル · ジ · グリコール · 力一ボネ一 ト樹脂 （A D C樹脂） にするのが良い。

尚、 対眼面側の被覆層 5については、 必ずしも基材 3よりも低屈 折率のものでなくても良く、 基材 3 と同一屈折率の素材であっても 良い。 産業上の利用可能性

要するに本発明は、 近視矯正用の台玉レンズの対物面に遠視矯正 用の小玉レンズを突設して基材と成し、 該基材は屈折率 0. 10〜1. 80 の素材により形成され、 該基材よりも低屈折率の素材により基材の 対物面を被覆して、 被覆層に小玉レンズを埋没させたので、 染色し ても対物面の全体に染料が良く馴染み、 色ムラ無く、 綺麗に仕上げ ることが出来るため、 視界を妨げるものはなく、 良好な視界を確保 することが出来る。

又、 対物面に段差が無いから、 汚れが溜まらず、 汚れの拭き取り も至極容易である等その実用的効果甚だ大である。

Claims

請求の章 囲 . プラスチック製にして近視矯正用部の一部分に遠視矯正用部を 設けた遠近二重焦点レンズであって、 近視矯正用の台玉レンズの 対物面に遠視矯正用の小玉レンズを突設して基材と成し、 該基材 は屈折率 0. 10~1. 80の素材により形成され、 該基材よりも低屈折 率の素材により基材の対物面を被覆して、 被覆層に小玉レンズを 埋没させたことを特徴とする遠近二重焦点レンズ。