P T/JP2004/001954
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明 細 書 ァ レ ー ン類 と ギ酸 と 力ゝ ら ワ ン ポ ッ ト で前記ア レ ー ン類 を 力 ルポ キ シル化お よ び / ま た は ヒ ド ロ キ シル化 し た化合物 を製造す る 方法 技術分野
本発明は、 基本的にはパラジウム触媒を用いたギ酸—芳香族化合 物類の酸化的ク ロ スカ ツプリ ング反応によるワンポッ トで前記芳香 族化合物類をカ ルボ キ シル化お よ び Z ま た は ヒ ド ロ キ シル 化 し た化合物 を製造す る 方法に 関す る 。 カルボ キ シル化お ょ ぴ Z ま た は ヒ ド ロ キ シル化 し た芳香族化合物類はポリ エ ステルの原料、 液晶材料、 種々の薬品の中間体などと して有用な化 学製品である。 背景技術
これまでパラジウム触媒を用いた芳香族化合物類の酸化的ク ロス 力 ップリ ング反応によるカルボキシル化においてはカルボ二ル源と して一酸化炭素が用いられていた。 また、 4ーヒ ドロキシ一 4 ' ― カルボキシビフエニルは、 多段階の反応を経て合成されており 、 合 成の効率、 コス トの面から工業的な生産おょぴ利用の面で後れをと つていた。
前記多段階による 4 —ヒ ドロキシー 4 , 一カルボキシビフエニル の製造法は特開平 4 — 2 4 3 8 5 1号公報 (文献 1 ) において提案 されている。 提案されているプロセスは原料的にもコス トパフォー
マンスが良いとは言えない。 また、 パラジウム触媒による芳香族化 合物の直接官能基化反応は藤原らによって精力的に研究され、 パラ ジゥム触媒、 P d (O A c ) 2を用いて、 酸化剤の存在下にアレーン と C Oとからカルボキシル化反応によ り芳香族カルボン酸またはヒ ドロキシル化反応によ り芳香族ヒ ドロキシ化合物製造する方法など 力 s提案されてレヽる [Ace. Chem. Res.2001, 34, 633— 639 (特に 636, 637)ゝ 参照〕 (文献 2 ) 。 更に、 有機合成化学協会誌、 Vol.52,No.108199 4、 頁 37-46 (特に 42, 43) (文献 3 ) にはパラジウム触媒、 P d ( O A c ) 2を用いて、 ト リ フルォロ酢酸 (T F A— H) 溶媒中で一酸化 炭素とアル力ン類とのカルボキシル化反応によ り アルカンカルボン 酸などを製造する方法が記載されている。
しかしながら、 前記カルボニル源と して一酸化炭素を用いる反応 は、 一酸化炭素は毒性があ り取扱上問題があった。
本発明の課題は、 前記カルボニル源と して一酸化炭素を用いる反 応における不都合、 おょぴ前記ヒ ドロキシル化およぴカルポキシル 化した芳香族炭化水素類の製造における問題を取り除いた改善され た酸化的ク ロ スカ ップリ ング反応を提供するこ とである。
本発明者は、 従来の P d触媒を用いた酸化的ク ロ スカツプリ ング 反応に用いられていた一酸化炭素に代わる炭素源と してギ酸を用い て、 ト リ フルォロ酢酸溶媒中で P d ( t f a = ト リ フルォロ酢酸)
2 触媒および酸化剤の存在下で、 下記の反応 Aを想定して、 芳香族炭 化水素化合物とギ酸を反応させたと ころ、 両化合物の C— H結合の 切断を伴った酸化的ク ロスカップリ ングによ り前記芳香族炭化水素 化合物のカルボン酸を製造するこ とに成功した。 これによ り前記一 酸化炭素を使用する ときの問題を解決する こ とができた。
24h,80°C 反応 A
反応 Aに関与する化合物において Rは H、 アルキル基、 ァ リ ール 基、 ヨ ウ素、 水酸基、 アルコキシ基、 塩素、 臭素またはァシロ キシ 基から選択される。
また、 前記反応 Aをビフエ二ルを基質とする反応に適用する試み の中で、 基質のビフ エエルの反応性の向上の目的で前記ビフエニル の溶解性を高める塩化メチレンを加えたと ころ、 驚く べきこ と に、 ヒ ドロキシル化を伴う酸化的ク ロスカ ップリ ングによ り 4 ーヒ ドロ キシ一 4, 一力ルポキシビフエニルがワンポッ トで得られるこ と、 更に、 反応温度を 5 0 °Cに下げたと ころ、 前記反応が高い位置選択 性で進行するこ と を発見した。 この偶然の発見によ り 、 前記ヒ ドロ キシル化およびカルボキシル化した芳香族炭化水素類の製造におけ る問題を解決するこ とができた。
更に、この反応を、 ト リ フエエル化合物類に適用 してみたと ころ、 4, 4 "—ジカルポキシノレ一 1 , 1 ' : 4 ' , 1 " _ターフェ二ル類を製 造できるこ と を見出した。
これによ り 、 カルポニル源と してギ酸を用いた、 P d触媒おょぴ 酸化剤の存在する有機溶媒系での全く 新しい芳香族炭化水素類の酸 化的ク ロスカ ップリ ング反応を提供するこ とができた。
発明の開示
本発明は、 ( 1 ) 芳香族炭化水素環が 3つ以下のァレーン類と
ギ酸と を有機溶媒中で P d触媒および前記 P d触媒の反応進行中に 生成する 0価のパラジゥムを二価のパラジウムに酸化する酸化剤の 存在下で反応させ、 ワ ンポッ トで前記ァ レー ン類 を カ ルボ キ シ ル化 ま た は力 ルポ キ シル化 と 同 時 に ヒ ド ロ キ シル化 し、 前 記ア レ ー ン類 を カ ルボ キ シル化 ま た はカ ルボキ シル化お よ ぴ ヒ ド ロ キ シル化 し た化合物 を製造す る 方法で あ る 。 ( 2 ) 好 ま し く は、 芳香族炭化水素環が 3つ以下のァレーン類が芳香族 単環炭化水素、 ビフエ二レン、 ト リ フエ二レン、 縮合 2環式炭化水 素、 縮合 3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の 置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択され るものである前記 ( 1 ) に記載のァ レー ン類 を カ ルボ キ シル化 ま た は力 ルポ キ シル化お ょ ぴ ヒ ド ロ キ シル化 し た化合物 を 製造す る 方法で あ り 、 ( 3 ) よ り 好 ま し く は 、 反応溶液の溶 媒が ト リ フルォロ酢酸 (以下、 T F A— Hと略記) であるこ と を特 徵とする前記 ( 1 ) または ( 2 ) に記載のァ レ ー ン類 を カ ルポ キ シル化 し た化合物 を製造す る 方法 、 ま た は ( 4 ) 反応溶液の 溶媒が T F A— Hと芳香族炭化水素環が 3つ以下のァレーン類の溶 解を高める有機溶媒からなる前記 ( 1 ) または ( 2 ) に記載のァ レ 一ン類 を カ ルボ キ シル化 ま た は カ ルボ キ シル化お ょ ぴ ヒ ド 口 キ シル化 し た化合物 を製造す る 方法で あ り 、 ( 5 )更 に好 ま し く は、 ァレーン類の溶解を高める有機溶媒がハロゲン化炭化 水素である前記 ( 4 ) に記載のア レ ー ン類 を カ ルボ キ シル化 ま た は カ ルボ キ シル化お よ び ヒ ド ロ キ シル化 し た化合物 を製 造す る 方法で あ る 。
( 6 ) 特に、 前記 ( 5 ) においてァレーン類が下記の一般式 1 で
表されるビフエ二ル化合物類、 ナフタ レンまたはナフタ レン環の水 素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基を置換 した化合物類から選択される化合物であり 、 ワ ンポッ トで一般式 2 で表される 4 ーヒ ドロキシビフエ二ルー 4, _カルボン酸類または 1位に力ルポキシル基および 4位または 5位にヒ ドロキシ基を置換 したナフタレンを製造する方法。
式 1 および式 2 中、 R 〜 R i 2は電子供与性の置換基または共鳴 効果をもつ置換基である。
( 7 ) 一層好ま しく は、 酸化剤が K 2 S 2 O 8であるこ と を特徵と する前記 ( 1 ) 、 ( 2 ) 、 ( 3 ) 、 ( 4 ) 、 ( 5 ) または ( 6 ) に 記載のカ ルポ キ シル化 ま た は 力 ルポ キ シル化お ょ ぴ ヒ ド ロ キ シル化 した化合物 を製造す る 方法 で あ り 、 ( 8 ) よ り 一層 好 ま し く は、 反応温度 8 0 °C以下 3 5 °C以上で進行させる前記
( 1 ) 、 ( 2 ) 、 ( 3 ) 、 ( 4 ) 、 ( 5 ) 、 ( 6 ) または ( 7 ) に 記載のカ ルボ キ シル化 ま た は 力 ルポ キ シル化お よ ぴ ヒ ド ロ キ シル化 した芳香族炭化水素化合物 を製造す る 方法。 本発明をよ り詳細に説明する。
A . 本発明のカ ルボ キ シル化お よ び / ま た は ヒ ド ロ キ シル化 した芳香族炭化水素化合物 の製造方法は、 基本的 に は本出 願の請求 の範囲 に記載 さ れて い る 芳香族炭化水素化合物類 に適用 で き る 。
B . P d触媒と しては、 前記ァ レーンのカルボキシル化、 ヒ ドロキ シ化に使用されている P d ( t f a ) 2、 P d ( O A c ) 2、 P d ( N O 3 ) 2、 P d / Cなどの P d化合物を用いることができるが、 P d
( t f a ) 2が最も好ま しい。
C . 酸化剤と しては、 0価のパラジウムを二価のパラジウムに戻す 酸化剤であれば使用できるが、 K 2 S 2 O 8である こ とが最も好ま し い
D . 反応溶媒と しては、 ト リ フルォロ酢酸 (以下、 T F A— Hと略 記) を主溶媒とする。 カルボキシル化には T F A— H単独で行い う るが、 ヒ ドロキシル化および力ルボキシル化をおこな う ためには両 反応基質を均質に溶解する、 例えば塩化メ チレンの様な溶剤と組み 合わせるのが良い。
E . 反応温度は低い方が反応の特異性が維持され好ま しいが、 生産 性を考えると 4 0 °C以上が好も しい。 実施例
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明する。 これは本発明の 有用性を更に明確にするこ と を意図するものであって、 本発明を限 定するものではない。
実施例 1
安息香酸の製造 ;
封管に ト リ フルォロ酢酸 2. O m L、 ギ酸 1 . O m L ( 2 6 m m o 1 ) 、 ベンゼン 0. 8 9 m L ( 1 0 m m o 1 ) 、 ぺノレォキシ硫酸力 リ ウム 1 . 6 2 g ( 6 . 0 mm o 1 ) 、 ト リ フルォロ酢酸パラジゥ ム 6 . 6 m g ( 0. 0 2 mm o 1 ) を封じて、 8 0でで 7 0時間加 熱攪拌した。 チォ硫酸ナ ト リ ウムで過剰の酸化剤を失活した後、 酢 酸ェチルで抽出、 硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、 溶媒を減圧 留去した。 シリ カゲルカラムク ロマ トグラフィ一で精製する と上記 目的物である安息香酸 0. 2 6 g ( 2. 1 mm o 1 ) を得た。
実施例 2
4ーヒ ドロキシビフ エ -ルー 4, _カルボン酸の製造 ;
封管に ト リ フルォロ酢酸 2 . 0 m L、 塩化メチレン 1 . 0 m L、 ギ 酸 0. 5 0 m L ( 1 3 m m o 1 ) 、 ビフエニル 0 . 3 1 g ( 2 . 0 m m o 1 ) 、 ペルォキシ硫酸カ リ ウム 1 . 6 g ( 6. 0 m m o 1 ) 、 ト リ フルォロ酢酸パラジウム 3 3 m g ( 0 , 1 0 mm o 1 ) を封じ て、 5 0 °Cで 4 8時間加熱攪拌した後、 チォ硫酸ナ ト リ ウムで過剰 の酸化剤を失活した後、 酢酸ェチルで抽出した。 硫酸マグネシウム で有機相を脱水し、 溶媒を減圧留去したのちシリ 力ゲルカラムク ロ マ トグラフィ一で精製する と上記目的物である 4 —ヒ ドロキシビフ 工ニル一 4 '—カルボン酸が 0. 2 8 g 、 収率 6 5 %で得られた。 実施例 3
ヒ ドロキシナフ トェ酸の製造 ;
封管に ト リ フルォロ酢酸 2 . 0 m L、 塩化メチレン 1 . 0 m L、 ギ 酸 0. 5 m L ( 1 3 mm o l ) 、 ナフタ レン 0. 2 6 g ( 2. 0 m m o 1 ) 、 ペルォキシ硫酸カ リ ウム 1 . 6 2 g ( 6. 0 mm o l ) 、 ト リ フルォロ酢酸パラジウム 3 3 m g ( 0. l O mm o l ) を封じ
て、 5 0でで 4 8時間加熱攪拌した。 チォ硫酸ナ ト リ ウムで過剰の 酸化剤を失活した後、 酢酸ェチルで抽出、 硫酸マグネシウムで有機 相を脱水し、 溶媒を減圧留去した。 シリ カゲルカラムク ロマ トダラ フィーで精製する と上記目的物 1 ーヒ ドロキシ一 4 一ナフ トェ酸が 0. 0 2 2 g収率 6 %及び 1 —ヒ ドロキシ一 5 —ナフ トェ酸が 0. 0 2 2 g収率 6 %で得られた。
実施例 4
4 , 4 "—ジカルボキシノレ一 1 , 1 ,: 4,, 1 "—ターフ ェ 二ノレの製造 ; 封管に ト リ フルォロ酢酸 2. 0 m I, , 塩化メチレン 1 . O m L、 ギ 酸 0. 5 m L ( 1 3 mm o l ) 、 パラターフェニル 0. 4 6 g ( 2 . 0 m m o 1 ) 、 ペルォキシ硫酸カ リ ウム 1 . 6 2 g ( 6 . 0 m m o 1 ) 、 ト リ フルォロ酢酸パラジウム 3 3 m g ( 0 . 1 0 mm o 1 ) を封じて、 5 0 °Cで 4 8時間加熱攪拌した後、 チォ硫酸ナ ト リ ゥム で過剰の酸化剤を失活した後、 酢酸ェチルで抽出した。 硫酸マグネ シゥムで有機相を脱氷し、 溶媒を減圧留去したのちシリ 力ゲルカラ ムク ロマ トグラフィーで精製する と上記目的物である 4 , 4 " ージ 力ノレボキシノレ一 1 , 1 , : 4 , , 1 " —ターフェ二ノレ力 S O . 0 6 0 g収率 1 0 %で得られた。
実施例 5 '
ヒ ドロ キシ安息香酸の製造 ;
封管に ト リ フルォロ酢酸 2 . 0 m L、 ギ酸 1 . O m L ( 2 6 m m o 1 ) 、 酢酸フ エニル 1 . 2 7 m L ( 1 0. 0 m m o 1 ) 、 ペルォキ シ硫酸カ リ ウム 1 . 6 2 g ( 6. 0 mm o l ) 、 ト リ フルォロ酢酸 パラジウム 3 3 g ( 0. l O mm o l ) を封じて、 5 0 °Cで 4 8時 間加熱攪拌した後、 チォ硫酸ナ ト リ ゥムで過剰の酸化剤を失活した
後、 酢酸ェチルで抽出した。 硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、 溶媒を減圧留去したのちシリ カゲルカラムク ロマ トグラフィ一で精 製する と系中で酢酸エステルが加水分解され、 2 —ヒ ドロキシ安息 香酸 0 . 1 4 g収率 1 1 %及び 4 —ヒ ドロキシ安息香酸 0 . 2 1 g 収率 1 5 %が得られた。 産業の利用可能性
本発明は、 カルボ ル源と してギ酸を用いるこ とによ り 、 よ り安 全な酸化ク ロ スカツプリ ング反応を提供したこ とであ り 、 このこ と は工業化の適用の容易性をもたらすものである。 更に、 原料の芳香 族化合物類の溶媒に塩化メチレンのよ う な成分を添加するこ と によ り 、 入手が容易なビフエ二ル類を用いて、 ヒ ドロキシル化を伴う、 ビフエ -ル類の酸化ク ロスカ ツプリ ング反応によ り 、 ワ ンポッ トで 工業製品と して有用な 4 —ヒ ドロキシビフエ -ルー 4,一力ルボン 酸類を製造できる という 、 効率的で、 簡易な製造技術を提供したこ とは、 産業での利用において大きな利益をもたらすこ とは明かであ る。