WO2004019847A1 - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

使い捨ておむつ１の体液吸収部３が股部被覆域８においておむつ１の内方へ向かって折曲される。吸収部３における側縁部分２６の外側には、吸収部３の長さ方向へ延びるバリア壁７０を設ける。バリア壁７０には、吸収部３の外面２４と向かい合う部分と、縁の部分７２ａと、これら両部分の間とに吸収部３の長さ方向へ伸長状態で延びる弾性部材７６，７７，７８を取り付ける。

Description

明 細 書 パンツ型の使い捨ておむつ 技術分野

この発明は、 パンツ型の使い捨ておむつに関する。 背景技術

特開昭 5 0 — 3 3 0 4 4号公報には、 図 8の折りたたみ型使 い捨ておむつ （おしめ） 2 0 1が開示されている。 このおむつ 2 0 1は、 吸液性パッ ドと、 液透過性内面シー ト 2 2 2 と、 液 不透過性外面シー ト 2 2 3 とからなる矩形のもので、 長辺と直 交する横断線 2 1 0 aに沿って半分に畳んである。 また、 その 横断線 2 1 0 aにおける中心点の両側部分がおしめの内方へ向 かって折り込まれ、 ポケッ ト 2 1 8が形成されている。 このお むつでは、 それを着用させるときに広げてもポケッ ト 2 1 8の 形状が崩れないように、 折り込まれて互いに向かい合うシー ト 2 2 3の表面どう しが部分的に接着されている。 このようなお むつは、 それが矩形のものであっても着用者の股部を覆う部位 の幅が狭いから、 その部位が股部によ く密着して体液の漏れを 防止することができる。

実開昭 4 7 - 3 6 7 3 4号公報には、 矩形帯片からなる折り 込みおむつが開示されている。 このおむつもまた、 おむつの長 手方向中央部においておむつの両側縁が内方へ折り込まれてい る。 そのようにして得られるおむつの股部は、 幅が小さ く なつ て着用者の股部によく密着するので尿の横漏れが少なくなる。 前記特開昭 5 0 — 3 3 0 4 4号公報のおむつでは、 折り込ま れたシ一卜の表面どう しが接着されることによって、 折り込ま れた部分におけるシー トの形状を維持することができるのであ るが、 その反面その折り込まれた部分がしなやかに変形して着 用者の肌に接触するという ことが難しくなる場合がある。また、 このおむつは、 股下域が折り込まれることによってその股下域 の幅が狭くなり、 着用したときに着用者の股部を徒に圧迫する ということがなく なる反面、 体液が排泄されたときに、 折り込 まれた股下域の内側へ流入せずに、 外側へ漏れ易くなる という ことがある。

実開昭 4 7 — 3 6 7 3 4号公報のおむつの場合には、 おむつ の内方へ向かって折り込まれた両側縁がおむつを着用するとき に折り込まれる前の状態に戻り易いという傾向がある。

この発明では、 使い捨ておむつにおける体液吸収部の両側縁 部分をおむつ内方へ向かって折り込んだときに、 その折り込ん だ部分が前記公知技術のように接着されるか否かにかかわらず. 折り込む前の形状に戻ることを阻止することができ、 また、 お むつを折り込むことによって体液が漏れやすくなるという弊害 を除く ことができるように、 おむつを改良することが課題であ る。 発明の開示

前記課題を解決するためにこの発明が対象とするのは、 互い に直交する高さ方向と幅方向と前後方向とを有し、 前記幅方向 を二等分して前記高さ方向へ延びる中心線に関してほぼ対称に 形成され、 内面側がおむつ着用者の肌と向かい合う一方、 外面 側が前記着用者の着衣と向かい合い、 前記着用者の前胴周り域 と後胴周り域と股部とを覆う前胴周り被覆域と後胴周り被覆域 と股部被覆域とによってパンヅ形状が画成されて胴周り開口と 一対の脚周り開口とを有し、 前記股部被覆域を中心に前記前後 胴周り被覆域方向へ長く延びる体液吸収部が前記内面側に形成 されているパンヅ型の使い捨ておむつである。

かかる使い捨ておむつにおいて、 この発明が特徴とするとこ ろは、 次のとおりである。 前記体液吸収部は吸液性芯材と透液 性被覆シート とを含み、 前記肌と向かい合う内面部分と前記内 面部分とは反対側の外面部分とこれら両部分をつないで前記股 部被覆域から前記前後胴周り域へ延びる互いに並行な両側縁部 分とを有する。 前記被覆シー トは、 前記芯材を前記内面部分と 前記側縁部分と前記外面部分の一部分とにおいて覆っている。 前記股部被覆域における前記体液吸収部には、 前記側縁部分と 側縁部分との間の中央部位に始まって前記前胴周り域方向へほ ぼ V字形を画いて前記側縁部分のそれぞれにまで延びる第 1折 曲部と、 前記後胴周 り域方向へほぼ V字形を画いて前記側縁部 分のそれそれにまで延びる第 2折曲部と、 前記第 1 , 2折曲部 の間において前記幅方向へ延びる第 3折曲部とが形成され、 前 記中心線を挟む前記体液吸収部の両側縁部分それそれが前記第 3折曲部においては前記外面部分どう しが向かい合う方向へ、 かつ前記第 1折曲部と第 2折曲部とにおいては前記内面部分ど う しが向かい合う方向へ折曲されている。 前記吸収部における 前記側縁.部分の外側には、 前記側縁部分に沿って長く延び、 前 記幅方向内側寄りの内側縁部と外側寄りの外側緣部とを有する バリア壁が設けられる。 前記バリア壁は、 前記股部被覆域にお いて、 前記内側縁部が前記外面部分の外側にあって前記中心線 寄りでは前記股部被覆域を形成するシー トおよび前記被覆シ一 卜のいずれかに接合されて前記吸収部に対して実質的に固定さ れた状態にありかつ前記吸収部の側縁部分寄りでは前記吸収部 から離間して前記吸収部に対して変形自由な状態にある。 さら に前記バリァ壁は、 前記前後胴周り域にまで延びた端縁部分に おける前記内側縁部が前記吸収部の外面部分の外側にあつて前 記前後胴周り被覆域を形成するシー トおよび前記被覆シー トの いずれかに接合され、 前記バリァ壁の幅方向における前記内側 縁部と外側縁部との間の中間部分は、 前記吸収部の側縁部分に 沿って前記外面部分から内面部分へ向かって折曲されて前記中 心線寄りへ向かう とともに前記内面部分に接合された後に、 前 記外側縁部が前記幅方向の外側へ向かう ように折り返されてい て重なり合う前記バリ ア壁どう しが互いに接合されている。 前 記バリァ壁における前記外側縁部と、 前記幅方向の外側へ向か う ように折り返された部位の近傍と、 前記内側縁部のう ちで前 記吸収部から離間している部位とには、 前記前後胴周り域に位 置した前記端縁部分どう しの間に延びる弾性部材が伸長状態で 取り付けられ、 前記股部被覆域では前記バリア壁がその長さ方 向へ伸縮可能な状態にある。

この発明には、 次のような好ましい実施態様がある。

( 1 ) 前記吸収部の前記外面部分は、 幅方向中央部が不透液性 シー トで形成されている。

( 2 )前記使い捨ておむつは、前記吸収部の外面部分の外側に、 前記被覆シートのさ らに外側に位置する不織布と、 前記不織布 のさらに外側に位置してプラスチックフ ィルムからなる前記不 透液性シ一卜とを有する。 図面の簡単な説明

図 1は、 パンヅ型の使い捨ておむつの斜視図。 図 2は、 図 1のおむつを部分的に破断したときの概略図。

図 3は、 図 1の I I I 一 I I I線断面図。

図 4は、 図 1のおむつを伸展した図面。

図 5は、 図 4のおむつを部分的に破断して示す図。

図 6は、 図 4の V— V線に沿った切断面を示す図。

図 7は、 図 4の V I I— V I I線部分断面図。

図 8は、 従来技術のおむつの斜視図。 発明を実施するための最良の形態

添付の図面を参照して、 この発明に係るパンツ型の使い捨て おむつの詳細を説明すると、 以下のとおりである。

図 1， 2 , 3は、 パンツ型の使い捨ておむつ 1の斜視図と、 図 1のおむつ 1を部分的に破断して示す概略図と、 図 2の I I I 一 I I I線切断面を示す図である。 おむつ 1は、 互いに直交 する高さ方向と、 幅方向と、 前後方向とを有するもので、 高さ 方向は図 1の上下方向であ り、 前後方向は図 1の矢印 P , Qで 示される方向であり、 幅方向は図 3の左右方向であって、 パン ヅ型を呈する被覆部 2 と、 体液を貯留するための体液吸収部 3 とからなる。 被覆部 2は、 不織布やプラスチヅクフィルム等の シ一 ト材料で形成され、 おむつ着用者の肌と向かい合う内面 2 aと、 着衣と向かい合う外面 2 b とを有し、 その着用者の前後 胴周り部と股部とを前胴周り被覆域 6 と後胴周り被覆域 7 と股 部被覆域 8 とによって覆う ことができる。前後胴周り被覆域 6， 7は、 おむつ 1の両側部で合掌状に重なり合い、 上下方向へ間 欠的に並ぶ部位 4で互いに接合され、 これら被覆域 6 , 7， 8 によって胴周り開口 9 と一対の脚周り開口 1 1 とが画成されて いる。 これら胴周り開口 9 と脚周り開口 1 1の緣部それそれに は、 複数条の弹性部材 1 2， 1 3が伸長状態で取り付けられて いる。 体液吸収部 3は、 被覆部 2の内面 2 aの側に位置し、 股 部被覆域 8を中心に前胴周り被覆域 6 と後胴周り被覆域 7 とに 向かって長く延びる両側縁部分 2 6 と、前後胴周りの被覆域 6， 7において胴周り方向へ延びる両端縁部分 2 7 とを有し、 両側 縁部分 2 6は股部被覆域 8で幅が狭くなるように、 おむつ 1の 幅を二等分して高さ方向へ延びる縦中心線 A— A (図 4 を併せ て参照） に向かって、 すなわちおむつ 1の幅方向内方へ向かつ て折曲されている。 吸収部 3はまた、 側縁部分 2 6の外側に両 端縁部 2 7へ向かって長く延びるバリア壁 7 0を有する。

図 4 , 5 , 6は、 図 1 , 2のおむつ 1 を接合部位 4において 剥離し、 前後胴周り被覆域 6 , 7をおむつ 1 の前方向と後方向 へ延びる矢印 P , Qの方向へ伸展したものの平面図と、 その平 面図を部分的に破断した図と、 図 4の平面図における V I— V I線切断面を示す図である。 伸展した状態のおむつ 1 には、 縦 中心線 A— Aに直交し、 図の上下方向の長さを二等分しておむ つ 1の幅方向へ延びる横中心線 B— Bも示されている。 図 4の おむつ 1 は、 縦中心線 A— Aに関してほぼ対称であり、 横中心 線 B— Bに沿って折り重ねられると図 1のおむつ 1 となる。

図 4， 5， 6に示された被覆部 2は、 通気性不織布よ り好ま しくは疎水性の通気性不織布からなる砂時計型の内部シー ト 1 6 と、 不透液性プラスチックフ ィルム、 よ り好ましくは通気不 透液性プラスチックフィルムかならなっており吸収部 3の平面 形状とほぼ同じ大きさの矩形を呈しているかまたはその平面形 状よ り も大きい中間部シー ト 1 7 と、 通気性不織布からなり内 部シー ト 1 6 と同形同大の外部シー ト 1 8 とが積層され、 これ らシー ト 1 6 , 1 7 , 1 8が接着または溶着によ り互いに間欠 的に接合するこ とで形成されている。 内部シー ト 1 6 と外部シ ー ト 1 8 との間に位置する胴周 り と脚周 りの弾性部材 1 2 , 1 3は、 これらシー ト 1 6 , 1 8の少な く とも一方に接着剤 （図 示せず） を介して取り付けられている。

吸収部 3は、 芯材 2 1 と被覆シー ト 2 2 とからな り、 両側に ノ リ ア壁 7 0が形成され、 図 4， 5において縦に長い矩形を呈 し、 縦中心線 A— Aに並行して一対の側縁部分 2 6が延びてお り、 側縁部分 2 6と直交して前後一対の端縁部分 2 7が胴周 り 方向へ延びている。 芯材 2 1は、 全体と して矩形を呈し、 おむ つ着用者の肌側に位置する内面 2 3 と、 着衣側に位置する外面 2 4と、 縦方向へ延びる一対の側縁 4 0 aと胴周り方向へ延び る一対の端縁 4 O bとを有する。 芯材 2 1はまた、 横中心線 B —Bと一致する鎖線 R (第 3折曲部） と、 縦中心線 A— Aと横 中心線 B— Bとが交わる芯材 2 1の中央部から前胴周 り被覆域 6方向へほぼ V字形を画いて両側縁 4 0 aにまで延びる鎖線 S (第 1折曲部） と、 縦中心線 A— Aと横中心線 B— Bとが交わ る中央部から後胴周 り被覆域 7方向へほぼ V字形を画いて両側 縁 4 0 aにまで延びる鎖線 T (第 2折曲部） とに沿って延びる 溝 2 0 r , 2 0 s , 2 0 tを有し、 これらの溝 2 0 r， 2 0 s , 2 0 tによって芯材要素 2 1 a , 2 1 b， 2 1 c , 2 1 d， 2 1 e , 2 I f に分けられている。 溝 2 0 rと溝 2 0 sとのなす 角度はひであ り、 溝 2 0 rと溝 2 0 t とがなす角度は /?であつ て、 図ではひ と /?の大きさが同じである。 股部被覆域 8におい て、 吸収部 3の幅はその被覆域 8の幅よ り も狭く、 図 1 , 2 , 3において脚周 り開口 1 1を形成している被覆域 8の側縁部分 8 aは、 吸収部 3の外面 3 bの側に位置していて、 吸収部 3の 側縁部分 2 6を越えてお つ 1の幅方向外方へ向かって広が り 開口 1 1 を一周する脚周り フラ ップ 1 1 aを形成している。

芯材要素 2 1 a〜 2 I f は、 粉砕パルプや高吸水性ポ リマー 粒子等の吸水性材料を適宜の力で圧縮することによ り、 また必 要ならば圧縮したものをテイ シユーべ一パゃ親水化処理された 熱可塑性合成繊維からなる不織布で覆う こ とによ り形成される , 各芯材要素 2 1 a〜 2 1 f の内面 2 3 またはその内面 2 3 を覆 うティ シューぺーパ （図示せず） 等は、 被覆シー ト 2 2 に接着 してお く こ とができる。 また、 芯材要素 2 1 a ~ 2 1 f の外面 2 4、 またはその外面 2 4 を覆うティ シュぺ一パ等は内面シ一 ト 1 6 に接着しておく ことができる。

被覆シー ト 2 2 は、 芯材 2 1 の幅方向において芯材要素 2 1 a ~ 2 1 f それそれの内面 2 3 を覆い、 側縁 4 0 aに沿って外 面 2 4 にまで延びて、側縁 4 0 a近傍の外面 2 4を覆っている。 外面 2 4 において、 被覆シ一 ト 2 2の両側縁部 2 2 aが芯材 2 1 の幅方向外側へ向かって折り返され、 その折り返された両側 縁部 2 2 aそれそれが、 ノ リア壁 7 0 にホヅ トメル ト接着剤 2 9 を介して接着している。 被覆シー ト 2 2 はまた、 芯材 2 1 の 端縁 4 0 bを越えて延びる端縁部分 2 7がホッ トメル ト接着剤 (図示せず） を介して内面シー ト 1 6 に接合している。 かよう な被覆シー ト 2 2 は、 芯材 2 1 の側縁 4 0 aの近傍において、 Z字型または逆 Z字型に折り畳まれた状態にある （図 5 , 6参 照）。被覆シー ト 2 2 には、 透液性の不織布ゃ閧孔プラスチヅク フィルム、 これら不織布とフ ィルムとの積層シ一 ト等が使用さ れる。

図 7 は、 図 4の V I I — V I I線部分断面図であって、 股部 被覆域 8 におけるバリ ア壁 7 ◦ を示し、 仮想線で示されたバリ ァ壁 7 0 は、 図 3の状態のバリ ア壁 7 0 に対応している。 ノ リ ァ壁 7 0 は、 不織布やプラスチヅク フィルム等のシー ト 7 9、 よ り好ま し く は不透液性のシー ト、 さ らに好ま し く は通気不透 液性のシー トからなるもので、 図示例ではシー ト 7 9 を重ねる こ とによ り形成され、 縦中心線 A— Aに平行な内側縁部 7 1 と 外側縁部 7 2 とを有する。 内側縁部 7 1 は、 吸収部 3の外面側 にあって、 被覆シー ト 2 2 の折り返された側縁部 2 2 a と内面 シー ト 1 6 とに接着剤 2 9 または溶着によって接合してお り、 吸収部 3の側縁部分 2 6 の近傍では、 吸収部 3の外面 2 4から 離間している （図 3参照）。 吸収部 3の幅方向において、 バリ ァ 壁 7 0 は吸収部 3の外面 2 4の側から、 側縁部分 2 6 に沿って 内面 2 3の側へ折曲されて縦中心線 A— Aへ向かった後に、 外 側縁部 Ί 2が吸収部 3の幅方向外側へ向く ように幅方向の中間 部位 7 3 において折曲されて、 幅方向断面が Z字型または逆 Z 字型を呈している。 かよう に折曲されたバリ ア壁 7 0は、 吸収 部 3の端縁部 2 7 において、 吸収部 3の内面を形成している被 覆シー ト 2 2 に接合する他に、 重な り合うバリア壁 7 0 どう し が接合しているが、 股部被覆域 8 においては、 図 7 に示される よう に、 内側縁部 7 1 が被覆シー ト 2' 2の折り返されている側 縁部 2 2 a と内面シー ト 1 6 とに接合しているこ とを除く と、 吸収部 3の内面 3 aに接合する こ と もなければ、 ノ リ ア壁 7 0 どう しで接合するこ ともない。 かようなバリ ア壁 7 0はまた、 図 3 , 4 に示されているよう に、 内側縁部 7 1 のう ちで、 吸収 部 3の外面 2 4から離間している部位 7 1 a と、 外側縁部 7 2 の縁 7 2 a と、 外側縁部 7 2 が外側へ折り返されている中間部 位 7 3 の近傍とに、それそれ少な く とも 1条からなる第 1， 2 , 3弾性部材 7 6， 7 7， 7 8 を有する。 これら第 1 , 2， 3弹 性部材 7 6 , 7 7 , 7 8 は、 吸収部 3の両端縁部分 2 7 と 2 7 との間で伸張状態にあ り、 互いに重なり合うシー ト 7 9 と 7 9 とのうちの少なく とも一方の内面に接合している。

吸収部 3がこのように形成されている図 4の状態のおむつ 1 は、 横中心線 B— Bに沿って折り重ね、 前後胴周り被覆域 6 , 7を接合域 4で一体にして図 1のおむつ 1 とする ときに、 股部 被覆域 8 において、 両側部分が図 2 , 3に示されているよう に 縦中心線 A— Aに向かって祈曲される。すなわち、吸収部 3は、 芯材要素 2 1 c と 2 1 eの外面 2 4 (図 3， 6参照） どう しが 向かい合い、 芯材要素 2 1 dと 2 1 f の外面 2 4 どう しが向か い合うように溝 2 0 rに沿って折曲され、 その折曲と同時に、 芯材要素 2 l aの内面 2 3 と芯材要素 2 1 c , 2 I dそれそれ の内面 2 3 とが向かい合い、 芯材要素 2 1 bの内面 2 3 と芯材 要素 2 1 e , 2 I f それそれの内面 2 3 とが向かい合う ように 溝 2 0 s と溝 2 0 t とに沿って、 吸収部 3の前方寄りの部分と 後方寄りの部分とにおいて幅方向中央部から側縁部分 2 6 に ま でほぼ V字型を画いて延びるそれそれの折曲部において折曲さ れる。 吸収部 3は、 溝 2 0 r , 2 0 s , 2 0 t において芯材, 2 1が全く存在しなぃか、 僅かに存在する程度の状態にあ り、 こ れら溝 2 0 r , 2 0 s , 2 0 tではそれらの周辺域よ り も剛性 が低く、 溝 2 0 r , 2 0 s， 2 0 t を案内として図 2の如く折 曲することが容易である。

吸収部 3を横中心線 B— Bに沿って折り重ね、 縦中心線 A— Aに向かって折曲するときに、 ノ リア壁 7 0は、 第 1， 2 ， 3 弾性部材 7 6 , 7 7 , 7 8が収縮して、 前後胴周り被覆域 6， 7 と股部被覆域 8 とのうち少なく とも股部被覆域 8において図 3の如く立ち上がる。 第 1、 3弾性部材 7 6， 7 8は、 図 2， 3において股部被覆域 8の内面側で立ち上がつている吸収部 3 の側方に位置して、 吸収部 3の縦中心線 A— Aに向かって折曲 されている部位を前後方向の内側、 すなわち矢印 :？， Qとは反 対の方向へ接近させ、 その部位が矢印 P， Q方向へ広がること を阻止している。 特に吸収部 3の外面 2 4の側にある第 1弾性 部材 7 6は、溝 2 0 r , 2 0 s， 2 0 t を横切らせるとともに、 それが有効に伸縮する長さを図 5の上下方向においてほぼ股部 被覆域 8の範囲内におさめておく ことによって、 吸収部 3の折 曲されている部位はおむつ 1の着用時にもその形状を維持し易 く なるとともに、 折曲されている吸収部 3に対してバリ ア壁 7 0がその折曲に追随することなく、 細かなギャザーを有しては いてもほぼ平らな面を形成しながら延びることを可能にする。 第 2弾性部材 7 7は、 吸収部 3の側縁部分 2 6の近傍に位置す ることによって、 股部被覆域 8 において、 互いに並行するノ リ ァ壁 7 0 どう しを、 折曲されて互いに接近している吸収部 3の 側縁部分 2 6 どう しよ り も大き く離間させることが可能である と同時に、 外側縁部 7 2 をおむつ着用者の脚周り に密着させる ことが可能である。 体液が仮に側縁部分 2 6 どう しの間に流入 しなくても、 第 2弾性部材 7 7の作用によって体液はおむつ 1 から漏れることがない。 第 3弾性部材 7 8は、 ノ リア壁 7 0の うちで、 第 1弾性部材 7 6 と第 2弾性部材 7 7 との間の中間部 位 7 3を股部被覆域 8の内面から立ち上がらせる効果を有して いる。

かくの如き構造を有するパンヅ型の使い捨ておむつ 1では、 図 3 に示されるよう に、 股部被覆域 8において幅が狭く なるよ うに折曲されることによっておむつ 1の上方へ向いている吸収 部 3の側縁部分 2 6 と 2 6 とがおむつ着用者の股部によ く密着 することに加え、 上方へ向いた側縁部分 2 6が性器に接近して 位置することが可能なので、 尿は幅方向へ広がることなく速や かに吸収される。 しかも、 両側縁部分 2 6 と 2 6 との間の部分 は下向きにくぼんだ内側ポケッ ト 3 0 aを形成していて着用者 の肌に密着することがないから、 尿を吸収して湿潤状態にある 吸収部 3の内面 3 aが広い面積にわたっておむつ着用者の肌に 接触して強い湿潤感を与えるという ことがない。 また、 体液が このポケッ ト 3 0 aに入らずに側縁部分 2 6の外へ流れても、 側縁部分 2 6の外側にあって縁 7 2 aがおむつ着用者の脚周り に密着可能なバリア壁 7 0がその排泄物の流れを止めるので、 体液がおむつ 1 の外へ漏れることはない。 吸収部 3の外面 2 4 は側縁部分 2 6の近傍が透液性の被覆シー 卜 2 2で形成されて いるから、 側縁部分 2 6の外へ流れた体液は、 折曲されて上を 向いている吸収部 3 とバリァ壁 7 0 との間に形成されている外 側ポケッ ト 3 0 b (図 3参照） へ流入してその外面 2 4から芯 材 2 1 に吸収される。 ただし、 芯材 2 1は、 図 3 に示されてい るように、 外面 2 4の幅方向の少なく とも一部分が、 例えば幅 方向の中央部が不透液性シートで直接的または間接的に覆われ ていてもよいものである。

また、 このおむつ 1では、 第 1 , 3弾性部材 7 6 , 7 8の作 用に加えて、 図 3 , 5 に示されているように、 吸収部 3の幅方 向において被覆シー ト 2 2の側縁部 2 2 aが外側へ向かって折 り返されてバリア壁 7 0のシート Ί 9 に接合し、 シー ト 7 9が 内面シート 1 6 に接合して固定されていることによつても、 溝 2 0 rに沿って折曲されている芯材要素 2 1 c と 2 1 e , 2 1 d と 2 I f は、 折曲される前の状態に戻ろう とする動き、 すな わちおむつ外側へ向かう動きが抑えられる。 おむつ外側へ向か う動きとは、図 3に示された矢印 Y方向の動きであって、第 1， 3弾性部材 7 6 , 7 8 と側縁部 2 2 aとの協働作用によってこ の動きが抑えられるおむつ 1では、 おむつ 1を着用している と きにも吸収部 3の折曲されている形状を維持することが容易で ある。

この発明では、 吸収部 3を図 2の如く折曲するときに、 芯材 2 1の厚さによっては溝 2 0 rを設けることなく、 溝 2 0 s、 2 0 tだけを設けて図の如く吸収部 3を折曲することも可能で ある。 また、 図 5 に示される吸収部 3の鎖線: R , S , Tに沿う 部位または鎖線 S , Tに沿う部位をエンボス加工用ロール等に よって曲部的に加圧または加熱加圧してそれらの周辺域よ り も 高剛性にして折曲のための案内とし、 その高剛性な部位に並行 して吸収部 3を折曲することも可能である。 この発明に係る使い捨ておむつは、 体液吸収部の両側縁それ それが、 股部被覆域において吸収部の幅方向内側へ向かって幅 が狭くなるように折曲され、 その側縁部の外側には吸収部の長 さ方向へ弾性的に収縮可能なバリア壁が設けられているから、 折曲されている吸収部の形状を確実に維持することができ、 ま た吸収部の外へ流れた体液をそのバリア壁で止めて、 体液の漏 れを防止することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 互いに直交する高さ方向と幅方向と前後方向とを有し、 前 記幅方向を二等分して前記高さ方向へ延びる中心線に関してほ ぼ対称に形成され、 内面側がおむつ着用者の肌と向かい合う一 方、 外面側が前記着用者の着衣と向かい合い、 前記着用者の前 胴周り域と後胴周り域と股部とを覆う前胴周り被覆域と後胴周 り被覆域と股部被覆域とによってパンヅ形状が画成されて胴周 り開口と一対の脚周 り開口とを有し、 前記股部被覆域を中心に 前記前後胴周り被覆域方向へ長く延びる体液吸収部が前記内面 側に形成されているパンヅ型の使い捨ておむつにおいて、

前記体液吸収部は吸液性芯材と透液性被覆シート とを含み、 前記肌と向かい合う内面部分と前記内面部分とは反対側の外面 部分とこれら両部分をつないで前記股部被覆域から前記前後胴 周り域へ延びる互いに並行な両側縁部分とを有し、 前記被覆シ 一トは前記芯材を前記内面部分と前記側縁部分と前記外面部分 の一部分とにおいて覆っており、 前記股部被覆域における前記 体液吸収部には前記側縁部分と側縁部分との間の中央部位に始 まって前記前胴周り域方向へほぼ V字形を画いて前記側縁部分 のそれぞれにまで延びる第 1折曲部と、 前記後胴周り域方向へ ほぼ V字形を画いて前記側縁部分のそれぞれにまで延びる第 2 折曲部と、 前記第 1， 2折曲部の間において前記幅方向へ延び る第 3折曲部とが形成され、 前記中心線を挟む前記体液吸収部 の両側縁部分それそれが前記第 3折曲部においては前記外面部 分どう しが向かい合う方向へ、 かつ前記第 1折曲部と第 2折曲 部とにおいては前記内面部分どう しが向かい合う方向へ折曲さ れており、 前記吸収部における前記側縁部分の外側には前記側縁部分に 沿って長く延び、 前記幅方向内側寄りの内側縁部と外側寄りの 外側縁部とを有するバリア壁が設けられ、 前記バリア壁は、 前 記股部被覆域において、 前記内側縁部が前記外面部分の外側に あって前記中心線寄りでは前記股部被覆域を形成するシー トお よび前記被覆シー トのいずれかに接合されて前記吸収部に対し て実質的に固定された状態にあ りかつ前記吸収部の前記側縁部 分寄りでは前記吸収部から離間して前記吸収部に対して変形自 由な状態にあり、 さ らに前記バリア壁は、 前記前後胴周り域に まで延びた端縁部分における前記内側縁部が前記吸収部の外面 部分の外側にあって前記前後胴周り被覆域を形成するシー トお よび前記被覆シ一トのいずれかに接合され、 前記バリァ壁の幅 方向における前記内側縁部と外側縁部との間の中間部分は、 前 記吸収部の側縁部分に沿って前記外面部分から内面部分へ向か つて折曲されて前記中心線寄りへ向かう とともに前記内面部分 に接合された後に、 前記外側縁部が前記幅方向の外側へ向かう ように折り返されていて重なり合う前記バリア壁どう しが互い に接合されており、

前記バリァ壁における前記外側縁部と、 前記幅方向の外側へ 向かうように折り返された部位の近傍と、 前記内側縁部のうち で前記吸収部から離間している部位とには、 前記前後胴周り域 に位置した前記端縁部分どう しの間に延びる弾性部材が伸長状 態で取り付けられ、 前記股部被覆域では前記バリァ壁がその長 さ方向へ伸縮可能な状態にあることを特徴とする前記使い捨て おむつ。

2 . 前記吸収部の前記外面部分は、 幅方向中央部が不透液性シ 004/019847

16 ー トで形成されている請求項 1 に記載の使い捨ておむつ。

3 . 前記吸収部の外面部分の外側には、 前記被覆シー トのさ ら に外側に位置する不織布と、 前記不織布のさ らに外側に位置し てプラスチッ ク フィ ルムからなる前記不透液性シー ト とを有す る請求項 2 に記載の使い捨ておむつ。