WO2003100422A1 - Procede de traitement de donnees de microreseau d'adn, systeme de traitement de donnees de microreseau d'adn, processeur de donnees de microreseau d'adn, programme et support d'enregistrement associes - Google Patents

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    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips

Description

明 細 書
DNAマイクロアレイデータ処理方法、 DNAマイクロアレイデータ処理システ ム、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラム、 および、 記録媒体 技術分野
本発明は、 DN Aマイクロアレイデータ処理方法、 DN Aマイクロアレイデー タ処理システム、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラム、 および、 記録媒体に関し、 特に、 例えば二蛍光標識法によるスパイク実験において複数の スパイク等を用いて効率的に発現画像データの解析を行う DN Aマイクロアレイ データ処理方法、 DNAマイクロアレイデータ処理システム、 DNAマイクロア レイデータ処理装置、 プログラム、 および、 記録媒体に関する。 背景技術
DN Aマイクロアレイ (本明細書において D N Aチップなどを含んだ概念で使 用する。 ) は、 ガラスなどの支持体上に遺伝子 DNA及びオリゴヌクレオチドな どを高密度で配列したデバイスであり、 cDNA、 c RNAあるいはゲノム DN Aなどとハイブリダイゼーシヨンを行うことにより、 遺伝子の網羅的な解析をす ることができる。 すなわち DN Aマイクロアレイにより、 発生'分ィ匕における遣 伝子発現プロフアイリング、 病態変動遺伝子群の解析及び遺伝子多型解析などが 可能であることが知られている (S c h e n a , M e t a 1. : Qu a n t i t a t i v e mon i t o r i ng o f g e n e e xp r e s s i o n p a t t e r n s w i t h a c omp l eme n t a r y DNA mi c r o a r r a y, S c i e n c e 270, 467-470, 1995) 0 病態変動遺伝子群の解析として例えば、 白血病の詳細分類を行う事で、 治療法 を変更すべき群を識別 ·鑑別しようとする応用例をあげることができる (Kh a n, J e t a 1. : C l a s s i f i c a t i o n a n d d i a gn o s t i c p r e d i c t i o n o f c a n c e r s u s i n g g e n e e xp r e s s i on p r o f i l i n g a n d a r t i f i c i a 1 n e u r a l n e two r k s、 Na t u r e Me d i c i n e 7, 673-679, (2001) ) 。 これに基づき、 数百の関連遺伝子の発 現を DNAマイクロアレイを用いて調べ、 発現パターンをクラスター解析してよ り精度の高い診断を試みようとしている。
また、 肝臓癌において 1 u c i f e r a s e遺伝子をスパイク (コントロー ル) として用い、 93.0種の特異的な遺伝子を搭載した DN Aマイクロアレイ解 析により、 遺伝子異常が解析された (Sh i r o t a, Y e t a 1. : I d e n t i f i c a t i o n o f D i f f e r e n t i a l l y Exp r e s s e d Gen e s i n He p a t o c e l l u l a r Ca r e i n o in a w i t h cDNA Mi c r o a r r a y s, He p a t o l o gy 33, 832— 840, 2001) 。
D N Aマイクロアレイは上記のように、 発!!解析、 病態解析など広範な分野で 応用が期待される手法であるが、 ごく最近の技術であるため、 研究者によるそれ らの検討はまだ途中段嚙であり、 確立した方法論はいまだ現れていない。 一方、 DNAマイクロアレイによる角率析手法は、 スライドガラスなどの支持体上に高密 度に固定された D N Aプローブなどと標識した試料核酸をハイブリダイスする過 程、 標識を検出する過程および検出データを解析する過程で構成されており、 そ の各過程において、 これまでに様々な問題が表出しており、 その解決が検討され ている。
それらの問題点とは、 主に感度、 ばらつき (同一マイクロアレイ内の同一遺伝 子間におきるもの、 またはマイクロアレイ間の誤差) であるが、 それらに加え反 応工程における誤差の積み重ね、 測定機器や支持体等の特性によるバイアス、 な ども含まれる。
一方、 DN Aマイクロアレイによる解析方法が普及するにつれ、 診断での応用 が期待されている。 そのためには (1) 患者サンフ レ同士が比較可能であること、 (2) 疾患特有の遺伝子発現の変化を感知できること (=低発現の遺伝子であつ てもその発現変化を感知できること) 等の工夫が必要となる。
これらの問題の解決策 (特に上記 ( 1 ) の解決策) として、 例えば同一マイク ロアレイ内の同一遺伝子のばらつきやマイクロアレイ間の誤差を少なくするため、 各種コントロール R NAなどの内部標準物質を用いた二蛍光標識法を用いた競合 的ハイプリダイゼーシヨンを行い、 更に検出データをコンピュータを用いて大量 解析する手法により、 測定の精度や再現性の向上が図られている。 ここで、 二蛍 光標識法とは、 二つの mR NAサンプルをそれぞれ異なる蛍光で標識し、 同一マ イクロアレイ上で競合的ハイブリダイゼーションを行って、 両方の蛍光を測定 · 比較することで遺伝子発現の差を検出する手法である。 そこでこの方法で一方を 測定対象 (検体 R NA) とし、 一方を対照 R N Aとして競合させ、 内部標準でノ 一マライズして比を取れば、 対照 R N Aが一定でさえあれば、 理論上は各遺伝子 におけるそれぞれの比を、 測定対象同士 (=異なるマイクロアレイ同士) で比較 することができることになる。
現在最も新しく、 力つ一般的教科書として利用されている S t e e n K n u d s e n著 「D NAマイクロアレイデータ解析入門」 (羊土社、 2 0 0 2年) の 「第 3章データ解析の基本」 では、 上述の内部標準によるノーマライズを 「スケ ール化」 と称して、 「いわゆるメンテナンス遺伝子 (ハウスキーピング遺伝子) を含めることで可能となる。 」 と述べている。
し力 し、 問題はそれほど単純ではなレ、。 二蛍光標識法において、 一方を検体 R NA、 一方を対照 R NAとした場合に、 何を対照 R NAとするかの選択自体が まず問題となってくる。 例えば、 臨床サンプルの個々の検証では検体を癌組織、 対照を (癌組織提供者の) 正常組織、 というように設定することが可能であるが、 実際の臨床で 々人に最適な対照群を置くことは容易ではない。 また、 データを 臨床的に用いるため (患者間を比較する) には、 対象 R NAはものさしの役割を 果たすことになるため、 常に一定の値を示すもので、 かつ、 安定的に供給できな くてはならない。
そこで、 これらの条件を満たす R N Aの供給源として、 通常は培養細胞を何種 類か混合したものを用いるのだが、 培養細胞は、 もともとの由来する臓器本来の DNA発現に加え (11蔵器ごとでハウスキーピング遺伝子の発現レベルが異なると の報告あり) 、 さらに細胞株樹立の工程で本来の遺伝子発現とは異なる発現態様 を示すことが知られている。 そのため一般的なメンテナンス遺伝子 レ、ウスキー ビング遺伝子) では、 スケール化 (ノーマライズ) が出来ない。
また、 ノーマライズ用に、 内部標準ではなく、 外部標準 RNA (スパイク RN A) を検体と対照 RNAに加えるやりかたもある。 具体例として、 Lu c y d e a Mi c r o a r r a y S c o r e Ca r d v 1. 1 (製品名 ) ( a m e r s a m ph a rma c i a b i o t e c h (会社名) ) においては、 ネ ガティブ 'コントロール、 ポジテイブ 'コント口一ノレ (ハウスキーピング遺伝子 など) 以外にダイナミック ·レンジ用おょぴレイシォ'コントロール用に一種類 の適切なスパイク RNAを用い、 コンピュータ解析と合わせて測定精度の向上が 図られている (Lu c y d e a Mi c r o a r r a y S c o r e Ca r d v 1. 1取扱説明書) 。 し力 し、 この方法では、 最終的に検体、 対照それぞれに 加えたスパイク R Aが同等でなければならないが、 それを確認する手段がないた め、 あまり推奨されていない (S t e e n Knu d s e n著 「DNAマイクロ アレイデータ解析入門」 第 3章、 羊土社 2002年)。 し力 し、 スパイク RN Aは外部からコントロールできるため、 もしうまくネ着正する手段があれば、 非常 に有効な対照となり得る。
また例えば、 "無処理 A細胞と薬剤 C処理 A細胞" と "無処理 B細胞と薬剤 C 処理 B細胞 "を実験に使用した場合、 各々の" 無処理の細胞 "をコントロールと して実験を行うと、 DN Aマイクロアレイでは薬剤 Cに対して応答する遺伝子の 変動を調べることができるが、 細胞 Aと細胞 Bのもともとの差異は解析しきれな い。 そこで細胞 Aと細胞 Bとは、 無関係である細胞 Dを設定して、 細胞 A、 細胞 Bに対し、 細胞 Dをコントロールとしたデータをそれぞれ取得し、 比較すること により、 細胞 Aと細胞 Bの相違が明らかにすることができる。 このような場合は 細胞 Dが細胞 A、 細胞 Bと無関係なため、 一般的なハウスキーピング遺伝子にお .いてもその発現状態は異なる可能性が高く、 外部からのスパイク R N Aを用いる 、 あるいは内部の遺伝子を用いる場合は、 あらかじめ最適な補正用遺伝子を選 択しておく必要がある。
これまでは D N Aマイクロアレイはもつばら研究用に使用されていたため、 癌 組織と正常組織等、 1個体内で同一臓器での比較なので、 ハウスキーピング遺伝 子での合わせ込み (ノーマライズまたはスケーノレ化) は有効であつたが、 D NA マイクロアレイを産業的に利用するためには、 アレイの種類 ' 目的によって、 ま ず、 使用すべきメンテナンス遺伝子の選択をする必要がある。 もし適切な遺伝子 を選択できなかった場合は、 それらを用いたノーマライズは、 逆に誤差の原因と なるからである。
また、 上記 ( 2 ) の問題として、 特に低発現遺伝子におけるばらつきがある。 その原因の一つとして、 測定機器 (スキャナ装置等) の物理的特性から、 測定可 能な範囲が非常に限定されていることが挙げられる。
例えば現在市販のマイクロアレイ用スキャナの測定レンジは 1 0 4程度で、 実 際に遺伝子の発現量をマイクロアレイで調べると、 高発現から低発現まで同時に 同じレーザーパワー (蛍光物質を励起させるためのレーザー光の強さ) 、 同じ P MTゲイン (光電子増倍管の感度:蛍光を測定する感度) では測定できない。 例 えば、 低発現遺伝子を測定するためには、 レーザーパワーまたは PMTゲインを 上げる必要があり、 この時、 高発現遺伝子の測定値は飽和しており測定できない。 一方、 高発現遺伝子を測定するためには、 レーザーパワーと PMTゲインを下げ る必要性があるが、 この時は、 低発現遺伝子は測定値がゼロまたはそれに近い値 となり、 個々のスポットの微妙な差は数値化されなレ、。 すなわち、 同時に高発現 遺伝子と低発現遺伝子を 1回のスキャニング条件で測定することはできない。 そ こで通常のスキャニング方法では発光強度の中間点に測定レンジを調整し、 発現 が極端に高いものと低いものは、 データとして捨てざるを得ないことになる。 さらに、 二蛍光標識法を用いても、 実際には、 スキャナ特性や色素の物理ィ匕学 的特性、 蛍光物質 (C y 3、 C y 5 ) の核酸への取り込み効率などによってこれ らの値にバイァスがかかり、 ばらつき以外の誤差の原因となっていることが知ら れている (例; l. Yu J, O t hma n M I , F a r j o R, Z a r e p a r s i S, Ma c N e e SP, Yo s li i d a S, S w a r o o p A. Ev a l u a t i o n a n d o p t im i z a t i o n o f p r o c e du r e s f o r t a r g e t l a b e l i ng a n d hyb r i d i z a t i o n o f c DN A m i c r o a r r a y s. Mo 1 V i s. 2002 Ap r 26 ; 8 : 130-7. 2. ' t H o e n P A, d e K o r t F, v a Omm e n G J , d e n D n n e n J T. F l u o r e s c e n t l a b e l l i n g o f c RNA f o r mi c r o a r r a y a p p l i c a t i o n s. N u c l e i c Ac i d s Re s. 2003 Ma r 1 ; 31 (5) : e 2
0. ) 。
その結果として低発現および高発現領域のデータがしばしば非線形 (非直線 性) となり、 それら非線形部分のデータが使用できなくなる。 そこでそれらの誤 差を取り除き、 データ全体を線形とするための何らかの工夫が必要となる。 S c h a d tらはこの問題を曲線の部分ごとにスケール化係数を変える局所スケール 化をすることで解消できるとしているが (S c h a d t, E. e t. a 1. , 2000, An a l y z i n g h i gh— d e n s i t y o 1 i g o n u c l e o t i d e g e n e e z p r e s s i o n a r r a y d a t a, J. Ce l l . b i oCh em. , 80 : 192— 201) 、 これは A f f yme t r i x (会社名) の合成オリゴタイプのマイクロアレイについてであ り、 一般的な cDNAアレイには応用できない。
一方この問題はさらに異なる局面からの困難さがともなっている。 例えば上述 した 「DNAマイクロアレイデータ解析入門」 の日本語版監訳者がその 「監訳者 の序」 において 「 · '一番大きな問題点は得られた情報の処理、 解析、 · · ·な どの過程に研究者がナイーブな点にあると考えられる。 · · 'その結果の解析 が最も大きな障害となることが予測される。 」 (羊土社、 S t e e n Knud s e n著、 塩島ら監訳、 2002年) と述べて いるように、 DN Aマイクロアレイの解析は、 その研究を担う生物学研究者にと つて未知の領域であるため、 ほとんどの研究者が実験の手技そのものよりも、 実 験で得られたデ一タの解析に困難さを感じているのが実情である。
例えば DN Aマイクロアレイデータを処理するのに、 ほとんどの研究者は既存 あるいは市販のソフトウェアパッケージを使用しているが、 問題は解析のツ^ "ル 取得ではなく、 むしろそこに並べられている様々な解析法のどれを用いて数字ィ匕 すべきなのか、 あるレ、は数字化したデータをどの方法で解析すべきか (例えば、 クラスター解析ひとつにしても階層型クラスター化、 k_me a n sクラスター ィヒ、 自己糸且,織化マップ (SOM) 等いくつかの方法があり、 方法によって結果が 異なる等) というところにある。
特にデータの捕正方法は、 マイクロアレイ全体の捕正としてはハウスキーピン グ遺伝子を用いた補正やグローバル補正等がすでに知られているが ( 「DNAマ イクロアレイと最新 p C R法」 p 36、 細胞工学別冊、 秀潤社) 、 D N Aマイク ロアレイに固有の問題、 例えばスキャナーの最適領域を外れた値をどのように補 正するかにっ ヽては既存の統計処理方法をそのまま当てはめることができず、 そ れぞれの工夫が必要となる。 しかしそれらは一般の生物学研究者にはなじみのな い、 高度に専門化された数学的手法の理解を必要とするものである (例; Mi c r o a r r a y d a t a n o rma l i z a t i o n a n d t r a n s f o rma t i o n, J o hn Qu a c k e n b u s h, Na t u r e Ge n e t i c s Sup p l eme n t, Vo l 32, 496— 501, 2002) o
上記のような検討が行われているものの、 更なる測定の精度や感度あるいは再 現性の向上が求められており、 特に遺伝子プロファイリングゃ病態の遺伝子の解 析においては、 低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上おょぴそのための簡易で 操作性のよいツールは重要な課題となっている。 また、 同時に作業の煩雑さを軽 減し効率化を図る上で、 スキャニングからデータ解析に至る完全自動化も重要な 課題となっている。
従って、 本発明は、 上記課題に鑑みてなされたもので、 従来は一種類とされて いたスパイク R N Aゃハウスキーピング遺伝子などのコント口ール用遺伝子に複 数の遺伝子 RN Aを使用することにより、 DNAマイクロアレイによる測定精度 や再現性の向上を可能とし、 測定レンジを拡大させ、
また、 RN Aの増幅や標識反応、 アレイ上での結合 (ハイプリダイゼーショ ン) 反応、 およびシグナル取込み等の一連の過程において現れる様々なばらつき や誤差を、 補正によって取り除くことにより信頼性の高いデータを取得し、 さらにそれらの補正方法を一般生物学研究者が容易に理解しうる構成とするこ とで、 ユーザーが自由に操作'活用でき、
, 同時に作業の煩雑さを軽減し効率ィ匕を図り、 スキャニングからデータ解析に至 る完全自動化を可能とする DNAマイクロアレイデータ処理方法、 DNAマイク ロアレイデータ処理システム、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラ ム、 および、 記録媒体を提供することを目的としている。 発明の開示
すなわち、 本発明は従来一種類とされていたスパイク RNAゃノヽウスキーピン グ遺伝子などのコントロール用遺伝子に複数の遺伝子 RN Aを使用することによ り、 より具体的には一例として、 ゥミシィタケルシフェラーゼ (Re n i 1 1 a l c i f e r a s e) 遺伝子 (R 1 u c) 、 / キュロウィ/レス (b a c u 1 o v i r u s) 膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダファージ e a 22遺伝 子 (e a 22) の三種の遺伝子断片由来 mRNAをスパイク RNAとして用いる こと、 または、 b e t a— a c t i n、 GAPDH、 o l y (A) b i n d i n g p r o t e i n (PABP) , g l y c y l t RNA s y n t h e t a s e、 h nRNP H 1等の遺伝子をコントロール用スポットとして用いる ことにより、 本発明を完成するに至った。
また、 本発明は既存の一律的な銃計処理方法ではなく、 実際に即した一連のデ ータ補正 ·処理方法を統合して用いることにより、 本発明を完成するに至った。 上述した目的を達成するため、 本発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処 理方法は、 複数のスパイク用遺伝子から調整した R N Aまたは複数の人工的に合 成した R N Aをコントロールとして測定対象の R N Aに混入して調整した試料を 用いてハイブリダイゼーションを行った D N Aマイクロアレイの発光支持体のス キヤニングを行い、 当該複数のコントロール用 R NAが結合した各コントロール 用スポットのシグナル強度に基づレヽてスキヤニング画像の上記測定対象の R N A の各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーン aンを行うことを特徴と する。
この方法によれば、 複数のスパイク用遺伝子から調整した R NAを測定対象の R NAに混入して調整した試料を用いてハイブリダイゼーションを行った D NA マイクロアレイの発光支持体のスキャニングを行い、 当該複数のコント口ール用
R NAが結合した各コントロール用スポットのシグナル強度に基づいてスキヤ二 ング画像の測定対象の: N Aの各スポットに対してシグナル強度のノ一マライゼ ーシヨンを行うので、 D N Aマイクロアレイによる測定レンジの拡大、 精度や再 現性の向上が図られ、 特に遺伝子プロフアイリングゃ病態遺伝子の解析において 重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図ることができる。
また、 これにより、 同作業の煩雑さを軽減し効率ィ匕を図ることができ、 スキヤ ユングからデータ解析に至るまでの完全自動化をも図ることができるようになる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 測定対象の R N Aに複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよぴ Zまたは複数の人工 的に合成したコント口ール用 R N Aを混入して調整した試料に対して D N Aマイ クロアレイを用いてハイブリダイゼーションを行うハイブリダイゼ一ションステ ップと、 上記ハイブリダイゼージョンステツプにてハイブリダイゼーションを行 つた上記 D N Aマイクロアレイについてスキャナ装置を用いて発光支持体をスキ ャニングするスキャニングステップと、 上記スキャニングステップにてスキヤ二 ングされたスキヤニング画像の上記複数のコント口ール用 R NAが結合した各コ ントロール用スポットのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度に なるように、 上記測定対象の R N Aの各スポットのシグナル強度のノーマライゼ ーションを上記コントロール用 R NA毎に実行するノーマライズステップと、 上 記ノーマライズステップにて各コントロール用 R N Aによってノーマライズされ た各測定対象スポットのシグナル強度に基づレ、て、 スキヤニング画像の各測定対 象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選 択ステップとを含むことを特徴とする。
.この方法によれば、 測定対象の R NAに複数のコントロール用遺伝子から調整 した R N Aを混入して調整した試料に対して D NAマイクロアレイを用いてハイ ブリダイゼーションを行レヽ、 ハイブリダィゼーシヨンを行った D NAマイクロア レイについてスキャナ装置を用いて発光支持体をスキャニングし、 スキャニング されたスキヤニング画像の複数のコント口ール用 R N Aが結合した各スポットの シグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対象の R N Aの各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンをコント口ール用 R NA毎に実行し、 各コントロール用 R NAによってノーマライズされた各測定対 象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N A のシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するので、 D N Aマイクロアレ ィによる測定レンジの拡大、 精度や再現性の向上が図られ、 特に遺伝子プロファ ィリングゃ病態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の 向上を図ることができる。
また、 これにより、 同作業の煩雑さを軽減し効率ィ匕を図ることができ、 スキヤ エングからデータ解析に至るまでの完全自動化をも図ることができるようになる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法において、 上記スキャニングステップは、 上 記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシグナル 強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コントローノレ用 R N A毎に上記発光支持体をスキャニングすることを特徴とする。 これはスキャニングの一例を一層具体的に示すものである。 この方法によれば、 複数のコントロール用 R NAが結合した各コントロール用スポットのシグナル強 度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半分程度) になるように調整してコント口ール用 R N A毎に発光支持体をスキヤユングする ので、 それぞれのコントロール用 R N Aが一番安定したシグナルとして取り込め るような条件で、 コントロール毎に感度調整を行いながら複数回 (用いたコント ロールの数) スキャニングを行うことができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記測定対象の R NAはヒト遺伝 子 R NAであり、 上記複数のコントロール用 R NAはヒ ト遺伝子とはハイブリダ ィズしない複数の非ヒ ト遺伝子断片から調整した R N Aおよぴ Zまたは複数の人 ェ的に合成した R NAであることを特徴とする。
これは測定対象の R NAおよびコントロール用 R N Aの一例を一層具体的に示 すものである。 この方法によれば、 測定対象の R NAはヒト遺伝子 R NAであり、 複数のコント口ール用 R N Aはヒト遺伝子とはハイプリダイズしなレ、複数の非ヒ ト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成した R N A であるので、 非特異的な反応を抑え、 ヒトの遺伝子プロファイリングゃ病態遺伝 子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図ることがで きる。 より具体的には、 例えばヒ トの C型肝炎のインターフェロンによる治療効 果の予測判定などに D NAマイクロアレイが利用可能となり、 従来から用いられ ている肝生検などで得られている病理診断情報にカ卩え、 積極的な治療を目指した 患者への情報提供を提供することができるようになる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記測定対象の R NAは非ヒト遺 伝子 R NA、 または非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 R NAの混合で、 上記複数 のコントロール用 R NAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイ プリダイズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび Zまたは複 数の人工的に合成した RN Aであることを特徴とする。
これは測定対象の RNAおよびコント口ール用 RNAの一例を一層具体的に示 すものである。 この方法によれば、 測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 ま たは非ヒト遺伝子 R N Aとヒト遺伝子 R N Aの混合で、 複数のコント口ール用 R NAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイプリダイズしない複 数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成し た RN Aであるので、 さらに測定対象を非ヒト遺伝子まで広げることにより、 例 えばヒト組織中のウィルスの存在とその量を確認しつつヒト遺伝子の発現をモニ ターすることなどが可能となる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法にぉレ、て、 上記複数のコント口ール用 R N A は、 測定対象の遺伝子群の高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺 伝子群に相当する量の RNAを用いることを特徴とする。
これはコント口ール用 R N Aの一例を一層具体的に示すものである。 この方法 によれば、 複数のコント口ール用 R N Aは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺伝子 群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RNAを用いるの で、 各遺伝子の発現レベルに従つて適切な測定データを取得することができるよ うになる。
つぎの発明にかかる DN Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記複数のコントロー/レ用 RNA は、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c) 、 パキュロウィルス膜蛋白 遺伝子 (g P 64) 、 および、 ラムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断 片を用いて調整することを特 ί敷とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 この方法 によれば、 複数のコントロール用 RNAは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダフ ァージ e a 22遺伝子 (e a 22) を用いて調整するので、 これらをスパイクと して髙発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群について適切な 測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理方法は、 測定対象サンプ ルに含まれ、 カゝっ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の D N Aをコン トロール用スポットとしてそれぞれスポットした D N Aマイクロアレイを用いて ハイプリダイゼーションを行った D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキヤ二 ングを行い、 当該複数のコント口ール用スポットに結合した R N Aのシグナル強 度に基づレ、てスキヤニング画像の測定対象の R N Aが結合した各スポットに対し てシグナル強度のノーマライゼーションを行うことを特徴とする。
この方法によれば、 測定対象サンプルに含まれ、 カゝっ測定対象遺伝子以外から 選択した複数の遺伝子の D N Aをコント口ール用スポットとしてそれぞれスポッ トした D NAマイクロアレイを用いてハイブリダイゼーションを行った D N Aマ イクロアレイの発光支持体のスキャニングを行い、 当該複数のコントロール用ス ポットに結合した R N Aのシグナル強度に基づ!/、てスキヤニング画像の測定対象 の R N Aが結合した各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーシヨンを 行うので、 コントロール用遺伝子は必ずしも外部から加えるものに限られず、 測 定対象サンプル内に含まれ、 かつサンプル毎の変動がほとんど見られない遺伝子 (例えばいわゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コントロールとして 岗様に用いることができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理方法は、 測定対象遺伝子 の R NAに対して、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選 択した複数の遺伝子の D NAをコントロール用スポットとしてそれぞれスポット した D N Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼーションを行うハイブリダィ ゼーションステップと、 上記ハイブリダィゼージョンステップにてハイプリダイ ゼーションを行った上記 D NAマイクロアレイについてスキャナ装置を用いて発 光支持体をスキヤニングするスキャニングステップと、 上記スキャニングステッ プにてスキャニングされたスキヤニング画像の上記複数のコント口ール用スポッ トに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度にな るように、 上記測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマ ラィゼーションを上記コント口ール用スポットの遺伝子毎に実行するノーマライ ズステップと、 上記ノーマライズステップにて各コントロール用スポットによつ てノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキヤ二 ング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択 するシダナノレ強度選択ステツプと含むことを特徴とする。
この方法によれば、 測定対象遺伝子の R NAに対して、 測定対象サンプルに含 まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の D NAをコントロー ル用スポットとしてそれぞれスポットした D NAマイクロアレイを用いてハイブ リダイゼーションを行い、 ハイブリダィゼーションを行った D NAマイクロアレ ィについてスキャナ装置を用いて発光支持体をスキャニングし、 スキャニングさ れたスキャユング画像の複数のコント口ール用スポットに結合した R N Aのシグ ナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションをコントローノレ 用スポットの遺伝子毎に実行し、 各コントローノレ用スポットによってノーマライ ズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各 測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するので、 コ ントロール用遺伝子は必ずしも外部から加えるものに限られず、 測定対象サンプ ル内に含まれ、 かつサンプル毎の変動がほとんど見られない遺伝子 (例えばいわ ゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コントロールとして同様に用いる ことができるようになる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記スキヤ二ンダステップは、 上 記複数のコント口ール用スポットに結合した R NAのシグナル強度が予め定めた 測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール用スポットの遺伝子毎 に上記発光支持体をスキャニングすることを特徴とする。 これはスキヤユングの一例を一層具体的に示すものである。 この方法によれば、 複数のコントロール用スポットに結合した R NAのシグナル強度が予め定めた測 定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半分程度) になるように調整 してコントロール用スポットの遺伝子毎に発光支持体をスキャニングするので、 それぞれのコント口ール用スポットが一番安定したシグナルとして取り込めるよ うな条件で、 コントロール用スポット毎に感度調整を行いながら複数回 (用いた コント口一ノレ用スポットの数) スキャニングを行うことができるようになる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法にぉレ、て、 上記複数のコント口ール用スポッ トは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 およ ぴ、 低発現遺伝子群に相当する発現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いることを特徴とする。
これはコントロール用スポットの一例を一層具体的に示すものである。 この方 法によれば、 複数のコントロール用 R N Aは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ 高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現量を 示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いるので、 各遺伝子の発現レベル に従って適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記ノーマライズステップは、 上 記複数の異なる上記コントロール用 R NAを用いたスキャニングにより複数の異 なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コント 口一ル用 R N Aの中から選択した一種類または数種類の上記コント口ール用スポ ットのシグナル強度に換算することにより統合する統合化ステップをさらに含む ことを特 ί敷とする。
これはノーマライズステップの一例を一層具体的に示すものである。 この方法 によれば、 複数の異なるコントロール用 R NAを用いたスキャニングにより複数 の異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コ ントロール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類のコントロール用スポ ットのシグナル強度に換算することにより統合するので、 複数の異なる条件で取 得した各スポットのシグナル強度を容易に比較することができるようになる。 つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理方法において、 上記ノーマライズステップは、 上 記統合化ステップにて換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法にお ける対照検体と測定検体のシグナノレ強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定する棄却値選定ステップ と、 上記棄却値選定ステップにより選定された上記棄却値を用レヽて棄却した後の 残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表値 を決定する仮代表値決定ステツプと、 上記仮代表値決定ステツプにて決定された 上記仮代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持 つように補正して代表値を決定する回帰式補正ステップとをさらに含むことを特 徴とする。
これはノーマライズステップの一例を一層具体的に示すものである。 この方法 によれば、 換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法における対照検 体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定 またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定し、 選定された上記棄却値を用い て棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺 伝子の仮代表値を決定し、 決定された仮代表値から求めた回帰式により、 各スポ ットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定するので、 従来 技術における測定上の誤差の問題、 特に低発現領域と高発現領域で見られる非線 形の問題を解消することができる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法において、 上記ノーマライズステップは、 あ らかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝 子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定する補正用 遺伝子補正ステツプをさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズステツプの一例を一層具体的に示すものである。 この方法 によれば、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示 す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正する ことにより、 対照検体と測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定するの で、 さらに測定誤差を少なくすることができる。
また、 本発明は D NAマイクロアレイデータ処理システムに関するものであり、 本発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理システムは、 D N Aマイクロア レイの発光支持体のスキャニングを行うスキャナ装置と、 当該スキャナ装置によ りスキャニングされたスキャニング画像にっレ、て情報処理を行う D N Aマイクロ ァレイデータ処理装置とを含んで構成される D NAマイクロアレイデータ処理シ ステムであって、 上記スキャナ装置は、 複数の遺伝子から調整したコントロール 用 R N Aおよぴ Zまたは人工的に合成したコント口ール用 R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整した試料を用いてハイブリダイゼーションを行った上記 D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキヤニングを行うスキヤニング手段を備え、 上記 D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、 上記スキャニング手段にてスキヤ ユングされたスキヤニング画像の上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各 コントローノレ用スポットのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度 になるように、 上記測定対象の R NAの各スポットのシグナル強度のノーマライ ゼーションを上記コント口ール用 R N A毎に実行するノーマライズ手段と、 上記 ノーマライズ手段にて各コントロール用 R N Aによってノーマライズされた各測 定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナノレ強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選択手段 とを備えることを特徴とする。
このシステムによれば、 D NAマイクロアレイの発光支持体のスキヤニングを '行うスキャナ装置と、 当該スキャナ装置によりスキャニングされたスキャニング 画像について情報処理を行う D N Aマイクロアレイデータ処理装置とを含んで構 成される D NAマイクロアレイデータ処理システムであって、 スキャナ装置は、 複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよび/または人工的に合成し たコント口ール用 RNAを測定対象の R N Aに混入して調整した試料を用いてハ イブリダイゼーションを行った D NAマイクロアレイの発光支持体のスキヤニン グを行い、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、 スキャニングされたスキヤ 二ング画像の複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポット のシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対象 の R NAの各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンをコントロール用 R NA毎に実行し、 各コントロール用 R NAによってノーマライズされた各測定 対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するので、 D NAマイクロア レイによる測定レンジの拡大、 精度や再現†生の向上が図られ、 特に遺伝子プロフ アイリングゃ病態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性 の向上を図ることができる。
また、 これにより、 同作業の煩雑さを軽減し効率ィ匕を図ることができ、 スキヤ エングからデータ解析に至るまでの完全自動化をも図ることができるようになる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D NAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記スキャニング手段は、 上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシグナ ル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように感度を調整して上記コントロ ール用 R N A毎に上記発光支持体をスキャユングするスキヤユング感度調整手段 をさらに備えることを特徴とする。
これはスキヤニングの一例を一層具体的に示すものである。 このシステムによ れば、 複数のコントロール用 R NAが結合した各コントロール用スポットのシグ ナル強度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半分 程度) になるように調整してコントロール用 R NA毎に上記発光支持体をスキヤ ユングするので、 それぞれのコントロール用 RNAが一番安定したシグナルとし て取り込めるような条件で、 コント口ール毎に感度調整を行いながら複数回 (用 いたコントロールの数) スキャニングを行うことができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の DNAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記測定対象の RNAは ヒト遺伝子 RNAであり、 上記複数のコントロール用 RNAはヒト遺伝子とはハ イブリダイズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した RN Aおよび Zまたは 複数の人工的に合成した RNAから調整した RNAであることを特徴とする。 これは測定対象の RNAおよびコント口ール用 R N Aの一例を一層具体的に示 すものである。 このシステムによれば、 測定対象の RNAはヒト遺伝子 RNAで あり、 複数のコント口ール用 R N Aはヒト遺伝子とはハイブリダイズしない複数 の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成した RNAであるので、 非特異的な反応を抑え、 ヒ トの遺伝子プロフアイリングや病 態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図るこ とができる。 より具体的には、 例えばヒ トの C型肝炎のインターフェロンによる 治療効果の予測判定などに DN Aマイクロアレイが利用可能となり、 従来から用 いられている肝生検などで得られている病理診断情報に加え、 積極的な治療を目 指した患者への情報提供を提供することができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の DNAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記測定対象の RNAは 非ヒト遺伝子 RNA、 または非ヒト遺伝子 RNAとヒト遺伝子 RNAの混合であ り、 上記複数のコントロール用; NAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のい ずれともハイプリダイズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した RN Aおよ ぴ Zまたは複数の人工的に合成した R N Aであることを特徴とする。
これは測定対象の RNAおよぴコントロール用 RN Aの一例を一層具体的に示 すものである。 このシステムによれば、 測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 または非ヒト遺伝子 RNAとヒト遺伝子 RN Aの混合であり、 複数のコントロー ル用 RNAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイブリダィズし なレヽ複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよぴ Zまたは複数の人工的に 合成した RNAであるので、 さらに測定対象を非ヒト遺伝子まで広げることによ り、 例えばヒト組織中のウィルスの存在とその量を確認しつつヒト遺伝子の発現 をモニターすることなどが可能となる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の DNAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記複数のコントロール 用 RNAは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RN Aを用いることを特敷とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 このシス テムによれば、 複数のコント口ール用 R Ν Αは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺 伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の: N Aを用い るので、 非特異的反応を抑え、 各遺伝子の発現レベルに従って適切な測定データ を取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D N Aマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記複数のコントロール 用 RNAは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R 1 u c) 、 バキュ口ウィル ス膜蛋白遺伝子 (g P 64) 、 および、 ラムダファージ e a 22遺伝子 (e a 2 2) の断片を用いて調整することを特徴とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 このシス テムによれば、 複数のコントロール用 RN Aは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺 伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラム ダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整するので、 これらを スパイクとして高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群につ いて適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理システムは、 DNAマイ クロアレイの発光支持体のスキヤニングを行うスキヤナ装置と、 当該スキヤナ装 置によりスキャニングされたスキャニング画像について情報処理を行う D NAマ イクロアレイデータ処理装置とを含んで構成される D NAマイクロアレイデータ • 処理システムであって、 上記スキャナ装置は、 測定対象サンプノレに含まれ、 かつ 測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の D NAをコントロール用スポッ トとしてそれぞれスポットした D N Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼー シヨンを行った上記 D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキャニングを行うス キヤニング手段を備え、 上記 D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、 上記スキ ャユング手段にてスキャニングされたスキャニング画像の上記複数のコントロー ル用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナ ル強度になるように、 上記測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強 度のノーマライゼーションを上記コント口ール用スポット遺伝子毎に実行するノ 一マライズ手段と、 上記ノーマライズ手段にて各コントロール用スポットによつ てノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキヤ二 ング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択 するシダナ/レ強度選択手段とを備えることを特徴とする。
このシステムによれば、 D NAマイクロアレイの発光支持体のスキヤニングを 行うスキャナ装置と、 当該スキャナ装置によりスキャニングされたスキャニング 画像について情報処理を行う D N Aマイクロアレイデータ処理装置とを含んで構 成される D NAマイクロアレイデータ処理システムであって、 スキャナ装置は、 測定対象サンプルに含まれ、 カゝっ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子 の D NAをコントロール用スポットとしてそ;^ぞれスポットした D NAマイクロ アレイを用いてハイプリダイゼーションを行った上記 D NAマイクロアレイの発 光支持体のスキャニングを行い、 D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 スキ ャユングされたスキャニング画像の複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定 対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションを上 記コントロール用スポット遺伝子毎に実行し、 各コントロール用スポットによつ ' てノーマライズされた各測定対象スポッ トのシグナル強度に基づいて、 スキヤ二 ング画像の各測定対象の R NAのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択 するので、 コントロール用遺伝子は必ずしも外部から加えるものに限られず、 測 定対象サンプル内に含まれ、 力っサンプル毎の変動がほとんど見られない遺伝子 (例えばいわゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コントロー として 同様に用いることができるようになる。
つぎの発明にかかる D Ν Αマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 • の D N Aマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記スキャニング手段は、 上記複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め定め た測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール用スポットの遺伝子 毎に上記発光支持体をスキャニングすることを特徴とする。
これはスキヤニングの一例を一層具体的に示すものである。 このシステムによ れば、 複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め定 めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半分程度) になるよう に調整してコントロール用スポットの遺伝子毎に発光支持体をスキャニングする ので、 それぞれのコントロール用スポットが一番安定したシグナルとして取り込 めるような条件で、 コント口ール用スポット毎に感度調整を行いながら複数回
(用いたコント口ール用スポットの数) スキャニングを行うことができるように なる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D NAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記複数のコントローノレ 用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子 群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現量を示す遺伝子から選択された遺伝 子の D NAを用いることを特徴とする。
これはコントロール用スポットの一例を一層具体的に示すものである。 このシ ステムによれば、 複数のコントロール用 R N Aは、 測定対象サンプル内で、 それ ぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現 量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いるので、 各遺伝子の発現レ ベルに従って適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D NAマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記ノ一マラィズ手段は、 上記複数の異なる上記コント口ール用 R NAを用いたスキャニングにより複数の 異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コン ト口ール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類の上記コント口ール用ス ポットのシグナル強度に換算することにより統合する統合化手段をさらに含むこ とを特敫とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 このシステム によれば、 複数の異なるコント口ール用 R N Aを用いたスキャニングにより複数 の異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コ ントロール用 R NAの中から選択した一種類または数種類のコントロール用スポ ットのシグナル強度に換算することにより統合するので、 複数の異なる条件で取 得した各スポットのシダナ/レ強度を容易に比較することができるようになる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D N Aマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記ノーマライズ手段は、 上記統合化手段にて換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法におけ る対照検体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定する棄却値選定手段と、 上記棄却値選定手段により選定された上記棄却値を用レヽて棄却した後の残された 同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表値を決定す る仮代表値決定手段と、 上記仮代表値決定手段にて決定された上記仮代表値から 求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して 代表値を決定する回帰式捕正手段とをさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 このシステム によれば、 換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法における対照検 体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定 またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定し、 選定された上記棄却値を用い て棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺 伝子の仮代表値を決定し、 決定された仮代表値から求めた回帰式により、 各スポ ットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定するので、 従来 技術における測定上の誤差の問題、 特に低発現領域と高発現領域で見られる非線 形の問題を解消することができる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理システムは、 上記に記載 の D N Aマイクロアレイデータ処理システムにおいて、 上記ノーマライズ手段は、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺 伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定する補正用 遺伝子補正手段をさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 このシステム によれば、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示 す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正する ことにより、 対照検体と測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定するの で、 さらに測定誤差を少なくすることができる。
また、 本発明は D NAマイクロアレイデータ処理装置に関するものであり、 本 発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 複数の遺伝子から調整し たコントロール用 R NAおよび/または複数の人工的に合成したコントロール R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整した試料を用いてハイプリダイゼーショ ンを行つた D NAマイクロアレイの発光支持体のスキヤユングを行うスキヤナ装 置からスキヤニング画像を取得するスキヤニング画像取得手段と、 上記スキヤ二 ング画像取得手段にて取得された上記スキャニング画像の上記複数のコントロー ル用 R NAが結合した各コントロール用スポットのシグナル強度がそれぞれ予め 定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R N Aの各スポットのシ グナル強度のノーマライゼーションを上記コントロール用 R N A毎に実行するノ 一マライズ手段と、 上記ノーマライズ手段にて各コントロール用 R NAによって ノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキヤニン グ画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択す るシグナル強度選択手段とを備えることを特徴とする。
この装置によれば、 複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよび Z または複数の人工的に合成したコントロール R N Aを測定対象の R N Aに混入し て調整した試料を用いてハイブリダィゼーションを行った D N Aマイクロアレイ の発光支持体のスキャニングを行!/ \ 複数のコント口ール用 R N Aが結合した各 コントローノレ用スポットのシグナル強度に基づいてスキャニング画像の測定対象 の R N Aの各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーションを行うので、 D N Aマイクロアレイによる測定レンジの拡大、 精度や再現性の向上が図られ、 特に遺伝子プロフアイリングゃ病態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の 測定精度や再現性の向上を図ることができる。 さらに測定対象を非ヒト遺伝子ま で広げることにより、 例えばヒト組織中のウィルスの存在とその量を確認しつつ ヒト遺伝子の発現をモニターすることなどが可能となる。
また、 これにより、 同作業の煩雑さを軽減し効率化を図ることができ、 スキヤ 二ングからデータ角军析に至るまでの完全自動化をも図ることができるようになる。 つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記スキャニング画像は、 上記複 数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシグナル強度 が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール用 R N A 毎にスキャニングされた複数の画像であることを特徴とする。
これはスキャニングの一例を一層具体的に示すものである。 この装置によれば、 複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシグナル強 度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半分程度) になるように調整してコント口一ノレ用 R N A毎に上記発光支持体をスキヤユング するので、 それぞれのコントロール用 RNAが一番安定したシグナルとして取り 込めるような条件で、 コントロール毎に感度調整を行いながら複数回 (用いたコ ントロールの数) スキャニングを行うことができるようになる。
つぎの発明にかかる DN Aマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理装置において、 上記測定対象の RN Aはヒ ト遺伝 子 RNAであり、 上記複数のコントロール用 RN Aはヒト遺伝子とはハイブリダ ィズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した RNAおよび Zまたは複数の人 ェ的に合成した RN Aであることを特 ί敷とする。
これは測定対象の RN Αおよびコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示 すものである。 この装置によれば、 測定対象の RNAはヒ ト遺伝子 RNAであり、 複数のコントロール用 RNAはヒト遺伝子とはハイブリダイズしない複数の非ヒ ト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/ "または複数の人工的に合成した R N A であるので、 非特異的な反応を抑え、 ヒ トの遺伝子プロフアイリングや病態遺伝 子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図ることがで きる。 より具体的には、 例えばヒ トの C型肝炎のインターフェロンによる治療効 果の予測判定などに D N Aマイクロアレイが利用可能となり、 従来から用いられ ている肝生検などで得られている病理診断情報にカ卩え、 積極的な治療を目指した 患者への情報提供を提供することができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記測定対象の RN Aは非ヒト遺 伝子 RNA、 または非ヒト遺伝子 RNAとヒト遺伝子 RN Aの混合であり、 上記 複数のコントロール用 RNAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれとも ハイプリダイズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した RNAおよび Zまた は複数の人工的に合成した RNAであることを特徴とする。
これは測定対象の RNAおよびコントロール用 RN Aの一例を一層具体的に示 すものである。 この装置によれば、 測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 ま たは非ヒト遺伝子 RNAとヒト遺伝子 RN Aの混合であり、 複数のコントローノレ 用 RNAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイブリダィズしな V、複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合 成した RNAであるので、 さらに測定対象を非ヒト遺伝子まで広げることにより、 例えばヒト組織中のウィルスの存在とその量を確認しつつヒト遺伝子の発現をモ 二ターすることなどが可能となる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記複数のコント口ール用 RNA は、 測定対象遺伝子群の高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝 子群に相当する量の RN Aを用いることを特徴とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 この装置 によれば、 複数のコントロール用 RN Aは、 測定対象遺伝子群の高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RN Aを用いるので、 各遺伝子の発現レベルに従って適切な測定データを取得することができるように なる。 '
つぎの発明にかかる DN Aマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記複数のコントロール用 RN A は、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白 遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断 片を用いて調整することを特敷とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 この装置 によれば、 複数のコント口ール用 R Ν Αは、 ゥミシイタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダフ ァージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整するので、 これらをスパ イクとして高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群について 適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる DNAマイクロアレイデータ処理装置は、 測定対象サンプ ルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の D N Aをコン トロー/レ用スポットとしてスポットした D NAマイクロアレイを用いてハイプリ ダイゼーシ aンを行つた上記 D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキャユング を行うスキヤナ装置からスキヤニング画像を取得するスキヤユング画像取得手段 と、 上記スキヤユング画像取得手段にて取得された上記スキヤニング画像の上記 複数のコント口ール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め 定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R NAが結合した各スポ ットのシグナル強度のノ一マラィゼーションを上記コント口一ノレ用スポットの遺 伝子毎に実行するノーマライズ手段と、 上記ノーマライズ手段にて各コントロー ル用スポットの遺伝子によってノーマライズされた各測定対象スポットのシダナ ル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のう ち最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選択手段とを備えることを特徴と する。
この装置によれば、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から 選択した複数の遺伝子の D N Aをコント口ール用スポットとしてスポットした D N Aマイクロアレイを用いてハイブリダイゼーションを行った D NAマイクロア レイの発光支持体のスキヤニングを行うスキヤナ装置からスキヤニング画像を取 得し、 取得されたスキャニング画像の複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測 定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションを コントロール用スポットの遺伝子毎に実行し、 各コントロール用スポットの遺伝 子によってノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強 度を選択するので、 コントロール用遺伝子は必ずしも外部から加えるものに限ら れず、 測定対象サンプル内に含まれ、 かつサンプル毎の変動がほとんど見られな い遺伝子 (例えばいわゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コントロー ルとして同様に用いることができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理装置において、 上記スキャニング画像は、 上記複 数のコントロール用スポットに結合した R NAのシグナル強度が予め定めた測定 シグナル強度になるように調整して上記コントローノレ用スポットの遺伝子毎にス キヤニングされた複数の画像であることを特徴とする。
これはスキャニング画像の一例を一層具体的に示すものである。 この装置によ れば、 スキャニング画像は、 複数のコントロール用スポットに結合した R NAの シグナル強度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の 半分程度) になるように調整してコント口ール用スポットの遺伝子毎にスキヤ二 ングされた複数の画像であるので、 それぞれのコント口ール用スポットが一番安 定したシグナルとして取り込めるような条件で、 コントロール用スポット毎に感 度調整を行いながら複数回 (用いたコントロール用スポットの数) スキヤユング を行うことができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記複数のコント口ール用スポッ トは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 およ び、 低発現遺伝子群に相当する発現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いることを特徴とする。
これはコントロール用スポットの一例を一層具体的に示すものである。 この装 置によれば、 複数のコントロール用 R N Aは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ 高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現量を 示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いるので、 各遺伝子の発現レベル に従って適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記ノーマライズ手段は、 上記複 数の異なる上記コントロール用 R NAを用いたスキャニングにより複数の異なる 条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コントロー ル用 R NAの中から選択した一種類または数種類の上記コントロール用スポット のシグナル強度に換算することにより統合する統合化手段をさらに含むことを特 徴とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 この装置によ れば、 複数の異なるコントロール用 R NAを用いたスキャニングにより複数の異 なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる上記コント 口ール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類のコント口ール用スポット のシグナル強度に換算することにより統合するので、 複数の異なる条件で取得し た各スポットのシグナル強度を容易に比較することができるようになる。
つぎの発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置において、 上記ノーマライズ手段は、 上記統 合化手段にて換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法における対照 検体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検 定またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定する棄却値選定手段と、 上記棄 却値選定手段により選定された上記棄却値を用レ、て棄却した後の残された同一遺 伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表値を決定する仮代 表値決定手段と、 上記仮代表値決定手段にて決定された上記仮代表値から求めた 回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値 を決定する回帰式補正手段とをさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 この装置によ れば、 換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法における対照検体と 測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定また はユークリッド距離に基づき棄却値を選定し、 選定された上記棄却値を用いて棄 却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子 の仮代表値を決定し、 決定された仮代表値から求めた回帰式により、 各スポット のシグナル強度が直線性を持つように捕正して代表値を決定するので、 従来技術 における測定上の誤差の問題、 特に低発現領域と高発現領域で見られる非線形の 問題を解消することができる。 つぎの発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、 上記に記載の D NAマイクロアレイデータ処理装置において、 上記ノーマライズ手段は、 あらか じめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子の 測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正することにより、 上記 対照検体と上記測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定する補正用遺伝 子補正手段をさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズ手段の一例を一層具体的に示すものである。 この装置によ れば、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示す補 正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補正すること により、 対照検体と測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定するので、 さらに測定誤差を少なくすることができる。
また、 本発明はプログラムに関するものであり、 本発明にかかるプログラムは、 複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよび Zまたは複数の人工的に 合成したコント口ール R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整した試料を用 1/ヽ てハイブリダイゼーシヨンを行った D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキヤ ユングを行うスキヤナ装置からスキヤニング画像を取得するスキヤニング画像取 得ステツプと、 上記スキヤニング画像取得ステップにて取得された上記スキヤ二 ング画像の上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各スポットのシグナル強 度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R NA が結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションを上記コントロー ル用 R N A毎に実行するノーマライズステップと、 上記ノーマライズステップに て各コント口ール用 R NAによってノーマライズされた各測定対象スポットのシ グナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R NAのシグナル強度 のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選択ステップとを含む D N A マイクロアレイデータ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。 このプログラムによれば、 複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aお よぴ Zまたは複数の人工的に合成したコント口ール R N Aを測定対象の; N Aに 混入して調整した試料を用いてハイプリダイゼーションを行つた D N Aマイク口 アレイの発光支持体のスキャニングを行い、 複数のコントロール用 R N Aが結合 した各スポットのシグナル強度に基づレ、てスキヤニング画像の測定対象の R N A の各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーシヨンを行い、 各コント口 ール用 R NAによってノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に 基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適な シグナル強度を選択するので、 D NAマイクロアレイによる測定レンジの拡大、 精度や再現性の向上が図られ、 特に遺伝子プロフアイリングゃ病態遺伝子の解析 において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図ることができる。 さ らに測定対象を非ヒト遺伝子まで広げることにより、 例えばヒト組織中のウィル スの存在とその量を確認しつつヒト遺伝子の発現をモニターすることなどが可能 となる。
また、 これにより、 同作業の煩雑さを軽減し効率化を図ることができ、 スキヤ ニングからデータ解析に至るまでの完全自動化をも図ることができるようになる。 つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記ス キヤニング画像は、 上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール 用スポットのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して 上記コント口ール用 R N A毎にスキャニングされた複数の画像であることを特徴 とする。
これはスキャニングの一例を一層具体的に示すものである。 このプログラムに よれば、 複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシ グナル強度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上限値の半 分程度) になるように調整してコント口ール用 R N A毎に上記発光支持体をスキ ャエングするので、 それぞれのコントローノレ用 R N Aが一番安定したシグナルと して取り込めるような条件で、 コントロール毎に感度調整を行いながら複数回 (用いたコント口ールの数) スキヤエングを行うことができるようになる。
つぎの努明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記測 定対象の R N Aはヒト遺伝子 R N Aであり、 上記複数のコントロール用 R NAは ヒト遺伝子とはハイブリダィズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび Zまたは複数の人工的に合成した R N Aであることを特徴とする。 これは測定対象の: NAおよぴコントロール用 R N Aの一例を一層具体的に示 すものである。 このプログラムによれば、 測定対象の R NAはヒト遺伝子 R NA であり、 複数のコント口ール用 R N Aはヒト遺伝子とはハイブリダイズしなレヽ複 数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよぴ Zまたは複数の人工的に合成し た R NAであるので、 非特異的な反応を抑え、 ヒ トの遺伝子プロフアイリングや 病態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図る ことができる。 より具体的には、 例えばヒトの C型肝炎のインターフェロンによ る治療効果の予測判定などに D N Aマイクロアレイが利用可能となり、 従来から 用いられている肝生検などで得られている病理診断情報に加え、 積極的な治療を 目指した患者への情報提供を提供することができるようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記測 定対象の R NAは非ヒト遺伝子 R NA、 または非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 R NAの混合であり、 上記複数のコントロール用 R NAは当該非ヒト遺伝子また はヒト遺伝子のいずれともハイブリダィズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調 整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成した R N Aであることを特徴と する。
これは測定対象の R NAおよびコントロール用 R N Aの一例を一層具体的に示 すものである。 このプログラムによれば、 測定対象の R NAは非ヒト遺伝子 R N A、 または非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 R N Aの混合であり、 複数のコント ロール用 R NAは当該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイブリダィ ズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工 的に合成した R NAであるので、 さらに測定対象を非ヒト遺伝子まで広げること により、 例えばヒト組織中のウィルスの存在とその量を確認しつつヒト遺伝子の 発現をモニターすることなどが可能となる。 つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記複 数のコント口ール用 R N Aは、 測定対象遺伝子群の高発現遺伝子群、 中発現遺伝 子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RNAを用いることを特徴とする。 これはコント口ール用 R N Aの一例を一層具体的に示すものである。 このプロ グラムによれば、 複数のコントロール用 RN Aは、 測定対象遺伝子群の高発現遺 伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RNAを用い るので、 各遺伝子の発現レベルに従つて適切な測定データを取得することができ るようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記複 数のコントロール用 RNAは、 ゥミシイタケノレシフェラーゼ遺伝子 (R 1 u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダファージ e a 22 遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整することを特徴とする。
これはコントロール用 RNAの一例を一層具体的に示すものである。 このプロ グラムによれば、 複数のコントロール用 RNAは、 ゥミシイタケルシフエラーゼ 遺伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (gp 64) 、 および、 ラ ムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整するので、 これら をスパイクとして高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に ついて適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象 遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の DNAをコントロー/レ用スポットとして スポットした DN Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼーシヨンを行った上 記 DNAマイクロアレイの発光支持体のスキャニングを行うスキヤナ装置からス キヤニング画像を取得するスキヤニング画像取得ステツプと、 上記スキヤユング 画像取得ステップにて取得された上記スキヤニング画像の上記複数のコントロー ル用スポットに結合した RNAのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナ ル強度になるように、 上記測定対象の RN Aが結合した各スポットのシグナル強 度のノーマライゼーションを上記コントロール用スポットの遺伝子毎に実行する ノーマライズステップと、 上記ノーマライズステップにて各コントロール用スポ ットの遺伝子によってノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に 基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R NAのシグナル強度のうち最適な シグナル強度を選択するシグナル強度選択ステップとを含むことを特徴とする。 このプログラムによれば、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以 外から選択した複数の遺伝子の D NAをコントロール用スポットとしてスポット した D N Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼーシヨンを行った D N Aマイ クロアレイの発光支持体のスキャニングを行うスキャナ装置からスキャニング画 像を取得し、 取得されたスキヤニング画像の複数のコント口ール用スポットに結 合した R NAのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるよう に、 測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシ ヨンをコント口ール用スポットの遺伝子毎に実行し、 各コント口ール用スポット の遺伝子によってノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づ いて、 スキャニング画像の各測定対象の R NAのシグナル強度のうち最適なシグ ナル強度を選択するので、 コント口ール用遺伝子は必ずしも外部から加えるもの に限られず、 測定対象サンプル内に含まれ、 かつサンプル毎の変動がほとんど見 られない遺伝子 (例えばいわゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コン トローノレとして同様に用いることができるようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記ス キヤニング画像は、 上記複数のコントロール用スポットに結合した R NAのシグ ナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール 用スポットの遺伝子毎にスキャニングされた複数の画像であることを特徴とする。 これはスキヤニング画像の一例を一層具体的に示すものである。 このプロダラ ムによれば、 スキャニング画像は、 複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば、 スキャナ装置の上 P艮値の半分程度) になるように調整してコント口ール用スポットの遺伝子毎にス キヤニングされた複数の画像であるので、 それぞれのコントロール用スポットが 一番安定したシグナルとして取り込めるような条件で、 コントロール用スポット 毎に感度調整を行いながら複数回 (用いたコントロール用スポットの数) スキヤ ユングを行うことができるようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記複 数のコント口ール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ高発現遺伝子 群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現量を示す遺伝子か ら選択された遺伝子の D N Aを用!/ヽることを特徴とする。
これはコントロール用スポットの一例を一層具体的に示すものである。 このプ ログラムによれば、 複数のコントロール用 R N Aは、 測定対象サンプル内で、 そ れぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発 現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いるので、 各遺伝子の発現 レベルに従って適切な測定データを取得することができるようになる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記ノ 一マライズステツプは、 上記複数の異なる上記コント口ール用 R N Aを用いたス キヤニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当 該複数の異なる上記コント口ール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類 の上記コント口ール用スポットのシグナル強度に換算することにより統合する統 合化ステップをさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズステツプの一例を一層具体的に示すものである。 このプロ グラムによれば、 複数の異なるコントロール用 R NAを用いたスキャニングによ り複数の異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当該複数の異なる 上記コント口ール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類のコント口ール 用スポットのシグナル強度に換算することにより統合するので、 複数の異なる条 件で取得した各スポットのシグナル強度を容易に比較することができるようにな る。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記ノ 一マライズステップは、 上記統合化ステップにて換算した各スポットのシグナノレ 強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺 伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基づき棄却値を 選定する棄却値選定ステップと、 上記棄却値選定ステップにより選定された上記 棄却値を用いて棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均 値を得て各遺伝子の仮代表値を決定する仮代表値決定ステツプと、 上記仮代表値 決定ステップにて決定された上記仮代表値から求めた回帰式により、 各スポット のシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定する回帰式補正ステ ップとをさらに含むことを特徴とする。
これはノーマライズステツプの一例を一層具体的に示すものである。 このプロ グラムによれば、 換算した各スポットのシグナル強度または二色競合法における 対照検体と測定検体のシグナル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄 却検定またはユークリッド距離に基づき棄却値を選定し、 選定された上記棄却値 を用いて棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得 て各遺伝子の仮代表値を決定し、 決定された仮代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定するので、 従来技術における測定上の誤差の問題、 特に低発現領域と高発現領域で見られる 非線形の問題を解消することができる。
つぎの発明にかかるプログラムは、 上記に記載のプログラムにおいて、 上記ノ 一マライズステップは、 あら力 じめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグ ナル強度を示す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表 値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の測定上の誤差を補正し て代表値を決定する補正用遺伝子捕正ステップをさらに含むことを特徴とする。 ' これはノーマライズステップの一例を一層具体的に示すものである。 このプロ グラムによれば、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体で同等のシグナル強 度を示す捕正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求めて全ての仮代表値を補 正することにより、 対照検体と測定検体の測定上の誤差を補正して代表値を決定 するので、 さらに測定誤差を少なくすることができる。 また、 本発明は記録媒体に関するものであり、 本発明にかかる記録媒体は、 上 記に記載されたプログラムを記録したことを特徴とする。.
この記録媒体によれば、 当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータ に読み取らせて実行することによって、 上記に記載されたプログラムをコンビュ ータを利用して実現することができ、 これら各プログラムと同様の効果を得るこ とができる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の基本原理を示す原理構成図であり、 第 2図は、 複数のスパ イク R NAを用いた二蛍光標識法によるスパイク実験の概念を説明する概念図で あり、 第 3図は、 スキャナ装置を用いて D NAマイクロアレイの発光支持体をス キヤニングを行い、 各スパイク R NAのシグナノレ強度に基づいてノーマライゼ一 シヨンを行う概念を説明するフロー図であり、 第 4図は、 各測定対象の遺伝子 R N Aについて最適なシグナル強度を選択する楊合の概念を説明するフロー図であ り、 第 5図は、 本発明が適用される本システムの構成の一例を示すブロック図で あり、 第 6図は、 図 5に示す D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0の機能 ブロックの一例を示す図であり、 第 7図は、 図 5に示す D NAマイクロアレイス キヤニングシステムの機能ブロックの一例を示す図であり、 第 8図は、 本実施形 態における本システムのスキャニング処理の一例を示すフローチヤ一トであり、 第 9図は、 本実施形態における本システムのスキャニング画像取得処理の一例を 示すフローチャートであり、 第 1 0図は、 本実施形態における本システムのノー マライズ処理の一例を示すフ口一チヤ一トであり、 第 1 1図は、 本実施形態にお ける本システムのシグナル強度選択処理の一例を示すフローチヤ一トであり、 第 1 2図は、 ノーマライズ部 1 0 2 bの構成の一例を示すブロック図であり、 第 1 3図は、 代表値決定部 1 0 2 jの構成の一例を示すプロック図であり、 第 1 4図 は、 本実施形態における本システムのノーマライズ処理の別の実施形態の一例を 示すフローチャートであり、 第 1 5図は、 スキャナ装置 2 0 0によるスキヤニン グ条件の設定の一例を示すフローチャートであり、 第 16図は、 3条件でスキヤ ンエングしたァレイ上の遺伝子約 700のデータを取込値としてシグナル値が 2 000以上で 60000以下の値のみ使用して、 X軸に GP 50 %値、 Y軸に R L 50%値をプロットした図であり、 第 17図は、 3条件でスキャンユングした ァレイ上の遺伝子約 700のデータを取込値としてシグナル値が 2000以上で 60000以下の値のみ使用して、 X軸に G P 50 %値、 Y軸に R L 50 %値を プロットした図であり、 第 18図は、 GP 3万補正によって、 グラフ上の右上と 左下にあったグラフを中央のグラフに合わせこみ、 さらに棄却検定等により、 外 れ値を除外した値をプロットした図であり、 第 19図は、 擬似 C y 5値が 100 00力 ら 2で割つた等比数列であり、 擬似 C y 3値が擬似 C y 5値を 1. 2倍し て 30を加えた値をプロットした図であり、 第 20図は、 第 18図の結果を補正 用遺伝子として約 200遺伝子を選択してその回帰式 (擬似 C y 5) =1. 2 x (擬似 Cy 3) — 2272を用いて補正した結果を示す図である。 第 21図は、 Cy 5標識したコントロール (培養細胞) R N Aと C y 3標識した検体 (ヒ ト肝 組織) R N Aを同一のマイクロアレイ上でハイブリダイゼーシヨンさせ、 ほぼ 1 対 1の関係にある遺伝子を選択した図であり、 1対 1の関係にある遺伝子を画で 表し、 それ以外のものを〇で示している。 第 22図は、 Cy 5標識したコント口 ール (培養細胞) RNAと Cy 3標識した検体 (ヒ ト肝組織) RNAを同一のマ イクロアレイ上でハイブリダイゼーションさせ、 ほぼ 1対 1の関係にある遗伝子 を選択した図であり、 1対 1の関係にある遺伝子を国で表し、 それ以外のものを 〇で示している。 第 23図は、 第 21図の補正用遺伝子を使用して回帰式を用い た補正を行つた結果を示す図であり、 1対 1の関係にある遺伝子を騮で表し、 そ れ以外のものを〇で示している。 第 24図は、 第 22図の補正用遺伝子を使用し て回帰式を用いた補正を行った結果を示す図であり、 1対 1の関係にある遺伝子 を園で表し、 それ以外のものを〇で示している。 第 25図は、 Euc 1 i d e a n Wa r d法で階層クラスタリングを行った結果を示す図であり、 第 26図は、 捕正後に E u c 1 i d e a n Wa r d法で階層クラスタリングを行った結果を 示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 本発明にかかる D N Aマイクロアレイデータ処理方法、 D NAマイク ロアレイデータ処理システム、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラ ム、 および、 記録媒体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。 なお、 こ の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。 また、 以下の実施の形 態においては、 コントロール用遺伝子としてスパイク用遺伝子を用いる場合ゃハ ウスキーピング遺伝子等をコント口一ルスポットに用いる場合を一例に説明する 力 本発明はかかる場合に限定されるものではない。
[本発明の概要]
以下、 本発明の概要について説明し、 その後、 本発明の構成および処理等につ いて図 1から図 4を用いて詳細に説明する。 図 1は本発明の基本原理を示す原理 構成図である。
本発明は、 概略的に、 以下の基本的特徴を有する。 すなわち、 本発明は、 外部 コントロー /レとして従来一種類とされていたスパイク R NAに複数の R NA (例 えば、 高 '中 '低発現群に相当する 3種類の人工 R N Aであり、 より具体的には 一例として、 ゥミシイタケルシフェラ一ゼ遗伝子 (R 1 u c ) 、 バキュ口ウィル ス膜蛋白遺伝子 (g P 6 4 ) 、 および、 ラムダファージ e a 2 2遺伝子 (e a 2 2 ) の断片) を用いて D NAマイクロアレイによるハイプリダイゼーシヨンを行 う (ステップ S A— 1 )。
人工 R NAは、 昆虫、 細菌、 ゥイノレスなど、 目的とするマイクロアレイと相同 性が低くクロスハイプリダイゼーションが起こらない遺伝子配列であれば利用可 能である。 相同性及びクロスハイブリダイゼーションについてはコンピューター 上である程度予測することができる。
図 2は、 複数のスパイク R N Aを用いた二蛍光標識法によるスパイク実験の概 念を説明する概念図である。 図 2に示すように、 まず、 測定対象の R NA (例え ば、 ウィルス感染ヒト肝細胞から抽出および増幅した RNA等) とコントロール RNA (例えば、 正常ヒト肝細胞から抽出および増幅した RNA等) に、 それぞ れコントロール (スパイク) として一定量のスパイク用遺伝子から調整した RN A (以下、 「スパイク RNA」 という。 ) を加え、 逆転写酵素を用いて Cy 3と C y 5でそれぞれ (例えば測定対象 RNAを C y 3で、 コントロール RNAを C y 5で) 標識し試料を調整する。 標識は必ずしも C y 3と C y 5に限定するもの ではなく、 ビォチン標識ゃァミノァリル標識後、 他の蛍光物質等を付力!]させるこ とも可能である。
Cy 3と Cy 5で標識された RNAは、 混合して DN Aマイクロアレイ上にの せるので、 各スポットに対し競合的に反応 (ハイブリダィズ) することになる。 これを C y 3または C y 5のそれぞれの波長で発光強度を測定し、 スポット毎に C y 3と C y 5の測定値の比を得ることで、 スポット差 (例えば各スポットの D NA量) に関係なく、 コントロール RN Aに対する測定対象の RN Aの増減が把 握できる。
スパイク RNAは、 例えば、 高 ·中 ·低発現群に相当する 3種類の人工 RN A であり、 例えば測定対象の RNAがヒ ト遺伝子 RNAである場合には、 ヒ ト遺伝 子とはハイブリダイズしない複数の非ヒト遺伝子断片から調整した R N Aを用い てもよく、 より具体的には、 一例として、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラムダフ ァージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片 RNAを用いてもよい。 またコント口 ール用 R N Aは、 複数の人工的に合成した R N Aでもよい。
っレ、で、 両ターゲット溶液を混合し、 DNAマイクロアレイ上でハイブリダイ ゼーシヨンを行い洗浄を行う。 ここで、 DN Aマイクロアレイのスポットとして、 各スパイク RNAの専用のスポット (各スパイクにっき複数のスポットを作製し てもよい) と、 測定対象の遺伝子 RN A用のスポット (各遺伝子につき複数 (例 えば、 3つ) のスポットを作製してもよレ、) を作製している。
また、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数 の遺伝子の DNAをコントロール用スポットとしてスポットした DNAマイクロ アレイを用いてハイブリダィゼーシヨンを行ってもよい。 すなわち、 測定対象サ ンプル内に含まれ、 かつサンプル毎の変動がほとんど見られない遺伝子 (例えば いわゆるハウスキーピング遺伝子類等) を選択し、 コントロールスポットとして 作製してもよい。
ここで、 複数のコントロール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それぞれ 高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発現量を 示す遺伝子から選択された遺伝子の DNAを用いたものでもよく、 具体的には例 ^ば b e t a— a c t i n、 GAPDH、 o l y (A) b i n d i n g p r o t e i n (PAB P) , g 1 y c y 1 t RNA s y n t h e t a s e Λ hnRNP HI等の遺伝子を用いてもよい。
再ぴ、 図 1に戻り、 本発明は、 スキャナ装置を用いて DNAマイクロアレイの 発光支持体のスキヤニングを行レ、、 スパイク RNA等の各コントロール用 RNA が結合したスポットのシグナル強度や、 ハウスキーピング遗伝子等のコントロー ル用スポットのシグナル強度に基づいてノーマライズ (正規化) 処理を実行する (ステップ SA— 2) 。 ここで、 図 3は、 スキャナ装置を用いて DNAマイクロ ァレイの発光支持体のスキャニングを行い、 各スパイク RN Aのシグナル強度に 基づレ、てノーマライゼーシヨンを行う概念を説明するフロー図である。
図 3に示すように、 まず、 本発明は、 ハイブリダィゼーシヨンを行った DN A マイクロアレイにつ!/、てスキヤナ装置を用いて発光支持体をスキャニングする (ステップ SB— 1) 。
ここで、 図 3のステップ SB— 1に示すように、 複数のスパイク RN A等のコ ントロール用スポットのシグナル強度や、 試験管内対象遺伝子等のコントロール スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度になる ようにスキャナ装置の感度を調整してスパイク RNA毎に発光支持体をスキヤ二 ングしてもよい。 すなわち、 共焦点顕微鏡型スキャナ装置等を用いてスキヤニン グを行う際に、 それぞれのスパイク RN A等が一番安定したシグナルとして取り 込めるような条件で、 スパイク等毎にスキャナ装置の感度調整を行いながら複数 回 (用いたスパイク等の数) スキャニングを行う。 なお、 図 3に示す例では、 3 種類のスパイク R NAを用いているので、 3つのスキャニング画像が作成されて いる。 また、 同様に試験管内対象遺伝子等のコントロールスポット毎にスキヤ二 ング画像を作成する。 ■
このように適切な感度になるようにスキャナ装置側で感度調整を行いながら各 スパイクシグナルを測定することにより、 レンジ幅があまり広くないスキャナ装 置を用いる場合であってもハードウェア上の検出限界による精度低下等を招くこ となくシグナル強度を測定することが可能になり、 特に遺伝子プロフアイリング や病態遺伝子の解析において重要な低発現遺伝子の測定精度や再現性の向上を図 ることができる。
すなわち、 スパイク R NA等は、 発現量を変えて複数種類加えてあるので、 こ れまでの方法では発現量が極端に高かったりあるいは低すぎたりして、 コント口 一ノレ R NA (上記の例では C y 5で標識されている) と測定対象 R NA (上記の 例では C y 3で標識されている) の比がとれない場合でも、 それぞれ適切なスパ イクを選択することでスキャナの感度調整を行い、 より精度の高い測定が、 ある いは測定そのものが、 可能となる。
ついで、 本発明は、 コンピュータなどの情報処理装置 (D NAマイクロアレイ データ処理装置) を用いて、 スキャナ装置からスキャニング画像を取り込んで画 像解析処理等を行う。
まず、 本発明は、 スキャニング画像について画像解析処理等を施し、 各スポッ トのシグナル強度を算出する (ステップ S B— 2 ) 。 ここで、 シグナノレ強度の算 出は、 個々のスポットを円で囲んでシグナル強度を算出する c i r c 1 e法、 ス ポットの周囲を矩形で囲む r e c t a n g 1 e法、 シグナル強度に応じて自動認 識を手法など、 いずれの算出手法を用いてもよい。
ついで、 本発明は、 このように算出したシグナル強度についてバックグラウン ド補正を行う (ステップ S B— 3 ) 。 ここで、 バックグラウンド補正手法は、 各 スポットのシグナル強度から各スポットの周囲のブランク領域のバックグラウン ド値を引くことによってバックグラウンドの補正を行なう方法 (上述の c i r c 1 e法等において用いられる) 、 個々のシグナル強度からブランク領域の平均バ ックグラウンド値を引くことによってパックグラウンドの補正を行なう方法、 上 述した r e c t a n g l e法において矩形内の全シグナルのうち下位 1 0〜 2 5 %等のシグナル強度を平均化したものをバックグラウンドとして補正する方法 など、 いずれの補正手法を用いてもよい。
ついで、 本発明は、 解析対象となるスポットの抽出を行う (ステップ S B— 4 ) 。 ここで、 抽出条件は、 例えば、 抽出するスポットのシグナル強度の上限値 としてスキャナ装置のハードウェア限界値を設定してもよく、 下限値として全ス ポットの平均値に対する x ( % 2統計量の平方根) %のシグナル強度値を設定し てもよい。 また、 ネガティブ 'コントロールを用いた場合には、 ネガティブ'コ ントロールのシグナル強度の S D値 (標準偏差値) 等を用いて下限値を求めても よい。 このように、 本発明による解析対象スポットの抽出条件は、 各 D NAマイ クロアレイの実験ごとの測定データのばらつきや偏りを各種の既知の統計的手法 により適宜判定し、 ケースバイケースで任意に抽出条件を設定することができる。 ついで、 本発明は、 スキャニング画像の複数のスパイク R NA等のシグナル強 度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対象の R N Aの各 スポットのシグナノレ強度のノーマライゼーションをスパイク R NA毎に実行する (ステップ S B— 5 ) 。
ここで、 本発明によるノーマライゼーションは以下の手法のうちいずれを用い てもよい。
1 ) C y 3側、 C y 5側のスパイク R N A等のシグナル強度に係数を掛けて、 双方のシグナル強度が予め定めた基準シグナル強度 (例えば、 上限値の 2分の 1 等) になるようにノーマライゼーシヨンを行う。
2 ) C y 3側、 C y 5側のスパイク R N A等のシグナル強度のうちどちらが基 準シグナル強度 (例えば、 上限値の 2分の 1等) に近いかを判定し、 遠い方のシ グナル強度を近い方のシグナル強度に合わせるようにノーマライゼーシヨンを行
3) Cy 3側、 Cy 5側のスパイク RNA等のシグナル強度のうちどちらかの シグナル強度に一方のシグナル強度を合わせるようにノーマライゼーションを行 ラ。
ついで、 本発明は、 ノ マライズ後の各測定データを保存する (ステップ SB 一 6) 。 また、 同様に、 図 3で説明した手法を用いて、 スキャニング画像の複数 のコントロール用スポットに結合した RN Aのシグナル強度がそれぞれ予め定め た基準シグナル強度になるように、 測定対象の RN Aが結合した各スポットのシ グナル強度のノーマライゼーシヨンをコントロール用スポッ卜の遺伝子毎に実行 する。
再び、 図 1に戻り、 本発明は、 ノーマライズ後の各測定データについてデータ マージ処理を行い、 各測定対象の RNAのうち各スパイク RNA等のいずれかに 基づいてノーマライズした測定データから最も適切なシグナル強度を抽出する (ステップ SA—3) 。 すなわち、 図 4を用いて後述するように、 各スパイク R NA等によってノーマライズされた各スポットのシグナル強度に基づいて、 スキ ャニング画像の各測定対象の遺伝子 RNAのシグナル強度のうち最適なシグナル 強度を選択する。
ここで、 図 4は、 各測定対象の遺伝子 RN Aについて最適なシグナル強度を選 択する場合の概念を説明するフロー図である。 図 4に示すように、 まず、 本発明 は、 上述した各スパイク等毎にノーマライズを行った後の測定データを読み込む (ステップ SC—1) 。
そして、 DNAマイクロアレイ上にスポットされた測定用の遺伝子 RN Aの番 号を示す添え字である iを初期化し (ステップ SC— 2) 、 測定データ上の i番 目の遺伝子 RNAについて全てのスポット (本例では 3つのスポット) が Cy 3 側および C y 5側の双方の解析対象上限値および下限値の範囲内に入っているか 判定する (ステップ SC— 3) 。 ステップ S C— 3において入っていると判定された場合には、 他のスパイク R N Aに基づレ、てノーマライズされた測定データにおレヽても入っているかを判定す る (ステップ SC— 4) 。
ステップ SC— 4において入っていると判定された場合には、 予め定めた規定 値 (例えば、 上限値の 2分の 1の値等) に近いシグナノレ強度となる方の測定デー タを選択し (ステップ SC— 5) 、 i番目の遺伝子のシグナル強度として採用す る (ステップ SC— 6) 。
そして、 iを 1加算し (ステップ SC— 7) 、 iが最終であるかを判定し (ス テツプ SC— 8) 、 最終になるまでステップ SC— 3からステップ SC— 7につ いてループ処理を行う。
再ぴ、 図 1に戻り、 本発明は、 各測定対象の遺伝子 RN Aについて抽出された シグナル強度に基づいて s c a t t e r e d 1 o t等を作成し、 データマイ ニングゃクラスタリングなどのデータ解析処理を行う (ステップ SA— 4) 。
[システム全体構成]
次に、 図 5から図 7等を参照して DNAマイクロアレイデータ処理システム (以下、 「本システム」 という。 ) のシステム構成について説明する。 図 5は、 本発明が適用される本システムの構成の一例を示すブロック図であり、 該構成の うち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図 5に示すように、 本システムは、 概略的に、 DN Aマイクロアレイの発光支 持体のスキャニングを行う共焦点レーザー顕微鏡型スキャナ装置等のスキヤナ装 置 200 (ここで、 スキャナ装置 200と顕微鏡とを組み合わせたシステムを
「DNAマイクロアレイスキャニングシステム」 という。 ) と、 当該スキャナ装 置 200によりスキャニングされたスキヤユング画像について情報処理を行う D NAマイクロアレイデータ処理装置 100とを含んで構成される。
本システムにおいて、 スキャナ装置 200は、 DN Aマイクロアレイを標本焦 点面に取付した顕微鏡、 および、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100に 接続され、 顕微鏡の画像をスキャニングしてスキャニング画像のデータを DNA マイクロアレイデータ処理装置 1 0 0に送信する機能を有する。
また、 D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0は、 スキャナ装置 2 0 0か ら取得したスキャニング画像等のデータにつレ、て画像解析等の情報処理を行う機 能を有する。
以下に D NAマイクロアレイスキャニングシステムおよび D N Aマイクロアレ ィデータ処理装置 1 0 0の構成について順に詳細に説明する。
[システム構成一 D N Aマイクロアレイスキャニングシステム]
まず、 D NAマイクロアレイスキャニングシステムの原理構成について説明す る。 図 7は、 図 5に示す D N Aマイクロアレイスキャニングシステムの機能ブ口 ックの一例を示す図であり、 D NAマイクロアレイスキャニングシステムの機能 のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。 なお、 図 7においては、 共焦点レーザー顕微鏡型スキャナ装置を用いる場合を一例に説明するが、 本発明 はこの場合に限定されるものではなく、 他の実施の形態においては、 他のいずれ のスキャナ装置を用いる場合においても適用することができる。
図 7において D NAマイクロアレイスキャニングシステムは、 概略的に、 複数 の励起波長のレーザー光線を照射するレーザー光'源部 2 0 2、 励起光と蛍光の分 離を行うビームスプリッター 2 0 4、 放射された蛍光を集光する対物レンズ 2 0 6、 光の方向を変えるミラー 2 0 8、 蛍光色素の蛍光ピーク付近の狭い範囲の波 長を通しそれ以外の波長の励起光などをカツトする干渉フィルターとして機能す るエミッションフィルター 2 1 0、 共焦点性を実現するための受光器レンズ 2 1 2と共焦点ピンホール 2 1 4、 および、 PMTや C C D等により低レベルの光を 電気信号に変換する受光器 2 1 6を備えて構成されている。
次に図 7を参照して D N Aマイクロアレイスキャニングシステムの原理の概要 について説明する。 レーザー光源部 2 0 2により照射された所定の蛍光色素を蛍 光発色させる平行レーザー光線 (励起光線) は、 ビームスプリッタ一 2 0 4によ り反射されて対物レンズ 2 0 6の中に入る。 レーザー光線は D NAマイクロアレ ィの基板上で焦点を結ぴ、 その点から蛍光が全ての方向に球状に放射される。 またレーザー光線は反射されて逆行し、 受光器 2 1 6の方向に向かう。 球状に 放射された蛍光の一部が対物レンズ 2 0 6によつて集光され、 平行ビームに変換 される。 対物レンズ 2 0 6は反射されたレーザー光も集光する。 このレーザー光 はビームスプリッター 2 0 4に当たって反射され、 そのほとんどは逆行してレー ザ一光源、部 2 0 2に向かう。 蛍光のほとんどはビームスプリッター 2 0 4を通過 して受光器 2 1 6へ向かう。
ビームスプリッター 2 0 4を通過した光はミラー 2 0 8によってその方向が変 えられ、 ェミッションフィルター 2 1 0へと向かう。 ェミッションフイノレター 2 1 0で狭い蛍光バンドが選択され、 残っているレーザー光の全てが遮断される。 共焦点性は受光器レンズ 2 1 2と共焦点ピンホール 2 1 4によって実現される。 すなわち、 蛍光の平行ビームは受光器レンズ 2 1 2によって収束し、 小さな直径 となる。 共焦点ピンホール 2 1 4の位置で焦点を結んだ光線は共焦点ピンホール 2 1 4を通過し、 それ以外の光はブロックされる。 また共焦点ピンホール 2 1 4 の前後で焦点を結ぶ光は遮断され、 対物レンズ 2 0 6の焦点深度を制限する効果 をもつ。
受光器 2 1 6は例えば光電子倍増管 (PMT) を用いて、 光子を約百万倍の増 !隔効率で電子に変換する。 そして既知の基板移動式スキャナ等 (図示せず) によ り発光支持体のスキャニングを行レ、、 スキヤニング画像を D NAマイクロアレイ データ処理装置 1 0 0に対して送信する。
[システム構成一 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0 ]
最初に、 本システムの D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0の構成につ いて説明する。 図 6は、 図 5に示す D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0 の機能ブロックの一例を示す図であり、 D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0の機能のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図 6において D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0は、 概略的に、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0の全体を統括的に制御する C P U等の制 御部 1 0 2、 スキャナ装置 2 0 0との通信を行う通信インターフェース機能を有 する通信制御インターフェース部 1 0 4、 入力装置 1 1 2や出力装置 1 1 4に接 続される入出力制御インターフェース部 1 0 8、 および、 各種のデータベースや テーブルなどを格納する記憶部 1 0 6を備えて構成されており、 これら各部は任 意の通信路を介して通信可能に接続されている。 さらに、 この D NAマイクロア レイデータ処理装置 1 0 0は、 有線または無線の通信回線を介して、 スキャナ装 置 2 0 0に通信可能に接続されている。
図 6において記憶部 1 0 6に格納される各種のデータベースやテーブル (スキ ャユング画像データベース 1 0 6 a〜補正用遺伝子測定結果データベース 1 0 6 c ) は、 固定ディスク装置等のストレージ手段であり、 各種処理に用いる各種の プログラムやテーブルやフアイルゃデ一タベースゃゥェブベージ用フアイル等を 格納する。
これら記憶部 1 0 6の各構成要素のうち、 スキャニング画像データベース 1 0 6 aは、 スキャニング画像やその関連情報を格納したデータベースである。 ここ で、 関連情報は、 D N Aマイクロアレイの試験データ、 スキャニング画像番号、 スキャニング画像数、 使用したスパイク R NA、 スキャニング時にコントロー/レ として感度調整に用いたスパイク R NAなどに関する情報を含んで構成され、 画 像データ、 テキストファイル、 音声ファイル、 動画ファイル等が含まれてもよい。 また、 処理結果データ 1 0 6 bは、 処理結果に関する情報等を格納する処理結 果データ格納手段である。
また、 補正用遺伝子測定結果データベース 1 0 6 cは、 様々な補正用遺伝子の D NAマイクロアレイによる測定結果に関するデータベースであって、 後述する 補正用遺伝子補正部 1 0 2 iが対照検体と測定検体で同等のシグナル強度を示す 補正用遺伝子の測定結果を当該データベースから選択して遺伝子リストを作成し、 この補正用遺伝子リストに対応する仮代表値を利用して回帰式を求め全ての仮代 表値を補正する際に利用するために、 各補正用遺伝子の測定結果を格納する補正 用遺伝子測定結果データベースである。
また、 図 6において、 通信制御インターフェース部 1 0 4は、 DNAマイクロ アレイデータ処理装置 1 00とスキャナ装置 200 (またはル タ等の通信装置 を介して通信を行ってもよい) との間における通信制御を行う。 すなわち、 通信 制御インターフェース部 104は、 他の装置と通信回線を介してデータを通信す る機能を有する。
また、 図 6において、 入出力制御インターフェース部 108は、 入力装置 1 1 2や出力装置 1 14の制御を行う。 ここで、 出力装置 1 14としては、 モニタ (家庭用テレビを含む) の他、 スピーカを用いることができる (なお、 以下にお いては出力装置 1 14をモニタとして記載する場合がある) 。 また、 入力装置 1 1 2としては、 キーボード、 マウス、 および、 マイク等を用いることができる。 また、 モニタも、 マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。 また、 図 6において、 制御部 102は、 OS (Op e r a t i n g S y s t em) 等の制御プログラム、 各種の処理手順等を規定したプログラム、 および所 要データを格納するための内部メモリを有し、 これらのプログラム等により、 種々の処理を実行するための情報処理を行う。 制御部 1 02は、 機能概念的に、 スキャニング画像取得部 102 a、 ノーマライズ部 1 02 b, シグナル強度選択 部 102 c、 および、 データ解析部 1 02 dを備えて構成されている。
このうち、 スキヤニング画像取得部 1 02 aは、 複数の遺伝子から調整したコ ントロール用 RNAおよび Zまたは複数の人工的に合成したコントロール RNA を測定対象の RNAに混入して調整した試料を用いてハイブリダィゼーションを 行った D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキヤユングを行ぅスキヤナ装置か らスキャニング画像を取得するスキャニング画像取得手段、 および、 測定対象サ ンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺伝子の D N Aを コントロール用スポットとしてスポットした DNAマイクロアレイを用いてハイ プリダイゼーションを行った DNAマイクロアレイの発光支持体のスキヤニング を行うスキヤナ装置からスキヤユング画像を取得するスキヤ二ング画像取得手段 である。
また、 ノーマライズ部 1 02 bは、 スキャニング画像取得手段にて取得された スキヤニング画像の複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよび/ま たは人工的に合成したコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポッ トのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対 象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションをコン トロール用 R N A毎に実行するノーマライズ手段、 および、 スキャニング画像取 得手段にて取得されたスキャニング画像の複数のコントロール用スポットに結合 した R NAのシグナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーション を上記コントロール用スポットの遺伝子毎に実行するノーマライズ手段である。 また、 ノーマライズ部 1 0 2 bは、 図 1 2に示すように、 統合化部 1 0 2 e、 棄却値選定部 1 0 2 f 、 仮代表値決定部 1 0 2 g、 代表値決定部 1 0 2 jを含ん で構成される。 ここで、 図 1 2は、 ノーマライズ部 1 0 2 bの構成の一例を示す ブロック図である。
図 1 2の統合ィ匕部 1 0 2 eは、 複数の異なるコントロール用 R NAを用いたス キヤニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットのシグナル強度を、 当 該複数の異なるコント口ール用 R N Aの中から選択した一種類または数種類のコ ントロール用スポットのシグナル強度に換算することにより統合する統合化手段 である。
また、 棄却値選定部 1 0 2 f は、 銃合ィ匕部 1 0 2 eにて換算した各スポットの シグナル強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシグナル強度の比 を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基づき 棄却値を選定する棄却値選定手段である。
また、 仮代表値決定部 1 0 2 gは、 棄却値選定部 1 0 2 f により選定された棄 却値を用いて棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の仮平均 値を得て各遺伝子の仮代表値を決定する仮代表値決定手段である。
また、 代表値決定部 1 0 2 jは、 仮代表値より回帰式を求めて補正して代表値 を決定する手段である。 ここで、 図 1 3は、 代表値決定部 1 0 2 jの構成の一例 を示すプロック図である。 図 1 3に示すように、 代表値決定部 1 0 2 jは、 回帰 式捕正部 1 0 2 hおよび補正用遺伝子補正部 1 0 2 iを含んで構成される。 図 1 3の回帰式補正部 1 0 2 hは、 仮代表値決定部 1 0 2 gにて決定された仮 代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つよう に補正する回帰式補正手段である。 . また、 補正用遺伝子補正部 1 0 2 iは、 あらかじめ補正用遺伝子測定結果デー タベース 1 0 6 cに格納された各補正用遺伝子の測定結果に基づいて、 対照検体 と測定検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子のリストを作成し、 当該補 正用遺伝子リストに対応する仮代表値を選択し、 対応する仮代表値を利用して回 帰式を求め、 全ての仮代表値を補正することにより、 対照検体と測定検体の測定 上の誤差を補正して代表値を決定する補正用遺伝子補正手段である。
再び図 6に戻り、 シグナノレ強度選択部 1 0 2 cは、 ノ一マライズ手段にて各コ ントロール用 R NAによってノーマライズされた各測定対象スポットのシグナル 強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち 最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選択手段、 および、 ノーマライズ手 段にて各コントロール用スポットの遺伝子によってノーマライズされた各測定対 象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測定対象の: N A のシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル強度選択手段であ る。
また、 データ解析部 1 0 2 dは、 各測定対象の遺伝子 R N Aについて抽出され たシグナル強度に基づいて s c a t t e r e d 1 o t等を作成し、 デ一タマ イニングや階層クラスタリング、 K -平均法、 サ一ポートベクターマシーン
(SVM) 、 自己組織化マップ (S0M) 、 マハラノビス距離を用いたクラスタリング などの判定アルゴリズムデータ解析処理を行うデータ解析手段である。
なお、 これら各部によって行なわれる処理の詳細については、 後述する。
[システムの処理]
次に、 このように構成された本実施の形態における本システムの処理の一例に ついて、 以下に図 8〜図 1 1等を参照して詳細に説明する。
[スキャニング処理]
まず、 スキャナ装置 2 0 0等におけるスキャニング処理の詳細について図 8等 を参照して説明する。 図 8は、 本実施形態における本システムのスキャニング処 理の一例を示すフローチャートである。
スキャナ装置 2 0 0は、 スパイク毎に感度調整を行なわない場合においては (ステップ S D— 1 ) 、 ハイブリダィゼーシヨンを行った D N Aマイクロアレイ についてスキャナ装置 2 0 0を用いて発光支持体をスキャニングする (ステップ S D - 2 ) 。
一方、 スパイク毎に感度調整を行う場合においては (ステップ S D— 1 ) 、 複 数のスパイク R N Aのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度 (例えば上限 値の 2分の 1等) になるように感度を調整してスパイク R NA毎に発光支持体を スキャニングする (ステップ S D— 3 ) 。
ここで、 感度調整は、 例えば、 励起光の強さを変えることによって行ってもよ い。 すなわち、 レーザー光源部 2 0 2において照射される励起光 (レーザー光 線) の出力量を調整してもよく、 また、 スキャナ装置 2 0 0に可変レーザー減衰 器 (図示せず) をさらに備えて構成することにより、 レーザー光源部 2 0 2から 照射される励起光の強さを少なくとも 1 0 0 : 1のレンジで調整してもよい。 また、 感度調節は、 例えば、 受光器 2 1 6による受光感度を調節することによ り行ってもよい。 すなわち、 例えば受光器 2 1 6の光電子倍増管 (PMT) にか 力、る電圧を変えて PMTの感度を調整する。
そして、 スキャナ装置 2 0 0は、 スキャニングしたスキャニング画像のデータ を D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0に対して送信する (ステップ S D 一 4 ) 。
これにて、 スキャニング処理が終了する。
[スキヤェング画像取得処理]
次に、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0におけるスキャニング画像 取得処理の詳細について図 9等を参照して説明する。 図 9は、 本実施形態におけ る本システムのスキヤニング画像取得処理の一例を示すフローチャートである。 まず、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100は、 一つの DNAマイクロ アレイについて複数のスキャニング画像が存在する場合 (すなわち、 ステップ S D— 3において上述したようにスパイク毎に感度調節を行ってスキャニング画像 を撮像した場合) には (ステップ SE— 1) 、 スキャニング画像取得部 102 a の処理により、 通信制御インターフェース部 104を介してスキャナ装置 200 から取得した複数のスキャニング画像をスキャニング画像データベース 106 a に格納する (ステップ SE— 2およびステップ SE— 4) 。
一方、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100は、 一つの DN Aマイクロ アレイについて複数のスキャニング画像が存在しない場合 (すなわち、 スパイク 毎に感度調節を行ってスキャニング画像を撮像しなかった場合) には (ステップ SE-1) 、 スキャニング画像取得部 102 aの処理により、 通信制御ィンター フェース部 104を介してスキャナ装置 200から取得した一つのスキャニング 画像をスキャニング画像データベース 106 aに格納する (ステップ S E— 3お よびステップ SE— 4) 。
ここで、 スキヤユング画像取得部 102 aは、 各 D N Aマイクロアレイと対応 付けて DNAマイクロアレイ番号、 DNAマイクロアレイの実験データ、 撮像し たスキヤエング画像数、 スキャニング画像番号、 および、 使用したスパイク RN A等に関する情報をスキャニング画像データベース 106 aに格納し、 さらに、 各スキャニング画像データと対応付けてスキャニング画像番号、 および、 スキヤ ニング時にコントロールとして感度調整に用いたスパイク RNA等に関する情報 を、 スキャニング画像データベース 106 aに格納する。
これにて、 スキャニング画像取得処理が終了する。
[ノーマライズ処理]
次に、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100におけるノーマライズ処理 の詳細について図 10等を参照して説明する。 図 10は、 本実施形態における本 システムのノーマライズ処理の一例を示すフローチヤ一トである。
まず、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100は、 ノーマライズ部 102 bの処理により、 スキャニング画像データベース 106 aにアクセスして、 所望 の DNAマイクロアレイについて撮像したスキャニング画像数を読み込む (ステ ップ S F— 1) 。
そして、 ノーマライズ部 102 bは、 スキャニング番号を示す添え字 nを 1に 初期化した後 (ステップ SF— 2) 、 当該 DNAマイクロアレイの n番目 (最初 は 1番目) のスキャニング画像をスキャニング画像データベース 106 aから読 み込む (ステップ SF— 3)
そして、 ノーマライズ部 102 bは、 図 3のステップ SB— 2〜ステップ SB 一 6で上述した処理を実行することにより、 n番目のスキャニング画像にっレ、て ノーマライゼーシヨンを行う (ステップ S F— 4) 。 すなわち、 ノーマライズ部 102 bは、 スキャニング画像の複数のスパイク RN Aのシグナル強度がそれぞ れ予め定めた基準シグナル強度 (例えば、 上限値の 2分の 1等) になるように、 測定対象の R N Aの各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンをスパイ ク RN A毎に実行する。
そして、 ノーマライズ部 102 bは、 nに 1をカロ算した後 (ステップ SF— 5) 、 ステップ SF— 1にて取得したスキャニング画像数と nとを比較すること により nが最終であるかを判定し (ステップ SF— 6) 、 nが最終になるまでス テツプ S F— 3からステップ S F— 6についてループ処理を行う。
そして、 ノーマライズ部 102 bは、 全てのスキャニング画像についてノーマ ライズ後の測定データを処理結果データ 106 bに格納する (ステップ S F— 7) 。
これにて、 ノーマライズ処理が終了する。
[シグナル強度選択処理]
次に、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100におけるシグナル強度選択 処理の詳細について図 1 1等を参照して説明する。 図 11は、 本実施形態におけ る本システムのシグナル強度選択処理の一例を示すフローチャートである。
まず、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0は、 シグナル強度選択部 1 0 2 cの処理により、 処理結果データ 1 0 6 bにアクセスして D NAマイクロア レイに関するノ一マライズ後の測定データを全て読み込む (ステップ S G— 1 ) 。 そして、 シグナル強度選択部 1 0 2 cは、 図 4を用いて上述したように、 各ス パイク R N Aによってノーマライズされた各スポットのシグナル強度に基づレ、て、 スキャニング画像の各測定対象の R NAのシグナル強度のうち最適なシグナル強 度を選択する (ステップ S G— 2 )。
そして、 D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0は、 データ解析部 1 0 2 dの処理により、 選択されたシグナル強度に基づいて、 各種のプログラムを用い て所望のデータ解析を行う。
これにて、 シグナル強度選択処理が終了する。
[本発明のノ一マライズ処理等の別の実施形態]
次に、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0におけるノーマライズ処理 等の別の実施形態の詳細について図 1 4およぴ図 1 5等を参照して説明する。 図 1 4は、 本実施形態における本システムのノーマライズ処理などの別の実施形態 の一例を示すフローチヤ一トである。
まず、 異なったスキャン条件で取得したデータの統合化のための前処理として、 上述したスキャナ装置 2 0 0によるスキャニング条件の設定を行う (ステップ S H— 1 ) 。
ここで、 図 1 4の S H— 1の部分の詳細を示した図 1 5は、 スキャナ装置 2 0 0によるスキヤニング条件の設定の一例を示すフローチャートである。 図 1 5に 示すように、 配置したコント口ール用スポットの取込値 (シグナル強度) が一番 安定したシグナルとして取り込めるような条件で、 コントロール毎に感度調整を 行い、 スキヤン条件を 1つまたは複数決定する (ステップ S J— 1 )。
ここで、 コントロール用スポットの取込値 (シグナル強度) は、 スキャナ装置 2 0 0の上限値の半分程度に設定することが好ましい。 そして、 ステップ S J— 1により決定されたスキャン条件により、 発現量に応 じてスキャナ装置 200によりスキャニングを行い、 各スキャニング画像データ を取得する (ステップ S J— 2〜ステップ S J— 6) 。
そして、 スキャン条件に基づいて、 シグナル強度の低限界値 (下限) と高限界 値 (上限) を選択する (ステップ S J— 7) 。
再び図 14に戻り、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100 (図 6) は、 スキャニング画像取得処理 102 a (図 6) によって、 ステップ SH—1におい てスキャナ装置 200が取得した各スキャニング画像データを取得すると、 統合 化部 102 e (図 12) の処理により、 複数の異なるコントロール用 RNAを用 いたスキャニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットのシグナレ強度 を、 当該複数の異なるコントロール用 RN Aの中から選択した一種類または数種 類のコント口ール用スポットのシグナル強度に換算することにより統合する (ス テツプ SH— 2) 。
ここで、 統合化部 102 e (図 12) による異なった条件でスキャンエングし たデータの統合化は、 複数のスパイク RNAの中から一種類または数種類の選択 した基準遺伝子のスキャンユングデータを用いて数値の最適化を行うことにより シグナル強度を換算する。 統合化部 102 e (図 12) は、 同一スポットの異な つたスキャンユング条件での最適化数値より、 統合の代表値を求める。 代表値の 決定法は、 例えば平均値、 中央値等とする。
そして、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100 (図 6) は、 棄却値選定 部 102 f (図 12) の処理により、 ステップ SH〜 2にて換算した各スポット のシグナル強度または二色競合法におけ 対照検体と測定検体のシグナル強度の 比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基づ き棄却値を選定する (ステップ SH—3) 。
ここで、 棄却値選定部 102 f (図 12) による棄却値の選択は、 例えば次の 1) 〜3) を単独または複合で使用することができる。
1 ) 同一遺伝子の C y 3値または C y 5値での棄却検定を行う。 2 ) 同一遺伝子の C y 3値 ZC y 5値での棄却検定を行う。
3) 同一遺伝子間の C y 3値おょぴ C y 5値のユークリッド距離を求めて棄却値 を選定する。
なお、 棄却値選定部 102 f (図 12 ) による棄却計算方法はマイクロアレイ チップ性能、 目的により選択可能とする。
そして、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 10◦ (図 6) は、 仮代表値決 定部 102 g (図 12) の処理により、 ステップ SH— 3により選定された棄却 値を用いて棄却した後の残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値ま たは中央値を得て各遺伝子の仮代表値を決定する (ステップ SH— 4) 。
ここで、 仮代表値決定部 102 g (図 12) による、 選択した棄却値を除いた 仮代表値の算出は、 マイクロアレイの実験条件 '精度'スポット数などにより、 例えば次の 1) 〜4) を自由に選択できる。
1 ) 同一遺伝子の棄却値を除いて C y 3値または C y 5値の個々の平均値を求め て仮代表値とする。
2) 同一遺伝子の棄却値を除いて C y 3値または C y 5値の個々の中央値を求め て仮代表値とする。
3) 同一遺伝子の Cy 3値 /Cy 5値 (比) の平均値を求めて仮代表値とする。
4) 同一遺伝子の Cy 3値 ZCy 5値 (比) の中央値を求めて仮代表値とする。 そして、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100 (図 6) は、 仮代表値決 定部 102 g (図 12) の処理により、 Cy 3値/ Cy 5値の比の値を代表値と しない場合には (ステップ SH— 5) 、 仮代表値の Cy 3値および Cy 5値仮代 表値の算出を代表値決定部 102 j (図 12 ) の処理により代表値を決定する (ステップ SH— 6、 代表値決定部 102 j (図 12) ) 。
ここで、 仮代表値決定部 102 g (図 12) および代表値決定部 102 j (図 12) によるステップ SH— 5および SH— 6における代表値の決定は、 マイク ロアレイの実験条件 '精度'スポット数などにより、 例えば次の 1) または 2) を自由に選択できる。 1 ) 統合'棄却後の C y 3値および C y 5値の仮代表値を代表値とする。 ( S H 一 5から直接 S H— 7に移行する)
2 ) 統合'棄却後の C y 3値および C y 5値を内部の補正用遺伝子を使用して補 正して代表値とする。 (S H—5から S H— 6 (代表値決定部 1 0 2 j (図 1 2 ) ) を経由して S H— 7に移行する)
ここで、 補正手法として、 代表値決定部 1 0 2 j (図 1 3 ) は、 回帰式補正部 1 0 2 h (図 1 3 ) の処理により、 仮代表値決定部 1 0 2 gにて決定した仮代表 値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補 正してもよい。
また、 代表値決定部 1 0 2 j (図 1 3 ) は、 補正用遺伝子補正部 1◦ 2 i (図 1 3 ) の処理により、 あらかじめ補正用遺伝子測定結果データベース 1 0 6 cに 登録された各補正用遺伝子の測定結果に従つて対照検体と測定検体で同等のシグ ナル強度を示す補正用遺伝子のリストを選択し、 当該補正用遺伝子リストに対応 する仮代表値を選択し、 この補正用遺伝子リストに対応する仮代表値を利用して 回帰式を求めて全ての仮代表値を補正することにより、 対照検体と測定検体の測 定上の誤差を補正して代表値を決定して測定上の誤差を補正してもよい。
そして、 D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0 (図 6 ) は、 データ解析 部 1 0 2 d (図 6 ) の処理により、 K一平均法や階層クラスタリング手法 (例え ば、 S t e e n K n u d s e n著 「D NAマイクロアレイデータ解析入門」 (羊土社、 2 0 0 2年) などを参照。 ) 、 サポートベクターマシーン ( S VM) を用いたクラスタリング手法 (例えば、 Iizuka Nら" Oligonucleotide microarray for prediction of early intrahepatic recurrence of
hepatocellular carcinoma after curative resection. " (Lancet 2003 Mar 15 ; 361 (9361) :923 - 9) 、 Valentini G. " Gene expression data analysis of human lymphoma using support vector machines and output coding
ensemblesノ, (Artif Intell Med 2002 Nov ;26 (3) : 281-304) 、 Pavlidis Pら,, Learning gene functional classifications from multiple data types. " (J Comput Biol 2002;9 (2) :401— 11) 、 Furey TSら,, Support vector machine c丄 assiiication and validation of cancer tissue samples using microarray expression data. " (Bioinformatics 2000 Oct ; 16 (10) : 906—14) 、 などを参 照。 ) 、 自己糸且織化マップ (S OM) を用いたクラスタリング手法 (例えば、 Lamendola DEり Molecular Description of Evolving Paclitaxel Resistance in the SKOV— 3 Human Ovarian Carcinoma Cell Line. " (Cancer Res 2003 May 1 ; 63 (9) : 2200 - 5) 、 Herrero Jら,' Combining hierarchical clustering and self-organizing maps for exploratory analysis of gene expression patterns. " (J Proteome Res 2002 Sep- Oct ; 1 (5) : 467- 70) 、 Xiao Lら" Component plane presentation integrated self-organizing map for microarray dataanalysis. " (FEBS Lett 2003 Mar 13 ; 538 (1-3): 117-24) 、 Wang Jら,, Clustering of the SOM easily reveals distinct gene expression patterns: results of a reanalysis of lymphoma study. " (BMC
Bioinformatics 2002 Nov 24 ;3 (1) : 36) 、 Toronen Pら,, Analysis of gene expression data using self-organizing maps. " (FEBS Lett 1999 May
21 ;451 (2) : 142-6) 、 などを参照。 ) 、 マハラノビス距離を用いたクラスタリン グ手法 (例えば、 Chilingaryan Aら', Multivariate approach for selecting sets of ditierentially expressed genes.,, (Math Biosci 2002
Mar ; 176 (1) : 59-69) 、 などを参照。 ) 等による各種の判定アルゴリズムにより解 析を行う。 (ステップ S H— 7、 データ解析部 1 0 2 d (図 6 ) ) 。
そして、 D NAマイクロアレイデータ処理装置 1 0 0 (図 6 ) は、 ノーマライ ズ部 1 0 2 b (図 6 ) の処理結果およびデータ解析部 1 0 2 d (図 6 ) により、 ノーマライズデータと最終結果を取得し、 記憶部 1 0 6 (図 6 ) の処理結果デー タ 1 0 6 b (図 6 ) の所定の記憶領域に格納する。
[他の実施の形態]
さて、 これまで本発明の実施の形態について説明したが、 本発明は、 上述した 実施の形態以外にも、 上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内におい て種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100がスタンドアローンの形 態で処理を行う場合を一例に説明したが、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、 その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
また、 上記の実施形態においては、 コントロール用遺伝子としてスパイク用遺 伝子を用いてノーマライズを行う場合を一例に説明したが、 本発明はかかる場合 に限定されるものではなく、 試料内に含まれる遺伝子で、 細胞毎の発現の変動が 少ない遺伝子 (例えば、 b e t a— a c t i n、 GAPDH、 o l y (A) b i n d i n g p r o t e i n (PABP) g l y c y l t RNA s y n t h e t a s e, hnRNP HI等) 等を複数用いた場合にも同様に適用す ることができる。
また、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100力 スキャナ装置 200や DN Aマイクロアレイスキャニングシステムの動作を制御する機能を備えていて もよレヽ。 すなわち、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100が送信する命令 に従って、 スキャナ装置 200における感度調整などの動作を実行してもよい。 また、 スキャナ装置 200や DNAマイクロアレイスキャニングシステムの動作 を制御する機能を備えた別のコンピュータ装置を用いてもよい。
また、 実施形態において説明した各処理のうち、 自動的に行なわれるものとし て説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、 あるいは、 手動的 に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に 行うこともできる。
この他、 上記文書中や図面中で示した処理手順、 制御手順、 具体的名称、 各種 の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、 画面例、 データベース構成 については、 特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100に関して、 図示の各構成要 素は機能概念的なものであり、 必ずしも物理的に図示の如く構成されていること を要しない。
例えば、 DNAマイクロアレイデータ処理装置 100の各部または各装置が備 える処理機能、 特に制御部 102にて行なわれる各処理機能については、 その全 部または任意の一部を、 CPU (C e n t r a l P r o c e s s i n g Un i t) および当該 CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、 あるいは、 ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能で ある。 なお、 プログラムは、 後述する記録媒体に記録されており、 必要に応じて DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100に機械的に読み取られる。
すなわち、 ROMまたは HDなどの記憶部 106などには、 OS (O e r a t i n g S y s t em) と協働して C PUに命令を与え、 各種処理を行うため のコンピュータプログラムが記録されている。 このコンピュータプログラムは、 RAM等にロードされることによって実行され、 CPUと協働して制御部 102 を構成する。 また、 このコンピュータプログラムは、 DNAマイクロアレイデー タ処理装置 100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーシ ヨンプログラムサーバに記録されてもよく、 必要に応じてその全部または一部を ダウンロードすることも可能である。
また、 本発明にかかるプログラムを、 コンピュータ読み取り可能な記録媒体に 格納することもできる。 ここで、 この 「記録媒体」 とは、 フレキシブルディスク、 光磁気ディスク、 ROM、 EPROM、 EEPROM、 CD-ROM, MO、 D VD等の任意の 「可搬用の物理媒体」 や、 各種コンピュータシステムに内蔵され る ROM、 RAM, HD等の任意の 「固定用の物理媒体」 、 あるいは、 LAN、 WAN, インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信す る場合の通信回線や搬送波のように、 短期にプログラムを保持する 「通信媒体」 を含むものとする。
また、 「プログラム」 とは、 任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理 方法であり、 ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。 なお、 「プロ グラム」 は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、 複数のモジュールゃラ ィブラリとして分散構成されるものや、 OS (Op e r a t i n g S y s t e m) に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。 なお、 実施の形態に示した各装置にぉレ、て記録媒体を読み取るための具体的な構 成、 読み取り手順、 あるいは、 読み取り後のインス トール手順等については、 周 知の構成や手順を用いることができる。
記憶部 106に格納される各種のデータベース等 (スキヤニング画像データベ ース 106 a〜補正用遺伝子測定結果データベース 106 c) は、 RAM、 RO M等のメモリ装置、 ハードディスク等の固定ディスク装置、 フレキシブルデイス ク、 光ディスク等のストレージ手段であり、 各種処理やウェブサイト提供に用い る各種のプログラムやテープノレゃフアイ/レゃデータベースやウェブページ用ファ ィル等を格納する。
また、 DN Aマイクロアレイデータ処理装置 100は、 既知のパーソナルコン ピュータ、 ワークステーション等の情報処理端末等の情報処理装置にプリンタゃ モユタやイメージスキヤナ等の周辺装置を接続し、 該情報処理装置に本発明の方 法を実現させるソフトウェア (プログラム、 データ等を含む) を実装することに より実現してもよい。
さらに、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置 100の分散 ·統合の具体的形 態は図示のものに限られず、 その全部または一部を、 各種の負荷等に応じた任意 の単位で、 機能的または物理的に分散 '統合して構成することができる。 例えば、 各データベースを独立したデータベース装置として独立に構成してもよく、 また、 処理のー咅を CG I (Commo n Ga t ewa y I n t e r f a c e) 用いて実現してもよい。
[実施例]
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。 もっとも本発明は下記実施 例に限定されるものではない。
1. 複数の人工 (コントロール) RNAスポットのシグナル弹度を基準としたデ ータの取込み コントロール用 RNAをゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝子 (R l u c、 表中 では RL) 、 パキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64、 表中では GP) 、 及ぴ ラムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22、 表中では LP) を標識する試料 RN A (全 RNA、 mRNA、 増幅 RNA) に添加した (上述した図 2等参照) 。 添 加量は Cy 3用、 Cy 5用のそれぞれの試料 RNA6 μ gに 5000 p g (R l u c) 、 1600 p g (g p 64) 、 312. 5 p g (e a 22) と した。
常法により検体 RNAを Cy 3で、 対照 RNAを C y 5で標識し、 DNAマイ クロアレイ (自家製) 上でハイブリダイゼ一ションを行い、 スキャニングの試料 とした。
スキャナは、 S c a n A r r a y 5000 (製品名) (パーキンエルマ一ライ フサイエンスジャパン株式会社 (会社名) ) を使用した。 スキャン条件は、 まず、 人工 RN Aとして高濃度で添カ卩したゥミホタルルシフェラーゼ遺伝子 (以下 RL とレヽう) のスポットがスキャナ上限値の 50%シグナノレ値 (上記スキャナでは絶 対シグナル値として約 30000になる) になる条件でスキャニングした (以下 この条件を 「RL 50%」 、 この条件で得た値を 「RL50%値」 とレヽう。 GP、 LPでも同じ。 ) 。 次に、 人工 RNAとして中濃度で添加したバキュロウィスル 膜蛋白遺伝子 (以下 GPという) のスポットがスキャナ上限値の 50%シグナル 値 (GP 50%値) になる条件でスキャニングした。 最後に、 人工 RNAを低濃 度で添加したラムダファージ e a 22遗伝子 (以下 LPという) のスポットがス キャナ上限値の 50 %シグナル値になるようにスキャンユングした。 すなわち R Lを基準としたスキャニングでは弱いレーザーパワーで、 LPを基準としたスキ ャエングでは強いレーザーパワーでデータを取込んだことになる。 このようにし てスキャニングしたデータでは、 各スポットに対して 6つの異なったスキャン条 件での結果が得られることになる (C y 3と C y 5についてそれぞれ高 ·中 · 低) 。
このようにデータを取得することにより、 「従来の技術」 で述べた測定上の誤 差、 特に低発現領域と高発現領域で見られる非線形の問題を解消することができ る。 即ち、 この部分の解決策として、 レンジ決めのスパイク (コントロール) を 使って線形性の高いデータを 3種類集め、 後に補正によって統合するため、 線形 性を保つた状態のデータを取扱えるというメリットがある。 また、 取扱ぅフアイ ルがすべて線形なので、 スケール化 (ノーマライズ) する前に複数のファイルを 1つのファイルに統合して、 そのまま取り扱える点にメリットが非常に大きい。 表 1にその結果をァレイ上の代表的な遺伝子及びコントロール遺伝子 (R L、 G P、 L P ) について示す。 なお C y 3と C y 5のサンプルは同じもので、 表中 の C y 3— G P、 C y 5一 G Pは G Pスポットが、 C y 3一 R L、 C y 5 _R L は R Lスポット力 C y 3— L P、 C y 5— L Pは L Pスポットが、 それぞれ C y 3、 C y 5の波長でシグナル強度 3 0 0 0 0になるように取り込んだものであ る。 各遺伝子はそれぞれ 4スポット、 コントロールは 7スポットある。 表中の値 で 「6 5 5 3 5」 は飽和状態を示す。 表 1
Cy3_RL Cy5_RL Cy3_GP Cy5_GP Cy3_LP Cy5_LP シグナノレシグナノレシグナノレシグナルシグナノレシグナノレ 遺伝子名 中央値 中央値 中央値 中央値 中央値 中央値 alpha - 1 antitrypsin 591 279 6497 5598 9114 7668 alpha- 1 antitrypsin 343 113 5335 4429 7834 6208 alpha- 1 antitrypsin 425 154 5861 4235 7591 5885 alpha- 1 antitrypsin 486 341 6911 5972 9670 8118
NADH dehydrogenase 4 1646 1039 15744 16501 21923 22495
NADH dehydrogenase 4 1792 1324 18422 19623 25745 26710
NADH dehydrogenase 4 1293 716 14851 11803 20495 15488
NADH dehydrogenase 4 1338 831 15101 14357 21584 19210
Figure imgf000068_0001
Figure imgf000069_0001
Figure imgf000070_0001
89
..990/C0df/X3d zひ οουεο OAV LP (人工 R A) 2488 1692 25269 28592 33954 37530
LP (人工 RNA) 2212 1676 23076 25104 30601 32904
LP (人工讓) 1914 1069 20014 17802 28835 23300
LP (人工 RNA) 2030 1535 20986 23041 30322 30375
LP (人工 RNA) 2465 1783 23269 25574 32294 34271
LP (人工 RNA) 2583 1849 25597 27405 34621 38097
LP (人工 RNA) 3085 2000 29429 29516 41849 38571
2 . データの検証
上記 3条件でスキャンユングしたァレイ上の遺伝子約 7 0 0のデータを取込値 としてシグナノレ値が 2 0 0 0以上で 6 0 0 0 0以下の値のみ使用して、 X軸に G P 5 0 %値、 Y軸に R L 5 0 %値をプロットした (図 1 6、 図 1 7 )。
その結果、 C y 3取込値に関しては、 相関係数 r = 0 . 9 9 2、 回帰式 Y == 0 . 1 0 5 5 Xであった (図 1 6 )。 C y 5取込値は、 相関係数 r = 0 . 9 8 6、 回 帰式 Y = 0 . 0 7 1 5 Xであった (図 1 7 ) 。 この結果は、 C y 3値であれば、 R L 5 0 %のスキャン条件で取込んだシグナル値は、 G P 5 0 %のスキャン条件 で取込んだシグナル値の 0 . 1 0 5 5倍であることを示している。 すなわち、 ス キャン条件が異なつていても同一のスポットのシグナノレ値は比例関係になってい ることを示しており、 異なるコント口一/レ毎の取込みが有効で
あることが示されている。
一方 C y 3と C y 5のグラフの位置と傾きを比較すると、 両者は一致していな レ、。 また両グラフの回帰式も一方が約 0 . 1に対し、 もう一方は 0 . 0 7と、 大 きく異なっている。 したがって C y 3と C y 5ではその蛍光強度の傾きが異なる ため、 即ち低シグナル強度領域では C y 3が高めになり、 全体のシグナル強度が 增すに従って C y 5が高くなる傾向が推定された。 これにより C y 3と C y 5の 比の誤差が、 シグナル強度の領域の違いによって、 異なることが予想される。 3. 各取込みデータの銃合 ( 「GP 3万補正」 )
そこで上記誤差を解消するため、 まず各取込みデータを補正によって銃合した。 この補正は、 Cy 3 (または Cy 5) の 3種類のファイルデータが、 同じ傾きの 直線であると仮定したものである。 具体的には Cy 3— GP、 Cy 5— GP、 C y 3_RL、 Cy 5— RL、 Cy 3一 LP、 C y 5— L Pファイルの各 G Pの 7 スポットのデータを平均して、 各平均値で各ファイルの値を割って、 30000 を掛けることによつて取込条件が異なるフアイル全てのデータが、 人工 R N A GPの 30000値に合わせた補正データとした。 取込時に飽和値 (6553 5) を示しているものは除外し、 人工 RNA GP 30000取込の場合は、 1 000以下、 1 1 30000取込の場合は、 1800以下を下限値として不採 用とした。 また、 LP30000取込の場合は、 低発現遺伝子を最も反映できる ファイルであるため全て採用した。 その結果を以下の表 2に示す。 表 2
Cy3_RL Cy5_RL Cy3一 GP Cy5_GP Cy3一 LP Cy5_LP 遺伝子名 ' GP3万 GP3万 GP3万 GP3万 GP3万 GP3万
捕正 捕正 補正 補正 補正 .補正
alpha—丄 antiて rypsin 6178 5247 6411 5421 alpha-丄 antitrypsin 5073 4151 5511 4389 alpha - 1 antitrypsin 5574 3969 5340 4161 alpha-丄 antitrypsin 6572 5598 6803 5739
NADH dehydrogenase 4 14972 15466 15422 15903
NADH dehydrogenase 4 17518 18392 18111 18883
NADH dehydrogenase 4 14123 11063 14418 10950
NADH dehydrogenase 4 14360 13457 15184 13581
Figure imgf000073_0001
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4. 各スポットからの遺伝子の仮代表値の決定 (棄却検定による例) (1) GP 3万補正の平均値 さらに上記補正後の各遺伝子スポットの値のどれを採用するか (代表値の選 択) について工夫を行った。 まず捕正後の値について C y 3と C y 5それぞれに ついて平均値を取った。 例えば上記表の最後尾の LPについては、 補正後 Cy 3 平均は 28475 (28001、 27986、 29439の平均) となる。
(2) 棄却検定
そこでこれらの捕正後平均値を用いてスミルノフ ·グラップスの棄却検定を行 つた。 検定の対象は前述の C y 3と C y 5それぞれについての G P 3万捕正後平 均値とそれらの比 (Cy 3ZCy 5) について以下の式により行った。 検定統計量 T i = I標本平均値一個々の標本値 I 標本分散 有意水準を 10%とすると、 n = 4 (1遺伝子のスポットの数) の場合、 T i 値が 1. 425以上で棄却、 また、 n=7 (コントロール遺伝子はスポット数が 各 7個ある) の場合、 T i値が 1. 828以上で棄却となる。 スポット毎の結果 (各行) については、 Cy 3、 Cy 5、 または C y 3 ZC y 5のいずれかが棄却 となったものについてはデータとして棄却 (これ以降の解析から除外する) する こととした。 結果を以下の表 3に示す。
Figure imgf000077_0001
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..990/C0df/X3d Ζひ ΟΟΐ/εθ OAV ( 3 ) 仮代表値の決定
棄却された値を除いた後、 平均値または中央値を求めて遺伝子の仮代 表値とすることができる。 ここでは、 平均値の結果を以下の表 4に示す t 表 4
Figure imgf000085_0001
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ribosomal 105136 103630
protein L35
ribosomal 91889 96876
protein L35
ribosomal
protein L35
ribosomal 329645 445141 315154 427073 protein S6
ribosomal 350411 494950
protein S6
ribosomal 274424 365659
protein S6
ribosomal 306137 402541
protein S6
kininogen 3353 1594 3258 1535 kininogen 2709 1485
kininogen 3692 1607
kininogen 3277 1452
GAPDH 222019 245685
GAPDH 222898 285042
GAPDH 217638 243884
GAPDH 225521 208129
thymosin beta - 208248 229814 10
thymosin beta - 208757 247356
10
Figure imgf000089_0001
LP (人工 RNA) 22405 24099
LP (人工 RNA) 24047 25662
LP (人工 RNA) 28475 27096
5. 各スポッ トからの遺伝子の仮代表値の決定 (ユークリ ッド距離を用 いた外れ値の除外)
前述の棄却検定に代わって、 ユークリ ッ ド距離を用いて外れ値を除外 する方法でも仮代表値を決定することができる。
まず前述の棄却検定と同様に、 G P 3万補正後の平均値を求めた。 さ らにその値から下記の計算式によりユークリ ッ ド距離を求め、 それぞれ の距離値を比較し、 外れ値を除外した。 j :
f (標本 C y 3平均値一個々の C y 3標本値) 2+ (標本 C y 3平均値 —個々の C y 3標本値) 2 棄却 (除外) の選択方法は、 最も近いものを 4個中 2個選択するなど 色々な方法で行うことができるが、 本実施例では同じ遺伝子スポッ ト (4個または 7個) 中で最も大きく外れたもの 1個を棄却とした。
さらに外れ値を除外した値の平均値をと り、 各遺伝子の仮代表値とし た。 これらの仮代表値は、 遺伝子によっては前述の方法による仮代表値 と異なる。 その結果を以下の表 5に示す。 表 5
遺伝子名 Cy3 Cy5 Cy3/Cy ユーク Cy 遺伝子仮 遺伝子仮
GP3万ネ甫 GP3万ネ甫 5 リ ッ ド、 3 代表値 代表値
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6
LL990/£0d£/∑Jd zひ οουεο OAV
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6. C y 3と C y 5のゆがみの補正:代表値の決定
前述の GP 3万補正によって、 グラフ上の右上と左下にあったグラフを中央 のグラフに合わせこみ、 さらに棄却検定等により、 外れ値を除外した。 この作 業により、 測定値のほとんどが 1本の直線上にのることとなったが、 こんどは この直線のゆがみが問題となる (図 18) 。
図 1 8では Cy 3側 RNA、 C y 5側 RNAは同じ RNAである。 従って C y 3と Cy 5が全く同じ挙動を示すならばグラフ中央の直線と同じになるはず である。 ところが低発現域では Cy 3が Cy 5より強い。 これは先の GP 3万 補正を行っても現れるため、 Cy 3と Cy 5の誤差ではなく、 支持体であるス ライドグラスがわずかに Cy 3と近い波長の蛍光を発していることが原因と推 定された。 ,
実際、 このゆがみは、 相加的なゆがみであることを見つけ出している。 例と して、 無味数での計算結果を示す。 図 19において擬似 C y 5値は、 1000 0カゝら 2で割つた等比数列で、 擬似 C y 3値は、 擬似 C y 5値を 1. 2倍して 30を加えたものであるが、 マイクロアレイの Cy 3Cy 5値のゆがみと酷似 している。
つまり、 この図 1 9では、 C y 3に 30加えただけで、 上記のようなゆがみ が生じさせることができる。
そこで、 幾つかのスポットを用いて相関関係より回帰式を求めて、 片側の値 (例えば Cy 5値) を補正することによってこのゆがみは解消されるはずであ る。 例えば上記では、 回帰直線の式は (擬似 Cy 3) = 1. 2 X (擬似 Cy 5) +30となるため、 擬似 Cy 5値を 1. 2倍して 30を加えれば直線に変 換できる。 また、 擬似 Cy3 値から 30を引いて 1. 2で割れば直線にできる。 すなわち、 回帰直線の式を用いることによって 1 : 1の関係に補正できること になる。
そこで図 18で示した実際のデータを用いて回帰式の補正ができるか検証し た。 捕正用遺伝子として約 200遺伝子を選択して (後述 「 7. コントロール RNA (レファレンス RNA) の補正) 、 その回帰式 (擬似 Cy 5) = 1. 2 X (擬似 Cy 3) — 2272を用いて補正した。 その結果を図 20に示す。 この補正によって、 直線関係が得られない低発現部分に関しては、 これまで 測定感度以下として扱われてきたが、 評価対象にすることができることが示さ れた。 そこで、 この補正で得られた Cy3値と Cy5値を代表値として決定する。
7. コントロール RNA (レファレンス RNA) の補正
前述のように DN Aマイクロアレイではアレイ間差をなくすため、 検体 RN Aに対して対照 RNAを同時に測定し、 比として結果を得ることが多い。 具体 的には Cy 3または Cy 5の一方を例えば培養細胞からの抽出 R N Aとし、 も う一方を検体 RN Aとして、 それぞれを Cy 3または Cy 5で標識して、 最終 的にはアレイの各スポットについて C y 3と C y 5との比で求めるというもの である。
この場合実験開始時に両者の RNA量を揃えても、 Cy 3Cy 5の標識効率 が異なるため、 あるいは標識工程等での量の減少が想定されるため、 単純にマ イクロアレイ上の測定値を比較することはできない。
一般にはハウスキーピング遺伝子を用レ、て補正を行う力 培養細胞では必ず しもハウスキーピング遺伝子がハゥスキーピングに働いているとは限らず、 選 択が難しい。
(1) 補正用遺伝子の選択方法
そこで C y 5標識したコントロール (培養細胞) R N Aと C y 3標識した検 体 (ヒト肝組織) RNAを同一のマイクロアレイ上でハイブリダィゼーシヨン させ、 ほぼ 1対 1の関係にある遺伝子を選択した (図 21、 図 22) 。
図中では選択した補正用遺伝子を酾、 その他の遺伝子を〇で示した。 検体 2 例分を示す。 このような選択方法であれば、 コント口ール RNAと検体 R A 類似していなくとも補正用遺伝子の選択はできる。 なお、 無処置と薬剤処置、 病態 Aと病態 B、 薬剤応答性なしと薬剤応答性あ り等の比較を望む場合は以下のように行う。 たとえば、 無処置と薬剤処置を 各々 10例がある場合は、 まずそれぞれの比較したい群に分け、 各々 10例の データを取得して GP 3万補正を行い、 各々の Cy 3/Cy 5比を求める。 こ の合計 20例の全ての検体で Cy 3/Cy 5比が 2〜0. 5の範囲内の遺伝子 セットを割り出す。 この時、 ばらつきの指標である CV値を求めて、 20%以 内の遺伝子セットにすることもできる。 さらに好ましくは、 Cy 3/Cy 5比 力 Si. 5〜lZl. 5の範囲内かつ CV値 10%以内の遺伝子セットである。 ここで選択された遺伝子セットを補正用遺伝子として使用する。
この遺伝子セット (補正用遺伝子) を利用して回帰式の補正を行う。 バック グランドに相当する溶媒のみのスポットゃブランク用スボットの Cy 3/Cy 5値が、 選択した遺伝子セットを用いた回帰式補正で、 2〜 0. 5の範囲内に なるか判断する。 もし、 バックグランドに相当する溶媒のみのスポットやブラ ンク用スポットの Cy 3/Cy 5値がこの範囲より外れる場合、 捕正用遺伝子 選択時に使用した例数を増加する。 この過程を繰り返すことによって、 最適な 補正用遺伝子の選択を行う。
(2) 補正結果
この補正用遺伝子を用いてデータ全体を補正した。 つまり、 一般にはノーマ ライズはメンテナンス遗伝子 (内部標準) か、 人工的に外部から入れたスパイ ク (コントロール) のいずれかで行うが、 本実施例では C y 3内または C y 5 内のファイルの統合をスパイクで行い、 Cy 3と Cy 5間のノーマライズを上 記によつて選択した遺伝子で行つた。 補正した結果を図 23、 図24に示す。 8. 補正の有効性の検証
これまで述べた、 異なる複数のコントロール RNAに基づくスキャニングと その統合及ぴ補正をしたデータを用いて解析を行った。 C型肝炎患者の肝組織 から抽出した RNAについて、 DNAマイクロアレイ (自家製) を用いてハイ ブリダィゼーシヨンを行い、 患者 10名のデータを取得した。 このデータにつ いて、 前記実施例と同様に、 異なったレーザーパワーで取込んだ値を、 ノーマ ライズ用遺伝子 (RL、 GP、 LP) の値を用いて統合した。 その値を GP 3 万補正して三井情報開発株式会社 (会社名) の Ge n om i c P r o f i l e rソフトウエア (商品名) を用いて Eu c l i d e a n Wa r d法で階層ク ラスタリングを行ったところ、 検体は大きく 2つのクラスターに分かれ、 片方 のクラスタ一はさらに 2つに分かれた (図 25) 。 図中のサンプル番号につい ている N及ぴ Cは、 臨床的に診断されたもので、 Cは薬剤 (インターフェロン 療法) の効果を示すタイプを示し、 Nは薬剤の効果が無いタイプを示している。 クラスターが 3つに分かれたことにより、 G P 3万補正だけでは薬剤が有効か 無効か判断のつかない群が現れ、 臨床診断との不一致部分が残った。
そこで、 GP 3万捕正の後に、 スミルノフ ·グラップスの棄却検定を用いた はずれ値の棄却 (上述 4 (1) ) 、 残りの平均値による代表値の決定 (上述 4 (2) ) 、 Cy 3 · Cy 5のゆがみ補正 (上述 6) を上述 7 (1) で決定した 補正用遺伝子 (I n t e r n a l c o n t r o l) を用いたノーマライズを 行い、 再度同じ解析方法で検証した。
その結果、 先の 10検体は大きく 2群のクラスターに分かれ、 臨床診断上の 薬剤無効群と効果群と一致した (図 26) 。 すなわち、 マイクロアレイデータ の取得方法として、 異なった取り込み条件でデータを取得することによって 1 条件の取り込みでは得られない、 高シグナルから低シグナルまでの精度の高い データが取得できること、 これら異なった条件で取り込んだデータを一つの条 件で取り込んだデータとして取り扱いができるように統合できること、 棄却過 程によって信頼性の高いデータにできること、 補正用遺伝子を用いて回帰式を 利用した補正ができること、 これら補正を行ったマイクロアレイデータを使用 することにより判定解析ができることを示している。 産業上の利用可能性
以上のように、 DNAマイクロアレイデータ処理方法、 DNAマイクロアレ ィデータ処理システム、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラム、 および、 記録媒体は、 従来は一種類とされていたスパイク R NAやハウスキー ピング遺伝子などのコント口ール用遺伝子に複数の遺伝子 R N Aを使用するこ とにより、 D N Aマイクロアレイによる測定精度や再現性の向上を可能とし、 測定レンジを拡大させ、 また、 R N Aの増幅や標識反応、 アレイ上での結合
(ハイブリダィゼーシヨン) 反応、 およびシグナル取込み等の一連の過程にお いて現れる様々なばらつきや誤差を、 補正によって取り除くことにより信頼性 の高いデータを取得し、 さらにそれらの補正方法を一般生物学研究者が容易に 理解しうる構成とすることで、 ユーザーが自由に操作'活用でき、 同時に作業 の煩雑さを軽減し効率化を図り、 スキャニングからデータ解析に至る完全自動 化を可能とする。
これにより、 本発明にかかる D NAマイクロアレイデータ処理方法、 D NA マイクロアレイデータ処理システム、 D N Aマイクロアレイデータ処理装置、 プログラム、 および、 記録媒体は、 D N A配列などの解析を行うバイオインフ ォマテイクス分野において極めて有用である。 すなわち、 本発明は、 産業上多 くの分野、 特に医薬品、 食品、 化粧品、 医療、 遺伝子発現解析等の分野で広く 実施することができ、 極めて有用である。

Claims

請 求 の 範 囲
1. 複数の遺伝子から調整したコントロール用 RNAおよび Zまたは人工的 に合成した複数のコントロール用 RNAを測定対象の RNAに混入して調整し た試料を用いてハイブリダィゼーシヨンを行った DN Aマイクロアレイの発光 支持体のスキャニングを行い、 当該複数のコントロール用 RNAが結合した各 コントロール用スポットのシグナル強度に基づいてスキャニング画像の上記測 定対象の RN Aの各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーシヨンを 行うこと、
を特徴とする DN Aマイクロアレイデータ処理方法。
2. 測定対象の RNAに複数の遺伝子から調整したコントロール用 RNAお よび/または複数の人工的に合成したコント口ール用 R N Aを混入して調整し た試料に対して DN Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼーシヨンを行う ノヽイブリダィゼーシヨンステップと、
上記ハイブリダィゼージョンステップにてハイブリダィゼーションを行った 上記 DN Aマイクロアレイについてスキャナ装置を用いて発光支持体をスキヤ ニングするスキャニングステップと、
上記スキヤニンダステップにてスキヤニングされたスキヤニング画像の上記 複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コントロール用スポットのシグナル 強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R N Aの各スポッ トのシグナノレ強度のノーマライゼーションを上記コントローノレ 用 RN A毎に実行するノーマライズステップと、
上記ノーマライズステップにて各コントロール用 RNAによってノーマライ ズされた各測定対象スポッ トのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の 各測定対象の RNAのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグ ナル強度選択ステップと、 を含むことを特徴とする DNAマイクロアレイデータ処理方法。
3. 上記スキャニングステップは、 上記複数のコントロール用 RN Aが結合 した各コントロール用スポットのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度 になるように調整して上記コントローノレ用 RNA毎に上記発光支持体をスキヤ ユングすること、
を特徴とする請求の範囲第 2項に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方 法。
4. 上記測定対象の RNAはヒ ト遺伝子 RNAであり、 上記複数のコント口 ール用 RN Aはヒト遺伝子とはハイブリダィズしない、 複数の非ヒト遺伝子断 片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成した RNAであるこ と、
を特徴とする請求の範囲第 1項から第 3項のいずれか一つに記載の DN Aマ イクロアレイデータ処理方法。
5. 上記測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 または、 非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 RNAの混合で、 上記複数のコントロール用 RN Aは当該非 ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイブリダィズしない、 複数の遺伝 子断片から調整した R N Aおよび Zまたは複数の人工的に合成した R N Aであ ること、
を特徴とする請求の範囲第 1項から第 3項のいずれか一つに記載の DN Aマ イクロアレイデータ処理方法。
6. 上記複数のコントロール用 RNAは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺伝 子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RN Aを用い ること、 を特徴とする請求の範囲第 1項から第 5項のいずれか一つに記載の DNAマ イクロアレイデータ処理方法。
7. 上記複数のコントロール用 RN Aは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺伝 子 (R 1 u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラム ダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整すること、 を特徴とする請求の範囲第 1項から第 6項のいずれか一つに記載の DNAマ イクロアレイデータ処理方法。
8. 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数 の遺伝子の DNAをコントロール用スポットとしてそれぞれスポットした DN Aマイクロアレイを用いてハイブリダイゼーションを行った DNAマイクロア レイの発光支持体のスキャニングを行い、 当該複数のコントロール用スポット に結合した R N Aのシグナル強度に基づいてスキヤニング画像の測定対象の R NAが結合した各スポットに対してシグナル強度のノーマライゼーシヨンを行 うこと、
を特徴とする DNAマイクロアレイデータ処理方法。
9. 測定対象遺伝子の; RN Aに対して、 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測 定対象遣伝子以外から選択した複数の遺伝子の D N Aをコント口一ノレ用スポッ トとしてそれぞれスポットした DN Aマイクロアレイを用いてハイブリダィゼ ーションを行うハイブリダィゼーションステップと、
上記ハイブリダイゼージヨンステツプにてハイブリダイゼーションを行つた 上記 DNAマイクロアレイについてスキャナ装置を用いて発光支持体をスキヤ ユングするスキャニングステップと、
上記スキャニングステップにてスキャニングされたスキャニング画像の上記 複数のコントロール用スポットに結合した RNAのシグナル強度がそれぞれ予 め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R NAが結合した各 スポットのシグナル強度のノーマライゼーションを上記コント口ール用スポッ トの遺伝子毎に実行するノーマライズステップと、
上記ノーマライズステップにて各コント口 ^"ル用スポットによってノーマラ ィズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像 の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシ グナル強度選択ステツプと、
を含むことを特徴とする D N Aマイクロアレイデータ処理方法。
1 0 . 上記スキャニングステップは、 上記複数のコントロール用スポットに 結合した R N Aのシグナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調 整して上記コントロール用スポッ トの遺伝子毎に上記発光支持体をスキヤニン グすること、
を特徴とする請求の範囲第 9項に記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方 法。
1 1 . 上記複数のコント口ール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それ ぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発 現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いること、
を特徴とする請求の範囲第 8項から第 1 0項のいずれか一つに記載の D N A マイクロアレイデータ処理方法。
1 2 . 上記ノーマライズステップは、 上記複数の異なる上記コントロール用 R N Aを用いたスキャニングにより複数の異なる条件で取得した各スポッ トの シグナル強度を、 当該複数の異なる上記コントロール用 R NAの中から選択し た一種類または数種類の上記コント口ール用スポットのシグナル強度に換算す ることにより統合する統合化ステップ、 をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 2項から第 7項、 第 9項から第 1 1項のレ、ずれか一つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法。
1 3 . 上記ノーマライズステップは、 上記統合化ステップにて換算した各ス ポットのシグナル強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシグナ ル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド 距離に基づき棄却値を選定する棄却値選定ステツプと、
上記棄却値選定ステップにより選定された上記棄却値を用いて棄却した後の 残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表 値を決定する仮代表値決定ステツプと、
上記代表値決定ステップにて決定された上記代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定する回 帰式補正ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 1 2項に記載の D N Aマイク口 -タ処理方法。
1 4 . 上記ノーマライズステップは、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定 検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を 求めて全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の 測定上の誤差を補正して代表値を決定する補正用遺伝子補正ステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 2項から第 7項、 第 9項から第 1 3項のいずれか一つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理方法。
1 5 . D N Aマイクロアレイの発光支持体のスキャニングを行うスキャナ装 置と、 当該スキャナ装置によりスキヤユングされたスキヤユング画像について 情報処理を行う D N Aマイクロアレイデータ処理装置とを含んで構成される D N Aマイクロアレイデータ処理システムであって、 上記スキャナ装置は、
複数の遺伝子から調整したコント口ール用 R N Aおよび/または人工的に合 成したコント口ール用 R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整した試料を用 いてハイプリダイゼーションを行った上記 D N Aマイクロアレイの発光支持体 のスキャニングを行うスキヤエング手段、 を備え、
上記 D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、
上記スキヤニング手段にてスキャニングされたスキヤニング画像の上記複数 のコントロール用 R NAが結合した各コントロール用スポッ トのシグナル強度 がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R NA の各スポットのシグナル強度のノーマライゼーションを上記コントロール用 R N A毎に実行するノーマライズ手段と、
上記ノーマライズ手段にて各コントロール用 R N Aによってノーマライズさ れた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測 定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル 強度選択手段と、
を備えることを特徴とする D N Aマイクロアレイデータ処理システム。
1 6 . 上記スキャニング手段は、
上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コント口ール用スポットのシ グナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように感度を調整して上記コ ントロール用 R N A毎に上記発光支持体をスキャニングするスキャニング感度 をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第 1 5項に記載の D N Aマイク ロアレイデータ処理システム。
1 7 . 上記測定対象の R N Aはヒ ト遺伝子 R N Aであり、 上記複数のコント ロール用 RN Aはヒト遺伝子とはハイブリダィズしない、 複数の非ヒト遺伝子 断片から調整した R N Aおよび Zまたは複数の人工的に合成した R N Aである こと、
を特徴とする請求の範囲第 15項または第 16項に記載の DNAマイクロア レイデータ処理システム。
18. 上記測定対象の R N Aは非ヒト遺伝子 R N A、 または非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 RNAの混合であり、 上記複数のコントロール用 RNAは当 該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイプリダイズしない複数の遺 伝子断片から調整した R N Aおよび または複数の人工的に合成した R N Aで あること、
を特徴とする請求の範囲第 15項または第 16項に記載の DNAマイクロア レイデータ処理システム。
19. 上記複数のコントロール用 RN Aは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺 伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RNAを用 いること、
を特徴とする請求の範囲第 15項から第 18項のいずれか一つに記載の DN Aマイクロアレイデータ処理システム。
20. 上記複数のコントロール用 RN Aは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遣 伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラ ムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整すること、 を特徴とする請求の範囲第 15項から第 19項のいずれか一つに記載の DN Aマイクロアレイデータ処理システム。
21. DNAマイクロアレイの発光支持体のスキャニングを行うスキャナ装 置と、 当該スキャナ装置によりスキャニングされたスキャニング画像について 情報処理を行う D N Aマイクロアレイデータ処理装置とを含んで構成される D N Aマイクロアレイデータ処理システムであって、
上記スキャナ装置は、
測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複数の遺 伝子の D N Aをコントロール用スポットとしてそれぞれスポットした D NAマ イクロアレイを用いてハイブリダィゼーシヨンを行った上記 D N Aマイクロア レイの発光支持体のスキヤニングを行ぅスキヤニング手段、
を備え、
上記 D N Aマイクロアレイデータ処理装置は、
上記スキヤニング手段にてスキャニングされたスキヤニング画像の上記複数 のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞれ予め定 めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R N Aが結合した各スポ ットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンを上記コントロール用スポット遺 伝子毎に実行するノーマライズ手段と、
上記ノーマライズ手段にて各コントロール用スポットによってノーマライズ された各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各 測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナ ル強度選択手段と、
を備えることを特徴とする D NAマイクロアレイデータ処理システム。
2 2 . 上記スキャニング手段は、
上記複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め 定めた測定シグナル強度になるように感度を調整して上記コントロール用スポ ットの遺伝子毎に上記発光支持体をスキャニングするスキャニング感库調整手 段、
をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第 2 1項に記載の D N Aマイク ロアレイデータ処理システム。
2 3 . 上記複数のコント口ール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それ ぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発 現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いること、
を特徴とする請求の範囲第 2 1項または第 2 2項に記載の D N Aマイクロア レイデータ処理システム。
2 4 . 上記ノーマライズ手段は、 上記複数の異なる上記コントロール用 R N Aを用いたスキャニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットのシグ ナル強度を、 当該複数の異なる上記コントロール用 R NAの中から選択した一 種類または数種類の上記コントロール用スポットのシグナル強度に換算するこ とにより統合する統合化手段、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 1 5項から第 2 3項のいずれか 一つに記載の D NAマイクロアレイデータ処理システム。
2 5 . 上記ノーマライズ手段は、 上記統合化手段にて換算した各スポットの シグナル強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシグナル強度の 比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基 づき棄却値を選定する棄却値選定手段と、
上記棄却値選定手段により選定された上記棄却値を用いて棄却した後の残さ れた同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表値を 決定する仮代表値決定手段と、
上記仮代表値決定手段にて決定された上記仮代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正する回帰式補正手段と、 をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 2 4項に記載の D NAマイクロ アレイデータ処理システム。
2 6 . 上記ノーマライズ手段は、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体 で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求め て全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の測定 上の誤差を補正して代表値を決定する捕正用遺伝子補正手段、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 1 5項から第 2 5項のレ、ずれか 一つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理システム。
2 7 . 複数の遺伝子から調整したコントロール用 R N Aおよび/ /または複数 の人工的に合成したコントロール R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整し た試料を用いてハイブリダィゼーシヨンを行った D NAマイクロアレイの発光 支持体のスキャニングを行うスキヤナ装置からスキヤユング画像を取得するス キヤニング画像取得手段と、
上記スキヤニング画像取得手段にて取得された上記スキヤニング画像の上記 複数のコント口ール用 R NAが結合した各コント口ール用スポットのシグナル 強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンを上記コン トロール用 R N A毎に実行するノーマライズ手段と、
上記ノーマライズ手段にて各コントロール用 R N Aによってノーマライズさ れた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング画像の各測 定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグナル 強度選択手段と、
を備えることを特徴とする D N Aマイクロアレイデータ処理装置。
2 8 . 上記スキャニング画像は、
上記複数のコント口ール用 R N Aが結合した各コントロール用スポットのシ グナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コント口 ール用 R N A毎にスキヤユングされた複数の画像であること、 を特徴とする請求の範囲第 27項に記載の DN Aマイクロ ータ処理
29. 上記測定対象の R N Aはヒト遺伝子 R N Aであり、 上記複数のコント ロール用 RN Aはヒト遺伝子とはハイブリダィズしない複数の非ヒト遺伝子断 片から調整した RNAおよび Zまたは複数の人工的に合成した RNAであるこ と、
を特徴とする請求の範囲第 27項または第 28項に記載の DNAマイクロア レイデータ処理装置。
30. 上記測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 または非ヒト遺伝子 R NAとヒト遺伝子 RN Aの混合であり、 上記複数のコントロール用 RN Aは当 該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のいずれともハイブリダィズしない複数の遺 伝子断片から調整した R N Aおよび/または複数の人工的に合成した R N Aで あること、
を特徴とする請求の範囲第 27項または第 28項に記載の DNAマイクロア レイデータ処理装置。
31. 上記複数のコントロール用 RNAは、 測定対象遺伝子群の高発現遺伝 子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RN Aを用い ること、
を特徴とする請求の範囲第 27項から第 30項のいずれか一つに記載の DN Aマイクロアレイデータ処理装置。
32. 上記複数のコントロール用 RN Aは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺 伝子 (R l u c) 、 バキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラ ムダファージ e a 2 2遺伝子 (e a 2 2 ) の断片を用いて調整すること、 を特徴とする請求の範囲第 2 7項から第 3 1項のいずれか一つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置。
3 3 . 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複 数の遺伝子の D NAをコントロール用スポットとしてスポットした D NAマイ クロアレイを用いてハイブリダイゼーションを行った上記 D N Aマイクロアレ ィの発光支持体のスキヤユングを行うスキヤナ装置からスキヤニング画像を取 得するスキヤユング画像取得手段と、
上記スキヤニング画像取得手段にて取得された上記スキヤニング画像の上記 複数のコントロール用スポットに結合した R NAのシグナル強度がそれぞれ予 め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R NAが結合した各 スポットのシグナノレ強度のノーマライゼーションを上記コントローノレ用スポッ トの遺伝子毎に実行するノーマライズ手段と、
上記ノーマライズ手段にて各コントロール用スポットの遺伝子によってノー マライズされた各測定対象スボットのシグナル強度に基づいて、 スキャニング 画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択す るシグナル強度選択手段と、
を備えることを特徴とする D N Aマイクロアレイデータ処理装置。
3 4 . 上記スキャニング画像は、
上記複数のコントロール用スポットに結合した R NAのシグナル強度が予め 定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール用スポットの 遺伝子毎にスキャニングされた複数の画像であること、
を特徴とする請求の範囲第 3 3項に記載の D NAマイクロアレイデータ処理
3 5 . 上記複数のコントロール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それ ぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発 現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いること、
を特徴とする請求の範囲第 3 3項または第 3 4項に記載の D NAマイクロア レイデータ処理装置。
3 6 . 上記ノーマライズ手段は、 上記複数の異なる上記コントロール用 R N Aを用いたスキャニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットのシグ ナル強度を、 当該複数の異なる上記コントロール用 R NAの中から選択した一 種類または数種類の上記コントロール用スポットのシグナル強度に換算するこ とにより統合する統合化手段、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 2 7項から第 3 5項のいずれか —つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置。
3 7 . 上記ノーマライズ手段は、 上記統合化手段にて換算した各スポットの シグナル強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシグナル強度の 比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド距離に基 づき棄却値を選定する棄却値選定手段と、
上記棄却値選定手段により選定された上記棄却値を用いて棄却した後の残さ れた同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表値を 決定する仮代表値決定手段と、
上記仮代表値決定手段にて決定された上記仮代表値から求めた回帰式により、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定する回 帰式補正手段と、
をきらに含むことを特徴とする請求の範囲第 3 6項に記載の D NAマイクロ :'ータ処理装置。
3 8 . 上記ノーマライズ手段は、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定検体 で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を求め て全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の測定 上の誤差を補正して代表値を決定する補正用遺伝子補正手段、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 2 7項から第 3 7項のいずれか 一つに記載の D N Aマイクロアレイデータ処理装置。
3 9 . 複数の遺伝子から調整したコントロール用 R NAおよび/または複数 の人工的に合成したコント口ール用 R N Aを測定対象の R N Aに混入して調整 した試料を用いてハイブリダィゼーシヨンを行った D N Aマイクロアレイの発 光支持体のスキャニングを行うスキャナ装置からスキャニング画像を取得する スキヤニング画像取得ステツプと、
上記スキヤニング画像取得ステツプにて取得された上記スキヤニング画像の 上記複数のコントロール用 R NAが結合した各コント口ール用スポッ トのシグ ナル強度がそれぞれ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象 の R N Aが結合した各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンを上記 コントロール用 R N A毎に実行するノーマライズステップと、
上記ノーマライズステップにて各コントロール用 R N Aによってノーマライ ズされた各測定対象スポットのシグナル強度に基づいて、 スキヤユング画像の 各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選択するシグ ナル強度選択ステップと、
を含む D NAマイクロアレイデータ処理方法をコンピュータに実行させるこ とを特徴とするプログラム。
4 0 . 上記スキャニング画像は、
上記複数のコントロール用 R NAが結合した各コントロール用スポットのシ グナル強度が予め定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コント口 ール用 RNA毎にスキャニングされた複数の画像であること、 を特徴とする請求の範囲第 39項に記載のプログラム。
41. 上記測定対象の R N Aはヒト遺伝子 R N Aであり、 上記複数のコント ロール用 RNAはヒト遺伝子とはハイブリダィズしない複数の非ヒ ト遺伝子断 片から調整した RN Aおよび/または複数の人工的に合成した RN Aであるこ と、
を特徴とする請求の範囲第 39項または第 40項に記載のプログラム。
42. 上記測定対象の RNAは非ヒト遺伝子 RNA、 または非ヒト遣伝子 R NAとヒト遺伝子 RN Aの混合であり、 上記複数のコントロール用 RN Aは当 該非ヒト遺伝子またはヒト遺伝子のレ、ずれともハイブリダイズしなレ、複数の遺 伝子断片から調整した R N Aおよび Zまたは複数の人工的に合成した R N Aで あること、
を特徴とする請求の範囲第 39項または第 40項に記載のプログラム。
43. 上記複数のコントロール用 RNAは、 測定対象の遺伝子群の高発現遺 伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する量の RNAを用 いること、
を特徴とする請求の範囲第 39項から第 42項のいずれか一つに記載のプロ グラム。
44. 上記複数のコントロール用 RN Aは、 ゥミシィタケルシフェラーゼ遺 伝子 (R 1 u c) 、 パキュロウィルス膜蛋白遺伝子 (g p 64) 、 および、 ラ ムダファージ e a 22遺伝子 (e a 22) の断片を用いて調整すること、 を特徴とする請求の範囲第 39項から第 43項のいずれか一つに記載のプロ グラム。
4 5 . 測定対象サンプルに含まれ、 かつ測定対象遺伝子以外から選択した複 数の遺伝子の D NAをコントローノレ用スポットとしてスポットした D NAマイ クロアレイを用いてハイブリダィゼーションを行った上記 D N Aマイクロアレ ィの発光支持体のスキャニングを行うスキヤナ装置からスキヤニング画像を取 得するスキヤニング画像取得ステツプと、
上記スキヤニング画像取得ステップにて取得された上記スキヤニング画像の 上記複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度がそれぞ れ予め定めた基準シグナル強度になるように、 上記測定対象の R N Aが結合し た各スポットのシグナル強度のノーマライゼーシヨンを上記コントロール用ス ポットの遺伝子毎に実行するノーマライズステップと、
上記ノーマライズステップにて各コントロール用スポットの遺伝子によって ノ一マライズされた各測定対象スボットのシグナル強度に基づいて、 スキヤ二 ング画像の各測定対象の R N Aのシグナル強度のうち最適なシグナル強度を選 択するシグナル強度選択ステツプと、
を含む D N Aマイクロアレイデータ処理方法をコンピュータに実行させるこ とを特徴とするプログラム。
4 6 . 上記スキャニング画像は、
上記複数のコントロール用スポットに結合した R N Aのシグナル強度が予め 定めた測定シグナル強度になるように調整して上記コントロール用スポットの 遺伝子毎にスキャニングされた複数の画像であること、
を特徴とする請求の範囲第 4 5項に記載のプログラム。
4 7 . 上記複数のコント口ール用スポットは、 測定対象サンプル内で、 それ ぞれ高発現遺伝子群、 中発現遺伝子群、 および、 低発現遺伝子群に相当する発 現量を示す遺伝子から選択された遺伝子の D N Aを用いること、 を特徴とする請求の範囲第 4 5項または第 4 6項に記載のプログラム。
4 8 . 上記ノーマライズステツプは、 上記複数の異なる上記コント口一ノレ用 R NAを用いたスキャニングにより複数の異なる条件で取得した各スポットの シグナル強度を、 当該複数の異なる上記コントロール用 R N Aの中から選択し た一種類または数種類の上記コントロール用スポットのシグナル強度に換算す ることにより統合する統合化ステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 3 9項から第 4 7項のいずれか 一つに記載のプログラム。
4 9 . 上記ノーマライズステップは、 上記統合化ステップにて換算した各ス ポットのシグナル強度または二色競合法における対照検体と測定検体のシダナ ル強度の比を同一遺伝子のスポット間で比較し、 棄却検定またはユークリッド 距離に基づき棄却値を選定する棄却値選定ステツプと、
上記棄却値選定ステップにより選定された上記棄却値を用いて棄却した後の 残された同一遺伝子スポットのシグナル強度の平均値を得て各遺伝子の仮代表 値を決定する仮代表値決定ステツプと、
上記仮代表値決定ステップにて決定された上記仮代表値から求めた回帰式に より、 各スポットのシグナル強度が直線性を持つように補正して代表値を決定 する回帰式補正ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 4 8項に記載のプログラム。
5 0 . 上記ノーマライズステップは、 あらかじめ選択した、 対照検体と測定 検体で同等のシグナル強度を示す補正用遺伝子の測定結果を利用して回帰式を 求めて全ての仮代表値を補正することにより、 上記対照検体と上記測定検体の 測定上の誤差を補正して代表値を決定する補正用遺伝子補正ステツプ、 をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第 3 9項から第 4 9項のいずれか 一つに記載のプログラム。
5 1 . 上記請求の範囲第 3 9項から第 5 0項のいずれか一つに記載されたプ ログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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