新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質およびその D NA 技術分野
本発明は、 ヒト脂肪細胞由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ の塩およびそれをコ一ドする D N Aに関する。 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、 細胞膜に存在する特異 的なレセプター蛋白質を通じて生体の機能を調節している。 これらのレセプター 蛋白質のうち多くは共役している guanine nucleot ide- binding protein (以下、 G蛋白質と略称する場合がある) の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行い 、 また、 7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっていることから、 G蛋白 質共役型レセプ夕一蛋白質あるいは 7回膜貫通型レセプター蛋白質 (7 TMR) と総称される。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表面に存在 し、 それら細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えば、 ホルモン、 神経伝達物質 および生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を担っている。 レセプ夕 —は生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝達し、 このシグナルに より細胞の賦活ゃ抑制といつた種々の反応が惹起される。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ 夕一蛋白質、 特には G蛋白質共役型レセプター蛋白質との関係を明らかにするこ とは、 各種生体の細胞や臓器の機能を解明し、 それら機能と密接に関連した医薬 品開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
例えば、 生体の種々の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神経伝達 物質あるいは生理活性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわれて いる。 特に、 生理活性物質は生体内の様々な部位に存在し、 それぞれに対応する レセプ夕一蛋白質を通してその生理機能の調節を行っている。 生体内には未だ未
知のホルモンゃ神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、 それらのレセプ夕一 蛋白質の構造に関しても、 これまで報告されていないものが多い。 さらに、 既知 のレセプ夕一蛋白質においてもサブタイプが存在するかどうかについても分かつ ていないものが多い。
生体における複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ夕一蛋白質との 関係を明らかにすることは、 医薬品開発に非常に重要な手段である。 また、 レセ プ夕ー蛋白質に対するァゴニス卜、 アン夕ゴニス卜を効率よくスクリーニングし 、 医薬品を開発するためには、 生体内で発現しているレセプター蛋白質の遺伝子 の機能を解明し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要であった。 近年、 生体内で発現している遺伝子を解析する手段として、 C D NAの配列を ランダムに解析する研究が活発に行なわれており、 このようにして得られた c D NAの断片配列が Expressed Sequence Tag (E S T) としてデータベースに登録 され、 公開されている。 しかし、 多くの E S Tは配列情報のみであり、 その機能 を推定することは困難である。
従来、 G蛋白質共役型レセプ夕一と生理活性物質 (すなわち、 リガンド) との 結合を阻害する物質や、 結合して生理活性物質 (すなわち、 リガンド) と同様な シグナル伝達を引き起こす物質は、 これらレセプ夕一の特異的なアン夕ゴニスト またはァゴニストとして、 生体機能を調節する医薬品として活用されてきた。 従 つて、 このように生体内での生理発現において重要であるばかりでなく、 医薬品 開発の標的ともなりうる G蛋白質共役型レセプター蛋白質を新規に見出し、 その 遺伝子 (例えば c D NA) をクロ一ニングすることは、 新規 G蛋白質共役型レセ プター蛋白質の特異的リガンドゃ、 ァゴニスト、 アン夕ゴニストを見出す際に、 非常に重要な手段となる。
しかし、 G蛋白質共役型レセプ夕一はその全てが見出されているわけではなく 、 現時点でもなお、 未知の G蛋白質共役型レセプター、 また対応するリガンドが 同定されていない、 いわゆるォ一ファンレセプ夕一が多数存在しており、 新たな G蛋白質共役型レセプ夕一の探索および機能解明が切望されている。 発明の開示
G蛋白質共役型レセプ夕一は、 そのシグナル伝達作用を指標とする、 新たな生 理活性物質 (すなわち、 リガンド) の探索、 また、 該レセプ夕一に対するァゴニ ストまたはアンタゴニストの探索に有用である。 一方、 生理的なリガンドが見出 されなくても、 該レセプタ一の不活化実験 (ノックアウト動物) から該レセプ夕 一の生理作用を解析することにより、 該レセプターに対するァゴニストまたはァ ン夕ゴニス卜を作製することも可能である。 これら該レセプ夕一に対するリガン ド、 ァゴニストまたはアン夕ゴニストなどは、 G蛋白質共役型レセプ夕一の機能 不全に関連する疾患の予防/治療薬や診断薬として活用することが期待できる。 さらにまた、 G蛋白質共役型レセプ夕一の遺伝子変異に基づく、 生体での該レ セプターの機能の低下または昂進が、 何らかの疾患の原因となっている場合も多 レ^ この場合には、 該レセプ夕一に対するアン夕ゴニストやァゴニストの投与だ けでなく、 該レセプタ一遺伝子の生体内 (またはある特定の臓器) への導入や、 該レセプ夕ー遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、 遺伝子治療に応用 することもできる。 この場合には該レセプ夕一の塩基配列は遺伝子上の欠失や変 異の有無を調べるために必要不可欠な情報であり、 該レセプ夕一の遺伝子は、 該 レセプ夕一の機能不全に関与する疾患の予防 Z治療薬や診断薬に応用することも できる。
本発明は、 上記のように有用な新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を提供す るものである。 すなわち、 新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩、 該 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその部分べ プチドをコードするポリヌクレオチド (D NA、 R NAおよびそれらの誘導体) を含有するポリヌクレオチド (D NA、 R NAおよびそれらの誘導体) 、 該ポリ ヌクレオチドを含有する組換えベクター、 該組換えべクタ一を保持する形質転換 体、 該 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩の製造法、 該 G蛋白質共役 型レセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、 該 G 蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物、 該 G蛋白質共役型 レセプ夕一に対するリガンドの決定方法、 リガンドと該 G蛋白質共役型レセプ夕 一蛋白質との結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニスト、 ァゴニス卜) または その塩のスクリーニング方法、 該スクリーニング用キット、 該スクリーニング方
法もしくはスクリ一ニングキットを用いて得られうるリガンドと該 G蛋白質共役 型レセプター蛋白質との結合性を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニス 卜) またはその塩、 およびリガンドと該 G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結 合性を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニスト) もしくは該 G蛋白質共 役型レセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有してなる 医薬などを提供する。
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 ヒト脂肪細胞由来の新規な G蛋白質共 役型レセプ夕一蛋白質をコードする cDNAを単離し、 その全塩基配列を解析す ることに成功した。 そして、 この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、 第 1〜第 7膜貫通領域が疎水性プロット上で確認され、 これらの c DNAにコード される蛋白質が 7回膜貫通型の G蛋白質共役型レセプター蛋白質であることを確 認した。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を重ねた結果、 本 発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有することを特徴とする G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質または その塩、
(2) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有する上記 (1) 記載の G蛋白 質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩、
(3) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の部分ペプチドまた はその塩、
(4) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするポリヌ クレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5) DN Aである上記 (4) 記載のポリヌクレオチド、
(6) 配列番号: 2で表される塩基配列を有する上記 (4) 記載のポリヌクレ ォチド、
(7) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(8) 上記 (7) 記載の組換えべクタ一で形質転換させた形質転換体、
(9) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (1) 記載の G蛋白質共役
型レセプター蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記 (1) 記載の G蛋白質 共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩の製造法、
(10) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(1 1) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質のシグナル伝達を 不活性化する中和抗体である上記 (10) 記載の抗体、
(12) 上記 (10) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(13) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることにより得られうる上記 (1) 記 載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するリガンド、
(14) 上記 (13) 記載の G蛋白質共役型レセプターのリガンドを含有して なる医薬、
(15) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するリガンドの決定方法、
(16) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とするリガンドと上記 ( 1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させ る化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(17) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分べプチドまたはその塩を含有することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩との結合性を変化さ せる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ卜、
(18) 上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上記 (17) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質 共役型レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその 塩、
(19) 上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上記 (17) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質
共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその 塩を含有してなる医薬、
(20) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下 でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
(21) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一 部を含有してなるポリヌクレオチド、
(22) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドまたはその一部を用いることを特 徴とする上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の mRNAの定量方 法、
(23) 上記 (10) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の定量方法、
(24) 上記 (22) または上記 (23) 記載の定量方法を用いることを特徴 とする上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一の機能が関連する疾患の診断 方法、
(25) 上記 (22) 記載の定量方法を用いることを特徴とする上記 (1) 記 載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩 のスクリーニング方法、
(26) 上記 (23) 記載の定量方法を用いることを特徴とする細胞膜におけ る上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質量を変化させる化合物また はその塩のスクリーニング方法、
(27) 上記 (25) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる上記 (1 ) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の発現量を変化させる化合物またはそ の塩、
(28) 上記 (26) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細胞膜に おける上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物 またはその塩、
(29) 上記 (25) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる上記 (1 ) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の発現量を変化させる化合物またはそ の塩を含有してなる医薬、
(30) 上記 (26) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細胞膜に おける上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質量を変化させる化合物 またはその塩を含有してなる医薬、
(31) 肥満または炎症性疾患の予防 ·治療剤である上記 (19) 、 (29) または (30) 記載の医薬、
(32) 哺乳動物に対して、 上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上 記 (17) 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 ( 1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩との結合性を変化させ る化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする肥満または炎症性疾 患の予防 ·治療方法、
(33) 哺乳動物に対して、 上記 (25) 記載のスクリーニング方法を用いて 得られうる上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の発現量を変化さ せる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする肥満または炎症性 疾患の予防 ·治療方法、
(34) 哺乳動物に対して、 上記 (26) 記載のスクリーニング方法を用いて 得られうる細胞膜における上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質量 を変化させる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする肥満また は炎症性疾患の予防 ·治療方法、
(35) 肥満または炎症性疾患の予防 ·治療剤を製造するための上記 (16) 記載のスクリーニング方法または上記 (17) 記載のスクリーニング用キットを 用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の使用、
(36) 肥満または炎症性疾患の予防 ·治療剤を製造するための上記 (25) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる上記 (1) 記載の G蛋白質共役型 レセプター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩の使用、
(37) 肥満または炎症性疾患の予防 ·治療剤を製造するための上記 (26) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細胞膜における上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物またはその塩の使用等に 関する。
さらには、
(38) 蛋白質が、 ①配列番号: 1で表されるアミノ酸配列、 配列番号: 1で 表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 よ り好ましくは 1〜9個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2個 以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好 ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度 、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④それらを組み合わせた アミノ酸配列を含有する蛋白質である上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕 一蛋白質またはその塩、
(39) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくはその塩ま たは上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを接触させ ることを特徴とする上記 (15) 記載のリガンドの決定方法、
(40) リガンドが、 例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド 、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラ卜ニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシ卜シン、 PACAP (例、 Ρ ACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシ卜ニン、 ァ ドレノメジユリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 P TH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトス 夕チン、 ド一パミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシト ニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカイン スーパ一ファミリー (例、 I L— 8, GRO a, GR〇j3, GROr, NAP— 2, ENA- 78, GCP—2, PF'4, I P— 10, M i g, PBSF/SD F— 1などの CXCケモカインサブファミリー; MCAFZMCP— 1, MCP -2, MCP— 3, MCP-4, e o t ax i n, RANTES, M I P - 1 « 、 M I P- 1 jS, HCC- 1, M I P— 3 aZLARC、 M I P- 3 β/ELC
, I一 309, TARC, MI PF - 1, M I PF- 2/e o t a x i n- 2, MDC, DC— CK1/PARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリー ; 1 ymp h o t a c t i nなどの Cケモカインサブファミリー; f r a c t a 1 k i n eなどの CX3 Cケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェン テロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティック ポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) またはスフインゴ シン 1一リン酸である上記 (39) 記載のリガンドの決定方法、
(41) ( i) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくはそ の塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 リガンドとを接触 させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしく はその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 リガンドおよ び試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする上記 (16 ) 記載のスクリーニング方法、
(42) ( i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプタ —蛋白質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に 接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 (1) 記載 の G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分 ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識したリガンドの上記 ( 1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または上記 (3) 記 載の部分べプチドもしくはその塩に対する結合量を測定し、 比較することを特徴 とするリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその 塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(43) ( i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕 一蛋白質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試 験化合物を上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞に 接触させた場合における、 標識したリガンドの該細胞に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕 —蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ一二 ング方法、
(44) (i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕 —蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンド および試験化合物を上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含有す る細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識したリガンドの該細胞の膜画分 に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載 の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法、
(45) ( i) 標識したリガンドを上記 (8) 記載の形質転換体を培養するこ とによって該形質転換体の細胞膜に発現した G蛋白質共役型レセプター蛋白質に 接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 (8) 記載 の形質転換体を培養することによって該形質転換体の細胞膜に発現した G蛋白質 共役型レセプ夕一蛋白質に接触させた場合における、 標識したリガンドの該 G蛋 白質共役型レセプ夕一蛋白質に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とす るリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩と の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(46) ( i) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその 塩を活性化する化合物を上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含 有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ ター蛋白質またはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上記 (1) 記載 の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を介した細胞刺激活性を測定し、 比較すること を特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質また はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (47) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩を活 性化する化合物を上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転 換体の細胞膜に発現した G蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合と、 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩を活性化する化 合物および試験化合物を上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって該 形質転換体の細胞膜に発現した G蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場
合における、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー二 ング方法、
(48) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を活性化する化合 物が、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノィド、 コレシス卜キニン、 ダル 夕ミン、 セロトニン、 メラ卜ニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジユリン、 ソマト ス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (パソァクテ イブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ド一パミン、 モチ リン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーティッド ペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロ ンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリー (例、 I L- 8, GRO a, GRO/3, GROr, NAP- 2, ENA- 78, GCP -2, PF4, I P— 10, M i g, P B S F/S D F _ 1などの C X Cケモカ インサブファミリ一; MCAF/MCP— 1, MCP— 2, MC P - 3, MCP —4, e o t ax i n, RANTE S, M I P— 1ひ、 M I P- 1 j3, HCC— 1, M I P— 3 a/LARC、 M I P- 3 β/ELC, 卜 309, TARC, MI PF— 1, M I PF-2/e o t ax i n-2, MDC, DC-CK 1/P ARC, SLCなどの CCケモカインサブファミリー; 1 ymp h 0 t a c t i nなどの Cケモカインサブファミリー; f r a c t a l k i n eなどの CX3 C ケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミ ン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティックボリぺプタイド、 ガラニン 、 リゾホスファチジン酸 (LPA) またはスフインゴシン 1一リン酸である上記 (46) または (47) 記載のスクリーニング方法、
(49) 上記 (41) 〜 (48) 記載のスクリーニング方法で得られうるリガ ンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との結合 性を変化させる化合物またはその塩、
(50) 上記 (41) 〜上記 (48) 記載のスクリーニング方法で得られうる リガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴とする医薬、
(51) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含有する細胞を 含有することを特徴とする上記 (17) 記載のスクリーニング用キット、
(52) 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含有する細胞の 膜画分を含有することを特徴とする上記 (17) 記載のスクリーニング用キット
(53) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体の 細胞膜に発現した G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含有することを特徴とする 上記 (17) 記載のスクリーニング用キット、
(54) 上記 (51) 〜 (53) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(55) 上記 (51) 〜 (53) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴とする医 薬、
(56) 上記 (10) 記載の抗体と、 上記 (1) 記載の G蛋白質共役型レセプ 夕一蛋白質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩とを接触させる ことを特徴とする上記 (1) の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (
3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(57) 上記 (10) 記載の抗体と、 被検液および標識化された上記 (1) 記 載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドま たはその塩とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された上記 (1) 記 載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドま たはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1) 記載の G蛋 白質共役型レセプタ一蛋白質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその 塩の定量法、 および
( 5 8 ) 被検液と担体上に不溶化した上記 (1 0 ) 記載の抗体および標識化さ れた上記 (1 0 ) 記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化 担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1 ) 記載の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくは上記 (3 ) 記載の部分ペプチドまたは その塩の定量法等を提供する。 図面の簡単な説明
図 1は T G R 1 3の疎水性プロット図である。
図 2は一文字表記による T G R 1 3のアミノ酸配列を示す図である。
図 3は T G R 1 3 mR NA発現の組織特異性を示す図である。 発明を実施するための形態
本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質 (以下、 レセプ夕一蛋白質と略記す る場合がある) は、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列 (図 2 ) と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質である。
本発明のレセプター蛋白質は、 例えば、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 モルモット 、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあらゆる細胞 ( 例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓 /3細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム 細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維 細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナ チュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは 間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞など) や血球 系の細胞、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部 位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視床下核、 大脳皮 質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質) 、 脊髄 、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚
、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末 梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋な
どに由来する蛋白質であってもよく、 また合成蛋白質であってもよい。
配列番号: 1で表されるァミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては 、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と約 6 0 %以上、 好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 なかでも好ましくは約 9 0 %以上 、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる 本発明の配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列 を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実 質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質 的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達 作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質である ことを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性 が同等 (例、 約 0 . 0 1〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 5〜2 0倍、 より好まし くは約 0 . 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度や蛋白質の 分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、 公知の方法に 準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するリガンドの決定方法ゃスク リーニング方法に従つて測定することができる。
また、 本発明のレセプ夕一蛋白質としては、 ①配列番号: 1で表されるァミノ 酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1 〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したアミ ノ酸配列、 ②配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好まし くは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 ( 1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1で表される アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好まし くは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他のァ ミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④それらを組み合わせたアミノ酸配列 を含有する蛋白質なども用いられる。
本明細書におけるレセプ夕一蛋白質は、 ペプチド標記の慣例に従って、 左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質をはじめとする、 本発明 のレセプター蛋白質は、 C末端が力ルポキシル基 (一 C O O H) 、 力ルポキシレ ート(一C O O -)、 アミド (_ C O N H 2) またはエステル (― C O O R) の何 れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル 、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロべ ンチル、 シクロへキシルなどの C 3 _ 8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 a —ナフチルなどの c 2ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフ ェニル アルキル基もしくはひ一ナフチルメチルなどの Q!—ナフチルー C
! _ 2アルキル基などの C 7 _ i 4ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用 されるピバロイルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のレセプ夕一蛋白質が C末端以外に力ルポキシル基 (またはカルポキシ レート) を有している場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステル化されて いるものも本発明のレセプター蛋白質に含まれる。 この場合のエステルとしては 、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のレセプ夕一蛋白質には、 上記した蛋白質において、 N末端の メチォニン残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの C 2 — 6アルカノィル基などの 6アシル基など) で保護されているもの、 N端側が 生体内で切断され生成したダル夕ミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内 のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 一 O H、 — S H、 アミノ基、 イミダゾー ル基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基 、 ァセチルなどの C 2— 6アルカノィル基などの ァシル基など) で保護され ているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども 含まれる。
本発明のレセプター蛋白質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表され るアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質などが用いられる。
本発明のレセプ夕一蛋白質の部分ペプチド (以下、 部分ペプチドと略記する場
合がある) としては、 上記した本発明のレセプ夕一蛋白質の部分ペプチドであれ ば何れのものであってもよいが、 例えば、 本発明のレセプ夕一蛋白質分子のうち 、 細胞膜の外に露出している部位であって、 レセプター結合活性を有するものな どが用いられる。
具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有するレセプ夕一蛋白質 の部分ペプチドとしては、 疎水性プロット解析において細胞外領域 (親水性 (Hy drop i l ic) 部位) であると分析された部分を含むペプチドである。 また、 疎水 性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができる。 個 々のドメインを個別に含むぺプチドも用い得るが、 複数のドメインを同時に含む 部分のペプチドでも良い。
本発明の部分べプチドのアミノ酸の数は、 上記した本発明のレセプター蛋白質 の構成アミノ酸配列のうち少なくとも 2 0個以上、 好ましくは 5 0個以上、 より 好ましくは 1 0 0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、 これらアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ま しくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 % 以上、 なかでも好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性 を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、 「実質的に同質の活性」 とは、 上記と同意義を示す。 「実質的に同質 の活性」 の測定は上記と同様に行なうことができる。
また、 本発明の部分ペプチドは、 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0 個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好まし くは、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) ま たはカルポキシレート (一 C O〇_) であるが、 上記した本発明の蛋白質のごと く、 C末端がアミド (― C O NH 2) またはエステル (― C O O R) であっても
よい。
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 上記した本発明のレセプ夕一蛋白質と同 様に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端 側が生体内で切断され生成した G 1 nがピログルタミン酸化したもの、 分子内の アミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖 が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (一 C O O H) ま たはカルポキシレート(一 C O O—)であるが、 上記した本発明の蛋白質のごとく 、 C末端がアミド (_ C O NH 2) またはエステル (― C O O R) であってもよ い。
本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの塩としては、 酸または塩 基との生理学的に許容される塩が挙げられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付 加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸 、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオ ン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。 本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩は、 上記した哺乳動物の細胞または組 織から公知のレセプ夕一蛋白質の精製方法によって製造することもできるし、 後 に記載する本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする D NAを含有する形質転換体 を培養することによつても製造することができる。 また、 後に記載する蛋白質合 成法またはこれに準じて製造することもできる。
哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 哺乳動物の組織または細胞をホ モジナイズした後、 酸などで抽出を行い、 該抽出液を逆相クロマトグラフィ一、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることに より精製単離することができる。
本発明のレセプ夕一蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩またはその アミド体の合成には、 通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。 その ような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベン ズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベ:
—ル樹脂、 4一メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4ーヒドロキシ メチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4— ( 2 ', 4 'ージメトキシフエ二ルーヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 ( 2 ', 4'—ジメトキシフエニル一 Fm o cアミノエチル) フエノキシ樹脂などを 挙げることができる。 このような樹脂を用い、 ひーァミノ基と側鎖官能基を適当 に保護したアミノ酸を、 目的とする蛋白質の配列通りに、 公知の各種縮合方法に 従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同時に各 種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実 施し、 目的の蛋白質またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 蛋白質合成に使用できる各種活性化 試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジイミド 類としては、 D C C、 N, N,ージイソプロピルカルポジイミド、 N—ェチル— N,― ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これ らによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H〇B t、 HO O B t)ととも に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、 または、 対称酸無水物または H O B t エステルあるいは HO O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を 行なつた後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 蛋白質縮合 反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルピロリ ドンなどの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素 類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドなどの スルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなどのエーテル類 、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチ ルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応温度 は蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され 、 通常約一 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたアミノ酸誘 導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの 結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分な縮合が 得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未反応アミ ノ酸をァセチル化することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 夕一シャリ一ペンチ ルォキシカルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4ーメトキシベンジルォ キシカルボニル、 C 1一 Z、 B r— Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリフ ルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエ二ル、 ジ フエニルホスフィノチオイル、 Fm o cなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 夕一シャリーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シ クロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしく は環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステ ル、 4一二トロべンジルエステル、 4—メトキシベンジルエステル、 4一クロ口 ベンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベン ジルォキシカルポニルヒドラジド化、 ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジ ド化、 トリチルヒドラジド化などによつて保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル 基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また 、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロビラニル 基、 t _ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z 1、 C 1 2 - B z l、 2—ニトロベンジル、 B r— Z、 ターシャリーブチルなどが用いられる ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、 例えば、 T o s、 4-メトキシ- 2, 3 , 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 D N P、 ベンジルォキシメチル、 B um、 B o c、 T r t、 Fm o cなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水
物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ一ル、 2 , 4, 5—トリクロ口フエノール、 2 , 4—ジニトロフエノール、 シァノメチル アルコール、 パラニトロフエノール、 HON B、 N—ヒドロキシスクシミド、 N —ヒドロキシフタルイミド、 H〇B t) とのエステル〕 などが用いられる。 原料 のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用い られる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d _炭素な どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタ ンスルホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれ らの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルアミ ン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリ ゥムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 ° (:〜 4 0 °Cの温度で行われるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソ一ル、 フ エノ一ル、 チオア二ソール、 メタクレゾール、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスルフ イド、 1 , 4—ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオールなどのようなカチ オン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として 用いられる 2, 4—ジニトロフエニル基はチォフエノ一ル処理により除去され、 トリブトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1, 2 —エタンジチオール、 1, 4一ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱 保護以外に、 希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理に よっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
蛋白質のアミド体を る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボキシ末端ァ ミノ酸の α—力ルポキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にペプチド (蛋白質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の Ν末端の —アミノ 基の保護基のみを除いた蛋白質と C末端のカルボキシル基の保護基のみを除去し た蛋白質とを製造し、 この両蛋白質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。
縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得られた保護蛋白質を 精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の粗蛋白質を得るこ とができる。 この粗蛋白質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、 主要画分を 凍結乾燥することで所望の蛋白質のアミド体を得ることができる。
蛋白質のエステル体を得るには、 例えば、 カルポキシ末端アミノ酸のひ—カル ポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 蛋白質の アミド体と同様にして、 所望の蛋白質のエステル体を得ることができる。
本発明の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩は、 公知のペプチドの合成法に従 つて、 あるいは本発明の蛋白質を適当なぺプチダーゼで切断することによって製 造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合 成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明の蛋白質を構成し得る部分ぺプ チドもしくはァミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は 保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製造することができる。 公知の縮 合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載された方法が挙げ られる。
®M. Bodanszkyおよび M. A. Onde t t i, ペプチド シンセシス (Pept ide Synth es is) , Intersc ience Publ ishers, New York (1966年)
② Schroederおよび Luebke、 ザペプチド(The Pept ide) , Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 蛋白質の化学 IV、 205、 (19 77年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発 第 14巻ペプチド合成 広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトダラ フィ一 '液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分ぺプ チドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊離体で ある場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で 得られた場合は、 公知の方法によって遊離体に変換することができる。
本発明のレセプター蛋白質をコードするポリヌクレオチドとしては、 上記した
本発明のレセプ夕一蛋白質をコ一ドする塩基配列 (DNAまたは RNA、 好まし くは DNA) を含有するものであればいかなるものであってもよい。 該ポリヌク レオチドとしては、 本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする DNA、 mRNA等 の RNAであり、 二本鎖であっても、 一本鎖であってもよい。 二本鎖の場合は、 二本鎖 DNA、 二本鎖 RNAまたは DNA: RNAのハイブリッドでもよい。 一 本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわち、 コード鎖) であっても、 アンチセンス鎖 ( すなわち、 非コード鎖) であってもよい。
本発明のレセプター蛋白質をコードするポリヌクレオチドを用いて、 例えば、 公知の実験医学増刊 「新 PC Rとその応用」 15(7)、 1997記載の方法またはそれ に準じた方法により、 本発明のレセプ夕一蛋白質の mRNAを定量することがで ぎる。
本発明のレセプター蛋白質をコードする DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノ ム DNAライブラリー、 上記した細胞 ·組織由来の c DNA、 上記した細胞 ·組 織由来の cDNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリーに 使用するべクタ一は、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファ一ジミ ドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細胞 ·組織より totalRNAまた は mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— P CR法と略称する) によって増幅することも できる。
具体的には、 本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする DNAとしては、 例えば 、 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 2で表 される塩基配列を有する DNAとハイストリンジェン卜な条件下でハイブリダィ ズする DNAを有し、 本発明のレセプ夕一蛋白質と実質的に同質の活性 (例、 リ ガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプ夕一蛋白質をコー ドする DNAであれば何れのものでもよい。
配列番号: 2で表される塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表される塩 基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上 、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなど
が用いられる。
ハイブリダィゼ一シヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー ·クロ一ニング (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載 の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェン卜な 条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェン卜な条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 mM、 好ましくは約 1 9〜2 O mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 、 好ましくは約 6 0〜 6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °C の場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するレセプ夕一 蛋白質をコードする D NAとしては、 配列番号: 2で表される塩基配列を含有す る D N Aなどが用いられる。
本発明のレセプター蛋白質をコードする D NAの塩基配列の一部、 または該 D N Aと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、 下記の本 発明の部分ペプチドをコードする D NAを包含するだけではなく、 RNAをも包 含する意味で用いられる。
本発明に従えば、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質遺伝子の複製または発現を 阻害することのできるアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) を、 クローン化 した、 あるいは決定された G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質をコードする D NA の塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。 そうしたポリヌクレオチド (核酸 ) は、 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質遺伝子の RNAとハイブリダィズするこ とができ、 該 RNAの合成または機能を阻害することができるか、 あるいは G蛋 白質共役型レセプター蛋白質関連 R NAとの相互作用を介して G蛋白質共役型レ セプター蛋白質遺伝子の発現を調節 ·制御することができる。 G蛋白質共役型レ セプタ一蛋白質関連 R N Aの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、 およ び G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質関連 RNAと特異的にハイブリダィズするこ とができるポリヌクレオチドは、 生体内および生体外で G蛋白質共役型レセプ夕
一蛋白質遺伝子の発現を調節 ·制御するのに有用であり、 また病気などの治療ま たは診断に有用である。 用語 「対応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチド、 塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを 意味する。 ヌクレオチド、 塩基配列または核酸とペプチド (蛋白質) との間で 「 対応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される 指令にあるペプチド (蛋白質) のアミノ酸を通常指している。 G蛋白質共役型レ セプ夕一蛋白質遺伝子の 5 '端ヘアピンループ、 5 '端 6—ベースペア 'リピート 、 5 '端非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コドン、 蛋白質コード領域、 O R F 翻訳開始コドン、 3 '端非翻訳領域、 3 '端パリンドローム領域、 および 3 '端ヘア ピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、 G蛋白質共役型レセプ夕一 蛋白質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチド、 すなわ ち対象物とハイプリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、 「ァ ンチセンス」 であるということができる。 ァンチセンス ·ポリヌクレオチドは、 2—デォキシ一 D—リポースを含有しているポリデォキシヌクレオチド、 D—リ ポースを含有しているポリデォキシヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基 の N—グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレ ォチド骨格を有するその他のポリマー (例えば、 市販の蛋白質核酸および合成配 列特異的な核酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し 、 該ポリマ一は D N Aや R N A中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の 付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それら は、 2本鎖 D NA、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA : R NAハイブリッドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (また は非修飾オリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば 当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたも の、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレオチ ド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホ トリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有 する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォェ一ト、 ホスホロジチォェ
ートなど) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一ゼ*ィンヒビ ター、 トキシン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ一 L—リジンなど) や糖 (例え ば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 イン夕一力レント 化合物 (例えば、 ァクリジン、 ソラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例 えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など) を含有するもの
、 アルキル化剤を含有するもの、 修飾された結合を持つもの (例えば、 0!ァノマ 一型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオシド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、 修飾 されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。 こうした修飾 物は、 メチル化されたプリンおよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおよびピ リミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。 修飾されたヌクレ ォチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例え ば、 1個以上の水酸基がハロゲンとか、 脂肪族基などで置換されていたり、 ある いはエーテル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 ある いは修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例として は核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、 そしてポリヌクレオシドアミド やオリゴヌクレオシドアミドの分 に抵抗性のものが挙げられるが、 それに限定 されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設 計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和 性をより大きなものにする、 そし.てもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性 をより小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992 ; Vol. 8, pp. 395, 1992 ; S. T. Cro oke et al. ed. , Ant isense Research and Appl icat ions, CRC Press, 1993 な どに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結 合を含有していて良く、 リポゾ一ム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与
されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることが できうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を 中和するように働くポリリジンのようなポリ力チォン体、 細胞膜との相互作用を 高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コ レステロールなど) といった疎水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂 質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメ —ト、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 '端あるいは 5, 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付着さ せることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3,端あるいは 5 '端に特異的 に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレア一ゼ、 R N a s eなどのヌクレ ァーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキヤップ用の基 としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエチレングリコールなどのグリコ一 ルをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それに限 定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体 外の遺伝子発現系、 あるいは G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の生体内や生体外 の翻訳系を用いて調べることができる。 該核酸公知の各種の方法で細胞に適用で さる。
本発明の部分ペプチドをコードする D NAとしては、 上記した本発明の部分べ プチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ レ^ また、 ゲノム D NA、 ゲノム D NAライブラリー、 上記した細胞 ·組織由来 の c D NA、 上記した細胞 ·組織由来の c D NAライブラリー、 合成 D NAのい ずれでもよい。 ライブラリーに使用するベクターは、 バクテリオファージ、 ブラ スミド、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細 胞 '組織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain React ion (以下、 R T— P C R法と略称する) によって増幅 することもできる。
具体的には、 本発明の部分ペプチドをコードする D NAとしては、 例えば、 ( 1 ) 配列番号: 2で表される塩基配列を有する D NAの部分塩基配列を有する D
NA、 または (2) 配列番号: 2で表される塩基配列を有する DNAとハイスト リンジェントな条件下でハイプリダイズする D N Aを有し、 本発明のレセプ夕一 蛋白質と実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用な ど) を有するレセプター蛋白質をコードする DNAの部分塩基配列を有する DN Aなどが用いられる。
配列番号: 2で表される塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表される塩 基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上 、 最も好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなど が用いられる。 '
本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチド (以下、 本発明のレセプ夕 一蛋白質と略記する場合がある) を完全にコードする DNAのクロ一ニングの手 段としては、 本発明のレセプター蛋白質をコードする DN Aの塩基配列の部分塩 基配列を有する合成 DNAプライマーを用いて PC R法によって増幅するか、 ま たは適当なベクターに組み込んだ DNAを本発明のレセプ夕一蛋白質の一部ある いは全領域をコードする DN A断片もしくは合成 DN Aを用いて標識したものと のハイブリダイゼ一シヨンによって選別することができる。 ハイブリダイゼ一シ ヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー 'クロ一ニング (Molecular Cloning) 2n d (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法 などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の置換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 MutanTM-super Express Km (宝酒造) 、 Mutan™-K (宝酒造) 等を用いて、 ODA- LA PCR法や Guppe d duplex法や Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行な うことができる。
クローン化されたレセプ夕一蛋白質をコードする DNAは目的によりそのまま 、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用する ことができる。 該 DNAはその 5'末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有 し、 また 3'末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを
有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 D N Aアダプタ一を用いて付加することもできる。
本発明のレセプ夕一蛋白質の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本発明のレセプ 夕一蛋白質をコードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモータ一の下流に連結することにより 製造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pCR4、 pCR2. 1、 pBR322、 p BR 325, pUC 12、 pUC 13) 、 枯草菌由来のプラス ミド (例、 pUB 1 10、 pTP 5、 pC 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 pSH19、 p SH 15) 、 λファージなどのバクテリオファージ、 レトロウイ ルス、 ワクシニアウィルス、 バキュロウィルスなどの動物ウイルスなどの他、 ρ A1 - 11、 ΧΤ 1、 pRc/CMV、 pRc/RSV, p c DNA I N e oなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応 して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 SR«プロモー夕一、 SV40プロモーター、 LTRプ ロモ一夕一、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる これらのうち、 CMVプロモーター、 S R αプロモ一夕一などを用いるのが好 ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプ 口モータ—、 r e cAプロモーター、 APLプロモー夕一、 l p pプロモー夕一 などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 S P 01プロモー夕一、 S P O 2プ 口モータ—、 p e n pプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 PH05プ 口モーター、 PGKプロモー夕一、 GAPプロモーター、 ADHプロモーターな どが好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモータ一、 P 1 0プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることがで
きる。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dhf r と略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシ リン耐性遺伝子 (以下、 Amp rと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺 伝子 (以下、 Ne orと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられる。 特に、 CHO (dh f r") 細胞を用いて d h f r遺伝子を選択マーカーとして 使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。 また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のレセプ夕一蛋白 質の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA*シ グナル配列、 Omp A ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は 、 0!—アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が 酵母である場合は、 MFo! ·シグナル配列、 SUC2 ·シグナル配列など、 宿主 が動物細胞である場合には、 インシュリン ·シグナル配列、 α—インターフエ口 ン ·シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする DN Αを含 有するベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 ェシエリヒア ·コリ (Escherichia coli ) Kl 2 · DH1 〔プロシージングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォ ブ 'サイェンシィズ'ォブ'ザ'ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. US A) , 60巻, 160 (1968)〕 , J Ml 03 〔ヌクイレック .ァシッズ. リ サーチ, (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J A221 〔ジャーナル ·ォブ ·モレキュラー ·バイオロジー (Journal of Molecular Bio logy) , 120巻, 517 (1978)〕 , HB 101 〔ジャーナル ·ォブ ·モレ キユラ一 'バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジエネティ ックス (Genetics) , 39巻, 440 ( 1954)〕 , DH 5 « 〔Inoue, H. , Noj im a, H. and Okayama, H., Gene, 96, 23-28 (1990)〕 , DH 10 B 〔プロシ一ジングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーェ スエー (Pro Natl. Acad. Sci. USA) , 87巻, 4645— 4649 (19
90)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·ズブチルス (Bacillus subtilis ) M I 114 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)〕 , 207 - 21 〔ジャーナ ル -ォブ ·バイオケミストリー (Journal of Biochemistry) , 95巻, 87 (1 984)] などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス ·セレビシェ (Saccharomyces cere visiae) AH22, AH22R―, NA87 - 11 A, DKD— 5D、 20 B-
12、 シゾサッカロマイセス ·ボンべ (Schizosacclmromyces pombe) NCYC 1913, NCYC 2036, ピキア ·パストリス (Pichia pastoris) などが 用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが AcNPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫由 来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中 腸由来の MGl細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、 Mamestra b rassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスが BmNPVの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞) な どが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL 1711) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン ·ヴイボ (In Vivo) ,
13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネイチヤー (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Vero, チャイニーズ八ムス 夕一細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) 、 dh f r遺伝子欠損チャイニーズ ハムス夕一細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r-) 細胞と略記) 、 マウス L細 胞, マウス AtT— 20、 マウスミエローマ細胞、 ラット GH3、 ヒト FL細胞 などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ ·ザ •ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ .ザ ·ユーエスエー ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 2110 ( 1972 )やジーン (Gen e) , 17巻, 107 (1982)などに記載の方法に従って行なうことができる
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー ·アンド ·ジエネラ ル ·ジエネティックス (Molecular & General Genetics) , 168巻, 111 ( 1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 メッソズ ·イン 'ェンザィモロジ一 (Metti ods in Enzymology) , 194卷, 182— 187 (1991) 、 プロシージン グズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 (1978 ) などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ/テクノロジ一 (Bi o/Technology) , 6, 47-55 (1988)) などに記載の方法に従って行なうことができ る。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8新細胞工学実験プロト コール. 263— 267 (1995) (秀潤社発行) 、 ヴィロロジー (Virology ) , 52巻, 456 (1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質をコードする DNAを含有 する発現べクターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては 、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源として は、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ · リカ一、 ペプトン 、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグ ネシゥムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子など を添加してもよい。 培地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M 9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル ·ォブ ·ェクスペリメンッ •イン ·モレキュラー ·ジエネティックス (Journal of Experiments in Molecu
lar Genetics) , 431— 433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモ一夕一を効率よく働かせるため に、 例えば、 3 3—インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 15〜43°Cで約 3〜24時間 行い、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜 40 °Cで約 6〜 24時間行い 、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ 一ルダ一 (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 「プロシージングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォプ ·サイェンシィズ ·ォプ ·ザ ·ユーェ スエー (Pro atl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)」 や 0. 5%カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 「プロシージング ズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ.ザ.ュ —エスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 81巻, 5330 (1984 ) 」 が挙げられる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常 約 20°C〜35°Cで約 24〜72時間行い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。 宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Gr ace's Insect Medium (Grace, T. C ,ネィチヤ一 (Nature) , 195, 788 (1962)) に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培 地の ρΗは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27 °Cで約 3〜5日間行い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122巻, 501 (1952)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジ一 (Virology) , 8巻, 396 (1959)) , RPM I 1640培地 〔ジャーナル'ォブ ·ザ ·アメリカン ' メァィカル ·アソシエーション (The Journal of the American Medical Associ at ion) 199巻, 519 (1967)] , 199培地 〔プロシージング 'ォブ' ザ ·ソサイエティ ·フォー ·ザ ·バイオロジカル ·メディスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 73巻, 1 (1950)〕 などが
用いられる。 p Hは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約 3 0 ° (:〜 4 0 °C で約 1 5〜6 0時間行い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の G蛋 白質共役型レセプ夕一蛋白質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のレセプター蛋白質を分離精製するには、 例えば、 下記 の方法により行なうことができる。
本発明のレセプ夕一蛋白質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破 壊したのち、 遠心分離やろ過によりレセプター蛋白質の粗抽出液を得る方法など が適宜用いられる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、 トリ卜ン X— 1 0 0™などの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中にレセ プター蛋白質が分泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌体あるいは細 胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるレセプタ一蛋 白質の精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用す る方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミド ゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換ク口マト グラフィーなどの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィー などの特異的親和性を利用する方法、 逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎 水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法な どが用いられる。
かくして得られるレセプ夕一蛋白質が遊離体で得られた場合には、 公知の方法 あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得られた 場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に変 換することができる。
なお、 組換え体が産生するレセプ夕一蛋白質を、 精製前または精製後に適当な 蛋白修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを
部分的に除去することもできる。 蛋白修飾酵素としては、 例えば、
キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダ一ゼ、 プロテインキナーゼ、 グリコ シダーゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のレセプター蛋白質またはその塩の活性は、 標識した リガンドとの結合実験および特異抗体を用いたェンザィムィムノアッセィなどに より測定することができる。
本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩に対する抗 体は、 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩を認識 し得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体の何れであって もよい。
本発明のレセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩 (以下、 本 発明のレセプ夕一蛋白質等と略記する場合がある) に対する抗体は、 本発明のレ セプター蛋白質等を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法に従って 製造することができる。
〔モノク口一ナル抗体の作製〕
( a ) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のレセプター蛋白質等は、 哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能 な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体 産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロイン卜アジュバ ントを投与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜1 0回程度行 われる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモッ 卜、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラットが好ま しく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾 臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合 させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製することがで きる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプター蛋白質等と 抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより
行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーとミルスタイン の方法 〔ネイチヤー (Nature), 256巻、 495頁 (1975年) 〕 に従い実 施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール ( PEG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGが用いられ る。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P3U1、 SP2/0などが挙げら れるが、 P3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PEG (好 ましくは、 PEG1000〜PEG6000) が 10〜 80 %程度の濃度で添加 され、 約 20〜 40 °C、 好ましくは約 30〜 37 °Cで約 1〜 10分間ィンキュベ 一卜することにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリドーマのスクリ一ニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 レセプター蛋白質等の抗原を直接あるいは担体とともに吸 着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイブリド一マ培養上清を添加し、 次 に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いられ る細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプロ ティン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫グ ロブリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリドーマ培養上清を 添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプター蛋白質等を加え、 固相に結 合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行なう ことができるが、 通常は HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジン) を添加した ¾物細胞用培地などで行なうことができる。 選別および育種用培地と しては、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い 。 例えば、 1〜20%、 好ましくは 10〜20%の牛胎児血清を含む RPMI 1640培地、 1〜 10 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) またはハイプリドーマ培養用無血清培地 (SFM— 101、 日水製薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 20〜40° (:、 好ましくは約 37 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。
培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリドーマ培養上清の 抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリクローナル抗体の分離精製と同 様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿 法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E ) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲ ルろ過法、 抗原結合固相またはプロティン Aあるいはプロテイン Gなどの活性吸 着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従 つて行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法にしたがって 製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (本発明のレセプ夕一蛋白質等の抗原 ) とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法 と同様に哺乳動物に免疫を行い、 該免疫動物から本発明のレセプター蛋白質等に 対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。 哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキヤリァー蛋白質との複合体 に関し、 キャリア一蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、 キ ャリァ一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの 様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブミン、 ゥシサイログロブリン、 キーホール ·リンぺッ卜 ·へモシァニン等を重量比でハ プテン 1に対し、 約 0. 1〜2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合でカプルさせる方 法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが できるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チ オール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全 フロイントアジュバントゃ不完全フロイン卜アジュバントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なうことができる。
ポリクロ一ナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクロ一ナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。 ポリクロ一ナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル 抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができ る。
本発明のレセプター蛋白質またはその塩、 その部分ペプチドまたはその塩、 お よび該レセプ夕一蛋白質またはその部分べプチドをコ一ドする D NAは、 ( 1 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質に対するリガンド (ァゴ二スト) の決 定、 (2 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の機能不全に関連する疾患 の予防および Zまたは治療剤、 (3 ) 遺伝子診断剤、 (4 ) 本発明のレセプ夕一 蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニング方 法、 (5 ) 本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化さ せる化合物を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤、 (6 ) 本発明の G 蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質に対するリガンドの定量法、 (7 ) 本発明の G蛋 白質共役型レセプ夕一蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴ二 スト、 アン夕ゴニストなど) のスクリーニング方法、 (8 ) 本発明の G蛋白質共 役型レセプ夕一蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴニス卜、 アンタゴニスト) を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤、 (9 ) 本発 明のレセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の定量、 (1 0 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化さ せる化合物のスクリーニング方法、 (1 1 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一 蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予 防および Zまたは治療剤、 (1 2 ) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分 ペプチドまたはその塩に対する抗体による中和、 (1 3 ) 本発明の G蛋白質共役 型レセプ夕一蛋白質をコードする D NAを有する非ヒト動物の作製などに用いる ことができる。
特に、 本発明の組換え型 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の発現系を用いたレ セプ夕一結合アツセィ系を用いることによって、 哺乳動物に特異的な G蛋白質共
役型レセプ夕一に対するリガンドの結合性を変化させる化合物 (例、 ァゴニスト 、 アン夕ゴニストなど) をスクリーニングすることができ、 該ァゴ二ストまたは アン夕ゴニストを各種疾病の予防 ·治療剤などとして使用することができる。 本発明のレセプ夕一蛋白質もしくは部分ペプチドまたはその塩 (以下、 本発明 のレセプ夕一蛋白質等と略記する場合がある) 、 本発明のレセプ夕一蛋白質また はその部分ペプチドをコードする DNA (以下、 本発明の DNAと略記する場合 がある) および本発明のレセプ夕一蛋白質等に対する抗体 (以下、 本発明の抗体 と略記する場合がある) の用途について、 以下に具体的に説明する。
(1) 本発明の G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンド (ァゴニス ト) の決定
本発明のレセプター蛋白質もしくはその塩または本発明の部分べプチドもしく はその塩は、 本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩に対するリガンド (ァゴ二 スト) を探索し、 または決定するための試薬として有用である。
すなわち、 本発明は、 本発明のレセプター蛋白質もしくはその塩または本発明 の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを接触させることを特徴とする 本発明のレセプ夕一蛋白質に対するリガンドの決定方法を提供する。
試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシ ン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシ卜シン、 Ρ ACAP (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 7ドレノメジユリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 AC TH、 GRP、 PTH、 V I P ひ ノアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミン、 モチリン、 アミ リン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジ一ンリレ一ティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン 、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインス一パーファミリ一 (例、 I L一 8, GRO a, GROiS, GRO了, NAP- 2, ENA— 78, GCP- 2, P F 4, I P— 10, Mi g, PBS F/SDF— 1などの CXCケモカインサブフ アミリー; MCAF/MCP— 1, MCP- 2, MCP- 3, MCP— 4, e o
t a x i n, R ANTES, MI P - 1 α、 MI P— 1 /3, HCC-1, M I P - 3 α/LARC, M I P- 3 jS/ELC, I一 309, TARC, MI PF— 1, MI PF - 2/e o t ax i n— 2, MDC, DC-C 1/PARC, S LCなどの CCケモカインサブファミリ一; 1 ympho t a c t i nなどの C ケモカインサブファミリー; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカイン サブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニュー 口テンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホス ファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1一リン酸など) の他に、 例えば、 哺 乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラッ卜、 ブ夕、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の組 織抽出物、 細胞培養上清などが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培養上 清などを本発明のレセプ夕一蛋白質に添加し、 細胞刺激活性などを測定しながら 分画し、 最終的に単一のリガンドを得ることができる。
具体的には、 本発明のリガンド決定方法は、 本発明のレセプター蛋白質もしく はその部分べプチドもしくはその塩を用いるか、 または組換え型レセプター蛋白 質の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用いること によって、 本発明のレセプ夕一蛋白質に結合して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキ ドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシト一ルリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質 のリン酸化、 c一 f o s活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する 活性) を有する化合物 (例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、 発酵生産物など) またはその塩を決定する方法である。
本発明のリガンド決定方法においては、 本発明のレセプ夕一蛋白質またはその 部分ペプチドと試験化合物とを接触させた場合の、 例えば、 該レセプター蛋白質 または該部分べプチドに対する試験化合物の結合量や、 細胞刺激活性などを測定 することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識した試験化合物を、 本発明のレセプター蛋白質もしくはその塩または本 発明の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識した試験化 合物の該蛋白質もしくはその塩、 または該部分ペプチドもしくはその塩に対する
結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプター蛋白質またはその塩に対 するリガンドの決定方法、
②標識した試験化合物を、 本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞または該 細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該細胞または該 膜画分に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一蛋白質ま たはその塩に対するリガンドの決定方法、
③標識した試験化合物を、 本発明のレセプター蛋白質をコードする D NAを含 有する形質転換体を培養することによつて細胞膜上に発現したレセプター蛋白質 に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該レセプ夕ー蛋白質またはそ の塩に対する結合量を測定しすることを特徴とする本発明のレセプター蛋白質に 対するリガンドの決定方法、
④試験化合物を、 本発明のレセプ夕一蛋白質を含有する細胞に接触させた場合 における、 レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離 、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c G M P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化 、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など ) を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩に対する リガンドの決定方法、 および
⑤試験化合物を、 本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする D N Aを含有する形 質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセプ夕一蛋白質に接触さ せた場合における、 レセプ夕一蛋白質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキド ン酸遊離、 ァセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細 胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質の リン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する 活性など) を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩 に対するリガンドの決定方法を提供する。
特に、 上記①〜③の試験を行い、 試験化合物が本発明のレセプター蛋白質に結 合することを確認した後に、 上記④〜⑤の試験を行なうことが好ましい。
まず、 リガンド決定方法に用いるレセプ夕一蛋白質としては、 上記した本発明
のレセプ夕一蛋白質または本発明の部分べプチドを含有するものであれば何れの ものであってもよいが、 動物細胞を用いて大量発現させたレセプター蛋白質が適 している。
本発明のレセプター蛋白質を製造するには、 上記の発現方法が用いられるが、 該レセプター蛋白質をコードする D NAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現するこ とにより行なうことが好ましい。 目的とする蛋白質部分をコードする D NA断片 には、 通常、 相補 D NAが用いられるが、 必ずしもこれに制約されるものではな レ^ 例えば、 遺伝子断片や合成 D NAを用いてもよい。 本発明のレセプ夕一蛋白 質をコードする D NA断片を宿主動物細胞に導入し、 それらを効率よく発現させ るためには、 該 D N A断片を昆虫を宿主とするバキュロウィルスに属する核多角 体病ウィルス (nuclear polyhedros is virus; N P V) のポリヘドリンプロモー 夕一、 S V 4 0由来のプロモーター、 レトロウイルスのプロモータ一、 メタロチ ォネインプロモータ一、 ヒトヒートショックプロモーター、 サイトメガロウィル スプロモーター、 S R αプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。 発現 したレセプターの量と質の検査は公知の方法で行うことができる。 例えば、 文献 CNaibi, P. ら、 ザ ·ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケミストリ一 (J. B iol. Chem. ) , 267巻, 19555〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に従って行うことが できる。
したがって、 本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプ夕一蛋白質 もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有するものとしては、 公知の方法に 従って精製したレセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩であつ てもよいし、 該レセプタ一蛋白質を含有する細胞またはその細胞膜画分を用いて もよい。
本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプター蛋白質を含有する細 胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化しても よい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞としては、 本発明のレセプ夕一蛋白 質を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが用いられる。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Po er— Elvehjem型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン (Kinema tica社製) による破碎、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500 rpm〜3000 rpm) で短時間 (通常、 約 1分〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000 r p m〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質ゃ膜蛋 白質などの膜成分が多く含まれる。
該レセプター蛋白質を含有する細胞やその膜画分中のレセプ夕一蛋白質の量は
、 1細胞当たり 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であ るのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 ( 比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでな く、 同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩に対するリガンドを決定する上記の① 〜③の方法を実施するためには、 適当なレセプター蛋白質画分と、 標識した試験 化合物が必要である。
レセプター蛋白質画分としては、 天然型のレセプター蛋白質画分か、 またはそ れと同等の活性を有する組換え型レセプ夕一画分などが望ましい。 ここで、 同等 の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す。
標識した試験化合物としては、 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 な どで標識したアンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキニン 、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プ リン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP27, ΡΑ CAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 ァドレノメジユリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 VI P (バソ アクティブ インテスティナル アンド リイテッド ポリペプチド) 、 ソマ卜
ス夕チン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシ トニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン 、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカイ ンスーパーファミリ一 (例、 I L一 8, GRO a, GRO^, GROr, NAP -2, ENA - 78, GCP-2, PF 4, I P— 10, M i g, PBSF/S DF— 1などの CXCケモカインサブファミリ一; MCAF/MCP- 1, MC P— 2, MCP— 3, MCP— 4, e o t ax i n, RANTES, MI P— 1 α、 M I Ρ- 1 3, HCC - 1, M I P— 3 «ZL AR C、 MI P— 3 /3ZEL C, 1 - 309, TARC, M I P F- 1 , M I PF- 2/e o t a x i n-2 , MDC, DC-CK 1/P ARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリ 一; 1 ymp h o t a c t i nなどの Cケモカインサブファミリ一; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェ ンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティッ クポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴシ ン 1—リン酸などが好適である。
具体的には、 本発明のレセプター蛋白質またはその塩に対するリガンドの決定 方法を行なうには、 まず本発明のレセプ夕一蛋白質を含有する細胞または細胞の 膜画分を、 決定方法に適したバッファーに懸濁することによりレセプ夕一標品を 調製する。 バッファーには、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリン酸バ ッファー、 トリスー塩酸バッファーなどのリガンドとレセプター蛋白質との結合 を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減さ せる目的で、 CHAPS、 Twe e n— 80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトニ ン、 デォキシコレー卜などの界面活性剤ゃゥシ血清アルブミンゃゼラチンなどの 各種蛋白質をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテア一ゼによるリ セプ夕一やリガンドの分解を抑える目的で PMS F、 ロイぺプチン、 E— 64 ( ペプチド研究所製) 、 ぺプス夕チンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することも できる。 0.0 lm 1〜10mlの該レセプター溶液に、 一定量 (5000 c pm 〜500000 c pm) の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標 識した試験化合物を共存させる。 非特異的結合量 (NSB) を知るために大過剰
の未標識の試験化合物を加えた反応チューブも用意する。 反応は約 0 °C〜5 0 °C 、 望ましくは約 4 °C〜3 7 °Cで、 約 2 0分〜 2 4時間、 望ましくは約 3 0分〜 3 時間行なう。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の同バッファ一で洗浄し た後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーシヨンカウン夕一あ るいはァ—カウン夕一で計測する。 全結合量 (B) から非特異的結合量 (N S B ) を引いたカウント (B— N S B ) が 0 c p mを越える試験化合物を本発明のレ セプター蛋白質またはその塩に対するリガンド (ァゴニス卜) として選択するこ とができる。
本発明のレセプター蛋白質またはその塩に対するリガンドを決定する上記の④ 〜⑤の方法を実施するためには、 該レセプ夕ー蛋白質を介する細胞刺激活性 (例 えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性 または抑制する活性など) を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定 することができる。 具体的には、 まず、 レセプ夕一蛋白質を含有する細胞をマル チウエルプレート等に培養する。 リガンド決定を行なうにあたっては前もって新 鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物 などを添加して一定時間ィンキュベ一トした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回 収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標 とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よつて検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行な つてもよい。 また、 c AM P産生抑制などの活性については、 フオルスコリンな どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検 出することができる。
本発明のレセプ夕一蛋白質またはその塩に結合するリガンド決定用キットは、 本発明のレセプ夕一蛋白質もしくはその塩、 本発明の部分べプチドもしくはその 塩、 本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞、 または本発明のレセプター蛋白 質を含有する細胞の膜画分などを含有するものである。
本発明のリガンド決定用キッ卜の例としては、 次のものが举げられる。
1. リガンド決定用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0. 05%のゥシ血清アル プミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 mのフィルタ一で濾過滅菌し、 4^で保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
② G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質標品
本発明のレセプター蛋白質を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5x 105個/穴で継代し、 37Τ 5%C02、 95%a i rで 2日間培養したも の。
③標識試験化合物
市販の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識した化合物、 ま たは適当な方法で標識化したもの
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは一 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液 にて 1 Mに希釈する。 水に難溶性を示す試験化合物については、 ジメチルホル ムアミド、 DMSO、 メタノール等に溶解する。
④非標識試験化合物
標識化合物と同じものを 100〜1000倍濃い濃度に調製する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ夕一蛋白質発現 CH O細胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 1の測定用緩衝液を 各穴に加える。
②標識試験化合物を 5 1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量 を知るためには非標識試験化合物を 5 n 1加えておく。
③反応液を除去し、 1mlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標 識試験化合物を 0. 2N NaOH— 1 %SDSで溶解し、 4mlの液体シンチ レーター A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレ一シヨンカウンター (ベックマン社製) を用いて放射活性を測 定する。
本発明のレセプター蛋白質またはその塩に結合することができるリガンドとし ては、 例えば、 脳、 下垂体、 心臓、 膝臓、 脂肪組織、 乳腺、 精巣などに特異的に 存在する物質などが挙げられ、 具体的には、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 力 ナビノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニュー 口ペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACA Ρ (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシ トニン、 アドレノメジュリン、 ソマ卜ス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイ テッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ド一パミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシ卜ニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイ コトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデ ノシン、 アドレナリン、 ケモカインス一パ一ファミリ一 (例、 I L—8, GRO a, GROj3, GROァ, NAP— 2, ENA— 78, GCP— 2, P F 4, I P— 10, M i g, PBSFZSDF— 1などの CXCケモカインサブファミリ -; MCAF/MCP- 1, MCP-2, MCP_ 3, MCP— 4, e o t a x i n, RANTE S, MI P— l o;、 M I P - 1 j3 , HCC— 1, M I P - 3 a /LARC、 M I P- 3 /3/ELC, 1 - 309, TARC, M I P F— 1, M I P F- 2/e o t a x i n - 2, MDC, DC-CK 1/PARC, SLCな どの CCケモカインサブファミリー; 1 ym h o t a c t i nなどの Cケモカ ィンサブファミリー; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブフ アミリー等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテン シン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホスファチ ジン酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1 _リン酸などが用いられる。
(2) 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質の機能不全に関連する疾患の 予防および/または治療剤
上記 (1) の方法において、 本発明のレセプター蛋白質に対するリガンドが明 らかになれば、 該リガンドが有する作用に応じて、 ①本発明のレセプ夕一蛋白質 または②該レセプタ一蛋白質をコードする DNAを、 本発明のレセプ夕一蛋白質 の機能不全に関連する疾患の予防および または治療剤などの医薬として使用す
ることができる。
例えば、 生体内において本発明のレセプター蛋白質が減少しているためにリガ ンドの生理作用が期待できない (該レセプター蛋白質の欠乏症) 患者がいる場合 に、 ①本発明のレセプター蛋白質を該患者に投与し該レセプ夕一蛋白質の量を補 充したり、 ② (ィ) 本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする D NAを該患者に投 与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる細胞に本発明のレセプ ター蛋白質をコ一ドする D N Aを挿入し発現させた後に、 該細胞を該患者に移植 することなどによって、 患者の体内におけるレセプター蛋白質の量を増加させ、 リガンドの作用を充分に発揮させることができる。 すなわち、 本発明のレセプ夕 —蛋白質をコードする D NAは、 安全で低毒性な本発明のレセプ夕一蛋白質の機 能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤として有用である。
本発明のレセプ夕一蛋白質は、 G蛋白共役型レセプ夕一蛋白質である HM 7 4 [Int. Immunol. 5 (10) , 1239-1249 (1993) ] 、 プリノセプター [Gene 171 (2) , 2 95-297 (1996) ] 、 または G P R 3 1 [Genomics 42 (3) , 519-523 (1997) ] にアミ ノ酸配列レベルで、 約 2 9〜 5 2 %程度の相同性が認められる新規 7回膜貫通型 レセプ夕一蛋白質である。
本発明のレセプ夕一蛋白質または該レセプ夕一蛋白質をコードする D N Aは循 環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等)、 肥満、 高脂血症 、 糖尿病、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 喘息、 リュウマチなど)、 癌 (例え ば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸 癌、 直腸癌等) 、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障害など)、 などの予防および Zまたは治療に有用である。
本発明のレセプター蛋白質を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 常套手 段に従って製剤化することができる。
一方、 本発明のレセプ夕一蛋白質をコードする D NA (以下、 本発明の D NA と略記する場合がある) を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明の D NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクタ一、 アデノ ウィルスァソシェ一テッドウィルスベクターなどの適当なベクターに揷入した後 、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の D NAは、 そのままで、 あ
るいは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルの ようなカテーテルによって投与できる。
例えば、 ①本発明のレセプター蛋白質または②該レセプ夕一蛋白質をコードす る D NAは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイ クロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許 容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用 できる。 例えば、 ①本発明のレセプター蛋白質または②該レセプター蛋白質をコ ードする D NAを生理学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル 、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される 単位用量形態で混和することによつて製造することができる。 これら製剤におけ る有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。 錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 转晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルピトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコ一ル、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベー卜 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸
ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
本発明のレセプター蛋白質の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法 などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kg として) においては、 一日につき約 0. lmg〜l 00mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する 場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても 異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) にお いては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. ;!〜 20mg 程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好 都合である。 他の動物の場合も、 60 k g当たりに換算した量を投与することが できる。
本発明の DNAの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより 差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 O kgとして) に おいては、 一日につき約 0. lmg〜l 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 そ の 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O kgとして) においては、 一 日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より 好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である 。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
(3) 遺伝子診断剤
本発明の DNAは、 プローブとして使用することにより、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど)
における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドをコードする DNA または mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することができるので、 例えば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 DNAまたは m RNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼ一シヨンや PCR— S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 874〜 879頁 (1989年) 、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル · ァカデミ一 ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ユーエスェ一 (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86 巻, 2766〜2770頁 (1989年) ) などにより実施することができる。
(4) 本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ る化合物のスクリーニング方法
本発明の DNAは、 プロ一ブとして用いることにより、 本発明のレセプ夕ー蛋 白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用 いることができる。
すなわち、 本発明は、 例えば、 (i) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器 、 ③臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等に含まれる 本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの mRNA量を測定すること による、 本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ る化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプター蛋白質またはその部分べプチドの m R N A量の測定は具体 的には以下のようにして行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラッ卜、 ゥ サギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット 、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例えば 、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脂肪組織、 乳腺、 精巣など) 、 ま たは臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの mRNAは、 例えば、 通常の方法により細胞等から mR NAを抽出し、 例えば、 TadManPCRなどの手法を用いることにより定量することができ、 公知の手段によ りノザンブロットを行うことにより解析することもできる。
(i i) 本発明のレセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドを発現する形質転 換体を上記の方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプ夕ー蛋 白質またはその部分ペプチドの mR NAを同様にして定量、 解析することができ る。
本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合 物のスクリーニングは、
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (3 0分前〜 2 4時間前、 好ましくは 3 0分前 〜 1 2時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (3 0 分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 2 4時 間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与 後一定時間経過後 (3 0分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ま しくは 1時間後〜 2 4時間後) 、 細胞に含まれる本発明のレセプター蛋白質また はその部分べプチドの mRNA量を定量、 解析することにより行なうことができ (i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプター蛋白質またはそ の部分ペプチドの mR NA量を定量、 解析することにより行なうことができる。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 本発明 のレセプタ一蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる作用を有する 化合物であり、 具体的には、 (ィ) 本発明のレセプター蛋白質またはその部分べ プチドの発現量を増加させることにより、 G蛋白質共役型レセプ夕一を介する細 胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 + 遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細
胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 pHの低下など を促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化合物、 (口) 本発明の レセプター蛋白質またはその部分べプチドの発現量を減少させることにより、 該 細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 蛋白、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵 生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の 化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等の生理活 性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等の生理活 性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプ夕一蛋白質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤 、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることが できる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に、 例えば、 癌患者 (60 kgと して) においては、 一日につき約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜5 0mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は 、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては 、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合で ある。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与することができる
( 5 ) 本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ る化合物を含有する各種疾病の予防および/または治療剤
本発明のレセプ夕一蛋白質は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内で何 らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって、 本発明のレセプ夕 —蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物は、 本発明のレセ プタ一蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤として用い ることができる。
該化合物を本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および /または治療剤として使用する場合は、 常套手段に従つて製剤化することができ る。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ
トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 O kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 よ り好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 6 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの定量法 本発明のレセプ夕一蛋白質等は、 リガンドに対して結合性を有しているので、 生体内におけるリガンド濃度を感度良く定量することができる。
本発明の定量法は、 例えば、 競合法と組み合わせることによって用いることが できる。 すなわち、 被検体を本発明のレセプ夕一蛋白質等と接触させることによ つて被検体中のリガンド濃度を測定することができる。 具体的には、 例えば、 以
下の①または②などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用いること ができる。
①入江寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行)
②入江寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行)
( 7 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガンドとの結合性を変化 させる化合物 (ァゴニス卜、 アン夕ゴニス卜など) のスクリーニング方法 本発明のレセプ夕一蛋白質等を用いるか、 または組換え型レセプ夕一蛋白質等 の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツセィ系を用いることに よって、 リガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性を変化させる化合物 (例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物な ど) またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる。
このような化合物には、 (ィ) G蛋白質共役型レセプ夕一を介して細胞刺激活 性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細 胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシト一ルリン酸産生、 細胞膜電位 変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進す る活性または抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタ 一蛋白質に対するァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない化合物 (いわ ゆる、 本発明のレセプ夕一蛋白質に対するアンタゴニスト) 、 (ハ) リガンドと 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質との結合力を増強する化合物、 あるい は (二) リガンドと本発明の G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合力を減少 させる化合物などが含まれる (なお、 上記 (ィ) の化合物は、 上記したリガンド 決定方法によってスクリーニングすることが好ましい) 。
すなわち、 本発明は、 ( i ) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ぺプ チドまたはその塩と、 リガンドとを接触させた場合と (i i) 本発明のレセプ夕一 蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と、 リガンドおよび試験化合物と を接触させた塲合との比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明のレセプ 夕一蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合 物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i ) と (i i) の場合における、 例
えば、 該レセプ夕一蛋白質等に対するリガンドの結合量、 細胞刺激活性などを測 定して、 比較することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識したリガンドを、 本発明のレセプター蛋白質等に接触させた場合と、 標 識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレセプ夕一蛋白質等に接触させた場 合における、 標識したリガンドの該レセプター蛋白質等に対する結合量を測定し 、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性 を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
②標識したリガンドを、 本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する細胞または該 細胞の膜画分に接触させた場合と、 標識したリガンドおよび試験化合物を本発明 のレセプター蛋白質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合に おける、 標識したリガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、 比 較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタ一蛋白質等との結合性を変 化させる化合物またはその塩のスクリ一ニング方法、
③標識したリガンドを、 本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養すること によって細胞膜上に発現したレセプター蛋白質等に接触させた場合と、 標識した リガンドおよび試験化合物を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養するこ とによって細胞膜上に発現した本発明のレセプ夕一蛋白質等に接触させた場合に おける、 標識したリガンドの該レセプ夕一蛋白質等に対する結合量を測定し、 比 較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋白質等との結合性を変 化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
④本発明のレセプター蛋白質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレセプ ター蛋白質等に対するリガンドなど) を本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する 細胞に接触させた場合と、 本発明のレセプ夕一蛋白質等を活性化する化合物およ び試験化合物を本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する細胞に接触させた場合に おける、 レセプ夕一を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチ ルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成 、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を測定
し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合 性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 および
⑤本発明のレセプ夕一蛋白質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレセプ ター蛋白質等に対するリガンドなど) を本発明の D N Aを含有する形質転換体を 培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプ夕一蛋白質等に接触さ せた場合と、 本発明のレセプター蛋白質等を活性化する化合物および試験化合物 を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現 した本発明のレセプ夕一蛋白質等に接触させた場合における、 レセプ夕一を介す る細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 C AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生 、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c _ ;f o sの活性化、 p Hの低下 などを促進する活性または抑制する活性など) を測定し、 比較することを特徴と するリガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性を変化させる化合物また はその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプター蛋白質等が得られる以前は、 G蛋白質共役型レセプタ一ァ ゴニストまたはアン夕ゴニストをスクリーニングする場合、 まずラットなどの G 蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質を含む細胞、 組織またはその細胞膜画分を用いて 候補化合物を得て (一次スクリーニング) 、 その後に該候補化合物が実際にヒト の G蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガンドとの結合を阻害するか否かを確認 する試験 (二次スクリーニング) が必要であった。 細胞、 組織または細胞膜画分 をそのまま用いれば他のレセプ夕一蛋白質も混在するために、 目的とするレセプ 夕一蛋白質に対するァゴニストまたはアン夕ゴニストを実際にスクリーニングす ることは困難であった。
しかしながら、 例えば、 本発明のヒ卜由来レセプター蛋白質を用いることによ つて、 一次スクリーニングの必要がなくなり、 リガンドと G蛋白質共役型レセプ 夕一蛋白質との結合を阻害する化合物を効率良くスクリーニングすることができ る。 さらに、 スクリーニングされた化合物がァゴニストかアンタゴニストかを簡 便に評価することができる。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリ一ニング方法に用いる本発明のレセプ夕一蛋白質等とし ては、 上記した本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有するものであれば何れのもの であってもよいが、 本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する哺乳動物の臓器の細 胞膜画分が好適である。 しかし、 特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なこと から、 スクリーニングに用いられるものとしては、 組換え体を用いて大量発現さ せたヒ卜由来のレセプター蛋白質等などが適している。
本発明のレセプ夕一蛋白質等を製造するには、 上記の方法が用いられるが、 本 発明の D N Aを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ましい 。 目的とする蛋白質部分をコードする D NA断片には相補 DNAが用いられるが 、 必ずしもこれに制約されるものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成 D NAを 用いてもよい。 本発明のレセプ夕一蛋白質をコ一ドする D NA断片を宿主動物細 胞に導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 D NA断片を昆虫を宿主 とするバキュロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear polyhedrosis v irus ; N P V) のポリヘドリンプロモーター、 S V 4 0由来のプロモータ一、 レ トロウィルスのプロモータ一、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒトヒ一トショ ックプロモータ一、 サイトメガロウィルスプロモ一夕一、 S Rひプロモーターな どの下流に組み込むのが好ましい。 発現したレセプターの量と質の検査は公知の 方法で行うことができる。 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ ·ジャーナル ·ォブ •バイオロジカル ·ケミストリ一 (J. Biol. Chem. ) , 267巻, 19555〜19559頁, 19 92年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプター蛋白 質等を含有するものとしては、 公知の方法に従って精製したレセプター蛋白質等 であってもよいし、 該レセプ夕ー蛋白質等を含有する細胞を用いてもよく、 また 該レセプター蛋白質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有す る細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化し てもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する細胞としては、 該レセプター蛋白質等 を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆
虫細胞、 動物細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破砕方法としては、 Pot ter— Elvehjein型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリ卜ロン (Kinema t ica社製) のよる破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (5 0 0 r p m〜3 0 0 0 r p m) で短時間 (通常、 約 1分〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 ( 1 5 0 0 0 r p m〜3 0 0 0 0 r p m) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプ夕一蛋白質等と細胞由来のリン脂質や膜 蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該レセプ夕一蛋白質等を含有する細胞や膜画分中のレセプ夕一蛋白質の量は、 1細胞当たり 1 0 3〜1 0 8分子であるのが好ましく、 1 0 5〜1 0 7分子である のが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比 活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく 、 同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
リガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性を変化させる化合物をスク リーニングする上記の①〜③を実施するためには、 例えば、 適当なレセプター蛋 白質画分と、 標識したリガンドが必要である。
レセプ夕一蛋白質画分としては、 天然型のレセプ夕一蛋白質画分か、 またはそ れと同等の活性を有する組換え型レセプター蛋白質画分などが望ましい。 ここで 、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す 標識したリガンドとしては、 標識したリガンド、 標識したリガンドアナログ化 合物などが用いられる。 例えば 〔3H〕 、 〔1 2 5 I〕 、 + 〔1 4 C〕 、 〔3 5 S〕 など で標識されたリガンドなどが用いられる。
具体的には、 リガンドと本発明のレセプター蛋白質等との結合性を変化させる 化合物のスクリーニングを行なうには、 まず本発明のレセプター蛋白質等を含有
する細胞または細胞の膜画分を、 スクリーニングに適したバッファ一に懸濁する ことによりレセプター蛋白質標品を調製する。 バッファ一には、 pH4〜10 ( 望ましくは pH6〜8) のリン酸バッファー、 トリス一塩酸バッファ一などのリ ガンドとレセプ夕一蛋白質との結合を阻害しないバッファ一であればいずれでも よい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 T een-80™ ( 花王一アトラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活性剤をバッフ ァ一に加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによるレセプ夕一やリガンド の分解を抑える目的で PMS F、 ロイぺプチン、 E— 64 (ペプチド研究所製) 、 ぺプス夕チンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。 0. 0 lm 1〜10m 1の該レセプター溶液に、 一定量 (5000 c pm〜500000 c pm) の標識したリガンドを添加し、 同時に 10— 4M〜10— 1QMの試験化合物 を共存させる。 非特異的結合量 (NSB) を知るために大過剰の未標識のリガン ドを加えた反応チューブも用意する。 反応は約 0°Cから 50°C、 望ましくは約 4 °Cから 37°Cで、 約 20分から 24時間、 望ましくは約 30分から 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の同バッファーで洗浄した後、 ガラス 繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ一ションカウンターまたはァーカウ ンターで計測する。 拮抗する物質がない場合のカウント(BQ)から非特異的結合 量 (NSB) を引いたカウント (B。一 NSB) を 100%とした時、 特異的結 合量 (B— NSB) が、 例えば、 50 %以下になる試験化合物を拮抗阻害能力の ある候補物質として選択することができる。 '
リガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性を変化させる化合物スクリ 一二ングする上記の④〜⑤の方法を実施するためには、 例えば、 レセプ夕一蛋白 質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細 胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトールリ ン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を公知の方法または市販 の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、 まず、 本発明のレセプ夕一蛋白質等を含有する細胞をマルチゥェ ルプレート等に培養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な
培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物など を添加して一定時間ィンキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収し て、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標とす る物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によつ て検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行なって もよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性については、 フォルスコリンなどで 細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出す ることができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、 適当なレセプ夕一蛋白 質を発現した細胞が必要である。 本発明のレセプター蛋白質等を発現した細胞と しては、 天然型の本発明のレセプター蛋白質等を有する細胞株、 上記の組換え型 レセプ夕一蛋白質等を発現した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白、 非ペプチド性化合物、 合成化 合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。 リガンドと本発明のレセプター蛮白質等との結合性を変化させる化合物または その塩のスクリーニング用キットは、 本発明のレセプ夕一蛋白質等、 本発明のレ セプ夕一蛋白質等を含有する細胞、 または本発明のレセプター蛋白質等を含有す る細胞の膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。 1 . スクリーニング用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 '
Hanks' Balanced Sal t Solut ion (ギブコ社製) に、 0. 0 5 %のゥシ血清アル ブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0. 4 5 mのフィルターで濾過滅菌し、 4 °Cで保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
② G蛋白質共役型レセプ夕ー標品
本発明のレセプ夕一蛋白質を発現させた C HO細胞を、 1 2穴プレー卜に 5 X 1 0 5個/穴で継代し、 3 7 °C、 5 % C O Q、 9 5 % a i rで 2日間培養したも
の。
③標識リガンド
市販の 〔3H〕 、 〔125I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識したリガンド 水溶液の状態のものを 4であるいは一 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液 にて 1 2 Mに希釈する。 ,
④リガンド標準液
リガンドを 0.1%ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PBSで ImM となるように溶解し、 一 20でで保存する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプター蛋白質発現 CH 〇細胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 ^ 1の測定用緩衝液を 各穴に加える。
② 10— 3〜10— 1QMの試験化合物溶液を 5 1加えた後、 標識リガンドを 5 1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るためには試験化合 物の代わりに 10— 3Mのリガンドを 5 1加えておく。
③反応液を除去し、 1 m 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標 識リガンドを 0.2 N NaOH— 1 %SD Sで溶解し、 4m 1の液体シンチレ 一夕一 A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンタ一 (ベックマン社製) を用いて放射活性を測 定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NS B) Z (B。― NSB) ] xl O O
PMB: Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B Q :最大結合量
本発明のスクリ一ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 リガンドと本発明のレセプ夕一蛋白質等との結合性を変 化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) G蛋白質共役型レセプ 夕一を介して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、
細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトール リン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f 0 sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を有する化合物 (いわ ゆる、 本発明のレセプ夕一蛋白質に対するァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性 を有しない化合物 (いわゆる、 本発明のレセプター蛋白質に対するアンタゴニス 卜) 、 ひ、) リガンドと本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質との結合力を 増強する化合物、 あるいは (二) リガンドと本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一 蛋白質との結合力を減少させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 蛋白、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵 生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の 化合物であってもよい。
本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するァゴニストは、 本発明のレセプター蛋白 質等に対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を有しているので、 該リガ ンド活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するアン夕ゴニストは、 本発明のレセプター 蛋白質等に対するリガンドが有する生理活性を抑制することができるので、 該リ ガンド活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質との結合力を増強する化 合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するリガンドが有する生理活性を増強 するための安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合力を減少させる 化合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するリガンドが有する生理活性を減 少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリ一ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、 常套手段に従って 実施することができる。 例えば、 上記した本発明のレセプ夕一蛋白質を含有する 医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無 菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 (
例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 0 k gとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜; L 0 0 m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 O m gである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O k gとして) においては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 0 m g程度、 好ましくは約 0 . l〜2 0 m g程度、 よ り好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 8 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質とリガンドとの結合性を変化 さ.せる化合物 (ァゴ二スト、 アン夕ゴニスト) を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤
本発明のレセプター蛋白質は上記のとおり、 例えば中枢機能、 循環機能、 消化 機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 従って、 本 発明のレセプター蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴニスト 、 アンタゴニスト) や本発明のレセプ夕一蛋白質に対するリガンドは、 本発明の レセプ夕一蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および zまたは治療剤として 用いることができる。
該化合物やリガンドを本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の 予防および/または治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化する ことができる。
例えば、 該化合物やリガンドは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤 、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくは それ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤 の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の 担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が 得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガン卜、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張夜 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコ一ル、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルべ一ト 8 0™、 H C O— 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 さらに、 上記予防'治療剤は適当な薬剤と組み合わせて例えば本発明のレセプ 夕一蛋白質が高発現している臓器や組織を特異的なターゲットとした D D S製剤 として使用することもできる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ
ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 瘙患者 (6 O kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 よ り好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
( 9 ) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩の定 本発明の抗体は、 本発明のレセプター蛋白質等を特異的に認識することができ るので、 被検液中の本発明のレセプ夕一蛋白質等の定量、 特にサンドイッチ免疫 測定法による定量などに使用することができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、
(i) 本発明の抗体と、 被検液および標識化レセプ夕一蛋白質等とを競合的に 反応させ、 該抗体に結合した標識化レセプ夕一蛋白質等の割合を測定することを 特徴とする被検液中の本発明のレセプター蛋白質等の定量法、
(ii) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を 測定することを特徴とする被検液中の本発明のレセプ夕一蛋白質等の定量法を提 供する。
上記 (ii) においては、 一方の抗体が本発明のレセプ夕一蛋白質等の N端部を 認識する抗体で、 他方の抗体が本発明のレセプ夕一蛋白質等の C端部に反応する 抗体であることが好ましい。
本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するモノクローナル抗体 (以下、 本発明のモ ノクローナル抗体と称する場合がある) を用いて本発明のレセプ夕一蛋白質等の 測定を行なえるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目 的には、 抗体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F (ab')2、 F
a b '、 あるいは F a b画分を用いてもよい。 本発明のレセプ夕一蛋白質等に対 する抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべきものではなく、 被測定液中の抗 原量 (例えば、 レセプター蛋白質量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗体一抗原 複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知量の抗原を含む 標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法 を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメトリック法および サンドイッチ法が好適に用いられる力 感度、 特異性の点で、 後に記載するサン ドイツチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 3 1 I〕 、 〔3H〕 、 〔1 4 C〕 などが用いられる。 上記酵 素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 j8—ガラクトシダ —ゼ、 /3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファターゼ、 パ一ォキシダーゼ、 リ ンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレス力 ミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては 、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用 いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン—アビジン系 を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常、 蛋白質あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用いる方 法でもよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースな どの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹脂 、 あるいはガラス等が用いられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を反応さ せ (2次反応) た後、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液 中の本発明のレセプター蛋白質量を定量することができる。 1次反応と 2次反応 は逆の順序に行なっても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なつ てもよい。 標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができる。
また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用 抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させ る等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドィツチ法によるレセプ夕一蛋白質等の測定法においては、 1次 反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体はレセプ夕一蛋白質等 の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応およ び 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 レセプ 夕一蛋白質の C端部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好ましくは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノク口一ナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる 。 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原と(F ) と抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し ( B Z F分離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する 。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B ZF分離をポリエチレンダリ コール、 上記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体とし て固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体と して固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗 体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識 量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメ卜リーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、 生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈 降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリ一 などが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件
、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のレセプ夕一蛋白質または その塩の測定系を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については 、 総説、 成書などを参照することができる 〔例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノ アツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアッセィ 」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭 和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「メソッズ'イン 'ェンジモノジー (Methods in ENZYMOLOGY) 」 Vol. 70 (Immunochemical Techni ues (Part A) ) , 同書 Vol. 73 (Imunochemica 1 Techniaues (Part B) ) , 同書 Vol. 74 (Immunocliemical Techniaues (Part 0 ) 、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniaues (Part D : Selected Immunoassays) ) 、 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniaues (Part E: Monoclonal Ant ibodies a nd General Immunoassay Methods) ) ^ 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techni u es (Part I :Hybridoma Technology and Monoc lonal Ant ibodies) ) (以上、 ァ力デ ミックプレス社発行)など参照〕 。
以上のように、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のレセプ夕一蛋白 質またはその塩を感度良く定量することができる。
さらに、 本発明の抗体を用いて、 生体内での本発明のレセプ夕一蛋白質またそ の塩を定量することによって、 本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する 各種疾患の診断をすることができる。
また、 本発明の抗体は、 体液や組織などの被検体中に存在する本発明のレセプ 夕一蛋白質等を特異的に検出するために使用することができる。 また、 本発明の レセプター蛋白質等を精製するために使用する抗体カラムの作製、 精製時の各分 画中の本発明のレセプター蛋白質等の検出、 被検細胞内における本発明のレセプ ター蛋白質の挙動の分析などのために使用することができる。
( 1 0 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの 量を変化させる化合物のスクリーニング方法
本発明の抗体は、 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは その塩を特異的に認識することができるので、 細胞膜における本発明のレセプ夕
—蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニングに用 いることができる。
すなわち本発明は、 例えば、
( i ) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織もし くは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の レセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドを定量することによる、 細胞膜におけ る本発明のレセプタ一蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物の スクリーニング方法、
(i i) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分べプチドを発現する形質転 換体等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明のレセ プ夕一蛋白質またはその部分ペプチドを定量することによる、 細胞膜における本 発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスク リーニング方法、
(i i i) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織も しくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該 レセプ夕一蛋白質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該蛋白質を 確認することによる、 細胞膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分 ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
(iv) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分べプチドを発現する形質転 換体等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該レセプ ター蛋白質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該蛋白質を確認す ることによる、 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分べプチ ドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの定 量は具体的には以下のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥ サギ、 ヒッジ、 プ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット 、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例えば
、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脂肪組織、 乳腺、 精巣など) 、 ま たは臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細 胞等を、 例えば、 適当な緩衝液 (例えば、 トリス塩酸緩衝液、 リン酸緩衝液、 へ ぺス緩衝液など) 等に懸濁し、 臓器、 組織あるいは細胞を破壊し、 界面活性剤 ( 例えば、 トリトン X— 100TM、 Tween20™など) などを用い、 さらに遠心分離 や濾過、 カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ヮ一リングプレンダ一やポリトロン (Kinema Uca社製) のよる破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500 rpm〜3000 rpm) で短時間 (通常、 約 1分〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000 r p m〜30000 rpm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプ夕一蛋白質等と細胞由来のリン脂質や膜 蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドは、 例えば、 本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、 ウエスタンプロット解 析などにより定量することができる。
かかるサンドィツチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、 ウェスタンプロットは公知の手段により行なうことができる。
(ii) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドを発現する形質転 換体を上記の方法に従い作製し、 細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター蛋白 質またはその部分ペプチドを定量することができる。
細胞膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化 させる化合物のスクリーニングは、
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的
ストレスなどを与える一定時間前 (3 0分前〜 2 4時間前、 好ましくは 3 0分前 〜 1 2時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (3 0 分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 2 4時 間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与 後一定時間経過後 ( 3 0分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ま しくは 1時間後〜 2 4時間後) 、 細胞膜における本発明のレセプター蛋白質また はその部分べプチドの量を定量することにより行なうことができ、
(i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分べ プチドの量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの確 認は具体的には以下のようにして行なう。
(i i i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラッ ト、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例え ば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過 した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脂肪組織、 乳腺、 精巣など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または 細胞等を、 常法に従い組織切片とし、 本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。 細 胞表層での該レセプ夕ー蛋白質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上 の該蛋白質を確認することにより、 定量的または定性的に、 細胞膜における本発 明のレセプター蛋白質またはその部分べプチドの量を確認することができる。
(iv) 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドを発現する形質転 換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞膜 における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる作 用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 細胞膜における本発明のレセプ夕
一蛋白質またはその部分べプチドの量を増加させることにより、 G蛋白質共役型 レセプターを介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン 遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 cAM P生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシ トールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活 性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化 合物、 (口) 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチド の量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 蛋白、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵 生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の 化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等の生理活 性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等の生理活 性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプ夕一蛋白質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤 、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることが できる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 O kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜: L 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 よ
り好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 1 1 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの 量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および/または治療剤
本発明のレセプ夕一蛋白質は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内で何 らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって、 細胞膜における本 発明のレセプ夕一蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物は、 本 発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤 として用いることができる。
該化合物を本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および
/または治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化することができ る。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外め 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ
とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルべ一卜 80™、 HCO— 50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 ( 例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 よ り好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
(12) 本発明のレセプ夕一蛋白質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩に対 する抗体による中和
本発明のレセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗 体の、 それらレセプター蛋白質などに対する中和活性とは、 すなわち、 該レセプ
ター蛋白質の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意味する。 従って 、 該抗体が中和活性を有する場合は、 該レセプ夕一蛋白質の関与するシグナル伝 達、 例えば、 該レセプタ一蛋白質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸 遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン 酸化、 c一 : f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性 など) を不活性化することができる。 したがって、 該レセプ夕一蛋白質の過剰発 現などに起因する疾患の予防および Zまたは治療に用いることができる。
( 1 3 ) 本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質をコードする D NAを有す る動物の作製
本発明の D NAを用いて、 本発明のレセプター蛋白質等を発現するトランスジ ニック動物を作製することができる。 動物どしては、 哺乳動物 (例えば、 ラッ ト、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) など (以下 、 動物と略記する場合がある) が挙げれるが、 特に、 マウス、 ゥサギなどが好適 である。
本発明の D NAを対象動物に転移させるにあたっては、 該 D NAを動物細胞で 発現させうるプロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラク卜として用いる のが一般に有利である。 例えば、 ゥサギ由来の本発明の D N Αを転移させる場合 、 これと相同性が高い動物由来の本発明の D NAを動物細胞で発現させうる各種 プロモータ一の下流に結合した遺伝子コンストラクトを、 例えば、 ゥサギ受精卵 へマイクロインジェクションすることによって本発明のレセプ夕一蛋白質等を高 産生する D NA転移動物を作出できる。 このプロモータ一としては、 例えば、 ゥ ィルス由来プロモータ一、 メタ口チォネイン等のュビキアスな発現プロモーター も使用しうるが、 好ましくは脳で特異的に発現する N G F遺伝子プロモータ一や ェノラ一ゼ遺伝子プロモーターなどが用いられる。
受精卵細胞段階における本発明の D N Aの転移は、 対象動物の胚芽細胞および 体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出動物の胚芽細胞 において本発明のレセプター蛋白質等が存在することは、 作出動物の子孫が全て その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプ夕一蛋白質等を有することを
意味する。 遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞 の全てに本発明のレセプター蛋白質等を有する。
本発明の D NA転移動物は、 交配により遺伝子を安定に保持することを確認し て、 該 D NA保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。 さ らに、 目的 D NAを保有する雌雄の動物を交配することにより、 導入遺伝子を相 同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配する ことによりすべての子孫が該 D NAを有するように繁殖継代することができる。 本発明の D NAが転移された動物は、 本発明のレセプ夕一蛋白質等が高発現さ せられているので、 本発明のレセプ夕一蛋白質等に対するァゴニストまたはアン タゴニス卜のスクリーニング用の動物などとして有用である。
本発明の D N A転移動物を、 組織培養のための細胞源として使用することもで きる。 例えば、 本発明の D NA転移マウスの組織中の D NAもしくは R NAを直 接分析するか、 あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプター蛋白質が存 在する組織を分析することにより、 本発明のレセプ夕一蛋白質等について分析す ることができる。 本発明のレセプ夕一蛋白質等を有する組織の細胞を標準組織培 養技術により培養し、 これらを使用して、 例えば、 脳や末梢組織由来のような一 般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究することができる。 また、 その細胞 を用いることにより、 例えば、 各種組織の機能を高めるような医薬の選択も可能 である。 また、 高発現細胞株があれば、 そこから、 本発明のレセプター蛋白質等 を単離精製することも可能である。
本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 I U P A C - I U B Co匪 ission on Biochemical Nomenclature による略号ある いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またァ ミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すもの とする。
D NA デォキシリポ核酸
c D NA 相補的デォキシリポ核酸
A アデニン
T チミン
G グァニン
C
RNA リポ核酸
mRNA メッセンジャーリポ核酸 dATP デォキシアデノシン三リン酸 dTTP デォキシチミジン三リン酸 dGTP デォキシグアノシン三リン酸 dCTP デォキシシチジン三リン酸 ATP アデノシン三リン酸
EDTA エチレンジァミン四酢酸 SD S ドデシル硫酸ナトリウム G 1 y
A 1 a ァラニン
Va 1 パリン
Leu
I 1 e
S e r セリン
Th r スレオニン
Cy s
Me t メチォニン
G 1 u ダル夕ミン酸
As ァスパラギン酸
L y s リジン
A r g アルギニン
H i s ヒスチジン
P h e フエ二ルァラニン
Ty r チロシン
T r p トリプトファン
P r o プロリン
A s n ァスパラギン
G 1 n ダル夕ミン ' p G 1 u ピログルタミン酸
Me メチル基
E t ェチル基
Bu ブチル基
Ph フエニル基
TC チアゾリジン一 4 (R) 一力ルポキサミド基
また、 本明細 :中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 する。
T o s p—トルエンスルフォニル
CHO ホルミル
B z 1
C 12B z 1 2, 6—ジクロ口べンジル
Bom ベンジルォキシメチル
Z ベンジルォキシカルポニル
C 1一 z 2—クロ口べンジルォキシカルボニル
B r -Z 2—プロモベンジルォキシカルポニル
B o c t一ブトキシカルポニル
DNP ジニトロフエノール
T r t 卜 Uチル
Bum tーブ卜キシメチル
Fmo c N— 9一フルォレニルメトキシカルポニル
HOB t 1—ヒドロキシベンズトリアゾ一ル
HOOB t 3, 4—ジヒドロ一 3—ヒドロキシー 4ーォキソ一
1, 2, 3—ベンゾ卜リアジン
HONB : 1 -ヒドロキシ- 5-ノルポルネン- 2, 3 -ジカルポキシイミド DCC
本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
配列番号: 1
本発明のヒト由来新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 TGR 1 3のアミノ酸 配列を示す。
配列番号: 2
本発明のヒ卜由来新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 TGR 13をコードす る c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 3
以下の実施例 1における P C R反応で使用したプライマー 1の塩基配列を示す 配列番号: 4
以下の実施例 1における P C R反応で使用したプライマ一 2の塩基配列を示す 配列番号: 5
以下の実施例 2におけるノーザン解析で使用したプローブの塩基配列を示す。 以下の実施例 1で得られた形質転換体ェシエリヒア ·コリ (Escherichia coli ) DH 5 α/ρΤ7Β 1 ue (R) -TGR 1 3は、 ェシエリヒア ·コリ (Esc erichia coli) DH5 α/ρΤΒ 21 17との表示で、 2000年 (平成 1 2年 ) 7月 1 7日から茨城県つくば巿東 1一 1 _ 1 中央第 6 独立行政法人産業技 術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号 FERM BP— 7228として 、 2000年 (平成 12年) 7月 4日から大阪府大阪市淀川区十三本町 2— 17 -85 (郵便番号 532 - 8686) の財団法人 ·発酵研究所 ( I FO) に寄託 番号 I F〇 16450として寄託されている。 実施例
以下に実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子は、 モレキュラー ' クローニング (Molecular cloning)に記載されている方法に従った。
実施例 1 ヒト脂肪細胞由来 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする c D N Aのクローニングと塩基配列の決定
ヒト脂肪細胞 Marathon- Ready cDNA (CL0NTECH社) を铸型とし、 2個のプライ マ一、 プライマ一 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 (配列番号: 4) を用 いて P CR反応を行った。 該反応における反応液の組成は上記 c DN A 5 /21を 鍀型として使用し、 Pfu Turbo DNA polymerase (STRATAGENE社) 1 1量、 ブラ イマ一 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 (配列番号: 4) を各 0·5/χΜ、 dNTPsを200 M、 および酵素に添付のバッファーを 5 ^ 1加え、 5 1の液量とした。 PCR反応は、 95°C ' l分の後、 95°C ' 10秒、 65°C ' 30秒、 72°C · 1分のサイクルを 35回繰り返し最後に 72°C · 10分の伸長 反応を行った。 該 PC R反応産物を、 ExTaq (宝酒造) を用いて 3'末端にァ デニンを突出させた後に、 DNA Ligation Kit Ver.2 (宝酒造) の処方に従いブラ スミドベクター pT 7 B 1 u e (R) (Novagen社) へサブクロ一ニングした。 これを大腸菌 DH 5ひに導入し、 c DNAを持つクローンをアンピシリンを含む LB寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析した結果、 新規 G蛋白 質共役型レセプ夕一蛋白質をコードする cDNA配列 (配列番号: 2) を得た。 このアミノ酸配列 (配列番号: 1) を有する新規 G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白 質を TGR13と命名した。 また形質転換体を大腸菌 (Escherichia coli) DH 5 α/ρΤ7 B l ue (R) —TGRl 3と命名した。 プラスミド pT7B l u e (R) — TGR 13を pTB 2117と称することもある。
TGR 13の疎水性プロッ卜図を図 1に示す。 実施例 2 T G R 13のヒト組織における発現およびその組織特異性の検討 ノーザン解析に用いるプローブは、 以下の要領で得た。 ヒト脂肪細胞由来 Mara t on Ready cDNA Library ( CLONTECH社)から得られた TGR 13の〇 R Fを 用いて、 制限酵素 Xh o Iと Sma I処理により切り出される 359bpの cD NA断片 (配列番号: 5) を得た。
配列番号: 5に示した cDNA断片をプローブとして用い、 Multiple Tissue
Northern Blots (CLONTECH)、 Multiple Tissue Northern Blots II (CLONTECH) 、 及び Multiple Tissue Northern Blots III (CLONTECH)に対してハイブリダィ ズすることにより、 TGR13 mRNA発現の組織特異性を解析した (図 3) 。 図 3に示す様に、 約 2. 4 k bと約 5 k bの 2つの mRNAが検出され、 約 2 . 4 kbの TGR 13の mRNAは精巣特異的に発現していることが判った。 産業上の利用可能性
本発明の G蛋白質共役型レセプ夕一蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ の塩、 該レセプタ一蛋白質またはその部分べプチドをコードするポリヌクレオチ ド (例えば、 DNA、 RNAおよびそれらの誘導体) は、 ①リガンド (ァゴニス 卜) の決定、 ②抗体および抗血清の入手、 ③組換え型レセプ夕一蛋白質の発現系 の構築'、 ④同発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系の開発と医薬品候補化合 物のスクリーニング、 ⑤構造的に類似したリガンド ·レセプ夕一との比較にもと づいたドラッグデザィンの実施、 ⑥遺伝子診断におけるプローブや P C Rプライ マーの作成のための試薬、 ⑦トランスジエニック動物の作製または⑧遺伝子予防 •治療剤等の医薬等として用いることができる。