JPWO2021256212A5 - - Google Patents
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このような電子線による物質の構造解析において、試料の高倍率透過像、回折図形などの解釈は、量子力学で用いる波動関数により電子を波動として表現し、想定される物質の構造がつくる電磁場との相互作用による、位相のモジュレーションを受けた波動と、試料の電磁場に影響されずに透過した波動の間での干渉像、あるいは電子回折図形を求め、想定された構造による像や電子回折図形との比較検討を行って、構造を確認、同定することが行われている。すなわち、電子源(電子銃)から出射する電子は、e-の電荷を持つ粒子(点)として、適切な照射角度、電子線密度で試料を照射するように、照射系の静電レンズ、磁界レンズ、偏向系等で、その軌道を制御している(非特許文献1参照)。
比較的低い倍率の像を得る場合は、像の解析、評価は個々の電子線の照射条件に対して、試料により散乱される電子の粒子軌道を計算・評価することにより行われている。しかし、高倍率の透過像の場合、像のコントラストは主に電子線の振幅ではなく、位相によるとして、試料に入射する電子を入射時点で平面波に置き換えて計算される(非特許文献2参照)。すなわち、図1の(a)に示すように、試料(Speci)直上のクロスオーバーまでは電子の粒子軌道を計算・評価するが、電子源あるいは試料直上のクロスオーバーからは電子を球面波とし、充分に離れた位置にある試料面では平面波近似ができるものとして平面波で扱う。
また、他の例として、試料を電子線照射した際、試料から放出される電子が試料の周りに滞在したり、試料表面に還流したりすることでつくり出される電場の乱れの様子が、電子線ホログラフィーを使って観察されている。(非特許文献4参照)
したがって、個々の電子は電子源から検出面まで一貫して個々の電子として取り扱うことができると考えられ、その軌道に関しては、電子の持つ波動性が関与することが想定される。例えば電子の軌道の代表的な場合として、図2の(a)、(b)に示すように、電子の進行方向はドブロイ波(以下、de Broglie波)の位相の変化がなく、スムーズに接続される状態および方向(安定状態)が選択されている。すなわち、同図の(a)では電子の軌道が de Broglie 波長λの整数倍だとその軌道を安定保持する、(b)では、光路差がde Broglie 波長λの整数倍となる方向に進む。
したがって、個々の電子は電子源から検出面まで一貫して個々の電子として取り扱うことができると考えられ、その軌道に関しては、電子の持つ波動性が関与することが想定される。例えば電子の軌道の代表的な場合として、図2の(a)、(b)に示すように、電子の進行方向はドブロイ波(以下、de Broglie波)の位相の変化がなく、スムーズに接続される状態および方向(安定状態)が選択されている。すなわち、同図の(a)では電子の軌道が de Broglie 波長λの整数倍だとその軌道を安定保持する、(b)では、光路差がde Broglie 波長λの整数倍となる方向に進む。
Dr. Walter Glaser, "Grundlagen der Elektronenoptik", Wien Springer-Verlag, 1952
J.M.Cowley, and A.F.Moodie, "The Scattering of Electrons by Atoms and Crystals, I.A New Theoretical Approach", ActaCryst (1957)、10, 609
A. Tonomura,et.al, "Demonstration of single‐electron buildup of an interference pattern", American Journal of Physics 57, 117 (1989)
Takafumi Sato, et al,"Electron Holography Study of Secondary Electron Distribution around Charged Epoxy Resin", MATERIALS TRANSACTIONS, Volume 60 (2019) Issue 10, pp.2114-2119
また、本発明の電子顕微鏡解析システムは、光電効果を利用した単電子照射制御が可能な電子源(電子銃)と回折図形、試料像シミュレーションソフトウェアにより、情報技術(IT)を用いて電子顕微鏡をコントロールすることができるように構成し、入射電子の個数を制御しながら試料ホルダーに保持された試料に照射し、得られる回折図形と像シミュレーションの比較を行い、照射による試料損傷を確認しながら解析を実行することが可能となる。
本発明によれば、試料に入射する電子は、de Broglie波動を持つ線状の回転体とすることで、平面波の入射とは異なり、個々の電子として捉えることができ、電荷保存則を満たして、試料内部での試料との相互作用も計算可能となる。また、検出面で広がりを持った存在確率として評価されるのではなく、検出点として表されるため、電子個数の少ない状態から実測データとの比較がし易くなり、電子線による試料破損を軽減でき、照射量の少ない段階から試料の情報が得やすくなる。
同図において、試料ホルダー41に保持された試料に、電子源から放出され、照射系を経由した電子が照射され、バイプリズム等を含む結像系を介して、2次元検出器42で検出される。検出信号は照射電子源制御システム43で画像情報に適宜変換され、モニター44に表示される。照射電子源制御システム43は、上述したように、ITによるシミュレーションと2次元検出器42のデータとの比較を行う。
このように、照射電子源制御システム43は加速(高圧)電源やパルス光源を制御することにより、必要な電子の放出・加速制御を行う。すなわち、比較結果等を参照し、パルス光源や加速電源へのフィードバックを行い、照射ビーム量をコントロールしながら、試料損傷を抑えて試料の情報を得ることができる。
電子線の個々の電子は電子源から検出面まで一貫して個々の電子として取り扱うことができると考えられ、電子の軌道には、電子の持つ波動性の関与が考えられる。
電子線ホログラムの干渉縞についても図9と同様の取り扱いができる。図3の(b)の計算は、図6の(b)において、試料位置にバイプリズムワイヤーが置かれている場合である。従来のモデルでは、平面波がこのワイヤー面を通過し、ワイヤーの電場により波面が光軸に対して傾斜するため、波面の傾斜方向に縞を生じている。図3の(b)の電子モデルにおいては、検出面で広がりを持った存在確率として評価されるのではなく、検出点として表されるため、電子個数の少ない状態から実測データとの比較がし易くなり、電子線による試料破損を軽減でき、照射量の少ない段階から試料の情報が得やすくなる。
本電子モデルでは、個々の電子がランダムな方向に回転しながらワイヤー面を通過し、ホログラム面(検出面と等価)に至る。このとき、個々の電子が向かう方向の角度は上述のように、線状の物質波がワイヤー面と交差する線分領域に対する波動関数を使った干渉・回折効果の評価として取り扱うことができる。
11 電子の軌道
31 ルート(軌跡)
41 試料ホルダー
42 2次元検出器
43 照射電子源制御システム
44 モニター
51 試料
52 2次元マニピュレータ
53 2次元制御圧電素子
61 回転する線状物質波
31 ルート(軌跡)
41 試料ホルダー
42 2次元検出器
43 照射電子源制御システム
44 モニター
51 試料
52 2次元マニピュレータ
53 2次元制御圧電素子
61 回転する線状物質波
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---|---|---|---|
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---|---|
JPWO2021256212A1 JPWO2021256212A1 (ja) | 2021-12-23 |
JPWO2021256212A5 true JPWO2021256212A5 (ja) | 2023-04-21 |
Family
ID=79267858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022532450A Pending JPWO2021256212A1 (ja) | 2020-06-18 | 2021-05-27 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20230223232A1 (ja) |
JP (1) | JPWO2021256212A1 (ja) |
WO (1) | WO2021256212A1 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5648136B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2015-01-07 | 株式会社日立製作所 | 電子線干渉装置および電子線干渉法 |
US9551674B1 (en) * | 2015-10-30 | 2017-01-24 | GlobalFoundries, Inc. | Method of producing an un-distorted dark field strain map at high spatial resolution through dark field electron holography |
JP6614492B2 (ja) * | 2015-12-24 | 2019-12-04 | 国立研究開発法人理化学研究所 | バイプリズム装置、及び荷電粒子線装置 |
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2021
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- 2021-05-27 JP JP2022532450A patent/JPWO2021256212A1/ja active Pending
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