JPWO2020213258A1 - 切削工具 - Google Patents

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アノンサック パサート
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晋 奥野
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Abstract

すくい面と、逃げ面と、刃先部とを含む切削工具であって、基材と、AlTiN層とを備え、上記AlTiN層は、立方晶型のAlxTi1−xNの結晶粒を含み、Alの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、上記AlTiN層は、中央部を含み、上記すくい面における法線及び上記逃げ面における法線を含む平面で、上記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電子後方散乱回折像解析によって上記AlxTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、上記カラーマップにおいて、上記すくい面における上記中央部は、(111)面配向性結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、上記刃先部における上記中央部は、(111)面配向性結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満である、切削工具。

Description

本開示は、切削工具に関する。本出願は、2019年4月17日に出願した日本特許出願である特願2019−078670号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
従来より、超硬合金又は立方晶型窒化硼素焼結体(cBN焼結体)からなる切削工具を用いて、鋼及び鋳物等の切削加工が行われている。このような切削工具は、切削加工時において、その刃先が高温及び高応力等の過酷な環境に曝されるため、刃先の摩耗及び欠けが招来される。
したがって、刃先の摩耗及び欠けを抑制することが、切削工具の切削性能を改善し、切削工具の寿命を向上させる上で重要である。
切削工具の切削性能(例えば、耐欠損性、耐クレータ摩耗性及び耐逃げ面摩耗性)の改善を目的として、超硬合金、cBN焼結体等の基材の表面を被覆する被膜の開発が進められている。なかでも、アルミニウム(Al)とチタン(Ti)と窒素(N)との化合物(以下、「AlTiN」ともいう。)からなる被膜は、高い硬度を有することができるとともに、耐酸化性を高めることができる(例えば、特開平9−295204号公報(特許文献1)、特開平9−300106号公報(特許文献2)、特開平10−330914号公報(特許文献3))。
特開平9−295204号公報 特開平9−300106号公報 特開平10−330914号公報
本開示に係る切削工具は、
すくい面と、逃げ面と、上記すくい面と上記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む切削工具であって、
基材と、上記基材上に設けられているAlTiN層とを備え、
上記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含み、
上記AlTi1−xNにおけるAlの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、
上記AlTiN層は、中央部を含み、
上記中央部は、上記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面に平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域であり、
上記第一界面は、上記第二界面に対して平行であり、
上記すくい面における上記第二界面の法線及び上記逃げ面における上記第二界面の法線を含む平面で、上記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって上記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
上記カラーマップにおいて、
上記すくい面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記すくい面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、
上記刃先部における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、
上記刃先部における法線方向は、上記基材における、上記すくい面と上記刃先部との境界線と、上記基材における、上記逃げ面と上記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である。
図1は、切削工具の一態様を例示する斜視図である。 図2は、図1のX−X線に関する矢視断面図である。 図3は、図2の部分拡大図である。 図4は、刃先部の他の形状を例示する断面図である。 図5は、刃先部の他の形状を更に例示する断面図である。 図6は、切削工具の一態様を例示する模式断面図である。 図7は、切削工具の他の態様を例示する模式断面図である。 図8は、切削工具の他の態様を更に例示する模式断面図である。 図9は、AlTiN層の断面に基づいて作成されたカラーマップの模式図である。 図10は、本実施形態に係る切削工具の製造に用いられるCVD装置の模式的な断面図である。 図11は、本実施形態に係る切削工具の製造に用いられるCVD装置のガス導入管の模式的な断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
近年はより高効率な(送り速度が大きい)切削加工が求められており、特に高送り加工に用いられる切削工具の更なる耐クレータ摩耗性の向上(クレータ摩耗の抑制)が期待されている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐クレータ摩耗性を有する切削工具を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、優れた耐クレータ摩耗性を有する切削工具を提供することが可能になる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示に係る切削工具は、
すくい面と、逃げ面と、上記すくい面と上記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む切削工具であって、
基材と、上記基材上に設けられているAlTiN層とを備え、
上記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含み、
上記AlTi1−xNにおけるAlの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、
上記AlTiN層は、中央部を含み、
上記中央部は、上記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面に平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域であり、
上記第一界面は、上記第二界面に対して平行であり、
上記すくい面における上記第二界面の法線及び上記逃げ面における上記第二界面の法線を含む平面で、上記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって上記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
上記カラーマップにおいて、
上記すくい面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記すくい面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、
上記刃先部における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、
上記刃先部における法線方向は、上記基材における、上記すくい面と上記刃先部との境界線と、上記基材における、上記逃げ面と上記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である。
上記切削工具は、上述のような構成を備えることによって、優れた耐クレータ摩耗性を有する。ここで、「耐クレータ摩耗性」とは、すくい面における摩耗に対する耐性を意味する。なお、「耐逃げ面摩耗性」とは、逃げ面における摩耗に対する耐性を意味する。
[2]上記AlTiN層の厚みが2.5μm以上20μm以下である。このように規定することで、耐クレータ摩耗性に更に優れた切削工具を提供することが可能になる。
[3]上記基材と上記AlTiN層との間に設けられている下地層を更に含み、
上記下地層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる。このように規定することで、耐クレータ摩耗性に加えて、上記AlTiN層の耐剥離性に優れた切削工具を提供することが可能になる。
[4]上記AlTiN層上に設けられている表面層を更に含み、
上記表面層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる。このように規定することで、耐クレータ摩耗性に更に優れた切削工具を提供することが可能になる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す。)について説明する。ただし、本実施形態はこれに限定されるものではない。本明細書において「X〜Y」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちX以上Y以下)を意味し、Xにおいて単位の記載がなく、Yにおいてのみ単位が記載されている場合、Xの単位とYの単位とは同じである。さらに、本明細書において、例えば「TiN」等のように、構成元素の組成比が限定されていない化学式によって化合物が表された場合には、その化学式は従来公知のあらゆる組成比(元素比)を含むものとする。このとき上記化学式は、化学量論組成のみならず、非化学量論組成も含むものとする。例えば「TiN」の化学式には、化学量論組成「Ti」のみならず、例えば「Ti0.8」のような非化学量論組成も含まれる。このことは、「TiN」以外の化合物の記載についても同様である。
≪表面被覆切削工具≫
本開示に係る切削工具は、
すくい面と、逃げ面と、上記すくい面と上記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む切削工具であって、
基材と、上記基材上に設けられているAlTiN層とを備え、
上記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含み、
上記AlTi1−xNにおけるAlの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、
上記AlTiN層は、中央部を含み、
上記中央部は、上記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面に平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域であり、
上記第一界面は、上記第二界面に対して平行であり、
上記すくい面における上記第二界面の法線及び上記逃げ面における上記第二界面の法線を含む平面で、上記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって上記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
上記カラーマップにおいて、
上記すくい面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記すくい面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、
上記刃先部における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、
上記刃先部における法線方向は、上記基材における、上記すくい面と上記刃先部との境界線と、上記基材における、上記逃げ面と上記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である。
本実施形態において「平行」とは幾何学的な平行のみならず、略平行も含む概念である。
本実施形態の表面被覆切削工具1は、基材10と、上記基材10上に設けられているAlTiN層11とを備える(以下、単に「切削工具」という場合がある。)(例えば、図6)。上記切削工具1は、上記AlTiN層11の他にも、上記基材10と上記AlTiN層11との間に設けられている下地層12を更に含んでいてもよい(図7)。上記切削工具1は、上記AlTiN層11上に設けられている表面層13を更に含んでいてもよい(図8)。下地層12、及び表面層13等の他の層については、後述する。
なお、上記基材10上に設けられている上述の各層をまとめて「被膜」と呼ぶ場合がある。すなわち、上記切削工具1は上記基材10上に設けられている被膜14を備え、上記被膜は上記AlTiN層11を含む。また、上記被膜14は、上記下地層12又は上記表面層13を更に含んでいてもよい。
上記切削工具は、例えば、ドリル、エンドミル(例えば、ボールエンドミル)、ドリル用刃先交換型切削チップ、エンドミル用刃先交換型切削チップ、フライス加工用刃先交換型切削チップ、旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ等であり得る。
上記切削工具は、すくい面と、逃げ面と、上記すくい面と上記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む。「すくい面」とは、被削材から削り取った切りくずをすくい出す面を意味する。「逃げ面」とは、その一部が被削材と接する面を意味する。以下、刃先交換型切削チップ(図1〜図5)を具体例として用いて説明する。
図1は切削工具の一態様を例示する斜視図である。図2は図1のX−X線に関する矢視断面図である。このような形状の切削工具は、旋削加工用刃先交換型切削チップ等の刃先交換型切削チップとして用いられる。
図1及び図2に示される切削工具1は、上面、下面及び4つの側面を含む表面を有しており、全体として、上下方向にやや薄い四角柱形状である。また、切削工具1には上下面を貫通する貫通孔が形成されており、4つの側面の境界部分においては、隣り合う側面同士が円弧面で繋がれている。
上記切削工具1では、上面及び下面がすくい面1aを成し、4つの側面(及びこれらを相互に繋ぐ円弧面)が逃げ面1bを成し、すくい面1aと逃げ面1bとを繋ぐ円弧面が刃先部1cを成す(図2)。
図3は、図2の部分拡大図である。図3においては、仮想平面A、仮想境界線AA、仮想平面B、および仮想境界線BBが示されている。
仮想平面Aはすくい面1aを延長した面に相当する。境界線AAはすくい面1aと刃先面1cとの境界線である。仮想平面Bは逃げ面1bを延長した面に相当する。境界線BBは逃げ面1bと刃先面1cとの境界線である。
図3に示す場合は、刃先部1cは円弧面(ホーニング)であり、すくい面1aと逃げ面1bとが刃先部1cを介して繋がっている。
なお図3において、仮想平面Aおよび仮想平面Bは線状に示され、境界線AA、および境界線BBは点状に示される。
図1〜図3においては、刃先部1cが円弧面(ホーニング)である場合について示したが、刃先部1cの形状はこれに限られない。たとえば、図4に示されるように、刃先部1cが平面の形状(ネガランド)を有している場合もある。また、図5に示されるように、刃先部1cが平面と円弧面とが混在する形状(ホーニングとネガランドとを組み合わせた形状)を有している場合もある。
図3に示す場合と同様に、図4および図5に示す場合においてもすくい面1aと逃げ面1bとが刃先部1cを介して繋がっており、仮想平面A、境界線AA、仮想平面B、および境界線BBが設定される。
上記のように切削工具1が図3〜図5に示されるような形状を有する場合、刃先部1cは、その形状のみから決定することができる。この場合の刃先部1cは、仮想平面A及び仮想平面Bのいずれにも含まれず、すくい面1a及び逃げ面1bとの目視による区別が可能だからである。
刃先部1cは、一般的に、後述する切削工具1における基材10の表面であって、交差する面の稜に対して機械加工処理が施されることによって形成される面であってもよい。換言すれば、基材10は、焼結体等からなる基材前駆体の表面の少なくとも一部に対して機械加工処理が施されてなるものであり、刃先部1cは、機械加工処理による面取りを経て形成された面を含んでもよい。
以上、切削工具1の形状及び各部の名称を図1〜5を用いて説明したが、本実施形態に係る切削工具の基材10において、上記切削工具1に対応する形状及び各部の名称については、上記と同様の用語を用いることとする。すなわち、上記切削工具における基材10は、すくい面1aと、逃げ面1bと、上記すくい面1aと上記逃げ面1bとを繋ぐ刃先部1cとを有する。
<基材>
本実施形態の基材は、この種の基材として従来公知のものであればいずれの基材も使用することができる。例えば、上記基材は、超硬合金(例えば、炭化タングステン(WC)基超硬合金、WCの他にCoを含む超硬合金、WCの他にCr、Ti、Ta、Nb等の炭窒化物を添加した超硬合金等)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等)、立方晶型窒化ホウ素焼結体(cBN焼結体)及びダイヤモンド焼結体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
これらの各種基材の中でも、超硬合金(特にWC基超硬合金)又はサーメット(特にTiCN基サーメット)を選択することが好ましい。その理由は、これらの基材が特に高温における硬度と強度とのバランスに優れ、上記用途の切削工具の基材として優れた特性を有するためである。
基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素又はη相と呼ばれる異常相を含んでいても本実施形態の効果は示される。なお、本実施形態で用いる基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていてもよく、このように表面が改質されていても本実施形態の効果は示される。
<被膜>
本実施形態に係る被膜は、上記基材上に設けられたAlTiN層を含む。「被膜」は、上記基材の少なくとも一部(例えば、切削加工時に切り屑と接するすくい面、被削材と接する逃げ面等)を被覆することで、切削工具における耐欠損性、耐摩耗性(耐クレータ摩耗性、耐逃げ面摩耗性等)、耐剥離性等の諸特性を向上させる作用を有するものである。上記被膜は、上記基材の一部に限らず上記基材の全面を被覆することが好ましい。しかしながら、上記基材の一部が上記被膜で被覆されていなかったり被膜の構成が部分的に異なっていたりしていたとしても本実施形態の範囲を逸脱するものではない。
上記被膜の厚みが2.5μm以上30μm以下であることが好ましく、3μm以上25μm以下であることがより好ましい。ここで、被膜の厚みとは、被膜を構成する層それぞれの厚みの総和を意味する。「被膜を構成する層」としては、例えば、後述するAlTiN層、下地層、及び表面層等が挙げられる。上記被膜の厚みは、例えば、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、基材の表面の法線方向に平行な断面サンプルにおける任意の10点を測定し、測定された10点の厚みの平均値をとることで求めることが可能である。後述するAlTiN層、下地層、及び表面層等のそれぞれの厚みを測定する場合も同様である。走査透過型電子顕微鏡としては、例えば、日本電子株式会社製のJEM−2100F(商品名)が挙げられる。
(AlTiN層)
本実施形態のAlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒(以下、単に「結晶粒」という場合がある。)を含む。すなわち、上記AlTiN層は、多結晶のAlTi1−xNを含む層である。本実施形態において、「AlTi1−xNの結晶粒」とは、AlN(窒化アルミニウム)からなる層(以下、「AlN層」という場合がある。)と、TiN(窒化チタン)からなる層(以下、「TiN層」という場合がある。)とが交互に積層されている複合結晶の結晶粒を意味する。本実施形態において、上記AlN層は、その一部においてAlがTiに置換されているものも含まれる。また、上記TiN層は、その一部においてTiがAlに置換されているものも含まれる。立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒の場合、AlN層及びTiN層は共にFCC構造(Face−Centered Cubic構造)を有している。後述する六方晶型のAlTi1−xNの結晶粒の場合、AlN層及びTiN層は共にHCP構造(Hexagonal Close−Packed構造)を有している。上記AlTi1−xNにおけるAl(アルミニウム)の原子比xは、0.7以上0.95未満であり、0.8以上0.9以下であることが好ましい。上記xは、上述の断面サンプルにあらわれたAlTiN層における結晶粒に対して走査型電子顕微鏡(SEM)又はTEMに付帯のエネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)装置を用いて分析することにより、求めることが可能である。このときに求められるAlの原子比xは、AlTi1−xNの結晶粒全体の平均として求められる値である。具体的には、上記断面サンプルのAlTiN層における任意の10点それぞれを測定して上記xの値を求め、求められた10点の値の平均値を上記AlTi1−xNにおけるxとする。ここで当該「任意の10点」は、上記AlTiN層の互いに異なる結晶粒から選択するものとする。上記EDX装置としては、例えば、日本電子株式会社製のJED−2300(商品名)が挙げられる。なお、Alに限らず、Ti、Nの原子比も上述の方法で算出することが可能である。
本実施形態において「基材上に設けられている」とは、基材の直上に設けられている態様に限られず、他の層を介して基材の上に設けられている態様も含まれる。すなわち、上記AlTiN層は、本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損なわない範囲において、上記基材の直上に設けられていてもよいし、後述する下地層等の他の層を介して上記基材の上に設けられていてもよい。
本実施形態の一側面において「基材上に設けられている」状態は、「基材上に配置されている」状態と把握することもできる。すなわち、上記AlTiN層は、上記基材の直上に配置されていてもよいし、後述する下地層等の他の層を介して上記基材の上に配置されていてもよい、と把握することもできる。
上記AlTiN層は、その上に表面層等の他の層が設けられていてもよい。また、上記AlTiN層は、上記被膜の最表面であってもよい。
上記AlTiN層は、以下の特徴を有する。すなわち、上記AlTiN層は、中央部を含み、上記中央部は、上記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面に平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域である。上記第一界面は、上記第二界面に対して平行である。上記すくい面における上記第二界面の法線及び上記逃げ面における上記第二界面の法線を含む平面で、上記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって上記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
上記カラーマップにおいて、
上記すくい面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記すくい面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒(以下、「(111)面配向性結晶粒」とも記す。)の占める面積比率が80%以上であり、
上記刃先部における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満である。
また、上記基材の上記刃先部における法線方向は、上記基材における、上記すくい面と上記刃先部との境界線と、上記基材における、上記逃げ面と上記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である。
本実施形態の一側面において、上記逃げ面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記逃げ面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であることが好ましい。
ここで、図9を用いながら、上記のカラーマップの具体的な作成方法について説明する。なお、図9に示されるAlTiN層11の第一界面11aは、基材10の側に位置する界面であり、第二界面11bは、基材10の側と反対に位置する界面である。第一界面11aは、第二界面11bに対して平行である。なお、AlTiN層11が被膜の最表面である場合、上記第二界面11bは、AlTiN層11の表面となる。上記第一界面11aは、上記カラーマップにおける上記基材の主面の法線方向において、基材側における上記基材に最も遠い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線L1と、当該基材側における上記基材に最も近い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線L2との中心を通る直線である。上記第二界面11bは、上記カラーマップにおける上記基材の主面の法線方向において、上記基材とは反対側における上記基材に最も遠い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線M1と、上記基材とは反対側における上記基材に最も近い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線M2との中心を通る直線である。ただし、上述の「基材に最も近い点」及び「基材に最も遠い点」を選択するにあたり、一見して異常点と思われる点は除外する。
まずAlTiN層を後述の製造方法に基づき基材上に形成する。そして、形成されたAlTiN層を、基材なども含めAlTiN層に垂直な断面が得られるように切断する。すなわち、上記すくい面における上記第二界面の法線及び上記逃げ面における上記第二界面の法線を含む平面でAlTiN層を切断した切断面が露出するように切断する。その後、その切断面を耐水研磨紙(研磨剤としてSiC砥粒研磨剤を含むもの)で研磨する。
なお、上述の切断は、たとえばAlTiN層11の表面(AlTiN層11上に他の層が形成されている場合は被膜の表面)を十分に大きな保持用の平板上にワックス等を用いて密着固定した後、回転刃の切断機にてその平板に対して垂直方向に切断する(当該回転刃と当該平板とが可能な限り垂直となるように切断する)ものとする。この切断は、このような垂直方向に対して行なわれる限り、AlTiN層11の任意の部位で行なうことができるが、後述のように、刃先部1cの近傍を切断することが好ましい。
また、上記の研磨は、上記耐水研磨紙を用いて行う(#400、#800、#1500を順に用いて行なう)ものとする。耐水研磨紙の番号(#)は、研磨剤の粒径の違いを意味し、番号が大きくなるほど研磨剤の粒径は小さくなる。
引続き、上記の研磨面をArイオンによるイオンミーリング処理によりさらに平滑化する。イオンミーリング処理の条件は以下の通りである。
加速電圧:6kV
照射角度:AlTiN層の第二界面11bの法線方向(すなわち切断面におけるAlTiN層の厚み方向に平行となる直線方向)から0°
照射時間:8時間。
次に、上記の平滑化処理された断面(鏡面)を、電子線後方散乱回折装置(EBSD装置)を備えた電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)(製品名:「SU6600」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察し、得られた観察像に対してEBSD解析を行う。上記平滑化処理された断面を観察する位置は、特に限定されないが、刃先部1cの近傍を観察することが好ましい。なお、FE−SEMの観察倍率は5000倍とする。
またEBSD解析に関し、データは、集束電子ビームを各ピクセル上へ個別に位置させることによって順に収集する。このとき、上記集束電子ビームは上記AlTi1−xNの結晶粒におけるAlN層で反射が起こるように設定する。当該結晶粒は、Alの方がTiよりも原子比が高いため、AlN層の数がTiN層の数よりも多い。そのため、当該結晶粒におけるAlN層の結晶方位を解析することで、当該結晶粒全体の結晶方位を求めることができると本発明者らは考えている。サンプル面(平滑化処理されたAlTiN層の断面)の法線は、入射ビームに対して70°傾斜させ、解析は、15kVにて行なう。帯電効果を避けるために、10Paの圧力を印加する。開口径60μmまたは120μmと合わせて高電流モードを用いる。データ収集は、断面上、10μm(AlTiN層の厚み方向)×50μm(AlTiN層の界面に平行な方向)の面領域(観察領域)に相当する100×500ポイントについて、0.1μm/ステップのステップにて行なう。このときの測定視野数は、3以上とする。
上記EBSD解析結果を、市販のソフトウェア(商品名:「orientation Imaging microscopy Ver 6.2」、EDAX社製)を用いて分析し、上記カラーマップを作成する。具体的には、まずAlTiN層11の断面に含まれる各結晶粒の結晶方位を特定する。ここで特定される各結晶粒の結晶方位は、AlTiN層11の断面に現れる各結晶粒を、当該断面の法線方向(図9において紙面を貫く方向)から平面視したときに観察される結晶方位である。そして、得られた各結晶粒の結晶方位に基づいて、AlTiN層11の表面(すなわち、第二界面11b)の法線方向における各結晶粒の結晶方位を特定する。そして、特定された結晶方位に基づいてカラーマップを作成する。該カラーマップの作成には、上記ソフトウェアに含まれる「Cristal Direction MAP」の手法を用いることができる。なお、カラーマップは切断面に観察されるAlTiN層11の厚み方向の全域に亘って作成される。また、一部が測定視野の外に出ている結晶粒も1つとしてカウントする。
図9においては、実線で囲まれかつ斜線のハッチングを有する各領域が、各(111)面配向性結晶粒11dである。また、実線で囲まれかつハッチングを有さない各領域が、(111)面配向性結晶粒に該当しない結晶粒である。すなわち、図9では、AlTiN層11の第二界面11bの法線方向に対して、(111)面の法線方向が±15°以内となる結晶粒11dが斜線でハッチングされている。なお、上記カラーマップは本来カラーで表現されるところ、本明細書では便宜上模式的にモノトーンで表現されている。また、図9において黒色で示される領域があるが、これは、上記方法において結晶方位が特定されなかった結晶粒の領域とみなす。
本実施形態において、AlTi1−xNの結晶粒の結晶方位は、図9に示すようにAlTiN層11の中央部11cにおいて求める。上記中央部11cは、上記基材の側の第一界面11aから厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面11aに平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面11bから厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面11bに平行な仮想平面Eとに挟まれた領域である。ここで、上記仮想平面D及び仮想平面Eは、作成したカラーマップ上で、第一界面11a又は第二界面11bからの距離に基づいて設定することができる。
なお、刃先部1cがホーニングの形状等である場合(例えば、図3の場合)、刃先部1cにおける中央部11cは以下の方法で設定する。まず、上記カラーマップにおける第一界面11a及び第二界面11bそれぞれを示す曲線が直線に近似できる範囲ごとにAlTiN層を複数の領域に分割する。次に分割した領域ごとに上述の方法にしたがって、中央部11cを設定する。このようにして設定された上記分割した領域ごとの中央部11cの集合を、刃先部1cの中央部11cとする。また、刃先部1cがホーニングの形状等である場合、刃先部1cにおける(111)面配向性結晶粒は、上記基材における、上記すくい面と上記刃先部との境界線AAと、上記基材における、上記逃げ面と上記刃先部との境界線BBとを含む仮想平面Cの法線方向に対して、(111)面の法線方向が±15°以内となる結晶粒を意味するものとする。
上記カラーマップにおいて、上記すくい面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記すくい面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、81%以上98%以下であることが好ましく、81%以上95%以下であることがより好ましい。ここで、上記面積比率は、上記カラーマップにおける上記中央部11cの面積全体を基準とした面積比率である。
上記カラーマップにおいて、上記逃げ面における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記逃げ面における上記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であることが好ましく、60%以上75%以下であることがより好ましく、65%以上75%以下であることが更に好ましい。ここで、上記面積比率は、上記カラーマップにおける上記中央部11cの面積全体を基準とした面積比率である。
上記カラーマップにおいて、上記刃先部における上記中央部は、(111)面の法線方向が上記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる上記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、60%以上75%以下であることが好ましく、65%以上75%以下であることがより好ましい。上記刃先部1cにおける法線方向は、上記基材10における、上記すくい面1aと上記刃先部1cとの境界線AAと、上記基材10における、上記逃げ面1bと上記刃先部1cとの境界線BBとを含む仮想平面Cの法線方向である(図3〜5)。ここで、上記面積比率は、上記カラーマップにおける上記中央部11cの面積全体を基準とした面積比率である。
本実施形態に係る切削工具では、すくい面において上記AlTiN層の中央部における(111)面配向性結晶粒の占める面積比率が80%以上である。(111)面配向性結晶粒は最密充填構造をとり、硬度が高い。そのため、上記切削工具は、耐クレータ摩耗性に優れる。上記切削工具は、特に高送り加工に好適に用いることができる。
上記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含む。本実施形態の一側面において、本開示の効果を損なわない範囲において、上記AlTiN層は、六方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を更に含んでいてもよい。立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒と六方晶型のAlTi1−xNの結晶粒とは、例えば、X線回折により得られる回折ピークのパターンにより識別される。
立方晶型のAlTi1−xN(c)の結晶粒と六方晶型のAlTi1−xN(h)の結晶粒との総量を基準としたとき、上記六方晶型のAlTi1−xNの結晶粒の含有割合(h/(c+h))は、0〜15体積%であることが好ましく、0〜10体積%であることがより好ましい。当該含有割合は、例えば、X線回折により得られる回折ピークのパターンを解析することによって求めることが可能である。具体的な方法は以下の通りである。
X線回折装置(Rigaku社製「MiniFlex600」(商品名))を用いて上述の断面サンプルにおけるAlTiN層のX線スペクトルを得る。このときのX線回折装置の条件は例えば、下記の通りとする。
特性X線: Cu−Kα(波長1.54Å)
管電圧: 45kV
管電流: 40mA
フィルター: 多層ミラー
光学系: 集中法
X線回折法: θ−2θ法。
得られたX線スペクトルにおいて、立方晶型のAlTi1−xNのピーク強度(Ic)と、六方晶型のAlTi1−xNのピーク強度(Ih)とを測定する。ここで、「ピーク強度」とは、X線スペクトルにおけるピークの高さ(cps)を意味する。立方晶型のAlTi1−xNのピークは、回折角2θ=38°付近及び44°付近に確認することができる。六方晶型のAlTi1−xNのピークは、回折角2θ=33°付近に確認することができる。ピーク強度はバックグラウンドを除いた値とする。
上記立方晶型のAlTi1−xNと上記六方晶型のAlTi1−xNとの総量を基準としたときの上記六方晶型のAlTi1−xNの含有割合(体積%)は、下記の式により算出される。ここで、立方晶型のAlTi1−xNのピーク強度(Ic)は、θ=38°付近におけるピーク強度とθ=44°付近におけるピーク強度との和で求められる。
上記六方晶型のAlTi1−xNの含有割合(体積%)=Ih/(Ih+Ic)×100
(AlTiN層の厚み)
本実施形態において、AlTiN層の厚みが2.5μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上20μm以下であることがより好ましく、5μm以上15μm以下であることが更に好ましい。これにより、上記のような優れた効果を発揮することができる。
AlTiN層の厚みが2.5μm未満の場合、AlTiN層の存在に起因する耐摩耗性(耐クレータ摩耗性、耐逃げ面摩耗性)の向上の程度が低い傾向がある。AlTiN層の厚みが20μmを超えると、AlTiN層と他の層との線膨張係数の差に起因する界面応力が大きくなり、AlTi1−xNの結晶粒がAlTiN層から脱落する場合がある。
(下地層)
上記被膜は、上記基材と上記AlTiN層との間に設けられている下地層を更に含み、上記下地層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなることが好ましい。周期表4族元素としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等が挙げられる。周期表5族元素としては、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)等が挙げられる。周期表6族元素としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が挙げられる。上記下地層は、TiCNで示される化合物からなることが好ましい。このような下地層は、上記AlTiN層に対して強い密着力を発揮する。その結果、被膜の耐剥離性が向上する。
上記下地層の厚みが0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上15μm以下であることがより好ましい。このような厚みは、上述したのと同様に走査透過型電子顕微鏡(STEM)等を用いて基材と被膜の垂直断面を観察することにより確認することができる。
(表面層)
上記被膜は、上記AlTiN層上に設けられている表面層を更に含み、
上記表面層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなることが好ましい。
上記表面層に含まれる化合物としては、例えば、Al及びTiN等が挙げられる。
上記表面層の厚みが0.1μm以上3μm以下であることが好ましく、0.3μm以上2μm以下であることがより好ましい。このような厚みは、上述したのと同様に走査透過型電子顕微鏡(STEM)等を用いて基材と被膜の垂直断面を観察することにより確認することができる。
(他の層)
本実施形態に係る切削工具が奏する効果を損なわない範囲において、上記被膜は、他の層を更に含んでいてもよい。上記他の層は、上記AlTiN層、上記下地層、又は上記表面層とは組成が異なっていてもよいし、同じであってもよい。他の層に含まれる化合物としては、例えば、TiN、TiCN、TiBN及びAl等を挙げることができる。なお、上記他の層は、その積層の順も特に限定されない。例えば、上記他の層としては、上記下地層と上記AlTiN層との間に設けられている中間層が挙げられる。上記他の層の厚みは、本実施形態の効果を損なわない範囲において、特に制限はないが例えば、0.1μm以上20μm以下が挙げられる。
≪表面被覆切削工具の製造方法≫
本実施形態に係る切削工具の製造方法は、
上記基材を準備する第1工程(以下、単に「第1工程」という場合がある。)と、
化学気相蒸着法を用いて、上記基材上に上記AlTiN層を形成する第2工程(以下、単に「第2工程」という場合がある。)と、
上記AlTiN層をブラスト処理する第3工程(以下、単に「第3工程」という場合がある。)と、を含み、
上記第2工程は、アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスを含む第一ガスと、アルミニウムのハロゲン化物ガス、チタンのハロゲン化物ガス及びアンモニアガスを含む第二ガスと、アンモニウムガスを含む第三ガスとのそれぞれを、650℃以上900℃以下且つ0.5kPa以上30kPa以下の雰囲気において上記基材上に噴出することを含む。
<第1工程:基材を準備する工程>
第1工程では基材を準備する。例えば、基材として超硬合金基材が準備される。超硬合金基材は、市販品を用いてもよく、一般的な粉末冶金法で製造してもよい。一般的な粉末冶金法で製造する場合、例えば、ボールミル等によってWC粉末とCo粉末等とを混合して混合粉末を得る。該混合粉末を乾燥した後、所定の形状(例えば、SEET13T3AGSN−G等)に成形して成形体を得る。さらに該成形体を焼結することにより、WC−Co系超硬合金(焼結体)を得る。次いで該焼結体に対して、ホーニング処理等の所定の刃先加工を施すことにより、WC−Co系超硬合金からなる基材を製造することができる。第1工程では、上記以外の基材であっても、この種の基材として従来公知の基材であればいずれも準備可能である。
<第2工程:第一ガスと第二ガスと第三ガスとのそれぞれを基材に噴出し、AlTiN層を形成する工程>
第2工程では、アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスを含む第一ガスと、アルミニウムのハロゲン化物ガス、チタンのハロゲン化物ガス及びアンモニアガスを含む第二ガスと、アンモニアガスを含む第三ガスとのそれぞれを、650℃以上900℃以下且つ0.5kPa以上30kPa以下の雰囲気において上記基材に噴出する。この工程は、例えば以下に説明するCVD装置を用いて行うことができる。
(CVD装置)
図10に、本実施形態の切削工具の製造に用いられるCVD装置の一例の模式的な断面図を示す。図10に示すように、CVD装置50は、基材10を設置するための基材セット治具52の複数と、基材セット治具52を内包する耐熱合金鋼製の反応容器53とを備えている。また、反応容器53の周囲には、反応容器53内の温度を制御するための調温装置54が設けられている。本実施形態において、基材10は、例えば、ガス導入管58から放射状に伸びる金属串棒(図示せず)に当該基材10の貫通孔を通し、すくい面1aが上記ガス導入管58の方向を向くように設置することが好ましい。このように設置することで、すくい面において(111)面配向性結晶粒が多くなるように成膜することができる。
反応容器53には、互いに隣接して接合された第1ガス導入管55と第2ガス導入管56と第3ガス導入管57とを有するガス導入管58が反応容器53の内部の空間を鉛直方向に延在し、当該鉛直方向を軸に回転可能に設けられている。ガス導入管58においては、第1ガス導入管55に導入された第一ガスと、第2ガス導入管56に導入された第二ガスと第3ガス導入管57に導入された第三ガスとがガス導入管58の内部で混合しない構成とされている(図11)。また、第1ガス導入管55、第2ガス導入管56及び第3ガス導入管57のそれぞれには、第1ガス導入管55、第2ガス導入管56及び第3ガス導入管57のそれぞれの内部を流れるガスを基材セット治具52に設置された基材10上に噴出させるための複数の貫通孔が設けられている。
さらに、反応容器53には、反応容器53の内部のガスを外部に排気するためのガス排気管59が設けられており、反応容器53の内部のガスは、ガス排気管59を通過して、ガス排気口60から反応容器53の外部に排出される。
より具体的には、上述した第一ガス、第二ガス及び第三ガスを、それぞれ第1ガス導入管55、第2ガス導入管56及び第3ガス導入管57に導入する。このとき、各ガス導入管内における第一ガス、第二ガス及び第三ガスそれぞれの温度は、液化しない温度であれば特に制限はない。次に、650℃以上900℃以下(好ましくは700℃以上770℃以下)且つ0.5kPa以上30kPa以下(好ましくは2kPa以上5kPa以下)の雰囲気とした反応容器53内へ第一ガス、第二ガス、第三ガスをこの順で繰り返して噴出する。ガス導入管58には複数の貫通孔が開いているため、導入された第一ガス、第二ガス及び第三ガスは、それぞれ異なる貫通孔から反応容器53内に噴出される。このときガス導入管58は、図10中の回転矢印が示すように上述の軸を中心として、例えば、2〜4rpmの回転速度で回転している。これによって、第一ガス、第二ガス、第三ガスをこの順で繰り返して基材10に対して噴出することができる。
(第一ガス)
上記第一ガスは、アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスを含む。
アルミニウムのハロゲン化物ガスとしては、例えば、塩化アルミニウムガス(AlClガス、AlClガス)等が挙げられる。好ましくは、AlClガスが用いられる。アルミニウムのハロゲン化物ガスの濃度(体積%)は、第一ガスの全体積を基準として、0.3体積%以上1.5体積%以下であることが好ましく、0.8体積%以上0.87体積%以下であることがより好ましい。
チタンのハロゲン化物ガスとしては、例えば、塩化チタン(IV)ガス(TiClガス)、塩化チタン(III)ガス(TiClガス)等が挙げられる。好ましくは、塩化チタン(IV)ガスが用いられる。チタンのハロゲン化物ガスの濃度(体積%)は、第一ガスの全体積を基準として、0.1体積%以上1体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以上0.2体積%以下であることがより好ましい。
上記第一ガスにおけるアルミニウムのハロゲン化物ガスのモル比は、アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスの全モル数を基準として、0.5以上0.9以下であることが好ましく、0.8以上0.87以下であることがより好ましい。
上記第一ガスは、水素ガスを含んでもよいし、アルゴンガス等の不活性ガスを含んでもよい。不活性ガスの濃度(体積%)は、第一ガスの全体積を基準として、5体積%以上70体積%以下であることが好ましく、20体積%以上60体積%以下であることがより好ましい。水素ガスは、通常上記第一ガスの残部を占める。
上記基材に噴出するときの上記第一ガスの流量は、20〜40L/minであることが好ましい。
(第二ガス)
上記第二ガスは、アルミニウムのハロゲン化物ガス、チタンのハロゲン化物ガス及びアンモニアガスを含む。アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスは、上記(第一ガス)の欄において例示されたガスを用いることができる。このとき、上記第一ガスに用いられたアルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスそれぞれと、第二ガスに用いられたアルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスそれぞれとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
アルミニウムのハロゲン化物ガスの濃度(体積%)は、第二ガスの全体積を基準として、4体積%以上5体積%以下であることが好ましく、4.3体積%以上4.5体積%以下であることがより好ましい。
チタンのハロゲン化物ガスの濃度(体積%)は、第二ガスの全体積を基準として、0.1体積%以上1体積%以下であることが好ましく、0.5体積%以上0.8体積%以下であることがより好ましい。
第二ガスにおけるアルミニウムのハロゲン化物ガスのモル比は、アルミニウムのハロゲン化物ガス及びチタンのハロゲン化物ガスの全モル数を基準として、0.82以上0.95以下であることが好ましく、0.85以上0.9以下であることがより好ましい。
アンモニアガスの濃度(体積%)は、第二ガスの全体積を基準として、5体積%以上15体積%以下であることが好ましく、10体積%以上12体積%以下であることがより好ましい。
上記第二ガスは、水素ガスを含んでもよいし、アルゴンガス等の不活性ガスを含んでもよい。不活性ガスの濃度(体積%)は、第二ガスの全体積を基準として、5体積%以上50体積%以下であることが好ましく、15体積%以上17体積%以下であることがより好ましい。水素ガスは、通常上記第二ガスの残部を占める。
上記基材に噴出するときの上記第二ガスの流量は、20〜40L/minであることが好ましい。
(第三ガス)
上記第三ガスは、アンモニアガスを含む。また上記第三ガスは、水素ガスを含んでもよいし、アルゴンガス等の不活性ガスを含んでもよい。
アンモニアガスの濃度(体積%)は、第三ガスの全体積を基準として、2体積%以上30体積%以下であることが好ましく、2体積%以上10体積%以下であることがより好ましい。水素ガスは、通常上記第三ガスの残部を占める。
上記基材に噴出するときの上記第三ガスの流量は、10〜20L/minであることが好ましい。
<第3工程:ブラスト処理をする工程>
本工程では、上記被膜にブラスト処理を実施する。上記ブラスト処理の条件としては例えば、以下の条件が挙げられる。ブラスト処理を実施することで上記被膜に圧縮残留応力を付与することができる。
ブラスト処理の条件
メディア:ジルコニア粒子、500g
投射角度:45°
投射距離:50mm
投射時間:3秒
<その他の工程>
本実施形態に係る製造方法では、上述した工程の他にも、本実施形態の効果を損なわない範囲で追加工程を適宜行ってもよい。上記追加工程としては例えば、上記基材と上記AlTiN層との間に下地層を形成する工程、及び上記AlTiN層上に表面層を形成する工程等が挙げられる。下地層及び表面層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、CVD法等によって形成する方法が挙げられる。なお、上記AlTiN層上に表面層を形成する工程を行った場合、上記第3工程は、当該表面層を形成した後に行う。
本実施形態に係る切削工具の製造方法では、CVD法によってAlTiN層を形成している。そのため、PVD法で被膜を形成したときと比較して、基材に対する被膜の密着力(膜密着力)が向上している。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
(付記1)
すくい面と、逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む表面被覆切削工具であって、
基材と、前記基材上に設けられているAlTiN層とを備え、
前記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含み、
前記AlTi1−xNにおけるAlの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、
前記AlTiN層は、中央部を含み、
前記中央部は、前記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る前記第一界面に平行な仮想平面Dと、前記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る前記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域であり、
前記第一界面は、前記第二界面に対して平行であり、
前記すくい面における前記第二界面の法線及び前記逃げ面における前記第二界面の法線を含む平面で、前記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって前記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
前記カラーマップにおいて、
前記すくい面における前記中央部は、(111)面の法線方向が前記すくい面における前記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる前記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、
前記刃先部における前記中央部は、(111)面の法線方向が前記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる前記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、
前記刃先部における法線方向は、前記基材における、前記すくい面と前記刃先部との境界線と、前記基材における、前記逃げ面と前記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である、表面被覆切削工具。
(付記2)
前記AlTiN層は、その厚みが2.5μm以上20μm以下である、付記1に記載の表面被覆切削工具。
(付記3)
前記基材と前記AlTiN層との間に設けられている下地層を更に含み、
前記下地層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる、付記1又は付記2に記載の表面被覆切削工具。
(付記4)
前記AlTiN層上に設けられている表面層を更に含み、
前記表面層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる、付記1から付記3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
≪切削工具の作製≫
<基材の準備>
まず、被膜を形成させる対象となる基材として、以下の表1に示す超硬合金からなる基材(以下、単に「基材」という場合がある。)を準備した(第1工程)。具体的には、まず、表1に記載の配合組成(質量%)からなる原料粉末を均一に混合した。表1中の「残り」とは、WCが配合組成(質量%)の残部を占めることを示している。
Figure 2020213258
次に、この混合粉末を所定の形状に加圧成形した後に、1300〜1500℃で1〜2時間焼結することにより、上記基材(基材形状(JIS規格):SEET13T3AGSN−G、カッタ径100)を得た。なお、SEET13T3AGSN−Gは転削加工用刃先交換型切削チップの形状である。
<被膜の作製>
上記基材の表面上に、表8に示される下地層、AlTiN層及び表面層を形成することによって、上記基材の表面上に被膜を作製した。被膜の作製には、主にCVD法を用いた。以下、被膜を構成する各層の作製方法について説明する。
(AlTiN層の作製)
表2に記載の成膜条件のもとで、表3〜5に記載の組成をそれぞれ有する第一ガス、第二ガス及び第三ガスをこの順で繰り返して上記基材の表面上に噴出してAlTiN層を作製した(第2工程)。このとき、上記基材は、ガス導入管から放射状に伸びる金属串棒に当該基材の貫通孔を通し、すくい面が上記ガス導入管の方向を向くように設置した。なお、上記基材の表面に下地層を設けた場合は、当該下地層の表面上にAlTiN層を作製した。
例えば、表6の識別記号[1]で示されるAlTiN層は、温度780℃、圧力3kPa、ガス導入管の回転速度2rpmの成膜条件で(表2の識別記号2−a)、表3の識別記号3−aで示される第一ガス(0.83体積%のAlCl、0.17体積%のTiCl、60体積%のAr、残部はH、ガス流量20L/min)、表4の識別記号4−aで示される第二ガス(4.3体積%のAlCl、0.8体積%のTiCl、10体積%のNH、15体積%のAr、残部はH、ガス流量40L/min)及び表5の識別記号5−aで示される第三ガス(2体積%のNH、残部はH、ガス流量10L/min)をこの順で繰り返して基材の表面上に噴出してAlTiN層を作製した。なお、表6の識別記号[8]で示されるAlTiN層は、公知のPVD法で作製した。作製したAlTiN層の組成等を表6に示す。
Figure 2020213258
Figure 2020213258
Figure 2020213258
Figure 2020213258
Figure 2020213258
(下地層の作製、表面層の作製)
表7に記載の成膜条件のもとで、表7に記載の組成を有する反応ガスを基材の表面上に噴出して下地層を作製した。表7に記載の成膜条件のもとで、表7に記載の組成を有する反応ガスをAlTiN層の表面上に噴出して表面層を作製した。
Figure 2020213258
(ブラスト処理)
以下の条件によって、基材の表面に被覆された被膜に対してブラスト処理を行った(第3工程)。
ブラスト処理の条件
メディア:ジルコニア粒子、500g
投射角度:45°
投射距離:50mm
投射時間:3秒
以上の工程によって、本実施例に係る切削工具を作製した。試料番号1、及び4〜10の切削工具は、基材と、上記基材上に設けられているAlTiN層と、上記基材と上記AlTiN層との間に設けられている下地層とを含む、切削工具である。試料番号2及び3の切削工具は、基材と、上記基材上に設けられているAlTiN層と、上記基材と上記AlTiN層との間に設けられている下地層と、上記AlTiN層上に設けられている表面層とを含む、切削工具である。
≪切削工具の特性評価≫
上述のようにして作製した試料の切削工具を用いて、以下のように、切削工具の各特性を評価した。ここで、試料番号1〜7の切削工具は、実施例に相当する。試料番号8〜10の切削工具は、比較例に相当する。
<被膜等の厚みの測定>
被膜、及び当該被膜を構成する下地層、AlTiN層及び表面層の厚みは、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(日本電子株式会社製、商品名:JEM−2100F)を用いて、基材の表面の法線方向に平行な断面サンプルにおける任意の10点を各層ごとに測定し、測定された10点の厚みの平均値をとることで求めた。結果を表8に示す。「表面層」の欄における「なし」との表記は、当該表面層が被膜中に存在しないことを示す。また、「AlTiN層」の欄における「[1](5.0)」等の表記は、AlTiN層が表6の識別記号[1]で示される構成を有し、厚みが5.0μmであることを示す。表8中、「TiCN(1.0)」等の表記は、該当する層が厚み1.0μmのTiCNの層であることを示す。また、1つの欄内に2つの化合物が記載されている場合(例えば、「Al(0.2)−TiN(0.1)」等の場合)は、左側の化合物(Al(0.2))が基材の表面に近い側に位置する層であることを意味し、右側の化合物(TiN(0.1))が基材の表面から遠い側に位置する層であることを意味している。さらに「[Al(0.2)−TiN(0.1)]x3」等の表記は、「Al(0.2)−TiN(0.1)」で示される層が3回繰り返して積層されていることを意味している。
Figure 2020213258
<カラーマップの作成>
まず、被膜におけるAlTiN層の表面(又は界面)に垂直な断面が得られるように上記切削工具を切断した。その後、その切断面を耐水研磨紙(株式会社ノリタケコーテッドアブレーシブ(NCA)製、商品名:WATERPROOF PAPER、#400、#800、#1500)で研磨を実施し、AlTiN層の加工面を作製した。引き続き、上記加工面をArイオンによるイオンミーリング処理によりさらに平滑化を行った。イオンミーリング処理の条件は以下の通りである。
加速電圧:6kV
照射角度:AlTiN層の第二界面の法線方向(すなわち切断面におけるAlTiN層の厚み方向に平行となる直線方向)から0°
照射時間:6時間
作製された上記加工面をEBSDを備えたFE−SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:「SU6600」)を用いて5000倍の倍率で観察することにより、加工面における10μm(AlTiN層の厚み方向)×50μm(AlTiN層の界面に平行な方向)の観察領域に関して上述のカラーマップを作成した。このとき解析に用いた集束電子ビームはAlTi1−xNの結晶粒におけるAlN層で反射が起こるように設定した。また、作成したカラーマップの数(測定視野の数)は、3とした。具体的には、まずAlTiN層の断面に含まれる各結晶粒の結晶方位を特定した。ここで特定される各結晶粒の結晶方位は、AlTiN層の断面に現れる各結晶粒を、当該断面の法線方向(図9において紙面を貫く方向)から平面視したときに観察される結晶方位である。そして、得られた各結晶粒の結晶方位に基づいて、AlTiN層の第二界面の法線方向における各結晶粒の結晶方位を特定した。そして、特定された結晶方位に基づいてカラーマップを作成した(例えば、図9)。各カラーマップについて、市販のソフトウェア(商品名:「Orientation Imaging Microscopy Ver 6.2」、EDAX社製)を用いて、AlTiN層の中央部における(111)面配向性結晶粒の占める面積比率を求めた。その結果を表6に示す。ここで、上記中央部は、上記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第一界面に平行な仮想平面Dと、上記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る上記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域である。(例えば、図9)。
ここで、上記第一界面及び上記第二界面は上記カラーマップにおいて以下のようにして定めた。まず、カラーマップにおいて、AlTiN層の領域と、AlTiN層以外の領域との区別がつくように色を分けて表示した。上記カラーマップにおける上記基材の主面の法線方向において、基材側における上記基材に最も遠い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線L1と、当該基材側における上記基材に最も近い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線L2との中心を通る直線を、上記第一界面11aとした(例えば、図9)。上記カラーマップにおける上記基材の主面の法線方向において、上記基材とは反対側における上記基材に最も遠い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線M1と、上記基材とは反対側における上記基材に最も近い点を通り且つ上記基材の主面に平行な直線M2との中心を通る直線を、上記第二界面とした(例えば、図9)。
表6に、すくい面、刃先部及び逃げ面それぞれにおける、(111)面配向性結晶粒の面積比率を示す。なお、刃先部においては、基材における、すくい面と刃先部との境界線AAと、基材における、逃げ面と刃先部との境界線BBとを含む仮想平面Cの法線方向に対して、(111)面の法線方向が±15°以内となる結晶粒を(111)面配向性結晶粒とした。
≪切削試験≫
(切削評価:連続加工試験)
上述のようにして作製した試料(試料番号1〜10)の切削工具を用いて、以下の切削条件により、逃げ面の摩耗量が0.25mmに達したとき又は刃先部に欠損が生じたときの切削距離(m)を測定した。また、切削後の損傷形態(最終損傷形態)を観察した。その結果を表9に示す。切削距離が長い程、耐逃げ面摩耗性に優れる切削工具として評価することができる。切削後の損傷形態でクレータ摩耗が観察されなければ、耐クレータ摩耗性に優れる切削工具として評価することができる。
連続加工の試験条件
被削材 :S45C(ブロック材、W300×L50)
切削速度:200m/min
送り :0.4mm/t
切込み量 :2mm
切り込み幅:60mm
切削油 :乾式
Figure 2020213258
表9の結果から、試料番号1〜7の切削工具(実施例の切削工具)は、連続加工における切削距離が5.0m以上の良好な結果が得られた。試料番号1〜7の切削工具は、正常に摩耗していた(正常摩耗)。一方試料番号8〜10の切削工具(比較例の切削工具)は、連続加工における切削距離が2.7m以下であった。試料番号8の切削工具は、クレータ摩耗が異常に大きかった(異常摩耗)。試料番号10の切削工具は、クレータ摩耗及び逃げ面摩耗が異常に大きかった(異常摩耗)。試料番号9及び10の切削工具は、刃先部位に欠損が確認された。以上の結果から実施例の切削工具は、耐クレータ摩耗性に優れることが分かった。さらに、実施例の切削工具は、耐逃げ面摩耗性にも優れることが分かった。
以上のように本発明の実施形態及び実施例について説明を行なったが、上述の各実施形態及び各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 切削工具、 1a すくい面、 1b 逃げ面、 1c 刃先部、 10 基材、 11 AlTiN層、 11a 第一界面、 11b 第二界面、 11c AlTiN層の中央部、 11d (111)配向を有する結晶粒、 12 下地層、 13 表面層、 14 被膜、 50 CVD装置、 52 基材セット治具、 53 反応容器、 54 調温装置、 55 第1ガス導入管、 56 第2ガス導入管、 57 第3ガス導入管、 58 ガス導入管、 59 ガス排気管、 60 ガス排気口、 A 仮想平面A、 B 仮想平面B、 C 仮想平面C、 D 仮想平面D、 E 仮想平面E、 AA 境界線AA、 BB 境界線BB、 L1 直線L1、 L2 直線L2、 M1 直線M1、 M2 直線M2

Claims (4)

  1. すくい面と、逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面とを繋ぐ刃先部とを含む切削工具であって、
    基材と、前記基材上に設けられているAlTiN層とを備え、
    前記AlTiN層は、立方晶型のAlTi1−xNの結晶粒を含み、
    前記AlTi1−xNにおけるAlの原子比xは、0.7以上0.95未満であり、
    前記AlTiN層は、中央部を含み、
    前記中央部は、前記基材の側の第一界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る前記第一界面に平行な仮想平面Dと、前記基材の側と反対の第二界面から厚み方向に1μm離れた地点を通る前記第二界面に平行な仮想平面Eとに挟まれた領域であり、
    前記第一界面は、前記第二界面に対して平行であり、
    前記すくい面における前記第二界面の法線及び前記逃げ面における前記第二界面の法線を含む平面で、前記AlTiN層を切断したときの断面に対し、電界放射型走査顕微鏡を用いた電子後方散乱回折像解析によって前記AlTi1−xNの結晶粒のそれぞれの結晶方位を特定し、これに基づいたカラーマップを作成した場合に、
    前記カラーマップにおいて、
    前記すくい面における前記中央部は、(111)面の法線方向が前記すくい面における前記第二界面の法線方向に対して±15°以内となる前記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が80%以上であり、
    前記刃先部における前記中央部は、(111)面の法線方向が前記刃先部における法線方向に対して±15°以内となる前記AlTi1−xNの結晶粒の占める面積比率が50%以上80%未満であり、
    前記刃先部における法線方向は、前記基材における、前記すくい面と前記刃先部との境界線と、前記基材における、前記逃げ面と前記刃先部との境界線とを含む仮想平面Cの法線方向である、切削工具。
  2. 前記AlTiN層の厚みが2.5μm以上20μm以下である、請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記基材と前記AlTiN層との間に設けられている下地層を更に含み、
    前記下地層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる、請求項1又は請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記AlTiN層上に設けられている表面層を更に含み、
    前記表面層は、周期表4族元素、5族元素、6族元素及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素及びホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物からなる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の切削工具。
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