JPWO2020153046A1 - レーザ加工機用保護窓およびレーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工機用保護窓およびレーザ加工機 Download PDF

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Abstract

光学部品(10)は、基板(1)と、多層膜(7)とを備える。基板(1)は、ゲルマニウムからなる。多層膜(7)は、基板(1)に積層されている。多層膜(7)は、基板(1)側から、亜鉛化合物膜であるZnS膜(4)と、ゲルマニウム膜であるGe膜(5)と、ダイヤモンド状炭素膜であるDLC膜(6)との順序で積層された少なくとも3層で構成される。光学部品(10)は、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができる。

Description

本発明は、光学部品、および該光学部品を有するレーザ加工機に関する。
レーザ光の照射によって被加工物を加工するレーザ加工機には、集光レンズを含むレンズ系を保護するための光学部品である保護窓が設けられている。保護窓は、加工時に発生する粉塵またはスパッタからレンズ系を保護する。レーザ光源に二酸化炭素(CO)レーザが使用されるレーザ加工機の場合、保護窓は、赤外光であるCOレーザ光について高い透過率を有することが求められる。また、保護窓は、保護窓に付着した異物が拭き取られる際に傷が付くことを抑制し得る耐摩耗性、およびレーザ加工時に充満するガスによる腐食を生じない耐腐食性といった耐環境性を有することが求められる。
特許文献1には、硫化亜鉛(ZnS)製の基板を有し、基板面から順に、第一の酸化イットリウム(Y)膜、フッ化イットリウム(YF)膜、第二のY膜、ゲルマニウム(Ge)膜およびダイヤモンド状炭素(Diamond Like Carbon:DLC)膜が積層されている光学部品が開示されている。特許文献1の光学部品は、光学部品の表層にDLC膜が設けられることによって、高い耐環境性を備えている。また、特許文献1の光学部品では、第一のY膜と第二のY膜とでYF膜を挟み込むことによって、基板とYF膜とDLC膜との密着性が確保されている。
特開2008−268277号公報
しかしながら、上記特許文献1の光学部品では、酸化物である2つのY膜における赤外光の吸収によって、赤外光の透過率が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができる光学部品を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光学部品は、ゲルマニウムからなる基板と、多層膜とを備える。多層膜は、基板側から、亜鉛化合物膜と、ゲルマニウム膜と、ダイヤモンド状炭素膜との順序で積層された少なくとも3層で構成される。
本発明によれば、光学部品は、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる光学部品の構成を示す断面図 実施の形態1にかかる光学部品の他の構成を示す断面図 実施の形態1にかかる光学部品における透過率の波長依存性の例を示す図 実施の形態1の比較例の光学部品における透過率の波長依存性を示す図 本発明の実施の形態2にかかる光学部品の構成を示す断面図 実施の形態2にかかる光学部品における透過率の波長依存性の例を示す図 本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工機の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4にかかるレーザ加工機の概略構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる光学部品およびレーザ加工機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。図面に示す各部の縮尺は実際の場合とは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光学部品の構成を示す断面図である。図1に示す光学部品10は、ゲルマニウムからなる基板1と、基板1の主面である第一面2に設けられた多層膜7と、基板1のうち第一面2とは逆側の第二面3に設けられた多層膜7とを有する。なお、ゲルマニウムからなる基板1とは、少量の不純物を含有するゲルマニウム基板が含まれるものとする。主面は、基板1のうち光が出射する側の面とする。各多層膜7は、亜鉛化合物膜であるZnS膜4と、Ge膜5と、DLC膜6との3つの膜を有する。Ge膜5は、ZnS膜4およびDLC膜6の間に設けられている。
第一面2に設けられている多層膜7は、第一面2側から、ZnS膜4と、Ge膜5と、DLC膜6との順序で積層された3層で構成される。DLC膜6は、基板1のうち第一面2が向けられた側における光学部品10の外表面を構成する。
第二面3に設けられている多層膜7は、第二面3側から、ZnS膜4と、Ge膜5と、DLC膜6との順序で積層された3層で構成される。DLC膜6は、基板1のうち第二面3が向けられた側における光学部品10の外表面を構成する。
DLC膜6は、DLCが高い硬度を有する物質であることから、高い耐摩耗性を発揮することができる。また、DLC膜6は、DLCが高い安定性を有しており他の物質との反応性が低い物質であることから、高い耐腐食性を発揮することができる。DLC膜6は、他の物質との反応性が低いことで、粉塵などの異物の付着力を弱めることができる。光学部品10は、外表面に付着する異物を容易に取り除くことが可能となる。光学部品10は、耐環境性に優れたDLC膜6が外表面に設けられることによって、高い耐環境性を得ることができる。光学部品10は、劣化の抑制によって長期の使用が可能となる。
光学部品10は、DLC膜6との密着性に優れたGe膜5をDLC膜6に接触させることによって、基板1と多層膜7との密着性を確保することができる。光学部品10は、DLC膜6の圧縮応力に起因するDLC膜6の剥離を抑制させることができる。
Ge膜5は、ZnS膜4との密着性にも優れている。光学部品10は、Ge膜5をZnS膜4に接触させることによって、基板1と多層膜7との密着性を確保することができる。なお、光学部品10は、ZnS膜4に代えて、ZnS膜4以外の亜鉛化合物膜を有しても良い。光学部品10は、ZnS膜4以外の亜鉛化合物膜であるセレン化亜鉛(ZnSe)膜を有しても良い。ZnSe膜が設けられる場合も、Ge膜5とZnSe膜との優れた密着性によって、光学部品10は、基板1と多層膜7との密着性を確保することができる。亜鉛化合物膜は、光学部品10の光学性能に影響が出なければ、Zn、SおよびSe以外の元素がドープされたものであっても良い。
Geは、赤外領域の光に対し高い透過率を持つ。光学部品10は、Ge製の基板1を有することにより、高い透過率で赤外光を透過させることができる。また、Ge製の基板1は、ZnS製の基板と比べて高い熱伝導率を有する。
光学部品10がレーザ加工機の保護窓に使用される場合において、レーザ加工機によるレーザ加工が連続的に行われた場合に、基板1の熱伝導率が低いほど光学部品10において局所的な温度上昇が生じ易くなる。光学部品10は、基板1の熱伝導率が低いほど、温度分布に起因する熱レンズ効果を生じ易くなる。熱レンズ効果による屈折率分布が光学部品10に生じることによって、レーザ加工機は、高精度な加工が困難となる。光学部品10は、高い熱伝導率を有するGe製の基板1を有することによって、熱レンズ効果の抑制が可能となる。これにより、光学部品10を有するレーザ加工機は、光学部品10における屈折率分布の発生を抑制することができ、高い加工精度での加工が可能となる。基板1は、光学部品10の光学性能、またはレーザ加工機の機械特性に影響が出なければ、Ge以外の元素がドープされたものであっても良い。多層膜7を構成する各層についても、光学部品10の光学性能、またはレーザ加工機の機械特性に影響が出なければ、層をなす結晶である元素以外の元素がドープされたものであっても良い。
基板1の形状は、任意の形状とすることができる。レーザ加工機の保護窓である光学部品10の場合、基板1の形状は、レーザ加工機の加工エリアの観点から、直径が80mmから120mmの円板形状が適している。また、基板1の厚みは、膜応力の観点から、2mmから10mmが適している。
多層膜7を形成する方法は、基板1にZnS膜4とGe膜5とDLC膜6とを形成可能であれば良く、種別を問わないものとする。多層膜7の形成には、真空蒸着法およびスパッタリング法といった物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)、ならびにプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法といった化学蒸着などの、一般的に知られた成膜方法を使用することができる。
多層膜7において、ZnS膜4の厚みは600nmから1000nmの範囲内、Ge膜5の厚みは10nmから70nmの範囲内、DLC膜6の厚みは50nmから300nmの範囲内とする。これにより、光学部品10は、光の干渉による効果を活用して、高い透過率で赤外光を透過させることができる。光学部品10は、Ge製の基板1と、上記の範囲で各層の厚みが設定された多層膜7とを備えることによって、9μmから11μmの波長を有するCOレーザ光に対して97%以上の透過率を実現することができる。これにより、光学部品10は、レーザ加工機の保護窓に必要な光学特性を満足することができる。
光学部品10は、光学部品10の光学性能、またはレーザ加工機の機械特性に影響が出なければ、図1に示す各層以外の層が設けられていても良い。また、光学部品10は、第一面2と第二面3とのうち第一面2に多層膜7が設けられていれば良く、第二面3には多層膜7に代えて多層膜7以外の膜が設けられても良い。
図2は、実施の形態1にかかる光学部品の他の構成を示す断面図である。図2に示す光学部品11は、基板1の第二面3に設けられている反射防止膜8を備える。反射防止膜8は、第二面3から順に、YF膜、Ge膜およびフッ化マグネシウム(MgF)膜が積層されて構成されている。図2では、反射防止膜8を構成する各層の図示を省略している。ただし、反射防止膜8の構成は、本変形例に限定されず、反射防止機能を有するものであれば良い。
光学部品11は、基板1のうち光が入射する側の面である第二面3に反射防止膜8が設けられることによって、光学部品11へ入射する光の反射を抑制可能とする。光学部品11がレーザ加工機の保護窓に使用される場合は、光学部品11のうち被加工物へ向けられる側の外表面にDLC膜6が設けられることによって、光学部品11は、レーザ加工時の環境に耐え得る高い耐環境性を発揮することができる。
反射防止膜8を形成する方法は、反射防止膜8の各層を基板1に形成可能であれば良く、種別を問わないものとする。反射防止膜8の形成には、真空蒸着法およびスパッタリング法といった物理蒸着、ならびにプラズマCVD法といった化学蒸着などの、一般的に知られた成膜方法を使用することができる。
次に、実施の形態1の具体例である実施例1について説明する。実施例1の光学部品は、第一面2に設けられている多層膜7と、第二面3に設けられている反射防止膜8とを有する光学部品11とする。反射防止膜8は、9.3μmの波長を有するCOレーザ光に対して99.5%以上の透過率を有する。
実施例1の反射防止膜8において、MgF膜の厚みは200nm、Ge膜の厚みは130nm、YF膜の厚みは650nmとする。多層膜7において、ZnS膜4の厚みは800nm、Ge膜5の厚みは30nm、DLC膜6の厚みは200nmとする。ZnS膜4、Ge膜5および反射防止膜8は、真空蒸着法を使用して形成されたものとする。DLC膜6は、スパッタリング法を使用して形成されたものとする。基板1の形状は、直径が90mm、厚みが5mmの円板形状とする。透過率は、フーリエ変換型赤外分光光度計を使用して評価した。
図3は、実施の形態1にかかる光学部品における透過率の波長依存性の例を示す図である。図3には、実施例1の光学部品11の波長依存性を示している。図3に示すグラフの縦軸は透過率、横軸は光の波長を表している。図3に示す波長依存性によると、9.3μmの波長について97.6%の透過率が実現されている。レーザ加工機の保護窓は97%以上の透過率が好ましいとされることから、光学部品11は、レーザ加工機の保護窓に必要な光学特性を満足している。
ここで、実施例1の比較例について説明する。比較例の光学部品は、ZnS製の基板と2つのY膜とを有する光学部品とする。ZnS製の基板の主面には、主面から順に、第一のY膜、YF膜、第二のY膜、Ge膜およびDLC膜が積層されている。第一のY膜の厚みは30nm、YF膜の厚みは600nm、第二のY膜の厚みは30nm、Ge膜の厚みは30nm、DLC膜の厚みは200nmとする。ZnS製の基板の厚みは5mmとする。ZnS製の基板のうち主面とは逆側の面には、当該面から順に、Y膜、YF膜およびMgF膜が積層されている。Y膜の厚みは80nm、YF膜の厚みは1300nm、MgF膜の厚みは400nmとする。なお、比較例の光学部品の構成については、図示を省略する。
図4は、実施の形態1の比較例の光学部品における透過率の波長依存性を示す図である。図4に示すグラフの縦軸は透過率、横軸は光の波長を表している。図4に示す波長依存性は、薄膜計算ソフトウェアの使用によって光学部品の光学解析を行った結果である。図3に示す波長依存性によると、9.3μmの波長における透過率は95%未満となっている。比較例の光学部品は、レーザ加工機の保護窓に必要な光学特性を満足していない。
実施例1の光学部品11は、比較例の光学部品と比べて、高い透過率で赤外光を透過させることができることから、光の吸収による局所的な温度上昇を低減可能とする。実施例1の光学部品11は、熱レンズ効果を生じにくくすることができる。レーザ加工機は、実施例1の光学部品11が保護窓に使用されることによって、高精度な加工が可能となる。
実施の形態1によると、光学部品10,11は、基板1側から、ZnS膜4と、Ge膜5と、DLC膜6との順序で積層された3層で構成される多層膜7を有することで、第一面2に2つのY膜が積層される場合と比較して、赤外光の透過率を高くすることができる。これにより、光学部品10,11は、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができるという効果を奏する。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかる光学部品の構成を示す断面図である。図5に示す光学部品12の第一面2には、2つのZnS膜である第一のZnS膜4aおよび第二のZnS膜4bと、2つのGe膜である第一のGe膜5aおよび第二のGe膜5bと、1つのDLC膜6との5つの膜を有する多層膜9が設けられている。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
多層膜9は、第一面2側から、第一の亜鉛加工物膜である第一のZnS膜4aと、第一のGe膜5aと、第二の亜鉛加工物膜である第二のZnS膜4bと、第二のGe膜5bと、DLC膜6との順序で積層された5層で構成される。第二面3には、反射防止膜8が設けられている。
多層膜9において、第一のZnS膜4aの厚みは80nmから700nmの範囲内、第一のGe膜5aの厚みは400nmから1100nmの範囲内、第二のZnS膜4bの厚みは600nmから1000nmの範囲内、第二のGe膜5bの厚みは10nmから70nmの範囲内、DLC膜6の厚みは50nmから300nmの範囲内とする。これにより、光学部品12は、光の干渉による効果を活用して、高い透過率で赤外光を透過させることができる。光学部品12は、Ge製の基板1と、上記の範囲で各層の厚みが設定された多層膜9とを備えることによって、9μmから11μmの波長を有するCOレーザ光に対して98%以上の透過率を実現することができる。これにより、光学部品12は、レーザ加工機の保護窓に必要な光学特性を満足することができる。
さらに、光学部品12は、第一のZnS膜4aおよび第一のGe膜5aの組み合わせに第二のZnS膜4bおよび第二のGe膜5bの組み合わせが積層されたことによって、特定の波長を持つ光についての透過率を向上させることができる。レーザ加工機では加工に使用されるレーザ光の波長が固定されていることから、光学部品12は、レーザ加工機の保護窓に適用される場合に、加工に使用されるレーザ光について高い透過率を実現することができる。なお、第二面3には、反射防止膜8に代えて、実施の形態1の多層膜7または実施の形態2の多層膜9が設けられても良い。
次に、実施の形態2の具体例である実施例2について説明する。実施例2の光学部品12は、第一面2に設けられている多層膜9と、第二面3に設けられている反射防止膜8とを有する。実施例2の多層膜9において、第一のZnS膜4aの厚みは115nm、第一のGe膜5aの厚みは830nm、第二のZnS膜4bの厚みは875nm、第二のGe膜5bの厚みは30nm、DLC膜6の厚みは100nmとする。第一のZnS膜4a、第二のZnS膜4b、第一のGe膜5a、第二のGe膜5bおよび反射防止膜8は、真空蒸着法を使用して形成されたものとする。DLC膜6は、スパッタリング法を使用して形成されたものとする。基板1の形状は、直径が90mm、厚みが5mmの円板形状とする。透過率は、フーリエ変換型赤外分光光度計を使用して評価した。
図6は、実施の形態2にかかる光学部品における透過率の波長依存性の例を示す図である。図6には、実施例2の光学部品12の波長依存性を示している。図6に示すグラフの縦軸は透過率、横軸は光の波長を表している。図6に示す波長依存性によると、9.3μmの波長について98%以上の透過率が実現されている。光学部品12は、レーザ加工機の保護窓に必要な光学特性を満足している。
実施の形態2によると、光学部品12は、基板1側から、第一のZnS膜4aと、第一のGe膜5aと、第二のZnS膜4bと、第二のGe膜5bと、DLC膜6との順序で積層された5層で構成される多層膜9を有することで、第一面2に2つのY膜が積層される場合と比較して、赤外光の透過率を高くすることができる。また、光学部品12は、特定の波長を持つ光についての透過率を向上させることができる。これにより、光学部品12は、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができるという効果を奏する。
実施の形態3.
実施の形態3では、光学部品を有するレーザ加工機について説明する。図7は、本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工機の概略構成を示す図である。レーザ加工機20は、被加工物25へレーザ光22を照射して、被加工物25を加工する。
図7に示すレーザ加工機20は、レーザ光22を発生させるレーザ光源であるレーザ発振器21と、レーザ光22を伝搬するレンズ系と、レーザ光22が透過する保護窓24とを有する。レンズ系は、レーザ光22を集光する集光レンズ23を含む。図7では、レンズ系のうち集光レンズ23以外のレンズの図示を省略している。
保護窓24は、実施の形態1にかかる光学部品10,11または実施の形態2にかかる光学部品12である。レーザ発振器21は、COレーザである。レーザ加工機20は、孔空け加工または切断加工といったレーザ加工を行う。COレーザは、高出力発振が可能であること、樹脂における吸収率が高いレーザ光を発振可能であるという特徴から、レーザ加工機20は、プリント配線板への孔空け加工に適している。
保護窓24は、レーザ加工機20の外部へレーザ光22が出射する出射端に設けられている。保護窓24は、集光レンズ23と被加工物25との間に位置している。保護窓24は、加工時において被加工物25からおよそ100mmの位置にまで近接されることがある。このため、保護窓24は、加工時に発生する粉塵またはスパッタが飛散する環境下にさらされることとなる。レーザ加工機20において、保護窓24は、基板1のうち第一面2側を被加工物25へ向けて配置されており、保護窓24のうち被加工物25へ向けられる側の外表面にはDLC膜6が設けられている。保護窓24は、被加工物25へ向けられる側の外表面にDLC膜6が設けられていることによって、レーザ加工時の環境に耐え得る高い耐環境性を発揮することができる。
保護窓24は、レーザ加工機20を構成するすべての光学部品の中で被加工物25に最も近い位置に配置されている。すなわち、被加工物25と保護窓24との間には、光学部品が存在しない。このため、保護窓24は、熱レンズ効果に起因する屈折率分布が生じた場合に、新たな光学部品、あるいはレーザ光の出力のフィードバックのための機構の導入によって屈折率分布を補正することが困難である。保護窓24は、実施の形態1または2の光学部品10,11,12が使用されることによって、屈折率分布の補正のための要素が追加されることなく、保護窓24に必要な光学特性を実現することができる。
レーザ加工機20は、実施の形態1または2の光学部品10,11,12が保護窓24に使用されることによって、加工精度を向上させるための加工速度の制限を行わなくても高精度な加工が可能となる。これにより、レーザ加工機20は、加工速度の制限を不要とすることによる高い生産性と、高精度な加工とを実現することができる。
実施の形態3によると、レーザ加工機20は、実施の形態1または2の光学部品10,11,12を備えることによって、高い耐環境性と、高い光学特性とを得ることができる。これにより、レーザ加工機20は、保護窓24について適正な寿命を保持するとともに、高精度なレーザ加工を実現することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、被覆部品が設けられているレーザ加工機について説明する。図8は、本発明の実施の形態4にかかるレーザ加工機の概略構成を示す図である。レーザ加工機30は、被加工物25へレーザ光22を照射して、被加工物25を加工する。実施の形態4では、上記の実施の形態3と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態3とは異なる構成について主に説明する。
レーザ加工機30は、被覆部品である鏡筒31を有する。鏡筒31は、集光レンズ23の外周部と保護窓24の外周部とを覆う。保護窓24は、鏡筒31のうちレーザ光22が出射する側の端に設けられている。集光レンズ23は、鏡筒31の内部に配置されている。レーザ加工機30は、鏡筒31が設けられることによって、被加工物25を加工する際に発生する粉塵またはスパッタが集光レンズ23に付着することを防ぐことができる。被覆部品は、集光レンズ23への粉塵またはスパッタの付着を防ぐことが可能な部品であれば良く、鏡筒31に限られない。被覆部品の材料および形状は、集光レンズ23への粉塵またはスパッタの付着を防ぐことが可能であれば良いものとする。
実施の形態4によると、レーザ加工機30は、実施の形態1または2の光学部品10,11,12と鏡筒31とを備えることによって、さらに高い耐環境性を得ることができるとともに、高い光学特性を得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 基板、2 第一面、3 第二面、4 ZnS膜、4a 第一のZnS膜、4b 第二のZnS膜、5 Ge膜、5a 第一のGe膜、5b 第二のGe膜、6 DLC膜、7,9 多層膜、8 反射防止膜、10,11,12 光学部品、20,30 レーザ加工機、21 レーザ発振器、22 レーザ光、23 集光レンズ、24 保護窓、25 被加工物、31 鏡筒。
本発明は、レーザ加工機用保護窓、および該レーザ加工機用保護窓を有するレーザ加工機に関する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができるレーザ加工機用保護窓を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるレーザ加工機用保護窓は、ゲルマニウムからなる基板と、多層膜とを備える。多層膜は、基板側から、亜鉛化合物膜と、ゲルマニウム膜と、ダイヤモンド状炭素膜との順序で積層された少なくとも3層で構成される。亜鉛化合物膜の厚みは600nmから1000nmの範囲内、ゲルマニウム膜の厚みは10nmから70nmの範囲内、および、ダイヤモンド状炭素膜の厚みは50nmから300nmの範囲内である。
本発明によれば、レーザ加工機用保護窓は、酸化物を不使用とし、高い透過率で赤外光が透過することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態にかかるレーザ加工機用保護窓およびレーザ加工機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。図面に示す各部の縮尺は実際の場合とは異なる場合がある。

Claims (11)

  1. ゲルマニウムからなる基板と、
    前記基板側から、亜鉛化合物膜と、ゲルマニウム膜と、ダイヤモンド状炭素膜との順序で積層された少なくとも3層で構成される多層膜と、
    を備えることを特徴とする光学部品。
  2. 前記基板は、第一面および前記第一面とは逆側の第二面を有し、
    前記多層膜は、前記第一面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  3. 前記多層膜は、さらに前記第二面に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学部品。
  4. 前記第二面に設けられている反射防止膜を備えることを特徴とする請求項2に記載の光学部品。
  5. 前記ダイヤモンド状炭素膜が前記ゲルマニウム膜に接していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の光学部品。
  6. 前記多層膜は、前記基板側から、第一の亜鉛化合物膜と、第一のゲルマニウム膜と、第二の亜鉛化合物膜と、第二のゲルマニウム膜と、ダイヤモンド状炭素膜との順序で積層された少なくとも5層で構成される多層膜であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の光学部品。
  7. 前記亜鉛化合物膜の厚みは600nmから1000nmの範囲内、前記ゲルマニウム膜の厚みは10nmから70nmの範囲内、および、前記ダイヤモンド状炭素膜の厚みは50nmから300nmの範囲内であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1つに記載の光学部品。
  8. 前記第一の亜鉛化合物膜の厚みは80nmから700nmの範囲内、前記第一のゲルマニウム膜の厚みは400nmから1100nmの範囲内、前記第二の亜鉛化合物膜の厚みは600nmから1000nmの範囲内、前記第二のゲルマニウム膜の厚みは10nmから70nmの範囲内、および、前記ダイヤモンド状炭素膜の厚みは50nmから300nmの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の光学部品。
  9. レーザ光を発生させるレーザ光源と、
    前記レーザ光が透過する請求項1から8のいずれか1つに記載の光学部品と、
    を備えることを特徴とするレーザ加工機。
  10. 前記光学部品は、前記レーザ加工機の外部へ前記レーザ光が出射する出射端に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のレーザ加工機。
  11. 前記レーザ光を集光する集光レンズの外周部と前記光学部品の外周部とを覆う被覆部品を備えることを特徴とする請求項9または10に記載のレーザ加工機。
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