JPWO2020054088A1 - 低炭素ft合成油製造用合成ガス製造システム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、バイオマスを糖化処理して糖化液を生成し、この糖化液をメタン発酵処理してメタン発酵バイオガスを生成し、このメタン発酵バイオガスから水蒸気改質法や部分酸化法等を用いて水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスをFT合成処理してFT合成油を生成することが記載されている。
特許文献2には、バイオマス原料から熱分解ガスを生成する熱分解炉と、熱分解ガスからH2ガスとCOガスを別個に選択分離するガス分離器と、そのH2ガスとCOガスを各々別個に貯蔵する貯蔵タンクと、各ガスを一定の流量比に保つ弁及び調節装置と、このガスを重合反応させる触媒反応器を有する液状炭化水素を合成する液状油製造装置が記載されている。
特許文献3には、水素及び一酸化炭素を含む混合ガスを水素分離膜に接触させて、前記水素を分離する水素分離工程と、前記水素分離膜に接触した後のオフガスを一酸化炭素分離膜に接触させて、前記一酸化炭素を分離する一酸化炭素分離工程と、を有する、ガス分離方法が記載されている。
特許文献4には、バイオマス原料を熱分解してバイオマスガスとする熱分解装置と、バイオマスガスを精製する精製装置と、精製したバイオマスガスを炭化水素合成触媒の存在下で炭化水素オイルとする炭化水素合成装置とから構成されたBLT製造システムにおいて、精製装置と炭化水素合成装置との間に、水素ガスを計量添加する水素供給系と、炭素と水素とのモル比が所定値となるように、バイオマスガスと水素を混合調整する調整装置とを備えることが記載されている。
特許文献5には、廃棄物やバイオマスをガス化処理して生成されるガス化可燃ガスは、原料の入荷が不安定であるので、ガス化可燃ガスを製鉄所で発生する副生可燃ガスと混合して、ボイラーや加熱炉の燃料ガスとして使用することが記載されている。
通常、液状油製造装置に供給する水素の一酸化炭素に対するモル比は2程度である。特許文献2に記載された装置では、バイオマスを熱分解して生成したバイオマスガスから水素と一酸化炭素を別個に選択分離し、その水素と一酸化炭素をモル比2程度に応じた一定の流量比で重合反応させて液状炭化水素を合成しているので、バイオマスから生成した一酸化炭素リッチな熱分解ガスから分離される水素が不足し、バイオマスガスを有効に利用することが困難である。
特許文献3に記載されたガス分離方法は、3種以上のガスを混合し、混合した混合ガスから水素を分離し、水素を分離した後のオフガスから一酸化炭素を分離しているが、特許文献3は、分離される水素と一酸化炭素の割合が目標値となるように、水素リッチな燃料ガスと一酸化炭素リッチな燃料ガスとを設定割合で混合する技術に言及していない。
特許文献4に記載されたバイオマスガスと水素を混合調整する調整装置は、炭素と水素とのモル比が所定値となるように、バイオマスガスに水素を混合しているが、特許文献4は、バイオマスガスから一酸化炭素を分離し、分離された一酸化炭素に水素を適切に調合する技術を示していない。
特許文献5は、廃棄物やバイオマスをガス化処理して生成されるガス化可燃ガスを製鉄所で発生する副生可燃ガスと混合して、ボイラーや加熱炉の燃料ガスとして使用することを示しているが、一酸化炭素リッチな燃料ガスと水素リッチな燃料ガスとから一酸化炭素するに対する水素のモル比が目標値となる合成ガスを生成することに言及していない。
一酸化炭素リッチな燃料ガスと水素を提供可能な燃料ガスとの2種類の燃料ガスは、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガス、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスと水素、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水蒸気、或いは一酸化炭素リッチな副生ガスと炭酸ガスフリー水素との組合せのいずれか一つである。一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスは、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含み一酸化炭素の含有率(割合)が高いガス化ガスであり、水素リッチな副生ガスは、水素の含有率(割合)が高い副生ガスであり、一酸化炭素リッチな副生ガスは、一酸化炭素の含有率(割合)が高い副生ガスである。
第1の実施形態に係る低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム1は、図1に示すように、COリッチガス化ガス供給装置10と、H2リッチ副生ガス供給装置20と、混合装置30と、水素分離装置40と、一酸化炭素分離装置50と、調合装置60とによって構成されている。
(2n+1)H2 +nCO → CnH2n+2 +nH2O (1)
式(1)より、水素(H2)と一酸化炭素(CO)とを適正な比率で反応させる必要があり、調合装置60では、水素の一酸化炭素に対するモル比が式(1)から求められる目標値となるように調合される。FT合成油の生成において、化学式(1)のnは、5から20であるので、目標値はほぼ2である。
ガス化炉は、バイオマスと石炭との混合物を混合燃料として供給されると、バイオマス由来ガス化ガスと石炭由来ガス化ガスとが混ざった混合燃料由来のガス化ガスを生成する。さらに、ガス化炉は、バイオマスと廃プラスチック(塩化ビニールを含まない)との混合物を混合燃料として供給されると、バイオマス由来ガス化ガスと廃プラスチック由来ガス化ガスとが混ざった混合燃料由来のガス化ガスを生成する。このように、ガス化炉は、供給される燃料に応じて、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含み一酸化炭素の含有率(割合)が高い、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを生成する。そして、COリッチガス化ガス供給装置10は、混合装置30に接続され、ガス化炉で生成された少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを精製装置で精製して混合装置30に供給する。
少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスをガス化炉で生成し、精製装置で精製した少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスをガスホルダーに貯蔵するようにした場合は、COリッチガス化ガス供給装置10は、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガス含むガス化ガスを貯蔵し、混合装置30に供給するガスホルダーであってもよい。
(0.16+0.56x)/(0.48+0.07x)=2 (2)
x=80/42≒2となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の2倍にして混合装置30で混合すると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
上記例では、バイオマス由来ガス化ガスと水素リッチな副生ガスとを、標準状態での容量比が、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合(48%と7%)および水素の割合(16%と56%)と、目標値(2)とに基づいて設定された値となるように混合している。
これにより、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに水素リッチな副生ガスを混合された混合ガスは水素の含有量が多くなり、低炭素FT合成油を製造するのに適した合成ガス製造の歩留まりを向上することができる。
COリッチガス化ガス供給装置10は、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを混合装置30に供給し、H2リッチ副生ガス供給装置20は水素リッチな副生ガスを混合装置30に供給する。混合装置30は少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスとを混合して第1混合ガスを生成し、水素分離装置40に供給する。水素分離装置40は供給された第1混合ガスを水素と第1オフガスに分離し、第1オフガスを一酸化炭素分離装置50に、水素を調合装置60に供給する。一酸化炭素分離装置50は供給された第1オフガスを一酸化炭素と第2オフガスに分離し、一酸化炭素を調合装置60に供給する。調合装置60は、供給された水素および一酸化炭素を水素の一酸化炭素に対するモル比が目標値になるように調合して、低炭素FT合成油の製造に適した合成ガスにする。
第1の実施形態に係る低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム1によれば、2種類の燃料ガスである一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記2種類の燃料ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、製造する合成ガスの一酸化炭素に対する水素のモル比の目標値とに基づいて設定された値とするので、前記2種類の燃料ガスを無駄なく利用することができる。さらに、前記2種類の燃料ガスの量が必要以上に増大することがなく、システム自体、特に水素分離装置や一酸化炭素分離装置の大型化および設置費やランニングコストの増大を防止することができる。また、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの製造は、炭酸ガスの排出量が少ないので、炭酸ガス排出を削減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
第2の実施形態は、図2に示すように、水素分離装置40がH2リッチ副生ガス供給装置20と混合装置30との間に接続され、混合装置30が一酸化炭素分離装置50に直接接続された点、およびCOリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給される少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスとH2リッチ副生ガス供給装置20から水素分離装置40に供給される水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する点が第1実施形態と異なる。従って、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
例えば、2種類の燃料ガスとして前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを用いると、第2混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素リッチな副生ガスの容量xは、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、式(3)から、
(0.56x)/(0.48+0.07x)=2 (3)
x=96/42≒2.3となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から水素分離装置40に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の2.3倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
第2の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加え、水素分離装置40には水素リッチな副生ガスのみが供給されるので、水素分離装置を小型化し、設置費やランニングコストを低減することができる。
第3の実施形態は、図3に示すように、一酸化炭素分離装置50がCOリッチガス化ガス供給装置10と混合装置30との間に接続され、水素分離装置40にオフガス利用装置4が接続された点、およびCOリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスとH2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する点が第1実施形態と異なる。従って、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
従って、2種類の燃料ガスとして供給する少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスの量は、標準状態での容量比が少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定された値となるように設定する。
例えば、2種類の燃料ガスとして前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを用いると、合成ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素リッチな副生ガスの容量xは、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、次式(4)から、
(0.16+0.56x)/(0.48)=2 (4)
x=0.80/0.56≒1.4となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の1.4倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
第3の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化し、設置費やランニングコストを低減することができる。
第4の実施形態は、図4に示すように、2種類の燃料ガスとして少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素とを用いる点が第1の実施形態と異なるので、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して、この相違点を中心に説明する。この場合、水素が、水素を提供可能な燃料ガスであり、その組成は水素の割合が100%である。
例えば、前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素を用い、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素の容量xは、式(5)から、
x/0.48=2 (5)
x=0.48×2=0.96となる。
従って、例えば、水素供給装置25から調合装置60に供給される水素の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量とほぼ同じにすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素を無駄なく利用することができる。
第4の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できるとともに水素分離装置が不要となるので、設置費やランニングコストを低減することができる。
第5の実施形態は、図5に示すように、2種類の燃料ガスとして少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水蒸気とを用いた点が第1の実施形態とことなるので、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付してこの相違点を中心に説明する。この場合、水蒸気が水素を提供可能な燃料ガスである。
CO+H2O → H2+CO2 (発熱反応) (2)
一酸化炭素変成装置80は水素分離装置40に接続され、生成した水素リッチな変成ガス含有ガスを水素分離装置40に供給する。一酸化炭素変成装置80は放熱装置81を備え、発熱反応で生じた熱を放熱装置81で放熱する。水素分離装置40は調合装置60とオフガス利用装置4とに接続され、分離した水素を調合装置60に供給し、第9オフガスをオフガス利用装置4に供給する。オフガス利用装置3、4をボイラーの燃焼炉とし、このボイラーで生成した水蒸気を水蒸気供給装置27に供給すると炭酸ガスの発生を抑制することができる。その他、FT合成油製造装置2でのFT合成(発熱反応)の排熱、COリッチガス化ガス供給装置10での排熱を利用可能である。
[0.48×p/(1+p)+0.16×p/(1+p)]/[0.48×1/(1+p)]=2 (5)
p=0.96/ 0.64=1.5となる。
これにより、例えば、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスを、一方部分に対する他方部分の分配比が1.5となるように分配装置70で分配し、水蒸気供給装置80から一酸化炭素変成装置80に供給される標準状態に換算した水蒸気の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量のp/(1+p)=0.6倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水蒸気を無駄なく利用することができる。
第5の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できるので、設置費やランニングコストを低減することができる。さらに、2種類の燃料ガスがともに炭酸ガスの排出量が少ないので、炭酸ガス排出を極めて削減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
第6の実施形態は、図6に示すように、一酸化炭素分離装置50に混合装置30をオフガス利用装置3に代えて接続し、混合装置30を一酸化炭素変成装置80と水素分離装置40との間に接続した点のみが第5実施形態と異なるので、相違点のみについて説明する。
[0.16+0.48×p/(1+p)]/[0.48×1/(1+p)]=2 (5)
p=0.80/0.64=1.25となる。
これにより、例えば、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスを、一方部分に対する他方部分の分配比が1.25となるように分配装置70で分配し水蒸気供給装置27から一酸化炭素変成装置80に供給される標準状態に換算した水蒸気の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量のp/(1+p)=0.56倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水蒸気を無駄なく利用することができる。
第6の実施形態では、第5の実施形態が奏する効果に加え、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる炭素と水素の全てを合成ガスの製造に使用することができる。
第7の実施形態は、図7に示すように、2種類の燃料ガスとして一酸化炭素リッチな副生ガスと炭酸ガスフリー水素とを用いる点が第4の実施形態と異なるので、第4の実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して、この相違点を中心に説明する。この場合、炭酸ガスフリー水素が、水素を提供可能な燃料ガスであり、その組成は水素の割合が100%である。
炭酸ガスフリー水素は、炭酸ガスの排出量を低減して生成した水素であり、CCS付石炭ガス化ガス由来水素、再生可能電力利用水電解水素、バイオマス由来水素、原子力水素等のいずれか一種又は複数種を混合したものでよい。CCS付石炭ガス化ガス由来水素は、CCS(Carbon−Dioxide Capture and Storage)付石炭ガス化ガス装置によって製造された石炭ガス化ガスから水素を分離して生成した水素である。再生可能電力利用水電解水素は、太陽光発電、風力発電、地熱発電、波力発電、潮力発電等によって得られた電力を使用して水を電気分解して生成した水素である。バイオマス由来水素は、メタン発酵で得たバイオガスを改質して生成した水素、或はバイオマスガス化ガスの一酸化炭素を変成反応させて生成した水素である。原子力水素は、原子力電力で水を電気分解して生成した水素、 原子炉熱によって水を熱化学分解して生成した水素等がある。
一酸化炭素リッチな副生ガスとしては、炭酸ガス排出係数の大きい、転炉ガス、高炉ガス等を使用する。転炉ガスは、転炉における鉄の精錬工程で生じる副生ガスで、一酸化炭素が約70%ほど含まれる。高炉ガスは、高炉で鉄鉱石を還元して銑鉄を製造する際に生じる副生ガスで、一酸化炭素が約25%含まれる。
第7の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には一酸化炭素リッチな副生ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できる。さらに、水素分離装置が不要となるので、設置費やランニングコストを低減することができる。一方の燃料ガスとして一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに代えて一酸化炭素リッチな副生ガスを用いる点では、第1の実施例より炭酸ガス排出が多くなるが、他方の燃料ガスとして炭酸ガスフリー水素を用いるので、炭酸ガス排出を低減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
特許文献1には、バイオマスを糖化処理して糖化液を生成し、この糖化液をメタン発酵処理してメタン発酵バイオガスを生成し、このメタン発酵バイオガスから水蒸気改質法や部分酸化法等を用いて水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスをFT合成処理してFT合成油を生成することが記載されている。
特許文献2には、バイオマス原料から熱分解ガスを生成する熱分解炉と、熱分解ガスからH2ガスとCOガスを別個に選択分離するガス分離器と、そのH2ガスとCOガスを各々別個に貯蔵する貯蔵タンクと、各ガスを一定の流量比に保つ弁及び調節装置と、このガスを重合反応させる触媒反応器を有する液状炭化水素を合成する液状油製造装置が記載されている。
特許文献3には、水素及び一酸化炭素を含む混合ガスを水素分離膜に接触させて、前記水素を分離する水素分離工程と、前記水素分離膜に接触した後のオフガスを一酸化炭素分離膜に接触させて、前記一酸化炭素を分離する一酸化炭素分離工程と、を有する、ガス分離方法が記載されている。
特許文献4には、バイオマス原料を熱分解してバイオマスガスとする熱分解装置と、バイオマスガスを精製する精製装置と、精製したバイオマスガスを炭化水素合成触媒の存在下で炭化水素オイルとする炭化水素合成装置とから構成されたBTL製造システムにおいて、精製装置と炭化水素合成装置との間に、水素ガスを計量添加する水素供給系と、炭素と水素とのモル比が所定値となるように、バイオマスガスと水素を混合調整する調整装置とを備えることが記載されている。
特許文献5には、廃棄物やバイオマスをガス化処理して生成されるガス化可燃ガスは、原料の入荷が不安定であるので、ガス化可燃ガスを製鉄所で発生する副生可燃ガスと混合して、ボイラーや加熱炉の燃料ガスとして使用することが記載されている。
通常、液状油製造装置に供給する水素の一酸化炭素に対するモル比は2程度である。特許文献2に記載された装置では、バイオマスを熱分解して生成したバイオマスガスから水素と一酸化炭素を別個に選択分離し、その水素と一酸化炭素をモル比2程度に応じた一定の流量比で重合反応させて液状炭化水素を合成しているので、バイオマスから生成した一酸化炭素リッチな熱分解ガスから分離される水素が不足し、バイオマスガスを有効に利用することが困難である。
特許文献3に記載されたガス分離方法は、3種以上のガスを混合し、混合した混合ガスから水素を分離し、水素を分離した後のオフガスから一酸化炭素を分離しているが、特許文献3は、分離される水素と一酸化炭素の割合が目標値となるように、水素リッチな燃料ガスと一酸化炭素リッチな燃料ガスとを設定割合で混合する技術に言及していない。
特許文献4に記載されたバイオマスガスと水素を混合調整する調整装置は、炭素と水素とのモル比が所定値となるように、バイオマスガスに水素を混合しているが、特許文献4は、バイオマスガスから一酸化炭素を分離し、分離された一酸化炭素に水素を適切に調合する技術を示していない。
特許文献5は、廃棄物やバイオマスをガス化処理して生成されるガス化可燃ガスを製鉄所で発生する副生可燃ガスと混合して、ボイラーや加熱炉の燃料ガスとして使用することを示しているが、一酸化炭素リッチな燃料ガスと水素リッチな燃料ガスとから一酸化炭素するに対する水素のモル比が目標値となる合成ガスを生成することに言及していない。
第一の低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システムは、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、水素リッチな副生ガスを供給するH 2 リッチ副生ガス供給装置と、前記H 2 リッチ副生ガス供給装置に接続され前記水素リッチな副生ガスを水素と第3オフガスとに分離する水素分離装置と、前記COリッチガス化ガス供給装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスが供給され、前記水素分離装置から前記第3オフガスが供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記第3オフガスとを混合して第2混合ガスとする混合装置と、前記混合装置から前記第2混合ガスが供給され、前記第2混合ガスを一酸化炭素と第4オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、前記COリッチガス化ガス供給装置から前記混合装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記H 2 リッチ副生ガス供給装置から前記水素分離装置に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する。
(2.第二の低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム)
第二の低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システムは、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、水素リッチな副生ガスを供給するH 2 リッチ副生ガス供給装置と、前記COリッチガス化ガス供給装置に接続され前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを一酸化炭素と第5オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、前記H 2 リッチ副生ガス供給装置から前記水素リッチな副生ガスが供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記第5オフガスが供給され、前記水素リッチな副生ガスと前記第5オフガスとを混合して第3混合ガスとする混合装置と、
前記混合装置から前記第3混合ガスが供給され、前記第3混合ガスを水素と第6オフガスとに分離する水素分離装置と、前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、前記COリッチガス化ガス供給装置から前記一酸化炭素分離装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記H 2 リッチ副生ガス供給装置から前記混合装置に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する。
(3.第三の低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム)
第三の低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システムは、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、COリッチガス化ガス供給装置から供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを所定割合で一方部分と他方部分とに分配する分配装置と、前記分配装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分が供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分を一酸化炭素と第8オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、前記水蒸気供給装置から前記水蒸気が供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分が前記分配装置から供給され、前記水蒸気と前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分とを変成反応させて水素リッチな変成ガス含有ガスを生成する一酸化炭素変成装置と、前記一酸化炭素変成装置から前記変成ガス含有ガスが供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記第8オフガスが供給され、前記変成ガス含有ガスと前記第8オフガスとを混合して第4混合ガスとする混合装置と、前記混合装置に接続され前記第4混合ガスを水素と第10オフガスとに分離する水素分離装置と、前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、前記COリッチガス化ガス供給装置から前記分配装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水蒸気供給装置から前記一酸化炭素変成装置に供給される前記水蒸気との標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する。
第1の参考例に係る低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム1は、図1に示すように、COリッチガス化ガス供給装置10と、H2リッチ副生ガス供給装置20と、混合装置30と、水素分離装置40と、一酸化炭素分離装置50と、調合装置60とによって構成されている。
(2n+1)H2 +nCO → CnH2n+2 +nH2O (1)
式(1)より、水素(H2)と一酸化炭素(CO)とを適正な比率で反応させる必要があり、調合装置60では、水素の一酸化炭素に対するモル比が式(1)から求められる目標値となるように調合される。FT合成油の生成において、化学式(1)のnは、5から20であるので、目標値はほぼ2である。
ガス化炉は、バイオマスと石炭との混合物を混合燃料として供給されると、バイオマス由来ガス化ガスと石炭由来ガス化ガスとが混ざった混合燃料由来のガス化ガスを生成する。さらに、ガス化炉は、バイオマスと廃プラスチック(塩化ビニールを含まない)との混合物を混合燃料として供給されると、バイオマス由来ガス化ガスと廃プラスチック由来ガス化ガスとが混ざった混合燃料由来のガス化ガスを生成する。このように、ガス化炉は、供給される燃料に応じて、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含み一酸化炭素の含有率(割合)が高い、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを生成する。そして、COリッチガス化ガス供給装置10は、混合装置30に接続され、ガス化炉で生成された少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを精製装置で精製して混合装置30に供給する。
少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスをガス化炉で生成し、精製装置で精製した少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスをガスホルダーに貯蔵するようにした場合は、COリッチガス化ガス供給装置10は、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガス含むガス化ガスを貯蔵し、混合装置30に供給するガスホルダーであってもよい。
(0.16+0.56x)/(0.48+0.07x)=2 (2)
x=80/42≒2となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の2倍にして混合装置30で混合すると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
上記例では、バイオマス由来ガス化ガスと水素リッチな副生ガスとを、標準状態での容量比が、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合(48%と7%)および水素の割合(16%と56%)と、目標値(2)とに基づいて設定された値となるように混合している。
これにより、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに水素リッチな副生ガスを混合された混合ガスは水素の含有量が多くなり、低炭素FT合成油を製造するのに適した合成ガス製造の歩留まりを向上することができる。
COリッチガス化ガス供給装置10は、一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを混合装置30に供給し、H2リッチ副生ガス供給装置20は水素リッチな副生ガスを混合装置30に供給する。混合装置30は少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスとを混合して第1混合ガスを生成し、水素分離装置40に供給する。水素分離装置40は供給された第1混合ガスを水素と第1オフガスに分離し、第1オフガスを一酸化炭素分離装置50に、水素を調合装置60に供給する。一酸化炭素分離装置50は供給された第1オフガスを一酸化炭素と第2オフガスに分離し、一酸化炭素を調合装置60に供給する。調合装置60は、供給された水素および一酸化炭素を水素の一酸化炭素に対するモル比が目標値になるように調合して、低炭素FT合成油の製造に適した合成ガスにする。
第1の参考例に係る低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム1によれば、2種類の燃料ガスである一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記2種類の燃料ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、製造する合成ガスの一酸化炭素に対する水素のモル比の目標値とに基づいて設定された値とするので、前記2種類の燃料ガスを無駄なく利用することができる。さらに、前記2種類の燃料ガスの量が必要以上に増大することがなく、システム自体、特に水素分離装置や一酸化炭素分離装置の大型化および設置費やランニングコストの増大を防止することができる。また、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの製造は、炭酸ガスの排出量が少ないので、炭酸ガス排出を削減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
第1の実施形態は、図2に示すように、水素分離装置40がH2リッチ副生ガス供給装置20と混合装置30との間に接続され、混合装置30が一酸化炭素分離装置50に直接接続された点、およびCOリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給される少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスとH2リッチ副生ガス供給装置20から水素分離装置40に供給される水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する点が第1参考例と異なる。従って、第1の参考例と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
例えば、2種類の燃料ガスとして前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを用いると、第2混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素リッチな副生ガスの容量xは、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、式(3)から、
(0.56x)/(0.48+0.07x)=2 (3)
x=96/42≒2.3となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から水素分離装置40に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から混合装置30に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の2.3倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
第1の実施形態では、第1の参考例が奏する効果に加え、水素分離装置40には水素リッチな副生ガスのみが供給されるので、水素分離装置を小型化し、設置費やランニングコストを低減することができる。
第2の実施形態は、図3に示すように、一酸化炭素分離装置50がCOリッチガス化ガス供給装置10と混合装置30との間に接続され、水素分離装置40にオフガス利用装置4が接続された点、およびCOリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスとH2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する点が第1の参考例と異なる。従って、第1の参考例と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
従って、2種類の燃料ガスとして供給する少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素リッチな副生ガスの量は、標準状態での容量比が少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定された値となるように設定する。
例えば、2種類の燃料ガスとして前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを用いると、合成ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素リッチな副生ガスの容量xは、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、次式(4)から、
(0.16+0.56x)/(0.48)=2 (4)
x=0.80/0.56≒1.4となる。
従って、例えば、H2リッチ副生ガス供給装置20から混合装置30に供給される水素リッチな副生ガスの量を、COリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量の1.4倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素リッチな副生ガスを無駄なく利用することができる。
第2の実施形態では、第1の参考例が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化し、設置費やランニングコストを低減することができる。
第2の参考例は、図4に示すように、2種類の燃料ガスとして少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水素とを用いる点が第1の参考例と異なるので、第1の参考例と同じ構成要素には同一の参照番号を付して、この相違点を中心に説明する。この場合、水素が、水素を提供可能な燃料ガスであり、その組成は水素の割合が100%である。
例えば、前述の組成と同じバイオマス由来ガス化ガスおよび水素を用い、バイオマス由来ガス化ガスの容量を1とすると、混合ガスに含まれる一酸化炭素に対する水素の容量比を目標値、例えば2とするための水素の容量xは、式(5)から、
x/0.48=2 (5)
x=0.48×2=0.96となる。
従って、例えば、水素供給装置25から調合装置60に供給される水素の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から一酸化炭素分離装置50に供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量とほぼ同じにすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水素を無駄なく利用することができる。
第2の参考例では、第1の参考例が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できるとともに水素分離装置が不要となるので、設置費やランニングコストを低減することができる。
第3の参考例は、図5に示すように、2種類の燃料ガスとして少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと水蒸気とを用いた点が第1の参考例とことなるので、第1の参考例と同じ構成要素には同一の参照番号を付してこの相違点を中心に説明する。この場合、水蒸気が水素を提供可能な燃料ガスである。
CO+H2O → H2+CO2 (発熱反応) (2)
一酸化炭素変成装置80は水素分離装置40に接続され、生成した水素リッチな変成ガス含有ガスを水素分離装置40に供給する。一酸化炭素変成装置80は放熱装置81を備え、発熱反応で生じた熱を放熱装置81で放熱する。水素分離装置40は調合装置60とオフガス利用装置4とに接続され、分離した水素を調合装置60に供給し、第9オフガスをオフガス利用装置4に供給する。オフガス利用装置3、4をボイラーの燃焼炉とし、このボイラーで生成した水蒸気を水蒸気供給装置27に供給すると炭酸ガスの発生を抑制することができる。その他、FT合成油製造装置2でのFT合成(発熱反応)の排熱、COリッチガス化ガス供給装置10での排熱を利用可能である。
[0.48×p/(1+p)+0.16×p/(1+p)]/[0.48×1/(1+p)]=2 (5)
p=0.96/ 0.64=1.5となる。
これにより、例えば、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスを、一方部分に対する他方部分の分配比が1.5となるように分配装置70で分配し、水蒸気供給装置80から一酸化炭素変成装置80に供給される標準状態に換算した水蒸気の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量のp/(1+p)=0.6倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水蒸気を無駄なく利用することができる。
第3の参考例では、第1の参考例が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できるので、設置費やランニングコストを低減することができる。さらに、2種類の燃料ガスがともに炭酸ガスの排出量が少ないので、炭酸ガス排出を極めて削減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
第3の実施形態は、図6に示すように、一酸化炭素分離装置50に混合装置30をオフガス利用装置3に代えて接続し、混合装置30を一酸化炭素変成装置80と水素分離装置40との間に接続した点のみが第3の参考例と異なるので、相違点のみについて説明する。
[0.16+0.48×p/(1+p)]/[0.48×1/(1+p)]=2 (5)
p=0.80/0.64=1.25となる。
これにより、例えば、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスを、一方部分に対する他方部分の分配比が1.25となるように分配装置70で分配し水蒸気供給装置27から一酸化炭素変成装置80に供給される標準状態に換算した水蒸気の量を、COリッチガス化ガス供給装置10から供給されるバイオマス由来ガス化ガスの量のp/(1+p)=0.56倍にすると、バイオマス由来ガス化ガスおよび水蒸気を無駄なく利用することができる。
第3の実施形態では、第3の参考例が奏する効果に加え、少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる炭素と水素の全てを合成ガスの製造に使用することができる。
第4の参考例は、図7に示すように、2種類の燃料ガスとして一酸化炭素リッチな副生ガスと炭酸ガスフリー水素とを用いる点が第2の参考例と異なるので、第2の参考例と同じ構成要素には同一の参照番号を付して、この相違点を中心に説明する。この場合、炭酸ガスフリー水素が、水素を提供可能な燃料ガスであり、その組成は水素の割合が100%である。
炭酸ガスフリー水素は、炭酸ガスの排出量を低減して生成した水素であり、CCS付石炭ガス化ガス由来水素、再生可能電力利用水電解水素、バイオマス由来水素、原子力水素等のいずれか一種又は複数種を混合したものでよい。CCS付石炭ガス化ガス由来水素は、CCS(Carbon−Dioxide Capture and Storage)付石炭ガス化ガス装置によって製造された石炭ガス化ガスから水素を分離して生成した水素である。再生可能電力利用水電解水素は、太陽光発電、風力発電、地熱発電、波力発電、潮力発電等によって得られた電力を使用して水を電気分解して生成した水素である。バイオマス由来水素は、メタン発酵で得たバイオガスを改質して生成した水素、或はバイオマスガス化ガスの一酸化炭素を変成反応させて生成した水素である。原子力水素は、原子力電力で水を電気分解して生成した水素、 原子炉熱によって水を熱化学分解して生成した水素等がある。
一酸化炭素リッチな副生ガスとしては、炭酸ガス排出係数の大きい、転炉ガス、高炉ガス等を使用する。転炉ガスは、転炉における鉄の精錬工程で生じる副生ガスで、一酸化炭素が約70%ほど含まれる。高炉ガスは、高炉で鉄鉱石を還元して銑鉄を製造する際に生じる副生ガスで、一酸化炭素が約25%含まれる。
第4の参考例では、第1の参考例が奏する効果に加え、一酸化炭素分離装置50には一酸化炭素リッチな副生ガスのみが供給されるので、一酸化炭素分離装置50を小型化できる。さらに、水素分離装置が不要となるので、設置費やランニングコストを低減することができる。一方の燃料ガスとして一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに代えて一酸化炭素リッチな副生ガスを用いる点では、第1の実施例より炭酸ガス排出が多くなるが、他方の燃料ガスとして炭酸ガスフリー水素を用いるので、炭酸ガス排出を低減して低炭素FT合成油製造用合成ガスを製造することができる。
Claims (7)
- 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水素リッチな副生ガスを供給するH2リッチ副生ガス供給装置と、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスが供給され、前記H2リッチ副生ガス供給装置から前記水素リッチな副生ガスが供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水素リッチな副生ガスとを混合して第1混合ガスとする混合装置と、
前記混合装置から前記第1混合ガスが供給され、前記第1混合ガスを水素と第1オフガスとに分離する水素分離装置と、
前記水素分離装置から前記第1オフガスが供給され、前記第1オフガスを一酸化炭素と第2オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された水素と前記分離された一酸化炭素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記混合装置は、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水素リッチな副生ガスとを、標準状態での容量比が前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定された値となるように混合する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水素リッチな副生ガスを供給するH2リッチ副生ガス供給装置と、
前記H2リッチ副生ガス供給装置に接続され前記水素リッチな副生ガスを水素と第3オフガスとに分離する水素分離装置と、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスが供給され、前記水素分離装置から前記第3オフガスが供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記第3オフガスとを混合して第2混合ガスとする混合装置と、
前記混合装置から前記第2混合ガスが供給され、前記第2混合ガスを一酸化炭素と第4オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記混合装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記H2リッチ副生ガス供給装置から前記水素分離装置に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水素リッチな副生ガスを供給するH2リッチ副生ガス供給装置と、
前記COリッチガス化ガス供給装置に接続され前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを一酸化炭素と第5オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記H2リッチ副生ガス供給装置から前記水素リッチな副生ガスが供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記第5オフガスが供給され、前記水素リッチな副生ガスと前記第5オフガスとを混合して第3混合ガスとする混合装置と、
前記混合装置から前記第3混合ガスが供給され、前記第3混合ガスを水素と第6オフガスとに分離する水素分離装置と、
前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記一酸化炭素分離装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記H2リッチ副生ガス供給装置から前記混合装置に供給される前記水素リッチな副生ガスとの標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスおよび前記水素リッチな副生ガスに含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水素を燃料ガスとして供給する水素供給装置と、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスが供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを一酸化炭素と第7オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記水素供給装置から前記水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記一酸化炭素分離装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水素供給装置から前記調合装置に供給される前記水素との標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、燃料ガスとしての水素に含まれる水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、
COリッチガス化ガス供給装置から供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを所定割合で一方部分と他方部分とに分配する分配装置と、
前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分が供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分を一酸化炭素と第8オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記水蒸気供給装置から前記水蒸気が供給され、前記分配装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分が供給され、前記水蒸気と前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分とを変成反応させて水素リッチな変成ガス含有ガスを生成する一酸化炭素変成装置と、
前記一酸化炭素変成装置に接続され前記変成ガス含有ガスを水素と第9オフガスとに分離する水素分離装置と、
前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記分配装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水蒸気供給装置から前記一酸化炭素変成装置に供給される前記水蒸気との標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを供給するCOリッチガス化ガス供給装置と、
水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、
COリッチガス化ガス供給装置から供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスを所定割合で一方部分と他方部分とに分配する分配装置と、
前記分配装置から前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分が供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの一方部分を一酸化炭素と第8オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記水蒸気供給装置から前記水蒸気が供給され、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分が前記分配装置から供給され、前記水蒸気と前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスの他方部分とを変成反応させて水素リッチな変成ガス含有ガスを生成する一酸化炭素変成装置と、
前記一酸化炭素変成装置から前記変成ガス含有ガスが供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記第8オフガスが供給され、前記変成ガス含有ガスと前記第8オフガスとを混合して第4混合ガスとする混合装置と、
前記混合装置に接続され前記第4混合ガスを水素と第10オフガスとに分離する水素分離装置と、
前記水素分離装置から前記分離された水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記分離された水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチガス化ガス供給装置から前記分配装置に供給される前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスと前記水蒸気供給装置から前記一酸化炭素変成装置に供給される前記水蒸気との標準状態での容量比を、前記少なくともバイオマス由来ガス化ガスを含むガス化ガスに含まれる一酸化炭素の割合および水素の割合と、前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。 - 一酸化炭素リッチな副生ガスを供給するCOリッチ副生ガス供給装置と、
炭酸ガスフリー水素を燃料ガスとして供給する炭酸ガスフリー水素供給装置と、
前記COリッチ副生ガス供給装置から前記一酸化炭素リッチな副生ガスが供給され、前記一酸化炭素リッチな副生ガスを一酸化炭素と第11オフガスとに分離する一酸化炭素分離装置と、
前記炭酸ガスフリー水素供給装置から前記炭酸ガスフリー水素が供給され、前記一酸化炭素分離装置から前記分離された一酸化炭素が供給され、前記分離された一酸化炭素と前記炭酸ガスフリー水素とを一酸化炭素に対する水素のモル比が目標値になるように調合して合成ガスにする調合装置と、を備え、
前記COリッチ副生ガス供給装置から前記一酸化炭素分離装置に供給される前記一酸化炭素リッチな副生ガスと前記炭酸ガスフリー水素供給装置から前記調合装置に供給される前記炭酸ガスフリー水素との標準状態での容量比を、前記一酸化炭素リッチな副生ガスに含まれる一酸化炭素の割合と、燃料ガスとしての水素に含まれる水素の前記目標値とに基づいて設定する、
低炭素FT合成油製造用合成ガス製造システム。
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