JPWO2020050244A1 - ティートカップ - Google Patents

ティートカップ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020050244A1
JPWO2020050244A1 JP2020541223A JP2020541223A JPWO2020050244A1 JP WO2020050244 A1 JPWO2020050244 A1 JP WO2020050244A1 JP 2020541223 A JP2020541223 A JP 2020541223A JP 2020541223 A JP2020541223 A JP 2020541223A JP WO2020050244 A1 JPWO2020050244 A1 JP WO2020050244A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
milk
inner diameter
bore portion
liner
teat cup
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020541223A
Other languages
English (en)
Inventor
仁志 近藤
仁志 近藤
乾 洋治
洋治 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Publication of JPWO2020050244A1 publication Critical patent/JPWO2020050244A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01JMANUFACTURE OF DAIRY PRODUCTS
    • A01J5/00Milking machines or devices
    • A01J5/04Milking machines or devices with pneumatic manipulation of teats

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Abstract

より簡単且つ確実に、乳汁の逆流を抑制し、乳房炎への感染リスクを低減できるティートカップを提供する。
本発明のティートカップ1は、可撓性を有する筒状のライナー3と、前記ライナー3の上部の外周を覆う筒状のシェル2と、を備えるティートカップであって、前記ライナー3は、前記外周がシェル2で覆われ、前記シェル2との間の空間の圧力変動により開状態と閉状態との間で弾性変形するボア部3bと、前記ボア部3bの一端側に設けられ、乳頭が挿入されるマウスピース部3aと、前記ボア部3bの他端側に設けられたショートミルクチューブ部3dと、を備え、前記ボア部3bの内径R1と前記ショートミルクチューブ部3dの内径R2との比であるR1/R2が、1から1.9である。

Description

本発明は、搾乳機のティートカップに関する。
搾乳時に、牛の乳頭に装着されるティートカップは、内部を乳汁が通過する筒状のライナーと、ライナーの上部の外周を覆い、ライナーとの間に空間を形成するシェルとを備える。そして、ライナー上部の内部に乳頭を挿入させた状態で、シェルとライナーとの間の空間の圧力を変動させる。これにより、ライナー上部を開状態と閉状態との間で弾性変形させることで乳頭をマッサージしつつ、搾乳が行われる。
ここで、搾乳が行われる乳牛が乳房炎に罹患する場合がある。乳房炎に罹患すると、生産乳量及び乳質が低下し、乳房炎治療費がかかり、出荷制限期間の生乳廃棄が必要となり、さらに罹患牛の淘汰や代替牛の購入費がかかる場合がある。このような乳房炎の罹患率は、乳頭口が開いた状態にある乾乳初期の1週間と分娩前後の各1週間が高いと言われている。それは、搾乳前の清拭時に拭き取れなかった細菌が乳頭表面に存在し、搾乳時に乳汁中にそれらの細菌が混入し、ライナー内で乳汁の逆流(droplet現象)が生じた場合に、それらの細菌を含む乳汁が乳頭口から侵入するためである。
乳房炎を防止するためには、乳汁の逆流を防止することが重要である。乳汁の逆流を防止する技術として、例えば、ライナーの乳頭下端部にクリップを取り付けて、ライナーの開き方を緩やかにしたティートカップ(特許文献1参照)、ライナーの上部に設けられたマウスピース部やシェル内に配置されるボア部の厚みや形状を調整することでライナーの潰れ方を調整したティートカップ(特許文献2参照)、マウスピース部にベントを開けたティートカップ(特許文献3参照)、ライナーの下部のショートミルクチューブ部にベントを開けたティートカップ(特許文献4、5参照)、ショートミルクチューブ部が接続される部分の容積を大きくしてライナー内で乳汁を滞留させないようにしたミルククロー(特許文献6参照)、ミルククローからの乳汁を排出する管の内径を太くした搾乳システム(特許文献7参照)が開示されている。
特許第4359708号公報 米国特許第6776120号明細書 米国特許第8627785号明細書 特表2016−073861号公報 米国特許第3476085号明細書 米国特許出願公開第2014−020930号明細書 米国特許第5896827号明細書
しかし、特許文献1のティートカップは構造が複雑で製造が容易ではなく、特許文献2のティートカップは逆流防止効果が十分でなく、特許文献3,4,5のティートカップはベントが汚れによって塞がれる可能性があり、特許文献6,7はミルククローが大きくなるため持ち運びが不便になる。
本発明の課題は、より簡単且つ確実に、乳汁の逆流を抑制し、乳房炎への感染リスクを低減できるティートカップを提供することである。
上記課題を解決するための、本発明は、可撓性を有する筒状のライナーと、前記ライナーの上部の外周を覆う筒状のシェルと、を備えるティートカップであって、前記ライナーは、前記外周がシェルで覆われ、前記シェルとの間の空間の圧力変動により開状態と閉状態との間で弾性変形するボア部と、前記ボア部の一端側に設けられ、乳頭が挿入されるマウスピース部と、前記ボア部の他端側に設けられたショートミルクチューブ部と、を備え、前記ボア部の内径R1と前記ショートミルクチューブ部の内径R2との比であるR1/R2が、1から1.9であるティートカップを提供する。
前記ショートミルクチューブ部の内径R2は、前記ショートミルクチューブ部における最小の内径であってもよい。
前記ショートミルクチューブ部の内径R2は、前記ショートミルクチューブ部の先端の内径であってもよい。
本発明によれば、より簡単且つ確実に、乳汁の逆流を抑制し、乳房炎への感染リスクを低減できるティートカップを提供することができる。
実施形態に係るティートカップ1を含む図である。 ティートカップ1及びミルククロー30を含む搾乳システム10を説明する図である。 実施形態の乳汁逆流防止効果を検証するための実験装置100を示す図である。 N−IIIの場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。 J225の場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。 N−IIIの場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。 J225の場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。 ボア部3bからショートミルクチューブ部3dへ流れる乳汁mの流れる状態を模式化したものであり、(a)はR1/R2が2.0以上、(b)はR1/R2が1.9以下の場合である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る2つのティートカップ1を示す縦断面図である。図1には、一部切欠いた断面図で示すミルククロー30と、ティートカップ1に挿入された牛の乳頭50も示す。また、図2はティートカップ1及びミルククロー30を含む搾乳システム10を説明する図である。
(ティートカップ1)
ティートカップ1は、筒状のライナー3と、ライナー3の上部の外周を覆うシェル2と、を備える。
(シェル2)
シェル2は硬質部材(ステンレスや硬質樹脂)により製造された筒状部材である。シェル2の側面には、後述するミルククロー30の調圧室32に配管4を介して接続される連結口2aが設けられている。
(ライナー3)
ライナー3は可撓性を有する材料により一体成形された筒状部材である。ライナー3は、上側から、マウスピース部3aと、ボア部3bと、ショートミルクチューブ部3dとを備える。
(マウスピース部3a)
マウスピース部3aは、ライナー3の上端に設けられ、シェル2の上端部を塞ぐとともに、牛の乳頭50の挿入口となる。
(ボア部3b)
ボア部3bは、マウスピース部3aから挿入された乳頭50が入り込む部分で、マウスピース部3aから連続して下方に延び、外周がシェル2に覆われている。ボア部3bの外面とシェル2の内面との間には空間Sが形成される。ボア部3bは、空間S内の圧力変動により、開状態と閉状態との間で弾性変形可能である。なお、ここで、ボア部3bの内径の平均径をR1とする。
(ショートミルクチューブ部3d)
ショートミルクチューブ部3dは、乳頭50から吸引された乳汁mが流通する部分である。ショートミルクチューブ部3dにおける上端のボア部3bから連続する部分には、シェル部2の下端部を保持する肉厚部3cが設けられている。ショートミルクチューブ部3dは肉厚部3cよりさらに下方に延び、先端部3eは後述のミルククロー30に接続されるインレット部となっている。
先端部3eの内径R2は、ショートミルクチューブ部3dの中で最小である。ただし、ショートミルクチューブ部3dにおける肉厚部3cより下部の部分の内径は、全体が先端部3eの内径R2と等しい一定径であってもよい。
本実施形態において、上述のボア部3bの平均径R1とショートミルクチューブ部3dの先端部3eの内径R2(つまり、ショートミルクチューブ部3dにおいて最も内径の小さい部分における内径)との関係R1/R2は1〜1.9である。
ここで、R1/R2の下限値が1である理由は以下である。
R1/R2が小さくなるということは、R2がR1に対して大きくなるということで、すなわち、ショートミルクチューブ部3dの先端部3eが太くなることを意味する。R1/R2が1より小さいと、ボア部3bよりもショートミルクチューブ部の先端部3e、すなわちミルククロー30へのインレット部が太い状態となる。そうするとミルククロー30のサイズが大きくなるので重くなり、4本のティートカップ1及びミルククロー30の持ち運びが容易ではなくなる。このため、R1/R2の下限値を1以上とした。
R1/R2の上限値が1.9の理由については後述する。
(ミルククロー30)
ミルククロー30は、乳汁室31と、調圧室32とを備える。
乳汁室31にはショートミルクチューブ部3dの先端部3eが挿入されるインレット挿入口33が設けられ、複数のライナー3から流れてきた乳汁mが合流する。ミルククロー30の乳汁室31で合流した乳汁mは、排出口34に取り付けられたミルクライン12を通って図2に示す乳受け容器13へと流れる。
調圧室32には、上述の連結口2aから延びる配管4が接続されるとともに、後述のパルセータ11へ延びるパルセータライン15が接続されている。パルセータ11が作動すると、パルセータライン15及び配管4を通して、ボア部3bの外面とシェル2の内面との間に空間Sに搾乳用の脈動圧が供給される。
図2に示す搾乳システム10は、上述のティートカップ1と、ミルククロー30と、パルセータライン15と、ミルクライン12との他に、乳受け容器13と、バルククーラ14と、トラップ16と、真空タンク17と、真空ポンプ18と、パルセータ11と、その他、真空調圧器19及び真空計20等とを備える。
(パルセータ11)
パルセータ11は、パルセータライン15を介してミルククロー30の調圧室32に接続されている。パルセータ11は、調圧室32と配管4を介して接続されたボア部3bの外面とシェル2の内面との間の空間Sへの空気の導入及び排気を一定の時間間隔で制御する。この空間Sの圧力調整により、ボア部3bの開閉が行われる。
すなわち、空間Sの内部の空気が排気されると、空間Sの圧力はボア部3bの内部と同じ圧力となり、ボア部3bは開状態となる。一方、空間Sの内部に空気が流入されると、空間Sの圧力が高まり、ボア部3bがへこんだ閉状態となる。このボア部3bが開状態と閉状態とを繰り返す伸縮運動によって、乳頭へのマッサージ効果が得られる。これにより、牛が乳頭を吸って母牛の乳汁mを飲むときに行われるマッサージと同様の効果が得られ、射乳が促進される。
(乳受け容器13)
乳受け容器13は、ミルククロー30からミルクライン12を介して運ばれた乳汁mが一旦、貯留される容器である。
(バルククーラ14)
バルククーラ14は、乳受け容器13に溜められた乳汁mが、乳受け容器13の底部から配管21を通って送られて貯蔵される部分である。
(真空ポンプ18)
真空ポンプ18は、真空パイプ22を介して真空タンク17に接続される。真空タンク17は、真空調圧器19が取り付けられた真空パイプ23を介してトラップ16に接続される。トラップ16は真空パイプ24を介して乳受け容器13に接続されると共にパルセータ11を介してミルククロー30に接続される。
(動作)
次に、搾乳システム10の動作について説明する。
まず、ショートミルクチューブ部3dの先端部3eをミルククロー30のインレット挿入口33に挿し込み、ミルククロー30の排出口34にミルクライン12取り付ける。そして、シェル2の側部の連結口2aとミルククロー30の調圧室32との間を配管4で接続するとともに、ミルククロー30の調圧室32とパルセータ11との間をパルセータライン15で接続する。さらに、マウスピース部3aより乳頭50をボア部3b内に挿入する。
この状態で、真空ポンプ18より搾乳用真空圧をライナー3内に連続的に供給すると共に、パルセータ11からの脈動真空圧を空間Sに供給する。
脈動真空圧によってボア部3bが伸縮し、泌乳が促されて、乳頭50からボア部3bの内部空間内に乳汁mが吐出される。吐出された乳汁mは、ミルククロー30を介してミルクライン12に送られる。
実施形態では、搾乳時において、ボア部3bの平均径R1とショートミルクチューブ部3dの下端の内径R2との関係R1/R2を1〜1.9としている。このようにR1/R2が1〜1.9の範囲にある場合、搾乳時におけるライナー3内における乳汁mの逆流の発生に対して、高い防止効果が得られる。以下、この乳汁mの逆流防止効果について説明する。
(実験装置)
図3はR1/R2が1〜1.9の場合の乳汁mの逆流防止効果を検証するための実験装置100を示す図である。
実験装置100は、複数のティートカップ1と、それぞれのティートカップ1のショートミルクチューブ部3dが接続されるミルククロー30と、それぞれのティートカップ1のボア部3b内に挿入される擬似乳頭50Aと、擬似乳頭50Aへ水を供給する水タンク102と、水の流量を制御する流量計101と、を備える。なお、乳牛は一般に乳頭が4つあるため、擬似乳頭50Aとティートカップ1と、流量計101とはそれぞれ4つ設けられている。
(擬似乳頭50A)
擬似乳頭50Aは、先端に内径0.6mm、長さ4.0cmのアメゴム管50Bを取り付けた円筒部材で、擬似乳頭50A(アメゴム管50B)には水タンク102から、流量計101を介して一定の流量の水が流入される。柔軟なアメゴム管50Bを用いることにより、ボア部3bの収縮時に、アメゴム管50Bが容易に潰れることができ、水流の停止と流出とを交互に行う間欠的な射乳が可能となる。
(ライナー3)
ライナー3は、内部での乳汁m(水)の逆流の発生状態を観察可能なように、透明なシリコーン製のN−III及びJ225S(ORION社製)により形成した。
(1)ボア部3bの内径一定、ショートミルクチューブ部3dの内径を変更した実験
(N−IIIの場合)
ボア部3bの内径の平均径R1は19mmで一定とした。
ショートミルクチューブ部3dの内径は11mmであるが、そこに外径11mm、内径が7.0mm,8.0mm,9.0mm,10.0mm、長さ2cmの補助チューブをそれぞれ挿入することにより、先端部3eの内径R2を、7.0mm,8.0mm,9.0mm,10.0mm,11.0mm(補助チューブなし)とした5種類のライナーを用意した。
したがって、5種類のライナー3のR1/R2は、それぞれ2.7,2.4,2.1,1.9,1.7となる。
以下の表1にこれらの関係を示す。
Figure 2020050244
Figure 2020050244
(J225Sの場合)
ボア部3bの内径の平均径R1は19mmで一定とした。
ショートミルクチューブ部3dの内径は10.5mmであるが、そこに外径10.5mmで内径が7.0mm,8.0mm,9.0mm,10.0mm、長さ2cmの補助チューブを挿入することにより、先端部3eの内径R2を、7.0mm,8.0mm,9.0mm,10.0mm,10.5mm(補助チューブなし)とした5種類のライナーを用意した。
したがって、5種類のライナー3のR1/R2は、それぞれ2.7,2.4,2.1,1.9,1.8となる。
以下の表2にこれらの関係を示す。
Figure 2020050244
(ミルククロー)
ミルククロー30は、内容積415mL、ライナー3の先端部3eが接続されるインレット挿入口33の内径が10.5mm、ミルクライン12が接続される排出口34の内径が14.5mmである。排出口34には、内径15mmのミルクライン12を接続した。また、ミルククロー30には直径1.0mmの一つのベント36(貫通穴)が設けられている。
水タンク102の下端と流量計101の上端との間の距離は15cm、流量計101の下端とティートカップ1の上端との距離は27cm、ティートカップ1の全体の長さは38cmとした。
真空ポンプ18及び真空調圧器19によりライナー3及びミルククロー30内の圧力を44kPaに設定した。
(パルセータ11)
パルセータ11はオリオン社製のものを用い、0.6sの真空状態と0.4sの非真空状態とを発生させることで、ボア部3bに対して0.6sの非収縮状態(水流流動状態)と、0.4sの収縮状態(水流停止状態)とが交互に発生する、1秒に60サイクルの収縮を発生させた。この値は、実際の搾乳時の標準的な値である。
(カメラ103)
上記の構成においてティートカップ1のライナー3内を流れる水の挙動をカメラ103で撮影した。カメラ103は、高速ビデオカメラCASHIO製EX−100Fを用いて480FPSで30秒間撮影した。
上記の実験装置100を用いて、水タンク102から4つの擬似乳頭50Aに水を流入した。このときの流量は、流量計101を調整することで、実際の搾乳での乳量を想定した、1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,3.5,4.0L/minとした。
最大流量を4.0L/minとしたのは、パルセータ11により、水流ありの時間:水流なしの時間=6:4に制御されていることから、最大流量4.0L/minの場合に、実際の4本合計の流量が約10L/min(4L/min×0.6×4本)となり、現状で泌乳量の多い乳牛と同程度の流量としたためである。
そして、パルセータ11を作動させてボア部3bを収縮させることによりアメゴム管50Bを収縮させ、水流の停止と流出とを交互に行った。
ショートミルクチューブ部3d内に流れた水は、ミルククロー30内に流入させ、ミルククロー30内に流入した水は、排出口34より排出した。
ショートミルクチューブ部3dの先端部3eの内径を変更し、それぞれの流量において、カメラ103で撮影した画像より、水の逆流度合いを観察し、表3のスコアにより評価した。
実際の搾乳においては、スコアが3より大きい場合は、ボア部3b内で逆流が発生しているので乳房炎を発生させる恐れがある。スコアは低い方が好ましいが、スコア3においてはボア部3b内で逆流が発生しないので、スコア3以下を許容範囲とした。なお、それぞれの状態において、撮影した動画の異なる場面を2箇所確認し、スコアを2つ付け、2つのスコアの平均値をその実験水準のスコアとした。例えば、スコア1とスコア2であった場合には、その実験水準のスコアは1.5とした。
Figure 2020050244
(実験結果)
図4は、ボア部3bの内径一定、ショートミルクチューブ部3dの内径を変更した、N−IIIの場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。
図5は、ボア部3bの内径一定、ショートミルクチューブ部3dの内径を変更した、J225の場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。
図4及び図5のグラフに示すように、R1/R2が1.9以下においては、流量1.0から4.0L/minにおいて、スコアが2以下であり、すなわちボア部3bにおいて逆流が発生しなかった。
これに対して、R1/R2が2.1以上においては、流量が増加するにつれてスコアが3より大きくなり、ボア部3bにおいて逆流が発生した。
(2)ショートミルクチューブ部3dの内径一定、ボア部3bの内径を変更した実験
次に、ショートミルクチューブ部3dの内径一定、ボア部3bの内径を変更して上記(1)と同様に、2種類の材質のライナー3を用いて実験を行った。
(N−IIIの場合)
ショートミルクチューブ部3dの内径R2は8mmで一定とした。
ボア部3bの内径は22mmであるが、そこに外径22mm、内径が20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mm、長さ2cmの補助チューブをそれぞれ挿入することにより、内径は20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mmである。これにより、ボア部3bの内径R1を、20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mmとした5種類のライナー3を用意した。
したがって、5種類のライナー3のR1/R2は、それぞれ、2.5,2.0,1.9,1.5,1.0となる。
以下の表4にこれらの関係を示す。
Figure 2020050244
Figure 2020050244
(J225Sの場合)
ショートミルクチューブ部3dの内径R2は8mmで一定とした。
ボア部3bの内径は22mmであるが、そこに外径22mmで、内径が20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mm、長さ2cmの補助チューブをそれぞれ挿入することにより、内径は20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mmである。これにより、ボア部3の内径R1を、20mm,16mm,15.2mm,12mm,8mmとした5種類のライナー3を用意した。
したがって、5種類のライナー3のR1/R2は、それぞれ、2.5,2.0,1.9,1.5,1.0となる。これらの関係は上述の表4と同じである。
(実験結果)
図6は、ショートミルクチューブ部3dの内径一定、ボア部3bの内径を変更した、N−IIIの場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。
図7は、ショートミルクチューブ部3dの内径一定、ボア部3bの内径を変更した、J225の場合における、乳汁mの逆流防止効果の実験結果を示したグラフである。
図6及び図7のグラフに示すように、ショートミルクチューブ部3dの内径一定、ボア部3bの内径を変更した場合においても、R1/R2が1.9以下においては、流量1.0から4.0L/minにおいて、スコアが3以下、すなわちボア部3bにおいて逆流が発生しなかった。
これに対して、R1/R2が2.0以上においては、流量1.0から4.0L/minにおいて、流量が増加するとスコアが3より大きくなり、すなわちボア部3bにおいて逆流が発生した。
ここで、R1/R2が1.9以下においては、ボア部3bにおいて逆流が発生しない理由については以下のように考える。図8は、ボア部3bからショートミルクチューブ部3dへ流れる乳汁mの流れる状態を模式化したものであり、(a)はR1/R2が2.0以上、(b)はR1/R2が1.9以下の場合である。
(a)に示す比較形態のR1/R2が2.0以上の場合、乳汁mが径がR1のボア部3bから、径がR2のショートミルクチューブ部3dへ流れ込む際、径が急に小さくなる。このため、径が小さくなるジャンクションポイント部(肉厚部3c)において、乳汁mが滞留し、一部が逆流する。
一方、(b)に示す実施形態のR1/R2が1.9以下の場合、乳汁mが径がR1のボア部3bから、径がR2のショートミルクチューブ部3dへ流れ込む際の径の縮小の割合が(a)に比べて小さい。このため、径が小さくなるジャンクションポイント部(肉厚部3c)での、乳汁mの滞留が発生しないので、ボア部3bにおいて逆流が発生しない。
以上のように、本実施形態によると、R1/R2が1.9以下であるので乳汁のボア部3b内での逆流の発生を防止することができる。また、R1/R2が1以上であるので、ミルククロー30のサイズを巨大化する必要なく、ティートカップ1及びミルククロー30とのコンパクト化が可能となる。したがって、より簡単且つ確実に、乳汁の逆流を抑制し、乳房炎への感染リスクを低減できるティートカップ1を提供することができる。
1 ティートカップ
2 シェル
3 ライナー
3a マウスピース部
3b ボア部
3c 肉厚部
3d ショートミルクチューブ部
3e インレット部
10 搾乳システム
11 パルセータ
12 ミルクライン
13 乳受け容器
14 バルククーラ
15 パルセータライン
18 真空ポンプ
30 ミルククロー
31 乳汁室
32 調圧室
33 インレット挿入口
34 排出口
36 ベント
50 乳頭
50A 擬似乳頭
50B アメゴム管
100 実験装置
102 水タンク
103 カメラ

Claims (3)

  1. 可撓性を有する筒状のライナーと、
    前記ライナーの上部の外周を覆う筒状のシェルと、を備えるティートカップであって、
    前記ライナーは、
    前記外周がシェルで覆われ、前記シェルとの間の空間の圧力変動により開状態と閉状態との間で弾性変形するボア部と、
    前記ボア部の一端側に設けられ、乳頭が挿入されるマウスピース部と、
    前記ボア部の他端側に設けられたショートミルクチューブ部と、を備え、
    前記ボア部の内径R1と前記ショートミルクチューブ部の内径R2との比であるR1/R2が、1から1.9であるティートカップ。
  2. 前記ショートミルクチューブ部の内径R2は、前記ショートミルクチューブ部における最小の内径である、
    請求項1に記載のティートカップ。
  3. 前記ショートミルクチューブ部の内径R2は、前記ショートミルクチューブ部の先端の内径である、
    請求項1又は2に記載のティートカップ。
JP2020541223A 2018-09-06 2019-09-03 ティートカップ Pending JPWO2020050244A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018167197 2018-09-06
JP2018167197 2018-09-06
PCT/JP2019/034555 WO2020050244A1 (ja) 2018-09-06 2019-09-03 ティートカップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020050244A1 true JPWO2020050244A1 (ja) 2021-08-30

Family

ID=69722380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020541223A Pending JPWO2020050244A1 (ja) 2018-09-06 2019-09-03 ティートカップ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2020050244A1 (ja)
WO (1) WO2020050244A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01167155U (ja) * 1988-05-05 1989-11-24
JP2006296258A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 National Agriculture & Food Research Organization ティートカップ
JP2007097853A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Em Gijutsu Kenkyusho:Kk 乳牛の乳房炎治療・予防装置および方法
US20110107971A1 (en) * 2008-07-16 2011-05-12 Delaval Holding Ab Milking system, a teat cup and a teat cup liner

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01167155U (ja) * 1988-05-05 1989-11-24
JP2006296258A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 National Agriculture & Food Research Organization ティートカップ
JP2007097853A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Em Gijutsu Kenkyusho:Kk 乳牛の乳房炎治療・予防装置および方法
US20110107971A1 (en) * 2008-07-16 2011-05-12 Delaval Holding Ab Milking system, a teat cup and a teat cup liner

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
MILKRITE PRODUCT CATALOGUE 2015 [オンライン], JPN7019003886, 2015, ISSN: 0005104244 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020050244A1 (ja) 2020-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8397671B2 (en) Milking device for the milking of milking animals
JP4055172B2 (ja) 搾乳用クローのトップ
US4907535A (en) Milk-claw for milking machines
AU2005200360B2 (en) Milking claw bottom
WO2015150807A1 (en) A clawbowl for a milking cluster
US5896827A (en) Milking system having a substantially stable continuous vacuum level
US1259309A (en) Milking-machine.
JPWO2020050244A1 (ja) ティートカップ
EP0163483B1 (en) Automatic milking apparatus
JPWO2020059692A1 (ja) 搾乳装置
WO2005000011A1 (en) A milking device and a method of handling a milking device
US6860228B2 (en) Milking cup for milking machines
JP2024090316A (ja) ライナー、ティートカップ及び搾乳装置
EP1905297B1 (en) Method and implement for milking a dairy animal
JP6960675B2 (ja) 搾乳機のティートカップ接続構造
RU2293465C2 (ru) Низковакуумный доильный аппарат
NL1009461C2 (nl) Werkwijze en inrichting voor het reinigen van de tepels van de uier na het melken van een koe.
CA3113266A1 (en) Liner, teat cup, and milking device
RU2150191C1 (ru) Доильный аппарат для высокопродуктивных коров
WO2009099317A1 (en) Milking device for the milking of milking animals
JP2011205960A (ja) 搾乳用バケットの接続構造
GB190919582A (en) Improvements in Milking Machines.
IE57009B1 (en) Automatic milking apparatus
JP2016073300A (ja) ミルククロー
CZ458U1 (cs) Sběrač mléka pro dojící stroje

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240109