JPWO2020040015A1 - ロボット支援装置及びロボット支援システム。 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施形態(第1〜第4実施形態)に係るロボット支援システム1の構成概要を示す図である。ロボット支援システム1は、人間の認知及び安全性を完全に保ちながら、人間の動きの正確さを拡張することができるロボット支援装置2と情報処理装置3とからなり、これらが電気的に接続されたシステムである。
ロボット支援装置2は、操作部21と、被操作箇所22と、受動関節23(ここでは一例として受動関節23a〜23c)と、不動部24とを有し、これらの構成要素が機構的且つ非電気的に接続されている。以下、各構成要素について更に説明する。
操作部21は、ユーザが被操作箇所22の位置を変位させるために用いられる。例えば、操作部21は、ユーザが手で握ることができるように構成される。或いは、グローブのようにユーザが操作部21を装着可能に構成されてもよい。特に操作部21は、被操作箇所22と機構的且つ非電気的に接続されており、ユーザの自己認知を保ったまま被操作箇所22の位置を変位させることができる点に留意されたい。なお、本実施形態において「自己認知を保つ」とは、ユーザが自身の手で被操作箇所22を動かしている感覚が保たれていることと考えてよい。
被操作箇所22は、前述の通りユーザが操作部21を操作することでその位置が変位されるように構成される。後に更に詳述するが、ユーザは、ロボット支援装置2を使用するにあたり、操作部21を操作することによって被操作箇所22における目標位置T(図2A及び図2B参照)を所定軌道に沿うように変位させるタスクを実行するものとする。また、被操作箇所22の詳細については、第1.2節において説明する。
受動関節23a〜23cは、操作部21と不動部24との間に設けられ、不動部24(後述の通り固定されていて原則的に不動な部位)に対して操作部21に自由度を与えるための関節機構であり、モータによって能動的に駆動されるものではない。このような構成により、前述の通りユーザが手動で操作部21を操作することを可能にしている。なお、受動関節の個数についてはあくまでも例示でありこの限りではない。
不動部24は、ロボット支援装置2の一部であって設置場所に載置又は固定される部位である。固定にあたってその方法は特に限定されず、ねじ等で固定してもよいし磁石による引力を用いて固定してもよい。何れにしても、操作部21及び被操作箇所22は、不動部24に対して相対的に位置を変位させることができることに留意されたい。
図2A及び図2Bは、ロボット支援システム1におけるロボット支援装置2の被操作箇所22内において、駆動部221によって撮像部222の相対的位置を変化させる態様を示している。かかる図を用いて、被操作箇所22の構成要素を詳述する。
駆動部221は、被操作箇所22に設けられ、例えば平行移動可能な2軸のアクチュエータ機構である。図2A及び図2Bにおいては、駆動部221を左右方向に変位させた態様が示されているが、2軸であるためもちろん紙面に対する表裏方向に変位させることも可能である。更に不図示ではあるが、回転の自由度を与えてもよい。また、被操作箇所22によって規定される所定の位置、より正確には駆動部221の変位に伴って規定される所定の位置を「目標位置T」として定義することに留意されたい。図2A及び図2Bでは、撮像部222が駆動部221に設けられているが、例えばかかる撮像部222の視線(換言すると、撮像部222によって撮像される画像の中心)と規定面Pとの交点が目標位置Tとして定義されている。図2A及び図2Bに示されるように、駆動部221を変位させることで目標位置Tを変位させることができる。
撮像部222(特許請求の範囲における「センサ部」の一例)は、外界の情報を画像として取得可能に構成される、いわゆるビジョンセンサ(カメラ)である。特に撮像部222によって取得される画像IMには、図3に示されるように、規定面P上に描かれたラインLが含まれることが好ましい。ラインLは前述の目標位置Tに係る所定軌道を可視化するためのものである。撮像部222は、いわゆる高速ビジョンと称する撮像レート(フレームレート)が高いものを採用する。フレームレートは、例えば、100fps以上であり、好ましくは、250fps以上であり、更に好ましくは500fps又は1000fpsである。具体的には例えば、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000fpsであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。後に更に詳述することとなるが、予測を全く用いずにフィードバック制御だけで目標位置Tと前述の所定軌道とのずれ(誤差)を補正するためには、撮像部222の高いフレームレートが重要となる。なお、撮像部222は、センサ部の一例に過ぎず、他のセンサを用いてもよいことに留意されたい。しかしながら、本実施形態では撮像部222を前提として、他の構成要素(例えば、後述の画像処理部31等)を説明するものとする。
情報処理装置3は、不図示の記憶部や制御部を備えている。記憶部は、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、或いは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。制御部は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)として実施されうる。制御部は、記憶部に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、ロボット支援システム1に関連する種々の機能を実現する。
画像処理部31は、ロボット支援装置2における撮像部222より受信した画像IMを画像処理して、ラインLと、ラインL以外の領域とを区別する。これは例えば、撮像された画像IMを、画像に関する所定のパラメータ(明度等)にしきい値を決めてバイナリ化することで実施される。そして、画像IMからラインLの重心位置(特許請求の範囲における「特徴情報」の一例)を算出することで目標位置Tの所定軌道(ラインL)からのずれを計測することができる。例えば、図2A及び図2Bに示されるように、目標位置Tが撮像部222の視線と規定面Pとの交点(画像中心CT)である場合は、画像IMにおけるラインLの重心位置と画像IMの中心とのずれを計測すればよい。なお、画像中心CTを目標位置Tとすることで、ずれを補正することで正確な軌道に沿って撮像を行うことができるので、例えば工場の部品検査等への応用が期待されうる。
制御信号生成部32は、ロボット支援装置2における駆動部221を駆動させる(すなわち所望に変位させる)制御信号CSを生成し、かかる制御信号を不図示の通信インターフェースを介して駆動部221に送信する。ここで、かかる制御信号CSは、目標位置Tの所定軌道(ラインL)からのずれ(前述の画像処理部31において計測されたもの)に基づいて決定される。この場合の制御手法は特に限定されないが、例えば、P制御、PD制御、PID制御等が適宜採用されうる。制御に係る各係数は、必要に応じて好ましい値を設定すればよい。また制御信号CSの値は電圧で規定されるとよい。
第2節では、前述のような構成を有するロボット支援システム1の動作フローを説明する。以下、図4におけるステップS1〜S4に沿って説明する。
(ステップS1)
ユーザは、操作部21を掴み、自己認知を有しつつ被操作箇所22に係る目標位置Tが所定軌道(規定面Pに描かれたラインL)に沿うように、被操作箇所22を変位させる。つまり、手動という低周波な制御によってこのような動作が行われる(ステップS2へ続く)。
人間であるユーザには正確さの限界があり、目標位置Tを所定軌道にほとんどずれ無く沿わせることは事実上不可能であり、目標位置Tと所定軌道との間にずれが生じる(ステップS3へ続く)。
撮像部222がラインLを含むように規定面Pを撮像する。撮像された画像IMは、情報処理装置3に送信され、画像処理部31によって画像処理が実行される。これにより、目標位置Tと所定軌道とのずれが計測される(ステップS3へ続く)。
ステップS3によって計測されたずれに基づいて、制御信号生成部32は、駆動部221を駆動させるための制御信号CSの値を決定する。これによってずれを補正するように駆動部221が変位される。より詳細には、ステップS3及びステップS4において、撮像部222を用いた高速ビジュアルフィードバックにより、ユーザが意識することのないごく短時間(例えば数百マイクロ秒〜数十ミリ秒オーダの遅延)でずれが補正される。
[終了]
ユーザが自己認知をより高く有しつつ目標位置Tを所定軌道に沿わせるタスクを実施するには、現在の目標位置Tに係る情報をユーザ自身が取得できるとよい。そこで、ロボット支援システム1は、以下のような構成要素を更に有することが好ましい。以下、第1〜第4実施形態として詳述する。もちろん、各実施形態に係る構成要素を組み合わせて実施してもよい。
図5は、第1実施形態に係るロボット支援システム1の写真である。第1実施形態に係るロボット支援システム1では、図2A及び図2Bに示されるように、目標位置Tが撮像部222の視線と規定面Pとの交点(画像IMの中心)として実施される。そして、被操作箇所22にプロジェクタ223(特許請求の範囲における「誘導情報提示部」の一例)が設けられていることに留意されたい。
図6は、第2実施形態に係るロボット支援システム1の写真である。第2実施形態に係るロボット支援システム1では、図2A及び図2Bに示されるように、目標位置Tが撮像部222の視線と規定面Pとの交点(画像IMの中心)として実施される。そして、操作部21をユーザが握る際に手の両側に空気圧を提供可能な圧力提供装置211a、211b(特許請求の範囲における「誘導情報提示部」の一例)が設けられていることに留意されたい。また、撮像部222によって撮像される範囲は、駆動部221の変位できるストロークよりも広いものとする。
図7は、第3実施形態に係るロボット支援システム1の概要図である。第3実施形態に係るロボット支援システム1では、図2A及び図2Bに示されるように、目標位置Tが撮像部222の視線と規定面Pとの交点(画像IMの中心)として実施される。第3実施形態に係るロボット支援システム1では、第2実施形態にロボット支援システム1のように、ずれを補正する方向にユーザを誘導(ずれを補正するための情報をユーザに提供)するように構成されるものである。具体的には、ユーザの腕に装着可能な電極4(特許請求の範囲における「誘導情報提示部」の一例)を更に備えるもので、電極4よりユーザの腕に直接電気信号を付与して筋肉を電気的に刺激することで、ずれを補正する方向にユーザを誘導可能に構成される(いわゆる筋電制御)。
図8は、第4実施形態に係るロボット支援システム1の概要図である。第4実施形態に係るロボット支援システム1では、図2A及び図2Bに示されるように、目標位置Tが撮像部222の視線と規定面Pとの交点(画像IMの中心)として実施される。第4実施形態に係るロボット支援システム1では、第2実施形態にロボット支援システム1のように、ずれを補正する方向にユーザを誘導(ずれを補正するための情報をユーザに提供)するように構成されるものである。具体的には、ユーザの指に装着可能な力覚提示デバイス81(特許請求の範囲における「誘導情報提示部」の一例)及び力覚提示デバイス82(特許請求の範囲における「誘導情報提示部」の一例)を更に備える。力覚提示デバイス81及び力覚提示デバイス82は、情報処理装置3と無線通信を行う。力覚提示デバイス81及び力覚提示デバイス82は、情報処理装置3よりずれを補正するための力覚値を受け取ると、力覚値に応じた力覚(例えば、振動)をユーザに対して与える。
なお、第4実施形態では、力覚提示デバイス81をユーザの指に装着する構成としたが、これに限定されるものではなく、ユーザに力覚を与えることができれば何処に装着されてもよい。また、第4実施形態では、力覚の一例として振動を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ずれを補正するための力覚を与えられるものならどのようなものであってもよい。
なお、次のような態様によって、第1〜第4実施形態に係るロボット支援システム1を更に創意工夫してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、人間の認知及び安全性を完全に保ちながら、人間の動きの正確さを拡張することができるロボット支援装置2を実施することができる。
前記装置において、誘導情報提示部を更に備え、前記誘導情報提示部は、前記目標位置に関する情報を前記ユーザに提示可能に構成される、装置。
前記装置において、前記誘導情報提示部は、前記センサ部と同軸又は相対的位置が固定されたプロジェクタを含み、前記目標位置に関する情報を投影光として照射可能に構成される、装置。
前記装置において、前記誘導情報提示部は、前記操作部に設けられた圧力提供装置を含み、前記目標位置に関する情報を圧力として前記ユーザに提示可能に構成される、装置。
前記装置において、前記誘導情報提示部は、前記ユーザに装着可能に構成される電極を含み、前記ユーザの筋肉を電気的に刺激することで前記目標位置に関する情報を前記ユーザに提示可能に構成される、装置。
前記装置において、前記誘導情報提示部は、前記目標位置に関する情報を力覚として前記ユーザに提示可能に構成される、装置。
前記装置において、前記目標位置に関する情報は、前記目標位置の前記所定軌道からのずれを補正するための情報である、装置。
前記装置において、不動部と、受動関節とを更に備え、前記不動部は、前記受動関節を介して前記操作部又は前記被操作箇所と接続され、これにより前記不動部を不動としたまま前記被操作箇所の位置を可変に構成される、装置。
前記装置において、前記センサ部は、外界の情報を撮像可能に構成される撮像部である、装置。
前記装置において、前記目標位置は、前記撮像部によって撮像される画像の中心である、装置。
前記装置において、前記駆動部上に切削具、塗布具、又はレーザ射出部が設けられ、前記目標位置は、前記切削具若しくは前記塗布具の先端位置、又は前記レーザ射出部から照射されるレーザの照射位置である、装置。
前記装置において、前記センサ部の取得レート及び前記駆動部の駆動レートは、250ヘルツ以上である、装置。
前記装置において、制御部を更に備え、前記制御部は、前記センサ部より取得された前記特徴情報に基づいて前記駆動部に対する前記制御信号の値を決定し、この値に基づいて前記駆動部を駆動可能に構成される、装置。
ロボット支援システムであって、前記ロボット支援装置と、情報処理装置とを備え、前記情報処理装置は、前記ロボット支援装置における前記センサ部及び前記駆動部と電気的に接続され、前記センサ部より取得された前記特徴情報に基づいて前記駆動部に対する前記制御信号の値を決定し、この値に基づいて前記駆動部を駆動可能に構成される、システム。
もちろん、この限りではない。
上述した実施形態及び変形例は、任意に組み合わせ可能である。
2 :ロボット支援装置
21 :操作部
211a :圧力提供装置
211b :圧力提供装置
22 :被操作箇所
221 :駆動部
222 :撮像部
223 :プロジェクタ
223p :枠
23 :受動関節
23a :受動関節
23b :受動関節
23c :受動関節
24 :不動部
3 :情報処理装置
31 :画像処理部
32 :制御信号生成部
4 :電極
CS :制御信号
IM :画像
L :ライン
P :規定面
ROI :所定領域
T :目標位置
Claims (14)
- ロボット支援装置であって、
互いに非電気的に接続された操作部と被操作箇所とを備え、ユーザが前記操作部を操作することによって、前記ユーザが自己認知を有しつつ前記被操作箇所によって規定される目標位置を変位可能に構成されるものであり、
センサ部と、駆動部とを更に備え、
前記センサ部は、
前記駆動部上に設けられ、
前記目標位置の変位についての所定軌道に関する特徴情報を取得可能に構成され、
前記駆動部は、
前記被操作箇所に設けられ、
前記特徴情報に基づいて定まる制御信号に基づいて、前記目標位置の前記所定軌道からのずれを補正するように駆動される、
装置。 - 請求項1に記載の装置において、
誘導情報提示部を更に備え、
前記誘導情報提示部は、前記目標位置に関する情報を前記ユーザに提示可能に構成される、
装置。 - 請求項2に記載の装置において、
前記誘導情報提示部は、前記センサ部と同軸又は相対的位置が固定されたプロジェクタを含み、前記目標位置に関する情報を投影光として照射可能に構成される、
装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の装置において、
前記誘導情報提示部は、前記操作部に設けられた圧力提供装置を含み、前記目標位置に関する情報を圧力として前記ユーザに提示可能に構成される、
装置。 - 請求項2〜請求項4の何れか1つに記載の装置において、
前記誘導情報提示部は、前記ユーザに装着可能に構成される電極を含み、前記ユーザの筋肉を電気的に刺激することで前記目標位置に関する情報を前記ユーザに提示可能に構成される、
装置。 - 請求項2〜請求項5の何れか1つに記載の装置において、
前記誘導情報提示部は、前記目標位置に関する情報を力覚として前記ユーザに提示可能に構成される、
装置。 - 請求項4〜請求項6に記載の装置において、
前記目標位置に関する情報は、前記目標位置の前記所定軌道からのずれを補正するための情報である、
装置。 - 請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の装置において、
不動部と、受動関節とを更に備え、
前記不動部は、前記受動関節を介して前記操作部又は前記被操作箇所と接続され、これにより前記不動部を不動としたまま前記被操作箇所の位置を可変に構成される、
装置。 - 請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の装置において、
前記センサ部は、外界の情報を撮像可能に構成される撮像部である、
装置。 - 請求項9に記載の装置において、
前記目標位置は、前記撮像部によって撮像される画像の中心である、
装置。 - 請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の装置において、
前記駆動部上に切削具、塗布具、又はレーザ射出部が設けられ、
前記目標位置は、前記切削具若しくは前記塗布具の先端位置、又は前記レーザ射出部から照射されるレーザの照射位置である、
装置。 - 請求項1〜請求項11の何れか1つに記載の装置において、
前記センサ部の取得レート及び前記駆動部の駆動レートは、250ヘルツ以上である、
装置。 - 請求項1〜請求項12の何れか1つに記載の装置において、
制御部を更に備え、
前記制御部は、前記センサ部より取得された前記特徴情報に基づいて前記駆動部に対する前記制御信号の値を決定し、この値に基づいて前記駆動部を駆動可能に構成される、
装置。 - ロボット支援システムであって、
請求項1〜請求項13の何れか1つに記載のロボット支援装置と、情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置は、
前記ロボット支援装置における前記センサ部及び前記駆動部と電気的に接続され、
前記センサ部より取得された前記特徴情報に基づいて前記駆動部に対する前記制御信号の値を決定し、この値に基づいて前記駆動部を駆動可能に構成される、
システム。
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