JPWO2020021879A1 - 画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

マイクロレンズアレイを用いた撮影画像からの移動ベクトル算出処理を、全体画像を生成することなく行う装置、方法を提供する。マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された連続撮影画像を入力して画像間の移動ベクトルを算出する。移動ベクトル算出部はマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する。複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域内の特徴点に対応する移動ベクトルを算出する際、同一特徴点対応の複数の移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。または、外れ値(異常値)を排除した残りの複数移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。

Description

本開示は、画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。特に、マイクロレンズアレイ(MLA:Micro Lens Array)を用いた撮像装置の撮影画像から移動ベクトル(オプティカルフロー)を検出する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。
複数のマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイ(MLA:Micro Lens Array)を用いた撮像装置が知られている。マイクロレンズアレイ(MLA)を用いることでレンズと撮像素子(イメージセンサ)との距離を小さくすることができ、薄型の撮像装置を構成することができる。
例えばスマホ(スマートホン)等のような薄型の機器にも装着可能であり、今後、多くの利用がなされると推定される。なお、マイクロレンズアレイ(MLA)を用いた撮像装置については例えば特許文献1(特開2010−240215号公報)に記載がある。
マイクロレンズアレイ(MLA)を用いた撮像装置の具体的な利用例として、例えばスマホのような電子機器の指紋認証装置がある。
指紋認証処理のシーケンスは例えば以下の処理となる。まず、ユーザの指の動画像を撮影する。次に、動画像を構成する複数の連続撮影画像の位置合わせを行い、位置合わせ後の画像を合成して高画質画像を生成する。最後に生成した高画質画像と予めメモリに登録済みの指紋登録データとの照合処理を行う。
複数画像の合成を行うのは1枚の静止画のみでは指の特徴情報が不足し、認証精度が低下してしまう等の理由である。複数の連続撮影画像の合成を行うためには、複数の連続撮影画像フレームの位置合わせを行うことが必要となる。この位置合わせのためには、画像に含まれる特徴点の移動ベクトルを算出する処理が必要となる。
しかし、マイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置では、撮像素子に撮影される画像はアレイを構成する各マイクロレンズ対応の多数の画像となる。従って、上記の移動ベクトル算出処理と位置合わせ処理を行う前に、撮像素子に撮影された多数の画像を結合して1枚の全体画像を生成することが必要となる。
しかし、各マイクロレンズ対応の多数の画像は、すべて上下左右が反転した画像であり、さらに多くの場合、1つのマイクロレンズ撮影画像と、隣接するマイクロレンズ撮影画像には重複して撮影されたオーバーラップ画像領域が存在する。
従って、1つの全体画像を生成するためには、アレイを構成するマイクロレンズ各々に対応する多数のマイクロレンズ撮影画像の各々について上下、左右反転処理を行い、かつ、各画像のオーバーラップ領域を検出して、オーバーラップ画像を削除する画像切り出しを行い、切り出し後の画像を結合するといった多数の処理が必要となる。
高画質な合成画像を生成するためには、これらの処理を複数の連続撮影画像の各フレーム単位で実行することが必要であり、処理時間、処理負荷が多大になるという問題がある。
特開2010−240215号公報
本開示は、例えば、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、マイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置を用いた撮影画像からの効率的な移動ベクトル(オプティカルフロー)検出を可能とした画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
また、本開示の一実施例では、マイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置を用いた撮影画像からの効率的な移動ベクトル(オプティカルフロー)検出を行い、さらに高画質画像を生成可能とした画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本開示の第1の側面は、
マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部を有し、
前記移動ベクトル算出部は、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する画像処理装置にある。
さらに、本開示の第2の側面は、
マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成部と、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合部を有する指紋認証処理を実行する画像処理装置にある。
さらに、本開示の第3の側面は、
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
移動ベクトル算出部が、
マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行し、
前記移動ベクトル算出ステップは、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出するステップである画像処理方法にある。
さらに、本開示の第4の側面は、
画像処理装置において指紋認証処理を実行する画像処理方法であり、
移動ベクトル算出部が、
マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップと、
画像合成部が、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成ステップと、
画像照合部が、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行する画像処理方法にある。
さらに、本開示の第5の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
移動ベクトル算出部に、
マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
前記移動ベクトル算出ステップにおいて、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理を実行させるプログラムにある。
さらに、本開示の第6の側面は、
画像処理装置において指紋認証処理を実行させるプログラムであり、
移動ベクトル算出部に、
マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
画像合成部に、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成させる画像合成ステップを実行させ、
画像照合部に、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行させるプログラムにある。
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本開示の一実施例の構成によれば、マイクロレンズアレイを用いた撮影画像からの移動ベクトル算出処理を、全体画像を生成することなく行う装置、方法が実現される。
具体的には、例えばマイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された連続撮影画像を入力して画像間の移動ベクトルを算出する。移動ベクトル算出部はマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する。複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域内の特徴点に対応する移動ベクトルを算出する際、同一特徴点対応の複数の移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。または、外れ値(異常値)を排除した残りの複数移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。
これらの処理により、マイクロレンズアレイを用いた撮影画像からの移動ベクトル算出処理を、全体画像を生成することなく行う装置、方法が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像装置の構成例について説明する図である。 マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像装置を用いた指紋認証処理例について説明する図である。 マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像装置の撮影画像について説明する図である。 マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像装置の撮影画像について説明する図である。 移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行するマイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置の撮影画像に基づく移動ベクトル算出処理について説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行する指紋認証処理シーケンスについて説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行する指紋認証処理シーケンスについて説明する図である。 本開示の画像処理装置が実行する指紋認証処理シーケンスについて説明する図である。 本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。 本開示の画像処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。 本開示の画像処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。 本開示の画像処理装置の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本開示の移動ベクトル算出処理を実行する装置の具体例について説明する図である。 本開示の移動ベクトル算出処理を実行する装置の具体例について説明する図である。 本開示の移動ベクトル算出処理を実行する装置の具体例について説明する図である。 画像処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
以下、図面を参照しながら本開示の画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
1.マイクロレンズアレイ型撮像装置について
2.マイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた指紋認証処理とその問題点について
3.本開示の画像処理装置における移動ベクトル算出処理について
4.本開示の画像処理装置を適用した指紋認証処理について
5.本開示の画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて
6.本開示の移動ベクトル算出処理を利用した具体的な装置例について
7.画像処理装置のハードウェア構成例について
8.本開示の構成のまとめ
[1.マイクロレンズアレイ型撮像装置について]
まず、図1以下を参照してマイクロレンズアレイ型撮像装置について説明する。
マイクロレンズアレイ(MLA:Micro Lens Array)型撮像装置は、複数のマイクロレンズを配列した撮像装置である。
図1には、マイクロレンズアレイ型撮像装置の(a)平面図(上面図)と(b)断面図を示している。(a)平面図(上面図)に示すように、マイクロレンズアレイ型撮像装置の上面には小さなレンズが多数、装着される。すなわちマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイ(MLA:Micro Lens Array)10が構成されている。
(b)断面図に示すように、マイクロレンズアレイ(MLA)10を構成するマイクロレンズ11を介して入射した光は、イメージセンサ(撮像素子)12に照射され撮像される。
イメージセンサ(撮像素子)12には、マイクロレンズアレイ(MLA)10を構成するマイクロレンズ11各々の撮影画像が個別に生成される。
[2.マイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた指紋認証処理とその問題点について]
次に、図2以下を参照してマイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた指紋認証処理とその問題点について説明する。
図2は、マイクロレンズアレイ(MLA)型撮像装置を用いた指紋認証処理のシーケンスを説明する図である。
指紋認証処理のシーケンスは、例えば図2に示すステップS11〜S14の処理となる。
まず、ステップS11において、ユーザの指の動画像を撮影する。
図2には、時間(t1)で撮影したマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1,21と、時間(t2)で撮影したマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2,22を示している。なお、ここでは2枚の連続撮影画像を用いた処理例について説明するが、さらに3枚以上の連続撮影画像を撮影して利用してもよい。
図2のステップS11に示すマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像21,22内に示す四角形の各々が、1つのマイクロレンズ撮影画像23である。
先に説明したように、マイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置では、撮像素子に撮影される画像はアレイを構成する各マイクロレンズ対応の多数の画像となる。
次のステップS12では、各マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像21,22各々の合成処理を行う。
マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像21,22に含まれる個々のマイクロレンズ撮影画像23は、すべて上下左右が反転した画像であり、さらに多くの場合、1つのマイクロレンズ撮影画像と、隣接するマイクロレンズ撮影画像には重複して撮影されたオーバーラップ画像領域がある。
従って、ステップS12の合成処理によって1つの全体画像を生成するためには、アレイを構成するマイクロレンズ各々に対応するマイクロレンズ撮影画像の各々について上下、左右反転処理を行い、かつ、各画像のオーバーラップ領域を検出して、オーバーラップ画像を削除する画像切り出しを行い、切り出し後の画像を結合するといった多数の処理が必要となる。
この処理を連続撮影画像であるマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像21,22の各々について実行することが必要となる。
この合成処理の結果として、合成全体画像@t1,31と、合成全体画像@t2,32の2枚の全体画像が生成される。これらは、時間t1と時間t2に連続撮影された指の画像となる。
ステップS13において、この2枚の画像、すなわち、合成全体画像@t1,31と、合成全体画像@t2,32を用いて、画像内の特徴点の移動ベクトル(オプティカルフロー)を検出する処理を実行する。
これは、合成全体画像@t1,31と、合成全体画像@t2,32から共通被写体であると推定される特徴点を見出し、2つの画像間の移動量と移動方向を算出する処理である。
次に、ステップS14において、ステップS13で算出した移動ベクトルに基づいて、2つの画像、すなわち合成全体画像@t1,31と、合成全体画像@t2,32の位置合わせを実行して、2つの画像の合成処理により高画質画像を生成する。例えば各対応画素の画素値のアルファブレンド処理等を実行して、より鮮明な高画質画像を生成する。
この処理の結果として指の鮮明な指紋情報等を持つ高画質画像35が生成される。
図には示していないが、最後にこの高画質画像35と予めメモリに登録してある指紋データとの照合処理を行う。
複数画像の合成を行うのは1枚の静止画のみでは指の特徴情報が不足し、認証精度が低下してしまう等の理由である。複数の連続撮影画像の合成を行うためには、複数の連続撮影画像フレームの位置合わせを行うことが必要となる。この位置合わせのために画像に含まれる特徴点の移動ベクトル(オプティカルフロー)を算出する処理が必要となる。
ステップS13の移動ベクトル(オプティカルフロー)算出では、2枚の連続撮影全体画像を用いた処理を行う。この全体画像生成処理のためにステップS12の合成処理が実行される。
前述したように、1つの全体画像を生成するためには、マイクロレンズアレイ(MLAを構成するマイクロレンズ各々に対応するマイクロレンズ撮影画像の各々について上下、左右反転処理を行うことが必要である。
さらに、マイクロレンズアレイ(MLA)を構成するマイクロレンズ撮影画像の各々には、多くの場合、オーバーラップ画像領域が存在する。従って、各画像のオーバーラップ領域を検出して、オーバーラップ画像を削除する画像切り出しを行い、切り出し後の画像を結合するといった大きな負荷の処理が必要となる。
図3を参照して、マイクロレンズアレイ(MLA)を構成するマイクロレンズ各々に対応する画像に発生するオーバーラップ画像領域について説明する。
図3(1)は、図1(b)を参照して説明したと同様のマイクロレンズアレイ型撮像装置の(b)断面図を示している。マイクロレンズアレイ(MLA)を構成するマイクロレンズの入射光の一部は隣接するマイクロレンズの入射光と重複した領域を含む。この結果、1つのマイクロレンズ撮影画像と、隣接するマイクロレンズ撮影画像には重複して撮影されたオーバーラップ画像領域が発生する。
図3(2)には、マイクロレンズアレイ40と、撮影領域41と、撮影画像42を示している。撮影領域41は、アルファベット、数値、記号から構成される。撮影画像42は、この撮影領域41の撮影結果であり、マイクロレンズアレイ40の左上部の4×4のマイクロレンズによる16個のマイクロレンズ撮影画像を示している。
図3(2)の撮影画像42から理解されるように、撮影画像42を構成するマイクロレンズ撮影画像の各々は、上下、左右が反転した画像として撮影されている。さらに、1つのマイクロレンズ撮影画像と、隣接するマイクロレンズ撮影画像には重複して撮影されたオーバーラップ画像領域が発生する。
例えば、撮影画像42の左上端のマイクロレンズ撮影画像にはアルファベット画像「A,B」のほぼ全体像と、数値画像「2,3」の一部が撮影されている。その右隣りのマイクロレンズ撮影画像にもアルファベット画像「B」の半分の画像が撮影されている。すなわち少なくともアルファベット画像「B」の一部は、この2つのマイクロレンズ撮影画像の双方の画像に撮影されているオーバーラップ画像である。
また、撮影画像42の左上端のマイクロレンズ撮影画像には数値画像「2,3」の上半分程度が撮影されているが、その下隣りのマイクロレンズ撮影画像にも数値画像「2,3」の下部が半分以上、撮影されている。すなわち少なくとも画像「2,3」の一部は、この2つのマイクロレンズ撮影画像の双方の画像に撮影されているオーバーラップ画像である。
マイクロレンズ撮影画像のオーバーラップ画像の発生態様について図4を参照して説明する。
図4に示す1つのマイクロレンズ撮影画像45に発生するオーバーラップ画像領域について説明する。
図4に示す1つのマイクロレンズ撮影画像45には、上下左右の辺領域の画像が、それぞれ他のマイクロレンズ撮影画像にも含まれるオーバーラップ画像領域となる。
マイクロレンズ撮影画像45の上端領域画像(U画像)は、図に示すマイクロレンズ撮影画像45の下方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の下端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
マイクロレンズ撮影画像45の下端領域画像(D画像)は、図に示すマイクロレンズ撮影画像45の上方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の上端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
マイクロレンズ撮影画像45の左端領域画像(L画像)は、図に示すマイクロレンズ撮影画像45の右方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の右端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
マイクロレンズ撮影画像45の右端領域画像(R画像)は、図に示すマイクロレンズ撮影画像45の左方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の左端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
このように、マイクロレンズ撮影画像の各々には、オーバーラップ画像領域が存在する。従って、全体画像を生成するためには、各画像のオーバーラップ領域を検出して、オーバーラップ画像を削除する画像切り出しを行い、切り出し後の画像を結合するといった処理が必要となる。これらの処理は負荷が大きく、処理遅延の発生や処理コストの増大といった問題が発生する。
[3.本開示の画像処理装置における移動ベクトル算出処理について]
次に、本開示の画像処理装置における移動ベクトル算出処理について説明する。
先に図2を参照して説明したように、移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理は、例えば2つの異なるタイミングで撮影された2つの画像間の対応点(特徴点)の移動態様を検出して同一被写体位置(対応画素位置)を検出するために実行される。複数画像の対応画素位置を算出した後、複数画像の合成処理により1枚の高画質画像が生成される。
一般的な移動ベクトル算出処理例について図5を参照して説明する。
図5は、マイクロレンズを用いた撮像装置ではなく、一般的な単一レンズのカメラの撮影画像を用いた移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理例を示す図である。
図5には2枚の連続撮影画像フレームf1,f2を示している。
画像フレームf1は時間t1の撮影画像であり、画像フレームf2はその直後の時間t2の撮影画像である。
フレームf1とフレームf2には同一被写体を撮影したと判断される特徴点a,51、特徴点b,52が撮影されている。
移動ベクトルは、フレームf2に示すように、フレームf1の特徴点位置を起点とし、フレームf2の同一特徴点位置を終点としたベクトルである。すなわち、移動ベクトル(オプティカルフロー)は、フレームf1撮影時から、フレームf2撮影時までの特徴点の移動方向と移動量を示すベクトルである。
一般的なカメラの撮影画像を用いた場合、各撮影時間の全体画像が連続的に取得でき、このように移動ベクトルの算出も比較的容易に実行することができる。
しかし、マイクロレンズを用いた撮像装置では、先に図2〜図4を讃しようして説明したように移動ベクトル算出に利用するための全体画像を生成する処理の処理負荷が大きくなり、結果として、連続撮影画像間の移動ベクトル算出処理の処理負荷も大きくなるという問題がある。
以下では、この問題を解決する本開示の移動ベクトル算出処理について説明する。
本開示の処理では、マイクロレンズを用いた撮像装置の撮影画像から1枚の全体画像を生成することなく、マイクロレンズを用いた撮像装置の撮影画像そのもの、すなわち多数のマイクロレンズ撮影画像を用いて移動ベクトル算出処理を実行する。
図6以下を参照して、本開示の画像処理装置が実行する具体的な処理例について説明する。
図6には、マイクロレンズアレイ(MLA)撮像装置による以下の2枚の連続撮影画像フレームの一部を示している。
(1)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1(フレームf1)
(2)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2(フレームf2)
(1)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1(フレームf1)は時間t1に撮影された画像であり、(2)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2(フレームf2)は、その直後の時間t2に撮影された画像である。
なお、図には各フレーム画像の一部、すなわち、3×3=9のマイクロレンズ撮影画像を示している。(1),(2)とも同一位置の9個のマイクロレンズによって撮影された画像である。
移動ベクトルの算出時には、まず、フレームf1の画像から特徴点を抽出する。図6に示す例は、フレームf1の中央のマイクロレンズ撮影画像101の中央領域画像(C画像)から特徴点a,102を抽出した例を示している。
なお、マイクロレンズ撮影画像101の中央領域画像(C画像)は、オーバーラップ画像領域ではない。すなわち、この中央領域画像(C画像)は、他の周囲のマイクロレンズ撮影画像には含まれない単一画像領域である。
この場合、このフレームf1から検出した特徴点a,102のフレーム2における探索範囲を、特徴点a,102を検出したマイクロレンズ撮影画像101と同じマイクロレンズ撮影画像101の中央領域画像(C画像)に設定して特徴点探索を行う。
すなわち、レンズの位置と画像の反転態様を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う。
この特徴点探索により、図6(2)のフレームf2のマイクロレンズ撮影画像101の中央領域画像(C画像)に特徴点a,102が検出されたとする。
この結果、図6(2)のフレームf2のマイクロレンズ撮影画像101の中央領域(C画像)に示す移動ベクトル103が算出される。
本開示の画像処理装置は、フレームf1から検出した特徴点の位置に応じて、フレーム2の対応特徴点検出範囲(探索範囲)を設定する。図6に示す例では、フレームf1から検出した特徴点a,102は、マイクロレンズ撮影画像101の中央領域(C画像)であり、オーバーラップ画像領域ではないため、フレーム2における探索範囲を、特徴点a,102を検出したマイクロレンズ撮影画像101と同じマイクロレンズ撮影画像101の中央領域画像(C画像)に限定しており、この探索範囲の限定により、高速な処理が可能となる。
次に、図7を参照して、特徴点がオーバーラップ画像領域(重複画像領域)に存在する場合の処理について説明する。
図7にも図6と同様、マイクロレンズアレイ(MLA)撮像装置による以下の2枚の連続撮影画像フレームの一部を示している。
(1)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1(フレームf1)
(2)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2(フレームf2)
(1)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1(フレームf1)は時間t1に撮影された画像であり、(2)マイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2(フレームf2)は、その直後の時間t2に撮影された画像である。(1),(2)とも同一位置の9個のマイクロレンズによって撮影された画像である。
移動ベクトルの算出時には、まず、フレームf1の画像から特徴点を抽出する。図7に示す例は、フレームf1の中央のマイクロレンズ撮影画像101の下部領域画像(D画像)から特徴点a,121を抽出した例を示している。
ここで、マイクロレンズ撮影画像101の下部領域画像(D画像)は、オーバーラップ画像領域である。すなわち、この下部領域画像(D画像)は、図に示すマイクロレンズ撮影画像101の上方向に隣接する上隣接マイクロレンズ撮影画像111にも含まれるオーバーラップ画像領域である。
この場合、このフレームf1から検出した特徴点a,121と同じ特徴点a,121を上隣接マイクロレンズ撮影画像111の上部領域画像(U画像)から検出することができる。
この場合、フレーム2における探索範囲を、特徴点a,121を検出したマイクロレンズ撮影画像101と同じマイクロレンズ撮影画像101の下部領域画像(D画像)に加え、同じ特徴点a,121を検出したオーバーラップ画像領域である上隣接マイクロレンズ撮影画像111と同じ上隣接マイクロレンズ撮影画像111の上部領域画像(U画像)に設定して特徴点探索を行う。
すなわち、レンズの位置と画像の反転態様、さらに画像重複領域を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う。
この特徴点探索により、図7(2)のフレームf2のマイクロレンズ撮影画像101の下部領域画像(D画像)と、上隣接マイクロレンズ撮影画像111の上部領域画像(U画像)から特徴点a,121が検出されたとする。
この結果、図7(2)のフレームf2のマイクロレンズ撮影画像101の下部領域画像(D画像)に、特徴点a,121対応の移動ベクトル113(1)が設定され、さらに、上隣接マイクロレンズ撮影画像111の上部領域画像(U画像)にも同じ特徴点a,121対応の移動ベクトル113(2)が設定される。
これらは、同じ1つの特徴点a,121対応の移動ベクトルであるので、最終的には1つの移動ベクトルに設定することが必要となる。この最終的な1つの移動ベクトル算出処理については後段で説明する。
ここでは、異なるマイクロレンズ撮影画像に同じ画像が含まれ、そこに同じ特徴点が検出された場合、これら2つの画像領域から1つの同じ特徴点に対応する2つの移動ベクトルが検出可能であることを説明した。
本開示の画像処理装置は、フレームf1から検出した特徴点の位置がオーバーラップ画像領域である場合、フレーム2の対応特徴点検出範囲(探索範囲)を、フレームf1から検出した特徴点の検出領域と同じ複数のオーバーラップ画像領域に設定する。この探索範囲の限定により、高速な処理が可能となる。
なお、図7に示す例は、同じ1つの特徴点a,121が、2つの異なるマイクロレンズ撮影画像から検出される例であるが、特徴点の検出位置によっては、同じ1つの特徴点が、4つの異なるマイクロレンズ撮影画像から検出される場合がある。
すなわち、同じ画像領域が4つの異なるマイクロレンズ撮影画像に含まれる場合がある。
この例について、図8を参照して説明する。
図8にも9個のマイクロレンズ撮影画像を示している。
中央のマイクロレンズ撮影画像101の4つの頂点の画像領域の画像の各々は、4つの異なるマイクロレンズ撮影画像に含まれる。
図8では、4つの頂点領域画像の1つであるマイクロレンズ撮影画像101左上端領域画像101ULについて説明する。
このマイクロレンズ撮影画像101左上端領域画像101ULは、この領域の画像と同一の画像が、マイクロレンズ撮影画像101と異なる他の3つのマイクロレンズ撮影画像にも含まれる。
図に丸印で示す領域であり、以下の3つの領域である。
(1)マイクロレンズ撮影画像101の右に隣接するマイクロレンズ撮影画像121の右上端領域画像121UR、
(2)マイクロレンズ撮影画像101の右下に隣接するマイクロレンズ撮影画像122の右下端領域画像122DR、
(3)マイクロレンズ撮影画像101の下に隣接するマイクロレンズ撮影画像123の左下端領域画像123DL、
このように、マイクロレンズ撮影画像101左上端領域画像101ULは、他の3つの異なるマイクロレンズ撮影画像121,122,123にも存在する。すなわち同じ画像領域が4つの異なるマイクロレンズ撮影画像に含まれる。
なお、図8では、中央のマイクロレンズ撮影画像101の4つの頂点の1つのみについて説明したが、4つの頂点画像は、全て、同様であり、4つの異なるマイクロレンズ撮影画像に含まれる画像領域である。
このように同一の画像が4つの画像領域に含まれる場合、本開示の画像処理装置は、この領域で特徴点を検出した場合、同じ画像が含まれる4つの画像領域の全てで、同一特徴点に対応する4つの移動ベクトル検出処理を実行する。
なお、特徴点の探索範囲は、各フレームの同じ4つのマイクロレンズの4つの撮影画像領域に限定して行う。
すなわち、レンズの位置と画像の反転態様、さらに画像重複領域を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う。
次に、図9以下を参照して移動ベクトルの算出処理の具体例について説明する。
以下では、以下の3つのタイプの移動ベクトル算出処理について、順次、説明する。
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
まず、(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理について、図9(1)を参照して説明する。
この移動ベクトル算出処理は、先に図6を参照して説明した処理に対応する。
すなわち、オーバーラップ画像領域ではないマイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から検出した特徴点に対応する移動ベクトルの算出処理である。本例では、同一特徴点対応の移動ベクトルは1つのみ検出可能である。
マイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)は、オーバーラップ画像領域ではなく、中央領域画像(C画像)は、他の周囲のマイクロレンズ撮影画像には含まれない単一画像領域である。
この場合、特徴点を検出したフレームf1のマイクロレンズ撮影画像と同じフレームf2のマイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)を探索範囲に設定して特徴点探索を行う。この特徴点探索により、フレームf2から特徴点が検出された場合、フレームf1の特徴点位置(x1,y1)を起点とし、フレームf2の特徴点位置(x2,y2)を終点としたベクトルを算出する。
この結果、図9(1)に示すように、
移動ベクトルV=(Vx,Vy)=(x2−x1,y2−y1)
を算出することができる。
次に、(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理について、図9(2)を参照して説明する。
この移動ベクトル算出処理は、先に図7を参照して説明した処理に対応する。
すなわち、2つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像の端部領域(4頂点近傍領域を除く)の移動ベクトル算出処理である。本例では、同一特徴点対応の移動ベクトルが2つ検出可能となる。
マイクロレンズ撮影画像の端部領域(4頂点近傍領域を除く)は、オーバーラップ画像領域であり、他の1つのマイクロレンズ撮影画像に同じ画像が含まれる2画像重複領域である。
この場合、同一の特徴点を検出したフレームf1の2つのマイクロレンズ撮影画像の画像領域(オーバーラップ画像領域)と同じフレームf2の2つのマイクロレンズ撮影画像の画像領域(オーバーラップ画像領域)を探索範囲に設定して特徴点探索を行う。この特徴点探索により、フレームf2からは2つの同じ特徴点対応の2つの移動ベクトルが検出される場合がある。
この2つの移動ベクトルについて、図9(2)に示す処理(ステップS51)によって、最終的な1つの移動ベクトルを算出する。
すなわち、同じ特徴点対応の2つの移動ベクトルの平均値V=(Vx,Vy)を、以下の(式1)に従って算出する。
Figure 2020021879
上記(式1)に従って算出された同じ特徴点対応の2つの移動ベクトルの平均値V=(Vx,Vy)を移動ベクトルとして算出する。
次に、(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理について、図10(3)を参照して説明する。
この移動ベクトル算出処理は、先に図8を参照して説明したように同じ画像が4つのマイクロレンズ撮影画像に含まれる場合の処理に対応する。
すなわち、4つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像4頂点近傍領域の移動ベクトル算出処理である。本例では、同一特徴点対応の移動ベクトルが4つ検出可能となる。
マイクロレンズ撮影画像の4頂点近傍領域は、オーバーラップ画像領域であり、4つのマイクロレンズ撮影画像に同じ画像が含まれる4画像重複領域である。
この場合、同一の特徴点を検出したフレームf1の4つのマイクロレンズ撮影画像の画像領域(オーバーラップ画像領域)と同じフレームf2の4のマイクロレンズ撮影画像の画像領域(オーバーラップ画像領域)を探索範囲に設定して特徴点探索を行う。この特徴点探索により、フレームf2からは4つの同じ特徴点対応の4つの移動ベクトルが検出される場合がある。
この4つの移動ベクトルについて、図10(3)に示す処理(ステップS71〜S73)によって、最終的な1つの移動ベクトルを算出する。
まず、ステップS71において、同じ特徴点対応の4つの移動ベクトルの平均値V=(Vx,Vy)を、以下の(式2)に従って算出する。
Figure 2020021879
次に、ステップS72において、4つの移動ベクトルから、外れ値(異常値)を除外する処理を行う。
この処理は、以下の(式3)に従って実行する。
Figure 2020021879
次に、ステップS73において、ステップS72で検出した外れ値(異常値)を除外して、再度、残りの移動ベクトルの平均値V=(Vx,Vy)を算出する。
この結果、算出した平均値V=(Vx,Vy)を、最終的な特徴点に対応する移動ベクトルとする。
このように、本開示の画像処理装置は、図9〜図10を参照して説明した3つのタイプの移動ベクトル算出処理、すなわち、以下の3種類の処理を行う。
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
上記処理中、
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
これらの処理では、同一特徴点に対応する複数の移動ベクトルを用いて、最終的な特徴点対応の1つの移動ベクトルを算出するものであり、1つのデータに依存しない複数データに基づく処理を行うことで、より高精度な移動ベクトル算出を行うことが可能となる。
なお、上記(1)〜(3)の処理のいずれを実行するかについては、画像処理装置のデータ処理部が検出した、特徴点の位置によって決定する。
マイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から特徴点を検出した場合は、
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
また、2つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像の端部領域(4頂点近傍領域を除く)から特徴点を検出した場合は、
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
さらに、4つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像の4頂点近傍領域から特徴点を検出した場合は、
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
ただし、例外的に、マイクロレンズアレイの最外周位置にあるマイクロレンズ対応のマイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点に対する処理は異なる処理を行う。
この例外処理について、図11以下を参照して説明する。
図11左側には、マイクロレンズアレイ(MLA)10を示し、その最外周位置にあるマイクロレンズを白く示している。
例えば、この中の1つののマイクロレンズa150の撮影画像について考察する。
図11右側には、マイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置にあるマイクロレンズa150の撮影画像であるマイクロレンズa撮影画像151を示している。
このマイクロレンズa撮影画像151の上部領域画像(U画像)は、図に示すマイクロレンズa撮影画像151の下方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の下端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
また、マイクロレンズa撮影画像151の下端領域画像(D画像)は、図に示すマイクロレンズa撮影画像151の上方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の上端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
マイクロレンズa撮影画像151の左端領域画像(L画像)は、図に示すマイクロレンズa撮影画像151の右方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の右端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
しかし、マイクロレンズa撮影画像151の右端領域画像(R画像)は、マイクロレンズa撮影画像151の左側にマイクロレンズ撮影画像が存在しないため、他のマイクロレンズ撮影画像に同一画像が存在しない単一画像となる。
この場合、本開示の画像処理装置は、マイクロレンズa撮影画像151の右端領域画像(R画像)から特徴点を検出した場合は、マイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から特徴点を検出した場合と同様、図9(1)に示す処理、すなわち、
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
図12は、図11と同様のマイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置にあるマイクロレンズa150の撮影画像であるマイクロレンズa撮影画像151を示した図である。
図12右側の図は、マイクロレンズa撮影画像151の右上部領域画像(UR画像)151URのオーバーラップ態様を説明する図である。この4頂点近傍画像は、マイクロレンズ撮影画像がマイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置でない場合は、先に図8を参照して説明したように、4つの重複画像が存在し、図10(3)を参照して説明した
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
しかし、図12に示すように、マイクロレンズa撮影画像151の左側にマイクロレンズ撮影画像が存在しないため、マイクロレンズa撮影画像151の右上部領域画像(UR画像)151URのオーバーラップ画像は、マイクロレンズa撮影画像151の下側に隣接するマイクロレンズ撮影画像152にのみ存在する。
すなわち、2つの重複画像が存在するのみとなる。
従って、本開示の画像処理装置は、マイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置にあるマイクロレンズa撮影画像151の頂点近傍領域画像から特徴点を検出した場合は、2つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域から特徴点を検出した場合と同様、図9(2)に示す、
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
図13は、マイクロレンズアレイ(MLA)10の頂点位置の1つののマイクロレンズ
b160の撮影画像に対する処理を説明する図である。図13右側には、マイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置でかつ頂点位置にあるマイクロレンズb160の撮影画像であるマイクロレンズb撮影画像161を示している。
このマイクロレンズb撮影画像161の上部領域画像(U画像)は、図に示すマイクロレンズb撮影画像161の下方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の下端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
また、マイクロレンズb撮影画像161の左端領域画像(L画像)は、図に示すマイクロレンズb撮影画像161の右方向に隣接する他のマイクロレンズ撮影画像の右端領域画像と同一のオーバーラップ画像となる。
しかし、マイクロレンズb撮影画像161の下端領域画像(D画像)と、右端領域画像(R画像)は、マイクロレンズb撮影画像161の上側と左側にマイクロレンズ撮影画像が存在しないため、他のマイクロレンズ撮影画像に同一画像が存在しない単一画像となる。
この場合、本開示の画像処理装置は、マイクロレンズb撮影画像161の下端領域画像(D画像)、または右端領域画像(R画像)から特徴点を検出した場合は、マイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から特徴点を検出した場合と同様、図9(1)に示す処理、すなわち、
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
図14は、図13と同様のマイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置、かつ頂点位置にあるマイクロレンズb160の撮影画像であるマイクロレンズb撮影画像161を示した図である。
図14右側の図は、マイクロレンズb撮影画像161の右上部領域画像(UR画像)161URのオーバーラップ態様を説明する図である。この4頂点近傍画像は、マイクロレンズ撮影画像がマイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周位置でない場合は、先に図8を参照して説明したように、4つの重複画像が存在し、図10(3)を参照して説明した
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
しかし、図14に示すように、マイクロレンズb撮影画像161の上側と左側にマイクロレンズ撮影画像が存在しないため、マイクロレンズb撮影画像161の右上部領域画像(UR画像)161URのオーバーラップ画像は、マイクロレンズb撮影画像161の下側に隣接するマイクロレンズ撮影画像162にのみ存在する。
すなわち、2つの重複画像が存在するのみとなる。
従って、本開示の画像処理装置は、マイクロレンズアレイ(MLA)10の最外周の頂点位置にあるマイクロレンズb撮影画像161の右上部領域画像(UR画像)161URから特徴点を検出した場合は、2つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域から特徴点を検出した場合と同様、図9(2)に示す、
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
また、マイクロレンズb撮影画像161の右下部領域画像(DR画像)161DRのオーバーラップ画像は、マイクロレンズb撮影画像161の上側にも左側にも隣接するマイクロレンズ撮影画像が存在しないため、重複画像が存在しない単一画像領域となる。
この場合、本開示の画像処理装置は、マイクロレンズb撮影画像161の右下部領域画像(DR画像)161DRから特徴点を検出した場合は、マイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から特徴点を検出した場合と同様、図9(1)に示す処理、すなわち、
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
このように、本開示の画像処理装置は、特徴点を検出した位置の画像領域と同一の画像領域がマイクロレンズ撮影画像中ら、いくつ含まれるかを判定して、その数に応じて、図9、図10を参照して説明した処理、すなわち、
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
これらのいずれを実行するかを選択し、選択した処理を実行する。
[4.本開示の画像処理装置を適用した指紋認証処理について]
次に、上述した本開示の移動ベクトル(オプティカルフロー)処理を適用した本指紋認証処理について説明する。
なお、マイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた生体認証装置としては、例えば、静脈認証や、指紋認証や、虹彩認証等を行う生体認証装置があるが、ここではその代表例としてマイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた指紋認証装置について説明する。本開示の構成は、指紋認証装置に限らず、静脈認証や虹彩認証等のその他の生体認証装置にも適用可能である。
図15は、本開示の画像処理装置による指紋認証処理のシーケンスを説明する図である。指紋認証処理のシーケンスは、例えば図15に示すステップS101〜S103の処理に従って実行される。
なお、マイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた従来型の指紋認証処理シーケンスについては、先に図2を参照して説明したが、図15に示すシーケンスは、同じマイクロレンズアレイ型撮像装置を用いた指紋認証処理を大きな処理負荷を発生させることなく効率的に実行可能としたシーケンスである。
図15に示すステップS101〜S103の処理について、順次、説明する。なお、これらの処理は、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するCPU等を備えた制御部(データ処理部)の制御下で実行することが可能である。
(ステップS101)
まず、ステップS101において、ユーザの指の動画像を撮影する。
図15には、時間(t1)で撮影したマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t1,201と、時間(t2)で撮影したマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像@t2,202を示している。なお、ここでは2枚の連続撮影画像を用いた処理例について説明するが、さらに3枚以上の連続撮影画像を利用してもよい。
図15のステップS101に示すマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像201,202内に示す四角形の各々が、1つのマイクロレンズ撮影画像203である。
先に説明したように、マイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置では、撮像素子に撮影される画像はアレイを構成する各マイクロレンズ対応の多数の画像となる。
(ステップS102)
次のステップS102では、2枚の連続撮影画像である2枚のマイクロレンズアレイ(MLA)撮影画像201,202から移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理を実行する。
この移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理は、先に図6〜図13を参照して説明した本開示の移動ベクトル検出処理である。すなわち、先に図2を参照して説明したステップS12のように全体画像を生成することなく多数のマイクロレンズ撮影画像からなる撮影画像自体を用いて移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理を実行する。
本開示の画像処理装置は、多数のマイクロレンズ撮影画像からなる撮影画像から移動ベクトル算出対象となる特徴点を検出し、検出した特徴点の位置によって、異なる探索範囲の設定と移動ベクトル算出処理を実行する。
具体的には、1つのマイクロレンズ撮影画像の中央領域画像(C画像)から特徴点を検出した場合は、異なるタイミングで撮影されたマイクロレンズ撮影画像の同じ位置の中央領域画像(C画像)を探索範囲として対応特徴点を探索する。さらに、先に図9(1)を参照して説明した
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
を実行する。
また、2つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像の端部領域(4頂点近傍領域を除く)から特徴点を検出した場合は、まず、同一フレームのオーバーラップ画像領域から同一の特徴点を検出する。
次に、異なるタイミングで撮影されたマイクロレンズ撮影画像の同じ2つの画像領域を探索範囲として対応特徴点を探索する。さらに、先に図9(2)を参照して説明した
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
さらに、4つの同じ画像が存在するオーバーラップ画像領域であるマイクロレンズ撮影画像の4頂点近傍領域から特徴点を検出した場合は、まず、同一フレームのオーバーラップ画像領域から同一の特徴点を検出する。
次に、異なるタイミングで撮影されたマイクロレンズ撮影画像の同じ4つの画像領域を探索範囲として対応特徴点を探索する。さらに、先に図10(3)を参照して説明した
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理を実行する。
これらの処理を行うことで、先に図2を参照して説明したステップS12のように全体画像を生成することなく移動ベクトル(オプティカルフロー)を検出することが可能となる。
(ステップS103)
次に、ステップS103において、ステップS102で検出した移動ベクトルを用いて、各画像の位置合わせを実行して高画質画像生成処理を行う。なお、この画像位置合わせ処理と、高画質画像生成処理はマイクロレンズ撮影画像単位で実行することが可能である。
画像位置合わせ処理と高画質画像生成処理をマイクロレンズ撮影画像単位で実行し、その後、高画質化されたマイクロレンズ撮影画像を結合して、1つの高画質全体画像を生成する。
ここでは、個々のマイクロレンズ撮影画像の上下左右の反転処理、およびオーバーラップ領域の検出し削除する画像切り出しと、切り出し後の画像の結合処理が必要となるが、本開示の処理ではこの処理は1回のみである。
先に図2を参照して説明した処理では、ステップS12において、各撮影画像各々について全体画像を生成する処理が必要であり、最低2枚以上の連続撮影画像を利用した処理を行うことを想定すると、本開示の処理では、全体画像生成処理の工数は、図2に示す従来の処理の1/2以下になる。
ステップS103の処理の結果として指の鮮明な指紋情報等を持つ高画質画像210が生成される。
図には示していないが、最後にこの高画質画像210と予めメモリに登録してある指紋データとの照合処理を行う。
なお、本開示の処理では、ステップS102の移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理に際して、特徴点が重複画像領域から検出された場合、同一特徴点に対応する複数の移動ベクトルを用いて、最終的な特徴点対応の1つの移動ベクトルを算出する。すなわち、1つのデータに依存しない複数データに基づく処理を行う構成であり、より高精度な移動ベクトル算出を行うことが可能となる。
図16、図17は、本開示の画像処理装置を適用した指紋認証処理の具体例を説明する図である。図16〜図17には指紋認証処理の処理ステップS101〜S104の各処理の具体例を示している。ステップS101〜S103の処理は、図15を参照して説明した処理ステップS101〜S103に対応する処理である。
図16〜図17に示す各ステップの処理について説明する。
(ステップS101)
ステップS101は、ユーザの指の動画像の撮影ステップである。図17に示すように、ユーザが指をスマートホンの画面上をスライドさせる。スマートホンの画面上にはマイクロレンズアレイ(MLA)型の撮像装置が搭載されている。
図16に示すように、指の動きに併せてフレームf1〜f3の3枚の連続撮影画像が撮影される。
(ステップS102)
次のステップS102は、ステップS101で撮影した3枚の画像を用いた移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理である。
図16ステップS102には、
フレームf1とフレームf2間の移動ベクトル検出処理結果、
フレームf2とフレームf3間の移動ベクトル検出処理結果、
これらの移動ベクトル検出結果の例を示している。
このように2枚以上の連続撮影画像間の移動ベクトルの検出を行い、例えばフレームf2を基準画像として、フレームf1とフレームf3の画像の位置を基準画像(フレームf2)の位置に併せて合成することで高画質な合成画像を生成できる。
図16のステップS102に示す移動ベクトル(オプティカルフロー)検出処理は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した処理として実行される。
図6〜図13を参照して説明した本開示の移動ベクトル検出処理を実行した結果である。マイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点の位置に応じて、先に図9、図10を参照して説明した3つのタイプの移動ベクトル算出処理、すなわち、以下の3種類の処理のいずれかを行う。
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
この処理を行うことで、先に図2を参照して説明したステップS12のように全体画像を生成することなく移動ベクトル(オプティカルフロー)を検出することが可能となる。
(ステップS103)
次のステップS103の処理は、ステップS102で検出した移動ベクトルを用いて、各画像の位置合わせを実行して高画質画像を生成する処理である。
図16に示す例では、フレームf1〜f3の3枚の画像を用いて高画質画像を生成する。例えば基準画像であるフレームf2の位置にフレームf1の画像位置を合せる。この位置合わせ処理はステップS102で検出したフレームf1とフレームf2間の移動ベクトルを用いて実行することができる。
さらに、基準画像であるフレームf2の位置にフレームf3の画像位置を合せる。この位置合わせ処理はステップS102で検出したフレームf2とフレームf3間の移動ベクトルを用いて実行することができる。
その後、これら3つの異なる撮影タイミングの対応画素のアルファブレンド等の処理により、高画質化処理を実行する。その後、高画質化されたマイクロレンズ撮影画像を結合して、1つの高画質全体画像を生成する。ここでは、個々のマイクロレンズ撮影画像の上下左右の反転処理、およびオーバーラップ領域の検出し削除する画像切り出しと、切り出し後の画像の結合処理が必要となるが、本開示の処理では、この処理は1つの全体画像生成処理のみである。
ステップS103の処理の結果として指の鮮明な指紋情報等を持つ高画質画像が生成される。
(ステップS104)
最後に図17に示すステップS104において指紋認証処理を実行する。この指紋認証処理は、ステップS103で生成した高画質画像と、予めメモリ230に登録してある指紋データとの照合処理である。
ステップS103で生成した高画質画像は図17に示す(a)高画質画像である。この高画質画像は、ステップS103においてあ毎の連続撮影画像に基づいて生成された画像である。
この高画質画像には鮮明な指紋(特徴点)221が撮影されており、メモリ230に予め登録済みの(b)登録画像と照合することで、同一性についての高精度の判定処理が可能となる。
このように本開示の処理では、マイクロレンズ撮影画像単位での移動ベクトル検出処理を行うことで、連続撮影画像単位の全体画像生成処理工程(図2のステップS12)を省略することが可能となり、効率的な処理が実現される。
また、図9、図10を参照して説明したように重複画像領域から検出された同一特徴点対応の複数の移動ベクトルから最終的な1つの移動ベクトルを算出することにより、より高精度な移動ベクトルの算出が可能となる。
[5.本開示の画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて]
次に、図18以下を参照して本開示の画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて説明する。なお、以下では、本開示の移動ベクトル算出処理を利用した画像処理装置として、以下の3つの画像処理装置について、順次、説明する。
(実施例1)指紋認証、登録処理を実行する画像処理装置
(実施例2)表示画面に対する指の操作(フリック、スワイプ等)を検出する画像処理装置
(実施例3)動画像の圧縮処理を実行する画像処理装置
(実施例1)指紋認証、登録処理を実行する画像処理装置
まず、実施例1として、指紋認証処理や指紋登録処理を実行する画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて説明する。
図18は、本実施例1の画像処理装置300の構成例を示す図である。
図18に示すように、画像処理装置300は、撮像部301、移動ベクトル算出部302、画像合成部303、画像照合/登録部304、メモリ305を有する。なお、図18に示すブロック図は、本開示の処理に必要となる主要な構成要素のみを示したブロック図であり、画像処理装置300は図18に示す構成要素に限らず、例えば制御部、記憶部、入力部、出力部等の構成要素を有する。
なお、撮像部301は、画像処理装置とは別の構成としてもよい。この場合、画像処理装置300は、撮像部301の撮像画像を図示しない入力部を介して入力して処理を行う。
各構成部について説明する。
撮像部301は、先に図1を参照して説明したマイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部である。複数のマイクロレンズを介した撮影画像を撮影する。例えば、スマートホンの画面上でユーザの指をスライドさせた際の指の動画像を撮影する。動画像を構成する各フレームの画像は、いずれも多数のマイクロレンズ撮影画像によって構成される。マイクロレンズ撮影画像の各々は、上下左右が反転した画像であり、一部に他のマイクロレンズ撮影画像との重複領域が含まれる画像である。
撮像部301の撮影画像である動画像は、移動ベクトル算出部302に入力される。
移動ベクトル算出部302は、撮像部301の撮影画像である動画像の各フレーム画像の移動ベクトル(オプティカルフロー)の算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部302は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部302は、マイクロレンズ撮影画像から特徴点を検出し、検出した特徴点の位置に応じて、先に図9、図10を参照して説明した3つのタイプの移動ベクトル算出処理、すなわち、以下の3種類の処理のいずれかを行う。
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
移動ベクトル算出部302が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、画像合成部303に出力される。
画像合成部303は、移動ベクトル算出部302が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、撮像部301の撮影した動画像を構成する連続撮影画像の位置合わせを実行して高画質画像を生成する。この処理の結果として指の鮮明な指紋情報等を持つ高画質画像が生成される。
具体的には、例えば、異なる撮影タイミングの対応画素のアルファブレンド等の処理により、高画質化処理を実行する。その後、高画質化されたマイクロレンズ撮影画像を結合して、1つの高画質全体画像を生成する。ここでは、個々のマイクロレンズ撮影画像の上下左右の反転処理、およびオーバーラップ領域の検出し削除する画像切り出しと、切り出し後の画像の結合処理が必要となるが、本開示の処理では、この処理は1つの全体画像生成処理のみである。
画像合成部303が生成した高画質画像は、画像照合/登録部304に出力される。
画像照合/登録部304は、画像合成部303から指の高画質画像を入力して、画像照合処理、または登録処理を実行する。
指紋認証処理の実行時は、画像合成部303から入力した指の高画質画像と、メモリ315に格納済みの登録画像との照合処理を実行する。照合成立の場合は、次の処理に移行する。照合エラーの場合は、認証エラーであることのメッセージを出力する。
一方、指紋登録処理時には、画像合成部303から入力した指の高画質画像を、登録情報としてメモリ315に格納する。
この図18に示す画像処理装置300の処理シーケンスについて図19に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、図19に示すフローチャートに従った処理は、例えば、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って実行可能な処理であり、プログラム実行機能を有するCPU等を備えた制御部(データ処理部)の制御の下で実行することができる。
以下、図19に示すフローの各ステップの処理について、順次、説明する。
(ステップS201)
まず、ステップS201において連続撮影画像、すなわち動画像を撮影する。
この処理は、図18に示す画像処理装置300の撮像部301が実行する。撮像部301は、複数のマイクロレンズを介した撮影画像を撮影する。例えば、スマートホンの画面上でユーザの指をスライドさせた際の指の動画像を撮影する。
撮像部301の撮影画像である動画像は、移動ベクトル算出部302に入力される。
(ステップS202)
次に、ステップS202において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトル算出処理を実行する。この処理は、移動ベクトル算出部302が実行する。移動ベクトル算出部302は、撮像部301の撮影画像である動画像の各フレーム画像の移動ベクトル(オプティカルフロー)の算出処理を実行する。移動ベクトル算出部302は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部302は、マイクロレンズ撮影画像から特徴点を検出し、検出した特徴点の位置に応じて、先に図9、図10を参照して説明した3つのタイプの移動ベクトル算出処理、すなわち、以下の3種類の処理のいずれかを行う。
(1)単一画像領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(2)2画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
(3)4画像重複領域の特徴点対応の移動ベクトル算出処理
移動ベクトル算出部302が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、画像合成部303に出力される。
(ステップS203)
次に、ステップS203において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトルを利用した位置合わせ処理を実行する。この処理は、画像合成部303が実行する。
画像合成部303は、移動ベクトル算出部302が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、撮像部301の撮影した動画像を構成する連続撮影画像の位置合わせを実行して高画質画像を生成する。この処理の結果として指の鮮明な指紋情報等を持つ高画質画像が生成される。
(ステップS204)
さらに、ステップS204において、画像合成部303は高画質化されたマイクロレンズ撮影画像を結合して1つの高画質全体画像を生成する。ここでは、個々のマイクロレンズ撮影画像の上下左右の反転処理、およびオーバーラップ領域の検出し削除する画像切り出しと、切り出し後の画像の結合処理を行う。画像合成部303が生成した高画質画像は、画像照合/登録部304に出力される。
(ステップS205〜S211)
次の、ステップS205〜S211の処理は、画像照合/登録部304が実行する処理である。画像照合/登録部304は、画像合成部303から指の高画質画像を入力して、画像照合処理、または登録処理を実行する。
ステップS205で、実行する処理が指紋認証処理であるか指紋登録処理であるかを判定する。この判定は処理開示時のアプリケーションの設定に応じて判定すること等が可能である。
実行する処理が指紋認証処理である場合は、ステップS206〜S209の処理を実行する。
一方、実行する処理が指紋登録処理である場合は、ステップS211の処理を実行する。
実行する処理が指紋認証処理である場合は、ステップS206において、画像合成部303から入力した指の高画質画像と、メモリ315に格納済みの登録画像との照合処理を実行する。照合成立の場合(ステップS207=Yes)は、ステップS208において、照合成立メッセージを出力し、次の処理に移行する。一方、照合不成立の場合(ステップS207=No)は、照合エラーメッセージを出力する。
一方、ステップS205において、指紋登録処理の実行であると判定した場合は、ステップS211に進み、画像合成部303から入力した指の高画質画像を登録情報としてメモリ315に格納する。
(実施例2)表示画面に対する指の操作(フリック、スワイプ等)を検出する画像処理装置
次に、実施例2として、表示画面に対する指の操作(フリック、スワイプ等)を検出する画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて説明する。
図20は、本実施例2の画像処理装置310の構成例を示す図である。
図20に示すように、画像処理装置310は、撮像部311、移動ベクトル算出部312、移動方向判別部313、処理実行部314、メモリ315を有する。なお、図20に示すブロック図は、本開示の処理に必要となる主要な構成要素のみを示したブロック図であり、画像処理装置310は図20に示す構成要素に限らず、例えば制御部、記憶部、入力部、出力部等の構成要素を有する。
なお、撮像部311は、画像処理装置とは別の構成としてもよい。この場合、画像処理装置310は、撮像部311の撮像画像を図示しない入力部を介して入力して処理を行う。
各構成部について説明する。
撮像部311と移動ベクトル算出部312は、先に図18を参照して説明した撮像部301と移動ベクトル算出部302と同様の処理を実行する。すなわち、撮像部311は、マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部である。移動ベクトル算出部312は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部312が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、移動方向判別部313に入力される。
移動方向判別部313は、移動ベクトル算出部312が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、ユーザの指の動き方向を判別する。具体的にはユーザの指によるフリック動作やスワイプ動作の指の動き方向を判別する。
なお、フリック動作は、スマホ等の画面上で指をはじくように移動させる動作であり、スワイプ動作は、画面上に指を接触させたままスライドさせる処理である。
移動方向判別部313は、移動ベクトル算出部312が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、ユーザの指の動き方向を判別する。移動ベクトル算出部312は、マイクロレンズ撮影画像の画像領域単位の多数の移動ベクトルを算出するが、移動方向判別部313は、例えば、これらの多数の移動ベクトルの平均値等を算出してユーザの指の動き方向を判別する。
移動方向判別部313の判別したユーザの指の移動方向情報は、処理実行部314に出力される。
処理実行部314は、移動方向判別部313の判別したユーザの指の移動方向に応じた処理を実行する。処理とは例えばスマホの表示画面の更新処理等、ユーザのフリックやスワイプ動作に応じた処理である。処理の実行には例えばメモリ315の格納データやアプリケーションが利用される。
この図20に示す画像処理装置310の処理シーケンスについて図21に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、図21に示すフローチャートに従った処理は、例えば、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って実行可能な処理であり、プログラム実行機能を有するCPU等を備えた制御部(データ処理部)の制御の下で実行することができる。
以下、図21に示すフローの各ステップの処理について、順次、説明する。
(ステップS221〜S222)
ステップS221〜S222の処理は、先に図19を参照して説明したフローのステップS201〜S202の処理と同様の処理である。
すなわち、ステップS221において連続撮影画像、すなわち動画像を撮影する。
この処理は、図20に示す画像処理装置310の撮像部311が複数のマイクロレンズを介した撮影画像を撮影する。例えば、スマートホンの画面上でユーザの指をスライドさせた際の指の動画像を撮影する。
撮像部311の撮影画像である動画像は、移動ベクトル算出部312に入力される。
移動ベクトル算出部312は、ステップS222において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトル算出処理を実行する。移動ベクトル算出部312は、撮像部311の撮影画像である動画像の各フレーム画像の移動ベクトル(オプティカルフロー)の算出処理を実行する。移動ベクトル算出部312は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部312が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、移動方向判別部313に出力される。
(ステップS223)
次に、ステップS223において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトルを利用した移動方向(フリック、スワイプ指示方向)判別処理を実行する。この処理は、図20に示す移動方向判別部313が実行する。
移動方向判別部313は、移動ベクトル算出部312が検出したマイクロレンズ撮影画像の画像領域単位の多数の移動ベクトルの平均値等を算出してユーザの指の動き方向を判別する。
移動方向判別部313の判別したユーザの指の移動方向情報は、処理実行部314に出力される。
(ステップS224)
次に、ステップS224において、移動方向(フリック、スワイプ指示方向)判別結果に基づく処理を実行する。この処理は処理実行部314が実行する。
処理実行部314は、移動方向判別部313の判別したユーザの指の移動方向に応じた処理を実行する。処理とは例えばスマホの表示画面の更新処理等、ユーザのフリックやスワイプ動作に応じた処理である。処理の実行には例えばメモリ315の格納データやアプリケーションが利用される。
(実施例3)動画像の圧縮処理を実行する画像処理装置
次に、実施例3として、動画像の圧縮処理を実行する画像処理装置の構成例と処理シーケンスについて説明する。
図22は、本実施例3の画像処理装置320の構成例を示す図である。
図22に示すように、画像処理装置320は、撮像部321、移動ベクトル算出部322、画像圧縮処理実行部323、通信部324、メモリ325を有する。なお、図22に示すブロック図は、本開示の処理に必要となる主要な構成要素のみを示したブロック図であり、画像処理装置320は図22に示す構成要素に限らず、例えば制御部、記憶部、入力部、出力部等の構成要素を有する。
なお、撮像部321は、画像処理装置とは別の構成としてもよい。この場合、画像処理装置320は、撮像部321の撮像画像を図示しない入力部を介して入力して処理を行う。
各構成部について説明する。
撮像部321と移動ベクトル算出部322は、先に図18を参照して説明した撮像部301と移動ベクトル算出部302と同様の処理を実行する。すなわち、撮像部321は、マイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部である。移動ベクトル算出部322は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、画像圧縮処理実行部323に入力される。
画像圧縮処理実行部323は、移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、動画像の圧縮処理を実行する。具体的には例えばMPEG圧縮アルゴリズムに従った動画像圧縮処理を実行する。
MPEG圧縮処理では、高い圧縮率を実現するため異なるフレーム間の差分情報を算出し差分情報を符号化する処理を行う。この差分算出に移動ベクトルが用いられる。画像圧縮処理実行部323は、移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して差分算出を実行してMPEG圧縮処理を実行する。
画像圧縮処理実行部323による画像圧縮結果は、通信部324を介して外部に出力される。あるいはメモリ325に格納される。
次に、この図22に示す画像処理装置320の処理シーケンスについて図23に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、図23に示すフローチャートに従った処理は、例えば、画像処理装置の記憶部に格納されたプログラムに従って実行可能な処理であり、プログラム実行機能を有するCPU等を備えた制御部(データ処理部)の制御の下で実行することができる。
以下、図23に示すフローの各ステップの処理について、順次、説明する。
(ステップS251〜S252)
ステップS251〜S252の処理は、先に図19を参照して説明したフローのステップS201〜S202の処理と同様の処理である。
すなわち、ステップS251において連続撮影画像、すなわち動画像を撮影する。
この処理は、図22に示す画像処理装置320の撮像部321が複数のマイクロレンズを介した撮影画像を撮影する。撮像部321の撮影画像である動画像は、移動ベクトル算出部322に入力される。
移動ベクトル算出部322は、ステップS252において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトル算出処理を実行する。移動ベクトル算出部322は、撮像部321の撮影画像である動画像の各フレーム画像の移動ベクトル(オプティカルフロー)の算出処理を実行する。移動ベクトル算出部322は、多数のマイクロレンズ撮影画像をそのまま利用した移動ベクトル(オプティカルフロー)算出処理を実行する。
移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)は、画像圧縮処理実行部323に出力される。
(ステップS253)
次に、ステップS253において、マイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトルを利用した画像圧縮(MPEG等)処理を実行する。この処理は、図22に示す画像圧縮処理実行部323が実行する。
画像圧縮処理実行部323は、移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して、動画像の圧縮処理を実行する。具体的には例えばMPEG圧縮アルゴリズムに従った動画像圧縮処理を実行する。画像圧縮処理実行部323は、移動ベクトル算出部322が検出した移動ベクトル(オプティカルフロー)を利用して差分算出を実行してMPEG圧縮処理を実行する。
(ステップS254)
次に、ステップS254において、画像圧縮処理実行部323による画像圧縮結果が、通信部324を介して外部に出力される。あるいはメモリ325に格納される。
[6.本開示の移動ベクトル算出処理を利用した具体的な装置例について]
次に、本開示の移動ベクトル算出処理を利用した具体的な装置例について説明する。
図24に示す装置例は、スマホ(スマートホン)における指紋認証装置の例である。図にはスマホの側面に撮像部を構成した指紋認証装置401と、スマホ前面下部に撮像部を構成した指紋認証装置402の構成例を示している。
撮像部は、いずれもマイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部である。
図25(b)に示す装置例は、時計型の情報処理装置であるスマートウォッチにおける指紋認証装置の例である。図にはスマートウォッチの前面に撮像部を構成した指紋認証装置403の構成例を示している。
撮像部はマイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部である。
図25(c)に示す装置例は、例えば肌センサ等の接写高解像度画像撮影カメラである撮像装置404の例である。撮像部はマイクロレンズアレイ(MLA)を有する撮像部であり、先に説明したマイクロレンズ撮影画像単位の移動ベクトル検出を行った後、検出した移動ベクトルを適用した位置合わせと画像合成処理による高画質画像を生成してPC等の表示部に表示する構成である。
図26には、先に図20、図21を参照して説明したユーザの指の動き、例えばフリックやスワイプ動作を検出する処理の具体的装置構成例を示している。
スマホ、スマートウォッチ、指輪型端末において、例えば図26の下部に示すようなフリック動作による文字入力を行う構成に、本開示の移動ベクトル検出を適用することで、高速かつ高精度な移動方向検出を行う装置が実現される。
[7.画像処理装置のハードウェア構成例について]
次に、図27を参照して画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。
図27は、本開示の処理を実行する画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
CPU(Central Processing Unit)601は、ROM(Read Only Memory)602、または記憶部608に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する制御部やデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)603には、CPU601が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU601、ROM602、およびRAM603は、バス604により相互に接続されている。
CPU601はバス604を介して入出力インタフェース605に接続され、入出力インタフェース605には、マイクロレンズアレイを有する撮像部621、ユーザ入力可能な各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部606、表示部やスピーカなどに対するデータ出力を実行する出力部607が接続されている。CPU601は、入力部606から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部607に出力する。
入出力インタフェース605に接続されている記憶部608は、例えばハードディスク等からなり、CPU601が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部609は、Wi−Fi通信、ブルートゥース(登録商標)(BT)通信、その他インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
入出力インタフェース605に接続されているドライブ610は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア611を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
[8.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部を有し、
前記移動ベクトル算出部は、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する画像処理装置。
(2) 前記移動ベクトル算出部は、
複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理と、
複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持たない単一画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理を異なる処理として実行する(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記移動ベクトル算出部は、
前記重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する際、
同一の特徴点に対応する複数の移動ベクトルの平均値を算出して、該特徴点の移動ベクトルとする(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記移動ベクトル算出部は、
前記重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する際、
同一の特徴点に対応する複数の移動ベクトル中、外れ値(異常値)を排除した残りの複数の移動ベクトルの平均値を算出して、該特徴点の移動ベクトルとする(2)または(3)に記載の画像処理装置。
(5) 前記移動ベクトル算出部は、
複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持たない単一画像領域と、
複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域を区別し、
さらに、前記重複画像領域については、
2つの同じ画像領域を持つ2画像重複領域と、
4つの同じ画像領域を持つ4画像重複領域を区別して、
各領域単位で異なる移動ベクトル算出処理を実行する(1)〜(4)いずれかに記載の画像処理装置。
(6) 前記移動ベクトル算出部は、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像中、
前記マイクロレンズアレイの最外周領域のマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点対応の移動ベクトル算出処理は、その他のマイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点対応の移動ベクトル算出処理と異なる例外処理を実行する(1)〜(5)いずれかに記載の画像処理装置。
(7) 前記移動ベクトル算出部は、
複数のマイクロレンズ撮影画像内に重複画像領域が存在するか否か、さらに、重複画像領域が存在する場合、その重複数がいくつであるかに応じて異なる移動ベクトル算出処理を実行する(1)〜(6)いずれかに記載の画像処理装置。
(8) 前記移動ベクトル算出部は、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの位置と画像の反転態様を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う(1)〜(7)いずれかにに記載の画像処理装置。
(9) 前記移動ベクトル算出部は、
さらに画像重複領域を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う(8)に記載の画像処理装置。
(10) 前記画像処理装置は、さらに、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記撮像部の連続撮影画像の合成処理を実行する画像合成部を有する(1)〜(9)いずれかに記載の画像処理装置。
(11) 前記画像合成部は、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影した連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の位置合わせを実行して、連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の合成処理を実行する(10)に記載の画像処理装置。
(12) 前記撮像部の連続撮影画像は人の指紋を含む指画像であり、
前記画像処理装置は、さらに、前記画像合成部の生成した合成画像を用いて登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合部を有する(10)または(11)に記載の画像処理装置。
(13) マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成部と、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合部を有する指紋認証処理を実行する画像処理装置。
(14) 前記移動ベクトル算出部は、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出し、
前記画像合成部は、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影した連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の位置合わせを実行して、連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の合成処理を実行する(13)に記載の画像処理装置。
(15) 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
移動ベクトル算出部が、
マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行し、
前記移動ベクトル算出ステップは、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出するステップである画像処理方法。
(16) 画像処理装置において指紋認証処理を実行する画像処理方法であり、
移動ベクトル算出部が、
マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップと、
画像合成部が、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成ステップと、
画像照合部が、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行する画像処理方法。
(17) 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
移動ベクトル算出部に、
マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
前記移動ベクトル算出ステップにおいて、
前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理を実行させるプログラム。
(18) 画像処理装置において指紋認証処理を実行させるプログラムであり、
移動ベクトル算出部に、
マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
画像合成部に、
前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成させる画像合成ステップを実行させ、
画像照合部に、
前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行させるプログラム。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、マイクロレンズアレイを用いた撮影画像からの移動ベクトル算出処理を、全体画像を生成することなく行う装置、方法が実現される。
具体的には、例えばマイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された連続撮影画像を入力して画像間の移動ベクトルを算出する。移動ベクトル算出部はマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する。複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域内の特徴点に対応する移動ベクトルを算出する際、同一特徴点対応の複数の移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。または、外れ値(異常値)を排除した残りの複数移動ベクトルの平均値を算出して、特徴点の移動ベクトルとする。
これらの処理により、マイクロレンズアレイを用いた撮影画像からの移動ベクトル算出処理を、全体画像を生成することなく行う装置、方法が実現される。
10 マイクロレンズアレイ(MLA)
11 マイクロレンズ
12 イメージセンサ(撮像素子)
101 マイクロレンズ撮影画像
300 画像処理装置
301 撮像部
302 移動ベクトル算出部
303 画像合成部
304 画像照合/登録部
305 メモリ
310 画像処理装置
311 撮像部
312 移動ベクトル算出部
313 移動方向判別部
314 処理実行部
315 メモリ
320 画像処理装置
321 撮像部
322 移動ベクトル算出部
323 画像圧縮処理実行部
324 通信部
325 メモリ
401,402,403 指紋認証装置
404 撮像装置
601 CPU
602 ROM
603 RAM
604 バス
605 入出力インタフェース
606 入力部
607 出力部
608 記憶部
609 通信部
610 ドライブ
611 リムーバブルメディア
621 撮像部

Claims (18)

  1. マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部を有し、
    前記移動ベクトル算出部は、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する画像処理装置。
  2. 前記移動ベクトル算出部は、
    複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理と、
    複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持たない単一画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理を異なる処理として実行する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記移動ベクトル算出部は、
    前記重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する際、
    同一の特徴点に対応する複数の移動ベクトルの平均値を算出して、該特徴点の移動ベクトルとする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記移動ベクトル算出部は、
    前記重複画像領域内の特徴点対応の移動ベクトルを算出する際、
    同一の特徴点に対応する複数の移動ベクトル中、外れ値(異常値)を排除した残りの複数の移動ベクトルの平均値を算出して、該特徴点の移動ベクトルとする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記移動ベクトル算出部は、
    複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持たない単一画像領域と、
    複数のマイクロレンズ撮影画像内に同じ画像領域を持つ重複画像領域を区別し、
    さらに、前記重複画像領域については、
    2つの同じ画像領域を持つ2画像重複領域と、
    4つの同じ画像領域を持つ4画像重複領域を区別して、
    各領域単位で異なる移動ベクトル算出処理を実行する請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記移動ベクトル算出部は、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像中、
    前記マイクロレンズアレイの最外周領域のマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点対応の移動ベクトル算出処理は、その他のマイクロレンズ撮影画像から検出した特徴点対応の移動ベクトル算出処理と異なる例外処理を実行する請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記移動ベクトル算出部は、
    複数のマイクロレンズ撮影画像内に重複画像領域が存在するか否か、さらに、重複画像領域が存在する場合、その重複数がいくつであるかに応じて異なる移動ベクトル算出処理を実行する請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記移動ベクトル算出部は、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの位置と画像の反転態様を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記移動ベクトル算出部は、
    さらに画像重複領域を考慮した探索範囲を設定して特徴点探索を行う請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記画像処理装置は、さらに、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記撮像部の連続撮影画像の合成処理を実行する画像合成部を有する請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 前記画像合成部は、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影した連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の位置合わせを実行して、連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の合成処理を実行する請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記撮像部の連続撮影画像は人の指紋を含む指画像であり、
    前記画像処理装置は、さらに、前記画像合成部の生成した合成画像を用いて登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合部を有する請求項10に記載の画像処理装置。
  13. マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成部と、
    前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合部を有する指紋認証処理を実行する画像処理装置。
  14. 前記移動ベクトル算出部は、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出し、
    前記画像合成部は、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影した連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の位置合わせを実行して、連続撮影マイクロレンズ撮影画像各々の合成処理を実行する請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
    移動ベクトル算出部が、
    マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行し、
    前記移動ベクトル算出ステップは、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出するステップである画像処理方法。
  16. 画像処理装置において指紋認証処理を実行する画像処理方法であり、
    移動ベクトル算出部が、
    マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップと、
    画像合成部が、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成する画像合成ステップと、
    画像照合部が、
    前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行する画像処理方法。
  17. 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
    移動ベクトル算出部に、
    マイクロレンズアレイを有する撮像部の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
    前記移動ベクトル算出ステップにおいて、
    前記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズ各々が撮影したマイクロレンズ撮影画像を利用して特徴点対応の移動ベクトルを算出する処理を実行させるプログラム。
  18. 画像処理装置において指紋認証処理を実行させるプログラムであり、
    移動ベクトル算出部に、
    マイクロレンズアレイを有する撮像部によって撮影された指の連続撮影画像を入力して、画像間の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出ステップを実行させ、
    画像合成部に、
    前記移動ベクトル算出部の算出した移動ベクトルを用いて、前記連続撮影画像の合成処理により高画質画像を生成させる画像合成ステップを実行させ、
    画像照合部に、
    前記画像合成部の生成した合成画像と、予め記憶部に格納された登録指紋画像との照合処理を実行する画像照合ステップを実行させるプログラム。
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