JPWO2019221019A1 - セキュリティデバイス、転写箔、及びセキュリティデバイス付物品 - Google Patents

セキュリティデバイス、転写箔、及びセキュリティデバイス付物品 Download PDF

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Abstract

改竄抑制効果を有するセキュリティデバイスを提供する。本発明のセキュリティデバイス(1)は、複数のスリット(130)を有している金属層(13)を含んだ偽造防止構造体(10)であって、前記金属層(13)における共振に起因して透過率のピークを有する偽造防止構造体(10)と、前記偽造防止構造体(10)の一方の主面に設けられ、前記主面の一部の領域と接触した第1部分(21)と、前記主面の他の一部と接触した第2部分(22)とを含み、前記第1部分(21)は、前記第2部分(22)と比較して、前記偽造防止構造体(10)に対してより小さな接着強さを達成する接着層(20)とを含む。

Description

本発明は、セキュリティデバイス、転写箔、及びセキュリティデバイス付物品に関する。
従来から、例えば、株券、債券、小切手、商品券、宝くじ券、定期券等の証券類には、偽造を防止するための種々の工夫が施されている。そのような工夫の一種として、肉眼ではその存在の判別が難しい肉眼判別困難マークを上記証券類に付して、肉眼判別困難マークを機械により読み取ることが行われている。
特許文献1には、可視光域に吸収が少なく、赤外領域に吸収を有する錫ドープ酸化インジウム粉からなる色材を含んだ赤外線吸収インキ組成物が開示されている。
特許文献2には、可視光で照明した場合には無色であり、紫外線を照射した場合に蛍光を発する特殊蛍光インキを使用して、バーコードを印刷することが開示されている。
特許文献3には、真贋判別にテラヘルツ電磁波を用いた方法、及び、その方法に適用される偽造防止構造体が開示されている。この偽造防止構造体は、所定のパターンに配列された開口部を有する導電性層、導電性層の表裏に配置される絶縁層、及び、絶縁性を持つ隠蔽層を備えている。そして、この文献に記載された真贋判別方法では、テラヘルツ電磁波を偽造防止構造体に照射し、これにより得られる透過率を基準値と比較して、両者の差異の有無を判定している。
特許文献4には、特定周波数のテラヘルツ電磁波を照射した場合に所定の透過率を示す偽造防止構造体が開示されている。
日本国特開2000−309736号公報 日本国特開平6−297888号公報 日本国特開2008−254310号公報 日本国特開2016−141065号公報
本発明は、改竄抑制効果を有するセキュリティデバイスを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、複数のスリットを有している金属層を含んだ偽造防止構造体であって、前記金属層における共振に起因して透過率のピークを有する偽造防止構造体と、前記偽造防止構造体の一方の主面に設けられ、前記主面の一部の領域と接触した第1部分と、前記主面の他の一部と接触した第2部分とを含み、前記第1部分は、前記第2部分と比較して、前記偽造防止構造体に対してより小さな接着強さを達成する接着層とを含むセキュリティデバイスが提供される。
本発明の第2側面によると、第1側面に係るセキュリティデバイスを含んだ転写材層と、前記転写材層を、前記接着層との間に前記偽造防止構造体が介在するように、剥離可能に支持した支持部材とを具備した転写箔が提供される。
本発明の第3側面によると、第1側面に係るセキュリティデバイスと、前記セキュリティデバイスが、前記接着層によって貼り付けられた物品とを含むセキュリティデバイス付物品が提供される。
本発明によれば、改竄抑制効果を有するセキュリティデバイスの提供が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイス付物品を概略的に示す上面図である。 図2は、図1に示すセキュリティデバイス付物品が含むセキュリティデバイスを拡大して示す上面図である。 図3は、図2に示すセキュリティデバイスが含む金属層及び接着層を拡大して示す上面図である。 図4は、図1に示すセキュリティデバイス付物品に採用可能な構造の一例を示す断面図である。 図5は、セキュリティデバイス付物品に貼り付けた粘着テープの剥離を開始した状態を示す上面図である。 図6は、図5に示す状態から粘着テープの剥離を更に進めた状態の一例を示す上面図である。 図7は、粘着テープの剥離を完了した状態の一例を示す断面図である。 図8は、図7に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面図である。 図9は、図7に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによる剥離後に物品上に残った部分を示す上面図である。 図10は、図1に示すセキュリティデバイス付物品に採用可能な構造の他の例を示す断面図である。 図11は、粘着テープの剥離を完了した状態の他の例を示す断面図である。 図12は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面図である。 図13は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによる剥離後に物品上に残った部分を示す上面図である。 図14は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち粘着テープによって物品から剥離された部分を、粘着テープとともに、他の物品に貼り付けることによって得られる、改竄されたセキュリティデバイス付物品を示す上面図である。 図15は、図14に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品の一部を拡大して示す断面図である。 図16は、正規のセキュリティデバイス付物品及び改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して照射したテラヘルツ波の周波数と透過率との関係を示すグラフである。 図17は、正規のセキュリティデバイス付物品及び改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して一定周波数でテラヘルツ波を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。 図18は、変形例に係るセキュリティデバイスを含んだセキュリティデバイス付物品の断面図である。 図19は、他の実施形態に係るセキュリティデバイスが含む金属層及び接着層を拡大して示す上面図である。 図20は、他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品の断面図である。 図21は、他の実施形態に係るセキュリティデバイス物品に貼り付けた粘着テープの剥離を開始した状態を示す上面図である。 図22は、粘着テープの剥離を完了した状態の一例を示す他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品の断面図である。 図23は、図22に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面拡大図である。 図24は、図22に示す構造が含んでいる構造のうち、粘着テープによって物品から剥離された部分を、粘着テープとともに、他の物品に貼り付けることによって得られる、改竄されたセキュリティデバイス付物品を示す上面図である。 図25は、図24に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品の一部を拡大して示す断面図である。 図26は、図20に示す正規のセキュリティデバイス付物品及び図24に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して照射した、テラヘルツ波としてのp偏光及びs偏光の周波数と、透過率との関係を示すグラフである。 図27は、図24に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して、テラヘルツ波として一定周波数のp偏光及びs偏光を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。 図28は、図20に示す正規のセキュリティデバイス付物品に対して、テラヘルツ波として一定周波数のp偏光及びs偏光を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。 図29は、本発明の一実施形態に係る転写箔を概略的に示す断面図である。 図30は、一変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。 図31は、他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。 図32は、更に他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。 図33は、更に他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。 図34は、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向がスリットの配列方向に対して成す角度を示す上面図である。 図35は、透過スペクトルの例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
1.セキュリティデバイス付物品
1−1.構成
本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイス及びセキュリティデバイス付物品の構成を、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイス付物品を概略的に示す上面図である。図2は、図1に示すセキュリティデバイス付物品が含むセキュリティデバイスを拡大して示す上面図である。図3は、図2に示すセキュリティデバイスが含む金属層及び接着層を拡大して示す上面図である。図4は、図1に示すセキュリティデバイス付物品に採用可能な構造の一例を示す断面図である。
なお、図4に示す断面は、図3のIV−IV線に沿った断面に対応している。また、図1乃至図4及び他の図において、X方向は、セキュリティデバイス付物品の主面に平行な方向であり、Y方向は、先の主面に平行であり且つX方向に対して垂直な方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直な方向である。
図1、図2及び図4に示すセキュリティデバイス付物品3は、例えば、株券、債券、小切手、商品券、宝くじ券、定期券等の証券類である。セキュリティデバイス付物品3は、セキュリティデバイス1と、このセキュリティデバイス1が図3及び図4に示す接着層20によって貼り付けられた物品30とを含んでいる。
物品30は、少なくともセキュリティデバイス1が貼り付けられる位置で、導電層を含んでいない。すなわち、物品30は、少なくとも上記の位置で絶縁性である。
物品30は、図1に示すように、物品本体31と、物品本体31に設けられた印刷層32とを含んでいる。
物品本体31は、例えば、紙基材である。物品本体31は、プラスチック基材であってもよい。物品本体31は、その形状に制限はないが、一例によれば、フィルム状又はシート状である。
印刷層32は、物品本体31上に設けられている。印刷層32は、例えば、蛍光を発しない着色インキであるプロセスインキ、蛍光インキ、及び、繰り返し反射干渉による干渉色を呈するパールインキの1以上からなる。印刷層32は、文字や図形などの画像を表示する。
セキュリティデバイス1は、図4に示すように、偽造防止構造体10と接着層20とを含んでいる。
偽造防止構造体10は、複数のスリット130を有している金属層13を含んでいる。また、後述するように、この偽造防止構造体10は、金属層13において、共振に起因して透過率のピークを生じる。
接着層20は、偽造防止構造体10の一方の主面に設けられ、この主面の一部の領域と接触した第1部分21と、先の主面の他の一部と接触した第2部分22とを含んでいる。第1部分21は、第2部分22と比較して、偽造防止構造体10に対してより小さな接着強さを達成する。
ここでは、偽造防止構造体10は、図4に示すように、金属層13に加え、保護層11と隠蔽層12とを更に含んでいる。以下に詳しく説明する。
保護層11は、例えば、可視光透過性を有している。また、保護層11は、絶縁性である。保護層11は、例えば、アクリル系樹脂などの樹脂からなる。
保護層11を設けることは、セキュリティデバイス1の表面を損傷及び劣化から保護する上で有利である。なお、保護層11は省略することもできる。
隠蔽層12は、例えば、回折格子及びホログラムなどの回折構造が設けられた層、又は、印刷層である。
回折構造は、例えば、レリーフ型の回折構造である。レリーフ型の回折構造が設けられた層は、例えば、透明樹脂からなり、表面にレリーフ型の回折構造が設けられたレリーフ構造形成層と、この表面を被覆した絶縁性の透明反射層とを含んだ多層構造を有している。透明反射層には、絶縁性の材料、例えば、絶縁性の無機酸化物を用いる。絶縁性の無機酸化物としては、例えば、SiOを用いることができる。透明反射層は、省略することもできる。
印刷層は、例えば、蛍光を発しない着色インキであるプロセスインキ、蛍光インキ、及び、繰り返し反射干渉による干渉色を呈するパールインキの1以上からなる。印刷層は、例えば、文字や図形などの画像を表示する。
隠蔽層12は、少なくとも金属層13の位置で、例えば、テラヘルツ波長帯域にある電磁波(以下、テラヘルツ波又はテラヘルツ電磁波とも記載する)を遮断する材料を含まない。隠蔽層12は、その全体が絶縁性の材料からなることが好ましい。
隠蔽層12を設けることは、金属層13に形成されたパターンを隠蔽するため、さらに高いレベルのセキュリティを達成する上で有利である。また、隠蔽層12を設けることは、意匠性を高める上でも有利である。なお、隠蔽層12は、省略することもできる。
金属層13は、単体金属又は合金からなる。金属層13は、例えば、Al,Fe,Au,Cu,Ag,Mg,Zn及びSnの1以上からなる金属薄膜層から構成されている。金属層13は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。金属層13の厚さは、20nm乃至200nmの範囲内にあることが好ましく、30nm乃至80nmの範囲内にあることがより好ましい。
金属層13には、図3に示すように、規則的に配列した複数のスリット130が設けられている。
スリット130の幅は、5μm乃至50μmの範囲内にあることが好ましい。スリット130の長さは、100μm乃至1000μmの範囲内にあることが好ましい。
複数のスリット130の各々は、一端がそのスリット130の他端又は別のスリット130の一端と隙間を隔てて向き合っていることが好ましい。スリット130の一端と、そのスリット130の他端又は別のスリット130の一端との距離は、1μm乃至50μmの範囲内にあることが好ましい。
複数のスリット130をこのように形成することは、セキュリティデバイス1の剥離に伴う金属層13の構造の変化と、それに伴うセキュリティデバイス1のテラヘルツ波透過特性の変化とを生じやすくし、改竄抑制効果を高める上で有利である。また、複数のスリット130をこのように形成することは、隠蔽層12が回折構造を含んでいる場合に、その回折効率を高める上でさらに有利である。
複数のスリット130は、複数の環を形成していることが好ましい。ここでは、複数のスリット130の各々は、図3に示すように、1か所で開口した環、すなわち、C字型の環を形成している。これら環は、互いに交差する2つの方向、ここでは、X方向及びY方向へ規則的に配列している。また、ここでは、これら環は、同じ位置で開口している。
複数のスリット130のX方向およびY方向におけるピッチは、100μm乃至1000μmの範囲内にあることが好ましい。
上記の構造を金属層13に採用することは、隠蔽層12が可視光透過性を有している場合や隠蔽層を省略した場合に、スリット130が目立ちにくい等の意匠性の観点から好ましい。
また、これら環の各々を、長さ方向へ互いから間を隔てて直列に並んだ複数のスリット130で構成してもよい。このような構成を採用した場合、改竄抑制効果をさらに高めることができる。
ここで、金属層13のうち、スリット130が形成する環の外側に位置する領域を第1領域131とし、スリット130が形成する環によって取り囲まれる領域を第2領域132とする。
スリット130が形成する環の内径は、1000μm以下であることが好ましく、20μm乃至500μmの範囲内にあることがより好ましい。
環の内径を大きくすると、スリット130が目立ち易くなり、意匠性が低下する虞がある。なお、環の内径の下限は、例えば、製造上の限界により設定される。
接着層20は、偽造防止構造体10の一方の主面に設けられている。ここでは、接着層20は、偽造防止構造体10の金属層13側の主面上に設けられている。
接着層20は、第1部分21と第2部分22とを含んでいる。第1部分21は、上記主面の一部の領域と接触している。第2部分22は、上記主面の他の一部と接触している。第1部分21は、第2部分22と比較して、偽造防止構造体10に対してより小さな接着強さを達成する。
接着層20は、図3に示すように、第1部分21と第2部分22とに区分されている。すなわち、ここでは、第1部分21及び第2部分22は、それぞれ、第2領域132及び第1領域131上に位置している。接着層20は、第1部分21が第1領域131上に位置し、第2部分22が第2領域132上に位置していてもよい。また、第1部分21と第2部分22との配置は、第1領域131と第2領域132との配置に対応していなくてもよい。
第1部分21は、例えば、以下に例示する接着剤と接着力低減用の添加剤との混合物からなる層によって形成されている。
接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、又はブチラール樹脂を使用することができる。接着剤としては、これらのうち1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を使用してもよい。
また、接着力低減用の添加剤としては、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シリカフィラー、シリコンフィラー、ポリテトラフルオロエチレンフィラー、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、又はシリコンオイルを使用することができる。接着力低減用の添加剤としては、これらのうち1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を使用してもよい。
第1部分21を、接着剤と接着力低減用の添加剤との混合物を使用して形成する場合、この混合物に占める接着力低減用の添加剤の割合は、1乃至50重量%の範囲内にあることが好ましい。
第2部分22は、例えば、上述した接着剤のみによって、又は、接着剤と接着力低減用の添加剤との混合物によって形成される。なお、この混合物に占める接着力低減用の添加剤の割合は、例えば、第1部分21を形成するのに使用する混合物に占める接着力低減用の添加剤の割合よりも小さい。この割合は、50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
第1部分21と第2部分22とを形成する材料を上記のように構成することで、第1領域131と第2領域132とに対する接着層20の接着強さに差を生じさせることができる。
接着層20は、熱可塑性樹脂や紫外線硬化樹脂からなる接着層であってもよく、粘着剤からなる接着層であってもよい。前者の場合、セキュリティデバイス1は、例えば、転写箔を使用して物品30に貼り付けることができる。後者の場合、セキュリティデバイス1を粘着ラベルとして使用することが可能となる。
セキュリティデバイス付物品3において、第1部分21及び第2部分22の接着強さは、以下の範囲内にあることが好ましい。すなわち、第2部分22における物品30に対する偽造防止構造体10の層間接着強さは、5.0N/10mm以上であることが好ましい。また、第1部分21における物品30に対する偽造防止構造体10の層間接着強さは、3.0N/10mm以下であることが好ましく、1.0乃至3.0N/10mmの範囲内にあることがより好ましい。
なお、層間接着強さは、JIS K6854−1:1999(「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第1部:90度はく離)において規定された、90度はく離試験によって得られるはく離接着強さである。
第1部分21及び第2部分22の接着強さを上記の範囲内とすることは、粘着テープ等を使用したセキュリティデバイス付物品の改竄を抑制する上で有利である。
1−2.セキュリティデバイスの製造方法
上述したセキュリティデバイス1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
第1に、剥離性を有している基材、例えば、表面にフッ素加工を施したポリエチレンテレフタレート(PET)基材の上に、保護層11を形成する。保護層11の形成は、例えば、塗布法によって行なうことができる。
第2に、保護層11の表面に隠蔽層12を設ける。
レリーフ型の回折構造を含んだ隠蔽層12は、例えば、以下の方法により得る。
まず、保護層11上に熱可塑性樹脂を塗布して塗膜を形成し、この塗膜に加熱しながら版を押し当てる。冷却後、塗膜から版を取り除くことによりレリーフ構造形成層を得る。その後、必要に応じて、レリーフ構造形成層上に、気相堆積法を用いて透明反射層を形成する。
或いは、まず、保護層11上に紫外線硬化樹脂を塗布して塗膜を形成し、この塗膜に版を押し当て、この状態で紫外線を照射する。その後、塗膜から版を取り除くことによりレリーフ構造形成層を得る。その後、必要に応じて、レリーフ構造形成層上に、気相堆積法を用いて透明反射層を形成する。
印刷層としての隠蔽層12は、例えば、保護層11に対して、インクのベタ塗りや、文字及び模様などのプリントを施すことにより得ることができる。
第3に、隠蔽層12の表面に金属層13を形成する。金属層13の形成は、例えば、金属の真空蒸着によって行なう。
第4に、金属層13へスリット130を形成する。スリット130の形成は、公知の方法によって行なうことができる。例えば、スリット130は、フォトリソグラフィーを利用して形成する。
第5に、金属層13の表面に接着層20を形成する。例えば、金属層13の第2領域132上に、第2部分22の材料を印刷する。その後、第1領域131上に、第2部分の材料の印刷に用いた版の逆版を用いて、第1部分21の材料を印刷する。第1部分21及び第2部分22の形成順序は逆でもよい。
以上の工程により、セキュリティデバイス1を製造することができる。
1−3.セキュリティデバイスの機能
上記の構成を有するセキュリティデバイス付物品3は、セキュリティデバイス1を、粘着テープ等によって剥離しようとした場合に、以下のことを生じる。
図1及び図2に示すセキュリティデバイス付物品3からセキュリティデバイス1を剥離する際に生じる変化の一例について、図2及び図4乃至図9を参照しながら説明する。
図5は、セキュリティデバイス付物品に貼り付けた粘着テープの剥離を開始した状態を示す上面図である。図6は、図5に示す状態から粘着テープの剥離を更に進めた状態の一例を示す上面図である。図7は、粘着テープの剥離を完了した状態の一例を示す断面図である。図8は、図7に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面図である。図9は、図7に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによる剥離後に物品上に残った部分を示す上面図である。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、図4に示すように、第1部分21が第2領域132上に位置し、第2部分22が第1領域131上に位置しているとする。
このようなセキュリティデバイス1を物品30に接着した場合、物品30に対する第2領域132における偽造防止構造体10の層間接着強さは、物品30に対する第1領域131における偽造防止構造体10の層間接着強さと比較してより小さい。
上記の構成を採用したセキュリティデバイス1を物品30から剥離させる方法として、例えば、粘着テープを使用した方法が考えられる。なお、ここでは、以下の条件を仮定する。粘着テープ40の偽造防止構造体10に対する粘着力は、第2部分22の偽造防止構造体10に対する接着力よりも小さく、第1部分21の偽造防止構造体10に対する接着力よりも大きいこととする。第1部分21と物品30との間の接着力は、第1部分21と第2領域132との間の接着力と比較してより小さいこととする。第1部分21と物品30との間の接着力は、第2領域132と隠蔽層12との間の接着力と比較してより小さいこととする。第2部分22と物品30との間の接着力は、第1領域131と隠蔽層12との間の接着力と比較してより大きいこととする。第2部分22と第1領域131との間の接着力は、第1領域131と隠蔽層12との間の接着力と比較してより大きいこととする。
粘着テープを使用した上記方法では、セキュリティデバイス1に粘着テープ40を貼り付け、この粘着テープ40を、図5に示すように引き剥がす。こうすると、セキュリティデバイス1は、図6に示すように、粘着テープ40によって剥離される部分1aと、物品30上に残る部分1bとに分かれる。
図7に示す断面図を参照しながら、さらに説明する。すなわち、セキュリティデバイス1のうち、保護層11と隠蔽層12と第2領域132と第1部分21とからなる部分1aは、粘着テープ40によって物品30から剥離される。一方、セキュリティデバイス1のうち、第1領域131と第2部分22とからなる部分1bは、剥離されずに物品30の表面に残る。
その結果、セキュリティデバイス1のうち、粘着テープ40によって剥離された部分1aが含んでいる金属層は、図8に示すように、第2領域132のみからなる。また、セキュリティデバイス1のうち、物品30の表面に残った部分1bが含んでいる金属層は、図9に示すように、第1領域131のみからなる。
従って、セキュリティデバイス1が、上記の構造を有している場合、金属層13に設けられたスリット130のパターンを、剥離の前後で維持することができない。スリット130のパターンが変化すると、後述するように、テラヘルツ波の透過スペクトルに変化を生じる。それ故、テラヘルツ波の透過を利用して、改竄が行われたか否かを判別できる。従って、優れた改竄抑制効果を達成することが可能である。
次に、図2に示すセキュリティデバイス付物品3からセキュリティデバイス1を剥離する際に生じる変化の他の例について、図2、図4及び図10乃至図15を参照しながら説明する。
図10は、図1に示すセキュリティデバイス付物品に採用可能な構造の他の例を示す断面図である。図11は、粘着テープの剥離を完了した状態の他の例を示す断面図である。図12は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面図である。図13は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによる剥離後に物品上に残った部分を示す上面図である。図14は、図11に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち粘着テープによって物品から剥離された部分を、粘着テープとともに、他の物品に貼り付けることによって得られる、改竄されたセキュリティデバイス付物品を示す上面図である。図15は、図14に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品の一部を拡大して示す断面図である。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、図10に示すように、第1部分21が、第1領域131に位置し、第2部分22が第2領域132に位置しているとする。
このようなセキュリティデバイス1を物品30に接着した場合、物品30に対する第1領域131における偽造防止構造体10の層間接着強さは、物品30に対する第2領域132における偽造防止構造体10の層間接着強さと比較してより小さい。
上述した構成を採用したセキュリティデバイス1を、粘着テープ40を使用して引き剥がすと、図11に示すように、粘着テープ40によって剥離される部分1aと、物品30上に残る部分1bとに分かれる。すなわち、セキュリティデバイス1のうち、保護層11と隠蔽層12と第1領域131と第1部分21とからなる部分1aは、粘着テープ40によって物品30から剥離される。一方、セキュリティデバイス1のうち、第2領域132と第2部分22とからなる部分1bは、剥離されずに物品30の表面に残る。
その結果、セキュリティデバイス1のうち、粘着テープ40によって剥離された部分1aが含んでいる金属層は、図12に示すように、第1領域131のみからなる。また、セキュリティデバイス1のうち、物品30の表面に残った部分1bが含んでいる金属層は、図13に示すように、第2領域132のみからなる。
次に、セキュリティデバイス1のうち粘着テープ40で剥離された部分1aを、他の物品30’へ再び貼付してなる改竄されたセキュリティデバイス付物品3’について説明する。
図14及び図15に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品3’は、図11に示す粘着テープ40を加工してなる粘着テープ40’を、他の物品30’に貼付したものである。なお、図14及び図15に示す粘着テープ40’は、部分1aが貼り付いている粘着テープ40から、部分1aが貼り付いている領域の周囲を取り除いたものである。また、図15において、参照符号23は、他の物品30’への粘着テープ40’の再貼付に使用した接着剤である。
図15に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品3’と、剥離前のセキュリティデバイス付物品3とは、以下のように異なる。
上記のように改竄されたセキュリティデバイス付物品3’において、部分1aは、金属層として第1領域131のみを含んでいる。このような改竄されたセキュリティデバイス付物品3’は、剥離前、すなわち正規のセキュリティデバイス付物品3とは、金属層13に設けられた開口部の形状が異なっている。
金属層13に設けられた開口部の形状が変化すると、後述するように、テラヘルツ波の透過スペクトルに変化を生じる。それ故、テラヘルツ波の透過を利用して、改竄が行われたか否かを判別できる。従って、セキュリティデバイス1が、上記の構造を有している場合、優れた改竄抑制効果を達成することができる。
1−4.真贋判定
以下、セキュリティデバイス1の真贋判定方法を説明する。
セキュリティデバイス1の真贋判定は、例えば、テラヘルツ波、換言すると、テラヘルツ周波数帯域である0.1乃至0.8THzの周波数帯域にある電磁波を照射し、セキュリティデバイス1のテラヘルツ波に関する透過率を測定することにより行なう。
金属層に複数のスリットを設ける代わりに、金属層を複数のC字型パターンへパターニングしてなる構造は、テラヘルツ周波数帯域の大部分で透過率は高いが、LC共振により特定の周波数のテラヘルツ波の透過率が低い特性を示す。これに対し、この構造とは金属部とそれ以外の部分との位置を反転させた関係にある本実施形態の構造は、特性も先の構造とは反転した関係にある。すなわち、本実施形態の構造は、テラヘルツ周波数帯域の大部分で透過率は低いが、特定の周波数のテラヘルツ波の透過率が高い特性を示す。
それ故、セキュリティデバイス1に向けてテラヘルツ波を照射すると、特定の周波数を有しているテラヘルツ波は、金属層13において共振を生じる。すなわち、複数のスリット130が複数の環を形成している場合、スリット130の各々は、分割リング共振器と類似の機能を有する。
また、スリット130の幅が十分に狭ければ、テラヘルツ周波数帯域の大部分で、金属層13は高い透過率を示さない。
従って、セキュリティデバイス1は、テラヘルツ波を照射すると、特定の周波数を有しているテラヘルツ波に対して高い透過率を示し、テラヘルツ周波数帯域に透過率のピークを生じる。
テラヘルツ波に対するセキュリティデバイス1の透過スペクトルは、スリット130の形状やピッチによって異なる。そのため、図10などを参照しながら説明したセキュリティデバイス付物品3と、図14及び図15などを参照しながら説明した、改竄されたセキュリティデバイス付物品3’とでは、テラヘルツ波の透過スペクトルが異なる。
透過スペクトルの変化について、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、正規のセキュリティデバイス付物品及び改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して照射したテラヘルツ波の周波数と透過率との関係を示すグラフである。図17は、正規のセキュリティデバイス付物品及び改竄されたセキュリティデバイス付物品に対して一定周波数でテラヘルツ波を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。
図10などを参照しながら説明した正規のセキュリティデバイス付物品3のセキュリティデバイス1に向けて、テラヘルツ波を、その周波数を変化させながら照射すると、例えば、図16の実線で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、約0.3THzの周波数で、最大の透過率を示している。すなわち、セキュリティデバイス1は、透過率のピークをテラヘルツ周波数帯域内に有している。
一方、図14及び図15などを参照しながら説明した、改竄されたセキュリティデバイス付物品3’の部分1aに向けて、上記と同様にテラヘルツ波を照射すると、例えば、図16の破線で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、上記の特定の周波数における透過率が低下しており、約0.4THz以上の周波数帯域の殆どで透過率が高まっている。
従って、セキュリティデバイス付物品3及びセキュリティデバイス付物品3’に対し、0.3THzのテラヘルツ波をそれらの主面に対して垂直な方向に照射し、X方向に沿って走査すると、図17に示すようなスキャン結果を得ることができる。なお、ここでは、テラヘルツ波は、セキュリティデバイス付物品のうち、セキュリティデバイスが存在しない領域、金属層13が存在しているがスリット130が設けられていない領域、金属層13が存在し且つスリット130が設けられている領域、金属層13が存在しているがスリット130が設けられていない領域、及び、セキュリティデバイスが存在しない領域へ順次照射している。
セキュリティデバイス付物品3について得られたスキャン結果は、以下の通りである。すなわち、セキュリティデバイス付物品3は、セキュリティデバイス1が存在しない領域に対応した区間L1及びL5で最も高い透過率を示し、金属層13が存在しているがスリット130が設けられていない領域に対応した区間L2及びL4で最も低い透過率を示し、金属層13が存在し且つスリット130が設けられている領域に対応した区間L3で区間L1及びL5ほどではないにしろ高い透過率を示している。
一方で、改竄されたセキュリティデバイス付物品3’について得られたスキャン結果は、以下の通りである。すなわち、セキュリティデバイス付物品3’は、セキュリティデバイス付物品3と同様に、セキュリティデバイス1が存在しない領域に対応した区間L1及びL5で最も高い透過率を示し、金属層13が存在しているがスリット130が設けられていない領域に対応した区間L2及びL4で最も低い透過率を示している。但し、セキュリティデバイス付物品3’は、金属層13が存在し且つスリット130が設けられている領域に対応した区間L3では、セキュリティデバイス付物品3ほど高い透過率を示していない。
このように、正規のセキュリティデバイス付物品3を用いた場合と、改竄されたセキュリティデバイス付物品3’を用いた場合とでは、特定の周波数でテラヘルツ波を照射したときに得られる透過パターンに違いを生じる。従って、例えば、これら透過パターンを対比することにより、真贋判定を比較的容易に行なうことができる。
なお、上述した実施形態では、第1部分21と第2部分22とが厚さ方向に重ならないように配置された形態を説明したが、第2部分22は、偽造防止構造体10の一方の主面の一部と接触していればよい。従って、例えば、第2部分22は、図18に示すように、第1部分21と厚さ方向に重なっていてもよい。
1−5.他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品
本発明の他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品の構成を、図19及び図20を参照しながら説明する。図19は、他の実施形態に係るセキュリティデバイスが含む金属層及び接着層を拡大して示す上面図である。図20は、他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品の断面図である。
なお、図20に示す図は、図19のXX−XX線に沿った断面に対応している。
図20に示すように、他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品2は、以下の点を除いて、上述したのとほぼ同様の構成を採用している。すなわち、偽造防止構造体10は、セラミック層14を更に含んでいる。セラミック層14は、絶縁性を有する材料からなる。セラミック層14を構成する材料は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化ケイ素(SiO又はSiO)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化アルミニウム(Al)、及び酸化チタン(TiO)である。セラミック層14は、例えば、真空蒸着によって形成される。
セラミック層14の厚さは、10nm乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、50nm乃至200nmの範囲内にあることがより好ましい。セラミック層14は、金属層13上であって、第1部分21と第2部分22との境界をまたぐ領域に位置していることが好ましい。また、セラミック層14は、スリット130の位置にさらに設けてもよい。ここでは、セラミック層14は、金属層13を全域に亘って被覆するように設けている。
また、ここでは、金属層13のうち、隠蔽層12と接していない主面上にのみセラミック層14を設けているが、隠蔽層12と金属層13との間にのみセラミック層14を設けてもよく、それら両方の主面上にセラミック層14を設けてもよい。
セラミック層14をさらに備えていることは、以下に説明するように、物品30として、紙基材、特には短い繊維からなる紙基材等の紙剥けを生じやすい基材を採用したセキュリティデバイス付物品に対して、テラヘルツ波の透過を利用して、改竄が行われたか否かを判別する上で有利である。
上記の構成を有する他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品2は、セキュリティデバイス1を、粘着テープ等によって剥離しようとした場合に、以下のことを生じる。図20に示すセキュリティデバイス付物品2からセキュリティデバイス1を剥離する際に生じる変化の一例について、図20乃至図23を参照しながら説明する。
図21は、他の実施形態に係るセキュリティデバイス物品に貼り付けた粘着テープの剥離を開始した状態を示す上面図である。図22は、粘着テープの剥離を完了した状態の一例を示す他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品の断面図である。図23は、図22に示す構造が含んでいるセキュリティデバイスのうち、粘着テープによって剥離された部分を示す下面拡大図である。
ここでは、以下の条件を仮定する。すなわち、図20に示すように、第1部分21が、第1領域131に位置し、第2部分22が第2領域132に位置しており、セラミック層14が金属層13と接着層20との間に位置している。また、物品30として、表面強度の低い紙基材を用いている。
このようなセキュリティデバイス1を物品30に接着した場合、第1領域131の位置では、第2領域132の位置と比較して、物品30に対する偽造防止構造体10の層間接着強さがより小さい。
上述した構成を採用したセキュリティデバイス1を、粘着テープ40を使用して引き剥がすと、図22に示すように、セキュリティデバイス1は、部分的な層間剥離を生じることなく、物品30の一部30aとともに、物品30の残りの部分30bから剥離されることがある。すなわち、粘着テープ40によって剥離される部分1aは、保護層11と隠蔽層12と金属層13とセラミック層14と接着層20と物品30の一部30aとからなる。
この剥離を行なうと、粘着テープ40によって剥離された部分1aのうち、セキュリティデバイス1が含んでいる金属層13には、図23に示すように、スリット130の一端と、そのスリット130の他端との間の位置に、第1領域131と第2領域132とを互いから分断する亀裂を生じる。
次に、粘着テープ40で剥離された部分1aを他の物品30’へ再び貼付してなる改竄されたセキュリティデバイス付物品2’について、図24及び図25を参照しながら説明する。
図24は、図22に示す構造のうち、粘着テープによって物品から剥離された部分を、粘着テープとともに、他の物品に貼り付けることによって得られる、改竄されたセキュリティデバイス付物品を示す上面図である。図25は、図24に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品の一部を拡大して示す断面図である。
図24及び図25に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品2’は、図14及び図15を参照しながら説明した方法と同様の方法により得られる。
図25に示す改竄されたセキュリティデバイス付物品2’と、剥離前のセキュリティデバイス付物品2とは、以下のように異なる。
上記のように改竄されたセキュリティデバイス付物品2’において、部分1aは、複数のスリット130の各々の一端と、それらスリット130の各々の他端との間の位置に亀裂を生じた金属層13を含んでいる。このような改竄されたセキュリティデバイス付物品2’は、剥離前、すなわち正規のセキュリティデバイス付物品2とは、金属層13に設けられた開口部の形状が異なっている。
そして、正規のセキュリティデバイス付物品2では、金属層13の第1領域131と第2領域132とが互いに電気的に接続されているのに対し、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’では、金属層13の第1領域131と第2領域132とは互いに絶縁されている。従って、上述したように、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’は、正規のセキュリティデバイス付物品2とは、テラヘルツ波の透過スペクトルが異なっている。
上記の構成を有する他の実施形態に係るセキュリティデバイス付物品2の真贋判定は、例えば、以下のように行なう。
図19及び図23に示すように、正規のセキュリティデバイスは、Y方向に開口したスリット130が金属層13に設けられているのに対し、改竄されたセキュリティデバイスは、スリット130の開口部分において金属層13に亀裂を生じている。このような構造の相違は、テラヘルツ波としてp偏光又はs偏光を照射した場合に、透過スペクトルの相違を生じさせる。
以下、図26乃至図28を参照しながら詳しく説明する。図26は、図20に示す正規のセキュリティデバイス付物品及び図24に示す改竄されたセキュリティデバイスに対して照射した、テラヘルツ波としてのp偏光及びs偏光の周波数と、透過率との関係とを示すグラフである。図27は、図24に示す改竄されたセキュリティデバイスに対して、テラヘルツ波として一定周波数のp偏光及びs偏光を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。図28は、図20に示す正規のセキュリティデバイスに対して、テラヘルツ波として一定周波数のp偏光及びs偏光を照射し、測定箇所をX方向に動かしながら透過率を測定した結果を示すグラフである。なお、ここでは、p偏光の電場ベクトルの振動方向はY方向に平行であり、s偏光の電場ベクトルの振動方向はY方向に垂直である。
図20などを参照しながら説明した正規のセキュリティデバイス付物品2が含んでいるセキュリティデバイス1に向けて、テラヘルツ波としてs偏光を、その周波数を変化させながら照射すると、例えば、図26のC1で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、約0.3THzの周波数で、最大の透過率を示している。
また、このセキュリティデバイス1に向けて、テラヘルツ波としてp偏光を、その周波数を変化させながら照射すると、例えば、図26のC2で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、0.3THzの周波数における透過率が低下しており、約0.5THzの周波数で最大の透過率を示している。
一方、図24及び図25などを参照しながら説明した、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’の部分1aに向けて、テラヘルツ波としてs偏光を、その周波数を変化させながら照射すると、例えば、図26のC3で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、約0.3THzの周波数で最大の透過率を示している。
また、同様に、部分1aに向けて、テラヘルツ波としてp偏光を、その周波数を変化させながら照射すると、例えば、図26のC4で描かれるような透過スペクトルが得られる。この透過スペクトルでは、約0.3THzの周波数で最大の透過率を示している。
すなわち、正規のセキュリティデバイス付物品2については、そのセキュリティデバイス1が含んでいるスリット130のC字形状に起因した透過スペクトルの特徴を、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向を変化させたときに検出できる。これに対し、上記のような改竄されたセキュリティデバイス付物品2’では、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向を変化させても、透過スペクトルに殆ど変化を生じない。
従って、正規のセキュリティデバイス付物品2及び改竄されたセキュリティデバイス付物品2’に対し、テラヘルツ波として特定の周波数、例えば0.3THzのp偏光及びs偏光を、それらの主面に対して照射し、X方向に沿って走査すると、例えば、図27及び図28に示すようなスキャン結果を得ることができる。なお、ここでは、図17を参照しながら説明したのと同様の領域について、順次照射を行なっている。
改竄されたセキュリティデバイス付物品2’についてテラヘルツ波としてp偏光及びs偏光を照射して得られたスキャン結果は、それぞれ、図27の破線及び実線に示す通りである。すなわち、セキュリティデバイス付物品2’については、p偏光を照射して得られたスキャン結果と、s偏光を照射して得られたスキャン結果との間に大きな違いはない。
一方、正規のセキュリティデバイス付物品2についてテラヘルツ波としてp偏光及びs偏光を照射して得られたスキャン結果は、それぞれ、図28の破線及び実線で示す通りである。すなわち、セキュリティデバイス付物品2については、p偏光を照射して得られたスキャン結果と、s偏光を照射して得られたスキャン結果とは、金属層13が存在し且つスリット130が設けられている領域に対応した区間L3において透過率が大きく異なっている。
このように、正規のセキュリティデバイス付物品2を用いた場合には、特定周波数のp偏光を照射して得られるスキャン結果と、この周波数のs偏光を照射して得られるスキャン結果との間に大きな相違を生じる。これに対し、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’を用いた場合には、特定周波数のp偏光を照射して得られるスキャン結果と、この周波数のs偏光を照射して得られるスキャン結果との間に大きな相違は生じない。従って、例えば、これら透過パターンを対比することにより、真贋判定を比較的容易に行なうことができる。
1−6.効果
上述したセキュリティデバイス1は、物品30に貼り付けてなるセキュリティデバイス付物品3から、セキュリティデバイス1の破壊又は変形を生じることなしに取り外すことが困難である。従って、優れた改竄抑制効果を発揮することが可能となる。
上記のセキュリティデバイス1は、複数のスリット130を有する金属層13を含んでおり、金属層13における共振に起因した透過率のピークに基づいて、改竄されたか否かを判別することができる。共振は、一例によれば、テラヘルツ波を金属層13に向けて照射することにより生じる。テラヘルツ波の照射及びその透過率のピークの検出は、特殊な装置を要する。
従って、上記のセキュリティデバイス1は、容易に入手可能である赤外線照射装置や紫外線照射装置を用いてその形状や寸法を知ることが可能な構造と比較して、正規品であることを示す形状や寸法が他者に知られる可能性が低い構造を有している。
また、一実施形態によれば、セキュリティデバイス付物品3と改竄されたセキュリティデバイス付物品3’とは、正規のセキュリティデバイス付物品3が含んでいるセキュリティデバイス1に特定周波数のテラヘルツ波を照射しながらスキャンすることにより、真贋判定を行なうことができる。従って、長い時間を要することなく真贋判定することができる。
また、このセキュリティデバイス1は、金属層13に設けられたスリット130は隠蔽層12によって隠蔽されているため、肉眼や触覚でその存在を知ることは困難である。
さらに、この隠蔽層12として回折構造を採用した場合には、先の金属層13を反射層としても用いることができるため、高い回折効率を達成することが出来る。高い回折効率を有している回折構造を設けると、その下方にテラヘルツ波を用いた真贋判定を可能とする構造が設けられていることが悟られ難くなる。従って、この構造は、改竄の抑制に有効である。
2.転写箔
次に、本発明の一実施形態に係る転写箔について説明する。
図29は、本発明の一実施形態に係る転写箔を概略的に示す断面図である。
図29に示す転写箔4は、セキュリティデバイス1を含んだ転写材層50と、支持部材51とを含んでいる。
支持部材51は、転写材層50を、支持部材51と接着層20との間に偽造防止構造体10が介在するように剥離可能に支持している。支持部材51は、例えば、接着層20よりも高い耐熱性を有する樹脂フィルム又はシートである。支持部材51は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの耐熱性に優れた材料からなる。
また、支持部材51は、転写材層50側の面に図示しない剥離層を有していてもよい。図29に示すように、剥離層は、セキュリティデバイス1が含んでいる保護層11であってもよい。別途、剥離層を設ける場合には、例えば、フッ素樹脂又はシリコーン樹脂を使用することができる。
転写材層50は、セキュリティデバイス1と同様の層構成を有している。転写材層50の一部は、セキュリティデバイス1に相当している。
上述したセキュリティデバイス1、セキュリティデバイス付物品2及び3、並びに転写箔4には、様々な変形が可能である。例えば、セキュリティデバイス1、セキュリティデバイス付物品2及び3、並びに転写箔4には、以下の構造を採用することができる。
図30は、一変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。
図30では、金属層13は、単位構造RUをX及びY方向へ配列させた構造を有している。各単位構造RUは、4つのスリット130を含んでいる。各単位構造RUにおいて、4つのスリット130は、X及びY方向に配列している。これら4つのスリットが形成している環の各々は、Y方向の端部で開口している。具体的には、これら4つの環のうち、2つは同じ位置で開口し、残りの2つは前者とは180°異なる位置で開口している。
図5及び図6に示す例では、セキュリティデバイス付物品3に貼り付けた粘着テープ40の剥離を、X方向の一端側から行っている。しかしながら、粘着テープ40の剥離は、X方向の他端側から行われる可能性や、Y方向の一端側又は他端側から行われる可能性もある。
図3に示す構造では、スリット130が形成する環は、同じ位置で開口している。セキュリティデバイス1が図3に示す構造を採用している場合、例えば、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときとで、第1領域131と第2領域132との境界における金属層13の破断の生じ易さに相違を生じる可能性がある。その結果、図14及び図15を参照しながら説明した、改竄されたセキュリティデバイス付物品3’の構造が、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときとで異なる可能性がある。このような構造のばらつきは、図16に破線で示す透過スペクトルや、図17に破線で示す透過率分布に影響を及ぼし得る。
図30を参照しながら説明した構造を採用した場合、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときとで、金属層13の破断をより生じ易い境界の数と金属層13の破断をより生じ難い境界の数との比はほぼ等しい。それ故、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときとで、図16に破線で示す透過スペクトルや、図17に破線で示す透過率分布に相違を生じ難い。従って、真贋判定をより高い精度で行うことができる。
図31は、他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。
図31では、金属層13は、単位構造RUをX及びY方向へ配列させた構造を有している。各単位構造RUは、4つのスリット130を含んでいる。各単位構造RUにおいて、4つのスリット130は、X及びY方向に配列している。これら4つのスリットが形成している環のうち、1つはY方向の端部で開口し、他の3つは、前者とは、90°、180°及び270°異なる位置で開口している。
この構造を採用した場合、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときと、X方向の一端側から行われたときと、X方向の他端側から行われたときとで、図16に破線で示す透過スペクトルや、図17に破線で示す透過率分布に相違を生じ難い。従って、真贋判定を更に高い精度で行うことができる。
なお、図3を参照しながら説明した構造を採用した場合、図26の曲線C1及びC2のように、テラヘルツ波としてs偏光を照射したときと、テラヘルツ波としてp偏光を照射したときとで、透過スペクトルは異なる。これに対し、図31を参照しながら説明した構造を採用した場合、テラヘルツ波を照射する領域の大きさが単位領域RUの大きさ以上であれば、テラヘルツ波としてs偏光を照射したときと、テラヘルツ波としてp偏光を照射したときとで、透過スペクトルはほぼ一致する。それ故、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向に拘わらず、例えば、図26に曲線C1で示す透過スペクトルと曲線C2で示す透過スペクトルとの算術平均に相当する透過スペクトルが得られる。また、この場合、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向に拘わらず、例えば、図17に破線で示す透過率分布と実線で示す透過率分布との算術平均に相当する透過率分布が得られる。
図32は、更に他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。
図32では、金属層13は、単位構造RUをX及びY方向へ配列させた構造を有している。各単位構造RUは、4つのスリット130を含んでいる。各単位構造RUにおいて、4つのスリット130は、X及びY方向に配列している。これら4つのスリットが形成している環のうち、1つはY方向の端部で開口し、他の1つは前者とは90°異なる位置で開口し、残りの2つは前者とは180°異なる位置で開口している。
この構造を採用した場合、図31を参照しながら説明した構造を採用した場合ほどではないが、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときと、X方向の一端側から行われたときと、X方向の他端側から行われたときとで、図16に破線で示す透過スペクトルや、図17に破線で示す透過率分布に相違を生じ難い。従って、真贋判定を更に高い精度で行うことができる。
なお、図32を参照しながら説明した構造では、各単位構造RUは、Y方向に開口した環を各々が形成している3つのスリット130と、X方向に開口した環を形成している1つのスリット130とを含んでいる。それ故、テラヘルツ波を照射する領域の大きさが単位領域RUの大きさ以上であれば、図32を参照しながら説明した構造を採用したときの透過率は、(T+3×T)/4とほぼ等しい値となる。
従って、テラヘルツ波としてs偏光を照射した場合、図26において曲線C1で表される透過率を3倍し、この積に図26において曲線C2で表される透過率を加え、この和を4で除することにより算出されるのとほぼ等しい透過スペクトルが得られる。また、テラヘルツ波としてp偏光を照射した場合、図26において曲線C2で表される透過率を3倍し、この積に図26において曲線C1で表される透過率を加え、この和を4で除することにより算出されるのとほぼ等しい透過スペクトルが得られる。
図33は、更に他の変形例に係る構造を拡大して示す上面図である。
図33では、金属層13は、単位構造RUをX及びY方向へ配列させた構造を有している。各単位構造RUは、9つのスリット130を含んでいる。各単位構造RUにおいて、9つのスリット130は、X及びY方向に3行×3列で配列している。これら9つのスリットが形成している環のうち、中央の1つはY方向の端部で開口し、中央の1つを間に挟んでX方向に隣り合った2つは前者とは90°異なる位置で開口し、中央の1つを間に挟んでY方向に隣り合った2つは前者とは270°異なる位置で開口し、中央の行を間に挟んでY方向に隣り合った2組の環のうち一方の組の環は中央の環と同じ位置で開口し、中央の行を間に挟んでY方向に隣り合った2組の環のうち他方の組の環は中央の環とは180°異なる位置で開口している。
この構造を採用した場合も、粘着テープ40の剥離がY方向の一端側から行われたときと、Y方向の他端側から行われたときと、X方向の一端側から行われたときと、X方向の他端側から行われたときとで、図16に破線で示す透過スペクトルや、図17に破線で示す透過率分布に相違を生じ難い。従って、真贋判定を更に高い精度で行うことができる。
なお、図33を参照しながら説明した構造では、各単位構造RUは、Y方向に開口した環を各々が形成している5つのスリット130と、X方向に開口した環を形成している4つのスリット130とを含んでいる。それ故、テラヘルツ波を照射する領域の大きさが単位領域RUの大きさ以上であれば、図33を参照しながら説明した構造を採用したときの透過率は、(4×T+5×T)/9とほぼ等しい値となる。
従って、テラヘルツ波としてs偏光を照射した場合、図26において曲線C1で表される透過率を5倍してなる積と、図26において曲線C2で表される透過率を4倍してなる積とを加え、この和を9で除することにより算出されるのとほぼ等しい透過スペクトルが得られる。また、テラヘルツ波としてp偏光を照射した場合、図26において曲線C2で表される透過率を5倍してなる積と、図26において曲線C1で表される透過率を4倍してなる積とを加え、この和を9で除することにより算出されるのとほぼ等しい透過スペクトルが得られる。
以上の通り、スリット130が形成する複数の環の1以上と他の1以上とを異なる位置で開口させると、真贋判定をより高い精度で行うことができる。
また、以上の通り、図31乃至図33を参照しながら説明した構造の何れかを採用すると、スリット130が形成している環の開口位置が全て同じである構造、すなわち、環の中心と開口位置とを結ぶ線分がX方向に対してなす角度が等しく、この角度に応じた透過率の変化を真贋判定に利用する構造に比べ、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向が透過率に及ぼす影響を小さくすることができる。これについて、図34及び図35を参照しながら更に説明する。
図34は、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向がスリットの配列方向に対して成す角度を示す上面図である。図35は、透過スペクトルの例を示すグラフである。
図34では、テラヘルツ波の電場ベクトルの振動方向を両矢印で示している。また、図34では、この振動方向がX方向に対して成す角度をαとしている。
図31乃至図33を参照しながら説明した構造の何れかを採用した場合、図35に示すように、角度αが±15°のときの透過スペクトルは、角度αが0°のときの透過スペクトルとほぼ等しい。具体的には、例えば、スリット130が形成している環の開口位置が全て同じであり、環の中心と開口位置とを結ぶ線分がX方向に対してなす角度が60°である構造を採用した場合、1次の共振周波数f1における角度αが−15°のときの透過率と、1次の共振周波数f1における角度αが+15°のときの透過率との差は、例えば約20%である。これに対し、図31を参照しながら説明した構造を採用した場合、1次の共振周波数f1における角度αが0°のときの透過率と、1次の共振周波数f1における角度αが±15°のときの透過率との差は、例えば約0%である。また、図32を参照しながら説明した構造を採用した場合、1次の共振周波数f1における角度αが0°のときの透過率と、1次の共振周波数f1における角度αが±15°のときの透過率との差は、例えば約1%である。そして、図33を参照しながら説明した構造を採用した場合、1次の共振周波数f1における角度αが0°のときの透過率と、1次の共振周波数f1における角度αが±15°のときの透過率との差は、例えば約0.3%である。
図30乃至図33を参照しながら説明した構造の2以上を、1つのセキュリティデバイス1に採用してもよい。この場合、より複雑な透過率分布が得られる。
図30乃至図33を参照しながら説明した構造は、第2実施形態において説明したセキュリティデバイス1にも適用可能である。この場合も、上述したのと同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、実施例に限定されるものではない。
<転写箔の製造>
図29に示す転写箔4を以下のように作製した。ここでは、セキュリティデバイス1には、図20に示す構造を採用した。
まず、以下に組成を示す保護層形成用の塗液を調製した。
[保護層形成用の塗液]
アクリル系樹脂(BR−116:三菱レーション(株)社製) 20部
溶剤(トルエン/MEK/酢酸エチル) 40部/35部/5部
なお、「MEK」はメチルエチルケトンである。また、ここで使用する「部」は質量部を表している。
この塗液を支持部材51上に塗布し、保護層11を形成した。ここで、支持部材51としては、厚さ19μmの透明PETフィルムを用いた。塗液の塗布量は、保護層11の厚さが1.0μmとなるように設定した。
次に、以下に組成を示すレリーフ構造形成層形成用の塗液を調製した。
[レリーフ構造形成層形成用の塗液]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバイン(登録商標)CH:日信化学工業(株)社製) 25部
ウレタン樹脂(コロネート(登録商標)T−100:日本ポリウレタン工業(株)社製) 10部
MEK 70部
トルエン 30部
この塗液を保護層11上に塗布し、レリーフ構造形成層を形成した。ここで、塗液の塗布量は、レリーフ構造形成層の厚さが1.0μmとなるように設定した。
続いて、レリーフ構造形成層に回折格子構造を設けた。具体的には、温度160℃、線厚40kg/cmの条件下において、レリーフ構造形成層に対してロール状の回折格子版を押し当て、回折格子構造を設けた。このようにして、保護層11の上に隠蔽層12を設けた。
次に、隠蔽層12の上に金属層13を設けた。まず、隠蔽層12上に、アルミニウムを真空蒸着法によって蒸着させた。ここで、真空蒸着は、アルミニウム層の厚さが60nmとなるまで行なった。
その上に、エッチングマスク層を設けてエッチングを行なった。なお、エッチングマスク層形成用の塗液としては、以下に組成を示す塗液を使用した。
[エッチングマスク層形成用の塗液]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC:日信化学工業(株)社製) 30部
MEK 70部
この塗液を、上記の金属層の上に、厚さが1.0μmとなるように塗布し、エッチングマスク層を設けた。このエッチングマスク層には、図19に示すスリット130に対応した貫通孔を設けた。このパターニングはスクリーン印刷法を利用して行なった。
そして、アルミニウム層のうち、このエッチングマスク層によって被覆されていない部分をエッチングにより除去した。具体的には、アルミニウム層を1.5Nの水酸化ナトリウム溶液で処理した後に、水洗し、0.1Nの塩酸で中和した。このようにして、スリット130が設けられた金属層13を得た。
得られたスリット130は、Y方向の1か所で開口した環であり、その寸法は以下の通りであった。すなわち、スリット130の幅は20μmであり、スリット130の一端と、そのスリット130の他端との距離は32μmであった。
エッチングマスク層を除去した後、金属層13上にセラミック層14を設けた。ここでは、真空蒸着法によって、MgFをその厚さが100nmとなるまで蒸着させた。
その後、セラミック層14の上に接着層20を設けた。
まず、第1部分21を形成した。第1部分21は、以下に示す接着剤と接着力低減用の添加剤との混合物によって形成した。すなわち、接着剤としてアクリルウレタン樹脂を使用し、添加剤としてニトロセルロースを使用した。
[第1部分21を形成する材料]
ニトロセルロース(H1/8:太平化学製品(株)社製) 20部
アクリルウレタン樹脂(8UA347:大成ファインケミカル(株)社製) 50部
MEK 30部
この混合物をセラミック層14の上にパターン状に塗布した。具体的には、金属層13の第1領域131に対応する位置にこの混合物が印刷されるように設計された版を用いて印刷した。ここで、この混合物の塗布量は、第1部分21の厚さが1.0μmとなるように設定した。
次に、第2部分22を形成した。第2部分22は、以下に示す接着剤によって形成した。すなわち、接着剤として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とポリエステル樹脂との混合物を使用した。
[第2部分22を形成する材料]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC:日信化学工業(株)社製) 30部
ポリエステル樹脂(バイロン(登録商標)200:東洋紡(株)社製) 20部
MEK 25部
トルエン 25部
この混合物を、セラミック層14の上にパターン状に塗布した。具体的には、第1部分21を形成する際に使用した版の逆版を使用して、金属層13の第2領域132に対応する位置にこの混合物を印刷した。ここで、この混合物の塗布量は、第2部分22の厚さが1.0μmとなるように設定した。
以上の方法により、転写箔4を作製した。この転写箔4が含んでいるセキュリティデバイス1において、第1部分21は、第2部分22と比較して、偽造防止構造体10に対するより小さな接着強さを達成する。
<剥離試験>
物品30として、紙基材を含んだ商品券サンプルを準備した。この物品30上に、上記の転写箔4が含んでいる転写材層50をホットスタンプにて熱転写した。これにより、図20などを参照しながら説明したセキュリティデバイス付物品2を得た。
得られたセキュリティデバイス付物品2に対して、粘着テープによるセキュリティデバイス1の剥離試験を行なった。ここで、粘着テープとしては、強力粘着テープ(3Mスコッチ(株)社製、DUCT−TP18)を使用した。
粘着テープをセキュリティデバイス付物品2のうち、セキュリティデバイス1が位置している部分に貼り付けたのちに、引き剥がした。そして、引き剥がされた粘着テープに付着した部分1aを、他の物品30’に貼り付けた。ここで、他の物品30’としては、物品30である商品券サンプルをカラーコピーして得られた紙片を使用した。
以上の方法により、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’を作製した。
<真贋判定>
この改竄されたセキュリティデバイス付物品2’について、図27などを参照しながら説明した方法により、テラヘルツ波の透過を利用した真贋判定を行なった。すなわち、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’に対し、テラヘルツ波として特定の周波数のp偏光及びs偏光を、その主面に対して照射し、測定方向をX方向に動かしながら透過率を測定した。
その結果、図27を参照しながら説明したのと同様の結果が得られた。すなわち、改竄されたセキュリティデバイス付物品2’のスキャン結果は、p偏光を照射して得られるスキャン結果とs偏光を照射して得られるスキャン結果との間に大きな相違を生じなかった。これは、p偏光を照射して得られるスキャン結果とs偏光を照射して得られるスキャン結果との間に大きな相違を生じる正規のセキュリティデバイス付物品2のスキャン結果とは異なる。従って、得られたセキュリティデバイス付物品が改竄されたセキュリティデバイス付物品であることを容易に判定することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は、可能であれば適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…セキュリティデバイス、2及び3…セキュリティデバイス付物品、4…転写箔、10…偽造防止構造体、11…保護層、12…隠蔽層、13…金属層、14…セラミック層、20…接着層、21…第1部分、22…第2部分、23…接着剤、30及び30’…物品、31…物品本体、32…印刷層、40及び40’…粘着テープ、50…転写材層、51…支持部材、130…スリット、131…第1領域、132…第2領域。

Claims (13)

  1. 複数のスリットを有している金属層を含んだ偽造防止構造体であって、前記金属層における共振に起因して透過率のピークを有する偽造防止構造体と、
    前記偽造防止構造体の一方の主面に設けられ、前記主面の一部の領域と接触した第1部分と、前記主面の他の一部と接触した第2部分とを含み、前記第1部分は前記第2部分と比較して前記偽造防止構造体に対してより小さな接着強さを達成する接着層と
    を含むセキュリティデバイス。
  2. 前記偽造防止構造体は、前記透過率のピークをテラヘルツ周波数帯域内に有する請求項1に記載のセキュリティデバイス。
  3. 前記複数のスリットの各々は、一端がそのスリットの他端又は別のスリットの一端と隙間を隔てて向き合っている請求項1又は2に記載のセキュリティデバイス。
  4. 前記複数のスリットは複数の環を形成している請求項3に記載のセキュリティデバイス。
  5. 前記複数の環の内径は1000μm以下である請求項4に記載のセキュリティデバイス。
  6. 前記複数の環は同じ位置で開口している請求項4又は5に記載のセキュリティデバイス。
  7. 前記複数の環の1以上と他の1以上とは異なる位置で開口している請求項4又は5に記載のセキュリティデバイス。
  8. 前記第1部分は、前記金属層のうち前記スリットが形成する複数の環の各々によって囲まれた部分に位置し、前記第2部分は、前記金属層のうち前記複数の環の各々の外側に位置している請求項2乃至7の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  9. 前記偽造防止構造体は、前記金属層上であって、前記第1部分と前記第2部分との境界をまたぐ領域に位置するようにセラミック層をさらに含んだ請求項1乃至8の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  10. 前記接着層は粘着剤からなる請求項1乃至9の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを含んだ転写材層と、
    前記転写材層を、前記接着層との間に前記偽造防止構造体が介在するように剥離可能に支持した支持部材と
    を具備した転写箔。
  12. 請求項1乃至10の何れか1項に記載のセキュリティデバイスと、
    前記セキュリティデバイスが、前記接着層によって貼り付けられた物品と
    を含むセキュリティデバイス付物品。
  13. 前記第2部分における前記物品に対する前記偽造防止構造体の層間接着強さは、5.0N/10mm以上であり、前記第1部分における前記物品に対する前記偽造防止構造体の層間接着強さは、3.0N/10mm以下である請求項12に記載のセキュリティデバイス付物品。
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