JPWO2019220780A1 - 故障診断方法、電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置 - Google Patents

故障診断方法、電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

本開示の実施形態に係る故障診断方法は、電源101からの電力をモータ200に供給する電力に変換する電力変換装置1000の故障を診断する。故障診断方法は、第1ローサイドスイッチ素子SW_A1Lの両端電圧を示す第1実電圧VA1と、第1ローサイドスイッチ素子の飽和電圧Vsatと、dq座標系におけるd軸電圧およびq軸電圧に基づいて決定される電圧ピーク値Vpeakとを獲得する獲得ステップと、第1実電圧、飽和電圧および電圧ピーク値に基づいて、第2インバータ130の故障の有無を診断する診断ステップと、を包含する。

Description

本開示は、故障診断方法、電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置に関する。
近年、電動モータ(以下、単に「モータ」と表記する)、インバータおよびECUが一体化された機電一体型モータが開発されている。特に車載分野において、安全性の観点から高い品質保証が要求される。そのため、部品の一部が故障した場合でも安全動作を継続できる冗長設計が取り入れられている。冗長設計の一例として1つのモータに対して2つの電力変換装置を設けることが検討されている。他の一例として、メインのマイクロコントローラにバックアップ用マイクロコントローラを設けることが検討されている。
特許文献1は、第1系統および第2系統を有するモータ駆動装置を開示する。第1系統は、モータの第1巻線組に接続され、第1インバータ部、電源リレーおよび逆接続保護リレーなどを有する。第2系統は、モータの第2巻線組に接続され、第2インバータ部、電源リレーおよび逆接続保護リレーなどを有する。モータ駆動装置に故障が生じていないとき、第1系統および第2系統の両方を用いてモータを駆動することが可能である。これに対し、第1系統および第2系統の一方、または、第1巻線組および第2巻線組の一方に故障が生じたとき、電源リレーは、電源から、故障した系統、または、故障した巻線組に接続された系統への電力供給を遮断する。故障していない他方の系統を用いてモータ駆動を継続させることが可能である。
特許文献2および3も、第1系統および第2系統を有するモータ駆動装置を開示する。
一方の系統または一方の巻線組が故障したとしても、故障していない系統によってモータ駆動を継続させることができる。
日本国公開公報:特開2016−34204号公報 日本国公開公報:特開2016−32977号公報 日本国公開公報:特開2008−132919号公報
上述した従来の技術では、インバータの故障を適切に検出することが求められていた。
本開示の実施形態は、インバータの故障を適切に診断することが可能な故障診断方法を提供する。
本開示の例示的な故障診断方法は、電源からの電力を、少なくとも一相の巻線を有するモータに供給する電力に変換する電力変換装置の故障を診断する故障診断方法であって、前記電力変換装置は、前記少なくとも一相の巻線の一端に接続され、第1ハイサイドスイッチ素子および第1ローサイドスイッチ素子を備える第1インバータと、前記少なくとも一相の巻線の他端に接続され、第2ハイサイドスイッチ素子および第2ローサイドスイッチ素子を備える第2インバータと、前記第1ハイサイドスイッチ素子、前記第1ローサイドスイッチ素子、前記第2ハイサイドスイッチ素子および前記第2ローサイドスイッチ素子を含むHブリッジと、を備え、前記故障診断方法は、前記第1ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す第1実電圧と、前記第1ローサイドスイッチ素子の飽和電圧と、dq座標系におけるd軸電圧およびq軸電圧に基づいて決定される電圧ピーク値とを獲得する獲得ステップと、前記第1実電圧、前記飽和電圧および前記電圧ピーク値に基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断する診断ステップと、を包含する。
本開示の例示的な電力変換装置は、電源からの電力を、少なくとも一相の巻線を有するモータに供給する電力に変換する電力変換装置であって、前記電力変換装置は、前記少なくとも一相の巻線の一端に接続され、第1ハイサイドスイッチ素子および第1ローサイドスイッチ素子を備える第1インバータと、前記少なくとも一相の巻線の他端に接続され、第2ハイサイドスイッチ素子および第2ローサイドスイッチ素子を備える第2インバータと、前記第1ハイサイドスイッチ素子、前記第1ローサイドスイッチ素子、前記第2ハイサイドスイッチ素子および前記第2ローサイドスイッチ素子を含むHブリッジと、前記第1および第2インバータの動作を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す第1実電圧と、前記第1ローサイドスイッチ素子の飽和電圧と、dq座標系におけるd軸電圧およびq軸電圧に基づいて決定される電圧ピーク値とを獲得し、前記第1実電圧、前記飽和電圧および前記電圧ピーク値に基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断する。
本開示の例示的な実施形態によると、インバータの故障を適切に診断することが可能な故障診断方法、電力変換装置、当該電力変換装置を備えるモータモジュールおよび当該モータモジュールを備える電動パワーステアリング装置が提供される。
図1は、実施形態に係るモータモジュールを模式的に示すブロック図である。 図2は、実施形態に係るインバータユニットを模式的に示す回路図である。 図3Aは、A相のHブリッジを示す模式図である。 図3Bは、B相のHブリッジを示す模式図である。 図3Cは、C相のHブリッジを示す模式図である。 図4は、モータ制御全般を行うコントローラを示す機能ブロック図である。 図5は、第2インバータの故障診断を行うための機能ブロックを示す機能ブロック図である。 図6は、第1インバータの故障診断を行うための機能ブロックを示す機能ブロック図である。 図7は、回転速度ωおよび電流振幅値から飽和電圧Vsatを決定するルックアップテーブルを示す模式図である。 図8は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VA1(上側)および実電圧VA2(下側)のシミュレーション結果の波形を示すグラフである。 図9は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VB1(上側)および実電圧VB2(下側)のシミュレーション結果の波形を示すグラフである。 図10は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VC1(上側)および実電圧VC2(下側)のシミュレーション結果の波形を示すグラフである。 図11は、例示的な実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す模式図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示のインバータの故障診断方法、電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置の実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
本明細書において、電源からの電力を、三相(A相、B相、C相)の巻線を有する三相モータに供給する電力に変換する電力変換装置を例にして、本開示の実施形態を説明する。ただし、電源からの電力を、四相または五相などのn相(nは4以上の整数)の巻線を有するn相モータに供給する電力に変換する電力変換装置、およびその装置に用いるインバータの故障診断方法も本開示の範疇である。
(実施形態1)
〔1.モータモジュール2000および電力変換装置1000の構造〕
図1は、本実施形態によるモータモジュール2000の典型的なブロック構成を模式的に示している。
モータモジュール2000は、典型的に、インバータユニット100と制御回路300とを有する電力変換装置1000およびモータ200を備える。モータモジュール2000は、モジュール化され、例えば、モータ、センサ、ドライバおよびコントローラを有する機電一体型モータとして製造および販売され得る。
電力変換装置1000は、電源101(図2を参照)からの電力をモータ200に供給する電力に変換することが可能である。電力変換装置1000は、モータ200に接続される。例えば、電力変換装置1000は、直流電力を、A相、B相およびC相の擬似正弦波である三相交流電力に変換することが可能である。本明細書において、部品(構成要素)同士の間の「接続」とは、主に電気的な接続を意味する。
モータ200は、例えば三相交流モータである。モータ200は、A相の巻線M1、B相の巻線M2およびC相の巻線M3を備え、インバータユニット100の第1インバータ120と第2インバータ130とに接続される。具体的に説明すると、第1インバータ120はモータ200の各相の巻線の一端に接続され、第2インバータ130は各相の巻線の他端に接続される。
制御回路300は、例えば、電源回路310と、角度センサ320と、入力回路330と、コントローラ340と、駆動回路350と、ROM360とを備える。制御回路300の各部品は、例えば1枚の回路基板(典型的にはプリント基板)に実装される。制御回路300は、インバータユニット100に接続され、電流センサ150および角度センサ320からの入力信号に基づいてインバータユニット100を制御する。その制御手法として、例えばベクトル制御、パルス幅変調(PWM)または直接トルク制御(DTC)がある。ただし、モータ制御手法(例えばセンサレス制御)によっては、角度センサ320は不要な場合がある。
制御回路300は、目的とする、モータ200のロータの位置、回転速度、および電流などを制御してクローズドループ制御を実現できる。なお、制御回路300は、角度センサ320に代えてトルクセンサを備えてもよい。この場合、制御回路300は、目的とするモータトルクを制御できる。
電源回路310は、電源101の例えば12Vの電圧に基づいて回路内の各ブロックに必要な電源電圧(例えば3V、5V)を生成する。
角度センサ320は、例えばレゾルバまたはホールICである。または、角度センサ320は、磁気抵抗(MR)素子を有するMRセンサとセンサマグネットとの組み合わせによっても実現される。角度センサ320は、ロータの回転角(以下、「回転信号」と表記する。)を検出し、回転信号をコントローラ340に出力する。
入力回路330は、電流センサ150によって検出された相電流(以下、「実電流値」と表記する場合がある。)を受け取って、実電流値のレベルをコントローラ340の入力レベルに必要に応じて変換し、実電流値をコントローラ340に出力する。入力回路330は、例えばアナログデジタル(AD)変換回路である。
コントローラ340は、電力変換装置1000の全体を制御する集積回路であり、例えば、マイクロコントローラまたはFPGA(Field Programmable Gate Array)である。コントローラ340は、インバータユニット100の第1および第2インバータ120、130における各スイッチ素子(典型的には半導体スイッチ素子)のスイッチング動作(ターンオンまたはターンオフ)を制御する。コントローラ340は、実電流値およびロータの回転信号などに従って目標電流値を設定してPWM信号を生成し、それを駆動回路350に出力する。
駆動回路350は、典型的にはプリドライバ(「ゲートドライバ」と呼ばれることもある)である。駆動回路350は、インバータユニット100の第1および第2インバータ120、130における各スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御信号(ゲート制御信号)をPWM信号に従って生成し、各スイッチ素子のゲートに制御信号を与える。駆動対象が低電圧で駆動可能なモータであるとき、プリドライバは必ずしも必要とされない。その場合、プリドライバの機能は、コントローラ340に実装され得る。
ROM360は、例えば書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)または読み出し専用のメモリである。ROM360は、コントローラ340に電力変換装置1000を制御させるための命令群を含む制御プログラムを格納している。例えば、制御プログラムはブート時にRAM(不図示)に一旦展開される。
図2を参照して、インバータユニット100の具体的な回路構成を説明する。
図2は、本実施形態によるインバータユニット100の回路構成を模式的に示している。
電源101は、所定の電源電圧(例えば12V)を生成する。電源101として、例えば直流電源が用いられる。ただし、電源101は、AC−DCコンバータまたはDC―DCコンバータであってもよいし、バッテリー(蓄電池)であってもよい。電源101は、図示するように、第1および第2インバータ120、130に共通の単一電源であってもよいし、第1インバータ120用の第1電源(不図示)および第2インバータ130用の第2電源(不図示)を備えていてもよい。
図示されていないが、電源101と第1インバータ120の間、および、電源101と第2インバータ130の間にコイルが設けられる。コイルは、ノイズフィルタとして機能し、各インバータに供給する電圧波形に含まれる高周波ノイズ、または各インバータで発生する高周波ノイズを電源101側に流出させないように平滑化する。また、各インバータの電源端子には、コンデンサが接続される。コンデンサは、いわゆるバイパスコンデンサであり、電圧リプルを抑制する。コンデンサは、例えば電解コンデンサであり、容量および使用する個数は設計仕様などによって適宜決定される。
第1インバータ120は、3個のレグから構成されるブリッジ回路を有する。各レグは、ハイサイドスイッチ素子、ローサイドスイッチ素子およびシャント抵抗を有する。A相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_A1H、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lおよび第1シャント抵抗S_A1を有する。B相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_B1H、ローサイドスイッチ素子SW_B1Lおよび第1シャント抵抗S_B1を有する。C相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_C1H、ローサイドスイッチ素子SW_C1Lおよび第1シャント抵抗S_C1を有する。
スイッチ素子として、例えば、寄生ダイオードが内部に形成された電界効果トランジスタ(典型的にはMOSFET)、または、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)とそれに並列接続された還流ダイオードとの組み合わせを用いることができる。
第1シャント抵抗S_A1は、A相の巻線M1を流れるA相電流IA1を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_A1LとGNDラインGLの間に接続される。第1シャント抵抗S_B1は、B相の巻線M2を流れるB相電流IB1を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_B1LとGNDラインGLの間に接続される。第1シャント抵抗S_C1は、C相の巻線M3を流れるC相電流IC1を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_C1LとGNDラインGLの間に接続される。3個のシャント抵抗S_A1、S_B1およびS_C1は、第1インバータ120のGNDラインGLと共通に接続されている。
第2インバータ130は、3個のレグから構成されるブリッジ回路を有する。各レグは、ハイサイドスイッチ素子、ローサイドスイッチ素子およびシャント抵抗を有する。A相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_A2H、ローサイドスイッチ素子SW_A2Lおよびシャント抵抗S_A2を有する。B相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_B2H、ローサイドスイッチ素子SW_B2Lおよびシャント抵抗S_B2を有する。C相レグは、ハイサイドスイッチ素子SW_C2H、ローサイドスイッチ素子SW_C2Lおよびシャント抵抗S_C2を有する。
シャント抵抗S_A2は、A相電流IA2を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_A2LとGNDラインGLの間に接続される。シャント抵抗S_B2は、B相電流IB2を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_B2LとGNDラインGLの間に接続される。シャント抵抗S_C2は、C相電流IC2を検出するために用いられ、例えば、ローサイドスイッチ素子SW_C2LとGNDラインGLの間に接続される。3個のシャント抵抗S_A2、S_B2およびS_C2は、第2インバータ130のGNDラインGLと共通に接続されている。
上述した電流センサ150は、例えば、シャント抵抗S_A1、S_B1、S_C1、S_A2、S_B2、S_C2および各シャント抵抗に流れる電流を検出する電流検出回路(不図示)を備える。
第1インバータ120のA相レグ(具体的には、ハイサイドスイッチ素子SW_A1Hおよびローサイドスイッチ素子SW_A1Lの間のノード)は、モータ200のA相の巻線M1の一端A1に接続され、第2インバータ130のA相レグは、A相の巻線M1の他端A2に接続される。第1インバータ120のB相レグは、モータ200のB相の巻線M2の一端B1に接続され、第2インバータ130のB相レグは、巻線M2の他端B2に接続される。第1インバータ120のC相レグは、モータ200のC相の巻線M3の一端C1に接続され、第2インバータ130のC相レグは、巻線M3の他端C2に接続される。
図3Aは、A相のHブリッジBAの構成を模式的に示している。図3Bは、B相のHブリッジBBの構成を模式的に示している。図3Cは、C相のHブリッジBCの構成を模式的に示している。
インバータユニット100は、A相、B相およびC相のHブリッジBA、BBおよびBCを備える。A相のHブリッジBAは、第1インバータ120側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_A1H、ローサイドスイッチ素子SW_A1L、第2インバータ130側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_A2H、ローサイドスイッチ素子SW_A2L、および、巻線M1を有する。
B相のHブリッジBBは、第1インバータ120側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_B1H、ローサイドスイッチ素子SW_B1L、第2インバータ130側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_B2H、ローサイドスイッチ素子SW_B2L、および、巻線M2を有する。
C相のHブリッジBCは、第1インバータ120側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_C1H、ローサイドスイッチ素子SW_C1L、第2インバータ130側のレグにおけるハイサイドスイッチ素子SW_C2H、ローサイドスイッチ素子SW_C2L、および、巻線M3を有する。
制御回路300(具体的にはコントローラ340)は、以下で説明するインバータの故障診断を実行することにより、第1インバータ120および第2インバータ130のうちの故障したインバータを特定することができる。以下、インバータの故障診断の詳細を説明する。
〔2.インバータの故障診断方法〕
図4から図7を参照しながら、例えば、図1に示す電力変換装置1000に用いる、インバータの故障を診断する故障診断方法の具体例を説明する。本開示の故障診断方法は、少なくとも1つのHブリッジを備える電力変換装置、例えばフルブリッジタイプの電力変換装置に好適に用いることができる。本明細書中において、インバータの故障は、スイッチ素子のオープン故障を指す。オープン故障とは、スイッチ素子が常時ハイインピーダンスになる故障である。本明細書では、例えば第1インバータ120のハイサイドスイッチ素子SW_A1HまたはSW_A1Lにオープン故障が生じることを、第1インバータ120の故障と呼ぶ場合がある。
故障診断では、例えば、dq座標系において表現される電流および電圧と、ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す実電圧と、モータの回転速度ωとを獲得する。dq座標系において表現される電流および電圧は、d軸電圧Vd、q軸電圧Vq、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを含む。なお、dq座標系において、零相に対応した軸をz軸として表している。回転速度ωは、単位時間(例えば1分間)にモータのロータが回転する回転数(rpm)または単位時間(例えば1秒間)にロータが回転する回転数(rps)で表される。
図3Aから図3Cを用いて、スイッチ素子の実電圧を説明する。
A相、B相およびC相のHブリッジBA、BBおよびBCのそれぞれに対し、第1実電圧および第2実電圧を定義する。第1実電圧は、各相のHブリッジにおいて、第1インバータ120側のレグにおける第1ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す。換言すると、第1実電圧は、第1インバータ120側のレグにおける第1ハイサイドスイッチ素子と第1ローサイドスイッチ素子の間のノード電位に相当する。第2実電圧は、第2インバータ130側のレグにおける第2ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す。換言すると、第2実電圧は、第2インバータ130側のレグにおける第2ハイサイドスイッチ素子と第2ローサイドスイッチ素子の間のノード電位に相当する。スイッチ素子の両端電圧は、スイッチ素子であるFETのソース−ドレイン間の電圧Vdsに等しい。
A相のHブリッジBAに対し、第1実電圧は、図3Aに示すローサイドスイッチ素子SW_A1Lの両端電圧VA1を指し、第2実電圧は、図3Aに示すローサイドスイッチ素子SW_A2Lの両端電圧VA2を指す。B相のHブリッジBBに対し、第1実電圧は、図3Bに示すローサイドスイッチ素子SW_B1Lの両端電圧VB1を指し、第2実電圧は、図3Bに示すローサイドスイッチ素子SW_B2Lの両端電圧VB2を指す。C相のHブリッジBCに対し、第1実電圧は、図3Cに示すローサイドスイッチ素子SW_C1Lの両端電圧VC1を指し、第2実電圧は、図3Cに示すローサイドスイッチ素子SW_C2Lの両端電圧VC2を指す。
次に、獲得した、dq座標系の電流および電圧、第1実電圧、第2実電圧および回転速度に基づいて、インバータの故障を診断する。
インバータが故障していると判定した場合、インバータの故障を示す故障信号を生成し、後述するモータ制御ユニットに出力する。例えば、故障信号は、故障が生じるとアサートされる信号である。
上記の故障診断は、例えば、電流センサ150によって各相電流を測定する周期、すなわちAD変換の周期に同期して繰り返し実行される。
本実施形態による故障診断方法を実現するためのアルゴリズムは、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)またはFPGAなどのハードウェアのみで実現することもできるし、マイクロコントローラおよびソフトウェアの組み合わせによっても実現することができる。本実施形態では、故障診断の動作主体を制御回路300のコントローラ340とする。
図4は、モータ制御全般を行うためのコントローラ340の機能ブロックを例示している。図5は、第2インバータ130の故障診断を行うための機能ブロックを例示している。図6は、第1インバータ120の故障診断を行うための機能ブロックを例示している。
本明細書において、機能ブロック図における各ブロックは、ハードウェア単位ではなく機能ブロック単位で示される。モータ制御および故障診断に用いるソフトウェアは、例えば、各機能ブロックに対応した特定の処理を実行させるためのコンピュータプログラムを構成するモジュールであり得る。そのようなコンピュータプログラムは、例えばROM360に格納される。コントローラ340は、ROM360から命令を読み出して各処理を逐次実行することができる。
コントローラ340は、例えば、故障診断ユニット800およびモータ制御ユニット900を有する。このように、本開示の故障診断は、モータ制御(例えばベクトル制御)と好適に組み合わせることができ、モータ制御の一連の処理の中に組み込むことが可能である。
故障診断ユニット800は、dq座標系におけるd軸電流Id、q軸電流Iq、d軸電圧Vd、q軸電圧Vq、およびモータ200の回転速度ωを獲得する。故障診断ユニット800は、さらに、第1実電圧VA1、VB1、VC1、第2実電圧VA2、VB2およびVC2を獲得する。
例えば、故障診断ユニット800は、Vpeakを獲得するプレ演算ユニット(不図示)を有し得る。プレ演算ユニットは、クラーク変換を用いて、電流センサ150の測定値に基づいて取得された三相電流Ia、IbおよびIcを、αβ固定座標系における、α軸上の電流Iαおよびβ軸上の電流Iβに変換する。プレ演算ユニットは、パーク変換(dq座標変換)を用いて、電流Iα、Iβを、dq座標系におけるd軸電流Idおよびq軸電流Iqに変換する。プレ演算ユニットは、電流IdおよびIqに基づいてd軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqを取得し、取得したVd、Vqから下記式(1)に基づいて電圧ピーク値Vpeakを算出する。または、プレ演算ユニットは、ベクトル制御を行うモータ制御ユニット900から、Vpeakの算出に必要なVd、Vqを受け取ることも可能である。例えば、プレ演算ユニットは、電流センサ150によって各相電流を測定する周期に同期してVpeakを獲得する。
Vpeak=(2/3)1/2(Vd2+Vq21/2 式(1)
故障診断ユニット800は、ルックアップテーブル840(図7)を参照して、電流Id、Iqおよび回転速度ωに基づいて飽和電圧Vsatを決定する。
図7は、回転速度ωおよび電流振幅値から飽和電圧Vsatを決定するルックアップテーブル(LUT)840を模式的に示している。LUT840は、d軸電流およびq軸電流に基づいて決定される電流振幅値(Id2+Iq21/2およびモータ200の回転速度ωの入力と、飽和電圧Vsatとの関係を関連付ける。
回転速度ωは、例えば角度センサ320からの回転信号に基づいて算出される。または、回転速度ωは、例えば公知のセンサレス制御手法を用いて推定することができる。各スイッチ素子の実電圧は、例えば駆動回路(プリドライバ)350によって測定される。
表1は、故障診断に用いることが可能なLUT840の構成を例示している。モータ制御では、一般的にIdはゼロとして扱われる。そのため、電流振幅値はIqに等しくなる。表1には、Iq(A)を記載している。飽和電圧Vsatは、獲得された電流振幅値Iqおよび回転速度ωから決定される。あるいは、飽和電圧Vsatとして、例えば、駆動前に予め設定した値を用いてもよい。例えば、飽和電圧Vsatとして、システムに依存する一定の値(例えば0.1V程度)を用いてもよい。
Figure 2019220780
故障診断ユニット800は、上述した実電圧、電圧ピーク値Vpeak、飽和電圧Vsatに基づいてインバータの故障の有無を診断する。
故障診断ユニット800は、第1インバータ120の故障を示す故障信号1_FD、第2インバータ130の故障を示す故障信号2_FDを診断結果に基づいて生成し、モータ制御ユニット900に出力する。
モータ制御ユニット900は、例えばベクトル制御を用いて、第1および第2インバータ120、130のスイッチ素子のスイッチング動作の全般を制御するPWM信号を生成する。モータ制御ユニット900は、PWM信号を駆動回路350に出力する。
故障信号がアサートされ、モータ200のトルクアシスト継続が困難な場合は、モータ制御ユニット900は、例えばモータ200のトルクアシストを停止させる。この場合、電力変換装置1000は、人間に注意を喚起するための報知信号を報知装置(図示せず)に出力してもよい。報知装置は、例えば、光、音、表示の少なくとも1つを用いて、人間に注意を喚起する。これにより、人間はモータ200のトルクアシストが停止したことを認識することができる。モータ200が電動パワーステアリング装置に搭載されている場合においては、自動車の運転者は、ステアリング操作を補助するモータのトルクアシストが停止したことを認識することができる。運転者は報知装置による注意喚起に従い、例えば路肩に自動車を停止できる。
本明細書において、説明の便宜上、各機能ブロックをユニットと表記する場合がある。当然に、各機能ブロックをハードウェアまたはソフトウェアに限定解釈する意図で、これらの表記を用いてはいない。
各機能ブロックはソフトウェアとしてコントローラ340に実装される場合、そのソフトウェアの実行主体は、例えばコントローラ340のコアであり得る。上述のようにコントローラ340はFPGAによって実現され得る。その場合、全てまたは一部の機能ブロックはハードウェアで実現され得る。
複数のFPGAを用いて処理を分散させることにより、特定のコンピュータの演算負荷を分散させることができる。その場合、図4から図6に示される機能ブロックの全てまたは一部は、複数のFPGAに分散して実装され得る。複数のFPGAは、例えば車載のコントロールエリアネットワーク(CAN)によって互いに通信可能に接続され、データの送受信を行うことが可能である。
故障診断ユニット800は、図5および図6に示す第2インバータ130の故障の有無を診断する故障診断ユニット801、第1インバータ120の故障の有無を診断する故障診断ユニット802を有する。故障診断ユニット801および802は、実質的に同じ機能ブロックを有するが、入力される実電圧が互いに異なる。
故障診断ユニット801および802のそれぞれは、絶対値演算器811、814、817と、乗算器812、813、815、816、818、819と、加算器831、832、833と、比較器851、852、853と、論理回路OR871とを有する。
まず、第2インバータ130の故障の有無の診断処理を説明する。
故障診断ユニット801の絶対値演算器811は、実電圧VA1の絶対値を演算する。乗算器812は、電圧ピーク値Vpeakに定数「−1/2」を乗算する。乗算器813は、飽和電圧Vsatに定数「−1」を乗算する。加算器831は、絶対値演算器811、乗算器812および813の出力値を加算して、下記式(2)で表される故障診断電圧VA1_FDを算出する。
VA1_FD=|VA1|−〔(Vpeak/2)+Vsat〕 式(2)
比較器851は“VA1_FD”と“ゼロ”とを比較する。比較器851はVA1_FDがゼロ以下である(VA1_FD≦0)場合、実電圧VA1は正常であることを示す“0”を論理回路OR871に出力する。比較器851はVA1_FDがゼロより大きい(VA1_FD>0)場合、実電圧VA1は異常であることを示す“1”を論理回路OR871に出力する。
同様に、故障診断ユニット801の絶対値演算器814は、実電圧VB1の絶対値を演算する。乗算器815は、電圧ピーク値Vpeakに定数「−1/2」を乗算する。乗算器816は、飽和電圧Vsatに定数「−1」を乗算する。加算器832は、絶対値演算器814、乗算器815および816の出力値を加算して、下記式(3)で表される故障診断電圧VB1_FDを算出する。
VB1_FD=|VB1|−〔(Vpeak/2)+Vsat〕 式(3)
比較器852は、“VB1_FD”と“ゼロ”とを比較する。比較器852は、VB1_FDがゼロ以下である場合、実電圧VB1は正常であることを示す“0”を論理回路OR871に出力する。比較器852は、VB1_FDがゼロより大きい場合、実電圧VB1は異常であることを示す“1”を論理回路OR871に出力する。
故障診断ユニット801の絶対値演算器817は、実電圧VC1の絶対値を演算する。乗算器818は、電圧ピーク値Vpeakに定数「−1/2」を乗算する。乗算器819は、飽和電圧Vsatに定数「−1」を乗算する。加算器833は、絶対値演算器817、乗算器818および819の出力値を加算して、下記式(4)で表される故障診断電圧VC1_FDを算出する。
VC1_FD=|VC1|−〔(Vpeak/2)+Vsat〕 式(4)
比較器853は、“VC1_FD”と“ゼロ”とを比較する。比較器853は、VC1_FDがゼロ以下である場合、実電圧VC1は正常であることを示す“0”を論理回路OR871に出力する。比較器853は、VC1_FDがゼロより大きい場合、実電圧VC1は異常であることを示す“1”を論理回路OR871に出力する。
論理回路OR871は比較器851、852、853の出力信号の論理和をとる。論理回路OR871は、第2インバータ130の故障の有無を示す故障信号2_FDとして論理和をモータ制御ユニット900に出力する。
比較器851、852、853の出力信号が全て“0”である場合、論理回路OR871は、第2インバータ130は正常であることを示す“0”を故障信号2_FDとして出力する。比較器851、852、853の出力信号の少なくとも1つが“1”である場合、論理回路OR871は、第2インバータ130は故障していることを示す“1”を故障信号2_FDとして出力する。
例えば、ローサイドスイッチ素子SW_A2Lがオープン故障すると、そのスイッチ素子に電流は流れない。その結果、モータ200の逆起電力の影響を受けて、実電圧VA2の下側ピーク値(負の値)は上がり、その絶対値は小さくなる。ローサイドスイッチ素子SW_A2Lにオープン故障が生じていないとき、VA1≒〔(Vpeak/2)+Vsat〕となり、実電圧VA1の大きさは、|(Vpeak/2)+Vsat|に等しくなる。これに対し、ローサイドスイッチ素子SW_A2Lにオープン故障が生じると、この均衡が崩れる。例えば、スイッチ素子SW_A2Lに電流が流れないためにスイッチ素子SW_A1Lに余分な電圧が掛かる。実電圧VA1は大きくなり、VA1_FD>0となる。
図6に示す故障診断ユニット802は、故障診断ユニット801と同様の処理を実行し、第1インバータ120の故障の有無を診断する。故障診断ユニット802には、実電圧VA1、VB1、VC1の代わりに、実電圧VA2、VB2、VC2が入力される。故障診断ユニット802のそれ以外の処理は故障診断ユニット801と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、上記の演算以外の方法により故障診断電圧を求めてもよい。例えば故障診断電圧VA1_FDは、以下の式(5)の演算から求めてもよい。
VA1_FD=VA12−〔(Vpeak/2)+Vsat〕2 式(5)
また、例えば、故障診断電圧VA1_FDは、以下の式(6)の演算により求めてもよい。
VA1_FD=〔VA1+(Vpeak/2)+Vsat〕〔VA1−(Vpeak/2)−Vsat〕 式(6)
これらの演算を用いても、上記と同様にインバータの故障の有無を診断することができる。
以下に、本開示による故障診断に用いられるアルゴリズムの妥当性を、dSPACE社の“ラピッドコントロールプロトタイピング(RCP)システム”およびMathWorks社のMatlab/Simulinkを用いて検証した結果を示す。この検証には、ベクトル制御により制御を受ける、電動パワーステアリング(EPS)装置に用いる表面磁石型(SPM)モータのモデルが用いられた。検証においてq軸の電流指令値Iq_refを3Aに設定し、d軸の電流指令値Id_refおよび零相の電流指令値Iz_refを0Aに設定した。モータの回転速度ωは1200rpmに設定した。シミュレーションでは、第1インバータ120のローサイドスイッチ素子SW_A1Lにオープン故障を時刻1.641sで発生させている。
図8から図10に、各信号の波形のシミュレーション結果を示している。各グラフの縦軸は電圧(V)を示し、横軸は時間(s)を示している。
図8は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VA1(上側)および実電圧VA2(下側)の波形を示している。図9は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VB1(上側)および実電圧VB2(下側)の波形を示している。図10は、ローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した場合の実電圧VC1(上側)および実電圧VC2(下側)の波形を示している。
時刻1.641sでローサイドスイッチ素子SW_A1Lがオープン故障した後、図8に示すように実電圧VA1の下側ピーク値は上昇していることが分かる。また、実電圧VA2の上側ピーク値は上昇していることが分かる。すなわち、実電圧VA2の上側ピーク値の絶対値は大きくなる。図9、図10に示すように、実電圧VB1、VB2、VC1、VC2は変化の度合いは小さい。
正常時の動作においても、実電圧がVpeak/2よりもわずかに大きくなることは発生し得る。しかし、本実施形態では、Vpeak/2に飽和電圧Vsatを加算した値と、実電圧との比較を行う。このため、図8に示す実電圧VA2のように大きく変化した実電圧が発生した場合にのみ、故障と判定することができる。正常時の動作において実電圧がVpeak/2より大きくなる場合は故障と判定しないことにより、故障判定の精度を高めることができる。
上記のように、本開示の故障診断は、簡易なアルゴリズムにより実現できる。そのため、例えばコントローラへ340の実装において回路規模またはメモリサイズの縮小といった利点が得られる。
本開示の故障診断方法は、フルブリッジタイプの電力変換装置にも好適に用いることができる。フルブリッジは、一相のHブリッジ構造、例えば図3Aに示す回路構造を備える。上述した故障診断方法をフルブリッジの故障診断に利用することにより、フルブリッジの故障を検知することができる。
本実施形態においては、三相全てについて上述した故障診断を行わなくてもよく、一相または二相についてのみ故障診断を行ってもよい。例えば、A相についてのみ故障診断を行う場合は、図5および図6を用いて説明した処理のうちのA相に関する処理のみを行い、B相およびC相に関する処理は行わなくてもよい。
(実施形態2)
図11は、本実施形態による電動パワーステアリング装置3000の典型的な構成を模式的に示す。
自動車等の車両は一般に、電動パワーステアリング装置を有する。本実施形態による電動パワーステアリング装置3000は、ステアリングシステム520、および補助トルクを生成する補助トルク機構540を有する。電動パワーステアリング装置3000は、運転者がステアリングハンドルを操作することによって発生するステアリングシステムの操舵トルクを補助する補助トルクを生成する。補助トルクにより運転者の操作の負担は軽減される。
ステアリングシステム520は、例えば、ステアリングハンドル521、ステアリングシャフト522、自在軸継手523A、523B、回転軸524、ラックアンドピニオン機構525、ラック軸526、左右のボールジョイント552A、552B、タイロッド527A、527B、ナックル528A、528B、および左右の操舵車輪529A、529Bから構成され得る。
補助トルク機構540は、例えば、操舵トルクセンサ541、自動車用電子制御ユニット(ECU)542、モータ543および減速機構544などから構成される。操舵トルクセンサ541は、ステアリングシステム520における操舵トルクを検出する。ECU542は、操舵トルクセンサ541の検出信号に基づいて駆動信号を生成する。モータ543は、駆動信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを生成する。モータ543は、減速機構544を介してステアリングシステム520に、生成した補助トルクを伝達する。
ECU542は、例えば、実施形態1によるコントローラ340および駆動回路350などを有する。自動車ではECUを核とした電子制御システムが構築される。電動パワーステアリング装置3000では、例えば、ECU542、モータ543およびインバータ545によって、モータ駆動ユニットが構築される。そのシステムに、実施形態1によるモータモジュール2000を好適に用いることができる。
本開示の実施形態は、シフトバイワイヤ、ステアリングバイワイヤ、ブレーキバイワイヤなどのエックスバイワイヤおよびトラクションモータなどのモータ制御システムにも好適に用いられる。例えば、本開示の実施形態による故障診断方法を実装したEPSは、日本政府および米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によって定められたレベル0から5(自動化の基準)に対応した自動運転車に搭載され得る。
本開示の実施形態は、掃除機、ドライヤ、シーリングファン、洗濯機、冷蔵庫および電動パワーステアリング装置などの、各種モータを備える多様な機器に幅広く利用され得る。
100:インバータユニット、 101:電源、 120:第1インバータ、 130:第2インバータ、 140:インバータ、 150:電流センサ、 200:モータ、 300:制御回路、 310:電源回路、 320:角度センサ、 330:入力回路、 340:マイクロコントローラ、 350:駆動回路、 360:ROM、 1000:電力変換装置、 2000:モータモジュール、 3000:電動パワーステアリング装置

Claims (12)

  1. 電源からの電力を、少なくとも一相の巻線を有するモータに供給する電力に変換する電力変換装置の故障を診断する故障診断方法であって、
    前記電力変換装置は、
    前記少なくとも一相の巻線の一端に接続され、第1ハイサイドスイッチ素子および第1ローサイドスイッチ素子を備える第1インバータと、
    前記少なくとも一相の巻線の他端に接続され、第2ハイサイドスイッチ素子および第2ローサイドスイッチ素子を備える第2インバータと、
    前記第1ハイサイドスイッチ素子、前記第1ローサイドスイッチ素子、前記第2ハイサイドスイッチ素子および前記第2ローサイドスイッチ素子を含むHブリッジと、
    を備え、
    前記故障診断方法は、
    前記第1ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す第1実電圧と、前記第1ローサイドスイッチ素子の飽和電圧と、dq座標系におけるd軸電圧およびq軸電圧に基づいて決定される電圧ピーク値とを獲得する獲得ステップと、
    前記第1実電圧、前記飽和電圧および前記電圧ピーク値に基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断する診断ステップと、
    を包含する故障診断方法。
  2. 前記診断ステップは、下記式で表される前記第1故障診断電圧VA1_FDに基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断するステップを含み、
    VA1_FD=|VA1|−〔(Vpeak/2)+Vsat〕
    ここで、VA1は前記第1実電圧を示し、Vpeakは前記電圧ピーク値を示し、Vsatは前記飽和電圧を示す、請求項1に記載の故障診断方法。
  3. 前記診断ステップは、下記式で表される前記第1故障診断電圧VA1_FDに基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断するステップを含み、
    VA1_FD=VA12−〔(Vpeak/2)+Vsat〕2
    ここで、VA1は前記第1実電圧を示し、Vpeakは前記電圧ピーク値を示し、Vsatは前記飽和電圧を示す、請求項1に記載の故障診断方法。
  4. 前記診断ステップは、下記式で表される前記第1故障診断電圧VA1_FDに基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断するステップを含み、
    VA1_FD=〔VA1+(Vpeak/2)+Vsat〕〔VA1−(Vpeak/2)−Vsat〕
    ここで、VA1は前記第1実電圧を示し、Vpeakは前記電圧ピーク値を示し、Vsatは前記飽和電圧を示す、請求項1に記載の故障診断方法。
  5. 前記第1故障診断電圧VA1_FDがゼロ以下の場合、前記第2インバータは正常と診断し、
    前記第1故障診断電圧VA1_FDがゼロよりも大きい場合、前記第2インバータは故障していると診断する、請求項2から4のいずれかに記載の故障診断方法。
  6. 前記第2インバータは故障していると診断した場合に、前記第2インバータは故障していることを示す故障信号を出力するステップをさらに包含する、請求項1から5のいずれかに記載の故障診断方法。
  7. 前記飽和電圧は、前記dq座標系におけるd軸電流、q軸電流および前記モータの回転速度に基づいて決定される、請求項1から6のいずれかに記載の故障診断方法。
  8. 前記獲得ステップにおいて、前記d軸電流および前記q軸電流に基づいて決定される電流値および前記モータの回転速度の入力と、前記飽和電圧とを関連付けるルックアップテーブルを用いて、前記飽和電圧を決定する、請求項1から7のいずれかに記載の故障診断方法。
  9. 前記モータはn相(nは3以上の整数)の巻線を有し、
    前記電力変換装置はn個のHブリッジを有し、
    前記n個のHブリッジのそれぞれにおいて、前記獲得ステップおよび前記診断ステップを実行する、請求項1から8のいずれかに記載の故障診断方法。
  10. 電源からの電力を、少なくとも一相の巻線を有するモータに供給する電力に変換する電力変換装置であって、
    前記電力変換装置は、
    前記少なくとも一相の巻線の一端に接続され、第1ハイサイドスイッチ素子および第1ローサイドスイッチ素子を備える第1インバータと、
    前記少なくとも一相の巻線の他端に接続され、第2ハイサイドスイッチ素子および第2ローサイドスイッチ素子を備える第2インバータと、
    前記第1ハイサイドスイッチ素子、前記第1ローサイドスイッチ素子、前記第2ハイサイドスイッチ素子および前記第2ローサイドスイッチ素子を含むHブリッジと、
    前記第1および第2インバータの動作を制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記第1ローサイドスイッチ素子の両端電圧を示す第1実電圧と、前記第1ローサイドスイッチ素子の飽和電圧と、dq座標系におけるd軸電圧およびq軸電圧に基づいて決定される電圧ピーク値とを獲得し、
    前記第1実電圧、前記飽和電圧および前記電圧ピーク値に基づいて、前記第2インバータの故障の有無を診断する、電力変換装置。
  11. モータと、
    請求項10に記載の電力変換装置と、
    を備えるモータモジュール。
  12. 請求項11に記載のモータモジュールを備える電動パワーステアリング装置。
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