JPWO2019177159A1 - 癌免疫療法併用剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤、PDGFR阻害剤またはCXCR4阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤、並びに本発明の癌免疫療法併用剤の有効性の分析に用いるための分析薬に関する。分析薬は、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aからなる群から選択されるいずれか1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを含有する。本発明は、PDACに対して有効性を有する癌免疫療法を提供する。

Description

本発明は、癌免疫療法併用剤(Cancer immunotherapy companion drug)及びこの併用剤の有効性を分析する方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月15日出願の日本特願2018−48179号および2018年9月21日出願の日本特願2018−176853号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
膵管癌(PDAC)は、5年生存率が数%を超えない、極めて予後不良の癌である。現行ではその治療として外科的切除と幾つかの抗がん剤が用いられているが、それらの効果は限定的である。また、precision medicineがかしましく唱えられているが、治療効果と相関する(もしくは、治療抵抗性)biomarkerなどもわかっていない。
一方、免疫系抗癌剤の開発普及が急速に進められている。免疫系抗癌剤には、抗CTLA−4抗体(イピリムマブ(商品名ヤーボイ))、抗PD−1抗体(ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ))があり、抗PD−L1抗体(アテゾリズマブ(商品名テセントリク)、アベルマブ(商品名バベンチオ)、デュルバルマブ(商品名イミフィンジ)もある。しかし、適用できる癌の種類及び適用できる患者の範囲に依然として制限があり、その拡大が望まれている。さらに、新たな免疫系抗癌剤の開発も進められている。しかし、PDACに対する免疫系抗癌剤の有効性は未知である(非特許文献1、2)。
特許文献1:日本特許第6202362号
特許文献2:日本特開2015−020963号公報
特許文献3:日本特開2015−021800号公報
特許文献4:日本特開2017−108686号公報
非特許文献1:Jiang H., et al., Nat Med.22:851-60, 2016. Targeting focal adhesion kinase renders pancreatic cancers responsive to checkpoint immunotherapy. (Supplement Fig.7c and 7d)
非特許文献2:Winograd R., et al., Cancer Immunol Res. 3:399-411, 2015. Induction of T-cell Immunity Overcomes Complete Resistance to PD-1 and CTLA-4 Blockage and Improves Survival in Pancreatic Carcinomas. (Fig.3B)
特許文献1〜4及び非特許文献1〜2の全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、PDACに対して有効性を有する癌免疫療法を提供することを課題とする。
本発明者らはARF6を軸としたシグナル経路、ARF6-AMAP1-EPB41L5経路因子群の高発現が乳癌や腎細胞癌などの浸潤転移、薬剤抵抗性を促進し、患者予後や生存性と高い統計的有意差をもって相関することを報告してきた(特許文献1〜3)。乳癌や腎細胞癌は管腔上皮を主な発生母地とする。また、同じく管腔上皮を発生母地とするPDACに関しては、再発リスクの予測手段として、ARF6-AMAP1-EPB41L5経路因子群の特定の遺伝子をマーカーとすることができることを報告した(特許文献4)。
本発明者らは、今回、さらに、PDACが本経路因子群を高発現し、浸潤転移、薬剤抵抗性、並びに、PD−L1の細胞内リサイクリングと細胞表面発現を促進すること、さらには、本経路を阻害することによって、浸潤転移能、抗癌剤抵抗性、並びに、免疫サーベイランス回避を著しく阻害できることを明らかにした。
具体的には、本発明者らは、ヒト膵臓がん由来のMiaPaCa-2細胞及びKPCマウスモデル細胞を用いて、PD−L1のリサイクリングにARF6及びAMAP1シグナルが関与しているとの新規知見を得た。さらに、ARF6経路活性化を分子標的としたスタチンと抗PD−L1抗体との併用による癌免疫療法の有効性が向上することを示唆する結果を得た。これらに基づいて本発明を完成した。
さらに本発明者らは、上記知見並びにAMAP1の発現誘導にmTORC1(mTORC1はmTORとRaptorのcomplexを意味する。図10右上図参照)が関与すること、及びARF6の発現誘導にeIF4Aが関与することから、ヒト膵臓がん由来のMiaPaCa-2細胞を用いて、mTORC1の発現阻害及びeIF4Aの発現阻害により細胞表面のPD−L1が減少する知見を得た。このことから、mTORC1の発現阻害及びeIF4Aの発現阻害によってもPD−L1のリサイクリングが阻害されていると推認できることから、ARF6経路活性化に関連するmTORC1及び/又はeIF4Aに対する阻害剤と抗PD−L1抗体との併用による癌免疫療法の有効性が向上することを期待して、本発明の第2の態様を完成した。
加えて、例8においてARF6−AMAP1経路はPDGFRによって活性化され、その結果、PDGFRシグナルがPD−L1リサイクリングを亢進させること、及びPDGF非添加では、PD−L1リサイクリングはbasal levelしか起こらないことを示した。この事実を踏まえると、PDGFR阻害剤はARF6−AMAP1経路を阻害することを強く示唆するものであり、ARF6及びAMAP1の発現阻害だけではなく、PDGFRを阻害することによっても、本経路を高発現する膵癌の免疫回避能を阻害するものと推定できることから、本発明の第3の態様を完成した。
加えて、例12においてAMAP1がPDGF刺激依存的なCXCL12の発現制御に関与していること及びAMAP1の発現を抑制した腫瘍組織では、CXCL12の発現が減少している染色像が観察され、CXCL12の発現制御にAMAP1が関与していることが強く示唆された。CXCL12はCXCR4のリガンドであり、CXCR4を発現する免疫抑制細胞MDSCやTregをリクルートすること、及び腫瘍細胞の増殖にも関与することが知られている。CXCL12とCXCR4との結合を阻害するCXCR4阻害剤は、抗腫瘍免疫の抑制及び抗腫瘍効果が考えられる。ARF6及びAMAP1の発現阻害だけではなく、CXCL12とCXCR4との結合を阻害することによっても、本経路を高発現する膵癌の免疫回避能を阻害するものと推定できることから、本発明の第4の態様を完成した。
本発明は以下の通りである。
[1]
ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とする、
抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤。
[2]
PDGFR阻害剤及びCXCR4阻害剤から成る群から選択される1種又は2種以上の阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤。
[3]
癌が膵癌である、[1]又は[2]に記載の癌免疫療法併用剤。
[4]
発現阻害剤がARF6及びAMAP1に対する発現阻害剤であるメバロン酸経路活性阻害剤である、[1]又は[3]に記載の癌免疫療法併用剤。
[5]
メバロン酸経路活性阻害剤がスタチンである、[4]に記載の癌免疫療法併用剤。
[6]
発現阻害剤がARF6又はAMAP1の発現を阻害する核酸である、[1]又は[3]に記載の癌免疫療法併用剤。
[7]
発現阻害剤が、mTORに対する発現阻害剤又はeIF4Aに対する発現阻害剤である[1]に記載の癌免疫療法併用剤。
[8]
抗PD−L1抗体が、抗PD−L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ、抗PD−L1モノクローナル抗体アベルマブ、及び抗PD−L1モノクローナル抗体デュルバルマブから成る群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤。
[9]
[1]、[3]〜[8]のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤の有効性の分析に用いるための分析薬であって、
ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aからなる群から選択されるいずれか1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを含有する、分析薬。
[10]
上記タンパク質及び/又はポリペプチドが、抗体及び/又はその断片である、[9]に記載の分析薬。
[11]
(A)癌の患者から採取した生体試料において、ARF6、AMAP1、 mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定すること;並びに
(B)工程(A)において決定した翻訳産物発現レベルに基づいて、上記患者の[1]、[3]〜[8]のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤の有効性を分析するための情報を取得すること、
を含む、癌免疫療法併用剤の有効性を分析する方法。
[12]
工程(A)において、ARF6、AMAP1、 mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される全ての遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定する、[11]に記載の方法。
[13]
上記生体試料が膵組織である、[12]又は[13]に記載の方法。
[14]
工程(A)及び/又は(B)において、上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルが、それら遺伝子の翻訳産物をそれぞれ特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを用いた免疫組織化学法により決定される、[11]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
上記タンパク質及び/又はポリペプチドが抗体及び/又はその断片である、[14]に記載の方法。
[16]
[11]〜[15]のいずれかに記載の方法において有効性が分析された患者の治療に用いるための、[1]、[3]〜[8]のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤。
本発明によれば、抗PD−L1抗体と併用することで、抗PD−L1抗体が有する癌免疫療法の効果を高める併用剤を提供することができる。
さらに本発明によれば、本発明の癌免疫療法併用剤の有効性を分析する方法を提供することができる。
さらに本発明によれば、本発明の方法において有効性ありと分析された患者の治療に用いるための、抗PD−L1抗体が有する癌免疫療法の効果を高める併用剤を提供することができる。
例1における、IFNγ刺激したMiaPaCa-2細胞のPD−L1の発現結果を示す。 例2における、ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞のPD−L1の発現結果を示す。 例3における、ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞のPD−L1の細胞膜局在試験結果を示す。 例4における、ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD−L1のフローサイトメトリー(FACS)解析結果を示す。 例5における、Simvastatin処理を行ったMiaPaCa-2細胞のPD−L1の細胞膜局在試験結果を示す。 例6における、Brefeldin A処理を行ったMiaPaCa-2細胞のPD−L1の細胞膜局在試験結果を示す。 例7における、Simvastatin及びBrefeldin A処理を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD−L1のFACS解析結果を示す。 例8における、ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞におけるPD−L1のリサイクリング解析結果を示す。 例9a〜cにおける、個体を用いたKPC細胞による腫瘍増殖能の解析結果を示す。 例9dにおける抗PD−L1抗体を用いた治療実験のタイムスケジュール及びその結果を示す。 例9dにおける抗PD−L1抗体を用いた治療実験のタイムスケジュール及びその結果を示す。 図10は、左上は、膵癌の悪性度とARF6経路との関連についての解析により得られたモデルを示す。右上図は、mTORはAMAP1の発現に関与し、eIF4AはARF6の発現誘導に関与することを示す。右下図は、PDGFRやメバロン酸経路がARF6活性に関与することを示す。 例10のAの結果を示す。 例10のBの結果を示す。 例10のCの結果を示す。 例10のDの結果を示す。 例10のEの結果を示す。 例10のFの結果を示す。 例10のGの結果を示す。 例11のAの結果を示す。 例11のBの結果を示す。 例11のCの結果を示す。 例12のAの結果を示す。 例12のBの結果を示す。 例12のCの結果を示す。 例12のDの結果を示す。 例12のEの結果を示す。
<癌免疫療法併用剤(第1の態様)>
本発明の癌免疫療法併用剤の一態様は、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とし、本発明の第1の態様の癌免疫療法併用剤は、ARF6及びAMAP1から成る群から選択される1つ又は2つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤である。
本発明者らが得た知見は、前述のようにヒト膵臓がん由来のMiaPaCa-2細胞及びKPCマウスモデル細胞を用いて得られたものであり、本発明の癌免疫療法併用剤は、少なくとも膵癌に対する疫療法併用剤として有効であり、膵癌以外でも、免疫チェックポイント分子PD−L1のリサイクリングにARF6及びAMAP1シグナルの少なくとも一方が関与している癌であれば同様の効果が得られることが期待できる。
ARF6及びAMAP1は、ARF6シグナル経路(ARF6-AMAP1-EPB41L5経路とも呼ばれる)因子群に属する遺伝子である。ARF6シグナル経路が乳ガンの浸潤・転移・薬剤耐性に関与することは既に報告されている。
低分子量Gタンパク質ARF6(ADP-ribosylation factor 6)はRasスーパーファミリーのうちArfサブファミリーに属する。Arf GTPase は3つのクラスに分類されるが、ARF6は唯一クラスIIIに分類され、細胞膜やエンドソームに局在しアクチン細胞骨格のダイナミクスに基づく様々な細胞運動(エンドサイトーシス、エキソサイトーシス、膜局在タンパク質の輸送や再循環、細胞膜のラフリングなど)を制御する。これらの細胞機能は生理学的/病理学的な細胞運動および細胞内輸送の基盤となっている。ARF6は、GDPと結合した不活性状態とGTPと結合した活性状態との間を行き来し、細胞プロセスにおける分子スイッチとして機能する。ARF6は、GEF(guanine exchange factors)によりGDPがGTPへと変換されると活性化され、GAP(GTPase activating proteins)によりGTPが加水分解されると不活性化される。ARF6が結合しているGTPをGDPに加水分解するためには、GAPの補助が必要である。AMAP1はGAPの1種として知られているARF6の下流エフェクターである。
ARF6及びAMAP1から成る群から選択される1つ又は2つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤には、特に制限はないが、ARF6の活性化にはメバロン酸経路活性が必要であることがわかっており、メバロン酸経路活性阻害剤として知られているスタチンは、上記ARF6発現阻害剤として用いることができる。
スタチンは、HMG-Co-A reductase阻害剤の総称であり、血中のコレステロール値を下げるための薬剤として、多くの種類が販売されている。本発明に用いるスタチンには特に制限はないが、例えば、以下のスタチンを例示できる。但し、これらの限定される意図ではなく、メバロン酸経路活性阻害効果を有する薬剤であれば、同様に用いることができる。
ロスバスタチン(Rosuvastatin)クレストール
ピタバスタチン(Pitavastatin)リバロ
アトルバスタチン(Atorvastatin)リピトール
セリバスタチン(Cerivastatin)バイコール(Baycol)/ セルタ
フルバスタチン(Fluvastatin)ローコール
シンバスタチン(Simvastatin)リポバス(Zocor)
プラバスタチン(Pravastatin)メバロチン(Pravachol)
ロバスタチン(Lovastatin)メバコール
メバスタチン(Mevastatin)
スタチンを有効成分として含有する本発明の併用剤は、製剤化のための任意成分を含有することができる。例えば、常法に従って、散剤、顆粒剤、錠剤、座剤、注射剤とすることができる。前記任意成分としては、例えば、乳化剤、可溶化剤、分散剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、糖衣剤、矯味矯臭剤、安定剤などが例示できる。スタチンを有効成分として含有する本発明の併用剤は、公知のスタチンの用量を考慮し、かつ投与により得られる併用効果を考慮して、医療従事者により適宜決定される。
ARF6遺伝子及びAMAP1遺伝子の発現阻害剤は、ARF6又はAMAP1の発現を阻害する核酸であることもでき、核酸はリボ核酸干渉を生じることができるリボ核酸(RNA)であることができ、例えば、siRNA、shRNA、miRNAなどであることができる。
ARF6は、cds領域塩基配列がNM_001663.3(配列番号1)で示される。ARF6には、ARF6のスプライスバリアントも包含する。
AMAP1(ASAP1)は、cds領域塩基配列がNM_018482.3(配列番号2)で示される。AMAP1(ASAP1)には、そのスプライスバリアントも包含する。AMAP1(ASAP1)のスプライスバリアントとしては、cds領域塩基配列が例えば、NM_001247996.1(配列番号3)であるタンパク質を挙げることができる。
これらタンパク質の発現を阻害するsiRNA等は、上記タンパク質をコードするcDNAの塩基配列に基づいて、公知の方法により適宜設計し入手することができる。具体的には、siRNAの配列については、「予測アルゴリズム」が知られており、それを利用することができる。例えば、標的にしたいタンパクのcDNA配列を入れると、予測アルゴリズムに従って自動的に「スコア」の高い候補配列をリストアップでき、リストアップされた候補配列から前記タンパク質の発現を阻害するsiRNAを得ることができる。さらに予測アルゴリズムを用いる際に、「他の遺伝子は標的にしない」こと、つまり特異性について考慮した候補配列を得ることができる。「予測」で得た候補配列が、実験的に発現抑制効果があることは容易に確認できる。
ARF6の発現を阻害する核酸としては、例えば、5’-GCACCGCAUUAUCAAUGACCGdTdT-3’(配列番号4)および5’-CAACGUGGAGACGGUGACUUdTdT-3’(配列番号5)からなるsiRNAを挙げることができる。
AMAP1の発現を阻害する核酸としては、例えば、5’-AAGACCUGACAAAAGCCAUUAdTdT-3’(配列番号6)および5’-CCAGGGAUUUACUUGCACUAAdTdT-3'(配列番号7)からなるsiRNAを挙げることができる。
上記で例示したsiRNAは何れも、前記予測アルゴリズムを用いて得られた候補配列の中から、実際に核酸断片を合成して、各タンパク質の発現を阻害することを確認できた配列を有するものである。
上記核酸断片およびsiRNAは、リポソームを含む、対象に投与するための送達ビヒクル、担体および希釈剤およびその塩を含んでいてもよく、および/または、薬学的に許容し得る製剤中に存在してもよい。また、上記核酸断片およびsiRNAは、ウイルスベクター、ウイルス粒子、リポソーム製剤、リポフェクチンまたは沈殿剤などを含む、細胞への進入を補助、促進または容易化する作用を有する任意の送達ビヒクルを用いて対象に投与することができる他、送達ビヒクルを用いることなく、担体または希釈剤とともに直接送達または投与することもできる。送達ビヒクル、担体および希釈剤、あるいは薬学的に許容し得る製剤は、公知のものから適宜選択することができる。siRNAは、注射の外、エマルジョンとして経口や座薬などとて投与できる。送達ビヒクル、担体および希釈剤、あるいは薬学的に許容し得る製剤の具体例については、例えば、特表2013−514761号公報の段落0368〜0398の記載を参照でき、投与量は段落0411〜0418を参照できる。特表2013−514761号公報はWO2011/072082の公表公報である。
<癌免疫療法併用剤(第2の態様)>
本発明の癌免疫療法併用剤の一態様は、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とし、本発明の第2の態様の癌免疫療法併用剤は、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される1つ又は2つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤である。TORはtarget of rapamycin(ラパマイシン標的タンパク質)の略称であり、動物の細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼの一種であり、mTORはmammalian TOR(哺乳類のTOR)の略である。eIF4Aはeukaryotic initiation factor 4Aの略称であり、真核生物翻訳開始因子のひとつで、DEADボックス型RNAヘリカーゼである。
図10の左図には、膵癌の悪性度とARF6経路との関連についての解析により得られたモデルを示す。このモデルにおいて、遺伝子変異に伴うKRASシグナル及びp53変異が、ARF6経路因子であるARF6、AMAP1、EPB41L5等の蛋白質高発現に関与していることを示す。さらに、右上図においては、mTORはAMAP1の発現に関与し、eIF4AはARF6の発現誘導に関与することを示す。
この点を考慮して、本発明者らは、ヒト膵臓がん由来のMiaPaCa-2細胞を用いて、mTORC1の発現阻害、及びeIF4Aの発現阻害と、細胞表面のPD-L1量の関係を検討したところ、何れの阻害の場合も、細胞表面のPD-L1が減少することを見出した。このことは、mTORC1の発現阻害及びeIF4Aの発現阻害の何れによっても、PD−L1のリサイクリングが阻害されていると推認できることから、前記本発明の第1の態様における知見と相まって、本発明の第2の態様の癌免疫療法併用剤も、少なくとも膵癌に対する疫療法併用剤として有効であることが分かった。さらに、膵癌以外でも、PD−L1のリサイクリングに、mTORがAMAP1の発現に関与する癌、あるいはeIF4AがARF6の発現に関与する癌であれば同様の効果が得られることが期待できる。
mTOR阻害剤としては、例えば、Temsirolimus (CAS RN:162635-04-3), Everolimus (CAS: 159351-69-6), Rapamycin (CAS: 53123-88-9), Torin 1 (CAS:1222998-36-8), Torin 2 (CAS:1223001-51-1)等を挙げることができる。また、eIF4A阻害剤としては、例えば、Silvestrol (CAS:697235-38-4), eFT226, Hippuristanol (CAS:80442-78-0)等を挙げることができる。
mTOR阻害剤又はeIF4A阻害剤を有効成分として含有する本発明の併用剤は、製剤化のための任意成分を含有することができる。例えば、常法に従って、散剤、顆粒剤、錠剤、座剤、注射剤とすることができる。前記任意成分としては、例えば、乳化剤、可溶化剤、分散剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、糖衣剤、矯味矯臭剤、安定剤などが例示できる。
これらのmTOR阻害剤およびeIF4A阻害剤は公知化合物であり、それぞれ既存の薬効や治療効果も知られており、これらの化合物を有効成分として含有する本発明の併用剤は、公知の各化合物の用量を考慮し、かつ投与により得られる併用効果を考慮して、医療従事者により適宜決定される。
<癌免疫療法併用剤(第3の態様)>
本発明の第3の態様の癌免疫療法併用剤は、PDGFR阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤に関する。PDGFRは血小板由来成長因子レセプター(Platelet-Derived Growth Factor Receptor)の略称であり、PDGFは主に間葉系細胞の遊走および増殖などの調節に関与する増殖因子であり、PDGFRを介して生理活性を発現する。
例8においてARF6−AMAP1経路はPDGFRを介して活性化され、その結果、PDGFRシグナルがPD−L1リサイクリングを亢進させることを示した。さらに、PDGF非添加の条件下では、PD−L1リサイクリングはbasal levelしか起こらないことも示した。図10の左図に示すように、PDGFR阻害剤はARF6−AMAP1経路の活性化を阻害することから、この上記例8の実験結果を踏まえると、ARF6及びAMAP1の直接的な発現阻害ではなく、PDGFRを阻害することでも、ARF6−AMAP1経路を高発現する膵癌の免疫回避能を阻害するものと推定できる。この点は、例11に示す各方法により実験的に確認することができる。
PDGFR阻害剤としては、種々の化合物が知られており、かつ市販されている。例えば、Crenoranib (CAS: 670220-88-9)及びImatinib (CAS: 152459-95-5), Sunitinib (CAS: 341031-54-7), Ponatinib (CAS: 943319-70-8), Axitinib (CAS: 319460-85-0), Nintedanib (CAS: 656247-17-5), Pazopanib (CAS: 444731-52-6), Dovitinib (CAS: 405169-16-6), Linifanib (CAS: 796967-16-3), Masitinib (CAS: 790299-79-5), Tivozanib (CAS: 475108-18-0), Amuvatinib (CAS: 850879-09-3), Orantinib (CAS: 252916-29-3), CP-673451 (CAS: 343787-29-1), Telatinib (CAS: 332012-40-5), PP121 (CAS: 1092788-83-4), MK-2461 (CAS: 1092788-83-4), Avapritinib (CAS: 1703793-34-3), AZD2932 (CAS: 883986-34-3), Sennoside B (CAS: 128-57-4) 等を挙げることができる。さらにこれらの薬学的に許容される塩であることもできる。但し、これらに限定される意図ではない。尚、実施例で用いたCrenoranib (CAS: 670220-88-9)は、膵癌細胞 (KPC)を用いた解析の報告があり、PDGFRの活性(リン酸化)や転移が阻害されることが報告されている(Weissmueller et al. (2014) Cell 157, 382-394)。
<癌免疫療法併用剤(第4の態様)>
本発明の第4の態様の癌免疫療法併用剤は、CXCL12−CXCR4の結合を阻害するCXCR4阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤に関する。CXCR4は、C-X-C chemokine receptor-4の省略形である。CD4陽性T細胞の特にナイーブT細胞の表面にあるたんぱく質の一つであり、細胞同士の間にある支持細胞が作るケモカインSDF−1を受けとめるケモカイン受容体であり、G蛋白結合型受容体の一種である。CXCR4は、エイズウイルスが宿主細胞へ感染する際に利用するケモカイン受容体であり、T細胞指向性のHIVがCXCR4と結合すると、膜同士が融合して、HIVが細胞内に侵入することができる。腫瘍の転移が起こりやすい臓器ではCXCR4のリガンドCXCL12(SDF-1/PBSF)が発現し、腫瘍細胞ではCXCR4の発現が亢進していることが報告されており、CXCL12-CXCR4系の腫瘍転移との関与が注目されている。
例12において、AMAP1がPDGF刺激依存的なCXCL12の発現制御に関与していることを示し(図13C)、さらにAMAP1の発現を抑制した腫瘍組織では、CXCL12の発現が減少している染色像が観察され(図13E)、CXCL12の発現制御にAMAP1が関与していることが強く示唆された。このことから、CXCR4阻害剤は、ARF6及びAMAP1の直接的な発現阻害ではないが、CXCR4を阻害することでも、ARF6−AMAP1経路を高発現する膵癌の免疫回避能を阻害するものと推定できる(図13A下図参照)。AMAP1によってCXCL12の発現が上昇し、CXCR4を発現する免疫抑制細胞をリクルートすることで抗腫瘍免疫が生じ、あるいはCXCR4を発現する腫瘍細胞の増殖を促進していると考えられる。CXCR4を阻害することで、免疫抑制細胞による抗腫瘍免疫が抑制されるため、抗PD−L1抗体による癌免疫療法がより有効になると考えられる。即ち、Arf6-AMAP1経路が発現している膵癌において、CXCL12-CXCR4阻害と抗PD-L1抗体による癌免疫療法が有効である可能性が示唆される。
CXCR4阻害剤としては、種々の化合物が知られており、かつ市販されており、例えば、CXCR4ケモカイン受容体拮抗剤「Mozobil(R)モゾビル」(一般名:プレリキサホル)、CXCL12 analogue CTCE-9908 (ChemokineTherapeutics, Canada)、anti-CXCL12 aptamer Nox-A12 (Noxxon, Germany)、modified peptide CXCR4 antagonists (例えば、T140, BKT140, POL6326, FC131)、small-molecules CXCR4 antagonists (例えば、AMD3100, AMD11070, MSX-122, GSK812397)、CXCL12 peptide analogs (例えば、CTCE-9908, CTCE-0214)、Antibodies targeting CXCR4 (例えば、MDX-1338/BMS93656, ALX-0651)、30D8 : a humanized antibody against mouse/human CXCL12等を挙げることができる。但し、これらに限定される意図ではない。
PDGFR阻害剤及びCXCR4阻害剤から成る群から選択される1種又は2種以上の阻害剤を有効成分として含有する本発明の併用剤は、製剤化のための任意成分を含有することができる。例えば、常法に従って、散剤、顆粒剤、錠剤、座剤、注射剤とすることができる。前記任意成分としては、例えば、乳化剤、可溶化剤、分散剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、糖衣剤、矯味矯臭剤、安定剤などが例示できる。
これらPDGFR阻害剤及びCXCR4阻害剤は公知化合物であり、それぞれ生理活性、既存の薬効や治療効果も知られており、これらの化合物を有効成分として含有する本発明の併用剤は、公知の各化合物の用量を考慮し、かつ投与により得られる併用効果を考慮して、医療従事者により適宜決定される。
本発明の癌免疫療法併用剤(第1〜第4の態様)の使用量は、併用する抗PD−L1抗体の種類、投与量、投与方法、患者の症状、年齢、併用剤の投与方法等により異なるが、例えば、経口投与の場合には、1回当り、下限として0.01mg/kg 体重(好ましくは、0.1mg/kg 体重)、上限として、1000mg/kg 体重(好ましくは、100mg/kg 体重)を、静脈内投与の場合には、1回当り、下限として0.001mg/kg 体重(好ましくは、0.01mg/kg 体重)、上限として、1000mg/kg 体重(好ましくは、100mg/kg 体重)を1日当り1乃至数回症状に応じて投与することができる。但し、この数値範囲は例示であって、これらの範囲に限定される意図ではない。
本発明の癌免疫療法併用剤と併用される抗PD−L1抗体としては、例えば、ヒト型PD−L1モノクローナル抗体ヒトアテゾリズマブ(商品名テセントリク)、ヒト型PD−L1モノクローナル抗体アベルマブ(商品名バベンチオ)、ヒト型PD−L1モノクローナル抗体デュルバルマブ(商品名イミフィンジ)などを挙げることができる。
前述のように、本発明者らは、PD−L1のリサイクリングにARF6及びAMAP1シグナルが関与しているとの新規知見を得た。さらに、ARF6経路活性化を分子標的としたスタチンと抗PD−L1抗体との併用による癌免疫療法の有効性が向上することを示唆する結果を得た。
また、がん細胞に発現しているPD−L1のリサイクルにARF6経路が関与していることを明らかにした。PD−L1がリサイクル(細胞内に取りこまれ、再び細胞膜へ移行する)されると、抗PD−L1抗体がはずれてしまい、治療効果が下がることが予想される。メバロン酸経路阻害薬であるスタチンはARF6活性を阻害するため、抗PD−L1抗体療法と併用することで治療効果の上昇が期待される。さらに、mTORの発現阻害及びeIF4Aの発現阻害の何れによっても、PD−L1のリサイクリングが阻害されることから、これらの阻害剤を抗PD−L1抗体療法と併用することで治療効果の上昇が期待される。加えて、PDGFRを阻害することでも、ARF6−AMAP1経路を阻害でき、その結果、PD−L1のリサイクリングを阻害することができる。また、CXCR4を阻害することで抗腫瘍免疫を抑制することが出来ることから、PDGFR阻害剤又はCXCR4阻害剤を抗PD−L1抗体療法と併用することで治療効果の上昇が期待される。
本発明の癌免疫療法併用剤の抗PD−L1抗体との併用には特に制限はなく、医療専門家の管理の下で、本発明の癌免疫療法併用剤がスタチンである場合、スタチンは例えば、スタチンの種類などに応じて定期的に(例えば、毎日)服用し、抗PD−L1抗体は、抗PD−L1抗体の種類に応じて、単独で使用する場合に採用される標準的な投与スケジュールと同様に行うことができる。但し、癌の種類や患者の状態、癌免疫療法併用剤の種類や抗PD−L1抗体の種類等に応じて医療専門家の管理の下で、適宜変更は可能である。
<分析薬>
本発明は、本発明の癌免疫療法併用剤の有効性の分析に用いるための分析薬を包含する。この分析薬は、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを含有する。
後述するように、MiaPaCa-2細胞を用いてPDGF刺激すると、PD−L1のリサイクルが増加し、ARF6及びAMAP1のいずれか、又は両方の発現を抑制すると、PDGF刺激依存的なPD−L1のリサイクルが観察されなかった。また、EPB41L5の発現抑制では、PDGF刺激依存的なPD−L1のリサイクルが観察された。これらのことは、ARF6及びAMAP1シグナルがPDGF刺激依存的なPD−L1のリサイクルに関わり、EPB41L5シグナルはPDGF刺激依存的なPD−L1のリサイクルに関わっていないことを示す。さらに、mTORの発現抑制及びeIF4Aの阻害でも、PD−L1の細胞表面量が減少することが観察された。これらのことは、mTOR及びeIF4AシグナルがPDGF刺激依存的なPD−L1のリサイクルに関わる可能性を強く示す。
本発明の分析薬は、本発明の癌免疫療法併用剤の有効性の分析に用いるものであり、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを含有する。
遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドは、例えば、抗体及び抗体断片であることができる。
ARF6遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドは、例えば、ARF6タンパク質に対する特異的な抗体またはその断片であることができる。そのような抗体は、市販品が入手可能であり、以下に例示す。これらに限定される意図ではない。
Anti−ARF6 抗体(ab219350)
Anti−ARF6 抗体[EPR8357](ab131261)
Anti−ARF6 抗体(ab77581)
Anti−ARF6 抗体(ab81650)
Anti−ARF6 抗体(sc−7971)
mTOR遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドは、例えば、mTORタンパク質に対する特異的な抗体またはその断片であることができる。そのような抗体は、市販品が入手可能であり、以下に例示す。これらに限定される意図ではない。
Anti−mTOR 抗体 (GTX101557)
Anti−mTOR 抗体(ab2732)
Anti−mTOR 抗体(ab45989)
Anti−mTOR 抗体[EPR390(N)](ab134903)
Anti−mTOR 抗体(ab2833)
Anti−mTOR 抗体(CST2972)
eIF4A遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドは、例えば、eIF4Aタンパク質に対する特異的な抗体またはその断片であることができる。そのような抗体は、市販品が入手可能であり、以下に例示す。これらに限定される意図ではない。
Anti−eIF4A 抗体 (GTX114910)
Anti−eIF4A 抗体 (ab31217)
Anti−eIF4A抗体[EPR14505(B)](ab180506)
Anti−eIF4A抗体[EPR14506](ab185946)
Anti−eIF4A 抗体 (NBP2−16302)
AMAP1遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドは、例えば、AMAP1タンパク質に対する特異的な抗体またはその断片であることができ、具体的には、例えば、AMAP1(配列番号2)の935番目から1002番目付近のアミノ酸配列領域にエピトープとなるアミノ酸配列を有する抗体またはその断片であることができる(特許文献4参照)。
上記遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドとは、上記遺伝子のうち一の遺伝子の翻訳産物に特異的に結合し得るものであれば特に限定されるものでは無い。例えば、当該翻訳産物に対する抗体及び/又はその断片が挙げられる。抗体及び/又はその断片としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及びポリペプチドの調製方法については、遺伝子翻訳産物に対する特異的結合を保持し得る限り、どのような方法も採用し得る。例えば、当該遺伝子翻訳産物となるタンパク質及び/又はその断片を抗原として、公知の手法により所望のポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等を調製することが出来る。
尚、上記遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及びポリペプチドが有する遺伝子翻訳産物に対する特異的結合性は、当該遺伝子の翻訳産物を、当該遺伝子の翻訳産物と共存可能性がある他の遺伝子の翻訳産物と識別できる程度であれば良い。従って、例えば、上記遺伝子に一部改変(置換、欠失、付加等)が加わっている遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及びポリペプチドであっても、上記遺伝子の翻訳産物を、当該遺伝子の翻訳産物と共存可能性がある他の遺伝子の翻訳産物と識別できる程度の遺伝子翻訳産物に対する特異的結合性を有するものであれば、本発明の「遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチド」に含めることができる。
さらに、本発明の分析薬においては、単一の分析薬に、上記遺伝子のうち1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質又はポリペプチド1種のみが含まれていてもよいし、或いは上記遺伝子の翻訳産物それぞれをそれぞれ特異的に認識可能な2種以上のタンパク質及び/又はポリペプチドが含まれていてもよい。加えて、上記タンパク質及び/又はポリペプチドは、遺伝子翻訳産物の検出のために、標識物質で標識されていてもよい。標識物質としては、蛍光物質(例えば、GFP等の蛍光タンパク質、並びにフルオロセイン等の蛍光低分子化合物を含む)等が挙げられる。但し、これら標識物質による標識を有する物に限定される意図ではない。
本発明の分析薬において上記タンパク質及び/又はポリペプチドが標識されていない場合には、当該遺伝子の翻訳産物を公知の方法により検出することができる。そのような検出には、例えば、それらタンパク質及び/又はポリペプチド(一次抗体)に結合する二次抗体を用いたシステムを用いることができる。二次抗体を用いたシステムには市販の検出キットがある。このシステムでは、例えば、一次抗体に対する二次抗体がペルオキシダーゼで標識されており、試料中で目的遺伝子翻訳産物に特異的に結合した一次抗体にさらに上記二次抗体を特異的に結合させ、ペルオキシダーゼの発色基質(例えば、3,3'-ジアミノベンジジンテトラヒドロクロライド)を当該試料に添加して発色を観察することにより遺伝子翻訳産物の検出することが出来る。さらに、本発明において、1つの分析薬に、上記遺伝子の翻訳産物それぞれをそれぞれ特異的に認識可能な2以上のタンパク質及び/又はポリペプチドが含まれていている場合には、例えば、それら2以上のタンパク質及び/又はポリペプチドをそれぞれ異なる波長の蛍光を発する異種の蛍光物質で標識することができる。これにより、同一試料において目的の遺伝子翻訳産物それぞれを検出することが出来る。
分析薬は、任意に、緩衝剤、防腐剤、凍結防止剤等を含み得る。緩衝剤としては、例えば、トリス塩酸塩、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等を挙げることかできる。防腐剤としては、例えば、アジ化ナトリウム等を挙げることができる。凍結防止剤としては、例えば、グリセロール等を挙げることができる。
<癌免疫療法併用剤の有効性を分析する方法>
本発明は、本発明の癌免疫療法併用剤の有効性を分析する方法であって以下の工程(A)及び(B)を含む方法に関する。
(A)癌の患者から採取した生体試料において、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定すること;並びに
(B)工程(A)において決定した翻訳産物発現レベルに基づいて、上記患者の本発明の癌免疫療法併用剤の有効性を分析するための情報を取得すること。
本発明の方法において、「生体試料」とは、癌の治療を受けた患者から採取された任意の生体試料である。生体試料は、膵組織であることができる。さらに、膵組織としては、例えば、膵癌の治療において腫瘍摘出術の際に患者から摘出した膵臓病変部位の組織、又は、病変部位が存在していた近傍の膵組織であって腫瘍摘出術の後に、摘出術とは別に採取した膵組織を挙げることができる。但し、患者への負担を極力軽減し、かつ癌免疫療法併用剤の有効性を分析し得るという観点から、膵組織は、腫瘍摘出術の際に患者から摘出した膵癌病変部位の組織であることが好ましい。尚、本発明では病理診断のために膵臓原発巣および転移巣の外科切除検体から作製されたパラフィン包埋組織を用いて上述の有効性分析が可能であるため、病理診断が行われたすべて症例について実施可能である。
工程(A)
癌の患者から採取した生体試料において、ARF6、AMAP1、 mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定する。工程(A)においては、ARF6、AMAP1、 mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される一部又は全ての遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定することができる。これら遺伝子の翻訳産物発現レベルの決定は、上記生体試料に対して実施される限り、その方法については特に限定されるものでは無い。上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルの決定は、例えば、上記生体試料全体に対して実施してもよいし、或いは生体試料において特定種の細胞に対して実施してもよいし、或いは生体試料に存在する細胞において細胞質及び細胞核それぞれ別々に実施してもよい。上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルの決定が、生体試料に存在する細胞において細胞質及び細胞核それぞれ別々に実施された場合、決定した翻訳産物発現レベルの結果は、細胞質についての結果と細胞核についての結果の2種類が得られる。それら2種類の結果は、後述の工程(B)にそれぞれ用いることが出来る。
本発明方法の工程(A)において使用される、生体試料における上記所定の遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定する方法は、特に限定されない。具体的には、本発明の分析薬について上記した如く、検出の対象となる遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質又はポリペプチド(分析薬)を用いて当該遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定する方法を利用可能である。具体的には、生体試料である組織切片において遺伝子翻訳産物の発現強度及び発現分布を正確に把握して発現レベルを決定することが好ましい。特に、それらタンパク質及び/又はポリペプチド(分析薬)を用いた免疫組織化学法により当該遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定することが、遺伝子翻訳産物の発現強度及び発現分布をより正確に把握できるという観点から好ましい。なお、免疫組織化学法については、各種公知の手法を用いることができる。本発明においては、それら公知の手法を用いても良いし、或いは新たに開発された手法を用いてもよい。免疫組織化学法等の翻訳産物発現レベル決定方法は、対象となる遺伝子翻訳産物の発現レベルを決定できるものである限り、特に限定されるものではない。
工程(A)において、上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルは、例えば、それら遺伝子の翻訳産物をそれぞれ特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを用いた免疫組織化学法により決定されることが、遺伝子翻訳産物の特異的な検出を確保するという観点から好ましい。上記タンパク質及び/又はポリペプチドが抗体及び/又はその断片であることができる。
本発明方法の工程(A)において、本発明所定の遺伝子の翻訳産物の発現レベル決定には、生体試料において任意のタンパク質検出法で検出されたシグナル強度を基準とし、この基準との比較を用いることが出来る。基準に用いる生体試料の例としては、同一患者から採取した非癌性組織(特に、非癌性膵組織)を挙げることができ、この組織における本発明所定の遺伝子翻訳産物発現レベルを対照とすることができる。この場合、同一患者から採取した非癌性組織(特に、非癌性膵組織)における本発明所定の遺伝子翻訳産物発現シグナル強度と、対象生体試料における本発明所定の遺伝子翻訳産物発現シグナル強度を、同一のタンパク質検出法で検出し、比較するそれにより、本発明所定の少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定することができる。
さらに、「翻訳産物発現レベルの決定」においては、上記基準との比較において、対象生体試料における本発明所定の少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現のシグナル強度が、例えば、「高い」、「同等」又は「低い」等のランク付けをすることもできる。或いは、例えば上記基準として用いるシグナル強度を基準として対象生体試料における本発明所定の少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現のシグナル強度をスコア化することもできる。シグナル強度のスコア化は、例えば、基準として用いた試料における遺伝子翻訳産物のシグナル強度を0とし、そのシグナル強度と対象生体試料における遺伝子翻訳産物のシグナル強度を比較して、例えば、−1から3等の整数でスコア化することが出来る。遺伝子翻訳産物のシグナル強度のランク付けやスコア化は、適宜決定できる。
(B)工程
(A)において決定した翻訳産物発現レベルに基づいて、生体試料を採取した患者の本発明の癌免疫療法併用剤の有効性を分析するための情報を取得する。
工程(B)において癌免疫療法併用剤の有効性を分析するには、具体的には、工程(A)に関し上記に説明した通り、上記基準との比較により決定した「高い」、「同等」又は「低い」等のランク、或いはスコア化した値に基づいて、癌免疫療法併用剤の有効性を分析することが出来る。より具体的には、対象生体試料における上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルが「高い」とのランク付けが得られた場合には、当該患者については、癌免疫療法併用剤の有効性が相対的に高いと理解することができる。さらに、対象生体試料における上記2つの遺伝子の翻訳産物発現レベルが「高い」とのランク付けが得られた場合には、当該患者については、癌免疫療法併用剤の有効性が相対的により高いと理解することができる。
それに対して、対象生体試料における上記2つの遺伝子全ての翻訳産物発現レベルが「同等」又は「低い」とのランク付けが得られた場合には、当該患者については、癌免疫療法併用剤の有効性が相対的に低いと理解することができる。翻訳産物発現レベルをスコア化した場合には、スコア自体から癌免疫療法併用剤の有効性を理解することができる。或いは、予めスコアに再発リスクが「高い」、「低い」又は「中程度」等の判定を割り振っておき、得られたスコアから癌免疫療法併用剤の有効性を「高い」、「低い」又は「中程度」等と理解することもできる。
本発明の癌免疫療法併用剤は、本発明の有効性分析方法において取得した情報に基づいて有効性を分析された患者の治療に用いるため癌免疫療法併用剤であることができる。本発明の癌免疫療法併用剤は、本発明の有効性分析方法において取得した情報に基づいて有効性が相対的に高いと分析された患者の治療に用いることが好ましい。有効性の有無は、本発明の有効性分析方法において取得した情報に基づいて、医療専門家により適宜行われる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
例1
IFNγ 刺激したMiaPaCa-2細胞のPD-L1の発現
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNγ(0, 10 50 ng/ml)刺激を行い、72時間後に細胞抽出液を回収し、10μgを用いてSDS-PAGEを行い、PD-L1及びβ-actin抗体を用いてimmunoblottingを行った。
結果:図1
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNγ刺激すると、濃度依存的にPD-L1の発現が誘導される。
例2
ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞のPD-L1の発現
MiaPaCa-2細胞を用いて各種siRNAをLipofectamine RNAiMAXにより導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行い、48時間後に細胞抽出液を回収した後、10μgを用いてSDS-PAGEを行い、各種抗体を用いてimmunoblottingを行った。
ARF6 sequence targeted by siRNA; GCACCGCAUUAUCAAUGACCG(配列番号4)
AMAP1 sequence targeted by siRNA; AAGACCUGACAAAAGCCAUUA(配列番号6)
EPB41L5 sequence targeted by siRNA; GAGAUGGAACUGGCUAUUUUU(配列番号8)
結果:図2
MiaPaCa-2細胞を用いてARF6,AMAP1及びEPB41L5の発現を抑制してもIFNγ刺激によるPD-L1の総発現量は変わらない。
例3
ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞のPD-L1の細胞膜局在
MiaPaCa-2細胞を用いて例2と同様の方法で各種siRNAを導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行った。48時間後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて染色し、anti-Rabbit IgG(Alexa Fluor 555)を二次抗体として用い、標識した。アクチンの染色には、Alexa Fluor 488 phalloidinを用い、核の染色には、DAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)を用いた。
結果:図3
MiaPaCa-2細胞を用いてARF6及びAMAP1の発現を抑制すると、細胞表面のPD-L1の局在が減少するのが観察された。一方、EPB41L5の発現抑制では、細胞表面のPD-L1の局在はコントロールと差は見られていない。
例4
ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD-L1のフローサイトメトリー(FACS)解析
例2と同様の方法で各種siRNAを導入し、48時間後に細胞を回収し、anti-PD-L1-PEを用いて反応後、FACS解析を行った。陰性コントロールとしてmouse IgG-PEを用いた。
結果:図4
FACS解析を行った結果、ARF6及びAMAP1の発現抑制により細胞表面のPD-L1の減少が見られた。一方、EPB41L5の発現抑制では、細胞表面のPD-L1の減少は見られなかった。
例5
Simvastatin処理を行ったMiaPaCa-2細胞のPD-L1の細胞膜局在
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNγ(50 ng/ml)刺激を行った後、Simvastatin(1μM)を加え、24時間後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて染色し、anti-Rabbit IgG(Alexa Fluor 555)を二次抗体として用い、標識した。アクチンの染色には、Alexa Fluor 488 phalloidin、核の染色にはDAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)を用いた。
結果:図5
ARF6経路の活性化にメバロン酸経路が関与することを明らかにしている。メバロン酸経路阻害剤であるSimvastatin (1μM) を用いてMiaPaCa-2細胞を処理すると、細胞表面のPD-L1の減少が観察された。
例6
Brefeldin A処理を行ったMiaPaCa-2細胞のPD-L1の細胞膜局在
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNg(50 ng/ml)刺激を行った後、Brefeldin A(5μg/ml)を加え、30分後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて例5と同様の方法で染色を行った。β-COP染色は、anti-β-COP抗体を用いた。
結果:図6
MiaPaCa-2細胞にBrefeldin A(Arf1を活性化するGEFの阻害剤)を添加してもPD-L1の局在は変化しないことから、PD-L1のリサイクリングにArf1が関与している可能性は低いことが考えられる。Brefeldin Aに対してsensitiveであるβ-COPの局在には違いが見られていることから、Brefeldin Aは問題なく機能していることを示している。
例7
Simvastatin及びBrefeldin A処理を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD-L1のFACS解析
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNg(50 ng/ml)刺激を行った後、Simvastatin(1μM)を加え、24時間後に細胞を回収した。また、Brefeldin A(5μg/ml)に関しては、添加してから30分後に細胞を回収した。anti-PD-L1-PEを用いて反応後、FACS解析を行った。陰性コントロールとしてmouse IgG-PEを用いた。
結果:図7
FACS解析を行った結果、Simvastatin(1μM)処理したMiaPaCa-2細胞では細胞表面のPD-L1が減少しているのに対し、BFA(Brefeldin A)処理した細胞では細胞表面のPD-L1の減少は見られなかった。
例8
ARF6経路構成蛋白質の発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞におけるPD-L1のリサイクリング解析
MiaPaCa-2細胞を用いて例2と同様の方法で各種siRNAを導入し、IFNg(50 ng/ml)刺激を行い、48時間後にanti-PD-L1抗体を用いて細胞表面のPD-L1と4℃で反応後、37℃で培養することにより、細胞表面のPD-L1を細胞内にinternalizationさせた。その後、細胞表面のPD-L1に結合しているanti-PD-L1抗体をacid wash(0.5% glacial acetic acid and 0.5M NaCl, pH3.0)にて解離し、再度37℃で培養することにより、細胞内にinternalizationしたPD-L1を細胞表面にrecycle backさせた。細胞内にinternalizationさせたPD-L1を、0.1% TritoX-100を用いてpermeabilizeし、anti-mouse IgG(Alexa Fluor 790)を用いて標識した。細胞表面のPD-L1は、permeabilizeしないでanti-mouse IgG(Alexa Fluor 790)を用いて標識し、Odysseyにて定量した。DRAQ5にて核染色を行い、細胞数に対するinternalizationの値を算出し、リサイクリングは、internalizationに対する割合を経時的に算出した。
結果:図8
MiaPaCa-2細胞を用いてPDGF刺激すると、PD-L1のリサイクルが増加した(青線)。一方、ARF6及びAMAP1の発現を抑制すると、PDGF刺激依存的なPD-L1のリサイクルが観察されなかった(赤線、緑線)。EPB41L5の発現抑制では、PDGF刺激依存的なPD-L1のリサイクルが観察されたことから(紫線)、Arf6及びAMAP1シグナルがPDGF刺激依存的なPD-L1のリサイクルに関わっていることを示す。
以上の結果から、PD-L1のリサイクリングにARF6及びAMAP1シグナルが関与している新規知見が得られた。ARF6経路活性化を分子標的としたスタチンと抗PD−L1抗体との併用による癌免疫療法の有効性向上に繋がる可能性があることを強く示唆する結果である。
例9
個体を用いたKPC細胞による腫瘍増殖能の解析
(a)FAK及びAMAP1の発現を抑制したKPC細胞(2 x 105)を用い、シンジェニックマウス(C57BL/B6, 5-week-old females)の皮下に同量のマトリゲルと共にシリンジで注入し、21日間腫瘍増殖能を腫瘍体積にて測定した(V=(W2 x L)/2 (V: 体積 W:短径 L:長径))。
(b)FAK及びAMAP1の発現を抑制したKPC細胞(2 x 105)を用い、免疫不全マウス(ヌードマウス、5-week-old females)の皮下に同量のマトリゲルと共にシリンジで注入し、21日間腫瘍増殖能を腫瘍体積にて測定した。
(c)FAK及びAMAP1の発現を抑制したKPC細胞(1 x 104)を用い、3日間in vitroにおける細胞生存率をCell counting Kit-8を用いて測定した。
(d)シンジェニックマウス (C57BL/6)の皮下にKPC細胞(Irr or shAMAP1)を移植し、10、13、16日にAnti-PD-L1 Ab or mouse IgGを3 mg/kgで腹腔内投与し、25日間腫瘍増殖能を腫瘍体積にて測定した。PD-L1抗体を用いた治療実験のタイムスケジュールを図9dに示す。
結果を図9a〜c及び図9eに示す。
(a)マウス膵癌細胞KPCを用いて、コントロール(irr)、FAK発現抑制(shFAK)及びAMAP1発現抑制(shAMAP1)細胞を免疫系が保持されているシンジェニックマウス(C57BL/6)の皮下に移植すると、コントロール(irr)に比べFAK発現抑制(shFAK)及びAMAP1発現抑制(shAMAP1)細胞の腫瘍増殖能が抑制された。AMAP1の発現抑制は、FAKの発現抑制よりも腫瘍増殖能が阻害されていた(図9a)。
(b)マウス膵癌細胞KPCを用いて、コントロール(irr)、FAK発現抑制(shFAK)及びAMAP1発現抑制(shAMAP1)細胞を免疫不全マウス(ヌードマウス)の皮下に移植しても、これらの細胞の腫瘍増殖能に大きな差は見られない(図9b)。
(c)マウス膵癌細胞KPCによるコントロール(irr)、FAK発現抑制(shFAK)及びAMAP1発現抑制(shAMAP1) 細胞のin vitroにおける増殖能に大きな差は見られない(図9c)。
(d) PD-L1抗体を用いた治療実験にて腫瘍増殖能を測定した結果、AMAP1の発現を抑制したKPC細胞は、コントロールに比べ、Anti-PD-L1 Ab投与により、腫瘍贈職能が減少する傾向が観察された(図9e)。
(a)〜(c)の結果から、AMAP1シグナルは免疫回避に関与している可能性が示唆され、さらに(d)の結果は、Arf6-AMAP1経路が発現している膵癌において、AMAP1の発現阻害と抗PD-L1抗体による癌免疫療法が有効であることを示唆する。
例10
A. GGT-IIを発現抑制したMiaPaCa-2細胞のPD-L1細胞膜局在
MiaPaCa-2細胞を用いてGGT-II siRNAを導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行った。48時間後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて染色し、anti-Rabbit IgG (Alexa Fluor 555)を二次抗体として用い、標識した。アクチンの染色には、Alexa Fluor 488 phalloidinを用い、核の染色には、DAPI (4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)を用いた。GGT-II siRNA/shRNAのターゲット配列情報は以下の通りである。
GGT-II (#1) : GCAGAUUAUAUCGCAUCCU (配列番号9)
GGT-II (#2) : GCCAACAUGAAUGUGGUGG (配列番号10)
結果を図11Aに示す。MiaPaCa-2細胞を用いてGGT-IIの発現を抑制すると、細胞表面のPD-L1の局在が減少あるいは異常になっているのが観察された。
B. GGT-IIの発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD-L1 のフローサイトメトリー(FACS) 解析
Aと同様にGGT-II siRNAを導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行い、48時間後に細胞を回収し、anti-PD-L1-PEを用いて反応後、FACS解析を行った。陰性コントロールとしてmouse IgG-PEを用いた。
結果を図11Bに示す。FACS解析を行った結果、GGT-IIの発現抑制により細胞表面のPD-L1の減少が見られた。
C. Rictor, Raptor及びmTORを発現抑制したMiaPaCa-2細胞のPD-L1細胞膜局在
Aと同様にRictor, Raptor及びmTOR siRNAを導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行った。48時間後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて染色し、anti-Rabbit IgG (Alexa Fluor 555)を二次抗体として用い、標識した。アクチンの染色には、Alexa Fluor 488 phalloidinを用い、核の染色には、DAPI (4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)を用いた。
Rictor, Raptor及びmTOR siRNA/shRNAのターゲット配列情報は以下の通りである。
RICTOR (#1) : TACTTGTGAAGAATCGTATCTT (配列番号11)
RAPTOR (#1) : AGGGCC CTGCTACTCG CTTTT (配列番号12)
mTOR (#1) : CCGCATTGTCTCTATCAAGTT (配列番号13)
結果を図11Cに示す。MiaPaCa-2細胞を用いてRaptor及びmTORの発現を抑制すると、細胞表面のPD-L1の局在が減少するのが観察された。一方、Rictorの発現抑制では、細胞表面のPD-L1の局在はコントロールと差は見られていない。
D. Rictor, Raptor及びmTORの発現抑制を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD-L1 のフローサイトメトリー(FACS) 解析
Aと同様にRictor, Raptor及びmTOR siRNAを導入し、IFNγ(50 ng/ml)刺激を行い、48時間後に細胞を回収し、anti-PD-L1-PEを用いて反応後、FACS解析を行った。陰性コントロールとしてmouse IgG-PEを用いた。
結果を図11Dに示す。FACS解析を行った結果、Raptor及びmTORの発現抑制により細胞表面のPD-L1の減少が見られた。一方、Rictorの発現抑制では、細胞表面のPD-L1の減少は見られなかった。
E. Silvestrol処理を行ったMiaPaCa-2細胞のPD-L1の細胞膜局在
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNγ(50 ng/ml)刺激を行った後、Silvestrol (10 nM)を加え、24時間後に4% PFA/PBSにて細胞を固定後、anti-PD-L1抗体を用いて染色し、anti-Rabbit IgG (Alexa Fluor 555)を二次抗体として用い、標識した。アクチンの染色には、Alexa Fluor 488 phalloidin、核の染色にはDAPI (4’,6-diamidino-2-phenylindole dihydrochloride)を用いた。
結果を図11Eに示す。ARF6経路の活性化にmTOR/eIF4A経路が関与することを明らかにしている。eIF4A阻害剤であるSilvestrol (10 nM) を用いてMiaPaCa-2細胞を処理すると、細胞表面のPD-L1の減少が観察された。
F. Silvestrol処理を行ったMiaPaCa-2細胞における細胞表面のPD-L1のFACS解析
MiaPaCa-2細胞を用いてIFNg (50 ng/ml)刺激を行った後、Silvestrol (10μM)を加え、24時間後に細胞を回収した。anti-PD-L1-PEを用いて反応後、FACS解析を行った。陰性コントロールとしてmouse IgG-PEを用いた。
結果を図11Fに示す。FACS解析を行った結果、Silvestrol (10 nM)処理したMiaPaCa-2細胞では細胞表面のPD-L1の減少が見られた。
G. mTOR阻害剤 (Rapamycin, Torin1)によるAMAP1の発現抑制
MiaPaCa-2及びKPC細胞をmTOR阻害剤 Rapamycin (100 nM, 10 nM)及び Torin1 (500 nM)で24時間処理し、AMAP1の発現を解析した。mTOR阻害剤 (Rapamycin, Torin1)でAMAP1の発現が抑制されることを確認した。結果を図11Gに示す。Arf6-AMAP1経路が発現している膵癌において、mTOR阻害剤と免疫チェックポント阻害抗体による癌免疫療法が有効であることを示唆する。
以上の例10のA〜Gの結果から、ARF6経路の活性化に関わるメバロン酸経路に加え、GGT-II、mTOR及びeIF4A阻害により細胞表面のPD-L1が減少する新規知見が得られた。ARF6経路活性化を分子標的としたGGT-II阻害剤、mTOR阻害剤及びSilvestrolと抗PD−L1抗体との併用による癌免疫療法の有効性向上に繋がる可能性があることを強く示唆する結果である。
例11
PDGFR阻害剤 (Crenoranib)によるPD-L1 リサイクリング阻害
PDGFR阻害剤Crenoranib(0.3 μM) を12時間処理したMiaPaCa-2細胞を用い、PDGF刺激によるPD-L1 リサイクリングを解析した。
(A)MiaPaCa-2細胞を用い、DMSO及びPDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)を16時間処理し、FACSによりPD-L1の細胞表面量を測定した。PDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)により、PD-L1の細胞表面量が減少する結果が得られた(図12A)。
(B)MiaPaCa-2細胞を用い、DMSO及びPDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)を16時間処理し、ウェスタンブロッティングにより、PD-L1の発現を調べた。PDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)により、PD-L1の発現量に大きな差は見られていない(図12B)。
(C)MiaPaCa-2細胞を用い、DMSO及びPDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)を16時間処理し、細胞染色を行った。PDGFR阻害剤 Crenolanib (0.3 μM)により、細胞表面のPD-L1の減少が観察された。(図12C(Scale bar, 10 μm))
例12
(A)AMAP1はCXCL12の発現に関わる(RNAseq.解析)
AMAP1の発現を抑制したKPC細胞を用いてRNAseq.解析を行い、ケモカインの発現を調べた結果、CXCL12が最も減少している結果が得られた(図13A)。CXCL12は、免疫抑制細胞であるMDSCやTregをリクルートすることが知られており、AMAP1がCXCL12を介して膵癌の悪性度に関わっている可能性が示唆される。
(B)AMAP1はCXCL12の発現と正に相関する
膵癌のTCGAデータベース (n = 165) を用いて、AMAP1の発現とCXCL12の発現を調べた結果、有意な差 (P < 0.001)を持って正の相関が見られ、AMAP1がCXCL12の発現制御に関与していることを強く示唆する(図13B)。
(C)AMAP1はCXCL12の発現に関わる(Real-Time PCR解析)
AMAP1の発現を抑制したKPC細胞を用いてCXCL12の発現をReal-Time PCRで解析した結果、コントロール細胞 (Irrelevant)に比べ、AMAP1の発現を抑制した細胞ではPDGF刺激によるCXCL12の発現が抑制された。AMAP1がPDGF刺激依存的なCXCL12の発現制御に関与していることを示す(図13C)。
一般に、癌組織の周囲のストローマ細胞がCXCL12を分泌することが知られているが、癌細胞自身もCXCL12を分泌して腫瘍の増殖に関与していることも知られている。AMAP1は癌細胞が分泌するCXCL12の制御に関与していると考えられる。
(D)マウス腫瘍組織を用いた組織染色のタイムスケジュール
シンジェニックマウス (C57BL/6)の皮下にKPC細胞(Irr or shAMAP1)を移植し、14日後に腫瘍を摘出し、組織染色を行った(図13D)。
(E)AMAP1の発現を抑制した腫瘍組織ではCXCL12の発現が減少する
シンジェニックマウス (C57BL/6)の皮下にKPC細胞(Irr or shAMAP1)を移植し、14日後に摘出した腫瘍組織を用いてCXCL12の染色を行った。コントロール (Irr)に比べ、AMAP1の発現を抑制した腫瘍組織では、CXCL12の発現が減少している染色像が観察され、CXCL12の発現制御にAMAP1が関与していることが強く示唆される(図13E)。
この結果は、Arf6-AMAP1経路が発現している膵癌において、CXCL12-CXCR4阻害と抗PD-L1抗体による癌免疫療法が有効である可能性を示唆する。
本発明は、免疫チェックポイント阻害抗体を用いる癌免疫療法に関連する分野に有用である。
配列番号1:ARF6のcds領域塩基配列(NM_001663.3)
配列番号2:AMAP1(ASAP1)のcds領域塩基配列(NM_018482.3)
配列番号3:AMAP1(ASAP1)のスプライスバリアントのcds領域塩基配列(NM_001247996.1)
配列番号4:ARF6の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号5:ARF6の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号6:AMAP1の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号7:AMAP1の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号8:EPB41L5の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号9:GGT−II(#1)の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号10:GGT−II(#2)の発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号11:RICTORの発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号12:RAPTORの発現を阻害するsiRNAの核酸配列
配列番号13:mTORの発現を阻害するsiRNAの核酸配列

Claims (16)

  1. ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の1種又は2種以上の発現阻害剤を有効成分とする、
    抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤。
  2. PDGFR阻害剤及びCXCR4阻害剤から成る群から選択される1種又は2種以上の阻害剤を有効成分とする、抗PD−L1抗体と併用される癌免疫療法併用剤。
  3. 癌が膵癌である、請求項1又は2に記載の癌免疫療法併用剤。
  4. 発現阻害剤がARF6及びAMAP1に対する発現阻害剤であるメバロン酸経路活性阻害剤である、請求項1又は3に記載の癌免疫療法併用剤。
  5. メバロン酸経路活性阻害剤がスタチンである、請求項4に記載の癌免疫療法併用剤。
  6. 発現阻害剤がARF6又はAMAP1の発現を阻害する核酸である、請求項1又は3に記載の癌免疫療法併用剤。
  7. 発現阻害剤が、mTORに対する発現阻害剤又はeIF4Aに対する発現阻害剤である請求項1に記載の癌免疫療法併用剤。
  8. 抗PD−L1抗体が、抗PD−L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ、抗PD−L1モノクローナル抗体アベルマブ、及び抗PD−L1モノクローナル抗体デュルバルマブから成る群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤。
  9. 請求項1、3〜8のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤の有効性の分析に用いるための分析薬であって、
    ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aからなる群から選択されるいずれか1つの遺伝子の翻訳産物を特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを含有する、分析薬。
  10. 上記タンパク質及び/又はポリペプチドが、抗体及び/又はその断片である、請求項9に記載の分析薬。
  11. (A)癌の患者から採取した生体試料において、ARF6、AMAP1、mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定すること;並びに
    (B)工程(A)において決定した翻訳産物発現レベルに基づいて、上記患者の請求項1、3〜8のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤の有効性を分析するための情報を取得すること、
    を含む、癌免疫療法併用剤の有効性を分析する方法。
  12. 工程(A)において、ARF6、AMAP1、 mTOR及びeIF4Aから成る群から選択される全ての遺伝子の翻訳産物発現レベルを決定する、請求項11に記載の方法。
  13. 上記生体試料が膵組織である、請求項12又は13に記載の方法。
  14. 工程(A)及び/又は(B)において、上記少なくとも1つの遺伝子の翻訳産物発現レベルが、それら遺伝子の翻訳産物をそれぞれ特異的に認識可能なタンパク質及び/又はポリペプチドを用いた免疫組織化学法により決定される、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 上記タンパク質及び/又はポリペプチドが抗体及び/又はその断片である、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項11〜15のいずれかに記載の方法において有効性が分析された患者の治療に用いるための、請求項1、3〜8のいずれかに記載の癌免疫療法併用剤。
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