JPWO2019151439A1 - ペプチド系抗腫瘍薬の創製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エキノマイシンと同等又はそれ以上の抗がん活性を有するエキノマイシン誘導体ならびにその化学的な手法に基づく製造方法を提供することを目的とする。式(I)で表されるエキノマイシン誘導体ならびにその化学的な手法に基づく製造方法。

Description

本発明は、エキノマイシン誘導体及びその製造方法、ならびにエキノマイシン誘導体を有効成分として含有するがんを治療するための医薬組成物に関する。
がんは昭和56年より今日まで、日本人の死因の第一位となっており、常に新たな治療法が求められている。がんの治療法としては、外科療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)等が挙げられ、なかでも抗がん剤は、他の治療法とも併用され広く用いられている。抗がん剤としては、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アルカロイド系抗がん剤、抗生物質抗がん剤、白金製剤等が用いられているが、その治療効果は未だ十分とはいえず、また副作用の発生頻度が高いという問題もあり、より優れた抗がん剤の開発が望まれている。
エキノマイシン(Echinomycin)は、1957年に放線菌であるストレプトマイセス・エキナタス(Streptomyces echinatus)から単離された環状ペプチド系天然物である。エキノマイシンは、in vitro及びin vivoにおいて強力な抗がん活性を有することが確認されている。米国においては、エキノマイシンを有効成分とする抗がん剤の第2相臨床試験が実施されたが(非特許文献1)、毒性が認められたためその後の臨床開発は中止された。
しかしながら、近年、エキノマイシンがHIF−1a阻害活性を有することが明らかとなり(非特許文献2)、また、エキノマイシンを低用量で投与した場合にはがん幹細胞選択的に細胞増殖抑制活性を示し、すい臓がんや急性骨髄性白血病等の治療に有効であることが報告されている(非特許文献3、非特許文献4)。このため、エキノマイシンは再び注目されており、投与量をコントロールする事で臨床試験を再開する事も検討されている。
一方、エキノマイシンの製造は、微生物の生合成に基づく手法に依存しており、化学的な製造法は開発されていない。また、微生物より得られたエキノマイシンを、化学修飾する方法が知られているが、これまでに合成されたエキノマイシン誘導体は、エキノマイシンと比べて抗がん活性が低下したものばかりであった。
Cancer Chemother.Pharmacol.1994,34,266−269. Cancer Res.2005,19,99047−9055. Oncotarget.2016 Jan 19;7(3):3217−32. Blood.2014 Aug 14;124(7):1127-1135.
本発明は、エキノマイシンと同等又はそれ以上の抗がん活性を有するエキノマイシン誘導体ならびにその化学的な手法に基づく製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、エキノマイシンの化学構造において、チオアセタール部位は抗がん活性の発現に必要とされず、また当該部位を除いたエキノマイシン誘導体は化学的な手法に基づいて容易に製造できることを見出した。また、このようにして得られたエキノマイシン誘導体は、エキノマイシンと同等又はそれ以上の抗がん活性を有することを見出した。
本発明はこれらの知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] 以下の式(I):
Figure 2019151439
(式中、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基を示す)で表される化合物又はその塩。
[2] R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、シンノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチオフェン基、ピラジル基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基より選択される基である、[1]の化合物又はその塩。
[3] 以下の式(II):
Figure 2019151439
又は
以下の式(III):
Figure 2019151439
で表される、[1]又は[2]の化合物又はその塩。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、がんを治療するための医薬組成物。
[5] [1]〜[3]のいずれかの化合物の製造方法であって、
下記式(6):
Figure 2019151439
(式中、PGはアミノ基の保護基を示す)で表される化合物と下記式(7):
Figure 2019151439
(式中、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基を示す)で表される化合物より、式(I)で表される化合物を製造する工程を含む、方法。
[6] 前記式(6)で表わされる化合物が、下記式(3):
Figure 2019151439
(式中、PGはアミノ基の保護基を示し、
PGはカルボキシル基の保護基を示し、
PG及びPGは、同一であっても異なっていてもよく、PGとは異なるアミノ基の保護基を示す)で表される化合物を、下記式(4):
Figure 2019151439
(式中、PGはPGとは異なるアミノ基の保護基を示す)で表される化合物と反応させ、下記式(5):
Figure 2019151439
(式中、PG、PG、PGは前記定義のとおりである)
で表される化合物を製造し、得られた式(5)で表される化合物より製造される、[5]の方法。
[7] 前記式(3)で表わされる化合物が、下記式(1):
Figure 2019151439
(式中、PGはアミノ基の保護基を示し、
PGはPGとは異なる、アミノ基の保護基を示し、
PGはカルボキシル基の保護基を示す)
で表される化合物と、下記式(2):
Figure 2019151439
(式中、PG及びPGは、同一であっても異なっていてもよく、PGとは異なるアミノ基の保護基を示す)
で表される化合物より製造される、[6]の方法。
[8] [1]〜[3]のいずれかの化合物又はその塩をがん患者に投与することを含む、がんを治療するための方法。
[9] がんを治療する方法において使用するための、[1]〜[3]のいずれかの化合物又はその塩。
[10] がんを治療するための医薬の製造における、[1]〜[3]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2018−015606号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明によれば、エキノマイシンと同等又はそれ以上の抗がん活性を有するエキノマイシン誘導体ならびにその化学的な手法に基づく製造方法を提供することができる。
図1−1は、本発明の化合物が有する抗がん活性を、膵臓がん細胞(MIA PaCa−2細胞)株を用いたSRBアッセイにより評価した結果を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図1−2は、本発明の化合物が有する抗がん活性を、膵臓がん細胞(SuiT−2細胞)株を用いたSRBアッセイにより評価した結果を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図1−3は、本発明の化合物が有する抗がん活性を、大腸がん細胞(SW620細胞)株を用いたSRBアッセイにより評価した結果を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図2−1は、本発明の化合物が有する抗がん活性を、膵臓がん細胞(MIA PaCa−2細胞)株を移植した動物モデルを用いたin vivoアッセイにより評価した結果を示すグラフ図である。(A)移植したがん細胞の表面積(mm)の経時的変化を示すグラフ図である。(B)移植から28日目のがん細胞の質量(mg)を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図2−2は、本発明の化合物が有する抗がん活性を、大腸がん細胞(SW620細胞)株を移植した動物モデルを用いたin vivoアッセイにより評価した結果を示すグラフ図である。(A)移植したがん細胞の表面積(mm)の経時的変化を示すグラフ図である。(B)移植から10日目のがん細胞の質量(mg)を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図3は、本発明の化合物による大腸がん細胞(SW620細胞)株に対する細胞死誘導能を、TUNEL法により評価した結果を示すグラフ図である。*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定) 図4は、本発明の化合物による大腸がん細胞(SW620細胞)株に対する細胞死誘導能を、活性化型カスパーゼ−3の定量(ウエスタン・ブロッティング法)により評価した結果を示す。 図5は、本発明の化合物が毎日投与された、膵臓がん細胞株を移植した動物モデルの投与28日目における体重を示すグラフ図である。
1.化合物
本発明の化合物は、以下の式(I):
Figure 2019151439
で表される。
式中、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基を示す。
「置換基」とは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、オキシド基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、−OR基、−SR基、−NR基、−C(O)R基、−C(O)NR基、−OC(O)NR基、−C(O)OR基、−NRC(O)R基、−NRC(O)OR基、−NRC(O)NR基、−NRC(S)NR基、−NRS(O)基、−S(O)NR基、−S(O)R基、−S(O)基等(ここで、R、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基等を示す)を意味する。
「ハロゲン原子」とは、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を意味する。
「アルキル基」とは、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
「アルケニル基」とは、炭素−炭素間の二重結合を少なくとも一つ含む直鎖状もしくは分枝状のアルケニル基を意味し、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等を挙げることができる。
「アルキニル基」とは、炭素−炭素間の三重結合を少なくとも一つ含む直鎖状もしくは分枝状のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル基、2−プロピニル基等を挙げることができる。
「ハロアルキル基」とは、アルキル基における水素原子の一もしくは複数個又は全てがハロゲン原子で置換されたものを意味する。例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基等を挙げることができる。
「アルコキシ基」とは、アルキル基が結合したオキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。
「シクロアルキル基」とは、単環式又は多環式のアルキル基を意味する。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、デカリル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
「芳香族炭化水素基」とは、単環式もしくは多環式の芳香族炭化水素基を意味し、一部の環のみが芳香族性を示す基であってもよい。このような芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基等を挙げることができる。
「飽和複素環式基」とは、窒素、酸素及び硫黄からからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式もしくは多環式の飽和複素環式基を意味する。このような飽和複素環式基としては、例えば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペラジニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
「不飽和複素環式基」とは、窒素、酸素及び硫黄からからなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式もしくは多環式の、完全不飽和もしくは部分不飽和の複素環式基を意味する。このような不飽和複素環式基としては、例えば、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、シンノリル基、イミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、トリアゾロピリジル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェン基、プリニル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基等が挙げられる。
好ましくは、本発明の式(I)で表される化合物において、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、不飽和複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基である。例えば、本発明の式(I)で表される化合物において、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群より選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、シンノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチオフェン基、ピラジル基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基等が挙げられる。
具体的には、本発明の式(I)で表される化合物において、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群より選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インドリル基、2−ベンゾフラニル基、2−、もしくは3−ベンゾチオフェン基、5−、もしくは6−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、6−ピラジル基、2−アントラキノン基、4−ベンゾフェノン基である。
あるいは、本発明の式(I)で表される化合物において、R及びRは、同一又は異なって、2−キノリル基ならびにその3位、4位、5位、6位、7位、又は8位にハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基から選択される置換基を一つ有する2−キノリル基、ならびに、2-キノキサリル基、ならびにその3位、4位、5位、6位、7位、及び8位から選択される2か所に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択される置換基をそれぞれ一つ有する。好ましくは、R及びRは3位に前記置換基を一つ有する2−キノリル基であるか、3位及び4位に前記置換基をそれぞれ一つ有する2−キノキサリル基である。
特に好ましくは、本発明の化合物は以下の式(II):
Figure 2019151439
又は
以下の式(III):
Figure 2019151439
で表される。
本発明の化合物が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体、互変異性体等の異性体を有する場合には、いずれかの異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。例えば、本発明の化合物に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明の化合物に包含される。
本発明の化合物の塩とは、薬学的に許容される塩であればよく、有機化学の分野で一般的に用いられるもの包含し、塩基付加塩や酸付加塩等を挙げることができる。塩基付加塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機アミン塩(トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等)が挙げられる。また、酸付加塩としては、例えば、無機酸塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、ギ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等)、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)が挙げられる。
本発明化合物又はその塩は、結晶の形態であってもよい。結晶形は、単一であっても多形混合物であってもよく、従来公知の結晶化法を用いて製造することができる。また、本発明の化合物又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)の形態であってもよいし、無溶媒和物の形態であってもよい。また、本発明化合物又はその塩は、同位元素(例えば、重水素、H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
2.製造方法
本発明の式(I)で表される化合物は、例えば、下記の製造法又は実施例に示す方法等により製造することができる。ただし、本発明の式(I)で表される化合物の製造法はこれら反応例に限定されるものではない。
下記化合物の製造法において、「アミノ基の保護基」とは、Boc基、ベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジル基、2,4,6−トリメトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基等が挙げられるがこれらに限定はされない。
下記化合物の製造法において、「カルボキシル基の保護基」とは、アリル基、アルキル基、シクロアルキル基、t−ブチル基、ベンジル基、メトキシベンジル基、ニトロベンジル基、トリクロロエチル基、フェナシル基挙げられるがこれらに限定はされない。
下記化合物の製造法において、「保護基の除去(脱保護)」は、公知の手法により行うことができ、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、酢酸、蟻酸、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドN−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等を溶媒として用いることができ、選択される除去対象の保護基(及び除去対象でない保護基)の種類に応じて適宜選択することができる。反応には、必要に応じて、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオール、Pd触媒、液体アンモニアを添加することができる。反応は溶媒中にて−78℃〜200℃、好ましくは25℃〜100℃、より好ましくは、30℃〜50℃にて、10分〜24時間、より好ましくは30分〜12時間、反応させることにより行うことができる。
下記化合物の製造法において、「縮合反応」は、公知の手法により行うことができ、縮合剤を添加した溶媒中にて、−78℃〜200℃、好ましくは25℃〜100℃、より好ましくは、30℃〜50℃にて、10分〜3日間、好ましくは1時間〜24時間、より好ましくは3〜15時間、反応させることにより行うことができる。
縮合剤としては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、ジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール等を用いることができる。
縮合反応の溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド及びその混合溶媒等を用いることができる。
縮合反応において溶媒にはさらに塩基を添加することができる。塩基としては、無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等)や有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等)を用いることができる。
下記化合物の製造法において、各工程において得られる化合物は、化合物の分離手段を用いて単離精製することができる。「化合物の分離手段」としては、化合物の単離精製に通常用いられている手段を利用することが可能であり、例えば溶媒抽出、再結晶、分取用逆相高速液体クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等を挙げることができる。
本発明の式(I)で表される化合物は、下記の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。
(工程1)
本工程は、下記式(1):
Figure 2019151439
で表される化合物と、下記式(2):
Figure 2019151439
で表される化合物より、下記式(3):
Figure 2019151439
で表される化合物を製造する工程である。
上記式中、PGは慣用されるアミノ基の保護基を示し、好ましくは、ベンジルオキシカルボニル基である。
上記式中、PGは、PGとは異なる慣用されるアミノ基の保護基を示し、好ましくはBoc基である。
上記式中、PGは、慣用されるカルボキシル基の保護基を示し、好ましくは、PGはアリル基である。
上記式中、PG及びPGは、PGとは異なる慣用されるアミノ基の保護基を示し、PG及びPGは同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一であり、Boc基である。
本工程において、式(1)で表される化合物はPGで表される基の脱保護反応に付す。次いで、得られた脱保護された化合物と式(2)で表される化合物との縮合反応により、式(3)で表される化合物を得ることができる。
原料となる式(1)で表される化合物は、下記式(1a):
Figure 2019151439
で表される化合物と下記式(1b):
Figure 2019151439
で表される化合物より、公知の手法(Nagasawa,H.et al.Org.Biomol.Chem.2016,14,2090.)に基づいて製造することができる。
また、原料となる式(2)で表される化合物は、下記式(2a):
Figure 2019151439
で表される化合物より製造することができ、式(2a)で表される化合物のカルボキシル基を保護した後、3価のリン化合物で処理して硫黄原子を一つ取り出し、その後カルボキシル基の保護基を脱保護することにより得ることができる。3価のリン化合物としては、例えばトリス(ジメチルアミノ)ホスフィンを利用することができる。
式(1a)、(1b)及び式(2a)において、PG、PG、PG、PG及びPGは、上記定義のとおりである。
(工程2)
本工程は、上記式(3)で表される化合物を、下記式(4):
Figure 2019151439
で表される化合物と反応させ、下記式(5):
Figure 2019151439
で表される化合物を製造し、次いで式(5)で表される化合物より、下記式(6):
Figure 2019151439
で表される化合物を製造する工程である。
上記式中、PGは、PGとは異なる慣用されるアミノ基の保護基を示し、好ましくはBoc基である。好ましくは式(4)で表される化合物として、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニンを利用することができる。
PG、PG、PG及びPGは、上記定義のとおりである。
式(3)で表される化合物はPG及びPGで表される基の脱保護反応に付す。得られた脱保護された化合物と式(4)で表される化合物との縮合反応により、式(5)で表される化合物を得ることができる。
次いで、式(5)で表される化合物は、PG及びPGで表される基の脱保護反応に付す。得られた脱保護された化合物を縮合反応に付し、式(6)で表される化合物を得ることができる。
(工程3)
本工程は、式(6)で表される化合物と下記式(7):
Figure 2019151439
で表される化合物より、目的とする式(I)で表される化合物を製造する工程である。
上記式中、R及びRは、上記R及びRと同義である。RとRとが同一である場合には、これらは同一の化合物である。
本工程において、式(6)で表される化合物を、PGで表される基の脱保護反応に付す。得られた脱保護された化合物と式(7)で表される化合物との縮合反応により、式(I)で表される目的の化合物を得ることができる。
3.用途
本発明の化合物又はその塩は、がんを治療するための医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」と記載する)における有効成分として利用することができる。
本発明において「がん」とは、固形がん及び血液がん(例えば、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)が含まれるが、好ましくは固形がんである。固形がんには血液がんを除く全ての固形がん(すなわち、上皮細胞がん及び非上皮細胞がん)が含まれる。このような固形がんとしては、脳腫瘍・神経膠腫、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、甲状腺がん、乳がん、肺がん、胸腺腫、胸腺がん、中皮腫、食道がん、胃がん、大腸がん、肝細胞がん、胆管がん、膵臓がん、腎細胞がん、膀胱がん、前立腺がん、腎盂・尿管がん、陰茎がん、精巣(睾丸)腫瘍、子宮がん、卵巣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性黒色腫(皮膚)、基底細胞がん、皮膚がん前駆症、表皮内がん、有棘細胞がん、菌状息肉症、悪性骨腫瘍(骨肉腫)、軟部肉腫、軟骨肉腫、悪性線維性組織球種、ならびに、これらの転移癌等が挙げられるが、これらに限定はされない。
また、本発明において「治療」とは、がんが完全に消失した状態を意味するだけでなく、一時的あるいは永続的に、がんが縮小又は消失している状態やがんが進行(増悪)せず安定している状態も意味するものである。例えば、本発明におけるがんの「治療」には、本発明の化合物又はその塩の投与又は摂取前と比べて、患者におけるがんサイズの低下、がんマーカーレベルの低下、がんに伴う症状の改善、全生存期間、無増悪生存期間、生存期間中央値等の尺度の延長等の一以上が含まれる。
本発明の医薬組成物には、本発明の化合物又はその塩に加えて、医薬の製造において通常用いられている、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含めることができ、企図される用法・用量に適した剤型として製造することができる。
賦形剤としては、例えば、糖(単糖、二糖類、シクロデキストリン及びアルギン酸等の多糖類)、金属塩、カオリン、ケイ酸、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、及びこれらの混合物等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖及びこれらの混合物等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。
必要に応じて、さらに医薬の製造において通常用いられている希釈剤、安定化剤、等張化剤、pH調整剤、緩衝剤、溶解補助剤、懸濁化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、コーティング剤、保存剤、防腐剤、抗酸化剤等も適宜含めることができる。
例えば、経口投与に適した剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤、懸濁剤等が挙げられる。固形の剤形を有するものは、必要に応じてコーティングを施すことができる(例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶錠等)。
また、非経口投与に適した剤形として、注射剤や点滴剤等が挙げられる。これらの剤形は、凍結乾燥化し保存し得る状態で提供され、用時、水や生埋的食塩水等を含む緩衝液等で溶解して適当な濃度に調製した後に使用されるものであってもよい。あるいは、坐剤、軟膏剤、吸入剤、貼付剤等の剤形としてもよい。
本発明の医薬組成物には、本発明の化合物又はその塩をプロドラッグの形態で含めてもよい。「プロドラッグ」とは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明の化合物又はその塩に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明の化合物又はその塩に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして本発明の化合物又はその塩に変化する化合物を意味する。また、本発明の化合物又はその塩のプロドラッグとは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明の化合物又はその塩へと変化するものであってもよい。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者におけるがんの種類や重篤度、ならびに患者の症状、体重、年齢、性別等の要因によって変化し得、一概には決定できないが、例えば成人(体重50kg)1日あたり、本発明の化合物又はその塩の量にして約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgから選択される量を、1日1回又は2〜3回程度に分けて投与することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例1:化合物の合成
(核磁気共鳴)
核磁気共鳴(以下、H−NMR)スペクトルは、JEOL JMM−ECS−400、JEOL JNM−ECX−400P、JEOL JNM−ECA−500(日本電子株式会社)を用いて測定した。
H−NMRの化学シフトは、テトラメチルシランを内部標準としたときのδ値をppmで、スピン結合定数J値をHzでそれぞれ表示した。
シグナルの多重度は、s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:ブロードの略号を用いて示した。
(室温)
室温は、20℃〜25℃程度の範囲を指し、特に記載のない限り非水性反応はアルゴン雰囲気下で行った。
(質量分析)
質量分析はSQ Detector2(日本ウォーターズ株式会社)を用いて、ESI(Electron Spray Ionization)法により行った。
(反応溶媒)
反応溶媒として用いた塩化メチレンは五酸化二リンより、N,N−ジメチルホルムアミドは水素化カルシウムより、ベンゼンは金属ナトリウムより蒸留したものを用いた。水は脱イオン水をMillipore Millia−Q(登録商標)Advantage A10(登録商標)超純水製造装置で精製したものを用いた。その他の試薬及び溶媒については特に記載のない限り市販のものを用いた。
(クロマトグラフィー)
Analytical thin layer chromatography(TLC)は、Merck silica gel 60 F254を用いた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーには充填剤としてWakogel 60N(63〜212μm)、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーには充填剤としてKanto Chemical Silica Gel 60N(spherical,neutral,40〜50μm)、ハイフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーには充填剤としてCHROMATOREX PSQ60Bをそれぞれ用いた。重金属除去用SHシリカゲルは、Fuji Silysia Chemical LTD.Scavenger SH Silicaを用いた。
本発明の化合物の合成は以下のとおり行った。
(化合物1の合成)
D−Ser(10.0g,95.2mmol)を出発物質とし、公知の手法(Kohn,H.et al.J.Med.Chem.2011,54,4815.Kunz,H.;Friedrich−Bochnitschek,S.J.Org.Chem.1989,54,751.)と同様の条件によって、下記化合物1(19.5g,69.8mmol,73%,2工程)を無色油状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物2の合成)
Boc−L−Val−OH(15.0g,69.0mmol)を出発物質とし、公知の手法(Nagasawa,H.et al.上掲)と同様の条件によって、下記化合物2(15.1g,65.3mmol,95%)を淡黄色油状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物3の合成)
化合物1(5.78g,20.7mmol)及び化合物2(4.79g,20.7mmol)より公知の手法(Nagasawa,H.et al.上掲)と同様の条件によって、下記化合物3(6.48g,13.2mmol,64%)を無色油状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物4の合成)
(R)−チアゾリジンカルボン酸(50.0g,375mmol)を出発物質とし、公知の手法(US20140187546)と同様の条件によって、下記化合物4(24.6g,52.5mmol,28%,3工程)を白色泡状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物5の合成)
化合物4(25.4g,54.2mmol)及び炭酸カリウム(16.4g,119mmol)のジメチルホルムアミド(180mL)懸濁液に、ヨウ化メチル(7.41mL,119mmol)を氷冷下にて加え、1.5時間撹拌した。さらに、ヨウ化メチル(0.74mL,11.9mmol)を加え、1.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をベンゼン(42mL)に溶解し、トリスジメチルアミノホスフィン(11.8mL,65.0mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ6.5×25cm、ヘキサン/酢酸エチル:11/3→11/7)にて精製することで、下記化合物5(22.7g,48.8mmol,90%,2工程)を淡黄色油状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物6の合成)
化合物5(23.9g,51.4mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)、メタノール(50mL)、及び水(50mL)の混合溶媒に、水酸化リチウム水和物(4.74g,113mmol)の水(100mL)溶液を氷冷下にて加え、1時間撹拌した。水酸化リチウム水和物(474mg,11.3mmol)の水(10mL)溶液を氷冷下にて加え、30分撹拌した。反応液を減圧下溶媒を留去することでおよそ150mLに濃縮して得られた残渣に、1M塩酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することで、下記化合物6(22.4g,51.3mmol,定量的収率)を白色泡状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物7の合成)
化合物3(25.4g,69.0mmol)に4M塩化水素/ジオキサン溶液(100mL,400mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣に、ジオキサンを加えて減圧下溶媒を留去することで白色固体を得た。この白色固体、化合物6(16.0g,34.5mmol)、及びHOAt(12.2g,89.7mmol)の塩化メチレン(130mL)懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(17.0mL,100mmol)、及びEDCI(17.2g,89.7mmol)を氷冷下にて加え、室温で19時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、1M塩酸水溶液、飽和重曹水、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ6.5×15cm、ヘキサン/酢酸エチル:5/3→5/6)にて精製することで、下記化合物7(30.6g,25.8mmol,74%,2工程)を白色泡状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物8の合成)
化合物7(21.1g,17.8mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に4M塩化水素/ジオキサン溶液(50mL)を加え、室温で1時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣に、ジオキサンを加えて減圧下溶媒を留去することで白色固体を得た。この白色固体、Boc−Ala−OH(10.1g,53.4mmol)、HOAt(9.69g,71.2mmol)のジメチルホルムアミド(23mL)、及び塩化メチレン(117mL)の懸濁液に、炭酸水素ナトリウム(7.78g,92.6mmol)を室温で、及びEDCI(13.6g,71.2mmol)を氷冷下にて加え、室温で14時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、1M塩酸水溶液、飽和重曹水、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ4×15cm、ヘキサン/酢酸エチル:3/1→1/1)にて精製することで、下記化合物8(16.5g,12.5mmol,70%,2工程)を白色泡状物質として得た。
Figure 2019151439
(化合物9の合成)
化合物8(22.3g,16.8mmol)のテトラヒドロフラン(110mL)溶液にモルホリン(5.12mL,58.8mmol)、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(38.9mg,33.6μmol)を氷冷下にて加え、4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、1M塩酸水溶液、及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を上部に重金属除去用SHシリカゲルを含むシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ4×2cm、クロロホルム/メタノール/酢酸:100/0/0→98/0/2→95/3/2)にて粗精製することで淡黄色泡状化合物を得た。この残渣に4M塩化水素/ジオキサン溶液(100mL)を加え、室温で1時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣にジオキサンを加えて溶媒置換を行った後、ジエチルエーテルで洗浄することで、下記化合物9(17.9g,16.0mmol,95%,2工程)を得た。
Figure 2019151439
(化合物10の合成)
化合物9(2.69g,2.40mmol)のジメチルホルムアミド(1.2L)溶液に、ジフェニルホスホリルアジド(5.16mL,24.0mmol)、及びN−メチルモルホリン(3.69mL,33.6mmol)を氷冷下にて加え、室温で72時間撹拌した。反応液を、減圧下溶媒を留去することでおよそ(10mL)に濃縮した。この残渣を酢酸エチル/混合溶媒で希釈し、水、1M塩酸水溶液、飽和重曹水、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ3×15cm、クロロホルム/メタノール:100/0→99.5/0.5→99/1→98.5/1.5→98/2)にて精製することで、下記化合物10(676mg,0.669mmol,28%)を白色固体として得た。
Figure 2019151439
(化合物11の合成)
化合物10(70.0mg,69.2μmol)、及びメチルフェニルスルフィド(324μL,2.77mmol)にトリフルオロ酢酸(6.9mL)を加え、40℃で15時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄することで淡黄色の固体を得た。この固体を、キノキサリン−2−カルボン酸(48.2mg,0.277mmol)、HOAt(47.1mg,0.346mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(70.6μL,0.415mmol)、及びEDCI(66.3mg,0.346mmol)のジメチルホルムアミド(1mL)の懸濁液に氷冷下にて加え、室温で5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、1M塩酸水溶液、飽和重曹水、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ1×15cm,クロロホルム/メタノール:100/0→99/1→98/2→97/3)にて精製することで、下記化合物11(30.0mg,28.4μmol,41%,2工程)を無色固体として得た。
Figure 2019151439
(化合物12の合成)
化合物10(30.0mg,29.7μmol)、及びメチルフェニルスルフィド(139μL,1.19mmol)にトリフルオロ酢酸(3.0mL)を加え、40℃で15時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄することで淡黄色の固体を得た。この固体を、3−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸(16.9mg,89.1μmol)、HOAt(12.1mg,89.1μmol)、炭酸水素ナトリウム(20.0mg,238μmol)、及びEDCI(17.1mg,89.1μmol)のジメチルホルムアミド(0.3mL)懸濁液に氷冷下にて加え、室温で5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、1M塩酸水溶液、飽和重曹水、及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ1×15cm,クロロホルム/メタノール:100/0→99/1→98/2→97/3)にて精製することで、下記化合物12(9.6mg,8.8μmol,30%,2工程)を無色固体として得た。
Figure 2019151439
実施例2:抗がん活性の測定
(1)実験方法
(細胞株及びその培養)
細胞は、大腸がん細胞株であるSW620細胞株(ATCC)、膵臓がん細胞株であるMIA PaCa−2細胞株(ATCC)及びSuit2細胞株(ヒューマンサイエンス資源バンク)を用いた。
MIA PaCa−2細胞株及びSuit2細胞株の培養は、10%FBS、2mMのL−グルタミン、50U/mLのペニシリン及び50μg/mLのストレプトマイシンを添加したDMEM培地を用いて行った。SW620細胞株の培養は、10%FBS、2mMのL−グルタミン、50U/mLのペニシリン及び50μg/mLのストレプトマイシンを添加したRPMI1640を用いて行った。
(SRBアッセイ)
96穴プレートに1.0×10個/ウェルとなるように分注した被験細胞を24時間培養した後、上記化合物11又は化合物12を終濃度1ng/mL、10ng/mL、100ng/mL、又は1000ng/mLとなるように培養液に添加してインキュベーションを開始し、24時間、48時間、72時間、96時間後にプレートを回収した(各n=5)。
回収したプレートの各ウェルに10%トリクロロ酢酸(TCA)を100μL添加して4℃で1時間静置し、純水で4回洗浄した。室温でプレートを乾燥させ、0.057%のスルホローダミンB水溶液100μLを各ウェルに加えて細胞を染色し、0.1%酢酸で4回洗浄してから乾燥させた。染色された細胞を10mMのTris緩衝液に溶解したときの510nmにおけるODを測定することで、各インキュベーション時間における細胞密度を測定した。対照群には化合物を添加せず、エキノマイシン投与群には、エキノマイシンの終濃度が1ng/mL、10ng/mL、100ng/mL、又は1000ng/mLとなるように添加して、同様に操作した。
(細胞死誘導能)
1.TUNEL法
4ウェルガラスチャンバースライドに5.0×10個/ウェルとなるように分注したSW620細胞株を24時間培養した後、上記化合物12を終濃度10ng/mLとなるように培養液に添加してインキュベーションを開始し、48時間後にスライドを回収した。
TUNEL(TdT−mediateddUTPnickendlabeling)法を利用する市販の細胞死検出キット(In Situ Cell Death Detection Kit and TMR red(Roche Diagnostic))を製造元のプロトコルに従って使用し、TUNEL染色された細胞(すなわち、細胞死を起こした細胞)を検出・カウントした。対照群には化合物を添加せず、エキノマイシン投与群には、エキノマイシンの終濃度が10ng/mLとなるように添加して、同様に操作した。
対照群、エキノマイシン投与群、及び化合物12投与群はそれぞれn=4にて実施した。
2.活性化型カスパーゼ−3の検出(ウエスタン・ブロッティング法)
6穴プレートに2.0×10個/ウェルとなるように分注したSW620細胞株を24時間培養した後、上記化合物12を終濃度10ng/mLとなるように培養液に添加してインキュベーションを開始し、48時間後にプレートを回収した。
市販のタンパク回収キット(mammalian cell extraction kit(BioVision))を製造元のプロトコルに従って使用してタンパク質を回収し、cleaved caspase−3に対する特異抗体(Cell Signaling)を用いたウエスタン・ブロッティング法により活性化型カスパーゼ−3を定量した。内在性コントロールにはアクチンを用いた。対照群には化合物を添加せず、エキノマイシン投与群には、エキノマイシンの終濃度が10ng/mLとなるように添加して、同様に操作した。
対照群、エキノマイシン投与群、及び化合物12投与群はそれぞれn=4にて実施した。
(腫瘍細胞移植動物モデルアッセイ1−移植した腫瘍サイズの評価)
BALB/cヌードマウスに抗アシアロGM1(ウサギ)(和光純薬工業株式会社)を腹腔内投与し、室温にて2時間飼育した。2×10個の被験細胞を、BALB/cヌードマウスの背部皮下に注射して移植した。SW620細胞株を移植したマウスには移植の翌日から、MIA PaCa−2細胞株を移植したマウスには移植の一週間後から、化合物11又は化合物12を一匹あたり50ng又は500ng、あるいは40ng又は400ngの用量で毎日腹腔内に投与し、各移植部位における腫瘍塊の成長を観察した。対照群には化合物を投与せず、エキノマイシン投与群には、エキノマイシンを一匹あたり40ng又は400ngの用量で毎日腹腔内に投与した。
対照群、エキノマイシン投与群、化合物11投与群、及び化合物12投与群は、それぞれn=5にて実施した。
(腫瘍細胞移植動物モデルアッセイ2−体重変化の評価)
BALB/cヌードマウスに抗アシアロGM1(ウサギ)(和光純薬工業株式会社)を腹腔内投与し、室温にて2時間飼育した。2×10個のMIA PaCa−2細胞株を、BALB/cヌードマウスの背部皮下に注射して移植した。移植の翌日から、化合物11又は化合物12を一匹あたり500ngの用量で毎日腹腔内に投与し、毎日体重を計測した(各n=5)。対照群には化合物を投与せず、エキノマイシン投与群には、エキノマイシンを一匹あたり400ngの用量で毎日腹腔内に投与し、屠殺日に体重を計測した(各n=5)。
(2)結果
(SRBアッセイ)
SRBアッセイの結果を、図1−1〜図1−3に示す。
化合物12については、100ng/mL以上の添加により、いずれの細胞株においても、対照における吸光度との間に有意な差が認められ、当該化合物ががん細胞の増殖を抑制する活性を有することが確認された(図1−1〜図1−3)。また、低濃度(10ng/mL)における当該活性は、エキノマイシンよりも高いものであることが、MIA PaCa−2細胞株及びSW620細胞株において確認された。
(腫瘍細胞移植動物モデルアッセイ1−移植した腫瘍サイズの評価)
腫瘍細胞移植動物モデルアッセイ1−移植した腫瘍サイズの評価の結果を、図2−1〜図2−2に示す。
化合物11については、500ngの投与により、移植した腫瘍サイズの縮小が認められた(図2−1)。この活性は、400ngのエキノマイシンを投与した場合に匹敵することが確認された。
一方、化合物12については、いずれの細胞株及びいずれの添加量においても、移植した腫瘍サイズの縮小が認められた(図2−1、図2−2)。特に、40ngの化合物12を投与した場合の効果は、400ngのエキノマイシンを投与した場合に匹敵することが確認された。
(細胞死誘導能)
TUNEL法による、細胞死を起こした細胞数の測定結果を図3に示す。
化合物12の投与により誘導された細胞死を起こした細胞の数は、対照群やエキノマイシン投与群のそれと比べて有意に高いことが確認された(*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定))。
また、ウエスタン・ブロッティング法による活性化型カスパーゼ−3の定量結果を図4に示す。
化合物12投与群における活性化型カスパーゼ−3の量は1107±273であり、対照群(100±45)及びエキノマイシン投与群(362±176)の値と比べて高いことが確認された(*:p<0.05(vs対照、スチューデントのt検定))。化合物12投与群及びエキノマイシン投与群における各数値は、対照群の数値に対する相対値にて示す。
これらの結果は、化合物12がエキノマイシンと比べて、腫瘍に対する高い細胞死誘導活性、すなわち抗がん活性を有することを示す。
(腫瘍細胞移植動物モデルアッセイ2−体重変化の評価)
各群における投与28日目の体重を図5に示す。化合物11及び化合物12のいずれの投与群についても、対照群及びエキノマイシン投与群と同様に、大きな体重減少は認められなかった。この結果は、本発明の化合物の毒性が低いことを示す。
以上の結果より、本発明の化合物は化学合成の手法により製造することが可能であり、かつエキノマイシンに匹敵する、またエキノマイシンよりも高い抗がん活性を有することが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 以下の式(I):
    Figure 2019151439

    (式中、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基を示す)で表される化合物又はその塩。
  2. 及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、シンノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチオフェン基、ピラジル基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基より選択される基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 以下の式(II):
    Figure 2019151439

    又は
    以下の式(III):
    Figure 2019151439

    で表される、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、がんを治療するための医薬組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の製造方法であって、
    下記式(6):
    Figure 2019151439

    (式中、PGはアミノ基の保護基を示す)で表される化合物と下記式(7):
    Figure 2019151439

    (式中、R及びRは、それぞれ独立して選択することができ同一又は異なって、一又は複数の置換基で置換されていてもよい、芳香族炭化水素基、飽和もしくは不飽和の複素環式基、アントラキノン基、又はベンゾフェノン基を示す)で表される化合物より、式(I)で表される化合物を製造する工程
    を含む、方法。
  6. 前記式(6)で表わされる化合物が、下記式(3):
    Figure 2019151439

    (式中、PGはアミノ基の保護基を示し、
    PGはカルボキシル基の保護基を示し、
    PG及びPGは、同一であっても異なっていてもよく、PGとは異なるアミノ基の保護基を示す)で表される化合物を、下記式(4):
    Figure 2019151439

    (式中、PGはPGとは異なるアミノ基の保護基を示す)
    で表される化合物と反応させ、下記式(5):
    Figure 2019151439

    (式中、PG、PG、PGは前記定義のとおりである)
    で表される化合物を製造し、得られた式(5)で表される化合物より製造される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記式(3)で表わされる化合物が、下記式(1):
    Figure 2019151439

    (式中、PGはアミノ基の保護基を示し、
    PGはPGとは異なる、アミノ基の保護基を示し、
    PGはカルボキシル基の保護基を示す)
    で表される化合物と、下記式(2):
    Figure 2019151439

    (式中、PG及びPGは、同一であっても異なっていてもよく、PGとは異なるアミノ基の保護基を示す)
    で表される化合物より製造される、請求項6に記載の方法。
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