JPWO2019130584A1 - 内燃機関、過給機、及びサージング判定機能付きセンサ - Google Patents
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Abstract
内燃機関100は、機関本体1と、コンプレッサホイール62と、ハウジング61内の所定位置をコンプレッサホイール62のブレード622が通過したことを検出する通過検出センサ301と、通過検出センサ301の出力値に基づいて、コンプレッサホイール62の角速度を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置300と、を備える。
Description
本発明は内燃機関、過給機、及びサージング判定機能付きセンサに関する。
JP2009−264198Aには、従来の内燃機関として、当該内燃機関の運転状態が、過給器のコンプレッサにおいてサージングが発生する可能性のあるサージング領域に入ったか否かを判定するように構成されたものが開示されている。
しかしながら、前述した従来の内燃機関では、コンプレッサにおいて実際にサージングが発生しているかの検出を行うことができないという問題点があった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、コンプレッサにおいて実際にサージングが発生しているかを検出して、サージングが発生しているか否かを判定することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様による内燃機関は、機関本体と、機関本体から排出される排気のエネルギによって駆動されると共に、少なくとも1つのブレードを有して当該機関本体に吸入される空気を圧縮するコンプレッサホイールと、コンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、通過検出センサの出力値に基づいて、コンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、当該コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、を備える。
また本発明のある態様による過給機は、少なくとも1つのブレードを有して空気を圧縮するコンプレッサホイールと、コンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、通過検出センサの出力値に基づいてコンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、コンプレッサホイールの角速度に基づいてコンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、を備える。
また本発明のある態様によるサージング判定機能付きセンサは、少なくとも1つのブレードを有して空気を圧縮するコンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、通過検出センサの出力値に基づいてコンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、当該コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、を備える。
本発明のこれらの態様によれば、コンプレッサにおいて実際にサージングが発生しているかを検出して、サージングが発生しているか否かを判定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100の概略構成図である。
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100の概略構成図である。
内燃機関100は、機関本体1と、燃料噴射装置2と、吸気装置3と、排気装置4と、内燃機関100を制御するための電子制御ユニット200と、を備える。
機関本体1は、各気筒10に形成される燃焼室内で燃料を燃焼させて、例えば車両などを駆動するための動力を発生させる。本実施形態では、機関本体1は燃焼室内で燃料を圧縮自己着火燃焼させているが、燃料の燃焼方式は特に限られるものではなく、燃焼室内で燃料を火花点火燃焼させても良い。
燃料噴射装置2は、電子制御式の燃料噴射弁20と、コモンレール21と、サプライポンプ22と、燃料タンク23とを備える。
燃料噴射弁20は、各気筒10の燃焼室に臨むように各気筒10に1つ設けられる。燃料噴射弁20の開弁時間(噴射時間)及び開弁時期(噴射時期)は電子制御ユニット200からの制御信号によって変更され、燃料噴射弁20が開弁されると燃料噴射弁20から燃焼室内に燃料が噴射される。各燃料噴射弁20は、インジェクションパイプ24を介してコモンレール21に接続される。
コモンレール21は、圧送パイプ25を介して燃料タンク23に接続される。圧送パイプ25の途中には、燃料タンク23に貯蔵された燃料を加圧してコモンレール21に供給するためのサプライポンプ22が設けられる。コモンレール21は、サプライポンプ22から圧送されてきた高圧燃料を一時的に貯蔵する。燃料噴射弁20が開弁されると、コモンレール21に貯蔵された高圧燃料がインジェクションパイプ24を介して燃料噴射弁20から燃焼室内に噴射される。
サプライポンプ22は、吐出量を変更することができるように構成されており、サプライポンプ22の吐出量は、電子制御ユニット200からの制御信号によって変更される。サプライポンプ22の吐出量を制御することで、コモンレール21内の燃料圧力、すなわち燃料噴射弁20の噴射圧が制御される。
吸気装置3は、筒内に吸気を導くための装置であって、吸気通路30と、吸気マニホールド31と、EGR通路32と、を備える。
吸気通路30は、一端がエアクリーナ34に接続され、他端が吸気マニホールド31の吸気コレクタ31aに接続される。吸気通路30には、上流から順にエアフローメータ211、ターボチャージャ5のコンプレッサ6、インタークーラ35及びスロットル弁36が設けられる。
エアフローメータ211は、エアクリーナ34を介して吸気通路30に吸入された吸気の流量(以下「吸気量」という。)を検出する。
コンプレッサ6は、コンプレッサハウジング61と、コンプレッサハウジング61内に配置されたコンプレッサホイール62と、を備える。コンプレッサホイール62は、シャフト8を介して同軸上に取り付けられたターボチャージャ5のタービンホイール72によって回転駆動され、コンプレッサハウジング61内に流入してきた吸気を圧縮して吐出する。
また本実施形態では、コンプレッサハウジング61に通過検出センサ301が取り付けられている。通過検出センサ301の出力信号は、アンプユニット300に入力される。アンプユニット300は、通過検出センサ301の出力結果に基づいてコンプレッサホイール62の角速度(回転数)を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサ6においてサージングが発生しているか否かを判定することができるように構成されている。通過検出センサ301及びアンプユニット300の詳細については、図2以降を参照して後述する。
インタークーラ35は、コンプレッサ6によって圧縮されて高温になった吸気を、例えば走行風や冷却水などによって冷却するための熱交換器である。
スロットル弁36は、吸気通路30の通路断面積を変化させることで、吸気マニホールド31に導入される吸気量を調整する。スロットル弁36は、スロットルアクチュエータ(図示せず)によって開閉駆動され、スロットルセンサ(図示せず)によってその開度(スロットル開度)が検出される。
吸気マニホールド31は、機関本体1に接続され、吸気通路30から流入してきた吸気を各気筒10に均等に分配する。
EGR通路32は、排気マニホールド41と吸気マニホールド31の吸気コレクタ31aとを連通し、各気筒10から排出された排気の一部を圧力差によって吸気コレクタ31aに戻すための通路である。以下、EGR通路32に流入した排気のことを「EGRガス」という。EGRガスを吸気コレクタ31a、ひいては各気筒10に還流させることで、燃焼温度を低減させて窒素酸化物(NOx)の排出を抑えることができる。EGR通路32には、上流から順にEGRクーラ37と、EGR弁38と、が設けられる。
EGRクーラ37は、EGRガスを、例えば走行風や冷却水などによって冷却するための熱交換器である。
EGR弁38は、連続的又は段階的に開度を調整することができる電磁弁であり、その開度は電子制御ユニット200によって制御される。EGR弁38の開度を制御して吸気コレクタ31aに還流させるEGRガスの流量を調節することで、EGR率(吸気中に占めるEGRガスの割合)が制御される。
排気装置4は、筒内から排気を排出するための装置であって、排気マニホールド41と、排気通路42と、を備える。
排気マニホールド41は、機関本体1に接続されており、各気筒10から排出された排気を纏めた上で排気通路42に導入する。
排気通路42には、上流から順にターボチャージャ5のタービン7と、排気後処理装置43と、が設けられる。
タービン7は、タービンハウジング71と、タービンハウジング71内に配置されたタービンホイール72と、を備える。タービンホイール72は、タービンハウジング71内に流入してきた排気のエネルギによって回転駆動され、同軸上に取り付けられたコンプレッサホイール62を駆動する。
また本実施形態によるタービン7は、タービンホイール72の角速度(回転数)を調節してコンプレッサハウジング61内から吐出される吸気の圧力(過給圧)を制御するための可変ノズル73を備える。可変ノズル73は絞り弁として機能し、可変ノズル73のノズル開度(弁開度)は電子制御ユニット200によって制御される。可変ノズル73のノズル開度を変化させることでタービンホイール72を駆動する排気の流速をタービンハウジング71内で変化させることができる。すなわち、可変ノズル73のノズル開度を変化させることで、タービンホイール72の角速度を変化させて過給圧を変化させることができる。具体的には、可変ノズル73のノズル開度を小さくする(可変ノズル73を絞る)と、排気の流速が上がってタービンホイール72の角速度が増大し、過給圧が増大する。
なおタービンホイール72の角速度の調節は、このように可変ノズル73によるものに限られるものではなく、例えばタービン7をバイパスするバイパス通路を設け、そのバイパス通路に設けたバイパス弁の開度を変化させることで調節しても良い。
排気後処理装置43は、排気を浄化した上で外気に排出するための装置であって、有害物質を浄化する各種の触媒や有害物質を捕集するフィルタなどを備える。
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バスによって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)、入力ポート及び出力ポートを備える。
電子制御ユニット200には、前述したエアフローメータ211の出力信号や、機関回転速度を算出するための信号として、機関本体1のクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ212などの出力信号が、入力ポートを介して入力されている。このように電子制御ユニット200には、内燃機関100を制御するために必要な各種センサの出力信号が、入力ポートを介して入力されている。
また電子制御ユニット200には、燃料噴射弁20やサプライポンプ22、スロットル弁36のステップモータ、EGR制御弁38、可変ノズル73などの各制御部品が、出力ポートを介してそれぞれ電気的に接続されている。
また電子制御ユニット200は、アンプユニット300とCAN(Controller Area Network)通信線によって接続されており、CAN通信によって互いにデータを送受信できるようになっている。本実施形態では、アンプユニット300によるサージング判定結果が電子制御ユニット200に送信されるようになっている。そして本実施形態による電子制御ユニット200は、アンプユニット300から送信されてきたサージング判定結果に応じて、例えば可変ノズル73などの各制御部品を制御して、サージングを抑制するためのサージング抑制を実施できるように構成されている。
<コンプレッサの構成>
図2Aは、コンプレッサ6の概略断面図である。図2Bは、コンプレッサホイール(インペラ)62の概略平面図である。
図2Aは、コンプレッサ6の概略断面図である。図2Bは、コンプレッサホイール(インペラ)62の概略平面図である。
図2Aに示すように、コンプレッサホイール62は、ターボチャージャ5のタービンホイール72(図1参照)にシャフト8を介して連結される中央本体621と、中央本体621の表面上からコンプレッサホイール62の径方向及び軸線方向に延びる複数のブレード622と、を備える。中央本体621は、その軸線Lがシャフト8の軸線と同軸になるように、シャフト8に固定される。
コンプレッサホイール62は、軸線L周りに回転できるように、コンプレッサハウジング61の内部に配置される。また、コンプレッサホイール62は、回転したときに、ブレード622の径方向端部がコンプレッサハウジング61の内周面と僅かな隙間を開けた状態でこの内周面に沿って周方向に移動するように、コンプレッサハウジング61の内部に配置される。
また図2Bに示すように、本実施形態によるコンプレッサホイール62は、等間隔に配置された同一形状の12枚のブレード622を有する。図2Bには、説明を分かりやすくするために、ブレード622にそれぞれB1からB12までの番号を付してある。なお、ブレード622の枚数は12枚に限定されるものではなく、12枚より多くても12枚より少なくてもよい。本実施形態では、各ブレード622は、コンプレッサホイール62の径方向及び軸線方向に延びるように構成されている。しかしながら、複数のブレード622は、コンプレッサ6に流入した流体を圧縮することができれば、湾曲した形状等、如何なる形状であっても良い。また各ブレード622は、必ずしも等間隔に配置されていなくてもよく、ブレード622の一部又は全てが他のブレードと異なる形状であっても良い。
図2Aに戻り、コンプレッサハウジング61は、コンプレッサハウジング61の中央を通って延びる中央通路611と、中央通路611の周囲に延びる環状通路612とを有する。中央通路611の一方の端部は開いており、流体が流入する入口613を構成する。また、中央通路611の他方の端部の周りに環状通路612が配置され、この環状通路612の内側において中央通路611内にコンプレッサホイール62が配置される。したがって、入口613から流入した流体は中央通路611を通ってコンプレッサホイール62を介して環状通路612に流出する。
<通過検出センサ>
またコンプレッサハウジング61には、コンプレッサハウジング61内の所定の角度位置(所定位置)をブレード622が通過したことを検出するために、通過検出センサ301が取り付けられる。通過検出センサ301は、通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを検出する。本実施形態では、通過検出センサ301は、コンプレッサホイール62のブレード622の径方向端面622aに対面するように且つブレード622の径方向端面622aの法線方向と略平行となるように、コンプレッサハウジング61に取り付けられている。
またコンプレッサハウジング61には、コンプレッサハウジング61内の所定の角度位置(所定位置)をブレード622が通過したことを検出するために、通過検出センサ301が取り付けられる。通過検出センサ301は、通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを検出する。本実施形態では、通過検出センサ301は、コンプレッサホイール62のブレード622の径方向端面622aに対面するように且つブレード622の径方向端面622aの法線方向と略平行となるように、コンプレッサハウジング61に取り付けられている。
また、通過検出センサ301は、コンプレッサホイール62の入口側に位置するように、コンプレッサハウジング61に取り付けられる。本実施形態では、通過検出センサ301は、コンプレッサホイール62のブレード622の入口側端面622bに隣接するように、コンプレッサハウジング61に取り付けられている。ここで、コンプレッサホイール62のブレード622は、入口側から出口側に向かって徐々に温度が高くなる。これは、コンプレッサホイール62を介して流れる流体が入口側から出口側に向かって加圧されるためである。本実施形態では、通過検出センサ301はコンプレッサホイール62の入口側に位置するようにコンプレッサハウジング61に取り付けられているため、比較的低温の領域に配置される。このため、通過検出センサ301への熱の影響を低減することができる。
アンプユニット300には、通過検出センサ301の出力値が入力される。アンプユニット300は、通過検出センサ301の出力値を増幅させるアンプや、アンプによって増幅させた出力値を利用してコンプレッサホイール62の角速度などを算出するCPU(マイクロプロセッサ)などを一体化したものである。本実施形態では通過検出センサ301とアンプユニット300とを別体としているが、通過検出センサ301にアンプユニット300を内蔵し、通過検出センサ301とアンプユニット300とを一体化しても良い。
本実施形態では、通過検出センサ301として渦電流センサが用いられる。渦電流センサは、センサ検知部と計測対象の金属物質との間の距離に応じた電圧値を出力するセンサである。以下、図3を参照して、渦電流センサの検出原理について簡単に説明する。
渦電流センサは、その検知部に、交流励磁電流により磁界を発生させるコイル301aを有する。コイル301aが発生させる磁界Xをブレード622が通過すると、コイル301aの発生させる磁界を打ち消すようにブレード622に渦電流Yが発生する。ブレード622に発生する渦電流により磁界Xの強さが変化し、この結果、コイル301aに流れる電流値が変化する。したがって、渦電流センサによってコイル301aに流れる電流値の変化に起因する電圧値の変化を検出することで、ブレード622が通過したか否かを検出することができる。具体的には、渦電流センサの出力値がピークになったときを、ブレード622が渦電流センサの検知部の前を(すなわち、コンプレッサハウジング61内の所定の角度位置を)通過したときであると判定できる。
なお、ブレード622の通過を検出する通過検出センサ301としては、ブレード622の通過を検出することができれば、如何なるセンサを用いてもよい。このようなセンサとしては、例えば、電磁ピックアップ(MPU)センサが挙げられる。MPUセンサは、その検知部内にマグネットと検出コイルとを有するセンサである。斯かるMPUセンサでは、磁性体であるブレードがMPUセンサに近づいたり離れたりすると、検出コイルを貫通する磁束が変化し、これに伴って検出コイルの誘導起電力が変化する。これにより、MPUセンサの検知部の前におけるブレード622の通過を検出することができる。以下の説明では、通過検出センサ301として渦電流センサを用いた場合について説明する。
図4A及び図4Bは、通過検出センサ301として渦電流センサを用いた場合の通過検出センサ301の出力値(電圧値)の推移を示す図である。図4Aは、コンプレッサホイール62の角速度が比較的遅い場合(例えばコンプレッサホイール62の回転数が20万[rpm])における出力値の推移を、図4Bは、コンプレッサホイール62の角速度が比較的速い場合(例えばコンプレッサホイール62の回転数が40万[rpm])における出力値の推移をそれぞれ示している。
通過検出センサ301として渦電流センサを用いた場合は、通過検出センサ301の検知部とその前を通過する物体(本実施形態ではブレード622)との間の距離が短くなるほど出力値が大きくなる。したがって、通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過すると、通過検出センサ301の出力値が急激に増大する。よって、図4A及び図4Bにおける凸状に変化した出力はブレード622が通過したことを意味している。なお、図4A及び図4Bの番号B1〜B12は、通過検出センサ301の検知部の前を通過した各ブレード622の番号である。
図4Aに示したように、コンプレッサホイール62の角速度が比較的遅い場合には、ブレード622の通過に伴って通過検出センサ301の出力値が急激に上昇及び下降すると共に、2つの隣り合うブレード622が通過する間の期間は低い値で一定に維持される。
一方、図4Bに示したように、コンプレッサホイール62の角速度が比較的速い場合には、1つのブレード622の通過に伴って上昇した通過検出センサ301の出力値が下がりきる前に、次のブレード622の通過に伴って通過検出センサ301の出力値が上昇し始める。したがって、図4Bに示したように、2つの隣り合うブレード622が通過する間の期間においても通過検出センサ301の出力値は一定に維持されない。しかしながら、この場合であっても、通過検出センサ301の出力値が最大になった時期がブレード622の通過を示していることから、通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを正確に検出することができる。
<通過検出センサを用いたコンプレッサホイールの角速度の算出方法の例>
このように通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを正確に検出することができると、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)を正確に算出することができるようになる。
このように通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを正確に検出することができると、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)を正確に算出することができるようになる。
すなわち通過検出センサ301の検知部の前をブレード622が通過したことを正確に検出することができると、例えば通過検出センサ301の前を各ブレード622のうちの任意の1つのブレード(以下「基準ブレード」という。)が通過してから、当該基準ブレードの次に通過検出センサ301の前を通過するブレードが通過するまでの時間間隔に基づいて、通過検出センサ301の前を各ブレード622が通過するごとにコンプレッサホイール62の角速度を算出することができる。
以下では、図4Aを参照して、この通過検出センサ301を用いたコンプレッサホイール62の角速度の算出方法の一例について説明する。
図4Aに示した例では、第1ブレードB1が通過検出センサ301の前を通過することによって通過検出センサ301の出力がピークを示すときを時刻t1とする。同様に、第2ブレードB2、第3ブレードB3、第4ブレードB4が通過検出センサ301の前を通過することによって通過検出センサ301の出力がピークを示すときをそれぞれ時刻t2、t3、t4とする。
この場合、通過検出センサ301の前を第1ブレードB1が通過してから第2ブレードB2が通過するまでの時間間隔Δt1は、t2−t1として表せる。一方、本実施形態では、12枚のブレードが等間隔に設けられているため、第1ブレードB1と第2ブレードB2との間の角度間隔は基本的に(2π/12)[rad]となっている。したがって、通過検出センサ301の前を第1ブレードB1が通過してから第2ブレードB2が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度(以下「第1ブレード通過後の瞬間的な角速度」という。)ω1[rad/s]は、2π/(12×Δt1)となる。
よって、通過検出センサ301の前を第1ブレードB1が通過してから第2ブレードB2が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な回転数(以下「第1ブレード通過後の瞬間的な回転数」という。)N1[rpm]は、(ω1/2π)×60となる。
同様に、通過検出センサ301の前を第2ブレードB2が通過してから第3ブレードB3が通過するまでの時間間隔Δt2はt3−t2として表すことができ、第3ブレードB3が通過してから第4ブレードB4が通過するまでの時間間隔Δt3はt4−t3として表すことができる。したがって、通過検出センサ301の前を第2ブレードB2が通過してから第3ブレードB3が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度ω2、すなわち第2ブレード通過後の瞬間的な角速度ω2は、2π/(12×Δt2)として算出することができる。同様に、通過検出センサ301の前を第3ブレードB3が通過してから第4ブレードB4が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度ω3、すなわち第3ブレード通過後の瞬間的な角速度ω3は、2π/(12×Δt3)として算出することができる。
よって、通過検出センサ301の前を第2ブレードB2が通過してから第3ブレードB3が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な回転数、すなわち第2ブレード通過後の瞬間的な回転数N2は、(ω2/2π)×60として算出することができる。同様に、通過検出センサ301の前を第3ブレードB3が通過してから第4ブレードB4が通過するまでのコンプレッサホイール62の瞬間的な回転数、すなわち第3ブレード通過後の瞬間的な回転数N3は、(ω3/2π)×60として算出することができる。
したがって、ブレード622の番号をiで表すと、通過検出センサ301の出力に基づいて隣り合う対のブレード(すなわち、第iブレードBiと第(i+1)ブレードB(i+1))が通過検出センサ301の前を通過する間の時間間隔Δtiを算出すれば、このように算出された時間Δtiと、隣り合う対のブレード間の角度間隔とに基づいて、第iブレードBi通過後の瞬間的な角速度ωiを算出することができる。そして、このように算出された角速度ωiに基づいて、第iブレードBi通過後の瞬間的な回転数Niを算出することができる。
具体的には、下記式(1)のように隣り合う対のブレード(第iブレードBiと第(i+1)ブレードB(i+1))間の角度間隔αiを、算出されたこれらブレード間を通過する時間間隔Δtiで除算することによって第iブレード通過後の瞬間的な角速度ωiを算出することができる。よって、第iブレード通過後の瞬間的な回転数Niは、下記式(2)により算出することができる。
ωi=αi/Δti …(1)
Ni=(ωi/2π)×60
=(αi×60)/(2π×Δti) …(2)
Ni=(ωi/2π)×60
=(αi×60)/(2π×Δti) …(2)
また本実施形態のように、各ブレード622が周方向に等間隔に設けられたコンプレッサホイール62の場合であれば、ブレード622の総枚数をpとすると、角度間隔αiは(2π/p)として表すことができる。したがって、第iブレード通過後の瞬間的な回転数Niは、通過検出センサ301の前を第iブレードBiが通過してから第(i+1)ブレードB(i+1)が通過するまでの時間間隔Δtiに基づいて、下記式(3)により算出することができる。
Ni=60/(p×Δti) …(3)
また、上記の方法以外にも、図8のフローチャートを参照して後述するように、例えば通過検出センサ301の前を基準ブレードが通過してから当該基準ブレードが次に通過検出センサ301の前を通過するまでの時間間隔、すなわちコンプレッサホイール62が1回転するのに要する時間に基づいて、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)を算出することもできる。
<瞬間的な角速度の利用>
そして発明者らの鋭意研究の結果、このようにコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度(回転数)を正確に算出することができるようになると、算出したコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度に基づいて、コンプレッサ6においてサージングが発生しているか否かを精度良く判定できることがわかった。以下、このサージング判定方法について説明する。
そして発明者らの鋭意研究の結果、このようにコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度(回転数)を正確に算出することができるようになると、算出したコンプレッサホイール62の瞬間的な角速度に基づいて、コンプレッサ6においてサージングが発生しているか否かを精度良く判定できることがわかった。以下、このサージング判定方法について説明する。
<サージング判定方法>
図5は、内燃機関100の1サイクルにおけるコンプレッサホイール62の角速度の推移を示す図である。図5において、横軸は機関本体1のクランク角を示している。また図5において、内燃機関100の運転状態は、過給圧が或る一定の過給圧に制御されている定常運転状態である。
図5は、内燃機関100の1サイクルにおけるコンプレッサホイール62の角速度の推移を示す図である。図5において、横軸は機関本体1のクランク角を示している。また図5において、内燃機関100の運転状態は、過給圧が或る一定の過給圧に制御されている定常運転状態である。
図5に示すように、コンプレッサホイール62の角速度は機関本体1のクランク角に合わせて変化する。図5に示した例ではまず1番気筒の排気弁が開いて燃焼室から排気が流出すると、ターボチャージャ5のタービン7に流入する排気が増大する。このため、タービンホイール72の角速度が増大し、これに伴ってコンプレッサホイール62の角速度も増大する。
その後、1番気筒の排気行程の終盤では、燃焼室から流出する排気の流量が減少する。この結果、タービンホイール72の角速度が減少し、これに伴ってコンプレッサホイール62の角速度も減少する。
したがって、図5からわかるように、1番気筒の排気行程の間、コンプレッサホイール62の角速度は上昇してから下降し、他気筒の排気行程においてもコンプレッサホイール62の角速度は同様に推移する。すなわち、コンプレッサホイール62の角速度は、内燃機関100の1サイクルの間に、内燃機関100の気筒数に応じて複数回上下に変動し、各気筒10の排気行程開始時において最小値(極小値)を取り、各気筒10の排気行程中の或る時点において最大値(極大値)を取ることになる。
以下の説明では、この各気筒10の排気行程中におけるコンプレッサホイール62の角速度の最小値のことを「極小角速度ωL」といい、最大値を「極大角速度ωH」という。また各気筒10の排気行程中における極大角速度ωHと極小角速度ωLとの差分、すなわち各気筒10の排気行程中におけるコンプレッサホイール62の角速度の変動幅のことを「角速度変動幅Δω」という。
図6Aは、内燃機関100の数サイクルにおけるコンプレッサホイール62の角速度の推移を示す図である。一方で図6Bは、コンプレッサ6においてサージングが発生しているときの内燃機関100の数サイクルにおけるコンプレッサホイール62の角速度の推移を示す図である。なお図6A及び図6Bにおいて、横軸は時間を示している。また図6A及び図6Bにおいて、内燃機関100の運転状態は、過給圧が或る一定の過給圧に制御されている定常運転状態である。
図6Aに示すように、内燃機関100の運転状態が定常運転状態のときは、角速度変動幅Δωが或る一定の変動幅に維持された状態でコンプレッサホイール62の角速度が推移する。なお図6Aは、コンプレッサホイールの62の回転数が約9万[rpm]に制御されている状態を示しており、角速度変動幅Δωは約500[rpm]程度である。
これに対して図6Bに示すように、コンプレッサ6においてサージングが発生すると、角速度変動幅Δωが或る一定の変動幅に維持されずにバラつきが生じることがわかった。これはコンプレッサ6においてサージングが発生すると、コンプレッサホイール62から吐出される吸気の流量が周期的に激しく変動することになる。その結果、コンプレッサホイール62の角速度が変動して角速度変動幅Δωにバラつきが生じるものと考えられる。また、各気筒10から排出される排気の流量も変動することになるため、タービンホイールの72の角速度の上昇幅や下降幅が変動し、これによっても角速度変動幅Δωにバラつきが生じるものと考えられる。
そこで本実施形態では、この角速度変動幅Δωの分散(バラつき度合い)に基づいて、コンプレッサ6においてサージングが発生しているか否かを検出することとした。
<角速度変動幅Δωの算出方法>
図7は、角速度変動幅Δωの算出方法について説明する図である。図7において、横軸は機関本体1のクランク角を示している。
図7は、角速度変動幅Δωの算出方法について説明する図である。図7において、横軸は機関本体1のクランク角を示している。
角速度変動幅Δωを算出するには、極小角速度ωLと極大角速度ωHとをそれぞれ算出する必要がある。
ここで4番気筒を例にして、コンプレッサホイール62の角速度ωの微分値(以下「角加速度」という。)ω’(=dω/dt;図7の破線の傾き)を考えると、図7に示すように、コンプレッサホイール62の角速度が最小値(極小値)となる各気筒10の排気行程開始時において、角加速度ω’は0となる。また、コンプレッサホイール62の角速度が最大値(極大値)となる各気筒10の排気行程中のある時点においても、角加速度ω’は0となる。
そこで本実施形態によるアンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度ωを算出するたびに、その角速度ωを角速度今回値ωzとして設定し、角速度今回値ωzの微分値を角加速度今回値ωz’として算出する。そしてアンプユニット300は、角加速度今回値ωz’の絶対値が、予め設定された0近傍の値である極値判定閾値以下になったときの角速度今回値ωzを、極小角速度ωL又は極大角速度ωHとして設定する。
なお、角加速度今回値ωz’の絶対値が極値判定閾値以下になったときの角速度今回値ωzに関して、その角速度今回値ωzが極小角速度ωLであるか、極大角速度ωHであるかの判定は、直前に算出された角加速度前回値ωz−1’が正の値か否かを判定することによって行うことができる。
具体的には、角加速度前回値ωz−1’が負の値の場合、すなわち図7の破線の傾きが負の場合は、角速度が下降から上昇に転じるときと判定できる。そこで本実施形態によるアンプユニット300は、この場合には、角加速度今回値ωz’の絶対値が極値判定閾値以下になったときの角速度今回値ωzを極小角速度ωLに設定する。一方、角加速度前回値ωz−1’が正の値の場合、すなわち図7の破線の傾きが正の場合は、角速度ωが上昇から下降に転じるときと判定できる。そこで本実施形態によるアンプユニット300は、この場合には、角加速度今回値ωz’の絶対値が極値判定閾値以下になったときの角速度今回値ωzを、極大角速度ωHに設定する。
このようしてそれぞれ設定された極大角速度ωHから極小角速度ωLを減算することで、角速度変動幅Δωを算出することができる。
<フローチャート>
以下、本実施形態による通過検出センサ301の出力値を利用した内燃機関100の制御について説明する。
<角速度算出制御>
以下、本実施形態による通過検出センサ301の出力値を利用した内燃機関100の制御について説明する。
<角速度算出制御>
まず、図8を参照して、アンプユニット300が実施するコンプレッサホイール62の角速度算出制御について説明する。アンプユニット300は、このルーチンを所定の演算周期(=サンプリング周期tsmp)で繰り返し実行する。
ステップS1において、アンプユニット300は、通過検出センサ301の出力値を読み込む。
ステップS2において、アンプユニット300は、経過時間計測開始フラグF1が0に設定されているか否かを判定する。経過時間計測開始フラグF1は、初期値が0に設定されているフラグであり、経過時間計測開始フラグF1が0に設定されているときに、通過検出センサ301によってブレード622の通過が検出されると1に設定される。そして、コンプレッサホイール62の角速度が推定されると再び0に戻される。アンプユニット300は、経過時間計測開始フラグF1が0に設定されていれば、ステップS2の処理に進む。一方でアンプユニット300は、経過時間計測開始フラグF1が1に設定されていれば、ステップS5の処理に進む。
ステップS3において、アンプユニット300は、ブレード622の通過が検出されたか否かを判定する。このステップS3において通過が検出されたブレード622が、複数のブレードのうちの任意の1つのブレード、すなわち基準ブレードとなる。アンプユニット300は、ブレード622の通過が検出されればステップS4の処理に進む。一方でアンプユニット300は、ブレード622の通過が検出されなければ今回の処理を終了する。
ステップS4において、アンプユニット300は、経過時間計測開始フラグF1を1に設定し、基準ブレードが通過検出センサ301の検知部の前を通過してからの経過時間te1の計測を開始する。
ステップS5において、アンプユニット300は、経過時間te1の前回値にサンプリング周期tsmpを積算したものを経過時間te1として算出する。なお、経過時間teの初期値は0である。
ステップS6において、アンプユニット300は、通過検出センサ301によってブレード622の通過が検出されたか否かを判定する。アンプユニット300は、通過検出センサ301によってブレード622の通過が検出されればステップS7の処理に進む。一方でアンプユニット300は、通過検出センサ301によってブレード622の通過が検出されなければ今回の処理を終了する。
ステップS7において、アンプユニット300は、基準ブレードが通過検出センサ301の検知部の前を通過してからのブレード通過回数iを算出する。具体的には、アンプユニット300はブレード通過回数iの前回値に1を積算したものをブレード通過回数iとして算出する。なお、ブレード通過回数iの初期値は0である。
ステップS8において、アンプユニット300は、ステップS6で通過を検出したブレード622が基準ブレードであるか否かを判定する。具体的にはアンプユニット300は、ブレード通過回数iが、ブレードの総枚数(本実施形態では12枚)に正の整数nを乗じた値となっているか否かを判定する。
正の整数nを例えば1に設定すれば、ステップS8においてコンプレッサホイール62が1回転したか否かを判定することができ、例えば2に設定すれば、ステップS8においてコンプレッサホイール62が2回転したか否かを判定することができる。すなわち、正の整数nに応じて、コンプレッサホイール62の角速度及び回転数を推定するタイミングを調整することができ、単位時間当たりのコンプレッサホイール62の角速度及び回転数の推定データ数を調整することができる。本実施形態では、正の整数nを1に設定しているが、アンプユニット300のCPUの演算能力等に応じて正の整数nを1より大きい値に設定して良い。
アンプユニット300は、ステップS6で通過を検出したブレード622が基準ブレードであればステップS9の処理に進む。一方でアンプユニット300は、ステップS6で通過を検出したブレード622が基準ブレードでなければ今回の処理を終了する。
ステップS9において、アンプユニット300は、ステップS5で算出した経過時間te1を基準ブレード通過時間tmとして設定する。すなわちアンプユニット300は、本実施形態では正の整数nを1に設定しているので、基準ブレードが最初に通過検出センサ301の検知部の前を通過したことを検出してから、次に基準ブレードが通過検出センサ301の検知部の前を通過するまでの時間(コンプレッサホイール62が1回転するのに要した時間)を、基準ブレード通過時間tmとして設定する。
ステップS10において、アンプユニット300は、基準ブレード通過時間tmに基づいて、コンプレッサホイール62の角速度を算出する。具体的にはアンプユニット300は、下記式(4)に基準ブレード通過時間tmを代入して、コンプレッサホイール62の角速度ωを算出する。なおステップS10において、下記式(5)に基準ブレード通過時間tmを代入して、コンプレッサホイール62の回転数Nを併せて算出するようにしても良い。
ω=2π/tm …(4)
N=60/tm …(5)
N=60/tm …(5)
ステップS11において、アンプユニット300は、経過時間te1、ブレードの通過回数i及び経過時間計測開始フラグF1をそれぞれ初期値の0に戻す。
<角速度変動幅Δωの算出制御>
次に、図9を参照して、アンプユニット300が実施するコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωの算出制御について説明する。アンプユニット300は、このルーチンを所定の演算周期(=サンプリング周期tsmp)で繰り返し実行する。
次に、図9を参照して、アンプユニット300が実施するコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωの算出制御について説明する。アンプユニット300は、このルーチンを所定の演算周期(=サンプリング周期tsmp)で繰り返し実行する。
ステップS21において、アンプユニット300は、前述したコンプレッサホイール62の角速度算出制御によって、新たにコンプレッサホイール62の角速度ωが算出されたか否かを判定する。アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度ωが新たに算出されていればステップS22の処理に進む。一方でアンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度ωが新たに算出されていなければ今回の処理を終了する。
ステップS22において、アンプユニット300は、新たに算出されたコンプレッサホイール62の角速度ωと、その算出に使用された基準ブレード通過時間tmと、を読み込む。
ステップS23において、アンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度ωのデータが2点以上あるか否かを判定する。アンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度ωのデータが2点以上あればステップS23の処理に進む。一方でアンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度ωのデータが2点以上なければ今回の処理を終了する。
ステップS24において、アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度今回値ωz’を算出する。具体的にはアンプユニット300は、今回新たに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度ωを角速度今回値ωzとし、今回の1つ前に読み込まれたコンプレッサホイール62の角速度ωを角速度前回値ωz−1とする。そしてアンプユニット300は、下記式(6)に、角速度今回値ωz、角速度前回値ωz−1及びステップS22で読み込んだ基準ブレード通過時間tmを代入して、コンプレッサホイール62の角加速度今回値ωz’を算出する。
ωz’=(ωz−ωz−1)/tm …(6)
ステップS25において、アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度今回値ωz’の絶対値が極値判定閾値以下であるか否かを判定する。アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度今回値ωz’が極値判定閾値以下であればステップS26の処理に進む。一方でアンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度今回値ωz’が極値判定閾値よりも大きければ今回の処理を終了する。
ステップS26において、アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度前回値ωz−1’が負の値か否かを判定する。アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度前回値ωz−1’が負の値であれば、ステップS27の処理に進む。一方でアンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角加速度前回値ωz−1’が正の値であれば、ステップS29の処理に進む。
ステップS27において、アンプユニット300は、ステップS24で設定されたコンプレッサホイール62の角速度今回値ωzを極小角速度ωLとして設定する。
ステップS28において、アンプユニット300は、フラグF2を1に設定する。フラグF2は、初期値が0に設定されているフラグである。
ステップS29において、アンプユニット300は、フラグF2が1に設定されているか否かを判定する。アンプユニット300は、フラグF2が1に設定されていればステップS30の処理に進む。一方でフラグF2が0に設定されていれば今回の処理を終了する。
ステップS30において、アンプユニット300は、ステップS24で設定されたコンプレッサホイール62の角速度今回値ωzを極大角速度ωHとして設定する。
ステップS31において、アンプユニット300は、下記式(7)にステップS27及びステップS30で設定された極小角速度ωL及び極大角速度ωHを代入して、コンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωを算出する。
Δω=ωH−ωL …(7)
ステップS32において、アンプユニット300は、フラグF2を初期値の0に戻す。
<サージング判定制御>
次に、図10を参照して、アンプユニット300が実施するコンプレッサ6のサージング判定制御について説明する。アンプユニット300は、このルーチンを所定の演算周期(=サンプリング周期tsmp)で繰り返し実行する。
次に、図10を参照して、アンプユニット300が実施するコンプレッサ6のサージング判定制御について説明する。アンプユニット300は、このルーチンを所定の演算周期(=サンプリング周期tsmp)で繰り返し実行する。
ステップS41において、アンプユニット300は、前述したコンプレッサホイール62の角速度変動幅算出制御によって、新たにコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωが算出されたか否かを判定する。アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωが新たに算出されていればステップS42の処理に進む。一方でアンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωが新たに算出されていなければ今回の処理を終了する。
ステップS42において、アンプユニット300は、新たに算出されたコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωを読み込む。
ステップS43において、アンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωのデータが所定数N(本実施形態では15個)以上あるか否かを判定する。アンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度ωのデータが所定数N以上あればステップS44の処理に進む。一方でアンプユニット300は、これまでに読み込んだコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωのデータが所定数N未満であれば今回の処理を終了する。
ステップS44において、アンプユニット300は、直近の所定数Nのコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωのデータ群に基づいて、下記の(8)式からこのデータ群の分散Vを算出する。なお下記の(8)式において、Δωaveは、N個の角速度変動幅Δωの平均値である。
ステップS45において、アンプユニット300は、分散Vが所定値以上か否かを判定する。すなわちアンプユニット300は、直近の所定数Nのコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωの各値に一定以上のばらつきがあるか否かを判定する。アンプユニット300は、分散Vが所定値以上であれば、ステップS46の処理に進む。一方でアンプユニット300は、分散Vが所定値未満であれば、ステップS47の処理に進む。なお所定値の大きさに応じて、サージングが実際に発生しているのか、又はサージングの予兆があるのかを検出することができる。すなわち所定値が大きくすれば、サージングが実際に発生していることを検出できる。そして所定値を小さくすれば、サージングの予兆を検出することができる。
ステップS46において、アンプユニット300は、コンプレッサ6でサージングが発生していると判定する。
ステップS47において、アンプユニット300は、コンプレッサ6でサージングは発生していないと判定する。
<内燃機関の制御>
次に、図11を参照して、電子制御ユニット200が実施する内燃機関100の制御、特にサージング抑制制御について説明する。電子制御ユニット200は、このルーチンを所定の演算周期で繰り返し実行する。
次に、図11を参照して、電子制御ユニット200が実施する内燃機関100の制御、特にサージング抑制制御について説明する。電子制御ユニット200は、このルーチンを所定の演算周期で繰り返し実行する。
ステップS51において、電子制御ユニット200は、アンプユニット300でのサージング判定結果を参照し、コンプレッサ6においてサージングが発生している場合にはステップS52の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、コンプレッサ6においてサージングが発生していなければ今回の処理を終了する。
ステップS52において、電子制御ユニット200は、サージングを抑制するための制御を実施する。本実施形態では電子制御ユニット200は、タービン7の可変ノズル73のノズル開度をサージングが抑制される方向に変化させることで、サージングが抑制されるようにコンプレッサホイール62の角速度又は回転数を制御している。なおサージングを抑制するための制御はこのような制御に限られるものではなく、公知の種々の手法を取り得る。
以上説明した本実施形態による内燃機関100は、機関本体1と、機関本体1から排出される排気のエネルギによって駆動されると共に、少なくとも1つのブレード622を有して機関本体1に吸入される空気を圧縮するコンプレッサホイール62と、コンプレッサホイール62を収容するハウジング61内の所定位置を、コンプレッサホイール62のブレード622が通過したことを検出する通過検出センサ301と、通過検出センサ301の出力値に基づいてコンプレッサホイール62の角速度を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定するアンプユニット300(判定装置)と、を備える。
アンプユニット300は、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、当該角速度の微分値である角加速度を算出し、角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときのコンプレッサホイール62の角速度に基づいて、排気行程中の気筒10の角速度変動幅Δωを算出し、角速度変動幅Δωの分散Vに基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定するように構成されている。具体的にはアンプユニット300は、角速度変動幅Δωの分散Vが所定値以上のときに、コンプレッサホイー62ルにおいてサージングが発生していると判定するように構成されている。
これにより本実施形態によれば、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサ6において実際にサージングが発生しているかを検出し、サージングが発生しているか否かを判定することができる。
また本実施形態による内燃機関100は、機関本体1、コンプレッサホイール62、通過検出センサ301、及びアンプユニット300(判定装置)に加えて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているときに、そのサージングが抑制されるようにコンプレッサホイール62の角速度を制御する電子制御ユニット200(制御装置)をさらに備える。
そのため、サージングが発生した場合には、そのサージングを抑制することができる。また本実施形態によれば、サージングの発生を実際に検出できるため、サージングが実際に検出されたとき、又はその予兆を検出したときにそのサージングを抑制するためのサージング抑制制御を実施することができる。そのため、従来はサージングの発生を防止するために十分なマージンを設けていたターボチャージャ5の運転領域を拡大することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、サージング判定制御の内容が第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、サージング判定制御の内容が第1実施形態と相違する。以下、その相違点について説明する。
前述した第1実施形態では、前述した(8)式によって算出した分散Vに基づいて、コンプレッサ6において実際にサージングが発生しているかを検出していた。しかしながら、(8)式によって算出される分散Vは、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)が低いときに比べて、高いときの方が大きくなる傾向がある。
これは、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)が高くなるほど、各気筒10の燃焼室から排出される排気の流量が多くなる。そのため、角速度変動幅Δωが大きくなる傾向にあり、各気筒10における極小角速度ωL及び極大角速度ωHにバラつきが生じやすくなり、結果として角速度変動幅Δωにもバラつきが生じやすくなるためである。
そこで本実施形態では、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)による影響を少なくするために、分散Vを角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイールの平均角速度ωcaに基づいて正規化し、正規化した分散Vnorに基づいて、コンプレッサ6において実際にサージングが発生しているかを検出することとした。
図12は、本実施形態による角速度変動幅算出制御について説明するフローチャートである。図12において、ステップS21からステップS32までの処理内容は、第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップ61において、アンプユニット300は、下記式(9)にステップS27及びステップS30で設定された極小角速度ωL及び極大角速度ωHを代入したものを、角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイール62の角速度ωcとして算出する。(9)式から明らかなように、角速度ωcは、角速度変動幅の中央部分の角速度である。
ωc=(ωL+ωH)/2 …(9)
図13は、本実施形態によるサージング判定制御について説明するフローチャートである。図13において、ステップS41、ステップS43、ステップS44、ステップS46、ステップS47の各処理内容は、第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS71において、アンプユニット300は、角速度変動幅算出制御によって新たに算出されたコンプレッサホイール62の角速度変動幅Δωと、角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイール62の角速度ωcと、を読み込む。
ステップS72において、アンプユニット300は、直近の所定数Nの角速度ωcのデータ群に基づいて、下記の(10)式からこのN個の角速度ωcの平均値、すなわち角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイール62の平均角速度ωcaを算出する。
ステップS73において、アンプユニット300は、下記の(11)式から、分散Vを角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイールの平均角速度ωcaに基づいて正規化し、正規化した分散Vnorを算出する。
Vnor=V/ωca …(11)
このように、分散Vを角速度変動幅算出時におけるコンプレッサホイールの平均角速度ωcaで除算することにより分散Vを正規化することで、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)による角速度変動幅Δωのバラつきの影響を少なくすることができる。そのため、サージング判定を精度良く行うことができる。
ステップS74において、アンプユニット300は、正規化した分散Vnorが所定値以上か否かを判定する。アンプユニット300は、正規化した分散Vnorが所定値以上であれば、ステップS46の処理に進む。一方でアンプユニット300は、正規化した分散Vnorが所定値未満であれば、ステップS47の処理に進む。
以上説明した本実施形態によるアンプユニット300(判定装置)は、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、当該角速度の微分値である角加速度を算出し、角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときのコンプレッサホイール62の角速度に基づいて、排気行程中の気筒の角速度変動幅Δω、及び角速度変動幅Δωの算出時におけるコンプレッサホイール62の平均角速度ωcaを算出し、角速度変動幅Δωの分散Vと、平均角速度ωcaと、に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定するように構成される。具体的にはアンプユニット300ha、角速度変動幅Δωの分散Vを平均角速度ωcaで除算した正規化した分散Vnorが所定値以上のときに、コンプレッサホイール62においてサージングが発生していると判定するように構成される。
これにより、コンプレッサホイール62の角速度(回転数)による角速度変動幅Δωのバラつきの影響を少なくすることができる。そのため、サージング判定を精度良く行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の実施形態では、アンプユニット300によってコンプレッサホイール62の角速度を検出すると共にサージングの発生を判定していたが、これらの計算や判定を全て電子制御ユニット200によって行うようにしても良い。すなわち、通過検出センサ301の出力値に基づいてコンプレッサホイール62の角速度を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定する判定部と、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているときに、そのサージングが抑制されるようにコンプレッサホイール62の角速度を制御する制御部と、を備えるように電子制御ユニット200を構成しても良い。このように構成しても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また上記の実施形態では、過給機の一例として内燃機関100に適用されるターボチャージャ5を挙げたが、ブレード622を有する過給機であれば、如何なる過給機であっても角速度の算出は可能である。したがって、例えば、軸流式圧縮機や蒸気タービン等の角速度を算出することも可能である。このように、過給機の角速度を算出することができれば、過給機においてサージングが発生したときには角速度の変動が生じる。したがって、この変動を検出することで、過給機において実際にサージングが発生しているか否かを検出し、サージングの発生を判定することができる。そのため、ブレード622を有する過給機であれば、如何なる過給機であってもサージングの判定をすることは可能である。
したがって、少なくとも1つのブレード622を有して空気を圧縮するコンプレッサホイール62と、コンプレッサホイール62を収容するハウジング61内の所定位置をコンプレッサホイール62のブレード622が通過したことを検出する通過検出センサ301と、通過検出センサ301の出力値に基づいて、コンプレッサホイール62の角速度を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定するアンプユニット300(判定装置)と、を備えるように過給機を構成すれば、この過給機が適用される内燃機関以外の種々のシステムにおいて、当該過給機のサージングを判定することができる。
また、通過検出センサ301とアンプユニット300と一体化することによって、それらをサージング判定機能付きセンサとして提供することも可能である。すなわち、少なくとも1つのブレード62を有して空気を圧縮するコンプレッサホイール62を収容するハウジング61内の所定位置を、コンプレッサホイール62のブレード622が通過したことを検出する通過検出センサ301と、通過検出センサ301の出力値に基づいて、コンプレッサホイール62の角速度を算出すると共に、コンプレッサホイール62の角速度に基づいて、コンプレッサホイール62においてサージングが発生しているか否かを判定するアンプユニット300(判定装置)と、を備えるようにサージング判定機能付きセンサを構成すれば、このサージング判定機能付きセンサによって、内燃機関や内燃機関以外の種々のシステムにおいて採用される過給機のサージングを判定することができる。
100 内燃機関
1 機関本体
61 コンプレッサハウジング(ハウジング)
62 コンプレッサホイール
622 ブレード
200 電子制御ユニット(制御装置)
300 アンプユニット(判定装置)
301 通過検出センサ
1 機関本体
61 コンプレッサハウジング(ハウジング)
62 コンプレッサホイール
622 ブレード
200 電子制御ユニット(制御装置)
300 アンプユニット(判定装置)
301 通過検出センサ
Claims (10)
- 機関本体と、
前記機関本体から排出される排気のエネルギによって駆動されると共に、少なくとも1つのブレードを有して当該機関本体に吸入される空気を圧縮するコンプレッサホイールと、
前記コンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、
前記通過検出センサの出力値に基づいて、前記コンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、当該コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、
を備える内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該角速度の微分値である角加速度を算出し、
前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度に基づいて、排気行程中の気筒の角速度変動幅を算出し、
前記角速度変動幅の分散に基づいて、前記コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定するように構成される、
請求項1に記載の内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記角速度変動幅の分散が所定値以上のときに、前記コンプレッサホイールにおいてサージングが発生していると判定するように構成される、
請求項2に記載の内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記角加速度の前回値が負の値であれば、前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度を極小角速度として設定し、
前記角加速度の前回値が正の値であれば、前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度を極大角速度として設定し、
前記極小角速度と前記極大角速度とに基づいて、前記角速度変動幅を算出するように構成される、
請求項2又は請求項3に記載の内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該角速度の微分値である角加速度を算出し、
前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度に基づいて、排気行程中の気筒の角速度変動幅、及び当該角速度変動幅の算出時における前記コンプレッサホイールの平均角速度を算出し、
前記角速度変動幅の分散と、前記平均角速度と、に基づいて、前記コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定するように構成される、
請求項1に記載の内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記角速度変動幅の分散を前記平均角速度で除算した値が所定値以上のときに、前記コンプレッサホイールにおいてサージングが発生していると判定するように構成される、
請求項5に記載の内燃機関。 - 前記判定装置は、
前記角加速度の前回値が負の値であれば、前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度を極小角速度として設定し、
前記角加速度の前回値が正の値であれば、前記角加速度の絶対値が所定の極値判定閾値以下になったときの前記コンプレッサホイールの角速度を極大角速度として設定し、
前記極小角速度と前記極大角速度とに基づいて、前記角速度変動幅を算出し、
前記角速度変動幅を算出したときの前記極小角速度と前記極大角速度とに基づいて、前記平均角速度を算出するように構成される、
請求項5又は請求項6に記載の内燃機関。 - 前記コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているときに、そのサージングが抑制されるように当該コンプレッサホイールの角速度を制御する制御装置をさらに備える、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内燃機関。 - 少なくとも1つのブレードを有して空気を圧縮するコンプレッサホイールと、
前記コンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、
前記通過検出センサの出力値に基づいて、前記コンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、当該コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、
を備える過給機。 - 少なくとも1つのブレードを有して空気を圧縮するコンプレッサホイールを収容するハウジング内の所定位置を、当該コンプレッサホイールのブレードが通過したことを検出する通過検出センサと、
前記通過検出センサの出力値に基づいて、前記コンプレッサホイールの角速度を算出すると共に、当該コンプレッサホイールの角速度に基づいて、当該コンプレッサホイールにおいてサージングが発生しているか否かを判定する判定装置と、
を備えるサージング判定機能付きセンサ。
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
PCT/JP2017/047380 WO2019130584A1 (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 内燃機関、過給機、及びサージング判定機能付きセンサ |
Publications (1)
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JPWO2019130584A1 true JPWO2019130584A1 (ja) | 2020-07-30 |
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Family Applications (1)
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JP2019562706A Withdrawn JPWO2019130584A1 (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 内燃機関、過給機、及びサージング判定機能付きセンサ |
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WO (1) | WO2019130584A1 (ja) |
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