JPWO2019124357A1 - 評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ - Google Patents

評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019124357A1
JPWO2019124357A1 JP2019561104A JP2019561104A JPWO2019124357A1 JP WO2019124357 A1 JPWO2019124357 A1 JP WO2019124357A1 JP 2019561104 A JP2019561104 A JP 2019561104A JP 2019561104 A JP2019561104 A JP 2019561104A JP WO2019124357 A1 JPWO2019124357 A1 JP WO2019124357A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
insulating material
predetermined temperature
sample
evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019561104A
Other languages
English (en)
Inventor
進吾 岡村
進吾 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2019124357A1 publication Critical patent/JPWO2019124357A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/22Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating capacitance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R27/00Arrangements for measuring resistance, reactance, impedance, or electric characteristics derived therefrom
    • G01R27/02Measuring real or complex resistance, reactance, impedance, or other two-pole characteristics derived therefrom, e.g. time constant
    • G01R27/26Measuring inductance or capacitance; Measuring quality factor, e.g. by using the resonance method; Measuring loss factor; Measuring dielectric constants ; Measuring impedance or related variables
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • G01R31/14Circuits therefor, e.g. for generating test voltages, sensing circuits
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • G01R31/16Construction of testing vessels; Electrodes therefor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

課題は、絶縁材に蓄積された電荷量の評価を高精度に行うことである。評価システム(10)は、絶縁材の試料(100)を間に挟む第1電極(21)及び第2電極(22)を有する保持部(20)と、保持部(20)を収容するチャンバ(30)と、電流積分計(40)と、を備える。電流積分計(40)は、保持部(20)の第1電極(21)と第2電極(22)との間に直流電圧を印加する電源装置(50)と第1電極(21)との間に介在される。電流積分計(40)と第1電極(21)との間の配線(61)は、少なくとも一部が被覆されていない導体(611)を含む。

Description

本開示は、一般に、評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージに関する。本開示は、特に、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能を評価するための評価システム及び評価方法、絶縁材の選別方法及び製造方法、パワーデバイス用の絶縁材及びパッケージに関する。
特許文献1は、耐電圧試験器を開示する。耐電圧試験器は、電圧を可変する単巻変圧器、昇圧および絶縁するトランス、電源を入り切りするコンタクター、トランスの出力を開閉するスイッチおよび被試験物へ流れる電流を検出する電流変成器、電流検出器で構成される。
特開平6−273475号公報
特許文献1の耐電圧試験器(評価システム)では、被試験物(絶縁材の試料)の温度条件を設定することは考慮されていなかった。
本開示の課題は、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行うことである。
本開示の一態様の評価システムは、絶縁材の試料を間に挟む第1電極及び第2電極を有する保持部と、前記保持部を内部に収容する筐体を有し、前記筐体の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するチャンバと、電流積分計と、を備える。前記電流積分計は、前記保持部の前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加する電源装置と前記第1電極との間に介在される。前記電流積分計と前記第1電極との間の配線は、少なくとも一部が被覆されていない導体を含む。
本開示の一態様の評価システムは、保持部と、チャンバと、電流積分計と、を備える。前記保持部は、絶縁材の試料を間に挟む第1電極及び第2電極を有する。前記チャンバは、前記保持部を収容する筐体を有し、前記筐体の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成されている。前記電流積分計は、前記保持部の前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加する電源装置と前記第1電極との間に介在される。前記電流積分計と前記第1電極との間の配線は、少なくとも一部が絶縁被覆で被覆された導体を含む。前記絶縁被覆の材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む。
本開示の一態様の評価方法は、前記評価システムの前記電流積分計の測定値に基づいて、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。
本開示の一態様の選別方法は、複数の絶縁材から、前記評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材を選別する。
本開示の一態様の製造方法は、複数の絶縁材の試料を用意するステップを含む。また、前記製造方法は、前記複数の絶縁材の試料から前記評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材の試料を選別するステップを含む。更に、前記製造方法は、選別された絶縁材の試料に対応する絶縁材を製造するステップを含む。
本開示の一態様の絶縁材は、前記評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材である。
本開示の一態様のパッケージは、前記絶縁材で形成されたパッケージである。
図1は、一実施形態の評価システムの概略図である。 図2は、同上の評価システムにおける保持部の斜視図である。 図3は、同上の評価システムにおけるチャンバの筐体の斜視図である。 図4は、同上の評価システムにおける電流積分計の測定値の時間変化を示すグラフである。 図5は、同上の評価システムにおける電源装置の出力電圧と電流積分計の測定値との関係を示すグラフである。 図6は、高温逆バイアス試験の結果と同上の評価システムによる評価(25℃)の結果との関係を示すグラフである。 図7は、高温逆バイアス試験の結果と同上の評価システムによる評価(150℃)の結果との関係を示すグラフである。 図8は、高温逆バイアス試験の結果と同上の評価システムによる評価(比誘電率の比)の結果との関係を示すグラフである。 図9は、変形例の評価システムの概略図である。
1.実施形態
1.1 概要
図1は、一実施形態の評価システム10を示す。評価システム10は、保持部20と、チャンバ30と、電流積分計40と、を備える。保持部20は、絶縁材の試料100を間に挟む第1及び第2電極21,22を有する。チャンバ30は、保持部20を内部に収容する筐体31を有し、筐体31の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成される。電流積分計40は、保持部20の第1及び第2電極21,22間に直流電圧を印加する電源装置50と第1電極21との間に介在される。電流積分計40と第1電極21との間の配線(第1配線)61は、少なくとも一部が被覆されていない導体611を含む。
電流積分計40は、電流積分計40から試料100に流れる電流を積算することで、電荷の量を測定値として出力する。そのため、第1配線61で電荷の蓄積が起きると、電流積分計40の計測値には、第1配線61に蓄積された電荷量が含まれ、実際に試料100に蓄積される電荷の量に対して誤差が生じ得る。上述したように、評価システム10では、電流積分計40と第1電極21との間の配線(第1配線)61は、少なくとも一部が被覆されていない導体611を含む。そのため、電流積分計40と第1電極21との間の配線(第1配線)61が被覆電線で構成されている場合に比べて、第1配線61での電荷の蓄積の影響(例えば、第1配線61と周囲の器物との間に生じる浮遊容量の影響)が低減される。これによって、試料100に蓄積される電荷の量の計測の精度が向上する。試料100に蓄積される電荷の量の計測の精度が向上すれば、絶縁材(試料100)の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行えるようになる。
1.2 構成
以下、評価システム10について更に詳細に説明する。評価システム10は、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能を評価するためのシステムである。本実施形態では、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。この評価にあたっては、絶縁材の所定温度下の誘電率を利用する。そして、絶縁材の所定温度下の誘電率を求めるために、絶縁材の試料100を使用して、所定温度下で試料100に蓄積される電荷の量を計測する。
評価システム10で使用される試料100は、評価対象の絶縁材に対応する。絶縁材は、形状が定まっていない絶縁材料、又は、形状が定まった絶縁部品である。絶縁材の例としては、基板(積層板)、プリプレグ、及び封止材(特に高電圧用の封止材)等の電子材料用の絶縁材が挙げられる。絶縁材は、例えば、パワーデバイス(パワー半導体装置)に使用される。パワーデバイスの例としては、エアーコンディショナ、自動車、太陽光発電装置、及びパワーコンディショナに用いられるインバータ用の半導体装置が挙げられる。このような半導体装置の一例としては、シリコンチップを封止したパッケージがある。この場合、パッケージは、絶縁材により形成される。例えば、絶縁材が絶縁材料である場合、試料100は、絶縁材料により形成された、厚みが一様な円盤(図2参照)である。試料100の厚み方向の第1面101及び第2面102はいずれも平面である。なお、絶縁材が絶縁部品である場合、試料100は絶縁部品そのものであってもよい。
評価システム10は、図1に示すように、保持部20と、チャンバ30と、電流積分計40と、電源装置50と、第1〜第4配線61〜64と、評価装置70と、を備えている。
保持部20は、試料100を保持する。保持部20は、図2に示すように、第1電極21と、第2電極22と、ガード電極23と、を備えている。
第1電極21は、円盤状である。第1電極21の材料は金属(一例としては、ステンレス鋼)である。第1電極21は、試料100の第1面101に配置される。第1電極21において試料100と接触される面210は平面である。これは、第1電極21と試料100との間に隙間が生じずに密接に第1電極21を試料100の第1面101に接触させるためである。第2電極22は、円盤状である。第2電極22の材料は金属(一例としては、ステンレス鋼)である。第2電極22は、試料100の第2面102に配置される。第2電極22において試料100と接触される面220は平面である。これは、第2電極22と試料100との間に隙間が生じずに密接に第2電極22を試料100の第2面102に接触させるためである。図2に示すように、第1電極21の直径は、第2電極22の直径より小さい。第1電極21及び第2電極22は、第1電極21と第2電極22とが対向する方向に直交する面内において、第1電極21の全体が第2電極22の内側に位置するように配置される。
第1電極21及び第2電極22の間に電源装置50から直流電源を印加した場合には、沿面放電(図1において矢印で示す電流の流れ)が生じる場合がある。ガード電極23は、このような沿面放電を抑制するために用いられる。ガード電極23は、円筒状である。ガード電極23の内径は、第1電極21の直径より大きい。また、ガード電極23の材料は金属(一例としては、ステンレス鋼)である。ガード電極23は、ガード電極23の内側に第1電極21が位置するように、試料100の第1面101に配置される。
チャンバ30は、保持部20を内部に収容する筐体31を有し、筐体31の内部の温度を所定の温度範囲に維持するように構成されている。より詳細には、チャンバ30は、図1に示すように、筐体31と、温度コントローラ32と、を備える。筐体31は、保持部20を試料100とともに内部に収容可能である。筐体31は、温度を維持するために断熱性を有している。温度コントローラ32は、筐体31の内部の温度を所定の温度範囲内の温度に設定するための装置である。ここで、所定の温度範囲の上限値は低くとも85℃以上であり、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上である。一方、所定の温度範囲の下限値は特に限定されない。つまり、チャンバ30は所定の温度以上での測定が可能であればよいから、下限値は特に限定されない。温度コントローラ32は、例えば、筐体31の内部の温度を調整するためのヒータ、及び、筐体31の内部の温度を計測する温度センサを有する。温度コントローラ32は、温度センサの計測値が所定温度と一致するように、ヒータへの通電量を調整する。温度コントローラ32は、特に限定されず、従来周知の構成を採用できる。
また、チャンバ30は、図3に示すように、保持部20を支持するステージ33を有している。ステージ33は、筐体31の内部に配置されており、グラウンドに接続される。また、チャンバ30は、筐体31の内部と外部を繋ぐ挿通孔34を有する。挿通孔34は、保持部20の第1電極21に電流積分計40を介して電源装置50を接続するために用いられる。
電流積分計40は、試料100に蓄積された電荷の量を測定するための装置である。電流積分計40は、図1に示すように、第1端子41と、第2端子42と、計測用のコンデンサ43と、保護用の抵抗44と、測定器45と、を備える。コンデンサ43は、第1端子41と第2端子42との間に電気的に接続されている。抵抗44は、第1端子41とコンデンサ43との間に電気的に接続されている。測定器45は、コンデンサ43の両端間の電圧を計測する。コンデンサ43の静電容量が既知であれば、コンデンサ43の両端間の電圧からコンデンサ43に蓄積された電荷を求めることができる。
電源装置50は、保持部20の第1電極21と第2電極22との間に直流電圧を印加するために用いられる。電源装置50は、第1出力端子51と、第2出力端子52と、直流電源53と、を備えている。直流電源53の出力電圧は、所定範囲内で変更可能である。例えば、直流電源53は、絶縁材の耐電圧試験に適した比較的高い電圧(例えば、50kV)まで出力可能に構成されている。直流電源53は、第1出力端子51と第2出力端子52との間に電気的に接続されている。より詳細には、直流電源53の正極が第1出力端子51に接続され、直流電源53の負極が第2出力端子52に接続されている。したがって、電源装置50は、第1電極21が第2電極22よりも高電位となるように、第1電極21と第2電極22との間に直流電圧を印加する。
第1配線61は、電流積分計40の第1端子41と保持部20の第1電極21とを電気的に接続する配線である。第1配線61は、図1に示すように、第1導体611と、第2導体612とを含む。第1導体611は、金属製(例えば、ステンレス鋼)のロッドである。第1導体611には、絶縁被覆がされていない。第2導体612は、絶縁被覆がされていない電線(いわゆる裸電線)である。第2導体612は、例えば、銅の裸電線である。本実施形態では、取り扱い性を考慮して、第2導体612として、ループ状の裸電線を用いている。第1導体611の第1端は電流積分計40の第1端子41に接続され、第1導体611の第2端はチャンバ30の挿通孔34を通してチャンバ30内(筐体31の内部)に挿入される。第1導体611の第2端は、チャンバ30内において、第2導体612を介して第1電極21に接続されている。
第2配線62は、保持部20の第2電極22と電源装置50の第2出力端子52とを電気的に接続する配線である。第3配線63は、電源装置50の第1出力端子51と電流積分計40の第2端子42とを電気的に接続する配線である。第4配線64は、電流積分計40の第2端子42と保持部20のガード電極23とを電気的に接続する配線である。第2配線62、第3配線63、及び第4配線64は、いずれも、被覆電線であってよい。
評価システム10の保持部20では、図1及び図2に示すように、第1電極21及び第2電極22が試料100を試料100の厚み方向で挟むようにして配置される。第1電極21及び第2電極22は導体であり、試料100は誘電体であるから、第1電極21、第2電極22、及び試料100はコンデンサを構成している。そして、電流積分計40は、電源装置50と保持部20の第1電極21との間に介在されている。これによって、電流積分計40のコンデンサ43は、第1電極21、第2電極22、及び試料100で構成されるコンデンサと直列に接続されている。したがって、コンデンサ43に蓄積される電荷の量は、第1電極21、第2電極22、及び試料100で構成されるコンデンサに蓄積される電荷の量とは等しい。したがって、電流積分計40の測定値から、所定温度下で試料100に蓄積される電荷の量を得ることができる。
ここで、電流積分計40と保持部20の第1電極21とを接続する第1配線61は、いずれも絶縁被覆がされていない第1導体611及び第2導体612により構成されている。そのため、第1配線61で蓄積される電荷の量が実質的に0になることが期待できる。したがって、第1配線61は周知の被覆電線である場合に比べて、第1配線61での電荷の蓄積が電流積分計40の測定値に与える影響を低減できる。
評価システム10において、保持部20と、チャンバ30と、電流積分計40と、電源装置50と、第1〜第4配線61〜64とは、所定温度下で試料100に蓄積される電荷の量を計測する計測システムを構成する。
評価装置70は、例えば、1以上のコンピュータシステムにより実現され得る。1以上のコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)、1以上のメモリ、1以上のヒューマンインタフェース、及び1以上の通信インタフェースを有する。本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、1以上のコンピュータシステムが評価装置70として機能する。1以上のプログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
評価装置70は、温度コントローラ32により筐体31の内部の温度を所定温度に設定する機能、電源装置50の出力電圧を所定値に設定する機能、及び、電流積分計40から計測値のデータ(時系列データ)を取得する機能を有する。
また、評価装置70は、計測システムの電流積分計40の計測値に基づいて、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価するように構成される。特に、評価装置70は、電流積分計40の測定値から求めた試料100の所定温度下の比誘電率に基づいて、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価するように構成される。つまり、評価装置70は、電流積分計40の測定値から試料100の所定温度下の比誘電率を求める。絶縁材の試料100の所定温度下の比誘電率をεrとすると、εrは、次式(1)で表される関係式に基づいて求めることができる。次式(1)では、電流積分計40の測定値をQ[F]、保持部20の試料100との接触面積をS[m2]としている。また、試料100の厚みをd[m]、第1電極21と第2電極22との間に印加される直流電圧の値をV[V]としている。更に、真空の誘電率をε0[F/m]としている。
Figure 2019124357
本実施形態では、第1電極21の直径が第2電極22より小さいため、接触面積Sは、第1電極21と試料100の第1面101との接触部分の面積で与えられる。図2に示すように、第1電極21の面210の全体が試料100の第1面101に接触するから、接触面積Sは、第1電極21の面210の面積に等しい。例えば、試料100の直径は、第1電極21の直径の2倍以上あるほうが、沿面放電の影響を低減し易いから、好ましい。
電流積分計40の測定値Qは、第1電極21と第2電極22との間に直流電圧を印加している時間に応じて変化し得る。図4は、測定値Qの時間変化の例を示す。図4のG11及びG12は異なる絶縁材の試料100のグラフである。図4におけるt0は、電源装置50の出力電圧の値が設定値に達した時点を示す。グラフG11,G12において、時点t0以降は、測定値Qが増加しているが、この増加の原因の一つは、絶縁材の体積固有抵抗に起因する漏洩電流である。第1電極21、第2電極22、及び試料100をコンデンサとして考えてよいのは、瞬時充電電流によって電荷が蓄積される時点t0までであるといえる。したがって、比誘電率εrを求めるにあたっては、測定値Qとして、電源装置50の出力電圧が設定値に達した時(時点t0)の電流積分計40の測定値Q0を用いることが好ましい。
本実施形態では、電源装置50と第1電極21との間に電流積分計40のコンデンサ43及び抵抗44が存在している。そのため、第1電極21と第2電極22との間に印加される直流電圧の値Vは、電源装置50の出力電圧の値と必ずしも一致しない。そこで、所定温度下の比誘電率εrを求めるにあたっては、所定温度に対して少なくとも2以上の電源装置50の出力電圧の値について、電流積分計40の測定値Q0を得る。一例としては、電源装置50の出力電圧の値を1000V〜5000Vの範囲で、1000Vずつ変化させて、出力電圧の値毎に測定値Q0を得る。電源装置50の出力電圧の値をV0とすれば、次式(2)で表される関係が成り立つ。なお、次式(2)において、kは定数である。
Figure 2019124357
したがって、電源装置50の出力電圧の値V0に対する電流積分計40の測定値Q0をプロットし、その傾き(εr×ε0×S/d)を求めることにより、εrを求めることができる。例えば、図5は、異なる絶縁材の試料100についての電源装置50の出力電圧の値V0に対する電流積分計40の測定値Q0のグラフG21,G22を示す。なお、傾き(εr×ε0×S/d)は、従来周知の近似手法(例えば、最小二乗法)により求めればよい。
評価装置70は、試料100の所定温度下の比誘電率εrに基づいて絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価するように構成される。ここで、基準、及び基準を満たす比誘電率εrの条件は、絶縁材の用途等に応じて適宜決定される。基準の例としては、パワーデバイスにおける絶縁材の使用に関する基準が挙げられる。本実施形態では、評価装置70は、試料100の所定温度下の比誘電率εrが予め設定された規定値未満であれば、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価する。言い換えれば、評価装置70は、試料100の所定温度下の比誘電率εrが予め設定された規定値未満であれば、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が良好であると評価する。規定値は、耐電圧性能の基準に対応する数値であって、一例としては、7である。図5のグラフG20は、比誘電率εrが7の場合に対応する。そのため、図5のグラフG21に対応する比誘電率εrを有する絶縁材は、所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価される。一方で、図5のグラフG22に対応する比誘電率εrを有する絶縁材は、所定温度下の耐電圧性能が基準を満たさないと評価される。規定値は、7に限定されず、絶縁材の用途(例えば、絶縁材が使用されるパワーデバイスの種類)に応じて適切に設定され得る。
1.3 評価方法
以上述べた本実施形態の評価システム10は、電流積分計40の測定値に基づいて、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する評価方法を実行する。上述したように、電流積分計40と保持部20の第1電極21とを接続する第1配線61は、いずれも絶縁被覆がされていない第1導体611及び第2導体612により構成されている。したがって、第1配線61は周知の被覆電線である場合に比べて、第1配線61での電荷の蓄積が電流積分計40の測定値に与える影響を低減できる。その結果、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
特に、評価方法では、電流積分計40の測定値から求めた試料100の所定温度下の比誘電率に基づいて、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。ここで、比誘電率εrは、Q=(εr×ε0×S/d)×Vの関係式に基づいて求めている。ここで、Qは、電流積分計40の測定値であり、Sは、保持部20の試料100との接触面積であり、dは、試料100の厚みである。また、Vは、第1電極21と第2電極22との間に印加される直流電圧の値であり、ε0は、真空の誘電率である。
より詳細には、比誘電率εrを、電源装置50の出力電圧の値V0に対する電流積分計40の測定値Q0のグラフを、Q0=(εr×ε0×S/d)×V0+kの式で近似した際の傾きから導出する。ここで、V0は、電源装置50の出力電圧の値であり、Q0は、電源装置50の出力電圧の値V0が設定値に達した時(時点t0)の電流積分計40の測定値である。これにより、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
ところで、パワーデバイスの信頼性試験の一つに、高温逆バイアス試験(HighTemperature Reverse Bias:HTRB)がある。高温逆バイアス試験は、150℃の高温環境下で比較的高い直流電圧をパワーデバイスに印加し、パワーデバイスの耐電圧劣化を評価する試験である。本実施形態の評価方法では、絶縁材の試料100に所定温度下で蓄積される電荷の量により、絶縁材の所定温度下での比誘電率εrを評価している。評価システム10では、所定温度としては、150℃のような高温を選択可能である。また、評価システム10では、高温逆バイアス試験と同様に、直流電圧の印加を行うから、高温逆バイアス試験に比較的類似した条件での絶縁材の評価が可能である。したがって、評価システム10による絶縁材の評価は、絶縁材が高温逆バイアス試験に対応できるかどうかの指標として利用できる。高温逆バイアス試験では通常1000時間といった長時間を費やす必要があるが、本実施形態の評価方法によれば、高温逆バイアス試験よりも短い時間で、絶縁材の評価が可能である。
表1は、絶縁材のサンプルA〜Hについて、高温逆バイアス試験と、本実施形態の評価方法による評価とを行った結果を示す。高温逆バイアス試験においては、サンプルA〜Hを用いて作製した、いわゆる「TO−3P」の構造を持つデバイスについて、HTRB耐性域(HTRB耐性領域)を「1」、「2」、「3」で評価した。ここで、「1」は、デバイスが24時間の試験に不合格であったことを示す。「2」は、デバイスが72時間の試験に不合格であったことを示す。「3」は、デバイスが1000時間の試験に合格したことを示す。高温逆バイアス試験の条件としては、JEITA ED−4701/100Aに規定される「半導体デバイスの環境及び耐久性試験方法(寿命試験I)」を用いた。一方、評価方法による評価においては、サンプルA〜Hを用いて作製した、試料100と同様の試料を用いて、所定温度下(ここでは150℃)の比誘電率εr(150)と、所定温度より低い規定温度下(ここでは25℃)の比誘電率εr(25)とを評価した。更に、試料100の、所定温度下の比誘電率に対する規定温度下の比誘電率の比r(=εr(150)/εr(25)を評価した。また、評価システム10による試験の時間は10分とした。
Figure 2019124357
図6は、高温逆バイアス試験の結果(HTRB耐性域)と評価システムによる評価(εr(25))の結果との関係を示すグラフである。図7は、高温逆バイアス試験の結果(HTRB耐性域)と評価システムによる評価(εr(150))の結果との関係を示すグラフである。図8は、高温逆バイアス試験の結果(HTRB耐性域)と評価システムによる評価(r=εr(150)/εr(25))の結果との関係を示すグラフである。図6〜図8において、サンプルA,B,C,D,E,F,G,Hをそれぞれ「■」、「●」、「〇」、「▲」、「×」、「□」、「△」、「◆」で表している。図6及び図7から明らかなように、25℃の比誘電率εr(25)では、サンプルA〜Eにおいて大きな差はないが、150℃の比誘電率εr(150)では、比誘電率が小さいサンプルほど、HTRB耐性域での評価が高くなっている。更に、図8から明らかなように、比rが1に近いサンプルほど、HTRB耐性域での評価が高くなっている。つまり、比rが所定値未満である場合には、HTRB耐性域での評価が高いと考えられる。なお、表1から、所定値は、2が好ましく、1.2でより好ましいと考えられる。したがって、評価システム10により、高温逆バイアス試験に比較的類似した条件での絶縁材の評価を行うことで、この評価を、絶縁材が高温逆バイアス試験に対応できるかどうかの指標として利用できることが確認された。
1.4 選別方法
次に、本実施形態の評価システム10による評価方法を利用した選別方法について説明する。選別方法は、複数の絶縁材から、評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材を選別する方法である。つまり、上述した評価方法によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行えることから、この評価方法を利用して絶縁材の選別を行うことで、当該評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材を得ることができる。つまり、所定温度下での耐電圧性能が優れた絶縁材を得ることができる。
1.5 製造方法
次に、本実施形態の評価システム10による評価方法を利用した製造方法について説明する。この製造方法は、絶縁材の製造方法であって、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップとを含む。
第1ステップは、複数の絶縁材の試料100を用意するステップである。第1ステップでは、製造を計画している複数の絶縁材の試料100を用意する。
第2ステップは、第1ステップで用意した複数の絶縁材の試料100から、本実施形態の評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材の試料100を選別するステップである。つまり、複数の絶縁材の試料100のそれぞれについて、上記評価方法により、所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。これによって、製造を計画している複数の絶縁材から、所定温度下の耐電圧性能が基準を満たす絶縁材を選択できる。
第3ステップは、第2ステップで選別された絶縁材の試料100に対応する絶縁材を製造するステップである。つまり、製造を計画している複数の絶縁材のうち、所定温度下の耐電圧性能が基準を満たす絶縁材だけを製造する。これにより、所定温度下での耐電圧性能が優れた絶縁材を得ることができる。
2.変形例
以上説明した上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
例えば、評価装置70は、時間経過に伴う電荷の増加比率で、絶縁材の評価をしてもよい。増加比率は、Q1/Q0で与えられる。Q1は、電源装置50の出力電圧が設定値に達した時点t0から所定時間経過した時点での電流積分計40の測定値である。所定時間は、例えば、600秒である。増加比率Q1/Q0が1に近いほど、電荷が蓄積され難い絶縁材であると評価してよい。例えば、絶縁材の試料100の増加比率Q1/Q0が1以上の所定値以下であれば、絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価してよい。
また、比誘電率εrと増加比率Q1/Q0との2つのパラメータにより、絶縁材を評価してよい。つまり、絶縁材は、比誘電率εrが規定値未満であり、かつ、増加比率Q1/Q0が所定値以下であることがより好ましい。
例えば、第1配線61は、裸電線であっても良い。つまり、第1配線61は、必ずしも第1導体611を含んでいなくてもよい。また、第1配線61は、一部が露出した被覆電線であってもよい。要するに、第1配線61は、少なくとも一部が被覆されていない導体を含んでいてよい。つまり、第1配線61が一部被覆された導体を含んでいてもよい。ただし、この場合には、第1配線61は、電源装置50により第1電極21と第2電極22との間に直流電圧が印加された際に第1配線61に蓄積される電荷の量が試料100に蓄積される電荷の量の10分の1以下となるように構成されることが好ましい。ここで、試料100に蓄積される電荷の量は、実際に試料100に蓄積される電荷の量というよりは、上述の時点t0において試料100に蓄積される電荷の想定される量である。
また、配線に関して、「被覆されていない導体」とは、必ずしも導体のすべてが絶縁被覆により覆われていない場合だけを意味するのではない。例えば、導体の全体が絶縁被覆で被覆されていても絶縁被覆に蓄積される電荷の量が少なく導体が絶縁被覆で被覆されていないと考えられる場合には、「被覆されていない導体」といってよい。一例として、絶縁被覆が導体の表面に接触しておらず、十分に離れている場合が挙げられる。具体的には、絶縁被覆として絶縁材製の配管を用い、配管の内部に導体をその表面が配管と接触しないように配置した場合が考えられる。このような場合、導体の表面は絶縁被覆に覆われているという解釈が可能であるが、実質的に絶縁被覆による影響がなければ、「被覆されていない導体」といってよい。
逆に、絶縁被覆が導体の表面に接触している場合(つまり、導体が被覆されている場合)であっても、絶縁被覆の材料となる誘電体の特性によっては、実質的には絶縁被覆による影響がない場合がある。例えば、図9に示すように、電流積分計40と第1電極21との間の配線61は、少なくとも一部が絶縁被覆613で被覆された導体611を含んでいてもよい。絶縁被覆613の材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む。一例としては、絶縁被覆613は、ポリテトラフルオロエチレンのみから形成されている。つまり、絶縁被覆613の材料によっては、導体611の全体が絶縁被覆613で覆われていてもよい。この場合には、たとえ導体611の全体が絶縁被覆613で被覆されているとしても、「被覆されていない導体」と同等であると考えられる。ここで、実質的には絶縁被覆613による影響がないかどうかの判断には、絶縁被覆613の有無によって評価システム10による評価の結果が全く異なってしまうかどうかを一つの指針として用いることができる。
上記実施形態では、電源装置50は、第1電極21が第2電極22よりも高電位となるように、第1電極21と第2電極22との間に直流電圧を印加する。しかしながら、電源装置50は、第1電極21が第2電極22よりも低電位となるように、第1電極21と第2電極22との間に直流電圧を印加してもよい。
また、保持部20において、第1電極21及び第2電極22の形状(例えば外形形状)は限定されない。ただし、第1電極21の面210及び第2電極22の面220は、試料100に密接するような形状であることが好ましい。また、上記実施形態では、第1電極21の面210の面積を接触面積Sとして用いているが、第2電極22が第1電極21より小さい場合には、第2電極22の面220の面積が接触面積Sとして用いられる。また、保持部20において、ガード電極23は必須ではない。
また、チャンバ30の構成は、実施形態の構成に限定されない。例えば、チャンバ30は、必ずしも挿通孔34を有している必要はなく、電流積分計40との接続用のコネクタを有していてもよい。ただし、第1配線61を全体が被覆されていない導体で構成しようとした場合には、挿通孔34を設けることが望ましい。また、絶縁材の評価内容によっては、所定温度として、175℃や、200℃、250℃等が要求される場合があるから、チャンバ30の温度範囲の上限値は、高ければ高いほど好ましい。
また、電流積分計40の構成は、実施形態の構成に限定されない。電流積分計40には、従来周知の電流積分計を利用可能である。
また、電源装置50の構成は、実施形態の構成に限定されない。電源装置50には、従来周知の直流電源装置を利用可能である。
なお、評価システム10は、少なくとも、保持部20と、チャンバ30と、電流積分計40とを有し、電流積分計40と第1電極21との間の配線61が少なくとも一部が被覆されていない導体611であればよい。つまり、評価装置70は必須ではなく、実施形態の評価方法は、人がコンピュータ等を利用して行ってもよい。
3.態様
以上述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の評価システム(10)は、保持部(20)と、チャンバ(30)と、電流積分計(40)と、を備える。前記保持部(20)は、絶縁材の試料(100)を間に挟む第1電極(21)及び第2電極(22)を有する。前記チャンバ(30)は、前記保持部(20)を収容する筐体(31)を有し、前記筐体(31)の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成されている。前記電流積分計(40)は、前記保持部(20)の前記第1電極(21)と前記第2電極(22)との間に直流電圧を印加する電源装置(50)と前記第1電極(21)との間に介在される。前記電流積分計(40)と前記第1電極(21)との間の配線(61)は、少なくとも一部が被覆されていない導体(611)を含む。第1の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第2の態様の評価システム(10)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記配線(61)は、前記第1電極(21)と前記第2電極(22)との間に前記直流電圧が印加された際に、前記導体(611)に蓄積される電荷の量が前記試料(100)に蓄積される電荷の量の10分の1以下となるように構成される。第2の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第3の態様の評価システム(10)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記導体(611)は、前記導体(611)の全体が被覆されていない。第3の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第4の態様の評価システム(10)は、第1〜第3の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記電流積分計(40)は、前記筐体(31)の外部に配置される。前記チャンバ(30)は、前記筐体(31)の内部と外部を繋ぐ挿通孔(34)を有する。前記導体(611)は、前記挿通孔(34)の内面と接触しないように前記挿通孔(34)を通る。第4の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第5の態様の評価システム(10)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記導体(611)は、金属製のロッドである。第5の態様によれば、導体(611)が電線である場合に比べれば、導体(611)と周囲の物体との予期しない接触を抑制できる。
第6の態様の評価システム(10)は、保持部(20)と、チャンバ(30)と、電流積分計(40)と、を備える。前記保持部(20)は、絶縁材の試料(100)を間に挟む第1電極(21)及び第2電極(22)を有する。前記チャンバ(30)は、前記保持部(20)を収容する筐体(31)を有し、前記筐体(31)の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するように構成されている。前記電流積分計(40)は、前記保持部(20)の前記第1電極(21)と前記第2電極(22)との間に直流電圧を印加する電源装置(50)と前記第1電極(21)との間に介在される。前記電流積分計(40)と前記第1電極(21)との間の配線(61)は、少なくとも一部が絶縁被覆(613)で被覆された導体(611)を含む。前記絶縁被覆(613)の材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む。第6の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第7の態様の評価システム(10)は、第1〜第6の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記所定の温度範囲の上限値は85℃以上である。第7の態様によれば、絶縁材の高温下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第8の態様の評価方法は、第1〜第7の態様のいずれか一つの評価システム(10)の前記電流積分計(40)の測定値に基づいて、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。第8の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第9の態様の評価方法は、第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記電流積分計(40)の測定値から求めた前記試料(100)の所定温度下の比誘電率に基づいて、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する。第9の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第10の態様の評価方法は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前記電流積分計(40)の測定値をQ、前記保持部(20)の前記試料(100)との接触面積をS、前記試料(100)の厚みをdとする。前記直流電圧の値をV、真空の誘電率をε0、前記試料(100)の所定温度下の比誘電率をεrとする。εrを、Q=(εr×ε0×S/d)×Vの関係式に基づいて求める。第10の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価を高精度に行える。
第11の態様の評価方法は、第9又は第10の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、前記試料(100)の、所定温度下の比誘電率に対する前記所定温度より低い規定温度下の比誘電率の比が、所定値未満である場合に、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価する。第11の態様によれば、絶縁材の所定温度下での耐電圧性能の評価をより高精度に行える。なお、第11の態様において、所定温度は100℃以上であり、前記規定温度は100℃未満であってよい。更に、前記所定温度と前記規定温度との差は100℃以上あってよい。更に、前記規定温度は25℃であってよい。なお、第11の態様において、前記所定値は、2であってよい。更に、第11の態様において、前記所定値は、1.2であってよい。
第12の態様の選別方法は、複数の絶縁材から、第8〜第11の態様のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材を選別する。第12の態様によれば、所定温度下での耐電圧性能が優れた絶縁材を得ることができる。
第13の態様の絶縁材の製造方法は、複数の絶縁材の試料(100)を用意するステップを含む。また、前記製造方法は、前記複数の絶縁材の試料(100)から第8〜第11の態様のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材の試料(100)を選別するステップを含む。また、前記製造方法は、選別された絶縁材の試料(100)に対応する絶縁材を製造するステップを含む。第13の態様によれば、所定温度下での耐電圧性能が優れた絶縁材を得ることができる。
第14の態様の絶縁材は、第8〜第11の態様のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材である。第14の態様によれば、所定温度下での耐電圧性能が優れた絶縁材を得ることができる。
第15の態様のパッケージは、第14の態様の絶縁材により形成されたパッケージである。第15の態様によれば、所定温度下での耐電圧性能が優れたパッケージを得ることができる。
10 評価システム
20 保持部
21 第1電極
22 第2電極
30 チャンバ
34 挿通孔
40 電流積分計
50 電源装置
61 第1配線(配線)
611 第1導体(導体)
100 試料

Claims (15)

  1. 絶縁材の試料を間に挟む第1電極及び第2電極を有する保持部と、
    前記保持部を内部に収容する筐体を有し、前記筐体の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するチャンバと、
    前記保持部の前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加する電源装置と前記第1電極との間に介在される電流積分計と、
    を備え、
    前記電流積分計と前記第1電極との間の配線は、少なくとも一部が被覆されていない導体を含む、
    評価システム。
  2. 前記配線は、前記第1電極と前記第2電極との間に前記直流電圧が印加された際に、前記導体に蓄積される電荷の量が前記試料に蓄積される電荷の量の10分の1以下となるように構成される、
    請求項1の評価システム。
  3. 前記導体は、前記導体の全体が被覆されていない、
    請求項1又は2の評価システム。
  4. 前記電流積分計は、前記筐体の外部に配置され、
    前記チャンバは、前記筐体の内部と外部を繋ぐ挿通孔を有し、
    前記導体は、前記挿通孔の内面と接触しないように前記挿通孔を通る、
    請求項1〜3のいずれか一つの評価システム。
  5. 前記導体は、金属製のロッドである、
    請求項1〜4のいずれか一つの評価システム。
  6. 絶縁材の試料を間に挟む第1電極及び第2電極を有する保持部と、
    前記保持部を内部に収容する筐体を有し、前記筐体の内部の温度を所定の温度範囲内に維持するチャンバと、
    前記保持部の前記第1電極と前記第2電極との間に直流電圧を印加する電源装置と前記第1電極との間に介在される電流積分計と、
    を備え、
    前記電流積分計と前記第1電極との間の配線は、少なくとも一部が絶縁被覆で被覆された導体を含み、
    前記絶縁被覆の材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、
    評価システム。
  7. 前記所定の温度範囲の上限値は85℃以上である、
    請求項1〜6のいずれか一つの評価システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つの評価システムの前記電流積分計の測定値に基づいて、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する、
    評価方法。
  9. 前記電流積分計の測定値から求めた前記試料の所定温度下の比誘電率に基づいて、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすかどうかを評価する、
    請求項8の評価方法。
  10. 前記電流積分計の測定値をQ、前記保持部の前記試料との接触面積をS、前記試料の厚みをd、前記直流電圧の値をV、真空の誘電率をε0、前記試料の所定温度下の比誘電率をεrとすると、
    εrを、Q=(εr×ε0×S/d)×Vの関係式に基づいて求める、
    請求項9の評価方法。
  11. 前記試料の、所定温度下の比誘電率に対する前記所定温度より低い規定温度下の比誘電率の比が、所定値未満である場合に、前記絶縁材の所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価する、
    請求項9又は10の評価方法。
  12. 複数の絶縁材から、請求項8〜11のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材を選別する、
    選別方法。
  13. 複数の絶縁材の試料を用意するステップと、
    前記複数の絶縁材の試料から、請求項8〜11のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材の試料を選別するステップと、
    選別された絶縁材の試料に対応する絶縁材を製造するステップと、
    を含む、
    製造方法。
  14. 請求項8〜11のいずれか一つの評価方法で所定温度下の耐電圧性能が基準を満たすと評価された絶縁材。
  15. 請求項14の絶縁材により形成されたパッケージ。
JP2019561104A 2017-12-19 2018-12-18 評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ Pending JPWO2019124357A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017242933 2017-12-19
JP2017242933 2017-12-19
PCT/JP2018/046526 WO2019124357A1 (ja) 2017-12-19 2018-12-18 評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2019124357A1 true JPWO2019124357A1 (ja) 2020-12-10

Family

ID=66992808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019561104A Pending JPWO2019124357A1 (ja) 2017-12-19 2018-12-18 評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2019124357A1 (ja)
WO (1) WO2019124357A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114062807B (zh) * 2021-11-08 2024-02-23 广东电网有限责任公司广州供电局 一种用于固体绝缘材料的老化检测方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05312756A (ja) * 1992-05-07 1993-11-22 Seiko Instr Inc 平行平板式誘電率測定装置
JPH09232145A (ja) * 1995-12-19 1997-09-05 Hitachi Electron Service Co Ltd 信号ケーブル用サージ阻止トランスおよびこれを用いた信号ケーブル接続構造
JPH1172533A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Nissin Electric Co Ltd 耐圧試験用電源装置
JP2002365315A (ja) * 2001-04-04 2002-12-18 Hokuto Denshi Kogyo Kk 非接触電圧計測方法及び装置並びに検出プローブ
JP2003021660A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Kikusui Electr0Nics Corp 耐電圧試験装置及び試験方法
JP2006156051A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Yazaki Corp 高圧用ワイヤーハーネス
JP2015149274A (ja) * 2014-01-08 2015-08-20 ダイキン工業株式会社 耐熱電線
WO2017014238A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 住友ベークライト株式会社 熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シートおよび半導体装置
WO2017150691A1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-08 住友電気工業株式会社 絶縁体の絶縁性能の評価方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7064565B1 (en) * 2002-10-31 2006-06-20 Kla-Tencor Technologies Corp. Methods and systems for determining an electrical property of an insulating film

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05312756A (ja) * 1992-05-07 1993-11-22 Seiko Instr Inc 平行平板式誘電率測定装置
JPH09232145A (ja) * 1995-12-19 1997-09-05 Hitachi Electron Service Co Ltd 信号ケーブル用サージ阻止トランスおよびこれを用いた信号ケーブル接続構造
JPH1172533A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Nissin Electric Co Ltd 耐圧試験用電源装置
JP2002365315A (ja) * 2001-04-04 2002-12-18 Hokuto Denshi Kogyo Kk 非接触電圧計測方法及び装置並びに検出プローブ
JP2003021660A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Kikusui Electr0Nics Corp 耐電圧試験装置及び試験方法
JP2006156051A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Yazaki Corp 高圧用ワイヤーハーネス
JP2015149274A (ja) * 2014-01-08 2015-08-20 ダイキン工業株式会社 耐熱電線
WO2017014238A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 住友ベークライト株式会社 熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シートおよび半導体装置
WO2017150691A1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-08 住友電気工業株式会社 絶縁体の絶縁性能の評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019124357A1 (ja) 2019-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mikulecky et al. Influence of temperature, moisture content and ageing on oil impregnated paper bushings insulation
US20150253282A1 (en) Gas sensor element, its manufacturing method and gas sensor including the gas sensor element
JP5737750B2 (ja) 交流電力測定装置
US20170222420A1 (en) Energy efficient bushing for a transformer
JP2015111087A (ja) 非接触電圧測定装置および非接触電圧測定方法
RU2645715C2 (ru) Способ и устройство для контроля проходных изоляторов конденсатора для трехфазной сети переменного тока
Smith et al. A dielectric frequency response model to evaluate the moisture content within an oil impregnated paper condenser bushing
CN108519261B (zh) 一种基于三明治结构的半导电材料介电性能测试方法
JPWO2019124357A1 (ja) 評価システム、評価方法、選別方法、製造方法、絶縁材、及び、パッケージ
CN108802526A (zh) 一种同轴连接器电接触阻抗特性退化规律的建模方法
CN106771623B (zh) 一种高温环境下绝缘材料电阻及电阻率的测试装置
CN115774173B (zh) 一种干式变压器绝缘性能评估装置及其方法
CN102445466B (zh) 确定电路板耐热性的方法和设备
Linde et al. Comparison of Dielectric Loss Measuring Methods on Epoxy Samples under Harmonic Distorted Voltages
CN201181327Y (zh) 高压标准介损器
Zanobini et al. Automatic-test equipment for the characterization of aluminum electrolytic capacitors
Risos Interdigitated Sensors: The Next Generation “Sensing Permittivity and Conductivity of Oils-Unaffected by Temperature”
Bassi et al. Conductivity and Dielectric Dissipation Factor (tan δ) Measurements of Insulating Oils of New and Aged Power Transformers—Comparison of Results Between Portable Square Wave and Conventional Bridge Methods
Chen Electrical performance of cofired alumina substrates at high temperatures
Sur A modified dielectric dissipation factor measurement technique for transformer insulating oil
KR100799704B1 (ko) 고전압 설비의 부분방전 감시센서 및 그 제조방법
Kim et al. High withstand voltage pressure sensors based on silicon strain gauges-on-a-glass substrate
Klonz et al. Multijunction thermal converter with adjustable output voltage/current characteristics
JP2011053023A (ja) 電子デバイスの絶縁性薄膜の信頼性評価法
KR101955520B1 (ko) 유전체 소재의 불량 여부 판별 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230228