JPWO2019112035A1 - 海底下地層の探査方法 - Google Patents
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Abstract
この海底下地層の探査方法では、複数のハイドロフォンを有するハイドロフォンアレイを用い、海水下で前記複数のハイドロフォンが上下方向に間隔を空けて配列された状態を保ちつつ、前記ハイドロフォンアレイの上方及び下方の少なくとも一方において音波を発生させ、反射波の振れ幅、前記反射波の到来方向、並びに前記音波の発生からの時間的遅れを含む情報を、前記複数のハイドロフォンそれぞれにより検出する。
Description
本発明は、海底下地層の探査方法に関する。
本願は、2017年12月8日に、米国に出願された米国仮出願No.62/596,116号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2017年12月8日に、米国に出願された米国仮出願No.62/596,116号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来の海底資源としては、石油や天然ガスなどが挙げられる。海底下の石油や天然ガスの探査では、複数のハイドロフォンを有するハイドロフォンアレイを用い、ハイドロフォンアレイの長辺方向が海中で水面に対して平行な方向(水平方向)に沿って配列するように探査ボートでハイドロフォンアレイを曳航し、エネルギー源から発生させた地震波の反射波を検出して、海底地形や海底下の地層を特定する方法が使用されている(特許文献1参照)。
近年、海底資源の一つとして海底熱水鉱床が注目されている。
海底熱水鉱床は、海底で噴出する各種金属を含む熱水が、周辺の海水によって冷却される過程で沈殿してできた鉱床であり、海底資源として期待されている。アクティブな海底熱水鉱床付近では、煙突状のチムニー群や、それらが崩れたマウンドといった独特の地形が形成される。従って、海底地形を特定して採掘することが検討されていた。しかし、アクティブな海底熱水鉱床の周辺は温度が高く、資源の採取が困難であるという問題があった。
海底熱水鉱床は、海底で噴出する各種金属を含む熱水が、周辺の海水によって冷却される過程で沈殿してできた鉱床であり、海底資源として期待されている。アクティブな海底熱水鉱床付近では、煙突状のチムニー群や、それらが崩れたマウンドといった独特の地形が形成される。従って、海底地形を特定して採掘することが検討されていた。しかし、アクティブな海底熱水鉱床の周辺は温度が高く、資源の採取が困難であるという問題があった。
一方、海底での熱水活動が停止している熱水鉱床であれば、形成されてから時間が経過しており、温度が低く資源の採取ができる可能性がある。しかしこの場合、熱水鉱床は海底の堆積層の中に埋没しており、海底の地形から熱水鉱床の位置を特定することが困難であった。
そこで、チムニー群や、それらが崩れたマウンド等の海底地形を特定したあと、その付近をボーリングし、海底下の地層構成を特定する方法が採用されていた。しかし、この方法では海底下の地層構造が不明なままボーリングが行われるため、効率的ではなかった。
そこで、チムニー群や、それらが崩れたマウンド等の海底地形を特定したあと、その付近をボーリングし、海底下の地層構成を特定する方法が採用されていた。しかし、この方法では海底下の地層構造が不明なままボーリングが行われるため、効率的ではなかった。
従来海底資源として注目されていた石油は海底から2〜3km程度下の数百mの厚さを有する砂層に含まれている。一方、海底熱水鉱床は海底から数十m〜100m程度下の浅い位置に厚さが最大でも数十m程度で形成されるものである。
本発明者らは、海底下の石油探査に用いる、複数のハイドロフォンが海中で水面に対して平行となる方向(水平方向)に沿って配列するように探査ボートでハイドロフォンアレイを曳航し、震源から発生させた音波の反射波を検出する方法(特許文献1)で海底熱水鉱床の位置を特定することを試みた。しかし、この方法では全ての方向からの反射波を区別することなくハイドロフォンが受信するため、横からの反射波等のノイズが多く、取得する情報の分解能が低い。従って、海底から数十m〜100m下の浅い位置の厚さの薄い海底熱水鉱床の情報を取得することが困難であった。
本発明者らは、海底下の石油探査に用いる、複数のハイドロフォンが海中で水面に対して平行となる方向(水平方向)に沿って配列するように探査ボートでハイドロフォンアレイを曳航し、震源から発生させた音波の反射波を検出する方法(特許文献1)で海底熱水鉱床の位置を特定することを試みた。しかし、この方法では全ての方向からの反射波を区別することなくハイドロフォンが受信するため、横からの反射波等のノイズが多く、取得する情報の分解能が低い。従って、海底から数十m〜100m下の浅い位置の厚さの薄い海底熱水鉱床の情報を取得することが困難であった。
本発明は以上の事情を鑑みてなされたものであり、海底熱水鉱床などの海底下の浅い位置にある地層構成を分析可能な海底下地層の探査方法を提供することを目的とする。
本発明の海底下地層の探査方法は、複数のハイドロフォンを有するハイドロフォンアレイを用い、海水下で前記複数のハイドロフォンが上下方向に間隔をあけて配列された状態を保ちつつ、前記ハイドロフォンアレイの上方及び下方の少なくとも一方において音波を発生させ、反射波の振れ幅、前記反射波の到来方向、並びに前記音波の発生からの時間的遅れを含む情報を、前記複数のハイドロフォンそれぞれにより検出することを特徴とする。
本発明の海底下地層の探査方法では、ハイドロフォンアレイにおいて複数のハイドロフォンが上下方向(鉛直方向)に間隔をあけて配列されているため、ハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波が各々のハイドロフォンに到達する時間について時間差が生じる。従って、この各々のハイドロフォンに反射波が到達する時間差を考慮して各々のハイドロフォンの検出情報を処理可能になる。また、複数のハイドロフォンが上下方向に間隔をあけて配列されているため、ハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波を検出する際に、各々のハイドロフォンの水平方向の位置を同じ位置とすることが可能になる。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記複数のハイドロフォンそれぞれにより検出された前記情報から、前記海底下地層からの反射波を抽出し、抽出された海底下地層からの反射波を重ね合せることが好ましい。
本発明の海底下地層の探査方法では、反射波を検出する際の各々のハイドロフォンの水平方向の位置が同じ位置であり、ハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波が各々のハイドロフォンに到達する時間差を、各々のハイドロフォン間の距離により予め特定可能である。
すなわち、本発明ではハイドロフォンアレイにおいて複数のハイドロフォンが上下方向(鉛直方向)に間隔をあけて配列されているため、ハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波の情報については、各々のハイドロフォン間の距離と海中の音波の速度を考慮して抽出することができる。
このように各々のハイドロフォンにおける音波の到達時間差から、各々のハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの特定の反射波の情報を抽出する場合、各々のハイドロフォンで取得される情報には側方反射波や他の方向からの反射波の情報も含まれているが、各々のハイドロフォンで検出する情報で重複するのはハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波の情報のみとなる。従って、各々のハイドロフォンにおける音波の到達時間差に対応させて、各々のハイドロフォンで検出した情報を抽出して重ね合わせると、個々の検出情報が有する側方反射波や他の方向からの反射波の情報は重複しないため、情報を重ね合わせた際に側方反射波や他の方向からの反射波の情報が強調されることは無く、除外できる。
すなわち、本発明ではハイドロフォンアレイにおいて複数のハイドロフォンが上下方向(鉛直方向)に間隔をあけて配列されているため、ハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波の情報については、各々のハイドロフォン間の距離と海中の音波の速度を考慮して抽出することができる。
このように各々のハイドロフォンにおける音波の到達時間差から、各々のハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの特定の反射波の情報を抽出する場合、各々のハイドロフォンで取得される情報には側方反射波や他の方向からの反射波の情報も含まれているが、各々のハイドロフォンで検出する情報で重複するのはハイドロフォンアレイ直下の海底下地層からの反射波の情報のみとなる。従って、各々のハイドロフォンにおける音波の到達時間差に対応させて、各々のハイドロフォンで検出した情報を抽出して重ね合わせると、個々の検出情報が有する側方反射波や他の方向からの反射波の情報は重複しないため、情報を重ね合わせた際に側方反射波や他の方向からの反射波の情報が強調されることは無く、除外できる。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記ハイドロフォンアレイを海水面から一定の水深で維持し、ある方向に移動させながら、前記音波を、時間的に間隔をあけて複数回発生させ、前記音波を発生させる度に、反射波の振れ幅、前記反射波の到来方向、並びに前記音波の発生からの時間的遅れを含む情報を前記複数のハイドロフォンのそれぞれにより検出することが好ましい。
この海底下地層の探査方法によれば、広範囲における海底地下層の地層を探査することができる。
この海底下地層の探査方法によれば、広範囲における海底地下層の地層を探査することができる。
本発明の海底下地層の探査方法であって、前記複数のハイドロフォンが取り付けられている索体の一端に深海移動探査装置又は深海曳航体を接続し、前記深海移動探査装置が遠隔操作型の無人潜水機(ROV:Remotely operated vehicle)又は自律型無人潜水機(AUV:autonomous underwater vehicle)であり、前記ハイドロフォンアレイに取り付けた音響測位装置にて、前記深海移動探査装置又は前記深海曳航体の水中位置を測定することが好ましい。
前記複数のハイドロフォンが取り付けられている索体の一端に接続した深海移動探査装置又は深海曳航体によれば、ハイドロフォンアレイをある方向に移動させながら、ハイドロフォンアレイ直下の海底からの反射波を検出可能である。また、前記音響測位装置によれば、ハイドロフォンアレイの水中位置が特定されるため、ハイドロフォンアレイを海底面により近づけて反射波の検出を行うことが可能になり、検出される情報の精度が向上する。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記深海移動探査装置の水深が一定であることが好ましい。
本発明の海底下地層の探査方法で、前記深海移動探査装置の水深が一定である場合は、海底地形などを考慮し、海底の地形によってハイドロフォンアレイの水平方向移動を阻害されにくい水深を選択するとよい。この場合、深海移動探査装置にカメラなどを搭載せずに探査を行うことができる。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記ハイドロフォンアレイに取り付けた高度測定装置にて、海底からの前記深海移動探査装置の高度を測定することが好ましい。
本発明の海底下地層の探査方法で、前記高度測定装置にて、海底からの前記深海移動探査装置の高度を測定する場合、前記ハイドロフォンアレイの海底からの高度を一定に維持することができ、前記ハイドロフォンアレイ直下の海底からの反射波の情報を処理しやすくなる。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記複数のハイドロフォンが直列に配列されて前記ハイドロフォンアレイを構成していることが好ましい。
前記複数のハイドロフォンが直列に配列されている場合、ハイドロフォンアレイを準備し易い。
前記複数のハイドロフォンが直列に配列されている場合、ハイドロフォンアレイを準備し易い。
本発明の海底下地層の探査方法では、前記複数のハイドロフォンが並列に配列されて前記ハイドロフォンアレイを構成していることが好ましい。
前記複数のハイドロフォンが並列に配列されている場合、故障したハイドロフォンが確認し易く、且つ故障したハイドロフォンの交換が容易である。また、探査対象に合わせてハイドロフォンの間隔を変更することが可能となる。
前記複数のハイドロフォンが並列に配列されている場合、故障したハイドロフォンが確認し易く、且つ故障したハイドロフォンの交換が容易である。また、探査対象に合わせてハイドロフォンの間隔を変更することが可能となる。
本発明の海底下地層の探査方法によれば、熱水鉱床などの海底の浅い位置にある地層構成を分析可能な海底下地層の探査方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の一例について図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
[第1の実施形態]
図1、図3及び図4で説明を行う第1の実施形態の海底下地層の探査方法では、まずハイドロフォンアレイ11による受信機を準備する。本実施形態では、ハイドロフォンアレイ11として複数のハイドロフォン12を直列に接続したものを使用する。具体的には、管内に一定間隔で複数のハイドロフォン12を設置して、その間を配線で繋いでハイドロフォンアレイ11を準備する。ここで、複数のハイドロフォンとして16〜32個程度のハイドロフォンを用いることができる。隣接するハイドロフォンの間隔は限定されないが1〜10m程度の間隔をあけてハイドロフォンを設置するとよい。ハイドロフォンアレイ11の一端はデータ記録装置(data logger)13に接続し、各ハイドロフォン12で得た情報を記録する。
図1、図3及び図4で説明を行う第1の実施形態の海底下地層の探査方法では、まずハイドロフォンアレイ11による受信機を準備する。本実施形態では、ハイドロフォンアレイ11として複数のハイドロフォン12を直列に接続したものを使用する。具体的には、管内に一定間隔で複数のハイドロフォン12を設置して、その間を配線で繋いでハイドロフォンアレイ11を準備する。ここで、複数のハイドロフォンとして16〜32個程度のハイドロフォンを用いることができる。隣接するハイドロフォンの間隔は限定されないが1〜10m程度の間隔をあけてハイドロフォンを設置するとよい。ハイドロフォンアレイ11の一端はデータ記録装置(data logger)13に接続し、各ハイドロフォン12で得た情報を記録する。
次に、探査ボート21に先端に錘14を取り付けたメインケーブル15を接続して、メインケーブル15を海中に鉛直に吊り下ろす。メインケーブル15では、メインケーブル15の長さ方向に平行な方向に沿って複数のハイドロフォン12が配置されるようにハイドロフォンアレイ11を固定する。
錘14は特に限定されないが、メインケーブル15を海底に対して鉛直に吊り下げることが可能であるものとし、例えば1トンの錘14を用いることができる。
図示しないが、メインケーブル15を鉛直に吊り下ろす際、探査ボート21に深海曳航体(Deep tow)22又は深海移動探査装置を接続し、深海曳航体22又は深海移動探査装置からハイドロフォンアレイ11を固定したメインケーブル15を鉛直に吊り下ろしてもよい。
錘14は特に限定されないが、メインケーブル15を海底に対して鉛直に吊り下げることが可能であるものとし、例えば1トンの錘14を用いることができる。
図示しないが、メインケーブル15を鉛直に吊り下ろす際、探査ボート21に深海曳航体(Deep tow)22又は深海移動探査装置を接続し、深海曳航体22又は深海移動探査装置からハイドロフォンアレイ11を固定したメインケーブル15を鉛直に吊り下ろしてもよい。
メインケーブル15にハイドロフォンアレイ11を固定する際、ハイドロフォン12の受信情報を記録するデータ記録装置13はハイドロフォンアレイ11の上端に配置されていても、下端に配置されていてもよい。
データ記録装置13は、複数のハイドロフォン12の情報の同時高速記録が可能なものであり、複数のハイドロフォン12で検出された情報はデータ記録装置13内の記録媒体に保存される。
データ記録装置13は、複数のハイドロフォン12の情報の同時高速記録が可能なものであり、複数のハイドロフォン12で検出された情報はデータ記録装置13内の記録媒体に保存される。
海底下地層の探査に用いる音波を発生させる震源としては、海上で用いるエアガン23やスパーカー又は、図3に示される深海曳航体22又は図4で示される深海移動探査装置(遠隔操作型の無人潜水機(ROV:Remotely operated vehicle)32又は自律型無人潜水機(AUV:autonomous underwater vehicle))に搭載した高周波震源(SBP:Sub bottom profiler)などを用いることができる。
エアガンは圧縮空気を水中に放出して音波を発生させるものであり、スパーカーは電気スパーク放電にて音波を発生させるものである。高周波震源は、直下に向けて音響パルスを発振するものである。エアガン、スパーカー、及び高周波震源から選択される1種以上の震源により音波を発生させる。また、音波はハイドロフォンアレイ11の上方及び下方の少なくとも一方で生じさせるとよい。なお、ハイドロフォンアレイ11の上方とは直上であってもよく、下方とは直下であってもよい。
エアガンは圧縮空気を水中に放出して音波を発生させるものであり、スパーカーは電気スパーク放電にて音波を発生させるものである。高周波震源は、直下に向けて音響パルスを発振するものである。エアガン、スパーカー、及び高周波震源から選択される1種以上の震源により音波を発生させる。また、音波はハイドロフォンアレイ11の上方及び下方の少なくとも一方で生じさせるとよい。なお、ハイドロフォンアレイ11の上方とは直上であってもよく、下方とは直下であってもよい。
本実施形態の海底下地層の探査方法では、ハイドロフォンアレイ11が海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持し、海水面から一定の水深で、探査ボート21又は深海曳航体22を用いてハイドロフォンアレイ11をある方向に移動させながら、前述の震源により音波を時間的に間隔をあけて複数回発生させる。ここで、ある方向とは水平方向であってよい。
このとき、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度は、ハイドロフォンアレイ11が海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持できる速度である。例えば、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度を1〜2km/時程度に設定するとよい。
ハイドロフォンアレイ11が海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持できる速度移動する場合、ハイドロフォンアレイ11の上方及び下方(直上及び直下)の少なくとも一方で生じた音波の発振点と、音波の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11で受振する受振点とが水平方向にほぼ同じ位置にすることができる。例えば、1000〜1500mの海底の海底下地層を探査する場合には、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度を1km/時前後とすると、ハイドロフォンアレイ11の直上及び/又は直下の音波の発振点と音波の受振点とを水平方向にほぼ同じ位置(ゼロオフセット)になる。また、音波の発振点と音波の受振点とが水平方向にずれている場合も、その距離はごく僅かであり、検出する情報には影響を及ぼしにくい。
なお、図3及び図4において、エアガン23の配置位置、高周波震源を搭載した深海曳航体22又は深海移動探査装置32の配置位置はハイドロフォンアレイ11の直上及び/又は直下ではないが、これは音波の反射状態を分かりやすくした略図であり、エアガン23、高周波震源を搭載した深海曳航体22、又は深海移動探査装置32はハイドロフォンアレイ11の略直上及び/又は略直下に配置される。
このとき、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度は、ハイドロフォンアレイ11が海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持できる速度である。例えば、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度を1〜2km/時程度に設定するとよい。
ハイドロフォンアレイ11が海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持できる速度移動する場合、ハイドロフォンアレイ11の上方及び下方(直上及び直下)の少なくとも一方で生じた音波の発振点と、音波の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11で受振する受振点とが水平方向にほぼ同じ位置にすることができる。例えば、1000〜1500mの海底の海底下地層を探査する場合には、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度を1km/時前後とすると、ハイドロフォンアレイ11の直上及び/又は直下の音波の発振点と音波の受振点とを水平方向にほぼ同じ位置(ゼロオフセット)になる。また、音波の発振点と音波の受振点とが水平方向にずれている場合も、その距離はごく僅かであり、検出する情報には影響を及ぼしにくい。
なお、図3及び図4において、エアガン23の配置位置、高周波震源を搭載した深海曳航体22又は深海移動探査装置32の配置位置はハイドロフォンアレイ11の直上及び/又は直下ではないが、これは音波の反射状態を分かりやすくした略図であり、エアガン23、高周波震源を搭載した深海曳航体22、又は深海移動探査装置32はハイドロフォンアレイ11の略直上及び/又は略直下に配置される。
複数のハイドロフォン12では、音波の海底下地層からの反射波の振れ幅、反射波の到来方向、反射波の音波の発生からの時間的遅れを含む情報を検出可能である。
本実施形態では、複数のハイドロフォン12は、海底に対して上下方向(鉛直方向)に間隔を空けて配列されている。従って、予め隣接するハイドロフォン12の間隔を特定し、海中での音波の速度と対応させると、ハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11下端のハイドロフォン12で受振してから、各々のハイドロフォン12で受振する時間を特定できる。
本実施形態では、複数のハイドロフォン12は、海底に対して上下方向(鉛直方向)に間隔を空けて配列されている。従って、予め隣接するハイドロフォン12の間隔を特定し、海中での音波の速度と対応させると、ハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11下端のハイドロフォン12で受振してから、各々のハイドロフォン12で受振する時間を特定できる。
ハイドロフォンアレイ11直下からの反射波による情報は、各々のハイドロフォン12に反射波が到達する時間差に応じて抽出される。すなわち、取得した情報から、各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差を考慮した情報を抽出し、情報を重ね合わせると、ハイドロフォンアレイ11直下からの反射波の情報だけが強調され、鮮明な情報を得ることができる。
具体的には、水中の音速から隣接するハイドロフォン12の間隔あたりの音波の到達時間の時間差を算出し、各々のハイドロフォン12に特定の反射波が到達する時間を決定し、その時間差に応じたデータを抽出する。
このように各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差から、各々のハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの特定の反射波の情報を抽出する場合、各々のハイドロフォン12で取得される情報には側方反射波や他の方向からの反射波の情報も含まれているが、各々のハイドロフォン12で検出する情報で重複するのはハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波の情報のみとなる。
従って、各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差を考慮して、各々のハイドロフォン12で検出した情報を抽出して重ね合わせると、個々の検出情報が有する側方反射波や他の方向からの反射波の情報は重複しないため、情報を重ね合わせた際に側方反射波や他の方向からの反射波の情報が強調されることは無く、除外できる。
具体的には、水中の音速から隣接するハイドロフォン12の間隔あたりの音波の到達時間の時間差を算出し、各々のハイドロフォン12に特定の反射波が到達する時間を決定し、その時間差に応じたデータを抽出する。
このように各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差から、各々のハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの特定の反射波の情報を抽出する場合、各々のハイドロフォン12で取得される情報には側方反射波や他の方向からの反射波の情報も含まれているが、各々のハイドロフォン12で検出する情報で重複するのはハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波の情報のみとなる。
従って、各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差を考慮して、各々のハイドロフォン12で検出した情報を抽出して重ね合わせると、個々の検出情報が有する側方反射波や他の方向からの反射波の情報は重複しないため、情報を重ね合わせた際に側方反射波や他の方向からの反射波の情報が強調されることは無く、除外できる。
震源から発生した音波によれば、海底下地層からの反射波だけではなく、海面からの反射波も発生する。
海底下地層からの反射波は上方進行波となり、海面からの反射波は下方進行波となる。本実施形態では、予め隣接するハイドロフォン12の間隔が特定されており、ハイドロフォンアレイ11の下端側から音波の到達時間差を示す情報と、ハイドロフォンアレイ11の上端側から音波の到達時間差を示す情報と、を分離することが容易である。
従って、各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差を考慮して、各々のハイドロフォン12で検出した情報を抽出して重ね合わせる前に、海面からの反射波による情報を分離するデータ前処理を行うことができる。
海底下地層からの反射波は上方進行波となり、海面からの反射波は下方進行波となる。本実施形態では、予め隣接するハイドロフォン12の間隔が特定されており、ハイドロフォンアレイ11の下端側から音波の到達時間差を示す情報と、ハイドロフォンアレイ11の上端側から音波の到達時間差を示す情報と、を分離することが容易である。
従って、各々のハイドロフォン12における音波の到達時間差を考慮して、各々のハイドロフォン12で検出した情報を抽出して重ね合わせる前に、海面からの反射波による情報を分離するデータ前処理を行うことができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の複数のハイドロフォン12を直列に接続したハイドロフォンアレイ11を準備し、ハイドロフォンアレイ11が海中で鉛直方向に浮くための浮き31をハイドロフォンアレイ11の一端に設置する。また、ハイドロフォンアレイ11の何れか一端には、データ記録装置13を接続する。
図2では、データ記録装置13と浮き31とを、ハイドロフォンアレイ11の上端側に接続し、浮き31とハイドロフォンアレイ11との間にデータ記録装置13を配置している。しかし、データ記録装置13の配置位置は限定されず、ハイドロフォンアレイ11の下端側にデータ記録装置13を配置してもよい。
データ記録装置13としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の複数のハイドロフォン12を直列に接続したハイドロフォンアレイ11を準備し、ハイドロフォンアレイ11が海中で鉛直方向に浮くための浮き31をハイドロフォンアレイ11の一端に設置する。また、ハイドロフォンアレイ11の何れか一端には、データ記録装置13を接続する。
図2では、データ記録装置13と浮き31とを、ハイドロフォンアレイ11の上端側に接続し、浮き31とハイドロフォンアレイ11との間にデータ記録装置13を配置している。しかし、データ記録装置13の配置位置は限定されず、ハイドロフォンアレイ11の下端側にデータ記録装置13を配置してもよい。
データ記録装置13としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
第2の実施形態では、深海移動探査装置である遠隔操作型の無人潜水機(ROV:Remotely operated vehicle)32又は自律型無人潜水機(AUV:autonomous underwater vehicle)を準備する。遠隔操作型の無人潜水機32は探査ボート21に接続していてもよい。
次に、遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機に、ハイドロフォンアレイ11の浮き31が接続されていない一端を接続する。
以上の構成により、海中内で遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機に接続されたハイドロフォンアレイ11は、浮き31によって鉛直方向に浮いた状態となる。
次に、遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機に、ハイドロフォンアレイ11の浮き31が接続されていない一端を接続する。
以上の構成により、海中内で遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機に接続されたハイドロフォンアレイ11は、浮き31によって鉛直方向に浮いた状態となる。
海底下地層の探査に用いる音波を発生させる震源としては、第1の実施形態と同様に海上で用いるエアガンやスパーカー或いは、遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機に搭載した高周波震源(SBP:Sub bottom profiler)などを用いることができる。
音波を発生させる方法及び位置については第1の実施形態と同様である。
音波を発生させる方法及び位置については第1の実施形態と同様である。
本実施形態の海底下地層の探査方法では、ハイドロフォンアレイ11の浮き31によって鉛直方向に浮いた状態を維持し、海水面から一定の水深で、遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機を用いてハイドロフォンアレイ11をある方向に移動させながら、前述の震源により音波を時間的に間隔をあけて複数回発生させる。ここで、ある方向とは水平方向であってよい。
このとき、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度は、第1の実施形態と同様である。
このとき、ハイドロフォンアレイ11の水平方向の移動速度は、第1の実施形態と同様である。
複数のハイドロフォン12では、音波の海底下地層からの反射波の振れ幅、反射波の到来方向、反射波の音波の発生からの時間的遅れを含む情報を検出可能である。
本実施形態では、複数のハイドロフォン12は、海底に対して上下方向(鉛直方向)に間隔を空けて配列されている。従って、予め隣り合うハイドロフォン12の間隔を特定し、海中での音波の速度と対応させると、ハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11下端のハイドロフォン12で受振してから、各々のハイドロフォン12で受振する時間を特定できる。
ハイドロフォンアレイ11直下からの反射波による情報を抽出する方法は第1の実施形態と同じものとする。
本実施形態では、複数のハイドロフォン12は、海底に対して上下方向(鉛直方向)に間隔を空けて配列されている。従って、予め隣り合うハイドロフォン12の間隔を特定し、海中での音波の速度と対応させると、ハイドロフォンアレイ11直下の海底下地層からの反射波をハイドロフォンアレイ11下端のハイドロフォン12で受振してから、各々のハイドロフォン12で受振する時間を特定できる。
ハイドロフォンアレイ11直下からの反射波による情報を抽出する方法は第1の実施形態と同じものとする。
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態では、ハイドロフォンアレイとして、複数のハイドロフォンをデータ記録装置13から直列に接続したものを使用したが、複数のハイドロフォンを並列に接続したものを使用してもよい。具体的には、図7で示す通り、データ記録装置13に長さの異なるケーブル41を複数並列接続し、各々のケーブル41先端にハイドロフォン12を取り付ける。次に、データ記録装置13に接続している線状の中心部材(ロープ)42に、複数のハイドロフォン12の間隔が一定になるように、ハイドロフォン12を取り付けたケーブル41をそれぞれ固定して、ハイドロフォンアレイ43を構成する。このように、複数のハイドロフォン12が並列に接続しているハイドロフォンアレイ43では、何れか1つのハイドロフォン12が故障した際に、1本のハイドロフォン12を取り付けたケーブル41を交換するだけで修理を行うことができる。また、ハイドロフォンアレイ43において何れのハイドロフォン12が故障しているのかの検査が容易であるという利点がある。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、ハイドロフォンを一定間隔を空けて配置するとしたが、この一定間隔は規則的なものであっても不規則なものであってもよい。
第1の実施形態で用いた、ハイドロフォンアレイ11、深海曳航体22、並びに第2の実施形態で用いた遠隔操作型の無人潜水機32又は自律型無人潜水機には、音響測位装置(SSBL:Super Short Baseline法)を取り付けてもよい。音響測位装置でハイドロフォンアレイの位置を計算し、得られたハイドロフォンアレイの位置により、ハイドロフォンアレイの海底高度、水深、移動方向などを決定することができる。
ハイドロフォンアレイの水深を一定にする場合、ハイドロフォンアレイの上端の水深が、海底地形などを考慮して海底の地形によってハイドロフォンアレイの水平方向移動を阻害されにくい水深であるとよい。例えば、深海曳航体22を用いた場合、ハイドロフォンアレイの下端の海底高度を100m〜200mにすることが好ましい。
遠隔操作型の無人探査機32を用いる場合には、ハイドロフォンアレイの海底高度は、ハイドロフォンアレイの下端高度が5m〜10mとなるように維持されることが好ましい。この場合、ハイドロフォンアレイ周辺の海底状況の観察を同時に行い、阻害物を回避することができる。
ハイドロフォンアレイの水深を一定にする場合、ハイドロフォンアレイの上端の水深が、海底地形などを考慮して海底の地形によってハイドロフォンアレイの水平方向移動を阻害されにくい水深であるとよい。例えば、深海曳航体22を用いた場合、ハイドロフォンアレイの下端の海底高度を100m〜200mにすることが好ましい。
遠隔操作型の無人探査機32を用いる場合には、ハイドロフォンアレイの海底高度は、ハイドロフォンアレイの下端高度が5m〜10mとなるように維持されることが好ましい。この場合、ハイドロフォンアレイ周辺の海底状況の観察を同時に行い、阻害物を回避することができる。
第1の実施形態及び第2の実施形態で用いるハイドロフォンアレイには傾斜計及びコンパスの少なくとも1つが設置されているとよい。傾斜計及びコンパスの少なくとも1つがハイドロフォンアレイに設置されていると、海中でハイドロフォンアレイが鉛直方向に吊り下げられている状態であること、又はハイドロフォンアレイが鉛直方向に浮かんでいることを確認することができる。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、エアガン、スパーカー、及び高周波震源(SBP)から選択される1種以上の震源により音波を発生させるとしたが、エアガンから発生する音波は10〜300Hz、スパーカーから発生する音波は20〜1kHz、高周波震源(SBP)から発生する音波は500〜2.5kHzである。すなわち、海底付近で音波を発生させる高周波震源(SBP)からの音波のエネルギーは、海上で用いるエアガンやスパーカーからの音波より小さい。従って、エアガンと高周波震源(SBP)とを組み合わせる場合、又はスパーカーと高周波震源(SBP)とを組み合わせる場合は、相互相関法を使って海上震源からの音波の情報と、海底付近で発生した音波の情報とを分離するとよい。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、探査ボート、深海曳航体、深海移動探査装置、又は浮き等でハイドロフォンアレイを海底に対して鉛直に吊り下げられた状態(又は垂直に浮いている状態)を維持しながら曳航し、反射波の情報を検出する方法を示した。
本実施形態の方法によれば、ハイドロフォンアレイを構成する個々のハイドロフォンにおける側方反射波や他の方向からの反射波の情報を除外して、ハイドロフォンアレイ直下の反射波の情報を抽出し、海底下地層の鮮明な二次元イメージングを得ることが可能になる。
本実施形態の方法によれば、ハイドロフォンアレイを構成する個々のハイドロフォンにおける側方反射波や他の方向からの反射波の情報を除外して、ハイドロフォンアレイ直下の反射波の情報を抽出し、海底下地層の鮮明な二次元イメージングを得ることが可能になる。
チムニー群や、それらが崩れたマウンド等の海底地形を特定し、その付近をボーリングすることで、海底熱水鉱床が確認されている海底領域について、従来の海底下地層の探査方法と本発明の海底下地層の探査方法とを適用し、得られるデータの違いを確認した。
(1)従来例
16個のハイドロフォンを直列に5m間隔をあけて配列されたハイドロフォンアレイを準備し、深海曳航体(Deep tow)でハイドロフォンアレイの長辺方向が水面に対して平行となる状態(水平方向)を維持するように1m/秒程度で曳航した。このとき、ハイドロフォンアレイの海底高度は約100mとした。海底高度は、ハイドロフォン深度と海底深度の差から、間接的に測定した。
次に、海上からスパーカーを用いて20〜1kHz程度の音波を5秒毎に発振し、各々のハイドロフォンで海底及び海底下地層からの反射波を受振した。
各々のハイドロフォンで検出された反射波の情報はハイドロフォンアレイの一端に接続したデータ記録装置で記録し、解析を行った。データ記録装置は、複数のハイドロフォンの情報の同時高速記録が可能なものであり、サンプリングレート10kHz、時間が原子時計(CSAC)によってスタンプされるものを用い、検出された情報はデータ記録装置内の記録媒体に保存された。
解析したデータより得られた、海底下地層の二次元イメージング図を図5に示す。
16個のハイドロフォンを直列に5m間隔をあけて配列されたハイドロフォンアレイを準備し、深海曳航体(Deep tow)でハイドロフォンアレイの長辺方向が水面に対して平行となる状態(水平方向)を維持するように1m/秒程度で曳航した。このとき、ハイドロフォンアレイの海底高度は約100mとした。海底高度は、ハイドロフォン深度と海底深度の差から、間接的に測定した。
次に、海上からスパーカーを用いて20〜1kHz程度の音波を5秒毎に発振し、各々のハイドロフォンで海底及び海底下地層からの反射波を受振した。
各々のハイドロフォンで検出された反射波の情報はハイドロフォンアレイの一端に接続したデータ記録装置で記録し、解析を行った。データ記録装置は、複数のハイドロフォンの情報の同時高速記録が可能なものであり、サンプリングレート10kHz、時間が原子時計(CSAC)によってスタンプされるものを用い、検出された情報はデータ記録装置内の記録媒体に保存された。
解析したデータより得られた、海底下地層の二次元イメージング図を図5に示す。
従来例の方法では、ハイドロフォンアレイの長辺方向が水面に対して平行となる状態(水平方向)を維持するために、ハイドロフォンアレイの曳航速度を1m/秒程度とする必要があった。従って、震源を用いて音波を発振させた時点のハイドロフォンアレイの位置と、海底下地層からの反射波を受振する時点のハイドロフォンアレイの位置とが大きくずれた。すなわち、異なる地点のデータを分析する必要があった。また、ハイドロフォンアレイの曳航速度が速く、観測範囲における解像度(観測点の数)を高くすることが困難であり、図5で示されるように、海底下地層の20〜30m程度の位置の地層を詳細に解析することが出来なかった。
更に、この方法では、ハイドロフォンアレイの横方向からの反射波を除くことが困難であり、検出した情報においてノイズが多く、情報の分解能が低い傾向にあった。
更に、この方法では、ハイドロフォンアレイの横方向からの反射波を除くことが困難であり、検出した情報においてノイズが多く、情報の分解能が低い傾向にあった。
(2)本発明例
16個のハイドロフォンが上下方向(鉛直方向)に5m間隔をあけて配列されたハイドロフォンアレイを準備した。先端に錘を取り付けたメインケーブルの長さ方向に沿ってハイドロフォンアレイを固定し、海中に潜水させた深海曳航体からメインケーブルを海底に対して鉛直に吊り下げた。
次に、ハイドロフォンアレイが海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持するように、1km/時(0.28m/秒)程度の速度でハイドロフォンアレイを曳航した。このとき、ハイドロフォンアレイの下端部の海底高度は100mとした。海底高度は、ハイドロフォン深度と海底深度の差から、間接的に測定した。
16個のハイドロフォンが上下方向(鉛直方向)に5m間隔をあけて配列されたハイドロフォンアレイを準備した。先端に錘を取り付けたメインケーブルの長さ方向に沿ってハイドロフォンアレイを固定し、海中に潜水させた深海曳航体からメインケーブルを海底に対して鉛直に吊り下げた。
次に、ハイドロフォンアレイが海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持するように、1km/時(0.28m/秒)程度の速度でハイドロフォンアレイを曳航した。このとき、ハイドロフォンアレイの下端部の海底高度は100mとした。海底高度は、ハイドロフォン深度と海底深度の差から、間接的に測定した。
次に、探査ボートに搭載したスパーカーを用いて20〜1kHz程度の音波を5秒毎にハイドロフォンアレイの略直上で発振し、各々のハイドロフォンで海底及び海底下地層からの反射波を受振した。
各々のハイドロフォンで検出された反射波の情報はハイドロフォンアレイの一端に接続した従来例と同様のデータ記録装置で記録し、解析を行った。
解析したデータより得られた、海底下地層の二次元イメージング図を図6に示す。図6で示す海底下地層の二次元イメージング図は、図5の破線で囲まれた箇所である。
各々のハイドロフォンで検出された反射波の情報はハイドロフォンアレイの一端に接続した従来例と同様のデータ記録装置で記録し、解析を行った。
解析したデータより得られた、海底下地層の二次元イメージング図を図6に示す。図6で示す海底下地層の二次元イメージング図は、図5の破線で囲まれた箇所である。
本発明例の方法では、ハイドロフォンアレイが海底に対して鉛直に吊り下げられた状態を維持するため、ハイドロフォンアレイの曳航速度が1km/時(0.28m/秒)程度である。従って、海中での音速を考慮すると、ハイドロフォンアレイの略直上に配置したスパーカーによる音波の発振点と、海底地下層からの反射波のハイドロフォンアレイでの受振点とが水平方向にほぼ同じ位置である。従って、発振した音波に対応する反射波の受振の精度を高くすることができる。
また、ハイドロフォンアレイの曳航速度が従来例と比較して遅く、観測範囲における解像度(観測点の数)を高くすることができ、図6で示されるように、海底下地層の20〜30m程度の位置の地層を詳細に解析出来た。
また、ハイドロフォンアレイの曳航速度が従来例と比較して遅く、観測範囲における解像度(観測点の数)を高くすることができ、図6で示されるように、海底下地層の20〜30m程度の位置の地層を詳細に解析出来た。
海底下地層に向けて発振された音波は、地層の組成が変化する箇所(例えば、泥層と砂礫層との間)などで反射する。
本発明例の方法では、16個のハイドロフォンを上下方向(鉛直方向)に5m間隔で配置して、予め各々のハイドロフォンに、ハイドロフォンアレイ直下の海底から反射波が到達する時間差を算出し、各ハイドロフォンで得られた反射波の情報から、この時間差に応じた情報を抽出して、16個のハイドロフォンの情報を重ね合わせた。
この方法によれば、ハイドロフォンアレイ直下の海底から反射波のみが重複し、横方向の反射波や他の方向からの反射波の情報を除くことができる。従って、精度の高い海底下地層の情報を得ることができた。
以上の方法で、本発明者らが検出した情報の分析を行ったところ、図6で示される通り、熱水鉱床60の下では反射が無く地層が無い状態が確認された。図6において熱水鉱床60は上部境界(Upper boundary)と下部境界(Lower boundary)に囲まれた箇所であり、その直下に濃いグレーと薄いグレーとの濃淡で示される地層の反射が無い。
以上の本発明例より、本発明の方法によれば、熱水鉱床の位置の特定を二次元イメージングにて容易に行うことが可能であることが確認された。
本発明例の方法では、16個のハイドロフォンを上下方向(鉛直方向)に5m間隔で配置して、予め各々のハイドロフォンに、ハイドロフォンアレイ直下の海底から反射波が到達する時間差を算出し、各ハイドロフォンで得られた反射波の情報から、この時間差に応じた情報を抽出して、16個のハイドロフォンの情報を重ね合わせた。
この方法によれば、ハイドロフォンアレイ直下の海底から反射波のみが重複し、横方向の反射波や他の方向からの反射波の情報を除くことができる。従って、精度の高い海底下地層の情報を得ることができた。
以上の方法で、本発明者らが検出した情報の分析を行ったところ、図6で示される通り、熱水鉱床60の下では反射が無く地層が無い状態が確認された。図6において熱水鉱床60は上部境界(Upper boundary)と下部境界(Lower boundary)に囲まれた箇所であり、その直下に濃いグレーと薄いグレーとの濃淡で示される地層の反射が無い。
以上の本発明例より、本発明の方法によれば、熱水鉱床の位置の特定を二次元イメージングにて容易に行うことが可能であることが確認された。
本発明の海底下地層の探査方法によれば、熱水鉱床などの海底の浅い位置にある地層構成を分析可能な海底下地層の探査方法を提供することができる。また、本発明の海底下地層の探査方法は、メタンハイドレード等の海底資源の探査にも適用可能である。
11 ハイドロフォンアレイ
12 ハイドロフォン
13 データ記録装置
14 錘
15 メインケーブル
21 探査ボート
22 深海曳航体
12 ハイドロフォン
13 データ記録装置
14 錘
15 メインケーブル
21 探査ボート
22 深海曳航体
Claims (8)
- 海底下地層の探査方法であって、
複数のハイドロフォンを有するハイドロフォンアレイを用い、
海水下で前記複数のハイドロフォンが上下方向に間隔を空けて配列された状態を保ちつつ、前記ハイドロフォンアレイの上方及び下方の少なくとも一方において音波を発生させ、
反射波の振れ幅、前記反射波の到来方向、並びに前記音波の発生からの時間的遅れを含む情報を、前記複数のハイドロフォンそれぞれにより検出することを特徴とする、海底下地層の探査方法。 - 請求項1に記載の海底下地層の探査方法であって、
前記複数のハイドロフォンそれぞれにより検出された前記情報から、前記海底下地層からの反射波を抽出し、
抽出された海底下地層からの反射波を重ね合せることを特徴とする海底下地層の探査方法。 - 請求項2に記載の海底下地層の探査方法であって、
前記ハイドロフォンアレイを海水面から一定の水深で維持し、ある方向に移動させながら、前記音波を、時間的に間隔を空けて複数回発生させ、
前記音波を発生させる度に、反射波の振れ幅、前記反射波の到来方向、並びに前記音波の発生からの時間的遅れを含む情報を前記複数のハイドロフォンのそれぞれにより検出することを特徴とする海底下地層の探査方法。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の海底下地層の探査方法であって、
前記複数のハイドロフォンが取り付けられている索体の一端に深海移動探査装置又は深海曳航体を接続し、前記深海移動探査装置が遠隔操作型の無人潜水機(ROV:Remotely operated vehicle)又は自律型無人潜水機(AUV:autonomous underwater vehicle)であり、
前記ハイドロフォンアレイに取り付けた音響測位装置にて、前記深海移動探査装置又は前記深海曳航体の水中位置を測定することを特徴とする海底下地層の探査方法。 - 請求項4に記載の海底下地層の探査方法であって、
前記深海移動探査装置の水深が一定であることを特徴とする海底下地層の探査方法。 - 請求項4に記載の海底下地層の探査方法であって、
前記ハイドロフォンアレイに取り付けた高度測定装置にて、海底からの前記深海移動探査装置の高度を測定することを特徴とする海底下地層の探査方法。 - 請求項1に記載の海底下地層の探査方法であって、前記複数のハイドロフォンが直列に配列されて前記ハイドロフォンアレイを構成していることを特徴とする海底下地層の探査方法。
- 請求項1に記載の海底下地層の探査方法であって、前記複数のハイドロフォンが並列に配列されて前記ハイドロフォンアレイを構成していることを特徴とする海底下地層の探査方法。
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