JPWO2019031425A1 - 運動ニューロン疾患治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規な運動ニューロン疾患治療剤を提供することを主な課題とする。本発明として、例えば、SKI−1、PP2、A419259三塩酸塩、サラカチニブ、ダサチニブなどのSrc阻害薬を有効成分として含有することを特徴とする運動ニューロン疾患治療剤や、当該Src阻害薬をヒトに投与することを含む運動ニューロン疾患の治療方法を挙げることができる。本発明治療剤等は、特に球脊髄性筋萎縮症(SBMA)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)といった運動ニューロン疾患に対して有用である。

Description

本発明は、神経筋疾患の治療剤の技術分野に属する。本発明は、運動ニューロン疾患治療剤に関するものである。詳しくは、本発明は、Src阻害薬を有効成分として含有する運動ニューロン疾患治療剤に関するものである。
運動ニューロンは、骨格筋を支配する神経細胞である。大脳から出て脊髄または脳幹に至るまでの神経単位を上位ニューロンといい、脊髄または脳幹から筋肉まで続いている神経単位を下位ニューロンという。
運動ニューロン疾患は、当該運動ニューロンが変性ないし死滅することによって、全身の筋肉が徐々に萎縮し、運動機能が失われていく病気の総称である。通常、呼吸不全などにより致命的な経過を辿る。具体的な運動ニューロン疾患としては、例えば、上位および下位の運動ニューロン疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic lateral sclerosis)、下位運動ニューロンのみの疾患である球脊髄性筋萎縮症(SBMA:Spinal and bulbar muscular atrophy)や脊髄性筋萎縮症(SMA:Spinal muscular atrophy)が挙げられる。この中、ALSは、中年以降に発症し、症状としては、腱反射亢進、病的反射、進行性の筋萎縮や筋力低下をきたし、数ヶ月から数年で運動機能が廃絶する。5〜10%程度が遺伝性である。SBMAは、10万人に一人か二人の割合で、成人男性のみに発症し、症状としては、進行性の筋萎縮や筋力低下、女性化乳房、耐糖能異常を呈する。病因としては、アンドロゲン受容体遺伝子(AR)のCAG配列の異常伸長が挙げられる。いずれも難治性であり、その分子病態の全容は不明であり、根本的治療法は見出されていない。
運動ニューロン疾患に対して、これまで動物モデルを用いた解析により低分子化合物などを用いた分子標的治療が開発され前臨床試験では有効性が示されている。しかし、その殆どについて臨床試験では有効性が示されていない。このような状況において、リルゾール(Riluzole、リルテック(登録商標))がALS治療剤として製造承認されている。
ALSなどの運動ニューロン疾患の治療剤を開示するものとして、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、Ser−Ala−Leu−Arg−Ser−Ile−Pro−Alaで示されるオリゴペプチドを有効成分として含有する運動ニューロン疾患治療剤が開示されている。また、特許文献2には、SBMAについて、トリプタンを有効成分として含有する球脊髄性筋萎縮症治療薬が開示されている。
一方、Srcは、がん原遺伝子として知られており、非受容体体型チロシンキナーゼタンパク質である。1970年代に、哺乳動物の遺伝子にもSrcが存在することが発見され、正常細胞が持つSrc遺伝子の変異が細胞の癌化を引き起こすことが知られるようになった。
ヒトの腫瘍ではSrcの遺伝子変異はほとんどみられないものの、結腸、肝臓、肺、乳房、膵臓、前立腺、血液などの腫瘍でSrcの活性化がみられ、血管新生、増殖、浸潤経路を促進する。そのSrcの阻害剤は、慢性骨髄性白血病(CML)や急性リンパ性白血病(ALL)の治療剤として開発されている。
このように、Srcは、癌との関係では一般に知られているが、運動ニューロン疾患との関係は知られていない。
国際公開第2005/099741号 国際公開第2011/068208号
前記の通り、運動ニューロン疾患は呼吸不全などにより致命的な経過を辿る難治性疾患である。その分子病態は不明であり、根本的治療法は見出されていない。その一つの要因として、運動ニューロン疾患では様々な分子異常が生じているものの、病態の根幹に寄与する本質的分子メカニズムが明らかになっていないことが考えられる。
本発明は、運動ニューロン疾患の早期病態に強く寄与する細胞内シグナルを同定し、その異常シグナルを是正する化合物により、運動ニューロン疾患を治療することに関するものである。本発明の具体的な課題としては、例えば、新規な運動ニューロン疾患治療剤を提供することを挙げることができる。
本発明者らは、Bio−Plexマルチプレックスシステムを用いて、運動ニューロン疾患を呈する病態モデルマウスの脊髄および骨格筋の経時的かつ網羅的なシグナル解析を行ったところ、SBMAモデルマウスの脊髄において、Srcのリン酸化が発症前から発症後期まで一貫して上昇していること、骨格筋においても発症前や発症前期で上昇していること、さらにSrcの下流に存在するStat3のリン酸化が発症前から脊髄や骨格筋で上昇し、SrcシグナルがSBMAの病態に大きく関連していることを突き止めた。また、ALSモデルマウスの脊髄や骨格筋でも発症前にリン酸化の上昇を認めた。こうした知見に基づき、鋭意研究を重ねた結果、Src阻害薬が運動ニューロン疾患の治療に有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明として、例えば、下記を挙げることができる。
[1]Src阻害薬を有効成分として含有することを特徴とする、運動ニューロン疾患治療剤。
[2]運動ニューロン疾患が、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または脊髄性筋萎縮症(SMA)である、上記[1]に記載の治療剤。
[3]Src阻害薬が、次の一般式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩である、上記[1]または[2]に記載の治療剤。
式(1)中、Rは、H、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアリール、または置換基を有していてもよいヘテロアリールを表す。Rは、Hを表す。Rは、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルを表す。
XおよびYは、XがHを表し、Yが置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキルを表すか、またはXとYとが一緒になって−C(R)=C(R)−C(R)=C(R)−、−C(R)=C(R)−N(R)−、または−C(R)=N−N(R)−を表す。Rは、H、置換基を有していてもよいアリール、または置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキルオキシを表す。R、R、およびRは、同一または異なって、Hまたは置換基を有していてもよいアルコキシを表す。Rは、H、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいシクロアルキルを表す。
[4]Src阻害薬が、SKI−1、PP2、A419259、サラカチニブ(Saracatinib)、もしくはダサチニブ(Dasatinib)、またはそれらの医薬上許容される塩である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の治療剤。
[5]Src阻害薬をヒトに投与することを含む、運動ニューロン疾患の治療方法。
[6]運動ニューロン疾患が、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または脊髄性筋萎縮症(SMA)である、上記[5]に記載の治療方法。
[7]Src阻害薬が、前記一般式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩である、上記[5]または[6]に記載の治療方法。
[8]Src阻害薬が、SKI−1、PP2、A419259、サラカチニブ(Saracatinib)、もしくはダサチニブ(Dasatinib)、またはそれらの医薬上許容される塩である、上記[5]〜[7]のいずれか一項に記載の治療方法。
本発明によれば、運動ニューロン疾患(特にSBMAやALS)を効果的に治療することができる。
A図は、マウス脊髄を用いたウエスタンブロットによる電気泳動写真である。上3段は発症前(6週齢)の結果を、中3段は発症前期(9週齢)の結果を、下3段は発症後期(13週齢)の結果を、それぞれ示す。また、各バンドにおいて、左4列は野生型マウスの結果を、右4列はSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。B図は、A図におけるウエスタンブロットのバンドの定量結果を表す。縦軸は、Srcの総タンパク量あたりのSrcのリン酸化タンパク量の比を示す(p−Src/Src)。左グラフは発症前(6週齢)の結果を、中グラフは発症前期(9週齢)の結果を、右グラフは発症後期(13週齢)の結果を、それぞれ示す。各グラフにおいて、左カラムは野生型マウスの結果を、右カラムはSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。C図は、発症前(6週齢)のSBMAモデルマウス(AR−97Q)におけるリン酸化Srcの免疫染色の写真である。左写真は野生型マウスの結果を、右写真はSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。 A図は、マウス骨格筋を用いたウエスタンブロットによる電気泳動写真である。上3段は発症前(6週齢)の結果を、中3段は発症前期(9週齢)の結果を、下3段は発症後期(13週齢)の結果を、それぞれ示す。また、各バンドにおいて、左4列は野生型マウスの結果を、右4列はSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。B図は、A図におけるウエスタンブロットのバンドの定量結果を表す。縦軸は、Srcの総タンパク量あたりのSrcのリン酸化タンパク量の比を示す(p−Src/Src)。左グラフは発症前(6週齢)の結果を、中グラフは発症前期(9週齢)の結果を、右グラフは発症後期(13週齢)の結果を、それぞれ示す。各グラフにおいて、左カラムは野生型マウスの結果を、右カラムはSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。C図は、発症前(6週齢)のSBMAモデルマウス(AR−97Q)におけるリン酸化Srcの免疫染色の写真である。左写真は野生型マウスの結果を、右写真はSBMAモデルマウス(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。
上側の2図は、SBMA細胞モデル(NSC34)を用いたウエスタンブロットによる電気泳動写真である。当該2図において、左4列はコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、右4列はSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。下側のグラフは、上側の2図におけるウエスタンブロットのバンドの定量結果を表す。縦軸は、Srcの総タンパク量あたりのSrcのリン酸化タンパク量の比を示す(p−Src/Src)。左2カラムはコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、右2カラムはSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。
上側の2図は、SBMA細胞モデル(C2C12)を用いたウエスタンブロットによる電気泳動写真である。当該2図において、中央から左の列はコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、中央から右列はSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。下側のグラフは、上側の2図におけるウエスタンブロットのバンドの定量結果を表す。縦軸は、Srcの総タンパク量あたりのSrcのリン酸化タンパク量の比を示す(p−Src/Src)。左2カラムは、コントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、右2カラムは、SBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。 SBMA細胞モデル(NSC34)におけるSrc阻害薬の効果を表す。左端グラフはSKI−1の結果を、左から2番目のグラフはPP2の結果を、右から2番目のグラフはA419259三塩酸塩の結果を、右端グラフはサラカチニブの結果を、それぞれ示す。各グラフにおいて、縦軸は細胞生存割合を示す。また、各グラフにおいて、左端カラムはコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、真ん中と右カラムはSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。 SBMA細胞モデル(C2C12)におけるSrc阻害薬の効果を表す。左端グラフはSKI−1の結果を、左から2番目のグラフはPP2の結果を、右から2番目のグラフはA419259三塩酸塩の結果を、右端グラフはサラカチニブの結果を、それぞれ示す。各グラフにおいて、縦軸は細胞生存割合を示す。また、各グラフにおいて、左端カラムはコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、真ん中と右カラムはSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。
SBMA細胞モデル(NSC34)におけるSrcの一過性強制発現の結果を表す。右側の2図は、ウエスタンブロットによる電気泳動写真である。その中、上側の図はコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、下側の図はSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。左側のグラフは、コントロール細胞モデルとSBMA細胞モデルにおけるSrcの一過性強制発現の効果を表す。縦軸は細胞生存割合を示す。また、当該グラフにおいて、左2カラムはコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、右2カラムはSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。 SBMA細胞モデル(C2C12)におけるSrcの一過性強制発現の結果を表す。右側の2図は、ウエスタンブロットによる電気泳動写真である。その中、上側の図はコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、下側の図はSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。左側のグラフは、コントロール細胞モデルとSBMA細胞モデルにおけるSrcの一過性強制発現の効果を表す。縦軸は細胞生存割合を示す。また、当該グラフにおいて、左2カラムはコントロール細胞モデル(AR−24Q)の結果を、右2カラムはSBMA細胞モデル(AR−97Q)の結果を、それぞれ示す。
ウエスタンブロットによる電気泳動写真である。当該バンドにおいて、左3列はSBMAモデルマウスの脊髄における結果を、右3列はSBMAモデルマウスの骨格筋における結果を、それぞれ示す。当該2図において、左列(0)はHO投与群の結果を、中列(B)は0.5mg/kg/dayのA419259三塩酸塩投与群の結果を、右列(A)は5mg/kg/dayのA419259三塩酸塩投与群の結果を、それぞれ示す。 SBMAマウスモデルにおけるSrc阻害薬(A419259三塩酸塩)の効果を表す。左端グラフは、体重の推移を表す。縦軸は体重(g)を、横軸は時間(週)を、それぞれ示す。左から2つ目のグラフは、握力の推移を表す。縦軸は握力(g)を、横軸は時間(週)を、それぞれ示す。右から2つ目のグラフは、運動機能の推移を表す。縦軸は時間(秒)を、横軸は時間(週)を、それぞれ示す。右端グラフは、累積生存率の推移を表す。横軸は時間(週)を示す。また、各グラフにおいて、淡実線はSrc阻害薬の投与群(N=21)の結果を、濃実線は対照群(N=19)の結果を、それぞれ示す。
免疫染色の写真である。左側の2写真はSBMAマウスモデルの対照群の結果を、右側の2写真はSBMAマウスモデルへのSrc阻害薬投与群の結果を、それぞれ示す。 ポリグルタミン(1C2)陽性細胞の増加度合いを表す。右側の4写真は、免疫染色の写真である。当該写真において、左2写真はSBMAマウスモデルの対照群(脊髄および骨格筋)の結果を、右2写真はSBMAマウスモデルへのSrc阻害薬投与群(脊髄および骨格筋)の結果を、それぞれ示す。左側の2つのグラフは、上記免疫染色写真の結果をグラフに表したものである。左グラフは脊髄での結果を、右グラフは骨格筋での結果を、それぞれ示す。各グラフにおいて、縦軸はポリグルタミン(1C2)陽性細胞の割合(%)を示す。また、各グラフにおいて、左カラムはSBMAマウスモデルの対照群の結果を、右カラムはSBMAマウスモデルへのSrc阻害薬投与群の結果を、それぞれ示す。
本発明に係る運動ニューロン疾患治療剤(以下、「本発明治療剤」ともいう。)は、Src阻害薬を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明治療剤が対象とする運動ニューロン疾患は、上位および下位の運動ニューロン疾患であっても、下位運動ニューロンのみの疾患であっても特に制限されない。具体的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、脊髄性筋萎縮症(SMA)を挙げることができる。本発明治療剤は、特にSBMAの治療に好ましい。
本発明治療剤に含まれるSrc阻害薬としては、Srcを効果的に阻害するものであれば特に制限されないが、例えば、前記一般式(1)で表される化合物(以下、「Src化合物(1)」という。)を挙げることができる。
ここで、Src化合物(1)における置換基について、以下に説明する。
「アリール」としては、例えば、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を挙げることができ、具体的には、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルを挙げることができる。「置換基を有していてもよいアリール」における置換基としては、例えば、アルコキシ、ハロゲン、フェノキシの他、2価の基であるメチレンジオキシ、エチレンジオキシ等であって、アリール上の隣接する2つの炭素原子に置換されるものを挙げることができる。これらが任意の位置に1以上置換されうる。置換アリール基の具体例としては、5−クロロ−2,3−ベンゾジオキソール−4−イルが挙げられる。
「ヘテロアリール」としては、例えば、炭素数3〜10、酸素原子0〜1、硫黄原子0〜1、窒素原子0〜2で構成されるものを挙げることができ、具体的には、例えば、2−ピリジル、2−フリル、1,3−チアゾール−2−イルを挙げることができる。「置換基を有していてもよいヘテロアリール」における置換基としては、上記「置換基を有していてもよいアリール」における置換基と同様のものが挙げられ、より具体的には、例えば、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド−2−イルが挙げられる。
「アルキル」としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキルを挙げることができ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ、ハロゲン原子等が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3〜8のシクロアルキルを挙げることができ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを挙げることができる。「置換基を有していてもよいシクロアルキル」における置換基としては、例えば、アルキル、ピペリジル、ピペラジニル、4−メチル−1−ピペラジニルを挙げることができる。これらが任意の位置に1以上置換されうる。
「ヘテロシクロアルキル」としては、例えば、炭素数3〜8のシクロアルキルの構成炭素原子の1以上が窒素、酸素または硫黄のようなヘテロ原子に置き換わったものを挙げることができる。具体的には、例えば、テトラヒドロフラニル、オキサニル、オキソラニル、モルホリニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、ピペラジニルを挙げることができる。「置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル」の置換基としては、例えば、アルキルが挙げられ、当該アルキルは水酸基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
「ヘテロシクロアルキルオキシ」は、酸素原子の1つの結合手に上記ヘテロシクロアルキルが結合した基を表し、「置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキルオキシ」における置換基としては、例えば、アルキル、アルコキシを挙げることができる。
「アルコキシ」としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキルを挙げることができ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシを挙げることができる。「置換基を有していてもよいアルコキシ」における置換基としては、例えば、4−メチル−1−ピペラジニルを挙げることができる。これらが任意の位置に1以上置換されうる。
「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
より具体的なSrc化合物(1)としては、例えば、SKI−1、PP2、A419259、サラカチニブ(Saracatinib)、ダサチニブ(Dasatinib)を挙げることができる。これらは、いずれもSrc阻害作用を有することが知られている公知化合物であり、それぞれ下記のような構造を有する。
Src化合物(1)には、立体異性体や光学異性体が存在しうる。
また、Src化合物(1)の医薬上許容される塩としては、医薬上許容されるものであれば特に制限されないが、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、アスコルビン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。当該医薬上許容される塩には、水和物や溶媒和物も含まれる。これらの塩も含めて、以下、Src化合物(1)ともいう。
Src化合物(1)およびその医薬上許容される塩は、それ自身公知の化合物を出発原料として、常法により製造することができる。また、Src化合物(1)によっては、試薬メーカー等から購入することもできる。
本発明治療剤は、例えば、用いるSrc阻害薬を、そのまま又は医薬上許容される無毒性かつ不活性な担体中に、0.01〜99.5重量%の範囲内で、好ましくは0.5〜90重量%の範囲内で配合することによって製造することができる。
上記担体として、固形、半固形又は液状の希釈剤、充填剤、その他の処方用の助剤を挙げることができる。これらを一種又は二種以上用いることができる。
本発明治療剤の剤型としては、用いるSrc阻害薬などによって異なるが、例えば、固形又は液状の用量単位で、末剤、カプセル剤、錠剤、糖衣剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、トローチ剤等の経口投与製剤、注射剤、点滴製剤、坐剤等の非経口投与製剤のいずれの形態をもとることができる。徐放性製剤であってもよい。注射剤は、用時調製の注射用キットないし点滴用キットであってもよい。
末剤は、Src阻害薬を適当な細かさにすることにより製造することができる。
散剤は、Src阻害薬を適当な細かさにし、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールのような可食性炭水化物と混合することにより製造することができる。任意に風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料等を添加することができる。
カプセル剤は、まず上述のようにして粉末状となった末剤や散剤あるいは錠剤の項で述べるように顆粒化したものを、例えば、ゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填することにより製造することができる。滑沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールを粉末状のものに混合し、その後充填操作を行うことにより製造することもできる。崩壊剤や可溶化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取されたときの医薬の有効性を改善することができる。また、Src阻害薬の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
錠剤は、賦形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化もしくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えた後、打錠することにより製造することができる。
粉末混合物は、適当に粉末化された物質を上述の希釈剤やベースと混合することにより製造することができる。必要に応じて、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール)、溶解遅延化剤(例えば、パラフィン)、再吸収剤(例えば、四級塩)、吸着剤(例えばベントナイト、カオリン)等を添加することができる。
粉末混合物は、まず結合剤、例えば、シロップ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子物質溶液で湿らせ、攪拌混合し、これを乾燥、粉砕して顆粒とすることができる。このように粉末を顆粒化する代わりに、まず打錠機にかけた後、得られる不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可能である。このようにして作られる顆粒に、滑沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラルオイル等を添加することにより、互いに付着することを防ぐことができる。
また、錠剤は、上述のように顆粒化やスラグ化の工程を経ることなく、Src阻害薬を流動性の不活性担体と混合した後に直接打錠することによっても製造することができる。
こうして製造された錠剤にフィルムコーティングや糖衣を施すことができる。シェラックの密閉被膜からなる透明又は半透明の保護被覆、糖や高分子材料の被覆及びワックスよりなる磨上被覆をも用いることができる。
他の経口投与製剤、例えば、液剤、シロップ剤、トローチ剤、エリキシル剤もまたその一定量がSrc阻害薬の一定量を含有するように用量単位形態にすることができる。
シロップ剤は、Src阻害薬を適当な香味水溶液に溶解して製造することができる。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造することができる。
懸濁剤は、Src阻害薬等を非毒性担体中に分散させることにより製造することができる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味付与剤(例えば、ペパーミント油、サッカリン)等を添加することができる。
必要であれば、経口投与のための用量単位処方をマイクロカプセル化することができる。当該処方はまた、被覆をしたり、高分子・ワックス等中に埋め込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこともできる。
非経口投与製剤は、皮下・筋肉又は静脈内注射用とした液状用量単位形態、例えば、溶液や懸濁液の形態をとることができる。当該非経口投与製剤は、Src阻害薬の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで当該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造することができる。注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加することができる。また、安定剤、保存剤、乳化剤等を添加することもできる。同様に点滴製剤とすることもできる。
坐剤は、Src阻害薬を低融点の水に可溶又は不溶の固体、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、半合成の油脂[例えば、ウイテプゾール(登録商標)]、高級エステル類(例えば、パルミチン酸ミリスチルエステル)又はそれらの混合物に溶解又は懸濁させて製造することができる。
本発明治療剤におけるSrc阻害薬の投与量は、Src阻害薬の種類、疾患ないし障害の種類、体重、年齢等の患者の状態、剤形、投与方法、投与経路、症状の程度等によって異なる。一般には成人(体重60kg)に対して、Src阻害薬の用量として、1日当たり0.1mg/kg〜10mg/kgの範囲内が適当であり、0.5mg/kg〜5mg/kgの範囲内が好ましく、1mg/kg〜3mg/kgの範囲内がより好ましい。場合によっては、これ以下でも足りるし、また逆にこれ以上の用量を必要とするときもある。
本発明治療剤の投与方法としては、例えば、経口投与、静脈内投与、門脈内投与、皮下投与、点滴投与、局所投与(例、経粘膜投与、経鼻投与、吸入投与、経皮投与)を挙げることができる。投与回数は、有効成分の種類や用量、剤形、患者の状態等によって異なるが、例えば、1日1回〜数回又は1日〜数日間の間隔で投与することができる。
本発明治療剤は、運動ニューロン疾患を予防するため、あるいは緩和、改善するためなどに用いることもできる。それ故、本発明に係る「治療剤」には、「予防剤」や「改善剤」等としての概念も含まれる。
また、本発明には、Src阻害薬をヒトに投与することを含む、運動ニューロン疾患の治療方法(以下、「本発明治療方法」という。)も含まれる。
本発明治療方法において、Src治療薬は、用いるSrc治療薬の種類などによっても異なるが、適当な剤型に調製してヒトに投与することができる。その投与量ないし用法用量、投与方法などは、前記したものを挙げることができる。
次に試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はそれら試験例に限定されるものではない。
[試験例1]脊髄・骨格筋におけるSrcシグナル上昇の確認
(1)実験方法
SBMAのマウスモデルであるヒト変異AR(アンドロゲン受容体)トランスジェニックマウス(AR−97Q)と、ALSのマウスモデルである変異SOD1トランスジェニックマウス(G93A)について、これらのモデルマウスの主として3つの病期(発症前、発症前期、発症後期)における脊髄と骨格筋とから抽出したタンパク質サンプルを用い、Bio−plex Pro Cell Signaling Assay(Bio−rad社製)を行った。SBMAマウスモデル(AR−97Q)は、「Katsuno,et al.,Neuron.2002」の記載に基づき、ヒト変異ARをBDF1マウスの受精卵にマイクロインジェクションすることにより作成した。SOD1トランスジェニックマウス(G93A)は、The Jackson laboratory(No.002726)より購入した。抗体ビーズの種類は、GAPDH対照酵素を含めて18種類準備した。脊髄と骨格筋はマウスから採取後直ちにドライアイスで冷却したアセトンにより凍結し、サンプル調製やアッセイのプロトコールはメーカーのものに従った。全ての反応が終了した後、Luminex(登録商標)200 xPONET(登録商標)3.1システム(Merck Millipore社製)で蛍光強度を測定した。
(2)結果
SBMAマウスモデル(AR−97Q)の脊髄において、Srcは、野生型マウスと比較して発症前(6週齢)から発症後期(13週齢)まで一貫して有意差をもち上昇していた。またSrcは骨格筋においても発症前にリン酸化が上昇していた。さらにSrcの下流に存在するStat3も脊髄と骨格筋で発症前にリン酸化が有意に上昇していた。SOD1マウス(G93A)の脊髄と骨格筋においても、コントロールと比較して有意ではないもののSrcのリン酸化が1.2倍以上上昇していた。
(3)発症前にSBMAマウスモデルとALSマウスモデルの脊髄と骨格筋でSrcのリン酸化が上昇しており、Srcシグナルが両疾患に共通する早期病態シグナルである可能性が示された。
[試験例2]脊髄・骨格筋におけるSrcリン酸化の検討
(1)方法
1.ウエスタンブロット
6週齢、9週齢、13週齢のSBMAモデルマウス(AR−97Q)から採取し凍結した脊髄と骨格筋を、バッファー(50mM Tris・HCl(pH 8.0)、150mM NaCl、1% Nonidet P−40、0.5% deoxycholate、0.1% SDS、1mM 2−mercaptoethanol、Halt Protease and Phosphatase Inhibitor Cocktail(ThermoScientific社製,Waltham,MA,USA))を用いてホモジナイズした。その後超音波処理を行い、2500×gで15分間遠心した。上清を回収し、DCTM protein assay regent(Bio−rad社製)を用いてタンパク濃度を測定した。タンパク濃度を調整した上で試料用緩衝液(2ME+)(Wako社製)と混合し、95℃で5分間denatureした。サンプルを各々同量ずつゲル(SuperSepTMAce,5−20%,17well(Wako社製))にアプライし、イージーセパレーターTM(Wako社製)で200V、70分間電気泳動を行った。その結果を図1(A)(脊髄)、図2(A)(骨格筋)に示す。
その後、タンク式ブロッティング装置(Bio−rad社製)によりImmobilon−P transfer membrane(Merck Millipore社製)へ転写した。2%アルブミン溶液で1時間撹拌しブロッキングを行い、一次抗体としてphospho−Src Family(Tyr416)抗体(Cell signaling Technology社製、#2123、1:1000)、Src抗体(Cell signaling Technology社製、#2123、1:1000)、glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase(GAPDH)抗体(Merck Millipore社製、MAB374、1:2000)を用いた。二次抗体はECLTM Rabbit IgG(GE Healthcare社製、NA9340)もしくはECLTM Mouse IgG(GE Healthcare社製、NA9310)を用い、ECLTM Prime Western Blotting Detection Reagent(GE Healthcare社製、RPN2232)によりシグナルを増強させ、LAS−3000 imaging system(富士フィルム社製)で検出した。その後IMAGE GAUGE software version 4.22 (富士フィルム社製)でbandの定量を行い、SPSS Statistics 24(IBM社製)で統計解析した。その結果を図1(B)(脊髄)、図2(B)(骨格筋)に示す。
2.免疫染色
6週齢のSBMAモデルマウス(AR−97Q)から脊髄と骨格筋を採取後、10%中性緩衝ホルマリン液で後固定しパラフィンで包埋した。脊髄の染色にはphospho−Src抗体(santa cruz社製、sc−101802、1:500)、骨格筋の染色にはphospho−Src抗体(Abcam社製、ab47411、1:1000)を用いた。二次抗体はDako Envision+ System− HRP Labelled Polymer Anti−Rabbit(Dako社製、K4003)を使用し、DAB+ Chromogen(Dako社製、K3468)で発色した。その結果を図1(C)(脊髄)、図2(C)(骨格筋)に示す。
(2)結果
図1(A)および図1(B)に示した通り、ウエスタンブロットによる脊髄の解析では、SBMAマウスモデルの脊髄で6週齢、9週齢、13週齢とも野生型マウスと比較してSrcのリン酸化が上昇していた。なお、リン酸化タンパク量は、ウエスタンブロットの総タンパク量あたりのリン酸化タンパク量の比により評価した。
また、図1(C)に示した通り、リン酸化Srcの免疫染色では、6週齢のSBMAマウスモデル(AR−97Q)の脊髄ではコントロール(Wt)と比較して、運動ニューロンの細胞質にリン酸化Srcの発現がより強かった。
図2(A)および図2(B)に示した通り、ウエスタンブロットによる骨格筋の解析では、6週齢、9週齢で野生型マウスと比較してSrcのリン酸化が上昇し、13週齢では低下していた。また、図2(C)に示した通り、リン酸化Srcの免疫染色では、6週齢のSBMAマウスモデル(AR−97Q)の骨格筋ではコントロール(Wt)と比較して、骨格筋の細胞質にリン酸化Srcの発現がより強かった。
(3)ウエスタンブロットと免疫染色の結果は、試験例1に係るBio−plex Pro Cell Signaling Assayの結果と同様であり、リン酸化SrcはSBMAマウスモデルの脊髄と骨格筋において発症前から上昇していることが確認された。
[試験例3]神経幹細胞および筋芽細胞におけるSrcリン酸化の検討
(1)実験方法
マウス神経幹細胞であるNSCとマウス筋芽細胞であるC2C12に、24個もしくは97個のCAG繰り返し配列を有するfull length アンドロゲン(AR)(AR−24QまたはAR−97Q)をLipofectamine2000(Invitrogen社製)を用いてトランスフェクションした。AR−97QはSBMA細胞モデル、AR−24Qはコントロール細胞モデルとして用いた。プロトコールはメーカーのものに従った。トランスフェクションの翌日に、各細胞の培養液中にG418 disulfate salt solution(Sigma社製、G8168)が400μg/mLになるように添加し、5日〜7日毎に継代を繰り返し、単一細胞のコロニーを複数ピックアップした。それぞれのコロニーをD−MEMで培養後、最終濃度10nMの5α−Dihydrotestosterone(DHT)(Sigma社製)を添加し、24時間後に細胞を回収した。ウエスタンブロットによりfull length ARの発現量やDHTに対する反応を確認して安定発現株を作成した。
これらのSBMA細胞モデルとコントロール細胞モデルを、NSC34は2.0×10個/mL、C2C12は1.5×10個/mLの濃度に調整し、10%FCS添加D−MEM培地を用いて24ウエルプレートに播種した。翌日にNSC34は1%FCS添加D−MEM培地に、C2C12は2%馬血清添加D−MEM培地に交換し48時間培養した。10nMのDHT(コントロールにはエタノールを使用した)を添加しさらに24時間培養後、細胞を回収しウエスタンブロットを行った。一次抗体としてphospho−Src Family抗体(Cell signaling Technology社製、#2123、1:1000)、Src抗体(Cell signaling Technology社製、#2123、1:1000)、GAPDH抗体(Merck Millipore社製、MAB374、1:2000)を用いた。その結果を図3および図4に示す。
(2)結果
図3および図4に示した通り、NSC34とC2C12共に、コントロール細胞モデル(AR−24Q)と比較してSBMA細胞モデル(AR−97Q)においてリン酸化Srcの発現が上昇し、SBMA細胞モデル(AR−97Q)にDHTを添加するとリン酸化Srcはさらに上昇した。
(3)SBMA細胞モデルではコントロール細胞モデルと比較してリン酸化Srcが上昇しており、SBMAマウスモデルにおける変化(野生型マウスと比較してリン酸化Srcが上昇)と同様であった。
[試験例4]SBMA細胞モデルにおけるSrc阻害薬の効果検証
(1)実験方法
NSC34(AR−24Q、AR−97Q)は2.0×10個/mLの濃度に、C2C12(AR−24Q、AR−97Q)は1.5×10個/mLの濃度に、それぞれ調整し、10%FCS添加D−MEM培地を用いて24ウエルプレートに播種した。翌日、NSC34は1%FCS添加D−MEM培地に、C2C12は2%馬血清添加D−MEM培地に交換し分化を48時間行った。Src kinase inhibitor(SKI)であるSKI−1(Abcams社製、ab120839)、PP2(Cayman社製、13198)、A419259三塩酸塩(Tocris社製、3914)、またはSaracatinib(ChemScene社、379231−04−6)をジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma社製)で溶解して0.1mMに調整し、D−MEM培地500μLに対して1μLの薬剤を投与して、最終濃度0.2μMになるようにSBMA細胞モデルに投与した。コントロール細胞モデルとSBMA細胞モデルを用いた対照群にはD−MEM培地500μLに対してDMSOを1μL投与した。さらにDHTを最終濃度が10nMになるように添加し、24時間培養した。Cell Counting Kit−8(同仁科学研究所社製)を各ウエルに50μL滴下混合し、4時間37℃下で培養した後、マルチモードプレートリーダーEnspire(PerkinElmer社製)により吸光度測定した。プロトコールはメーカーのものに従った。その結果を図5および図6に示す。
(2)結果
図5、図6に示した通り、いずれのSrc阻害薬も、SBMA細胞モデル(神経・筋)の生存率を有意に改善した。従って、SBMA細胞モデルにおいて、Srcシグナル阻害は細胞活性を改善させることが明らかである。
[試験例5]SBMA細胞モデルにおけるSrcの一過性強制発現
(1)実験方法
NSC34(AR−24Q、AR−97Q)は2.0×10個/mLの濃度に、C2C12(AR−24Q、AR−97Q)は1.5×10個/mLの濃度に、それぞれ調整し、10%FCS添加D−MEM培地を用いて24ウエルプレートに播種した。翌日にpcDNA3 c−SRC(Addgene社製 #42206)をLipofectamine2000(Invitrogen社製)を用いてトランスフェクションした。プロトコールはメーカーのものに従った。4時間後、NSC34は1%FCS添加D−MEM培地に、C2C12は2%馬血清添加D−MEM培地に交換した。24時間分化後、DHTを最終濃度が10nMになるように添加し、さらに24時間分化させた。そこでCell Counting Kit−8(同仁科学研究所社製)を各ウエルに50μL滴下混合し、4時間37℃下で培養した後、マルチモードプレートリーダーEnspire(PerkinElmer社製)にて吸光度を測定した。また同条件において細胞を回収してウエスタンブロットを行い、リン酸化Srcの発現量を確認した。その結果を図7および図8に示す。
(2)結果
図7、図8に示した通り、AR−24QおよびAR−97Qにおいて、NSC34とC2C12ともSrcを一過性強制発現させると、Srcとリン酸化Srcの発現量は上昇し、細胞活性は有意に低下した。従って、SBMA細胞モデル(神経・筋)において、Srcシグナル活性化は細胞死を引き起こすことが明らかである。
[試験例6]SBMAマウスモデルにおけるSrc阻害薬の効果検証1
(1)実験方法
Src阻害薬の一つであるA419259三塩酸塩10mgを1540μLの水に溶解し10mMに調整した。A:5mg/kg/dayもしくはB:0.5mg/kg/dayを一匹当たり300μLずつ腹腔内投与するようにさらに水で希釈した。6週齢のSBMAマウスモデルに対して一日おきに計3回腹腔内投与し、最終日の投与4時間後に解剖して脊髄と骨格筋を採取した。リン酸化SrcとSrcの他に、生存シグナルの代表的分子であるp−p42MAPK(Thr202/Tyr204)(Cell signaling Technology社製、#4370)、p42MAPK(Cell signaling Technology社製、#4695)、p−p38MAPK(Thr180/Tyr182)(Cell signaling Technology社製、#4511)、p38MAPK(Cell signaling Technology社製、#9212)の発現量もウエスタンブロットにより確認した。その結果を図9に示す。
(2)結果
図9に示した通り、SBMAマウスモデルの脊髄と骨格筋とも、Src阻害薬であるA419259三塩酸塩の投与により、濃度依存的にリン酸化Srcの発現量が低下した。一方、p42MAPK、p38MAPKのリン酸化レベルと総タンパク量は変化しなかった。従って、A419259三塩酸塩は、SBMAモデルマウスの骨格筋だけでなく、脳血液関門を通過して脊髄にも到達しSrcシグナルを阻害することが明らかである。
[試験例7]SBMAマウスモデルにおけるSrc阻害薬の効果検証2
(1)実験方法
A419259三塩酸塩を6週齢のSBMAマウスモデルに対して0.5mg/kg/dayずつ3日に一回腹腔内投与し、対照群(溶媒である水を腹腔内投与、N=19)とA419259三塩酸塩投与群(N=21)で、体重・握力・Rotarod試験・生存率を比較した。握力(Grip)は斉藤式マウス用握力測定装置(MUROMACHI社製)を用いて測定した。運動機能(Rotarod試験)は、Economex rotarod (Colombus Instruments社製)を用いて、回転(16/分)するロッド上に各マウスを3分間乗せ落下するまでの時間を測定した。体重、握力、運動機能については13週齢においてSPSS Statistics 24を用いてt検定を行った。また、各群のマウスの生存率をKaplan−Meierを用いてデータ解析した。その結果を図10に示す。
(2)結果
図10に示した通り、体重、握力、運動機能、生存率の各評価において、Src阻害薬であるA419259三塩酸塩の投与により有意な改善効果を示した。従って、SBMAマウスモデルにおいて、Srcシグナル阻害は表現型を改善させることが明らかである。
[試験例8]SBMAマウスモデルにおけるSrc阻害薬の効果検証3
(1)実験方法
SBMAマウスモデルに6週齢からA419259三塩酸塩を投与し、13週齢で解剖を行った。薄切した脊髄のパラフィン切片を電子レンジで賦活化し、Anti−Choline Aceetyltransferase(ChAT)(Merck Millipore社製、AB144P、1:2000)で免疫染色した。HE染色は骨格筋の凍結切片を準備し型通り行った。その結果を図11に示す。
(2)結果
図11に示した通り、運動ニューロンサイズ(ChAT染色)、筋線維(HE染色)の大きさはA419259三塩酸塩の投与により改善した。従って、Src阻害薬であるA419259三塩酸塩はSBMAモデルマウスの運動ニューロンと骨格筋の萎縮を改善させることが明らかである。
[試験例9]SBMAマウスモデルにおけるSrc阻害薬の効果検証4
(1)実験方法
SBMAマウスモデルに6週齢からA419259三塩酸塩を投与し、13週齢で解剖を行った。脊髄と骨格筋の薄切検体をギ酸で賦活化し、Polyglutamine(1C2)(Merck Millipore社製、MAB1574、1:20000)で染色した。脊髄のポリグルタミン(1C2)陽性細胞については、各群3匹ずつ10切片における前角の運動ニューロンを対象にして陽性細胞の割合を計算した。骨格筋については、各群3匹ずつ10切片における500線維以上の骨格筋の核を対象にして陽性細胞の割合を計算し、SPSS Statistics 24を用いてt検定を行った。その結果を図12に示す。
(2)結果
図12に示した通り、1C2陽性細胞は、脊髄と骨格筋とも治療前後で変化はなかった。従って、Src阻害薬であるA419259三塩酸塩の作用点はポリグルタミンの凝集を減らすことではなく、ポリグルタミン凝集の下流であると考えられる。
本発明治療剤は、SBMAやALS、SMAなどの運動ニューロン疾患を治療など行う場合に有用であるから、例えば医薬品産業において利用可能性がある。

Claims (8)

  1. Src阻害薬を有効成分として含有することを特徴とする、運動ニューロン疾患治療剤。
  2. 運動ニューロン疾患が、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または脊髄性筋萎縮症(SMA)である、請求項1に記載の治療剤。
  3. Src阻害薬が、次の一般式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項1または2に記載の治療剤。
    式(1)中、Rは、H、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいアリール、または置換基を有していてもよいヘテロアリールを表す。Rは、Hを表す。Rは、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルを表す。
    XおよびYは、XがHを表し、Yが置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキルを表すか、またはXとYとが一緒になって−C(R)=C(R)−C(R)=C(R)−、−C(R)=C(R)−N(R)−、または−C(R)=N−N(R)−を表す。Rは、H、置換基を有していてもよいアリール、または置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキルオキシを表す。R、R、およびRは、同一または異なって、Hまたは置換基を有していてもよいアルコキシを表す。Rは、H、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいシクロアルキルを表す。
  4. Src阻害薬が、SKI−1、PP2、A419259、サラカチニブ(Saracatinib)、もしくはダサチニブ(Dasatinib)、またはそれらの医薬上許容される塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の治療剤。
  5. Src阻害薬をヒトに投与することを含む、運動ニューロン疾患の治療方法。
  6. 運動ニューロン疾患が、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または脊髄性筋萎縮症(SMA)である、請求項5に記載の治療方法。
  7. Src阻害薬が、前記一般式(1)で表される化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項5または6に記載の治療方法。
  8. Src阻害薬が、SKI−1、PP2、A419259、サラカチニブ(Saracatinib)、もしくはダサチニブ(Dasatinib)、またはそれらの医薬上許容される塩である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の治療方法。
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