JPWO2019004081A1 - 領域評価システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

領域評価システムは、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する効用評価手段501を備える。

Description

本発明は、移動体の運航に用いられる領域を評価する領域評価システム、領域評価方法および領域評価プログラムに関する。
ドローンなどの無人航空機(Unmanned Aircraft System,UAS)を空輸等に活用することが検討されている。UASの活用のためには、UASの運航計画およびそれに用いられる領域を管理する機構が必要となる。そこで、そのようなUASの運航管理(UAS Traffic Management,UTM)の方法が種々検討されている。
UASに限らず移動体の運航を管理する運航管理システムでは、移動体のコンフリクトを回避するための工夫が求められる。移動体のコンフリクト回避の1つの方法として、全ての移動体の運航計画やその運航に用いられる領域を1つの管制システムが集中して管理する集中型の運航管理システムが考えられる。
しかし、集中型の運航管理システムは、運航計画の承認要求が大量に積み重なると、各運航計画の整合性を考慮しつつ迅速に承認を行うのが困難であるとともに、障害時に全ての運航が停止してしまう等の問題があり、好ましくない。
そこで、分散型の運航管理システムを考える。具体的には、複数の運航管理システムのそれぞれに、割り当てた領域に対する移動体の運航計画の承認権限を委譲し、各運航管理システムが、自身に割り当てられた領域内において各移動体の運航を管理する分散型の運航管理システムを考える。
このような分散型の運航管理システムによれば、各運航管理システムに排他的に領域を割り当てることにより、異なる運航管理システム間での移動体のコンフリクトを回避しつつ、運航計画の承認処理を各運航管理システムが独立して行うことができるので、上記の問題を回避できる。
しかし、分散型の運航管理システムでは、各運航管理システムにおいて、いかに自身が管理する移動体の運航にとって効用の高い領域を確保できるかが重要となる。運航に用いる領域を評価する技術に関連して、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特開2017−033232号公報
特に、分散型の運航管理システムでは、それぞれが運航サービスに柔軟性を持たせられるように、運航管理システムの独立性は高い方が望ましい。このため、各運航管理システムが、自身が管理する移動体の運航計画に基づいて自立的に領域を申請できるようにしたり、交渉により運航管理システム同士で占有領域の授受ができるようにするなどして、各運航管理システムの独立性を高めていくことが考えられる。
このとき、各運航管理システムが、より効用の高い領域を申請したり、他の運航管理システムとの間で効果的な占有領域の交渉をするためには、運航に用いられる領域の効用を、自身が管理する運航計画に従って適正に評価することが求められる。
このような領域評価の重要性は、分散型の運航管理システムに限らず、例えば、それぞれが自律的に自身の運航計画に用いられる領域の占有権を確保しつつ動作する移動体同士における領域交渉の場においても適用される。
また、領域交渉に限らず、例えば、移動体の運航を管理する権限を有するもの(該移動体自身を含む)が、自らの申請や許諾等の行動により経路選択の対象とされる領域(以下、経路選択領域という)が変更されるような全ての状況において、該変更に伴う領域の効用を評価することは重要であるといえる。
なお、特許文献1に記載の方法は、経路選択領域を風速の影響によって変更したり、風速の影響を制約として含むコスト関数を用いて、最新の経路選択領域における最適経路を求めるのみであって、上記のような経路選択領域の変更に伴う領域の効用を評価するものではない。例えば、特許文献1に記載の方法は、風速の影響により使用できなくなった近傍ボクセルの効用(損失)や、他者から新たに領域を確保する場合の該領域の効用が、目的とする運航計画においてどの程度であるかといったことを判断するものではない。
そこで、本発明は、運航に用いられる領域の効用を、指定された運航計画に従って適正に評価できる領域評価システム、領域評価方法、領域評価プログラムを提供することを目的とする。
本発明による領域評価システムは、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する効用評価手段を備えたことを特徴とする。
本発明による領域評価方法は、情報処理装置が、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価することを特徴とする。
本発明による領域評価プログラムは、コンピュータに、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、運航に用いられる領域の効用を、指定された運航計画に従って適正に評価できる。
運航管理システム20を含む移動体運航システム100の概略構成図である。 領域管理システム10における管理対象領域の分類を示す説明図である。 領域評価手段30の構成例を示すブロック図である。 領域のイメージ図である。 領域のイメージ図である。 領域のイメージ図である。 領域評価手段30の動作の一例を示すフローチャートである。 領域評価手段30の動作の一例を示すフローチャートである。 領域評価手段30の動作の一例を示すフローチャートである。 ノードマップとコストの例を示す説明図である。 単純なAスター法による最適経路計画アルゴリズムの疑似コードを示す説明図である。 第1次経路探索処理および第2次経路探索処理の疑似コードを示す説明図である。 マップ内の領域の識別子とグラフ表現の例を示す説明図である。 マップの例を示す説明図である。 第1次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。 第1次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。 第2次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。 第2次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。 第2次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。 効用の算出結果を示す説明図である。 効用算出の適用例(他者占有領域の追加)を示す説明図である。 効用算出の適用例(他者占有領域の追加)を示す説明図である。 効用算出の適用例(自己占有領域の減少)を示す説明図である。 効用算出の適用例(自己占有領域の減少)を示す説明図である。 効用算出の適用例(自己占有領域の減少)を示す説明図である。 効用算出の適用例(他者占有と自己占有の交換)を示す説明図である。 効用算出の適用例(交換交渉)を示す説明図である。 第1次経路探索処理および第2次経路探索処理の疑似コードの他の例を示す説明図である。 第2次経路探索処理における経路探索の例および効用算出例を示す説明図である。 交渉領域の設定例を示す説明図である。 ノードマップの例を示す説明図である。 RRT法による最適経路計画アルゴリズムの疑似コードを示す説明図である。 図32に示す疑似コードに即したノードマップの例を示す説明図である。 第2例の領域評価アルゴリズムの処理結果の例を示す説明図である。 経路探索と効用の算出例を示す説明図である。 移動体の向きに応じた移動可能な方向の例を示す説明図である。 移動体の位置と向きに応じた移動可能な方向の例を示す説明図である。 移動体の位置と向きに応じた移動可能な方向の例を示す説明図である。 時間拡張グラフを示す説明図である。 時間拡張グラフを用いた経路探索及び効用の算出例を示す説明図である。 時間拡張グラフを用いた経路探索及び効用の算出例を示す説明図である。 時間拡張グラフを用いた経路探索及び効用の算出例を示す説明図である。 時間拡張グラフを用いた経路探索及び効用の算出例を示す説明図である。 本発明の実施形態にかかるコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の領域評価システムの概要を示すブロック図である。
実施形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の運航管理システム20を含む移動体運航システム100の概略構成図である。なお、本発明の領域評価システムは、運航管理システム20の一構成要素(後述する領域評価手段30)として組み込まれている。
図1に示すように、本実施形態の運航管理システム20は、領域管理システム10の配下に属し、領域管理システム10に対して領域の申請を行って割り当てられた自己占有領域内において移動体の運航管理を行うことを前提とする。なお、領域管理システム10には、複数の運航管理システム20が属している。
また、領域管理システム10への領域申請や、割り当てられた領域内における移動体の運航計画の作成、領域管理システム10または他の運航管理システム20との領域交渉等は別途行われるものとして、本実施形態では、これらに関する情報が適宜参照可能であるとする。
なお、運航管理システム20は、必ずしも領域管理システム10の配下に属していなくてもよい。例えば、領域管理システム10とは独立に、複数の運航管理システム20が運営されているようなシステム構成もありうる。
移動体運航システム100において、領域は、各々の運航管理システム20に排他的に割り当てられるものとする。割り当て後の領域内における移動体の運航管理は、割当先の運航管理システム20に委譲される。割当先の運航管理システム20以外は、交渉して領域そのものを得ない限り、該領域を移動体の運航に使用することはできない。このような制約を運航管理システム20の各々に課すことにより、異なる運航管理システム20間での移動体のコンフリクトを回避する。
図2に示すように、領域管理システム10の管理対象領域は、「利用可能領域」と「利用不可領域」とに大別される。また、「利用可能領域」は、さらに「占有領域」と「非占有領域」とに大別される。ここで、「利用可能領域」は、移動体の運航に利用できる領域である。「利用不可領域」は、建物や天候等の物理条件や緊急時の対応等で一般の移動体が運航に利用できない領域である。換言すると、「利用不可領域」は「利用可能領域」以外の領域である。また、「非占有領域」は、「利用可能領域」のうちいずれの運航管理システム20にも占有されていない領域である。「非占有領域」は、いずれかの運航管理システム20が予約すれば、その時間帯において該運航管理システム20の「占有領域」となる。また、「占有領域」は、いずれかの運航管理システム20が使用中または使用予定の領域である。なお、「占有領域」を、運航管理システム20からの申請等により、その時間帯に対して当該運航管理システム20に割り当てられる領域ということも可能である。
また、以下では、ある運航管理システム20から見て、自身に割り当てられた占有領域を「自己占有領域」といい、他者に割り当てられた占有領域を「他者占有領域」という場合がある。また、「占有領域」のうち割当先の運航管理システム20が交渉可能であると設定された領域を「交渉可能領域」といい、交渉不可能であると設定された領域を「交渉不可領域」という場合がある。また、「占有領域」もしくは「交渉可能領域」のうち、自身にとって交渉の対象となる領域を「交渉領域」という場合がある。
図3は、本実施形態の運航管理システム20が備える領域評価手段30の構成例を示すブロック図である。本実施形態の領域評価手段30は、以下に示す各構成要素を用いて、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域(本例では、自己占有領域)が増加および/または減少した場合の変更前後の移動体の運航計画に基づいて、変更後の経路選択領域のうち少なくとも指定された領域の効用を算出する。
図3に示す例では、領域評価手段30は、変更前コスト算出部301と、変更後コスト算出部302と、効用算出部303とを含む。
変更前コスト算出部301は、指定された運航計画に対して、変更前の経路選択領域を用いて、該領域内における運航経路に基づく移動コストを算出する。変更前の経路選択領域の一例としては、運航計画にかかる時間帯に対し、現時点で確定している非占有領域、自己占有領域またはこれらの組み合わせが挙げられる。
変更後コスト算出部302は、指定された運航計画に対して、変更後の経路選択領域を用いて、該領域内における運航経路に基づく移動コストを算出する。ここで、変更後の経路選択領域は、上記の変更前の経路選択領域の少なくとも一部を変更した領域とする。なお、領域の「変更」には、領域の追加、領域の減少、領域の追加および減少(例えば、交換)が含まれる。変更後の経路選択領域の一例としては、運航計画にかかる時間帯に対し、(a)現時点で確定している自己占有領域から、非占有領域の一部または他者占有領域の一部を追加した後の領域、(b)現時点で確定している自己占有領域からその一部を減少させた後の領域、(c)現時点で確定している自己占有領域から、非占有領域の一部または他者占有領域の一部を追加し、かつ自己占有領域の一部を減少させた後の領域などが挙げられる。
効用算出部303は、変更前の経路選択領域での移動コストの算出結果と、変更後の経路選択領域での移動コストの算出結果とに基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる指定領域の、指定された運航計画に対する効用を算出する。
ここで、移動コストは、ある経路に沿ってスタート(出発位置)からゴール(到着位置)まで移動体が移動する際の、その経路の評価値である。移動コストが低いほど、好ましい経路と言える。また、以下では、ある条件下で最も低い移動コストで到着位置まで移動できる経路を、その条件下での最適経路または最適解と呼ぶ場合がある。なお、自己占有領域内における運航経路は1つに限定されない。例えば、複数の運航経路を設定し、各々の運航経路に基づく移動コストを算出することも可能である。
移動コストの算出は、例えば、コスト関数を用いることができる。コスト関数は、指定された経路にかかる移動コストを計算する計算式である。ここで、コスト関数には、移動距離、移動時間、消費エネルギ、経路上の各点における障害物との距離などが要素として含まれうる。なお、コスト関数=「移動距離」と「障害物との距離」との重み付け和とする等、これらのうち複数の要素を組み合わせてコスト関数を定義してもよい。コスト関数の定義によって、経路探索の最適解は異なる。
また、本実施形態では、領域の「効用」を、その領域が自身にとってどの程度「得」または「損」となるかを表す値として定義する。したがって、指定された運航計画に対する領域の効用は、該運航計画で示されるスタートからゴールまで到達する問題において、該領域が自分にとってどの程度「得」または「損」があるかを表す値とされる。例えば、効用は、その領域を使用することにより、基準とされる移動コストと比べて、より低い移動コストでゴールまで到達できる場合にプラスの値となり、より高い移動コストでゴールまで到達できる場合にマイナスの値となる。なお、複数の運航計画が指定される場合、変更後の移動コストの高低を、指定された運航計画群に対し設定される運航経路の移動コストの合計で判定してもよい。他の方法としては、移動コストの最大値よりも高くなるか否かまたは移動コストの最小値よりも低くなるか否かで判定する方法などが挙げられる。
具体例として、変更によって新たな領域が使用可能になる場合において、その領域を使用することによって、変更前と比べて運航計画にかかる移動コストが低くなる場合には、その新たな領域はプラスの効用となる。一方、変更後も移動コストが変わらない場合には、その新たな領域の効用をゼロとしてもよい。
他の具体例として、変更によってこれまでの領域の一部が使用不可になる場合において、その領域を使用しないことによって、運航計画にかかる移動コストが高くなる場合には、その一部の領域はマイナスの効用となる。一方、変更後も移動コストが変わらない場合には、その一部の領域の効用をゼロとしてもよい。
他の具体例として、変更により、新たな領域が使用可能になるとともにこれまでの領域の一部が使用不可になる場合において、変更後の領域を用いることにより移動コストが変更前と比べて低くなる場合には、変更後の領域で用いられる経路上の領域をプラスの効用とし、それ以外の領域の効用をゼロとしてもよい。一方、変更後の領域を用いることにより移動コストが変更前と比べて高くなる場合には、変更前の領域で用いられる経路上の領域をマイナスの効用とし、それ以外の領域の効用をゼロとしてもよい。なお、他の方法としては、領域を追加した場合の効用を求めた上で、そこから領域を減少させた場合の効用を求め、それらを足し合わせたものを、変更領域(増加分および減少分)に対する効用としてもよい。
なお、変更の対象となった領域だけでなく、他の領域の効用も算出可能である。その場合、変更前の領域での移動コストと比較して変更後の領域での移動コストが低くなる場合に、変更後の領域で用いられる経路上の領域をプラスの効用、それ以外の領域の効用をゼロとしてもよい。一方、変更前の領域での移動コストと比較して変更後の領域での移動コストが高くなる場合には、変更前の領域で用いられる経路上の領域をマイナスの効用、それ以外の領域の効用をゼロとしてもよい。なお、効用の算出方法は、これらの限りではない。
効用の算出は、例えば、効用関数を用いることができる。効用関数は、指定された領域の効用を計算する計算式である。効用関数は、例えば、指定された領域を変更前もしくは変更後に含む領域に対して算出される、変更前の移動コストおよび変更後の移動コストを要素として含む。効用関数の一例は、変更前の移動コスト−変更後の移動コストである。すなわち、変更に伴う移動コストの減少分または増加分を効用としてもよい。以下、「損失」といった場合、負の効用を表す。
変更前の経路選択領域は、例えば、領域管理システム10が管理する領域情報から取得可能である。また、変更後の経路選択領域は、例えば、領域情報と、当該運航管理システム20において領域申請や領域交渉等を行う上位の処理部などが生成した領域変更の対象を示す領域変更情報とから取得可能である。また、運航計画は、例えば、当該運航管理システム20が管理する移動体の運航に関する情報である運航情報から取得可能である。また、効用の算出対象とされる領域(指定領域)は、例えば、変更対象とされた領域や、変更前と変更後の経路選択領域の全て等予め定めておいてもよいし、それら領域のうち所定の条件を満たした領域(たとえば、変更前または変更後に運航経路もしくはその候補に使用される領域)とすることも可能である。なお、変更前の経路選択領域、変更後の経路選択領域、運航計画および指定領域を、効用の算出要求の際に都度、要求元(たとえば、当該運航管理システム20において領域申請や領域交渉等を行う上位の処理部等)が指定することも可能である。
領域情報は、少なくとも当該運航管理システム20の自己占有領域がわかる情報を含む。領域情報は、例えば、取得可能な運航計画にかかる時間帯における運航管理システム20の管理対象領域の占有状況を示す情報を含んでいてもよい。領域情報は、例えば、所定の時間帯ごとの占有領域の割当状況(予約を含む)を示す情報であってもよい。
また、運航情報は、移動体の運航の出発位置と到着位置とを少なくとも含む。なお、運航情報は、移動体の運航の現時点での経路計画を示す情報であってもよく、現時点で計画されている運航経路や、該運航経路における移動コストや、到着時刻・経由点といった制約を示す情報をさらに含んでいてもよい。なお、運航情報から変更前の経路選択領域での移動コストが取得可能な場合、変更前コスト算出部301は省略可能である。
なお、図示省略しているが、運航管理システム20が、自身が管理する移動体の運航情報を保持する情報保持部や、領域管理システム10が管理する領域情報を受信するデータ受信部を備えていてもよい。
本実施形態では、移動体の運航に用いる領域として、2次元または3次元の空間を想定する。その上で、該空間を所定の管理単位に分割したものを、「領域」(または「空域」)の1単位として定義する。各領域は、運航管理システム20に排他的に割り当てられる。図4(a)は、2次元空間において定義される領域の例を示す説明図であり、図4(b)は、3次元空間において定義される領域の例を示す説明図である。
また、図5に示すように、領域は時間毎に割り当てられ、各運航管理システム20は自身に割り当てられた領域の中から、移動体が現在位置する領域に対して隣接する領域を選択してルートを形成する。以下では、説明を簡単にするため、移動体の運航経路として2次元に拡がる領域を例示するが、該経路が3次元に拡がる領域にも適用可能であることは当業者であれば容易に想像されるであろう(図6参照)。
次に、本実施形態の領域管理システム10の動作を説明する。図7〜図9は、領域評価手段30の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示す例では、まず、領域評価手段30は、領域情報、運航情報、領域変更情報を取得する(ステップS101)。
次に、領域評価手段30の変更前コスト算出部301が、変更前の経路選択領域を使って、指定された運航計画に対して、経路計画を導出し、その移動コストを算出する(ステップS102)。
次に、領域評価手段30の変更後コスト算出部302が、変更後の経路選択領域を使って、指定された運航計画に対して、経路計画を導出し、その移動コストを算出する(ステップS103)。なお、ステップS103を、ステップS102よりも先に行うことも可能である。また、ステップS102とステップS103とを並列で行うことも可能である。
次に、領域評価手段30の効用算出部303が、変更前後の経路計画とその移動コストに基づいて、指定領域の効用を算出する(ステップS104)。
図8は、経路選択領域が増加する場合の領域評価手段30の動作の例を示すフローチャートである。なお、ステップS101〜ステップS104の動作は図7と同様のため、説明を省略する。ただし、本例では、領域変更情報として、追加対象の領域を示す情報が入力される。また、指定領域は、追加対象の領域または追加対象の領域を含む変更後の経路選択領域とされる。
図8に示す例では、指定領域の効用が算出されると、領域評価手段30が、変更領域(本例では、追加対象の領域)中に、効用がプラスである領域があるか否かを判定する(ステップS205)。変更領域中に効用がプラスである領域があった場合(ステップS205のYes)、当該領域を交渉領域またはその候補に設定する(ステップS206)。
また、領域評価手段30は、変更前の経路選択領域中に効用がゼロである領域があるか否かを判定してもよい(ステップS207)。なお、ステップS207は、変更により使用されなくなる領域の有無を判定する処理である。そのような領域があった場合(ステップS207のYes)、当該領域を交渉可能領域またはその候補に設定してもよい(ステップS208)。
また、図示省略しているが、領域評価手段30は、変更後の経路選択領域であって変更前の経路選択領域にも含まれている領域中に効用がプラスである領域があるか否かを判定してもよい。なお、当該処理は、変更後も使用される変更前の領域の有無を判定する処理である。そのような領域があった場合、当該領域を交渉不可領域またはその候補に設定してもよい。
また、図9は、経路選択領域が減少する場合の領域評価手段30の動作の例を示すフローチャートである。なお、ステップS101〜ステップS104の動作は図7と同様のため、説明省略する。ただし、本例では、領域変更情報として、削減対象の領域を示す情報が入力される。また、指定領域は、削減対象の領域または削減対象の領域を含む変更前の経路選択領域とされる。
図9に示す例では、指定領域の効用が算出されると、領域評価手段30が、変更領域(本例では、削減対象の領域)中に、効用がマイナスである領域があるか否かを判定する(ステップS305)。そのような領域があった場合(ステップS305のYes)、当該領域を交渉不可領域またはその候補に設定する(ステップS306)。
また、領域評価手段30は、変更前の経路選択領域中に、効用がゼロである領域があるか否かを判定してもよい(ステップS307)。なお、ステップS307は、既に有している領域の中で変更後も使用されない領域の有無を判定する処理である。そのような領域があった場合(ステップS307のYes)、当該領域を交渉可能領域またはその候補に設定してもよい(ステップS308)。
また、図示省略しているが、領域評価手段30は、変更領域に限らず、変更前の経路選択領域中に効用がマイナスである領域があるか否かを判定してもよい。そのような領域があった場合、当該領域を交渉不可領域またはその候補に設定してもよい。
次に、具体例を示しながら効用の算出方法とその適用例について説明する。まず、具体例において利用するA(Aスター)法について簡単に説明する。
Aスター法は、最適経路計画アルゴリズムの1つである。例えば、図10に示すようなノードマップ(領域のグラフ表現)があったとする。ここで、丸印は、ノードを表し、中の数字はノードの識別子を表す。なお、Sはスタート、Gはゴールである。各ノードは、経路選択領域内のいずれか1つの領域(管理単位の領域)に対応する。ノードを繋ぐ線(エッジや枝と呼ばれる)はそれらノード間を移動する経路を表し、経路上に付された数字は該経路の移動にかかるコスト(移動コスト)を表す。
このとき、マップ上の任意のノードnの評価関数f(n)は次のように表される。ここで、評価関数f(n)は、上述のコスト関数(ただし、スタートからnまでの経路に対する)に相当する。また、g(n)はnからスタートまでのコストを表し、h(n)はnからゴールまでの推定コストを表す。また、h(n)はnからゴールまでの実際のコストを表す。
f(n)=g(n)+h(n) ・・・(1)
図10に示す例に当てはめた場合、ノードAの評価値f(A)=g(A)+h(A)=2+3=5である。また、ノードBの評価値f(B)=g(B)+h(B)=1+10=11である。また、ノードGの評価値f(G)=g(G)+h(G)であるが、Gまでの経路探索の結果、g(G)=g(A)+c(A,G)=2+4=6と更新されるため、f(G)=6+0=6と算出できる。Aスター法では、h(n)≦h(n)のとき最適解が保証される。ここで、c(α,β)は、α−β間の実コストを表す。
図11は、単純なAスター法による最適経路計画アルゴリズムの疑似コードを示す説明図である。図11に示す最適経路計画アルゴリズムは、スタートとゴールのペアが指定された経路選択領域のグラフを入力とし、スタートからゴールまでの経路を出力する。なお、処理は第4行から開始される。
第4行では、探索対象ノードを格納したオープンリストOが空になるまで第5行〜第13行の処理を繰り返し、オープンリストOが空になると処理を終える。なお、第4行の前処理として、オープンリストOにはスタートノードが1つ格納される。また、本例では、各ノードのh()は既知であるが、g()は未知であるとする。なお、g()はスタートから順次ノードを探索する際に親ノードの評価値f()と、親ノードから自ノードまでの移動コストe(親,自)とを基に算出される。初期値として、現時点での最小評価値を示すf_minの値を、オープンリストO内の最大を表す値にする。
第5行で、オープンリストOから、コストf(n)<f_minとなるノードnを取り出す。次いで、第6行で、ノードnをオープンリストOから削除するとともに、探索終了ノードを格納するクローズドリストCに入れる。次いで、第7行で、もし、ノードnがゴールノードならばWhile文を抜け、処理を終了する。そうでなければ、第8行に進む。
第8行では、nの隣接ノードのうち、クローズドリストCに入っていないノードmを全て開く(マップから取り出す)。
次いで、第9行で、ノードmがオープンリストOに入っているか否かを判定する。もし入っていなければ、第10行で、このときのnのf(n)とコストc(n,m)に基づき、f(m)を計算した上で、ノードmをオープンリストOに加える。このとき、nをmの親と仮に定めておく。ここで、c(n,m)はn−m間の移動コストを表す。
第11行目では、ノードmがオープンリストOに入っている場合において、g(n)+c(n,m)<g(m)を満たすか否かを判定する。満たす場合、次の第12行目で、より低コストでmまで到達可能なnをmの親として更新する。ここで、このときのnのf(n)とコストc(n,m)に基づき、f(m)も更新される。
なお、第13行で示すように、ノードmがオープンリストOに入っている場合であって、上記の条件を満たさない場合には、特に何もしない。
第5行〜第13行までの一連の処理を終えると、第4行に戻る。
オープンリストOが空になる(全てのマップを探索しおえる)まで以上の処理を繰り返すことにより、最終的に、クローズドリストCにおいて最短経路または経路なしを示すノード木が作成される。従って、ノード木においてゴールから親を順に辿ってスタートまで到着できれば、最適解が得られる。もし、オープンリストOが空になってもゴールまで到達できる経路が発見できない場合は、探索失敗とされる。なお、上記の繰り返しは、オープンリストOが空になるまでに、ゴールまで到達する経路がみつかり、かつ、他により低いコストのノードがオープンリストにない状態になったときに終了することも可能である。
次に、本例の領域評価アルゴリズムについて説明する。本例の領域評価アルゴリズムは、Aスター法による最適経路計画を領域評価用に拡張した経路探索アルゴリズムを利用して、変更領域の効用を算出するものである。
概要は次の通りである。第1例の領域評価アルゴリズムは、まず、通常のAスター法による最適経路計画アルゴリズムを利用して、変更前の経路選択領域に対して経路探索を行い、最適経路およびそのコストを導出する(第1次経路探索処理)。次に、経路探索を行った領域内のノードであって変更ノードに隣接したノードのうち、コストが最小のものから経路の再探索を開始する(第2次経路探索処理)。第2次経路探索処理では、変更後の経路選択領域内で最小コストの経路が見つかった時点で処理を終了してもよい。最後に、変更領域の効用を、以下の式(2)を用いて算出する。
変更領域の効用=
変更前(領域追加前)の経路選択領域での最適経路のコスト−変更後の最小コスト
・・・(2)
ここで、領域追加前の経路選択領域は、例えば、非占有領域であってもよい。また、追加領域は、他者占有領域や他者の交渉可能領域であってもよい。また、上記の式(2)は、変更領域のうち領域追加後の経路選択領域における経路上の領域にのみ適用することも可能である。その場合において、該経路上の領域以外の領域の効用をゼロとしてもよい。
また、上記のアルゴリズムは、領域減少の場合も適用可能である。その場合、上記の「領域追加後の経路選択領域」を「減少前の経路選択領域」(すなわち変更前後でより広い方の経路選択領域)と読み替え、上記の「領域追加前の経路選択領域」を「減少後の経路選択領域」(すなわち変更前後でより狭い方の経路選択領域)と読み替えればよい。
また、図12は、本例の領域評価アルゴリズムに利用される、第1次経路探索処理および第2次経路探索処理の疑似コードを示す説明図である。以下、図11に示したAスター法による最適経路計画アルゴリズムと異なる部分を主に説明する。
第1次経路探索処理では、第7行および第8行が追加されている。ここで、第7行は、取り出したノードnを第2次経路探索処理で再探索の対象とするか否かを判定している。ここでは、ノードnが変更ノードに隣接しているノードであるか否かを判定している。もしそうであれば、次の第8行で、クローズドリストCではなく再探索リストRに追加する。ここで、変更ノードは変更領域に対応するノードである。例えば、変更ノードは、追加領域に対応する追加ノードや減少領域に対応する減少ノードである。
また、第13行で、クローズドリストCだけでなく再探索リストRにも入っていないことを条件に加えている。
一方、第2次経路探索処理では、オープンリストOに代えて再探索リストRを、探索対象のオープンリストとして用いる点以外は、図11に示したAスター法による最適経路計画アルゴリズムと同様である。
このように、第1次経路探索処理の結果を利用することで、領域追加後の経路探索処理にかかる時間を削減できる。
次に、2次元マップを用いてコストの算出結果を提示しつつ、本例の領域評価アルゴリズムをより詳細に説明する。以下では、マップ内のノード(領域)を次のように識別する。図13は、マップ内の領域の識別子とグラフ表現の例を示す説明図である。図13(a)に示すように、マップは、管理単位の各領域が2次元的にX方向とY方向に接続されてなる2次元マップとする。図中左下の領域を領域a1_1、領域a1_1の+X方向に接続される領域を領域a2_1、領域a1_1の+Y方向に接続される領域を領域a1_2とする。また、領域a1_1に対応するノードをノードn1_1という。ここで、領域の識別子およびノードの識別子のうち1番目の数字がx座標、2番目の数字がy座標を表す。
今、図14に示すように、10×8の領域があったとする。なお、当該マップ内における領域の属性は図のとおりである。また、運航計画により、経路の探索対象とするスタートとゴールのペアが、(S,G)=(n1_1,n10_6)で与えられたとする。
また、本例では、4方向(+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向)のみ移動可能とする。また、h()はマンハッタン距離を用いる。
図15および図16は、第1次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。第1次経路探索処理では、変更前の経路選択領域を対象にして経路が探索される。まずノードnとしてスタートノードであるノードn1_1が選択される。そして、ノードmとして、その隣接ノードn2_1、ノードn1_2が選択され、親ノードとコストが付与される(図15参照)。
次いで、ノードnとして、親ノードが設定済みのノードであって移動先の探索が済んでいないノードの中から最小コストのノードn2_1、ノードn1_2が選択される。そして、それらの隣接ノードn2_2、ノードn1_3、ノードn3_1について、親ノードとコストが付与される。なお、最小コストのノードnが複数ある場合には、その各々について隣接ノードの探索および該隣接ノードに対する親ノードとコストの付与を行えばよい。
上記処理を、探索対象のノードが無くなるまで続けていき、ゴールノードであるノードn10_6に到達すると、図16に示すように、最短経路が得られる。なお、本例の最適経路のコストすなわち変更前の最適経路のコストは、ゴールノードの親ノードのf(n10_7)に基づき、f(G)=f(n10_7)+0=18とされる。
また、第1次経路探索処理では、ノードnを選択した際に、ノードnが追加ノードに隣接しているノードである場合には、ノードnを再探索ノードとして保持する(再探索リストRに追加する)。図15には、再探索リストRに追加されるノードの例も示されている(図中の破線枠を参照)。
図17〜図19は、第2次経路探索処理における経路探索の例を示す説明図である。第2次経路探索処理では、第1次経路探索処理で作成された再探索リストRから探索対象のノードを選択する。本例では、まず再探索リストRからノードnとして最小コストのノード(図15の破線枠で示されるノード)が選択される。なお、最小コストのノードnが複数ある場合には、例えば、ゴールまでの推定距離hが最小のものを選択してもよい。ノードnが選択された後は、通常のAスターアルゴリズムに従い、対象領域内を探索すればよい(図17参照)。
なお、第2次経路探索処理では、ゴールに到達する最小コスト経路を見つけた時点で、再経路探索を終了することも可能である(図18参照)。
なお、図19には、第2次経路探索処理の結果、探索された変更後の経路選択領域における最適経路が示されている。なお、本例において変更後の最小コストは、ゴールノードの親ノードのf(n10_5)に基づき、f(G)=f(n10_5)+0=14とされる。
図20は、効用の算出結果を示す説明図である。図20に示すように、上記の結果から式(2)より、変更領域のうち変更後の経路上の3つの領域(領域a10_3,領域a10_4,領域a10_5)の効用=変更前f(G)−変更後f(G)=18−14=4と算出される。
次に、図21〜図27を参照して、効用算出の適用例をいくつか示す。図21は、2つの運航管理システム間で占有領域の交渉を行うことを想定して、他者占有領域の追加にかかる効用の算出例を示している。図21(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、4×5の領域において、図21(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路のコストはf(G)=10である。なお、図21では、運航管理システム20の1つまたはその事業者であるユーザAから見た領域の属性を示している。
図21(b)は、変更後の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。本例の最適経路のコストはf(G)=4である。本例の変更領域(追加領域)は、図中の「交渉可能(ユーザB占有)」領域である。
図21(c)は、上記の結果から、交渉領域とその効用の例を示す説明図である。図21(c)に示す例では、変更領域のうち効用がプラスとなる領域すなわち変更後の経路上の領域を交渉領域とし、その効用を算出している。具体的には、領域a1_2,領域a1_3,領域a1_4の3つの領域を交渉領域とし、その効用を10−4=6と算出している。本例では、効用関数を、他者の占有を排除することによる経路長の変化分としている。
図22も、2つの運航管理システム間で占有領域の交渉を行うことを想定して、ユーザBにとっての、他者占有領域の追加にかかる効用の算出例を示している。図22では、ユーザAとは異なる運航管理システム20の1つまたはその事業者であるユーザBから見た領域の属性を示している。なお、図22(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、4×5の領域において、図22(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路のコストはf(G)=6である。
図22(b)は、変更後の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。本例の最適経路のコストf(G)=4である。本例の変更領域(追加領域)は、図中の「交渉可能(ユーザA占有)」領域である。
図22(c)は、上記の結果から、交渉領域とその効用の例を示す説明図である。図22(c)に示す例でも、変更領域のうち効用がプラスとなる領域すなわち変更後の経路上の領域を交渉領域とし、その効用を算出している。具体的には、領域a4_2,領域a4_3,領域a4_4の3つの領域を交渉領域とし、その効用を6−4=2と算出している。本例でも、効用関数を、他者の占有を排除することによる経路長の変化分としている。
なお、上記では、領域が追加される場合の効用の算出例を示したが、領域は減少する場合もある。以下では、自己占有領域(現在の経路選択領域)の一部を渡すことにより自身の運航計画にとってどれだけの損失があるかを考える。
損失の算出は、例えば次のように行ってもよい。まず、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれているか否かを判定する。もし含まれていない場合、自身の運航計画に影響が生じないため、該領域の損失はゼロとする。
含まれている場合、変更後(減少後)の経路選択領域を用いて、他の解の候補を探索する。このとき、新たに探索を行ってもよいし、過去の計算結果を保持しておいてそれを参照しながら探索を行うことも可能である。他の解(代替経路)の候補が発見された場合、対象領域を渡すことによる損失を、以下の式(3)により算出する。なお、他の解が発見されない場合、対象領域は交渉不可(例えば、損失無限大)とする。
対象領域の損失=代替経路のコスト−変更前の経路のコスト ・・・(3)
図23〜図25は、自己占有領域の一部を相手が要求してきた場合に、その要求された領域を渡すことによる効用(損失)の算出例である。
まず、図23の損失の算出例を説明する。図23(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、5×5の領域において、図23(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路は図の通りであってそのコストはf(G)=4である。また、図23(b)は、変更後(領域を渡した場合)の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。本例の最適経路は図の通りであってそのコストはf(G)=8である。
このような場合における変更領域の損失(マイナスの効用)は、例えば次のように求められる。すなわち、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれており、かつ他の解が見つかったため、対象領域の損失=8−4=4と計算される。なお、この場合の対象領域の効用=−(8−4)=−4である。
図24は、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれない場合の損失の算出例を示す説明図である。図24(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、5×5の領域において、図24(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路は図の通りであってそのコストはf(G)=4である。また、図24(b)は、変更後(領域を渡した場合)の経路選択領域における最適経路を示す説明図である。
図24(a)および(b)に示すように、本例では、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれない。したがって、対象領域の損失はゼロと計算される。なお、この場合の対象領域の効用=−(0)=0である。
また、図25は、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれる場合であって、他の解がない場合の損失の算出例を示す説明図である。図25(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、4×5の領域において、図25(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路のコストはf(G)=6である。
また、図25(b)は、変更後(領域を渡した場合)の経路選択領域における最適経路を示す説明図である。変更後の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。本例では、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれているため、他の解を探索するが、解が見つからないため、コストを無限大とする。
なお、図25では、ユーザBから見た領域の属性を示しており、変更領域はユーザBの自己占有領域の一部とされる。
図25(c)は、上記の結果から、交渉不可領域の設定とその効用の例を示す説明図である。すなわち、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれており、かつ他の解が見つからないため、対象領域を交渉不可領域としている。
なお、図25(c)に示すように、その効用をマイナス無限大としてもよい。また、上記以外にも、例えば、効用=0−変更前のコストとし、そのまま交渉領域とすることも可能である。このようにすれば、マイナスの効用(損失)を、それを補う他の領域を確保するための指標として用いることができる。
なお、領域が減少する場合において、変更後の経路選択領域に対して代替経路を探索する際に、変更後の経路選択領域に、他の領域(非占有領域や他者占有領域)を加えることも可能である。なお、他者占有領域には、交渉相手またはそれ以外のユーザの占有領域や交渉可能領域などが含まれる。
また、図26は、2つの運航管理システム間で占有領域の交渉を行うことを想定して、自己占有領域の減少および他者占有領域の追加(互いの占有領域の交換)にかかる効用の算出例を示している。図26(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、4×5の領域において、図26(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路のコストはf(G)=6である。なお、図26では、ユーザBから見た領域の属性を示している。
図26(b)は、変更後の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。本例の自己占有領域の減少と他者占有領域の追加後の最適経路のコストf(G)=4である。なお、本例の変更領域(追加領域と減少領域)は、図中の「交渉可能(ユーザA占有)」領域と「ユーザA交渉対象(ユーザB占有)」領域である。なお、本例は、ユーザAから交渉の第1ステップとして「ユーザA交渉対象(ユーザB占有)」が要求された後に、該領域の代わりに「交渉可能(ユーザA占有)」の少なくとも一部を要求することを想定している。
図26(c)は、上記の結果から、各変更領域の効用の例を示す説明図である。図26(c)に示す例では、変更領域のうち減少領域の効用と増加領域の効用とを分けて算出している。本例では、増加領域中に代替経路が発見されたため、増加領域中の該経路上の効用をプラスにし、減少領域の効用をゼロとしている。具体的には、減少領域である領域a1_2,領域a1_3,領域a1_4の3つの領域については、その効用をゼロと算出し、増加領域である領域a4_2,領域a4_3,領域a4_4の3つの領域については、その効用を、6−4=2と算出している。
なお、上記の例は、変更後のコストが低下しており、かつ減少領域に変更後の経路が含まれていない場合の例である。例えば、変更後のコストが増加した場合は、減少領域の効用をマイナス無限大(もしくは0−変更前のコスト)とし、増加領域のコストをゼロとしてもよい。また、例えば、変更後のコストが低下した場合であって、減少領域に変更後の経路が含まれている場合は、該経路上の領域の効用を、マイナス無限大(もしくは0−変更前のコスト)としてもよい。
図27は、ユーザAとユーザB間で互いの交渉領域が交換された場合の変更前後の最適経路とそのコストの例を示す説明図である。図27に示すように、相手から提示された交渉領域の効用と相手の交渉可能領域の効用とを適正に評価することによって、交渉が成立しやすくなり、結果としてお互いにとってメリットのある領域交換を実現しやすくなる。
図27(a)は交換前のユーザAとユーザBの経路計画を示し、図27(b)は交換後のユーザAとユーザBの経路計画を示している。また、図27(c)はユーザAとユーザBが交換によって得られる効用を示している。実際には、交渉相手の経路計画や効用は隠される場合が多いため、自身にとっての領域の本来的な価値(自己の運航計画における効用)を適切に評価することによって、不利な交渉を防いだり、交渉を有利に進めることができる。
なお、上記の例では、第2次経路探索処理で、変更後の経路選択領域に対して最適経路が探索された時点で処理を終了したが、変更後の経路選択領域に対して複数の経路を導出して各々コストと効用とを求めることも可能である。
図28は、第1次経路探索処理および第2次経路探索処理の疑似コードの他の例を示す説明図である。以下、図12に示した疑似コードと異なる部分を主に説明する。なお、第1次経路探索処理は図12に示した疑似コードと同じである。
本例の第2次経路探索処理では、第22行および第24行が異なっている。本例の第22行は、再探索リストRから、p番目までの最小コストを保持する変数f_min_pよりも小さいコストのノードnを取ります。ここで、f_min_1≦f_min_2≦...≦f_min_pである。なお、本例では、p番目までの最小コストとともに、そのノードも保持する。
また、第24行は、探索の終了条件を示しており、本例では、ノードnがゴールノードでかつp個までの最小コストの経路が見つかっていれば、While文を抜け、処理を終了する。
図29は、第2次経路探索処理における経路探索の例および効用算出例を示す説明図である。図29(a)は、変更前の経路選択領域における最適経路とそのコストを示す説明図である。今、6×5の領域において、図29(a)のような領域割当および運航計画がされていたとする。本例の最適経路のコストはf(G)=10である。
図29(b)は、変更後の経路選択領域におけるp=3個までの最小コスト経路とそのコストを示す説明図である。本例の1番目の最小コスト経路(最適経路)は図中の破線の丸印1番で示されている経路であって、そのコストはf(G)=4である。また、本例の2番目の最小コスト経路は図中の破線の丸印2番で示されている経路であって、そのコストはf(G)=6である。また、本例の3番目の最小コスト経路は図中の破線の丸印3番で示されている経路であって、そのコストはf(G)=8である。
図30は、図29に示す例での交渉領域の設定例を示す説明図である。図30に示すように、複数(p個)の最小コスト経路が導出された場合には、その各々に基づいて、交渉領域やその効用を算出することができる。本例では、変更領域のうち1番目の最小コスト経路上の領域を第1の交渉領域とし、その効用は10−4=6と算出される。また、変更領域のうち2番目の最小コスト経路上の領域を第2の交渉領域とし、その効用は10−6=4と算出される。また、変更領域のうち3番目の最小コスト経路上の領域を第3の交渉領域とし、その効用は10−8=2と算出される。
このように、複数の領域に対して効用が求まると、複数の交渉領域を効用とともに提示できる。
また、上記の例では、移動方向として隣接する4方向のみの場合を示しているが、移動方向はこれに限られない。例えば、8方向移動や16方向移動なども可能である。
また、上記の例では、h()にマンハッタン距離を用いて移動コストを求めているが、いかなるコスト関数を用いてもよい。例えば、ユークリッド距離、移動距離、消費エネルギーなどを要素に含むコスト関数を用いてもよい。
また、上記の例では、格子状のマップを例に説明したが、マップの表現はこれに限定されない。例えば、木構造のようなマップに対しても上記のアルゴリズムを適用可能である。
また、上記の例では、経路探索を行う際にAスターアルゴリズムを利用したが、他の経路計画アルゴリズムを利用することも可能である。他の経路計画アルゴリズムの例としては、RRT(Rapidly-Exploring Random Trees)アルゴリズムが挙げられる。
図31は、RRT法による最適経路計画アルゴリズムのノードマップの例を示す説明図である。ここで、丸印は、ノードを表す。なお、Sはスタート、Gはゴールである。各ノードは、自由空間上の経路選択領域内のいずれか1つの領域(管理単位の領域)に対応する。ノードを繋ぐ線(エッジ、枝)はそれらノード間を移動する経路を表す。なお、ノード間の経路長はΔqとされる。
RRT法では、自由空間からランダムに点をサンプリングし、木の枝を追加していくことで経路を探索する。経路を繋ぐ際に障害物との干渉をチェックし、干渉がない点を木に加える。これらを所定のサンプリング回数繰り返し、ゴールノードに到達できれば、スタートからゴールまでの解(経路)が得られる。
RRT法は、高次元の状態空間でも比較的高い計算効率で経路を探索することができる。しかし、得られた解の最適性は保償されない。なお、RRTの拡張版として漸近最適性が保証されるRRTアルゴリズムなどがあるが、最も基本的なRRT法を例に用いる。
図32は、RRT法による最適経路計画アルゴリズムの疑似コードを示す説明図である。図32に示す最適経路計画アルゴリズムは、スタートノードの位置q0と、サンプリング回数nと、ステップ間隔Δqとを入力とし、スタートからゴールまでの木Tを出力する。ここで、木T=(V,E)である。Vはノード集合を表し、Eはエッジ集合を表す。なお、処理は第4行から開始される。
第4行では、Vを{q0}とする。また、次の第5行では、Eを空集合とする。続いて、第6行で、i=1とし、iがサンプリング回数nになるまで第7行〜第12行の処理を繰り返す。
第7行では、自由空間からランダムに点q_randをサンプリングする。次の第8行で、木Tからq_randの最近傍ノードq_nearを選択する。次の第9行で、q_nearとq_randを繋ぐ線分上でq_nearからΔq離れた点q_newを計算する。
次の第10行で、q_newとq_nearを繋ぐエッジe(q_new,q_near)が障害物の外か否かを判定し、もしそうであれば、第11行に進む。
第11行では、Vにq_newを追加する。次の第12行ではEにe(q_new,q_near)を追加する。
以上の一連の処理(第7行〜第12行の処理)をサンプリング回数n分繰り返すと、木Tを返して処理を終了する。図33に、本疑似コードに即したノードマップの例を示す。
次に、第2例の領域評価アルゴリズムを説明する。本例の領域評価アルゴリズムは、RRT法による最適経路計画を領域評価用に拡張した経路探索アルゴリズムを利用して、変更領域の効用を算出するものである。
概要は次の通りである。第2例の領域評価アルゴリズムは、まず、RRT法を利用して変更前の経路選択領域を探索し、経路およびそのコストを算出する(第1次経路探索処理)。その際、探索の途中でサンプリングした点q_randやq_newが変更領域に含まれる場合、その点を再探索対象として保持しておく(図34(a)参照)。
次いで、保持しておいた再探索対象点を起点としてRRT法を利用して変更後の経路選択領域を対象に再探索を行い、ゴールまでの経路を計算する(第2次経路探索処理)。
次いで、変更後の領域で探索された経路に沿ったある幅のある領域を交渉領域(もしくは効用算出の対象とする変更領域)とする(図34(b)および図34(c)参照)。最後に、該領域(交渉領域もしくは該変更領域)の効用を、式(2)を用いて算出する。経路のコストを、スタートからゴールまでのノード間距離(ここでは、各ノード間の距離を1で一定とする)の和として計算した場合、図34(c)の例では、変更領域の効用=8−5=3と算出される。なお、図34は、第2例の領域評価アルゴリズムの処理結果の例を示す説明図である。
なお、領域追加でなく減少の場合は、第1例の場合と同様、対象領域(変更領域)に自分の解(変更前に使用予定の経路)が含まれているか否かを判定した上で、式(3)により損失を求めた上で、効用を算出すればよい。
以上、具体例を提示しつつ、本実施形態の領域評価アルゴリズムについて説明したが、領域評価アルゴリズムは、これらに限定されない。また、領域探索アルゴリズムも、経路計画アルゴリズムで広く使用されているAスター法やRRT法に限定されない。
また、効用算出の適用例として、2ユーザ間(1ユーザ対1ユーザ)での領域変更を示したが、ユーザが3以上であっても適用できる。例えば、1対多や、多対多も可能である。
また、上記例では、領域の効用が移動距離に比例する場合を例示したが、評価関数はこれに限定されない。また、効用を求めたいユーザのミッション内容や緊急性等により変化させてもよい。一例として、目的に緊急で行く必要がある場合には、経路の移動距離や移動時間に応じて領域の効用またはその元となる移動コストが非線形に変化することや、目標時間までに到着できない経路であれば該経路にかかる領域の効用をゼロにすることなどが挙げられる。
また、上記例では、変更領域の例として、ユーザの占有領域(他者占有領域または自己占有領域)のうち当該ユーザが交渉可能として設定した領域を挙げたが、変更領域はこれに限定されない。例えば、増加分の変更領域の他の例としては、特定のユーザ(交渉相手など)の交渉可能領域や、特定のユーザの占有領域や、利用不可領域以外の領域(この場合、どのユーザが占有しているかは問わない)などが挙げられる。
なお、不特定の2以上のユーザの占有領域または交渉可能領域を増加分の変更領域として用いる場合には、経路上の領域を所持しているユーザのうちの一部のユーザから領域の獲得が失敗すると、その経路を使用できなくなるおそれがある。このような場合には、出来るだけ交渉を行うユーザが少なくかつ移動コストの低い経路を選択することが望ましい。この解法としては、対象領域の保持ユーザ数を制約条件に加えて経路を求めることが挙げられる。また、ユーザAの交渉可能領域のみを追加したときと、ユーザBの交渉領域のみを追加したときのそれぞれについて追加領域に対する効用を算出し、最も効用が高いユーザの領域を交渉領域に設定することも可能である。また、複数ユーザとの交渉を問題視しない場合(緊急時など)は、制約なく解を求めることも可能である。または、ユーザ数=1のとき、ユーザ数=2のとき、ユーザ数=3のとき、...というように問題を分けて解き、各問題に対して追加領域の効用を求めてもよい。
また、上記では、1ユーザに対して1つの運航計画(ゴールとスタートのペア)が設定される例を示したが、1ユーザに対して複数の運航計画が設定される場合もある。その場合、運航計画の各々に対して、代替経路(変更後の領域における経路)とそのコストを算出して、変更領域の効用を個別に算出する。なお、図35(a)に示すように、経路が重なる場合は、該経路上の領域の最終的な効用を、例えば、運航計画ごとの効用の和、運航計画ごとの効用の重み付け和(運航計画に優先度がある場合などに有効)、運航計画ごとの効用の最大値(増加分)もしくは最小値(減少分)としてもよい。
なお、各運航計画の効用は、既に説明したように、仮想的に、経路選択領域が増加および/または減少したときの変更前後の当該経路選択領域における、スタートからゴールまでの運航にかかる、ある指定された部分領域(たとえば、変更領域内の一部または全部)の、該変更に伴う移動コストの増加分もしくは減少分に基づいて算出されればよい。
また、上記では、1ユーザに対して1つのゴールが設定される例を示したが、複数の経由点が指定されている場合もありうる。図35(b)には、そのような複数の経由点が設定された運航計画に対する経路の例が示されている。その場合、経路探索において全ての経由点を順に通過する経路を探索し、その移動コストを算出すればよい。例えば、上記の経路探索アルゴリズムにおいて、各経由点を第1のゴール,第2のゴール,...として入力すればよい。
また、領域探索アルゴリズムで、移動体の通過する位置(領域)のみを考える経路計画問題を例に挙げたが、移動体の経路上の各点における向きや姿勢を考慮することも可能である。例えば、固定翼型ドローンのように、機体の向きに応じて移動可能な方向が制限される場合は、図36に示すように、各点における向きに応じて移動可能な方向を決定すればよい。
また、向きや姿勢を考慮して経路を探索する方法の一例としては、上記のAスターによる探索に使用するノードを、「位置」+「向き」の組み合わせにより表現することが挙げられる。位置が同じでも向きが異なる場合には、「隣接ノード」の条件が異なるようにグラフを定義すればよい。なお、Aスター以外にも向きを考慮した経路の探索が可能なアルゴリズムは多数存在する。
図37は、移動体の位置と向きに応じた移動可能な方向の例を示す説明図である。図37において、各ノードは(x,y,θ)で表される。ここで、θは移動体の向きである。本例は、同じ向きで前方移動または45°回転して前方移動のみが許可される例である。なお、同じ位置で向きの変更(その場で旋回)はできないものとした。なお、これらの条件は、移動体の形態や領域の大きさによって異なり得る。
また、図38に示すように、変更に伴い、位置が同じでも向きが異なると隣接ノードの条件も異なるため、向きを考慮した経路探索を行う。なお、図38に示す例では、非占有領域のみを通過する場合の移動コストが6であるのに対して、他者占有領域を加えた場合の移動コストが4であることから、変更領域であって変更後の経路上の領域の効用を2と算出している。なお、移動コストや領域の効用の計算式は同様のものが使用できる。
さらに、いわゆる「経路計画」ではなく、各通過位置における通過時間や速度・加速度などの情報を含んだものを導出する「軌道計画」として問題を解くことも可能である。
また、上記例では、領域割当が変化しない一定の時間枠内での探索を考えたが、領域の割当状況は時間とともに変化する。移動距離に対して変化時間が短い場合などは、探索する次元に時間方向の軸を加えて、領域探索や経路探索や軌道探索を行うことも可能である。
例えば、ロボット分野では、移動体が通過する一連の位置と姿勢のセットを「経路」と呼ぶ場合があり、この場合の経路には、各点を通過する時刻や速度については考慮しない。これに対して、経路に対して各位置の通過時刻や速度をも指定したものは「軌道」と呼ばれている。軌道計画によれば、各位置の通過時刻を含めて算出することで、到着時刻を明示的に保障することができる。また、各位置の通過速度を含めて算出することで、移動体が確実にその速度で通過できるかを明示的に保障することができる。換言すると、移動体の速度や加速度などの制限を考慮した実現可能な計画を立案できる。
軌道計画方法の一例としては、文献「C.Richer, et.al, "Polynomial trajectory planning for aggressive quadrotor flight in dense indoor environments", ISRR 2013」に記載された方法が挙げられる。なお、当該方法は、RRTアルゴリズムによりスタートからゴールまでの経路の点(x,y,z,向き)を計算した上で、これらの点を繋ぐ軌道を時間に関する多項式として、速度および加速度の制約条件の下で数値最適化を行って解を得るものである。
なお、軌道計画に対する効用の算出方法の例としては、次の方法が挙げられる。まず、変更前の領域を用いた最適軌道(位置+時刻)に対して移動コストを算出する。次に、変更後の領域を用いて最適軌道を計算し、その移動コストを算出する。そして、変更領域のうち、変更後の軌道にある幅を加えた領域について、上記と同様に、式(2)や式(3)等を用いて効用を算出する。なお、この場合、時間とともに対象領域もその効用も変化しうる。
図39は、時間軸を考慮した探索に用いるグラフの例である時間拡張グラフを示す説明図である。図39に示すように、各ユーザは、例えば、時刻とともに不必要な占有領域を解放していく。解放された占有領域は非占有領域となる。このような時間拡張グラフを用いて経路の探索を行うことで、時間軸を考慮した探索が行える。
図40〜図43は、時間拡張グラフを用いた経路探索及び効用の算出例を示す説明図である。まず、図40に示すように、時間軸方向にも展開される変更前の領域を用いて最適軌道(位置+時刻)を探索し、その移動コストを算出する。本例では、移動コスト=距離とする。なお、変更前の領域の最適軌道の移動コストは4と算出される。
次に、図41に示すように、経路(軌道)に沿って自己占有領域を定義する。なお、図42に示すように、目標到達時刻、移動体の速度などに応じて軌道の取り方は複数考えられる。図42に示す例では、時刻t2までスタート地点で待機し、時刻t3でスタートからゴールまで移動する。図42にはそのような軌道の例と、その軌道に基づいて設定される自己占有領域の例が示されている。なお、時刻t4では未使用となった占有領域を解放して非占有領域としている。
このようにして、他者占有領域を獲得したときとそうでないときの最適軌道およびその移動コストを得る。なお、効用の計算自体は時間方向の探索を行わない場合と同様でよい。ただし、効用の算出対象とする時間帯枠によって比較対象とするコストが異なる点に注意する。
例えば、図40に示す例において、時刻t0内のみを探索した場合、非占有領域のみを使用した経路は迂回ルートとなり、移動コスト=10とされる(図21(a)参照)。その状態に対して、時刻t0内のみにおいて他者占有領域を含む変更後の経路を求めると、最適経路が設定され、移動コスト=4となる(図21(b)参照)。この場合、時間軸方向を考慮しないと追加領域に対する効用が10−4=6と算出される。
一方、時間軸方向を考慮して探索を行うと、図42に示すように、非占有領域のみを使用してゴールまで移動することができる。時刻t4までに到達できれば十分で、かつ効用に距離のみを考えた場合、時刻t0で他者占有領域を獲得することの効用を、4−4=0と算出することもできる。
また、例えば、時刻t1までに到達する必要があり、かつできるだけ短い距離で行きたい場合には、時刻t0での他者占有領域を獲得することに効用(10−4=6)が発生する。このように、どの時間帯枠で他者に領域の追加交渉をしたり、他者から交渉を受けるかによって、領域の効用は変化する。
例えば、図43に示すように、時刻t0を変更交渉の時間帯枠とした場合、領域a1_2,領域a1_3,領域a1_4の3つの領域に対して効用=6が発生する。また、例えば、時刻t1を変更交渉の時間帯枠とした場合、領域a1_3,領域a1_4の2つの領域に対して効用=6が発生する。また、例えば、時刻t2を変更交渉の時間帯枠とした場合、領域a1_4の1つの領域に対して効用=6が発生する。また、例えば、時刻t3を変更交渉の時間帯枠とした場合、変更前の領域(非占有領域)のみで最適経路が得られるので、効用を得られる追加領域はなしとされる。
以上のように、本実施形態によれば、運航に用いられる領域の効用を、指定された運航計画に従って適正に評価できる。
次に、本発明の実施形態にかかるコンピュータの構成例を示す。図44は、本発明の実施形態にかかるコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。コンピュータ1000は、CPU1001と、主記憶装置1002と、補助記憶装置1003と、インタフェース1004と、ディスプレイ装置1005と、入力デバイス1006とを備える。
上述した運航管理システムは、例えば、コンピュータ1000に実装されてもよい。その場合、各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置1003に記憶されていてもよい。CPU1001は、プログラムを補助記憶装置1003から読み出して主記憶装置1002に展開し、そのプログラムに従って上記の実施形態における所定の処理を実施する。
補助記憶装置1003は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例として、インタフェース1004を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1000に配信される場合、配信を受けたコンピュータは1000がそのプログラムを主記憶装置1002に展開し、上記の実施形態における所定の処理を実行してもよい。
また、プログラムは、各実施形態における所定の処理の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、プログラムは、補助記憶装置1003に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで上記の実施形態における所定の処理を実現する差分プログラムであってもよい。
インタフェース1004は、他の装置との間で情報の送受信を行う。また、ディスプレイ装置1005は、ユーザに情報を提示する。また、入力デバイス1006は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
また、実施形態における処理内容によっては、コンピュータ1000の一部の要素は省略可能である。例えば、ユーザから直接情報の入力を受け付けないのであれば、入力デバイス1006は省略可能であるし、ユーザに直接情報を提示しないのであれば、ディスプレイ装置1005は省略可能である。
また、本システムの各構成要素の一部または全部は、汎用または専用の回路(Circuitry)、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実施される。これらは単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。また、本システムの各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
次に、本発明の領域管理システムの概要を説明する。図45は、本発明の領域管理システムの概要を示すブロック図である。図45に示す領域評価システム50は、効用評価手段501を備えている。
効用評価手段501(例えば、領域評価手段30、効用算出部303)は、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する。
効用評価手段501は、例えば、仮想的に、経路選択領域を増加および/または減少させたときの、移動体の運航計画に対する変更前後の経路選択領域における運航経路の、当該変更に伴う移動コストの増加分もしくは減少分に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価してもよい。
上記構成によれば、運航に用いられる領域の効用を、指定された運航計画に従って適正に評価できる。
なお、上記の実施形態は以下の付記のようにも記載できる。
(付記1)経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する効用評価手段を備えた
ことを特徴とする領域評価システム。
(付記2)前記効用評価手段は、仮想的に、経路選択領域を増加および/または減少させたときの、前記運航計画に対する変更前後の経路選択領域における運航経路の、当該変更に伴う移動コストの増加分もしくは減少分に基づいて、前記一部の領域の効用を評価する付記1記載の領域評価システム。
(付記3)前記効用評価手段は、仮想的に、経路選択領域を増加させたときの変更後の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路を探索した結果、前記変更前の最適経路と比べて移動コストが低い運航経路が発見された場合に、増加対象とされた領域に含まれる当該運航経路上の領域の効用を、当該変更に伴う移動コストの減少分に基づいて評価する付記1または付記2に記載の領域評価システム。
(付記4)前記効用評価手段は、増加後の経路選択領域を用いて前記運航経路を探索した結果、増加前の最適経路と比べて移動コストが低い運航経路が発見された場合に、増加対象とされた領域に含まれる当該運航経路上の領域以外の領域の効用をゼロと評価する
付記3記載の領域評価システム。
(付記5)前記効用評価手段は、経路選択領域の減少に伴う効用であって、減少対象とされた領域に、前記運航計画に対する減少前の領域における最適経路上の領域が含まれる場合に、減少対象とされた領域に含まれる当該最適経路上の領域の効用を、当該変更に伴う移動コストの増加分に基づいて、評価する付記1から付記4のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記6)前記効用評価手段は、減少対象とされた領域に、変更前の最適経路上の領域が含まれている場合に、減少対象とされた領域に含まれる当該最適経路上の領域を、前記減少の対象から除外する付記1から付記5のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記7)前記効用評価手段は、変更前の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路およびその移動コストを導出する第1のコスト導出手段と、変更後の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路およびその移動コストを導出する第2のコスト導出手段と、変更前の経路選択領域を用いたときの前記運航経路およびその移動コストと、変更後の経路選択領域を用いたときの前記運航経路およびその移動コストとに基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を算出する効用算出手段とを含む付記1から付記6のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記8)前記効用算出手段は、変更対象とされた領域または該領域に含まれる変更前もしくは変更後の経路上の領域の効用を算出する付記7記載の領域評価システム。
(付記9)前記第2のコスト導出手段は、第1のコスト導出手段が運航経路およびその移動コストを導出する際に求めた移動コストもしくは移動先に関する情報を利用して、変更後の経路選択領域における運航経路およびその移動コストを導出する付記7または付記8に記載の領域評価システム。
(付記10)前記第2のコスト導出手段は、前記第1のコスト導出手段が導出した最適経路の移動コストよりも低い移動コストとなる運航経路を、所定数満たすまで探索し、その結果を出力し、前記効用算出手段は、変更前の経路選択領域を用いたときの最適経路に対する、前記第2のコスト導出手段によって探索された運航経路の各々の移動コストの増加分または減少分に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を算出する付記7から付記9のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記11)運航経路の探索において、時間軸方向の探索が行われる付記7から付記10のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記12)運航経路の探索において、向き、姿勢、速度または加速度の情報が用いられる付記7から付記11のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記13)追加の対象とされる領域には、他のユーザが占有している占有領域が含まれる付記1から付記12のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記14)減少の対象とされる領域には、自身が占有している占有領域が含まれる付記1から付記13のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
(付記15)情報処理装置が、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価することを特徴とする領域評価方法。
(付記16)コンピュータに、経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する処理を実行させるための領域評価プログラム。
以上、本実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば、上記の実施形態および具体例では、分散型の運航管理システムにおいて、領域申請や領域交渉用に効用を算出する例を示したが、効用の用途は上記に限定されない。例えば、自らの申請や許諾等の行動により経路選択の対象とされる領域が変更されるような全ての状況において、該変更の可否等を判断するためにも使用できる。
この出願は、2017年6月30日に出願された日本特許出願2017−128392を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、分散型の運航管理システムにおける領域交渉に限らず、自らの申請や許諾等の行動により経路選択の対象とされる領域が変更される状況において、該変更の可否を判断する等の用途にも好適に適用可能である。
100 移動体運航システム
10 領域管理システム
20 運航管理システム
30 領域評価手段
301 変更前コスト算出部
302 変更後コスト算出部
303 効用算出部
50 領域評価システム
501 効用評価手段
1000 コンピュータ
1001 CPU
1002 主記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 インタフェース
1005 ディスプレイ装置
1006 入力デバイス

Claims (16)

  1. 経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する効用評価手段を備えた
    ことを特徴とする領域評価システム。
  2. 前記効用評価手段は、仮想的に、経路選択領域を増加および/または減少させたときの、前記運航計画に対する変更前後の経路選択領域における運航経路の、当該変更に伴う移動コストの増加分もしくは減少分に基づいて、前記一部の領域の効用を評価する
    請求項1記載の領域評価システム。
  3. 前記効用評価手段は、仮想的に、経路選択領域を増加させたときの変更後の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路を探索した結果、前記変更前の最適経路と比べて移動コストが低い運航経路が発見された場合に、増加対象とされた領域に含まれる当該運航経路上の領域の効用を、当該変更に伴う移動コストの減少分に基づいて評価する
    請求項1または2に記載の領域評価システム。
  4. 前記効用評価手段は、増加後の経路選択領域を用いて前記運航経路を探索した結果、増加前の最適経路と比べて移動コストが低い運航経路が発見された場合に、増加対象とされた領域に含まれる当該運航経路上の領域以外の領域の効用をゼロと評価する
    請求項3記載の領域評価システム。
  5. 前記効用評価手段は、経路選択領域の減少に伴う効用であって、減少対象とされた領域に、前記運航計画に対する減少前の領域における最適経路上の領域が含まれる場合に、減少対象とされた領域に含まれる当該最適経路上の領域の効用を、当該変更に伴う移動コストの増加分に基づいて、評価する
    請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  6. 前記効用評価手段は、減少対象とされた領域に、変更前の最適経路上の領域が含まれている場合に、減少対象とされた領域に含まれる当該最適経路上の領域を、前記減少の対象から除外する
    請求項5に記載の領域評価システム。
  7. 前記効用評価手段は、
    変更前の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路およびその移動コストを導出する第1のコスト導出手段と、
    変更後の経路選択領域を用いて、前記運航計画に対する運航経路およびその移動コストを導出する第2のコスト導出手段と、
    変更前の経路選択領域を用いたときの前記運航経路およびその移動コストと、変更後の経路選択領域を用いたときの前記運航経路およびその移動コストとに基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を算出する効用算出手段とを含む
    請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  8. 前記効用算出手段は、変更対象とされた領域または該領域に含まれる変更前もしくは変更後の経路上の領域の効用を算出する
    請求項7記載の領域評価システム。
  9. 前記第2のコスト導出手段は、前記第1のコスト導出手段が運航経路およびその移動コストを導出する際に求めた移動コストもしくは移動先に関する情報を利用して、変更後の経路選択領域における運航経路およびその移動コストを導出する
    請求項7または請求項8に記載の領域評価システム。
  10. 前記第2のコスト導出手段は、前記第1のコスト導出手段が導出した最適経路の移動コストよりも低い移動コストとなる運航経路を、所定数満たすまで探索し、その結果を出力し、
    前記効用算出手段は、変更前の経路選択領域を用いたときの最適経路に対する、前記第2のコスト導出手段によって探索された運航経路の各々の移動コストの増加分または減少分に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を算出する
    請求項7から請求項9のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  11. 運航経路の探索において、時間軸方向の探索が行われる
    請求項7から請求項10のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  12. 運航経路の探索において、向き、姿勢、速度または加速度の情報が用いられる
    請求項7から請求項11のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  13. 追加の対象とされる領域には、他のユーザが占有している占有領域が含まれる
    請求項1から請求項12のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  14. 減少の対象とされる領域には、自身が占有している占有領域が含まれる
    請求項1から請求項13のうちのいずれかに記載の領域評価システム。
  15. 情報処理装置が、
    経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する
    ことを特徴とする領域評価方法。
  16. コンピュータに、
    経路選択の対象とされる領域である経路選択領域が変更された場合の、移動体の運航計画に対する変更前後の領域における運航経路に基づいて、変更前または変更後の経路選択領域に含まれる少なくとも一部の領域の効用を評価する処理
    を実行させるための領域評価プログラム。
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