実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、eNB207と、Home−eNB206とに分類される。通信システム200は、複数のeNB207を含むeNB群203−1と、複数のHome−eNB206を含むHome−eNB群203−2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
Home−eNB206は、MME部204とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB206とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのMME部204に対して、複数のHome−eNB206が接続される。あるいは、Home−eNB206は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)205を介してMME部204と接続される。Home−eNB206とHeNBGW205とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW205とMME部204とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB206が一つのHeNBGW205と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW205は、一つまたは複数のMME部204と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部204およびHeNBGW205は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207およびHome−eNB206と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203およびHeNBGW205は、E−UTRAN201を構成する。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB206間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB206間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB206間で制御情報が通信される。MME部204からは、HeNBGW205はHome−eNB206として見える。Home−eNB206からは、HeNBGW205はMME部204として見える。
Home−eNB206が、HeNBGW205を介してMME部204に接続される場合および直接MME部204に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB206とMME部204との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
図3は、本発明に係る通信端末である図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図3に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307から基地局203に送信信号が送信される。
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図3では省略しているが、各部301〜309と接続している。
図4は、本発明に係る基地局である図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図4に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)、HeNBGW205などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータはEPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図4では省略しているが、各部401〜410と接続している。
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図5では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
HeNBGW通信部504は、HeNBGW205が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME204aとHeNBGW205との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部504から受信した制御データは、HeNBGW通信部504から制御プレイン制御部505へ渡される。制御プレイン制御部505での処理の結果は、PDN GW通信部501経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部505で処理された結果は、基地局通信部502経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局203へ送信され、またHeNBGW通信部504経由で1つあるいは複数のHeNBGW205へ送信される。
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505−1、SAEベアラコントロール部505−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505−3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるHome−eNB206のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505−3で行われてもよい。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図6は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ701を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ701に比べて範囲が小さいカバレッジ702を有する。
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。図7に示すセルの構成では、参照符号「704」または「705」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合がある。
また、参照符号「705」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合もある。移動端末(UE)703は、例えばスモールセルのカバレッジ702内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
また図7に示すセルの構成では、参照符号「706」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが複雑に重複する場合が生じる。
また、参照符号「707」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが重複しない場合も生じる。
さらには、参照符号「708」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ701内に構成される場合も生じる。
5Gでは、電波到達範囲すなわちカバレッジを広くするために、基地局(本明細書では、5Gの基地局をgNBと称する)が複数のアンテナを用いて狭範囲なビームを形成するビームフォーミングを利用して通信を行うことが提案されている。例えば、gNBは、図4に示すアンテナ408を、多素子アンテナによって構成する。gNBは、多素子アンテナの一部または全部の複数のアンテナを用いて、予め定める方向にビームを形成する。狭範囲なビーム形成を行うことによって、電波到達範囲を広くすることが可能となる。gNBで一時に形成できるビーム数が少なく、セルとして必要となるカバレッジをカバーできない場合、1つまたは複数のビームを用いて、タイミングをずらしてビームスイーピングを行い、広範囲のカバレッジをカバーする方法が提案されている(非特許文献12参照)。
図8は、ビームスイーピングを説明するための図である。ビームスイーピングを行うために、下りビームスイーピングブロック(DL sweeping block)801と、上りビームスイーピングブロック(UL sweeping block)803とが設けられる。下りビームスイーピングブロック801と、上りビームスイーピングブロック803との間が、下りデータおよび上りデータが送信されるDL/ULデータサブフレーム805となる。
各ブロック801,803は、参照符号「811」で示されるように、複数のリソース802,804,806を含んで構成される。各リソースは、参照符号「812」で示されるビームを用いて送信される。
下りビームスイーピングブロック801は、予め定める下りスイーピングブロック周期Tsbpで、繰返し送信される。下りビームスイーピングブロック801では、最初の予め定める期間に、予め定める狭範囲のカバレッジに対してビームを形成して送信し、次の予め定める期間に、次の予め定める狭範囲のカバレッジに対してビームを形成して送信する。これを繰り返し行うことによって、セルとしての全カバレッジをカバーする。例えば、参照符号「802」で示されるリソースは、同期信号、PBCHおよびビーム参照信号の送信に用いられる。
上りビームスイーピングブロック803では、最初の予め定める期間に、予め定める狭範囲のカバレッジに対してビームを形成して受信し、次の予め定める期間に、次の予め定める狭範囲のカバレッジに対してビームを形成して受信する。これを繰り返し行うことによって、セルとしての全カバレッジをカバーする。例えば、参照符号「804」で示されるリソースは、RACHの送信に用いられる。
セルの全カバレッジをカバーする間の一連のビームスイーピングを、ビームスイーピングブロックと称する。以下の説明では、ビームスイーピングブロックの各ビームの送受信期間を「ビームユニット」と称することもある。
ビームスイーピングブロックは、周期的に設けられる。下りビームスイーピングブロック801では、共通制御信号およびチャネルが各ビームで送信される。共通制御信号およびチャネルとして、例えば、初期アクセスに必要となる共通制御信号である、同期信号(SS)、PBCH、および参照信号(RS)などがある。上りビームスイーピングブロック803では、RACHリソースなどが、各ビームに割当てられる。
UE813は、下りビームスイーピングブロック801の全期間で受信を行う。このようにすることによって、UE813は、セルとしてのカバレッジのどこに位置していても、該位置に送信されたビームを受信することが可能となる。したがって、UE813は、例えば、初期アクセスに必要となる共通制御信号を受信することが可能となる。UE813は、上りビームスイーピングブロック803において送信を行う。このようにすることによって、gNBは、該UE813の上り送信を受信することが可能となる。UE813は、該ビームを用いて、DL/ULデータサブフレーム805において上りデータ/下りデータをgNBとの間で送受信する。
以上のようにして、UEは、ビームスイーピングを用いて、自UEが送受信可能なビームを見つけ、gNBとの通信に用いる。gNBが該ビームとは別のビームを用いているときは、該UEは下り信号を受信する必要はない。
ところが、gNBが該UE向けのデータの送受信をどのタイミングで行うかを該UEは知らない。したがって、該UEは、gNBとの上り/下りのユーザデータの送受信を行うかどうかを判断するために、gNBから送信される下り制御信号を毎サブフレームで受信する必要がある。このように該UEがgNBからの下り制御信号を毎サブフレームで受信することによって、該UEの消費電力ならびに、受信に使用される周波数および時間リソースが無駄となる。
3GPP R1−1609135(以下「参考文献1」という)において、スケジューリング単位よりも長い周期で下り制御信号を受信することが提案されている。また、3GPP R1−1610240(以下「参考文献2」という)において、gNBが下り制御信号を送信するタイミングを、ビーム毎に割り当てることが提案されている。
ところが、前述の方法では、該周期で下り制御信号がgNBから送信されないときにおいても、UEは周期的に下り制御信号の受信動作を行う必要があるので、該UEの下り制御信号の受信動作による消費電力が無駄になるという問題が生じる。また、前述の方法では、HARQによる再送が発生した場合においても、前記再送を次の周期まで待つ必要があるので、gNBとUEとの間の通信において遅延が増加するという問題が生じる。また、前述の方法では、周期の設定方法について何ら考慮されていない。
本実施の形態では、以上のような問題を解決する方法を開示する。
gNBは、UEに対して、次に該UEがPDCCHの受信動作を行う必要のあるタイミング(以下「PDCCH受信タイミング」と称する)を通知する。PDCCH受信タイミングは、gNBが該UEに下り制御情報を送信する可能性のあるタイミングであってもよいし、該UEに上り/下りデータの送受信をスケジューリングする可能性のあるタイミングであってもよいし、gNBが該UEにビームを向けるタイミングであってもよい。PDCCH受信タイミングにおいて、gNBは、該UEに上り/下りデータの送受信のスケジューリング情報を通知してもよい。gNBは、該UEと上り/下りデータの送受信を行ってもよい。PDCCH受信タイミングにおいて、UEは、gNBからのPDCCHの受信動作を行う。UEは、gNBからの自UE向け下り制御情報を受信してもよい。UEは、gNBと上り/下りデータの送受信を行ってもよい。
gNBは、PDCCH受信タイミングを、下り制御信号を用いて通知するとよい。前記下り制御信号は、L1/L2シグナリングを用いて通知するとよい。L1/L2シグナリングを用いることによって、PDCCH受信タイミングを迅速に通知することが可能となる。
あるいは、gNBは、PDCCH受信タイミングを、MAC制御信号を用いて通知してもよい。MAC制御信号を用いることによって、HARQによる再送制御が行われるので、高い信頼性でPDCCH受信タイミングを通知することができる。
UEは、PDCCH受信タイミングの通知を受信するまでは、PDCCHの受信動作を毎サブフレーム行うとよい。gNBは、PDCCH受信タイミングを該UEのRRC接続確立後に通知してもよいし、RRC接続確立処理中に通知してもよいし、ランダムアクセス処理中に通知してもよい。前記ランダムアクセス処理中に通知する場合には、ランダムアクセス応答にPDCCH受信タイミングの情報を含めて通知してもよい。
PDCCH受信タイミングとして、サブフレーム番号を示す情報を通知してもよい。前記サブフレーム番号を示す情報は、例えば、サブフレーム番号であってもよいし、あるいは、サブフレーム番号を予め定める除数で割った剰余であってもよい。前記予め定める除数は、規格で定めてもよいし、gNBからUEに報知してもよいし、RRC個別シグナリングで個別に通知してもよい。
あるいは、PDCCH受信タイミングとして、現在のサブフレームからの時間を通知してもよい。前記現在のサブフレームからの時間は、サブフレーム単位でもよいし、別の単位でもよい。
gNBは、PDCCH受信タイミングとして、いくつかの選択肢を予め定め、gNBからUEに、選択した値の識別子を通知してもよい。前記選択肢は、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよい。前記選択肢は、gNBの傘下のUEに対して報知してもよいし、個別に通知してもよい。前述の個別の通知には、RRC個別シグナリングを用いるとよい。このように前記選択肢を個別に通知することによって、gNBは、UEに対して、PDCCH受信タイミングを、前記選択肢から選択した値の識別子の形で通知することができるので、少ないビット数でPDCCH受信タイミングを通知することが可能になる。
gNBは、UEに、PDCCH受信タイミングを複数設定してもよい。このようにすることによって、あるPDCCH受信タイミングにおいてgNBからUEへのPDCCHの送信が不可能であった場合においても、UEは、次のPDCCH受信タイミングにおいてPDCCHの受信動作をすればよいので、次のPDCCH受信タイミングまでのUEの受信電力を節約することができる。
gNBからUEに対してPDCCH受信タイミングを複数設定するにあたり、1つの下り制御情報に複数のPDCCH受信タイミングの情報を含めてもよいし、複数の下り制御情報を多重して通知してもよい。
あるいは、それぞれが複数のPDCCH受信タイミングを含む下り制御情報を複数用いてもよい。1つの下り制御情報におけるPDCCH受信タイミングの数に上限を設けてもよい。前記上限は規格で定めてもよい。このようにすることによって、1つの下り制御情報のサイズを一定以下に抑えつつ、複数のPDCCH受信タイミングをgNBからUEに通知することが可能となる。したがって、UEにおける下り制御情報の受信処理が簡単になる。
複数のPDCCH受信タイミングの設定において、gNBおよびUEは、先にUEに通知したPDCCH受信タイミングと、後からUEに通知したPDCCH受信タイミングとの両方を有効にしてもよい。このようにすることによって、後からUEに通知するPDCCH受信タイミングの数を少なくすることができる。
あるいは、先にUEに通知したPDCCH受信タイミングを無効として、後からUEに通知したPDCCH受信タイミングを有効にしてもよい。このようにすることによって、UEにおけるPDCCHの受信動作の制御を簡単にすることができるとともに、UEにおけるPDCCHの受信動作による消費電力を少なくすることができる。
前述において、先にUEに通知したPDCCH受信タイミングを有効にするかどうかを、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよいし、後からUEに通知するPDCCH受信タイミングの通知に、先に通知したPDCCH受信タイミングを有効とするかどうかの情報を含めてもよい。例えば、前記情報を後からUEに通知するPDCCH受信タイミングの通知に含めることによって、PDCCH受信タイミングの制御を柔軟に行うことが可能となる。
図9は、gNBからUEへの、次のPDCCHを受信する必要のあるタイミングの通知、および該UEにおける上り/下りデータの送受信の一例を示す図である。図9では、gNBからUEに送信する下り制御情報によって、該UEの次の送受信タイミングが通知されている。図9において、参照符号902,906,910で示す部分は、該UEがgNBから受信する下り制御信号を表している。参照符号903,907,911で示す部分は、該UEが送受信するユーザデータを表している。太い実線の矢印904,908,912は、次のPDCCH受信タイミングが示すサブフレームの情報を表している。下り制御情報902,906,910は、該サブフレームにおけるユーザデータ904,908,912の送受信のためのスケジューリング情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。図9においては、下り制御信号902,906,910が該サブフレームにおけるユーザデータ904,908,912の送受信のためのスケジューリング情報を含む場合について示している。
図9において、UEは、サブフレーム901における下り制御信号902を受信する。UEは、前記下り制御信号902から、サブフレーム901のユーザデータ903の送受信のためのスケジューリング情報および次のPDCCH受信タイミングに関する情報904を取得する。UEは、gNBとの間で、ユーザデータ903を送受信する。ユーザデータ903の送受信には、下り制御信号902に含まれるスケジューリング情報を用いる。
図9において、次のPDCCH受信タイミングに関する情報904には、UEの次のPDCCH受信タイミングが、サブフレーム905であることが示されている。UEは、サブフレーム905において、下り制御信号906を受信する。UEは、受信した下り制御信号906から、サブフレーム905のユーザデータ907に関する情報および次のPDCCH受信タイミングに関する情報908を取得する。UEは、gNBとの間で、ユーザデータ907を送受信する。ユーザデータ907の送受信には、下り制御信号906に含まれるスケジューリング情報を用いる。
図9において、次のPDCCH受信タイミングに関する情報908には、UEの次のPDCCH受信タイミングが、サブフレーム909であることが示されている。以降の流れは、前述と同じであるので、説明を省略する。
gNBは、次のPDCCH受信タイミングを示す下り制御情報を含むPDCCHに、他の下り制御情報を含めてもよい。前記他の下り制御情報は、例えば、上り/下りデータのスケジューリングに関する情報であってもよいし、CQI送信要求であってもよいし、UEへの電力制御指示であってもよい。
あるいは、gNBは、UEが次にPDCCH受信タイミングを示す下り制御情報を含むPDCCHに、他の下り制御情報を含めなくてもよい。このようにすることによって、例えば、gNBが前記タイミングにおいて送受信すべき上り/下りデータの送受信がなく、かつ、gNBからUEに送信すべき下り制御情報が他にない場合においても、UEは、次のPDCCH受信タイミングをgNBから受信することができる。したがって、UEは、無駄なPDCCHの受信動作を行わないでよくなる。
gNBは、同じビームで送受信をしている複数のUEに対して、次のPDCCH受信タイミングを通知してもよい。前記複数のUEは、該ビームを用いて送受信を行う全てのUEであってもよいし、全てのUEでなくともよい。前記タイミングの通知には、L1/L2シグナリングを用いるとよい。前記タイミングの通知は、複数のUEのそれぞれに対して行ってもよいし、該ビームを用いる全てのUEに対して一斉に行ってもよい。
前記タイミングを、該ビームを用いる全てのUEに対して一斉に通知するにあたり、前記ビームを表す識別子を用いてもよい。例えば、下り制御情報の符号化処理に前記識別子を用いてもよい。あるいは、前記下り制御情報の変調処理に前記識別子を用いてもよい。符号化処理と変調処理との両方に前記識別子を用いてもよい。
gNBは、複数のUEに対する下り制御信号を多重して送信してもよい。前記多重は、前記タイミングを複数のUEのそれぞれに対する通知に用いてもよい。前記多重は、周波数多重であってもよいし、時間多重であってもよいし、周波数多重と時間多重とを組合せてもよい。前記多重の方法は、規格で定めてもよいし、予めgNBから配下のUEに報知してもよいし、各UEに通知してもよい。
前記タイミングを複数のUEのそれぞれに対して通知するにあたり、gNBは、各UEに同じタイミングを通知してもよいし、異なるタイミングを通知してもよい。複数のUEに同じ値を通知することによって、gNBは、前記複数のUEのスケジューリングを柔軟に行うことができる。例えば、前記タイミングにおいて、該ビーム内の予め定めるUEに対するユーザデータの送受信がない場合においても、該ビーム内の他のUEに対して、前記タイミングにおけるユーザデータの送受信を割り当てることができる。したがって、前記タイミングにおける周波数リソースを効率的に使用することができる。
gNBは、UEと送受信する上り/下り信号に、他のUEに対する下り制御信号を多重してもよい。前記上り/下り信号は、該UEに対する下り制御信号を含んでもよい。前記多重は、周波数多重であってもよいし、時間多重であってもよいし、周波数多重と時間多重とを組合せてもよい。前記多重の方法は、規格で定めてもよいし、予めgNBから配下のUEに報知してもよいし、各UEに通知してもよい。このようにすることによって、例えば、gNBは、該UEとの上り/下りデータの送受信と、該UEの次のPDCCH受信タイミングの通知に加え、他のUEの次のPDCCH受信タイミングを通知することができるので、周波数リソースおよび時間リソースを効率的に使用することができる。
gNBは、UEの次のPDCCH受信タイミングにおいて、該UEに対するPDCCHを送信しなくてもよい。該UEとの上り/下り送受信を行わなくてもよい。これによって、gNBは、UEとの送受信データがない場合における消費電力を抑えることができる。
UEの次のPDCCH受信タイミングをgNBが判断するために必要な情報の具体例として、以下の(1)〜(11)の11個を開示する。
(1)チャネル状況。例えば、CQI/CSI。
(2)チャネル状況の変動。例えば、CQI/CSIの変動。
(3)バッファ滞留量。
(4)バッファ滞留量の変動。
(5)目標サービス品質(target Quality of Service:target QoS)。
(6)目標サービス品質と実際のサービス品質の差分。
(7)ビーム内にいるUEの情報。例えば、ビーム内にいるUE数。
(8)マスターeNBから自gNBに送信されるユーザデータのスループット。
(9)上位ネットワーク装置から自gNBに送信されるユーザデータのスループット。
(10)自gNBからセカンダリeNBに送信するユーザデータのスループット。
(11)前記(1)〜(10)の組合せ。
前記(1)において、例えば、gNBは、UEから通知されるCQI/CSIが悪いときに、該UEに対する前記タイミングまでの期間を長く設定し、CQI/CSIが良いときに、前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、CQI/CSIが良いUEに対して頻繁に送受信タイミングを割り当ててもよい。これによって、システム全体としてのスループットを高めることができる。あるいは、例えば、CQI/CSIが悪いときに前記タイミングまでの期間を短く設定してもよい。これによって、該UEにおけるHARQの初送から再送までの時間を短くできるので、HARQ再送による遅延を小さくすることができる。
前記(2)において、例えば、UEから通知されるCQI/CSIの変動が大きいときに、gNBが該UEに対する前記タイミングを短く設定することによって、gNBによるスケジューリングを通信チャネルの変動に迅速に追従させることができる。
前記(3)において、gNBは、下り通信用のバッファ滞留量を用いてもよいし、上り通信用のバッファ滞留量を用いてもよい。上り通信用のバッファ滞留量は、UEからgNBに通知するバッファ状態報告(Buffer Status Report:BSR)を用いてもよいし、他の値を用いてもよい。
前記(3)において、例えば、UEにおけるバッファ滞留量が大きいときに、gNBが該UEに対する前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、gNBと該UEとの通信が頻繁に行われるので、該UEにおけるバッファ溢れを防ぐことができる。
また、前記(3)におけるバッファ滞留量は、例えば、下り通信においては、他のUE向けデータのバッファ滞留量との相対値でもよいし、上り通信においては、他のUEのバッファ滞留量との相対値でもよい。前述の相対値を用いることによって、バッファ滞留量が多いUEに対して、前記タイミングまでの期間を短く設定することができるので、バッファ滞留量が多いUEのバッファ溢れを防ぐことができる。
前記(4)において、例えば、UEのバッファ滞留量が増加しているときに、該UEに対する前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、gNBによるスケジューリングのバッファ滞留量増加への追従を迅速に行うことができる。
前記(5)において、例えば、超高信頼性・低遅延(Ultra Reliability and Low Latency Communication:URLLC)のサービスを用いて通信するUEに対し、前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、該UEにおける遅延を小さくすることができる。
前記(6)において、例えば、モバイルブロードバンド(enhanced Mobile BroadBand:eMBB)のサービスを用いて通信するUEに対し、予め定める通信速度を確保できないときに、前記タイミングまでの期間を短く設定してもよい。これによって、該UEにおける通信速度を上げて前記予め定める通信速度を確保することができる。
前記(7)において、例えば、あるビームに多くのUEが在圏している場合、前記UEのそれぞれに対して前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、各UEのスループットを確保することができる。
前記(8)において、例えば、DCにおいて該gNBがマスターeNBから受信するユーザデータが増加しているときに、該gNBは配下のUEに対して前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、該gNBは、前記ユーザデータを滞留させることなく、UEに送信することができる。ここで、前記マスターeNBは、LTEの基地局であるが、5Gの基地局に置き換えたもの、すなわち、DCにおいてマスターとなる基地局、例えば、マスターgNBであってもよい。
前記(9)において、例えば、該gNBが上位ネットワーク装置から受信するユーザデータが増加しているときに、前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、前記ユーザデータを滞留させることなく、UEに送信することができる。ここで、該gNBは、DCの構成をとっていてもよい。前記DCの構成において、該gNBは、マスターとなる基地局であってもよい。また、前記上位ネットワーク装置は、LTEにおける上位ネットワーク装置であってもよいし、5Gにおける上位ネットワーク装置であってもよい。
前記(10)において、例えば、DCにおいて該gNBがマスターとなる基地局である場合、該gNBからセカンダリeNBに送信するユーザデータのスループットが減少しているときに、前記タイミングまでの期間を短く設定してもよい。これによって、該gNBからUEへのユーザデータ送信において、該gNBにおける滞留を抑制することができる。ここで、セカンダリeNBは、5Gの基地局に置き換えたもの、すなわち、DCにおいてセカンダリとなる基地局、例えば、セカンダリgNBであってもよい。
前記(11)において、例えば、前記(3)と前記(7)とを組合せ、あるビームを用いているUEのバッファ滞留量を合算し、また、合算したバッファ滞留量が多いビームを用いているUEに前記タイミングまでの期間を短く設定することによって、前記ビームを用いているUEとの通信におけるバッファ溢れを防ぐことができる。
また、例えば、前記(11)において、前記(9)と前記(10)とを組合せ、例えば、該gNBがマスター基地局となるDC構成において、上位ネットワーク装置から自gNBに送信されるユーザデータのスループットから、該gNBからセカンダリeNBに送信されるユーザデータのスループットを減じた値を用い、前記減じた値が増加しているときに、前記タイミングまでの期間を短く設定してもよい。このようにすることによって、該gNBに蓄積されるデータ量を用いて前記タイミングを設定できるようになるので、該gNBにおける滞留を抑制しつつ、UEにユーザデータを送信することができる。
gNBからUEへの次のPDCCH受信タイミングの通知について、gNBは、予め定める期間におけるPDCCH受信タイミングを該UEに通知してもよい。PDCCH受信タイミングは複数であってもよい。gNBは、前記期間における送受信タイミングを決定するとよい。UEは、前記タイミングでgNBとの送受信を行う。このようにすることによって、gNBは、UEに毎回PDCCH受信タイミングを通知する必要がなくなり、また、gNBが、あるPDCCH受信タイミングで該UEと通信ができない場合においても、gNBと該UEとは、次のPDCCH受信タイミングにおいて通信を行うことが可能となる。
前述において、gNBは、UEに、前記予め定める期間を通知するとよい。予め定める期間として、例えば、満了までの該UEとのデータの送受信回数を用いてもよいし、満了までのサブフレーム数を用いてもよいし、満了時のサブフレーム番号を用いてもよい。
gNBは、UEに、予め定める期間とPDCCH受信タイミングとを別々に通知してもよい。あるいは、予め定める期間とPDCCH受信タイミングとを同時に通知してもよい。予め定める期間とPDCCH受信タイミングとを同じ下り制御情報を用いて通知してもよいし、異なる下り制御情報を用いて通知してもよい。UEは、前記通知を用いて、予め定める期間を更新してもよいし、PDCCH受信タイミングを更新してもよい。
gNBは、予め定める期間として示す値を直接UEに通知してもよいし、いくつかの選択肢を予め定め、gNBからUEに、選択した値の識別子を通知してもよい。前記選択肢は、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよい。前記選択肢の通知は、gNBの傘下のUEに対して報知してもよいし、個別に通知してもよい。前述の個別の通知は、RRC個別シグナリングを用いるとよい。このようにすることによって、gNBは、UEに対し、前記期間を、前記選択肢から選択した値の識別子の形で通知できるので、少ないビット数で前記期間を通知することが可能になる。
gNBは、UEに、PDCCH受信タイミングをビットマップの形式で通知してもよい。例えば、予め定める期間までのサブフレーム数を10として、PDCCH受信タイミングとして、1サブフレーム後、3サブフレーム後、6サブフレーム後、8サブフレーム後を指定する場合、前記タイミングに対応するビットを「1」とし、それ以外のビットを「0」とし、UEに通知するビットマップとして、「1010010100」としてもよい。このようにすることによって、PDCCH受信タイミングを少ないビット数で通知することが可能となる。前記において、「1」と「0」を逆としてもよい。
前記期間およびPDCCH受信タイミングは、gNBからUEに対して変更可能としてもよい。gNBは、前記期間およびPDCCH受信タイミングを、準静的に変更してもよいし、動的に変更してもよい。gNBは、UEに対して、前記期間およびPDCCH受信タイミングを、該UEに対するPDCCH受信タイミングのたびに通知してもよいし、前記期間内においてPDCCH受信タイミングの変更を行うときのみ通知してもよいし、前記期間を更新するときに通知してもよい。gNBは、UEに対して、前記期間が満了する前に前記期間およびPDCCH受信タイミングを更新することが望ましい。このようにすることによって、UEがPDCCHの受信動作を毎サブフレーム行うことによる電力の浪費を防ぐことができる。あるいは、gNBは、UEに対して、前記期間が満了した後すぐに前記期間およびPDCCH受信タイミングを通知してもよい。
gNBは、UEに対して、前記期間およびPDCCH受信タイミングを準静的に通知してもよいし、動的に通知してもよい。前記準静的な通知として、例えば、RRC個別シグナリングを用いてもよい。また、前記動的な通知として、例えば、MAC制御信号を用いてもよいし、L1/L2シグナリングを用いてもよい。前記期間の通知と前記タイミングの通知とには、同じ方法を用いてもよいし、異なる方法を用いてもよい。また、前述の方法を組合せて用いてもよい。例えば、gNBがUEに対して、前記期間をRRC個別シグナリングを用いて通知し、また、PDCCH受信タイミングをL1/L2シグナリングを用いて通知することによって、前記期間内における前記タイミングの動的な変更を、少ないシグナリング量で行うことができる。
gNBが前記期間およびPDCCH受信タイミングを判断するために必要な情報として、前述の送受信タイミングを判断するために必要な情報の具体例として開示した前記(1)〜(11)を用いてもよい。
図10は、gNBからUEへの、予め定める期間におけるPDCCH受信タイミングの通知および該UEにおける上り/下りデータの送受信の一例を示す図である。図10では、gNBからUEに送信する下り制御情報によって、前記期間および前記タイミングが通知されている。また、図10において、参照符号1001,1007で示す部分は、UEがgNBから受信する下り制御信号のうち、該UE向けの予め定める期間およびPDCCH受信タイミングの通知があるものを表している。
参照符号1003,1005,1009で示す部分は、該UEがgNBから受信する下り制御信号を表している。参照符号1002,1004,1006,1008,1010で示す部分は、該UEがgNBと送受信するユーザデータを表している。太い実線の矢印は、該UEのPDCCH受信タイミングの情報を表している。また、予め定める期間T0を太い点線で表しており、下り制御信号における予め定める期間T0の情報を、太い一点鎖線で表している。細い実線の矢印は、該サブフレームにおけるユーザデータの送受信のためのスケジューリング情報を表している。下り制御信号1001,1003,1005,1007,1009は、該サブフレームにおけるユーザデータ1002,1004,1006,1008,1010の送受信のためのスケジューリング情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。図10においては、下り制御信号1001,1003,1005,1007,1009が、該サブフレームにおけるユーザデータ1002,1004,1006,1008,1010の送受信のためのスケジューリング情報を含む場合について示している。
図10において、UEは、下り制御信号1001,1003,1005,1007,1009を受信する。このうち、下り制御信号1001,1007には、該サブフレームのユーザデータの送受信のためのスケジューリング情報に加え、予め定める期間に関する情報および予め定める期間内のPDCCH受信タイミングに関する情報が格納されている。UEは、PDCCH受信情報を取得し、取得した前記情報が格納されていた下り制御信号1001,1007よりも後の下り制御信号1003,1005,1009の受信を行う。UEは、下り制御信号1001,1003,1005,1007,1009から取得したスケジューリング情報を用いてユーザデータ1002,1004,1006,1008,1010の送受信を行う。
図10において、gNBは、下り制御信号1003,1005,1009においても、PDCCH受信タイミングをUEに通知してもよい。予め定める期間を併せて通知してもよい。このようにすることによって、前記UE向けのPDCCH受信タイミングの通知における冗長性が増すので、PDCCH受信タイミングの通知の信頼性を向上させることができる。
図10において、gNBは、下り制御信号1003,1005,1009において、PDCCH受信タイミングをUEに通知しなくてもよい。このようにすることによって、下り制御信号のビット数を節約することができる。
前述の、gNBからUEへのPDCCH受信タイミングの通知の他の例として、gNBは、前述とは逆に、UEに、gNBからのPDCCHの受信動作を行わなくてよいタイミング(以下「PDCCH受信不要タイミング」と称する)を通知してもよい。PDCCH受信不要タイミングは、予め定める期間と併せて通知してもよい。UEは、PDCCH受信不要タイミングに該当しないサブフレームにおいて、gNBからのPDCCHの受信動作を行うこととしてもよい。
PDCCH受信不要タイミングは、予め定める期間におけるPDCCH受信タイミングの通知と同様に、サブフレーム番号を用いて通知してもよいし、現在から数えたサブフレーム数として通知してもよいし、あるいはビットマップの形式として通知してもよい。
gNBは、PDCCH受信不要タイミングとして、既に他のUEへのスケジューリングが決まっているサブフレームを指定してもよい。このようにすることによって、gNBは、PDCCH受信不要タイミング以外におけるサブフレームの範囲中で、UEに対して柔軟にスケジューリングを行うことができる。
gNBからUEへのPDCCH受信タイミングの通知の他の例として、gNBは、UEに、PDCCH受信周期を設定してもよい。PDCCH受信周期は、サブフレーム単位で通知してもよいし、他の単位で通知してもよい。PDCCH受信周期の設定方法を開示する点で、本実施の形態は参考文献1と異なる。
前述の、PDCCH受信周期の設定において、gNBは、UEに、PDCCH受信周期の有効期間を併せて設定してもよい。有効期間の設定は、前述の予め定める期間と同様に行うとよい。
gNBは、UEに対して、PDCCH受信周期と併せてPDCCH受信タイミングのオフセットを通知するとよい。前記オフセットは、サブフレーム番号として通知してもよいし、前記サブフレーム番号の前記周期による剰余として通知してもよいし、該UEにおける次のPDCCH受信タイミングまでの時間として通知してもよい。前記時間は、サブフレーム単位で通知してもよいし、他の単位で通知してもよい。
gNBは、UEに対して、PDCCH受信周期および前記オフセットと併せて、PDCCH受信周期および前記オフセットが有効になるタイミングを通知するとよい。有効になるタイミングは、サブフレーム番号で通知してもよいし、通知時から有効になるまでの時間として通知してもよい。
gNBは、UEに対して、PDCCH受信周期、前記オフセットおよび前記有効になるタイミングをそれぞれ別々に通知してもよいし、複数のものを同時に通知してもよい。
gNBは、PDCCH受信周期として示す値を直接UEに通知してもよいし、いくつかの選択肢を予め定め、gNBからUEに、選択した値の識別子を通知してもよい。前記選択肢は、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよい。前記選択肢の通知は、gNBの傘下のUEに対して報知してもよいし、個別に通知してもよい。前述の個別の通知は、RRC個別シグナリングを用いるとよい。このように前記選択肢を個別に通知することによって、gNBは、UEに対して、PDCCH受信周期を、前記選択肢から選択した値の識別子の形で通知できるので、少ないビット数でPDCCH受信周期を通知することが可能になる。前記オフセットおよび前記有効になるタイミングについても同様としてもよい。
gNBは、UEに対して、PDCCH受信周期、前記オフセットおよび前記有効になるタイミングを準静的に通知してもよいし、動的に通知してもよい。前記準静的な通知として、例えば、RRC個別シグナリングを用いてもよい。また、前記動的な通知として、例えば、MAC制御信号を用いてもよいし、L1/L2シグナリングを用いてもよい。PDCCH受信周期、前記オフセットおよび前記有効になるタイミングの通知には、同じ方法を用いてもよいし、異なる方法を用いてもよい。また、前述の方法を組合せて用いてもよい。
gNBは、UEに、予め定める周期におけるPDCCH受信タイミングを通知してもよい。前記通知において、例えばビットマップを用いてもよい。前記ビットマップにおいて、予め定める周期をビット数としてもよい。また、PDCCH受信タイミングに「1」を対応付け、それ以外のサブフレームに「0」を対応付けてもよい。また、ビットの位置を、サブフレーム番号の予め定める周期による剰余に対応付けてもよい。例えば、予め定める周期を4サブフレームとし、UEのPDCCH受信タイミングを、サブフレーム番号の予め定める周期による剰余が0、1、3とした場合、gNBはUEに前記ビットマップとして「1101」を通知してもよい。このようにすることによって、gNBからUEへのPDCCH受信タイミングの割り当てを柔軟に行うことができる。
gNBは、異なるUEに対して、異なる割合でPDCCH受信タイミングを配分してもよい。
例えば、UE#1のPDCCH受信タイミングを、サブフレーム番号を3で割った余りが0あるいは1となるサブフレームとし、UE#2のPDCCH受信タイミングを、サブフレーム番号を6で割った余りが4となるサブフレームとし、UE#3のPDCCH受信タイミングを、サブフレーム番号を6で割った余りが5となるサブフレームとしたとき、gNBがUE#1、UE#2、UE#3のそれぞれに対して通知するビットマップを、それぞれ、「110」、「000010」、「000001」としてもよい。このようにすることによって、異なるUEへのPDCCH受信タイミングの割り当てを柔軟に行うことができる。
gNBが前記予め定める周期、前記オフセット、前記有効になるタイミングを判断するために必要な情報として、前述のPDCCH受信タイミングを判断するために必要な情報の具体例として開示した前記(1)〜(11)を用いてもよい。
UEは、gNBから送信されるPDCCHの受信動作を毎サブフレーム行うとしてもよい。UEがPDCCHの受信動作を毎サブフレーム行う契機としては、例えば、UEのPDCCH受信タイミングが過ぎた、あるいは存在しない場合でもよいし、前述の、予め定める期間が満了した場合でもよいし、gNBからの下り制御信号を正常に受信できなかった場合でもよいし、gNBからの下りユーザデータを正常に受信できなかった場合でもよい。このようにして、UEがPDCCHの受信動作を毎サブフレーム行うことによって、UEは、gNBから自UE向けの下り制御信号を受信することができ、gNBとの通信を復旧あるいは継続させることができる。
gNBは、UE向けの下りユーザデータの再送を、初送データを送信した次のPDCCH受信タイミングを用いて行ってもよい。あるいは、次のPDCCH受信タイミングによらず、初送データを送信したタイミングの次のサブフレームで、gNBはUEに再送を行ってもよい。UEは、前記再送を、初送の次のPDCCH受信タイミングで受信してもよいし、初送の次のサブフレームで受信してもよい。あるいは、UEは、PDCCH受信の毎サブフレーム実行を用いてgNBから再送データを受信してもよい。gNBが再送を初送の次のサブフレームで行うことによって、gNBおよびUE間の通信において、Nackによる遅延を少なくすることができる。また、例えば、UEが次のPDCCH受信タイミングの通知に用いられるRRCシグナリングあるいはMAC制御情報を正常に受信できなかった場合に、UEは、次のサブフレームにおいて、PDCCH受信タイミングを取得することができる。
gNBが再送に初送の次のサブフレームを用いるか否かを表す情報を、gNBは、UEに予め通知するか、あるいは、規格で定めるとよい。gNBは、傘下のUEに対する報知によって前記通知を行ってもよいし、UEにRRC個別シグナリングを送信することによって前記通知を行ってもよい。UEは、前記通知を用いて、再送を初送の次のサブフレームで受信するかどうかを判断してもよい。
gNBは、UEへの再送に初送の次のサブフレームを用いるか否かを、該UEが在圏するビームの情報を用いて決めてもよい。前記ビームの情報は、例えば、該ビームに在圏するUEの数であってもよい。例えば、該ビームに在圏するUEが多い場合は、該UEへの再送に初送の次のサブフレームを用いないとしてもよい。このようにすることによって、例えば、該UEへの再送によって他のUEと送受信すべきデータが輻輳することを防ぐことができる。
他の例として、UEが用いるサービスの情報を用いて決めてもよい。例えば、該UEがURLLCのサービスを用いる場合に、該UEへの再送に初送の次のサブフレームを用いるとしてもよい。このようにすることによって、例えば、URLLCにおける低遅延といったように、該UEが用いるサービスの要件を満たすことができる。
前述において、UEへの再送を初送の次のサブフレームとする代わりに、指定のサブフレームだけ後のサブフレームとしてもよい。このようにすることによって、gNBから該UEへの再送が発生する場合においても、他のUEへの通信を継続させることができる。
前記指定のサブフレームの値について、規格で決定してもよいし、gNBから傘下のUEに対して報知してもよいし、各UEに対してRRCシグナリングで通知してもよい。gNBは、前記サブフレームの値を、UEが用いるビームの情報を用いて決めてもよいし、UEが用いるサービスの情報を用いて決めてもよい。
gNBは、UEにおける次のPDCCH受信タイミングにおいて、他のUEとの送受信を行ってもよい。前記他のUEとの送受信とは、例えば、前記他のUEの再送であってもよいし、優先度が高い通信であってもよい。前記優先度は、例えば、UEが用いるサービスの種別を用いて、規格によって決めてもよいし、gNBが決定してもよい。
前述において、gNBは、PDCCH受信タイミングにおいて、該UE、すなわち、PDCCH受信タイミングにおいて前記他のUEに割り込まれたUEに、L1/L2シグナリングを送信しなくてもよい。該UEは、PDCCHを毎サブフレームで連続して受信する動作に戻ってもよいし、PDCCH受信タイミングの次のPDCCH受信タイミングでgNBからのPDCCHを受信する動作を行ってもよい。
前述において、gNBは、該UEに、さらに次のPDCCH受信タイミングを通知してもよい。前記通知は、L1/L2シグナリングを用いて行ってもよい。該UE向けのL1/L2シグナリングと、前記他のUE向けのL1/L2シグナリングとを多重して送信してもよい。前記多重は、例えば、異なるシンボルを用いた時間多重でもよいし、複数のビームを用いた空間多重でもよいし、両者を組合せて用いてもよい。前記時間多重において、該UE向けのL1/L2シグナリングが先でもよいし、前記他のUE向けのL1/L2シグナリングが先でもよい。gNBがどちらのL1/L2シグナリングを先とするかについては、予め規格で定めるとよい。該UEおよび前記他のUEは、前記規格に基づいて、それぞれ自UE向けのL1/L2シグナリングをgNBから受信するとよい。
前述において、gNBは、該UEに、ビームスイーピングブロックを用いて次のPDCCH受信タイミングを通知してもよい。gNBは、前記ビームスイーピングブロックを用いた通知において、該UEを表す識別子と、前記タイミングとを併せて通知するとよい。UEは、ビームスイーピングブロックの受信によって、次のPDCCH受信タイミングを取得してもよい。UEは、前記ビームスイーピングブロックの受信を、PDCCH受信タイミングにおいて他のUEに割り込まれたことを契機として行ってもよいし、常に行ってもよい。UEは、ビームスイーピングブロックからのPDCCH受信タイミングの取得を契機として、毎サブフレームで連続してPDCCHを受信することを止めてもよい。このようにすることによって、UEは、ビームスイーピングブロック以降の毎サブフレームで連続してPDCCHを受信する必要がなくなるので、UEの消費電力を削減することができる。
gNBは、ビームスイーピングブロックによるPDCCH受信タイミングの通知を、該UEとは別のUEに対して行ってもよい。前記別のUEへの通知は、前記別のUEにおける次のPDCCH受信タイミングよりも早いビームスイーピングブロックで行うことが望ましい。このようにすることによって、前記別のUEは、自UEにおけるPDCCH受信タイミングよりも早いタイミングで、gNBとの送受信を行うことができる。
本実施の形態に示した、UEにおける下り制御情報の指定タイミングにおける受信、周期的な受信、あるいは毎サブフレーム受信を、切り替え可能な構成としてもよい。gNBは、UEに対して、下り制御チャネル受信方法の切り替えを指示する通知を送ってもよい。UEは、前記通知を用いて、下り制御情報の受信方法を切り替えてもよい。前記通知は、前記受信方法を表す識別子を含むとよい。前記通知について、gNBからUEに対して、RRC個別シグナリングを用いて準静的に通知してもよいし、MAC制御信号を用いて動的に通知してもよいし、L1/L2シグナリングを用いて動的に通知してもよい。
本実施の形態において示す方法を、上りデータの通信に用いてもよい。その際に、gNBからUEに通知する内容は、下りデータの通信の場合と同じでよい。上りデータの通信においては、前記UEへの上りグラントの通知を併せて行うとよい。
gNBは、UEが初送データを受信した次のPDCCH受信タイミングを用いて、UEにAck/Nackを通知してもよい。gNBからUEへのAck/Nack通知とグラントの通知とを、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。UEは、前記Ack/Nack通知およびグラントを用いて、前記グラントを受信したサブフレームと同じサブフレームでgNBに上りデータを送信してもよいし、別のサブフレームで送信してもよい。
UEにおける次のPDCCH受信タイミングによらず、UEが初送データを送信したサブフレームの次のサブフレームにおいて、gNBは、UEにAck/Nackを通知してもよい。UEは、前記次のサブフレームにおいて、gNBからのAck/Nackを受信してもよい。前述において、次のサブフレームの代わりに、予め定めるサブフレーム数だけ後のサブフレームでもよい。前記予め定めるサブフレーム数は、規格で定めてもよいし、gNBから傘下のUEに報知してもよいし、gNBからUEに、RRC個別シグナリングで通知してもよい。
前述において、前記次のPDCCH受信タイミングによらず、gNBがUEにAck/Nackを送信したサブフレームから予め定めるサブフレーム数だけ後のサブフレームで、gNBは、UEにグラントを通知してもよい。前述において、予め定めるサブフレーム数は、0でもよいし、1でもよいし、2以上の値でもよい。予め定めるサブフレーム数が0の場合は、Ack/Nackを送信したサブフレームと同じサブフレームでグラントが通知されるとしてもよい。前記予め定めるサブフレーム数は、規格で定めてもよいし、gNBから傘下のUEに報知してもよいし、gNBからUEにRRC個別シグナリングで通知してもよい。
前述において、前記次のPDCCH受信タイミングによらず、gNBがUEにグラントを送信したサブフレームから予め定めるサブフレーム数だけ後のサブフレームで、UEは、gNBに再送データを送信してもよい。前述において、予め定めるサブフレーム数は、0でもよいし、1でもよいし、2以上の値でもよい。予め定めるサブフレーム数が0の場合は、UEがグラントを受信したサブフレームと同じサブフレームで再送データがUEから送信される。前記予め定めるサブフレーム数は、規格で定めてもよいし、gNBから傘下のUEに報知してもよいし、gNBからUEにRRC個別シグナリングで通知してもよい。前記予め定めるサブフレーム数は、初送におけるグラントから初送データの間のサブフレーム数と同じであることが望ましい。
前述において、gNBは、Ack/Nack情報をUEへの上りグラントの中に含めてもよい。すなわち、gNBは、次の上り信号の受信に用いるグラントのUEへの通知において、前回の前記UEからの上り信号の受信に対するAck/Nackを含めてもよい。UEは、前記Ack/Nackを用いて、次のユーザデータの初送あるいは再送を行うとよい。
前述において、gNBは、AckをUEに通知しなくてもよい。UEは、予め定める時間の間、上りデータに関するAck/Nackを受信しなかったことを用いて、該上りデータがgNBに正しく受信されたとみなしてもよい。前記予め定める時間は、規格で定めてもよいし、gNBの傘下のUEに対してgNBが報知してもよいし、各UEに対してRRC個別シグナリングで通知してもよい。また、gNBは、前記予め定める時間を、UEが使用するサービスを用いて決めてもよい。例えば、URLLCを用いるUEには、eMBBを用いるUEよりも短い時間を設定してもよい。
前述の、Ack/Nackを上りグラントの中に含める方法と、AckをUEに通知しない方法とを組合せて用いてもよい。このようにすることによって、UEは、連続する上りユーザデータを送信し終えたときにおいても、gNBからのグラントを受信する必要がなく、最後の上りユーザデータがgNBによって正常に受信されたことを知ることができる。また、gNBは、最後の上りユーザデータに対するAckを、UEに通知しなくてもよいので、通信リソースの節約になる。
図11は、上り通信において、Ack/Nackの通知および再送を上り初送の次のサブフレームで行う場合の送受信チャネルを示す図である。図11において、参照符号1101で示す部分は、gNBから該UEに通知するグラントを含む下り制御情報を示している。また、参照符号1102,1104で示す部分は、該UEからの上りユーザデータを示している。また、参照符号1103で示す部分は、gNBから該UEに通知するNackおよびグラントを含む下り制御情報を示している。また、参照符号1105で示す部分は、gNBから該UEへのAckの通知を含む下り制御情報を示している。
図11は、グラントに対する上りユーザデータが前記グラントと同じサブフレームで送信され、かつ、上りユーザデータに対するAck/Nackが次のサブフレームで送信され、かつ、Nackと再送用のグラントが同じサブフレームで送信され、かつ、Nackと同じサブフレームで再送が行われる場合について示している。
図11に示すサブフレーム#2は、該UEのPDCCH受信タイミングとして割り当てられている。前記サブフレーム#2において、gNBは、該UEに対してグラント1101を含む下り制御情報を通知する。該UEは、前記グラントを含む下り制御情報1101と同じサブフレームであるサブフレーム#2において、gNBに上りユーザデータ1102を送信する。
図11において、gNBは、前記上りユーザデータ1102を正しく受信できなかった場合、サブフレーム#3を該UEに割り当て、該UEに対して、Nackおよび再送用のグラントを含む下り制御情報1103を通知する。該UEは、サブフレーム#3において、Nackおよび再送用のグラントを含む下り制御情報1103を受信し、受信した下り制御情報からAck/Nackを取得する。該UEは、gNBからのNackの通知を受けて、サブフレーム#3において、上りユーザデータ1104を送信する。
図11に示すサブフレーム#4において、gNBは、Ackを含む下り制御情報1105を該UEに通知する。該UEは、サブフレーム#4において、Ackを含む下り制御情報1105を受信し、受信した下り制御情報からAck/Nackを取得する。
本実施の形態における上り通信において、gNBは、UEにAckを通知するサブフレームを他のUEに割り当ててもよいし、該UEに割り当ててもよい。
前述の、他のUEへの割り当てにおいては、gNBは、該UE向けのAck/Nackと他のUEへの下り制御信号とを多重して送信してもよい。前記多重は、異なるシンボルを用いた時間多重としてもよいし、同じシンボル内での周波数多重としてもよい。あるいは、時間多重と周波数多重とを組合せてもよい。時間多重においては、該UE向けのAck/Nackの通知が先でもよいし、前記他のUE向けのL1/L2シグナリングが先でもよい。gNBがどちらの信号を先とするかについては、予め規格で定めるとよい。該UEおよび前記他のUEは、前記規格に基づいて、それぞれ自UE向けの信号をgNBから受信するとよい。
前述において、gNBは、PDCCH受信タイミングにおいて、該UE、すなわち、PDCCH受信タイミングにおいて前記他のUEに割り込まれたUEに対する動作として、下り送信と同じ動作を用いてもよい。すなわち、gNBは、該UEに、L1/L2シグナリングを送信しなくてもよいし、さらに次のPDCCH受信タイミングを通知してもよいし、ビームスイーピングブロックを用いて次のPDCCH受信タイミングを通知してもよい。該UEは、毎サブフレームで連続して受信を行ってもよいし、さらに次のPDCCH受信タイミングを受信してもよいし、ビームスイーピングブロックを受信してもよい。
本実施の形態において、UEが、次のPDCCH受信タイミングまでの間に別のビーム、TRP(Transmission Reception Point)、あるいはセルに帰属するにあたり、UEは、無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)を検出してもよい。あるいは、UEは、ビームスイーピングブロックを受信してもよい。UEは、前記ビームスイーピングブロックの受信において、受信したビームを用いてgNBへのランダムアクセス処理を行ってもよい。
前述において、gNBは、移動元ビームと移動先ビームとで、同じPDCCH受信タイミングを用いてもよいし、異なるPDCCH受信タイミングを用いてもよい。
前述において、gNBは、移動元TRPと移動先TRPとで、同じPDCCH受信タイミングを用いてもよいし、異なるPDCCH受信タイミングを用いてもよい。移動先TRPは、移動元TRPに、移動元TRPで用いていたPDCCH受信タイミングの通知を要求してもよい。前記要求は、gNB内のTRPに対して一斉に行ってもよい。移動元TRPは、移動先TRPに、PDCCH受信タイミングを通知してもよい。
前述において、gNBは、移動元セルと移動先セルとで、同じPDCCH受信タイミングを用いてもよいし、異なるPDCCH受信タイミングを用いてもよい。移動先セルは、移動元セルに、移動元セルで用いていたPDCCH受信タイミングの通知を要求してもよい。前記要求は、セル間インタフェースを用いて行ってもよい。移動元セルは、移動先セルに、PDCCH受信タイミングを通知してもよい。
本実施の形態に示す方法によって、マルチビームのgNBとの通信において、UEが下り制御信号の受信に要する消費電力および無線リソースを節約することができる。また、Nack後の再送を迅速に行うことによって、gNBとの通信の遅延を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、基地局装置(gNB)によって通信端末装置(UE)に、次のPDCCH受信タイミングに関する情報が通知される。通知端末装置は、基地局装置から通知された次のPDCCH受信タイミングに関する情報に基づいて受信を行う。これによって、通信端末装置は、通知されたPDCCH受信タイミングで、基地局装置から送信される情報を受信することができるので、受信に要する消費電力および無線リソースを節約することができる。また、再送が必要な場合には、迅速に再送を行うことができるので、基地局装置と通信端末装置との通信の遅延を抑制することができる。したがって、通信端末装置の消費電力の増大、通信品質の劣化、および無線リソースの使用効率の減少を抑えることができる。
特に本実施の形態では、基地局装置(gNB)と通信端末装置(UE)とは、アンテナから放出されるビームの指向性を切替えて送受信を行う。この場合に、前述のように基地局装置によって通信端末装置に、次の受信タイミングに関する情報を通知することによって、通信端末装置は、自装置とは別の方向にビームが向けられているときには、受信を行わないようにすることができる。したがって、通信端末装置の消費電力の増大、通信品質の劣化、および無線リソースの使用効率の減少を抑えることができる。
本実施の形態において記載した方法を、シンボル単位でビームを切り替えることのできる通信システムに適用してもよい。また、同時に複数のビームを用いて通信できる通信システムに適用してもよい。また、前記を組合せた通信システムに適用してもよい。シンボル単位でビームを切り替えることによって、異なるビームに属するUEに対して、PDCCH受信タイミングを同じサブフレーム内で通知することができるようになり、gNBのスケジューリングの柔軟性を向上させることができる。同時に複数のビームを用いて通信することによっても、同じ効果が得られる。
本実施の形態において記載した方法を、シングルビームのgNB、すなわち、ビームスイーピングを行わないgNBに適用してもよい。本実施の形態のシングルビームのgNBに適用することによって、他のgNBへの干渉を低減することができる。
実施の形態2.
LTEでは、上り制御情報(Uplink Control Information:UCI)がマッピングされる物理制御チャネルとしてPUCCHがある。PUCCHのリソースは、UE毎に設定される。例えば、SR(Scheduling Request)用のPUCCHのリソースおよびSR周期などのSR構成は、UE毎に設定される(3GPP TS 36.211 V14.0.0(以下「参考文献3」という)、および3GPP TS 36.213 V14.0.0(以下「参考文献4」という)参照)。これらの設定には、RRCシグナリングが用いられる(3GPP TS 36.331 V14.0.0(以下「参考文献5」という)参照)。
NRでは、ビームスイーピングを必要とするMBF(Multi Beam Forming)が検討されている。ビームスイーピングを必要とするMBFでは、全カバレッジをカバーするために、ビーム切換が必要となる。一つのサブフレームは、一つのビームに対してのみの送受信に用いられることになるので、他のビームの送受信は不可能となる。したがって、一つのサブフレームに複数のUEのPUCCHリソースを構成する従来のLTEの設定方法では、該サブフレームでカバレッジを形成されないビームに存在するUEのPUCCHは送受信できないという問題がある。
3GPPでは、このような問題を解決するために、MBFの運用において、ビーム毎に異なるシンボルのPUCCHリソースを設けることが提案されている(3GPP R1−1609740(以下「参考文献6」という)参照)。しかし、PUCCHリソースをシンボル毎に設定することは開示されているが、その設定方法については何ら開示されていない。例えば、どのシンボルをどのビームのPUCCH用に割当てるか、どのようにUE毎に割当てるかなどについては全く開示されていない。
したがって、各ビームに存在するUEは、自UEが通信を行っているビームにおけるPUCCHの送信タイミングおよびリソースを認識できないことになる。UEが通信を行っているビームにおいて、セルでのPUCCHの受信タイミングおよびリソースと、UEのPUCCHの送信タイミングおよびリソースとを合わせることができない場合、PUCCHの送受信が不可能になるという問題が発生する。
本実施の形態では、このような問題を解決する方法を開示する。
PUCCHのためのリソースの割当方法について開示する。ビーム毎のPUCCHのために、リソースを割当てる。ビーム毎のPUCCHリソースとして、サブフレームおよびシンボルを割当てる。シンボルの割当ては、シンボル番号で行うとよい。サブフレーム内で設定されるシンボル番号で行うとよい。あるいは、サブフレームに割当てられるPUCCH用リソースの最大シンボル数を決めてもよい。シンボル番号は、最大シンボル数でリナンバリングしてもよい。これによって、シンボル番号を表す情報量、例えばビット数を削減することができる。
UEが存在するビームのPUCCHリソースから、UE毎のPUCCHリソースを割当てる。すなわち、各ビームのPUCCHリソース上で、UE毎のPUCCHリソースを割当てて、多重する。
UEが存在するビームのPUCCHリソースから、UE毎のUCI毎のPUCCHリソースを割当ててもよい。すなわち、各ビームのPUCCHリソース上で、UE毎のUCI毎のPUCCHリソースを割当てて多重してもよい。サブフレーム内で、PUCCHリソースのシンボルを送受信するビームと、該シンボルと異なるシンボルを送受信するビームとを異ならせてもよい。
ビーム毎のPUCCHリソースの設定方法について開示する。ビーム毎のPUCCHを割当てるサブフレームを周期およびオフセットで設定し、PUCCHを割当てるシンボルをシンボル番号で設定する。
図12は、ビーム毎のPUCCHリソースを、周期、オフセット、シンボル番号で設定する方法の一例を説明する図である。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。予め定めるカバレッジをカバーするために必要となるビーム切換数をビームスイープ数とする。
ビーム番号0のPUCCHリソースとして、周期を5サブフレームとし、オフセットを0サブフレームとし、サブフレーム内シンボル番号を10としたリソース1201を設定する。これによって、ビーム番号0のPUCCHは、基準サブフレーム番号、例えばサブフレーム番号0のサブフレームからオフセットが0のサブフレームで、周期が5サブフレームで、サブフレーム内シンボル番号が10(シンボル#10)のリソース1201に割当てられる。基準サブフレーム番号は、予め設定されるとよい。基準サブフレーム番号は、例えば、規格などで予め決めておくとよい。
同様に、ビーム番号1のPUCCHリソースとして、周期を10サブフレームとし、オフセットを1サブフレームとし、サブフレーム内シンボル番号を11としたリソース1202を設定する。これによって、ビーム番号1のPUCCHは、基準サブフレーム番号のサブフレームからオフセット1のサブフレームで、周期が10サブフレームで、サブフレーム内シンボル番号が11(シンボル#11)のリソース1202に割当てられる。
同様に、ビーム番号2のPUCCHリソースとして、周期を1サブフレームとし、オフセットを0サブフレームとし、サブフレーム内シンボル番号を12としたリソース1203を設定する。これによって、ビーム番号2のPUCCHは、基準サブフレーム番号のサブフレームからオフセット0のサブフレームで、周期が1サブフレームで、サブフレーム内シンボル番号が12(シンボル#12)のリソース1203に割当てられる。
同様に、ビーム番号3のPUCCHリソースとして、周期を2サブフレームとし、オフセットを0サブフレームとし、サブフレーム内シンボル番号を13としたリソース1204を設定する。これによって、ビーム番号3のPUCCHは、基準サブフレーム番号のサブフレームからオフセット0のサブフレームで、周期が2サブフレームで、サブフレーム内シンボル番号が13(シンボル#13)のリソース1204に割当てられる。
このように、各ビームのPUCCHリソースが周期的に割当てられる。サブフレーム番号が無線フレーム単位である場合、および無線フレーム番号がシステムフレーム単位である場合は、周期的な設定をサブフレーム番号だけでなく、無線フレーム番号およびシステムフレーム番号を用いてリナンバリングしてもよい。
ビーム毎のPUCCHを割当てるシンボルは、サブフレーム内の最後尾から設定してもよい。DLリソースを設けるような場合、PUCCHを割当てるシンボルの前のシンボルをDLに割当てることによって、ギャップ(Gap)の数を最小にすることができる。
ビーム毎のPUCCHを割当てるシンボル数を1つにしたが、複数であってもよい。複数にすることによって、セルのPUCCHの受信電力を増大させることができ、PUCCHの受信品質を向上させることが可能となる。また、ビーム内で多重されるPUCCHの数を増大させることが可能となる。
ビーム切換が1ビーム毎に行われる場合について示しているが、ビーム切換が複数のビーム毎に行われる場合であってもよい。同じタイミングで複数のビームで通信可能な場合、該複数のビーム間は空間多重が可能である。したがって、同じタイミングで通信可能な複数のビーム毎のPUCCHには同じリソースを割当てるとよい。
ビーム毎のPUCCHリソースの他の設定方法について開示する。ビームスイープ数のPUCCHをkサブフレーム内に設定する。ここで、kは自然数である。
図13は、ビームスイープ数のPUCCHをkサブフレーム内に設定する方法の一例を説明する図である。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。一例として、k=ビームスイープ数とする。各ビームのPUCCHを、連続するサブフレームの最後のシンボル1302,1304,1306,1308に割当て、ビームスイープ数のサブフレーム数で繰り返し割当てる。ここでは、PUCCHリソースに割当てるシンボルは、1サブフレーム内1シンボルとしている。PUCCHリソースに割当てるシンボル番号は、固定としてもよい。
シンボル1301,1303,1305,1307には、任意のビームの任意の信号あるいは無送信区間が割当てられる。DLでもよいしULでもよい。例えば、シンボル1301にはビーム番号0の下り信号が、シンボル1303にはビーム番号1の下り信号が、シンボル1305にはビーム番号2の下り信号が、シンボル1307にはビーム番号3の下り信号が割当てられる。
ビーム番号0のビームからビーム番号3のビームがスイープされる。ビーム番号0のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号13(1302)に割当てられる。ビーム番号1のPUCCHは、サブフレーム番号n+1、シンボル番号13(1304)に割当てられる。ビーム番号2のPUCCHは、サブフレーム番号n+2、シンボル番号13(1306)に割当てられる。ビーム番号3のPUCCHは、サブフレーム番号n+3、シンボル番号13(1308)に割当てられる。nは0以上の整数である。
このように、各ビームのPUCCHがサブフレーム毎に最後のシンボル1302,1304,1306,1308に割当てられ、ビームスイープ数のサブフレーム数で繰り返し割当てられる。サブフレーム番号が無線フレーム単位である場合、および無線フレーム番号がシステムフレーム単位である場合は、繰り返し割当てられるように、サブフレーム番号だけでなく、無線フレーム番号およびシステムフレーム番号を用いてリナンバリングされてもよい。
このようにすることによって、ビームスイープ数のサブフレームで全ビームのPUCCHを割当てることができる。したがって、ビームスイープ数のサブフレームにおいて、少なくとも一度は、各ビームのPUCCHの送受信を行うことが可能となる。
図14は、ビームスイープ数のPUCCHをkサブフレーム内に設定する方法の他の例を説明する図である。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。一例として、k=1とする。全ビームのPUCCHを一つのサブフレームに割当て、1サブフレームで繰り返し割当てる(1402〜1405,1407〜1410,1412〜1415,1417〜1420)。言い換えると、毎サブフレーム繰り返し割当てる。各ビームのPUCCHリソースに割当てられるシンボルは、1サブフレーム内1シンボルとしている。PUCCHリソースに割当てるシンボル番号は、固定としてもよい。ここでは、1サブフレーム内の最後からビームスイープ数のシンボルを割当てることとなる。
シンボル1401,1406,1411,1416には、任意のビームの任意の信号あるいは無送信区間が割当てられる。DLでもよいしULでもよい。例えば、シンボル1401にはビーム番号0の下り信号が、シンボル1406にはビーム番号1の下り信号が、シンボル1411にはビーム番号2の下り信号が、シンボル1416にはビーム番号3の下り信号が割当てられる。
ビーム番号0のビームからビーム番号3のビームがスイープされる。ビーム番号0のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号10(1402,1407,1412,1417)に割当てられる。ビーム番号1のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号11(1403,1408,1413,1418)に割当てられる。ビーム番号2のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号12(1404,1409,1414,1419)に割当てられる。ビーム番号3のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号13(1405,1410,1415,1420)に割当てられる。nは0以上の整数である。
このように、全ビームのPUCCHリソースが同一サブフレームの異なるシンボルに割当てられる。このようにすることによって、毎サブフレーム、全ビームのPUCCHリソースを構成することが可能となる。例えば、PUCCHで送信するSRについては、SR周期をサブフレーム単位に設定することが可能となる。具体的には、サブフレームを1msとすると、SR周期を1msに設定することができる。これによって、UEに送信データが発生してからSRを送信するまでの時間を短縮することができるので、データの送信開始までの遅延時間を短縮することができる。
図15は、ビームスイープ数のPUCCHをkサブフレーム内に設定する方法の他の例を説明する図である。k個のサブフレーム毎に、ビームスイープ数分のPUCCHリソースを、k個のサブフレーム内のサブフレームとシンボルとに個別に割当てる。このk個のサブフレームの割当てパターンが繰り返される。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。一例として、k=4とする。
シンボル1501,1503,1505,1507には、任意のビームの任意の信号あるいは無送信区間が割当てられる。DLでもよいしULでもよい。例えば、シンボル1501にはビーム番号0の下り信号が、シンボル1503にはビーム番号1の下り信号が、シンボル1505にはビーム番号2の下り信号が、シンボル1507にはビーム番号3の下り信号が割当てられる。
ビーム番号0のビームからビーム番号3のビームがスイープされる。ビーム番号0のPUCCHは、サブフレーム番号n、シンボル番号13(1502)に割当てられる。ビーム番号1のPUCCHは、サブフレーム番号n+1、シンボル番号13(1504)に割当てられる。ビーム番号2のPUCCHは、サブフレーム番号n+2、シンボル番号12(1506)に割当てられる。ビーム番号3のPUCCHは、サブフレーム番号n+2、シンボル番号13(1507)に割当てられる。サブフレーム番号n+3には、PUCCHは割当てられない。nは0以上の整数である。
このようにすることによって、k個のサブフレーム内に、全ビームのPUCCHが割当てられる。kを増減させることによって、PUCCHリソースを割当てる頻度を変更することができる。したがって、セルの負荷およびUEが行うサービスの種類によって、柔軟にPUCCHを割当てるリソース量を設定することができる。
前述の例では、繰り返されるkサブフレーム内で、一つのビームのPUCCHが割り当てられるシンボル数を1としたが、1に限らず複数であってもよい。また、その数はビーム毎に異なってもよい。このように繰り返されるkサブフレーム内で一つのビームのPUCCHが割り当てられるシンボル数を、ビーム毎に異なるようにすることによって、PUCCHのリソースの柔軟な設定が可能となる。
前述の例では、kサブフレームを連続して繰り返し割当てることを開示した。他の方法として、kサブフレームを連続ではなく、離散的に割当てるようにしてもよいし、周期的に割当てるようにしてもよい。例えば、PUCCHが割り当てられるkサブフレームを、mサブフレーム間隔で周期的に繰り返してもよい。言い換えると、PUCCHが割り当てられるkサブフレームを、m+1サブフレーム毎に周期的に繰り返してもよい。mは0以上の整数である。
このようにすることによって、PUCCHリソースを設定するサブフレーム間に、PUCCHリソースを設定しないサブフレームを設けることが可能となる。例えば、DLのみのサブフレームを設定することも可能となる。これによって、PUCCHのリソースのさらに柔軟な設定が可能となる。また、DLおよびULの通信遅延量の柔軟な設定、ならびに通信量の柔軟な設定を行うことが可能となる。
セルは、ビーム内に存在するUE数に応じて、PUCCHのリソースを増減させてもよい。例えば、ビーム内に存在するUEの要求遅延時間に応じて、時間軸上のPUCCHリソースを増減させてもよい。
例えば、ビームスイープ数のPUCCHをkサブフレーム内に設定して繰り返し割当てる方法において、kおよびmを大きく設定することによって、PUCCHリソースが割り当てられる頻度を少なくして、他のデータおよび制御情報に割当てられるリソース量を増大させる。逆に、kおよびmを小さく設定することによって、PUCCHリソースが割り当てられる頻度を多くして、送信開始までの遅延時間を低減させる。
繰り返されるj個のサブフレーム内の各サブフレームで通信が行われるビームを決めておいてもよい。ここで、jは自然数である。このような場合のPUCCHの設定方法として、前述に開示した方法を適用してもよい。上りリンクのサブフレームに適用するとよい。k=jと設定するとよい。通信が行われるビームに設定されたサブフレームの中で、そのビームに対するPUCCHリソースを設定するのに、前述に開示した方法を適用するとよい。
PUCCHリソース割当ての判断方法について開示する。セルは、ビーム毎のPUCCHリソースの設定を行う。判断指標例として、以下の(1)〜(7)の7つを開示する。
(1)各ビームの負荷。
例えば、各ビームの負荷が高負荷の場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当て、各ビームの負荷が低負荷の場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当てる。
(2)各ビームの存在するUE数。
例えば、各ビームの存在するUE数が多い場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当て、各ビームの存在するUE数が少ない場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当てる。
(3)各ビームに存在するUEの使用サービス。
例えば、高頻度に上りデータが発生するサービスのUEが存在する場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当て、低頻度で上りデータが発生するサービスのUEが存在する場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当てる。ビームに存在するUEのうち、最も高頻度に上りデータが発生するサービスに合わせるとよい。
(4)各ビームの傘下のUEのサービスの要求QoS。
例えば、高いQoSが要求されるサービスのUEが存在する場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当て、低いQoSが要求されるサービスのUEが存在する場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当てる。ビームに存在するUEのうち、最も高い要求QoSに合わせるとよい。
(5)各ビームに存在するUEの要求遅延時間。
例えば、高遅延時間が要求されるサービスのUEが存在する場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当て、低遅延時間が要求されるサービスのUEが存在する場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当てる。ビームに存在するUEのうち、要求遅延時間が最も低いものに合わせるとよい。
(6)各ビームに存在するUEの要求スループット。
例えば、高スループットが要求されるサービスのUEが存在する場合は、高頻度でPUCCHリソースを割当て、低スループットが要求されるサービスのUEが存在する場合は、低頻度でPUCCHリソースを割当てる。ビームに存在するUEのうち、要求スループットが最も高いものに合わせるとよい。
(7)前記(1)〜(6)の組合せ。
UEに対するPUCCHリソースの設定方法について開示する。
セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報を通知する。PUCCHリソースに関する情報例として、以下の(1)〜(13)の13個を開示する。
(1)ビームID。
前記(1)のビームIDは、どのビームのPUCCHの設定であるかを示す。
(2)周期。
前記(2)の周期は、PUCCHを割当てる周期を示す。無線フレーム単位、サブフレーム単位、シンボル単位などで設定するとよい。
(3)オフセット。
前記(3)のオフセットは、PUCCHを割当てるオフセットを示す。無線フレーム単位、サブフレーム単位、シンボル単位などで設定するとよい。
(4)シンボル番号。
前記(4)のシンボル番号は、PUCCHをどのシンボルに割当てるかを示す。
(5)サブフレーム番号。
前記(5)のサブフレーム番号は、PUCCHをどのサブフレームに割当てるかを示す。
(6)k。
前記(6)のkは、ビーム毎のPUCCHのリソースを何サブフレーム毎に割当てるかを示す。
(7)m。
前記(7)のmは、ビーム毎のPUCCHの割当てが何サブフレーム毎に繰り返されるかを示す。
(8)UCI種類。
前記(8)のUCI種類は、どのUCIのPUCCHを割当てるかを示す。
(9)周波数リソース。
前記(9)の周波数リソースは、PUCCHをどの周波数リソースに割当てるかを示す。
(10)サイクリックシフト(Cyclic Shift:CS)。
前記(10)のCSは、PUCCHに用いるZCシーケンスのCSを示す。
(11)シーケンス番号。
前記(11)のシーケンス番号は、PUCCHに用いるシーケンスのシーケンス番号を示す。
(12)直交符号。
前記(12)の直交符号は、PUCCHに直交符号を用いる場合、該直交符号を示す。
(13)前記(1)〜(12)の組合せ。
PUCCHリソースに関する情報として、PUCCH用RSに関する情報を含めてもよい。PUCCHリソースに関する情報を、該UEが通信可能なビームを介して通知する。以降、UEが通信可能なビームを「サービングビーム」と称する。PUCCHリソースに関する情報は、常に固定でなくてもよい。セルは、準静的または動的に設定して、UEに通知してもよい。
これらの情報の通知を行うことによって、UEは、PUCCHリソースに関する情報を取得する。これによって、自UEのPUCCHリソースの設定を認識することが可能となる。
セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報を、セルのカバレッジ全体をカバーするシングルビームを用いて通知してもよい。
ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報と、UE毎のPUCCHリソースに関する情報とを設けてもよい。各々、PUCCHに関する情報を組合せて設けてもよい。セルは、UEに対して、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報と、UE毎のPUCCHリソースに関する情報とを別々に通知してもよい。UEは、これらの情報を取得することによって、自UEのPUCCHリソースの設定を認識することが可能となる。
例えば、ビーム毎のPUCCHリソースの設定方法において、ビーム毎のPUCCHを割当てるサブフレームを周期およびオフセットで設定し、PUCCHを割当てるシンボルをシンボル番号で設定する場合について示す。
例えば、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を、(1)ビームID、(2)周期、(3)オフセット、(4)シンボル番号、(10)CS、(11)ルートシーケンス番号とする。セルは、UEに対して、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。セルが構成する全ビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。このようにすることによって、UEは、ビーム毎に、どのサブフレームのどのシンボルにPUCCHリソースが設定されるかを認識することが可能となる。また、PUCCHに用いるCSおよびルートシーケンスを認識することが可能となる。
例えば、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を、(2)周期、(3)オフセット、(8)UCI種類、(9)周波数リソースとする。セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。このようにすることによって、UEは、自UEのUCI種類に応じて、どのサブフレームのどのシンボルのどの周波数リソースにPUCCHリソースを設定するかを認識することが可能となる。
セルは、UEに対して、該UEが存在するビームのビーム毎に設定するPUCCHリソースの中から、UE毎のPUCCHリソースを設定する。セルは、UEに対して、設定したUE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。
PUCCHリソースに関する情報の一部または全部について、ビーム毎とUE毎とで同じにしてもよい。このような場合、セルは、UEに対して、同じ設定のPUCCHリソースに関する情報の通知を1回で行ってもよい。ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報から同じ設定を省略してもよい。UE毎のPUCCHリソースに関する情報としてのみ通知すればよい。
ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報の通知方法について開示する。
セルは、セル毎に、ビーム毎のPUCCHリソースを設定する。セルは、セル毎に設定したビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を、セルの情報として、UEに通知する。セルは、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を、セルの傘下のUEに対して通知する。ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報には、UEが通信を行っているビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報が含まれる。
セルは、UEに対して、セル内における全ビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。あるいは、セル内における全ビームではなく、複数のビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。例えば、UEが通信を行っているビームのPUCCHリソースに関する情報と、その周辺のカバレッジを有する複数のビームのPUCCHリソースに関する情報とを通知してもよい。これによって、UEのビーム移動時に、移動先のビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知しなくて済む。
あるいは、セルは、UEに対して、UEが通信を行っているビームのみのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。これによって、1回のシグナリングの情報量を少なくすることが可能となる。あるいは、セルは、セルが決定した一つまたは複数のビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。例えば、設定を変更したビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。これによって、設定変更のたびに全ビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知しなくて済む。また、セルは、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報のうち、設定を変更した情報のみを通知してもよい。これによって、さらに通知する情報量を低減することができる。
セルは、UEに対して、前記ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を、サービングビームを介して通知する。サービングビームを介して通知する場合、サービングビームのPUCCHリソースに関する情報に関しては、ビームIDを省略してもよい。サービングビームと異なるビームのPUCCHリソースに関する情報を通知する場合は、ビームIDを、前記PUCCHリソースに関する情報に含めるとよい。このようにすることによって、UEは、通信を行っているビームを介して、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を得ることが可能となる。
他の方法として、セルは、前記PUCCHリソースに関する情報を、セルのカバレッジ全体をカバーするシングルビームを用いて通知してもよい。これによって、セルのカバレッジ全体に前記PUCCHリソースに関する情報を通知することができるので、シグナリング負荷を低減させることが可能となる。
セルは、前記PUCCHリソースに関する情報をシステム情報に含めて通知してもよい。セルは、前記PUCCHリソースに関する情報を報知してもよい。あるいは、セルは、前記PUCCHリソースに関する情報をUE個別シグナリングで通知してもよい。UE個別シグナリングで通知することによって、セルが報知する情報量を増大させることがなくなる。したがって、報知に必要となる無線リソースの増大を抑制することができる。また、UE個別シグナリングで通知することによって、ビーム毎のリソースを用いて通知することが可能となる。これによって、前記PUCCHリソースに関する情報を、ビーム毎に柔軟に通知することが可能となる。
UE毎のPUCCHリソースに関する情報の通知方法について開示する。
セルは、PUCCHリソースに関する情報を、UE個別の情報としてUEに通知する。セルは、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報のうちの一部あるいは全部を通知してもよい。例えば、セルは、UE個別のPUCCHリソースに関する情報のうちの一部の設定を変更した場合、UEに対して、該一部の情報のみを通知してもよい。これによって、通知する情報量を低減することができる。
セルは、前記PUCCHリソースに関する情報を、サービングビームを介して通知する。サービングビームを介して通知する場合、ビームIDを省略してもよい。セルは、前記PUCCHリソースに関する情報をUE個別シグナリングで通知するとよい。このようにすることによって、UEは、通信を行っているビームを介して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を得ることが可能となる。
他の方法として、セルは、前記PUCCHリソースに関する情報を、セルのカバレッジ全体をカバーするシングルビームを用いて通知してもよい。これによって、セルのカバレッジ全体に前記PUCCHリソースに関する情報を通知することができるので、シグナリング負荷を低減させることが可能となる。
また、セルは、UEに対して、UE毎に、UCI毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。前述の通知方法を適用するとよい。セルは、UCI毎のPUCCHリソースの設定が可能となり、UEは、UCI毎に設定されたPUCCHリソースの設定を用いて、UCI毎のPUCCHを送信することが可能となる。
ビーム毎のPUCCHリソースである一つのシンボルに複数のUEのPUCCHを設定する方法として、複数のUE間で周波数分割多重あるいは符号分割多重を行うように設定するとよい。
図16は、PUCCHの設定およびSRの送受信のシーケンスの一例を示す図である。図16では、セルが、UEに対して、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報と、UE毎のPUCCHリソースに関する情報とを別々に通知する場合について示している。
ステップST2501において、セルは、セル内における全ビームのビーム毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2502において、セルは、UEに対して、UEが通信するビームのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を含む、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。UEと通信するビームを介して通知するとよい。該情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST2502でビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を受信したUEは、ステップST2503において、UEが通信するビームであるサービングビームに対応するPUCCHリソース構成を記憶する。ここで、UEは、通知されビーム全てについて、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を記憶してもよい。
ステップST2504において、セルは、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2505において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。該情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST2505でUE毎のPUCCHリソースを受信したUEは、ステップST2506において、ビーム毎のPUCCHリソース上でUE毎のPUCCHリソース構成を設定する。具体的には、UEは、ステップST2506において、ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報と、UE毎のPUCCHリソースに関する情報とを用いて、自UEのPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2505でUE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知したセルは、ステップST2507において、UEに対して設定したUE毎のPUCCHリソース構成で受信を開始する。
ステップST2508において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST2508において上りデータが発生していないと判断された場合は、ステップST2508に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST2508において上りデータが発生していると判断された場合は、ステップST2509に移行する。
ステップST2509において、UEは、設定されたUE毎のSR用PUCCHリソースでSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST2507でUEに対して設定したUE毎のPUCCHリソースで受信を開始したセルは、ステップST2509において、UEから送信されたSRを受信する。
ステップST2510において、セルは、受信したSRに従って、UEに対して上りスケジューリングを開始する。
ステップST2511において、セルは、UEに対して上りグラント、具体的には上りグラントを含む上りスケジューリング情報を送信する。
ステップST2511で上りグラントを受信したUEは、ステップST2512において、該上りグラントを用いて、BSR(Buffer Status Report)をセルに送信する。このときに、上りデータを送信してもよい。
ステップST2512でBSRを受信したセルは、BSRに従って、UEに対して上りスケジューリングを行う。
ステップST2513において、セルは、UEに対して上りグラントを送信する。ステップST2513で上りグラントを受信したUEは、ステップST2514において、該上りグラントを用いて、上りデータをセルに送信する。ステップST2514において、セルは、UEから送信された上りデータを受信する。
このようにして、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
ステップST2512において、UEは、セルに対してBSRを送信したが、BSRとともに上りデータを送信してもよい。あるいは、上りデータのみを送信してもよい。これによって、少量のデータの場合、該送信のみで上りデータ送信を完了させることができ、遅延時間の短縮を図ることができる。
ビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を、セルがUEに対して通知することを開示したが、静的に規格などで予め決めておいてもよい。あるいは、ビームIDをインプットパラメータとして用いて、サブフレーム番号およびシンボル番号などのビーム毎のPUCCHリソースに関する情報をアウトプットする関数を用いてもよい。このようにすることによって、セルとUEとの間のシグナリング負荷を低減させることが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、MBFにおけるビームスイーピング運用時のPUCCHリソースの設定が可能となる。
セルがUEに対して、本実施の形態で開示した方法でPUCCHリソースの設定を行うことによって、UEが通信を行っているビームでのPUCCHの送受信が可能となり、UEからセルへの上り通信が可能となる。
サブフレーム内で、PUCCHリソースのシンボルを送受信するビームと、該シンボルと異なるシンボルを送受信するビームとを異ならせてもよいことを開示した。1サブフレーム内の他のシンボルを送受信するビームとは異なるビームのPUCCHが構成されるような場合、たとえ、他のシンボルが下り通信に用いられたとしても、ギャップを設けなくてもよい。
下りリンクと上りリンクとでビームが異なるので、UEは、下り信号の受信と上り信号の送信とを連続して行うことは無い。したがって、UEで受信と送信とが重なることはなく、ギャップは不要となる。
セルは、ギャップ構成を設定してUEに通知してもよい。ギャップ設定についても、PUCCHリソースに関する情報に含めてもよい。セルは、他のPUCCHリソースに関する情報とともに、UEに対して通知してもよい。
セルがギャップ構成を設定して、UEに対して通知できるようにしておくことによって、例えば、1サブフレーム内の下りリンクに用いられるシンボルと上りリンクに用いられるシンボルとで異なるビームが用いられるような場合に、下りリンクから上りリンクの間にギャップを設けないように設定することが可能となる。
このようにすることによって、従来必要であったギャップを、下り通信あるいは上り通信に使用することが可能となる。したがって、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
ビームをシンボル毎に切換える場合、送受信機においてビーム切換えに時間を要し、その期間は正常に送受信できない場合がある。したがって、ビーム切換え期間の設定が必要となる。ビーム切換え期間は、静的に規格などで決めておくとよい。セルとUEとで送受信できない期間を認識することが可能となる。ビーム切換期間をCP長内と決めてもよい。1シンボルで送るデータに影響を及ぼさずにビーム切換を行うことができる。
実施の形態2 変形例1.
本実施の形態では、実施の形態2で述べた問題を解決する他の方法を開示する。実施の形態2では、PUCCHリソースをビーム毎に予め決めておき、ビーム毎のPUCCHリソースの中で、UE毎のPUCCHリソースを設定することを開示した。しかし、UE毎に通信するサービスによって、必要となるPUCCHの設定周期が異なるので、ビーム毎に設定したPUCCHリソースの中で使用しないリソースも発生する。したがって、無線リソースの使用効率が低下してしまうという問題が生じる。
本変形例では、このような問題を解決する方法を開示する。
PUCCHリソースをUE毎に設定する。ビーム毎のPUCCHリソースを設定せず、UE毎にPUCCHリソースを設定する。PUCCHリソースを動的に設定してもよい。UE毎に、動的にPUCCHリソースを設定することによって、UEの接続状態に応じて、適時にPUCCHリソースを設定することが可能となる。また、実施の形態2で開示した方法におけるビーム毎に設定したPUCCHリソースの中で使用しないリソースが発生することによるリソースの使用効率の低減を抑制できる。
UEに対するPUCCHリソースの設定方法について開示する。
セルは、UEに対して、UE毎に設定するPUCCHリソースに関する情報を通知して、PUCCHリソースを設定する。PUCCHリソースに関する情報例は、実施の形態2で開示したものを適用すればよい。本変形例における設定例を開示する。UE毎のPUCCHを割当てるサブフレームを周期およびオフセットで設定し、PUCCHを割当てるシンボルをシンボル番号で設定する。
サブフレーム周期を1つまたは複数の予め定める値としてもよい。サブフレーム周期とオフセットとの組合せを示すインデックスを設け、インデックスで設定してもよい。シンボルの割当ては、シンボル番号で行うとよい。あるいは、シンボルの割当ては、サブフレーム内で設定されるシンボル番号で行うとよい。例えば、サブフレーム周期を10、オフセットを4、シンボル番号を13と設定する。この場合、5番目のサブフレームから10サブフレーム毎のサブフレームのシンボル番号が13のシンボルにPUCCHを割当てる。
サブフレームに割当てられるPUCCH用リソースの最大シンボル数を決めて、シンボル番号を最大シンボル数でリナンバリングして設定してもよい。これによって、シンボル番号を表す情報量、例えばビット数を削減することができる。
また、セルは、UEに対して、PUCCHの周波数リソース、CS、シーケンス番号を設定する。UEは、これらの情報に従って、前述のPUCCHを割当てるタイミングのシンボルでPUCCHを構成する。
セルは、サービングビームが異なるUEに対して、UE毎にPUCCHリソースを設定するときに、それらのUEに対するPUCCHリソースの設定タイミングが同一にならないように設定する。PUCCHリソースにシンボルを割当てる場合、同一サブフレームの同一シンボルにならないように設定するとよい。
セルは、該情報を、サービングビームを介して通知する。サービングビームを介して通知する場合、ビームIDを省略してもよい。セルは、該情報をUE個別シグナリングで通知するとよい。このようにすることによって、UEは、通信を行っているビームを介して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を得ることが可能となる。
UE個別シグナリングとして、RRCシグナリングを用いてもよい。UE毎のPUCCHリソースに関する情報を、RRCメッセージに含めるとよい。あるいは、UE個別シグナリングとして、L1/L2制御シグナリングを用いてもよい。UE毎のPUCCHリソースに関する情報を、下りL1/L2制御情報(下り制御情報であってもよい)に含めるとよい。UE個別シグナリングとしてL1/L2制御シグナリングを用いることによって、UEは、比較的早期に設定を受信することが可能となるので、設定遅延時間の低減が可能となる。
あるいは、UE個別シグナリングとして、MACシグナリングを用いてもよい。UE毎のPUCCHリソースに関する情報を、MAC制御情報に含めるとよい。UE個別シグナリングとして、MACシグナリングを用いることによって、HARQが適用されるので、UEは、低い受信誤り率で受信することが可能となるとともに、比較的早期に設定を受信することが可能となる。
図17は、UE毎のPUCCHの設定およびSRの送受信のシーケンスの一例を示す図である。図17に示すシーケンスは、図16に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図17では、セルが、UEに対して、UE毎に設定するPUCCHリソースに関する情報を通知する場合について示している。
ステップST2601において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。セルは、UEに対して、PUCCHを割当てるシンボル番号まで設定する。このとき、セルは、サービングビームが異なるUEに対して、PUCCHリソースタイミングが同一にならないように設定する。
ステップST2602において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。PUCCHリソースに関する情報に、PUCCHを割当てるシンボル番号(シンボル#)を含ませる。UEと通信するビームを介して通知するとよい。該情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST2602でUE毎のPUCCHリソースに関する情報を受信したUEは、ステップST2603において、PUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2602でUEに対してPUCCHリソースに関する情報を通知したセルは、ステップST2604において、UEに対して設定したPUCCHリソース構成で受信を開始する。
ステップST2605において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST2605で上りデータが発生していない場合は、ステップST2605に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST2605で上りデータが発生している場合は、ステップST2606に移行する。
ステップST2606において、UEは、設定されたSR用PUCCHリソースで、SRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST2604でUEに対して設定したPUCCHリソースで受信を開始したセルは、ステップST2606において、UEから送信されたSRを受信する。
このようにしてUEからSRを受信したセルは、上り通信開始のための処理を行う。これによって、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
本変形例で開示した方法を用いることによって、MBFにおけるビームスイーピング運用時のPUCCHリソースの設定が可能となる。セルがUEに対して、本実施の形態で開示した方法でPUCCHリソースの設定を行うことによって、UEが通信を行っているビームでのPUCCHの送受信が可能となり、UEからセルへの上り通信が可能となる。
また、UE毎に、動的にPUCCHリソースを設定することによって、UEの接続状態に応じて、PUCCHリソースを設定することが可能となる。また、実施の形態2で開示した方法におけるビーム毎に設定したPUCCHリソースの中で使用しないリソースが発生することによるリソースの使用効率の低減を抑制することができる。
セルは、PUCCHリソースに関する情報を、サービングビームを介して通知することを開示したが、他の方法として、セルは、該情報を、セルのカバレッジ全体をカバーするシングルビームを用いて通知してもよい。これによって、セルのカバレッジ全体に前記PUCCHリソースに関する情報を通知できるので、シグナリング負荷を低減させることが可能となる。
また、セルはUEに対して、UE毎に、UCI毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。前述の通知方法を適用するとよい。セルは、UCI毎のPUCCHリソースの設定が可能となり、UEは、UCI毎に設定されたPUCCHリソースの設定を用いて、UCI毎のPUCCHを送信することが可能となる。
本変形例における他の設定例を開示する。UE毎にPUCCHリソースの設定の開始、修正、停止に関する情報を設定する。セルは、UEに対して、予めUE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を通知することによって、該PUCCHリソースを設定する。UEは、該設定の受信によって、実際にPUCCHの送信、修正後送信、停止を実行する。
PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報例として、以下の(1)〜(8)の8つを示す。
(1)開始を示す情報。
(2)停止を示す情報。
(3)修正を示す情報。
(4)設定期間を示す情報。
(5)停止期間を示す情報。
(6)オフセットを示す情報。
(7)シンボル番号。
(8)前記(1)〜(7)の組合せ。
前記(1)は、開始を示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、予め設定されたPUCCHリソースでのPUCCH送信を可能とする。
前記(2)は、停止を示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、予め設定されたPUCCHリソースでのPUCCH送信を停止する。
前記(3)は、修正を示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、PUCCHリソースを修正設定したリソースでPUCCH送信を可能とする。修正するPUCCHリソース情報を併せて通知するとよい。
前記(4)は、設定期間を示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、設定開始から該設定期間、PUCCHリソースでのPUCCH送信を可能とする。該設定期間の満了で設定停止とするとよい。
前記(5)は、停止期間を示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、設定停止から該停止期間、PUCCHリソースでのPUCCH送信を停止する。該停止期間の満了で設定開始とするとよい。
前記(6)は、オフセットを示す情報であり、UEは、該情報が設定された場合に、設定開始などのタイミングから該オフセット値だけオフセットして設定開始などを行う。
前記(7)は、PUCCHを割当てるシンボル番号であり、UEは、該情報が設定された場合に、該シンボル番号にPUCCHリソースを設定する。UEに対して予め設定するPUCCHリソースにシンボル番号が含まれている場合は、新たに設定されたシンボル番号に従う。
図18は、UE毎にPUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を設定する方法の一例を説明する図である。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。図18において、横軸はサブフレームを示し、縦軸はサブフレーム内のシンボル番号を示している。図18では、PUCCHが割当てられるシンボル数を1サブフレームに最大4つと設定した場合について示す。この場合、サブフレーム内のシンボル番号を0から3でリナンバリングする。
ここでは、シンボル番号10がシンボル番号0に対応し、シンボル番号11がシンボル番号1に対応し、シンボル番号12がシンボル番号2に対応し、シンボル番号13がシンボル番号3に対応する。1サブフレームのPUCCHを割当てる最大シンボル数、サブフレーム内のシンボル番号とリナンバリング後のシンボル番号との対応関係を、予めセルからUEに対して通知しておくとよい。また、予め通知するUE毎のPUCCHリソースに関する情報に含めてもよい。UEは、該情報を用いて、PUCCHを割当てるシンボル番号を認識することができる。
図18において、矢符はセルからUEへ通知する情報を示している。セルは、予めUE1、UE2、UE3、UE4に対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知しておく。セルは、UE2に対して、PUCCHリソースの設定開始を決定した場合、UE2に対して、PUCCHを割当てるシンボル番号とともに、PUCCH設定開始を示す情報(Str_UE#2(シンボル#3))を通知する。ここでは、シンボル番号を3とする。これによって、UE2に対して、PUCCHリソースが設定される。
セルは、UE3に対して、PUCCHリソースの設定開始を決定した場合、UE3に対して、PUCCHを割当てるシンボル番号とともに、PUCCH設定開始を示す情報(Str_UE#3(シンボル#2))を通知する。ここでは、シンボル番号を2とする。これによって、UE3に対して、PUCCHリソースが設定される。
セルは、UE1に対して、PUCCHリソースの設定開始を決定した場合、UE1に対して、PUCCHを割当てるシンボル番号とともに、PUCCH設定開始を示す情報(Str_UE#1(シンボル#3))を通知する。ここでは、シンボル番号を3とする。これによって、UE1に対して、PUCCHリソースが設定される。
セルは、UE2に対して設定したPUCCHリソースと、UE1に対して設定したPUCCHリソースとが衝突すると判断した場合、PUCCHリソースの設定修正を決定し、UEに通知する。ここでは、セルは、UE2に対して、修正後に割当てるシンボル番号とともに、PUCCHリソース設定修正を示す情報(Mod_UE#2(シンボル#2))を通知する。ここでは、シンボル番号を2とする。これによって、UE2に対して、PUCCHリソース設定が修正される。
セルは、UE3に対して設定したPUCCHリソースと、UE2に対して設定したPUCCHリソースとが衝突すると判断した場合、PUCCHリソースの設定修正を決定し、UEに通知する。ここでは、セルは、UE3に対して、修正後に割当てるシンボル番号とともに、PUCCHリソース設定修正を示す情報(Mod_UE#3(シンボル#1))を通知する。ここでは、シンボル番号を1とする。これによって、UE3に対して、PUCCHリソース設定が修正される。
セルは、UE4に対してPUCCHリソースの設定開始を決定した場合、UE4に対して、PUCCHを割当てるシンボル番号とともに、PUCCH設定開始を示す情報(Str_UE#4(シンボル#2))を通知する。ここでは、シンボル番号を2とする。これによって、UE4に対して、PUCCHリソースが設定される。
セルは、UE2に対してPUCCHリソースの設定停止を決定した場合、UE2に対して、PUCCH設定停止を示す情報(Stp_UE#2)を通知する。これによって、UE2に対して設定されたPUCCHリソースは解放される。
セルは、UE2に対して設定したPUCCHリソースを解放したので、UE3に対して設定したPUCCHリソースの衝突は生じないと判断し、PUCCHリソースの設定修正を決定し、UE3に通知する。ここでは、セルは、UE3に対して、修正後に割当てるシンボル番号とともに、PUCCHリソース設定修正を示す情報(Mod_UE#3(シンボル#2))を通知する。ここでは、シンボル番号を2とする。これによって、UE3に対して、PUCCHリソース設定が修正される。
セルは、UE1に対してPUCCHリソースの設定停止を決定した場合、UE1に対して、PUCCH設定停止を示す情報(Stp_UE#1)を通知する。これによって、UE1に対して設定されたPUCCHリソースは解放される。
セルは、UE1に対して設定したPUCCHリソースを解放したので、UE4に対して設定したPUCCHリソースの衝突は生じないと判断し、PUCCHリソースの設定修正を決定し、UE4に通知する。ここでは、セルは、UE4に対して、修正後に割当てるシンボル番号とともに、PUCCHリソース設定修正を示す情報(Mod_UE#4(シンボル#3))を通知する。ここでは、シンボル番号を3とする。これによって、UE4に対して、PUCCHリソース設定が修正される。
セルは、UE1に対して設定したPUCCHリソースを修正したので、UE4に対して設定したPUCCHリソースの衝突は生じないと判断し、PUCCHリソースの設定修正を決定し、UE3に通知する。ここでは、セルは、UE3に対して、修正後に割当てるシンボル番号とともに、PUCCHリソース設定修正を示す情報(Mod_UE#3(シンボル#3))を通知する。ここでは、シンボル番号を3とする。これによって、UE3に対して、PUCCHリソース設定が修正される。
このようにすることによって、セルは、異なるビームで通信を行うUE毎に、異なるリソースを、該UEのPUCCHに割当てることが可能となる。したがって、ビームスイープが必要なセルにおいて、異なるビームで通信を行うUE毎にビームを切り替えて、該UEのPUCCHを受信することが可能となる。
また、このようにすることによって、動的に、異なるビームで通信を行うUE毎に、異なるリソースを、該UEのPUCCHに割当てることが可能となる。PUCCHリソースを設定不要のときは、PUCCHリソースの設定停止として、他のビームのUEに対して解放できる。実施の形態2で開示した方法のように、ビーム毎のPUCCHリソースを予め設定しておく必要が無くなる。したがって、無線リソースの使用効率が低下することを抑制することが可能となる。
PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報の通知方法について開示する。セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を通知する。セルは、該情報を、サービングビームを介して通知する。サービングビームを介して通知する場合、ビームIDを省略してもよい。セルは、該情報をUE個別シグナリングで通知するとよい。このようにすることによって、UEは、通信を行っているビームを介して、UE毎のPUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を得ることが可能となる。
UE個別シグナリングとして、RRCシグナリングを用いてもよい。PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を、RRCメッセージに含めるとよい。あるいは、UE個別シグナリングとして、L1/L2制御シグナリングを用いてもよい。PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を、下りL1/L2制御情報に含めるとよい。UE個別シグナリングとしてL1/L2制御シグナリングを用いることによって、UEは、比較的早期に設定を受信することが可能となるので、設定遅延時間の低減が可能となる。
あるいは、UE個別シグナリングとして、MACシグナリングを用いてもよい。PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を、MAC制御情報に含めるとよい。UE個別シグナリングとして、MACシグナリングを用いることによって、HARQが適用されるので、UEは、低い受信誤り率で受信することが可能となるとともに、比較的早期に設定を受信することが可能となる。
PUCCHリソースに関する情報と、PUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報との通知方法の一例を開示する。PUCCHリソースに関する情報をRRCシグナリングで通知し、PUCCHリソースの設定開始、修正、停止に関する情報をRRCシグナリングで通知する。RRCシグナリングを用いるので、多くの情報を通知できるとともに、低い受信誤り率で通知することが可能となる。
通知方法の他の例を開示する。
PUCCHリソースに関する情報をRRCシグナリングで通知し、PUCCHリソースの設定開始、修正、停止に関する情報をL1/L2制御シグナリングで通知する。PUCCHリソースの設定開始、修正、停止に関する情報をL1/L2制御シグナリングで通知するので、UEにおける該設定開始、修正、停止を早期に実行することが可能となる。動的に設定開始、修正、停止を早期に実行可能とすることによって、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
通知方法のさらに他の例を開示する。
PUCCHリソースに関する情報をRRCシグナリングで通知し、PUCCHリソースの設定開始、修正、停止に関する情報をMACシグナリングで通知する。PUCCHリソースの設定開始、修正、停止に関する情報をMACシグナリングで通知するので、低誤り率で通知することが可能となる。また、UEにおける該設定開始、修正、停止を比較的早期に実行することが可能となる。動的に設定開始、修正、停止を比較的早期に確実に実行可能とすることによって、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
セルは、PUCCHリソースに関する情報、およびPUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報を、サービングビームを介して通知することを開示したが、他の方法として、セルは、前記PUCCHリソースに関する情報、およびPUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報の少なくとも一方を、セルのカバレッジ全体をカバーするシングルビームを用いて通知してもよい。これによって、セルのカバレッジ全体に、前記PUCCHリソースに関する情報、およびPUCCHリソース設定の開始、修正、停止に関する情報の少なくとも一方を通知することができるので、シグナリング負荷を低減させることが可能となる。
また、セルはUEに対して、UE毎に、UCI毎のPUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。前述の通知方法を適用するとよい。セルは、UCI毎のPUCCHリソースの設定が可能となり、UEは、UCI毎に設定されたPUCCHリソースの設定を用いて、UCI毎のPUCCHを送信することが可能となる。
PUCCHに割当てるシンボル番号に優先順位を設けてもよい。PUCCHリソースのためのシンボル番号の設定に優先順位を設けてもよい。1サブフレーム内の最後尾のシンボルの優先順位を最も高くして、それから順に、前方のシンボルに対する優先順位を低くする。例えば、1サブフレームが、シンボル番号0〜シンボル番号13の14シンボルで構成される場合、シンボル番号13の優先順位が最も高く、それから順に、シンボル番号12、シンボル番号11、とシンボル番号が小さくなるに従って優先順位が低くなる。
優先順位の高いシンボルからPUCCHに割当てる。例えば、最初のPUCCHリソースの設定開始では、最も高いシンボルに割当てる。より高いシンボルへのPUCCHリソースの設定が停止によって解放された場合、次の優先順位のシンボルに設定していたPUCCHリソース設定を、解放された、より高いシンボルに修正するとよい。
このようにすることによって、優先順位に従って、柔軟に設定を修正することが可能となる。また、後尾のシンボルをPUCCHリソースとして、優先して使用することによって、PUCCHリソースより前方のシンボルをまとめて他のDL用およびUL用の少なくとも一方に用いることが可能となる。また、ギャップ数も少なくすることが可能となる。
また、PUCCHリソースの設定周期の長さが短い順に、後尾のシンボルから割当ててもよい。例えば、最初のPUCCHリソースの設定開始では、最も高いシンボルに割当てる。次のPUCCHリソースの設定の周期が、最初のPUCCHリソース設定の周期より短い場合は、最初のPUCCHリソース設定を次の優先順位のシンボルに修正し、次のPUCCHリソース設定を最も高い優先順位のシンボルに設定する。
このようにすることによって、さらに、PUCCHリソースより前方のシンボル数がまとまって発生する回数を大きくすることができる。
本変形例では、UE毎に、動的にPUCCHリソースを設定することを開示したが、セルからUEへのPUCCHリソースに関する情報、およびPUCCHリソース設定開始、修正、停止に関する情報の通知タイミングが問題となる。
1サブフレーム内の他のシンボルを送受信するビームとは異なるビームのPUCCHを構成してもよいことを開示した。この場合、予め定めるビームにおいて、PUCCHが設定されるサブフレームで常に下りリソースが存在するとは限らない。したがって、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース設定サブフレームで、該情報を通知することはできない場合が生じる。
このような問題を解決する方法を開示する。
セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース設定サブフレーム以前のタイミングで通知する。セルは、UE毎のPUCCHリソース設定サブフレーム以前のタイミングで、設定するUEが存在するビームでの送受信を行い、該送受信において、該情報のシグナリングを完了させるとよい。
UEは、PUCCHリソース設定サブフレームは既に通知されているので、セルからUE毎のPUCCHリソース設定サブフレーム以前のタイミングで通知された場合、該通知以降のPUCCHリソース設定サブフレームで該通知された情報を適用すればよい。
セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース設定サブフレーム以前のタイミングで通知する場合、設定を適用させるタイミングを併せて通知してもよい。オフセットとして通知してもよい。例えば、通知以降、何回目のPUCCHリソース設定サブフレームから該設定を適用させるかを通知してもよい。このようにすることによって、時間的に柔軟に設定することが可能となる。
図19は、UE毎のPUCCHの設定およびSRの送受信のシーケンスの一例を示す図である。図19に示すシーケンスは、図16に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図19では、セルが、UEに対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報と、UE毎のPUCCHリソース設定開始、修正、停止に関する情報とを別々に通知する場合について示している。
ステップST2801において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2802において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。セルは、UEと通信するビームを介して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知するとよい。該情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST2802でUE毎のPUCCHリソースに関する情報を受信したUEは、ステップST2803において、該PUCCHリソース構成を記憶する。
ステップST2804において、セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定開始を決定する。本実施の形態では、セルは、UEに対してPUCCHリソース設定開始を決定するとともに、UEに対して割当てるシンボルを決定する。このとき、セルは、サービングビームが異なるUEに対して、PUCCHリソースタイミングが同一にならないように設定する。
ステップST2805において、セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定開始情報を通知する。また、PUCCHリソースとして割当てるシンボル番号情報を通知する。セルは、これらの情報を下りL1/L2制御情報に含めて、下りL1/L2制御シグナリングで、UEに対して通知する。
ステップST2805でPUCCHリソース設定開始情報を受信したUEは、ステップST2813において、ステップST2803で記憶したUE毎のPUCCHリソースに関する情報と、ステップST2805で受信したシンボル番号とを用いて、自UEのPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST2805でUEに対してPUCCHリソース設定開始情報とシンボル番号情報とを通知したセルは、ステップST2806において、UEに対して設定したPUCCHリソース構成で受信を開始する。
UEは、上り信号の送信が発生した場合、このPUCCHリソース設定でSRを送信することになる。しかし、図19の例では、この状態ではUEに上りデータが発生しなかったとする。
ステップST2807において、セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定修正と修正後に割当てるシンボルとを決定する。このとき、セルは、サービングビームが異なるUEに対して、PUCCHリソースタイミングが同一にならないように設定する。また、前述のPUCCHに割当てるシンボル番号の優先順位に従って設定してもよい。
ステップST2808において、セルは、UEに対して、PUCCHリソース設定修正情報を通知する。また、PUCCHリソースとして修正後に割当てるシンボル番号情報を通知する。セルは、これらの情報を下りL1/L2制御情報に含めて、下りL1/L2制御シグナリングで、UEに対して通知する。L1/L2制御シグナリングで通知することによって、可能な限り設定時間の削減を図ることができる。
ステップST2808でPUCCHリソース設定修正情報とシンボル番号とを受信したUEは、ステップST2809において、自UEのPUCCHリソース設定を修正する。
ステップST2808でUEに対してPUCCHリソース設定修正情報とシンボル番号情報とを通知したセルは、ステップST2810において、UEに対して修正したPUCCHリソース構成で受信を開始する。
ステップST2811において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST2811で上りデータが発生していない場合は、ステップST2811に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST2811で上りデータが発生している場合は、ステップST2812に移行する。
ステップST2812において、UEは、修正されたSR用PUCCHリソース構成で、SRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST2810でUEに対して修正したPUCCHリソースで受信を開始したセルは、ステップST2812において、UEから送信されたSRを受信する。
このようにしてUEからSRを受信したセルは、上り通信開始のための処理を行う。これによって、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
このような方法を用いることによって、先に示した例と同様の効果を得ることが可能となる。
また、予めUEに対してPUCCHリソースを設定しておき、適宜PUCCHリソース設定開始、修正、停止を通知することによって、UEの接続状態に応じて、より早期にPUCCHリソースを設定することが可能となる。これによって、さらにリソースの使用効率の低減を抑制することができる。
実施の形態2 変形例2.
実施の形態2の変形例1では、UEに対してUE毎のPUCCHリソースの設定を行うことによって、無線リソースの使用効率を向上させることを開示した。しかし、周期的にPUCCHリソースを設定すると、該タイミングでは、常にPUCCHリソースが設定されたビームで通信を行わなくてはならない。他のビームで低遅延を要する通信があるような場合は、PUCCHリソースが設定されたビームで通信を行うことはできないという問題が生じる。
本変形例では、このような問題を解決する方法を開示する。
セルは、UEに対して、UEが通信するビームのDLリソースを構成するサブフレームと同一のサブフレームにPUCCHリソースを設定する。UEは、サービングビームの下り信号の送信が行われるサブフレームと同一のサブフレームでPUCCHを送信する。NRでは、同一のサブフレーム内でDLリソースとULリソースとが構成される自己完結型サブフレーム(self-contained subframe)が提案されている。本変形例では、この自己完結型サブフレームを用いてもよい。
セルは、UEに対して、UEが通信するビームのDLリソースを構成するサブフレームと同一のサブフレームで、同じサブフレームでのPUCCH送信可否を通知する。セルは、UEに対して、PUCCH送信が必要なタイミングに応じて、サービングビームで下りL1/L2制御シグナリングによってPUCCH送信可否を通知する。PUCCH送信可否情報を設けるとよい。セルは、PUCCH送信可否情報を下り制御情報に含めて、下りL1/L2制御シグナリングでUEに対して通知するとよい。
UEは、PUCCH送信可否情報を受信し、PUCCH送信が可の場合に、PUCCH送信可否情報を受信したサブフレームでPUCCH送信を可能とする。UEは、PUCCH送信可否情報を受信し、PUCCH送信が不可の場合に、PUCCH送信可否情報を受信したサブフレームでPUCCH送信を不可能とする。UEは、PUCCH送信可否情報を受信し、PUCCH送信可情報を受信できなかった場合に、該サブフレームでPUCCH送信を不可能としてもよい。
PUCCH送信可情報のみ設けて、PUCCH送信否情報は省略してもよい。UEは、PUCCH送信可情報を受信した場合にのみ、PUCCH送信可情報を受信したサブフレームでPUCCH送信を可能とする。
UEに対する設定方法について開示する。
セルは、UEに対して、予め設定したPUCCHリソース内で、PUCCH送信可否情報を送信して、PUCCH送信可否を指示する。予め設定するPUCCHリソースには、PUCCHリソースを設定するタイミングを含ませるとよい。少なくともサブフレーム単位のタイミングを含ませるとよい。実施の形態2あるいは実施の形態2の変形例1で開示したPUCCHリソースに関する情報を通知して設定してもよい。
UEは、PUCCH送信可の情報を受信した場合に、PUCCHを送信可能とする。逆に、PUCCH送信否(不可)情報を受信した場合に、PUCCHを送信不可とする。
予めPUCCHリソース設定を通知しておくことを開示したが、PUCCHリソース設定のうちの一部あるいは全部を、PUCCH送信可否情報とともに通知してもよい。サブフレームより小さい時間単位のリソース設定をPUCCH送信可否情報とともに通知してもよい。例えば、PUCCHに割当てるシンボル番号情報をPUCCH送信可否情報とともに通知する。これによって、動的に柔軟にシンボルを割当てることが可能となる。
あるいは、PUCCHリソース設定の一部あるいは全部の通知によって、PUCCH送信可を示すとしてもよい。これによって、PUCCH送信可の情報を省略することが可能となる。PUCCH送信可否情報とともに通知する情報を少数に限定してもよい。予め大部分のPUCCHリソースを設定しておくことによって、PUCCH送信可の情報を受信してからPUCCHの送信までの処理時間を短時間にすることができる。UEが、PUCCH送信可の情報を受信したのと同一のサブフレームでPUCCHの送信が可能となる。
セルは、UEに対してPUCCHリソースを設定したサブフレームで、UEが通信するビームを送受信しなくてもよい。しかし、この場合、UEは、サービングビームからの下りL1/L2制御シグナリングを受信できなくなるので、PUCCH送信可否情報を受信できなくなる。したがって、UEの動作が不明確となり、UEは、PUCCH送信を行ってしまうおそれがある。
このような場合に、前述に開示したように、UEは、PUCCH送信可否情報を受信してPUCCH送信可情報を受信できなかった場合に、該サブフレームでPUCCH送信を不可能としておくことによって、UEが無駄なPUCCH送信を行うことを回避することが可能となる。これによって、UEの低消費電力化、および上り干渉電力の削減を図ることができる。
UEに対する他の設定方法について開示する。
セルは、UEに対して、予め、タイミング以外のPUCCHリソース設定を通知しておき、タイミング以外は、該PUCCHリソース設定に従う。予め設定するタイミング以外のPUCCHリソースの設定には、実施の形態2あるいは実施の形態2の変形例1で開示したPUCCHリソースに関する情報の通知を適用してもよい。
セルは、UEに対して、任意のタイミングでPUCCH送信可否を指示する。セルは、UEに対して、PUCCH送信可否情報を通知する。PUCCH送信可否情報とともに、サブフレームより小さい時間単位のリソース設定を通知してもよい。例えば、シンボル番号を通知する。UEは、PUCCH送信可の情報を受信した場合に、PUCCHを送信可とする。逆に、PUCCH送信否の情報を受信した場合に、PUCCHを送信不可とする。
タイミング以外のPUCCHリソース設定を予め通知しておくことを開示したが、タイミング以外のPUCCHリソース設定のうちの一部あるいは全部を、PUCCH送信可否情報とともに通知してもよい。例えば、PUCCHの周波数リソース情報を、PUCCH送信可否情報とともに通知してもよい。これによって、動的に柔軟に周波数リソースを割当てることが可能となる。
シンボル番号の通知、またはPUCCHリソース設定の一部もしくは全部の通知によって、PUCCH送信可を示すとしてもよい。これによって、PUCCH送信可の情報を省略することが可能となる。
PUCCH送信可否情報とともに通知する情報を少数に限定してもよい。予め大部分のPUCCHリソースを設定しておくことによって、PUCCH送信可の情報を受信してからPUCCHの送信までの処理時間を短時間にすることができる。これによって、UEが、PUCCH送信可の情報を受信したサブフレームと同一のサブフレームで、PUCCH送信が可能となる。
このようにすることによって、UEは、サービングビームで送信されるL1/L2制御シグナリングに含まれるPUCCH送信可否情報に応じて、PUCCHの送信可否を判断することが可能となる。セルは、UEに対して設定したPUCCHリソースでPUCCH送信を不可とすることによって、該PUCCHリソースを他に使用できる。例えば、下り通信用リソースに使用できる。セルは、該PUCCHリソースの他への使用をダイナミックに決定できる。
特に、SRについては、PUCCH送信に下り制御信号を関連させることによって、セルの判断で動的にPUCCHリソースを設定することが可能となる。ビームスイープが必要なMBFの場合に、セルは、動的に送受信するビームを変更することが可能となる。予め各ビームに設定されたPUCCHリソースタイミングで送受信する必要がなくなる。時々刻々とした電波伝搬環境変動、セルの負荷変動、または要求される通信サービスなどに柔軟に対応することが可能となる。
UEは、PUCCH送信可の情報を受信した場合、PUCCHで送信するUCIがある場合、PUCCH送信を行う。PUCCHで送信するUCIが無い場合、PUCCH送信を行わない。例えば、UEは、送信すべきSRがある場合、SR用PUCCH送信を行う。UEは、PUCCH送信不可の情報を受信した場合、PUCCHで送信するUCIの有無にかかわらず、PUCCH送信を行わない。例えば、送信すべきSRがあったとしても、SR用PUCCH送信を行わない。
UEがPUCC送信不可の場合に送信しなかったUCIは、UEが、次のPUCCH送信可情報を受信するまで待ってから送信する。これによって、確実にUCIを送信することが可能となる。他の方法として、UEは、送信しながったUCIを破棄するとしてもよい。あるいは、UEは、送信しなかったUCIを、次の同じ種類のUCIが発生した場合に破棄するとしてもよい。これによって、UEに必要となるバッファを少なくすることが可能となる。
図20は、UEのサービングビームのDLリソースと同一のサブフレームでPUCCHリソースを設定する方法の一例を説明する図である。ここでは、ビームスイープ数が4個の場合について示す。PUCCHリソースに割当てるシンボルは、1サブフレーム内1シンボルとしている。ここでは、シンボル番号が13のシンボルに割当てる。PUCCHリソースに割当てるシンボル番号は、固定としてもよい。下りL1/L2制御シグナリングに割当てるシンボルは、1サブフレーム内1シンボルとしている。ここでは、シンボル番号が0のシンボルに割当てる。下りL1/L2制御シグナリングに割当てるシンボル番号は、固定としてもよい。
セルは、サブフレーム番号0でビーム番号2のビーム2002の送受信を行う。セルは、ビーム番号2で通信を行うUEに対して、UE毎のPUCCHリソース送信可否情報をUCIに含めて、ビーム番号2の下りL1/L2制御シグナリング2001で通知する。セルは、UEに、PUCCHリソース送信可否情報とともに、シンボル番号情報をUCIに含めて通知してもよい。
ビーム番号2のビーム2002で送受信を行うUEは、サブフレーム番号0のL1/L2制御シグナリング2001を受信して、PUCCHリソース送信可否情報とシンボル番号とを受信する。PUCCHリソース送信可を受信したUEは、予め設定されたPUCCHリソースに関する情報とシンボル番号とから、PUCCHリソースを設定し、送信可能とする。送信するUCIがあるUEは、該PUCCHリソースでPUCCHを送信する。ここでは、ビーム#2のPUCCH2003を送信する。
PUCCHリソース送信不可を受信したUEは、PUCCHの送信を不可能とする。UEは、たとえ送信するUCIがあったとしても、PUCCHを送信しない。
セルは、次のサブフレーム番号1でビーム番号3のビーム2002の送受信を行う。セルは、ビーム番号3で通信を行うUEに対して、UE毎のPUCCHリソース送信可否情報をUCIに含めて、ビーム番号3の下りL1/L2制御シグナリング2004で通知する。セルは、UEに、PUCCHリソース送信可否情報とともに、シンボル番号情報をUCIに含めて通知してもよい。
ビーム番号3のビーム2002で送受信を行うUEは、サブフレーム番号1のL1/L2制御シグナリング2004を受信して、PUCCHリソース送信可否情報とシンボル番号とを受信する。PUCCHリソース送信可を受信したUEは、予め設定されたPUCCHリソースに関する情報とシンボル番号とから、PUCCHリソースを設定し、送信可能とする。送信するUCIがあるUEは、該PUCCHリソースでPUCCHを送信する。ここでは、ビーム#3のPUCCH2005を送信する。
PUCCHリソース送信不可を受信したUEは、PUCCHの送信を不可能とする。UEは、たとえ送信するUCIがあったとしても、PUCCHを送信しない。
セルは、次のサブフレーム番号2でビーム番号1のビーム2002の送受信を行う。セルは、ビーム番号1で通信を行うUEに対して、UE毎のPUCCHリソース送信可否情報をUCIに含めて、ビーム番号1の下りL1/L2制御シグナリング2006で通知する。セルは、UEに、PUCCHリソース送信可否情報とともに、シンボル番号情報をUCIに含めて通知してもよい。
ビーム番号1のビーム2002で送受信を行うUEは、サブフレーム番号2のL1/L2制御シグナリング2006を受信して、PUCCHリソース送信可否情報とシンボル番号とを受信する。PUCCHリソース送信可を受信したUEは、予め設定されたPUCCHリソースに関する情報とシンボル番号とから、PUCCHリソースを設定し、送信可能とする。送信するUCIがあるUEは、該PUCCHリソースでPUCCHを送信する。ここでは、ビーム#1のPUCCH2007を送信する。
PUCCHリソース送信不可を受信したUEは、PUCCHの送信を不可能とする。UEは、たとえ送信するUCIがあったとしても、PUCCHを送信しない。
セルは、次のサブフレーム番号3でビーム番号0のビーム2002の送受信を行う。セルは、ビーム番号0で通信を行うUEに対して、UE毎のPUCCHリソース送信可否情報をUCIに含めて、ビーム番号0の下りL1/L2制御シグナリング2008で通知する。セルは、UEに、PUCCHリソース送信可否情報とともに、シンボル番号情報をUCIに含めて通知してもよい。
ビーム番号0のビーム2002で送受信を行うUEは、サブフレーム番号3のL1/L2制御シグナリング2008を受信して、PUCCHリソース送信可否情報とシンボル番号とを受信する。PUCCHリソース送信可を受信したUEは、予め設定されたPUCCHリソースに関する情報とシンボル番号とから、PUCCHリソースを設定し、送信可能とする。送信するUCIがあるUEは、該PUCCHリソースでPUCCHを送信する。ここでは、ビーム#0のPUCCH2009を送信する。
PUCCHリソース送信不可を受信したUEは、PUCCHの送信を不可能とする。UEは、たとえ送信するUCIがあったとしても、PUCCHを送信しない。
このようにすることによって、セルが送受信を行うビームのタイミングに合わせてPUCCHの送受信が可能となる。UEは、サービングビームで送信されるL1/L2制御シグナリングに含まれるPUCCH送信可否情報に応じて、PUCCHの送信可否を判断することが可能となる。PUCCHの送信に下り制御信号を関連させることによって、セルの判断で動的にPUCCHリソースを設定することが可能となる。
図21は、DLリソースと同一サブフレームでのPUCCHリソースの設定およびSRの送受信のシーケンスの一例を示す図である。図21に示すシーケンスは、図16に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3001において、セルは、UEに対して、タイミング以外のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3002において、セルは、UEに対して、タイミング以外のPUCCHリソースに関する情報を通知する。前記PUCCHリソースに関する情報は、UEと通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST3002でタイミング以外のPUCCHリソースに関する情報を受信したUEは、ステップST3003において、該PUCCHリソース構成を記憶する。
ステップST3004において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST3004において上りデータが発生していない場合は、ステップST3004に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST3004において上りデータが発生している場合は、ステップST3005に移行する。
ステップST3005において、UEは、SR送信を待機し、上りデータをバッファに記憶する。
ステップST3006において、セルは、任意のサブフレームにおいて、UEが通信を行うビームへの送受信を決定する。また、セルは、該サブフレームにおいて、UEに対して、PUCCHの送信が可能であることを決定する。
ステップST3007において、セルは、該サブフレームにおいて、UEに対して、PUCCH送信可の情報を通知する。ここでは、PUCCH送信可の情報とともに、シンボル番号情報を通知する。セルは、これらの情報を下りL1/L2制御情報に含めて、下りL1/L2制御シグナリングで、UEに対して通知する。
ステップST3007でPUCCH送信可の情報を受信したUEは、ステップST3008において、ステップST3003で記憶したUE毎のPUCCHリソースに関する情報と、ステップST3007で受信したシンボル番号とを用いて、受信したサブフレームと同一のサブフレームに、自UEのPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3009において、UEは、待機していたSRを、ステップST3008で設定したSR用PUCCHリソース構成で、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST3007でUEに対してPUCCH送信可の情報とシンボル番号情報とを通知したセルは、ステップST3010において、同一のサブフレームでUEに対して設定したPUCCHリソース構成で受信を開始する。
ステップST3010でUEに対して設定したPUCCHリソース構成で受信を開始したセルは、ステップST3009において、UEから送信されたSRを受信する。
このようにしてUEからSRを受信したセルは、上り通信開始のための処理を行う。これによって、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
本変形例で開示した方法を用いることによって、MBFにおけるビームスイーピング運用時のPUCCHリソースの設定が可能となる。セルがUEに対して、本実施の形態で開示した方法でPUCCHリソースの設定を行うことによって、UEが通信を行っているビームでのPUCCHの送受信が可能となり、UEからセルへの上り通信が可能となる。
また、セルが送受信を行うビームのタイミングに合わせてPUCCHの送受信が可能となる。UEは、サービングビームで送信されるL1/L2制御シグナリングに含まれるPUCCH送信可否情報に応じて、PUCCHの送信可否を判断することが可能となる。このようにすることによって、PUCCHを送受信するビームを、UEに対して設定したPUCCHリソースに合わせて制御することが不要となる。したがって、UEへのPUCCHリソース設定およびPUCCH送受信のための制御を容易にすることが可能となる。
前述に開示した方法では、セルは、UEに対して、UEが通信するビームのDLリソースを構成するサブフレームと同一サブフレームでのPUCCHの送信可否を通知した。セルは、同一サブフレームでのPUCCHの送信可否ではなく、PUCCHの送信可否を通知したサブフレームからオフセット後のサブフレームでのPUCCHの送信可否を通知してもよい。
PUCCHの送信可否を通知したサブフレームからオフセット値を示すオフセット情報を設けてもよい。セルは、UEに対して、PUCCH送信可否情報とともに、該オフセット情報を通知する。UEは、PUCCH送信可の情報を受信したサブフレームからオフセット値だけ後のサブフレームでPUCCHを送信する。UEは、PUCCH送信不可の情報を受信した場合、サブフレームからオフセット値だけ後のサブフレームでPUCCHを送信しない。
セルは、UEが通信しているビームの次の送受信タイミングを認識している場合に適用するとよい。あるいは、セルは、UEが通信しているビームの次の送受信タイミングをスケジューリングしているような場合に適用するとよい。あるいは、セルは、UEに対して、PUCCH送信可の情報を通知するときに、UEが通信しているビームの次の送受信タイミングを決定した場合に適用するとよい。
このようにすることによって、UEは、PUCCH送信可の情報を受信したサブフレームと同一のサブフレームでPUCCHを設定し、PUCCCHを送信しなくてもよい。したがって、UEでの復調、デコーディング、コーディングおよび変調などのPUCCHの送信に関する処理に時間を要する場合も、UEからのPUCCHを送信することが可能となる。
UEは、セルに対して、予め、復調、デコーディング、コーディングおよび変調などに関する処理に要する時間あるいは能力を通知しておいてもよい。UEケーパビリティ情報として通知してもよい。セルは、UEから通知された復調、デコーディング、コーディングおよび変調などに関する処理に要する時間あるいは能力を用いて、オフセット値を決定してもよい。
例えば、UEが、PUCCH送信可否の受信からPUCCHの送信までを同一のサブフレーム内で可能な場合、セルは、オフセットを0としてUEに通知する。オフセットが0の場合は、オフセット情報を省略してもよい。また、例えば、UEが、PUCCH送信可否の受信からPUCCHの送信まで2サブフレームを要する場合は、セルは、オフセットを2としてUEに通知する。このとき、セルは、他のビームの通信状況を考慮してもよく、オフセットが2以降を設定してUEに通知してもよい。
前述に開示した方法では、一つのサブフレームを一つのビームに割当てた。一つのサブフレーム全部を一つのビームだけに割当てるのではなく、複数のビームに割当ててもよい。例えば、一つのサブフレームの下りL1/L2制御信号がマッピングされるシンボルとPUCCHリソースが構成されるシンボルのみ同一のビームに割当てて、他のシンボルを他のビームに割当ててもよい。このようにすることによって、セルは、さらにビームの運用を柔軟に行うことが可能となり、セルとしての無線リソースの使用効率を向上させることができる。
例えば、一つのサブフレームに一つのビームの下りL1/L2制御信号だけでなく、複数のビームの下りL1/L2制御信号が割当てられてもよい。シンボル毎に割当てらえてもよい。また、一つのサブフレームに一つのビームのPUCCHリソースだけでなく、複数のビームのPUCCHリソースが割り当てられてもよい。シンボル毎に割当てられてもよい。セルは、一つのサブフレームで複数のビームにおいて、各ビームと通信するUEからのPUCCH送信を受信することが可能となる。
1サブフレーム内でL1/L2制御信号がマッピングされる可能性のあるシンボルを限定してもよい。最大値を設けてもよい。UEは、該可能性のあるシンボルを受信して、サービングビーム向けのL1/L2制御信号があるかどうか判断するとよい。最大値は、セルからUEに対して、予め通知してもよい。セル毎の情報として報知してもよいし、UE個別シグナリングで通知してもよい。あるいは、静的に規格などで決めておいてもよい。UEは、該最大値のシンボルだけを受信して、自UE宛の下りL1/L2制御情報を受信できなかった場合、該サブフレームを受信しなくてよい。
このような方法を用いることによって、各ビームでの通信機会が増大するので、UEでのSR送信待機時間を短縮することが可能となる。したがって、UEからの上りデータの発生から上り通信の開始までの遅延時間の短縮を図ることができる。
1サブフレーム内の複数のシンボルに複数のビームのL1/L2制御信号が割当てられる場合、UEは、先頭の1シンボルではなく、複数のシンボルを受信する。予めL1/L2制御信号が割当てられるシンボル数が固定されている場合は、UEは、該シンボル数を受信して、サービングビームで送信されるL1/L2制御信号を受信することが可能となる。しかし、予めシンボル数を固定にすると、L1/L2制御信号が不要なビームが発生した場合、該シンボルは無駄になる。
このような問題を解決する方法を開示する。
セルは、毎サブフレーム、L1/L2制御信号に用いられるシンボル数の情報を通知するとよい。該情報をセル共通の情報とするとよい。該情報を下りL1/L2制御情報に含めて通知してもよい。UE個別のL1/L2制御情報とするとよい。あるいは、セル共通のL1/L2制御情報としてもよい。セル共通のL1/L2制御情報とすることによって、情報量を削減することができる。
前記L1/L2制御信号に用いられるシンボル数の情報をマッピングする物理チャネルを個別に設けて、毎サブフレームUEに対して通知してもよい。該物理チャネルをサブフレームの先頭のシンボルにマッピングしてもよい。
セルは、前記L1/L2制御信号に用いられるシンボル数の情報を毎サブフレーム通知することを開示したが、周期的に通知してもよい。周期的に1サブフレーム内の複数のシンボルに複数のビームのL1/L2制御信号が割当てるような場合に適用するとよい。セルは、該周期情報および始点となるオフセット情報を予めUEに通知しておくとよい。セル毎の情報として報知してもよいし、UE個別シグナリングで通知してもよい。あるいは、静的に規格などで決めておいてもよい。
このようにすることによって、MBFにおけるビームスイーピング運用時のL1/L2制御シグナリングを柔軟に設定することが可能となる。また、本変形例を用いることによって、MBFにおけるビームスイーピング運用時のPUCCHリソースの設定が可能となる。
NRでは、MBFにおいてセル内の全てのビームを同一のタイミングで構成できないような場合、セル共通の制御チャネルを送受信するために、全てのビームを連続してビームスイーピングを行うことが検討されている(非特許文献12参照)。このように全てのビームを連続してビームスイーピングを行う部分を、ビームスイーピングブロックとも称する。
PUCCHリソースタイミングが、このようなビームスイーピングブロックのタイミングと重なる場合、PUCCHにシンボルを割当てられなくなる。このような場合、PUCCHリソースタイミングとして、ビームスイーピングブロックのタイミングを除くとよい。セルは、ビームスイーピングブロックタイミングと、UEに対して設定したPUCCHリソースタイミングとが重なる場合、PUCCHリソースを設定しないとしてもよい。PUCCHを送信不可能とする。
あるいは、UEは、ビームスイーピングブロックタイミングと、PUCCHリソースタイミングとが重なる場合、PUCCHリソースを設定しない。PUCCHを送信不可能としてもよい。このことを、予め規格などで決めておいてもよい。セルがUEに対して、ビームスイーピングブロック周期などを通知することによって、UEは、ビームスイーピングブロックタイミングを認識することができる。
このようにすることによって、ビームスイーピングブロックで無駄なPUCCHの送信を防ぐことができる。したがって、UEの低消費電力化を図ることができる。
PUCCHリソースタイミングが、このようなビームスイーピングブロックのタイミングと重なる場合の他の方法を開示する。
ビームスイーピングブロックを自己完結型サブフレームとする。下りビームスイーピングブロックの各ビームの送信において、上り送信を可能にする。該上り送信用シンボルをPUCCHに割当てるとよい。
ビームスイーピングブロックにおいて、PUCCH送信と重なるタイミングでのビームが、PUCCHの送信を必要とするビームではなく、他のビームとなる場合がある。このような場合は、該ビームスイーピングブロック内の、PUCCHの送信を必要とするビームの上り送信用シンボルを、PUCCHに割当てるようにしてもよい。このことを、予め規格などで決めておいてもよい。
このようにすることによって、たとえ、PUCCHリソースタイミングが、ビームスイーピングブロックタイミングと重なるとしても、該タイミングあるいはビームスイーピングブロックのタイミングでPUCCHを送信することが可能となる。
PUCCHリソースタイミングが、上りのビームスイーピングブロックのタイミングと重なる場合は、上りビームスイーピングブロックの一部のシンボルをPUCCHに割当てるとよい。
上りビームスイーピングブロックにおいて、PUCCHの送信と重なるタイミングでのビームが、PUCCHの送信を必要とするビームではなく、他のビームとなる場合がある。このような場合は、該上りビームスイーピングブロック内の、PUCCHの送信を必要とするビームの一部のシンボルを、PUCCHに割当てるようにしてもよい。このことを、予め規格などで決めておいてもよい。
このようにすることによって、たとえ、PUCCHリソースタイミングが、上りビームスイーピングブロックタイミングと重なるとしても、該タイミングあるいは上りビームスイーピングブロックのタイミングでPUCCHを送信することが可能となる。
周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)の場合、PUCCHリソースタイミングと、下りビームスイーピングブロックタイミングとが重なったときは、周波数が異なるので問題ないが、PUCCHリソースタイミングと、上りビームスイーピングブロックタイミングとが重なったときは、問題が生じる。このようなときも、前述の上りビームスイーピングブロックについて開示した方法を適用するとよい。これによって、同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態2から実施の形態2の変形例2では、ビームスイーピングを必要とするMBFでのPUCCHの送受信方法として、各ビームのPUCCHを異なるリソースに割当てる方法を開示した。本実施の形態では、ビームスイーピングを必要とするMBFでのPUCCHの送受信方法として、他の方法を開示する。
セルは、ビーム間でPUCCHの受信の優先順位をつける。セルは、ビーム間でPUCCHの受信の優先順位をつけ、優先順位に従って対象ビームでPUCCHを受信する。
セルは、UE間で優先順位をつけてもよい。セルは、UEの優先順位を用いて、UEが通信を行うビーム間で優先順位をつけてもよい。例えば、同一ビームで通信を行うUEのうち、最も高い優先順位に応じて、ビーム間の優先順位をつける。
優先順位付けの指標例として、以下の(1)〜(9)の9つを開示する。
(1)通信のサービス種類。例えば、緊急性を要するサービスの優先順位を高く設定する。
(2)要求QoS。例えば、高スループットを要するQoSの優先順位を高く設定する。
(3)要求遅延時間。例えば、低遅延時間を要するUEの優先順位を高く設定する。
(4)ビーム毎の負荷。例えば、負荷の高いビームの優先順位を高く設定する。
(5)UE能力(UEケーパビリティ)。例えば、UE能力の高いUEの優先順位を高く設定する。
(6)SR周期。例えば、SR周期の長いUEの優先順位を高く設定する。
(7)ビーム毎のUE数。例えば、UE数の多いビームの優先順位を高く設定する。
(8)通信品質。例えば、通信品質の良いビームの優先順位を高く設定する。
(9)前記(1)〜(8)の組合せ。
セルは、予め前述のような指標に従って、ビームのPUCCHの受信に優先順位をつけるとよい。セルは、予め前述の指標に従って、ビームの送信および受信の少なくとも一方に優先順位をつけてもよい。セルは、予め前述のような指標に従って、UEのPUCCHの受信に優先順位をつけ、UEの優先順位に応じて、ビーム間の優先順位をつけてもよい。
セルは、設定した優先順位に従って、対象ビームでPUCCHを受信する。例えば、通信品質の良いビームの優先順位を高く設定した場合、通信品質の良いビームをPUCCHの受信対象ビームとする。例えば、高い優先順位のUEが存在するビームをPUCCHの受信対象ビームとする。
あるビームのUEのPUCCHの送信タイミングが、他のビームのUEのPUCCHの送信タイミングと衝突した場合、セルは、設定した優先順位に従って、どのビームで送受信を優先して行うかを決定する。他のビームのUEのPUCCHの送信タイミングと衝突した場合だけでなく、他のビームでの送受信のスケジューリングタイミングと衝突した場合としてもよい。
UEの優先順位を用いて、UEが通信を行うビーム間で優先順位をつける場合の例について開示する。該タイミングが衝突した場合、該タイミングで、セルは、優先順位の高いUEが通信を行うビームでPUCCHの受信を行い、優先順位の低いUEが通信を行うビームでPUCCHの受信を行わない。該タイミングで優先順位の高いUEは、セルに対して、PUCCHの送信を行う。該タイミングで優先順位の低いUEは、セルに対して、PUCCHを送信するが、セルは、該PUCCHを受信しない。
衝突タイミングで、優先順位の低いUEがPUCCHを送信することになるが、該UEが通信を行うビームとは異なるビームで通信を行うことになるので、セルにおいて受信信号が衝突することはなく、問題にはならない。
このように、たとえPUCCHの送信タイミングが衝突しても、優先順位を設けて、優先順位に応じたビームでPUCCHの送受信を行うことによって、ビームとは関係なく、PUCCH用リソースの設定を実行することができる。したがって、UEに対する処理の追加などによって、処理が複雑化することを回避することが可能となる。
前述に開示した方法では、優先順位の低いUEは、PUCCHがセルに受信されなくなるので、PUCCHの送信のために設定されたタイミングで毎回送信することになる。しかし、これは無駄な送信となり、UEの消費電力が増大し、上り干渉電力が増大するという問題を引き起こす。
このような問題を解決する方法を開示する。
BSRを受信中のUEの優先順位を最下位にする。セルは、BSRを受信中のUEの優先順位を最下位に設定する。セルは、BSRに対する上りスケジューリング(上りグラント)の送信を終了すると、UEの優先順位を元に戻す。このような方法を用いることによって、優先順位の低いUEが通信を行うビームでPUCCHの送受信が可能となる。したがって、優先順位の低いUEが無駄なPUCCHを繰り返し送信してしまうことを回避することが可能となる。
他の方法を開示する。セルは、優先順位の低いUEに対して、PUCCHリソースのあるサブフレームで該UEが通信を行うビームを用いてPUCCH送信可否情報を通知する。PUCCHリソースのあるサブフレームに該UEが通信を行うビームの下りL1/L2制御信号をマッピングし、該ビームの下りL1/L2制御情報にPUCCH送信可否を示す情報を含ませる。PUCCH送信不可情報のみとしてもよい。
下りL1/L2制御信号用のリソースは、シンボル単位としてもよい。1シンボルとしてもよい。UEは、PUCCHリソースのあるサブフレームで、自UEが通信を行うビームの下りL1/L2制御信号を受信して、PUCCH送信可否を判断する。UEは、PUCCHの送信不可を受信した場合、PUCCHの送信を行わない。このPUCCH送信可否情報の送信に関しては、実施の形態2の変形例2で開示した方法を適用するとよい。
このようにすることによって、優先順位の低いUEが、衝突したタイミングでPUCCHの送信を行わないようにすることができる。したがって、優先順位の低いUEが無駄なPUCCHを繰り返し送信してしまうことを回避することが可能となる。
図22および図23は、ビーム間でPUCCH受信に優先順位を設けた場合のSRの送受信のシーケンスの一例を示す図である。図22と図23とは、境界線BL1の位置で、つながっている。図22および図23に示すシーケンスは、図19に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図22および図23では、優先順位が高いUE(以下「UE1」と称する場合がある)と、優先順位が低いUE(以下「UE2」と称する場合がある)とが存在しており、優先順位の高いUEが通信を行うビームと優先順位の低いUEが通信を行うビームとが異なる場合について示している。
ステップST2801において、セルは、UE1に対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。また、ステップST2801において、セルは、UE2に対しても、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3101において、セルは、UE1に対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。前記PUCCHリソースに関する情報は、UE1と通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST3102において、セルは、UE2に対して、UE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する。前記PUCCHリソースに関する情報は、UE2と通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
ステップST3101でUE毎のPUCCHリソースに関する情報を受信したUE1は、ステップST3103において、該PUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3102でUE毎のPUCCHリソースに関する情報を受信したUE2は、ステップST3104において、該PUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3105において、UE1は、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST3105において上りデータが発生していない場合は、ステップST3105に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST3105において上りデータが発生している場合は、ステップST3106に移行する。
ステップST3106において、UE1は、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST3107において、セルは、UE1とUE2とのPUCCHリソースタイミングで衝突が発生していることを認識する。
ステップST3108において、セルは、前記PUCCHリソースタイミングで、優先順位の高いUE、ここではUE1と通信を行うビームでPUCCHの受信を決定する。言い換えると、セルは、前記PUCCHリソースタイミングで、優先順位の低いUE、ここではUE2と通信を行うビームでPUCCHの受信を行わないことを決定する。
ステップST3106において、セルは、UE1に対して設定したPUCCHリソースでUE1から送信されたSRを受信する。
このようにしてUE1からSRを受信したセルは、ステップST2510Aにおいて、SRを送信したUEに対して、すなわちUE1に対して、上りスケジューリングを開始する。
ステップST2511Aにおいて、セルは、UE1に対して上りグラント、具体的には上りグラントを含む上りスケジューリング情報を送信する。
ステップST2511Aで上りグラントを受信したUE1は、ステップST2512Aにおいて、該上りグラントを用いて、BSR(Buffer Status Report)をセルに送信する。このときに、上りデータを送信してもよい。
ステップST2512AでBSRを受信したセルは、BSRに従って、UE1に対して上りスケジューリングを行う。
ステップST2513Aにおいて、セルは、UE1に対して上りグラントを送信する。ステップST2513Aで上りグラントを受信したUE1は、ステップST2514Aにおいて、該上りグラントを用いて、上りデータをセルに送信する。ステップST2514Aにおいて、セルは、UE1から送信された上りデータを受信する。
以上のようにして、セルは、ステップST2511AからステップST2514Aにおいて、UE1に対して上り通信開始のための処理を行う。これによって、UE1とセルとの間で上り通信が開始される。
ステップST3109において、UE2は、上りデータが発生したか否かを判断する。ステップST3109において上りデータが発生していない場合は、ステップST3109に戻り、上りデータが発生したか否かの判断を繰り返す。ステップST3109において上りデータが発生している場合は、ステップST3110に移行する。
ステップST3110において、UE2は、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
しかし、ステップST3108において、セルは、前記PUCCHリソースタイミングで、UE1と通信を行うビームでPUCCHの受信を決定し、ステップST3108において、UE1に対して設定したPUCCHリソースでUE1から送信されたSRを受信する。
したがって、セルは、ステップST3110において、UE2と通信を行うビームでUE2から送信されたSRを受信できない。
ステップST3111において、セルは、優先順位の高いUEであるUE1のBSRを受信中か否かを判断する。ステップST3111においてBSRを受信中でない場合は、ステップST3111に戻り、再度BSRを受信中か否かの判断を行う。ステップST3111においてBSRを受信中である場合は、ステップST3112に移行する。
ステップST3111においてBSRを受信中である場合、セルは、UE1に対して上りデータを送信するためのリソースをスケジューリングする処理を行っているので、UE1がSRを送信する必要は無いと判断する。そして、ステップST3112において、セルは、UE1の優先順位を最下位に設定する。
ステップST3113において、セルは、UE1とUE2とのPUCCHリソースタイミングで衝突が再度発生していることを認識する。
ステップST3114において、セルは、前記PUCCHリソースタイミングで、優先順位の高いUE、ここではUE2と通信を行うビームでPUCCHの受信を決定する。言い換えると、セルは、前記PUCCHリソースタイミングで、優先順位の低いUE、ここではUE1と通信を行うビームでPUCCHの受信を行わないことを決定する。
ステップST3110においてSRを送信したにもかかわらず、上りグラントを受信できなかったUE2は、再度PUCCHリソースタイミングで、ステップST3115において、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST3115において、セルは、UE2に対して設定したPUCCHリソースで、UE2から送信されたSRを受信する。
このようにしてUE2からSRを受信したセルは、ステップST2510Aにおいて、SRを送信したUEに対して、すなわちUE2に対して、上りスケジューリングを開始する。
ステップST2511Bにおいて、セルは、UE2に対して上りグラント、具体的には上りグラントを含む上りスケジューリング情報を送信する。
ステップST2511Bで上りグラントを受信したUE2は、ステップST2512Bにおいて、該上りグラントを用いて、BSRをセルに送信する。このときに、上りデータを送信してもよい。
ステップST2512BでBSRを受信したセルは、BSRに従って、UE2に対して上りスケジューリングを行う。
ステップST2513Bにおいて、セルは、UE2に対して上りグラントを送信する。ステップST2513Bで上りグラントを受信したUE2は、ステップST2514Bにおいて、該上りグラントを用いて、上りデータをセルに送信する。ステップST2514Bにおいて、セルは、UE2から送信された上りデータを受信する。
以上のようにして、セルは、ステップST2511BからステップST2514Bにおいて、UE2に対して上り通信開始のための処理を行う。これによって、UE2とセルとの間で上り通信が開始される。
このようにすることによって、たとえ、通信しているビームが異なる複数のUEのPUCCHリソースタイミングが衝突したとしても、セルは、それらのUEのPUCCHを受信することが可能となる。
これによって、ビームとは関係なく、従来のPUCCHの設定方法を適用できる。したがって、UEに対する処理の追加などによって、処理が複雑化することを回避することが可能となる。また、上りグラントを送信したUEに対する優先順位を最下位に再設定することによって、低い優先順位のUEに対しても該ビームでPUCCHを受信することが可能となる。したがって、低い優先順位のUEが無駄なPUCCHの送信を繰り返すことによる消費電力の増大、および上り干渉電力の増大を回避することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態2から実施の形態3では、PUCCHを割当てるリソースの最小単位としてシンボルを割当てることを開示した。ビームスイープ数が多くなると、PUCCHリソースのために必要となるシンボル数が増大する。したがって、一つのサブフレーム内で多数のビームのPUCCHリソースを構成しようとすると、データ用のリソースが少なくなり、通信速度を低下させてしまうという問題が発生する。あるいは、一つのサブフレーム内では、少数のビームのPUCCHリソースを構成すると、複数のサブフレームにわたってPUCCHリソースが必要となり、ビーム毎のPUCCHリソースの発生間隔が増大する。したがって、遅延時間が大きくなってしまうという問題が発生する。
本実施の形態では、このような問題を解決するための方法を開示する。
1シンボル期間内に複数のシンボルを構成し、複数のビームのPUCCHリソースを時間分割多重する。1シンボル期間内に構成する複数のシンボル数を2のn(nは自然数)乗倍とするとよい。このようにすることによって、PUCCHリソースを割当てるシンボル期間を短くすることができ、多数のビームのPUCCHリソースを構成することが可能となる。短くしたシンボルのことを、以下の説明において、短縮シンボルと称する場合がある。
1シンボル期間内に複数のシンボルを構成する方法として、3GPPで提案されているサブキャリア間隔増大(Larger subcarrier spacing)方法(3GPP R1−166566(以下「参考文献7」という)参照)を用いるとよい。参考文献7では、1シンボル期間内で4シンボルが構成され、UEは、該4シンボルを用いて、各シンボルでビームを振って送信を行うことが開示されている。セルは、該4シンボルで一つのUEからの送信を受信することが開示されている。
本実施の形態では、各短縮シンボルをUE毎のPUCCHのリソースとして割当てる。セルは、1シンボル期間内で構成された複数の短縮シンボルを受信することによって、異なるビームで通信する複数のUEからのPUCCHを受信することが可能となる。
1シンボル期間を短くするので、サブキャリア間隔は広がることになる。しかし、ビームスイープが必要なMBFにおいては、同一タイミングで複数のビームで送受信できないので、時間分割多重が必要となる。逆に、あるタイミングでは、特定の方向のビームでしか送受信を行うことができないので、該タイミングでは全帯域の周波数リソースを使用することが可能となる。したがって、サブキャリア間隔が広がり、必要となる周波数リソースが増大したとしても、1シンボル間隔を短くして、複数のビームのPUCCHに割当てることが有効となる。
前述の方法では、1シンボル期間内で2のn乗倍のシンボルが構成されることを開示したが、1シンボルのみでなくてもよく、複数のシンボルであってもよい。複数のシンボルが、1シンボル期間内で、各々、2のn乗倍のシンボルが構成されるようにしてもよい。nの値は、各シンボルで同じでもよいし、異なっていてもよい。
このようにすることによって、短縮シンボルに、さらに多くのビームのPUCCHリソースを割当てることが可能となる。
PUCCHのためのリソースの設定方法について開示する。実施の形態2で開示したPUCCHリソースに関する情報の他に、短縮シンボルに関する情報を設ける。
短縮シンボルに関する情報の具体例として、以下の(1)〜(6)の6つを開示する。
(1)短縮シンボルにするシンボル番号。
(2)1シンボル内に構成する短縮シンボル数。
(3)短縮シンボルのシンボル長。
(4)短縮シンボルのサブキャリア間隔。
(5)短縮シンボルでのシンボル番号。
(6)前記(1)〜(5)の組合せ。
セルは、UEに対して、短縮シンボルに関する情報を通知する。また、セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。セルは、UEに対して、短縮シンボルに関する情報と、PUCCHリソースに関する情報とを組合せて通知してもよい。
セルは、UEに対して、短縮シンボルに関する情報を、対応するPUCCHリソースに関する情報とともに、あるいは、対応するPUCCHリソースに関する情報に含めて通知してもよい。
また、短縮シンボルの他に、短縮シンボルではない通常のシンボルにPUCCHリソースを設定してもよい。この場合、通常のシンボル用と、短縮シンボル用とで、PUCCHリソースに関する情報を別に設けてもよい。
PUCCHのためのリソースの割当方法については、実施の形態2から実施の形態3の方法を適宜適用するとよい。また、短縮シンボルに関する情報あるいは対応するPUCCリソースに関する情報の通知方法は、各実施の形態あるいは変形例で開示した方法を適用すればよい。
このようにすることによって、より多くのビームスイープ数が必要となるセルあるいはTRPにおいても、一つのサブフレーム内でより多くのビームのPUCCHリソースを構成することが可能となる。したがって、データ用のリソースの低減による通信速度の低下、およびビーム毎のPUCCHリソースの発生間隔の増大による遅延時間の増大を抑制することが可能となる。
また、UEは、短縮シンボルでPUCCHを送信することになるので、PUCCHの送信時間を短縮することが可能となる。したがって、UEの低消費電力化、および上り干渉電力の低減を図ることが可能となる。
セルは、通常のシンボルと短縮シンボルとを使い分けてもよい。例えば、セルは、ビームスイープ数によって、通常のシンボルとするか、短縮シンボルとするかを決定してもよい。ビームスイープ数が多い場合、短縮シンボルを構成するとよい。このようにすることによって、ビームスイープ数が少ない場合は、短縮シンボルを用いずに済む。したがって、セルおよびUEでの設定および処理を容易にすることができる。
他の例として、セルは、各ビームと通信するUE数によって、通常のシンボルとするか、短縮シンボルとするかを決定してもよい。通信するUE数が少ないビームは、短縮シンボルを構成して短縮シンボルを割当てる。通信するUE数が多いビームは、通常のシンボルを割当てる。短縮シンボルにすると、サブキャリア間隔が増大する。これによって、1シンボルに多重できるUE数が通常シンボルに比べて減少する。したがって、通信するUE数が多いビームは、通常のシンボルを割当てることが有効である。
このように、通常のシンボルと短縮シンボルとを使い分けることによって、ビーム構成およびビーム毎の負荷などに応じて、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4では、ビームスイープ数の増大などによって、PUCCHリソースのために必要となるシンボル数が増大する問題に対する解決方法を開示した。
本変形例では、このような問題を解決するための他の方法を開示する。
1シンボル期間を予め定める数に分割する。以下の説明において、予め定める数に分割した期間を、分割期間と称する場合がある。予め定める数をnとする。UEは、1シンボル内のPUCCHデータタイミングをn倍して、1シンボル内でPUCCHデータをn回リピティションする。このようにして、UEは、PUCCHを送信する。セルは、ビーム切換間隔を短くする。セルは、1シンボル期間を1/nにした分割期間でビームを切換えて受信する。
UEは、UEが通信するビームで、1シンボル期間だけPUCCHを送信することになるが、セルは、分割期間だけ該ビームでPUCCHを受信することになる。複数のビームでUEから送信されるPUCCHを、各ビームで分割期間だけ受信することになる。このようにすることによって、セルは、1シンボル期間で、複数のビームで送信されるPUCCHを分割期間で受信することが可能となる。
1シンボル内のPUCCHデータタイミングをn倍して、1シンボル内でPUCCHデータをn回リピティションする方法として、3GPPで提案されているIFDMA(Interleaved Frequency Domain Multiple Access)ベース方法(参考文献7参照)を用いるとよい。参考文献7では、1シンボル内でデータタイミングが4倍され、1シンボル内でデータが4回リピティションされることが開示されている。
参考文献7では、1シンボルで、一つのUEがデータをリピティションして各データでビームを切換えて送信する場合について開示している。セルは、1シンボル期間で同じビームで受信する。本変形例では、1シンボルで、一つのUEがデータをn回リピティションするが、ビームを切換えることは無い。セルが1シンボル期間を1/nにした分割期間でビームを切換えて受信する。セルは、n回リピティションされているうちの一つのデータを受信する。
データタイミングをn倍に高速にするために、n個おきに離散的にサブキャリアを使用する。見かけ上n倍のサブキャリアを用いてデータを送るようにすることによって、データタイミングをn倍に高速にできる。1シンボル期間内でデータタイミングをn倍にしたので、同一データのn回のリピティションとなる。CP(Cyclic Prefix)は、1シンボルの先頭に付加されるとよい。あるいは、1シンボルの最後尾でもよい。あるいは、1シンボルの先頭と最後尾とに付加されてもよい。セルおよびUEが共通に認識していればよい。
UEは、PUCCHリソースに設定されたシンボルで、1シンボル期間でn回繰返してPUCCH用のデータを送信する。異なるビームのUEは、各々、PUCCHリソースに設定されたシンボルで、1シンボル期間でn回繰返してPUCCH用のデータを送信する。このときに、異なるビームのUEから、同一シンボルでPUCCH用のデータが送信されてもよい。
セルは、1シンボル期間を1/nにした分割期間でビームを切換えて受信する。セルは、各ビームのUEから送信される、n回リピティションされているうちの一つのPUCCH用データを受信する。このようにすることによって、1つのシンボルに、さらに多くのビームのPUCCHリソースを割当てることが可能となる。また、DFT(Discrete Fourier Transform)−s(Spread)−OFDMを用いることができる。したがって、UEの上りPAPR(Peak-to-Average Power Ratio)の低減、およびUEの低消費電力化を図ることができる。
PUCCHのためのリソースの設定方法について開示する。実施の形態2で開示したPUCCHリソースに関する情報の他に、分割期間に関する情報を設ける。
分割期間に関する情報の具体例として、以下の(1)〜(7)の7つを開示する。
(1)1シンボル内の分割数。
(2)周波数範囲を何倍にするか。
(3)周波数リソース。
(4)データ繰り返し数。
(5)CP挿入方法。
(6)CP挿入位置。
(7)前記(1)〜(6)の組合せ。
セルは、UEに対して、分割期間に関する情報を通知する。また、セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報を通知してもよい。セルは、UEに対して、分割期間に関する情報と、PUCCHリソースに関する情報とを組合せて通知してもよい。
セルは、UEに対して、分割期間に関する情報を、対応するPUCCHリソースに関する情報とともに、あるいは、対応するPUCCHリソースに関する情報に含めて通知してもよい。
また、分割期間の他に、分割ではない通常のシンボルにPUCCHリソースを設定してもよい。この場合、通常のシンボル用と、分割シンボル用とで、PUCCHリソースに関する情報を別に設けてもよい。
PUCCHのためのリソースの割当方法については、実施の形態2から実施の形態3の方法を適宜適用するとよい。また、分割期間に関する情報あるいは対応するPUCCリソースに関する情報の通知方法は、各実施の形態あるいは変形例で開示した方法を適用すればよい。
このようにすることによって、より多くのビームスイープ数が必要となるセルあるいはTRPにおいても、一つのサブフレーム内でより多くのビームのPUCCHリソースを構成することが可能となる。したがって、データ用のリソースの低減による通信速度の低下、およびビーム毎のPUCCHリソースの発生間隔の増大による遅延時間の増大を抑制することが可能となる。
セルは、通常のシンボルと分割シンボルとを使い分けてもよい。実施の形態4で開示した方法を適用するとよい。これによって、ビーム構成およびビーム毎の負荷などに応じて、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
実施の形態5.
SRを受信したセルは、SRに対する応答信号として上りグラントを送信する。3GPPでは、ビームスイーピングを必要とするMBFにおける、SRに対する上りグラントの送信タイミングに関しては何ら議論されていない。ビームスイーピングを行う必要がある場合、各ビームのタイミングは限られる。したがって、セルとUEとで、SRに対する上りグラントの送信タイミングの認識を合わせておく必要が生じる。
本実施の形態では、SRに対する応答信号の送受信タイミングについて開示する。
UEからSRを送信した後、SRを受信したセルが、上りグラントをUEに対して送信するタイミングを非同期とする。セルは、SRを送信したUEのサービングビームで、該SRに対する上りグラントをUEに対して任意のタイミングで送信する。UEは、SRを送信した後、毎サブフレームL1/L2制御信号を受信する。
たとえ、セルがSRの受信から上りグラントの送信タイミングまで他のビームで送受信を行っているとしても、UEは、毎サブフレームL1/L2制御信号を受信する。セルが他のビームで送受信を行っている場合、UEは、L1/L2制御信号を受信できないので、上りグラントが無いと判断できる。このようにすることによって、任意のタイミングで送信される上りグラントをUEは受信することが可能となる。
セルは、SRを受信したビームで該SRに対する上りグラントを送信するタイミングを決定する。決定するために用いる指標例として、実施の形態2で開示したPUCCHリソース割当ての判断指標例を適用するとよい。
このように、SRに対する上りグラントの送信タイミングを非同期にすることによって、前述の判断指標のような状況に応じて、セルは、上りグラントの送信タイミングを決定できる。また、たとえ非同期であったとしても、UEは、送信したSRに対する上りグラントを受信することが可能となり、上り通信を開始できる。
SRに対する上りグラントの送受信タイミングの他の方法について開示する。
SRに対する上りグラントを送信するタイミングを非同期にした場合、UEは、SRを送信した後、毎サブフレームL1/L2制御信号を受信しなければならない。しかし、ビームスイーピングを必要とするMBFでは、他のビームで送受信を行っているタイミングがあるので、UEが毎サブフレーム受信するのは無駄になるという問題が生じる。
このような問題を解決する方法を開示する。
SRに対する上りグラントの送信タイミングをN+Lとする。Nは、SR送信タイミングを示す。Lは、0以上の一つの値を示す。N,Lは、スケジュール単位で表すとよい。例えば、サブフレーム単位、スロット単位、あるいはミニスロット単位などである。
このようにすることによって、UEが毎サブフレームL1/L2制御信号を受信しなくて済む。したがって、無駄な受信動作を行わなくて済むので、UEの消費電力の低減を抑制することが可能となる。
他の方法について開示する。
前述に開示した方法では、Lを一つの値とした。Lを複数の値としてもよい。例えば、L1、L2、L3、・・・として、セルは、UEに対してSRに対する複数のタイミングを設定する。Lの数の最大値を決めておいてもよい。
Lの値を設定する範囲(期間)を決めておいてもよい。例えば、Lの値を設定する範囲(期間)をKとする。例えば、サブフレーム単位の場合、Kサブフレーム期間内でLの値を設定する。Kサブフレーム過ぎた場合、さらにKの期間の設定が繰り返し行われるとしてもよい。例えば、K=6、L=1,3と設定する。
Kの期間の起点として、Nを起点としてもよい。あるいはオフセット値を設けて、Nからオフセット後を起点として設定してもよい。
前述の例では、Nを起点とする場合、Nを起点に6サブフレーム毎に、L=1,3の設定が繰り返される。
Nを起点に、N+0〜N+(K−1)サブフレームの期間において、最初のサブフレームからL+1番目のサブフレームに設定される。
ここでは、N+1、N+3番目のサブフレームでSRに対する上りグラントの送信タイミングが設定される。K=6を過ぎた場合、さらにKの期間の設定が繰り返し行われるとしてもよい。
このように複数の値を設定することによって、セルがSRに対する上りグラントの送信タイミングを選択することが可能となる。セルは、設定した複数のタイミングの全てで上りグラントを送信する必要はない。他のビームの送受信を行ってもよい。セルは、ビーム毎の状況に応じて、SRに対する上りグラントの送信タイミングを決定することが可能となる。
UEは、設定された複数のタイミングでL1/L2制御信号を受信する。
このようにすることによって、非同期の場合に比べて、UEの低消費電力化を図ることができるとともに、セルの状況にさらに適した送信タイミングとすることが可能となる。したがって、セルとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
他の方法について開示する。
Lの値の設定として、偶数と奇数とに分けて設定してもよい。Lを偶数(0を含めてもよい)とした場合、Nを起点に偶数番目のサブフレームでSRに対する上りグラントの送信タイミングが発生する。Lを奇数とした場合、Nを起点に奇数番目のサブフレームでSRに対する上りグラントの送信タイミングが発生する。
セルは、設定したN+Lのタイミングから選択して、SRに対する上りグラントを送信する。セルは、N+Lのタイミング全てで上りグラントを送信する必要はない。他のビームの送受信を行ってもよい。セルは、ビーム毎の状況に応じて、SRに対する上りグラントの送信タイミングを決定することが可能となる。
UEは、偶数または奇数に設定されたLに応じて、N+LのタイミングでL1/L2制御信号を受信する。このようにすることによって、非同期の場合に比べて、UEの消費電力を半分に低減することが可能になるとともに、セルの状況にさらに適した送信タイミングとすることが可能となる。したがって、セルとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
Lを偶数と奇数とで設定することを開示したが、同様に、Aの剰余で設定してもよい。Aを1以上の整数とする。Lを、0、1、2、・・・、あるいは(A−1)で設定する。例えば、A=6のとき、Lを、0、1、2、3、4、あるいは5として設定する。
この場合、N+(A×(n−1)+L)で送信タイミングが発生することになる。
セルは、設定したタイミングから選択して、SRに対する上りグラントを送信する。セルは、設定したタイミング全てで上りグラントを送信する必要はない。他のビームの送受信を行ってもよい。セルは、ビーム毎の状況に応じて、SRに対する上りグラントの送信タイミングを決定することが可能となる。
UEは、設定されたLに応じて、設定されたタイミングでL1/L2制御信号を受信する。このようにすることによって、非同期の場合に比べて、UEの消費電力を半分に低減することが可能になるとともに、セルの状況にさらに適した送信タイミングとすることが可能となる。したがって、セルとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
Nを起点にしたタイミングで設定することを開示したが、セルとして与えられているサブフレーム番号で設定してもよい。どのビームで送受信を行うかがサブフレーム番号で与えられるような場合に有効である。
他の方法について開示する。
SRに対する上りグラントを送信しない期間をLとして設定してもよい。セルは、N+Lより後の任意のタイミングで、SRに対する上りグラントを送信する。UEは、N+Lより後のタイミングで、L1/L2制御信号を受信する。
例えば、セルによる処理時間をnとして、L>nとして設定する。この場合、セルは、NからN+Lまでのタイミングで、SRに対する上りグラントの送信を行わない。セルは、N+Lより後の任意のタイミングで、SRに対する上りグラントの送信を行う。UEは、NからN+Lまでのタイミングで、L1/L2制御信号の受信を行わない。UEは、N+Lより後のタイミングで、L1/L2制御信号を受信する。
サブフレーム単位の場合、セルは、NからN+Lまでのサブフレームで、SRに対する上りグラントの送信を行わない。セルは、N+Lより後の任意のサブフレームで、SRに対する上りグラントの送信を行う。UEは、NからN+Lまでのサブフレームで、L1/L2制御信号の受信を行わない。UEは、N+Lより後の毎サブフレームで、L1/L2制御信号を受信する。
このようにすることによって、UEは、SRを送信した後、いくつかのサブフレームのL1/L2制御信号の受信を行わなくて済むようになる。
さらに、N+Lより後の受信期間を設定してもよい。該受信期間をWとする。セルは、N+Lより後のWの期間で、任意のタイミングでSRに対する上りグラントを送信する。UEは、N+Lより後のWの期間で、タイミングでL1/L2制御信号を受信する。
このようにすることによって、UEは、SRを送信した後、いくつかのサブフレームのL1/L2制御信号の受信を行わなくて済むようになるとともに、さらに、N+Lより後のWの期間だけ、L1/L2制御信号を受信すればよくなる。したがって、さらにUEの低消費電力化を図ることができる。
このようにすることによって、UEの低消費電力化を図りつつ、セルは、セルの状況に適した送信タイミングとすることが可能となる。したがって、セルとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
他の方法について開示する。
予めUEに対して下りスケジューリングが行われるタイミングが決められている場合は、それに従うこととする。SRの送信以降の該下りスケジューリングが行われるタイミングで、L1/L2制御信号を受信する。予めUEに対して、下りスケジューリングが行われるタイミングを設定する方法は、実施の形態1で開示した方法を適用するとよい。
このようにすることによって、SRに対する上りグラントだけでなく、通常のスケジューリングと統一した方法を用いることが可能となる。したがって、セルおよびUEでの処理を容易にすることができる。
前述に開示した方法において、セルがUEに対して設定する情報(以下「SR応答に関する情報」と称する場合がある)の設定方法および通知方法について開示する。
システムとして固定としてもよい。予め静的に規格などで決めておくとよい。
他の方法として、セル毎およびビーム毎の少なくとも一方に設定してもよい。セルからUEに対して通知する方法は、実施の形態2で開示したビーム毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する方法と同様にしてもよい。例えば、セル毎の情報として、システム情報に含めて報知してもよいし、あるいは、RRCメッセージに含めてUE個別に通知してもよい。
他の方法として、UE毎に設定してもよい。セルからUEに対して通知する方法は、実施の形態2で開示したUE毎のPUCCHリソースに関する情報を通知する方法と同様にしてもよい。例えば、UE毎の情報として、RRCメッセージに含めてUE個別に通知してもよい。
これらの設定方法および通知方法を組合せて行ってもよい。SR応答に関する情報毎にこれらの方法を使い分けてもよい。例えば、剰余を用いる場合、Aはシステムとして固定とし、LはUE毎に設定するなどである。あるいは、Kはセル毎に設定し、Lはビーム毎に設定するなどである。このようにすることによって、セルはUEに対して、SRに対する上りグラントが発生するタイミングを通知することが可能となる。
他の方法について開示する。
セルおよびUEは、SRを送信したUEのUE識別子を用いて、SRに対する上りグラントを送信するタイミングを導出する。例えば、SRに対する上りグラントを送信するタイミングをN+Lとする場合、SRを送信したUEの識別子を用いてLを導出する。例えば、該UEの識別子が奇数である場合、Lは奇数とする。該UEの識別子が偶数である場合、Lは偶数とする。
UEの識別子ではなく、ビームの識別子を用いてもよい。セルおよびUEは、SRを送信したUEが通信しているビームの識別子を用いて、SRに対する上りグラントを送信するタイミングを導出する。例えば、SRに対する上りグラントを送信するタイミングをN+Lとする場合、SRを送信したUEが通信を行っているビームの識別子を用いてLを導出する。例えば、該ビームの識別子が奇数である場合、Lは奇数とする。該ビームの識別子が偶数である場合、Lは偶数とする。
このようにすることによって、セルがUEに対してSR応答に関する情報を設定しなくてもよい。したがって、シグナリングの負荷の削減を図ることができる。
図24は、SRに対する上りグラントの送受信タイミング設定のシーケンスの一例を示す図である。図24に示すシーケンスは、図19に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST2801において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3201において、セルは、UEに対して、UEに対するSR応答タイミングを設定する。
ステップST3202において、セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報とともに、SR応答に関する情報を通知する。PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報は、UEと通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。
セルは、ステップST3202の処理を行った後は、ステップST2804、ステップST2805およびステップST2806の処理を行う。
ステップST3202でPUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報を受信したUEは、ステップST2803の処理を行う。その後、UEは、ステップST2813の処理を行う。
ステップST2811において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断し、上りデータが発生している場合は、ステップST2812に移行する。
ステップST2812Aにおいて、UEは、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。
ステップST2812AでUEからのSRを受信したセルは、ステップST3203において、UEに対して設定したSR応答タイミングで上りスケジューリングを行う。
ステップST2812でSRを送信したUEは、ステップST3204において、SR応答に関する情報を用いて、SR応答タイミングを導出し、SR応答タイミングで受信を行う。
ステップST2511において、セルは、UEに対して設定したSR応答タイミングで上りグラントを通知する。
ステップST2511において、UEは、設定されたSR応答タイミングで、セルから上りグラントを取得する。
このようにしてセルからSRに対する上りグラントを受信したUEは、ステップST2512からステップST2514において、セルとの間で上り通信開始のための処理を行う。これによって、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、セルは、UEに対して、SR応答に関する情報を通知することが可能となり、セルとUEとでSRに対する上りグラントの送信タイミングの認識を合わせることが可能となる。
実施の形態6.
SRの送信が不達となった場合、セルは、UEに対して、SRに対する上りグラントを送信しない。あるいは、セルがUEに対して上りグラントを送信したとしても、電波伝搬環境が悪く、UEが受信できない場合がある。これらの場合、UEは、SRの送信が不達のために上りグラントが送信されないのか、あるいはセルが他のビームで通信を行っているためにサービングビームで通信できず、SRに対する上りグラントを送信していないのかの判断がつかない。
したがって、UEは、SR応答タイミングでSRに対する上りグラントを受信するので、L1/L2制御信号を受信し続けることになる。3GPPでは、ビームスイーピングを必要とするMBFにおける、SRの送信不達については、何ら議論されていない。
本実施の形態では、このような問題を解決する方法を開示する。
SRの送信から上りグラントを待つ期間を設定するタイマを設ける。以下の説明において、前記タイマを「SR応答待機タイマ」と称する場合がある。UEは、SRの送信でSR応答待機タイマを起動し、SR応答待機タイマが満了する前に上りグラントを受信した場合、SR応答待機タイマをリセットする。UEは、SR応答待機タイマの期間中に上りグラントを受信できず、SR応答待機タイマが満了した場合、SRの再送を行う。
SR応答待機タイマの値は、予め規格などで決めておいてもよいし、セルが設定してUEに対して通知してもよい。実施の形態5で開示したSR応答に関する情報の通知方法を適用してもよい。SR応答待機タイマとして、時間単位であってもよいし、スケジューリング単位であってもよい。スケジューリング単位の例としては、例えば、サブフレーム、スロット、ミニスロットなどがある。
このようにすることによって、UEは、セルがSRを送信した場合に、SR応答待機タイマ期間内でSRに対する上りグラントを送信すると仮定することが可能となる。これによって、UEは、SR応答待機タイマが満了した場合、SRの送信が不達として、再度SRを送信することが可能となる。したがって、UEは、セルが他のビームで通信を行っているかどうかの判断がつかず、SR応答タイミングでL1/L2制御信号を受信し続けることが無くなる。
SR応答タイミングは、ビーム毎あるいはUE毎に設定される場合がある。したがって、SR応答タイミングは、ビーム毎あるいはUE毎に異なる場合がある。この場合、SR応答待機タイマの値をSRの送信からの期間として設定すると、ビーム毎あるいはUE毎に異なった値を設定しなければならず、設定が複雑になるという問題が生じる。
このような問題を解決する方法を開示する。
SR応答待機タイマを、SRに対する上りグラントの送信タイミングの発生回数で設定する。例えばX回と設定する。UEは、SRの送信でSR応答待機タイマを起動し、SRに対する上りグラントの送信タイミングの発生回数がX回以内に上りグラントを受信した場合、SR応答待機タイマをリセットする。UEは、SRに対する上りグラントの送信タイミングの発生回数がX回以内に上りグラントを受信しなかった場合、SRの再送を行う。
実施の形態5で開示した、SRに対する上りグランントの送信発生タイミングの設定において、Lの値を設定する範囲(K)を決めるような場合、SR応答待機タイマを、Kの繰返し回数で設定してもよい。例えばX回と設定する。UEは、SR送信でSR応答待機タイマを起動し、Kの繰返し回数がX回以内に上りグラントを受信した場合、SR応答待機タイマをリセットする。UEは、Kの繰返し回数がX回以内に上りグラントを受信しなかった場合、SRの再送を行う。
このようにすることによって、上りグラントの発生回数に応じて、SR応答待機タイマを設定することが可能となる。したがって、ビーム毎、UE毎に、上りグラントの発生回数に応じて、均等な機会で設定するときに、異なるタイマ値で設定しなくて済む。これによって、セルからUEに対するSR応答待機タイマの設定および通知の処理を容易にすることが可能となる。
前述の方法の場合、UEが、セルからSRに対する上りグラントを受信できなかった場合、SRの再送を続けて行うことになる。例えば、UEが通信を行うビームで上り同期がはずれた場合、セルは、UEからのSRの送信を受信できなくなる。このような状態が続くと、UEが何度SRを再送したとしても、セルは、UEからのSRの送信を受信することができず、SRに対する上りグラントは送信されないことになる。したがって、UEは、SRの再送を繰り返すことになる。
このような問題を解決する方法を開示する。
SRの再送に最大回数を設けるとよい。例えばY回と設定する。SRの再送がY回を超えた場合、UEはSRの再送を停止する。このようにすることによって、UEの移動、および電波伝搬環境の悪化などによって、UEがSRを再送し続けることを回避することができる。したがって、UEの低消費電力化を図ることができる。
SRの再送がY回を超えた場合、RA処理から開始するとしてもよい。RA処理によって上り同期が行われる。RA処理は、ビームスイーピングブロックを用いてもよい。このようにすることによって、UEは、再度UEが通信を行うビームで上り同期を得ることが可能となる。
SRの再送がY回を超えた場合、UEに対して設定されているPUCCHリソース設定、SR応答設定、SR不達設定をリセットしてもよい。リセットすることによって、設定されていたリソースを他に開放できるので、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
実施の形態7.
MBFでのビームカバレッジは、セルのカバレッジより狭域になる。また、MBFにおいてビームスイーピングが必要な場合、UEがSRを送信してからSRに対する上りグラントを受信するまでの間に、セルは、他のビームでの通信を行う場合がある。この場合、SRの送信からSR応答信号の受信タイミングまでの期間は、ビームスイーピングが不要な場合に比べて長くなる。
したがって、UEがSRを送信してからSR応答信号を受信するまでに、ビームカバレッジを跨いだ移動が発生する場合がある。いわゆるビーム間の移動(モビリティ)が行われる場合がある。セルは、一つまたは複数のTRPを構成し、TRPは、一つまたは複数のビームを構成する。ここでは、主として、ビーム間の移動について記載するが、TRP間の移動にも適用可能である。
TRPが構成するビーム間の移動に適用するとよい。また、DU(Distributed Unit)が一つまたは複数のビームを構成する場合がある。このような場合のDU間の移動にも適用可能である。DUが構成するビーム間の移動に適用するとよい。
実施の形態5では、UEがSRの送信を行ったビームにおいてSR応答信号を受信するタイミングの設定方法について開示した。しかし、UEがSRの送信を行った後に、ビーム間の移動が発生した場合は、SRの送信を行ったビームからUEが移動しているので、実施の形態5の方法を単純に適用することはできない。そのような場合に、セルとUEとの間でSR応答信号をどのように送受信するかが問題となる。
本実施の形態では、このような問題を解決する方法を開示する。
SRの送信後、UEにビーム間の移動が発生した場合、UEがSRの送信を行ったビームでそのままSRに対する上りグラントを待っていても、該ビームでのUEの通信品質は悪化するので、上りグラントを受信できなくなる場合が発生する。ここでは、このような問題を解決する方法を開示する。
UEは、SRの送信後にビーム間の移動が発生した場合、送信したSRに対する上りグラントを、移動先のビームで受信する。セルは、UEからのSRを受信した後、受信したSRに対する上りグラントを、UEの移動先のビームでUEに対して送信する。このようにすることによって、UEにとって通信品質の良いビームで、SR応答信号の送受信を行うことができる。したがって、UEにおけるSR応答信号の受信誤り率を低減させることが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングについて開示する。
移動元のビームで送信されたSRに対する上りグラントを移動先のビームで送信する場合、ビームが異なるので、移動先ビームでの上りグラントの送信タイミングの設定が問題となる。例えば、移動元ビーム(以下「ソースビーム(S-beam)」と称する場合がある)の設定をそのまま用いるのか、移動先ビーム(以下「ターゲットビーム(T-beam)」と称する場合がある)で新たに設定するのか、新たに設定する場合の設定方法はどうするのか、などの問題が生じる。
ここでは、このような問題を解決する方法を開示する。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、システムで固定、あるいはセル毎にセル内の全ビームで同一に設定されている場合、UEは、ビーム間の移動後も該設定に従うとよい。SRの送信タイミングを起点にするとよい。また、SRに対する上りグラントの送信タイミングが、セル内の複数のビームで同一に設定されてもよい。SRに対する上りグラントの送信タイミングは、SRの送信タイミングを起点にするとよい。
電波伝搬状況の急激な悪化に対抗するために、UEが複数のビームの物理制御チャネルを受信することが提案されている。そのような複数のビームでビームグループを設けてもよい。UEは、通信しているビームの電波伝搬状況の急激な悪化によるビームの移動先をビームグループとしてもよい。例えば、前述のビームグループで、SRに対する上りグラントの送信タイミングを同一に設定してもよい。
このようにすることによって、UEは、ビーム間移動後のターゲットビームでのSR応答信号を受信することが可能となる。また、UEは、ビーム間の移動後もSR応答信号の受信タイミングを変更することが無くなるので、ビーム間移動の処理を簡易にすることが可能となる。
SR応答信号の送信タイミングが、SRの送信タイミングを起点にすることを開示したが、他の方法として、UEのビーム間の移動あるいはセルからUEへのビーム間移動指示のタイミングを起点に、SR応答信号のタイミングを決定してもよい。
このようにすることによって、ソースビームでのSR送信タイミングをターゲットビームで不要とすることができる。また、ビーム間移動指示のタイミングを起点にするので、新たな情報を通知する必要もない。したがって、UEおよびビーム間で要する処理を簡易にすることが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、ビーム毎に、あるいは、ビーム毎にUE毎に設定されている場合の方法について開示する。ビーム毎に設定されている場合、セルは、UEに対して、予め、セル内の全ビームあるいは複数のビームのSRに対する上りグラントの送信タイミングを設定する。ビーム毎にUE毎に設定されている場合、セルは、UEに対して、予め、ターゲットビームあるいは複数のビームのUE毎のSRに対する上りグラントの送信タイミングを設定する。
複数のビームとしては、前述のビームグループとしてもよい。ターゲットビームとなる可能性のある複数のビームのグループとしてもよい。
UEは、ビーム間の移動後に、ターゲットビームのSRに対する上りグラントの送信タイミングを用いて受信する。セルは、UEがビーム間を移動した後、ターゲットビームのSRに対する上りグラントの送信タイミングを用いて送信する。
このようにすることによって、UEは、ビーム間移動後のターゲットビームでのSR応答信号を受信することが可能となる。
UEのビーム間の移動において、セルからUEに対して移動指示が通知される場合は、UEは、セルからビーム間の移動指示を受信した後、ターゲットビームのSRに対する上りグラントの送信タイミングを用いて受信するとしてもよい。また、セルは、UEにビーム間の移動指示を送信した後、ターゲットビームのSRに対する上りグラントの送信タイミングを用いて送信するとしてもよい。
ここで、SRに対する上りグラントの送信タイミングが、SRの送信タイミングを起点にする場合、ソースビームでのSRの送信タイミングを起点とするとよい。このようにすることによって、セルおよびUEは、SRに対する上りグラントの送信タイミングを特定することが可能となる。UEは、該送信タイミングで受信することによって、セルが該送信タイミングで送信したSR応答信号を受信することが可能となる。
ソースビームでのSRの送信タイミングからSR応答信号の受信タイミングまでの期間よりも、ターゲットビームでのSRの送信タイミングからSR応答信号の受信タイミングまでの期間が長い場合、UEのビーム間の移動前に、ターゲットビームでのSR応答信号の受信タイミングが終わっていることがある。このような場合、セルは、ターゲットビームのSR応答信号の送信タイミングで上りグラントを送信してしまった場合、UEは、SRに対する上りグラントを受信できなくなる。
このような問題を解決する方法を開示する。
SRに対する上りグラントの送信タイミングについて、UEのビーム間の移動時は、ソースビームでのSRに対する上りグラントの送信タイミングに従う。SRを送信したUEが、SRに対する上りグラントを受信する前に移動指示を受信した場合、UEは、ソースビームでのSRの送信タイミングを起点に、ソースビームで設定された上りグラントの送信タイミングで受信する。
セルは、SRを送信したUEに対して、SRに対する上りグラントを送信する前にビーム間の移動を指示した場合、該UEに対するSRに対する上りグラントの送信タイミングを、ソースビームでのSRの送信タイミングを起点に、ソースビームで設定された上りグラントの送信タイミングで送信する。このようにすることによって、UEがビーム間を移動した場合でも、SR応答信号のタイミングをソースビームでのSRに対する上りグラントの送信タイミングに設定できるので、UEのビーム間の移動前に、SR応答信号の受信タイミングが終わってしまうようなことはなく、UEは、ターゲットビームでSR応答信号を受信することが可能となる。
他の方法を開示する。
SRに対する上りグラントの送信タイミングについて、UEのビーム間の移動時は、SRの送信からSRに対する上りグラントの送信タイミングまでが長い方に従う。セルは、UEに対して、予め、セル内の全ビームあるいは複数のビームのSR応答信号の受信タイミングを設定する。複数のビームとしては、前述のビームグループとしてもよい。
SRを送信したUEが、SRに対する上りグラントを受信する前に移動指示を受信した場合、UEは、ソースビームでのSRの送信からSRに対する上りグラントの受信タイミングまでの期間と、ターゲットビームでのSRの送信からSRに対する上りグラントの受信タイミングまでの期間とを比較して、長い方のSRに対する上りグラントの受信タイミングを選択して設定し、該タイミングで受信する。
セルは、SRを送信したUEに、SRに対する上りグラントを送信する前にビーム間の移動指示を送信した場合、ソースビームでのSRの送信からSRに対する上りグラントの送信タイミングまでの期間と、ターゲットビームでのSRの送信からSRに対する上りグラントの送信タイミングまでの期間とを比較して、長い方のSRに対する上りグラントの送信タイミングを選択して設定し、該タイミングで送信する。
このようにすることによって、UEがビーム間を移動した場合でも、SR応答信号のタイミングを長い方のSRに対する上りグラントの送信タイミングに設定できるので、UEのビーム間の移動前に、SR応答信号の受信タイミングが終わってしまうようなことはなく、UEは、ターゲットビームでSR応答信号を受信することが可能となる。
他の方法を開示する。
UEは、ビーム間の移動、あるいはセルからのビーム間移動指示の受信で、ソースビームでのSR応答信号のタイミングをリセットする。
UEは、ビーム間の移動、あるいはセルからのビーム間移動指示の受信のサブフレームを起点(N)として、ターゲットビームのSR応答信号のタイミングで受信する。セルは、UEのビーム間移動、あるいはビーム間移動指示の送信のサブフレームを起点(N)として、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングで送信する。
このようにすることによって、UEがビーム間移動したことを起点にSR応答信号のタイミングを設定できるので、UEのビーム間の移動前に、ターゲットビームでのSR応答信号の受信タイミングが終わるようなことはなく、UEは、ターゲットビームでSR応答信号を受信することが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、ビーム毎に、あるいは、ビーム毎にUE毎に設定されている場合の他の方法について開示する。セルは、UEへの移動指示とともに、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングを設定する。セルは、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングを設定し、UEに、ビーム間移動指示を送信するとともに、該SR応答信号のタイミングを通知する。セルは、UEへのビーム間移動指示の送信で、ソースビームでのSR応答信号のタイミングをリセットし、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングで送信する。
UEは、セルからビーム間移動指示を受信するとともに、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングを受信する。UEは、セルからのビーム間移動指示の受信で、ソースビームでのSR応答信号のタイミングをリセットし、ターゲットビームでのSR応答信号のタイミングで受信する。
セルは、UEがターゲットビームに移動した後、新たにSR応答信号のタイミングを設定してもよい。
このようにすることによって、ソースビームでのSR送信タイミングをターゲットビームで不要とすることができる。したがって、ビーム間で要する処理を簡易にすることが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、ビーム毎に、あるいは、ビーム毎にUE毎に設定されている場合の他の方法について開示する。UEに対するビーム間移動指示の送信以降、ターゲットビームでのSR応答信号の送信タイミングをダイナミックにする。セルは、UEに対して、ビーム間移動指示を送信するとともに、ターゲットビームでのSR応答送信のタイミングをダイナミックにする。
UEは、セルからのビーム間移動指示の受信で、ソースビームでのSR応答信号の受信タイミングをリセットする。UEは、セルからのビーム間移動指示を受信した後、ターゲットビームでSR応答信号を連続受信する。例えば、SR応答信号の送信タイミングがサブフレーム単位の場合、UEは、ターゲットビームでのSR応答信号を毎サブフレーム受信する。セルは、UEに対して、UEがターゲットビームに移動した後、新たにSR応答信号のタイミングを設定してもよい。
このようにすることによって、セルはUEに対して、UEのビーム間移動指示を通知するとき、あるいは、ビーム間移動前に予め、ターゲットビームでのSR応答信号の送信タイミングを通知しなくてもよくなる。したがって、シグナリングに必要な情報量を低減することが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、ビーム毎に、あるいは、ビーム毎にUE毎に設定されている場合の他の方法について開示する。セルからのUEへの移動指示後も、ソースビームのSR応答信号のタイミングが維持される。セルは、UEに対して、ビーム間移動指示を送信した後も、ソースビームのSR応答信号の送信タイミングで送信する。セルは、UEに対して、ビーム間移動指示を送信した後、ソースビームでのSR応答信号の送信タイミング設定を、ターゲットビームでのSR応答信号の送信タイミング設定とする。
UEは、セルからのビーム間移動指示を受信した後も、ソースビームでのSR応答信号の受信タイミングで受信する。UEは、セルからのビーム間移動指示を受信した後、ソースビームでのSR応答信号の送信タイミング設定を、ターゲットビームでのSR応答信号の送信タイミング設定とする。
セルは、UEに対してビームの移動を決定してから、次のソースビームでのSR応答信号の送信タイミングになる前までに、ソースビームでのSR応答信号のタイミング設定を、ターゲットビームに通知する。これは、ソースビームとターゲットビームとが異なるノードによって構成されている場合に有効である。
あるいは、ソースビームがUEに対してビームの移動を通知してから、次のソースビームでのSR応答信号の送信タイミングになる前までに、ソースビームを構成するノードがターゲットビームを構成するノードに対して、ソースビームでのSR応答信号のタイミング設定を通知する。これは、ソースビームとターゲットビームとが異なるノードによって構成されており、各ノードがSR応答信号のタイミングを設定する場合に有効である。
前述のノードとして、例えば、TRP、DUなどがある。セルは、UEに対して、UEがターゲットビームに移動した後、新たにSR応答信号のタイミングを設定してもよい。
SRに対する上りグラント送信タイミングが、セル内でUE毎に設定されている場合の方法について開示する。UEがビーム間を移動した後も、移動前に設定されたUE毎のSR応答信号のタイミング設定に従う。SRの送信タイミングを起点にSR応答信号のタイミングを決定するとよい。セルは、UEに対して、UE毎にSR応答信号の受信タイミングを設定する。
UEは、ビーム間を移動した後、あるいはセルからビーム間移動指示を受信した後も、設定されたUE毎のSR応答信号の受信タイミングで受信する。UEは、ビーム間の移動前、あるいはセルからビーム間移動指示を受信する前のSRの送信タイミングを起点(N)として、UE毎のSR応答信号のタイミングで受信する。
このようにすることによって、ビーム間移動処理とSR応答信号送信タイミング設定処理とを分離することが可能となる。したがって、実運用時の誤動作を低減させることが可能となる。
セルは、UEがビーム間を移動した後、あるいはビーム間移動指示を送信した後も、UE毎に設定したSR応答信号の送信タイミングで送信する。セルは、UEのビーム間の移動前、あるいはビーム間移動指示を送信する前のSRの受信タイミングを起点(N)として、UE毎のSR応答信号のタイミングで送信する。
このようにすることによって、ビーム間移動においてUE毎に設定されたSR応答信号タイミングを変更しなくて済む。したがって、ビーム間移動処理を簡易にすることが可能となる。
SRの送信タイミングを起点にすることを開示したが、他の方法として、UEのビーム間の移動あるいはセルからUEへのビーム間移動指示のタイミングを起点に、SR応答信号のタイミングを決定してもよい。UEは、ビーム間の移動、あるいはセルからのビーム間移動指示の受信タイミングを起点(N)として、UE毎のSR応答信号のタイミングで受信する。セルは、UEのビーム間の移動、あるいはビーム間移動指示の送信タイミングを起点(N)として、UE毎のSR応答信号のタイミングで送信する。
このようにすることによって、ソースビームでのSR送信タイミングをターゲットビームで不要とすることができる。したがって、ビーム間で要する処理を簡易にすることが可能となる。
SRに対する上りグラントの送信タイミングが、UE毎に設定されている場合の他の方法について開示する。SRに対する上りグラントの送信タイミングが、ビーム毎に、あるいは、ビーム毎にUE毎に設定されている場合の方法を適用してもよい。UE毎のSRに対する上りグラントの送信タイミングの設定が、UEが通信するビームに使用するタイミングを考慮している場合に有効となる。
図25および図26は、SRの送信後にビーム間の移動が発生した場合のSRに対する上りグラントの送受信タイミング設定のシーケンスの一例を示す図である。図25と図26とは、境界線BL2の位置で、つながっている。図25および図26に示すシーケンスは、図24に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST2801において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3201において、セルは、UEに対して、UEに対するSR応答タイミングを設定する。
ステップST3202において、セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報とともに、SR応答に関する情報を通知する。PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報は、UEと通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。ここで、UEと通信するビームは、ソースビームである。
セルは、ステップST3202の処理を行った後は、ステップST2804、ステップST2805およびステップST2806の処理を行う。
ステップST3202でPUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報を受信したUEは、ステップST2803の処理を行う。その後、UEは、ステップST2813の処理を行う。
ステップST2811において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断し、上りデータが発生している場合は、ステップST2812に移行する。
ステップST2812Aにおいて、UEは、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。ここで、サービングビームは、ソースビームである。
ステップST2812AでSRを送信したUEは、ステップST3202で通知されたSR応答に関する情報から導出したSR応答タイミングで受信を開始する。
ステップST2812Aにおいて、セルは、UEからのSRを受信する。UEからのSRを受信したセルは、ステップST3201で設定したSR応答タイミングで上りスケジューリングを行うための処理を行う。
この間に、ステップST3301において、セルは、下りCSI−RSを、ソースビームを介してUEに対して送信する。
ステップST3301で下りCSI−RSを受信したUEは、ステップST3302において、CSI−RSの測定結果を、ソースビームを介してセルに対して報告する。具体的には、UEは、CSI−RSの測定結果をCSIとしてセルに報告する。
ここで、セルは、複数のビームでCSI−RSを送信してもよい。UEは、複数のビームのCSI−RSの測定結果をセルに通知してもよい。あるいは、UEは、CSI−RSの測定結果から、サービングビームよりも受信品質の良いビームを導出し、該ビームの識別子を通知してもよい。これによって、情報量を削減することができる。
ステップST3302において、UEからCSI報告を取得したセルは、ステップST3303において、UEをターゲットビームに移動させることを決定する。
ステップST3304において、セルは、UEに対して、ソースビームで設定したSR応答タイミングでSR応答を送信することが可能か否かを判断する。
ステップST3304において、セルがSR応答タイミングでSR応答を送信可能と判断した場合は、ステップST3305に移行する。
ステップST3305において、セルは、UEに対して、ターゲットビームへの移動指示を通知する。ターゲットビームへの移動指示として、ターゲットビームのビーム識別子を含ませてもよい。移動指示の通知には、L1/L2制御シグナリングを用いてもよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。MACシグナリングを用いることによって、RRCシグナリングで通知するよりも、セルは、UEに対して、より低遅延でビームの移動指示を通知することができる。該移動指示とともに、SR応答タイミングへの変更指示は通知しない。
ステップST3304において、セルがSR応答タイミングでSR応答を送信不可能と判断した場合は、ステップST3306に移行する。
ステップST3306において、セルは、UEに対して、ターゲットビームでのSR応答タイミングに設定を変更する。
ステップST3307において、セルは、UEに対して、ターゲットビームへの移動指示と、設定変更したSR応答タイミングへの変更指示を通知する。SR応答タイミングの設定変更指示として、ターゲットビームでのSR応答に関する情報を含ませてもよい。
ステップST3308において、UEは、セルから受信した移動指示とともに、SR応答タイミングの設定変更指示を受信したか否かを判断する。
ステップST3308において、UEがSR応答タイミングの設定変更指示を受信していない場合は、ステップST3309に移行する。
ステップST3309において、UEは、ソースビームでのSR応答タイミングで受信を継続する。
ステップST3308において、UEがSR応答タイミングの設定変更指示を受信した場合は、ステップST3310に移行する。
ステップST3310において、UEは、受信したSR応答に関する情報を用いてSR応答タイミングを導出し、該SR応答タイミングに設定を変更して受信を行う。
ステップST3311において、セルは、UEに対して設定したSR応答タイミングで、ターゲットビームでの上りスケジューリングを行う。
ステップST3312において、セルは、UEに対して設定したSR応答タイミングで、ターゲットビームを介して上りグラントをUEに通知する。
ステップST3312において、UEは、設定されたSR応答タイミングで、セルからターゲットビームを介して上りグラントを取得する。
ステップST3313において、UEは、取得した上りグラントを用いて、BSR(Buffer Status Report)を、ターゲットビームを介してセルに送信する。
ステップST3313でBSRを受信したセルは、BSRに従って、UEに対して上りスケジューリングを行う。
ステップST3314において、セルは、ターゲットビームを介してUEに、上りグラントを通知する。
このようにしてセルからのSRに対する上りグラントを受信したUEは、ステップST3315において、上りデータをセルに送信する。これによって、UEとセルとの間でターゲットビームを介して上り通信が開始される。
このようにすることによって、UEがSRの送信後にビーム間移動が生じた場合に、たとえターゲットビームにおいてSR応答タイミングが変更されたとしても、UEがターゲットビームにおいてSR応答信号を受信することが可能となる。
図27および図28は、SRの送信後にビーム間の移動が発生した場合のSRに対する上りグラントの送受信タイミング設定のシーケンスの他の例を示す図である。図27と図28とは、境界線BL3の位置で、つながっている。図27および図28に示すシーケンスは、図25に示すシーケンスと同一のステップを含んでいるので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST2801において、セルは、UEに対して、UE毎のPUCCHリソース構成を設定する。
ステップST3201において、セルは、UEに対して、UEに対するSR応答タイミングを設定する。
ステップST3202において、セルは、UEに対して、PUCCHリソースに関する情報とともに、SR応答に関する情報を通知する。PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報は、UEと通信するビームを介して通知するとよい。前記PUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報の通知には、RRC個別シグナリングを用いる。ここで、UEと通信するビームは、ソースビームである。
セルは、ステップST3202の処理を行った後は、ステップST2804、ステップST2805およびステップST2806の処理を行う。
ステップST3202でPUCCHリソースに関する情報およびSR応答に関する情報を受信したUEは、ステップST2803の処理を行う。その後、UEは、ステップST2813の処理を行う。
ステップST2811において、UEは、上りデータが発生したか否かを判断し、上りデータが発生している場合は、ステップST2812Aに移行する。
ステップST2812Aにおいて、UEは、設定されたSR用PUCCHリソース構成でSRを、サービングビームを介してセルに対して送信する。ここで、サービングビームは、ソースビームである。
ステップST2812AでSRを送信したUEは、ステップST3202で通知されたSR応答に関する情報から導出したSR応答タイミングで受信を開始する。
ステップST2812Aにおいて、セルは、UEからのSRを受信する。UEからのSRを受信したセルは、ステップST3201で設定したSR応答タイミングで上りスケジューリングを行うための処理を行う。
この間に、ステップST3301において、セルは、下りCSI−RSを、ソースビームを介してUEに対して送信する。
ステップST3301で下りCSI−RSを受信したUEは、ステップST3302において、CSI−RSの測定結果を、ソースビームを介してセルに対して報告する。具体的には、UEは、CSI−RSの測定結果をCSIとしてセルに報告する。
ここで、セルは、複数のビームでCSI−RSを送信してもよい。UEは、複数のビームのCSI−RSの測定結果をセルに通知してもよい。あるいは、UEは、CSI−RSの測定結果から、サービングビームよりも受信品質の良いビームを導出し、該ビームの識別子を通知してもよい。これによって、情報量を削減することができる。
ステップST3302において、UEからCSI報告を取得したセルは、ステップST3303において、UEをターゲットビームに移動させることを決定する。
ステップST3305において、セルは、UEに対して、ターゲットビームへの移動指示を通知する。
ステップST3305で移動指示を受信したUEは、ステップST3403において、ソースビームでのSR応答タイミングをリセットして、毎サブフレームでの受信に設定する。
ステップST3305でUEに移動指示を送信したセルは、ステップST3401において、UEに対して設定したソースビームでのSR応答タイミングをリセットし、SR応答タイミングをダイナミックに設定する。
ステップST3402において、セルは、UEに対して、任意のタイミングで上りスケジューリングを行う。
ステップST3312において、セルは、UEに対して、上りグラントを送信する。上りグラントの送信は、ターゲットビームを介して行う。
ステップST3403において、移動指示の受信によって毎サブフレームでの受信に設定したUEは、以降、ターゲットビームにおいて毎サブフレーム受信する。
これによって、UEは、ステップST3312においてセルから送信された上りグラントを受信することが可能となる。
このようにしてセルからSRに対する上りグラントを受信したUEは、ステップST3313からステップST3315によって、セルとの間でターゲットビームを介して上り通信開始のための処理を行う。これによって、UEとセルとの間で上り通信が開始される。
このようにすることによって、UEがSRの送信後にビーム間移動が生じた場合に、たとえターゲットビームにおいてSR応答タイミングが変更されたとしても、UEがターゲットビームにおいてSR応答信号を受信することが可能となる。
セルは、任意のタイミングで、ターゲットビームで、UEからのSRに対する上りスケジューリングを行い、上りグラントを送信することができる。また、UEも任意のタイミングで上りグラントが送信されたとしても、該上りグラントを受信することが可能となる。セルは、各ビームの負荷状況および電波伝搬状況などに応じて、適宜適切なタイミングで、SRに対する上りスケジューリングを行うことが可能となる。
ターゲットビームでSRの送信が不達になった場合についても問題となる。例えば、ソースビームの設定をそのまま用いるのか、ターゲットビームで新たに設定するのか、新たに設定する場合の設定方法はどうするのか、などの問題が生じる。
SRの送信が不達になった場合についても、前述に開示した、ターゲットビームでのSRに対する上りグラントの送信タイミング設定および設定方法を適用するとよい。これによって、SRの送信が不達の場合でも、ターゲットビームでセルおよびUEの協調動作が可能となる。
ターゲットビームでのUEからのSRの再送についてさらなる問題が生じる。例えば、ターゲットビームでUEが上り送信を行う場合、ソースビームの送受信ポイント(以下「S−TRP」という場合がある)と、ターゲットビームの送受信ポイント(以下「T−TRP」という場合がある)とが異なるような場合、UEからS−TRPまでの電波伝搬時間と、UEからT−TRPまでの電波伝搬時間とが異なる。
このような場合、ソースビームでのタイミングアドバンス(Timing Advance:TA)を用いて、ターゲットビームで上り送信を行っても、セルは、T−TRPで該上り送信を受信することができないという問題が生じる。
ターゲットビームでのUEからのSRの再送についても同様の問題が生じる。UEがターゲットビームでSRの再送を何度繰り返しても、セルは、該SRの再送を受信できず、UEに対して上りグラントを送信できなくなる。これによって、UEは、上り送信を開始できなくなってしまうという問題が生じる。
このような問題を解決する方法を開示する。
セルは、UEに対して、移動指示とともに、ターゲットビームにおいて、UE個別のRA処理の起動を指示する。UE個別のRA処理は、RA用のプリアンブルにUE個別の構成を用いる。したがって、衝突をすることなく、確実にRA処理を行うことが可能となる。
UE個別のRA用プリアンブル構成として、無線リソースおよびプリアンブルに用いる信号のシーケンスなどがある。セルは、UEに対して、ターゲットビームでのRA用プリアンブルに関する情報を通知する。セルは、UEに対して、該情報を、ソースビームでの移動指示のシグナリングに含めて通知してもよい。該情報が通知されると、UE個別のRA処理が起動されるようにしてもよい。
UEは、移動指示とともに、前記ターゲットビームでのRA用プリアンブルに関する情報を受信した場合、ターゲットビームにおいてUE個別のRA処理を行う。UEは、このRA処理によって、ターゲットビームでのタイミングアドバンスをセルから取得することが可能となる。ターゲットビームでのタイミングアドバンスを取得したUEは、該タイミングアドバンスを用いて上り送信を行う。
このようにすることによって、セルは、ターゲットビームにおけるUEからの上り送信を受信することが可能となる。SRの再送においても同様に、該タイミングアドバンスを用いてSRの再送を行う。このようにすることによって、セルは、ターゲットビームにおけるUEからのSRの再送を受信することが可能となる。
セルは、UEに対する、ソースビームでのタイミングアドバンスとターゲットビームでのタイミングアドバンスとが異なると判断した場合に、UEに対して、UE個別のRA処理を起動してもよい。例えば、S−TRPとT−TRPとの位置が異なるような場合に、UEに対して、UE個別のRA処理を起動する。S−TRPとT−TRPとの位置が同じ、あるいは、ソースビームとターゲットビームとが同一のTRPによって構成されている場合、UEに対して、UE個別のRA処理を起動しない。
S−TRPとT−TRPとの位置が同じ、あるいは、ソースビームとターゲットビームとが同一のTRPによって構成されている場合は、UEからの電波伝搬時間は、ほぼ等しくなる。したがって、ターゲットビームでのタイミングアドバンスを設定し直す必要が無く、ソースビームでのタイミングアドバンスを引き続き使用するとよい。
このようにすることによって、UEがビーム間の移動のときに、常にRA処理を起動する必要が無くなる。したがって、UEおよびセルにおける処理を容易にするとともに、低消費電力化を図ることができる。
他の方法を開示する。ビーム毎あるいはTRP毎のTAG(Timing Advance Group)を設定する。従来、TAGは、セル毎に設定されていた。NRでは、セル内に一つまたは複数のTRPが構成され、TRPが一つまたは複数のビームを構成することが検討されている。ビームを構成するTRPの位置が異なるような場合、前述のように、タイミングアドバンスが異なってくる。ビーム毎あるいはTRP毎のTAGを設定することによって、ビームを構成するTRPの位置の違いによるTAGを設定することが可能となる。
セルは、ターゲットビームがソースビームと同じTAG内か否かを判断して、UEに対してUE個別のRA処理を起動してもよい。ターゲットビームがソースビームと同じTAG内である場合、セルは、UEに対してUE個別のRA処理を起動しない。ターゲットビームがソースビームと異なるTAG内である場合、セルは、UEに対してUE個別のRA処理を起動する。このようにすることによって、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
セルがUEに対してRA処理を起動することを判断したが、UEがRA処理を起動することを判断してもよい。セルは、予め、ビーム毎あるいはTRP毎のTAG設定情報をUEに対して通知する。TAG設定情報の通知方法として、RRCシグナリングを用いるとよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。
セルからビーム間の移動指示を受信したUEは、該移動指示に含まれるターゲットビームの識別子から、前記TAG設定情報を用いて、ターゲットビームがソースビームと同じTAG内か否かを判断する。ターゲットビームがソースビームと同じTAG内である場合、UEは、UE個別のRA処理を起動しない。ターゲットビームがソースビームと異なるTAG内である場合、UEは、RA処理を起動する。ターゲットビームでのRA用プリアンブルに関する情報は、移動指示とともにセルからUEに対して通知されるとよい。
UEは、UE個別ではないRA処理を行うとよい。セルは、ターゲットビームでのRA用プリアンブルに関する情報を、移動指示とともにUEに対して通知しなくて済む。UEは、RA処理に、セル毎あるいはビーム毎に設定されたRA用プリアンブルに関する情報を用いるとよい。該情報は、予め規格などで決められていてもよいし、セルからUEに対して予め通知してもよい。RA用プリアンブルに関する情報の通知方法として、RRCシグナリングを用いるとよい。このようにすることによって、UEがRA処理を起動することが可能となる。
このような方法で、ターゲットビームでRA処理を起動したUEは、RA処理で取得したタイミングアドバンスを用いて、ターゲットビームでSRの再送を行う。ターゲットビームでRA処理を起動しないUEは、ソースビームでのタイミングアドバンスを引き続き使用して、ターゲットビームでSRの再送を行う。
このようにすることによって、ソースビームでのSRの送信が不達の場合でも、ターゲットビームでSRを再送することが可能となる。また、ターゲットビームでSRを再送する場合に、RA処理から行うことによって、TAが異なることに起因してSRの送信の不達が続くような状況を早期に回避することができる。したがって、早期に上り送信を開始することが可能となる。
このような方法は、ソースビームでSRの送信および一回以上のSRの再送が不達であった場合でも、ターゲットビームでさらなるSRの再送を行うことが可能となる。
ビーム間の移動指示によって、SRの再送最大回数をリセットしてもよい。ターゲットビームでの最初のSRの再送を、初回SRの再送あるいはSRの初送として、再度、SRの再送最大回数までSRの再送を可能としてもよい。このようにすることによって、ターゲットビームでのSRの再送機会を十分に与えることができる。したがって、SRの送信不達を低減することができる。
また、ターゲットビームでRA処理を起動したUEに対してのみ、SRの再送最大回数をリセットしてもよい。ターゲットビームでの最初のSRの再送を、初回SRの再送あるいはSRの初送として、再度、SRの再送最大回数までSRの再送を可能としてもよい。このようにすることによって、TAが変更されたUEに対してのみSRの再送機会を十分に与えることができる。したがって、SRの送信不達を低減することができる。また、TAが変更されないUEに対しては、無駄に最大回数になるまでの期間を長くせず、早期に再度RA処理から行うことが可能となる。
UEがRA処理を起動した場合、SR処理をリセットするとしてもよい。UEは、RA処理を起動した後、SR処理を起動するとよい。ターゲットビームにおけるPUCCHリソースの設定から起動するとよい。このとき、ソースビームと同じPUCCHリソースに関する情報は省略してもよい。このようにすることによって、TAの異なるターゲットビームでSR処理を開始することが可能となる。
実施の形態8.
NRでは、アナログビームフォーミングおよびハイブリッドビームフォーミングが検討されている。一つのセルにおいて複数のビームが形成され、ビーム毎にカバレッジが構成される。したがって、ビームのカバレッジは、セルのカバレッジよりも狭範囲となる。
ビームのカバレッジが適切に形成されていないと、UEのビーム間の移動で通信の切断が生じやすくなるという問題が生じる。また、新たに障害物が形成されたような場合、地点によっては受信電力の低下が生じ、カバレッジホールが発生するという問題が生じる。
LTEでは、UEによるカバレッジの評価機能として、MDT(Minimization of Drive Test)がサポートされている(3GPP TS 37.320 V13.1.0(以下「参考文献8」という)、3GPP TS 36.331 V14.0.0(以下「参考文献5」という)、および非特許文献1参照)。
従来のMDTは、セルがカバレッジをどのように形成しているかを評価するために、地理的ポイントでセルからどの程度の受信電力が得られるかを、UEに測定、記録、報告させる機能である。セルは、UEからの測定地点における一つまたは複数のセルからの受信電力の報告を取得することによって、セルのカバレッジの形成に利用する。これによって、例えばハンドオーバ失敗などによる通信の切断が生じる地帯を低減するようなカバレッジを形成することができる。
しかし、このように従来のMDTは、セルのカバレッジの形成を目的にしているので、NRで検討されているビーム毎のカバレッジの適切な形成には適用できないという問題がある。
本実施の形態では、このような問題を解決する方法を開示する。
MDTにビームの識別子を導入する。また、TRPの識別子がある場合、TRPの識別子を導入してもよい。TRPの識別子とビームの識別子とを組合せて導入してもよい。このような方法を、以下の説明では、ビーム毎のMDTと称する場合がある。
MDTへのビーム識別子の導入の具体例を開示する。
UEが測定結果を記録するログに、測定時点のビームの識別子を入れる。従来のMDTにおけるセル毎の測定結果に、測定時点のビームの識別子を入れてもよい。ビーム毎に送信されるRS(reference signal)(以下「BRS」と称する場合がある)とビームの識別子とを関連付けておく。ビームの識別子として、例えばビーム番号などとしてもよい。
UEは、ビーム毎に送信されるBRSを受信してビームの識別子を得る。UEは、セルの識別子と、測定地点に関する情報と、測定地点での受信電力の測定結果とをログに記録する。このログに、測定地点で受信を行っているビームの識別子を加える。
測定地点での受信電力として、BRSの受信電力を測定してもよい。
セルの識別子と、測定地点に関する情報と、測定地点での受信電力または受信品質の測定結果のログへの記録は、従来のMDTで行われる。これに、測定地点で受信を行っているビームの識別子を加えることによって、測定地点で、どのビームから受信しているかが判ることになる。UEは、記録するログに、測定地点で受信を行っているビームの識別子を加えて、セルに報告する。このようにすることによって、セルは、UEが測定地点でどのビームから受信できているかを認識することができ、ビームのカバレッジがどのように形成されているかを判断することが可能となる。
また、従来のMDTにビームの識別子を加えるだけでよいので、変更が容易である。
他の方法を開示する。
UEは、ビーム毎に受信電力を測定し、測定結果をログに記録する。UEは、該ログをセルに通知する。UEは、測定したビームの識別子に対応付けて測定結果をログに記録する。ビームの識別子は、前述と同様に、ビーム個別のBRSを受信することによって導出するとよい。UEは、ビーム毎の識別子と、測定地点に関する情報と、測定地点でのビーム毎の受信電力(または受信品質であってもよい)の測定結果とをログに記録する。
測定するビームは、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、測定するビームは、サービングビームに限らなくてもよい。測定するビームは、同じTRP内の他のビーム、同じセル内の他のビーム、他のTRP内のビーム、他のセル内のビームを含んでもよい。UEが測定するビームは、セルが決定して、セルからUEに通知してもよい。あるいは、UEが測定できるビームとしてもよい。
UEがログに記録するビーム数に最大値を設けてもよい。セル毎の最大値を設けてもよい。あるいは、TRP毎の最大値を設けてもよい。あるいは、周波数毎の最大値を設けてもよい。これによって、測定可能なビーム数が多大になった場合に、ログに記録するビームを限定できるので、UEの記録容量が増大することを抑制することができる。これらの最大数は、予め規格で決められていてもよいし、あるいは、セルからUEに対して通知してもよい。前記最大数は、RRC個別シグナリングを用いて通知するとよい。
ビーム毎の受信電力を測定する信号の具体例として、以下の(1)〜(5)の5つを開示する。
(1)同期信号(Synchronization Signal:SS)。
(2)BRS。
(3)DMRS(Demodulation RS)。
(4)CSI−RS(Channel Status Information - RS)。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
前記(1)のSSは、UEのRRC接続状態によらずに用いることができる。UEは、RRC_Idle状態でも、RRC_Connected状態でもSSを測定できる。RRM(Radio Resource Management)メジャメントとして行われてもよい。NRでは、SSはセル内の全ビーム共通の信号が各ビームで送信されることが検討されている。UEは、ビーム毎のSSの測定結果と、SSを測定したビームの識別子とを関連付けてログに記憶するとよい。
前記(2)のBRSは、UEのRRC接続状態によらずに用いることができる。UEは、RRC_Idle状態でも、RRC_Connected状態でもBRSを測定できる。RRMメジャメントとして行われてもよい。あるいは、RLCメジャメント、あるいは、PHYメジャメントとして行われてもよい。NRでは、ビーム毎にBSRが送信されることが検討されている。UEは、ビーム毎のBSRの測定結果と、BSRを測定したビームの識別子とを関連付けてログに記憶するとよい。
前記(3)のDMRSは、UEがRRC接続状態で用いることができる。RRC_Connected状態でDMRSを測定できる。RLCメジャメントとして行われてもよい。あるいは、PHYメジャメントとして行われてもよい。NRでは、UEの下りデータあるいは下り制御信号とともに、復調用にDMRSが送信されることが検討されている。UEは、DMRSの測定結果と、DMRSを測定したビームの識別子とを関連付けてログに記憶するとよい。
前記(4)のCSI−RSは、UEがRRC接続状態で用いることができる。RRC_Connected状態でCSI−RSを測定できる。RLCメジャメントとして行われてもよい。あるいは、PHYメジャメントとして行われてもよい。NRでは、ビームのチャネル状態評価用にビーム毎あるいはアンテナ毎のCSI−RSが送信されることが検討されている。UEは、CSI−RSの測定結果と、CSI−RSを測定したビームの識別子とを関連付けてログに記憶するとよい。
セルあるいはTRPが複数のビームで構成する全カバレッジとほぼ同等のカバレッジをシングルビームで構成している場合がある。シングルビームについても、UEは、シングルビームでの受信電力を測定し、測定結果をログに記録してもよい。この場合でも、前述の方法を適宜適用できる。ビーム毎の受信電力を測定する信号としては、前述の(1)から(4)に加えて、シングルビームとして送信されるRSの受信電力を測定してもよい。また、前述の(1)から(4)を組合せてもよい。
NRでは、UEにおいてもマルチビームを構成することが検討されているが、UEの測定においては、シングルビームを構成するとしてもよい。UEは、シングルビームで、セルが構成するビーム毎の受信電力を測定し結果をログに記録する。セルが構成するビーム毎の受信電力の測定結果から、UEが構成するビームの影響を排除することが可能となる。
UEがシングルビームを構成できない場合、マルチビームでの測定結果をシングルビームでの測定結果に、予め定める変換方法を用いて変換するとよい。マルチビームでの測定は、UEがビームスイーピングを行って実行してもよい。予め定める変換方法は、静的に規格などで決めておいてもよい。これによって、変換方法の通知に要するシグナリングの増大を回避することができ、変換が容易になる。あるいは、準静的にもしくは動的にUEに通知してもよい。例えば、マルチビームのビーム数およびシングルビームとの対応関係が準静的あるいは動的に変更されるような場合に有効である。
準静的あるいは動的にUEに通知するような場合、複数の変換方法を予め決めておき、各方法を示すインジケーションを設け、セルは、該インジケーションをUEに通知するようにしてもよい。これによって、シグナリングする情報量を低減することができる。
従来のMDTは、RRMメジャメントで行われていた。しかし、NRにおいて、ビームのメジャメントは、RRMメジャメントではなく、RLCメジャメントあるいはPHYメジャメントとすることが検討されている。ビームのメジャメントが、RLCメジャメントあるいはPHYメジャメントで行われるような場合、ビーム毎の受信電力の測定には、RLCメジャメントあるいはPHYメジャメントを用いるようにしてもよい。これによって、ビームのメジャメントにRRM処理を不要とすることができる。
ビーム毎の受信電力の測定およびログへの記録方法を開示する。
受信電力の測定結果に予め定める条件を設定するとよい。予め定める条件に合致した場合に、測定結果をログに記録する。予め定める条件に合致しない場合は、測定結果をログに記録しない。
例えば、受信電力の測定結果に閾値を設定する。例えば、閾値より大きい場合は、測定結果をログに記録し、閾値以下の場合は、測定結果をログに記録しないとするとよい。
セルは、予め設定した条件をUEに通知するとよい。例えば、MDT設定を通知するメッセージに含めて通知してもよい。
他の方法として、周期的に受信電力を測定し、測定結果をログに記録してもよい。セルは、予め設定した周期をUEに通知するとよい。例えば、MDT設定を通知するメッセージに含めて通知してもよい。該周期としては、MDT用の測定周期としてもよい。
該周期をDRXの動作期間(アクティブ期間)に合わせて設定してもよい。アクティブ期間にあわせることによって、DRX中のインアクティブ期間中に受信電力の測定のために受信動作を行わなくて済む。したがって、UEの低消費電力化を図ることが可能となる。
UEからセルへログを通知する方法について開示する。
RRC_Idle状態のときは、セルからUEに対して、MDT結果の報告要求を通知するとよい。該要求を受信したUEは、ログを通知する。これらの通知には、RRCシグナリングを用いるとよい。
MDT結果の報告要求およびMDT結果報告に、LTEで既存のUE情報プロシージャ(UE information procedure)を用いてもよい。MDT結果の報告要求に、UE情報要求(UE Information Request)を用いて、MDT結果報告にUE情報応答(UE Information Response)を用いる。これによって、LTEにおいて本実施の形態で開示した方法が適用された場合に、別途シグナリングを設ける必要がなくなるので、有効である。
RRC_Connected状態のときは、メジャメント報告に含めて通知するとよい。セルは、UEに対して、メジャメント報告を行うように設定する。MDT結果のメジャメント報告を設定してもよい。メジャメント報告の設定を受信したUEは、該設定に従って、メジャメント報告にログを含めてセルに通知する。
あるいは、CSI報告として通知してもよい。セルは、UEに対して、CSI報告を行うように設定する。MDT結果のCSI報告を設定してもよい。CSI報告の設定を受信したUEは、該設定に従って、CSI報告にログを含めてセルに通知する。CSI−RSの測定結果をログしているような場合に有効である。
あるいは、新たなメッセージを設けて通知してもよい。セルは、UEに対して、ログの報告を要求するメッセージでログの報告を設定する。ログの報告要求の設定を受信したUEは、該設定に従って、ログを報告するメッセージにログを含めてセルに通知する。これらの新たなメッセージの通知には、RRCシグナリングを用いるとよい。
このようにすることによって、セルは、UEの測定地点で、どのビームからどの程度受信できているかを認識することができる。ビームのカバレッジが、どのように形成されているかを、より精度良く判断することが可能となる。これによって、例えばハンドオーバ失敗などによる通信の切断が生じる地帯を低減するようなカバレッジを形成することができる。
従来、LTEにおいては、CNはeNBに対してMDTを要求可能であった。MDTを、NRで検討されているビーム毎のカバレッジに対応させるために、CNは、gNBに対して、ビーム毎のMDTあるいはTRP毎のMDTを要求してもよい。CNがgNBに対してビーム毎あるいはTRP毎のMDTを要求するメッセージを通知する。5GでのCNとgNBとの間で設定されるインタフェースを用いて通知するよい。
従来のMDT要求メッセージを用いてもよい。従来のMDT要求メッセージは、「Trace Start」であり、S1シグナリングが用いられるが、gNBに対して通知可能とするために、5GでのCNとgNBとの間で設定されるインタフェースを用いて通知するとよい。
CNは、「Trace Start」メッセージにMDT構成を含めてeNBに通知する。「Trace Start」メッセージでMDTの構成を受信したeNBは、セルに対して、UEにMDTを実行させるように指示する。
「Trace Start」メッセージでMDT構成の中の情報として、MDTエリアの設定情報がある。MDTエリアの設定情報は、「CHOICE Area Scope of MDT」である。この中で、従来は、セルあるいはトラッキングエリアでの設定しかできない。
「CHOICE Area Scope of MDT」に、新たに、ビームの設定を加えるとよい。TRPの設定を加えてもよい。例えば、ビーム毎のMDTを行うか否かを示す情報、あるいは、TRP毎のMDTを行うか否かを示す情報を設定可能とする。さらに、MDTで設定するビームの識別子あるいはTRPの識別子を設定可能としてもよい。
このようにすることによって、CNは、gNBに対して、ビーム毎のMDTあるいはTRP毎のMDTを実行させることができる。
また、ビーム毎の受信電力を測定する信号、ならびに予め定める条件および閾値などの設定を行ってもよい。「Trace Start」メッセージでMDT構成の中の情報として、測定信号などの設定情報がある。測定信号などの設定情報は、「CHOICE MDT Mode」である。これに新たに、前述の信号、予め定める条件および閾値の設定を加えるとよい。例えば、ビーム毎の受信電力を測定する信号として、どの信号にするかを示す情報、受信電力の測定結果をログに記録するための予め定める条件を示す情報、あるいは閾値を示す情報などを設定可能とする。
このようにすることによって、CNは、gNBに対して、ビーム毎のMDTあるいはTRP毎のMDTにおいて、どのような信号を測定し、どのような条件でログを取得させるかを設定することが可能となる。
実施の形態9.
LTEのチャネルコーディングにおいて、チャネルコーディング前のデータブロック、すなわち、トランスポートブロックを、予め規格で定められた一定サイズ以下のコードブロックに分割し、コードブロック毎にコーディングを行っている。NRにおいては、使用周波数の広帯域化によって、トランスポートブロックのサイズが大きくなり、結果として、コードブロック数が増加することが見込まれる。
LTEにおけるチャネルコーディングにおいて、コードブロック毎およびトランスポートブロック全体に対し、CRCビットが設けられる。LTEのAck/Nackフィードバックにおいては、受信側は、受信したトランスポートブロック中、1つでもCRCエラーとなるコードブロックが存在した場合、送信側に対してNackを送信する。送信側は、前記トランスポートブロック全体を受信側に再送する。したがって、CRC=OKとなったコードブロックも同時に再送されることによって、通信の無駄が生じる。
NRにおいては、3GPP R1−1609744(以下「参考文献9」という)において、受信側は正しくデコードできなかったコードブロックの番号をフィードバックし、送信側はフィードバックされたコードブロックのみをHARQ再送することによって、HARQ再送を効率的に行うことが提唱されている。また、前記フィードバックのビット数について、gNBから制御シグナリングを用いて準静的に、あるいはトランスポートブロックサイズに応じて制御シグナリングを用いて動的に各UEに設定することが提唱されている。
また、NRにおいては、3GPP R1−1612072(以下「参考文献10」という)において、受信側から送信側へのフィードバックのビット数を節約するために、コードブロックを予め定める数ごとにバンドリングすなわちグループ分けし、受信側は正しくデコードできなかったコードブロックを含むバンドリングの番号をフィードバックすることが提唱されている。また、前記予め定める数は、gNBが決定することが提唱されている。
ところが、コードブロックのバンドリングの番号のフィードバックにおいて、バンドリングあたりのコードブロック数を決めるための詳細は開示されていない。
また、特定シンボルが受信エラーとなった場合において、フィードバック対象となるコードブロックあるいはコードブロックのバンドリングが複数になるので、フィードバック数が増大するという問題が生じる。特定シンボルが受信エラーとなる例として、URLLCの割り込みが挙げられる。
図29は、URLLCの割り込みによるコードブロックの受信エラーを説明する図である。図29において、1つのトランスポートブロックが、1サブフレームで送信されている。前記トランスポートブロックは、コードブロック(以下「CB」という場合がある)#1〜#19に分割され、1サブフレームの中において先頭のシンボルから順にマッピングされている。
図29に示すように、各シンボルにマッピングされるCBは、シンボルによって異なる。例えば、図29に示すように、4番目のシンボルにURLLCの割り込みが入ったとすると、元のCB#9およびCB#10は全部送信することができず、CB#11は一部しか送信することができない。このとき、CB#9〜CB#11の計3つのCBが受信エラーとなる。一方、5番目のシンボルには、CB#11〜CB#14の計4つのCBがマッピングされているので、5番目のシンボルにURLLCの割り込みが入った場合、前記4つのCBが受信エラーとなる。従来の方法によると、1バンドリングあたりのCB数は一定であるので、URLLCによる割り込みによって生じるCBの受信エラーのフィードバックに、複数のバンドリングの番号をフィードバックする必要がある。したがって、フィードバックに要するビット数が多くなるという問題がある。
本実施の形態では、このような問題を解決する方法を開示する。
トランスポートブロック中のコードブロックのグループ分けを、1つのコードブロックグループ(以下、Code Block Group:CBGと称する場合がある)あたりの最大コードブロック数を決めて行ってもよい。CBG数を、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を用いて決めるとよい。例えば、コードブロック数を、1つのCBGあたりの最大コードブロック数で除算し、小数部を切り上げた値をCBG数としてもよい。
このようにすることによって、CBGの受信側から送信側へのフィードバックにおいて、正しく受信できた(受信結果がOKとなった)コードブロックを再び送信することによる無駄なコードブロック再送の数を一定以下に抑えることができる。
本実施の形態におけるHARQフィードバックは、受信エラーとなったコードブロックをグループ分けして送信側にフィードバックする点で、RLCにおけるARQと異なる。
各CBGへのコードブロック数の割り振りについて、例えば、最大コードブロック数を持つCBGと、余りのコードブロック数を持つCBGとにグループ分けしてもよい。余りのコードブロック数を持つCBGは、先頭のコードブロックを含むものであってもよいし、末尾のコードブロックを含むものであってもよい。余りのコードブロック数を持つCBGを、先頭のコードブロックを含むものとすることによって、トランスポートブロックの先頭に配置されるMACヘッダを含むCBGに割り当てるコードブロック数が少なくなり、前記CBGを少ない再送回数で受信可能とすることができる。これによって、受信側は、MACヘッダを早期に取得することができる。
具体例として、コードブロック数を50、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を8とすると、CBG数は7となる。各CBGへのコードブロック数の割り当ては、6つのCBGに8コードブロック、残り1つのCBGに2コードブロックとなる。
前記割り振りの他の例として、各CBGにおけるコードブロック数が均等となるように行ってもよい。最大コードブロック数を持つCBGを、先頭に配置してもよいし、末尾に配置してもよい。前述の具体例において、コードブロック数が均等となるように割り振りを行うと、1つのCBGに8コードブロック、残り6つのCBGに7コードブロックとなる。このようにすることによって、無駄なコードブロック再送の数のCBG間の偏りを抑えることができる。
コードブロックのグループ分けの他の方法として、CBG数を決めて行ってもよい。1つのCBGあたりの最大コードブロック数を、前記CBG数を用いて決めるとよい。例えば、コードブロック数を、CBG数で除算し、小数部を切り上げた値を1つのCBGあたりの最大コードブロック数としてもよい。このようにすることによって、1つのCBGのフィードバックに要するビット数を一定とすることが可能となる。
前述の、CBG数を決めたコードブロックのグループ分けにおいて、前述の、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を決めたコードブロックのグループ分けと同様に、コードブロックの割り振りを行ってもよい。例えば、最大コードブロック数を持つCBGと、余りのコードブロック数を持つCBGとにグループ分けしてもよい。余りのコードブロック数を持つCBGは、先頭のコードブロックを含むものであってもよいし、末尾のコードブロックを含むものであってもよい。余りのコードブロック数を持つCBGを、先頭のコードブロックを含むものとすることによって、受信側は、MACヘッダを早期に取得することができる。
具体例として、コードブロック数を50、CBG数を8とすると、1つのCBGあたりの最大コードブロック数は7となる。各CBGへのコードブロック数の割り当ては、7つのCBGに7コードブロック、残り1つのCBGに1コードブロックとなる。
前記割り振りの他の例として、各CBGにおけるコードブロック数が均等となるように行ってもよい。前述の具体例において、コードブロック数が均等となるように割り振りを行うと、2つのCBGに7コードブロック、残り6つのCBGに6コードブロックとなる。このようにすることによって、無駄なコードブロック再送の数のCBG間の偏りを抑えることができる。
コードグループのグループ分けにおいて、CBG数あるいは1つのCBGあたりの最大コードブロック数のデフォルト値を設けてもよい。また、CBGの配置についても、デフォルトとなる設定を設けてもよい。例えば、CBG数のデフォルト値として、1としてもよい。あるいは、1つのCBGあたりの最大コードブロック数の例として、トランスポートブロック内のコードブロック数と同一としてもよい。あるいは、CBGの配置のデフォルト設定の例として、最大コードブロック数を持つCBGを先頭に配置してもよいし、コードブロック数が一番少ないCBGを先頭に配置してもよい。
CBGのグループ分けの方法について、規格で決定してもよい。例えば、固定値としてもよい。固定値の例として、例えば、CBG数を16と固定してもよい。規格で決める他の例として、UEが送信あるいは受信可能な最大コードブロック数を用いて決めてもよい。UEが送信あるいは受信可能な最大トランスポートブロックサイズを用いてもよいし、UEカテゴリーを用いてもよい。
規格で決める他の例として、伝搬環境を用いてもよい。伝搬環境として、CQI/CSIを用いてもよい。例えば、CQI/CSIが良いときに、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を少なくしてもよい。このようにすることによって、受信エラーとなったCBGのフィードバックについて、前記CBGのうち正しく受信できたコードブロックの再送によるオーバーヘッドを少なくすることができる。
規格で決める他の例として、受信誤り率を用いてもよい。例えば、受信誤り率が高いときに、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を多くすることによって、受信エラーとなったCBGの送信側へのフィードバックを少ないビット数で行うことができる。
CBGのグループ分けの方法について、gNBが決定してもよい。gNBがCBGのグループ分けを行うために必要な情報としては、規格で決定する場合と同様としてもよい。
あるいは、gNBがUEに対してHARQフィードバックに用いることができるビット数を用いて決めてもよい。
HARQフィードバックのビット数を用いる例として、例えば、前記ビット数をCBG数と同一とし、各CBGについてAck/Nackの情報をフィードバックしてもよい。例えば、前記ビット数を4とし、受信エラーが存在するCBGに1を、受信エラーが存在しないCBGに0を対応付けるとき、CBG#3に属するコードブロックに受信エラーが存在する場合、gNBからUEにフィードバックするビット列を「0010」としてもよい。他の例として、前記ビット列が示す値に、受信エラーが存在するCBGの組合せを対応付けしてもよい。例えば、受信エラーなしに値0を、CBG#1のみ、CBG#2のみ、CBG#3のみ、CBG#4のみが受信エラーとなる場合にそれぞれ値1、2、3、4を、CBG#1および#2が受信エラーとなる場合に値5を、CBG#1および#3が受信エラーとなる場合に値6を、また、CBG#1、#2、#3が受信エラーとなる場合に値11、CBG#1、#2、#4が受信エラーとなる場合に値12、CBGが4つとも受信エラーとなる場合に値15を対応付けてもよい。
UEは、HARQフィードバックのビット数および前記ビット列の値を用いて、受信不可能となったCBGに属するコードブロックを求めるとよい。これによって、上り通信において、CBGのグループ分けに必要な情報をgNBからUEに通知する必要がなくなるので、シグナリング量の削減が可能となる。さらに、受信エラーとなるコードブロックが含まれるCBGの数が増えても、UEにフィードバックするビット数を増やさずに一定とすることができる。
CBGのグループ分けの方法について、UEがgNBに対してHARQフィードバックに用いることができるビット数を用いて決定してもよい。例えば、前述と同様に、UEがHARQフィードバックに用いることができるビット数を用いて決めてもよい。これによって、下り通信において、前述と同様の効果を得ることができる。
CBGのグループ分けの方法を、gNBからUEに通知するための手段の具体例として、以下の(1)〜(5)の5つを開示する。
(1)傘下のUEに対する報知。
(2)UE毎の制御シグナリング。例えば、RRC個別シグナリング。
(3)MAC制御情報。
(4)L1/L2シグナリング。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
前記(1)を用いることによって、複数のUEに同時にCBGのグループ分けの方法を通知することができるので、シグナリング量の削減が可能となる。
前記(2)を用いることによって、各UEに対して準静的に通知を行うので、UE個別の状況に適した設定を少ないシグナリングで行うことができる。
前記(3)を用いることによって、例えば、伝搬環境の短期的変動に応じて、HARQ再送制御によって高い信頼性でUEに通知することができる。
前記(4)を用いることによって、gNBからUEに送信するユーザデータがないときにおいても、動的に通知を行うことが可能となる。
CBGのグループ分けの方法としてgNBからUEに通知する内容として、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を用いてもよい。あるいは、CBG数を用いてもよい。前述の、1つのCBGあたりの最大コードブロック数あるいはCBG数と併せて、CBGへのコードブロックの割り振り方法を表す識別子を通知するとよい。前記識別子は、例えば、最大コードブロック数を持つCBGと、余りのコードブロック数を持つCBGとにグループ分けするのか、各CBGあたりのコードブロック数を均等に割り当てるのか、また、前記2つのそれぞれについて、最大コードブロック数を持つCBGを先頭に配置するか、あるいは末尾に配置するか、を表すものであってもよい。
HARQフィードバックに用いるビット数について、Ackを1ビット、Nackを複数ビットとしてもよい。前記複数ビットを用いて、前記受信エラーとなったCBGの情報を示してもよい。これによって、Ack送信時に余ったビットを用いて他の情報を載せることが可能となる。
下り通信に対するUEからgNBへのHARQフィードバックの送信について、例えば、PUCCHを用いてもよい。PUCCHについて、例えば、周波数方向の物理リソースを用いてHARQフィードバックを送信してもよい。あるいは、前記フィードバックの送信にMAC制御情報を用いてもよい。MAC制御情報を用いることによって、多値変調が可能となるので、少ない物理リソースで送信が可能となる。
MAC制御情報を用いるにあたり、gNBからUEに対して、前記フィードバックを送るためのグラントを通知してもよい。あるいは、前記フィードバックの送信について、新たに設けたチャネルを用いて送信してもよい。前記MAC制御情報の送信について、上りユーザデータの送信と同じように、HARQフィードバックを行うとよい。
上り通信に対するUEからgNBへのHARQフィードバックの送信について、例えば、L1/L2シグナリングを用いてもよい。あるいは、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)の構成を用いてもよいし、同じサブフレームのどこかに、NGとなったCBGの情報を載せてもよいし、MAC制御情報を用いてもよい。MAC制御情報を用いることによって、多値変調が可能となるので、より多いビットの情報をフィードバックできる。前記MAC制御情報の送信について、下りユーザデータの送信と同じように、HARQフィードバックを行うとよい。あるいは、gNBからUEへのHARQフィードバックの送信について、PHICHを用いてもよい。
実施の形態1と同様、gNBは、上り通信に対するフィードバック情報をUEへの上りグラントの中に含めてもよい。あるいは、gNBは、AckのフィードバックをUEに通知しなくてもよい。UEは、予め定める時間において上りデータに関するHARQフィードバックを受信しないことを用いて、該上りデータがgNBに正しく受信されたとみなしてもよい。あるいは、フィードバック情報を上りグラントの中に含める方法と、AckのフィードバックをUEに通知しない方法とを組合せて用いてもよい。これによって、UEは、上りユーザデータを送信し終えたときにおいても、gNBからのグラントを受信する必要がなく、最後の上りユーザデータがgNBにおいて正常に受信されたことを知ることができる。また、gNBは、最後の上りユーザデータに対するHARQフィードバック情報をUEに通知しなくてもよいので、通信リソースの節約になる。
前述の、下り通信、上り通信それぞれに対するHARQフィードバックについて、複数の方法を組合せて用いてもよい。例えば、下り通信に対するHARQフィードバックについて、UEはgNBに対して、PUCCHを用いて受信エラーの有無を通知し、MAC制御情報を用いて、受信エラーを含むコードブロックの属するCBG番号を通知してもよい。このようにすることによって、HARQフィードバックにおける信頼性を高めることができる。
本実施の形態におけるHARQフィードバックの内容として、受信エラーとなったコードブロックを含むCBGの情報を送信するとよい。前記情報としては、例えば、CBG番号を含んでもよいし、CBG数を含んでもよい。あるいは、例えば、CBGの受信可能/エラーを示すビットマップとして送信してもよい。前記ビットマップとしては、例えば、CBG数を4とし、受信エラーが存在するCBGに1を、受信エラーが存在しないCBGに0を対応付けるとき、CBG#3に属するコードブロックに受信エラーが存在する場合、gNBからUEにフィードバックするビット列を「0010」としてもよい。
本実施の形態におけるCBGのグループ分けについて、複数のCBGに属するコードブロックが存在してもよい。例えば、各シンボルにマッピングされるコードブロックを1つのCBGにグループ分けしてもよい。これによって、例えば、優先度が高い通信、例えば、URLLCのサービスが求められる通信によって、あるシンボルが割り込まれた場合、受信側は送信側に該シンボルに対応するCBGの情報をフィードバックすることによって、送信側は該シンボルにマッピングされたコードブロックを再送することが可能となる。
前述において、複数のシンボルにマッピングされるコードブロックを1つのCBGにグループ分けしてもよい。これによって、HARQフィードバックに要するビット数を小さく抑えることができる。
前述におけるグループ分けについて、各コードブロックと各CBGとの対応関係を、予め規格で定めてもよい。あるいは、gNBからUEに前記対応関係を通知してもよい。前記対応関係の情報としては、例えば、各CBGに属するコードブロックの先頭および末尾の番号を用いてもよい。前記通知は、RRC個別シグナリングを用いて準静的に行ってもよい。
前述において、受信側は、送信側に、複数のCBGに属するコードブロックの受信エラーを、前記複数のCBGのうち他に受信エラーとなったコードブロックを含むCBGとして通知するとよい。あるいは、受信側は、送信側に、前記複数のCBGのうち先の番号のCBGとして通知してもよいし、後ろの番号のCBGとして通知してもよい。前述において、他に受信エラーとなったコードブロックを含むCBGとして通知することによって、フィードバックするCBGの数を減らすことができる。
あるいは、受信側は、受信エラーとなったコードブロックを含むシンボル番号を送信側に通知してもよい。このようにすることによって、各コードブロックと各CBGの対応関係を予めgNBからUEに通知する必要がなくなり、シグナリング量を削減することができる。複数のシンボルを1つのグループにまとめて、前記グループを表す識別子を受信側から送信側にフィードバックしてもよい。
図30は、複数のCBGに属するコードブロックが存在する場合のコードブロックとCBGとの対応関係を示す図である。図30は、下り通信において、1つのシンボルにマッピングされるコードブロックを1つのCBGにグループ分けした場合を示している。
図30において、シンボル#2、すなわちCBG#2に属するコードブロック#h(CB#h)、コードブロック#(h+1)(CB#(h+1))およびコードブロック#(k−1)(CB#(k−1))が受信エラーとなっているので、UEは、gNBに、CBG#2が受信エラーである旨のHARQフィードバックを行う。gNBは、前記HARQフィードバックを用いて、コードブロック#h(CB#h)からコードブロック#k(CB#k)をUEに再送する。
本実施の形態において、CBGのグループ分けをする代わりに、受信エラーとなったコードブロックを含む、連続したコードブロック(以下「コードブロック塊」と称する場合がある)の情報を通知してもよい。前記コードブロック塊には、受信結果がOKであったコードブロックが含まれていてもよい。
前述において、受信側は、各コードブロックの受信結果から、前記コードブロック塊を求める。受信側は、前記コードブロック塊の情報をHARQフィードバック情報に含めて送信側に通知する。送信側は、前記コードブロック塊に属するコードブロックを受信側に再送する。
前記コードブロック塊の情報として、先頭のコードブロックを示す情報を用いてもよいし、末尾となるコードブロックを示す情報を用いてもよい。あるいは、コードブロック数を示す情報を用いてもよい。あるいは、これらの2つ以上を組合せて用いてもよい。
前述において、先頭となるコードブロックを示す情報は、例えば、先頭となるコードブロック番号でもよいし、前記コードブロック番号を、予め決めた定数で除した値を用いてもよい。前記値は、小数以下を切り捨てたものであってもよい。前記定数は、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEにRRC個別シグナリングで通知してもよい。あるいは、前記定数を受信側が決定し、送信側に通知してもよい。受信側は、前記通知を動的に行ってもよい。例えば、MAC制御情報を用いてもよいし、L1/L2シグナリングを用いてもよい。このようにすることによって、受信側は、受信エラーの発生状況に応じて、少ないビット数で送信側にHARQフィードバックを送ることが可能となる。前記定数をgNBからUEに動的に通知してもよい。
先頭となるコードブロック番号を定数で除した値を用いることによって、HARQフィードバックのビット数を小さくすることができる。前述における、末尾となるコードブロックを示す情報についても、前記先頭となるコードブロックを示す情報と同様に扱ってもよい。
前述において、コードブロック数を示す情報についても、前記先頭となるコードブロックを示す情報と同様に扱ってもよい。あるいは、コードブロック数を、予め定める整数のべき乗の値に丸め込み、前記べき乗の指数の値を用いてもよい。前記べき乗の値は、前記コードブロック数以上であることが望ましい。前記整数について、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEにRRC個別シグナリングで通知してもよい。あるいは、前記整数を受信側が決定し、送信側に通知してもよい。受信側は、前記通知を動的に行ってもよい。例えば、MAC制御情報で通知してもよいし、L1/L2シグナリングで通知してもよい。このようにすることによって、受信側は、受信エラーの発生状況に応じて、少ないビット数で送信側にHARQフィードバックを送ることが可能となる。前記整数をgNBからUEに動的に通知してもよい。
図31は、受信誤りを含む連続したコードブロックとコードブロック塊との関係を示す図である。図31において、コードブロック#2(CB#2)、コードブロック#4(CB#4)〜コードブロック#6(CB#6)が受信エラーとなっている。
図31において、受信側は、受信結果がOKであったコードブロック#3(CB#3)も受信エラーとみなすことによって、コードブロック#2(CB#2)〜コードブロック#6(CB#6)を受信エラーとして送信側に通知する。前記通知において、受信側はコードブロック#2(CB#2)およびコードブロック#6(CB#6)の識別子を送信側に通知してもよいし、あるいは、コードブロック#2(CB#2)の識別子および受信エラーの個数を示す情報を通知してもよい。図31においては、受信側から送信側に通知される受信エラーの個数は5である。
送信側は、前記通知から、受信エラーとなったコードブロックの情報を取得する。送信側は、コードブロック#2(CB#2)〜コードブロック#6(CB#6)を受信側に再送する。
受信側が送信側にコードブロック塊の情報を通知することによって、受信エラーとなったコードブロックが連続、あるいは少し離れて発生している場合について、特に、受信エラーとなったコードブロックがCBGの境界を跨いでいても、受信側から送信側に通知するHARQフィードバックの情報を小さく抑えることができる。
本実施の形態におけるコードブロック塊の情報の通知において、コードブロックの代わりにCBGを用いてもよい。例えば、受信側から送信側へのHARQフィードバックにおいて、受信エラーを含む先頭のCBG番号とCBG数とを用いてもよい。このようにすることによって、受信側から送信側に通知するHARQフィードバックの情報をさらに小さく抑えることができる。
本実施の形態において、受信側から送信側へのフィードバックに、予め定めるパターンを用いてもよい。予め定めるパターンは、例えば、トランスポートブロック中の全コードブロックのうち、先頭の4分の1および末尾の4分の1のコードブロックが受信エラーとなるものでもよい。また、予め定めるパターンは、先頭の4分の1から末尾の4分の1までのコードブロックが受信エラーとなるものでもよいし、あるいは、例えば、先頭の8分の1および末尾の8分の1が受信エラーとなるものでもよい。
また、予め定めるパターンは、対称形でなくてもよい。例えば、トランスポートブロック中の全コードブロックのうち、先頭の5個が受信エラーとなるものでもよいし、あるいは、先頭の3個ならびに先頭から5個目および7個目が受信エラーとなるものでもよい。
あるいは、予め定めるパターンは、物理チャネルの各シンボルについて、マッピングされたコードブロックが受信エラーとなる場合のシンボル番号に対応するものであってもよい。
予め定めるパターンの一覧について、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに対して通知してもよい。また、前記予め定めるパターンの一覧は、Ack、すなわち、受信エラーとなるコードブロックが存在しないパターンを含んでもよい。
予め定めるパターンの一覧には、受信エラーとなるコードブロックが存在しないパターンが含まれていてもよい。gNBおよびUEは、前記パターンを、全てのコードブロックを正しく受信したことの通知に用いてもよい。
受信側は、各コードブロックの受信結果を用いて、送信側にフィードバックするパターンを決定する。前記パターンは、予め定めるパターンの一覧のうち、受信エラーとなったコードブロックを全て含むものであることが望ましい。受信側は、前記パターンを示す識別子を送信側に通知する。送信側は、前記識別子にて示されたパターンにおいて受信エラーに該当するコードブロックを、受信側に再送する。
図32は、受信エラーを含むコードブロックのパターンを説明するための図である。図32では、受信データが受信エラー3302,3304,3305を含む場合を示す。図32において、受信エラー3302,3304,3305を除く部分、例えば参照符号3301,3303,3306で示す部分は、受信エラーとならずに受信できた部分である。
図32において、受信側は、受信データに示すように受信エラー3302,3304,3305を検出した場合、送信側にパターン#4を示す識別子をフィードバックする。送信側は、パターン#4に従い、コードブロック#1(CB#1)〜コードブロック#5(CB#5)を受信側に再送する。
受信側が送信側にコードブロック塊の情報を通知することによって、受信エラーとなったコードブロックがトランスポートブロック内に分散していても、受信側から送信側に通知するHARQフィードバックの情報を小さく抑えることができる。
本実施の形態において、gNBは、HARQフィードバックのレベルを切り替えてもよい。HARQレベルとしては、例えば、コードブロック毎のフィードバックを含んでもよいし、CBG毎のフィードバックを含んでもよいし、トランスポートブロック全体のフィードバックを含んでもよい。前述において、CBG毎のフィードバックについても、複数のレベルを設けてもよい。例えば、CBGあたりのコードブロック数が少ないCBGによるフィードバックのレベルと、CBGあたりのコードブロック数が多いCBGによるフィードバックのレベルとを設けてもよい。各レベルにおけるコードブロック数について、あるレベルにおいて用いるCBGに含まれるコードブロック数は、他のレベルにおいて用いるCBGに含まれるコードブロック数の整数倍であってもよいし、整数倍でなくてもよい。また、あるレベルにおいて、複数のCBGが同じコードブロックを含んでもよいし、含まなくてもよい。
gNBは、前記フィードバックのレベルをUEに通知する。前記通知内容としては、フィードバックのレベルの内容、例えば、CBGあたりのコードブロック数でもよいし、前記レベルの識別子でもよい。前記識別子を用いるにあたり、フィードバックのレベルの一覧を、規格で定めてもよいし、予めgNBからUEに通知してもよい。前記通知としては例えばRRCシグナリングを用いてもよい。
gNBがHARQフィードバックのレベルの通知を行う方法として、以下の(1)〜(5)の5つを開示する。
(1)傘下のUEへの報知。
(2)UE毎の制御シグナリング。例えば、UE毎のRRC個別シグナリング。
(3)MAC制御情報。
(4)L1/L2シグナリング。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
前記(1)を用いることによって、複数のUEに対して一斉に通知を行うことができるので、シグナリングの削減が可能となる。
前記(2)を用いることによって、個別のUEに準静的な設定が可能となる。例えば、該gNBの配下に、URLLCのサービスを用いるUEが接続されたときに、eMBBのサービスを使用しているUEに対して、HARQフィードバックレベルをトランスポートブロック全体のフィードバックのレベルから、シンボル毎のフィードバックのレベルに切り替えることが可能となる。これによって、前記URLLCのサービスを用いるUEが、前記eMBBのサービスを使用しているUEが使用するシンボルに割り込んだ場合において、UEはgNBに対し前記シンボル番号のフィードバックが可能となり、eMBBのサービスを使用するUEにとっての伝送効率が向上する。
前記(3)を用いることによって、伝搬環境などの動的な変化に対応したレベルの切り替えを、高い信頼性で行うことができる。また、MAC制御情報を用いることによって、多値変調が可能であるので、前記通知に用いるビット数を少なく抑えることができる。
前記(4)を用いることによって、ユーザデータが存在しない場合においても、伝搬環境などの動的な変化に対応した迅速なレベルの切り替えが可能となる。
本実施の形態におけるCBGのグループ分けについて、HARQフィードバックの複数のレベルに対して一連のCBG番号を割り当ててもよい。例えば、トランスポートブロック内のコードブロック全体に、予め定めた最大コードブロック数で構成されるCBG番号を割り当てた後、前記予め定めた最大コードブロック数より大きい最大コードブロック数で構成されるCBG番号を割り当ててもよい。
受信側は、受信エラーとなったコードブロックの分布に応じて、どのレベルに対して割り当てたCBG番号を用いるかを決めてもよい。受信側は、送信側に、前述において受信側が決めたCBG番号をフィードバックしてもよい。
例えば、コードブロック数が20であるトランスポートブロックについて、gNBおよびUEは、最大コードブロック数が3であるCBGを用いて、CBG#1をコードブロック#1〜#3、CBG#2をコードブロック#4〜#6、以下同様にして、CBG#6をコードブロック#15〜#18、CBG#7をコードブロック#19、#20に割り当て、最大コードブロック数が5であるCBGを用いて、CBG#7をコードブロック#1〜#5、CBG#8をコードブロック#6〜#10、以下同様にして、CBG#10をコードブロック#16〜#20に割り当ててもよい。
前述の例において、受信側においてコードブロック#3,#4が受信エラーとなった場合において、受信側は、送信側に、CBG#7が受信エラーとなったことをフィードバックすればよい。
このようにすることによって、gNBからUEへのHARQフィードバックのレベルの通知が不要となるので、gNBからUEへのシグナリング量を削減することが可能となる。
本実施の形態におけるHARQフィードバックについて、受信側は、送信側に、受信結果がOKであったコードブロックの情報をフィードバックしてもよい。受信結果がOKであったコードブロックのみで構成されるCBGの情報をフィードバックしてもよい。受信側は、前記フィードバックに、受信結果OKおよび受信エラーのどちらのフィードバックであるかを示す識別子を含めてもよい。
受信側は、自身が受信結果OKおよび受信エラーのどちらのフィードバックを行うかを、受信エラーとなったコードブロック数、あるいはCBG数の情報を用いて決めてもよいし、受信結果OKまたは受信エラーのフィードバックに要するビット数を用いて決めてもよい。
このようにすることによって、受信側は、トランスポートの受信結果に応じて、少ないビット数で送信側にフィードバックを行うことが可能となる。
gNBがHARQフィードバックのレベルの判断に用いる情報として、以下の(1)〜(5)の5つを開示する。
(1)伝搬環境。例えば、CQI/CSI。
(2)下り通信の負荷。例えば、gNBのバッファ蓄積量。
(3)上り通信の負荷。例えば、UEのバッファ蓄積量。
(4)UEについての情報。例えば、UEカテゴリーやUEの使用サービス。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
前記(1)において、例えば、CQI/CSIが良いときに、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を多くするようにレベルを切り替えてもよい。このようにすることによって、Ackを通知するためのフィードバックのビット数を少なくすることができる。
前記(2)において、例えば、gNBのバッファ蓄積量が多いときに、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を少なくすることによって、下り通信において、受信エラーとなったCBGのフィードバックについて、受信結果がOKであったコードブロックの再送のオーバーヘッドを少なくすることができる。これによって、下り通信における伝送効率を高めることができる。
前記(3)において、UEからgNBに通知するバッファ状態報告(Buffer Status Report:BSR)を用いてもよいし、他の値を用いてもよい。
前記(3)において、例えば、UEのバッファ蓄積量が多いときに、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を少なくすることによって、上り通信において、受信エラーとなったCBGのフィードバックについて、受信結果がOKであったコードブロックの再送のオーバーヘッドを少なくすることができる。これによって、上り通信における伝送効率を高めることができる。
前記(4)において、例えば、eMBBを用いるUEに対して、1つのCBGあたりの最大コードブロック数を少なくすることによって、受信エラーとなったCBGのフィードバックについて、受信結果がOKであったコードブロックの再送のオーバーヘッドを少なくすることができる。これによって、eMBBを用いるUEの伝送効率を高めることができる。
本実施の形態において、受信側は、予め定めた閾値を用いて、すべてのコードブロックを受信エラーとみなしてもよい。受信側は、すべてのコードブロックが受信エラーである旨の通知を送信側に行ってもよい。送信側は、すべてのコードブロックを再送してもよい。前述において、送信側は、既に受信可能となっているコードブロックは再送から除外してもよい。前述において、既に受信可能となっているコードブロックは、受信側からのフィードバックによって得られたものであってもよい。
前述において、予め定めた閾値は、規格で決定してもよいし、gNBからUEに通知してもよい。
前記閾値は、受信エラーとなるコードブロック数を用いて決められてもよいし、受信エラーとなるコードブロックを含むCBG数を用いて決められてもよいし、受信側からのHARQフィードバックに使用可能なビット数を用いて決められてもよい。例えば、前記ビット数が2のとき、受信エラーとなるコードブロックがトランスポートブロックの中央を跨いで存在していた場合に、受信側は、すべてのコードブロックを受信エラーとして送信側に通知してもよい。このようにすることによって、受信エラーを送信側にフィードバックするビット数を少なくすることができる。
本実施の形態において、CBG、コードブロック塊、あるいはコードブロックのパターンの最大再送回数は、HARQ最大再送回数と同じとしてもよい。すなわち、本実施の形態における前記再送は、HARQ再送とみなしてもよい。これによって、gNBおよびUEの実装を簡易にすることができる。
本実施の形態において、受信側は、受信結果がOKであったコードブロックを破棄して受信し直してもよい。前述において、送信側は、受信側における受信結果がOKであったコードブロックの送信をやり直してもよい。前記送信のやり直しは、HARQ最大再送回数を超過したときに行ってもよい。
本実施の形態において、受信側は、上位レイヤ、例えばRLCレイヤのデータユニット、例えばRLC PDUが完成した時点で、受信データを前記上位レイヤに送信してもよい。前記受信データは、トランスポートブロックのうち、一部のコードブロックが正しく受信できたデータでもよい。これによって、前記データの送受信にかかる遅延を抑制することができる。
前述において、受信側は、MACヘッダのサイズおよび上位レイヤのデータユニットのサイズを予め送信側から取得していてもよい。あるいは、規格によって決められてもよい。
本実施の形態において、送信側は、CBG毎にパリティチェックビットを付加してもよい。前記パリティチェックビットは、例えば、CRCでもよい。前記CBG毎のパリティチェックビットとトランスポートブロック全体のパリティチェックビットとが共存していてもよい。
前述において、gNBは、CBG毎のパリティチェックの使用の有無をUEに通知してもよい。前記通知は、RRC個別シグナリングを用いて準静的に通知してもよいし、L1/L2シグナリングを用いて動的に通知してもよい。あるいは、規格で決定してもよい。
図33は、CBG毎のパリティチェック3401〜3404の付与を説明するための図である。図33において、送信側は、CBG#1に含まれるコードブロック#1〜コードブロック#kに基づいてパリティビットを計算し、コードブロック#1(CB#1)にパリティチェック3401を付与する。CBG#2以降についても、同様にして、コードブロック#k+1(CB#(k+1))、…コードブロック#2k+1(CB#(2k+1))、…コードブロック#(N−1)k+1(CB#((N−1)k+1))に、それぞれパリティチェック3402、3403、3404が付与される。
前述の方法を用いることによって、トランスポートブロック全体におけるパリティチェックの信頼性を高めることができる。
本実施の形態によって、受信側は、受信エラーとなったコードブロックの情報のフィードバックを少ないビット数で行うことができるので、通信を効率的に行うことができる。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
例えば、前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレームは、第5世代基地局通信システムにおける通信の時間単位の一例である。スケジューリング単位であってもよい。前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレーム単位として記載している処理を、TTI単位、スロット単位、サブスロット単位、ミニスロット単位として行ってもよい。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。