既存のLTEシステム(LTE Rel.8〜13)では、ユーザ端末(UE:User Equipment)と無線基地局(eNB:eNodeB)間の通信品質の劣化を抑制するために、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)がサポートされている。
例えば、既存のLTEシステムのDLでは、ユーザ端末は、PDSCHの受信結果に基づいて、PUSCH又はPUCCHを用いて、PDSCHのA/Nを送信する。無線基地局は、ユーザ端末からのA/Nに基づいて、PDSCHの送信(初回送信及び/又は再送信を含む)を制御する。
また、既存のLTEシステムのULでは、ユーザ端末は、無線基地局からのULグラントによりスケジューリングされるPUSCHを送信する。無線基地局は、PUSCHの受信結果に基づいて、再送制御チャネル(例えば、PHICH:Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)を用いて、PUSCHのA/Nを送信する。ユーザ端末は、無線基地局からのA/Nに基づいて、PUSCHの送信(初回送信及び/又は再送信を含む)を制御する。
既存のLTEシステムのDL及び/又はUL(以下、DL/UL)では、予め定義された送信タイミングの基準値に基づいて、データを送受信したサブフレームから所定時間後にA/Nの送信タイミング(DL/UL HARQタイミング等ともいう)が制御される。
また、既存のLTEシステムのDLでは、PDSCHを受信したサブフレームから所定時間後に、当該PDSCHのA/Nの送信タイミングが制御される。例えば、FDDでは、PDSCHの受信サブフレームの4ms後のサブフレームで、当該PDSCHのA/Nが送信される。
図1は、FDDのA/Nの送信タイミングの一例を示す図である。図1に示すように、FDDでは、ユーザ端末は、サブフレーム#nでPDSCHを受信する場合、4ms後のサブフレーム#n+4で当該PDSCHのA/Nを無線基地局に送信する。無線基地局は、一般に、サブフレーム#n+4で受信するA/Nから4ms後のサブフレーム#n+8以降で当該HARQプロセスの再送又は初回送信を行う(サブフレーム#n+8以前であってもよい)。
また、HARQでは、プロセス(HARQプロセス)を処理単位としてデータ(トランスポートブロック(TB)又はコードブロック(CB))の再送制御が行われる。同一の番号(HARQプロセス番号(HPN))のHARQプロセスでは、ACKが受信されるまで、同一のデータが再送される。また、一つのサブフレームでは、一つのHARQプロセスが用いられる。複数のHARQプロセスを独立に並列処理することで、前のHARQプロセスのA/Nを待たずに、次のHARQプロセスのデータを送信できるので、遅延時間が軽減される。
例えば、図1では、サブフレーム#nのPDSCHの送信に用いられるHARQプロセス番号(HPN)は、8ms後のサブフレーム#n+8で再利用可能となる。このように、同一のHPNを再利用できるまでの時間(すなわち、データの送信から当該データの受信結果に基づいて再送信又は初回送信が可能となるまでの時間)は、ラウンドトリップ時間(RTT:Round Trip Time)(HARQ RTT)とも呼ばれる。
図1に示すように、既存のLTEシステムのFDDでは、HARQ RTTは、8サブフレーム(8ms)である。また、HARQ RTT内には、8個のサブフレームが含まれるため、HARQプロセスの最大数(HARQプロセスの数ともいう)は、8個である。
一方、既存のLTEシステムのTDDでは、ユーザ端末におけるPDSCHの処理時間をFDDと同等であると想定して、PDSCHの受信サブフレームの4ms以降のULサブフレームで、当該PDSCHのA/Nが送信される。TDDでは、A/Nの送信タイミングは、TDDのUL/DL構成に基づいて定められる。
図2は、UL/DL構成の一例を示す図である。図2に示すように、既存のLTEシステムのTDDでは、ULサブフレームとDLサブフレームとの間の比率が異なるUL/DL構成0〜6の7つのフレーム構成が規定されている。サブフレーム#0と#5は下りリンクに割当てられ、サブフレーム#2は上りリンクに割当てられる。また、UL/DL構成0、1、2、6では、DLサブフレームからULサブフレームへの変更点の周期が5ms、UL/DL構成3、4、5では、DLサブフレームからULサブフレームへの変更点の周期が10msとなっている。
図2のUL/DL構成2、3、4、5では、ULサブフレームに対するDLサブフレームの割合が相対的に大きく設定されている(DL重視である)。なお、特別サブフレームとは、DLとULとの切り替え用のサブフレームであり、主にDL通信に利用できる。以下では、DLサブフレーム及び/又は特別サブフレームをDL/特別サブフレームと呼ぶ。
図3は、TDDのA/Nの送信タイミングの一例を示す図である。図3Aでは、各UL/DL構成における、PDSCHを受信するDL/特別サブフレームと、当該PDSCHに対するA/Nを送信するULサブフレームとの関係が示される。
具体的には、図3Aでは、各UL/DL構成のULサブフレーム#n(0≦n≦9)においてどのDL/特別サブフレームで受信したPDSCHのA/Nを送信するかが示される。図3Aでは、各UL/DL構成のULサブフレーム#n(0≦n≦9)において、kサブフレーム前のDL/特別サブフレーム#n−kで受信したPDSCHのA/Nを送信する場合のkの値が示される。
例えば、図3AのUL/DL構成1で規定されるkの値によると、図3Bに示すように、ULサブフレーム#7では、7及び6サブフレーム前のDLサブフレーム#0及び特別サブフレーム#1で受信されたPDSCHに対するA/Nが送信される。また、ULサブフレーム#8では、4サブフレーム前のDLサブフレーム#4で受信されたPDSCHにするA/Nが送信される。ULサブフレーム#2では、7及び6サブフレーム前のDLサブフレーム#5及び特別サブフレーム#6に受信されたPDSCHに対するA/Nが送信される。ULサブフレーム#3では、4サブフレーム前のDLサブフレーム9で受信されたPDSCHにするA/Nが送信される。
このように、TDDでは、PDSCHを受信するDL/特別サブフレーム#nの4ms後がULサブフレームとは限らない。このため、上記テーブルでは、kの値が、PDSCHの受信サブフレームから4サブフレーム以降のULサブフレームで、当該PDSCHが送信されるように設定される。また、一以上のDL/特別サブフレームで受信されたPDSCHのA/Nがバンドリングされた単一のULサブフレームで送信され得る。
また、TDDでは、HARQ RTT及びHARQプロセスの最大数は、FDDのような固定値(8)ではなく、UL/DL構成に応じた値に設定される。例えば、図3Bに示すように、UL/DL構成1では、DLサブフレーム#0のPDSCHのA/Nは、ULサブフレーム#7で送信され、当該A/Nに基づいて当該ULサブフレーム#7の4ms後の特別サブフレーム#1で当該PDSCHの再送が行われる。
図3Bの場合、DLサブフレーム#0の11サブフレーム後の特別サブフレーム#1で同一のHPNが再利用可能となるので、HARQ RTTは、11サブフレームである。このように、TDDでは、HARQ RTTは、各UL/DL構成のkの最大値(UL/DL構成1の場合は7)+4サブフレームと等しいといえる。また、HARQプロセスの最大数は、HARQ RTT内のDL/特別サブフレームの数と等しく、図3A及び3Bに示すように、UL/DL構成1では、HARQプロセスの最大数は、7となる。同様に、他のUL/DL構成のHARQ RTT及びHARQプロセスの数も設定される。
以上のように、既存のLTEシステム(Rel.13以前)では、A/Nの送信タイミングは、4msを基準に(基準値として)固定の値で制御される。
ところで、将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.14、15〜、5G、NRなど)では、URLLCなどの遅延に対する要求要件が厳しい通信サービスを提供するため、遅延の削減が求められている。ここで、遅延には、信号の伝搬時間による遅延(伝搬遅延)と、信号の処理時間による遅延(処理遅延)とが含まれる。
このような遅延の削減方法としては、1msのサブフレーム(TTI)よりも短いTTI(ショートTTI)を新たに同導入して通信制御(例えば、スケジューリング又は/及び再送制御)の処理単位そのものを短縮する方法が想定される。
LTE Rel.8−12におけるTTI(以下、「通常TTI」という)は、1msの時間長を有する。通常TTIは、サブフレームとも呼ばれ、2つの時間スロットで構成される。TTIは、チャネル符号化された1データ・パケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーション(Link Adaptation)などの処理単位となる。
既存のLTEシステムでは、下りリンク(DL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(スロットあたり7OFDMシンボル)を含んで構成される。各OFDMシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
また、上りリンク(UL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル(スロットあたり7SC−FDMAシンボル)を含んで構成される。各SC−FDMAシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
なお、拡張CPの場合、通常TTIは、12OFDMシンボル(又は12SC−FDMAシンボル)を含んで構成されてもよい。この場合、各OFDMシンボル(又は各SC−FDMAシンボル)は、66.7μsの時間長を有し、16.67μsの拡張CPが付加される。
一方、将来の無線通信システムでは、数十GHzなどの高周波数帯に適した無線インターフェースや、IoT(Internet of Things)、MTC(Machine Type Communication)、M2M(Machine To Machine)、D2D(Device To Device)、V2V(Vehicular To Vehicular)サービス向けに、遅延を最小化する無線インターフェースが望まれている。
そのため、将来の通信システムでは、TTIを1msより短縮した短縮TTI(ショートTTI、short TTIとも呼ぶ)を利用して通信を行うことが考えられる。例えば、一部のセルにおいて通常TTI(1ms)を適用し、他のセルにおいて短縮TTIを適用して通信を行うことが考えられる。あるいは、全てのセルにおいて短縮TTI(TTI長が同じ又は異なる短縮TTI)を適用して通信を行うことが考えられる。短縮TTIを利用する場合、サブキャリア間隔を通常TTIのサブキャリアから変更(例えば、サブキャリア間隔を拡大)することが考えられる。
通常TTIよりも短い時間長のTTI(以下、「短縮TTI」という)を用いる場合、ユーザ端末や無線基地局における処理(例えば、符号化、復号など)に対する時間的マージンが増加するため、処理遅延を低減できる。また、短縮TTIを用いる場合、単位時間(例えば、1ms)当たりに収容可能なユーザ端末数を増加させることができる。
一方で、1msのサブフレームを通信制御の処理単位として維持する場合にも、遅延を削減することが望まれる。通信制御の処理単位を維持する場合、既存のチャネル構成(例えば、PDSCH、DL制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel又はEPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel、PUSCH、PUCCHなど)を再利用できるためである。
1msのサブフレームを通信制御の処理単位として維持する場合、遅延を削減するために、無線基地局及び/又はユーザ端末における信号の処理時間を短縮(短縮処理時間を適用)することが考えられる。
また、短縮TTI又は短縮処理時間を導入する将来の無線通信システムにおいても、既存のLTEシステムと同様に、複数のセル(CC)を利用した通信(例えば、CA及び/又はDC)を行うことが想定される。この場合、DL送信及びUL送信の一方(例えば、DL送信のみ)に複数セルを設定して通信を行う形態(DL−CA、且つUL−non−ca)や、DL伝送に利用するセル数とUL伝送に利用するセル数が異なって設定される形態も考えられる。このようにDL伝送及び/又はUL伝送に対して複数のセル(CC)を利用して通信を行う場合に、短縮TTI及び/又は短縮処理時間をどのように適用して通信を制御するかが問題となる。
そこで、本発明者らは、少なくともUL伝送に利用する(設定される)セル数、及び/又はUL伝送における複数セルの利用有無(例えば、CA適用有無)に基づいて、信号の送信及び/又は受信タイミングを制御することを着想した。具体的には、少なくともUL伝送においてCAの適用有無に基づいて、短縮TTI及び/又は短縮処理時間を適用するセルを制御する。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、DL信号(例えば、DLデータチャネル)に対する送達確認信号(HARQ−ACK)の送信と、DL信号(例えば、UL送信指示、ULグラント)に対する上りデータの送信を例に挙げて説明するが、適用可能な信号/チャネルはこれに限られない。本実施の形態は、所定タイミングで送信及び/又は受信を制御する信号(又は、チャネル)に対して適用することができる。
また、本実施の形態は、FDD及び/又はTDDに適用可能である。以下の説明では、FDDを例に挙げて説明するが、TDDについても同様に適用することができる。TDDでは、短縮処理時間及び/又は短縮TTIを設定するセルにおいて、短縮処理時間を適用する場合に設定される基準値(k)に対応するテーブルを利用して通信を行うよう制御すればよい。
(第1の態様)
第1の態様では、少なくともUL伝送に利用するセル数、又はUL伝送における複数セルの利用(CA及び/又はDC適用)有無に基づいて、短縮処理時間を適用するセルを制御する。短縮処理時間を適用するユーザ端末は、当該ユーザ端末及び/又は無線基地局における信号の処理時間に基づいて算出される基準値(k)を既存の4msより短く制御し、当該基準値に基づいてA/Nの送信タイミング及び/又はULのスケジューリングタイミングを制御する。なお、当該kは、短縮処理時間等と呼ばれてもよい。
<第1のケース>
第1のケースでは、複数のDLキャリアのキャリアアグリゲーション(DL−CA)が行われるが、ULキャリアのCAが行われない場合(UL−non−CA)を想定する。例えば、DL伝送において複数のセル(CC、又はキャリアとも呼ぶ)が設定され、UL伝送において単一のセルが設定される場合に相当する。
この場合、ユーザ端末は、当該ユーザ端末に設定された全てのDLキャリア及びULキャリアに対して、短縮処理時間を適用してもよい。すなわち、ユーザ端末は、ULキャリアだけに短縮処理時間が設定されることを想定しなくともよい。また、ユーザ端末は、当該複数のDLキャリアの一部のみに短縮処理時間が設定されることを想定しなくともよい。
また、ユーザ端末に対して短縮処理時間の設定を上位レイヤシグナリング(または物理レイヤシグナリング)で指定する場合、ユーザ端末は当該シグナリングを受信・識別した場合、前述のように、すべてのDLキャリア及びULキャリアに対して、短縮処理時間を適用してもよい。これにより、例えば、あるサブフレームにおいてDLアサインメントによりDLデータがスケジューリングされた場合のHARQ−ACK送信タイミングと、同じサブフレームにおいてULグラントによりULデータがスケジューリングされた場合のULデータ送信タイミングと、を同一に制御することができる。また、いずれのDL−CCでDLデータがスケジューリングされたかに関わらず、前記HARQ−ACK送信タイミング及びULデータ送信タイミングを同一に制御することができる。これにより、ユーザ端末は、HARQ−ACKフィードバック制御について、DLアサインメントのみの場合とDLアサインメントとULグラントの両方がある場合の両方を実装する必要がなくなるため、回路規模を削減できる。
ユーザ端末は、全てのDLキャリア及びULキャリアに対して短縮処理時間(例えば、4未満の基準値k)が設定される場合、当該短縮処理時間kに基づいて、A/Nの送信タイミング、及び/又は、UL信号のスケジューリング(送信)タイミングを制御する。A/Nの送信タイミングは、DL信号に対するA/N及び/又はUL信号に対するA/Nの送信タイミングを含んでもよい。
図4は、第1の態様に係る第1のケースの制御例を示す図である。例えば、図4Aでは、DL信号(例えば、PDSCH)に対するA/Nの送信タイミングの制御例が示される。図4Bでは、UL信号(例えば、PUSCH)のスケジューリングタイミングの制御例が示される。
図4A及び図4Bでは、DL伝送において複数のDLキャリア(DL CC)1〜3が設定され、UL伝送において単一のULキャリア(UL CC)1が設定される場合を示している。この場合、DLキャリア(DL CC)1〜3を用いてCAが行われ、ULキャリアではCAが行わない。なお、CAされるDLキャリア数はこれに限られない。また、図4A及び図4Bでは、短縮処理時間k=2に設定されるものとするが、kの値は、例えば、1又は3など、4msより短い値であればよい。
図4A及び図4Bに示すように、ULキャリアのCAが行われない場合、全てのDLキャリア及びULキャリアに、同一の短縮処理時間kが設定されてもよい。例えば、図4Aでは、ユーザ端末は、DLキャリア1〜3のPDSCHをサブフレーム#nで受信する場合、k=2に基づいて、2ms後のサブフレーム#n+2において、DLキャリア1〜3のA/Nを送信する。なお、図示しないが、無線基地局におけるPUSCHに対するA/Nの送信タイミングも同様に制御されてもよい。
また、図4Bでは、ユーザ端末は、DLキャリア1のサブフレーム#nでULキャリア1のPUSCHをスケジューリングするULグラントを受信し、k=2に基づいて、2ms後のサブフレーム#n+2において、ULキャリア1でPUSCHを送信する。
このように、ケース1の場合にユーザ端末に設定された全てのDLキャリア及びULキャリアに対して、短縮処理時間を適用することにより、例えば、あるサブフレームにおいてDLアサインメントによりDLデータがスケジューリングされた場合のHARQ−ACK送信タイミングと、同じサブフレームにおいてULグラントによりULデータがスケジューリングされた場合のULデータ送信タイミングと、を同一に制御することができる。また、いずれのDL−CCでDLデータがスケジューリングされたかに関わらず、前記HARQ−ACK送信タイミング及びULデータ送信タイミングを同一に制御することができる。これにより、ユーザ端末は、HARQ−ACKフィードバック制御について、DLアサインメントのみの場合とDLアサインメントとULグラントの両方がある場合の両方を実装する必要がなくなるため、回路規模増大を抑圧できる。
<第2のケース>
第2のケースでは、複数のDLキャリアのCA(DL−CA)が行われると共に、ULキャリアのCA(UL−CA)も行われる場合を想定する。例えば、DL伝送において複数のセル(CC、又はキャリアとも呼ぶ)が設定され、UL伝送においても複数のセルが設定される場合に相当する。なお、DL伝送において設定されるセル数と、UL伝送において設定されるセル数は異なっていてもよい(例えば、DL伝送のセル数がUL伝送のセル数より多く設定される)。
この場合、ユーザ端末は、少なくとも一つのULキャリア、または少なくとも一つのDLキャリア及び少なくとも一つのULキャリアに対して、短縮処理時間を適用してもよい。これにより、複数あるUL−CCのうち、一部のUL−CCに対してのみ短縮処理時間を適用できる。短縮処理時間が設定された場合、ユーザ端末のデータ送受信処理時間が短くなることから、上りリンクにおいてユーザ端末が適用できるタイミングアドバンス(TA)制御の最大値が、通常処理時間の場合に比べて短くなることが想定される。このような場合であっても、短縮処理時間の適用を一部のUL−CCまたは一部のULおよびDL−CCに限定することで、短縮処理時間が適用されない少なくとも一部のUL−CCについては、タイミングアドバンス制御の最大値を通常処理時間と同じ値にすることができる。この結果、通信可能距離の削減を回避することができる。例えば、ユーザ端末は、一部のULキャリアだけ、または一部のDLキャリア及び/又はULキャリアだけに短縮処理時間が設定されることを想定してもよい。
第2のケースにおいて、一部のDLキャリア及び/又はULキャリアだけに短縮処理時間が設定される場合、短縮処理時間が適用されるDLキャリア及びULキャリアは、同一のインデックス(例えば、セルインデックス、CCインデックス)を有してもよい。この場合、ユーザ端末は、同一セルインデックスを有するDLキャリアとULキャリアに短縮処理時間が適用されると想定して通信を制御することができる。また、かかる場合、ユーザ端末に短縮処理時間を設定する上位レイヤシグナリング(または物理レイヤシグナリング)は、セルインデックスまたはCCインデックスを指定して短縮処理時間を設定するシグナリングとすることができる。ユーザ端末は、当該シグナリングが設定されたセルのインデックスまたはCCのインデックスに基づいて、短縮処理時間を設定する。
また、複数のULキャリアに短縮処理時間が設定される場合、当該複数のULキャリアは同一のセルグループ(CG)及び/又は同じタイミングアドバンスグループ(TAG)に属するものとしてもよい。また、かかる場合、ユーザ端末に短縮処理時間を設定する上位レイヤシグナリング(または物理レイヤシグナリング)は、CGインデックス(MCGかSCGか)またはTAGインデックスを指定して短縮処理時間を設定するシグナリングとすることができる。ユーザ端末は、当該シグナリングが設定されたCGのインデックスまたはTAGのインデックスに基づいて、短縮処理時間を設定する。
ユーザ端末は、DLキャリア毎及びULキャリア毎に設定された処理時間kに基づいて、各DLキャリア及び各ULキャリアにおけるA/Nの送信タイミング、及び/又は、UL信号のスケジューリングタイミングを制御する。なお、A/Nの送信タイミングは、DL信号に対するA/N及び/又はUL信号に対するA/Nの送信タイミングを含んでもよい。
図5は、第1の態様に係る第2のケースの制御例を示す図である。例えば、図5Aでは、DL信号(例えば、PDSCH)に対するA/Nの送信タイミングの制御例が示される。図5Bでは、UL信号(例えば、PUSCH)のスケジューリングタイミングの制御例が示される。
なお、図5A及び図5Bでは、DLキャリア(DL CC)1〜3のCAと、ULキャリア(UL CC)1〜3のCAとが行われるものとするが、CAされるDLキャリア数及びULキャリア数はこれに限られない。
図5A及び図5Bに示すように、ULキャリアのCAが行われる場合、少なくとも一つのDLキャリア(ここでは、DLキャリア1及び2)及び少なくとも一つのULキャリア(ここでは、ULキャリア1及び2)に、短縮処理時間kが設定されてもよい。なお、図5A及び図5Bでは、k=2に設定されるものとするが、kの値は、例えば、1又は3など、4msより短い値であればよい。
例えば、図5Aでは、ユーザ端末は、DLキャリア1及び2のPDSCHをサブフレーム#nで受信する場合、k=2に基づいて、2ms後のサブフレーム#n+2において、DLキャリア1及び2のA/Nを送信する。また、ユーザ端末は、DLキャリア3のPDSCHをサブフレーム#n+8で受信する場合、k=4に基づいて、4ms後のサブフレーム#n+12において、DLキャリア3のA/Nを送信してもよい。なお、図示しないが、無線基地局におけるPUSCHに対するA/Nの送信タイミングも同様に制御されてもよい。
また、図5Bでは、ユーザ端末は、DLキャリア1及び2のサブフレーム#nでULキャリア1及び2のPUSCHをスケジューリングするULグラントを受信し、k=2に基づいて、2ms後のサブフレーム#n+2において、ULキャリア1及び2でPUSCHを送信する。また、ユーザ端末は、DLキャリア3のサブフレーム#n+8でULキャリア3のPUSCHをスケジューリングするULグラントを受信し、k=4に基づいて、4ms後のサブフレーム#n+12において、ULキャリア3でPUSCHを送信する。
このように、同一の短縮処理時間kが設定されるDLキャリア及びULキャリアのセル(CC)インデックス(例えば、図5A及び図5BのDLキャリア1及び2とULキャリア1及び2、DLキャリア3とULキャリア3)は、対応していてもよい。また、同一の短縮処理時間kが設定される複数のULキャリア(例えば、図5A及び図5BのULキャリア1及び2)は、同一のCG及び/又はTAGに属してもよい。なお、図5A及び図5Bでは、短縮処理時間k=2のみが用いられるが、キャリア毎に異なる短縮処理時間が設定されてもよい。
このように、ケース2の場合にユーザ端末に設定された少なくとも一つのULキャリア、または少なくとも一つのDLキャリア及びULキャリアに対して、短縮処理時間を適用することにより、複数あるUL−CCのうち、一部のUL−CCに対してのみ短縮処理時間を適用できる。短縮処理時間が設定された場合、ユーザ端末のデータ送受信処理時間が短くなることから、上りリンクにおいてユーザ端末が適用できるタイミングアドバンス(TA)制御の最大値が、通常処理時間の場合に比べて短くなることが想定される。このような場合であっても、短縮処理時間の適用を一部のUL−CCまたは一部のULおよびDL−CCに限定することで、短縮処理時間が適用されない少なくとも一部のUL−CCについては、タイミングアドバンス制御の最大値を通常処理時間と同じ値にすることができる。この結果、通信可能距離の削減を回避することができる。
(第2の態様)
第2の態様では、少なくともUL伝送に利用するセル数、又はUL伝送における複数セルの利用(CA及び/又はDC適用)有無に基づいて、短縮TTIを適用するセルを制御する。短縮TTIを適用するユーザ端末は、1msのTTI(通常TTIとも呼ぶ)より短いTTI長を有する短縮TTIに基づいて、A/Nの送信タイミング及び/又はULのスケジューリングタイミングを制御する。
<第1のケース>
第1のケースでは、複数のDLキャリアのキャリアアグリゲーション(DL−CA)が行われるが、ULキャリアのCAが行われない場合(UL−non−CA)を想定する。例えば、DL伝送において複数のセル(CC、又はキャリアとも呼ぶ)が設定され、UL伝送において単一のセルが設定される場合に相当する。
この場合、ユーザ端末は、少なくとも一つのDLキャリアに対して、短縮TTIを適用してもよい。例えば、ユーザ端末は、一部のDLキャリアだけに短縮処理時間が設定されることを想定してもよい。これにより、TTI長によって大きな影響を受ける上りリンクのカバレッジやタイミングアドバンス(TA)の最大値を制限せずに、遅延削減効果を得ることができる。
ユーザ端末は、一部のDLキャリアに短縮TTIが設定される場合、当該DLキャリアについて短縮TTIに基づいてDLデータの受信(例えば、受信タイミング等)を制御する。また、ULキャリアに短縮TTIが設定される場合、短縮TTIで送信したDLデータに対するA/Nの送信タイミング、及び/又は、UL信号のスケジューリング(送信)タイミングを制御する。例えば、ユーザ端末は、DL信号に対するUL信号(HARQ−ACK、ULデータ等)を、4×短縮TTI後にフィードバックすることができる。
図6に第2の態様に係る第1のケースの制御例の一例を示す。図6では、DL伝送において複数のセル(CC1〜3)が設定され、UL伝送において単一のセル(CC1)が設定される場合を示している。また、UL CC1、DL CC2、3で短縮TTIを適用し、DL CC1で通常TTIを適用する場合を示している。
この場合、ユーザ端末は、短縮TTIで送信されたDL信号に対するUL信号(HARQ−ACK、ULデータ等)を、4×短縮TTI後の短縮TTI#m+4でフィードバックすることができる(図6A参照)。図6Aでは、DL CC2、3の短縮TTI(ここでは、#m)で送信されたDL信号に対するA/Nを短縮TTI#m+4でフィードバックする場合を示している。また、ユーザ端末は、当該A/Nに基づくDL信号は、4×短縮TTI後に受信することができる。なお、本実施の形態では、フィードバックタイミングを4×短縮TTIとする場合を示したがフィードバックタイミングはこれに限られない(以下の説明でも同様である)。
ユーザ端末は、通常TTIで送信されたDL信号に対するUL信号を、4×通常TTI後にフィードバックする。また、ユーザ端末は、当該A/Nに基づくDL信号は、4×通常TTI後に受信することができる。
あるいは、ユーザ端末は、ユーザ端末は、通常TTIで送信されたDL信号に対するUL信号を、4×短縮TTI後にフィードバックし、当該A/Nに基づくDL信号は、4×通常TTI後に対応する通常TTI(ここでは#n+6)受信する構成としてもよい(図6B参照)。この場合、短縮TTIが設定されたDL−CCにデータをスケジューリングすることで、より遅延削減効果を高めることができる。
ULキャリアに短縮TTIが設定されない場合、通常TTIを適用してULデータ送信を制御する。図7に第2の態様に係る第1のケースの制御例の他の一例を示す。図7では、DL伝送において複数のセル(CC1〜3)が設定され、UL伝送において単一のセル(CC1)が設定される場合を示している。また、DL CC2、3で短縮TTIを適用し、UL CC1、DL CC1で通常TTIを適用する場合を示している。
この場合、ユーザ端末は、短縮TTIで送信されたDL信号に対するUL信号(HARQ−ACK、ULデータ等)を、4×通常TTI後の通常TTI(既存システムと同じ)でフィードバックすることができる(図7A参照)。図7Aでは、DL CC2、3の短縮TTI(ここでは、#m)で送信されたDL信号に対するA/Nを通常TTI#n+4でフィードバックする場合を示している。また、ユーザ端末は、当該A/Nに基づくDL信号は、4×短縮TTI後に受信することができる。
あるいは、ユーザ端末は、短縮TTIで送信されたDL信号に対するUL信号(HARQ−ACK、ULデータ等)を、4×短縮TTI後に対応する通常TTIでフィードバックしてもよい(図7B参照)。図7Bでは、DL CC2、3の短縮TTI(ここでは、#m)で送信されたDL信号に対するA/Nを、短縮TTI#m+4に対応する通常TTI#n+2でフィードバックする場合を示している。また、ユーザ端末は、当該A/Nに基づくDL信号は、4×短縮TTI後(ここでは、短縮TTI#m+8に受信することができる。
このように、ケース1の場合にユーザ端末に設定された少なくとも一つのDLキャリアに対して、短縮処理時間を適用することにより、TTI長によって大きな影響を受ける上りリンクのカバレッジやタイミングアドバンス(TA)の最大値を制限せずに、遅延削減効果を得ることができる。
<第2のケース>
第2のケースでは、複数のDLキャリアのCA(DL−CA)が行われると共に、ULキャリアのCA(UL−CA)も行われる場合を想定する。例えば、DL伝送において複数のセル(CC、又はキャリアとも呼ぶ)が設定され、UL伝送においても複数のセルが設定される場合に相当する。なお、DL伝送において設定されるセル数と、UL伝送において設定されるセル数は異なっていてもよい(例えば、DL伝送のセル数がUL伝送のセル数より多く設定される)。
この場合、ユーザ端末は、DLキャリアとULキャリアの任意の個数の組み合わせについて短縮TTIを適用する。例えば、ユーザ端末は、所定のDLキャリアとULキャリアの組み合わせを所定条件に基づいて選択し、送受信を制御する(図8参照)。図8では、所定のDLキャリア(ここでは、DL CC2、3)とULキャリア(UL CC2、3)に短縮TTIを適用する場合を示している。かかる場合、ユーザ端末に短縮TTIを設定する上位レイヤシグナリング(または物理レイヤシグナリング)は、DL−CC及び/又はUL−CCを指定して短縮TTIを設定するシグナリングとすることができる。ユーザ端末は、当該シグナリングが設定されたDL−CC及び/又はUL−CCのインデックスに基づいて、短縮TTIを設定する。
所定条件は、DLキャリア及び/又はULキャリアのセルインデックス等に基づいて決定することができる。例えば、セルインデックスが同じDLキャリアとULキャリアに対して短縮TTIを適用することができる。あるいは、無線基地局から送信される情報に基づいて短縮TTIを適用するDLキャリアとULキャリアの組み合わせを決定してもよい。
また、ユーザ端末は、あるインデックスのセル(CC)について、DLキャリアのみに短縮TTIを設定できるが、ULキャリアのみには短縮TTIは設定しないように制御してもよい。あるインデックスとしては、例えば、インデックス0等とすることができる。
また、複数のULキャリアに短縮処理時間が設定される場合、当該複数のULキャリアは同一のセルグループ(CG)及び/又は同じタイミングアドバンスグループ(TAG)に属するものとしてもよい。図8では、ユーザ端末は、UL CC2、3が同一CG及び/又はTAGに属すると想定して信号の送受信を制御することができる。
このように、ケース2の場合にユーザ端末に設定された所定のDLキャリアとULキャリアの組み合わせに対して、短縮TTIを適用することにより、短縮TTIによる遅延削減効果と通常TTIによる高い周波数利用効率を柔軟に実現することができる。
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図9は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア(CC))を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又は、一以上のCCを含むセルグループ(CG)複数を用いたデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New RAT:New Radio Access Technology)などと呼ばれても良い。
図9に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間及び/又はセル内で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、2個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。TDDのセル、FDDのセルは、それぞれ、TDDキャリア(フレーム構成タイプ2)、FDDキャリア(フレーム構成タイプ1)等と呼ばれてもよい。
また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。ここで、ニューメロロジーは、サブキャリア間隔、シンボル長、サイクリックプリフィクス長、サブフレーム長など、周波数方向及び時間方向のパラメータである。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz、30〜70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。また、ユーザ端末20は、他のユーザ端末20との間で端末間通信(D2D)を行うことができる。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるDL共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、DLデータチャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
L1/L2制御チャネルは、DL制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つにより、UL信号(例えば、PUSCH)の再送制御情報(例えば、A/N、NDI、HPN、冗長バージョン(RV)の少なくとも一つ)を伝送できる。
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるUL共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、ULデータチャネル等ともいう)、UL制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。DL信号(例えば、PDSCH)の再送制御情報(例えば、A/N)、チャネル状態情報(CSI)、スケジューリング要求(SR)の少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルを伝送できる。
<無線基地局>
図10は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されてもよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、DL制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、UL信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅されたUL信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたUL信号に含まれるULデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
また、送受信部103は、DL共有チャネル(例えば、PDSCH)をスケジューリングするDL DCI(DLアサインメント等ともいう)と、当該DL共有チャネルを送信する。また、送受信部103は、無線基地局10及び/又はユーザ端末20の送信タイミングの基準値kを示す情報、短縮TTIに関する情報、及び通信に利用するセル(DL CC、UL CC)に関する情報の少なくとも一つ(又は、組み合わせ)を送信してもよい。
図11は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図11は、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図11に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305とを備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302によるDL信号の生成や、マッピング部303によるDL信号のマッピング、受信信号処理部304によるUL信号の受信処理(例えば、復調など)、測定部305による測定を制御する。
具体的には、制御部301は、ユーザ端末20のスケジューリングを行う。例えば、制御部301は、ユーザ端末20に対するPUSCH及び/又はPDSCHのスケジューリングを行う。
また、制御部301は、少なくともUL伝送に利用(設定)するセル数、又はUL伝送における複数セルの利用(CA及び/又はDC適用)有無に基づいて、信号の送受信タイミング(所定のタイミング)を制御する。
例えば、制御部301は、DL伝送に複数のセルを設定し(キャリアアグリゲーション(CA)を適用し)且つUL伝送に単一のセルを設定する(CAを適用しない)場合、DL伝送及びUL伝送に利用する全てのセルにおいて短縮処理時間を適用することができる(図4参照)。また、制御部301は、DL伝送及びUL伝送に複数のセルを利用する(CAを適用する)場合、少なくとも一つのDL伝送セルと少なくとも一つのUL伝送セルにおいて短縮処理時間を適用してもよい(図5参照)。
また、制御部301は、DL伝送に複数のセルを利用し(CAを適用し)且つUL伝送に単一のセルを利用する(CAを適用しない)場合、少なくとも一つのDL伝送セルにおいて短縮TTIを適用することができる(図6、図7参照)。また、制御部301は、DL伝送及びUL伝送に複数のセルを利用する(CAを適用する)場合、所定のDL伝送セルとUL伝送セルの組み合わせに対して短縮処理時間を適用することができる(図8参照)。
また、制御部301は、ユーザ端末20からの再送制御情報に基づいて、PDSCHの再送を制御してもよい。また、制御部301は、上記基準値k、短縮TTIに基づいて、PDSCHの再送タイミングを制御してもよい。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(DLデータ、DCI、ULデータの再送制御情報、上位レイヤ制御情報を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号(例えば、DLデータ、DCI、ULデータの再送制御情報、上位レイヤ制御情報など)を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(例えば、ULデータ、UCIなど)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。具体的には、受信信号処理部304は、ユーザ端末20に設定されたニューメロロジーに基づいて、UL信号の受信処理を行う。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力してもよい。また、受信信号処理部304は、DL信号のA/Nに対して受信処理を行い、ACK又はNACKを制御部301に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、UL参照信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))及び/又は受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))に基づいて、ULのチャネル品質を測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅されたDL信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。DLデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、ULデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。UCI(例えば、DLの再送制御情報、CSI、SRの少なくとも一つ)についても、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、DFT処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
また、送受信部203は、DL共有チャネル(例えば、PDSCH)をスケジューリングするDL DCI(DLアサインメント等ともいう)と、当該DL共有チャネルを受信する。また、送受信部203は、制御部401の指示に従って、当該DL共有チャネルの再送制御情報を送信する。
また、送受信部203は、DL共有チャネル(例えば、PDSCH)をスケジューリングするDL DCI(DLアサインメント等ともいう)と、当該DL共有チャネルを受信する。また、送受信部は、DL信号に基づいてUL信号の送信を所定タイミングで送信する。また、送受信部203は、無線基地局10及び/又はユーザ端末20の送信タイミングの基準値kを示す情報、短縮TTIに関する情報、及び通信に利用するセル(DL CC、UL CC)に関する情報の少なくとも一つ(又は、組み合わせ)を受信してもよい。
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。また、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
図13は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図13においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図13に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402によるUL信号の生成や、マッピング部403によるUL信号のマッピング、受信信号処理部404によるDL信号の受信処理、測定部405による測定を制御する。
また、制御部401は、少なくともUL伝送に利用(設定)するセル数、又はUL伝送における複数セルの利用(CA及び/又はDC適用)有無に基づいて、信号の送受信タイミング(所定のタイミング)を制御する。
例えば、制御部401は、DL伝送に複数のセルを設定し(キャリアアグリゲーション(CA)を適用し)且つUL伝送に単一のセルを設定する(CAを適用しない)場合、DL伝送及びUL伝送に利用する全てのセルにおいて短縮処理時間を適用することができる(図4参照)。また、制御部401は、DL伝送及びUL伝送に複数のセルを利用する(CAを適用する)場合、少なくとも一つのDL伝送セルと少なくとも一つのUL伝送セルにおいて短縮処理時間を適用してもよい(図5参照)。
また、制御部401は、DL伝送に複数のセルを利用し(CAを適用し)且つUL伝送に単一のセルを利用する(CAを適用しない)場合、少なくとも一つのDL伝送セルにおいて短縮TTIを適用することができる(図6、図7参照)。また、制御部401は、DL伝送及びUL伝送に複数のセルを利用する(CAを適用する)場合、所定のDL伝送セルとUL伝送セルの組み合わせに対して短縮処理時間を適用することができる(図8参照)。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(ULデータ、UCI、UL参照信号などを含む)を生成(例えば、符号化、レートマッチング、パンクチャ、変調など)して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(DLデータ、DCI、上位レイヤ制御情報など)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる上位レイヤ制御情報、物理レイヤ制御情報(L1/L2制御情報)などを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CRS又は/及びCSI−RS)に基づいて、チャネル状態を測定し、測定結果を制御部401に出力する。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルで構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年11月4日出願の特願2016−216718に基づく。この内容は、全てここに含めておく。