将来の通信システム(5G/NR)では、eMBB(enhanced Mobile Broad Band)、IoT(Internet of Things)、MTC(Machine Type Communication)、M2M(Machine To Machine)、URLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)などと呼ばれる無線通信サービスの提供が検討されている。なお、M2Mは、通信する機器によって、D2D(Device To Device)、V2V(Vehicle To Vehicle)などと呼ばれてもよい。上記の多様な通信に対する要求を満たすために、新しい通信アクセス方式(New RAT(Radio Access Technology))を設計することが検討されている。
5Gでは、例えば最大で100GHzという非常に高い搬送波周波数を用いてサービス提供を行うことが検討されている。一般的に、搬送波周波数が増大するとカバレッジを確保することが難しくなる。理由としては、距離減衰が激しくなり電波の直進性が強くなることや、超広帯域送信のため送信電力密度が低くなることに起因する。
そこで、高周波数帯においても上記の多様な通信に対する要求を満たすために、超多素子アンテナを用いる大規模MIMO(Massive MIMO(Multiple Input Multiple Output))を利用することが検討されている。超多素子アンテナでは、各素子から送信/受信される信号の振幅及び/又は位相を制御することで、ビーム(アンテナ指向性)を形成することができる。当該処理はビームフォーミング(BF:Beam Forming)とも呼ばれ、電波伝播損失を低減することが可能となる。
既存のランダムアクセス手順では、複数の動作(例えば、衝突型ランダムアクセスの場合にはメッセージ1〜4)が規定されているが、BFをどのように適用するかは未だ決まっていない。
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8−13)では、UL同期を確立するためのランダムアクセス手順がサポートされている。ランダムアクセス手順には、衝突型ランダムアクセス(CBRA:Contention-Based Random Access等ともいう)と非衝突型ランダムアクセス(Non−CBRA、コンテンションフリーランダムアクセス(CFRA:Contention-Free Random Access)等ともいう)とが含まれる。
衝突型ランダムアクセス(CBRA)では、ユーザ端末は、各セルに定められる複数のプリアンブル(ランダムアクセスプリアンブル、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、RACHプリアンブル等ともいう)からランダムに選択したプリアンブルを送信する。また、衝突型ランダムアクセスは、ユーザ端末主導のランダムアクセス手順であり、例えば、初期アクセス時、UL送信の開始又は再開時などに用いることができる。
一方、非衝突型ランダムアクセス(Non−CBRA、CFRA:Contention-Free Random Access)では、無線基地局は、下りリンク(DL)制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel、EPDCCH:Enhanced PDCCHなど)によりプリアンブルをユーザ端末固有に割り当て、ユーザ端末は、無線基地局から割り当てられたプリアンブルを送信する。非衝突型ランダムアクセスは、ネットワーク主導のランダムアクセス手順であり、例えば、ハンドオーバ時、DL送信の開始又は再開時(DL用再送指示情報のULにおける送信の開始又は再開時)などに用いることができる。
図1は、衝突型ランダムアクセスの一例を示す図である。図1において、ユーザ端末は、システム情報(例えば、MIB(Mater Information Block)及び/又はSIB(System Information Block))や上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)により、ランダムアクセスチャネル(PRACH)の構成(PRACH configuration、RACH configuration)を示す情報(PRACH構成情報)を予め受信する。
当該PRACH構成情報は、例えば、各セルに定められる複数のプリアンブル(例えば、プリアンブルフォーマット)、PRACH送信に用いられる時間リソース(例えば、システムフレーム番号、サブフレーム番号)及び周波数リソース(例えば、6リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)の開始位置を示すオフセット(prach-FrequencyOffset))などを示すことができる。
図1に示すように、ユーザ端末は、アイドル(RRC_IDLE)状態からRRC接続(RRC_CONNECTED)状態に遷移する場合(例えば、初期アクセス時)、RRC接続状態であるがUL同期が確立されていない場合(例えば、UL送信の開始又は再開時)などにおいて、PRACH構成情報が示す複数のプリアンブルの一つをランダムに選択し、選択されたプリアンブルをPRACHにより送信する(メッセージ1)。
無線基地局は、プリアンブルを検出すると、その応答としてランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)を送信する(メッセージ2)。ユーザ端末は、プリアンブルの送信後、所定期間(RAR window)内にRARの受信に失敗する場合、PRACHの送信電力を上げてプリアンブルを再度送信(再送)する。なお、再送時に送信電力を増加させることは、パワーランピングとも呼ばれる。
RARを受信したユーザ端末は、RARに含まれるタイミングアドバンス(TA)に基づいて、ULの送信タイミングを調整し、ULの同期を確立する。また、ユーザ端末は、RARに含まれるULグラントが指定するULリソースで、上位レイヤ(L2/L3:Layer 2/Layer 3)の制御メッセージを送信する(メッセージ3)。当該制御メッセージには、ユーザ端末の識別子(UE−ID)が含まれる。当該ユーザ端末の識別子は、例えば、RRC接続状態であればC−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)であってもよいし、又は、アイドル状態であればS−TMSI(System Architecture Evolution-Temporary Mobile Subscriber Identity)など上位レイヤのUE−IDであってもよい。
無線基地局は、上位レイヤの制御メッセージに応じて、衝突解決用メッセージ(Contention resolution message)を送信する(メッセージ4)。当該衝突解決用メッセージは、上記制御メッセージに含まれるユーザ端末の識別子宛に基づいて送信される。衝突解決用メッセージの検出に成功したユーザ端末は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)における肯定応答(ACK:Acknowledge)を無線基地局に送信する。これにより、アイドル状態のユーザ端末はRRC接続状態に遷移する。
一方、当該衝突解決用メッセージの検出に失敗したユーザ端末は、衝突が発生したと判断し、プリアンブルを再選択し、メッセージ1から4のランダムアクセス手順を繰り返す。無線基地局は、ユーザ端末からのACKにより衝突が解決されたことを検出すると、当該ユーザ端末に対して、ULグラントを送信する。ユーザ端末は、ULグラントにより割り当てられるULリソースを用いてULデータを送信する。
以上のような衝突型ランダムアクセスでは、ユーザ端末が、ULデータの送信を望む場合に、自発的(autonomous)にランダムアクセス手順を開始できる。また、UL同期が確立されてから、ULグラントによりユーザ端末固有に割り当てられるULリソースを用いてULデータが送信されるため、信頼性の高いUL送信が可能となる。
ところで、将来の無線通信システム(例えば、5G、NR)は、様々な無線通信サービスを、それぞれ異なる要求条件(例えば、超高速、大容量、超低遅延等)を満たすように実現することが期待されている。例えば、将来の無線通信システムでは、上述したように、ビームフォーミング(BF:Beam Forming)を利用して通信を行うことが検討されている。
BFは、デジタルBF及びアナログBFに分類できる。デジタルBFは、ベースバンド上で(デジタル信号に対して)プリコーディング信号処理を行う方法である。この場合、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)/デジタル−アナログ変換(DAC:Digital to Analog Converter)/RF(Radio Frequency)の並列処理が、アンテナポート(RF chain)の個数だけ必要となる。一方で、任意のタイミングで、RF chain数に応じた数だけビームを形成できる。
アナログBFは、RF上で位相シフト器を用いる方法である。この場合、RF信号の位相を回転させるだけなので、構成が容易で安価に実現できるが、同じタイミングで複数のビームを形成することができない。具体的には、アナログBFでは、位相シフト器ごとに、一度に1ビームしか形成できない。
このため、基地局(例えば、eNB(evolved Node B)、BS(Base Station)等と呼ばれる)が位相シフト器を1つのみ有する場合には、ある時間において形成できるビームは、1つとなる。したがって、アナログBFのみを用いて複数のビームを送信する場合には、同じリソースで同時に送信することはできないため、ビームを時間的に切り替えたり、回転させたりする必要がある。
なお、デジタルBFとアナログBFとを組み合わせたハイブリッドBF構成とすることも可能である。将来の無線通信システム(例えば、5G)では、大規模MIMOの導入が検討されているが、膨大な数のビーム形成をデジタルBFだけで行うとすると、回路構成が高価になってしまう。このため、5GではハイブリッドBF構成が利用されると想定される。
BF動作としては、1つのBFを利用するシングルBF動作(Single BF operation)、複数のBFを利用するマルチプルBF動作(Multiple BF operation)がある(図2、図3参照)。シングルBF動作を用いたUL送信では、複数のユーザ端末間でULのビーム(指向性)が直交する(衝突を避ける)ように直交プリアンブル(Orthogonal preambles)が適用される(図2A参照)。このため、図3Aに示すように、周波数領域−時間領域において、同じリソースを用いることができる。
マルチプルBF動作を用いたUL送信では、複数のユーザ端末間でULのビーム(指向性)が直交する(衝突を避ける)ようにBFを適用する。例えば、マルチプルBF動作において、時間方向において異なるビームパターンを適用しながら複数回送信して、最適なRxビームを選択することが考えられる(ビーム走査)(図2B参照)。図3Bは、無線基地局(gNBとも呼ぶ)におけるマルチプルBF動作の一例を示している。この場合、無線基地局は、複数の単位時間区間で異なるRxビームでユーザ端末からの信号を受信する。図3Cは、無線基地局とユーザ端末におけるマルチプルBF動作の一例を示している。この場合においても、無線基地局は、複数の単位時間区間で異なるRxビームでユーザ端末からの信号を受信する。一方、ユーザ端末は、特定のTxビーム(図3CにおけるUEビーム#1、UEビーム#2)で信号を送信する。
マルチプルBF動作の場合、シングルBF動作に比べて直交プリアンブルの数を少なくすることができる。また、マルチプルBF動作の場合、時間方向において異なるビームパターンを適用するので、時間領域において、より多くのPRACH(Physical Random Access Channel)リソースが必要となる。
無線基地局とユーザ端末との間のビーム送受信においては、無線基地局(又は、ユーザ端末)が送信に適用するビーム(Tx BF)と受信に適用するビーム(Rx BF)が一致しているか否かに応じてビームを利用した送信方法を適宜制御してもよい。無線基地局等において送信に適用するビームと受信に適用するビームが一致する場合は、Tx/Rxレシプロシティ(reciprocity)が利用できる(サポートしている)と呼んでもよい。一方で、送信に適用するビームと受信に適用するビームが一致しない場合は、Tx/Rxレシプロシティを利用できない(サポートしていない)と呼んでもよい(図4参照)。ここで、送信に適用するビームと受信に適用するビームが一致するとは、完全に一致する場合に限られず、所定の許容範囲において一致する場合も含むものとする。なお、Tx/Rxレシプロシティは、Tx/Rxビームコレスポンデンス(beam correspondence)、Tx/Rxコレスポンデンス、ビームコレスポンデンスと呼んでもよい。
Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用されない場合(図4B参照)、DLTxビームとULRxビームがリンクしないので、ユーザ端末で測定された、BS送信ビーム及び/又はUE受信ビームの情報が無線基地局に報告される必要がある。また、UE送信ビーム及び/又はBS受信ビームの情報が無線基地局で検出される必要がある。
一方で、Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用される場合(図4A参照)、DL信号により検出されたビーム情報がPRACH、RAR、メッセージ3、メッセージ4用のビームフォーミングに用いられる。このように、Tx/Rxレシプロシティを利用すると、DLTxビームとULRxビームがリンクする。
ここで、Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用される場合のランダムアクセス手順の一例について図5を用いて説明する。Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用されるので、DLTxビームとULRxビームがリンクする。
まず、図5に示すように、無線基地局が同期信号や報知チャネル信号をアナログBFによりビームインデックス#1〜#4のTxビームでそれぞれユーザ端末に送信する。ユーザ端末においては、受信したDL信号から最も良いBSTxビームを検出する(Txビーム走査)。これにより、最も良いBSTxビームのビームインデックスを得る。ここでは、ビームインデックス#1のBSTxビームが最も良いと仮定する。
ユーザ端末は、得られたBSTx/Rxビームのビームインデックス#1に対応するPRACHリソースを用いてPRACH送信する。Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用される場合、無線基地局は、好適な受信ビーム(ビームインデックス#1)でPRACHを検出し、対応するBSTx/Rxビームインデックス#1を得ることができる(Rxビーム走査)。無線基地局及びユーザ端末は、RAR送信以降のランダムアクセス手順において最適なビームを用いて送受信を行う。
なお、どのPRACHリソースがどのBSTx/Rxビームのビームインデックス、あるいは、各BSTx/Rxビームに対応した時間及び/又は周波数等の無線リソースに関連づけられているかの情報は、仕様で予め決められても良いし、報知情報、上位レイヤシグナリングや下り制御信号等で無線基地局からユーザ端末に通知しても良い。
ところで、既存のLTEシステムのランダムアクセス手順では、PRACHの再送制御が規定されている。既存のランダムアクセス手順では、ユーザ端末は、ランダムアクセスプリアンブル送信後、所定の区間の間、メッセージ2(RAR)の受信を試みる。メッセージ2の受信に失敗した場合には、PRACHの送信電力を上げてメッセージ1を再度送信(再送)する。なお、信号の再送時に送信電力を増加させることを、パワーランピングともいう。
しかしながら、図5に示すように、ランダムアクセス手順にマルチプルBFを適用する場合、PRACHの再送やパワーランピングをどのように適用するかについて決められていない。本発明者らは、無線基地局においてPRACHが受信できなかった場合、すなわち、ユーザ端末においてPRACH送信に対する応答信号の受信が成功しなかった場合(PRACHの再送が必要になった場合)、異なるBSTx/Rxビームのビームインデックスを用いる動作、又はそれに加えてパワーランピングを適用して、PRACHの再送を行うことを提案する。
すなわち、本発明の一態様は、無線基地局から送信されるDL信号を受信する受信部と、前記DL信号に基づいて選択した所定のランダムアクセスプリアンブル(PRACH)リソースを用いてPRACHを送信する送信部と、前記無線基地局において前記PRACH送信に対する応答信号の受信が成功しなかった場合、前記所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する制御部と、を有するユーザ端末により、PRACHの再送を行うことである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
なお、本明細書において、複数のビーム(ビームパターン)が異なるとは、例えば、複数のビームにそれぞれ適用される下記(1)−(6)のうち、少なくとも1つが異なる場合を表すものとするが、これに限られるものではない。(1)プリコーディング、(2)送信電力、(3)位相回転、(4)ビーム幅、(5)ビームの角度(例えば、チルト角)、(6)レイヤ数。なお、プリコーディングが異なる場合、プリコーディングウェイトが異なってもよいし、プリコーディングの方式(例えば、線形プリコーディングや非線型プリコーディング)が異なってもよい。ビームに線型/非線型プリコーディングを適用する場合は、送信電力や位相回転、レイヤ数なども変わり得る。
線形プリコーディングの例としては、ゼロフォーシング(ZF:Zero-Forcing)規範、正規化ゼロフォーシング(R−ZF:Regularized Zero-Forcing)規範、最小平均二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)規範などに従うプリコーディングが挙げられる。また、非線形プリコーディングの例としては、ダーティ・ペーパ符号化(DPC:Dirty Paper Coding)、ベクトル摂動(VP:Vector Perturbation)、THP(Tomlinson Harashima Precoding)などのプリコーディングが挙げられる。なお、適用されるプリコーディングは、これらに限られない。
(第1の態様)
第1の態様においては、PRACHを再送する際に、PRACH送信の際に用いたPRACHリソースと異なるPRACHリソース(例えば、異なるビームインデックスに対応するリソース)でPRACHを再送する。第1の態様について、図6を用いて説明する。図6は、PRACHの再送制御の一例を示す図である。なお、図6では、4つのビームインデックス(#1〜#4)を適用する場合を示すが、ビームインデックスの数はこれに限られない。
図6に示すように、無線基地局が同期信号や報知チャネル信号をアナログBFによりビームインデックス#1〜#4のTxビームでそれぞれユーザ端末に送信する。ユーザ端末においては、受信したDL信号から最も良いBSTxビームを検出する(Txビーム走査)。これにより、最も良いBSTxビームのビームインデックスを得る。ここでは、ビームインデックス#1のBSTxビームが最も良いとする。
ユーザ端末は、得られたBSTx/Rxビームのビームインデックス#1に対応するPRACHリソースを用いてPRACH送信する(初期プリアンブル送信)。Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用される場合、無線基地局は、好適な受信ビーム(ビームインデックス#1)でPRACHを検出し、対応するBSTx/Rxビームインデックス#1を得ることができる(Rxビーム走査)。
一方で、無線基地局は、ユーザ端末から送信される初期プリアンブルを受信できないことがある。この場合、無線基地局はランダムアクセス応答(RAR)を送信することができない。すなわち、ユーザ端末は、PRACH送信に対する応答信号を受信できない。
この場合、ユーザ端末は、初期プリアンブル送信を失敗したと想定して、ランダムアクセスプリアンブルの再送を行う。この際、ユーザ端末は、初期プリアンブル送信で用いた所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御することができる。
ユーザ端末がランダムアクセスプリアンブルの送信が成功しなかった(失敗した)と判定する方法としては、所定期間におけるRARの受信有無がある。例えば、ユーザ端末は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した後に設定される所定期間にRARを受信できなかった場合に、ランダムアクセスプリアンブルの送信が失敗したと想定して再送を行う。
初期プリアンブル送信で用いたPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する場合、大きく分けて以下の2通りの方法が挙げられる。
第1の方法としては、初期プリアンブル送信で用いたTx/Rxビームインデックス(ビームインデックス#1)に対応するPRACHリソースと異なる他のPRACHリソースを用いてPRACHを再送する。他のPRACHリソースとしては、ビームインデックス#1と異なるTx/Rxビームインデックス(図6ではビームインデックス#2)に対応するPRACHリソースとすることができる。この場合、パワーランピングを適用してもよいし、適用せずに他のPRACHリソースに切り替えてもよい。この方法によれば、ユーザ端末が適切でないビームインデックスに対応する(括りついた)PRACHリソースを選択した場合であっても、他のビームインデックスに対応するPRACHリソースに素早く切り替えてランダムアクセスプリアンブルの送信を行うことができる。このようにすることで、無線基地局においてランダムアクセスプリアンブル受信の成功確率を上げることが出来る。
第2の方法としては、同じTx/Rxビームインデックスを用いて複数回初期プリアンブル送信を行う。その上で、無線基地局において初期プリアンブルを受信できないことが判定された(例えば、ユーザ端末がRARを受信できない)場合に、初期プリアンブル送信で用いたTx/Rxビームインデックス(ビームインデックス#1)に対応するPRACHリソースと異なる他のPRACHリソースを用いてPRACHを再送する。他のPRACHリソースとしては、ビームインデックス#1と異なるTx/Rxビームインデックス(図6ではビームインデックス#2)に対応するPRACHリソースとすることができる。すなわち、所定のPRACHリソースを用いた再送が所定回数失敗した場合に、異なるPRACHリソースを用いて再送制御を行う。
この場合、パワーランピングを適用してもよい。パワーランピングを適用する場合、同じTx/Rxビームインデックスに対応するPRACHリソースを用いて送信パワーを徐々に大きくして複数回初期プリアンブル送信を行う。その上で、所定のPRACHリソースを用いた再送が所定回数失敗した場合(又は、ランピングにより所定パワーに達した場合)に、異なるPRACHリソースを用いて再送制御を行う。
第2の方法においてパワーランピングを適用する場合の電力制御は既存のLTEシステムと同じ方法を利用してもよいし、異なる方法を適用してもよい。異なる方法としては、既存のLTEシステムより1回のランピングで増加する電力の幅を大きくしてもよい。この場合、同じTx/Rxビームインデックスに対応するPRACHリソースを利用した再送回数を少なく設定することにより、異なるビームインデックスに対応するPRACHリソースに素早く切り替えることができる。
第2の方法によれば、ユーザ端末が適切なビームインデックスに対応するPRACHリソースを選択した場合には同じプリアンブルを繰り返し再送することによりPRACH送信の成功確率を向上し、適切でないビームインデックスに対応するPRACHリソースを選択した場合であっても、他のビームインデックスに対応するPRACHリソースに切り替えてランダムアクセスプリアンブルの送信を行うことができる。
なお、第1の方法又は第2の方法において、初期プリアンブル送信で用いたPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHを再送する場合、初期プリアンブル送信の際のパワーランピングで大きくなったパワーをPRACH再送にそのまま利用しても良い。あるいは、異なるPRACHリソースで再送を行う際にはパワーを初期化しても良い。
第1の方法及び第2の方法においては、準備されている全てのビームを用いてPRACH送信/再送を行っても、無線基地局において初期プリアンブルを受信できない場合には、ユーザ端末はradio link failureと判断してもよい。この場合、システムにおいて異なる周波数で無線基地局−ユーザ端末間の再接続を試みるように制御する。
第1の方法及び第2の方法において、初期プリアンブル送信で用いたPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHを再送する場合、用いるPRACHリソースについては予め決めておいても良く、無線基地局が報知しても良い。例えば、PRACH送信を失敗したビームのビームインデックスに1インクリメント(増加)したビームインデックスに対応するPRACHリソースを次の再送に用いるように予め決めておいても良いし、再送に用いるビームインデックスに対応するPRACHリソースの順番を無線基地局が報知しても良い。また、非衝突型(Non-contention-based)ランダムアクセスの場合は、ネットワーク側から制御チャネルで複数のビームインデックス及びビームインデックスに対応するPRACHリソースを使用する順番等を通知しても良い。
(第2の態様)
第2の態様においては、所定のPRACHリソースを用いたPRACH送信の後に、PRACHの再送制御を行う場合、再送回数に応じて所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを追加してPRACH再送する。第2の態様について、図7を用いて説明する。図7は、PRACHの再送制御の一例を示す図である。
図7に示すように、無線基地局が同期信号や報知チャネル信号をアナログBFによりビームインデックス#1〜#4のTxビームでそれぞれユーザ端末に送信する。ユーザ端末においては、受信したDL信号から最も良いBSTxビームを検出する(Txビーム走査)。これにより、最も良いBSTxビームのビームインデックスを得る。ここでは、ビームインデックス#1のBSTxビームが最も良いとする。
ユーザ端末は、得られたBSTx/Rxビームのビームインデックス#1に対応するPRACHリソースを用いてPRACH送信する(初期プリアンブル送信)。Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用される場合、無線基地局は、好適な受信ビーム(ビームインデックス#1)でPRACHを検出し、対応するBSTx/Rxビームインデックス#1を得ることができる(Rxビーム走査)。一方で、無線基地局は、ユーザ端末から送信される初期プリアンブルを受信できないことがある。この場合、無線基地局はランダムアクセス応答(RAR)を送信することができない。すなわち、ユーザ端末は、PRACH送信に対する応答信号を受信できない。
この場合においては、初期プリアンブル送信で用いた所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する。このとき、PRACHを複数又は繰り返して送信する。例えば、PRACH再送の際に、図7に示すように、ビームインデックス#1のPRACHリソースを用いてPRACH送信すると共に、ビームインデックス#2のPRACHリソースを用いてPRACH送信する。あるいは、ビームインデックス#1のPRACHリソースを用いてPRACH送信の後に、ビームインデックス#2のPRACHリソースを用いてPRACH送信する(第1プリアンブル再送)。前者はデジタルBFを利用する場合に好適に適用でき、後者はアナログBF利用する場合に好適に適用できる。
さらに、ユーザ端末がPRACH送信に対する応答信号を受信できない場合には、ビームインデックス#1のPRACHリソースを用いてPRACH送信すると共に、ビームインデックス#2のPRACHリソース及びビームインデックス#3のPRACHリソースを用いてPRACH送信する。あるいは、ビームインデックス#1のPRACHリソースを用いてPRACH送信の後に、ビームインデックス#2のPRACHリソースを用いてPRACH送信し、その後にビームインデックス#3のPRACHリソースを用いてPRACH送信する(第2プリアンブル再送)。前者はデジタルBFを利用する場合に好適に適用でき、後者はアナログBF利用する場合に好適に適用できる。
第2の態様においても、パワーランピングを適用してもよい。この場合、同じTx/Rxビームインデックスに対応するPRACHリソースを用いて送信パワーを徐々に大きくして複数回初期プリアンブル送信を行う。その上で、無線基地局において、初期プリアンブルを受信できないことが判定された際に、初期プリアンブル送信で用いたTx/Rxビームインデックス(ビームインデックス#1)と異なるTx/Rxビームインデックス(図7ではビームインデックス#2)に対応するPRACHリソースも用いてPRACHを再送する。すなわち、所定のPRACHリソースを用いた再送が所定回数失敗した場合に、異なるPRACHリソースを追加して再送制御を行う。
この方法によれば、ユーザ端末が適切なビームインデックスを選択した場合には同じプリアンブルを繰り返し再送することによりPRACH送信の成功確率を向上し、適切でないビームインデックスに対応するPRACHリソースを選択した場合であっても、追加した他のビームインデックスに対応するPRACHリソースを用いたプリアンブル送信を行うことができる。
第2の方法において再送時に時間で連続したPRACHリソースを選択するようにしても良い。このようにすることで無線基地局において連続するPRACHをコヒーレント合成し、PRACH送信の受信確率を向上させることが出来る。一方、高い周波数において、位相雑音の影響がある場合はコヒーレント合成を適用できない。したがって、このような場合では、選択ダイバーシチ効果により受信確率を高められるよう、再送時に時間で連続しないPRACHリソースを選択するようにしても良い。
第2の方法においてパワーランピングを適用する場合の電力制御は既存のLTEシステムと同じ方法を利用してもよいし、異なる方法を適用してもよい。また、パワーランピングを適用する場合には、準備されているすべてのビーム(図7では#1−#4)を追加してPRACH送信/再送を行っても、無線基地局において初期プリアンブルを受信できないときにパワーランピングを行う構成としても良い。
また、初期プリアンブル送信で用いたビームインデックスに対応するPRACHリソースと異なるPRACHリソース(他のビームインデックスに対応するPRACHリソース)を追加してPRACHを再送する場合、初期プリアンブル送信の際のパワーランピングで大きくなったパワーをPRACH再送にそのまま利用しても良いし、PRACH再送の際にはパワーを初期化しても良い。
第2の態様においては、準備されているすべてのビームを追加してPRACH送信/再送を行っても、無線基地局において初期プリアンブルを受信できない場合には、ユーザ端末はradio link failureと判断してもよい。この場合、システムにおいて異なる周波数で無線基地局−ユーザ端末間の再接続を試みるように制御する。
第2の態様において、初期プリアンブル送信で用いたビームインデックスに対応するPRACHリソースと異なるPRACHリソースを追加してPRACHを再送する場合、用いるPRACHリソースについては予め決めておいても良く、無線基地局が報知しても良い。例えば、失敗したビームのビームインデックスに1インクリメント(増加)したビームインデックスのPRACHリソースを次の再送に追加するように予め決めておいても良いし、再送に用いるビームインデックスに対応するPRACHリソースの順番を無線基地局が報知しても良い。また、非衝突型ランダムアクセスの場合は、ネットワーク側から制御チャネルで複数のビームインデックス及びビームインデックスに対応するPRACHリソースを使用する順番等を通知しても良い。
第1の態様及び第2の態様において、PRACHを再送する場合、ユーザ端末において、BSTxビームで送信された下り信号で最も良いBSTxビームを再検出し、その後に本発明に係るPRACH再送を行っても良い。このように最も良いBSTxビームを再検出することにより、より効率良く無線基地局側でPRACHを受信することができる。
本発明において、Tx/Rxビームコレスポンデンスが適用されない場合には、PRACHを複数送信する必要がある。この場合には、実際に用いる繰り返し数に基づいて算出したパワーを用いてPRACHを送信しても良い。この場合においても、パワーランピングを適用する場合には、上述したようにパワーランピングを行う。
本発明において、PRACHを複数回繰り返して送信する処理を行う場合には、所定の繰り返し回数の後にビームインデックスを変えてPRACH送信しても良い。また、PRACH信号に周波数ホッピングを適用する場合には、周波数ホッピングする毎にビームインデックスを変えても良い。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
図8は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)等と呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
無線通信システム1においては、複数のビームフォーミングを利用する無線基地局がユーザ端末と通信するものであって、ユーザ端末において、無線基地局のビームに関するビーム情報を含むランダムアクセスプリアンブル(PRACH)を送信し、無線基地局において、ビーム情報を含むPRACHを受信する。
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrier等と呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース等)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、等と呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイント等と呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び無線基地局12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−A等の各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネル等が用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)等が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)等を含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)等が伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACK等ともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCI等の伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)等が用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報等が伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)等が伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)等が伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
(無線基地局)
図9は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部103は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
送受信部103は、ユーザ端末でのビーム測定のために、同期信号、報知チャネル信号、ビームパターン測定用の参照信号を送信してもよい。また、送受信部103は、DL信号のビームに関するビーム情報を含むランダムアクセスプリアンブル(PRACH)を受信する。また、送受信部103は、ユーザ端末が最適なビーム情報(例えば、ビームインデックス)を用いて送信したPRACHを受信する。
図10は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、下り制御信号(例えば、送達確認情報等)や下りデータ信号の生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI−RS、DMRS等の下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認情報)、PRACHで送信されるRACHプリアンブルや、上り参照信号等のスケジューリングを制御する。
制御部301は、ベースバンド信号処理部104によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部103によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、Txビーム及び/又はRxビームを形成するように制御する。制御部301は、ユーザ端末から複数回送信されたPRACHを、BSRxビーム走査をしながら検出する。これにより、最も良いBSRxビームを測定することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号等)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)等に基づいて決定された符号化率、変調方式等に従って符号化処理、変調処理が行われる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号等)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
(ユーザ端末)
ユーザ端末は、無線基地局から送信されるDL信号を受信し、DL信号に基づいて選択した所定のPRACHリソースを用いてPRACHを送信し、PRACH送信に対する応答信号の受信が成功しなかった場合、所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する。
図11は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等を行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理等が行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部203は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
送受信部203は、ビーム測定のために、同期信号、報知チャネル信号、ビームパターン測定用の参照信号を受信してもよい。また、送受信部203は、DL信号から検出したビームに関するビーム情報を含むランダムアクセスプリアンブル(PRACH)を送信する。このとき、送受信部203は、最適なビーム情報(例えば、ビームインデックス)を用いてPRACHを送信する。
図12は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認情報等)や上りデータ信号の生成を制御する。
制御部401は、ベースバンド信号処理部204によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部203によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御する。
制御部401は、受信したDL信号から最も良いBSTxビームを検出し、最も良いBSTxビームのビームインデックスを得るように制御する。また、制御部401は、第1の態様において、所定のPRACHリソース(例えば、ビームインデックス)と異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する。また、制御部401は、所定のPRACHリソースを用いた再送が所定回数失敗した場合に、所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いて再送制御を行う。また、制御部401は、第2の態様において、所定のPRACHリソースを用いてPRACHを送信した後にPRACHの再送制御を行う場合、再送回数に応じて所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを追加してPRACHの再送を行う。また、制御部401は、所定のPRACHリソースを用いた再送制御においてパワーランピングを適用する。この場合においては、制御部401は、所定のPRACHリソース(初期PRACH送信のPRACHリソース)及び所定のPRACHリソースと異なるPRACHリソースを用いてPRACHの再送を制御する。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号等)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号等)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCI等を、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。例えば、測定部405は、無線基地局10から送信されたビーム形成用RSを用いて測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、受信SINR)やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末等は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105等は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データ等を、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)等)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等ともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106等は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号等と呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数等と呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーション等の処理単位となってもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレーム等と呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレーム等と呼ばれてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア等と呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボル等の構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長等の構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータ等は、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータ等に使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号等は、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号等は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号等は、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号等は、削除されてもよい。入力された情報、信号等は、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)等)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)等と呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージ等であってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波等)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセル等の用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセル等の用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」等の文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)等が考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等の電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年11月2日出願の特願2016−215568に基づく。この内容は、全てここに含めておく。