JPWO2018074005A1 - 聴覚補助装置 - Google Patents

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Abstract

左右それぞれの耳で補聴することが可能であり、音量等を容易に調整できる聴覚補助装置を提供する。聴覚補助装置10は、本体部13と、本体部13と第1配線14を経由して接続された第1装着部11と、本体部13と第2配線15を経由して接続された第2装着部12と、を主要に有している。聴覚補助装置10の機能は、外部から聞こえる音を第1装着部11および第2装着部12に内蔵されたマイク部で電気信号に変換し、この電気信号を本体部13に内蔵された増幅回路で増幅し、増幅された電気信号を第1装着部11および第2装着部12に内蔵されたスピーカ部で音声信号に変換することにある。このようにすることで、第1装着部11および第2装着部12を各耳に装着する使用者は、外音を聞き取りやすく成り、他者との会話を円滑に行い、生活音を正確に聞き取ることで生活の質を向上すると共に危険を回避することができる。

Description

本発明は、聴覚補助装置に関し、特に、本体部を耳に掛けて使用し、片耳でも両耳でも補聴できる聴覚補助装置に関する。
従来から存在する一般的な補聴器としては、概略的に、本体を胸ポケット等に収納するポケット型補聴器と、本体を耳にかける耳掛型補聴器と、本体を耳穴に挿入する耳穴型補聴器と、がある。
ポケット型の補聴器では、比較的大型の本体とイヤホンとを配線を経由して接続して使用する。ポケット型の補聴器では、大型のバッテリを備えることが可能なことから、出力を大きくすることができ、バッテリを交換する頻度を少なくすることができる。係るポケット型の補聴器は、例えば特許文献1に記載されている。
耳掛型補聴器では、本体部が耳に掛けられる程度に軽量かつ小型であるため、装置全体がコンパクトである。更には、本体部の後部に配置されたダイヤル等を操作することで、音量等を容易に操作することができる。このような耳掛型補聴器は、例えば特許文献2に記載されている。
耳穴型補聴器では、本体部を含めた装置の大部分が耳孔に収納されるため、補聴器が更にコンパクトとなり、使用者の負担を小さくすることができる。係る耳穴型補聴器は、例えば特許文献3に記載されている。
特開2002−369295号公報 特開2010−124446号公報 特開2001−128297号公報
しかしながら、上記したポケット型の補聴器では、本体自体が比較的大型であるため、使用者が携行する負担が大きいという課題があった。
また、耳掛型補聴器では、コンパクトであるが故に携行に伴う負担は比較的小さいものの、一方の耳のみに使用されるため、使用者は外音の音源の位置を知ることは困難であった。また、この対処方法として耳掛型補聴器を両耳に装着することも考えられるが、そのようにすると、補聴器の導入やメンテナンスにかかる費用および手間が大きくなり、更には、音量やバランスの調節が煩雑となる等の課題が生じてしまう。
更にまた、耳穴型補聴器でも、耳掛型補聴器と同様に、左右の両耳に耳穴型補聴器を装着すると、補聴器の導入やメンテナンスにかかる費用が大きくなる等の課題を有していた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、左右それぞれの耳で補聴することが可能であり、音量等を容易に調整できる聴覚補助装置を提供することにある。
本発明の聴覚補助装置は、一方側から聞こえる外部の音を第1電気信号に変換する第1マイク部と、前記第1電気信号を増幅することで生成された第1増幅電気信号を第1音声信号に変換する第1スピーカ部と、を有し、使用者の一方側の耳に装着される第1装着部と、他方側から聞こえる外部の音を第2電気信号に変換する第2マイク部と、前記第2電気信号を増幅することで生成された第2増幅電気信号を第2音声信号に変換する第2スピーカ部と、を有し、使用者の他方側の耳に装着される第2装着部と、前記第1電気信号を前記第1増幅電気信号に増幅する第1増幅回路と、前記第2電気信号を前記第2増幅電気信号に増幅する第2増幅回路と、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路に電流を供給する電源部と、を有する本体部と、を具備し、前記本体部は使用者の一方側の耳に掛けることが可能な大きさと形状を呈し、前記第1装着部は第1配線を介して前記本体部に接続され、前記第2装着部は第2配線を介して前記本体部に接続されることを特徴とする。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記本体部の後部に、前記第1音声信号または前記第2音声信号の増幅度を調整するボリューム調節部を有することを特徴とする。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記第2配線が前記本体部に非接続の際には、前記第2増幅回路は、前記第2増幅電気信号を生成しないことを特徴とする。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記本体部の上端側に、前記第1配線との接続部が配置され、前記本体部の下端側に、前記第2配線との接続部が着脱可能に配置されることを特徴とする。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記第2装着部は、前記第2配線を介して着脱可能に前記本体部に接続されることを特徴とする。
本発明の聴覚補助装置は、一方側から聞こえる外部の音を第1電気信号に変換する第1マイク部と、前記第1電気信号を増幅することで生成された第1増幅電気信号を第1音声信号に変換する第1スピーカ部と、を有し、使用者の一方側の耳に装着される第1装着部と、他方側から聞こえる外部の音を第2電気信号に変換する第2マイク部と、前記第2電気信号を増幅することで生成された第2増幅電気信号を第2音声信号に変換する第2スピーカ部と、を有し、使用者の他方側の耳に装着される第2装着部と、前記第1電気信号を前記第1増幅電気信号に増幅する第1増幅回路と、前記第2電気信号を前記第2増幅電気信号に増幅する第2増幅回路と、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路に電流を供給する電源部と、を有する本体部と、を具備し、前記本体部は使用者の一方側の耳に掛けることが可能な大きさと形状を呈し、前記第1装着部は第1配線を介して前記本体部に接続され、前記第2装着部は第2配線を介して前記本体部に接続されることを特徴とする。従って、一方側から聞こえる外音は、第1装着部の第1マイク部、本体部の第1増幅回路、および第1装着部の第1スピーカ部を経て、増幅された第1音声信号として、使用者が一方側の耳で聞くことができる。また、他方側から聞こえる外音は、第2装着部の第2マイク部、本体部の第2増幅回路、および第2装着部の第2スピーカ部を経て、増幅された第2音声信号として、使用者が他方側の耳で聞くことができる。よって、使用者は、増幅された外音が聞けるだけでなく、外音の方向性も知ることができ、生活の中の危険を回避することができる。
更に本発明では、本体部は使用者の耳に掛けられる大きさと形状を呈しているので、長時間に渡って使用しても、煩わしさを感じることを抑制している。更に、第2装着部は、第2配線を介して着脱可能に本体部に接続されていることから、第22装着部を本体部から外して、第1装着部のみを用いて片耳で使用することもできる。
更に、特段のスイッチ操作をすること無く、第2配線を本体部から引き抜くことで、片耳のみで補聴することができるので、使用者が高齢者であっても、両耳補聴から片耳補聴に簡易に移行することができる。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記本体部の後部に、前記第1音声信号または前記第2音声信号の増幅度を調整するボリューム調節部を有することを特徴とする。従って、使用者は本体部の後部に配置されたボリューム調節部を操作することで、第1音声信号または第2音声信号の増幅度を容易に調整することができる。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記第2配線が前記本体部に非接続の際には、前記第2増幅回路は、前記第2増幅電気信号を生成しないことを特徴とする。従って、第2装着部が第2配線を介して接続されていない間は、第2増幅回路が実質的に動作しないことで、装置全体で消費する電力を小さくし、電源の寿命を長くすることができる。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記本体部の上端側に、前記第1配線との接続部が配置され、前記本体部の下端側に、前記第2配線との接続部が着脱可能に配置されることを特徴とする。従って、使用者の耳に装着された状態の本体部から、第2配線を引き抜くだけで、第2装着部2を本体部から離脱させ、第1配線を介して接続された第1装着部のみを用いて片耳で補聴することができる。
また、本発明の聴覚補助装置では、前記第2装着部は、前記第2配線を介して着脱可能に前記本体部に接続されることを特徴とする。従って、使用者は周囲の音を詳細に聞きたい場合は第2装着部を本体部に接続し、簡易に聴覚補助装置を使用する場合は第2装着部を本体部から離脱させることができる。
本発明の実施形態に係る聴覚補助装置を示す図であり、(A)は装置全体を示す図であり、(B)は第1装着部の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る聴覚補助装置を使用者が装着する状態を示す図であり、(A)は使用者を上方から見た図であり、(B)は装着部を耳に装着している状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る聴覚補助装置の本体部を示す図である。 本発明の実施形態に係る聴覚補助装置に組み込まれる増幅回路を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る聴覚補助装置において、音圧入力と消費電流との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る聴覚補助装置10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では上下前後左右の各方向を適宜用いる。
図1を参照して、本形態の聴覚補助装置10の概略構成を説明する。図1(A)は聴覚補助装置10の全容を示す図であり、図1(B)は第1装着部11の内部構成を示す断面図である。
図1(A)を参照して、聴覚補助装置10は、本体部13と、本体部13と第1配線14を経由して接続された第1装着部11と、本体部13と第2配線15を経由して接続された第2装着部12と、を主要に有している。
聴覚補助装置10の機能は、外部から聞こえる外音を第1装着部11および第2装着部12に内蔵されたマイク部で電気信号に変換し、この電気信号を本体部13に内蔵された増幅回路で増幅し、増幅された電気信号を第1装着部11および第2装着部12に内蔵されたスピーカ部で音声信号に変換することにある。このようにすることで、第1装着部11および第2装着部12を各耳に装着する使用者29(図2(A))は、外音を聞き取りやすく成り、他者との会話を円滑に行い、生活音を正確に聞き取ることで生活の質を向上すると共に危険を回避することができる。かかる構成の聴覚補助装置10は、補聴器や集音器と称されることもある。また、聴覚補助装置10は、所謂耳掛型のタイプである。更に、本実施形態にかかる聴覚補助装置10は、集音器と称されることもある。
第1装着部11は、聴覚補助装置10を使用する使用者29がその耳に装着する部位であり、耳孔部分的に挿入可能な略円筒形状を呈している。図1(B)に示すように、第1装着部11は、後述する耳介33で反射した外音を電気信号に変換する第1マイク部20と、増幅された電気信号を音声信号に変換する第1スピーカ部21とを内蔵している。第2装着部12も同様に、ここでは図示しないマイク部とスピーカ部とを内蔵している。
本体部13は、第1装着部11および第2装着部12から入力された電気信号を増幅し、この増幅された電気信号を第1装着部11および第2装着部12に出力する。後述するように、本体部13の外形を成すケーシング25は、射出成形された合成樹脂からなり、使用者29の耳と頭部側面との境界部分に後方側から密着可能な湾曲形状を呈している。
また、本体部13の上端部側と第1装着部11とは第1配線14を経由して接続している。第1配線14の一端側は、本体部13の内部で図示しない実装基板に半田付けされることで固着されており、第1配線14の他端側は、第1装着部11に固着されている。即ち、本体部13と第1装着部11とは、両者に固着された第1配線14を経由して接続されており、使用状況下にて第1装着部11を本体部13から離脱させることは想定されていない。
一方、第2配線15の一端側に配置されたプラグ16は、本体部13の下端に配置されたソケット17に挿入されている。プラグ16をソケット17に挿入する構造は、所謂イヤホンジャックと同様で良い。第2配線15の他端側は、第2装着部12に固着されている。かかる構成により、第2装着部12は着脱自在に本体部13に接続でき、使用者29は状況に応じて、第1装着部11および第2装着部12または第1装着部11のみを用いることができる。
第1装着部11と本体部13とを繋ぐ第1配線14は、第2装着部12と本体部13とを接続する第2配線15よりも短い。よって、後述するように、本体部13を右耳32に掛け、第1装着部11を右耳32の耳孔に装着し、第2装着部12を左耳31の耳孔に装着することができる。
図1(B)を参照して、第1装着部11では、例えば略円筒状を呈するケーシング18の内部に、第1マイク部20および第1スピーカ部21が配置されている。第1マイク部20は使用者29から見て外側に配置され、第1スピーカ部21は内側に配置されている。また、ケーシング18の内側端部にはイヤーピース22が配置されており、使用状況下において、イヤーピース22は使用者29の耳孔に挿入される。
図2を参照して、上記した概略構成の聴覚補助装置10を使用者29が装着する方法を説明する。図2(A)は例えば難聴者である使用者29が聴覚補助装置10を装着している状態を示し、図2(B)は第1装着部11を装着している右耳32を示す断面図である。
図2(A)を参照して、ここでの使用者29は、その頭部30と右耳32との付け根部分に後方から本体部13を掛けている。また、使用者29は、右耳32の耳孔に第1装着部11を装着し、左耳31の耳孔に第2装着部12を装着している。本体部13と第1装着部11とは、右耳32の上方側を経由する第1配線14を介して接続され、本体部13と第2装着部12とは、頭部30の後方側を経由する第2配線15を介して接続される。
図2(B)を参照して、第1装着部11が右耳32に装着される構成を説明する。ここでは、第1装着部11のイヤーピース22が、右耳32側の外耳道34に挿入されることで、第1装着部11は右耳32に固定されている。また、この装着された状況で、第1装着部11の第1マイク部20は外側に配置され、第1スピーカ部21は内側に配置されている。第1マイク部20は、耳介33の外側端部よりも内側に配置されている。第1マイク部20で生成された電気信号は、本体部13で増幅されて増幅電気信号とされた後に、第1スピーカ部21で音声信号に変換される。このようにすることで、耳介33で反射した外音を第1マイク部20で良好に集音でき、耳介33で集音したクオリティの高い音を第1マイク部20で電気信号に変換し、この電気信号に基づく増幅信号を第1スピーカ部21で音声信号に変換し、使用者29は右耳32でその高品質な音声信号を聞くことができる。
ここでは図示していないが、上記した第2装着部12も、第1装着部11と同様の構成を有し、第1装着部11と同様に左耳31の耳孔に挿入固定される。そして、左耳31の外耳で反射した反射音は、第2装着部12に内蔵されるマイク部で電気信号に変換され、更に本体部13で増幅電気信号に変換され、第2装着部12に内蔵されたマイク部から音声信号が発せられる。
このように、右耳32および左耳31の各々において、耳介33で反射した反射音をマイク部で電気信号に変換し、この電気信号を増幅した増幅電気信号をスピーカ部で音声信号に変換することで、使用者29は外音を高品質に補聴することができる。即ち、右耳32の外耳で反射した外音を忠実に再現した音声信号を、第1装着部11を介して右耳32の鼓膜で聞くことができる。同様に、左耳31の外耳で反射した外音を忠実に再現した音声信号を、第2装着部12を介して左耳31の鼓膜で聞くことができる。よって、使用者29は、音源の方向および音源との距離を正確に知ることができ、聴覚を通じて日常生活における危険を察知し、その危険を回避することができる。
また、図2(B)に示したように本形態では、第1装着部11の外側端面に第1マイク部20を配置している。このようにすることで、耳介33の反射音を捕捉する耳介効果を大きくし、よりクリアな音声を第1マイク部20で変換することができ、指向性の高い集音を行うことができる。
また、図2(A)に示したように、第2配線15は、右耳32に掛けられた本体部13から左耳31に装着された第2装着部12まで、頭部30の後方側を引き回しているので、第2配線15が使用者29の活動の邪魔をすることはない。
更に、本形態の聴覚補助装置10は、第2装着部12と本体部13とを接続する第2配線15が、本体部13から着脱可能であることから、状況に応じて、両耳または片耳で補聴することができる。具体的には、使用者29が外音を詳細に補聴する場合等は、上記した第2配線15のプラグ16を、本体部13のソケット17に挿入し、本体部13を右耳32の後方側に掛け、第1装着部11を右耳32の耳孔に挿入し、第2装着部12を左耳31の耳孔に挿入する。一方、使用者29が聴覚補助装置10を簡易的に使用する場合は、第2配線15のプラグ16を本体部13のソケット17から抜き出し、本体部13を右耳32に掛け、第1装着部11のみを用いて一般的な片耳の耳掛け型補聴器として使用する。
更にまた、本形態の聴覚補助装置10は、後述するように、片方の耳に掛ける本体部13に、第1装着部11および第2装着部12に供給される電気信号を増幅する増幅回路を集約している。従って、聴覚補助装置10の外見は片方の耳掛型形状を呈しているが、実際には、左右両側の耳で個別に集音および増幅を行うことができる。
図3を参照して、本体部13の構成を説明する。本体部13は、使用者29の耳に掛けることを可能とする湾曲形状を呈する合成樹脂(例えばABS樹脂)製のケーシング25を備えており、このケーシング25の内部にここでは図示しない実装基板が内蔵されている。この図示しない実装基板には導電パターンが形成されており、リフロー工程で実装基板に固着されたトランジスタ等の回路素子を導電パターンで接続することで、所定の電気回路が実現されている。ここで、ケーシング25の耳掛け部分には、耐久性を増すために、汗に強いシリコン樹脂を採用しても良い。
ケーシング25の上端側には、ここでは図示しない第1装着部11と接続された第1配線14が接続している。第1配線14の本体部13側の端部は、ケーシング25に内蔵された実装基板に固着されている。
ケーシング25の下端側には、接続部としてのソケット17が内蔵されており、このソケット17は実装基板に固着されている。上記したように、ソケット17にプラグ16を挿入することで、本体部13に内蔵された電気回路と第2配線15とを電気的に接続することができる。
ケーシング25の後方側側面からは、ダイヤル式のボリューム調節部26が後方に部分的に突出している。ボリューム調節部26は、第1装着部11および第2装着部12に対応して2連で形成されており、夫々のボリューム調節部26を回転させることで、電気信号の増幅度を調節し、第1装着部11および第2装着部12から発せられる音声信号の大きさを各々調節できる。よって、使用者29は、ボリューム調節部26を回転して調節することで、外部環境に応じて簡単に音量調節を行うことができる。
ここで、ケーシング25の後面には、ボリューム調節部26の他にも操作部が設けられても良い。例えば、本体部13の主たる機能のオンオフ動作を操作する電源スイッチ、第1装着部11と第2装着部12とから発せられる音声信号の大きさのバランスを調節するバランス調部等が、ケーシング25の後面側に形成されても良い。
ここで、上記した本体部13の上端にはフック27が形成されている。第1配線14はフック27の内部を通過している。紙面上におけるフック27の左端は本体部13に固定され、フック27の右端は自由端とされる。フック27は、シリコン樹脂などの柔らかい合成樹脂から成る。フック27の内部には、本体部13に端部が固定された銅線などの金属線が内蔵されても良い。このようにすることで、使用者の耳の形状に即してフック27を変形することができ、使用者が聴覚補助装置10を装着した際の違和感を軽減することができる。
更に、聴覚補助装置10を後方から見た場合、フック27の左右方向の幅は、本体部13の左右方向の幅よりも短くされている。このようにすることで、フック27が左右方向に充分に細くなり、使用者は、メガネを掛けた状態のまま、耳に後方からフック27を掛けることができ、聴覚補助装置10の利便性を向上することができる。
図4を参照して、本形態の聴覚補助装置10に組み込まれる回路に関して説明する。先ず、第1装着部11から供給される電気信号を増幅する第1増幅回路48を説明する。第1装着部11の第1マイク部20は、耳介33を反射した外音を第1電気信号に変換する。第1マイク部20には、プリアンプ38およびALC39が並列に接続しており、これらにより第1電気信号に含まれる過大な音声信号やハウリングが自動的に適正レベルに抑制される。ここで、ALCとは Automatic Level Control の略語である。プリアンプ38およびALC39とパワーアンプ44との間には、ボリューム42が接続されており、可変抵抗器であるボリューム42の抵抗値が調整されることで、第1電気信号の電流値が変更される。パワーアンプ44は、第1電気信号を所定の増幅率で増幅することで、第1増幅電気信号を生成する。この第1増幅電気信号は第1装着部11に送られ、第1スピーカ部21で第1音声信号に変換される。即ち、第1スピーカ部21は、第1増幅電気信号に基づく出力音を再生する。
第2装着部12から供給される電気信号を増幅する第2増幅回路49の構成は、上記した第1増幅回路48と同様である。即ち、第2装着部12の第2マイク部23側から、プリアンプ36およびALC37、ボリューム41およびパワーアンプ43が接続されている。かかる構成により、第2装着部12の第2マイク部23で外音から変換された第2電気信号は、プリアンプ36およびALC37で適正レベルに抑制された後に、ボリューム41で所定の電流値とされ、パワーアンプ43で第2増幅電気信号とされた後に、第2装着部12の第2スピーカ部24で第2音声信号に変換される。
上記した第1増幅回路48と、第2増幅回路49との間には、バランス抵抗40が配置されており、このバランス抵抗40の抵抗値を調整することで、上記した第1音声信号と第2音声信号との大きさの比率を変更することができる。更に、上記した増幅回路には、スイッチ46を経由して電源45から電流が供給されている。
そして、第2装着部12と第2増幅回路49との間に配置されたプラグ16およびソケット17は、スイッチの如く機能している。よって、プラグ16をソケット17から引き抜いて、第1装着部11のみで聴覚補助装置10を用いることで、電源45として用いられる電池の寿命を延ばすことができる。この場合は、図4に示した第1増幅回路48は増幅電気信号を生成するが、第2増幅回路49は増幅電気信号を生成しない。また、プラグ16をソケット17から引き抜くことで、第2装着部12の第2マイク部23から本体部13に電気信号を供給する回路が遮断されると共に、本体部13から第2装着部12の第2スピーカ部24に増幅電気信号を供給する回路も遮断される。
係る事項を、上記した図4および図5のグラフを参照して説明する。図5のグラフにおいて、横軸は上記した各スピーカ部に於ける音圧入力の値を示し、縦軸は消費される電流値を示している。
図5のグラフを参照して、上記したプラグ16をソケット17に接続して第2装着部12を第2増幅回路49に接続した場合、入力音圧レベルが高いほど消費電流が増える。具体的には、消費電流が90dB以上の音圧レベルで、消費電流が音圧レベルに比例して顕著に増えており、大きな音声入力、音声出力で使用すると消費電流が大きくなり、電池寿命が短くなる。
一方、プラグ16をソケット17から引き抜いた場合、抜いた側の第2増幅回路49の消費電流はバイアス電流のみとなり、全体の消費電流が抑制されるので、電池寿命を伸ばすことができる。図5を参照すると、音圧入力無のバイアス電流が1.4mAなので、300mAhの空気電池では214時間の電池寿命がある。
仮に入力音圧が少し大きめで100dBSPLとすると、消費電流は2.5mA程度に増加し、120時間程度の電池寿命となる。一方、プラグ16をソケット17から引き抜いた場合、電流増加分は約半分になり消費電流は1.95mAとなるので、電池寿命は154時間と長くできる。
上記の事から、本形態の聴覚補助装置10では、プラグ16をソケット17から引き抜いて、第1装着部11のみで使用することで、電池寿命を長くして電池交換の煩わしさを軽減し、コスト性を向上することができる。
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図3を参照して、第2配線15は本体部13に対して着脱可能に接続していたが、第2配線15は本体部13に固着されても良い。このような場合であっても、使用者は、第1装着部11および第2装着部12を用いて良好に外音を聞き取ることができる。
10 聴覚補助装置
11 第1装着部
12 第2装着部
13 本体部
14 第1配線
15 第2配線
16 プラグ
17 ソケット
18 ケーシング
20 第1マイク部
21 第1スピーカ部
22 イヤーピース
23 第2マイク部
24 第2スピーカ部
25 ケーシング
26 ボリューム調節部
27 フック
29 使用者
30 頭部
31 左耳
32 右耳
33 耳介
34 外耳道
36 プリアンプ
37 ALC
38 プリアンプ
39 ALC
40 バランス抵抗
41 ボリューム
42 ボリューム
43 パワーアンプ
44 パワーアンプ
45 電源
46 スイッチ
48 第1増幅回路
49 第2増幅回路



Claims (5)

  1. 一方側から聞こえる外部の音を第1電気信号に変換する第1マイク部と、前記第1電気信号を増幅することで生成された第1増幅電気信号を第1音声信号に変換する第1スピーカ部と、を有し、使用者の一方側の耳に装着される第1装着部と、
    他方側から聞こえる外部の音を第2電気信号に変換する第2マイク部と、前記第2電気信号を増幅することで生成された第2増幅電気信号を第2音声信号に変換する第2スピーカ部と、を有し、使用者の他方側の耳に装着される第2装着部と、
    前記第1電気信号を前記第1増幅電気信号に増幅する第1増幅回路と、前記第2電気信号を前記第2増幅電気信号に増幅する第2増幅回路と、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路に電流を供給する電源部と、を有する本体部と、を具備し、
    前記本体部は使用者の一方側の耳に掛けることが可能な大きさと形状を呈し、前記第1装着部は第1配線を介して前記本体部に接続され、前記第2装着部は第2配線を介して前記本体部に接続されることを特徴とする聴覚補助装置。
  2. 前記本体部の後部に、前記第1音声信号または前記第2音声信号の増幅度を調整するボリューム調節部を有することを特徴とする請求項1に記載の聴覚補助装置。
  3. 前記第2配線が前記本体部に非接続の際には、前記第2増幅回路は、前記第2増幅電気信号を生成しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の聴覚補助装置。
  4. 前記本体部の上端側に、前記第1配線との接続部が配置され、
    前記本体部の下端側に、前記第2配線との接続部が着脱可能に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の聴覚補助装置。
  5. 前記第2装着部は、前記第2配線を介して着脱可能に前記本体部に接続されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の聴覚補助装置。
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