JP2015188177A - 聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、携帯端末に、聴力を補助するための処理を行うアプリケーションソフトウェアをインストールして使用する聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォンに関するもので、使用者の満足感を高めることを目的とする。【解決手段】本発明の聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォンは、マイクロフォン付きイヤフォン1に入力された音声信号を携帯端末6に入力する場合に、周波数変換部13によって第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bから入力されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成することによってモノラルタイプ化して入力し、復元処理部16によって第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bから入力されたそれぞれの音声信号に再び復元してそれぞれの音声信号に対して補聴処理を行う。その結果として、使用者の満足感を高めることができる。【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末に、聴力を補助するための処理を行うアプリケーションソフトウェアをインストールするなどして使用する聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォンに関するものである。
従来のこの種、聴力補助装置は、携帯端末の本体に、聴力を補助するための処理を行うアプリケーションソフトウェアを予めインストールするなどして使用するものであって、前記本体に設けられたマイクロフォンから入力された音を、前記アプリケーションソフトウェアを用いて補聴処理し、その補聴処理した音を前記本体に設けられたスピーカから出力するものとなっている(これに類似する先行文献としては下記特許文献1が存在する)。
上記従来例においては、例えば、携帯端末の本体にマイクロフォン付きイヤフォンを接続して使用することが、一般的に広く行われている。そして、このマイクロフォン付きイヤフォンのマイクロフォンから入力された音を補聴処理し、その補聴処理した音を前記マイクロフォン付きイヤフォンのイヤフォンから出力して聴力補助装置として使用するのである。
しかしながら、現在実用化されている携帯端末の音声入力部はモノラルタイプであることが一般的である。したがって、この音声入力部に、マイクロフォン付きイヤフォンを接続すると、携帯端末に一つのマイクロフォンの音だけしか入力することができないので、使用者は、あたかも一方の耳で音を聞く場合のようにしか補聴処理した音を聞くことができないものとなってしまうのである。
その結果として、両耳で音を聞く場合のように、音がいずれの方向から聞こえてくるのかというような聞こえの方向感を実現することができないことがある。これは、例えば道路を歩行中に、近づいてくる自動車の方向を、音を聞くことによって理解することが困難な状態となるのであって、使用状況によっては極めて強い不満を感じるものとなるのであった。
そこで本発明は、使用者の満足感を高めることを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために本発明は、携帯端末と、この携帯端末と交信するマイクロフォン付きイヤフォンとを備える聴力補助装置であって、前記マイクロフォン付きイヤフォンは、使用者の第一耳に装着される第一スピーカと、この第一スピーカの近傍に設けられた第一マイクロフォンと、前記使用者の第二耳に装着される第二スピーカと、この第二スピーカの近傍に設けられた第二マイクロフォンと、前記第一マイクロフォンに入力された音声信号と、前記第二マイクロフォンに入力された音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う周波数変換部と、この周波数変換部で処理した音声信号を前記携帯端末に出力する第一接続部と、を有し、前記携帯端末は、前記マイクロフォン付きイヤフォンの前記第一接続部に接続される第二接続部と、この第二接続部から入力された音声信号を前記第一マイクロフォンおよび前記第二マイクロフォンに入力されたそれぞれの音声信号に復元する復元処理部と、この復元処理部によって復元されたそれぞれの音声信号を補聴処理する補聴処理部と、この補聴処理部および前記復元処理部に接続された制御部と、を備える構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、携帯端末と、この携帯端末と交信するマイクロフォン付きイヤフォンとを備える聴力補助装置であって、前記マイクロフォン付きイヤフォンは、使用者の第一耳に装着される第一スピーカと、この第一スピーカの近傍に設けられた第一マイクロフォンと、前記使用者の第二耳に装着される第二スピーカと、この第二スピーカの近傍に設けられた第二マイクロフォンと、前記第一マイクロフォンに入力された音声信号と、前記第二マイクロフォンに入力された音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う周波数変換部と、この周波数変換部で処理した音声信号を前記携帯端末に出力する第一接続部と、を有し、前記携帯端末は、前記マイクロフォン付きイヤフォンの前記第一接続部に接続される第二接続部と、この第二接続部から入力された音声信号を前記第一マイクロフォンおよび前記第二マイクロフォンに入力されたそれぞれの音声信号に復元する復元処理部と、この復元処理部によって復元されたそれぞれの音声信号を補聴処理する補聴処理部と、この補聴処理部および前記復元処理部に接続された制御部と、を備える構成としたものであるので、使用者の満足感を高めることができる。
すなわち、本発明においては、携帯端末の第二接続部(一般的にモノラルタイプである音声入力部)を介してマイクロフォン付きイヤフォンに入力された音声信号を携帯端末に入力する場合に、周波数変換部によって第一マイクロフォンおよび第二マイクロフォンから入力されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成することによってモノラルタイプ化して入力する。
そして、このモノラルタイプ化された音声信号が携帯端末に入力されると復元処理部によって第一マイクロフォンおよび第二マイクロフォンから入力されたそれぞれの音声信号に再び復元してそれぞれの音声信号に対して補聴処理を行っている。
つまり、一旦、モノラルタイプ化した音声信号を再びステレオタイプに戻してから補聴処理を行うようにしているのである。
そして、補聴処理を行ったそれぞれの音声信号を第一スピーカおよび第二スピーカからそれぞれ出力させている。すなわち、使用者の第一耳および第二耳に補聴処理したそれぞれの音声が第一スピーカおよび第二スピーカからそれぞれ出力されるのである。
したがって両耳で音を聞く場合のように、音がいずれの方向から聞こえてくるのかというような聞こえの方向感を実現することができ、使用者の満足感を高めることができるのである。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は使用者2の耳3に装着されるマイクロフォン付きイヤフォンで、このマイクロフォン付きイヤフォン1は、図1に示すごとく、使用者2の耳3の入り口近傍に装着される本体ケース4によって装着され、例えば、ケーブル5を介してスマートフォンなどの携帯端末6と交信可能な状態で接続されている。
図1において、1は使用者2の耳3に装着されるマイクロフォン付きイヤフォンで、このマイクロフォン付きイヤフォン1は、図1に示すごとく、使用者2の耳3の入り口近傍に装着される本体ケース4によって装着され、例えば、ケーブル5を介してスマートフォンなどの携帯端末6と交信可能な状態で接続されている。
そして、図2に示すごとく、マイクロフォン付きイヤフォン1の本体ケース4は、使用者2の左耳(第一耳の一例)に装着するための本体ケース4aと、この本体ケース4aが左耳に装着された状態で、左耳の耳穴に挿入される第一スピーカ7aと、本体ケース4aが左耳に装着された状態で使用者2とは反対側に向けて配置された第一マイクロフォン8aとを備えている。
また、マイクロフォン付きイヤフォン1の本体ケース4は、使用者2の右耳(第二耳の一例)に装着するための本体ケース4bと、この本体ケース4bが右耳に装着された状態で、右耳の耳穴に挿入される第二スピーカ7bと、本体ケース4bが右耳に装着された状態で使用者2とは反対側に向けて配置された第二マイクロフォン8bとを備えている。
ここで、耳穴は例えば外耳道などである。
さらに、ケーブル5の一方の端部には携帯端末6に着脱可能に、かつ電気的に接続される電極プラグ9(第一接続部の一例)が設けられている。
この電極プラグ9は、信号端子10を有し、信号端子10は、例えば、直径が3.5mmの円柱状の端子であって、その端子の軸長方向に4極の電極を有する構成となっている。
そして、その4極の電極は、CTIA(Cellular Telephone Industry Association)規格においては、先端側からLeft端子10a、Right端子10b、Ground端子10c、Mic(マイクロフォン)端子10dの順に形成されており、近年、スマートフォンなどにはこの規格に対応したものが多く、一般的なものとなっている。
つまり、マイクロフォン入力用の端子はMic(マイクロフォン)端子10dのみであり、スマートフォンなどは一般的に音声入力がモノラルタイプとなっているのである。
なお、電極プラグ9において、信号端子10の一方の端部には、樹脂成形などによって形成された把持部9aが設けられている。つまり、本実施形態においては、把持部9aはMic(マイクロフォン)端子10d側に設けられているのである。
そして、この電極プラグ9を、図1に示す携帯端末6が備えている電極ジャック(第二接続部の一例、図示せず)に使用者2が把持部9aを摘んで挿入し、機械的かつ電気的に接続することによって、マイクロフォン付きイヤフォン1と携帯端末6とを交信可能な状態で接続させている。
したがって、電極プラグ9を挿入される携帯端末6の電極ジャックも、CTIA規格に対応して、一般的に音声入力がモノラルタイプとなっているのである。
図3は、このようにしてマイクロフォン付きイヤフォン1と携帯端末6とを交信可能な状態で接続させた聴力補助装置11のブロック図である。
この聴力補助装置11は、マイクロフォン付きイヤフォン1と携帯端末6とを備えている。
マイクロフォン付きイヤフォン1は、使用者2の左耳に装着される第一スピーカ7aと、この第一スピーカ7aの近傍に設けられた第一マイクロフォン8aと、を備え、この第一マイクロフォン8aには第一A/D変換部12aが接続されている。
第一A/D変換部12aは、第一マイクロフォン8aに入力された音声信号を、デジタル信号に変換する。
また、マイクロフォン付きイヤフォン1は、使用者2の右耳に装着される第二スピーカ7bと、この第二スピーカ7bの近傍に設けられた第二マイクロフォン8bと、を備え、この第二マイクロフォン8bには第二A/D変換部12bが接続されている。
第二A/D変換部12bは、第二マイクロフォン8bに入力された音声信号を、デジタル信号に変換する。
そして、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bは、それぞれ周波数変換部13に接続されている。
周波数変換部13は、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う。
具体的には、図4の(b)に示すように、例えば、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号のうち、右耳側の音声信号(図4のbに示すR1)を所定の周波数だけ高域側に変調させる。
さらに具体的には、例えば、人の可聴周波数範囲の高域側である20kHzだけ高域方向に変調させている。つまり、図4の(b)において右耳側の音声信号R1を周波数の高い方向(図4のbの右方向)にシフトさせているのである。
このようにして、右耳側の音声信号R1を人の可聴周波数範囲の高域側である20kHzだけ高域方向に変調させることによって、左耳側の音声信号(図4のbに示すL1)と右耳側の音声信号R1を電気的に明確に識別できるようにしているのである。
そして、所定の周波数だけ高域方向に変調させた右耳側の音声信号R1と、左耳側の音声信号L1を合成する。
合成した音声信号は、図4の(b)に示すごとく、周波数の低域側に左耳の音声信号L1が形成され、この左耳側の音声信号L1の高域側の終端部近傍から高音域側に向けて右耳の音声信号R1が形成されたものとなる。
すなわち、右耳側の音声信号R1と左耳側の音声信号L1が周波数の低音域側から高音域側に並んだ一つの音声信号となっているのである。
なお、図4の(a)から(c)に示す図は、第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bに入力された音声信号の状態を示すものであって、図の横軸が周波数、縦軸が音圧となっている。
このようにして、第一A/D変換部12aによってデジタル信号に変換された音声信号と第二A/D変換部12bによってデジタル信号に変換された音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成し、周波数の低域側から高域側に並べることによって一つのモノラルタイプの音声信号に変換させているのである。
そして、周波数変換部13によってモノラルタイプの音声信号に変換された音声信号は、図2に示すD/A変換部14によってアナログ信号に変換され、図1に示す電極プラグ9を介して携帯端末6に向けて出力されるのである。
なお、本実施形態においては、図5に示すごとく、第一A/D変換部12a、第二A/D変換部12bおよび周波数変換部13は、電極プラグ9の把持部9aに設けられている。
これにより、把持部9aは、電極プラグ9を使用者2が摘んで携帯端末6の電極ジャックに差し込みやすい適度な大きさとすることができ、使い勝手をよくすることができる。また、マイクロフォン付きイヤフォン1の本体ケース4と電極プラグ9を接続するケーブル5上などに設けなくて良いので、使用上の邪魔になり難く、使い勝手をよくすることができるのである。
また、マイクロフォン付きイヤフォン1のケーブル5は、電極プラグ9から本体ケース4の間で、本体ケース4aに接続するケーブル5aと本体ケース4bに接続するケーブル5bとに分岐している。
ケーブル5aは、第一スピーカ7aとLeft端子10aを接続する信号線5a1と、第一マイクロフォン8aとMic(マイクロフォン)端子10dを、第一A/D変換部12aおよび周波数変換部13を経由して接続する信号線5a2と、本体ケース4a内の電気部品とGround端子10cを接続する信号線5a3と、を有する構成となっている。
一方、ケーブル5bは、第二スピーカ7bとRight端子10bを接続する信号線5b1と、第二マイクロフォン8bとMic(マイクロフォン)端子10dを、第二A/D変換部12bおよび周波数変換部13を経由して接続する信号線5b2と、本体ケース4b内の電気部品とGround端子10cを接続する信号線5b3と、を有する構成となっている。
つまり、ケーブル5aおよびケーブル5bは、それぞれ三本の信号線を有する構成となっているのである。
電極プラグ9の把持部9aは、このような合計六本の信号線が集合する部分であるので外形は大きくなるが、その分、持ちやすく、よって携帯端末6の電極ジャックへの装着が容易となる。
なお、マイクロフォン付きイヤフォン1のGround端子10cは、携帯端末6の第二接続部を経由してグランドに接地されている。
このようにしてマイクロフォン付きイヤフォン1から出力された音声信号は、携帯端末6が備えている電極ジャックを介して携帯端末6に入力される。
携帯端末6は、図3に示すごとくマイクロフォン付きイヤフォン1に、第三A/D変換部15を介して接続された復元処理部16を備え、この復元処理部16には、補聴処理部17が接続されている。
また、第三A/D変換部15、復元処理部16および補聴処理部17には、制御部18がそれぞれ接続され、この制御部18には電源19が接続されている。
電源19は、マイクロフォン付きイヤフォン1および携帯端末6の各部に電力を供給する。電源19のマイナス電圧側はグランドに接地されている。
制御部18は、マイクロフォン付きイヤフォン1から入力された音声信号を、マイクロフォン付きイヤフォン1の周波数変換部13によって所定の周波数で変調して合成される前の状態に変換して、第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bに入力されたそれぞれの音声信号に復元する処理を復元処理部16に行わせるように制御する。
具体的には、図4の(c)に示すように、例えば、周波数変換部13によってモノラルタイプに変換された音声信号(図4のbに示すL1およびR1)を、左耳側の音声信号L2と右耳側の音声信号R2に分ける。
より詳細には、例えば、周波数帯域フィルタを用いて、左耳側の音声信号L2は低域を通過させる周波数帯域フィルタによって、右耳側の音声信号R2は高域を通過させる周波数帯域フィルタによってそれぞれ得ればよい。
そして、これらの分けられた音声信号において、例えば右耳側の音声信号R2は、高域方向に変調させた所定の周波数だけ低域方向に変調させる。
具体的には、本実施形態においては人の可聴周波数範囲の高域側である20kHzだけ高域方向に変調させているので、20kHzだけ低域方向に変調させればよい。
つまり、図4の(c)に示すように、右耳側の音声信号R2を周波数の低域方向(図4のcの左方向)にシフトさせるのである。
このようにして、マイクロフォン付きイヤフォン1の周波数変換部13によって所定の周波数で変調して合成される前の状態に、左耳側の音声信号L2および右耳側の音声信号R2がそれぞれ復元されるのである。
また、制御部18は、復元処理部16によって復元された左耳側の音声信号L2および右耳側の音声信号R2の補聴処理をそれぞれ補聴処理部17に行わせるよう制御する。ここで、補聴処理については、補聴器などにおいて行われている処理と同様であって既に広く知られている技術であるので、煩雑化を避けるためここでは説明を省略する。
そして、補聴処理部17によって補聴処理されたそれぞれの音声信号が、電極プラグ9および電極ジャックを介して携帯端末6からマイクロフォン付きイヤフォン1に入力され、第一スピーカ7aおよび第二スピーカ7bからステレオタイプの音声としてそれぞれ出力されるのである。
以上の構成において本実施形態では、図3に示す聴力補助装置11を用いて補聴処理を行う場合、次のような手順を実行することになる。
まずは、携帯端末6の入力部(図示せず)を操作して補聴処理アプリケーションを起動する。
なお、この補聴処理アプリケーション(例えば、一方の入力を上述のごとく高域側に変調し、その後低域側に復調する)は、携帯端末6が例えばスマートフォンであるときに、広く実行されているようにインターネットでソフトウェアセンター(図示せず)を検索し、次に、このソフトウェアセンターが保有する複数のアプリケーションから該当するアプリケーションを抽出し、ダウンロードすることによって携帯端末6のメモリー(図示せず)内に容易に格納することができる。
そして、この補聴処理アプリケーションを起動した状態で、マイクロフォン付きイヤフォン1の第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bに音声が入力される。
具体的には、図4の(a)に示すように、例えば、第一マイクロフォン8aから入力された音声は、左耳側の音声信号L0として入力され、第二マイクロフォン8bから入力された音声は、右耳側の音声信号R0として入力される。
第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bにそれぞれ音声が入力されると、続いて入力された音声がアナログ音声信号からデジタル音声信号に変換される(図4のS1)。
具体的には、本実施形態においては、第一マイクロフォン8aから入力された左耳側の音声信号L0は、第一A/D変換部12aによってデジタル音声信号に変換され、第二マイクロフォン8bから入力された右耳側の音声信号R0は、第二A/D変換部12bによってデジタル音声信号に変換される。
次に、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって変換されたそれぞれデジタル音声信号は周波数変換部13によって、周波数変換が行われる(図4のS2)。
具体的には、本実施形態においては、周波数変換部13は、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う。
そして、所定の周波数だけ高域方向に変調させた右耳側の音声信号R1と、左耳側の音声信号L1を合成する。
つまり、図4の(b)に示すごとく、周波数の低域側に左耳の音声信号L1が形成され、この左耳側の音声信号L1の高域側の終端部近傍から高音域側に向けて右耳の音声信号R1が形成されたものとしている。
このようにして、一つのモノラルタイプの音声信号に変換させるのである。
続いて、周波数変換部13によって周波数変換された音声信号は、D/A変換部14によってアナログ音声信号に変換される(図4のS3)。
そして、マイクロフォン付きイヤフォン1から出力され、携帯端末6の第三A/D変換部15に入力され、ここで再びデジタル音声信号へと変換される(図4のS4)。
第三A/D変換部15によって変換されたデジタル音声信号は、復元処理部16によって復元処理が行われる(図4のS5)。
具体的には、復元処理部16は、マイクロフォン付きイヤフォン1から入力された音声信号を、マイクロフォン付きイヤフォン1の周波数変換部13によって所定の周波数で変調して合成される前の状態に変換して、第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bに入力されたそれぞれの音声信号に復元する処理を行う。
より具体的には、図4の(c)に示すように、例えば、周波数変換部13によってモノラルタイプに変換された音声信号(図4のbに示すL1およびR1)を、左耳側の音声信号L2と右耳側の音声信号R2に分ける。
そして、これらの分けられた音声信号において、例えば右耳側の音声信号R2は、高域方向に変調させた所定の周波数だけ低域方向に変調させる。
このようにして、マイクロフォン付きイヤフォン1の周波数変換部13によって所定の周波数で変調して合成される前の状態に、左耳側の音声信号L2および右耳側の音声信号R2をそれぞれ復元するのである。
このようにして復元処理部16によって復元処理された音声信号は、補聴処理部17によって、各人の聴力に応じた増幅、つまり補聴処理が行われる(図4のS6)。
なお、各人の聴力に応じた補聴処理を行うためのフィッティングデータは予めこの補聴処理部17のメモリー(図示せず)に格納された状態となっている。
そして、補聴処理された音声信号が、マイクロフォン付きイヤフォン1の第一スピーカ7aおよび第二スピーカ7bからそれぞれ音声として出力される(図4のS7)。
このようにして、一般的にモノラルタイプの音声入力部である携帯端末6の電極ジャックを介してマイクロフォン付きイヤフォン1に入力された音声信号を携帯端末6に入力する場合に、マイクロフォン付きイヤフォン1の周波数変換部13によって第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bから入力されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成することによってモノラルタイプ化して入力する。
そして、このモノラルタイプ化された音声信号が携帯端末6に入力されると、携帯端末6の復元処理部16によって第一マイクロフォン8aおよび第二マイクロフォン8bから入力されたそれぞれの音声信号に再び復元して、それぞれの音声信号に対して補聴処理を行っている。
つまり、一旦、モノラルタイプ化した音声信号を再びステレオタイプに戻してから補聴処理を行うようにしているのである。
そして、補聴処理を行ったそれぞれの音声信号を第一スピーカ7aおよび第二スピーカ7bからそれぞれ出力させている。すなわち、使用者2の左耳および右耳に補聴処理したそれぞれの音声が第一スピーカ7aおよび第二スピーカ7bからそれぞれ出力されるのである。
したがって両耳で音を聞く場合のように、音がいずれの方向から聞こえてくるのかというような聞こえの方向感を実現することができ、使用者の満足感を高めることができるのである。
なお、本実施形態においては、周波数変換部13は、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号のうち、例えば右耳側の音声信号(図4のbに示すR1)を所定の周波数だけ高域方向に変調させる。さらに具体的には、例えば、人の可聴周波数範囲の高域側である20kHzだけ高域方向に変調させる例を用いて説明したが、これに限定されるものではない。左耳側の音声信号(図4のbに示すL1)と右耳側の音声信号R1を電気的に明確に識別できるように第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号のうち少なくとも一方を適宜変調させればよい。
つまり、第一A/D変換部12aおよび第二A/D変換部12bによって、それぞれデジタル信号に変換されたそれぞれの音声信号の両方を変調させてもよい。
また、単に人の可聴周波数範囲の高域側である20kHzだけ高域方向に変調させるだけではなく、周波数を圧縮するなどして変調させてもよい。
なお、上記実施形態では、 第一マイクロフォン8a、第二マイクロフォン8bから入力された音声を第一A/D変換部12a、第二A/D変換部12bで変換後、周波数変換部13によって周波数変換を行い、その後、D/A変換部14で再びアナログに変換する構成としているが、第一マイクロフォン8a、第二マイクロフォン8bから入力された音声をそのままアナログ状態で、周波数変換部13によって周波数変換を行い、その後、復元処理部16で復元処理することにより、左右の音声を復元する構成としてもよい。
以上のように本発明の聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォンにおいては、補聴器装着者は、両耳で音を聞く場合のように、音がいずれの方向から聞こえてくるのかというような聞こえの方向感を実現することができ、使用者の満足感の高いものとなる。
したがって、例えば、携帯端末に、聴力を補助するための処理を行うアプリケーションソフトウェアをインストールして使用する聴力補助装置、およびそのマイクロフォン付きイヤフォンとしての活用が大いに期待されるものとなるのである。
1 マイクロフォン付きイヤフォン
2 使用者
3 耳
4 本体ケース
4a 本体ケース
4b 本体ケース
5 ケーブル
5a ケーブル
5b ケーブル
6 携帯端末
7a 第一スピーカ
7b 第二スピーカ
8a 第一マイクロフォン
8b 第二マイクロフォン
9 電極プラグ
9a 把持部
10 信号端子
10a Left端子
10b Right端子
10c Ground端子
10d Mic(マイクロフォン)端子
11 聴力補助装置
12a 第一A/D変換部
12b 第二A/D変換部
13 周波数変換部
14 D/A変換部
15 第三A/D変換部
16 復元処理部
17 補聴処理部
18 制御部
19 電源
2 使用者
3 耳
4 本体ケース
4a 本体ケース
4b 本体ケース
5 ケーブル
5a ケーブル
5b ケーブル
6 携帯端末
7a 第一スピーカ
7b 第二スピーカ
8a 第一マイクロフォン
8b 第二マイクロフォン
9 電極プラグ
9a 把持部
10 信号端子
10a Left端子
10b Right端子
10c Ground端子
10d Mic(マイクロフォン)端子
11 聴力補助装置
12a 第一A/D変換部
12b 第二A/D変換部
13 周波数変換部
14 D/A変換部
15 第三A/D変換部
16 復元処理部
17 補聴処理部
18 制御部
19 電源
Claims (8)
- 携帯端末と、この携帯端末と交信するマイクロフォン付きイヤフォンとを備える聴力補助装置であって、
前記マイクロフォン付きイヤフォンは、
使用者の第一耳に装着される第一スピーカと、
この第一スピーカの近傍に設けられた第一マイクロフォンと、
前記使用者の第二耳に装着される第二スピーカと、
この第二スピーカの近傍に設けられた第二マイクロフォンと、
前記第一マイクロフォンに入力された音声信号と、前記第二マイクロフォンに入力された音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う周波数変換部と、
この周波数変換部で処理した音声信号を前記携帯端末に出力する第一接続部と、を有し、
前記携帯端末は、
前記マイクロフォン付きイヤフォンの前記第一接続部に接続される第二接続部と、
この第二接続部から入力された音声信号を前記第一マイクロフォンおよび前記第二マイクロフォンに入力されたそれぞれの音声信号に復元する復元処理部と、
この復元処理部によって復元されたそれぞれの音声信号を補聴処理する補聴処理部と、
この補聴処理部および前記復元処理部に接続された制御部と、を備えた聴力補助装置。 - 携帯端末と、この携帯端末と交信するマイクロフォン付きイヤフォンとを備える聴力補助装置であって、
前記マイクロフォン付きイヤフォンは、
使用者の第一耳に装着される第一スピーカと、
この第一スピーカの近傍に設けられた第一マイクロフォンと、
前記使用者の第二耳に装着される第二スピーカと、
この第二スピーカの近傍に設けられた第二マイクロフォンと、
前記第一マイクロフォンに入力された音声信号をデジタル信号に変換する第一A/D変換部と、
前記第二マイクロフォンに入力された音声信号をデジタル信号に変換する第二A/D変換部と、
前記第一A/D変換部および前記第二A/D変換部によってA/D変換されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う周波数変換部と、
この周波数変換部で処理した音声信号を前記携帯端末に出力する第一接続部と、を有し、
前記携帯端末は、
前記マイクロフォン付きイヤフォンの前記第一接続部に接続される第二接続部と、
この第二接続部から入力された音声信号を前記第一マイクロフォンおよび前記第二マイクロフォンに入力されたそれぞれの音声信号に復元する復元処理部と、
この復元処理部によって復元されたそれぞれの音声信号を補聴処理する補聴処理部と、
この補聴処理部および前記復元処理部に接続された制御部と、を備えた聴力補助装置。 - 前記周波数変換部において、音声信号を変調する前記所定の周波数は、人の可聴周波数範囲を除く周波数である構成とした請求項2に記載の聴力補助装置。
- 前記周波数変換部において、音声信号を変調する前記所定の周波数は20kHz以上である構成とした請求項3に記載の聴力補助装置。
- 使用者の第一耳に装着される第一スピーカと、
この第一スピーカの近傍に設けられた第一マイクロフォンと、
前記使用者の第二耳に装着される第二スピーカと、
この第二スピーカの近傍に設けられた第二マイクロフォンと、
前記第一マイクロフォンに入力された音声信号をデジタル信号に変換する第一A/D変換部と、
前記第二マイクロフォンに入力された音声信号をデジタル信号に変換する第二A/D変換部と、
前記第一A/D変換部および前記第二A/D変換部によってA/D変換されたそれぞれの音声信号を、少なくとも一方を所定の周波数で変調して合成する処理を行う周波数変換部と、
この周波数変換部で処理した音声信号を出力する第一接続部と、を備えたマイクロフォン付きイヤフォン。 - 前記周波数変換部において、音声信号を変調する前記所定の周波数は、人の可聴周波数範囲を除く周波数である構成とした請求項5に記載のマイクロフォン付きイヤフォン。
- 前記周波数変換部において、音声信号を変調する前記所定の周波数は20kHz以上である構成とした請求項6に記載のマイクロフォン付きイヤフォン。
- 前記第一接続部は、前記周波数変換部で処理した音声信号を出力する信号端子と、この信号端子の端部に設けられた把持部を有し、
この把持部に前記第一A/D変換部、第二A/D変換部および前記周波数変換部を備える構成とした請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のマイクロフォン付きイヤフォン。
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WO2017183789A1 (ko) * | 2016-04-19 | 2017-10-26 | 주식회사 오르페오사운드웍스 | 이어셋의 음색 보상 장치 및 방법 |
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2014
- 2014-03-27 JP JP2014065190A patent/JP2015188177A/ja active Pending
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